Dictionary Search

苦戦

くせん【苦戦】
<have> a desperate fight; <have> a close contest (競技など).〜する fight desperately;fight against heavy odds.

苦戦

くせん [0][2] 【苦戦】 (名)スル
(1)手強い敵や不利な状況に苦しみつつ戦うこと。
⇔善戦
「思わぬ相手に―する」「―を強いられる」
(2)(比喩的に)不利な条件や困難な状況のもとで物事をなしとげようとして苦心すること。「とにかく敵手(アイテ)は親といふので渋谷の方でも―で/二人女房(紅葉)」

苦扁桃

くへんとう [0] 【苦扁桃】
アーモンドの一品種。その種子が苦みをもつもので,せきどめなどの薬用にする。

苦扁桃水

くへんとうすい [4] 【苦扁桃水】
苦扁桃の種子をしぼり,脂肪油を除いて乾燥粉末とし,水に溶かしたもの。せきどめなどの鎮静作用があり,また矯臭剤としても用いられる。

苦扁桃油

くへんとうゆ [4] 【苦扁桃油】
苦扁桃の種子から油をしぼったしぼりかすを発酵させ,水蒸気蒸留して得る芳香のある油。ベンズアルデヒドを主成分とする。香料用。

苦手

にがて [0][3] 【苦手】
(1)扱いにくい相手。そりが合わない相手。「あの人はどうも―だ」
(2)得意でないこと。不得手。「―な科目」
(3)爪がにがく,手に毒があるという手。不思議な力があり,その手でおさえると腹の痛みが消えるなどという。「私の―薬なりと夜明がた迄さすりける程に/浮世草子・一代女 2」

苦手

にがて【苦手】
(1)[人]an undesirable opponent.(2)[事]a weak point.彼は〜だ He is hard to deal with.…が〜だ be weak in <English> .

苦木

にがき [0] 【苦木】
ニガキ科の落葉高木。山地に自生。高さ約10メートル。葉は互生し,大形の羽状複葉。小葉は対生する。枝・葉に強い苦みがある。木部を苦味健胃薬とし,材は緻密で器具・細工物とする。クボク。
苦木[図]

苦木

くぼく [0] 【苦木】
⇒にがき(苦木)

苦杯

くはい [0] 【苦杯】
〔苦い汁を入れた杯の意〕
つらい経験。自分にとって苦しい出来事。

苦杯をなめる

くはい【苦杯をなめる】
suffer a defeat;→英和
have a bitter experience.

苦果

くか [1] 【苦果】
悪業のむくいとしてうける苦しみ。「火穴湯の―,あへて疑なし/平家 10」

苦栗茸

にがくりたけ [4][3] 【苦栗茸】
坦子菌類ハラタケ目の毒きのこ。春から秋にかけて各地の林の中の切り株などに多数群生する。食用のクリタケに似るが小形で傘は径2〜5センチメートル,全体が硫黄色で苦みがある。

苦楚

くそ [1][2] 【苦楚】
苦しみ。辛苦。「監獄の―を経験したるクロポトキンは/復活(魯庵)」

苦業

くごう [1][0] 【苦業】
〔仏〕 苦を生む行為。また,そのむくいとして受ける苦。

苦楽

くらく [1] 【苦楽】
苦しみと楽しみ。苦しいことと楽しいこと。「―をともにする」

苦楽を共にする

くらく【苦楽を共にする】
share one's fortunes[joys and sorrows] <with> .

苦死

くし [1] 【苦死】 (名)スル
苦労や苦悩のうちに死ぬこと。「家を興して辛苦中に―すれば/福翁百余話(諭吉)」

苦水

にがみず [2] 【苦水】
にがい水。転じて,苦い経験,苦汁(クジユウ)。「―を飲ませる」

苦汁

くじゅう [0] 【苦汁】
にがみのある汁。にがい汁。

苦汁

にがり【苦汁】
bittern;→英和
brine.→英和

苦汁

にがり [0][3] 【苦汁】
海水から食塩を結晶させた残りの苦みをもつ溶液。塩化マグネシウム・硫酸マグネシウム・塩化カリウムなどを含み,古くから豆腐を固める材料として用いられる。にがしお。くじゅう。

苦汗制度

くかんせいど [4] 【苦汗制度】
〔sweating system〕
請負制度の下での中間搾取により,労働者をきわめて劣悪な労働条件のもとに働かせる労働体制。

苦況

くきょう [0] 【苦況】
苦しい状況。苦しいありさま。

苦海

くかい [0] 【苦海】
〔「くがい」とも〕
〔仏〕 苦しみが深く果てしない人間界を,海にたとえていう語。苦界。

苦渋

くじゅう [0] 【苦渋】 (名)スル
物事が思いどおりに行かず,苦しくつらい思いをすること。「―の色を浮かべる」「―に満ちた顔」「難問をかかえて―している」

苦潮

にがしお [0] 【苦潮】
赤潮(アカシオ)の別名。[季]夏。

苦灰石

くかいせき ククワイ― [2] 【苦灰石】
⇒ドロマイト

苦熱

くねつ [1] 【苦熱】
暑さによる苦しみ。また,その暑さ。

苦爪

くづめ [1] 【苦爪】
苦労しているときは爪ののび方が早いということ。

苦爪楽髪

くづめらくがみ [1] 【苦爪楽髪】
苦労しているときは爪ののびが早く,楽をしているときは髪ののびが早いということ。「苦髪楽爪」とも。

苦瓜

にがうり [2] 【苦瓜】
ツルレイシの別名。[季]秋。

苦界

くがい [0][1] 【苦界】
(1)〔仏〕 苦しみや悩みの多い世界,すなわち人間世界。
(2)〔「公界(クガイ)」を「苦海」の意にとって〕
遊女のつらい境遇。遊女の世界。公界(クガイ)。「―に身を沈める」「生まれ故郷のなじみの中で―をするも亦よからう/人情本・梅児誉美(後)」

苦界十年

くがいじゅうねん 【苦界十年】
〔江戸時代,遊女の年季は10年以内とされていたのでいう〕
遊女勤めをすること。

苦痛

くつう【苦痛】
(a) pain;→英和
a pang.→英和

苦痛

くつう [0] 【苦痛】 (名)スル
(1)肉体の苦しみや痛み。痛みに苦しむこと。
(2)精神的な苦しみ。悩み。苦悩。「大事に当り心の独立を成さずして,徒(イタズラ)に―する者と云ふ可し/福翁百余話(諭吉)」

苦竹

にがたけ [2] 【苦竹】
〔そのタケノコに苦みがあるので〕
マダケ・メダケの別名。

苦竹

くちく [0] 【苦竹】
植物マダケの異名。にがたけ。

苦笑

くしょう【苦笑】
<smile> a bitter[wry]smile.→英和
〜する force a smile.

苦笑

くしょう [0] 【苦笑】 (名)スル
〔「苦笑(ニガワライ)」を音読してできた語〕
心中の不快や動揺などをまぎらす笑い。「―をもらす」「痛い所をつかれて―する」

苦笑い

にがわらい [3] 【苦笑い】 (名)スル
にがにがしく感じながらも怒ることもできず,笑いに紛らすこと。また,その笑い。苦笑(クシヨウ)。「息子に意見されて―する」

苦笑い

にがわらい【苦笑い】
a bitter smile.〜する smile bitterly.

苦節

くせつ [0][2] 【苦節】
苦しみに負けず,自分の考えや態度を守りぬくこと。また,その心。「―十年」

苦節

くせつ【苦節(十年)】
(ten years of) dogged perseverance.

苦肉

くにく [0] 【苦肉】
(相手をあざむくために)自分の身を苦しめること。

苦肉の策

くにく【苦肉の策】
<take> a devperate measure;the last resort.

苦艱

くげん [0][1] 【苦艱】
〔「げん」は呉音〕
苦しみ。苦難。「人手を藉(カ)りて―を脱(ヌ)けるより外は無い/多情多恨(紅葉)」

苦艱

くかん [0] 【苦艱】
苦しみと悩み。難儀。「袂を分つはただ一瞬の―なりと思ひしは/舞姫(鴎外)」

苦色

にがいろ [0] 【苦色】
(1)黒みの香色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は濃い苦色,裏は二藍(フタアイ)。四季通用。

苦艾

にがよもぎ [3] 【苦艾】
キク科の多年草または半低木。ヨーロッパ原産。全形はヨモギに似るが,芳香と苦みがある。夏,多数の淡黄色の頭花を円錐花序につける。全草を健胃薬に利用,葉はアブサンの原料とする。クガイ。

苦艾

にがよもぎ【苦艾】
《植》a wormwood.→英和

苦艾

くがい [0] 【苦艾】
ニガヨモギの漢名。

苦艾油

くがいゆ [2] 【苦艾油】
ニガヨモギから取った暗緑色で臭気の強い油。アブサンの製造に用いた。

苦苦しい

にがにがし・い [5] 【苦苦しい】 (形)[文]シク にがにが・し
非常に不愉快だ。たまらなくいやだ。「乱れた世相を―・く思う」「―・い顔つき」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

苦茗

くめい [0] 【苦茗】
にがい茶。品質の悪い茶。

苦菜

にがな [0] 【苦菜】
キク科の多年草。山野に普通に見られる。切ると苦みのある白汁が出る。高さ約30センチメートル。根葉は倒披針形。初夏,黄色の頭花を多数つける。舌状花は普通五〜七個だが変異が多い。
苦菜[図]

苦萵苣

にがぢしゃ [0] 【苦萵苣】
エンダイブの別名。

苦虫

にがむし [2] 【苦虫】
かんだら苦いだろうと思われる虫。

苦虫をかみつぶしたような顔をする

にがむし【苦虫をかみつぶしたような顔をする】
make a sour face;scowl <at> .→英和

苦行

くぎょう [0] 【苦行】 (名)スル
(1)つらく骨の折れるおこない。苦痛。「難行(ナンギヨウ)―」
(2)〔仏〕 肉体にきびしい苦痛を与え,それに耐えることによって悟りを得ようとする修行。断食・不眠など。「―僧」

苦行

くぎょう【苦行】
<do> penance;→英和
<practice> asceticism.→英和

苦行釈迦

くぎょうしゃか [4] 【苦行釈迦】
苦行中の仏陀の姿を刻んだ仏像彫刻。また,その主題。

苦衷

くちゅう【苦衷】
the anguish of one's heart.〜を察する sympathize with a person in his predicament.

苦衷

くちゅう [0] 【苦衷】
苦しく,つらい心のうち。「彼の―は察するに余りある」

苦言

くげん【苦言】
<give> candid[outspoken]advice <to> .

苦言

くげん [0] 【苦言】
言われる人にとってはいい気はしないが,その人のためにあえて言う忠告。
⇔甘言
「―を呈する」

苦諦

くたい [0] 【苦諦】
〔仏〕 四諦(シタイ)の一。煩悩(ボンノウ)をもつ者の世界に起こることは皆苦であるということ。苦聖諦(クシヨウタイ)。

苦諫

くかん [0] 【苦諫】 (名)スル
苦言をもっていさめること。

苦輪

くりん [0] 【苦輪】
〔仏〕 生死の苦しみが,車輪が回り続けるように永久にやまぬこと。苦の輪廻(リンネ)。

苦辛

くしん [0] 【苦辛】 (名)スル
非常に苦しむこと。辛苦。「種々(サマザマ)に―して,遂に夜陰に事を成さんと決定したるその手順は/鬼啾々(夢柳)」

苦酒

からざけ 【苦酒・辛酒】
酢の古名。[和名抄]

苦鉄質鉱物

くてつしつこうぶつ [6] 【苦鉄質鉱物】
マグネシウムと鉄に富むケイ酸塩鉱物。有色鉱物。

苦闘

くとう【苦闘】
a <long> struggle <with disease> .→英和

苦闘

くとう [0] 【苦闘】 (名)スル
(1)強敵などを相手に必死に戦うこと。苦しいたたかい。苦戦。「悪戦―の連続」
(2)困難にうちかとうとして必死になって努力すること。「一家の生計を支えるために―する」

苦集滅道

くじゅうめつどう クジフメツダウ 【苦集滅道】
〔仏〕
〔「苦集」は「くじゅ」とも〕
初期仏教の根本的な教義である四諦(シタイ)のこと。「苦」とは人間の生が苦しみであること,「集」とは煩悩(ボンノウ)による行為が集まって苦を生みだすこと,「滅」とは煩悩を絶滅することで涅槃(ネハン)に達すること,「道」とはそのために八正道に励むべきであることをいう。四聖諦(シシヨウタイ)。くじゅ滅道。

苦難

くなん【苦難】
distress;→英和
hardship(s).→英和

苦難

くなん [1][0] 【苦難】
苦しみや難儀。「―を乗り切る」

苦髪楽爪

くがみらくづめ [1] 【苦髪楽爪】
苦労しているときは髪の伸びが早く,楽をしているときは爪の伸びが早いということ。「楽爪苦髪」「苦爪楽髪」ともいう。

お ヲ 【麻・苧】
(1)アサの古名。「―の畠あり/宇治拾遺 12」
(2)アサやカラムシの繊維を紡いだ糸。「―をよりて/土左」

からむし [2][0] 【苧・苧麻】
イラクサ科の多年草。原野に自生し,また畑で栽培する。高さ1メートル以上に達する。葉は広卵形で,下面に白綿毛を密生する。七,八月頃,葉腋に円錐花序をつけて,黄白色の小花を多数密生する。茎の繊維を織物などに用いる。苧麻(チヨマ)。マオ。[季]夏。

むし 【苧】
「からむし(苧)」に同じ。

苧実

おのみ ヲ― [1] 【麻実・苧実】
「麻(アサ)の実」の別名。
→麻子仁(マシニン)

苧屑頭巾

おくそずきん ヲクソヅキン [4][5] 【苧屑頭巾】
「ほくそずきん(苧屑頭巾)」に同じ。

苧屑頭巾

ほくそずきん [4][5] 【苧屑頭巾】
〔「ほくそ」は「おくそ」の転〕
植物カラムシの茎で作った,頭全体を包む頭巾。鷹匠・猟師などが用いた。からむし頭巾。おがら頭巾。おくそ頭巾。
苧屑頭巾[図]

苧桛

おがせ ヲ― 【麻桛・苧桛・纑】
(1)麻をよって糸にし,枠にかけて巻き取ったもの。また,その枠。「月ばた日ばたをおつた―を返せといふて下されい/狂言・吃(虎寛本)」
(2)乱れもつれるさまのたとえ。「恋に心を捻(ヒネ)り麻(ソ)の―乱いた胸のうち/浄瑠璃・丹波与作(中)」

苧殻

おがら ヲ― [0] 【麻幹・苧殻】
皮をはぎ取った麻の茎。盂蘭盆(ウラボン)の迎え火・送り火にたき,また,供え物に添える箸(ハシ)とする。あさがら。[季]秋。

苧物

まもの 【麻物・苧物】
麻を縒(ヨ)った紐(ヒモ)・綱。「挺の―に縛りあげ/浄瑠璃・扇八景」

苧環

おだまき ヲ― [2] 【苧環】
(1)つむいだ麻糸を巻いて中空の玉にしたもの。おだま。
(2) [2][0]
「苧環蒸(ム)し」の略。
(3)生菓子の一。餡入りの餅に,そば粉の筋をつけて蒸し上げたもの。
(4)キンポウゲ科の多年草。観賞用に栽培される。根生葉は長い柄をもち,掌状の三小葉に分かれ,白緑色。四〜五月頃,長い花茎の先に青紫色の花を開く。花弁は基部が距(キヨ)となってかぎ状に曲がる。萼片は花弁状で平開する。[季]春。
(5)枝も葉もない枯れ木。「谷深くたつ―は我なれや/狭衣 3」
苧環(1)[図]
苧環(4)[図]

苧環蒸

おだまきむし ヲ― [0] 【苧環蒸(し)・小田巻蒸(し)】
茶碗蒸しの一。ゆでたうどんまたはそばに,鶏肉・三つ葉・かまぼこ・椎茸・銀杏(ギンナン)などの具を加え,とき卵をかけて蒸した料理。おだまき。

苧環蒸し

おだまきむし ヲ― [0] 【苧環蒸(し)・小田巻蒸(し)】
茶碗蒸しの一。ゆでたうどんまたはそばに,鶏肉・三つ葉・かまぼこ・椎茸・銀杏(ギンナン)などの具を加え,とき卵をかけて蒸した料理。おだまき。

苧綱

おづな ヲ― [1] 【苧綱】
麻でなった綱。非常に丈夫で,船の綱として最上とされ,古代から近世に至るまで用いられた。

苧績

おうみ ヲ― 【苧績】
青麻(アオソ)を裂き,縒(ヨ)って糸にすること。

苧頭巾

からむしずきん 【苧頭巾】
⇒苧屑頭巾(ホクソズキン)

苧麻

まお 【真麻・苧麻】
(1)カラムシの別名。また,カラムシの茎の繊維で作った麻糸。[季]夏。
(2)〔「間男(マオ)」と同音であることから〕
密通。また,まおとこ。

苧麻

ちょま [1] 【苧麻】
カラムシの別名。また,その茎の皮から取った繊維。精製したもので織った布は上布。ラミー。

苧麻

からむし [2][0] 【苧・苧麻】
イラクサ科の多年草。原野に自生し,また畑で栽培する。高さ1メートル以上に達する。葉は広卵形で,下面に白綿毛を密生する。七,八月頃,葉腋に円錐花序をつけて,黄白色の小花を多数密生する。茎の繊維を織物などに用いる。苧麻(チヨマ)。マオ。[季]夏。

とま【苫】
a rush mat.

とま [1] 【苫・篷】
菅(スゲ)・茅(カヤ)などで編んで作ったもの。船などを覆い,雨露をしのぐのに用いる。「―葺(ブ)き」

苫小牧

とまこまい 【苫小牧】
北海道南西部,太平洋に面する市。製紙業に加え,内陸掘込港の開設により総合工業地として発展。

苫屋

とまや [0][2] 【苫屋】
苫で屋根を葺(フ)いた,粗末な家。苫の屋。苫屋形。

苫屋貝

とまやがい [3] 【苫屋貝】
海産の二枚貝。貝殻は厚くほぼ方形で,殻長3センチメートル内外。殻の表面に太い畝(ウネ)状の肋(ロク)があり,外面は灰褐色,内面は白色で,陶器質。潮間帯の岩礁に足糸で付着する。本州以南に分布。

苫庇

とまびさし [3] 【苫庇】
苫で葺(フ)いた庇。

苫舟

とまぶね [3][0] 【苫舟】
苫で屋根を葺(フ)いた舟。

苫葺き

とまぶき [0] 【苫葺き】
苫で屋根を葺(フ)くこと。また,その屋根。

えい [1] 【英】
「イギリス(英吉利)」の略。「日・独・―三国」

はなぶさ [2] 【花房・英】
(1)花が房状に群がり咲いているもの。また,その花。
(2)花の萼(ガク)。[和名抄]

はなぶさ 【英】
姓氏の一。

英トン

えいトン [0] 【英―】
⇒トン(1)
 (イ)

英トン

えいトン【英トン】
a gross ton;a long ton.

英一蝶

はなぶさいっちょう 【英一蝶】
(1652-1724) 江戸前・中期の画家。京都の人。江戸に出て狩野安信に師事し多賀朝湖と称したが,幕府の怒りに触れて伊豆三宅島に流された。赦免後,英一蝶と改名。軽妙な筆で市井の風俗を描いた。俳諧・書もよくした。

英主

えいしゅ [1] 【英主】
すぐれた君主。英明な君主。

英京

えいきょう [0] 【英京】
イギリスの首都。えいけい。

英人

えいじん [0] 【英人】
英国人。イギリス人。

英仏

えいふつ [1] 【英仏】
イギリスとフランス。

英仏の

えいふつ【英仏の】
Anglo-French.

英仏協商

えいふつきょうしょう 【英仏協商】
1904年イギリス・フランス両国間に結ばれた協定。ドイツに対抗,これを包囲するため,エジプト・モロッコにおける相互の優越権を認めた。
→三国協商

英仏海峡

えいふつかいきょう 【英仏海峡】
ドーバー海峡の別名。

英仏海峡トンネル

えいふつかいきょうトンネル 【英仏海峡―】
⇒ユーロ-トンネル

英会話

えいかいわ [3] 【英会話】
英語で話をかわすこと。

英会話

えいかいわ【英会話】
English conversation.

英作文

えいさくぶん [3] 【英作文】
英語で文章を書くこと。また,その英文。英作。

英俊

えいしゅん [0] 【英俊】
才知のすぐれていること。また,その人。俊英。

英傑

えいけつ [0] 【英傑】
知恵・才能・実行力などにすぐれた人。英雄豪傑。「維新の―」

英名

えいめい [0] 【英名】
すばらしい評判。名声。「―をとどろかす」「―赫々(カツカク)」

英君

えいくん [1] 【英君】
才知にすぐれた君主。

英和

えいわ [0] 【英和】
(1)英語と日本語。「―対訳」
(2)「英和辞典」の略。

英和対訳袖珍辞書

えいわたいやくしゅうちんじしょ 【英和対訳袖珍辞書】
英和辞書。一巻。幕府の命により堀達之助が主任となって編纂し,1862年,洋書調所から刊行。

英和辞典

えいわじてん [4] 【英和辞典】
英語の単語・熟語・句などの意味・用法を日本語で説明した辞典。
⇔和英辞典

英和辞典

えいわ【英和辞典】
an English-Japanese dictionary.

英哲

えいてつ [0] 【英哲】
すぐれて聡明なこと。また,その人。

英図

えいと [1] 【英図】
すぐれた計略・意図。

英国

えいこく【英国】
England;→英和
(Great) Britain;→英和
the United Kingdom <U.K.> ;the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (公式名).〜の English;→英和
British.→英和
‖英国々旗 the Union Jack.英国人 an Englishman;an Englishwoman (女);the English[British](総称).英(国)連邦 ⇒英連邦.

英国

えいこく [0] 【英国】
〔イギリスを「英吉利」と書いたところから〕
イギリスのこと。

英国国教会

えいこくこっきょうかい 【英国国教会】
⇒イギリス国教会(コツキヨウカイ)

英姿

えいし [1] 【英姿】
勇ましい姿。立派な姿。

英姿

えいし【英姿】
a gallant figure.

英字

えいじ【英字】
English letters.英字新聞 an English(-language) newspaper.

英字

えいじ [0] 【英字】
(1)英語を表記するための文字。ローマ字。
(2)英語。「―新聞」

英学

えいがく [0] 【英学】
(1)(蘭学などに対して)英語によってする学問。
(2)英語・英文学あるいはイギリスに関する学問。

英宗

えいそう 【英宗】
(1427-1464) 中国,明の第六・八代皇帝(在位(1435-1449),(1457-1464))。正統帝・天順帝。宦官王振の勧めでオイラートに親征し,1449年土木堡で捕虜となった(土木の変)。翌年帰国し,景帝没後復位した。
→土木の変

英尺

えいしゃく [0] 【英尺】
〔「えいじゃく」とも〕
長さの単位。フートおよびフィートのこと。

英布

えいふ 【英布】
(?-前195) 中国,秦末・漢初の武将。黥刑(ゲイケイ)を受けたので,黥布と称される。安徽(アンキ)の人。陳勝の挙兵に応じ,のち項羽の部将として活躍。漢に下り項羽を討って淮南王(ワイナンオウ)となるが,高祖に討たれた。

英彦山

えひこさん 【英彦山】
⇒ひこさん(英彦山)

英彦山

ひこさん 【英彦山・彦山】
福岡・大分両県境にある奇石・奇峰に富む火山群の主峰。海抜1200メートル。中岳に修験道場として栄えた英彦山神社がある。えひこさん。

英彦山権現

ひこさんごんげん 【英彦山権現】
英彦山神社の旧称。

英彦山派

ひこさんは 【英彦山派】
英彦山を本山として,そこで修行を重ねる修験道の一派。

英彦山神社

ひこさんじんじゃ 【英彦山神社】
英彦山上にある神社。祭神は天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)。修験者の修行場として有名。現在名,英彦山神宮。彦山権現。

英彦山神社

えひこさんじんじゃ 【英彦山神社】
⇒ひこさんじんじゃ(英彦山神社)

英彦山衆

ひこさんしゅう [3] 【英彦山衆】
英彦山を本山とし,そこで修行を重ねる山伏衆。

英志

えいし [1] 【英志】
立派な志。

英才

えいさい [0] 【英才・穎才】
すぐれた才能。また,その持ち主。秀才。

英才

えいさい【英才】
(a) genius;→英和
(a) talent;→英和
a gifted person.英才教育 special education for the gifted.→英和

英才教育

えいさいきょういく [5] 【英才教育】
特にすぐれた知能や才能をもった児童・生徒に対し,その能力を伸ばすために行う特別の教育。

英数字

えいすうじ [3] 【英数字】
英字と算用数字。

英文

えいぶん【英文】
English (writing).→英和
〜がじょうずである write good English.〜で[の]in English.英文タイプ English typing.英文法 English grammar.

英文

えいぶん [0] 【英文】
(1)英語で書かれた文章。「―和訳」
(2)「英文学」の略。
(3)「英文科」「英文学科」の略。

英文典

えいぶんてん [3] 【英文典】
英語の文法を体系的に記述した書物。

英文学

えいぶんがく【英文学】
English literature.英文学史(者) a history (scholar) of English literature.英文学科 a department of English (language and literature).

英文学

えいぶんがく [3] 【英文学】
(1)イギリスの文学。
(2)英語で書かれた文学。また,それを研究する学問。

英文法

えいぶんぽう [3] 【英文法】
英語の文法。

英文科

えいぶんか [0] 【英文科】
大学で,英米文学を研究する学科。英文学科。

英斤

えいきん [0] 【英斤】
質量の単位。ポンド。

英断

えいだん【英断(を下す)】
(take) a resolute step[drastic measures].

英断

えいだん [0] 【英断】
思いきりよく物事をきめること。すぐれた決断。「―を下す」「大―」

英明

えいめい [0] 【英明】 (名・形動)[文]ナリ
すぐれて賢い・こと(さま)。「―な君主」「―果断」
[派生] ――さ(名)

英智

えいち [1] 【英知・英智・叡知・叡智】
(1)すぐれた知恵。深い知性。「―にあふれる」
(2)〔哲〕 真実在や真理を捉(トラ)えることのできる最高の認識能力。

英書

えいしょ [0] 【英書】
英語で書かれた書物。

英検

えいけん [0] 【英検】
「実用英語技能検定」の略。

英武

えいぶ [1] 【英武】
武勇にすぐれること。豪武。

英気

えいき [1] 【英気】
(1)人より優れた才気・気性。
(2)物事に立ち向かおうとする気力。元気。「―を養う」

英泉

えいせん 【英泉】
⇒渓斎(ケイサイ)英泉

英法

えいほう [0] 【英法】
イギリスの法律。

英照皇太后

えいしょうこうたいこう エイセウクワウタイコウ 【英照皇太后】
(1833-1897) 明治天皇の嫡母。名は夙子(アサコ)。九条尚忠の娘。孝明天皇皇太子時代に御息所。1868年(明治1)皇太后宣下。

英物

えいぶつ [0] 【英物】
才能・人格などにすぐれた人。

英独の

えいどく【英独の】
Anglo-German.

英独海軍協定

えいどくかいぐんきょうてい 【英独海軍協定】
1935年ナチス-ドイツの提唱で,ドイツの軍艦保有量をイギリスの35パーセントまで増強することを認めた協定。イギリスの対独宥和(ユウワ)政策の一。

英略

えいりゃく [0] 【英略】
ひいでたはかりごと。

英知

えいち【英知】
wisdom;→英和
intellect.→英和

英知

えいち [1] 【英知・英智・叡知・叡智】
(1)すぐれた知恵。深い知性。「―にあふれる」
(2)〔哲〕 真実在や真理を捉(トラ)えることのできる最高の認識能力。

英知大学

えいちだいがく 【英知大学】
私立大学の一。1963年(昭和38)カトリック大阪司教区により設立。本部は尼崎市。

英米

えいべい [1] 【英米】
イギリスとアメリカ。「―文学」

英米の

えいべい【英米の】
Anglo-American.

英米法

えいべいほう [0][3] 【英米法】
イギリスの法律およびそれを受け継いで発展したアメリカの法律の総称。判例法・慣習法を中心とする。
→大陸法

英緬戦争

えいめんせんそう 【英緬戦争】
イギリスとビルマ(アラウンパヤー朝)との間で,1824〜86年の間に三次にわたって戦われた戦争。アラウンパヤー朝は滅び,ビルマはイギリスの植民地となった。イギリス-ビルマ戦争。ビルマ戦争。

英英

えいえい [0] 【英英】 (形動タリ)
(雲などが)美しく盛んなさま。「空に紫の雲気たなびき,斗牛の間に―たり/浄瑠璃・嫗山姥」

英草紙

はなぶさそうし 【英草紙】
読本。五巻。近路行者(キンロギヨウジヤ)(都賀庭鐘)作。1749年刊。「今古奇観」などの中国白話小説を翻案したもの。九編から成る。読本の祖といわれる。古今奇談英草子。

英華

えいか [1] 【英華】
(1)優れた美しさ。優れた才能。
(2)優れた詩や文章。

英華字典

えいかじてん エイクワ― 【英華字典】
英語中国語の対訳辞書。ロブシャイド著。1866年から69年にかけて,香港で刊行。のちの英和辞書編纂に大きな影響を与えた。

英蘭

えいらん [1] 【英蘭】
英吉利(イギリス)と和蘭(オランダ)。

英蘭戦争

えいらんせんそう 【英蘭戦争】
一七世紀後半,イギリス・オランダ両国間の戦争。イギリスの航海法を原因とし,第一回(1652-1654)・第二回(1665-1667)・第三回(1672-1674)の三回戦われ,オランダは制海権を失った。イギリス-オランダ戦争。

英虞湾

あごわん 【英虞湾】
三重県志摩半島南端にある湾。隆起海食台が沈降したリアス式海岸。真珠の養殖が行われる。伊勢志摩国立公園の一中心。湾内に,賢島(カシコジマ)がある。

英訳

えいやく [0] 【英訳】 (名)スル
英語以外の言語を英語に翻訳すること。また,翻訳したもの。「源氏物語を―する」

英訳

えいやく【英訳】
(an) English translation.〜する translate[put]into English.

英詩

えいし【英詩】
an English poem;English poetry (総称).

英詩

えいし [0] 【英詩】
英語の詩。

英語

えいご【英語】
English;→英和
the English language.〜の English.〜で <speak> in English.〜の力 one's knowledge of English.〜がうまい(まずい) be good (poor) at English.〜に訳す translate[put]into English.犬は〜で何というか What is the English for “inu”? ‖英語学 English linguistics.英語国民 an English-speaking people.

英語

えいご [0] 【英語】
インド-ヨーロッパ語族のゲルマン語派西ゲルマン諸語の一。中世に複雑な語形変化を失い,孤立語的な特色が強まった。フランス語からの借用語が多い。話し手はイギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリアをはじめ六大陸に広がり,国際語としての性格を強めている。イギリス語。イングリッシュ。
→英語[音声]
→英語(米語)[音声]

英貨

えいか [1] 【英貨】
イギリスの貨幣。

英資

えいし [1] 【英資】
すぐれた生まれつき。ひいでた資質。

英連邦

えいれんぽう【英連邦】
the (British) Commonwealth of Nations.

英連邦

えいれんぽう 【英連邦】
⇒イギリス連邦(レンポウ)

英邁

えいまい [0] 【英邁】 (名・形動)[文]ナリ
人格や才知が特別にすぐれている・こと(さま)。英明。「―な君主」
[派生] ――さ(名)

英里

えいり [1] 【英里】
マイルのこと。

英雄

えいゆう【英雄】
a hero.→英和
〜的 heroic.→英和

英雄

えいゆう 【英雄】
〔(イタリア) Sinfonia Eroica〕
ベートーベンの交響曲第三番変ホ長調の通称。1804年完成。
→「英雄」第2楽章(ベートーベン)[音声]

英雄

えいゆう [0] 【英雄】
(1)才知・気力・武力にひいで,偉大な事業をなしとげる人。「不世出の―」「国民的―」「―的行為」
(2)〔「えいよう」とも〕
「英雄家」の略。「当家はさせる―にはあらざれども/平治(上・古活字本)」

英雄主義

えいゆうしゅぎ [5] 【英雄主義】
⇒ヒロイズム

英雄伝

えいゆうでん 【英雄伝】
ギリシャの伝記作家プルタルコスの著。ギリシャとローマの政治家で,似かよった生涯を送った二三組四六人を比較論評。対比列伝。

英雄叙事詩

えいゆうじょじし [6] 【英雄叙事詩】
それぞれの民族・国民特有の理想像である英雄の伝説を中心とした韻文形式の文学。「イリアス」「オデュッセイア」「ベーオウルフ」「ニーベルンゲンの歌」などがその例。

英雄家

えいゆうけ [3] 【英雄家】
⇒清華家(セイガケ)

英雄崇拝

えいゆうすうはい [0][5] 【英雄崇拝】
英雄の超人的なすぐれた資質をたたえ,これを崇拝すること。

英雄時代

えいゆうじだい [5] 【英雄時代】
英雄叙事詩の主人公が活躍したと想定される時代。原始共同体から階級社会・国家形成への過渡的時代とされる。

英雄神

えいゆうしん [3] 【英雄神】
英雄が神格化されて,宗教的崇拝の対象にまで高められたもの。

英雄神話

えいゆうしんわ [5] 【英雄神話】
英雄の活躍,遍歴,苦難の打開などを説く神話。

英雄譚

えいゆうたん [3] 【英雄譚】
英雄の活躍を描いた物語。

英霊

えいれい [0] 【英霊】
(1)霊魂。特に,戦死者の魂を敬っていう語。
(2)すぐれた人。また,その魂。

英霊

えいれい【英霊】
the spirit of the war dead.

英露協商

えいろきょうしょう 【英露協商】
1907年,イギリスとロシアがペルシャ・アフガニスタン・チベットにつき,両国の勢力範囲を確認した協定。英仏協商と合わせドイツを包囲。
→三国協商

英領

えいりょう【英領】
a British territory[dominion].

英領

えいりょう [0] 【英領】
イギリスが領有していること。また,その領土。

英風

えいふう [0] 【英風】
(1)すぐれた教化。「―を敷きて国を弘めたまひき/古事記(序訓)」
(2)すぐれた風姿。「―万古に伝ふ/文華秀麗(中)」

英魂

えいこん [0] 【英魂】
(1)すぐれた人のたましい。
(2)死者の霊を敬っていう語。

ふき [0] 【蕗・苳・款冬・菜蕗】
キク科の多年草。山野に自生し,また野菜として栽培する。早春,地上に「ふきのとう」と呼ばれる苞(ホウ)に包まれた花茎を出し,生長すると淡黄白色の頭花をつける。雌雄異株。花後,長い柄のある腎心形の大きな葉が出る。香りのある葉柄とふきのとうを食用とする。[季]夏。《―の葉のうち重つて沢となる/山口青邨》
蕗[図]

かいしき [0] 【掻敷・皆敷・苴】
器に盛る食べ物の下に敷く木の葉。多く,ナンテン・カシワ・ユズリハなど常緑樹の葉を用いた。のちには紙も用いた。

苹果

へいか [1] 【苹果】
りんごの実。ひょうか。

苹果

ひょうか ヒヤウクワ [1] 【苹果】
⇒へいか(苹果)

いちご [0][1] 【苺・莓】
バラ科の草本または小低木。オランダイチゴ・ノイチゴ・ヘビイチゴ・キイチゴなどの総称。一般には,栽培される多年草のオランダイチゴをいう。ストロベリー。[季]夏。《借りてはく藁の草履や―摘/今井つる女》

いちご【苺】
a strawberry.→英和

苺繋

いちごつなぎ [4] 【苺繋】
イネ科の多年草。河原や日当たりのよい山地に自生。茎は高さ約40センチメートル。少数の線形の葉をつける。晩春,花茎の頂に円錐(エンスイ)花序を出して多数の淡緑色の小穂をつける。

苺色

いちごいろ [0] 【苺色】
イチゴの実のような紫がかった赤色。

苻堅

ふけん 【苻堅】
(338-385) 中国,五胡十六国の前秦の第三代君主(在位 357-385)。氐(テイ)族の出身。前燕・前涼を滅ぼして華北を統一した。383年淝水(ヒスイ)の戦いで東晋軍に敗れ軍隊は瓦解。後秦の姚萇(ヨウチヨウ)に捕らえられ自殺。

苾芻

びっしゅ 【苾蒭・苾芻】
〔梵 bhikṣu〕
「比丘(ビク){(1)}」に同じ。ひっしゅ。「彼の唐家清凉一山の―/平家 4」

苾蒭

びっしゅ 【苾蒭・苾芻】
〔梵 bhikṣu〕
「比丘(ビク){(1)}」に同じ。ひっしゅ。「彼の唐家清凉一山の―/平家 4」

苾蒭

ひっすう 【苾蒭】
「比丘(ビク){(1)}」に同じ。

茂し

も・し 【茂し】 (形ク)
草木の多く茂るさま。しげし。「石上(イワ)つつじ―・く咲く道をまたも見むかも/万葉 185」

茂み

しげみ [0][3] 【茂み・繁み】
草木の茂っている所。

茂み

しげみ【茂み】
a thicket;→英和
a bush.→英和

茂り

しげり [3] 【茂り・繁り】
樹木が鬱蒼(ウツソウ)と繁茂すること。また,その場所。[季]夏。《光りあふ二つの山の―かな/去来》

茂り合う

しげりあ・う [4][0] 【茂り合う】 (動ア五[ハ四])
草や葉がたくさんしげる。一面にしげる。「庭の草が―・う」

茂る

しげる【茂る】
grow thick;be overgrown.茂った dense;→英和
luxuriant.→英和

茂る

しげ・る [2] 【茂る・繁る】 (動ラ五[四])
〔形容詞「繁し」と同源〕
草木の枝や葉が勢いよく伸びて,重なり合う。また,草木が密に生え出る。「若葉が―・る」「夏草が―・る」

茂原

もばら 【茂原】
千葉県中部,九十九里平野南部にある市。もと市場町として発達。天然ガスを産し,工場が立地。

茂吉

もきち 【茂吉】
⇒斎藤(サイトウ)茂吉

茂山

しげやま 【茂山】
姓氏の一。

茂山弥五郎

しげやまやごろう 【茂山弥五郎】
⇒善竹(ゼンチク)弥五郎

茂木

もてぎ 【茂木】
栃木県南東部,芳賀(ハガ)郡の町。那賀川中流と支流の逆川流域で,葉タバコを栽培。

茂林

もりん [0] 【茂林】
木のよく茂った林。

茂林寺

もりんじ 【茂林寺】
群馬県館林市堀江にある曹洞宗の寺。山号,青竜山。1468年創建。寺宝に文福茶釜の伝承のある茶釜がある。

茂生

もせい [0] 【茂生】 (名)スル
生え茂ること。「口髯が…乱雑に―して居る/吾輩は猫である(漱石)」

范仲淹

はんちゅうえん 【范仲淹】
(989-1052) 中国,北宋の政治家・学者。字(アザナ)は希文。諡(オクリナ)は文正。副宰相。「先憂後楽」の語で知られる。著「岳陽楼記」,文集「范文正公集」

范増

はんぞう 【范増】
(?-前204) 中国,秦末の人。楚の項羽に従い,奇計をもって戦功を立てた。鴻門の会に劉邦を殺そうと謀ったが果たさず,のち項羽のもとを去った。

范成大

はんせいだい 【范成大】
(1126-1193) 中国,南宋の詩人・政治家。字(アザナ)は致能,号は石湖。副宰相にのぼる。著に七言絶句の連作「四時田園雑興」,「石湖詩集」のほか,紀行文「呉船録」がある。

范曄

はんよう 【范曄】
(398-445) 中国,南朝時代の宋の学者。字(アザナ)は蔚宗(ウツソウ)。諸家の歴史書を集大成して,現存の「後漢書」を著した。

范睢

はんすい 【范睢】
⇒范雎(ハンシヨ)

范蠡

はんれい 【范蠡】
中国,春秋時代の越の功臣。別名,陶朱。呉王夫差(フサ)と戦って敗れた越王勾践(コウセン)を助け,国力を養い夫差を討った。のち山東に住み巨万の富を築いた。生没年未詳。
→陶朱(トウシユ)猗頓(イトン)の富(トミ)

范雎

はんしょ 【范雎】
中国,戦国時代の秦の宰相。紀元前三世紀頃の魏の人。魏に仕えたが,異心ありと疑われ,秦に逃れて昭王に仕え,遠交近攻策を説き丞相(ジヨウシヨウ)となった。

なす [1] 【茄子・茄】
(1)ナス科の一年草。熱帯では多年草。インド原産。古くから栽培され,高さは約80センチメートル。葉は卵形。夏から秋にかけ,淡紫色の花を開く。果実は倒卵形・球形・長形などで,果皮の色は普通暗紫色。なすび。[季]夏。
(2)茶入れの一。丸形で下のほうがややふくらんだ形のもの。唐物(カラモノ)に由来し,茶道ではこの手を最上位とする。
茄子(2)[図]

なすび [1] 【茄子・茄】
(1)ナスの別名。[季]夏。《もぎたての―の紺や籠に満てり/星野立子》
(2)「なす(茄子){(2)}」に同じ。
(3)家紋の一。ナスの実・花・葉を組み合わせて図案化したもの。

茄子

なす【茄子】
<米> an eggplant;→英和
<英> an aubergine.

茄子

なすび [1] 【茄子・茄】
(1)ナスの別名。[季]夏。《もぎたての―の紺や籠に満てり/星野立子》
(2)「なす(茄子){(2)}」に同じ。
(3)家紋の一。ナスの実・花・葉を組み合わせて図案化したもの。

茄子

なす [1] 【茄子・茄】
(1)ナス科の一年草。熱帯では多年草。インド原産。古くから栽培され,高さは約80センチメートル。葉は卵形。夏から秋にかけ,淡紫色の花を開く。果実は倒卵形・球形・長形などで,果皮の色は普通暗紫色。なすび。[季]夏。
(2)茶入れの一。丸形で下のほうがややふくらんだ形のもの。唐物(カラモノ)に由来し,茶道ではこの手を最上位とする。
茄子(2)[図]

茄子歯

なすびば [3] 【茄子歯】
(1)黒くなった虫歯。「まれ��に―あり/評判記・色道大鏡」
(2)おはぐろで黒く染めた歯。
(3)少女が,なすの皮を歯につけておはぐろに見せる遊び。

茄子科

なすか [0] 【茄子科】
双子葉植物合弁花類の一科。主として熱帯に分布。世界に約九〇属二千余種がある。草本または木本,まれにつる性。葉は互生。花は両性花で花冠は五裂する。種々のアルカロイドを含む有毒植物が多い。ジャガイモ・トマト・ナス・ピーマン・トウガラシなどは食用に,ハシリドコロ・クコ・チョウセンアサガオなどは薬用に,ペチュニア・ハナタバコ・ホオズキなどは観賞用にされる。ほかにタバコがある。

茄子紺

なすこん [0] 【茄子紺】
ナスの実の色に似た濃い紫紺色。

かや【茅】
《植》cogon 茅葺きの thatched.

ち 【茅】
チガヤの異名。[和名抄]

かや [1] 【茅・萱】
屋根を葺(フ)く丈の高い草の総称。イネ科植物のススキ・ヨシ・チガヤ・カルカヤ・カヤツリグサ科植物のスゲなど。[季]秋。
茅[図]

ちがや [1] 【茅・茅萱・白茅】
イネ科の多年草。荒れ地などに群生。高さ30〜60センチメートル。春,白い毛のある小さい花を穂のように多数付ける。葉は長い広線形で,粽(チマキ)は,昔この葉で巻いた。穂は「つばな」「ちばな」といい,火口(ホクチ)に用いた。根茎は漢方で白茅根(ハクボウコン)といい,消炎・利尿・浄血剤などとする。古名,チ。
茅[図]

茅の根

ちのね [1] 【茅の根】
チガヤの根茎。漢方で,利尿・止血剤とする。

茅の輪

ちのわ [0] 【茅の輪】
茅(チガヤ)を束ねて大きな輪としたもの。六月三〇日の夏越(ナゴ)しの祓(ハラエ)の際に作られ,これをくぐることによって罪・穢(ケガ)れが祓われるという。小さく作って首にも掛けた。菅貫(スガヌキ)。[季]夏。
→夏越(ナゴ)しの祓(ハラエ)
茅の輪[図]

茅ヶ崎

ちがさき 【茅ヶ崎】
神奈川県中南部,相模湾に臨む市。住宅地・保養地として発展。工業も立地。

茅亭

ぼうてい バウ― [0] 【茅亭】
かやぶきのあずまや。

茅台酒

マオタイしゅ [3] 【茅台酒】
〔貴州省仁懐県茅台(マオタイ)で造られたことから〕
中国の蒸留酒の一。コーリャンを原料とし,よく熟成させたもの。アルコール分50〜55パーセント。マオタイチウ。

茅場

かやば [0] 【茅場・萱場】
(1)屋根を葺(フ)く茅の茂ったところ。
(2)秣(マグサ)を刈るところ。まぐさば。

茅場町

かやばちょう 【茅場町】
東京都中央区の町名。隣接する兜町(カブトチヨウ)とともに証券会社が集中する。

茅宮

ぼうきゅう バウ― [0] 【茅宮】
かやぶきの宮殿。粗末な宮殿。

茅屋

ぼうおく バウヲク [0] 【茅屋】
(1)かやぶきの家。
(2)みすぼらしい家。また,自宅をへりくだっていう語。

茅戸

かやと [0] 【茅戸・萱所】
山中の茅におおわれている尾根や斜面。
〔登山者や山村でいう語〕

茅渟

ちぬ [1] 【茅渟・海鯽】
クロダイの異名。チヌダイ。主に関西以西でいう。[季]夏。

茅渟

ちぬ 【茅渟】
和泉国沿岸の古名。現在の大阪湾の東部,堺市から岸和田市,泉南郡にかけての湾岸。

茅渟の海

ちぬのうみ 【茅渟の海】
和泉・淡路の両国の間の海の古名。現在の大阪湾一帯。「―に到りて/古事記(中)」

茅渟の県

ちぬのあがた 【茅渟の県】
崇神天皇のときにおかれた県。和泉(イズミ)国に相当。

茅渟鯛

ちぬだい [2] 【茅渟鯛】
クロダイの異名。チヌ。

茅潜

かやくぐり [3] 【茅潜】
スズメ目イワヒバリ科の小鳥。全長約14センチメートルほど。背面は赤褐色に黒褐色の縦斑,腹面はねずみ色の地味な鳥。日本特産種。昆虫・種子を食べる。高山のハイマツ帯で繁殖し,冬は本州以南の平地に移る。

茅生

ちふ 【茅生】
チガヤの生えている所。「浅茅原―に足踏み心ぐみ/万葉 3057」

茅盾

ぼうじゅん バウ― 【茅盾】
(1896-1981) 中国,現代の小説家。本名,沈徳鴻(シントクコウ)。字(アザナ)は雁冰(ガンヒヨウ)。写実主義文学を提唱し,処女作「蝕」三部作以下,「子夜」「腐蝕」「霜葉は二月の花よりも紅なり」などを発表。マオ=トゥン。

茅舎

ぼうしゃ バウ― [1] 【茅舎】
かやぶきの家。茅屋(ボウオク)。

茅舎

ぼうしゃ バウシヤ 【茅舎】
⇒川端(カワバタ)茅舎

茅船

かやぶね [3] 【茅船・萱船】
茅を積んだ船。昔,船軍(フナイクサ)の際,茅に火をつけて敵船の間に放った。

茅花

つばな [0] 【茅花】
チガヤの花穂。食べられる。[季]春。

茅花

ちばな [1] 【茅花】
チガヤの花。つばな。

茅花かす

つばなか・す 【茅花かす】 (動サ四)
〔「つばな」の花穂のようにする意〕
綿などを摘(ツ)まんで広げて,けばだたせる。「のりつけて,はりてほしては―・し/浄瑠璃・嵯峨天皇」

茅花流し

つばなながし [4] 【茅花流し】
初夏,チガヤの穂綿を吹き散らす南風。

茅茨

ぼうし バウ― [1] 【茅茨】
チガヤとイバラ。また,屋根をチガヤとイバラで葺(フ)いた質素な家。

茅萱

ちがや [1] 【茅・茅萱・白茅】
イネ科の多年草。荒れ地などに群生。高さ30〜60センチメートル。春,白い毛のある小さい花を穂のように多数付ける。葉は長い広線形で,粽(チマキ)は,昔この葉で巻いた。穂は「つばな」「ちばな」といい,火口(ホクチ)に用いた。根茎は漢方で白茅根(ハクボウコン)といい,消炎・利尿・浄血剤などとする。古名,チ。
茅[図]

茅葺き

かやぶき [0] 【茅葺き】
茅で屋根をふくこと。また,その屋根。「―屋根」

茅蜩

ぼうちょう バウテウ [0] 【茅蜩】
ヒグラシの異名。

茅蜩

ひぐらし [0] 【蜩・茅蜩】
セミの一種。頭からはねの先まで約45ミリメートル。頭部と胸部の背面は赤褐色と緑色が紋様をなす。はねは透明。初秋の早朝と夕方,カナカナと高い声で鳴く。北海道南部から奄美大島にかけて分布する。カナカナ。カナカナゼミ。[季]秋。《―や陽明門のしまるころ/赤星水竹居》

茅螽蟖

かやきり [3][2] 【茅螽蟖】
キリギリスの一種。体長約50ミリメートル。体は太く頭頂がとがる。緑色ないし褐色で,背に白線が二本ある。成虫は夏出現し,雄は強い連続音で鳴く。

茅負

かやおい [2][0][3] 【茅負】
建築で軒先の垂木(タルキ)の先端部の上,裏甲(ウラゴウ)との間に渡した横材。

茅野

かやの [0] 【茅野・萱野】
茅が生えている野原。かやはら。

茅野

ちの 【茅野】
長野県中東部,諏訪盆地の南東端にある市。八ヶ岳・蓼科高原への入り口。精密機械工業が盛ん。また,寒天を産する。

茅門

ぼうもん バウ― [0] 【茅門】
かやぶきの門。転じて,自分の家の門または家をへりくだっていう語。

茅門

かやもん [0][2] 【茅門・萱門】
庭園・数寄屋の露地の入り口などに設ける茅葺(ブ)きの簡素で風雅な門。

茅闕

ほうけつ ハウ― [0] 【茅闕】
太上(ダイジヨウ)天皇の異名。

茉莉

まつり [1] 【茉莉】
「茉莉花」に同じ。

茉莉花

まつりか [3] 【茉莉花】
モクセイ科の常緑低木。インド原産。ジャスミンの一種。観賞用に温室で栽培。高さ2メートル内外。葉は広卵円形で,対生または三個輪生。花は白色で枝端に数個つき,高坏(タカツキ)形で芳香がある。中国では乾花を茶の香料とする。毛輪花。茉莉。[季]夏。《―を拾ひたる手もまた匂ふ/加藤楸邨》

くき [2] 【茎】
(1)高等植物において,植物体を支え,根から吸収した水分や養分を師部・木部を通して各部に運ぶ,軸状構造の器官。表皮系・基本組織系・維管束系をそなえる。
(2)長刀(ナギナタ)の柄など,茎状のものの称。
(3)「茎漬け」の略。
茎(1)[図]

くき【茎】
a stalk;→英和
a stem.→英和

くく 【茎】
(1)茎(クキ)。
(2)〔女房詞〕
茎(クク)立ち{(1)}。[御湯殿上(慶長五)]

茎崎

くきざき 【茎崎】
茨城県南部,稲敷郡の町。筑波研究学園都市の南部にあたる。落花生・スイカなどの畑作地。

茎挿

くきざし [0] 【茎挿(し)】
挿し木法の一。芽をつけた茎を挿し穂に用いるもの。

茎挿し

くきざし [0] 【茎挿(し)】
挿し木法の一。芽をつけた茎を挿し穂に用いるもの。

茎桶

くきおけ [0] 【茎桶】
茎漬けを漬け込む桶。

茎漬

くきづけ [0] 【茎漬(け)】
ダイコンやカブなどを茎や葉といっしょに塩漬けにしたもの。くき。[季]冬。

茎漬け

くきづけ [0] 【茎漬(け)】
ダイコンやカブなどを茎や葉といっしょに塩漬けにしたもの。くき。[季]冬。

茎短

くきみじか 【茎短】 (形動ナリ)
槍・長刀(ナギナタ)などを構えるとき,柄の石突きに近い方を長く残し,刃に近い方を持つさま。
⇔茎長(クキナガ)
「白柄の長刀―にとり/平家 1」

茎立ち

くくたち 【茎立ち】
〔「くく」は茎の意〕
(1)アブラナ科の菜。青菜。食用にした。「上野(カミツケノ)佐野の―折りはやし/万葉 3406」
(2)ダイコン・カブや菜類の花茎が伸び出ること。薹(トウ)が立つこと。[季]春。《―に春の地勢を見するかな/白雄》

茎若布

くきわかめ [3][4] 【茎若布】
ワカメの主に茎の部分から作った食品。つくだ煮や漬物,汁の実などにする。

茎茶

くきちゃ [2] 【茎茶】
茶の精製工程で選別された茎・葉脈。

茎菜

くきな [0] 【茎菜】
茎漬けにする野菜。ダイコン・カブなど。

茎菜類

けいさいるい [3] 【茎菜類】
茎を食用とする野菜。アスパラガス・ウド・フキなど。

茎葉

けいよう [0] 【茎葉】
茎と葉。また,茎や葉。

茎葉体

けいようたい [0] 【茎葉体】
茎・葉の区別がはっきりしており,維管束を有する植物体。蘚(セン)類・シダ植物・種子植物。
→葉状体

茎葉植物

けいようしょくぶつ [6] 【茎葉植物】
導束または維管束が発達し,茎と葉が分化した植物体をもつ植物群の総称。蘚(セン)類と維管束植物がこれに属する。
⇔葉状植物

茎針

けいしん [0] 【茎針】
茎の一部が針状あるいは刺(トゲ)状に変形したもの。カラタチ・ボケなどにみられる。茎刺。枝針。

茎長

くきなが 【茎長】 (形動ナリ)
槍・長刀(ナギナタ)などを構えるとき,柄の石突きに近い方を持つさま。柄を長く使う。
⇔茎短(クキミジカ)
「藤沢入道長刀を―に取りて/義経記 2」

茎韮

くくみら 【茎韮】
〔「くく」は茎,「みら」はニラの意〕
伸びたニラ。葉を食用にする。「伎波都久の岡の―われ摘めど/万葉 3444」

めい [1] 【茗】
茶の別名。
〔新芽を摘んだものを茶,おそく摘んだものを茗といった〕

茗器

めいき [1] 【茗器】
茶を飲むのに用いる道具。茶器。

茗園

めいえん [0] 【茗園】
茶畑。茶園。

茗宴

めいえん [0] 【茗醼・茗宴】
茶の湯の会。茶会。

茗渓

めいけい 【茗渓】
東京都文京区お茶ノ水付近を流れる神田川の雅称。

茗荷

みょうが メウガ [0] 【茗荷・蘘荷】
〔「芽香(メガ)」の転という〕
(1)ショウガ科の多年草。暖地の林中に生え,野菜として栽培もされる。葉は広披針形。夏,地下茎の先から花序が出,淡赤褐色の苞片が多数重なって卵形となり,苞の間から淡黄色の花が次々と出る。独特の香りがあり,開花前の苞と若い茎を食用とする。鈍根草。古名メガ。
〔「茗荷の花」は [季]秋〕
→茗荷竹
→茗荷の子
(2)〔茗荷を食べると忘れっぽくなるという俗説から〕
おろかな人。
(3)家紋の一。茗荷の花芽や花を図案化したもの。

茗荷の子

みょうがのこ メウガ― [0] 【茗荷の子】
ミョウガの根元に出る花茎の俗称。花をつける前に苞(ホウ)を食用とする。淡赤褐色で独特の香りがある。[季]夏。

茗荷竹

みょうがたけ メウガ― [3] 【茗荷竹】
ミョウガの若芽の俗称。薄緑色で香りが高く,食用とする。[季]春。

茗醼

めいえん [0] 【茗醼・茗宴】
茶の湯の会。茶会。

茘枝

れいし [1] 【茘枝】
(1)ムクロジ科の常緑高木。中国南部原産。亜熱帯で果樹として栽培。よく分枝し,葉は羽状複葉。雌雄異花。晩春,帯黄色の小花を大形円錐花序につけ,夏,結実。果実は径約3センチメートルの卵形の核果で,皮は凸凹があってかたく薄い。果肉は白色半透明,多汁で甘い。ライチ。リーチー。
(2)ツルレイシの略。[季]秋。《あまたるき口を開いて―かな/皿井旭川》
(3)海産の巻貝。殻高約6センチメートル。貝殻は紡錘形で,殻表は黄白色に褐色斑があり,いぼ状の突起が並び,形が{(1)}の実に似る。他の貝に穴をあけて肉を食い,養殖ガキに被害を与える。本州から台湾にかけての潮間帯の岩礁に見られる。レイシガイ。
茘枝(1)[図]

茘枝貝

れいしがい [3] 【茘枝貝】
⇒茘枝(レイシ)(3)

あかね [0] 【茜】
(1)〔赤根の意〕
アカネ科の多年草。本州以西の山野に自生する。茎はつる性で,逆向きのとげがある。葉は卵形で長い柄をもち,四個輪生する。秋,淡黄または白色の小花を葉腋につける。根は黄赤色で,アリザリンなどの色素を含み,染料とする。また,止血剤・解熱剤とする。
(2){(1)}の根から採った染料。
(3)「茜色」の略。
(4)アカトンボの異名。
茜(1)[図]

あかね【茜】
《植》a (Bengal) madder.

茜さし

あかねさし 【茜さし】 (枕詞)
茜色に美しく映えての意で,「照る」にかかる。「―照れる月夜に/万葉 2353」

茜さす

あかねさす 【茜さす】 (枕詞)
(1)茜色に照り映える意から,「日」「昼」「照る」にかかる。「―日は照らせれど/万葉 169」
(2)紫(古代紫)は赤みを帯びていることから,「紫」にかかる。「―紫野行き標野(シメノ)行き/万葉 20」
(3)照り映えて美しいの意で,「君」にかかる。「―君が心し忘れかねつも/万葉 3857」

茜染

あかねぞめ [0] 【茜染(め)】
アカネで赤く染めること。また,染めた布。

茜染め

あかねぞめ [0] 【茜染(め)】
アカネで赤く染めること。また,染めた布。

茜色

あかねいろ [0] 【茜色】
アカネの根で染めた色。わずかに黄みを帯びた沈んだ赤色。暗赤色。「西空が―に染まる」

茜菫

あかねすみれ [4] 【茜菫】
スミレ科の多年草。野原などに自生。茎はなく,多数の葉が根もとから生える。春に紅紫色の花を横向きにつける。

茜蜻蛉

あかねとんぼ 【茜蜻蛉】
アカトンボの異名。

茜雲

あかねぐも [4] 【茜雲】
朝日や夕日を受けて茜色に照り映える雲。

茣蓙

ござ [2] 【茣蓙・蓙】
〔貴人の座る「御座」に敷く物の意〕
藺(イ)などを編んで作った敷物。うすべり。ござむしろ。

茣蓙包み

ござづつみ [3] 【茣蓙包み】
江戸時代の駕籠の一種。乗り物を許された大名以下の武士の一般に用いたもの。

茣蓙打ち

ござうち [0] 【茣蓙打ち】
〔ござを打ちつけたもの,の意〕
畳表を張った下駄(ゲタ)。表付(オモテツキ)。

茣蓙目

ござめ [0] 【茣蓙目】
(1)ござの筋目。
(2)小判などの表面にあるござの筋目のような模様。

茣蓙筵

ござむしろ [3] 【茣蓙筵】
「ござ(茣蓙)」に同じ。

うばら 【茨・荊棘】
いばら。うまら。「からたちの―刈りそけ倉立てむ/万葉 3832」

いばら [0] 【茨・荊・棘】
(1)バラ・カラタチなど,とげのある低木の総称。
(2)(多く「薔薇」と書く)ノイバラ・ヤマイバラなどのバラ科バラ属植物の総称。うばら。うまら。むばら。
(3)(中部・関西地方で)植物のとげ。
(4)(建築で)二本の曲線の出合った所にできるとがった形。

むばら 【茨・荊】
いばら。うばら。「―・からたちにかかりて/伊勢 63」

うまら 【茨】
「うばら」に同じ。「道のへの―の末(ウレ)に這(ハ)ほ豆の/万葉 4352」

いばら【茨】
a thorn.→英和
〜の道 <tread> a thorny path.

茨の冠

いばらのかんむり [0] 【茨の冠】
「荊冠(ケイカン)」に同じ。

茨の道

いばらのみち [0] 【茨の道】
人生行路を茨の生えている道にたとえていう。苦難の多い人生・生活。

茨垣

いばらがき [3] 【茨垣】
カラタチ・バラなどとげのある木でつくった生け垣。

茨城

いばらき 【茨城】
(1)関東地方北東部の県。かつての常陸(ヒタチ)国の全域と下総(シモウサ)国の北西部を占める。東は太平洋に面し,北部は阿武隈高地・八溝山地,南部は常陸台地となる。南の県境を流れる利根川下流域に霞ヶ浦・北浦がある。県庁所在地,水戸市。
(2)茨城県中部,東茨城郡の町。水戸市の南に接し,住宅地化。

茨城キリスト教大学

いばらきキリストきょうだいがく 【茨城―教大学】
私立大学の一。1967年(昭和42)設立。本部は日立市。

茨城大学

いばらきだいがく 【茨城大学】
国立大学の一。1920年(大正9)創立の水戸高等学校を中心に,多賀工専・師範系学校が合併,49年(昭和24)新制大学となる。52年茨城県立農大を併合。本部は水戸市。

茨木

いばらき 【茨木】
歌舞伎所作事の一。長唄。松羽目物。河竹黙阿弥作詞,三世杵屋正次作曲。1883年(明治16)東京新富座初演。茨木童子の伝説に材をとったもの。新古演劇十種の一。

茨木

いばらき 【茨木】
大阪府北部の市。慶長年間(1596-1615)片桐且元の城下町。近世,宿場町。電機・金属工業などが発達。

茨木童子

いばらきどうじ 【茨木童子】
羅生門で渡辺綱に切り落とされた片腕を,綱のおばに化けて奪い返したという鬼。酒呑童子の配下という。歌舞伎舞踊「茨木」は,この伝説を脚色したもの。

茨田

まんだ 【茨田】
河内国(現在の大阪府)の旧郡名。

茨田の堤

まんだのつつみ 【茨田の堤】
古代,茨田の地にあった堤防。記紀に仁徳天皇が造らせたとある。淀川の氾濫を防いだ。

茨藻

いばらも [3] 【茨藻】
イバラモ科の一年草。池・沼などの淡水中に生える。雌雄異株。淡緑色。茎はまばらに分枝し,葉は線形で対生し,縁に鋭い鋸歯(キヨシ)がある。夏から秋にかけ,上方の葉腋(ヨウエキ)に小花をつける。

ぼう バウ [1] 【茫】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)広々としているさま。「高原に出ると…見わたす先は―としてゐる/日本北アルプス縦断記(烏水)」
(2)ぼんやりとしているさま。「―とした湯気の中に/田舎教師(花袋)」

茫と

ぼうと バウ― [1] 【茫と】 (副)スル
(1)物の形や色がほのかなさま。ぼうっと。「娘は…―と紅くなる/婦系図(鏡花)」
(2)意識などがぼんやりしているさま。「まだ頭が―している」

茫乎

ぼうこ バウ― [1] 【茫乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
とりとめのないさま。はっきりしないさま。広々としているさま。「其眼は―として更に読む所を識らず/世路日記(香水)」

茫洋

ぼうよう バウヤウ [0] 【茫洋・芒洋】 (ト|タル)[文]形動タリ
広々としているさま。広々として目当てのつかないさま。「―としてつかみどころがない人物」「―たる大海」
[派生] ――さ(名)

茫漠

ぼうばく バウ― [0] 【茫漠】 (ト|タル)[文]形動タリ
果てしなく広々としてとりとめのないさま。ぼんやりとしてはっきりしないさま。「―たる原野」「―としてつかみどころがない」
[派生] ――さ(名)

茫漠とした

ぼうばく【茫漠とした】
vast;→英和
immense.→英和

茫然

ぼうぜん バウ― [0] 【茫然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)「呆然(ボウゼン)」に同じ。「思わぬ出来事に―として立ち尽くす」「何処ともなく―眺めて居るのである/良人の自白(尚江)」
(2)ぼんやりとしてとりとめのないさま。つかみどころのないさま。漠然。「幽霊の出顕したりと人の語ることありと雖も皆其根原を尋求れば唯―として烟に似たる影像を見たると云ふのみ/竜動鬼談(勤)」

茫然と

ぼうぜん【茫然と】
blankly;→英和
vacantly;→英和
absent-mindedly.

茫然自失

ぼうぜんじしつ バウ― [0] 【茫然自失】 (名)スル
あっけにとられたりあきれはてたりして我を忘れてしまうこと。「突然の大事件に―する」「―の体」

茫眉

ぼうまゆ バウ― [0] 【茫眉・棒眉】
こめかみの下に墨で一文字に描き端をぼかした眉。一六歳未満の公卿などで,元服した者が眉を剃り落として描いた。

茫茫

ぼうぼう バウバウ [0] 【茫茫】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)果てしなく広々としているさま。「―とした大平原」「―たる太平洋より/もしや草紙(桜痴)」
(2)ぼんやりしてはっきりしないさま。「月色―たる野路を/思出の記(蘆花)」「―として少しも知る可らず/欺かざるの記(独歩)」
(3)(「蓬蓬」とも書く)毛髪や草が生い乱れているさま。「―たる白髪」「―とした頭で,ぬつと面(カオ)を出した所を見れば/奇遇(四迷)」
(4)風や波の音の激しいさま。「蒼海漫々として,岸うつ浪も―たり/平家 10」

茫茫頭

ぼぼうがしら ボバウガシラ 【茫茫頭】
狂言「菊(キク)の花(ハナ)」の別名。

茯苓

ぶくりょう [0] 【茯苓】
担子菌類サルノコシカケ科のきのこの菌核。きのこが松の根に寄生して形成する。球形で表面は暗褐色,内は白色。漢方で,利尿・鎮痛・鎮静などに用いる。まつほど。

茯苓菜

ぶくりょうさい [3] 【茯苓菜】
キク科の一年草。暖地に生える。全体に軟らかく緑色。高さ約30センチメートル。葉は羽状に中裂。頭花は淡緑色で,春から秋にかけて枝頂付近に多数円錐状につく。ブクリュウサイ。

茱萸

ぐみ [1] 【茱萸・胡頽子】
〔古くは「くみ」とも〕
グミ科グミ属の植物の総称。落葉または常緑の低木または小高木。全体に星状毛があり,葉は全縁。花は白色または淡黄色で小さく,葉腋(ヨウエキ)に少数束生して下垂する。果実は赤く熟し,渋みのあるものが多いが食用になる。ナワシログミ・アキグミ・ツルグミ・トウグミなど。[季]秋。

茱萸袋

ぐみぶくろ 【茱萸袋・胡頽子袋】
重陽(チヨウヨウ)の節句に,邪気払いに身につけたり,身近に掛けたりするグミを入れた袋。

茱萸酒

ぐみざけ [2] 【茱萸酒・胡頽子酒】
熟したグミの果実を干し,液汁を搾りとり,発酵させてつくった果実酒。

茲に

ここに [0] 【此処に・是に・爰に・茲に】
■一■ (副)
この時。この時点で。「本日―竣工式を挙行するにあたり」「二〇年の歳月を経て,今―完成」
■二■ (接続)
(1)前の話題を受けて,当然の結果として起こる事態を示す。それで。このように。「…とうたひたまひき。―其の御子聞き知りて驚きて/古事記(中訓)」
(2)話題を変える時に用いる語。さて。ところで。「―乗円坊の阿闍梨慶秀といふ老僧あり/平家 4」

茲許

ここもと [2] 【茲許】 (接続)
(商業用の手紙などで)ここに。「―お送り申し上げます」

茴香

ういきょう [0] 【茴香】
セリ科の多年草。南ヨーロッパ原産で,古く日本に入り栽培される。芳香があり,高さ1〜2メートル。葉は複葉で小葉は糸状の裂片となる。六月ごろ,枝頂に黄色の小花を多数つけ,秋,円柱状の小果を結ぶ。干した果実を健胃剤・香味料などにする。フェネル。
〔「茴香の花」は [季]夏〕

茴香

ういきょう【茴香】
a fennel.→英和

茴香油

ういきょうゆ [3] 【茴香油】
茴香の果実からとった芳香油。主成分はアネトール。健胃・去痰・駆風薬とし,香料ともする。

茴香精

ういきょうせい [3] 【茴香精】
茴香油にアルコールを混ぜた液剤。健胃・駆風・去痰(キヨタン)薬や香料とする。

しとね [0] 【褥・茵】
敷物。座布団・敷き布団の類。

茵蔯蒿

いんちんこう [0] 【茵蔯蒿】
生薬の一。カワラヨモギの花・茎・葉で,利胆薬・消炎性利尿薬などに用いる。

ちゃ【茶】
tea;→英和
green tea (緑茶);black tea (紅茶);[茶会](afternoon) tea;→英和
a tea party;the tea ceremony[cult](茶の湯);[茶の木]a tea plant.〜をいれる(いれかえる) make (fresh) tea.〜を出す serve[offer] <a person> tea.〜を飲みながら話す talk over tea.〜の稽古をする take lessons in the tea ceremony.‖濃い(薄い)茶 strong (weak) tea.お茶を濁す,お茶の子 ⇒お茶.

ちゃ [0] 【茶】
■一■ (名)
(1)ツバキ科の常緑低木。中国原産といわれる。若葉を摘んで緑茶や紅茶を作るためアジア一帯で広く栽植する。よく分枝し,狭卵形で光沢のある濃緑色の葉を互生。葉腋に白色五弁花を少数つけ,平球形の蒴果(サクカ)を結ぶ。日本には,805年に最澄が種子を持ち帰って比叡山に植えたのが最初という。茶の木。
〔「茶の花」は [季]冬〕
(2){(1)}の芽・葉を用いて製した,飲み物の原料。また,それに湯を注いだ飲料。カフェイン・タンニン・アミノ酸・精油・ビタミン C 等を含む。古くから中国で薬用・飲用とされた。摘んだ葉を発酵させるもの(紅茶など),発酵させないもの(緑茶の類),半発酵させるもの(ウーロン茶など)など各種ある。日本では,種子を栄西が持ち帰って筑前背振山に植え,それを高山寺明恵上人に贈ったものが栂尾(トガノオ)で栽培され,のち宇治・駿河などに分けられて喫茶の風が広まったという。「―をいれる」「―を飲む」
→緑茶
→紅茶
(3)抹茶。「―をたてる」
(4)茶道。茶の湯。
(5)茶色。「―の帯」
■二■ (名・形動)
ちゃかすこと。ひやかすこと。また,そのさま。そのような言動をもいう。「いよいよ―な挨拶/滑稽本・古朽木」
→お茶
→茶(2)[表]

茶々を入れる

ちゃちゃ【茶々を入れる】
interrupt a person;→英和
throw cold water <on> (水をさす).

茶っぽい

ちゃっぽ・い [3] 【茶っぽい】 (形)
茶色がかっている。茶色っぽい。「―・いセーター」

茶づる

ちゃづ・る 【茶づる】 (動ラ四)
⇒ちゃずる

茶づる

ちゃず・る 【茶づる】 (動ラ四)
〔「茶漬け」の動詞化〕
茶漬け飯を食う。「これやい,―・るから茶をもつて来い/洒落本・多佳余宇辞」

茶の子

ちゃのこ [0] 【茶の子】
(1)茶菓子。茶うけ。点心(テンシン)。「薩摩いりといふ―を拵(コシラエ)るばかり/滑稽本・浮世風呂(前)」
(2)仏事の際の供物や配り物。「本の母御の十三年忌,―ひとつ配ることか/浄瑠璃・薩摩歌」
(3)彼岸会(ヒガンエ)の供物(クモツ)。
(4)農家などで,朝食前に仕事をする時にとる簡単な食べ物。
(5)〔(1)は腹にたまらないことから〕
物事の容易なこと。お茶の子。お茶の子さいさい。「常住,きつてのはつての是程の喧嘩は,おちやこの��―ぞや/浄瑠璃・反魂香」

茶の実

ちゃのみ [0] 【茶の実】
家紋の一。二枚の葉の上に茶の実のあるもの。橘紋に酷似する。各氏共用。

茶の木

ちゃのき [0] 【茶の木】
「茶{(1)}」に同じ。

茶の木人形

ちゃのきにんぎょう [4] 【茶の木人形】
⇒宇治人形(ウジニンギヨウ)

茶の木原

ちゃのきばら [3] 【茶の木原】
広大な茶畑。「明月や処は寺の―(昌房)/猿蓑」

茶の本

ちゃのほん 【茶の本】
〔原題 The Book of Tea〕
近代の茶道論の書。岡倉天心著。1906年(明治39)ニューヨークで刊行。茶の湯のもつ意味と歴史を体系的に論じた最初のもの。

茶の湯

ちゃのゆ [0] 【茶の湯】
(1)客を招き,茶をたてて楽しむ会。茶会。
(2)「茶道(チヤドウ)」に同じ。

茶の湯帛紗

ちゃのゆふくさ [4] 【茶の湯帛紗】
⇒茶帛紗(チヤブクサ)

茶の湯者

ちゃのゆしゃ 【茶の湯者】
茶の湯に熟達している人。茶道の専門家。茶人。また,料理などをよく心得ている人。「兵法使ひ・座頭・―・古道具屋/浄瑠璃・淀鯉(上)」

茶の湯音頭

ちゃのゆおんど 【茶の湯音頭】
⇒茶音頭(チヤオンド)

茶の間

ちゃのま [0] 【茶の間】
(1)住宅の中の,家族が食事をしたり談笑したりする部屋。
(2)茶室のこと。
(3)「茶の間女(オンナ)」の略。

茶の間

ちゃのま【茶の間】
a living room; <英> a sitting-room.

茶の間女

ちゃのまおんな [4] 【茶の間女】
武家で,腰元と下女の中間に位置し,主に茶の間で働いた女中。お茶の間。「―となり一年切に勤めける/浮世草子・一代女 4」

茶る

ちゃ・る 【茶る】 (動ラ四)
〔「茶」の動詞化〕
ふざける。おどける。「与八様とした事が,余り―・つて下さんすな/浄瑠璃・難波丸金鶏」
→ちゃり

茶事

さじ [1] 【茶事】
⇒ちゃじ(茶事)

茶事

ちゃじ [1] 【茶事】
茶の湯に関する事柄。また,茶会。

茶事

ちゃごと [0] 【茶事】
(1)寄り合って茶を飲むこと。また,茶菓を飲み食いしながら興ずること。
(2)祖先・父母などの忌日に,茶菓を用意して親戚・知人を招くこと。また,法事のあとの酒盛り。

茶事七式

ちゃじしちしき 【茶事七式】
催される時刻によって分けた,茶会の七種の形式。暁・朝・正午・夜咄(ヨバナシ)・跡見(アトミ)・飯後(ハンゴ)・不時の七種をいう。

茶亭

ちゃてい [0] 【茶亭】
茶店(チヤミセ)。掛け茶屋。さてい。

茶人

ちゃじん【茶人】
a master of the tea ceremony;a person of refined taste (風流な人).

茶人

ちゃじん [0] 【茶人】
〔「さじん」とも〕
(1)茶の湯にたずさわる人。茶道に明るい人。
(2)風流な人。また,浮き世ばなれのした,一風変わった人。ものずき。

茶人

さじん [0] 【茶人】
⇒ちゃじん(茶人)

茶人帽

ちゃじんぼう [2] 【茶人帽】
「宗匠(ソウシヨウ)頭巾」に同じ。

茶代

ちゃだい [0] 【茶代】
(1)茶店などで休んだ時に飲んだ茶の代金。
(2)宿屋・料理屋などの心づけ。祝儀。チップ。

茶代

ちゃだい【茶代】
a tip (心付).→英和

茶代返し

ちゃだいがえし [4] 【茶代返し】
茶代のお返しとして客に渡す品物。

茶会

さかい [0] 【茶会】
⇒ちゃかい(茶会)

茶会

ちゃかい【茶会】
⇒茶.

茶会

ちゃかい [0] 【茶会】
客を招き,抹茶(マツチヤ)または煎茶(センチヤ)をたててもてなす会。さかい。

茶会記

ちゃかいき [2] 【茶会記】
茶会の日時・場所・道具建て・会席膳の献立などを記したもの。茶会に参加した人名を記す場合もある。特に,古い茶会記は文献資料として貴重。

茶伯

ちゃはく [0] 【茶伯】
茶道の宗匠。

茶入れ

ちゃいれ [0][3] 【茶入れ】
茶を入れておく容器。茶道では,抹茶(マツチヤ)用の小壺(コツボ)をいう。濃茶(コイチヤ)用は陶製で蓋は象牙とし仕服(シフク)に入れる。薄茶用は漆器・木地物・焼き物などがあり,薄茶器あるいは略して薄器と称する。葉茶用はスズまたはブリキの筒を用いる。
茶入れ[図]

茶入れ袋

ちゃいれぶくろ [4] 【茶入れ袋】
「仕服(シフク)」に同じ。

茶具

ちゃぐ [1] 【茶具】
茶の湯の道具。茶器。

茶出し

ちゃだし [0] 【茶出し】
急須(キユウス)。

茶利

ちゃり [1] 【茶利】
〔動詞「ちゃる(茶)」の連用形から〕
(1)滑稽な文句や身振り。滑稽。おどけ。冗談。「―ばかり言はで少し真実の処を聞かしてくれ/にごりえ(一葉)」
(2)人形浄瑠璃で,笑劇的な滑稽な演技・演出。主に男女間の卑猥(ヒワイ)な文句が多い。
(3)文楽人形の首(カシラ)名の一。三枚目の首。リチャ。
(4)「茶利場(チヤリバ)」の略。

茶利場

ちゃりば [0] 【茶利場】
浄瑠璃・歌舞伎で,滑稽を主とする場面。

茶利敵

ちゃりがたき [3] 【茶利敵】
歌舞伎の役柄の一。滑稽な敵役。忠臣蔵の,鷺坂伴内など。

茶利語り

ちゃりがたり [3] 【茶利語り】
茶利場を得意とする義太夫節の太夫。

茶剤

ちゃざい [0] 【茶剤】
数種の生薬を混ぜて乾燥させた薬剤。熱湯に浸出したり,煎(セン)じたりして服用する。

茶化す

ちゃかす【茶化す】
make fun of.

茶匙

ちゃさじ [0] 【茶匙】
(1)小さいさじ。ティー-スプーン。
(2)茶をすくうさじ。茶杓(チヤシヤク)。

茶匙

ちゃさじ【茶匙】
a teaspoon.〜一杯の a teaspoonful of <sugar> .

茶博士

ちゃはかせ [2] 【茶博士】
茶の湯の名人。茶博(サハク)。茶伯。

茶台

ちゃだい [0] 【茶台】
茶を客にすすめる時に,茶碗を載せる台。丸い台に脚のついているもの,鍔(ツバ)のあるものなどがある。漆器が多い。のちに「茶托(チヤタク)」と呼ぶようになった。

茶合

ちゃごう [0] 【茶合】
茶入れに茶を入れる時,茶の分量を量る一種のます。抹茶用には桜の木でわん形に作り,煎茶(センチヤ)では二つ割りにした竹を使う。

茶名

ちゃめい [0] 【茶名】
極意を皆伝された茶人に付ける名前。古くは師匠の一字名を与えられたが,村田宗珠が参禅の師である大徳寺の名禅から「宗」の一字を授けられて以来,それを上に用い,下の一字を師匠からもらうのが習いとなった。

茶味

ちゃみ [1] 【茶味】
(1)茶の湯のあじわい。
(2)風流なおもむき。
(3)茶色を帯びていること。

茶器

ちゃき [1] 【茶器】
茶道具の総称。狭義には,薄茶を入れておく容器の称。

茶器

ちゃき【茶器】
⇒茶道具.

茶国

ちゃこく 【茶国】
(遊女を傾国というのに対して)茶屋女のこと。「馴染(ナジミ)の仲も…のかねばならぬ―のよね(=女郎)衆/浮世草子・好色敗毒散」

茶園

ちゃえん [0] 【茶園】
(1)茶の木を栽培している農園。茶畑。
(2)茶を売る店。茶舗。

茶園

さえん [0][1] 【茶園】
茶畑。ちゃえん。

茶坊主

ちゃぼうず [2] 【茶坊主】
(1)室町・江戸幕府の職名。武家の城中・邸内で,茶の湯や給仕などをつとめたもの。剃髪(テイハツ)し,法体であったので坊主という。茶職。茶道坊主。茶屋坊主。数寄屋(スキヤ)坊主。
(2)〔(1) が権力者の威を借りることが多かったことから〕
権力者におもねるものをののしっていう語。
(3)「御茶(オチヤ)坊主」に同じ。

茶坏

ちゃつき [0] 【茶坏】
昔,茶を飲むのに用いた陶製の器。後世の,湯のみ茶碗。

茶壷

ちゃつぼ【茶壷】
a tea jar.

茶壺

ちゃつぼ 【茶壺】
狂言の一。酔って寝ていた男の茶壺を悪者が盗もうとして争いになる。目代がこれを裁こうとするが,うまくゆかず,自分が持って逃げる。

茶壺

ちゃつぼ [1][0] 【茶壺】
葉茶をたくわえておく壺。東南アジア産を最上とした。日本でも信楽(シガラキ)・丹波・京都などでつくられた。葉茶壺。大壺。

茶子味梅

ちゃさんばい 【茶子味梅】
狂言の一。日本人の妻をもつ唐人が,唐土に残してきた妻を恋しがる。夫の寂しさを慰めようと,日本人の妻は酒をすすめ舞を舞うが,それでも恋しがって泣く。

茶宇

ちゃう [1] 【茶宇】
「茶宇縞(ジマ)」の略。「二十余りの若侍―の袴に綟肩衣(モジカタギヌ)/浄瑠璃・堀川波鼓(下)」

茶宇縞

ちゃうじま [0] 【茶宇縞】
〔インドのチャウル地方から産出,ポルトガル人によって伝来したのでいう〕
琥珀(コハク)織りに似て,軽く薄い絹織物。日本では天和年間(1681-1684)に京都で製出。主に袴地(ハカマジ)。茶宇。

茶室

ちゃしつ【茶室】
a tea-ceremony room.

茶室

ちゃしつ [0] 【茶室】
茶の湯のための室。また,その室に付属する建築を含めてもいう。四畳半を標準とし,それより狭いものは小間(コマ),広いものは広間。数寄屋(スキヤ)。囲(カコイ)。茶席。

茶家

ちゃけ [1] 【茶家】
茶人。また,茶道を教えることを業とする人。

茶寮

ちゃりょう [0][1] 【茶寮】
⇒さりょう(茶寮)

茶寮

さりょう [0][1] 【茶寮】
(1)茶の湯のための建物。茶室。数寄屋。
(2)喫茶店。
(3)料理屋。

茶寿

ちゃじゅ [1] 【茶寿】
〔「茶」の字が「艹(二十)」と「八十八」に分解できるところから〕
数え年一〇八歳。また,その祝い。

茶屋

ちゃや [0] 【茶屋】
(1)製茶を売る店。葉茶屋。茶舗。
(2)旅人が立ち寄って休息する店。掛け茶屋。茶屋小屋。茶店(チヤミセ)。「峠の―」
(3)客に遊興・飲食をさせる店。水茶屋・引き手茶屋・色茶屋・芝居茶屋・相撲茶屋など。
(4)庭園内に設けられた,掛け茶屋風の小さい建物。
(5)「茶屋女」の略。「其あとは間(アイ)の女とて,―にもあらず,けいせいにでもなし/浮世草子・一代男 4」
(6)染め物屋。江戸初期,茶染めが主流だった頃の称。
→紺屋

茶屋

ちゃや【茶屋】
(1) a restaurant.→英和
(2)[茶商]a tea dealer (人);a tea shop (店).

茶屋四郎次郎

ちゃやしろじろう 【茶屋四郎次郎】
江戸時代の京都の豪商。徳川家の呉服師。本姓は中島。代々四郎次郎を称す。初代清延(1545-1596)の時,南海貿易に従事,五代延定まで朱印船貿易と糸割符(イトワツプ)の特権で栄えた。

茶屋坊主

ちゃやぼうず [3] 【茶屋坊主】
「茶坊主(チヤボウズ){(1)}」に同じ。

茶屋場

ちゃやば [0] 【茶屋場】
歌舞伎で,茶屋遊びの場面。

茶屋奉公

ちゃやぼうこう [3] 【茶屋奉公】
女中などになって茶屋に勤めること。また,遊女などになること。「内々国の親ごぜへ―は隠して/浄瑠璃・氷の朔日(上)」

茶屋女

ちゃやおんな [3] 【茶屋女】
料理屋や色茶屋などで客の接待をする女。茶屋者。多く色茶屋の者をいう。

茶屋小屋

ちゃやこや [0] 【茶屋小屋】
客に酒色の遊興をさせる家。引き手茶屋,色茶屋の類。「―の女中衆ではなし,商人家(アキンドヤ)のお飯焚(マンマタキ)が,それでは済みません/滑稽本・浮世風呂 3」

茶屋小屋這入り

ちゃやこやばいり [5] 【茶屋小屋這入り】
「茶屋通い」に同じ。

茶屋店

ちゃやみせ [2] 【茶屋店】
「茶店(チヤミセ)」に同じ。

茶屋染

ちゃやぞめ [0] 【茶屋染(め)】
近世の模様染めの一。上質の麻に藍で山水模様を染めたもの。わずかに薄黄色や繍(ヌ)いを加えたものもある。大名以上の武家・公家の婦人の夏の帷子(カタビラ)に用いた。

茶屋染め

ちゃやぞめ [0] 【茶屋染(め)】
近世の模様染めの一。上質の麻に藍で山水模様を染めたもの。わずかに薄黄色や繍(ヌ)いを加えたものもある。大名以上の武家・公家の婦人の夏の帷子(カタビラ)に用いた。

茶屋狂い

ちゃやぐるい [3] 【茶屋狂い】
茶屋遊びにふけること。「けいせい買は申すにおよばず,―・小宿狂ひもせぬやうに/浮世草子・色三味線」

茶屋町

ちゃやまち [0] 【茶屋町】
(1)茶屋が軒を並べている所。
(2)遊里。色町。

茶屋者

ちゃやもの [0] 【茶屋者】
(1)色茶屋など,茶屋の営業をする者。茶屋衆(チヤヤシ)。
(2)「茶屋女」に同じ。

茶屋辻

ちゃやつじ [2] 【茶屋辻】
茶屋染めの帷子(カタビラ)。

茶屋通い

ちゃやがよい [3] 【茶屋通い】
色茶屋に通い,酒色にふけること。茶屋小屋通い。

茶屋遊び

ちゃやあそび [3] 【茶屋遊び】
遊郭や料理屋で酒色の遊びをすること。

茶屋酒

ちゃやざけ [2][0] 【茶屋酒】
遊郭や料理屋などで飲む酒。

茶山

ちゃやま [0] 【茶山】
(1)茶の木を植えてある山。
(2)山に茶を摘みに行くこと。茶摘み。[季]春。《しがらきや―しに行く夫婦づれ/正秀》

茶巾

ちゃきん [0] 【茶巾】
茶の湯で,茶碗をふく布。奈良晒(ナラザラシ)など麻布を多く用い,両端の切り口を裏表反対にかがってある。茶布巾。

茶巾包み

ちゃきんづつみ [4] 【茶巾包み】
「砂金(サキン)包み」の転。

茶巾捌き

ちゃきんさばき [4] 【茶巾捌き】
茶の湯で,茶巾の扱い方。

茶巾百合

ちゃきんゆり [2] 【茶巾百合】
蒸した百合根をつぶして味をつけ,茶巾絞りにした食品。

茶巾筒

ちゃきんづつ [2] 【茶巾筒】
茶道具の一。茶巾を入れておく筒。巾筒。

茶巾絞り

ちゃきんしぼり [4] 【茶巾絞り】
煮た芋や百合根(ユリネ)などをつぶして布巾に包んで絞り,絞り目をつけた食品。

茶巾薯

ちゃきんいも [2] 【茶巾薯】
蒸したサツマイモをつぶして砂糖・塩などで味付けし,茶巾絞りにした食品。

茶巾袋

ちゃきんぶくろ [4] 【茶巾袋】
茶道具の一。茶巾を入れる袋。湿した茶巾を持参するときなどに用いる。

茶巾鮨

ちゃきんずし [2] 【茶巾鮨】
五目鮨を薄焼きの卵で包んだもの。

茶布巾

ちゃふきん [3][2] 【茶布巾】
⇒茶巾(チヤキン)

茶帛紗

ちゃぶくさ [2] 【茶帛紗】
茶の湯で使う帛紗。茶器をぬぐったり,茶碗(チヤワン)などを鑑賞するとき下に敷く。茶の湯帛紗。

茶席

ちゃせき【茶席】
a tea-ceremony room;tea ceremony.

茶席

ちゃせき [0] 【茶席】
茶の湯を行う席。茶室。また,茶会。

茶席掛け

ちゃせきがけ [0] 【茶席掛け】
「茶掛け」に同じ。

茶年貢

ちゃねんぐ [2] 【茶年貢】
江戸時代,茶畑に課した税。

茶店

さてん [0] 【茶店】
(1)ちゃみせ。ちゃてん。
(2)「喫茶店」を俗に略していう語。

茶店

ちゃてん [0] 【茶店】
(1)茶を売る店。茶舗(チヤホ)。
(2)「ちゃみせ(茶店)」に同じ。

茶店

ちゃみせ [0] 【茶店】
(1)茶を飲んだり菓子を食べたりして休む店。掛け茶屋。茶屋。茶屋店。
(2)茶を売る店。

茶店

ちゃみせ【茶店】
a tea house[stall].

茶座敷

ちゃざしき [2] 【茶座敷】
茶をたてる座敷。茶席。茶室。

茶庭

ちゃてい [0] 【茶庭】
(1)茶室の露地の手法・装置などを取り入れた庭園。ちゃにわ。
(2)「露地{(3)}」に同じ。

茶庭

ちゃにわ [0] 【茶庭】
⇒ちゃてい(茶庭)(1)

茶弁当

ちゃべんとう [2] 【茶弁当】
物見遊山など,野外で用いる携帯用の風炉(フロ)を入れる箱。茶道具類も入れるが,茶碗(チヤワン)などを入れる茶箱とは別のもの。

茶式

ちゃしき [0] 【茶式】
茶の湯の法式。千利休により大成。

茶役

ちゃやく 【茶役】
江戸時代の小物成りの一。検地を受けていない所に植えられた茶に課した税。栽培者から取り立てた。
→茶年貢

茶微塵

ちゃみじん [2] 【茶微塵】
茶色の微塵縞。

茶懐石

ちゃかいせき [2] 【茶懐石】
⇒懐石(カイセキ)

茶房

さぼう [0] 【茶房】
喫茶店のこと。

茶所

ちゃどころ [2][0] 【茶所】
(1)良質の茶の産地。「宇治は―」
(2)茶の接待をする所。

茶所である

ちゃどころ【茶所である】
be famous for its tea.

茶托

ちゃたく【茶托】
a saucer.→英和

茶托

ちゃたく [0] 【茶托】
客に茶を出す時に,湯飲み茶碗を載せる小さな台。
→茶台

茶技

ちゃぎ [1] 【茶技】
茶の湯のわざ。

茶振る舞い

ちゃぶるまい [2] 【茶振(る)舞い】
(酒を出さずに)茶と簡単なごちそうをふるまうこと。多く女の集まりに行われた。「―皆一人づつ抱いて来る/柳多留 2」

茶振舞い

ちゃぶるまい [2] 【茶振(る)舞い】
(酒を出さずに)茶と簡単なごちそうをふるまうこと。多く女の集まりに行われた。「―皆一人づつ抱いて来る/柳多留 2」

茶挽き

ちゃひき [3][0] 【茶挽き・茶碾き】
(1)葉茶を茶臼でひくこと。
(2)芸者や遊女が,客が来なくて暇なこと。また,その芸者や遊女。おちゃひき。

茶挽き草

ちゃひきぐさ [3] 【茶挽き草】
カラスムギの別名。

茶掃き箱

ちゃはきばこ [3] 【茶掃(き)箱】
茶道具の一。抹茶(マツチヤ)を茶入や薄茶器に入れるのに用いる道具を入れた箱。

茶掃き羽

ちゃはきば [2] 【茶掃き羽】
⇒茶箒(チヤボウキ)

茶掃箱

ちゃはきばこ [3] 【茶掃(き)箱】
茶道具の一。抹茶(マツチヤ)を茶入や薄茶器に入れるのに用いる道具を入れた箱。

茶掛

ちゃがけ [0] 【茶掛(け)】
茶席に掛ける書画の掛物。茶席掛け。茶掛物。

茶掛け

ちゃがけ [0] 【茶掛(け)】
茶席に掛ける書画の掛物。茶席掛け。茶掛物。

茶摘み

ちゃつみ [0][3] 【茶摘み】
茶に加工するため,チャノキの若葉を摘みとること。また,その人。[季]春。

茶摘み

ちゃつみ【茶摘み】
tea picking;a tea picker (人).

茶摘み唄

ちゃつみうた [3] 【茶摘み唄】
民謡。茶摘みをしながら唄う仕事唄。[季]春。

茶断ち

ちゃだち [0] 【茶断ち】 (名)スル
神仏へ祈願した時などに,ある期間お茶を断つこと。「満願の日まで―する」

茶方

ちゃかた [0] 【茶方】
茶の湯の方面。茶道。また,茶道に携わる人。

茶時

ちゃどき [0] 【茶時】
(1)茶を摘む季節。茶摘み時。
(2)茶を飲んで一服する時刻。

茶杓

さしゃく [0] 【茶杓】
⇒茶杓(チヤシヤク)(1)

茶杓

ちゃしゃく【茶杓】
a teaspoon.

茶杓

ちゃしゃく [0] 【茶杓】
(1)抹茶をすくうさじ。竹製のものが多く用いられるが,象牙・金属製のもの,塗り物・木地のものもある。長さは畳目十二半を標準とする。ちゃさじ。さしゃく。
(2)「茶柄杓(チヤビシヤク)」に同じ。
茶杓(1)[図]

茶条例

ちゃじょうれい 【茶条例】
⇒茶法(チヤホウ)(2)

茶枕

ちゃまくら [2] 【茶枕】
茶殻を入れた,くくり枕。

茶柄杓

ちゃびしゃく [2][4] 【茶柄杓】
茶の湯の点前(テマエ)で,湯を釜から汲み出すのに用いる柄杓。茶杓。
茶柄杓[図]

茶染

ちゃぞめ [0] 【茶染(め)】
茶色に染めること。また,茶色に染めた布。

茶染め

ちゃぞめ [0] 【茶染(め)】
茶色に染めること。また,茶色に染めた布。

茶染め師

ちゃぞめし [3] 【茶染(め)師】
茶染めを業とする人。特に,宮中や貴人の用に応じた上級の染め物師。

茶染師

ちゃぞめし [3] 【茶染(め)師】
茶染めを業とする人。特に,宮中や貴人の用に応じた上級の染め物師。

茶柱

ちゃばしら [2][0] 【茶柱】
番茶などをいれた時,茶碗の中に縦に浮かぶ茶の茎。俗に,吉事の前兆という。「―が立つ」

茶柱虫

ちゃたてむし [3] 【茶立て虫・茶柱虫】
噛虫(ゴウチユウ)目に属する昆虫の総称。微小軟弱で体長数ミリメートル。多くは有翅。樹幹・葉上・岩上・室内などにいて藻類・菌類を食べる。紙類・動植物標本・乾燥食品などを食害する種類もある。障子などに止まって出す微音が茶をたてる音に似るのでこの名がある。日本には約五〇種が知られる。アズキアライ。ナキザミ。[季]秋。《此部屋に幾年ぶりぞ―/中村草田男》

茶桶

ちゃおけ [0] 【茶桶】
茶道で,薄茶器の一。合い口が上にあるので蓋が浅い。多くは漆塗り。さつう。

茶桶

さつう [0] 【茶通・茶桶】
⇒ちゃおけ(茶桶)

茶梅

ちゃばい [0] 【茶梅】
サザンカの漢名。

茶棚

ちゃだな [0] 【茶棚】
茶道具などを載せておく棚。

茶歌舞伎

ちゃかぶき [2] 【茶歌舞伎・茶香服】
茶道の七事式の一。銘を明らかにした二種の試し茶を飲み,のち,一種を加えて三種を飲んできき分けるもの。
〔多く「茶かぶき」と書く〕

茶殻

ちゃがら [0] 【茶殻】
茶を煎(セン)じたあとの残りかす。茶滓(チヤカス)。

茶殻

ちゃがら【茶殻】
used tea leaves.

茶毒蛾

ちゃどくが [2] 【茶毒蛾】
ドクガ科のガ。開張約30ミリメートル。はねは橙黄色。幼虫はツバキ科の葉を食べ,年二回羽化する。幼虫・成虫とも毒針毛をもち,触れると激しいかゆみと発疹ができる。本州以南と朝鮮・中国に分布。

茶比べ

ちゃくらべ [2] 【茶較べ・茶比べ】
茶を飲みくらべてその品質の優劣を競ったり,銘柄を当てたりする遊び。

茶気

ちゃき [1] 【茶気】
(1)茶道の心得。
(2)風流を好む気質。浮世ばなれのした気質。
(3)いたずらっぽい気質。ちゃめけ。

茶汲み

ちゃくみ [3][0] 【茶汲み】
茶をつぐこと。茶をいれて人にすすめること。また,その人。

茶汲み女

ちゃくみおんな [4] 【茶汲み女】
(1)茶店で,茶をいれて客に給仕する女。
(2)「茶立て女」に同じ。

茶油

ちゃゆ [1] 【茶油】
茶の種子からとる油。特異なにおいがする。中国などに産し,ツバキ油に混ぜて髪油用とする。

茶法

ちゃほう [0] 【茶法】
(1)茶の湯の作法。
(2)植民地アメリカへの茶の専売権を東インド会社に与えた,1773年制定のイギリスの法律。ボストン茶会事件の要因となった。茶条例。

茶渋

ちゃしぶ【茶渋】
tea incrustations.〜のついた茶碗 a tea-stained cup.

茶渋

ちゃしぶ [0] 【茶渋】
茶碗などについた,茶のあく。

茶湯

ちゃとう [0] 【茶湯】
(1)仏前・霊前に供える湯茶。また,湯茶を供えること。おちゃとう。「是なる茶屋をみれば,よしありげに―を手向おかれて候/狂言・通円」
(2)茶を煎じ出した飲み物。また,抹茶(マツチヤ)をたてた飲み物。「―一埦逍遥に也(マタ)足むぬ/性霊集」

茶湯一会集

ちゃのゆいちえしゅう 【茶湯一会集】
江戸時代の茶書。井伊直弼著。茶事における主客の所作を順次記したもの。一期一会の理念を説いて近世茶道の一到達点を示す。

茶湯天目

ちゃとうてんもく [4] 【茶湯天目】
仏前に供える茶を入れる茶碗(チヤワン)。茶頭茶碗。

茶湯日

ちゃとうび [2] 【茶湯日】
寺院で,茶湯を仏前に供え特に供養をすると定めた日。この日に参詣すると,特別の御利益があるといわれる。

茶溜り

ちゃだまり [2] 【茶溜り】
茶碗内部の底(見込み)にある,浅く丸いくぼみ。楽茶碗や国焼き茶碗に見られる。茶が溜るところからいう。

茶滓

ちゃかす [0] 【茶滓】
「茶殻(チヤガラ)」に同じ。

茶漉し

ちゃこし [0][3] 【茶漉し】
煎茶(センチヤ)を茶碗に注ぐ時,茶がらをこす器具。

茶漉し

ちゃこし【茶漉し】
a tea strainer.

茶漬

ちゃづけ【茶漬】
rice and tea.

茶漬

ちゃづけ [0] 【茶漬(け)】
(1)飯に茶または薄味のだし汁をかけて食べること,また,その飯。茶漬け飯。お茶漬け。
(2)粗末な食事。簡単な食事。

茶漬け

ちゃづけ [0] 【茶漬(け)】
(1)飯に茶または薄味のだし汁をかけて食べること,また,その飯。茶漬け飯。お茶漬け。
(2)粗末な食事。簡単な食事。

茶漬け屋

ちゃづけや [0] 【茶漬(け)屋】
(1)茶漬け飯を食べさせる店。
(2)手軽な料理屋。

茶漬け茶碗

ちゃづけぢゃわん [4] 【茶漬(け)茶碗】
飯を盛る陶製の茶碗。

茶漬け飯

ちゃづけめし [3] 【茶漬(け)飯】
(1)「茶漬け」に同じ。
(2)手軽であること。お茶の子。「女房約束も―のように思つて居られちやあ/人情本・恩愛二葉草」

茶漬屋

ちゃづけや [0] 【茶漬(け)屋】
(1)茶漬け飯を食べさせる店。
(2)手軽な料理屋。

茶漬茶碗

ちゃづけぢゃわん [4] 【茶漬(け)茶碗】
飯を盛る陶製の茶碗。

茶漬飯

ちゃづけめし [3] 【茶漬(け)飯】
(1)「茶漬け」に同じ。
(2)手軽であること。お茶の子。「女房約束も―のように思つて居られちやあ/人情本・恩愛二葉草」

茶炉

ちゃろ [1] 【茶炉】
茶の湯で使う炉。

茶焙じ

ちゃほうじ [2][4] 【茶焙じ・茶焙子】
茶を焙じるのに用いる道具。紙または金網を底にはった曲げ物。

茶焙子

ちゃほうじ [2][4] 【茶焙じ・茶焙子】
茶を焙じるのに用いる道具。紙または金網を底にはった曲げ物。

茶瓶

ちゃびん【茶瓶】
a teapot.→英和

茶瓶

ちゃびん [0] 【茶瓶】
(1)茶を煎(セン)じるための土瓶や薬缶(ヤカン)。
(2)江戸時代,遊山の際に茶道具を入れて持ち運んだ道具。また,それを持った小者。
(3)「茶瓶頭(アタマ)」の略。
(4)「茶瓶前髪(マエガミ)」の略。

茶瓶前髪

ちゃびんまえがみ 【茶瓶前髪】
前髪を高くし,髷(マゲ)と合わせて茶瓶の手のような形にした髪形。文化・文政(1804-1830)頃,上方で中流以上の少年の間で流行。

茶瓶敷

ちゃびんしき [2] 【茶瓶敷】
茶瓶{(1)}の下に敷く台または敷物。

茶瓶頭

ちゃびんあたま [4] 【茶瓶頭】
はげ頭。薬缶(ヤカン)頭。きんかん頭。

茶畑

ちゃばたけ [2] 【茶畑】
チャノキを植えた畑。茶園。

茶畑

ちゃばたけ【茶畑】
a tea garden.

茶番

ちゃばん【茶番(狂言)】
a farce;→英和
a burlesque.→英和

茶番

ちゃばん [0] 【茶番】
(1)茶の接待をする人。
(2)〔江戸時代,芝居の楽屋で茶番の下回りなどが始めたからという〕
手近な物などを用いて行う滑稽な寸劇や話芸。
→立茶番
→口上(コウジヨウ)茶番
→俄(ニワカ)
(3)底の割れたばかばかしい行為や物事。茶番劇。「とんだ―だ」

茶番劇

ちゃばんげき [2] 【茶番劇】
「茶番{(3)}」に同じ。

茶番師

ちゃばんし [2] 【茶番師】
(1)茶番狂言を演ずる芸人。
(2)すぐにばれるようなうそをつき,他人をだまそうとする人。

茶番狂言

ちゃばんきょうげん [4] 【茶番狂言】
「立(タチ)茶番」に同じ。

茶盆

ちゃぼん [0] 【茶盆】
茶器をのせる盆。茶盤。

茶盤

ちゃばん [0] 【茶盤】
⇒茶盆(チヤボン)

茶目

ちゃめ【茶目】
mischief;→英和
[人]an urchin;→英和
an imp.→英和
〜な playful;→英和
mischievous.→英和

茶目

ちゃめ [1] 【茶目】 (名・形動)
子供っぽい,愛敬のあるいたずらをする・こと(さま)。また,それの好きな人やそうした性質。「―をやる」「お―な人」

茶目っ気

ちゃめっけ [0][4] 【茶目っ気】
無邪気ないたずらをして人を笑わそうとする気持ち。ちゃめけ。「―のある人」「―たっぷり」

茶碗

ちゃわん [0] 【茶碗】
(1)飯を盛り,また湯茶を飲むための陶磁器の器。飯茶碗・茶飲み茶碗など。
(2)古く,陶磁器の総称。
(3)「茶碗盛り」の略。

茶碗

ちゃわん【茶碗】
a teacup (茶の);→英和
a rice-bowl (飯の).茶碗蒸し a pot-steamed hotchpotch.

茶碗盛り

ちゃわんもり [0] 【茶碗盛り】
淡泊な材料を使って,ごく薄味に仕立てたすまし汁。ふた付きの茶碗に盛り,料理の最初に出す。

茶碗茸

ちゃわんたけ [2] 【茶碗茸】
子嚢菌(シノウキン)類チャワンタケ目のきのこ。子実体は皿形ないし浅い椀形。内面の底に円筒形または棍棒形の子嚢を密生,成熟時,中に八個の子嚢胞子を形成する。大形のものにオオチャワンタケ,小形のものにコベニチャワンタケなどがあり,種類に富む。
茶碗茸[図]

茶碗蒸

ちゃわんむし [0][2] 【茶碗蒸(し)】
日本料理の一。鶏卵を,味をつけた出し汁でとき,鶏肉・かまぼこ・ギンナン・シイタケ・ミツバなどを加え,茶碗に入れて蒸したもの。

茶碗蒸し

ちゃわんむし [0][2] 【茶碗蒸(し)】
日本料理の一。鶏卵を,味をつけた出し汁でとき,鶏肉・かまぼこ・ギンナン・シイタケ・ミツバなどを加え,茶碗に入れて蒸したもの。

茶碗酒

ちゃわんざけ [2] 【茶碗酒】
茶飲み茶碗で酒を飲むこと。また,その酒。

茶碾き

ちゃひき [3][0] 【茶挽き・茶碾き】
(1)葉茶を茶臼でひくこと。
(2)芸者や遊女が,客が来なくて暇なこと。また,その芸者や遊女。おちゃひき。

茶礼

されい [0] 【茶礼】
(1)茶の湯の礼式。
(2)禅門における飲茶の礼法。

茶神

ちゃしん [0] 【茶神】
茶を売る者が神としてまつる,中国の陸羽の像。

茶禅

ちゃぜん [1] 【茶禅】
茶道と禅。

茶禅一味

ちゃぜんいちみ [1] 【茶禅一味】
茶道は禅から起こったものであるから,求めるところは禅と同一であるべきである,の意。茶禅一致。

茶立て

ちゃたて [0] 【茶立て】
(1)茶をたてること。また,その人。「―坊主/日葡」
(2)「茶立て女(オンナ)」に同じ。「せめては―のみめがよいか/狂言・今神明」

茶立て口

ちゃたてぐち [3] 【茶立て口】
⇒茶道口(サドウグチ)

茶立て女

ちゃたておんな [4] 【茶立て女】
(1)茶店で茶をいれて客に出す女。茶汲(ク)み女。茶立て。「そなたは―になつて,身共を連合ひのやうにおしやるな/狂言・今神明(三百番集本)」
(2)江戸時代,上方の遊女の一。茶汲みを名目にして,茶屋や風呂屋が抱えていた。茶立て。「垢掻き女・―といふを抱へ置く/洒落本・煙華漫筆」

茶立て虫

ちゃたてむし [3] 【茶立て虫・茶柱虫】
噛虫(ゴウチユウ)目に属する昆虫の総称。微小軟弱で体長数ミリメートル。多くは有翅。樹幹・葉上・岩上・室内などにいて藻類・菌類を食べる。紙類・動植物標本・乾燥食品などを食害する種類もある。障子などに止まって出す微音が茶をたてる音に似るのでこの名がある。日本には約五〇種が知られる。アズキアライ。ナキザミ。[季]秋。《此部屋に幾年ぶりぞ―/中村草田男》

茶筅

ちゃせん【茶筅】
a (bamboo) tea whisk.

茶筅

ちゃせん [0] 【茶筅・茶筌】
(1)抹茶をたてる時,泡をたてたり,練ったりするのに用いる竹製の具。10センチメートルほどの竹筒の半分以上を細く割って穂にしたもの。白竹・青竹・煤竹(ススダケ)などを用い,種類が多い。
(2)〔茶筅を売り歩いたからという〕
江戸時代,竹細工などをした人々の称。賤民視されていた。
(3)「茶筅髪(ガミ)」の略。
茶筅(1)[図]

茶筅切り

ちゃせんぎり [0] 【茶筅切り】
野菜の飾り切りの一。両端または一端を残して縦に細かく包丁を入れる切り方。ナス・ゴボウなどに用いる。

茶筅坊

ちゃせんぼう 【茶筅坊】
男子の茶筅髪(ガミ)。「髪は本多にあらず,―にあらず/洒落本・辰巳之園」

茶筅師

ちゃせんし [2] 【茶筅師】
茶筅の製造を業とする人。

茶筅擦れ

ちゃせんずれ [0] 【茶筅擦れ】
茶碗の部分の名。茶をたてるとき茶筅が当たる部分。見所の一つ。また,茶筅が当たって生じたきずをいう場合もある。

茶筅立て

ちゃせんたて [2] 【茶筅立て】
茶筅を立てておく器具。金属・陶製の印章状のもの。野点(ノダテ)に用いる。

茶筅羊歯

ちゃせんしだ [4] 【茶筅羊歯】
チャセンシダ科の常緑性シダ植物。多く山地の岩上または樹幹上に生える。葉は根茎から叢生(ソウセイ)し,長さ約20センチメートル。葉柄は細く暗褐色。胞子嚢(ホウシノウ)群は広線形で裏面の脈上につく。

茶筅袖垣

ちゃせんそでがき [4] 【茶筅袖垣】
竹を筋違いに組み,その上部を縦に編んだ袖垣。

茶筅通し

ちゃせんとおし [4] 【茶筅通し】
茶の湯の作法の一。茶をたてるに先立ち,茶筅を一応あらため,茶碗の中の湯に浸して穂先をならし,穂先に折れがないかどうかを確かめること。茶筅投じ。茶筅調べ。

茶筅飾り

ちゃせんかざり [4] 【茶筅飾り】
茶の湯の点前(テマエ)の一。茶巾(チヤキン)・茶筅・茶杓(チヤシヤク)を水指(ミズサシ)のふたの上にのせ,前に茶入れを入れた茶碗を置く。名物の茶碗や新茶碗や拝領の水指を用いるときに行う。

茶筅髪

ちゃせんがみ [0][2] 【茶筅髪】
〔髷(マゲ)が茶筅に似るところから〕
(1)男子の髪形の一。室町末頃に始まる。髪を頭頂で束ね,根元から組み緒などで巻き立て,先を巻き残したもの。巻いた部分が柄で,先が穂である茶筅に見える。
(2)女子の髪形の一。切り髪{(1)}に似て,髷が茶筅状であるもの。江戸時代,京坂の未亡人が結った。
茶筅髪(1)[図]

茶筌

ちゃせん [0] 【茶筅・茶筌】
(1)抹茶をたてる時,泡をたてたり,練ったりするのに用いる竹製の具。10センチメートルほどの竹筒の半分以上を細く割って穂にしたもの。白竹・青竹・煤竹(ススダケ)などを用い,種類が多い。
(2)〔茶筅を売り歩いたからという〕
江戸時代,竹細工などをした人々の称。賤民視されていた。
(3)「茶筅髪(ガミ)」の略。
茶筅(1)[図]

茶筒

ちゃづつ [0] 【茶筒】
茶の葉を入れる,円筒形の容器。

茶筒

ちゃづつ【茶筒】
a tea canister.

茶箒

ちゃぼうき [2] 【茶箒】
茶席で,席や炉・風炉,釜のふたなどを掃くための小さい羽根箒。羽箒(ハボウキ)。茶掃き羽(バ)。

茶箪笥

ちゃだんす【茶箪笥】
a cupboard.→英和

茶箪笥

ちゃだんす [0] 【茶箪笥】
茶道具やその他の食器などを入れておく家具。

茶箱

ちゃばこ [0] 【茶箱】
(1)葉茶を製造元から問屋・小売店などに送るための木製の大箱。防湿のため,内外を紙ばりにして柿渋(カキシブ)をひいたり,内側に錫箔(スズハク)をはったりする。
(2)旅持ちまたは野点(ノダテ)などの際,茶道具を入れて持ち運ぶ箱。

茶箱

ちゃばこ【茶箱】
a tea box[chest].

茶箱点て

ちゃばこだて [0] 【茶箱点て】
茶の湯の形式の一。茶箱{(2)}を用いて点茶をするもの。主に野外で行う。

茶篩

ちゃぶるい [2] 【茶篩】
茶臼(チヤウス)でひいた茶をふるうのに用いる,目の細かい篩。

茶籃

ちゃかご [0] 【茶籠・茶籃】
茶器を入れるかご。運搬または野点(ノダテ)に用いる。

茶籠

ちゃかご [0] 【茶籠・茶籃】
茶器を入れるかご。運搬または野点(ノダテ)に用いる。

茶粥

ちゃがゆ [0] 【茶粥】
茶の煎(セン)じ汁を入れて煮た粥。奈良地方で始められたので,奈良茶・奈良茶粥などと呼ばれる。

茶素

ちゃそ [1] 【茶素】
⇒カフェイン

茶経

ちゃきょう チヤキヤウ 【茶経】
茶に関する最古の書。三巻。唐の陸羽の撰。団茶の歴史や製法・器具などについて述べる。

茶羽織

ちゃばおり [2] 【茶羽織】
(1)茶人が着た短い羽織。
(2)腰までの丈の短い羽織。襠(マチ)を付けず,半反で作る。共布の紐(ヒモ)を用いる。婦人が普段に着る。

茶翅蜚蠊

ちゃばねごきぶり [4] 【茶翅蜚蠊】
ゴキブリの一種。体長12ミリメートルほど。雌は卵の入った卵鞘(ランシヨウ)を,孵化するまで腹端につけたまま生活する。人家内にすみ,あらゆる有機物を食害し,病原微生物を媒介する。日本には江戸末期,外国船から上陸したものとみられている。

茶翻

ちゃこぼし [2] 【茶翻・茶零し】
「湯こぼし」に同じ。

茶肆

ちゃし [1] 【茶肆】
(1)茶を販売する店。茶舗。
(2)客に茶や軽食を提供する店。茶店。

茶腹

ちゃばら [0] 【茶腹】
茶をたくさん飲んでいっぱいになった腹具合。また,そうして空腹をしのぐこと。

茶臼

ちゃうす [0] 【茶臼】
(1)碾茶(テンチヤ)をひいて抹茶にするためのひき臼。古来,山城国宇治朝日山の石製を良とする。穀物用より小ぶりで,丈が比較的高い。
(2)上下逆にすること。また,上下逆になること。特に,男女交合の体位で女性が上になること。

茶臼山

ちゃうすやま 【茶臼山】
大阪市天王寺区の天王寺公園内にある墳丘。1614年,大坂冬の陣に徳川家康が本陣を置き,翌年の夏の陣に真田幸村が敗死した地。

茶臼岳

ちゃうすだけ 【茶臼岳】
栃木県北部にある那須岳の主峰。海抜1915メートル。那須岳。

茶臼芸

ちゃうすげい [3] 【茶臼芸】
(1)〔一般の石臼と異なり茶臼は茶しかひけないところから〕
一芸に秀でること。「一色に勝れるを―,と云ひ/浄瑠璃・鬼鹿毛無佐志鐙」
(2)〔(1)の誤解から〕
「石臼(イシウス)芸」に同じ。「万能に達したとはいふものの,近くいはば―で/滑稽本・浮世床(初)」

茶舗

ちゃほ [1] 【茶舗】
茶を売る店。茶商。茶店。

茶船

ちゃぶね 【茶船】
(1)江戸時代の川船の一。江戸・大坂などに入港した大型廻船の貨物を河岸に積み送るのに用いた船。瀬取り船。「上荷・―,かぎりもなく川浪に浮びしは/浮世草子・永代蔵 1」
→上荷(ウワニ)船
(2)船に飲食物を売る小舟。うろうろ船。「側に―を漕ぎ連れて,うどん・そば切きりり��と押廻し/浄瑠璃・鑓の権三(下)」

茶色

ちゃいろ [0] 【茶色】
黒色を帯びた赤黄色。また,黄赤系統の色の総称。

茶色

ちゃいろ【茶色(の)】
light brown.

茶色い

ちゃいろ・い [0] 【茶色い】 (形)
茶色の色である。茶色である。

茶花

ちゃばな [0] 【茶花】
茶席の床に生ける花。また,それに用いるにふさわしい花。四季の花を用いるが,香りの強いものは嫌う。新鮮で佗(ワビ)のあるものをよしとする。

茶茶

ちゃちゃ [1] 【茶茶】
(1)じゃま。妨害。他人の話の途中で,横から入れるひやかし気味の冗談をいう。
(2)飲み物としてのお茶。近世上方で女性が用いた語。「―ひとつくれなんせ/洒落本・月花余情」

茶茶ほうちゃ

ちゃちゃほうちゃ [3] 【茶茶ほうちゃ】 (形動)
(1)無分別なさま。むちゃなさま。むちゃくちゃ。
(2)だいなしにするさま。さんざん。

茶茶無茶

ちゃちゃむちゃ [0] 【茶茶無茶】 (形動)
むちゃくちゃなさま。また,だいなしにするさま。茶々無茶苦茶。茶々無茶苦。「身代を―にした挙句の果てに/滑稽本・大師めぐり」

茶菓

ちゃか [1] 【茶菓】
⇒さか(茶菓)

茶菓

ちゃか【茶菓(の接待をする)】
(entertain a person with) refreshments.

茶菓

さか【茶菓】
<serve> (light) refreshments.

茶菓

さか [1] 【茶菓】
茶と菓子。ちゃか。「―を供する」

茶菓子

ちゃがし【茶菓子(を出す)】
(serve) refreshments.

茶菓子

ちゃがし [2] 【茶菓子】
茶を飲むときに食べる菓子。茶うけの菓子。

茶蕎麦

ちゃそば [0][2] 【茶蕎麦】
抹茶を混ぜて打った蕎麦切り。

茶蘭

ちゃらん [0] 【茶蘭】
センリョウ科の常緑小低木。中国原産。高さ50センチメートル内外。茎は緑色で節は太く肥厚する。葉は対生し,楕円形で,チャの葉に似る。初夏,香りのある黄色の小花を穂状につけ,小核果を結ぶ。

茶表紙

ちゃびょうし [2] 【茶表紙】
(1)茶色の表紙。
(2)〔表紙が茶色の唐本仕立てであったところから〕
洒落本の別名。

茶袋

ちゃぶくろ [2][0] 【茶袋】
(1)葉茶を入れておく紙の袋。
(2)葉茶を入れて,煎(セン)じるのに用いる布袋。

茶褐色

ちゃかっしょく [2] 【茶褐色】
赤みのかった茶色。

茶褐色

ちゃかっしょく【茶褐色(の)】
brown.→英和

茶褐薬

ちゃかつやく [3] 【茶褐薬】
トリニトロトルエンのこと。

茶話

さわ [1] 【茶話】
茶を飲みながらの気軽な話。茶飲み話。ちゃわ。

茶話

ちゃばなし [2] 【茶話】
茶飲み話。さわ。

茶話

ちゃばなし【茶話】
⇒茶飲み.

茶話

ちゃわ [1] 【茶話】
(1)茶飲み話。さわ。
(2)滑稽な話。軽い話。

茶話会

さわかい【茶話会】
a tea party.

茶話会

さわかい [2][0] 【茶話会】
お茶とお菓子程度を供し,打ち解けて話し合う集まり。ちゃわかい。ティー-パーティー。

茶話会

ちゃわかい [2][0] 【茶話会】
⇒さわかい(茶話会)

茶請け

ちゃうけ【茶請け】
refreshments.

茶請け

ちゃうけ [0] 【茶請け】
茶を飲むときに食べる菓子や漬物。

茶較べ

ちゃくらべ [2] 【茶較べ・茶比べ】
茶を飲みくらべてその品質の優劣を競ったり,銘柄を当てたりする遊び。

茶通

ちゃつう [0][2] 【茶通・楪津宇】
小麦粉に砂糖とひき茶を混ぜてこね,あんを包んで上面にごまをふって鉄板上で焼いた菓子。ちゃつやき。さつう。

茶通

さつう [0] 【茶通・茶桶】
⇒ちゃおけ(茶桶)

茶通箱

さつうばこ [2] 【茶通箱】
茶道具の一種。もとは抹茶を持ち運ぶ通い箱。現在では二種の濃茶を客にもてなす時の点前(テマエ)に用いる箱。また珍しい茶や,客から茶を貰った時にも用いる。

茶道

ちゃどう [1] 【茶道】
茶の湯の道。鎌倉時代,禅宗の寺院において定めた喫茶の礼に始まり,民間に広まって,茶室や道具類が整うとともに精神面が強調されるようになった。村田珠光・武野紹鴎らを経て,千利休が侘茶(ワビチヤ)として大成。利休以後,表千家・裏千家・武者小路千家に分かれた。他にも多くの流派がある。茶の湯。さどう。

茶道

ちゃどう【茶道】
the tea ceremony.

茶道

さどう [1] 【茶道】
(1)「ちゃどう(茶道)」に同じ。
(2)「茶頭(サドウ)」に同じ。

茶道

さどう【茶道】
the tea ceremony.

茶道具

ちゃどうぐ【茶道具】
tea-things;a tea set.

茶道具

ちゃどうぐ [2] 【茶道具】
茶の湯に用いる道具。点茶用具・装飾用具・懐石用具・水屋用具・待合用具の五種類に大別される。「―屋」

茶道口

さどうぐち [2] 【茶道口】
茶室で,点前(テマエ)をする亭主の出入り口。方立口(ホウダテグチ)・火灯口(カトウグチ)などの形式がある。勝手口。茶立て口。亭主口。

茶道坊主

さどうぼうず [4] 【茶道坊主】
「茶坊主(チヤボウズ){(1)}」に同じ。

茶道坊主

ちゃどうぼうず [4] 【茶道坊主】
「茶坊主(チヤボウズ){(1)}」に同じ。

茶酒盛

ちゃさかもり 【茶酒盛(り)】
酒の代わりに茶を飲む宴会。「石居(スエ)て土竈をかけ―をはじめ/浮世草子・男色大鑑 2」

茶酒盛り

ちゃさかもり 【茶酒盛(り)】
酒の代わりに茶を飲む宴会。「石居(スエ)て土竈をかけ―をはじめ/浮世草子・男色大鑑 2」

茶釜

ちゃがま [0][3] 【茶釜】
茶をたてる湯をわかす釜。多く鉄製で,上部がすぼまり,口が小さい。

茶釜

ちゃがま【茶釜】
a teakettle.→英和

茶銘

ちゃめい [0] 【茶銘】
茶の湯に用いる葉茶に付けられた銘。初め宇治の茶師が茶袋に自園の名を記したものを銘として転用していたが,のちには各流宗家の好みによって銘が付けられるようになった。初昔(ハツムカシ)・後昔(ノチムカシ)の類。

茶鐺

ちゃとう [0] 【茶鐺】
(1)茶釜(チヤガマ)。
(2)鑵子(カンス)。

茶零し

ちゃこぼし [2] 【茶翻・茶零し】
「湯こぼし」に同じ。

茶音頭

ちゃおんど 【茶音頭】
地歌の一。京都の菊岡検校(ケンギヨウ)作曲の三味線曲。歌詞は横井也有(ヤユウ)作詞の「女手前」を簡略にしたもの。茶の湯に関する語句を縁語でつづり,男女の縁の末長いことを歌う。八重崎検校が箏曲(ソウキヨク)に編曲したものもある。茶の湯音頭。

茶頭

さどう [1] 【茶頭】
貴人に仕えて茶事をつかさどった茶の師匠。安土桃山時代に千宗易(利休)・津田宗及らが信長・秀吉の茶頭を務め,江戸時代には各藩にも茶道方という職掌ができた。禅院では「ちゃじゅう」と読んだ。
〔「茶堂」「茶道」とも書く〕

茶頭

ちゃじゅう 【茶頭】
⇒さじゅう(茶頭)

茶頭

さじゅう 【茶頭】
禅寺で,茶の湯をつかさどる役僧。

茶風炉

ちゃぶろ [0] 【茶風炉】
茶の湯の風炉。

茶食

ちゃしょく [0] 【茶食】
「茶飯(チヤメシ)」に同じ。

茶飯

ちゃめし [0] 【茶飯】
(1)茶を煮出し,その汁で炊き上げた飯。
(2)醤油で味をつけて炊いた飯。醤油飯。桜飯(サクラメシ)。黄辛茶飯(キガラチヤメシ)。

茶飯

さはん [0] 【茶飯】
茶と飯。転じて,日常ごくありふれていること。「―の日用に活計す/正法眼蔵」

茶飯事

さはんじ【茶飯事】
⇒日常(茶飯事).

茶飯事

さはんじ [2] 【茶飯事】
日常ごくありふれた事柄。「日常―」

茶飲み

ちゃのみ [3] 【茶飲み】
(1)茶をたくさん飲むこと。また,茶の好きな人。
(2)茶人。茶の宗匠。
(3)「茶飲み茶碗(ヂヤワン)」の略。

茶飲み仲間

ちゃのみなかま [4] 【茶飲み仲間】
「茶飲み友達」に同じ。

茶飲み友達

ちゃのみともだち [4] 【茶飲み友達】
(1)常に寄り合って茶飲み話などする親しい友達。いつも心やすく往来する友達。多く老人の場合にいう。
(2)年老いてから後に得たつれあい。茶飲み仲間。

茶飲み友達

ちゃのみ【茶飲み友達】
a companion in one's old age.茶飲み話 <have> an idle talk[a chat](over tea).

茶飲み種

ちゃのみぐさ [3] 【茶飲み種】
茶飲み話のたね。世間話。

茶飲み茶碗

ちゃのみぢゃわん [4] 【茶飲み茶碗】
煎茶(センチヤ)を飲むのに用いる茶碗。煎茶茶碗。湯飲み茶碗。

茶飲み話

ちゃのみばなし [4] 【茶飲み話】
茶を飲みながらする世間話。茶話(チヤバナシ)。

茶館

さかん [1][0] 【茶館】
中国,宋代の大都市に出現した喫茶店・軽食堂。茶坊ともいう。

茶香服

ちゃかぶき [2] 【茶歌舞伎・茶香服】
茶道の七事式の一。銘を明らかにした二種の試し茶を飲み,のち,一種を加えて三種を飲んできき分けるもの。
〔多く「茶かぶき」と書く〕

茶鼠

ちゃねずみ [2] 【茶鼠】
茶色を帯びた鼠色。ちゃねず。

くさびら 【菌・茸】
狂言の一。屋敷に茸(キノコ)が生えたので山伏に祈祷(キトウ)を頼むが,かえって茸はふえ,ついには動き回るようになる。茸山伏。

きのこ [1] 【茸・蕈・菌】
〔「木の子」の意〕
担子菌類・子嚢(シノウ)菌類の作る大きな子実体の通称。木陰の腐葉土や朽ち木などに生え,多くは傘状で裏に多数の胞子ができる。松茸・初茸・椎茸のように食用になるものもあるが,有毒なものもある。[季]秋。

たけ【茸】
⇒茸(きのこ).

くさびら 【草片・茸】
(1)野菜。青物(アオモノ)。[和名抄]
(2)茸(キノコ)。「木に生ひたる―あついものにせさせ/宇津保(国譲下)」
(3)〔斎宮の忌み詞〕
獣の肉。[延喜式(斎宮寮)]

きのこ【茸】
a mushroom;→英和
a toadstool (有毒の).→英和
‖茸狩 <go> mushroom-gathering.茸雲[原爆の]a mushroom cloud.

たけ [0] 【茸】
〔関西で〕
きのこ。

茸山

たけやま [0] 【茸山】
きのこの生える山。

茸狩

たけがり [0] 【茸狩(り)】
きのことり。きのこがり。[季]秋。

茸狩

きのこがり [0][3] 【茸狩(り)】
山へ茸を探しに行くこと。きのことり。たけがり。[季]秋。

茸狩り

たけがり [0] 【茸狩(り)】
きのことり。きのこがり。[季]秋。

茸狩り

きのこがり [0][3] 【茸狩(り)】
山へ茸を探しに行くこと。きのことり。たけがり。[季]秋。

茸茸

じょうじょう [0] 【茸茸】 (ト|タル)[文]形動タリ
草が盛んに茂っているさま。「春草―/日乗(荷風)」

茸雲

きのこぐも [4] 【茸雲】
核爆発,火山爆発,大量の火薬の爆発などで発生する巨大な茸形の雲。煙・塵埃(ジンアイ)・水蒸気などからなる。黒い驟雨(シユウウ)の降ることがある。爆発雲。

茸飯

きのこめし [3] 【茸飯】
茸を炊き込んだ飯。独特の香気と風味を賞味する。[季]秋。

茹だる

ゆだる【茹だる】
boil;→英和
[暑さ]⇒茹(う)だる.

茹だる

うだ・る [2] 【茹だる】 (動ラ五[四])
〔「ゆだる」の転〕
(1)「ゆだる」に同じ。「卵が―・る」
(2)暑さのために体がぐったりする。「―・るような暑さ」

茹づ

ゆ・ず ユヅ 【茹づ】 (動ダ下二)
⇒ゆでる

茹で

ゆで [2] 【茹で・煠で】
ゆでること。「塩―」「―卵」

茹でる

う・でる [2] 【茹でる】 (動ダ下一)
〔「茹(ユ)でる」の転〕
ゆでる。「ジャガイモを―・でる」

茹でる

うでる【茹でる】
boil.→英和
茹で卵 a boiled egg.

茹でる

ゆでる【茹でる】
boil.→英和

茹でる

ゆ・でる [2] 【茹でる】 (動ダ下一)[文]ダ下二 ゆ・づ
(1)熱湯で煮る。うでる。「卵を―・でる」
(2)体の痛いところを湯にひたす。「雪げに御足も腫(ハ)れて,…―・でつくろひなどして/狭衣 3」

茹で上がる

ゆであが・る [0][4] 【茹で上(が)る】 (動ラ五[四])
完全にゆでられた状態になる。「枝豆が―・る」

茹で上げる

ゆであ・げる [0][4] 【茹で上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 ゆであ・ぐ
十分にゆでる。うであげる。「そばを―・げる」

茹で上る

ゆであが・る [0][4] 【茹で上(が)る】 (動ラ五[四])
完全にゆでられた状態になる。「枝豆が―・る」

茹で卵

うでたまご [3][4] 【茹で卵・茹で玉子】
⇒ゆでたまご(茹卵)

茹で卵

ゆでたまご【茹で卵】
a boiled egg.

茹で卵

ゆでたまご [3] 【茹で卵・茹で玉子】
殻のままゆでた鶏卵。煮抜き。うでたまご。

茹で小豆

ゆであずき [3] 【茹で小豆】
あずきをゆでてうす甘く味つけしたもの。煮あずき。[季]夏。

茹で栗

ゆでぐり [2] 【茹で栗】
ゆでた栗の実。うでぐり。

茹で汁

ゆでじる [3][0] 【茹で汁】
物をゆでたあとの汁。

茹で海老

ゆでえび [2] 【茹で海老】
ゆでて赤い色になったエビ。正月の飾り物とする。

茹で溢す

ゆでこぼ・す [0][4] 【茹で溢す】 (動サ五[四])
(あくを取るために)ゆでて,そのゆで汁をこぼす。「あずきを―・す」

茹で玉子

うでたまご [3][4] 【茹で卵・茹で玉子】
⇒ゆでたまご(茹卵)

茹で玉子

ゆでたまご [3] 【茹で卵・茹で玉子】
殻のままゆでた鶏卵。煮抜き。うでたまご。

茹で蛸

ゆでだこ【茹で蛸】
a boiled octopus.〜のように赤い as red as a lobster.→英和

茹で蛸

ゆでだこ [0][3] 【茹で蛸】
(1)ゆでて赤くなったタコ。
(2)入浴・飲酒・激怒などのために赤くなったさまをいう語。

茹で麺

ゆでめん [2] 【茹で麺】
ゆでてある,うどんやそばの玉。うでめん。

茹る

ゆだ・る [2] 【茹る】 (動ラ五[四])
ゆであがる。うだる。「卵が―・った」

茹る

うだる【茹る】
be boiled.〜ような暑さ the sweltering[broiling]heat.〜ように暑い It is boiling[broiling]hot.

荀卿

じゅんけい 【荀卿】
中国の思想家,荀子の尊称。

荀子

じゅんし 【荀子】
(1)(前298-前238頃) 中国,戦国時代,趙(チヨウ)の思想家。名は況。荀卿(ケイ)・孫卿とも尊称される。斉の襄(ジヨウ)王や楚(ソ)の春申君に仕えた。孟子(モウシ)の性善説に対して性悪説を唱え,またそれまでの諸子の学を大成し,儒学を倫理学から政治学へ発展させた。
(2)中国,戦国時代の思想書。二〇巻。荀子著。成立年代未詳。礼・義を外在的な規定とし,それによる人間規制を重く見て性悪説を唱えた。のち,韓非(カンビ)などに受け継がれ,法家思想を生む。

荀悦

じゅんえつ 【荀悦】
(148-209) 中国,後漢の思想家。荀子の子孫という。曹操に召し出され,献帝に講義を行なった。著「漢紀」「申鑒(シンカン)」

荇菜

あさざ 【莕菜・荇菜】
リンドウ科の多年生水草。沼沢に自生する。葉は緑色の広楕円形で,地下茎から長い柄を出して水面に浮かぶ。夏,黄色の五弁花を水上に開く。若葉は食用。ハナジュンサイ。[季]夏。

そう サウ [1] 【草】
(1)下書き。草案。「―を起し/経国美談(竜渓)」
(2)漢字の書体の一。草書。草体。
(3)「草仮名」に同じ。
(4)(正式のもの,堅苦しいものに対して)略式のもの。くずしたもの。「―の庭」

くさ 【草】
■一■ [2] (名)
(1)植物の中で,木部があまり発達せず,地上の部分が柔らかいもの。冬になると枯れるものが多い。草本。
→木
(2)屋根を葺(フ)く,藁(ワラ)や茅(カヤ)。「―で葺いた屋根」
(3)まぐさ。かいば。「牛つなぎて―など飼はするこそいとにくけれ/枕草子 177」
(4)(草の中に伏せて敵をうかがうところから)忍びの者。しのび。草屈(クサカマ)り。
■二■ (接頭)
名詞に付いて,本格的ではないもの,見かけは似ているが実質は異なっているもの,などの意を表す。「―野球」「―競馬」「―かげろう」

くさ【草】
grass;→英和
a herb (有用の);→英和
a weed (雑草).→英和
〜のはえた grassy.→英和
〜を取る weed <a garden> .〜の根を分けて捜す leave no stone unturned.

草々

そうそう【草々】
[手紙で] Sincerely yours,/Yours sincerely,.

草いきれ

くさいきれ [3] 【草いきれ】
夏の強い日ざしをうけて,草むらから立ちのぼる,むっとする熱気。[季]夏。

草いきれ

くさいきれ【草いきれ】
fumes of grass.

草する

そう・する サウ― [3] 【草する】 (動サ変)[文]サ変 さう・す
原稿を書く。下書きを書く。「一文を―・する」

草っ原

くさっぱら [0] 【草っ原】
「くさはら(草原)」の転。

草のとざし

くさのとざし 【草のとざし】
草庵の戸。また,簡素な住まい。草の戸。「立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは―にさはりしもせじ/源氏(若紫)」
〔一説に,「草の閉ざし」で草が生い茂って入り口を閉ざす意とも〕

草の便り

くさのたより 【草の便り】
「草の縁(ユカリ)」に同じ。

草の原

くさのはら 【草の原】
(1)草の生えている原。草原。
(2)草深い墓地。「憂身世にやがて消えなば尋ねても―をば訪はじとや思ふ/源氏(花宴)」

草の実

くさのみ [0] 【草の実】
草に生(ナ)る実。特に,秋の草に実る実。[季]秋。《―や空しく土となる斗り/闌更》

草の宿り

くさのやどり 【草の宿り】
(1)草の上を宿とすること。「物や悲しききりぎりす―に声たえずなく/後撰(秋上)」
(2)粗末な住居。草の庵(イオリ)。「心もて―をいとへども/源氏(鈴虫)」

草の庵

くさのいおり 【草の庵】
粗末な家。くさのいお。「わが袖は―にあらねども/伊勢 56」

草の戸

くさのと 【草の戸】
草庵の戸。また,簡素なわびしい住まい。草のとぼそ。

草の枕

くさのまくら 【草の枕】
「草枕」に同じ。旅。旅寝。「―にあまたたび寝ぬ/古今(羇旅)」

草の根

くさのね [4] 【草の根】
(1)草の根もと。かくれて見えないところ。
(2)議会や政党・労働組合などの組織に属さない一般人。民衆。グラス-ルーツ。「―の反核運動」

草の根民主主義

くさのねみんしゅしゅぎ [8] 【草の根民主主義】
広く一般の人々の間に根を下ろし,住民運動などにより一般の人々が政治に参加する民主主義。

草の根運動

くさのね【草の根運動】
a grass-roots movement.

草の汁

くさのしる [4] 【草の汁】
雌黄(シオウ)に藍蝋(アイロウ)をまぜて作った草緑色の絵の具。日本画で用いる。

草の王

くさのおう [4] 【草の王】
ケシ科の越年草。山地の路傍や林縁に生える。茎や葉の黄色の汁液はアルカロイドを含み有毒。高さ約50センチメートル。葉は羽状に深裂。初夏,葉腋から花序を立て数個の黄色四弁花を開き,蒴果(サクカ)を結ぶ。白屈菜(ハツクツサイ)。
草の王[図]

草の縁

くさのゆかり 【草の縁】
〔古今(雑上)「紫のひともとゆえにむさし野の草はみながらあはれとぞ見る」による〕
あるものに情愛を感ずると,それに縁故のある他のものにまで広く情愛が及ぶこと。転じて,何らかの縁でつながるもの。草の便り。紫のゆかり。「ねは見ねど哀れとぞ思ふ武蔵野の露分けわぶる―を/源氏(若紫)」

草の花

くさのはな [5] 【草の花】
草に咲く花。特に,秋咲く草の花。千草(チグサ)の花。[季]秋。《―ひたすら咲いてみせにけり/久保田万太郎》

草の芽

くさのめ [4][0] 【草の芽】
萌(モ)え出た草の若芽。[季]春。《―ははや八千草の情あり/青邨》

草の葉

くさのは 【草の葉】
〔原題 Leaves of Grass〕
ホイットマンの詩集。1855年初版刊行以後,増補を繰り返して四百編に及ぶ。霊肉の神秘的一致や,民主主義の本義をうたう。

草の蛍

くさのほたる 【草の蛍】
〔腐った草が蛍になるという「礼記(月令)」の句から〕
蛍。また,草の中にいる蛍。「夏はまた―をあつめつつ/拾遺(雑下)」

草の錦

くさのにしき [4] 【草の錦】
色づいた秋草を錦に見立てていう語。草紅葉。[季]秋。《別れ路や―を裁つ思ひ/几董》

草の陰

くさのかげ 【草の陰】
「草葉(クサバ)の陰」に同じ。「―にても名残り惜しうや思はれけん/平家 3」

草レダマ

くさレダマ [3] 【草―】
サクラソウ科の多年草。湿地に生える。高さ0.5〜1メートル。葉は披針形。夏から秋に,茎頂に大形の円錐花序を立て,多数の黄色の花をつける。マメ科のレダマに似るところからの名。黄連花。

草丈

くさたけ [2][0] 【草丈】
イネやムギ,また草などの高さ。

草亀

くさがめ [3][0] 【草亀・臭亀】
(1)カメの一種。甲長12〜25センチメートルで,背甲は暗褐色。四肢の付け根にある腺から臭液を出す。子はゼニガメと呼ばれる。本州以南と朝鮮・台湾・中国に分布。
(2)カメムシの異名。

草亭

そうてい サウ― [0] 【草亭】
草葺(ブ)きの簡素な家。草庵。草屋。

草人形

くさひとかた 【草人形】
藁(ワラ)で作った人形。「―を造り/日本書紀(神功訓)」

草付き

くさつき [0] 【草付き】
登山用語。急峻な岩場で草や低木の生えている所。

草代

くさだい 【草代】
(1)「草役米(クサヤクマイ)」のこと。
(2)他村の者にその土地の草を刈らせる代償として受け取る米や銭。

草仮名

そうがな サウ― [0] 【草仮名】
草書体の万葉仮名。草。さらに書きくずして,もとの漢字を離れて音を表すようになったものが平仮名である。

草体

そうたい サウ― [0] 【草体】
草書の字体。草書体。

草入り水晶

くさいりずいしょう [5] 【草入り水晶】
内部に金紅石・電気石・緑泥石・緑簾石・赤鉄鉱などの結晶を含み,草を含んでいるように見える水晶。

草冠

くさかんむり [3] 【草冠】
漢字の冠の一。「草」「菜」「蒼」などの「艹」。そうこう。
〔常用漢字・人名用漢字では「艹」(三画),そのほかの漢字では「艹」(四画)も用いられる。なお,漢和辞典では一般に「艸」(六画)部に配列される〕

草冠

そうこう サウカウ 【草冠】
〔「そうかん」の転〕
(1)「くさかんむり(草冠)」に同じ。「―や東の門(カド)に門(モン)たつて東(トウ)や東(ヒガシ)や蘭や蘭(アララギ)/洒落本・船頭深話」
(2)〔(1)の形が「廿」の字に似ていることから〕
二〇歳の異名。「―へ首尾よくまたぎ娵河原/柳多留 25」

草分

くさわけ【草分】
a pioneer;→英和
an early settler.草分時代 the pioneer days.

草分け

くさわけ [0] 【草分け】
(1)草深い土地を切り開いて村や町の基礎をつくること。また,その人。くさきり。「この村の―」
(2)ある事を初めてすること。また,その人。創始者。「この業界では―に属する」
(3)「草別(クサワキ)」に同じ。

草分け衣

くさわけごろも 【草分け衣】
深い草を分けて行くときの着物。「狩人の―ほしもあへず/玉葉(秋上)」

草切り

くさきり [4][3] 【草切り】
(1)まぐさを切る道具。おしきり。
(2)はじめて田畑を開いた者。

草刈

くさかり [3][4] 【草刈(り)】
家畜の飼料や肥料にするために草を刈ること。また,草を刈る人。[季]夏。

草刈

くさかり【草刈】
mowing.草刈がま(機) a sickle (a mowing machine).→英和

草刈り

くさかり [3][4] 【草刈(り)】
家畜の飼料や肥料にするために草を刈ること。また,草を刈る人。[季]夏。

草刈り唄

くさかりうた [4] 【草刈り唄】
民謡分類上の名称。仕事唄の一。野山への行き帰りや草刈りの手を休めた折に唄ったもの。所在を知らせるための唄なので,声を長くのばして唄うものが多い。

草刈り鎌

くさかりがま [4][5] 【草刈り鎌】
草を刈るかま。くさがま。

草刈り馬

くさかりうま [4] 【草刈(り)馬】
(1)真菰(マコモ)や藁(ワラ)で作った馬。七夕の日に飾り,農馬の安全を祈る。
(2)草刈りなどに用いる駄馬。

草刈壺鯛

くさかりつぼだい [5] 【草刈壺鯛】
スズキ目の海魚。全長約40センチメートル。体は褐色で側扁し,長楕円形。吻(フン)がとがり,うろこは粗雑で,背びれ・尻びれに強大なとげがある。食用。北太平洋中部に分布。

草刈馬

くさかりうま [4] 【草刈(り)馬】
(1)真菰(マコモ)や藁(ワラ)で作った馬。七夕の日に飾り,農馬の安全を祈る。
(2)草刈りなどに用いる駄馬。

草別

くさわき 【草別・草脇】
〔草を押し分けて行く所の意から〕
馬や鹿などの獣の胸先の部分。くさわけ。「馬の―・むながいづくし・太腹など/平家 8」

草削り

くさけずり [3] 【草削り】
草刈りや土寄せに用いる農具。ワの字形などをした刃物に長柄をつけたもの。草掻き。万能(マンノウ)。
草削り[図]

草創

そうそう サウサウ [0] 【草創】 (名)スル
(1)初めてつくること。事業をおこすこと。「朝敵を征し関東を―せしより/日本開化小史(卯吉)」
(2)寺社などを初めて建てること。創建。

草加

そうか サウカ 【草加】
埼玉県南東部の市。もと奥州街道の宿場町。草加せんべいなどで知られる。近年,工業団地・住宅団地の造成で発展。

草勝ち

そうがち サウ― 【草勝ち】 (形動ナリ)
草仮名が多いさま。「ことごとしく―などにもされ書かず/源氏(初音)」

草千里

くさせんり 【草千里】
阿蘇火山中央火口丘にある,烏帽子(エボシ)岳北斜面の火口跡。皿状の地形全体が草原をなす。草千里ヶ浜。

草卒

そうそつ [0] サウ― 【倉卒・草卒】 ・ ソウ― 【怱卒】 (名・形動)[文]ナリ
(1)忙しく慌ただしいこと。あわてて事を行うこと。また,そのさま。「―の間(カン)」「両者の優劣にいたりては未だ―に断言すべからざるものあり/小説神髄(逍遥)」
(2)突然なこと。急なこと。また,そのさま。にわか。「かく―に会戦して/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
(3)なげやりなこと。いいかげんなこと。また,そのさま。「酬金の薄きものと雖ども,―に筆を下すことなし/西国立志編(正直)」

草原

そうげん サウ― [0] 【草原】
(1)一面に草が生えている広い原。くさはら。
(2)草本植物を主とする植物群落。温帯のステップ・プレーリー,熱帯のサバンナなど。

草原

くさはら【草原】
a grassy plain;[牧草地]a meadow.→英和

草原

くさはら [0] 【草原】
草のしげっている野原。

草原

そうげん【草原】
a plain;→英和
a prairie (北米の);→英和
a pampas (南米の);→英和
a steppe (ソ連の).→英和

草双紙

くさぞうし [3] 【草双紙】
江戸中期から明治の初めにかけて作られた挿絵主体の仮名書きの読み物。子供向けの絵解き本に始まり,次第に大人向きのものになり,浄瑠璃の素材や遊里に題材を取り,洒落・滑稽を交えるものが出た。のち教訓物・敵討物が流行した。絵双紙。表紙の色や装丁によって,赤本・黒本・青本・黄表紙・合巻(ゴウカン)などに区別されるが,特に合巻のみをさす場合がある。

草取

くさとり【草取】
weeding;a weeder (機).→英和
〜をする weed <a garden> .→英和

草取り

くさとり [3][4] 【草取り】 (名)スル
(1)畑・庭・道などの雑草を取ること。また,その人。草引き。草むしり。[季]夏。
(2)小さな熊手の形の,雑草を取るための道具。

草取り爪

くさとりづめ [4] 【草取り爪】
除草具の一。鉄や竹製の琴爪状のもので,指先にはめて水田の土を掻(カ)いて草を取る。

草取る

くさど・る 【草取る】 (動ラ四)
〔古くは「くさとる」か〕
鷹(タカ)狩りで,鷹が草むらの鳥をつかまえる。[日葡]

草叢

くさむら [0] 【叢・草叢】
草が群がって生えている所。

草叢

そうそう サウ― [0] 【草叢】
くさむら。

草合せ

くさあわせ [3] 【草合(わ)せ】
物合わせの一。平安以降,五月五日の節句などに,いろいろの草を出し合ってその優劣を競った遊び。中国の闘草をまねたもの。草尽くし。

草合わせ

くさあわせ [3] 【草合(わ)せ】
物合わせの一。平安以降,五月五日の節句などに,いろいろの草を出し合ってその優劣を競った遊び。中国の闘草をまねたもの。草尽くし。

草合歓

くさねむ [3][0] 【草合歓】
マメ科の一年草。水辺に自生。高さ約60センチメートル。葉は羽状複葉で,ネムの葉に似る。七〜九月,葉腋に黄色の小花をつけ,豆果を結ぶ。

草名

そうみょう サウミヤウ [0] 【草名】
草体の署名。特に,二字を合わせて一字のように書いたもの。また,花押(カオウ)。そうな。

草名

そうな サウ― [0] 【草名】
⇒そうみょう(草名)

草団子

くさだんご [3] 【草団子】
糝粉(シンコ)にヨモギを混ぜて作った蒸し団子。

草地

くさち [0] 【草地】
草の生えている土地。そうち。

草地

くさち【草地】
a grassland;→英和
a meadow.→英和

草地

そうち サウ― [1] 【草地】
草が生えている土地。くさち。

草地利用権

くさちりようけん [5] 【草地利用権】
⇒そうちりようけん(草地利用権)

草地利用権

そうちりようけん サウ― [5] 【草地利用権】
養畜を行う住民または組合員の共同利用のために,市町村または農業協同組合が土地所有者等との間で設定する牧草地の賃借権。農地法に規定がある。

草垣

くさがき [2] 【草垣】
生い茂って垣のようになった草。

草城

そうじょう サウジヤウ 【草城】
⇒日野(ヒノ)草城

草堂

そうどう サウダウ [0] 【草堂】
(1)草葺(ブ)きの家。草屋。
(2)草庵。いおり。また,自分の家を謙遜していう語。

草場

くさば 【草場】
姓氏の一。

草場佩川

くさばはいせん 【草場佩川】
(1787-1867) 江戸後期の儒者・漢詩人。肥前の人。名は韡。江戸で古賀精里に学び,佐賀藩に仕える。絵もよくした。著「佩川詩鈔」

草墩

そうとん サウ― [0] 【草墩・草墪】
腰掛けの一種。わらを芯として円筒形に作り,表面を布で包んだもの。高さは約40センチメートル。宮中で節会(セチエ)などの際に用いた。
草墩[図]

草墪

そうとん サウ― [0] 【草墩・草墪】
腰掛けの一種。わらを芯として円筒形に作り,表面を布で包んだもの。高さは約40センチメートル。宮中で節会(セチエ)などの際に用いた。
草墩[図]

草壁皇子

くさかべのおうじ 【草壁皇子】
(662-689) 天武天皇の皇子。母はのちの持統天皇。文武天皇・元正天皇の父。壬申(ジンシン)の乱で父に従い,皇太子となったが早世。

草夾竹桃

くさきょうちくとう [0] 【草夾竹桃】
ハナシノブ科の多年草。北アメリカ原産。茎は直立し,高さ1メートル内外。夏,茎頂に円錐花序をたて赤紫色・白色などの花を多数つける。切り花・花壇に利用。花魁草(オイランソウ)。フロックス。

草子

そうし サウ― [1] 【草紙・草子・双紙・冊子】
〔「さくし(冊子)」の転〕
(1)綴(ト)じてある本。字などを書いたものも書いてないものもいう。
(2)仮名書きの物語・日記・歌などの総称。「古今の―を御前におかせ給ひて/枕草子 23」
(3)書き散らした原稿。したがき。「書きおかれける歌の―どもの/十六夜」
(4)「絵草紙」「草双紙」などの略。
(5)字の練習用に紙を綴じたもの。

草子洗小町

そうしあらいこまち サウシアラヒ― 【草子洗小町・草紙洗小町】
能の一。三番目物。宮中の歌合わせで,大伴黒主が小野小町の詠歌を前もって万葉集に書き入れ,古歌だと言いがかりをつけるが,小町がその草子を洗うとその歌の文字が消えたので疑いが晴れる。草子洗。

草字

そうじ サウ― [0] 【草字】
草体の漢字。そうもじ。そう。

草字小判

そうじこばん サウ― [4] 【草字小判】
文政小判の別称。裏面右上に草体で「文」の字が刻印されている。草字小判金。草文小判金。

草尽くし

くさづくし [3] 【草尽(く)し】
(1)「草合わせ」に同じ。
(2)いろいろの草花を描いた模様。「秋の野に―ぬうたるひたたれに/幸若・敦盛」

草尽し

くさづくし [3] 【草尽(く)し】
(1)「草合わせ」に同じ。
(2)いろいろの草花を描いた模様。「秋の野に―ぬうたるひたたれに/幸若・敦盛」

草屈り

くさかまり 【草屈り】
〔草かげにひそんで敵状を探る者の意〕
「伏(フ)せかまり」に同じ。

草屋

そうおく サウヲク [0] 【草屋】
(1)草葺(ブ)きの家。
(2)自分の家を謙遜していう語。粗末な家。

草屋

くさや [0][2] 【草屋】
(1)草ぶき屋根の家。
(2)まぐさを入れておく小屋。まぐさ小屋。

草屋根

くさやね [3][0] 【草屋根】
草ぶきの屋根。

草履

ぞうり【草履】
<wear> (straw) sandals.

草履

じょうり ジヤウ― 【草履】
ぞうり。[日葡]

草履

ぞうり ザウ― [0] 【草履】
鼻緒のついた平底の履物。藁(ワラ)・藺(イ)・竹皮などを編んだもの,ビニール・ゴム製などのものがある。

草履下駄

ぞうりげた ザウ― [3] 【草履下駄】
表に畳表をつけ,木綿真田(サナダ)などの鼻緒をつけた下駄。形は駒下駄(コマゲタ)に似てやや低い。

草履取り

ぞうりとり ザウ― [3] 【草履取り】
武家の下僕の一。主人の外出のとき草履をそろえ,替えの草履を持って供をした。草履持ち。

草履打ち

ぞうりうち ザウ― [0] 【草履打ち】
浄瑠璃・歌舞伎で,憎悪・遺恨などから草履で打つ場面の総称。特に,浄瑠璃「加賀見山旧錦絵(カガミヤマコキヨウノニシキエ)」の六段目が有名。

草履海老

ぞうりえび ザウ― [3] 【草履海老】
海産のエビ。体長20センチメートル内外。体は平たく,黒褐色。はさみはなく,尾扇を常に腹面側に折り曲げている。浅海の岩礁にすむ。食用。本州中部以南の暖海に広く分布。

草履虫

ぞうりむし ザウ― [3] 【草履虫】
原生動物繊毛虫綱の一属の総称。楕円形の単細胞動物で,表面は繊毛でおおわれる。体長0.2〜0.3ミリメートル。卵形の大核一個と,一または二個の小核がある。すべて淡水産で,各地の池・溝・沼・田などに広く分布。遺伝学の材料として利用される。
草履虫[図]

草履食い

ぞうりくい ザウ―クヒ [3] 【草履食い】
草履の緒ですれて足を痛めること。

草市

くさいち [2][3] 【草市】
盂蘭盆会(ウラボンエ)に供える草花や飾り物・細工物などを売る市。盆の市。盆市。花市。[季]秋。《―や人まばらなる宵の雨/正岡子規》

草市

そうし サウ― [1] 【草市】
中国の州県城外の水陸の要地,寺院の門前,塩場,陶器製造地などに置かれた小市場。東晋以後見られ,宋代に発達した。

草年貢

くさねんぐ 【草年貢】
江戸時代の小物成(コモノナリ)の一。草地などを検地してその反別(タンベツ)により納める年貢。野年貢。

草座

そうざ サウ― [1] 【草座】
〔釈迦が悟りを開いたときに吉祥草を敷いてすわったという故事による〕
法会(ホウエ)などのとき,僧が使う敷物の一種。古くは草で編んだ。

草庵

そうあん サウ― [0] 【草庵】
(1)草葺(ブ)きの小さな家。粗末な仮住まい。草のいおり。
(2)茶室の別称。

草庵集

そうあんしゅう サウアンシフ 【草庵集】
歌集。正編一〇巻,続編五巻。頓阿作。自撰。正編1359年頃成立,続編66年頃成立。正編約一四〇〇首,続編約六〇〇首。平明で温和な調べの歌が多く,二条派の正風として尊重された。草庵和歌集。

草廬

そうろ サウ― [1] 【草廬】
(1)草で作った小さな家。草庵。
(2)自分の住居をへりくだっていう語。

草引き

くさひき [0][4] 【草引き】
草むしり。草取り。[季]夏。
〔主に関西地方での言い方〕

草役永

くさやくえい [0] 【草役永】
江戸時代の小物成(コモノナリ)の一。反別のない原野でまぐさなどを刈る者に課した年貢。米で納める場合は草役米・野手(ノテ)米という。野手永。

草役米

くさやくまい [0][4] 【草役米】
江戸時代の小物成(コモノナリ)の一。反別のない原野でまぐさなどを刈る者に課した役米(ヤクマイ)。銭納の場合は草役永(クサヤクエイ)・野手(ノテ)永ともいう。野手米。

草径

そうけい サウ― [0] 【草径】
草の生い茂ったこみち。

草径集

そうけいしゅう サウケイシフ 【草径集】
歌集。三巻。大隈言道自撰。1863年刊。九百余首。題詠が多い。自然詠に擬人法を用いるなど,伝統を脱した詠風が評価される。

草戸千軒町遺跡

くさどせんげんちょういせき 【草戸千軒町遺跡】
広島県福山市芦田川の川敷にある中世遺跡。常福寺の門前町・港町で,井戸・町屋・陶磁器・木製品が出土し,中世の生活史を知る上で重要。

草掻き

くさかき [3][0][4] 【草掻き】
「草削り」に同じ。

草摘み

くさつみ [4][3] 【草摘み】 (名)スル
春先,野原に出て摘み草を楽しむこと。[季]春。

草摺

くさずり [0][4] 【草摺】
(1)草の葉や花をすりつけて衣服を染めること。また,その衣服。
(2)鎧(ヨロイ)の衡胴(カブキドウ)から垂らし,下腹部・大腿部を保護するもの。足さばきをよくするため,数か所縦割りにしてある。下散(ゲサン)。こしよろい。
→大鎧

草摺引き

くさずりびき 【草摺引き】
曾我五郎と朝比奈が鎧(ヨロイ)の草摺を引き合って力比べをした故事。浄瑠璃・歌舞伎・歌謡などに取り入れられ,特に歌舞伎舞踊は一系統をなしてしばしば上演される。

草摺長

くさずりなが 【草摺長】 (形動ナリ)
草摺を長く垂らして着ているさま。「黒革威の鎧の大荒目にかねまぜたるを―にきなして/平家 2」

草文字

そうもじ サウ― [0] 【草文字】
草書体の文字。草字(ソウジ)。

草文字金銀

そうぶんじきんぎん サウブンジ― [6] 【草文字金銀】
〔草体で「文」の字の極印があったことから〕
「文政金銀」の別称。

草昧

そうまい サウ― [0] 【草昧】
世の中が未開で,物事が混沌としている状態。「―の世」

草書

そうしょ サウ― [0] 【草書】
漢字の書体の一。筆画を最もくずした書体。そうがき。そう。
→楷書
→行書

草書

そうしょ【草書】
a cursive style[character (文字)].

草月流

そうげつりゅう サウゲツリウ 【草月流】
現代華道の一流派。1927年(昭和2),勅使河原(テシガワラ)蒼風の創始。形式と規範を脱し,個性を尊重して,造形的な生け花創造をめざす。

草木

そうもく サウ― [0] 【草木】
草と木。植物の総称。

草木

くさき【草木】
plants;vegetation.→英和

草木

くさき [2] 【草木】
草と木。そうもく。

草木

そうもく【草木】
vegetation;→英和
plants (and grasses).

草木ダム

くさきダム 【草木―】
群馬県勢多郡東村,利根川支流の渡良瀬川にある灌漑・上水用などの多目的ダム。重力式で,堤高140メートル。1976年(昭和51)完成。

草木図説

そうもくずせつ サウモクヅセツ 【草木図説】
本草書。飯沼慾斎著。草部二〇巻,1856〜62年刊。未刊であった木部一〇巻は1977年(昭和52)に刊行された。リンネの分類法により千二百余種の草本を日本名とラテン名で分類配列した日本最初の近代的図説。

草木成仏

そうもくじょうぶつ サウ―ジヤウ― [5] 【草木成仏】
〔仏〕 草や木のように心のないものが仏となること。また,その可能性をもつこと。

草木染

くさきぞめ [0] 【草木染(め)】
植物の根・皮・葉・実などから採った色素を用いて染めること。また,染めたもの。
〔小説家山崎斌(アキラ)(1892-1972)が命名〕

草木染め

くさきぞめ [0] 【草木染(め)】
植物の根・皮・葉・実などから採った色素を用いて染めること。また,染めたもの。
〔小説家山崎斌(アキラ)(1892-1972)が命名〕

草木灰

そうもくばい サウ―バヒ [4] 【草木灰】
草木を焼いてつくった灰。肥料用。そうもくかい。

草木瓜

くさぼけ [0][3] 【草木瓜】
バラ科の落葉小低木。日当たりのよい地に群生する。高さ約40センチメートル。葉は倒卵形。早春,朱紅色の五弁花をつける。果実は球形で,黄熟し酸味が強い。シドミ。地梨(ジナシ)。[季]春。
草木瓜[図]

草本

そうほん【草本】
<annual,perennial> herbs.

草本

そうほん サウ― [0] 【草本】
(1)木部があまり発達せず地上部が一年で枯れる植物の総称。草(クサ)。
⇔木本(モクホン)
(2)草稿。下書き。

草本帯

そうほんたい サウ― [0] 【草本帯】
垂直分布による植物帯の一。高山帯の下部に発達し,主として草本植物が生育している。普通,お花畑が見られる。

草杉蔓

くさすぎかずら [5] 【草杉蔓】
ユリ科のつる性多年草。海岸の砂地に生える。茎は長さ1.5メートルに達し,線形の葉状枝を数個ずつ束生する。葉は鱗片状に退化。夏,淡黄色の小花をつけ,白色の果実を結ぶ。肥厚した根は,砂糖漬けにして食用とし,また漢方で天門冬(テンモンドウ)と呼んで鎮咳・利尿などの薬にする。
草杉蔓[図]

草束

くさたばね 【草束】
(1)油けも髪飾りもない女性の束ね髪。多く,喪中に結う。「仕合な娵(ヨメ)はくるくる―/柳多留 67」
(2)簡素に結った島田髷(マゲ)。江戸後期,京都祇園で流行。

草枕

くさまくら [3] 【草枕】
■一■ (名)
〔草を束ねた仮の枕,の意から〕
旅。旅寝。くさのまくら。笹(ササ)枕。「朝なけに見べき君とし頼まねば思ひ立ちぬる―かな/古今(離別)」
■二■ (枕詞)
「旅」「結(ユ)う」と同音の「夕」などにかかる。「家にあれば笥(ケ)に盛る飯を―旅にしあれば椎の葉に盛る/万葉 142」

草枕

くさまくら 【草枕】
小説。夏目漱石作。1906年(明治39)発表。主人公の画工となぞめいた女性との交流を軸に,非人情の出世間的な芸術論を述べる。俳句的小説。

草果物

くさくだもの 【草果物】
(木にできる果物に対して)草の実で食用となるもの。イチゴ・ウリの類。[和名抄]

草枯れ

くさがれ [0] 【草枯れ】
冬になって,野山や庭の草が枯れること。[季]冬。

草根

そうこん サウ― [0] 【草根】
草の根。

草根木皮

そうこんもくひ サウ― [5] 【草根木皮】
草の根と樹木の皮。特に,漢方で薬剤として用いるもの。そうこんぼくひ。

草根集

そうこんしゅう サウコンシフ 【草根集】
歌集。一五巻。正徹作,門人正広編。一条兼良序。1473年成立か。一万一千余首。永享(1429-1441)から長禄(1457-1460)にかけてのものは,日次形式で配列され,正徹の動静を知る資料となる。歌題の工夫,用語の新しさなどもみられ,作風も多様である。

草案

そうあん サウ― [0] 【草案】
規約などの文章の下書き。草稿。原案。「憲法の―」

草案

そうあん【草案】
<make> a draft <for> .→英和

草槐

くさえんじゅ 【草槐】
植物クララの別名。

草檜葉

くさひば [0] 【草檜葉】
イワヒバの別名。

草毟り

くさむしり [3] 【草毟り】 (名)スル
「草取り」に同じ。[季]夏。

草沢

そうたく サウ― [0] 【草沢】
(1)草原と湿地。草深い所。
(2)民間にいること。在野。「―の内にも賢者ありやと/中華若木詩抄」

草河豚

くさふぐ [0][3] 【草河豚】
フグ目の海魚。全長20センチメートル内外。背面はくすんだ青緑色で小白紋が散在し,腹面は白色。砂中へ潜る習性がある。猛毒をもち,食用にしない。本州以南,沖縄・朝鮮の沿岸に分布。スナフグ。
→フグ

草津

くさつ 【草津】
(1)群馬県吾妻郡,白根山東斜面にある町。古くから知られた温泉町で,泉質はアルミニウム硫酸塩泉。
(2)滋賀県南部の市。東海道の宿場町で中山道を分岐する交通の要地。

草津湯揉み唄

くさつゆもみうた 【草津湯揉み唄】
群馬県草津温泉の民謡で,お座敷唄。大正初めに茨城県沿岸部の酒盛り唄が伝えられ,三味線の伴奏がつけられたもの。草津よほほい節。

草津焼

くさつやき [0] 【草津焼】
滋賀県草津に産する陶器。天明年間(1781-1789)の創始という。姥(ウバ)ヶ餅焼を模した信楽(シガラキ)土の陶器。

草津節

くさつぶし 【草津節】
群馬県草津温泉の民謡で,湯揉(ユモ)み唄。大正初めに埼玉県北足立郡の機織り唄が伝えられ,湯揉みの折に唄われたのに始まる。

草津線

くさつせん 【草津線】
JR 西日本の鉄道線。三重県柘植(ツゲ)・滋賀県貴生川・草津間,36.7キロメートル。主として野洲川流域を走り,関西本線と東海道本線を結ぶ。

草深

くさぶか 【草深】 (名・形動ナリ)
〔「くさふか」とも〕
草が深く生い茂っているさま。また,その場所。「もとありつる山中の―なり/十訓 1」

草深い

くさぶか・い [4] 【草深い】 (形)[文]ク くさぶか・し
〔「くさふかい」とも〕
(1)草が深く茂っている。「―・い原野」
(2)ひなびている。辺鄙(ヘンピ)である。「―・い田舎に育つ」

草深い

くさぶかい【草深い】
grassy.→英和
〜田舎 a remote countryside;an out-of-the-way place.

草深百合

くさぶかゆり 【草深百合】
草深い所に生えている百合。「道の辺の―の花笑みに/万葉 1257」

草炭

そうたん サウ― [0] 【草炭】
湿地・沼などに生育していた草本類が酸素の乏しい環境に堆積し,ある程度分解したもの。乾燥して燃料にした。
→泥炭(デイタン)

草片

くさびら 【草片・茸】
(1)野菜。青物(アオモノ)。[和名抄]
(2)茸(キノコ)。「木に生ひたる―あついものにせさせ/宇津保(国譲下)」
(3)〔斎宮の忌み詞〕
獣の肉。[延喜式(斎宮寮)]

草片石

くさびらいし [4] 【草片石】
花虫綱の腔腸動物。単体のイシサンゴ。体は楕円形で,長径20センチメートルに達する。表面は細かい襞(ヒダ)が並び,茸(キノコ)の笠の裏に似る。小笠原・台湾以南の熱帯の海に広く分布し,サンゴ礁をつくる。

草牡丹

くさぼたん [3] 【草牡丹】
キンポウゲ科の多年草。山中の草地に生える。高さ約80センチメートル。葉は広卵形の小葉三個からなる複葉。夏から秋に,腋生および頂生の円錐花序上に青紫色をした四弁の鐘形花が多数下向きに咲く。
草牡丹[図]

草物

くさもの [0] 【草物】
生け花で,草本や草花の総称。
→枝物

草生

くさふ [0] 【草生】
草の生えている所。草原。

草生す

くさむ・す [3] 【草生す・草産す】 (動サ五[四])
草がはえる。「―・した墓」「山行かば―・す屍(カバネ)/万葉 4094」

草生栽培

そうせいさいばい サウセイ― [5] 【草生栽培】
マメ科植物などで土壌表面をおおい,果樹などを栽培する方式。土壌の地温調整や浸食防止,微生物や有機物の増加などを目的とする。

草産す

くさむ・す [3] 【草生す・草産す】 (動サ五[四])
草がはえる。「―・した墓」「山行かば―・す屍(カバネ)/万葉 4094」

草田

くさだ 【草田】
(1)雑草の茂った田。
(2)イネの生い茂った田。「露落つる―の穂さきうちなびき/夫木 12」

草田男

くさたお クサタヲ 【草田男】
⇒中村(ナカムラ)草田男

草画

そうが サウグワ [0] 【草画】
大まかな筆づかいで描いた絵。主に,南画系の墨画・淡彩画をいう。

草相撲

くさずもう [3] 【草相撲】
素人(シロウト)が祭礼などの折に行う相撲。野相撲。[季]秋。

草矢

くさや [2] 【草矢】
ススキ・チガヤ・スゲなどの葉の太い脈を矢柄とし,その両脇を矢羽根形に裂き,葉を指にはさんで投げ矢のように飛ばす遊び。[季]夏。《沼空へ高く放ちし―かな/池内たけし》

草石蚕

ちょろぎ [1] 【草石蚕・甘露子】
シソ科の多年草。中国原産。地下茎の先端に白色で巻貝状の塊茎をつけ,これを梅酢に漬けたりして食用とする。茎は高さ約50センチメートル,葉は狭卵形。秋,茎頂の花穂に紅紫色の唇形花をつける。ちょうろぎ。
草石蚕[図]

草石蚕

ちょうろぎ [1] 【草石蚕】
⇒ちょろぎ(草石蚕)

草稿

そうこう サウカウ [0] 【草稿】
文章の下書き。原稿。

草稿

そうこう【草稿】
a (rough) draft;→英和
a manuscript.→英和
〜を作る draft;make a draft.〜で(なしで)演説する speak from (without) notes.

草競馬

くさけいば【草競馬】
a local horse race.

草競馬

くさけいば [3] 【草競馬】
公認の競馬に対して,農村や田舎町などで行われる小規模な競馬。

草笛

くさぶえ【草笛】
a reed.→英和

草笛

くさぶえ [0][3] 【草笛】
(1)草で作った笛。草の葉や茎を口にあて,笛のように吹き鳴らすもの。[季]夏。《―の子や吾を見て又吹ける/星野立子》
(2)雅楽用の笛に対して,俗楽に用いる七孔の横笛。しのぶえ。

草筆

そうひつ サウ― [0] 【草筆】
草書で書くこと。

草筵

くさむしろ [3] 【草筵】
(1)草や藁(ワラ)を編んで作った筵。
(2)草が筵を敷いたように一面に生えていること。「―野もせの露の玉をしくらん/夫木 10」
(3)草を敷物とした仮の寝床。「ひと夜仮寝の―/謡曲・鵜飼」

草箒

くさぼうき [3] 【草箒】
ホウキグサをたばねて作った手ぼうき。

草籠

くさかご [2] 【草籠】
刈り取った草を入れる籠。草刈り籠。

草紅葉

くさもみじ [3] 【草紅葉】
秋に草が色づくこと。草の紅葉。草の錦。[季]秋。

草紙

そうし サウ― [1] 【草紙・草子・双紙・冊子】
〔「さくし(冊子)」の転〕
(1)綴(ト)じてある本。字などを書いたものも書いてないものもいう。
(2)仮名書きの物語・日記・歌などの総称。「古今の―を御前におかせ給ひて/枕草子 23」
(3)書き散らした原稿。したがき。「書きおかれける歌の―どもの/十六夜」
(4)「絵草紙」「草双紙」などの略。
(5)字の練習用に紙を綴じたもの。

草紙

そうし【草紙】
a copybook (習字張);→英和
a storybook (物語本).→英和

草紙剥

そうしはぎ サウ― [3] 【草紙剥】
フグ目の海魚。全長80センチメートル内外。カワハギの仲間で,体は側扁し,吻(フン)が長い。幼魚は体が細長く,頭を下にして海底に倒立する習性があり,体色も海藻に似て見えるので擬態の例とされる。暖海に分布。

草紙合せ

そうしあわせ サウ―アハセ [4] 【草紙合(わ)せ】
物合わせの一。左右に分かれ,互いに自分が所持する草紙の綴じ方・料紙・字や歌などの優劣を競い合った。

草紙合わせ

そうしあわせ サウ―アハセ [4] 【草紙合(わ)せ】
物合わせの一。左右に分かれ,互いに自分が所持する草紙の綴じ方・料紙・字や歌などの優劣を競い合った。

草紙店

そうしみせ サウ― [3] 【草紙店】
江戸時代,草双紙などを売る店。絵草紙屋。

草紙挟み

そうしばさみ サウ― [4] 【草紙挟み】
草紙を挟むための道具。草紙と同じ大きさの二枚の板を合わせて平組みの緒で結び合わせるようにしたもの。草紙を携帯するときなどに用いる。

草紙洗小町

そうしあらいこまち サウシアラヒ― 【草子洗小町・草紙洗小町】
能の一。三番目物。宮中の歌合わせで,大伴黒主が小野小町の詠歌を前もって万葉集に書き入れ,古歌だと言いがかりをつけるが,小町がその草子を洗うとその歌の文字が消えたので疑いが晴れる。草子洗。

草紙紙

そうしがみ サウ― [3] 【草紙紙】
手習い草紙の紙。また,すきかえしの紙。

草結び

くさむすび 【草結び】
(1)粗末な庵(イオリ)を作って住むこと。「これはこの山遥かの麓に―する女なるが/謡曲・身延」
(2)〔道しるべに草を結んだことから〕
人に先だって物事を始めること。くさわけ。草創。「その―より久しき里人に弥藤太と呼びつづけて四代まで/浮世草子・新可笑記 1」
(3)男女の仲を約束すること。縁結び。「草のゆかりの―/浄瑠璃・栬狩」

草肥

くさごえ [0] 【草肥】
植物の茎や葉を田畑にすきこんだ肥料。緑肥(リヨクヒ)。

草脇

くさわき 【草別・草脇】
〔草を押し分けて行く所の意から〕
馬や鹿などの獣の胸先の部分。くさわけ。「馬の―・むながいづくし・太腹など/平家 8」

草臥し

くさぶし 【草臥し】
(1)鹿などが草の上にふすこと。また,その場所。「さ雄鹿の小野の―いちしろく/万葉 2268」
(2)山野に野宿すること。「から衣きつつならしのおのが―/新撰六帖 5」

草臥る

くたび・る 【草臥る】 (動ラ下二)
⇒くたびれる

草臥れ

くたびれ [4][3] 【草臥れ】
疲れること。疲労。「―顔」

草臥れる

くたび・れる [4] 【草臥れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 くたび・る
(1)体力を消耗してそれ以上動くのがいやになる。疲れる。疲労する。「引っ越しで―・れた」
(2)使い古して,みすぼらしい感じになる。人についていうこともある。「―・れた背広」「鏡を見て―・れた也/中華若木詩抄」
(3)(動詞の連用形に付いて)長くそのことをして,さらに続ける気力がなくなる。「待ち―・れる」
〔「草臥」は当て字〕

草臥れる

くたぶ・れる [4] 【草臥れる】 (動ラ下一)
「くたびれる」の転。

草臥れ休み

くたびれやすみ [5] 【草臥れ休み】
疲れをとるための休息。骨休め。

草臥れ休め

くたびれやすめ [5] 【草臥れ休め】
「くたびれやすみ」に同じ。

草臥れ儲け

くたびれもうけ [5] 【草臥れ儲け】
苦労したが,結局くたびれただけで何の得るところもなかったこと。「骨折り損の―」

草色

くさいろ【草色(の)】
green.→英和

草色

くさいろ [0] 【草色】
草の葉の色。青みがかった緑色。また,緑色系統の色を広くいう。くさばいろ。

草芝居

くさしばい [3] 【草芝居】
農村や地方の町などで演じられる素人(シロウト)芝居,または田舎回りの芝居。田舎芝居。地芝居(ジシバイ)。地狂言。

草芥

そうかい サウ― [0] 【草芥】
〔「そうがい」とも〕
雑草とごみ。また,ごみ。

草花

そうか サウクワ [1] 【草花】
くさばな。

草花

くさばな【草花】
a flowering plant.

草花

くさばな [2] 【草花】
花の咲く草。また,草に咲いている花。

草苞

くさづと 【草苞】
(1)草で包んだみやげ物。「是も都の―に/草根集」
(2)賄賂(ワイロ)。「―に国もかたぶく粽(チマキ)かな/毛吹草」

草若葉

くさわかば [3] 【草若葉】
萌(モ)え出た草の,若々しく伸びた葉。[季]春。

草苺

くさいちご [3] 【草苺】
バラ科の小低木。藪などに生える。茎は短いとげを散生し,三〜五個の小葉からなる葉を互生。春,枝先に白色の五弁花をつける。果実は赤く熟し食べられる。ワセイチゴ。ナベイチゴ。[季]夏。

草茅

そうぼう サウバウ [0] 【草茅】
草とチガヤ。転じて,田舎。

草茅姫

くさかやひめ 【草茅姫】
草花の祖。草をつかさどる女神。「―もあはれとぞ思ふ/経盛家歌合」

草草

そうそう サウサウ [0] 【草草】 (名・形動)[文]ナリ
(1)忙しいこと。あわただしいこと。また,そのさま。「―に切揚げて別れたが/多情多恨(紅葉)」
(2)簡略にすること。粗末であること。また,そのさま。「お―さま」「眼をつけて看るべく,―にすることなかれ/童子問」
(3)手紙の末尾に書いて簡略をわびる語。頭語の「前略」「冠省」などに対応する。匆匆(ソウソウ)。

草草不一

そうそうふいつ サウサウ― [5] 【草草不一】
手紙の末尾に書いて簡略をわびる語。

草莱

そうらい サウ― [0] 【草莱】
雑草の茂った土地。荒れはてた地。また,草深い田舎。

草莱子

そうらいし サウ― [3] 【草莱子】
(1)時勢にうとい人。田舎者。田夫。
(2)〔(1)の人が差している刀の意という〕
粗末な刀。

草莽

そうもう サウマウ [0] 【草莽】
〔「そうぼう」とも〕
(1)くさむら。田舎。
(2)民間。在野。世間。「―の志士」

草莽

そうぼう サウバウ [0] 【草莽】
⇒そうもう(草莽)

草莽の臣

そうもうのしん サウマウ― 【草莽の臣】
(1)民間にある人。在野の人。民間人。
(2)〔草深いところにいる臣の意〕
自分をへりくだっていう語。

草萌え

くさもえ [0] 【草萌え】
春になって草の芽が萌え出ること。下萌え。[季]春。

草葉

くさば【草葉】
a blade of grass.〜の陰で in the grave.→英和

草葉

くさば [0] 【草葉】
草の葉。

草葉の床

くさばのとこ 【草葉の床】
草葉を敷いた寝床。また,野宿すること。「人はこぬ―の露の上に/現存六帖」

草葉の玉

くさばのたま 【草葉の玉】
草葉についている露を玉に見たてていう語。「袖のみぬれていとどしく―の数やまさらむ/新古今(恋三)」

草葉の陰

くさばのかげ [5] 【草葉の陰】
(1)草の葉の下。草陰。草の陰。
(2)墓の下。あの世。草の陰。「―から見守る」

草葉の露

くさばのつゆ 【草葉の露】
草の葉の上にとどまった露。はかないもののたとえ。「わが思ふ人は―なれや/拾遺(恋二)」

草葉色

くさばいろ [0] 【草葉色】
草色。

草葦

くさよし [0][3] 【草葦】
イネ科の多年草。水辺にまばらに群生。茎は高さ1メートル内外で,緑白色をした広線形の葉を互生する。初夏,茎頂に円錐状に多数の小穂をつける。

草葺き

くさぶき [0] 【草葺き】
茅(カヤ)・藁(ワラ)などを用いて屋根を葺くこと。また,その屋根。

草葺き屋根

くさぶきやね [5] 【草葺き屋根】
草葺きの屋根。草屋根。くさぶき。

草葺の

くさぶき【草葺の】
(straw-)thatched.→英和

草薙

くさなぎ 【草薙】
静岡県清水市内の地名。有度(ウド)山北麓にあって,日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の草薙の剣(ツルギ)の由来を伝える地。草薙神社がある。

草薙の剣

くさなぎのつるぎ 【草薙の剣】
三種の神器の一。記紀で素戔嗚尊(スサノオノミコト)が退治した八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の尾から出たと伝えられる剣。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が焼津の野で草を薙ぎ払ったところからの名と記紀では再解釈するが,本来は「臭蛇(クサナギ)」の意か。のち熱田神宮にまつられた。天叢雲剣(アマノムラクモノツルギ)。

草薬

そうやく サウ― [0] 【草薬】
草や根を材料とした薬。また,薬草。

草藁

くさわら [3] 【草藁】
馬などに食わせる草と藁。かいば。

草藤

くさふじ [0][2] 【草藤】
マメ科のつる性多年草。草地に自生。葉は披針形の小葉からなる羽状複葉。初夏,葉腋に青紫色の蝶形花を総状につける。牧草として利用。

草藪

くさやぶ [0] 【草藪】
草が茂って藪になっている所。

草蘇鉄

くさそてつ [3] 【草蘇鉄】
オシダ科の夏緑性シダ植物。山中に群生する。長さ約70センチメートルの二回羽状葉が束生し,秋,葉の中心から胞子葉が出る。若葉をコゴミと呼び,食用にする。コゴミ。ガンソク。ニワソテツ。
草蘇鉄[図]

草虱

くさじらみ [3] 【草虱】
「藪虱(ヤブジラミ)」に同じ。[季]秋。

草蜘蛛

くさぐも [0] 【草蜘蛛】
タナグモ科のクモ。体長約15ミリメートル。黄褐色の地に褐色のすじがあり毛深い。低木などに漏斗(ロウト)状住居をもった棚状の網を張り,虫を捕らえる。日本各地の平地や山地に分布。

草蜻蛉

くさかげろう [4][3] 【草蜻蛉】
クサカゲロウ科の昆虫。体長約10ミリメートルで,前ばねの長さ15ミリメートル内外。体は緑色で細く,弱々しい。はねは軟らかく透明で,縦脈は緑色。卵には糸状の長い柄がつき,俗にウドンゲと呼ぶ。幼虫・成虫ともアブラムシなどの小昆虫を捕食する。[季]秋。《―吹かれ曲りし翅のまゝ/中村草田男》

草螽蟖

くさきり [0] 【草螽蟖】
キリギリス科の昆虫。頭からはねの先まで約45ミリメートルで,全身緑色の個体と褐色の個体がある。頭頂は丸みをおび,触角は糸状。秋,草原でジーと鳴く。本州以南,東南アジアにかけて分布。

草衣

そうえ サウ― [1] 【草衣】
草を編んだりして作った,粗末な衣。隠者・僧などのまとう質素な衣。そうい。「卿相雲客は木食(モクジキ)―なれば/太平記 24」

草衣

くさごろも 【草衣】
(1)草で編んだり織ったりして作った粗末な着物。
(2)草の汁を摺(ス)りつけて色・模様をつけた着物。「いにしへを,何としのぶの―/謡曲・野宮」

草賊

そうぞく サウ― [0] 【草賊】
(1)こそどろ。こぬすびと。「―ヲタイラゲル/ヘボン(三版)」
(2)取るに足りない反逆者。小賊。「丈(タケ)の知れたる―共/近世紀聞(延房)」

草質

くさだち 【草質】
本草学で,草の性質をもつ植物の称。
→草本(ソウホン)

草酸漿

くさかたばみ [3] 【草酸漿】
家紋の一。カタバミの茎と葉をかたどったもの。

草野

くさの 【草野】
姓氏の一。

草野心平

くさのしんぺい 【草野心平】
(1903-1988) 詩人。福島県生まれ。中国の嶺南大中退。庶民的生命力や反抗精神を蛙に託した「第百階級」ほか,独特な宇宙感覚をもつ詩を作る。宮沢賢治を紹介。詩集「母岩」「蛙」など。

草野球

くさやきゅう [3] 【草野球】
素人(シロウト)が集まってする野球。

草野球

くさやきゅう【草野球】
sandlot baseball.

草間

くさま 【草間】
姓氏の一。

草間直方

くさまなおかた 【草間直方】
(1753-1831) 江戸時代の商人・学者。大坂の人。通称鴻池屋伊助。懐徳堂に学ぶ。晩年物価・貨幣の変遷を記した「三貨図彙」(四四巻)を著した。

草陰

くさかげ [0][3] 【草陰】
生い茂った草の陰。

草陰の

くさかげの 【草陰の】 (枕詞)
地名「荒藺(アライ)」「安努(アノ)」にかかる。かかり方未詳。草深い意で実景によってかかるとも,草陰の畦(アゼ)の意で,「あぜ」の古語「あ」にかかるともいう。「―安努な行かむと墾(ハ)りし道/万葉 3447」

草隠れ

くさがくれ 【草隠れ】
(1)草の中に隠れること。また,その草の中。「―にてかはづ鳴くなり/永久百首」
(2)草深い人里離れた所。「かかる―に過ぐし給ひける年月の/源氏(蓬生)」

草隷

そうれい サウ― [1][0] 【草隷】
(1)草書と隷書。また,筆画を略した早書きの隷書。
(2)書道。

草雌黄

くさしおう [3] 【草雌黄】
⇒ガンボージ

草雲雀

くさひばり [3] 【草雲雀】
クサヒバリ科のコオロギ。体長約7ミリメートルで,触角が長く,約20ミリメートル。体は淡黄褐色で黒斑がある。成虫は七〜一〇月に現れ,雄はチリリリと美しく鳴く。古来,鳴く虫の一つとして愛玩されてきた。本州以南と台湾・朝鮮半島に分布。[季]秋。
草雲雀[図]

草露

そうろ サウ― [1] 【草露】
草の上に結んだ露。はかないことのたとえにいう。「―の身には蚊虻を仇とも為す/将門記」

草鞋

わらんじ ワランヂ 【草鞋】
「わらじ(草鞋)」に同じ。「やつちの糸の―をはき/幸若・山中常盤」

草鞋

わらじ ワラヂ [0] 【草鞋】
〔「わらぐつ」から「わらうづ」「わらんづ」「わらんぢ」と転じてできた語〕
藁で編んだ,ぞうりに似た履物。爪先(ツマサキ)の長い緒を縁の乳(チ)に通してはく。
草鞋[図]

草鞋

そうかい サウ― [0] 【草鞋】
(1)わらじ。そうあい。
(2)「挿鞋(ソウカイ)」に同じ。

草鞋

わらじ【草鞋(がけで)】
(in) straw sandals.

草鞋

わらんず ワランヅ 【草鞋】
「わらじ(草鞋)」に同じ。わろうず。「―などいふ物しばりはき/平家 2」

草鞋

そうあい サウ― 【草鞋】
〔「あい」は慣用音〕
わらじ。そうかい。「自ら玉趾を―のちりにけがして/太平記 7」

草鞋大王

わらじだいおう ワラヂ―ワウ [6] 【草鞋大王】
〔祈願の人がわらじをぶら下げることから〕
仁王の別名。

草鞋掛け

わらじがけ ワラヂ― [0] 【草鞋掛け】
(1)わらじをはいていること。わらじばき。
(2)わらじをはくときに着ける甲掛け,または足袋。

草鞋擦れ

わらじずれ ワラヂ― [0] 【草鞋擦れ】
わらじの緒で足の皮がすりむけること。わらじくい。

草鞋穿き

わらじばき ワラヂ― [0] 【草鞋穿き】
わらじをはいていること。わらじがけ。

草鞋虫

わらじむし ワラヂ― [3] 【草鞋虫・鼠姑】
甲殻綱等脚目の節足動物。体長1センチメートル内外。体は灰褐色の長楕円形で,十数個の節から成る。ダンゴムシに似るが扁平で,触れても球状にならない。落ち葉・石などの下や床下にすむ。日本にはワラジムシとホソワラジムシの二種が各地に分布。
草鞋虫[図]

草鞋親

わらじおや ワラヂ― [0] 【草鞋親】
村入りの際に保証人として頼む家。旧家や有力な家に頼み,以後その庇護を受けることが多い。

草鞋酒

わらじざけ ワラヂ― [3] 【草鞋酒】
旅立ちなどで,別れの間際に汲みかわす酒。また,別れの宴。

草鞋銭

わらじせん ワラヂ― [3] 【草鞋銭】
(1)わらじを買うための金。
(2)わずかの旅費。少額の餞別。

草鞋食い

わらじくい ワラヂクヒ [3] 【草鞋食い】
「わらじ擦れ」に同じ。

草鞍

くさぐら 【草鞍】
雑役馬につける粗製の鞍。山形(ヤマガタ)を藁(ワラ)などで作り簡素な居木(イギ)に結いつけた鞍。多く,耕作などに用いる。雑鞍(ゾウグラ)。「―置きたる馬追うて/盛衰記 19」

草食

そうしょく サウ― [0] 【草食】 (名)スル
動物が,草を食物とすること。また,植物質のものを食物とすること。
⇔肉食

草食の

そうしょく【草食の】
herbivorous;→英和
grass-eating.草食動物 a herbivorous animal.

草食動物

そうしょくどうぶつ サウ― [5] 【草食動物】
草食性の動物。ウマ・ウシ・ヒツジなど哺乳類に多い。

草食性

そうしょくせい サウ― [0] 【草食性】
動物の食性の一。草を食物とする性質。また,植物質のものを食物とする性質。
→食性

草餅

くさもち [2] 【草餅】
ヨモギの葉をまぜてついた餅。特に三月三日の桃の節句の祝いに作る。平安時代には,ハハコグサの若葉を用いた。青餅。母子餅。くさもちい。[季]春。

草餅の節句

くさもちのせっく 【草餅の節句】
〔草餅をひな壇に供えることから〕
三月三日の節句。

草香

くさのこう 【草香】
香草の名。�(ウン)。香。[和名抄]

草香山

くさかやま 【草香山】
大阪府東大阪市東部,生駒(イコマ)山の西側一帯をいう。昔,大和と河内とを結ぶ,直越(タダコエ)の道が通じていた。

草高

くさだか 【草高】
近世,領内の土地から産出する米の収穫総高。
→現石(ゲンコク)

草魚

くさうお [2] 【草魚】
カサゴ目の海魚。全長50センチメートルに達する。体形は細長くて側扁する。頭はやや大きく,背びれ・尻びれは尾びれに連なり,胸びれは幅が広く,腹びれは吸盤状。体色は淡灰色で,暗青色斑が散在する。皮膚はぶよぶよして,食用にしない。本州以北の沿岸の海底に分布。カンテンウオ。
〔ソウギョは別の魚〕

草魚

そうぎょ サウ― [1] 【草魚】
コイ目の淡水魚。全長1メートルを超える。コイに似ているが口ひげがない。東アジア原産。植物性の餌(エ)を好む。食用。戦前中国より移入され,利根川水系で繁殖。ツァオユイ。

草鷸

くさしぎ [3] 【草鷸】
チドリ目シギ科の鳥。全長24センチメートル内外で,背面は暗灰褐色,腹面は白。群をつくらず沼地や湿地にすむ。ユーラシア北部で繁殖し,冬は南に移る。日本には主に旅鳥として渡来するが,越冬するものもある。

草鹿

くさじし [2] 【草鹿】
鹿をかたどった弓の的。板で形を作り,牛の革をはって中に綿をつめ,横木につるしたもの。鎌倉時代より,歩射(ブシヤ)の練習に用いられた。
草鹿[図]

いばら [0] 【茨・荊・棘】
(1)バラ・カラタチなど,とげのある低木の総称。
(2)(多く「薔薇」と書く)ノイバラ・ヤマイバラなどのバラ科バラ属植物の総称。うばら。うまら。むばら。
(3)(中部・関西地方で)植物のとげ。
(4)(建築で)二本の曲線の出合った所にできるとがった形。

むばら 【茨・荊】
いばら。うばら。「―・からたちにかかりて/伊勢 63」

荊冠

けいかん [0] 【荊冠】
いばらの冠。イエスが十字架にかけられた時かぶせられたことから,受難をたとえる。

荊南

けいなん 【荊南】
中国,五代十国の一。朱全忠の部曲の高季興が湖北省の三州を領有して建てた国(907-963)。都は江陵。宋によって滅ぼされた。南平。北楚。

荊妻

けいさい [0] 【荊妻】
〔皇甫謐(コウホヒツ)「列女伝」より。後漢,梁鴻(リヨウコウ)の妻,孟光(モウコウ)がいばらのかんざしをさした故事から〕
自分の妻をへりくだっていう語。愚妻。「僕―と共に貴国に航して/花柳春話(純一郎)」

荊婦

けいふ [1] 【荊婦】
自分の妻をへりくだっていう語。荊妻。

荊州

けいしゅう 【荊州】
(1)中国,春秋時代の楚(現在の湖北・湖南)の別名。
(2)中国,後漢末には湖北省襄陽県に,東晋・隋・唐代には湖北省江陵県に置かれた州。明代には同じく江陵県に荊州府が置かれた。

荊棘

おどろ [0] 【棘・荊棘】
■一■ (形動)[文]ナリ
髪などがぼうぼうと乱れてもつれているさま。「髪を―に振り乱した人が/薄命のすず子(お室)」
■二■ (名)
草木が乱れ茂っている所。やぶ。また,乱れ茂っている草木。「おく山の―の下を踏みわけて/増鏡(おどろの下)」

荊棘

ばら [0] 【荊棘】
〔「うばら(茨)」の転〕
とげのある低木の総称。いばら。

荊棘

うばら 【茨・荊棘】
いばら。うまら。「からたちの―刈りそけ倉立てむ/万葉 3832」

荊棘

けいきょく [0] 【荊棘】
(1)イバラなどとげのある低木。また,イバラなどの生い茂る荒れた土地。
(2)障害・妨げとなるもの。困難。「―の道」

荊棘線

ばらせん [0] 【荊棘線】
有刺(ユウシ)鉄線のこと。

荊楚歳時記

けいそさいじき 【荊楚歳時記】
六朝時代の荊楚(現在の湖北・湖南)地方の行事・風俗を記録したもの。一巻。梁の宗懍(ソウリン)撰。六世紀半ば成立。

荊浩

けいこう 【荊浩】
中国,唐末後梁の画家。山西省生まれ。字(アザナ)は洪然。号は洪谷子。水墨山水画に新生面を開拓,北画中興の祖と呼ばれる。今日「筆法記」として伝わる画論「山水訣」を著す。生没年未詳。

荊渓

けいけい 【荊渓】
〔その居住した地名から〕
湛然(タンネン)のこと。荊渓尊者。

荊芥

けいがい [0] 【荊芥】
シソ科の一年草。中国北部の原産。高さ約60センチメートル。葉は披針形で羽状に深裂する。夏,枝頂に細長い花穂を立てて,淡紅色の小花をつける。発汗・解熱・止血などの薬とする。アリタソウ。

荊蛮

けいばん [0] 【荊蛮】
中国,春秋時代から,長江の中流域の原住民への蔑称。南の野蛮人。

荊軻

けいか 【荊軻】
(?-前227) 中国,戦国時代の刺客。衛の人。燕(エン)の太子丹の命で,秦の亡命将軍樊於期(ハンオキ)の首と燕の地図を携えて秦の都咸陽に赴き,秦王政(セイ)(始皇帝)の暗殺をはかったが失敗して殺された。
→易水(エキスイ)の歌

え 【荏】
エゴマの古名。[和名抄]

荏の油

えのあぶら [3] 【荏の油】
エゴマ(荏胡麻)の種子からとった油。油紙・雨傘などに塗る。えのゆ。荏油(ジンユ)。

荏原

えばら 【荏原】
東京都品川区西部の一地区。住宅・商業地。もと,東京市荏原区をなす。

荏柄天神

えがらてんじん 【荏柄天神】
神奈川県鎌倉市二階堂にある神社。祭神は菅原道真ほか四神。源頼朝が幕府の鬼門の鎮守としたのをはじめ,豊臣・徳川氏らの尊崇をうけた。荏柄神社。

荏柄天神縁起

えがらてんじんえんぎ 【荏柄天神縁起】
〔もと荏柄天神に伝来したところから〕
鎌倉時代の絵巻物。三巻。上・中巻は菅原道真の伝記,下巻は北野天満宮の縁起を描く。

荏油

じんゆ [1] 【荏油】
⇒えのあぶら(荏油)

荏胡麻

えごま [0][1] 【荏胡麻】
シソ科の一年草。東南アジア原産。全体にシソによく似るがやや大振りで,白毛を密生する。秋,シソに似た穂を出し白い小花を開く。種子より「荏(エ)の油」をとる。え。
→荏の油

荏苒

じんぜん [0] 【荏苒】 (ト|タル)[文]形動タリ
(副詞的にも用いる)
(1)歳月が移り行くままに,何もしないでいるさま。荏染(ジンゼン)。にんぜん。「―として今日に至る」「―日を送る」
(2)物事がはかどらず,のびのびになるさま。「執筆意に任せず,―遂に以て今日に至れり/此一戦(広徳)」

あら 【荒】 (接頭)
名詞に付く。
(1)乱暴である,勢いが激しい,などの意を表す。「―海」「―武者」「―稽古」「―かせぎ」
(2)荒れはてている意を表す。「―野」

あら 【荒】
姓氏の一。

荒々しい

あらあらしい【荒々しい(しく)】
harsh(ly);→英和
rude(ly);→英和
rough(ly).→英和

荒い

あら・い [0][2] 【荒い】 (形)[文]ク あら・し
〔「粗い」と同源〕
(1)勢いがはげしい。強くはげしい。「―・い波風」「鼻息が―・い」「波が―・い」
(2)態度がおだやかでない。乱暴である。「気性が―・い」「語気―・く詰問する」
(3)ていねいでない。やさしくない。「言葉が―・い」「人づかいが―・い」
(4)節度がない。度をこしている。「金遣いが―・い」
[派生] ――さ(名)

荒い

あらい【荒い】
rude;→英和
wild;→英和
violent;→英和
fierce.→英和
荒く harshly;→英和
roughly;violently.→英和
荒く使う work <a person> hard;handle roughly (物を).

荒くまし

あらくま・し 【荒くまし】 (形シク)
荒々しい。荒い。粗暴である。「枝ざしなどはいと手ふれにくげに―・しけれど/枕草子 40」「物言ひなども―・しい/浄瑠璃・鎌田兵衛」

荒くもしい

あらくもし・い 【荒くもしい】 (形)
〔「荒くまし」の転。中世語〕
荒々しい。粗暴である。「あの―・い弁慶と判官殿のお契りやつた事が有ぞ/狂言・今参」

荒くる

あらく・る 【荒くる】 (動ラ下二)
⇒あらくれる

荒くれ

あらくれ【荒くれ(男)】
a rough fellow;a rowdy.→英和

荒くれ

あらくれ [0] 【荒くれ】
性質や動作が荒々しいこと。乱暴なこと。また,その人。「―男」

荒くれし

あらくれ・し 【荒くれし】 (形シク)
荒々しい。「―・しき両人のをのこども/歌舞伎・伊勢平氏」

荒くれる

あらく・れる [4][0] 【荒くれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あらく・る
(多く「あらくれた」の形で用いる)荒々しい態度をとる。荒っぽい感じがする。「―・れた不精ひげ」「―・れた男女の農夫は/破戒(藤村)」

荒くれ者

あらくれもの [0][6] 【荒くれ者】
荒っぽいおこないをする者。乱暴者。

荒けなし

あらけな・し 【荒けなし】 (形ク)
〔「なし」は,はなはだしい意の接尾語〕
ひどく荒々しい。乱暴である。「もののふの―・きにとらはれて/平家 11」

荒げる

あら・げる [3] 【荒げる】 (動ガ下一)
あららげる。「声を―・げる」
〔本来は「あららげる」〕

荒ごなし

あらごなし [0][3] 【粗ごなし・荒ごなし】 (名)スル
(1)物を砕くとき,あらく砕くこと。また,あらく砕き彫ること。「四辺には既に刻める柱頭あり,―したる石塊あり/即興詩人(鴎外)」
(2)物事の処理に際し,細かくやる前にざっと骨組みを作っておくこと。

荒し

あら・し 【荒し・粗し】 (形ク)
⇒あらい(荒)
⇒あらい(粗)

荒し子

あらしこ 【荒し子・嵐子】
戦国時代以後,武家の使用人で雑役に従事した者。雑兵(ゾウヒヨウ)の一種で,兵身分の最下層に位置づけられた。

荒っぽい

あらっぽ・い [4][0] 【荒っぽい】 (形)
(1)荒々しい。乱暴だ。「言葉遣いが―・い」
(2)〔「粗っぽい」とも書く〕
大まかである。粗雑だ。「仕事が―・い」
[派生] ――さ(名)

荒っぽい

あらっぽい【荒っぽい(く)】
rough(ly);→英和
violent(-ly);→英和
wild(ly).→英和

荒び

すさび [0] 【荒び・遊び】
〔動詞「すさぶ」の連用形から〕
(1)物事の進んでいく勢いにまかせること。事の成り行きにまかせること。「ある時はありの―に語らはで恋しきものと別れてぞ知る/古今六帖 5」
(2)心のおもむくままに物事をすること。慰み。遊び。すさみ。「筆の―」「老の―」「はかなき―をも人まねに心をいるる事もあるに/源氏(帚木)」

荒びる

さび・る 【寂る・荒びる】 (動ラ下二)
⇒さびれる

荒びる

あら・びる 【荒びる】 (動バ上一)
〔上二段動詞の「荒ぶ」の上一段化〕
荒々しく振る舞う。荒れ立つ。「陸奥国の―・びる蝦夷等を討ち治めに/続紀(延暦八宣命)」

荒びる

さ・びる [2] 【寂びる・荒びる】 (動バ上一)[文]バ上二 さ・ぶ
〔「錆(サ)びる」と同源〕
(1)古くなって新鮮でなくなったり,色があせたりする。「人し汲まねば水―・びにけり/神楽歌」「夕づく日色―・びまさる草の下に/玉葉(秋上)」
(2)古くなって,荒れ果てる。また,長いこと使われずに放置されて趣や渋みが出る。時代がつく。古色蒼然とする。「邸(ヤシキ)の内も―・びぬ/自然と人生(蘆花)」「岩に苔むして―・びたる所なりければ/平家(灌頂)」
(3)人けがなくなってさびしくなる。さびれる。「都会ながらにいと―・びたり/慨世士伝(逍遥)」「宿―・びて庭に木の葉の積るより人待つ虫も声弱るなり/秋篠月清集」
(4)心さびしい思いをする。「まそ鏡見飽かぬ君に後れてや朝夕(アシタユフヘ)に―・びつつ居らむ/万葉 572」

荒びれる

さび・れる [0][3] 【寂れる・荒びれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 さび・る
(1)にぎやかであった所が,人けがなくなってさびしくなる。すたれる。「大きなスーパーができて商店街が―・れた」
(2)荒れ果てる。荒廃する。「―・れた風景」

荒ぶ

すさ・ぶ [0] 【荒ぶ】
■一■ (動バ五[四])
(1)気持ちや生活が荒れる。すさむ。
(2)芸や技が荒れる。「芸が―・ぶ」
(3)(ある方向に)いよいよすすむ。はなはだしくなる。「窓近き竹の葉―・ぶ風の音にいとど短きうたたねの夢/新古今(夏)」
(4)勢いなどが衰える。「吹きだに―・べ庭の松風/新古今(恋四)」
(5)心がおもむくままに物事をする。気晴らしをする。もてあそぶ。「萩の下こそ気色(ケシキ)異(コト)なれ,など書き添へつつ―・び給ふ/源氏(若菜上)」
■二■ (動バ上二)
動詞の連用形に付いて用いられる。
(1)気の向くままにする。気晴らしにする。「のたまひ―・ぶるを,げに,かたはらいたしと/源氏(朝顔)」
(2)動作・程度がはげしくなる。…乱れる。「朝露に咲き―・びたる月草の日くたつなへに消(ケ)ぬべく思ほゆ/万葉 2281」
〔古くは上二段活用であったが,のち四段に活用するようになり,さらに「すさむ」に移行〕
→すさむ

荒ぶ

あら・ぶ 【荒ぶ】 (動バ上二)
(1)荒々しく振る舞う。乱暴する。「―・ぶる蝦夷どもを言向け/古事記(中)」
(2)つれない態度をとる。疎んずる。「―・ぶる妹に恋ひつつそ居る/万葉 2822」

荒ぶ

さ・ぶ 【寂ぶ・荒ぶ・錆ぶ】 (動バ上二)
⇒さびる(寂・荒)
⇒さびる(錆)

荒ぶる神

荒ぶる神
荒れ狂う国つ神。人に害を与える乱暴な神。天皇の命令に従わない神。「其の国の―等を言趣(コトム)け和(ヤワ)せとなり/古事記(上訓)」

荒まし

あらま・し 【荒まし】 (形シク)
荒く激しい。荒々しい。「夜中近くなりて,―・しき風のきほひに/源氏(総角)」

荒み

すさみ [0] 【荒み・遊み】
〔動詞「すさむ」の連用形から〕
慰みごと。すさび。「手―」「うなゐこが―にならす麦笛の/夫木 35」

荒む

すさ・む [0] 【荒む】
〔「すさぶ」の転〕
■一■ (動マ五[四])
□一□(自動詞)
(1)気持ちや生活態度が荒れる。捨て鉢な気持ちになる。「―・んだ生活」「心が―・む」
(2)気持ちが荒れたり,また努力を怠ったりした結果,芸の技量などが低下する。「芸が―・む」「筆が―・む」「学問の―・み衰ふることなく/舞姫(鴎外)」
(3)激しくなる。勢いをます。すさぶ。現代語では多く,他の動詞の連用形に付いて用いられる。「風が吹き―・む」「雨が降り―・む」「外山の秋は風―・むらむ/新古今(秋下)」
(4)一つの事に熱中して,他を顧みない。ふける。「楽シミニ―・ム/ヘボン」
(5)気の向くままに物事をする。「ひと日も波になど,―・み臥したるを/狭衣 1」
(6)勢いが尽きて雨や風がやむ。「山里の雨降り―・む夕暮の空/新古今(雑中)」
(7)(人が)衰える。「物などまゐり給へど,あさましうはかなく―・みつつ/狭衣 2」
(8)うち捨てる。放棄する。「篝火次第に数消えて,所々に焼―・めり/太平記 8」
□二□(他動詞)
(1)心のままにもてあそぶ。慰み興ずる。「はかなく―・み給ふ吹きもの弾もの/苔の衣」
(2)嫌って遠ざける。「人ヲ―・ム/日葡」
(3)(自分の肉体を)苦しめる。責める。「身ヲ―・ム/日葡」
■二■ (動マ下二)
(1)心を寄せる。「山高み人も―・めぬ桜花/古今(春上)」「頭中将の―・めぬ四の君などこそよしと聞きしか/源氏(花宴)」
(2)(雨や風の勢いを)衰えさせる。「ひまもなく降りも―・めぬ五月雨につくまの沼のみ草波寄る/堀河百首」
(3)嫌って遠ざける。うとんじる。「むべ我をば―・めたり/源氏(紅梅)」

荒む

すさむ【荒む】
grow wild;run to waste.荒んだ生活 <live> a fast life.

荒ら

あばら 【荒ら・疎ら】
■一■ (形動ナリ)
(1)家などが荒れはてているさま。「―なる板敷に/伊勢 4」
(2)すき間が多いさま。まばら。「うしろ―になりければ,力及ばで引き退く/平家 7」
■二■ (名)
「荒屋(アバラヤ){(2)}」に同じ。[新撰字鏡]

荒らか

あららか [2] 【荒らか】 (形動ナリ)
荒々しいさま。「戸を―に引開けしは/舞姫(鴎外)」

荒らげる

あらら・げる [4] 【荒らげる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 あらら・ぐ
荒々しくする。荒くする。「声を―・げる」

荒らし

あらし 【荒らし】 (接尾)
名詞に付いて,荒らすこと,また荒らす人の意を表す。「賭場(トバ)―」「道場―」

荒らす

あらす【荒らす】
(1)[荒廃]lay waste;devastate.→英和
(2)[害する]play havoc with;damage.→英和
(3)[盗む]break into;plunder.→英和
(4)[皮膚]chap;→英和
roughen.→英和

荒らす

あら・す [0] 【荒らす】 (動サ五[四])
(1)整然としていたものを混乱させたり破壊したりする。「犬が庭を―・して困る」
(2)他人の領域を侵し乱す。「道場を―・す」「安売りで市場を―・す」
(3)ものが傷つき損なわれるようにする。だめにする。「伝来の美田を―・す」「タバコはのどを―・す」
〔上代からの語。「荒れる」に対する他動詞〕
[可能] あらせる

荒ら屋

あばらや [3] 【荒ら屋】
(1)荒れはてた家。自分の家を謙遜してもいう。
(2)四方をあけ放しにした休息用の小さな建物。亭(チン)。あばら。

荒る

あ・る 【荒る】 (動ラ下二)
⇒あれる

荒る

あば・る 【荒る】 (動ラ下二)
〔形容動詞「あばら」と同源〕
家などが荒廃する。荒れる。「いたう―・れぬ先に繕ひ侍りつる/落窪 3」

荒れ

あれ【荒れ】
a storm;→英和
chap(ping) (皮膚の).→英和
荒れ肌 a rough skin.⇒荒れ模様.

荒れ

あれ [0] 【荒れ】
(1)あれること。特に天候などがあれること。あらし。多く,他の語と複合して用いられる。「―模様」「この―にまあ,何処へお出ででございましたね/魔風恋風(天外)」
(2)皮膚のきめがあらくなること。「肌の―」

荒れた

あれた【荒れた】
desolate;→英和
neglected;dilapidated <house> ;→英和
chapped <hands> .

荒れる

あれる【荒れる】
(1)[天候・海が]be rough[stormy].(2)[荒れ狂う]run wild;rage.→英和
(3)[荒廃]run waste;be ruined.(4)[皮膚が]get rough.

荒れる

あ・れる [0] 【荒れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あ・る
(1)風雨や波が激しくなる。天候が穏やかでなくなる。「台風の影響で海も山も―・れそうだ」
(2)損なわれた状態になる。荒廃する。「住む人もなく,―・れた家」「肌が―・れる」
(3)気持ちや生活に穏やかさやうるおいがなくなる。すさむ。「生活が―・れる」「芸が―・れる」
(4)乱暴な行動をする。また,あばれる。「酔って―・れる」「手負イ鹿ガ―・レル/ヘボン」
(5)もめごとや争いごとで事が正常に展開しなくなる。また,勝負で,予想外な展開や結果になる。「試合が―・れる」「大相撲春場所は―・れる」
(6)相場が激しく動く。
〔上代からの語。「荒らす」に対する自動詞〕

荒れ地

あれち【荒れ地】
waste[uncultivated]land.

荒れ地

あれち [0] 【荒れ地】
(1)岩石などが多く耕作に適しない土地。「山間の―」
(2)耕作しないために,荒れている土地。

荒れ場

あれば [0] 【荒れ場】
(1)荒れた土地。荒れ地。
(2)歌舞伎で,大立ち回りや荒々しい怒りの表現の場面。修羅(シユラ)場。

荒れ寺

あれでら [0] 【荒れ寺】
住む人もなく荒廃した寺。

荒れ性

あれしょう [0] 【荒れ性】
脂肪分の欠乏で肌が荒れやすい性質。
⇔脂性(アブラシヨウ)

荒れ性の人

あれしょう【荒れ性の人】
a person with a skin that chaps easily.

荒れ放題

あれほうだい [3] 【荒れ放題】 (名・形動)
荒れるにまかせている・こと(さま)。「―な庭」「家の中を―にする」

荒れ果てる

あれは・てる [4] 【荒れ果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あれは・つ
すっかり荒れる。「―・てた庭」

荒れ果てる

あれはてる【荒れ果てる】
be ruined;go to ruin.荒れ果てた waste;→英和
ruined.

荒れ模様

あれもよう【荒れ模様】
It looks like a storm.→英和

荒れ模様

あれもよう [3] 【荒れ模様】
(1)天気が荒れそうな様子。「海は―だ」
(2)人の機嫌や物事の状況が荒れそうな様子。「今度の選挙は―だ」

荒れ止め

あれどめ [0] 【荒れ止め】
皮膚の荒れを防ぐこと。また,そのためのクリームや化粧料。

荒れ狂う

あれくる・う [4] 【荒れ狂う】 (動ワ五[ハ四])
(1)気が狂ったように激しくあばれる。「馬が―・う」
(2)風や波などがひどく荒れる。「―・う海」

荒れ狂う

あれくるう【荒れ狂う】
rush about;rave;→英和
run wild.

荒れ肌

あれはだ [0] 【荒れ肌】
水分が少なく,かさかさに荒れた肌。

荒れ野

あれの【荒れ野】
a wilderness;→英和
desert land.

荒れ野

あれの [0] 【荒れ野】
草が生い繁って荒れた野。あらの。

荒世

あらよ 【荒世】
大祓(オオハラエ)の際,御贖物(ミアガモノ)の料として神祇官から天皇に奉る荒栲(アラタエ)の衣。
⇔和世(ニコヨ)

荒事

あらごと [0][2] 【荒事】
歌舞伎で勇士・鬼神の類を主役とする勇壮な狂言。「暫(シバラク)」「鳴神」など。また,その荒々しい所作。元禄(1688-1704)頃初代市川団十郎が始め,江戸歌舞伎の特色となった。
→和事(ワゴト)
→実事(ジツゴト)

荒事師

あらごとし [4] 【荒事師】
歌舞伎で荒事を得意として演ずる役者。

荒井

あらい アラヰ 【荒井】
姓氏の一。

荒井寛方

あらいかんぽう アラヰクワンパウ 【荒井寛方】
(1878-1945) 日本画家。栃木県の生まれ。本名,寛十郎。初め歴史画を学び,初期文展で活躍。再興日本美術院同人。タゴールに招かれアジャンター壁画を模写。法隆寺金堂壁画の模写にも従事。代表作「乳糜(ニユウビ)供養」など。

荒井郁之助

あらいいくのすけ アラヰ― 【荒井郁之助】
(1835-1909) 明治政府の測量・気象の技術官僚。江戸の生まれ。旧幕臣。昌平坂学問所・長崎海軍伝習所に学ぶ。官軍に抗して敗れ,下獄。のち許されて開拓使出仕。内務省測量局長,中央気象台初代台長。

荒亡

こうぼう クワウバウ [0] 【荒亡】 (名)スル
狩猟・酒色などの楽しみにふけること。「公然花柳界に―して/当世書生気質(逍遥)」
→流連(リユウレン)

荒人神

あらひとがみ [4][5] 【現人神・荒人神】
(1)人の姿をして,この世に現れた神。天皇をいう。あきつかみ。「吾は是,―の子也/日本書紀(景行訓)」
(2)時に応じて現れ霊験を示す神。特に,住吉や北野の神などをいう。「住吉(スミノエ)の―舟の舳(ヘ)にうしはき給ひ/万葉 1020」
(3)人にたたりをする荒々しい神。[日葡]

荒仕事

あらしごと [3] 【荒仕事】
(1)骨の折れる仕事。力仕事。
(2)強盗や殺人などの行為をいう。

荒仕事

あらしごと【荒仕事】
heavy work;hard labor;robbery (強盗).

荒仕子

あらしこ [0] 【荒仕子・粗仕子・粗鉋】
粗削りに用いる鉋(カンナ)。粗鉋(アラガンナ)。
→中仕子(チユウシコ)
→上仕子(ジヨウシコ)

荒代

あらしろ [0] 【荒代・粗代】
田植えのための最初の代掻(カ)き。掘り起こした土を砕き,緑肥をすき込むなどの作業。

荒凶

こうきょう クワウ― [0] 【荒凶】
飢饉(キキン)。不作。凶荒。

荒切り

あらぎり [0] 【粗切り・荒切り】
(1)あらく大まかに切ること。粗雑に切ること。
(2)あらく刻んだタバコ。特に,薩摩の国府タバコを五分切りにした上等のタバコ。「―は一と夜さきりの晴れに買ひ/柳多留 2」

荒利益

あらりえき [3] 【粗利益・荒利益】
売上高から売上原価を差し引いた利益。営業費用や営業外費用などが差し引かれていない点で純利益と異なる。粗利。

荒削り

あらけずり [0][3] 【粗削り・荒削り】 (名・形動)スル [文]ナリ
(1)木などを大まかに削ること。また,そのもの。「―した材木」
(2)まだ十分仕上がっていないこと。十分ねりみがかれていないこと。また,そのさま。「―の魅力」「まだ―なチーム」「―だが有望な新人選手」「―な文章」

荒削りの

あらけずり【荒削りの】
roughly-planed;rough <style> ;→英和
bold.→英和

荒原

こうげん クワウ― [0] 【荒原】
(1)あれはてた野原。荒野。
(2)植物群系の一。乾燥・低温などの悪条件によって植物が生育しにくく,種類・密度とも非常に少ない。砂漠・ツンドラ・海岸荒原・岩質荒原・硫気植物荒原など。

荒吹き

あらぶき [0] 【荒吹き】
銅の日本在来の製錬方法の第一段階として,鉱石を火で吹き溶かし鈹(カワ)をとり出す工程。

荒和の祓

あらにこのはらえ 【荒和の祓】
〔神祇官から奉る荒栲(アラタエ)の衣を荒世(アラヨ),和栲(ニキタエ)の衣を和世(ニコヨ)ということから〕
夏越(ナゴシ)の祓の別名。

荒唐

こうとう クワウタウ [0] 【荒唐】 (名・形動)[文]ナリ
話や考えによりどころがなく,とりとめのない・こと(さま)。荒誕。「―の言」「一言一行…空漠―に渉る者なし/雪中梅(鉄腸)」

荒唐無稽

こうとうむけい クワウタウ― [0] 【荒唐無稽】 (名・形動)[文]ナリ
根拠がなく,現実性のない・こと(さま)。でたらめ。「―な計画」「―な作り話」

荒唐無稽の

こうとうむけい【荒唐無稽の】
absurd;→英和
fantastic.

荒土

こうど クワウ― [1] 【荒土】
荒れはてた土地。荒地。

荒土

あらつち [0] 【荒土・粗土】
(1)細かくこなれていない土。畑などの,十分に耕されていない土。
(2)荒壁に用いる土。

荒地

あれち 【荒地】
〔原題 The Waste Land〕
T = S =エリオットの長詩。1922年刊。五部より成る。多くの神話や古典からの引用をちりばめ,現代生活の不毛を象徴的に描く。

荒地

こうち クワウ― [1] 【荒地】
荒れ果てた地。あれち。

荒地引

あれちひき 【荒地引】
江戸時代,水害などで田畑が荒廃したとき免租すること。荒場引(アレバヒキ)。

荒地野菊

あれちのぎく [4] 【荒地野菊】
キク科の一年草。南アメリカ原産で,日本には明治中頃に渡来し,路傍に自生。高さ50センチメートルほど。葉は狭長であらい鋸歯(キヨシ)があり,全体が灰緑色。夏,灰黄緑色で径6ミリメートルほどの頭状花が多数,総状の穂となって咲く。

荒垣

あらがき [2] 【荒垣・荒籬】
(1)目のあらい垣。
(2)神社などの外側にめぐらしてある目のあらい垣。

荒垣の

あらがきの 【荒垣の】 (枕詞)
垣は物を隔てるところから,「よそ」にかかる。「里人の言寄せ妻を―よそにや我(ア)が見む/万葉 2562」

荒城

あらき 【荒城・殯】
貴人が死んでから本葬するまでの間,遺体を仮に納めて置いたこと。また,その場所。もがり。
→大荒城(オオアラキ)

荒城

こうじょう クワウジヤウ [0] 【荒城】
荒れはてた城。
→荒城の月

荒城の月

こうじょうのつき クワウジヤウ― 【荒城の月】
歌曲。土井晩翠の詩に滝廉太郎が作曲。1901年(明治34)刊の「中学唱歌」に発表。「春高楼の花の宴…」

荒塊

あらくれ [0] 【荒塊】
土の大きなかたまり。

荒塊起こし

あらくれおこし [5] 【荒塊起(こ)し】
水田の荒起こしをすること。

荒塊起し

あらくれおこし [5] 【荒塊起(こ)し】
水田の荒起こしをすること。

荒塗

あらぬり [0] 【荒塗(り)・粗塗(り)】 (名)スル
壁を塗るとき,最初にあらく下塗りすること。また,その塗り方。あらうち。

荒塗り

あらぬり [0] 【荒塗(り)・粗塗(り)】 (名)スル
壁を塗るとき,最初にあらく下塗りすること。また,その塗り方。あらうち。

荒壁

あらかべ [0] 【荒壁・粗壁】
荒壁土に藁苆(ワラズサ)を混ぜたものを木舞(コマイ)下地に塗った壁。砂壁・土壁・漆喰(シツクイ)塗りなどの仕上げ塗りの下地となる。

荒天

こうてん【荒天】
stormy[rough]weather.

荒天

こうてん クワウ― [0] 【荒天】
風雨の激しい天候。悪天候。

荒夷

あらえびす 【荒夷】
(1)都の人が東国人を未開の人と軽蔑して呼んだ語。「いみじからむ―も泣きぬばかりに/浜松中納言 5」
(2)粗野な田舎武士。東国武士。

荒妙

あらたえ 【荒妙・荒栲・粗栲】
織り目のあらい粗末な布。上代,藤・麻・楮(コウゾ)などの繊維で織った布の総称。平安時代以後苧麻織物をいうこともある。
⇔和栲(ニキタエ)
「―の布衣をだに着せかてに/万葉 901」

荒妙の

あらたえの 【荒妙の・荒栲の】 (枕詞)
「藤原」「藤井」「藤江」など「藤」のつく地名にかかる。「―藤原がうへに/万葉 50」

荒寥

こうりょう クワウレウ [0] 【荒寥】 (ト|タル)[文]形動タリ
「荒涼{■一■}」に同じ。「―たる原野」

荒小田

あらおだ 【荒小田・新小田】
荒れはてた田。一説に,新たに開いた田。「―のこぞの古跡(フルアト)の古よもぎ/新古今(春上)」

荒尾

あらお アラヲ 【荒尾】
熊本県北西部,島原湾に面する市。炭鉱の開発で発展。ナシ・ミカン栽培やノリ養殖が盛ん。

荒川

あらかわ アラカハ 【荒川】
姓氏の一。

荒川

あらかわ 【荒川】
(1)関東山地の甲武信(コブシ)岳に源を発し,埼玉県中央部を流れて東京湾に注ぐ川。長さ174キロメートル。下流は北区岩淵で隅田川・荒川放水路(荒川本流)となる。
(2)新潟県北部を西流して日本海に注ぐ川。山形県との境にある朝日岳に源を発する。長さ70キロメートル。上流に荒川峡がある。
(3)新潟県岩船郡南部の町。荒川{(2)}の下流・河口に位置する。
(4)埼玉県南西部,秩父郡の村。荒川{(1)}の上流域。
(5)東京都北東部,二三区の一。工場・商店・住宅が混在する。

荒川放水路

あらかわほうすいろ 【荒川放水路】
東京の低湿地帯を洪水から守るために,荒川下流を東京都北区岩淵で分水して建設した水路。1930年(昭和5)完成。65年河川法改正により現在は荒川本流となる。

荒川豊蔵

あらかわとよぞう アラカハトヨザウ 【荒川豊蔵】
(1894-1985) 陶芸家。岐阜県生まれ。岐阜県大萱(オオカヤ)で,桃山時代の古窯跡を発見。志野・瀬戸黒・黄瀬戸の再現に努力。

荒巻

あらまき [0][2] 【荒巻(き)・新巻(き)・苞苴】
(1)甘塩の鮭。北海道の名産。はらわたを抜き塩を詰めて作る。もと,荒縄などで巻いたのでいう。[季]冬。
(2)葦(アシ)・竹の皮・藁(ワラ)などで魚を包んだもの。つと。すまき。「―一つ,鮭十,一につけたり/宇津保(蔵開下)」

荒巻き

あらまき [0][2] 【荒巻(き)・新巻(き)・苞苴】
(1)甘塩の鮭。北海道の名産。はらわたを抜き塩を詰めて作る。もと,荒縄などで巻いたのでいう。[季]冬。
(2)葦(アシ)・竹の皮・藁(ワラ)などで魚を包んだもの。つと。すまき。「―一つ,鮭十,一につけたり/宇津保(蔵開下)」

荒布

あらめ [0][2] 【荒布】
褐藻類コンブ目の海藻。温暖な海水中に生え,黒褐色で全長1.5メートルほど。下茎は上部でふたまたに分枝し,それぞれに十数枚の葉状片をつける。夏期収穫し,ヨードの原料や食用・肥料などにする。[季]夏。
荒布[図]

荒年

こうねん クワウ― [0] 【荒年】
農作物の不作の年。凶年。

荒廃

こうはい【荒廃】
waste;→英和
ruin;→英和
devastation.〜する go to ruin;→英和
be laid waste.〜した ruined;desolate.→英和

荒廃

こうはい クワウ― [0] 【荒廃】 (名)スル
(1)荒れてすたれること。荒れはてること。「祖国が―する」
(2)うるおいのある状態でなくなること。すさむこと。「―した生活」

荒彫

あらぼり [0] 【粗彫(り)・荒彫(り)】 (名)スル
細部まで手を加えずにざっと彫ること。また,そのような彫刻物。

荒彫り

あらぼり [0] 【粗彫(り)・荒彫(り)】 (名)スル
細部まで手を加えずにざっと彫ること。また,そのような彫刻物。

荒御前

あらみさき 【荒御鋒・荒御前・荒御裂】
(1)武徳の高い先駆けの神。神功皇后の征韓の時に御座船に現れて守護したという住吉の大神の荒御魂(アラミタマ)をいう。
(2)〔「みさき」を「御裂き」の意にとって〕
愛人・夫婦などの仲をさくと考えられていた嫉妬(シツト)深い神。「―といふもの放たぬ者はかくぞある/狭衣 1」

荒御裂

あらみさき 【荒御鋒・荒御前・荒御裂】
(1)武徳の高い先駆けの神。神功皇后の征韓の時に御座船に現れて守護したという住吉の大神の荒御魂(アラミタマ)をいう。
(2)〔「みさき」を「御裂き」の意にとって〕
愛人・夫婦などの仲をさくと考えられていた嫉妬(シツト)深い神。「―といふもの放たぬ者はかくぞある/狭衣 1」

荒御鋒

あらみさき 【荒御鋒・荒御前・荒御裂】
(1)武徳の高い先駆けの神。神功皇后の征韓の時に御座船に現れて守護したという住吉の大神の荒御魂(アラミタマ)をいう。
(2)〔「みさき」を「御裂き」の意にとって〕
愛人・夫婦などの仲をさくと考えられていた嫉妬(シツト)深い神。「―といふもの放たぬ者はかくぞある/狭衣 1」

荒御魂

あらみたま 【荒御魂】
荒々しく活動的な作用をすると考えられた神霊。
⇔和御魂(ニキミタマ)
「―ををぎをひて軍の先鋒(サキ)とし/日本書紀(神功訓)」

荒忌み

あらいみ 【荒忌み・散斎】
祭祀(サイシ)の時,神事にあずかる者が真忌(マイ)みの前にする物忌(モノイ)み。さんさい。おおみ。

荒手番

あらてつがい 【荒手結・荒手番】
平安時代,賭弓(ノリユミ)・騎射(ウマユミ)の行われる前日に,近衛舎人があらかじめ行う稽古。
⇔真手結(マテツガイ)

荒手結

あらてつがい 【荒手結・荒手番】
平安時代,賭弓(ノリユミ)・騎射(ウマユミ)の行われる前日に,近衛舎人があらかじめ行う稽古。
⇔真手結(マテツガイ)

荒手網

あらてあみ [3] 【荒手網】
魚網の両端または上端にとりつける目のあらい網。定置網の垣網などにみられる。

荒打ち

あらうち [0] 【荒打ち】
■一■ (名)スル
土蔵などの土壁を塗る時,木舞(コマイ)に荒壁土を塗りつけて最初の塗り下地を作ること。荒塗り。
■二■ (形動)[文]ナリ
粗野なさま。教養がなく洗練されていないさま。「―ナ人/日葡」

荒技

あらわざ [0] 【荒技】
柔道・相撲・武術などで,激しい動作を伴った,荒々しい技。また,思い切った大技。

荒損

こうそん クワウ― [0] 【荒損】
田畑が荒れていたむこと。

荒損田

こうそんでん クワウ― [3] 【荒損田】
荒田と損田。

荒星

あらぼし [2] 【荒星】
木枯らしの吹く夜の星。

荒木

あらき [0] 【荒木・粗木】
切り出したままで,皮をはいでない木。

荒木

あらき 【荒木】
姓氏の一。

荒木の弓

あらきのゆみ 【荒木の弓】
荒木で作った弓。「―のいまだ削りをさめざるを押し張つて/盛衰記 22」

荒木俊馬

あらきとしま 【荒木俊馬】
(1897-1978) 天文学者・教育者。熊本県生まれ。京大教授。京都産業大学を創設。

荒木十畝

あらきじっぽ 【荒木十畝】
(1872-1944) 日本画家。長崎県生まれ。本名,悌二郎。荒木寛畝の養嗣子。花鳥画を得意とする。芸術院会員。代表作「寂光」など。著「東洋画論」など。

荒木又右衛門

あらきまたえもん 【荒木又右衛門】
(1599-1638) 江戸初期の剣客。伊賀国荒木村の人。剣を柳生十兵衛に学ぶ。1634年,義弟渡辺数馬を助け,伊賀上野の鍵屋の辻で数馬の弟源太夫(戯曲・講談などでは父靭負(ユゲイ))の敵(カタキ),河合又五郎を討った。

荒木古童

あらきこどう 【荒木古童】
琴古流尺八名家の芸名。初世〜三世。豊田古童のあとを継いだ初世(古童としては二世(1823-1908))が有名。尺八の孔割を改め,歌口を改良した。

荒木宗太郎

あらきそうたろう 【荒木宗太郎】
(?-1636) 江戸初期の朱印船貿易家。肥後の武士の出身。長崎で貿易商を営み,シャム(タイ)・安南(ベトナム)と通交。その船は荒木船と呼ばれた。

荒木寅三郎

あらきとらさぶろう 【荒木寅三郎】
(1866-1942) 医学者。群馬県生まれ。東大卒。ドイツに留学し生理化学を学ぶ。日本での生化学の先駆者。京大総長。

荒木寛畝

あらきかんぽ 【荒木寛畝】
(1831-1915) 日本画家。江戸生まれ。本姓,田中,名は吉。文晁派を学ぶ。帝室技芸員。美校教授。一時期学んだ洋画の技法を伝統的な花鳥画に生かし,当時の画壇に重きをなした。代表作「孔雀図」

荒木村英

あらきむらひで 【荒木村英】
(1640-1718) 江戸中期の和算家。江戸の人。関孝和の高弟の一人。師の遺著を整理・校訂し,「括要算法」と題して刊行。

荒木村重

あらきむらしげ 【荒木村重】
(?-1586) 安土桃山時代の武将。摂津の人。織田信長に従い,摂津守となったが,1578年謀反の疑いから信長に追われ,毛利氏を頼んだ。のち剃髪(テイハツ)し,筆庵道薫と号して茶の湯をきわめ,豊臣秀吉に近侍した。

荒木流

あらきりゅう 【荒木流】
(1)馬術の一派。祖は荒木志摩守元清。室町末期に興る。
(2)柔術の一派。祖は荒木無人斎秀縄(ヒデツナ)。拳法・小具足・捕り手・居合などの術を総合している。室町末期に興る。無人斎流。

荒木田

あらきだ [0] 【荒木田】
もと東京荒川沿岸の荒木田原に産した土。茶褐色の粘土で粘着力に富む。現在は産地にかかわらず水田・沼などから産する同種の土をいう。壁土や園芸用。相撲の土俵の盛り土にも用いる。荒木田土。

荒木田

あらきだ 【荒木田】
姓氏の一。伊勢皇大神宮の禰宜・権禰宜を世襲した一族。

荒木田久老

あらきだひさおゆ 【荒木田久老】
(1746-1804) 江戸後期の国学者・歌人。伊勢内宮の神職。号,五十槻園(イツキノソノ)。賀茂真淵に学び,万葉風の和歌をよくした。著「万葉考槻落葉」「日本紀歌解」,家集「槻落葉歌集」

荒木田守武

あらきだもりたけ 【荒木田守武】
(1473-1549) 室町後期の連歌師・俳諧師。伊勢内宮の神職。山崎宗鑑とともに,俳諧の連歌からの独立に影響を与えた。著「守武千句」「世中百首(伊勢論語)」など。

荒木田麗女

あらきだれいじょ 【荒木田麗女】
(1732-1806) 江戸後期の女流文人。伊勢の人。本名,隆,のち麗。和漢の学に通じ,連歌を西山昌林らに学ぶ。著「池の藻屑」「野中の清水」など。

荒木貞夫

あらきさだお 【荒木貞夫】
(1877-1966) 陸軍軍人。大将。陸相・文相。東京生まれ。皇道派の首領。革新的反共論で青年将校に支持され,二・二六事件では同情的態度をとり,事件後予備役編入。戦後 A 級戦犯となり終身刑。

荒村

こうそん クワウ― [0] 【荒村】
あれはてた村。

荒染

あらぞめ 【荒染・退紅・桃花染】
(1)紅花で染めた薄い紅色。洗い染。
(2)薄い紅色の布狩衣(ヌノカリギヌ)の短いもの。仕丁が着用した。

荒栲

あらたえ 【荒妙・荒栲・粗栲】
織り目のあらい粗末な布。上代,藤・麻・楮(コウゾ)などの繊維で織った布の総称。平安時代以後苧麻織物をいうこともある。
⇔和栲(ニキタエ)
「―の布衣をだに着せかてに/万葉 901」

荒栲の

あらたえの 【荒妙の・荒栲の】 (枕詞)
「藤原」「藤井」「藤江」など「藤」のつく地名にかかる。「―藤原がうへに/万葉 50」

荒業

あらわざ [0] 【荒業】
荒々しい仕事。力仕事。荒仕事。

荒正人

あらまさひと 【荒正人】
(1913-1979) 評論家。福島県生まれ。東大卒。雑誌「近代文学」で,政治と文学,主体性論などで論争,近代的市民文学の確立をはかる。著「第二の青春」「漱石研究年表」など。

荒武者

あらむしゃ【荒武者】
a fierce warrior.

荒武者

あらむしゃ [0] 【荒武者】
勇猛な武者。荒々しい武者。

荒法師

あらほうし [3] 【荒法師】
荒々しい僧。乱暴な僧。また,僧兵。あらひじり。

荒波

あらなみ【荒波】
rough seas;raging waves.世の〜にもまれる work one's way through the world;→英和
be tossed about in the storms of life.

荒波

あらなみ [0] 【荒波】
荒い波。激しい勢いで打ち寄せる波。世の中の厳しさをいうこともある。「―にもまれる」

荒海

あらうみ【荒海】
a rough sea.

荒海

あらうみ [0][3] 【荒海】
波の荒い海。

荒海の障子

あらうみのそうじ 【荒海の障子】
清涼殿の東の広庇(ヒロビサシ)の北端にあった襖(フスマ)障子。表に荒海の浜にいる手長足長の図,裏に宇治の網代(アジロ)に氷魚(ヒオ)をとる図が墨で描かれる。あらうみのしょうじ。
→清涼殿

荒涼

こうりょう クワウリヤウ [0] 【荒涼】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
風景などが荒れ果てて寂しいさま。また,精神がすさんでいるさま。荒寥。「―とした枯れ野原」「―たる寂寞感」「―たるその景色/或る女(武郎)」
■二■ (名・形動ナリ)スル
(1)大ざっぱで,いいかげんな・こと(さま)。漠然。広量。「―に物をば難ずまじきことなり/無名抄」
(2)軽はずみなこと。うっかりすること。広量。「―して心知らざらむ人の前に夢がたりな/大鏡(師輔)」
(3)「広量{(1)}」に同じ。「其の―にては一定(ジヨウ)天下の主と成り給ひなん/盛衰記 19」
(4)大きな口をきくこと。尊大なこと。また,そのさま。広量。「大名・小名みな,―の申しやうかな,とささやきあへり/平家 9」

荒涼とした

こうりょう【荒涼とした】
desolate;→英和
dreary.→英和

荒淫

こういん クワウ― [0] 【荒淫】 (名・形動)[文]ナリ
過度に淫欲にふける・こと(さま)。

荒漠

こうばく クワウ― [0] 【荒漠】 (ト|タル)[文]形動タリ
荒れはてて寂しいさま。「―たるカムパニアの野/即興詩人(鴎外)」

荒潮

あらしお 【荒潮】
激しい潮の流れ。「―の塩の八百道(ヤオジ)の/祝詞(六月晦大祓)」

荒物

あらもの [0][3] 【荒物】
(1)日常生活に使う雑多な品物。ざる・桶(オケ)・はたき・ほうきなど。雑貨。
(2)(「新物」とも書く)生のままの物。特に,進物にした生の魚貝。「しもがはら殿よりは―にて二色,二かまゐる/御湯殿上(長享三)」

荒物

あらもの【荒物】
kitchenware.→英和
荒物屋 a kitchenware shop[dealer (人)].

荒物屋

あらものや [0] 【荒物屋】
荒物{(1)}を売る店。雑貨屋。

荒玉

あらたま [0] 【新玉・粗玉・荒玉・璞】
掘り出したままで磨いていない玉。

荒玉の

あらたまの 【新玉の・荒玉の】 (枕詞)
語義・かかり方未詳。「年」「月」「日」「春」などにかかる。「―年経(フ)るまでに/万葉 443」

荒田

あらた 【荒田】
荒れた田。久しく耕作しない田。あれた。「―に生ふるとみ草の花/風俗歌」

荒田

こうでん クワウ― [0] 【荒田】
洪水や耕作放棄などにより荒れた田地。

荒男

あらお 【荒雄・荒男】
荒々しい男。勇猛な男。あらしお。「―らを来むか来じかと飯盛りて/万葉 3861」
〔万葉集に出てくる例はすべて固有名詞であるが,普通名詞に基づくものと考えられる〕

荒畑

あらはた 【荒畑】
姓氏の一。

荒畑寒村

あらはたかんそん 【荒畑寒村】
(1887-1981) 社会主義者・評論家。横浜生まれ。本名,勝三。平民社の運動に参加後,社会主義の普及に尽力。日本共産党創立に参画,のち離党して労農派の中心として活動。第二次大戦後,日本社会党創立に参加。晩年は文筆活動に従事。著「寒村自伝」など。

荒療治

あらりょうじ [3] 【荒療治】 (名)スル
(1)(患者の苦痛を考慮せずに)手荒に治療すること。
(2)転じて,思い切ったやり方で改革すること。「行政改革には―が必要だ」

荒療治

あらりょうじ【荒療治】
a rough operation; <take> drastic measures (処置).〜をする murder (殺す).→英和

荒目

あらめ [0] 【荒目・粗目】 (名・形動)
(1)編み物・織物・金網・やすりなどの目のあらいこと。
(2)あらくて,きめこまかくないさま。「木も―にすぢりゆがみて/中華若木詩抄」
(3)気性などが粗暴なさま。「―ナ人/日葡」

荒石

あらいし [0] 【荒石】
採石場から切り出したままで,人手を加えていない石。野面石(ノヅライシ)。

荒研ぎ

あらとぎ [0] 【粗研ぎ・荒研ぎ】
粗砥(アラト)で研ぐこと。

荒砥

あらと [0] 【粗砥・荒砥】
刃物のおおよその形を整えたりするのに用いる砥石。

荒磯

あらいそ [0] 【荒磯】
波の荒い磯。また,岩石の多い磯。ありそ。

荒磯

あらいそ【荒磯】
a reefy[rocky]shore.

荒磯

ありそ 【荒磯】
〔「あらいそ」の転〕
波の荒い磯。また,岩石の多い磯。あらいそ。「白波の―に寄する/万葉 3991」

荒磯島

あらいそじま 【荒磯島】
荒波が打ち寄せる島。「すさましき―にただ一人/謡曲・俊寛」

荒磯波

ありそなみ 【荒磯波】
■一■ (名)
荒磯に打ち寄せる波。
■二■ (枕詞)
同音で「あり」にかかる。「―ありても見むと/万葉 3253」

荒磯波

あらいそなみ 【荒磯波】
荒磯に打ち寄せる波。ありそなみ。「岩こゆる―に立つ千鳥/千載(冬)」

荒磯海

ありそうみ 【荒磯海】
波の荒い海辺。「―の浜にはあらぬ庭にても/伊勢集」
〔本来は普通名詞と思われるが,「八雲御抄」などで越中国の歌枕とされる〕

荒磯緞子

あらいそどんす [5] 【荒磯緞子】
波間に躍る鯉を金糸で織り出した緞子。名物裂。

荒磯裂

あらいそぎれ [4] 【荒磯裂】
⇒荒磯緞子(ドンス)

荒神

あらがみ 【荒神】
たけだけしく,霊験あらたかな神。「波につきて磯回(イソワ)にいます―は/山家(雑)」

荒神

こうじん クワウ― [1][0] 【荒神】
(1)民俗信仰の神の一。竈神(カマドガミ)として祀(マツ)られる三宝(サンポウ)荒神,屋外に屋敷神・同族神・部落神として祀る地荒神,牛馬の守護神としての荒神に大別される。
(2)荒神{(1)}が家を守るように,陰で守護する者。「そりやもう,おまへに―さんがないとも云ふまいさ/滑稽本・浮世風呂 4」

荒神供

こうじんぐ クワウ― [3] 【荒神供】
荒神の供養。

荒神松

こうじんまつ クワウ― [3] 【荒神松】
荒神に供える松の枝。ところどころに胡粉(ゴフン)などを塗ったものもある。

荒神柱

こうじんばしら クワウ― [5] 【荒神柱】
炉やかまどの近くの,荒神を祀(マツ)る柱。力柱(チカラバシラ)。

荒神棚

こうじんだな クワウ― [0][3] 【荒神棚】
台所のかまどの上方に設けて,荒神を祀(マツ)る棚。

荒神目抜

こうじんめぬけ クワウ― [5] 【荒神目抜】
オオサガの別名。

荒神祓

こうじんばらい クワウ―バラヒ [5] 【荒神祓】
⇒竈祓(カマバライ)(1)

荒神谷遺跡

こうじんだにいせき クワウジンダニヰセキ 【荒神谷遺跡】
島根県簸川(ヒカワ)郡斐川町にある弥生時代の青銅器埋納遺跡。銅剣・銅矛・銅鐸が一括して発見され,北九州圏と畿内圏の祭祀儀礼の接点として,青銅祭器の文化圏の見直しがされた。

荒祭宮

あらまつりのみや 【荒祭宮】
伊勢の皇大神宮の別宮の一。天照大神(アマテラスオオミカミ)の荒御魂(アラミタマ)をまつる。

荒稲

あらしね 【荒稲】
もみのついたままの米の意か。
⇔和稲(ニキシネ)
「幣帛(ミテグラ)は…和稲・―に/祝詞(広瀬大忌祭)」

荒稼ぎ

あらかせぎ [3][0] 【荒稼ぎ】 (名)スル
(1)乱暴なやり方でかせぐこと。
(2)一度にたくさんかせぐこと。「相場で―した」

荒稼ぎする

あらかせぎ【荒稼ぎする】
commit robbery (強盗);make quick and unscrupulous money.

荒立つ

あらだつ【荒立つ】
be stirred up[excited](気が);run high (波・言葉などが).

荒立つ

あらだ・つ [3] 【荒立つ】
■一■ (動タ五[四])
(1)(人の心や波風などが)荒くなる。荒々しくなる。「―・ちたる詞(コトバ)の中に/谷間の姫百合(謙澄)」「波が―・つ」
(2)事態が混乱する。物事がもつれる。「事が―・つ」
(3)荒々しく振る舞う。暴れる。「鬼神も―・つまじきけはひなれば/源氏(帚木)」
■二■ (動タ下二)
⇒あらだてる

荒立て

あらだて [0] 【荒立て・略立て】
歌舞伎や操り芝居で,本読みの次におおよその動きをつける段階の稽古。荒立ち。

荒立てる

あらだ・てる [4] 【荒立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あらだ・つ
(1)荒々しくする。荒くする。「声を―・てる」
(2)ことさらに事態を混乱させる。もつれさせる。「事を―・てる」

荒立てる

あらだてる【荒立てる】
excite (人を);→英和
make <matters> worse;aggravate.→英和
荒立てぬようにする hush up.

荒筋

あらすじ [0] 【粗筋・荒筋】
物語・事件・考えなどの大体の筋道。梗概(コウガイ)。概要。「映画の―」

荒籠

あらかご [2][0] 【粗籠・荒籠】
竹であらく編んだ籠。堤防の護岸に用いる蛇籠(ジヤカゴ)の類。

荒籬

あらがき [2] 【荒垣・荒籬】
(1)目のあらい垣。
(2)神社などの外側にめぐらしてある目のあらい垣。

荒粕

あらかす [0] 【荒粕】
魚の頭・内臓などから作る肥料。

荒縄

あらなわ [0] 【荒縄・粗縄】
太い藁(ワラ)の縄。

荒縄

あらなわ【荒縄】
a straw rope.

荒者

あらもの 【荒者】
荒々しい人。暴れ者。「希代の―にて悪禅師といひけり/平治(下・古活字本)」

荒聖

あらひじり 【荒聖】
荒行(アラギヨウ)をする僧。また,乱暴な法師。荒法師。「文覚は天性不敵第一の―なり/平家 5」

荒肌

あらはだ [0] 【荒肌】
きめのあらい肌。ざらざらした肌。

荒肝

あらぎも [0] 【荒肝】
荒々しい心。どぎも。きもったま。

荒船山

あらふねやま 【荒船山】
群馬県南西部,長野県との境にある火山。海抜1423メートル。山頂は平坦な溶岩台地。

荒茶

あらちゃ [0] 【荒茶】
生葉を蒸してもみ乾したままの茶。

荒草

こうそう クワウサウ [0] 【荒草】
あれて乱れた草。生いしげった雑草。「―萋々(セイセイ)たり/日乗(荷風)」

荒荒

あらあら 【荒荒】 (副)
荒々しいさま。乱暴なさま。「彼の者をば―と申しておつ返してさうらふ/謡曲・春栄」

荒荒しい

あらあらし・い [5] 【荒荒しい】 (形)[文]シク あらあら・し
(1)勢いが強く激しい。非常に乱暴だ。荒っぽい。「―・い語気」「―・い動作」
(2)無骨である。「げにいと―・しくふつつかなるさましたる翁の/源氏(浮舟)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

荒荷

あらに [0] 【荒荷】
(1)木材・鉄材・土石などの重量貨物。
(2)江戸時代,海運貨物のうちの雑貨類をいう。

荒莚

あらむしろ [3] 【粗莚・荒莚】
あらく編んだ粗末なむしろ。

荒蕪

こうぶ クワウ― [1] 【荒蕪】 (名)スル
(1)土地が荒れはてて雑草の生いしげること。「―地」「物も生へず,唯―に帰して/戸隠山紀行(美妙)」
(2)荒れはてること。「陸地を―せられしのみか直ちに仏兵二百名上陸に及び/近世紀聞(延房)」

荒薦

あらごも [0] 【荒薦・粗薦】
〔「あらこも」とも〕
編み目のあらい薦(コモ)。「庭に―をしきて/宇治拾遺 10」

荒蝦夷

あらえみし 【荒蝦夷】
朝廷に対する帰順の度合によって分けた蝦夷の呼び方の一。朝廷に服従しない蝦夷。
⇔にきえみし
「次の者をば―と名づけ/日本書紀(斉明訓)」

荒血

あらち 【新血・荒血】
(1)出産の際の出血。「八幡は―を五十一日忌ませ給ふなれば/義経記 6」
(2)刀傷などによる出血。「―の上で死したる人/浄瑠璃・卯月の潤色(中)」

荒血山

あらちやま 【愛発山・有乳山・荒血山】
福井県敦賀市の南方一帯の山。古代,愛発関が置かれた。((歌枕))「八田(ヤタ)の野の浅茅色付く―峰の沫雪寒く降るらし/万葉 2331」

荒行

あらぎょう [0] 【荒行】
修験者などが山野などにこもってする荒々しい修行。

荒行をする

あらぎょう【荒行をする】
practise asceticism.

荒見川の祓

あらみがわのはらえ アラミガハ―ハラヘ 【荒見川の祓】
〔「あらみ」は荒忌(アライミ)の転〕
大嘗会(ダイジヨウエ)に奉仕する者が,身のけがれを除くために,陰暦九月晦日に京都の紙屋川で行なった祓。

荒誕

こうたん クワウ― [0] 【荒誕】 (名・形動)[文]ナリ
〔「誕」はいつわりの意〕
おおげさで,でたらめなこと。また,そのさま。「古の歴史は―怪奇にして/雪中梅(鉄腸)」

荒起こし

あらおこし [3] 【荒起(こ)し・粗起(こ)し】 (名)スル
耕作の準備作業として,田畑などをおおざっぱに掘り起こすこと。

荒起し

あらおこし [3] 【荒起(こ)し・粗起(こ)し】 (名)スル
耕作の準備作業として,田畑などをおおざっぱに掘り起こすこと。

荒道具

あらどうぐ [3] 【荒道具】
(1)家庭で用いる雑多な道具。あらもの。
(2)大形の刃物。鉈(ナタ)・鉞(マサカリ)など。

荒都

こうと クワウ― [1] 【荒都】
荒れはてた都。

荒野

こうや【荒野】
a wilderness;→英和
the wilds.

荒野

あらの [0] 【荒野・曠野】
雑草が生い茂って荒れた野。あれの。

荒野

こうや クワウ― [1] 【荒野】
(1)あれはてた野原。あれの。
(2)開墾奨励のために無税にした土地。

荒野ら

あらのら 【荒野ら】
〔「ら」は接尾語〕
「あらの」に同じ。「―に里はあれども/万葉 929」

荒鉋

あらがんな [3] 【荒鉋】
荒削り用のかんな。

荒鑢

あらやすり [3] 【粗鑢・荒鑢】
目のあらいやすり。

荒雄

あらお 【荒雄・荒男】
荒々しい男。勇猛な男。あらしお。「―らを来むか来じかと飯盛りて/万葉 3861」
〔万葉集に出てくる例はすべて固有名詞であるが,普通名詞に基づくものと考えられる〕

荒馬

あらうま [0] 【荒馬】
気性がはげしく,すぐに荒れる馬。御しにくい馬。あらごま。悍馬(カンバ)。

荒馬

あらうま【荒馬】
an unbroken horse.

荒駒

あらごま [0] 【荒駒】
「あらうま(荒馬)」に同じ。

荒鵜

あらう 【荒鵜】
気負い立っている鵜飼いの鵜。[季]夏。「―ども,この川波にばつと放せば/謡曲・鵜飼」

チャン 【荘】 (接尾)
〔中国語〕
麻雀で,正式な一ゲームを数えるのに用いる。「一(イー)―」「半―」

そう サウ 【荘・庄】
「しょう(荘・庄)」に同じ。「むかしの御―の所所/増鏡(藤衣)」

しょう シヤウ [1] 【荘・庄】
(1)「荘園」に同じ。
(2)荘園廃止後も,荘園の名を受け継いだ土地などの呼び名。「三春の―」

荘倉

しょうそう シヤウサウ [0] 【荘倉・庄倉】
荘園で徴収した穀物を貯蔵しておく倉。

荘厳

そうごん サウ― [0] 【荘厳】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
重々しく,威厳があって気高い・こと(さま)。「―な楽の音」
■二■ (名)スル
「しょうごん(荘厳)」に同じ。「阿弥陀堂に―し/栄花(本の雫)」
[派生] ――さ(名)

荘厳

しょうごん シヤウ― [0] 【荘厳】 (名)スル
〔呉音〕
〔仏〕 浄土などの仏国土,仏・菩薩などの徳を示す美しい姿や飾り。また,仏堂・仏像などを美しく飾ること。また,その飾り。「壇を立て―して/曾我 1」
→そうごん(荘厳)

荘厳

しょうげん シヤウ― [0] 【荘厳】
⇒しょうごん(荘厳)

荘厳な

そうごん【荘厳な】
sublime;→英和
solemn;→英和
grand;→英和
majestic.

荘厳ミサ

そうごんミサ サウ― [5] 【荘厳―】
⇒ミサ-ソレムニス

荘厳ミサ曲

そうごんミサきょく サウゴン― 【荘厳―曲】
〔(ラテン) Missa solemnis〕
ベートーベン晩年の傑作。全五楽章。1818〜23年作。壮麗な交響曲的様式からなり,典礼機能から解放された一九世紀の交響的ミサ曲の先駆をなす。
→ミサ-ソレムニス

荘厳結び

しょうごんむすび シヤウ― [5] 【荘厳結び】
装飾結びの一。寺社の御簾(ミス)の飾りひもなどに用いる。そうごんむすび。

荘司

しょうじ シヤウ― [1] 【荘司・庄司】
「荘官」に同じ。また,特に荘官のうち,下司(ゲシ)をいう。

荘周

そうしゅう サウシウ 【荘周】
⇒荘子(ソウシ)

荘周の夢

そうしゅうのゆめ サウシウ― 【荘周の夢】
「胡蝶(コチヨウ)の夢」に同じ。

荘園

そうえん サウヱン [0] 【荘園】
⇒しょうえん(荘園)

荘園

しょうえん【荘園】
a manor.→英和

荘園

しょうえん シヤウヱン [0] 【荘園・庄園】
中国では唐代から,ヨーロッパでは八世紀頃から行われた土地所有形態および領主の所有地。日本では,奈良時代末以降,貴族や寺社が諸国に私的に領有した土地をいう。大規模な開墾と地方豪族・農民からの寄進によって平安中期に飛躍的に増大し,また不輸不入(フユフニユウ)の特権を得て貴族・寺社の経済的基盤となった。鎌倉・室町時代を通じて,武士勢力の侵略を受け,また商業経済が発達するに及んで次第に衰え,太閤検地によって制度的にも消滅した。荘。そうえん。

荘園集落

しょうえんしゅうらく シヤウヱンシフ― [5] 【荘園集落】
平安から室町時代にかけて,扇状地や氾濫原などに荘園を中心に開拓された集落。領家・別府・別所・新荘などの地名はその名残。

荘子

そうじ サウジ 【荘子】
中国,戦国時代の思想書。一〇巻三三編。荘子とその学統に連なる後人の著作。寓話を数多く引用し,変幻自在な筆法で,人知の限界を語り,一切をあるがままに受け入れるところに真の自由が成立すると説く。のちの中国禅の形成に大きな役割を果たした。南華真経。

荘子

そうし サウシ 【荘子】
中国,戦国時代の宋の思想家。名は周,字(アザナ)は子休,追号は南華真人。儒家の思想に反対し,独自の形而上学的世界を開いた。その思想は老子と合わせて老荘思想と称され,後世まで大きな影響を与えた。生没年未詳。
→道家(ドウカ)

荘官

しょうかん シヤウクワン [0] 【荘官・庄官】
(1)荘園で,領主の命を受けて年貢の徴収・上納,治安維持などの任務にあたった者。中央の領主から派遣される場合と地方の有力者が任命される場合とがあり,時代が下るにしたがって後者の形をとるようになった。荘司。
(2)江戸時代,村役人の長。荘屋。庄屋。

荘家

しょうか シヤウ― [1] 【荘家・庄家】
⇒しょうけ(荘家)

荘家

しょうけ シヤウ― [1] 【荘家・庄家】
(1)墾田の管理・収穫物の貯蔵などのために設けた建物,およびそれに付属する土地。また荘園管理のための事務所。荘。
(2)荘園領主のこと。

荘庫

しょうこ シヤウ― [1] 【荘庫】
荘園で,米穀を蓄える倉庫。荘倉。

荘王

そうおう サウワウ 【荘王】
(?-前591) 中国,春秋戦国時代の楚(ソ)の王。名は侶(リヨ)。北上して晋(シン)を破り,春秋五覇の一人とされる。
→鼎(カナエ)の軽重を問う

荘田

しょうでん シヤウ― [0] 【荘田・庄田】
荘園内の田地。

荘田

そうでん サウ― [0] 【荘田】
「荘(シヨウ)」に同じ。

荘郷

しょうごう シヤウガウ [0] 【荘郷】
むらざと。荘。郷。

荘重

そうちょう サウ― [0] 【荘重】 (名・形動)[文]ナリ
おごそかで重々しい・こと(さま)。「―な音楽」「―な儀式」
[派生] ――さ(名)

荘重な

そうちょう【荘重な】
solemn;→英和
sublime;→英和
grave.→英和

荘長

しょうちょう シヤウチヤウ 【荘長・庄長】
「荘司(シヨウジ)」に同じ。

まめ 【豆・荳・菽】
■一■ [2] (名)
(1)マメ科植物のうち,食用にする大豆・小豆(アズキ)・隠元など。また,その種子。
(2)特に,大豆。「―まき」
(3)陰核。女陰。また,女。「何所(ドコ)の―を喰ひに往かれた/浄瑠璃・新版歌祭文」
(4)牛・豚などの腎臓の俗称。「豚―」
■二■ (接頭)
名詞に付く。
(1)形・規模などが小さいという意を表す。「―電球」「―台風」
(2)子供である意を表す。「―記者」

荳菽類

とうしゅくるい [4] 【荳菽類】
マメ科で種子を利用する作物の総称。ダイズ・アズキ・エンドウ・ソラマメなど。

しのぶ [1] 【忍・荵】
(1)シノブ科夏緑性シダ植物。岩や木に着生する。根茎は太く,長くはい,淡褐色の鱗片を基部に密生する。葉は長柄で根茎につき,三角形で羽状に分裂する。根茎を丸めて忍玉(シノブダマ)を作り,夏,軒下などにつるして観賞する。忍ぶ草。事無草(コトナシグサ)。
(2)「忍ぶ摺り」の略。「―の乱れ限り知られず/伊勢 1」
(3)ノキシノブの異名。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄い萌黄,裏は青。秋に着用。
忍(1)[図]

か 【荷】 (接尾)
助数詞。(一人が肩でかつぐほどの量の)荷物を数えるのに用いる。「酒樽三―」
〔天秤棒でかつぐ二つの荷物を一組とし,それを一荷と称したことに由来する〕

に【荷】
(1) a load;→英和
a cargo (船荷);→英和
[貨物] <air,sea> freight;→英和
<英> goods;→英和
[手荷物] <米> baggage;→英和
<英> (hand) luggage.→英和
(2)[重荷]a burden.→英和
〜になる be a burden <to one> .〜を積む(降ろす) (un-)load <a ship> ;(un)pack <a horse> .→英和
〜を下ろした気持になる feel relieved.

に [1][0] 【荷】
(1)持ち運んだり,送ったりするために,ひとまとめにしたもの。にもつ。「両手に―を下げる」「市場に―がはいる」
(2)責任・負担となる事柄。「肩の―が下りる」
(3)やっかいになるもの。「とんだ―になる」

荷ない

にない ニナヒ [2] 【担い・荷ない】
(1)になうこと。肩にかけてかつぐこと。
(2)「担い桶」の略。「水ぎれの時にも―で水をかつがれますが/滑稽本・浮世風呂 3」

荷なう

にな・う ニナフ [2] 【担う・荷なう】 (動ワ五[ハ四])
(1)肩で物をささえて持つ。かつぐ。「天秤棒で荷を―・う」
(2)身に引き受ける。負担する。せおう。「次代を―・う」「一身に期待を―・う」「足利殿は…徳を―・つて/太平記 9」
[可能] になえる

荷下ろし

におろし [2] 【荷下ろし】
積まれた荷をおろすこと。

荷主

にぬし [0][1] 【荷主】
(1)荷物の持ち主。
(2)荷物の発送人。

荷主

にぬし【荷主】
a shipper;→英和
a consignor.→英和

荷兮

かけい 【荷兮】
⇒山本(ヤマモト)荷兮

荷凭れ

にもたれ [2] 【荷凭れ】
商品の在庫が多く,相場が下がっていくこと。

荷出し

にだし [0] 【荷出し】
先方へ荷を送り出すこと。荷送り。

荷前

のさき 【荷前】
古代,諸国から来る貢ぎ物の初物。これを朝廷から伊勢大神宮をはじめ諸陵墓などに奉った。「東人の―の箱の荷の緒にも/万葉 100」

荷前の使

のさきのつかい 【荷前の使】
荷前を奉るために朝廷から諸陵墓などに派遣される勅使。「―のたつ日なり/弁内侍日記」

荷動き

にうごき [2] 【荷動き】
出荷・入荷などの,荷物の変動。

荷厄介

にやっかい [2] 【荷厄介】 (名・形動)[文]ナリ
荷物の取り扱いをもてあますこと。転じて,物事が邪魔や負担となってもてあますこと。また,そのさま。お荷物。「―になる」「何かとうるさくて―な男だ」
[派生] ――さ(名)

荷受

にうけ [3][0] 【荷受(け)】
(1)送ってきた荷物を受け取ること。
⇔荷送り
(2)卸売(オロシウリ)業者のこと。

荷受

にうけ【荷受】
receipt of goods.荷受人 a consignee.

荷受け

にうけ [3][0] 【荷受(け)】
(1)送ってきた荷物を受け取ること。
⇔荷送り
(2)卸売(オロシウリ)業者のこと。

荷受人

にうけにん [0] 【荷受人】
物品運送契約において,運送品の受取人として指定された者。

荷台

にだい [0] 【荷台】
トラック・自転車などの荷物を積むための台の部分。

荷台

にだい【荷台】
a loading platform (トラックの);a (luggage) carrier (自転車などの).

荷吉

によし 【荷吉】
「みよし(水押)」に同じ。

荷姿

にすがた [2] 【荷姿】
梱包された商品や荷物の外見・形状。

荷崩れ

にくずれ [2] 【荷崩れ】 (名)スル
運搬中の積み荷が釣り合いを失って崩れること。「貨物が―する」

荷嵩

にがさ [0] 【荷嵩】
荷物がかさばること。荷物のかさ。

荷引き

にびき [0] 【荷引き】
生産物を生産地から持ってくること。

荷役

にやく【荷役】
loading (積込);unloading (荷降ろし).

荷役

にやく [0] 【荷役】
貨物を積んだり降ろしたりすること。また,そうする人。「―作業」

荷打ち

にうち [3][0] 【荷打ち】
「打ち荷」に同じ。

荷扱い

にあつかい [2] 【荷扱い】
荷物を取り扱うこと。運ばれてきた貨物を受け取ったり保管したりすること。

荷抜き

にぬき [3] 【荷抜き】 (名)スル
荷から一部をこっそりと抜きとること。

荷担

かたん [0] 【荷担・加担】 (名)スル
(1)〔(2)が原義〕
仲間に加わって助力すること。「陰謀に―する」
(2)荷物を背負うこと。「三種の神器を自ら―して/太平記 18」

荷拵え

にごしらえ [2] 【荷拵え】 (名)スル
荷づくりをすること。「厳重に―する」

荷持

にもち [3][0] 【荷持(ち)】
(1)荷物を運ぶ人。
(2)家財道具を多くもっている人。
(3)建築で,荷重を受ける材。

荷持ち

にもち [3][0] 【荷持(ち)】
(1)荷物を運ぶ人。
(2)家財道具を多くもっている人。
(3)建築で,荷重を受ける材。

荷捌き

にさばき [2] 【荷捌き】 (名)スル
(1)荷物を仕分けたりして処理すること。
(2)入荷した品物を売りさばくこと。

荷揚

にあげ【荷揚】
unloading;landing.→英和
〜する unload <a ship,goods from a ship> ;→英和
land <goods> .→英和
‖荷揚港 a port of discharge.荷揚場 a landing stage.

荷揚げ

にあげ [0][3] 【荷揚げ】 (名)スル
船の積み荷を陸にあげること。また,高所に物資を運ぶこと。「貨物を―する」

荷損

にぞん [0] 【荷損】
中世以来の海難処理法の一。不可抗力の海難の際,船は船主の損害とするが,積み荷は荷主の損害として船側に賠償責任のないことを規定したもの。

荷札

にふだ【荷札】
a tag.→英和
〜をつける tag <a trunk> .

荷札

にふだ [1] 【荷札】
荷物につけて荷物の送り先・差出人などを書いておくための札。

荷渡し

にわたし【荷渡し】
delivery <of goods> .〜する deliver.→英和

荷渡し指図書

にわたしさしずしょ [0] 【荷渡し指図書】
運送品や寄託品について,その引き渡しを指図する証券。多くは,船主が本船の船長にあてて発行した貨物引き渡しの指図証をいう。荷渡し指図証。荷渡し依頼書。

荷為替

にがわせ【荷為替(を組む)】
(draw) a documentary draft[bill].

荷為替

にがわせ [2] 【荷為替】
隔地売買において,売り主が為替手形により代金の弁済を受けること。「―取引」

荷為替信用状

にがわせしんようじょう [0][7] 【荷為替信用状】
荷為替手形の保証として銀行が発行する信用状。

荷為替手形

にがわせてがた [5] 【荷為替手形】
隔地売買において,運送物品を担保にして売り主が買い主を支払人として振り出した為替手形。荷付手形。
→クリーンビル

荷物

にもつ【荷物】
<米> baggage;→英和
<英> luggage;→英和
one's belongings (手回りの);a load (車馬の).→英和
〜を積む load <a cart with things> .〜取扱所 a baggage office.⇒荷,手荷物.

荷物

にもつ [1] 【荷物】
(1)運んだり送ったりする品物。荷。「―を運ぶ」「手―」「―船」
(2)(「お荷物」の形で)負担となる物事。「他人のお―になる」

荷用

かよう 【荷用・加用】
(1)配膳・給仕をすること。「修業者ども,時非時(トキヒジ)さばくり―するに/沙石 3」
(2)鎌倉・室町幕府や諸侯の家で,陪膳・給仕をする職。のちには,富家の給仕をもいった。

荷田

かだ 【荷田】
姓氏の一。

荷田在満

かだのありまろ 【荷田在満】
(1706-1751) 江戸中期の国学者。春満(アズママロ)の甥,のち養子。姓は羽倉とも。有職故実の研究を春満より継ぎ,また,田安宗武に仕えた。その著「国歌八論」は,近世歌学革新に重要な役割を果たす。著「大嘗会儀式具釈」「羽倉考」など。

荷田春満

かだのあずままろ 【荷田春満】
(1669-1736) 江戸中期の国学者・歌人。姓は羽倉とも。京都伏見稲荷神社の神官。国学四大人の一人。記紀・万葉,有職故実を研究,復古神道を唱えた。弟子に賀茂真淵・荷田在満(アリマロ)などがいる。著「万葉集僻案抄」「万葉集訓釈」「日本書紀訓釈」「創学校啓」,歌集「春葉集」など。

荷留

にどめ [0] 【荷留】
中世,領主が領内の物資の確保,産業保護などのために,物資の移出入を禁止・制限したこと。

荷積み

にづみ [0][3] 【荷積み】 (名)スル
(1)荷物を貨車・トラックなどに積み込むこと。
(2)ある場所に荷物を積むこと。

荷積み

にづみ【荷積み】
loading.荷積港 a port of loading.

荷箱

にばこ [1] 【荷箱】
荷物を入れる箱。

荷縄

になわ [0] 【荷縄】
荷造りや荷運びに用いる縄。

荷船

にぶね [1][2] 【荷船】
荷物を運ぶ船の総称。荷方船(ニカタブネ)。

荷葉

かよう [0] 【荷葉】
(1)ハスの葉。
(2)練り香の名。六種(ムクサ)の薫物(タキモノ)の一。ハスの花の香に似せたものという。夏の薫物。「ただ―を一種(ヒトクサ)あはせ給へり/源氏(梅枝)」
(3)「荷葉皴(カヨウシユン)」の略。

荷葉座

かしょうざ カセフ― [2] 【荷葉座】
〔「荷葉」はハスの葉の意〕
仏像を安置する台座。多く天部の像に用いられる。

荷葉皴

かようしゅん [2] 【荷葉皴】
文人画の皴法(シユンポウ)の一。ハスの葉脈に似た筆致で,山や岩石の襞(ヒダ)を描き陰影を表す技法。

荷薄

にうす【荷薄】
shortage of goods.

荷足

にあし [0] 【荷足】
(1)航行中の安定をよくするため船底に積む重い荷物。底荷。
(2)荷物を積んだときの船の喫水。

荷足り船

にたりぶね [4] 【荷足り船】
和船の一。河川や港湾で荷物の運送にあたった小船。

荷車

にぐるま【荷車】
a cart;→英和
a wagon.→英和
〜を引く draw a cart.

荷車

にぐるま [2] 【荷車】
人や牛馬が引く,荷物を運ぶ車。

荷轄

にくさび 【荷轄】
和船の用具。苫(トマ)などを押し縁(ブチ)ではさんだもので,荷物の波よけなどとするもの。

荷送り

におくり [2] 【荷送り】
先方に荷物を送り出すこと。
⇔荷受け

荷送り人

におくりにん【荷送り人】
⇒荷主.

荷送り人

におくりにん [0] 【荷送り人】
物品の運送契約の当事者として,運送人に対して物品の運送を委託した者。

荷造

にづくり【荷造】
packing.→英和
〜する pack (up).→英和
〜を解く unpack.→英和
‖荷造費 package.

荷造り

にづくり [2] 【荷造り】 (名)スル
荷物を運んだり送ったりするのに都合のよいように包むこと。「引っ越しの―」

荷重

かじゅう [0] 【荷重】
(1)貨物自動車などの荷の重さ。
(2)機械や構造物の全体またはその一部が外部から受ける力。ロード。

荷重

におも [0] 【荷重】 (名・形動)[文]ナリ
(1)荷物が重いこと。
(2)負担や責任が重すぎる・こと(さま)。「彼には―な役目だ」

荷重検査器

かじゅうけんさき [6] 【荷重検査器】
荷を積んだ自動車などの重さを量り,積荷の重量を計測するはかり。

荷重試験

かじゅうしけん [5][4] 【荷重試験】
構造物や車両・航空機などに外力を加えて,応力や変形状態を調査するための試験。加力試験。載荷試験。

荷降ろし

におろし【荷降ろし】
unloading;landing.→英和
〜する unload;→英和
land.→英和
⇒荷.

荷電

かでん [0] 【荷電】
(1)「電荷(デンカ)」に同じ。
(2)「帯電(タイデン)」に同じ。

荷電共役変換

かでんきょうやくへんかん [8] 【荷電共役変換】
粒子と反粒子を入れ替える変換。

荷電粒子

かでんりゅうし [4] 【荷電粒子】
電荷をもった粒子。

荷鞍

にぐら [0] 【荷鞍】
荷物を積むために馬につける鞍。

荷風

かふう 【荷風】
⇒永井(ナガイ)荷風

荷馬

にうま [1] 【荷馬】
荷物を運ぶ馬。荷負い馬。駄馬(ダバ)。

荷馬車

にばしゃ [2] 【荷馬車】
荷物をのせて運ぶ馬車。

荷馬車

にばしゃ【荷馬車】
a cart;→英和
a wagon.→英和

荷駄

にだ [1] 【荷駄】
馬で運ぶ荷物。

おぎ【荻】
a common reed.

おぎ ヲギ [1] 【荻】
イネ科の多年草。原野の水辺に群生する。高さ2メートル内外。茎の下部は露出する。花穂はススキに似るが,大形で小穂に芒(ノギ)がない。メザマシグサ。ネザメグサ。[季]秋。
荻[図]

荻原

おぎわら ヲギハラ 【荻原】
姓氏の一。

荻原

おぎはら ヲギ― [2][0] 【荻原】
オギが一面に生え茂っている原。おぎわら。

荻原井泉水

おぎわらせいせんすい ヲギハラ― 【荻原井泉水】
(1884-1976) 俳人。東京生まれ。本名,藤吉。東大卒。東洋哲学を基に自由律俳句の実作と理論づけに活躍。「層雲」を主宰。俳論集「俳句提唱」,句集「原泉」

荻原守衛

おぎわらもりえ ヲギハラモリヱ 【荻原守衛】
(1879-1910) 彫刻家。長野県生まれ。号,碌山(ロクザン)。初め洋画を志したが,ロダンの「考える人」に啓発され,彫刻に転向。作「文覚」「女」など。

荻原重秀

おぎわらしげひで ヲギハラ― 【荻原重秀】
(1658-1713) 江戸中期の幕臣。勘定奉行として貨幣改鋳を行い,幕府の財政難を緩和したが,悪貨鋳造で物価が騰貴し,私利の追求をとがめられて失脚した。

荻堂貝塚

おぎどうかいづか ヲギダウカヒヅカ 【荻堂貝塚】
沖縄県中頭(ナカガミ)郡北中城村にある貝塚。荻堂式土器は縄文時代後期のもの。

荻村

おぎむら ヲギムラ 【荻村】
姓氏の一。

荻村伊智朗

おぎむらいちろう ヲギムライチラウ 【荻村伊智朗】
(1932-1994) 卓球選手・指導者。世界選手権で数々のタイトルを取る。のち,後進の指導にあたる一方,「ピンポン外交」など卓球を通じた国際交流に貢献。1987年(昭和62)国際卓球連盟会長。

荻江節

おぎえぶし ヲギエ― [0] 【荻江節】
宝暦・明和(1751-1772)頃,荻江露友(?-1787)が始めた座敷芸風の唄。長唄から派生したもので,地歌の曲調をも取り入れ,伴奏には囃子(ハヤシ)を用いず三味線だけを用いる。

荻生

おぎゅう ヲギフ 【荻生】
姓氏の一。

荻生徂徠

おぎゅうそらい ヲギフ― 【荻生徂徠】
(1666-1728) 江戸中期の儒学者。江戸の人。名は双松(ナベマツ),字(アザナ)は茂卿(シゲノリ),通称は惣右衛門。徂徠は号。物部氏より出たので物(ブツ)徂徠などと称する。初め朱子学を学んだが,のち古文辞学を唱え,古典主義に立って政治と文芸を重んずる儒学を説いた。柳沢吉保・徳川吉宗に重用された。著「弁道」「論語徴」「蘐園随筆」「南留別志(ナルベシ)」「訳文筌蹄」など。
→蘐園(ケンエン)学派

荻花

てきか [1] 【荻花】
オギの花。

荻野

おぎの ヲギノ 【荻野】
姓氏の一。

荻野吟子

おぎのぎんこ ヲギノ― 【荻野吟子】
(1851-1913) 医師。武蔵国の人。1885年(明治18)医術開業試験に合格し女性の第一号医籍登録者となる。婦人運動にも参加,婦人の地位向上に努めた。

荻野学説

おぎのがくせつ ヲギノ― [4] 【荻野学説】
1924年(大正13),荻野久作(1882-1975)の立てた学説。婦人の排卵は,次期の予定月経の一日目から逆算して一四日プラスマイナス二日前の五日間に起こり,月経周期の長短とは無関係であるという説。妊娠・受胎調節に応用される。

荻野式

おぎのしき ヲギノ― [0] 【荻野式】
月経周期から排卵期を予測して受胎調節を行う方法。荻野学説に基づく。

荻野流

おぎのりゅう ヲギノリウ 【荻野流】
砲術の一派。江戸時代,荻野六兵衛安重(1613-1690)が家伝の砲術を大砲に応用して創始したもの。

荻須

おぎす ヲギス 【荻須】
姓氏の一。

荻須高徳

おぎすたかのり ヲギス― 【荻須高徳】
(1901-1986) 洋画家。愛知県生まれ。東京美術学校卒業後渡仏し,佐伯祐三の影響のもとで画業を確立。

荼吉尼天

だきにてん 【荼枳尼天・荼吉尼天】
〔仏〕
〔梵 Ḍākinī〕
胎蔵界曼荼羅外金剛院に住する夜叉または羅刹(ラセツ)の類。インドの民間信仰から密教によって仏教に取り入れられた。人の死を六か月前に予知してその心臓を食うとされる。日本では,稲荷神・飯綱(イヅナ)権現と同一視されている。だきに。

荼枳尼

だきに 【荼枳尼】
「荼枳尼天」の略。

荼枳尼の法

だきにのほう 【荼枳尼の法】
荼枳尼天の法。真言密教で行う呪法。修得すると諸願成就する力を得るという。

荼枳尼天

だきにてん 【荼枳尼天・荼吉尼天】
〔仏〕
〔梵 Ḍākinī〕
胎蔵界曼荼羅外金剛院に住する夜叉または羅刹(ラセツ)の類。インドの民間信仰から密教によって仏教に取り入れられた。人の死を六か月前に予知してその心臓を食うとされる。日本では,稲荷神・飯綱(イヅナ)権現と同一視されている。だきに。

荼毒

とどく [1] 【荼毒】 (名)スル
〔「荼」は苦菜(ニガナ)の意〕
(1)害毒また,害毒を与えること。「社会を―するものだ/青年(鴎外)」
(2)いため苦しめること。しいたげること。「百姓(ヒヤクセイ)―して四海逆浪をなす/太平記 35」

荼毗

だび [1] 【荼毘・荼毗】
〔梵 jhāpeta〕
火葬のこと。

荼毘

だび [1] 【荼毘・荼毗】
〔梵 jhāpeta〕
火葬のこと。

荼毘

だび【荼毘】
⇒火葬.

荼毘所

だびしょ [3] 【荼毘所】
荼毘に付す所。火葬場。

荼毘葬

だびそう [0] 【荼毘葬】
荼毘にして葬ること。

莎草

くぐ [1] 【莎草・磚子苗】
(1)イヌクグの別名。
(2)ハマスゲの古名。
(3)シオクグの別名。

莎草

しゃそう [0] 【莎草】
(1)ハマスゲの漢名。
(2)カヤツリグサの漢名。

莎草

かやつりぐさ [4] 【蚊帳吊草・莎草】
(1)カヤツリグサ科カヤツリグサ属の草本の総称。カヤツリグサ・コゴメガヤツリ・アゼガヤツリ・チャガヤツリ・ウシクグなど。三角柱状の茎を両端から裂いていくと真ん中で四本に分かれ四角形ができるのを蚊帳や枡(マス)に見立てての名。マスクサ。[季]夏。《かたくなに一人遊ぶ子―/富安風生》
(2)カヤツリグサ科の一年草。日当たりのよい畑・草地に自生。高さ30〜40センチメートル。葉は根生し,線形。夏,茎頂に細長い苞葉と黄褐色の穂を数個つける。
蚊帳吊草(2)[図]

莎草

ささめ 【莎草】
茅(チガヤ)に似たしなやかな草。葉を編んで,蓑(ミノ)・蓆(ムシロ)などを作ったという。「朝まだき露をさながら―かる賤が袖だにかくは濡れじを/千載(恋二)」

莎草縄

くぐなわ 【莎草縄】
「くぐ(莎草)」の茎を裂いて綯(ナ)った縄。銭差しなどに用いた。くぐつな。

いちご [0][1] 【苺・莓】
バラ科の草本または小低木。オランダイチゴ・ノイチゴ・ヘビイチゴ・キイチゴなどの総称。一般には,栽培される多年草のオランダイチゴをいう。ストロベリー。[季]夏。《借りてはく藁の草履や―摘/今井つる女》

莔麻

いちび [0] 【莔麻】
(1)アオイ科の一年草。インド原産。高さ約1.5メートル。全体に軟毛が密生する。葉は心臓形。夏,黄色五弁の小花をつける。茎の皮から繊維を取り,ロープ・麻袋などに用いる。キリアサ。
(2)綱麻(ツナソ)の別名。

莔麻稈

いちびがら [0] 【莔麻稈】
イチビの茎。焼いて炭にしたものは火持ちがきわめて良いので,火口(ホクチ)として用いられる。

莔麻脛巾

いちびはばき [4] 【莔麻脛巾】
イチビの皮で編んだはばき。昔,近衛府(コノエフ)の官人や雅楽の舞人などが着けた。
莔麻脛巾[図]

莔麻苆

いちびずさ [3] 【莔麻苆】
イチビ製の古い綱を切って作った,壁土に混ぜるすさ。上等とされた。

莕菜

あさざ 【莕菜・荇菜】
リンドウ科の多年生水草。沼沢に自生する。葉は緑色の広楕円形で,地下茎から長い柄を出して水面に浮かぶ。夏,黄色の五弁花を水上に開く。若葉は食用。ハナジュンサイ。[季]夏。

むしろ [3] 【筵・席・蓆・莚】
(1)わら・藺(イ)・竹などで編んだ敷物。特に,わらを編んで作ったもの。わらむしろ。「―囲いの仮小屋」
(2)すわる場所。また,会合の席。「一道にたづさはる人,あらぬ道の―にのぞみて/徒然 167」
(3)寝床。「―ニツク/日葡」

ふとい [2] 【太藺・莞】
カヤツリグサ科の多年草。池などに自生。茎は円柱形で太く高さ約1.5メートル。夏から秋にかけ,茎頂に多数の小穂をつける。茎を編んで,むしろ・畳表の代用品にする。大藺(オオイ)。トウイ。マルスゲ。[季]夏。

莞然

かんぜん クワン― [0] 【莞然】 (ト|タル)[文]形動タリ
にっこりと笑うさま。「フロレンス忽ち―として曰く/花柳春話(純一郎)」

莞爾

かんじ クワン― [1] 【莞爾】 ((ト/タリ))[文]形動タリ
にっこりとほほえむさま。「―として笑う」

つぼみ [3][0] 【蕾・莟】
〔動詞「つぼむ(蕾)」の連用形から〕
(1)花の芽ぐんでまだ開かないもの。「桜の―が膨らむ」
(2)(前途有望だが)まだ一人前でない年頃の者。

さや [1] 【莢】
マメ科植物の種子のはいっている殻。

さや【莢】
a (pea)pod;a shell.→英和
〜をむく shell <peas> .

莢果

きょうか ケフクワ [1] 【莢果】
⇒豆果(トウカ)

莢膜

きょうまく ケフ― [0] 【莢膜】
(1)細菌の外側にある多糖類の厚い層。ゼリー質または粘性で,菌種や型によって異なる抗原性を示す。
(2)卵巣の卵胞をつつむ結合組織の層。外莢膜と内莢膜とからなり,内莢膜は黄体の形成に関与し,発情ホルモンを分泌する。

莢蒾

がまずみ [2][0] 【莢蒾】
スイカズラ科の落葉低木。山野に自生し,庭木にもする。高さ2メートル内外。葉は幅広い倒卵形でしわがある。初夏,枝端に小白花を多数つけ,秋,アズキ大の赤い果実を結ぶ。果実は食べられる。
莢蒾[図]

莢豆

さやまめ [2] 【莢豆】
莢にはいっていて食用とする豆。ダイズ・エンドウ・ソラマメなど。

莢豌豆

さやえんどう [3] 【莢豌豆】
未熟なうちに莢ごと食べるえんどうまめ。絹さや。[季]夏。

莢豌豆

さやえんどう【莢豌豆】
《植》a field pea.

莢隠元

さやいんげん【莢隠元】
《植》a kindney[ <米> green, <英> French]bean.

莢隠元

さやいんげん [3] 【莢隠元】
未熟なうちに莢ごと食べるいんげんまめ。[季]秋。

ひゆ [1] 【莧】
ヒユ科の一年草。インド原産といわれ,古く中国を経て渡来。茎は高さ約1メートル。分枝して菱(ヒシ)状または三角状卵形の葉を互生。夏から秋にかけ,球状に集まった黄緑色の小花が穂をなす。葉を食用とする。ヒョウ。ヒョウナ。[季]夏。

ひょう [1] 【莧】
ヒユの別名。

莨菪根

ろうとこん ラウト― [3] 【莨菪根】
〔ロート根とも〕
ハシリドコロまたは同属植物の根や根茎を乾燥した局方生薬。アトロピンなどのアルカロイドを含み,鎮痛・鎮痙薬とする。

ひより [0] 【莩】
アシの茎の内側にある薄い皮。

莪荗

がじゅつ [0] 【莪蒁・莪荗】
ショウガ科の多年草。ヒマラヤ原産。高さ1メートル内外。全体はウコンに似る。肥厚した根茎を健胃薬とするため熱帯各地で栽培。

莪蒁

がじゅつ [0] 【莪蒁・莪荗】
ショウガ科の多年草。ヒマラヤ原産。高さ1メートル内外。全体はウコンに似る。肥厚した根茎を健胃薬とするため熱帯各地で栽培。

まな 【勿・莫】 (副)
(多く「…することまな」の形で)禁止を表す。…するな。「汝等兄弟,和(アマナ)はむこと魚と水との如くして,爵位を争ふこと―/日本書紀(天智訓)」

莫れ

なかれ [2][1] 【勿れ・莫れ・毋れ】
〔文語形容詞「なし」の命令形〕
禁止の意を表す。…してはいけない。
(1)動詞に直接付く。「汝(ナンジ)盗む―」
(2)名詞「こと」に付く。「君死にたまふこと―/恋衣(晶子)」「老来りて初めて道を行ぜんと待つこと―/徒然 49」

莫大

ばくだい [0] 【莫大】
中国の柏樹の果実。水にもどして海綿状になった果肉をすくいとって,刺身のあしらいなどにする。莫大海。

莫大

ばくだい [0] 【莫大】 (形動)[文]ナリ
〔これより大なるは莫(ナ)しの意。古くは「ばくたい」〕
(1)程度や数量が非常に大きいさま。きわめて多いさま。「―な財産」「―な損失」
(2)(副詞的に用いて)非常に。はなはだ。「懸造・石蔵等今一重は略すべきの間,―御公平となすべき由/満済准后日記」
[派生] ――さ(名)

莫大な

ばくだい【莫大な】
vast;→英和
immense.→英和

莫妄想

まくもうぞう [3] 【莫妄想】
(1)〔禅語で,「妄想することなかれ」の意〕
妄想を投げ捨てて真理を悟れ,の意。
(2)誤った考えを捨てよ,の意。

莫牟

まくも 【莫目・莫牟】
古代,高麗楽(コマガク)・百済楽(クダラガク)に使った管楽器。縦笛といわれるが伝わらず,形も未詳。

莫目

まくも 【莫目・莫牟】
古代,高麗楽(コマガク)・百済楽(クダラガク)に使った管楽器。縦笛といわれるが伝わらず,形も未詳。

莫耶

ばくや [1] 【莫耶】
(1)名剣のこと。干将(カンシヨウ)莫耶。
(2)文楽の首(カシラ)の一。極悪の老婆を表すもので,鬼婆などに用いる。

莫迦

ばか [1] 【馬鹿・莫迦】
〔梵 moha(愚の意)の転か。もと僧侶の隠語。「馬鹿」は当て字〕
■一■ (名・形動)[文]ナリ
(1)知能の働きがにぶい・こと(さま)。そのような人をもいう。
⇔利口
「―な奴(ヤツ)」
(2)道理・常識からはずれていること。常軌を逸していること。また,そのさま。「そんな―な話はない」「―を言うな」
(3)程度が並はずれているさま。度はずれているさま。
→馬鹿に
(4)役に立たないさま。機能を果たさないさま。「スイッチが―になる」
(5)特定の物事に熱中するあまり,社会常識などに欠けること。「学者―」「専門―」「親―」
(6)名詞・形容動詞・形容詞の上に付いて,接頭語的に用い,度はずれているさまの意を表す。「―ていねい」「―正直」「―騒ぎ」「―笑い」「―でかい」
■二■ (感)
相手をののしったり,制止したりするとき発する言葉。「―,やめろ」

莫逆

ばくぎゃく [0] 【莫逆】
〔逆らうことなし,の意〕
互いに争うことがない親しい間柄。また,親しい友。ばくげき。

莫逆

ばくげき [0] 【莫逆】
「ばくぎゃく(莫逆)」に同じ。

莫逆の交わり

ばくぎゃくのまじわり 【莫逆の交わり】
非常に親しい付き合い。

莫逆の友

ばくぎゃくのとも [6] 【莫逆の友】
きわめて親密な友。「三郎とは―で/薄命のすず子(お室)」

莫連

ばくれん [0] 【莫連】
世間ずれしてあつかましいこと。また,そういう人。すれっからし。女性についていうことが多い。「すねんのこうにておしまはす大―/安愚楽鍋(魯文)」

菁莪

せいが [1] 【菁莪】
〔「詩経(小雅,菁菁者莪序)」より。「菁」は茂る意,「莪」はアザミ〕
英才の育成を楽しむこと。人材を育成すること。

菁菁

せいせい [0] 【菁菁】 (ト|タル)[文]形動タリ
草木のあおあおと茂っているさま。「夏草が―と生繁つて/あらくれ(秋声)」

すげ【菅】
《植》a sedge.→英和

すが 【菅】
姓氏の一。

すが 【菅】
「菅(スゲ)」に同じ。多く「すがごも」「すがだたみ」など名詞と複合して用いられる。「時鳥―の荒野を名のりてぞなく/藤籔冊子」

すげ [0] 【菅】
カヤツリグサ科スゲ属の草本の総称。熱帯から寒帯に分布し,日本には二百余種がある。水辺や湿地に多く,茎は三角柱状で中実。葉は線形で多くは根生。葉で笠・蓑・縄などを作る。カサスゲ・アゼスゲ・カンスゲ・シオクグなど。スガ。

菅の根の

すがのねの 【菅の根の】 (枕詞)
(1)菅の根の形状から比喩的に,「乱る」「長し」「ねもころ」などにかかる。「―思ひ乱れて恋ひつつもあらむ/万葉 679」「―長き春日を恋ひ渡るかも/万葉 1921」
(2)音の類似から,「すがなし」にかかる。「―すがな,すがなきこえを我は聞く/催馬楽」

菅三品

かんさんぼん クワン― 【菅三品】
菅原文時(フミトキ)の異名。

菅丞相

かんしょうじょう クワンシヨウジヤウ 【菅丞相】
菅原道真(ミチザネ)の異名。

菅井

すがい スガヰ 【菅井】
姓氏の一。

菅井梅関

すがいばいかん スガヰバイクワン 【菅井梅関】
(1784-1844) 江戸後期の文人画家。仙台の人。名は智義・岳輔,号は東斎・梅関。長崎で清の画家江稼圃に画を,弟の江芸閣に詩を学び,後に大坂で頼山陽・篠崎小竹と交友,晩年は仙台で活躍した。著「梅関詩集」

菅公

かんこう クワン― 【菅公】
菅原道真(スガワラノミチザネ)の敬称。

菅原

すがわら スガハラ 【菅原】
姓氏の一。菅家ともいう。もと土師(ハジ)氏を称したが居地にちなんで改姓。平安時代以降,大江氏と並んで,代々学問の家として有名。中世には高辻・五条・東坊城・唐橋などの家に分かれた。

菅原

すがわら [0] 【菅原】
スゲの生えている原。すげはら。

菅原

すげはら [0] 【菅原】
スゲの生えている原。すがわら。

菅原伝授手習鑑

すがわらでんじゅてならいかがみ スガハラデンジユテナラヒカガミ 【菅原伝授手習鑑】
人形浄瑠璃。時代物。竹田出雲・並木千柳・三好松洛・竹田小出雲合作。1746年初演。菅原道真の配流を大筋に,武部源蔵の忠義,白太夫の三つ子の兄弟梅王・松王・桜丸の悲劇を配する。「車引(クルマビキ)」の段,「寺子屋」の段が有名。

菅原孝標女

すがわらのたかすえのむすめ スガハラ―タカスヱ― 【菅原孝標女】
(1008?-?) 平安中期の歌人。母は,藤原道綱母の異母妹。一〇歳の時,父と共に任地上総国に下向,のち上京し,三〇歳頃祐子内親王に出仕。橘俊通と結婚。死別後「更級日記」を著す。「夜半の寝覚」「浜松中納言物語」の作者ともいわれる。

菅原文時

すがわらのふみとき スガハラ― 【菅原文時】
(899-981) 平安中期の学者。道真(ミチザネ)の孫。菅三品と称される。文章博士・従三位。大江朝綱と並ぶ当代の高才で,その詩文は「和漢朗詠集」「本朝文粋」などに見える。954年村上天皇に「意見封事三箇条」を提出。

菅原是善

すがわらのこれよし スガハラ― 【菅原是善】
(812-880) 平安前期の学者。清公(キヨトモ)の子。道真(ミチザネ)の父。菅相公と称された。参議。「文徳実録」の編纂(ヘンサン)に参画。著に「東宮切韻」「集韻律詩」など,詩集に「菅相公集」があったというがいずれも伝存しない。

菅原清公

すがわらのきよとも スガハラ― 【菅原清公】
(770-842) 平安前期の学者。名は「きよぎみ」「きよただ」とも。「凌雲集」「文華秀麗集」の撰者の一人。804年空海・最澄らと入唐,翌年帰国。朝儀や風俗の唐風化につとめた。

菅原為長

すがわらのためなが スガハラ― 【菅原為長】
(1158-1246) 平安末期・鎌倉初期の学者。大学頭菅原長守の子。正二位参議・大蔵卿・文章博士。有職故実・和歌・書などに長じる。編著「文鳳鈔」「国史綱要」「帝王系図」など。

菅原道真

すがわらのみちざね スガハラ― 【菅原道真】
(845-903) 平安前期の学者・政治家。是善の子。菅公(カンコウ)・菅丞相(シヨウジヨウ)と称される。宇多・醍醐両天皇に重用され,文章博士・蔵人頭などを歴任,右大臣に至る。この間894年遣唐大使に任命されたが建議して廃止。901年藤原時平の讒訴(ザンソ)で大宰権帥に左遷,翌々年配所で没した。性謹厳にして至誠,漢詩・和歌・書をよくし,没後学問の神天満天神としてまつられた。「類聚国史」を編し,「三代実録」の編纂(ヘンサン)参与。詩文集「菅家文草」「菅家後集」

菅家

かんけ クワン― 【菅家】
菅原氏の家系。また特に,菅原道真(ミチザネ)。

菅家万葉集

かんけまんようしゅう クワン―マンエフシフ 【菅家万葉集】
「新撰万葉集」の別名。菅原道真撰という。

菅家後集

かんけこうしゅう クワン―シフ 【菅家後集】
漢詩集。一巻。菅原道真作。903年以前の成立。死に臨んで道真が自らの詩を集め,紀長谷雄(キノハセオ)に贈ったものという。大宰府左遷後の詩三八編を収める。正称は「西府新詩」。菅家後草。

菅家文草

かんけぶんそう クワン―サウ 【菅家文草】
漢詩文集。一二巻。菅原道真作。900年成立。前半六巻は詩,後半六巻は賦・銘・賛・奏状・願文など。正称は「道真集」。

菅家遺誡

かんけいかい クワン―ヰ― 【菅家遺誡】
教訓書。二巻。著者未詳。公家の留意すべきことを記したもの。菅原道真の遺訓とするが,現存本は平安末期以後,室町初期以前の成立。和魂漢才説を述べた部分が思想史上注目される。菅家日記。かんけゆいがい。

菅専助

すがせんすけ 【菅専助】
江戸後期の浄瑠璃作者。京都の医家の生まれ。はじめ豊竹(または竹本)光太夫と称し太夫をつとめ,のち専門の作者となる。衰退期の操り芝居に新しい息を吹き込んだ。生没年未詳。代表作「摂州合邦辻(セツシユウガツポウガツジ)」「桂川連理柵(カツラガワレンリノシガラミ)」など。

菅平

すがだいら スガダヒラ 【菅平】
長野県北東部,四阿山(アズマヤサン)と根子岳(ネコダケ)西麓の高原。海抜約1300〜1500メートル。高原野菜のほか,避暑地やラグビー合宿・スキー場として著名。

菅掻

すががき [2] 【清掻・菅掻】
〔動詞「すががく」の名詞化〕
(1)和琴(ワゴン)の奏法の型の一。曲中で多用される基本的音型。
(2)江戸初期の箏(ソウ)または三味線で,歌のない器楽曲の類。
(3)(普通「菅垣」と書く)尺八の古典本曲の曲名で,「三谷(サンヤ)菅垣」のように接尾語的に用いられる語。弦楽器の曲を原曲とする意か。
(4)江戸吉原で張り見世を開くとき,店先の格子の中で遊女たちが弾いた,歌を伴わない三味線曲。見世菅掻。
(5)下座(ゲザ)音楽の一。吉原の場面などに用いる。

菅掻く

すがが・く 【清掻く・菅掻く】 (動カ四)
和琴(ワゴン)・箏(ソウ)などの弦楽器で,歌や他楽器を伴わずに,一つの楽器のみを掻き鳴らす。「あづま(=和琴)を―・きて/源氏(若紫)」

菅江

すがえ 【菅江】
姓氏の一。

菅江真澄

すがえますみ 【菅江真澄】
(1754-1829) 江戸後期の国学者・旅行家。本名,白井秀雄。三河の人。信濃(シナノ)・越後(エチゴ)・奥羽・松前を巡歴して著した紀行文は「真澄遊覧記」と総称され,民俗学・考古学などの好資料。

菅沼

すげぬま 【菅沼】
群馬県北東部,日光白根火山の北麓にある堰止(セキト)め湖。湖面の海抜1735メートル。湖水は西隣の丸沼にはいる。すがぬま。

菅沼

すがぬま 【菅沼】
姓氏の一。

菅沼貞風

すがぬまていふう 【菅沼貞風】
(1865-1889) 明治前期の歴史家。長崎県生まれ。南進論を唱え南洋諸島調査を企画,マニラで客死。著「平戸貿易志」

菅田庵

かんでんあん クワンデン― 【菅田庵】
島根県松江市の有沢家の茶室。一畳台目中板の席。松平不昧(フマイ)の好みとして著名。

菅畳

すがたたみ [3] 【菅畳】
スゲで編んだ畳。「―いやさや敷きて/古事記(中)」

菅秀才

かんしゅうさい クワンシウサイ 【菅秀才】
浄瑠璃「菅原伝授手習鑑(スガワラデンジユテナライカガミ)」に登場する菅原道真(ミチザネ)の子。

菅笠

すげがさ【菅笠】
a sedge hat.

菅笠

すががさ 【菅笠】
「すげがさ(菅笠)」に同じ。「おしてる難波―置き古し/万葉 2819」

菅笠

すげがさ [3] 【菅笠】
スゲの葉で編んだ笠。すががさ。
菅笠[図]

菅笠節

すげがさぶし [0] 【菅笠節】
江戸初期に流行した小唄。

菅筵

すがむしろ [3] 【菅筵】
スゲで編んだむしろ。

菅茶山

かんちゃざん クワン― 【菅茶山】
(1748-1827)
〔茶山は「さざん」とも〕
江戸後期の漢詩人。本姓菅波。名は晋師(トキノリ)。備後(ビンゴ)の人。京都の那波魯堂に程朱学を学び,神辺(カンナベ)に帰郷して黄葉夕陽村舎(のちの廉塾)を開く。写実を旨とした清新な詩風で知られ,ことに田園詩が名高い。頼山陽の師。著「筆のすさび」「黄葉夕陽村舎詩」など。

菅茶山

かんさざん クワン― 【菅茶山】
⇒かんちゃざん(菅茶山)

菅蓋

すげがさ [3] 【菅蓋】
⇒かんがい(菅蓋)

菅蓋

かんがい クワン― [0] 【菅蓋】
〔「かんかい」とも〕
大嘗祭(ダイジヨウサイ)で,天皇が回立殿(カイリユウデン)から悠紀殿(ユキデン)・主基殿(スキデン)へ行幸する時,天皇の頭上にさしかける大きいかさ。竹の骨に菅(スゲ)で編んである。
菅蓋[図]

菅蓑

すがみの [0] 【菅蓑】
スゲの葉で編んだみの。すげみの。

菅蓑

すげみの [0] 【菅蓑】
スゲの葉で編んだ蓑。すがみの。

菅薦

すがごも 【菅薦】
スゲで編んだむしろ。陸奥(ミチノク)産のものは「とふ(十編)の菅薦」として和歌に詠まれる。「たまさかにとふの―かりにのみくれば/和泉式部集」

菅藻

すがも [0] 【菅藻】
(1)ヒルムシロ科の沈水性の多年草。北日本の浅海の岩に叢生(ソウセイ)する。葉は太い根茎から出,リボン状で細長い。根茎に淡黄褐色の丈夫な繊維がある。
(2)淡水産の藻の一種。「宇治川に生ふる―を/万葉 1136」

菅貫

すがぬき [2] 【菅貫】
「茅(チ)の輪(ワ)」に同じ。[季]夏。

菅貫く

すがぬ・く 【菅貫く】 (動カ四)
菅貫をかける。菅貫をくぐって祓(ハラエ)をする。「なにに―・く祓(ミソギ)なるらむ/久安六年百首」

菅野

すがの 【菅野】
姓氏の一。

菅野真道

すがののまみち 【菅野真道】
(741-814) 奈良末期・平安初期の学者。東宮学士・参議・常陸守。「続日本紀」の編纂に尽力。

菅鳥

すがどり 【菅鳥】
鳥の名。オシドリとも,一説に「管鳥(ツツドリ)」の誤りかともいう。「白真弓斐太の細江の―の/万葉 3092」

菆香舎春竜

しゅきょうしゃしゅんりゅう シユキヤウシヤ― 【菆香舎春竜】
(1721-1799) 浄土宗の僧。香道米川流で名高い。多くの門弟を擁し,大名家に米川流を広めた。著「梅のしるべ」「百千鳥」など。

きく [2][0] 【菊】
(1)キク科の多年草。葉は卵形で波状に切れ込み,鋸歯がある。頭花は大小様々で小菊・中菊・大菊の別があり,一重また八重。色は白・黄・赤など多様。主に秋に咲く。古く中国から渡来したとされ,観賞に供されてきた。特に近世以降,多くの栽培品種が育成された。花弁を食用とするものもある。[季]秋。《―の香や奈良には古き仏たち/芭蕉》
(2)紋・模様の名。菊の花や葉をかたどったもの。
→菊花(キクカ)紋
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は白,裏は蘇芳(スオウ)。裏は青・紫も。秋に着用。菊襲(キクガサネ)。
菊(2)[図]

きく【菊】
a chrysanthemum.→英和
菊人形 a chrysanthemum doll <show> .

菊と刀

きくとかたな 【菊と刀】
〔原題 The Chrysanthemum and the Sword〕
R =ベネディクト著。1946年刊。日本文化を文化類型論の視角から恥の文化としてとらえ,日本人の恩や義理・人情の問題,恥の意識などを分析。

菊の下水

きくのしたみず 【菊の下水】
菊の根もとを流れる水。この水を飲むと長生きするといわれた。

菊の宴

きくのえん [4] 【菊の宴】
陰暦九月九日,重陽(チヨウヨウ)の節句に宮中で行われた観菊の宴。菊酒を賜った。きくのえに。菊花の宴。菊の節会(セチエ)。

菊の日

きくのひ [4] 【菊の日】
陰暦九月九日。菊の節句。重陽(チヨウヨウ)の節句。

菊の杯

きくのさかずき 【菊の杯】
菊の宴に,菊の花を浮かべた酒杯(シユハイ)。菊花のさかずき。

菊の節会

きくのせちえ 【菊の節会】
⇒菊の宴(エン)

菊の節句

きくのせっく [0] 【菊の節句】
五節句の一。陰暦九月九日の節句。重陽(チヨウヨウ)の節句。[季]秋。

菊の花

きくのはな 【菊の花】
狂言の一。太郎冠者がぼうぼう頭に菊の花をさしていたのが機縁で上臈(ジヨウロウ)に誘われて祇園(ギオン)へ遊びに行くが,草履(ゾウリ)を盗んで見つかり恥をかく。茫々頭(ボボウガシラ)。北野参(キタノマイリ)。

菊の被綿

きくのきせわた 【菊の被綿】
中古,陰暦九月八日の夜,菊の花にかぶせてその露と香りとをうつしとった綿。翌日の重陽(チヨウヨウ)の節句にその綿で身をなでると,長寿を保つといわれた。菊綿。着せ綿。菊の綿。

菊の酒

きくのさけ [0] 【菊の酒】
「きくざけ(菊酒){(1)}」に同じ。[季]秋。

菊の間

きくのま 【菊の間】
〔部屋の襖(フスマ)に菊が描かれていたのでいう〕
江戸城内の大名の詰め所の一。三万石以下の譜代大名・大番頭などが詰めた。

菊の雫

きくのしずく 【菊の雫】
菊に置いた露。飲めば長寿を保つという。菊の露。「花より伝ふ―に/新千載(秋下)」

菊の露

きくのつゆ 【菊の露】
「菊の雫(シズク)」に同じ。

菊一文字

きくいちもんじ [5] 【菊一文字】
(1)花を大輪にし,一六弁に作った菊の花。
(2)〔茎(ナカゴ)に一六弁・二四弁の菊花紋を刻してあるところから〕
鎌倉初期,後鳥羽上皇が一文字則宗以下の御番鍛冶を召して鍛えさせ,自らも焼刃をしたと伝える刀剣。太刀姿細く品格が高い。菊の御作(ゴサク)。御所作り。

菊五郎

きくごろう キクゴラウ 【菊五郎】
⇒尾上(オノエ)菊五郎

菊五郎格子

きくごろうごうし キクゴラウガウ― [6] 【菊五郎格子】
四本と五本の縞の格子の目に「キ」と「呂」の字を交互に入れた模様。「キ九五呂」に菊五郎をかけたもの。三代目尾上菊五郎の考案という。浴衣(ユカタ)地などに用いる。菊五郎縞。
菊五郎格子[図]

菊人形

きくにんぎょう [3] 【菊人形】
菊細工で衣装を飾った人形。物語や歌舞伎の当たり狂言,世相・風俗などに取材したものが多い。[季]秋。

菊作り

きくづくり [3] 【菊作り】
(1)菊を栽培すること。また,その人。[季]秋。
(2)「菊作りの太刀」の略。
(3)刺身の盛り方の一。イカ・フグなどの刺身を菊の花のように盛り中央にワサビを置いたもの。

菊作りの太刀

きくづくりのたち 【菊作りの太刀】
「菊一文字」の太刀。

菊供養

きくくよう [3] 【菊供養】
東京浅草の浅草寺で,一〇月一八日(もと,陰暦九月九日重陽(チヨウヨウ)の節句)に菊花を手向けて行う供養。[季]秋。《ひざまづく童女の髪や―/水原秋桜子》

菊判

きくばん [0] 【菊判】
(1)〔輸入された当初,菊花の商標が付いていたからいう〕
紙の原紙寸法の一。縦939ミリメートル(三尺一寸),横636ミリメートル(二尺一寸)。A 判よりやや大きい。菊全判。
(2)書籍の判型の一。菊全判を長辺・短辺とも四分の一にした大きさで,ほぼ縦218ミリメートル(七寸二分),横152ミリメートル(五寸)。A5 判よりやや大きい。

菊半截

きくはんさい [2][0] 【菊半截】
〔「きくはんせつ(菊半截)」の慣用読み〕
書籍の判型の一。菊判{(2)}の半分の大きさ。A6 判よりやや大きい。

菊合せ

きくあわせ [3] 【菊合(わ)せ】
(1)物合わせの一。左右に分かれて,両方からそれぞれ菊の花を出し,歌をつけて,優劣を競う遊び。
(2)菊の花をもちより,その花の美などを品評して優劣を争う集まり。菊くらべ。

菊合わせ

きくあわせ [3] 【菊合(わ)せ】
(1)物合わせの一。左右に分かれて,両方からそれぞれ菊の花を出し,歌をつけて,優劣を競う遊び。
(2)菊の花をもちより,その花の美などを品評して優劣を争う集まり。菊くらべ。

菊吸天牛

きくすいかみきり キクスヒ― [5] 【菊吸天牛】
鞘翅目の甲虫。体長9ミリメートル内外。黒色で前胸の中央に赤い紋があり,上ばねは青灰色。長い鞭(ムチ)状の触角がある。キクの茎に輪状のかみ傷をつけて産卵し,幼虫は茎の中を下方に食い進み,根で蛹(サナギ)となって越冬する。キクの害虫。菊吸。

菊唐草

きくからくさ [4] 【菊唐草】
(1)〔「きくがらくさ」とも〕
ゴマノハグサ科の多年草。本州南西部の山地に自生。茎は細長く地をはい,節から根と葉を出す。葉はキクに似,柄が長く直立する。夏,葉腋(ヨウエキ)の短い花柄に白色の花をつける。ホロギク。
(2)唐草に菊の花をあしらった模様。

菊多

きくた 【菊多・菊田】
磐城(イワキ)国の郡名。今の福島県南部,太平洋岸の地域。

菊多の関

きくたのせき 【菊多の関】
勿来関(ナコソノセキ)の古名。

菊多摺

きくたずり [0] 【菊多摺】
磐城国菊多郡から産した摺(ス)り模様。江戸中期に流行した。

菊尺

きくじゃく [0] 【菊尺】
⇒きくざし(菊尺)

菊尺

きくざし [0] 【菊尺】
江戸時代,菊の花の寸法をはかるのに用いた物差し。曲尺(カネジヤク)六寸(約18センチメートル)を一尺とした。きくじゃく。

菊岡

きくおか キクヲカ 【菊岡】
姓氏の一。

菊岡検校

きくおかけんぎょう キクヲカケンゲウ 【菊岡検校】
(1792-1847) 江戸後期の地歌作曲家・演奏家。京都の人。「茶音頭」「笹の露」「夕顔」「磯千鳥」などを作曲。

菊川

きくがわ キクガハ 【菊川】
(1)静岡県中部小笠(オガサ)郡の町。牧ノ原台地をひかえ,製茶業が発達。
(2)静岡県金谷町の地名。中世以来,東海道の宿駅。
(3)山口県南西部,豊浦郡の町。木屋川流域の米作地帯。スイカ・蜂蜜を特産。

菊川派

きくかわは キクカハ― 【菊川派】
浮世絵の一流派。江戸後期の菊川英山を祖とし,歌麿風の美人画をよくした。歌川派に対抗。

菊座

きくざ [0] 【菊座】
(1)菊の花をかたどった座金(ザガネ)。武具・扉などに用いる。菊の座。菊重ね。
(2)ニホンカボチャの一品種。果実は扁球形で,深いたてみぞが多数はいる。キクザトウナス。
(3)肛門(コウモン)の異名。転じて,男色。「余程出来のいい―だと見えるなあ/滑稽本・七偏人」

菊慈童

きくじどう 【菊慈童】
(1)周の穆王(ボクオウ)に仕えた侍童(ジドウ)。罪あって南陽郡の酈県(レキケン)に流され,その地で菊の露を飲み不老不死の仙童となったという。慈童。
→菊水(キクスイ)
(2)能の一。四番目物。{(1)}の伝説を脚色したもの。観世流以外では「枕(マクラ)慈童」。

菊戴

きくいただき [3] 【菊戴】
スズメ目ウグイス科の小鳥。全長10センチメートル内外で,日本最小の鳥の一。背面はオリーブ色で翼に二本の白帯がある。頭頂に雄は赤黄色,雌は黄色の菊花状の羽毛がある。北海道・本州の亜高山帯に分布し,針葉樹林にすむ。冬は南部の平地に移る。[季]秋。
→松毟鳥(マツムシリ)
菊載[図]

菊日和

きくびより [3] 【菊日和】
菊の花の咲く頃のよい天候。秋の穏やかな晴天。[季]秋。

菊月

きくづき [2] 【菊月】
陰暦九月の異名。[季]秋。

菊枕

きくまくら [3] 【菊枕】
菊の花びらを入れて作った枕。香りがよく,頭痛などに効能があるという。[季]秋。

菊桐

きくきり [0] 【菊桐】
菊と桐の紋章。また,一六弁の菊と五七の桐をあしらった皇室の紋章。

菊水

きくすい 【菊水】
中国,河南省内郷県にある河川。白河の支流。谷間に咲く大菊から露がしたたり落ち,川の水を飲んだ者は長寿であったという。また,この水で造った酒。菊の水。
→菊慈童(キクジドウ)

菊水

きくすい [2][0] 【菊水】
家紋の一。流水に半輪の菊花が浮かび出たもの。楠木(クスノキ)氏の紋章。
菊水[図]

菊池

きくち 【菊池】
熊本県北部の市。産業は製糸・製材・醸造など。豪族菊池氏発祥の地で,中世はその城下町として繁栄。

菊池

きくち 【菊池】
姓氏の一。肥後国菊池郡の豪族菊池氏が知られる。

菊池五山

きくちござん 【菊池五山】
(1769?-1849?) 江戸後期の漢詩人。高松藩出身。市川寛斎に学ぶ。唐詩を排し宋詩を範とすべきことを説き,幕末江戸詩壇を指導。詩評に「五山堂詩話」がある。

菊池大麓

きくちだいろく 【菊池大麓】
(1855-1917) 数学者。江戸生まれ。箕作秋坪(ミツクリシユウヘイ)の次男。東大総長・文相。理化学研究所初代所長。ヨーロッパの数学を日本に紹介,数学教育の振興に貢献。

菊池契月

きくちけいげつ 【菊池契月】
(1879-1955) 日本画家。長野県生まれ。旧姓,細野。本名,完爾。菊池芳文に師事しその嗣子となる。四条派の様式を基礎とした大和絵の古典的画法による典雅な画風を築く。代表作「立女」「供灯」など。

菊池容斎

きくちようさい 【菊池容斎】
(1788-1878) 幕末・明治初期の日本画家。江戸の人。名は武保。有職故実を学ぶ。古来の忠臣・義士五百人余の肖像と小伝を収める「前賢故実」で歴史画に新生面をひらいた。

菊池寛

きくちかん 【菊池寛】
(1888-1948) 小説家・劇作家。香川県生まれ。本名,寛(ヒロシ)。京大卒。第三,四次「新思潮」同人。主題を明確にした知的作風で知られ新理知派と称された。雑誌「文芸春秋」を創刊,芥川賞・直木賞を設定した。戯曲「父帰る」,小説「恩讐の彼方に」「真珠夫人」など。

菊池寛賞

きくちかんしょう 【菊池寛賞】
菊池寛を記念して,文学・演劇・映画・新聞・放送・雑誌・出版および広く文化活動において創造的な業績をあげた個人・団体に年一回贈られる賞。

菊池幽芳

きくちゆうほう 【菊池幽芳】
(1870-1947) 小説家。水戸市生まれ。本名,清。大阪毎日新聞記者。同紙に発表した「己が罪」「乳姉妹」は家庭小説の先駆となった。ほかに「筆子」「毒草」など。

菊池正士

きくちせいし 【菊池正士】
(1902-1974) 実験物理学者。東京生まれ。大麓の四男。東大卒。雲母の薄膜による電子線の回折像(菊池像と呼ばれる)を得,量子力学の発展に寄与。戦後は原子力研究機関の要職を歴任。

菊池武光

きくちたけみつ 【菊池武光】
(?-1373) 南北朝時代の武将。武時の子。征西将軍懐良(カネナガ)親王を奉じて,大友・少弐氏らを退けて大宰府を占領したが,今川了俊が九州探題として下向後,筑後高良山に退いた。

菊池武敏

きくちたけとし 【菊池武敏】
南北朝時代の武将。武時の子。足利尊氏の九州下向に際し,太宰府の少弐氏と戦ってこれを下したが,足利・少弐軍に多々良浜で敗れた。生没年未詳。

菊池武時

きくちたけとき 【菊池武時】
(?-1333) 鎌倉後期の肥後の有力御家人。法名,寂阿。元弘の乱後,後醍醐天皇の隠岐脱出に応じ,鎮西探題北条英時を博多に攻めたが,敗死した。

菊池武朝

きくちたけとも 【菊池武朝】
(1363-1407) 南北朝時代の武将。武光の孫。九州南朝方首将として征西将軍良成親王を推して,今川了俊と各地で交戦。

菊池武重

きくちたけしげ 【菊池武重】
(?-1341) 南北朝時代の武将。武時の長子。父の敗死後,九州南朝勢力の中心として活躍。

菊池温泉

きくちおんせん 【菊池温泉】
熊本県菊池市,菊池神社付近にある単純泉。第二次世界大戦後に湧出。春のサクラで知られる。隈府(ワイフ)温泉。

菊池神社

きくちじんじゃ 【菊池神社】
菊池市にある神社。祭神は菊池武時・武重・武光。1870年(明治3)菊池城跡に創建。

菊海苔

きくのり [0] 【菊海苔】
(1)食用菊の花弁をゆで,板状にして乾燥させたもの。使用時にゆでてもどし,浸し・酢の物などに使用。
(2)オキツノリの別名。

菊灯台

きくとうだい [3] 【菊灯台】
台座を菊花にかたどった灯明台。菊灯。

菊炭

きくずみ [2] 【菊炭】
輪切りにした切り口に菊花状の割れ目のある炭。上質の櫟(クヌギ)炭。

菊牛蒡

きくごぼう [3] 【菊牛蒡】
(1)キク科の多年草。ヨーロッパ原産。高さ約80センチメートル。夏,黄色の花が咲く。若い葉はサラダに,長さ30センチメートルになる根は煮て食べる。
(2)モリアザミの俗称。

菊瓦

きくがわら [3] 【菊瓦】
菊花文様のついた丸瓦。棟の側面に並べて装飾的に用いる。

菊田

きくた 【菊多・菊田】
磐城(イワキ)国の郡名。今の福島県南部,太平洋岸の地域。

菊田

きくた 【菊田】
姓氏の一。

菊田一夫

きくたかずお 【菊田一夫】
(1908-1973) 劇作家・演出家。横浜生まれ。本名,数男。第二次大戦後「君の名は」「鐘の鳴る丘」などのラジオ-ドラマで人気を博し,また,「がめつい奴」「がしんたれ」などを上演,現在の商業演劇の方向を決定づけた。

菊皿

きくざら [2][0] 【菊皿】
菊の花の形をした皿。また,菊の模様のついた陶器製の皿。

菊目石

きくめいし [3] 【菊目石】
腔腸動物花虫綱に属する造礁サンゴの一種。個虫は径1センチメートル内外であるが,群体は塊状で大きなものは径3メートルに達する。駿河湾以南の暖流域に分布。菊銘石(キクメイセキ)。海花石。

菊石

きくいし [2] 【菊石】
アンモナイトの化石。

菊秋

きくあき [0][2] 【菊秋】
菊月(キクヅキ)。

菊科

きくか [0] 【菊科】
双子葉植物の一科。最も分化の進んだ大きな一群で,世界各地のあらゆる環境下に一〇〇〇属二〇〇〇〇種余りが生育する。ほとんど草本。いわゆる花は舌状花または管状花が多数集合した頭状花序で,属ごとに一定の組み合わせがみられる。観賞用としてキク・ダリヤ・マリーゴールド・コスモスなどが,食用としてチシャ(レタス)類・シュンギク・フキ・チコリなどがある。また,ブタクサ・ハルジョオン・セイヨウタンポポなど多数の帰化植物がある。

菊細工

きくざいく [3] 【菊細工】
菊の枝を曲げ,花や葉を細工して,人や動物などさまざまの形に作ること。また,その作品。

菊結び

きくむすび [3] 【菊結び】
ひもの結び方の一。結んだ形が菊の花に似たもの。装飾に用いる。
→花結び

菊綴じ

きくとじ [0] 【菊綴じ】
直垂(ヒタタレ)・水干・素襖(スオウ)などの縫い目に補強と装飾を兼ねてとじつけた組紐。先端を総状にほぐして,菊の花の形にした。後世,くけ紐・革紐も用い,先端をほぐさないものは結び菊綴じといった。
菊綴じ[図]

菊綿

きくわた [2] 【菊綿】
⇒菊(キク)の被綿(キセワタ)

菊膾

きくなます [3] 【菊膾】
菊の花弁をゆでて甘酢につけた酢の物。菊花膾。[季]秋。

菊芋

きくいも [0] 【菊芋】
キク科の多年草。北アメリカ原産。茎は高さ2メートル内外。夏から秋にかけ枝頂に径8センチメートルほどの黄色の頭状花を開く。塊茎は食用・飼料用。また,アルコールや果糖製造の原料とする。日本各地で野生化。
菊芋[図]

菊花

きくか [0][2] 【菊花】
〔「きっか」とも〕
(1)菊の花。
(2)菊の花の文様。
(3)六種(ムクサ)の薫物(タキモノ)の一。菊の香に模したもので,丁子香(チヨウジコウ)・沈香(ジンコウ)・麝香(ジヤコウ)などを練り合わせる。秋の薫物。

菊花

きっか キククワ [0][1] 【菊花】
⇒きくか(菊花)

菊花の宴

きくかのえん [5] 【菊花の宴】
「菊(キク)の宴(エン)」に同じ。

菊花の杯

きくかのさかずき [0] 【菊花の杯】
「菊(キク)の杯(サカズキ)」に同じ。

菊花の酒

きくかのさけ [0] 【菊花の酒】
「菊酒(キクザケ)」に同じ。

菊花切り

きくかぎり [0] 【菊花切り】
大根の輪切りやカブなどに,切り込みを入れて菊の花びらのように細工したもの。甘酢漬け・塩漬けなどにする。

菊花大綬章

きくかだいじゅしょう [6] 【菊花大綬章】
大勲位に叙せられた者に与えられる勲章。菊花章頸飾に次ぐもの。大勲位菊花大綬章。

菊花石

きくかせき [3] 【菊花石】
観賞石(水石)の一。菊花状に結晶した角閃石(方解石などに置換されているものもある)を含む輝緑凝灰(ギヨウカイ)岩。岐阜県本巣(モトス)郡根尾村から産出。特別天然記念物。

菊花章

きくかしょう [3] 【菊花章】
大勲位に叙せられた者に賜る勲章。大勲位菊花章頸飾と大勲位菊花大綬章がある。

菊花章頸飾

きくかしょうけいしょく [6] 【菊花章頸飾】
勲章のうち最上位のもの。大勲位に叙せられた者に頸(クビ)飾りと共に授与される。大勲位菊花章頸飾。

菊花紋

きくかもん [3] 【菊花紋】
菊花をかたどった紋。主に皇室・皇族の紋章。

菊花膾

きくかなます [4] 【菊花膾】
「菊膾(キクナマス)」に同じ。

菊花賞

きくかしょう [3] 【菊花賞】
イギリスのセントレジャー競走を範とし,毎年秋にサラブレッド系四歳馬によって行われる競馬のクラシック-レース。距離3000メートル。

菊花酒

きくかしゅ [3] 【菊花酒】
中国で,菊を焼酎に浸したり黍(キビ)米と混ぜたりして造る酒。翌年9月9日に飲み,厄払いにする。

菊苦菜

きくにがな [3] 【菊苦菜】
チコリーの別名。

菊菜

きくな [0] 【菊菜】
シュンギクの異名。主に関西での言い方。[季]春。

菊萵苣

きくぢしゃ [2][0] 【菊萵苣】
エンダイブの別名。

菊蒸

きくむし [0] 【菊蒸(し)】
菊の葉の上に,塩で味つけした鯛(タイ)などの淡泊な魚肉をのせて蒸した料理。

菊蒸し

きくむし [0] 【菊蒸(し)】
菊の葉の上に,塩で味つけした鯛(タイ)などの淡泊な魚肉をのせて蒸した料理。

菊襲

きくがさね [3] 【菊襲・菊重】
(1)「菊(キク){(3)}」に同じ。
(2)五つ衣(ギヌ)の配色の名。重ね袿(ウチキ)で,蘇芳(スオウ)を上を濃く,中へ次第に薄くして五枚重ね,その下に白を三枚重ねる。一説に,上衣は白,五つ衣は外から白二枚・薄紫二枚・紫,単(ヒトエ)を朱とする。
(3)「菊座{(1)}」に同じ。

菊見

きくみ [3] 【菊見】
菊の花を観賞すること。観菊。

菊酒

きくざけ [2] 【菊酒】
(1)菊の花を浸した酒。九月九日の重陽(チヨウヨウ)の節句に飲む。菊の酒。菊花の酒。
(2)味醂(ミリン)の一種。濃厚な味で,加賀国・肥後国の名産。

菊醤

きくびしお [3] 【菊醤】
黄菊の花に熱湯をそそぎ,塩をふって漬け,麹(コウジ)や唐辛子を加え,重石でおして作った食品。

菊重

きくがさね [3] 【菊襲・菊重】
(1)「菊(キク){(3)}」に同じ。
(2)五つ衣(ギヌ)の配色の名。重ね袿(ウチキ)で,蘇芳(スオウ)を上を濃く,中へ次第に薄くして五枚重ね,その下に白を三枚重ねる。一説に,上衣は白,五つ衣は外から白二枚・薄紫二枚・紫,単(ヒトエ)を朱とする。
(3)「菊座{(1)}」に同じ。

菊銘石

きくめいせき [3] 【菊銘石】
⇒菊目石(キクメイシ)

菊陽

きくよう キクヤウ 【菊陽】
熊本県北部,菊池郡の町。熊本市に接する農業地帯であったが熊本空港の建設などで都市化がすすむ。

菊雛

きくびな [3][0] 【菊雛】
重陽(チヨウヨウ)の節句に飾る雛人形。菊の雛。

菊頭蝙蝠

きくがしらこうもり [6] 【菊頭蝙蝠】
コウモリの一種。体長約6.5センチメートル,翼を広げると30センチメートル以上になる大形種。全身茶褐色で鼻の周りにキクの花に似た複雑な皮膚のひだがある。北アフリカ・ユーラシアに広く分布。日本でもほぼ全土に見られる。

きのこ [1] 【茸・蕈・菌】
〔「木の子」の意〕
担子菌類・子嚢(シノウ)菌類の作る大きな子実体の通称。木陰の腐葉土や朽ち木などに生え,多くは傘状で裏に多数の胞子ができる。松茸・初茸・椎茸のように食用になるものもあるが,有毒なものもある。[季]秋。

きん【菌】
a bacillus <〔複〕-li> ;→英和
a germ;→英和
a bacterium <〔複〕-ria> ;→英和
a fungus (きのこ) <〔複〕-gi,-es> .→英和

くさびら 【菌・茸】
狂言の一。屋敷に茸(キノコ)が生えたので山伏に祈祷(キトウ)を頼むが,かえって茸はふえ,ついには動き回るようになる。茸山伏。

きん [1] 【菌】
(1)菌類。「酵母―」
(2)病原菌など有害な菌。細菌。「コレラ―」

菌交代症

きんこうたいしょう キンカウタイシヤウ [1] 【菌交替症・菌交代症】
化学療法剤の使用により,生体内の常在菌で薬剤に感受性のあるものが死滅し,他の菌が代わって繁殖している状態。交代菌症。

菌交替症

きんこうたいしょう キンカウタイシヤウ [1] 【菌交替症・菌交代症】
化学療法剤の使用により,生体内の常在菌で薬剤に感受性のあるものが死滅し,他の菌が代わって繁殖している状態。交代菌症。

菌傘

きんさん [0] 【菌傘】
きのこの傘(カサ)。

菌株

きんかぶ [1] 【菌株】
⇒株■一■(9)

菌核

きんかく [0] 【菌核】
宿主の組織内,土壌中などにある種の菌類の菌糸が密に集まって作る硬いかたまり。耐久性があり,ときに子実体を出す。麦角菌の菌核である麦角など。

菌核病

きんかくびょう [0] 【菌核病】
植物の表面あるいは内部に菌核ができ,枯死するもの。豆類・ウリ類・ナス類やレタス・キャベツなどに被害が多い。

菌根

きんこん [0] 【菌根】
菌類を着けて生育している高等植物の根。植物は菌類から無機物やビタミン類などをとり,菌類は植物から有機物をとる。腐生植物・蘭・アカマツなどに見られる。

菌毒

きんどく [1] 【菌毒】
きのこなど菌類に含まれている毒。

菌環

きんかん [0] 【菌環】
同一種のキノコの子実体が断続的に連なって環状に生えている状態。環は年々広がり,数百年の年齢に達するものもある。仙女の環。菌輪。

菌症

きんしょう [0] 【菌症】
動物に菌類が寄生することによって起こる病気の総称。白癬(ハクセン)菌症・カンジダ症・放射菌症の類。

菌瘤

きんこぶ [1] 【菌瘤】
⇒菌癭(キンエイ)

菌癭

きんえい [0] 【菌癭】
菌類が寄生することによって高等植物の体の一部が異常に発達したもの。マツの枝のこぶ病,サザンカの葉の餅病など。菌瘤(キンコブ)。

菌糸

きんし [1][0] 【菌糸】
カビ・キノコ類の栄養体を構成する,きわめて細い糸状の細胞列。種によって一定の形に枝分かれしたり,集合して子実体をつくる。

菌蓋

きんがい [0] 【菌蓋】
キノコの傘。菌傘(キンサン)。

菌血症

きんけつしょう [0][4] 【菌血症】
特定の病原菌が血液中から検出される状態。

菌褶

きんしゅう [0] 【菌褶】
キノコの傘の裏側にあるひだ。

菌輪

きんりん [0] 【菌輪】
⇒菌環(キンカン)

菌類

きんるい [1] 【菌類】
光合成を行わない下等植物の総称。細菌・藻菌・子嚢菌・担子菌・変形菌があり,狭義には,カビ・酵母・キノコの類をさす。いずれも葉緑素をもたず,寄生や腐生生活を行う。
→真菌類

菎蒻

こんにゃく [3][4] 【蒟蒻・菎蒻】
(1)サトイモ科の多年草。インドシナ原産。渡来は古く,各地で栽培される。葉は球茎から一個出て,葉柄は太く長く茎のように見える。球茎をこんにゃく玉という。こにゃく。
(2)こんにゃく玉をおろすか粉砕したものに水を加えて練り,消石灰を加えて固めた食品。成分のほとんどが水分で,栄養価値はないが,その弾力ある歯ざわりが好まれ,田楽・白和(シラア)え・おでんなどに用いられる。
蒟蒻(1)[図]

か クワ 【菓】
■一■ (名)
木の実。くだもの。「花開れば必ず―を結ぶ/今昔 3」
■二■ (接尾)
助数詞。くだもの類を数えるのに用いる。「瓜一―を取て食てけり/今昔 29」

菓子

かし【菓子】
(a) confectionery (総称);→英和
(a) cake (生菓子);→英和
<米> a candy[ <英> sweets](糖菓).→英和
菓子パン a bun;→英和
a sweet roll.菓子屋[店]a confectionery (store); <米> a candy store; <英> a sweet-shop;a confectioner (人).→英和

菓子

かし クワ― [1] 【菓子】
通常の食事以外に食べる嗜好品。砂糖・水あめ・餡(アン)などを加えた甘いものが多い。古くは果実・草の実をいった。今も果物を水菓子という。

菓子パン

かしパン クワシ― [0] 【菓子―】
餡(アン)・ジャム・クリームなどを包みこんだり,甘い味を付けたりして焼いたパン。

菓子パン海胆

かしパンうに クワシ― [5] 【菓子―海胆】
ウニ類のうち,不正形のウニの一群の総称。形が菓子パンに似る。殻は平たく円盤状で,表面に短いとげが密生し,五弁の花びらのような紋をもつ。ハスノハカシパン・スカシカシパンなど。

菓子司

かしつかさ クワシ― [3] 【菓子司】
和菓子店。かしし。

菓子器

かしき クワシ― [2] 【菓子器】
菓子を盛る器。鉢物(ハチモノ)と蓋物(フタモノ)とがある。菓子入れ。

菓子型

かしがた クワシ― [0] 【菓子型】
(1)干菓子などを作るとき,材料を入れて抜く型。
(2)焼き菓子を作るのに用いる金属製の型。

菓子折

かしおり クワシヲリ [0][2] 【菓子折(り)】
菓子を入れた折り箱。主に贈り物にするときにいう。

菓子折り

かしおり クワシヲリ [0][2] 【菓子折(り)】
菓子を入れた折り箱。主に贈り物にするときにいう。

菓子料

かしりょう クワシレウ [2] 【菓子料】
菓子の代金。また,菓子の代金という名目で人に贈る金銭。

菓子皿

かしざら クワシ― [2] 【菓子皿】
菓子を盛る皿。

菓子盆

かしぼん クワシ― [2] 【菓子盆】
菓子を入れる,盆形の器。

菓子種

かしだね クワシ― [3] 【菓子種】
菓子の原料にするもの。

菓子箪笥

かしだんす クワシ― [3] 【菓子箪笥】
菓子器の一。小形の箪笥に似せて作ったもの。

菓子胡桃

かしぐるみ クワシ― [3] 【菓子胡桃】
テウチグルミの別名。

菓子重

かしじゅう クワシヂユウ [2] 【菓子重】
菓子を入れる小形の重箱。

菓子鉢

かしばち クワシ― [2] 【菓子鉢】
菓子を入れる,鉢形の器。

菓舗

かほ クワ― [1] 【菓舗】
菓子店。菓子屋。

菖蒲

しょうぶ シヤウブ 【菖蒲】
埼玉県東部,南埼玉郡の町。近世は市場町として六斎市が立った。果樹・園芸が盛ん。

菖蒲

あやめ [0] 【菖蒲】
(1)アヤメ科の多年草。日本の全域に自生。葉は剣状で地下茎から群がり生える。高さ約60センチメートル。五,六月頃花茎を出し頂端に径約8センチメートルの青紫色または白色のハナショウブに似た花をつける。外花被片に紫色の横脈がある。ハナアヤメ。[季]夏。
〔「渓蓀」とも書く。ハナショウブ・カキツバタは同科同属の別種,ショウブは別科〕
(2)ショウブの古名。和歌では「文目(アヤメ)」にかけて用いることが多い。あやめぐさ。[季]夏。「今日さへや引く人もなきみがくれに生ふる―のねのみなかれむ/源氏(蛍)」「五月,―ふく比/徒然 19」
(3)アヤメやハナショウブの花のような青みの紫色。
菖蒲(1)[図]

菖蒲

しょうぶ シヤウ― [1] 【菖蒲】
(1)サトイモ科の常緑多年草。湿地に生える。葉は剣形で,長さ約70センチメートル。初夏,葉に似た花茎を立て,淡黄色の肉穂花序を単生する。花序には直立する葉状の苞がある。芳香があり,漢方で健胃薬に用いる。日本では古くから邪気を払うものとして,端午の節句に屋根に葺(フ)いたり,鬘(カズラ)に挿したりした。花菖蒲は葉形が似るが,別科の植物。そうぶ。古名アヤメ・アヤメグサ。[季]夏。《―髪粋に見らるゝ年の頃/高浜年尾》
(2)アヤメ科ハナショウブの俗名。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は青,裏は紅梅または白。四・五月着用。そうぶ。
(4)植物セキショウの漢名。

菖蒲

あやめ【菖蒲】
a (sweet) flag;an iris.→英和

菖蒲

しょうぶ【菖蒲】
《植》a sweet flag.

菖蒲

そうぶ サウ― 【菖蒲】
〔「しやうぶ」の直音表記〕
「しょうぶ(菖蒲)」に同じ。「―の根,長き,など,ここなる若き人さわげば/蜻蛉(下)」

菖蒲の机

あやめのつくえ 【菖蒲の机】
端午の節会(セチエ)に,ショウブを盛って典薬寮から宮中に奉った机。

菖蒲の枕

あやめのまくら 【菖蒲の枕】
端午の節句に,邪気を払うまじないとして,ショウブを枕の下に入れて寝ること。「たちばなに―かをる夜ぞ/千五百番歌合」

菖蒲の湯

あやめのゆ [5] 【菖蒲の湯】
⇒しょうぶゆ(菖蒲湯)

菖蒲の節句

しょうぶのせっく シヤウ― [1] 【菖蒲の節句】
⇒端午(タンゴ)

菖蒲の節句

あやめのせっく [0] 【菖蒲の節句】
五月五日の端午の節句。ショウブをいけたり,軒に挿したりするのでいう。しょうぶのせっく。

菖蒲の蔵人

あやめのくろうど 【菖蒲の蔵人】
中古,五月五日の端午の節会(セチエ)に宮中で,親王・公卿にショウブなどで作った薬玉(クスダマ)を分け配った女蔵人(ニヨクロウド)。「五月の節の―/枕草子 89」

菖蒲の輿

あやめのこし 【菖蒲の輿】
中古,端午の節会(セチエ)に,ショウブを盛って宮中で飾った輿。そうぶのこし。

菖蒲の輿

そうぶのこし サウ― 【菖蒲の輿】
「あやめのこし(菖蒲輿)」に同じ。「五日の―などもてまゐり,薬玉まゐらせなどす/枕草子 239」

菖蒲の門

あやめのかど 【菖蒲の門】
端午の節句に,邪気を払うものとしてショウブをふいた門。「人や―の内/浄瑠璃・虎が磨」

菖蒲の鬘

そうぶのかずら サウ―カヅラ 【菖蒲の鬘】
「あやめのかずら(菖蒲鬘)」に同じ。「五月の節のあやめの蔵人。―,赤紐の色にはあらぬを/枕草子 89」

菖蒲の鬘

あやめのかずら 【菖蒲の鬘】
ショウブで作った鬘。中古・中世,邪気を払うまじないとして,端午の節会(セチエ)の式に,天子も群臣もこれを冠に結びつけるのをならわしとした。あやめかずら。しょうぶかずら。そうぶのかずら。

菖蒲兜

しょうぶかぶと シヤウ― [4] 【菖蒲兜】
(1)五月五日の節句に,菖蒲を兜の形に作った物。
(2)端午の節句に武者人形とともに飾る兜。

菖蒲兜

あやめかぶと [4] 【菖蒲兜】
⇒しょうぶかぶと(菖蒲兜)

菖蒲刀

あやめがたな [4] 【菖蒲刀】
端午(タンゴ)の節句に飾った太刀。古くは子供がショウブを太刀のようにして帯びたが,江戸時代には柄(ツカ)をショウブの葉で巻いた木太刀や,飾りものとして金銀で彩色した木太刀をいった。しょうぶの刀。しょうぶだち。

菖蒲刀

しょうぶがたな シヤウ― 【菖蒲刀】
「あやめがたな(菖蒲刀)」に同じ。

菖蒲単襲

あやめのひとえがさね [8] 【菖蒲単襲】
襲(カサネ)の色目の名。表は青,裏は紅梅。

菖蒲合せ

あやめあわせ [4] 【菖蒲合(わ)せ】
「根合(ネア)わせ」に同じ。

菖蒲合せ

しょうぶあわせ シヤウ―アハセ [4] 【菖蒲合(わ)せ】
「根合わせ」に同じ。

菖蒲合わせ

しょうぶあわせ シヤウ―アハセ [4] 【菖蒲合(わ)せ】
「根合わせ」に同じ。

菖蒲合わせ

あやめあわせ [4] 【菖蒲合(わ)せ】
「根合(ネア)わせ」に同じ。

菖蒲団子

あやめだんご 【菖蒲団子】
(1)竹串の先端を細く四つに割り,それぞれに平たい小さな団子をさしたもの。菖蒲の花に似る。
(2)「糸切(イトキ)り団子(ダンゴ)」に同じ。

菖蒲太刀

しょうぶだち シヤウ― [3] 【菖蒲太刀】
⇒菖蒲刀(アヤメガタナ)

菖蒲形

しょうぶがた シヤウ― [0] 【菖蒲形】
(1)菖蒲の葉の形。
(2)馬具の名。銀面上端の,菖蒲の葉の形をした部分の称。

菖蒲打ち

しょうぶうち シヤウ― [0][3] 【菖蒲打ち】
近世,五月五日の節句に,子供が菖蒲の葉を編んで縄のようにし,地面をたたきあい,切れた方を負けとする遊戯。しょうぶたたき。

菖蒲打ち

あやめうち [0][3] 【菖蒲打ち】
⇒しょうぶ(菖蒲)うち

菖蒲根合せ

しょうぶねあわせ シヤウ―アハセ [5] 【菖蒲根合(わ)せ】
「根合わせ」に同じ。

菖蒲根合わせ

しょうぶねあわせ シヤウ―アハセ [5] 【菖蒲根合(わ)せ】
「根合わせ」に同じ。

菖蒲浴衣

あやめゆかた 【菖蒲浴衣】
長唄の一。1859年二世杵屋勝三郎作曲。勝三郎と五世芳村伊三郎とのけんか和解の記念曲で,浴衣売り出しの宣伝もかねていたという。

菖蒲湯

しょうぶゆ シヤウ― [3] 【菖蒲湯】
五月五日の節句に,菖蒲の葉を入れてわかす風呂。邪気を払うという。[季]夏。《―や菖蒲寄り来る乳のあたり/白雄》

菖蒲科

あやめか [0] 【菖蒲科】
単子葉植物の一科。葉は剣形。花は子房下位。花被片は六個で,基部は多く合着する。果実は蒴果(サクカ)。ハナショウブ・クロッカス・グラジオラス・ヒオウギなど,世界に約七〇属一五〇〇種がある。

菖蒲色

しょうぶいろ シヤウ― [0] 【菖蒲色】
「あやめいろ(菖蒲色)」に同じ。

菖蒲草

あやめぐさ 【菖蒲草】
■一■ (名)
植物ショウブの古名。[季]夏。《―足に結ばん草鞋(ワラジ)の緒/芭蕉》
■二■ (枕詞)
「あや」「ね」にかかる。「香をとめて訪ふ人あるを―あやしく駒のすさめざりけり/後拾遺(夏)」

菖蒲葺き

あやめぶき [0] 【菖蒲葺き】
端午の節句の前の晩,軒にショウブを挿すこと。火災をまぬがれるという。

菖蒲襲

しょうぶがさね シヤウ― 【菖蒲襲】
「菖蒲{(3)}」に同じ。あやめがさね。

菖蒲造

しょうぶづくり シヤウ― [4] 【菖蒲造】
刀剣の刃の形の一。菖蒲の葉の形状に似ていることからいう。鎬(シノギ)は高く,棟(ムネ)は薄く,横手筋は切らない。脇差(ワキザシ)・短刀に多い。

菖蒲酒

しょうぶざけ シヤウ― [3] 【菖蒲酒】
菖蒲の葉や根を浸した酒。邪気を払うものとして五月五日の節句に飲んだ。あやめざけ。

菖蒲酒

あやめざけ 【菖蒲酒】
「しょうぶざけ(菖蒲酒)」に同じ。

菖蒲鍬形

しょうぶくわがた シヤウ―クハ― [4] 【菖蒲鍬形】
兜(カブト)の鍬形で,上端が菖蒲の葉のようにまっすぐに伸びたもの。

菖蒲革

しょうぶがわ シヤウ―ガハ [0] 【菖蒲革】
〔「しょうぶかわ」とも〕
(1)染め革の一。藍地(アイジ)に,菖蒲の花と葉を白く染めた鹿のなめし革。多く武具に用いられた。のちには小紋染めの革の総称。
(2){(1)}の模様を染めた布。足軽の袴地などに用いた。また,足軽のこと。「御門番の―にお薬をかつて/洒落本・南客先生文集」
菖蒲革(1)[図]

すずな [0] 【菘・鈴菜】
カブの異名。春の七草の一。

菘翁

すうおう スウヲウ 【菘翁】
⇒貫名海屋(ヌキナカイオク)

な [1] 【菜】
〔「な(肴)」と同源〕
(1)葉や茎を食用にする草の総称。菜っ葉。「―を漬ける」
(2)あぶらな。「―の花」

さい [0] 【菜】
酒や飯に添えて食べるもの。副食物。おかず。「お―」「魚を―に酌み交わす」

さい【菜】
a side dish.ご飯の〜にする take rice with <fish> .

な【菜】
greens;vegetables.

菜っ葉

なっぱ【菜っ葉】
greens.

菜っ葉

なっぱ [1] 【菜っ葉】
野菜の葉。また,葉の部分を食用とする野菜。

菜っ葉服

なっぱふく [3] 【菜っ葉服】
労働者などが着る青色の仕事着。また,それを着る労働者。

菜の花

なのはな [1] 【菜の花】
アブラナの花。また,アブラナの通称。[季]春。《―や月は東に日は西に/蕪村》
→なばな(菜花)

菜の花

なのはな【菜の花】
rape blossoms.

菜亀虫

ながめ [1] 【菜椿象・菜亀虫】
カメムシの一種。体長8〜9ミリメートル。体はほぼ六角形で黒色の地に顕著な紅色の条紋がある。ダイコン・アブラナなどの害虫。本州以南の各地から東南アジアまで分布。

菜代

さいだい [0] 【菜代】
副食費。おかず代。

菜刀

ながたな [2] 【菜刀】
「菜切(ナキ)り包丁(ボウチヨウ)」に同じ。

菜刀

さいとう [0] 【菜刀】
菜切り包丁。

菜切

なきり [3][0] 【菜切(り)】
「菜切り包丁(ボウチヨウ)」の略。

菜切り

なきり [3][0] 【菜切(り)】
「菜切り包丁(ボウチヨウ)」の略。

菜切り包丁

なきりぼうちょう [4] 【菜切(り)包丁】
刃が薄く幅広く,先のとがっていない包丁。主に野菜を刻むのに用いる。薄刃。なきり。なっきりぼうちょう。ながたな。
→包丁

菜切包丁

なきりぼうちょう [4] 【菜切(り)包丁】
刃が薄く幅広く,先のとがっていない包丁。主に野菜を刻むのに用いる。薄刃。なきり。なっきりぼうちょう。ながたな。
→包丁

菜切菅

なきりすげ [3] 【菜切菅】
カヤツリグサ科の多年草。丘陵地の林に自生。叢生(ソウセイ)して株を作り,稈(カン)は高さ40〜80センチメートル。葉は線形で硬く,縁と裏面がざらつく。秋,小穂を円錐状につける。

菜単

さいたん [0] 【菜単】
中国料理の献立表。ツァイタン。

菜圃

さいほ [1] 【菜圃】
野菜を植えるはたけ。菜園。なばたけ。

菜園

さいえん [0] 【菜園】
野菜を植える畑。野菜畑。「家庭―」

菜園

さいえん【菜園】
a vegetable[kitchen]garden;[市場向け] <米> a truck farm; <英> a market garden.

菜好み

さいごのみ [3] 【菜好み】
おかずをえり好みすること。

菜料

さいりょう [3][0] 【菜料】
(1)飯の菜とするおかず,また菜の材料。
(2)菜の購入費。特に平安時代の大学寮・陰陽寮・典薬寮の学生に支給した食費。

菜根

さいこん [0] 【菜根】
(1)野菜の根。
(2)粗食。「けふの無馳走は紫隠里の掟にして,―咬み得ば万事なすべしを/鶉衣」

菜根譚

さいこんたん 【菜根譚】
中国,明代の処世哲学書。二巻。洪応明(コウオウメイ)著。万暦年間(1573-1619)成立。儒教思想を中心にし,仏教・道教思想も加味した約三六〇条の処世訓。江戸時代に伝来し,日本で広く愛読された。菜根談。

菜椿象

ながめ [1] 【菜椿象・菜亀虫】
カメムシの一種。体長8〜9ミリメートル。体はほぼ六角形で黒色の地に顕著な紅色の条紋がある。ダイコン・アブラナなどの害虫。本州以南の各地から東南アジアまで分布。

菜殻火

ながらび [3] 【菜殻火】
〔「菜殻」は菜種をとったあとの殻〕
菜殻を焼く火。[季]夏。《鴟尾躍るしばし大和の―に/阿波野青畝》

菜漬

なづけ [0][3] 【菜漬(け)】
水菜・白菜・高菜などを塩押しした漬物。おはづけ。[季]冬。

菜漬け

なづけ [0][3] 【菜漬(け)】
水菜・白菜・高菜などを塩押しした漬物。おはづけ。[季]冬。

菜瓜

つけうり [0] 【漬け瓜・菜瓜】
(1)シロウリ・アオウリなど漬物にするウリ。
(2)漬物にしたウリ。

菜畑

なばたけ [2] 【菜畑】
アブラナ科の葉菜類を植えた畑。

菜種

なたね【菜種】
rape;→英和
rapeseed (種子).菜種油 rape oil.

菜種

なたね [2][0] 【菜種】
(1)アブラナの種子。搾って菜種油をとる。
(2)アブラナの別名。[季]夏。

菜種和え

なたねあえ [0] 【菜種和え】
ゆでて裏漉しした卵黄を使った和え物。

菜種梅雨

なたねづゆ [4] 【菜種梅雨】
菜の花の盛りのころに降る春の長雨。[季]春。

菜種河豚

なたねふぐ [4] 【菜種河豚】
菜の花の咲く頃のフグ。産卵期にあたり,毒性が強いとされる。[季]春。

菜種油

なたねあぶら [4] 【菜種油】
菜種から採取した淡黄色の半乾性油。食用にするほか,灯用・製剤用基剤などとする。精製したものを白絞油(シラシメユ)という。たねあぶら。

菜種科

なたねか [0] 【菜種科】
アブラナ科の別名。

菜種菜

なたねな [3] 【菜種菜】
アブラナの別名。

菜箸

さいばし [3][0] 【菜箸】
料理をつくったり,副食物を取り分けたりするときに使う箸。

菜籠

さいろう [0] 【菜籠】
(1)茶道で,花器・炭取りなどにした竹で編んだ籠(カゴ)。扁平なものを平菜籠(ヒラサイロウ),手のついたものを手菜籠(テサイロウ)という。
(2)竹で編んだ弁当箱。「もうでけたさうぢや,と―のにしめなど出し/滑稽本・膝栗毛 6」

菜粥

ながゆ [2] 【菜粥】
(1)菜をきざんで入れたかゆ。
(2)「七草粥(ナナクサガユ)」に同じ。

菜花

なばな [1] 【菜花】
ナノハナの食材としての呼び名。

菜草

なぐさ 【名草・菜草】
紀伊国の旧地名。

菜葱

なぎ 【水葱・菜葱】
ミズアオイの異名。[季]夏。

菜蔬

さいそ [1] 【菜蔬】
青物。野菜。蔬菜。

菜蕗

ふき [0] 【蕗・苳・款冬・菜蕗】
キク科の多年草。山野に自生し,また野菜として栽培する。早春,地上に「ふきのとう」と呼ばれる苞(ホウ)に包まれた花茎を出し,生長すると淡黄白色の頭花をつける。雌雄異株。花後,長い柄のある腎心形の大きな葉が出る。香りのある葉柄とふきのとうを食用とする。[季]夏。《―の葉のうち重つて沢となる/山口青邨》
蕗[図]

菜蕗

ふき 【菜蕗・蕗・富貴・布貴】
箏曲の一。
(1)八橋検校作曲の箏組歌十三曲中の筆頭の曲。八橋流以降,生田流・山田流でも演奏され,俗箏の最初の曲として尊ばれている。
(2)筑紫箏の曲。{(1)}の原曲。越天楽(エテンラク)。

菜蕗組

ふきぐみ 【菜蕗組】
箏組歌の一。
→菜蕗(フキ)(1)

菜虫

なむし [1] 【菜虫】
大根・かぶ・白菜などが葉を広げ始めた時期に,その葉を食い荒らす虫の総称。[季]秋。

菜越し

さいごし [0] 【菜越し】
手前にある料理を越して,向こうの料理に箸を出すこと。無作法なこととされる。

菜類

なるい [1] 【菜類】
葉や茎を食用とする野菜。葉菜(ヨウサイ)類。

菜食

さいしょく [0] 【菜食】 (名)スル
人間が野菜・果物など植物性食品を中心に食べ,肉・魚類を避けること。
⇔肉食

菜食

さいしょく【菜食】
a vegetarian diet.〜する live on vegetables.‖菜食主義(者) vegetarianism (a vegetarian).

菜食主義

さいしょくしゅぎ [5] 【菜食主義】
〔vegetarianism〕
菜食を基本とする食生活が良いとする考え方。「―者」

菜飯

なめし [1] 【菜飯】
刻んだ青菜を炊き込んだ塩味の飯。また,炊き上げた飯に,刻んで塩味をつけた青菜を混ぜたもの。[季]春。《さみどりの―が出来てかぐはしや/虚子》

菜館

さいかん [0] 【菜館】
中国で,料理店のこと。日本では中国料理店の名に使う。「南国―」

菜骨

さいこつ [0] 【菜骨】
肉類を食べず,菜食でやせたからだ。僧侶などにいう。

菝葜

さるとりいばら [5] 【菝葜】
ユリ科のつる性落葉低木。山野に自生。茎は節ごとに曲がり,とげがある。葉は楕円形ないし円形で,葉柄に一対の巻きひげがある。雌雄異株。春,葉腋に多数の淡緑色の小花をつけ,晩秋,赤い球形の液果を結ぶ。根茎を山帰来(サンキライ)といい,薬用とする。サンキライ。ガンタチイバラ。カカラ。
菝葜[図]

菟原処女

うないおとめ ウナヒヲトメ 【菟原処女】
摂津国菟原郡(今の兵庫県芦屋市から神戸市東部にかけての地)に住んでいたという伝説上の人物。二人の男性から求婚され,悩んだ果てに自殺したという。「万葉集」「大和物語」などにみえる。葦屋(アシノヤ)の処女。あしやのうないおとめ。

菟玖波集

つくばしゅう 【菟玖波集】
最初の連歌撰集。二〇巻。二条良基・救済(キユウセイ)撰。1356年頃完成,翌年勅撰に準ぜられる。それまで和歌に比して低くみられていた連歌の文学的地位を高めた。総句数二一九〇句。書名は,連歌を「つくばの道」ともいうことから。

菟糸子

としし [2] 【菟糸子】
マメダオシの種子。また,ネナシカズラの種子。漢方で強壮薬に用いられる。

菟葵

いそぎんちゃく [3] 【磯巾着・菟葵】
〔刺激にあうと体が収縮し,巾着のひもを締めたようになるところから〕
腔腸動物花虫綱の一群の総称。体は円筒形で,底面は岩石などに付着し,一端には花弁状に触手が多数並び,その中央に口が開く。色彩は変化に富み,花のように広げた触手で餌(エサ)を捕らえる。他の動物と共生するものがある。魚釣りの餌となる。いしぼたん。[季]春。《岩の間の―の花二つ/田中王城》

菟裘

ときゅう [1][2] 【菟裘】
〔「左氏伝(隠公十一年)」より。魯の隠公が隠棲した地名〕
官を辞して隠棲する地。「―の地」

菟道稚郎子

うじのわきいらつこ ウヂ― 【菟道稚郎子】
応神天皇の皇子。記紀によれば天皇に寵愛(チヨウアイ)されて皇太子となったが,兄の大鷦鷯尊(オオサザキノミコト)(仁徳天皇)に皇位を譲るために自殺したという。

菠薐草

ほうれんそう【菠薐草】
spinach.→英和

菠薐草

ほうれんそう ハウレンサウ [3] 【菠薐草】
アカザ科の一,二年草。西アジア原産。葉はビタミン A ・ B ・ C ,鉄分などに富み,野菜として古くから栽培,葉を食用とする。在来からの種は根元が淡紅色。春,黄緑色の小花が花茎の先に多数つく。[季]春。
〔「法蓮草」「鳳蓮草」とも書く〕

菩多尼訶経

ぼたにかきょう 【菩多尼訶経】
日本最初の植物学((ラテン) botanica)入門書。宇田川榕庵著。経文体折本の小冊子。一冊。1822年刊。

菩提

ぼだい [0] 【菩提】
〔仏〕
(1)〔梵 bodhi〕
修行を積み,煩悩(ボンノウ)を断ちきって到達する悟り。一般には仏の悟りをいうが,声聞(シヨウモン)・縁覚(エンカク)の悟りをいうこともある。「覚」「智」「道」とも訳す。
→阿耨多羅三藐三菩提
(2)死後の冥福のこと。

菩提を弔う

ぼだい【菩提を弔う】
⇒弔(とむら)う.菩提寺 one's family temple.

菩提僊那

ぼだいせんな 【菩提僊那】
⇒バラモン僧正(ソウジヨウ)

菩提寺

ぼだいじ [2][0] 【菩提寺】
先祖代々の墓をおき,葬式や法事を行う寺。檀那寺。

菩提心

ぼだいしん [2] 【菩提心】
最高の悟りである仏としての悟りを願いもとめる心。大乗仏教の実践の基盤となる心。菩薩の仏道に進む心。阿耨多羅三藐三(アノクタラサンミヤクサン)菩提心。無上正真道意。

菩提所

ぼだいしょ [4][0] 【菩提所】
「菩提寺(ボダイジ)」に同じ。

菩提樹

ぼだいじゅ【菩提樹】
a linden[lime](tree).→英和

菩提樹

ぼだいじゅ [2] 【菩提樹】
(1)シナノキ科の落葉高木。中国原産。寺院などに栽植される。葉はやや厚く歪んだ卵心形。夏,淡黄色の小花が散房状につき,花序の基部にへら形の苞がある。材は器具・パルプ・建材用,樹皮の繊維は布やロープとする。リンデンバウムは同属の別種。
(2)インドボダイジュの別名。釈迦が悟りを開いたのはこの木の下といわれる。
(3)曲名(別項参照)。

菩提樹

ぼだいじゅ 【菩提樹】
〔原題 (ドイツ) Der Lindenbaum〕
シューベルトの歌曲集「冬の旅」の第五曲。

菩提薩埵

ぼだいさった 【菩提薩埵】
「菩薩(ボサツ)」に同じ。

菩提講

ぼだいこう [0] 【菩提講】
極楽往生を求めて,法華経を講説する法会(ホウエ)。

菩提道場

ぼだいどうじょう [4] 【菩提道場】
〔仏〕 仏道を修行する場所。特に釈迦が悟りを開いた場所。菩提場。道場。

菩提達磨

ぼだいだるま 【菩提達磨】
⇒達磨(ダルマ)(1)

菩薩

ぼさつ [1][0] 【菩薩】
〔梵 bodhisattva の俗語 bot-sat の音写か〕
〔仏〕
(1)最高の悟りを開いて,仏になろうと発心して,修行に励む人。初めは前世で修行者だった釈迦をさす名称であったが,のちに大乗仏教では自己の悟りのみを目指す声聞(シヨウモン)・縁覚(エンガク)に対し,自利利他の両者を目指す大乗の修行者をいう。弥勒・観世音・地蔵などの高位の菩薩は仏に次ぐ存在として信仰される。菩提薩埵(ボダイサツタ)。大士。覚有情。
(2)高徳の僧をたたえて付ける尊称。日本では行基菩薩のように朝廷から正式に与えられる場合もある。
(3)神仏習合の思想により,日本の神に与えられる称号。「八幡大―」

菩薩

ぼさつ【菩薩】
a Buddhist saint.

菩薩乗

ぼさつじょう [3] 【菩薩乗】
三乗・五乗の一。自分だけではなく,すべての人を悟りに導こうとする立場の教法。大乗。

菩薩戒

ぼさつかい [3][2] 【菩薩戒】
菩薩が受けて,保つべき大乗の戒律。自己の悪を抑え,善を勧めるだけでなく,利他を含む。東大寺と延暦寺では解釈が異なるが,どちらも梵網経を主とする戒である。大乗戒。仏性戒(ブツシヨウカイ)。

菩薩行

ぼさつぎょう [3] 【菩薩行】
菩薩としてなすべき実践。特に,小乗の声聞(シヨウモン)・縁覚(エンガク)の自利行に対して,他者に対する慈悲を重視し,最高の悟りに到達しようとする宗教的実践。具体的には六波羅蜜,五行など。菩薩道。

菩薩道

ぼさつどう [3] 【菩薩道】
⇒菩薩行(ボサツギヨウ)

すみれ [0] 【菫】
〔花が「墨入れ(墨壺)」に似ているのでいう〕
(1)スミレ科スミレ属の植物の総称。山野や道端に自生。葉は柄が長く,披針形・三角状披針形または卵状心臓形。花は五弁花で唇弁に距があり,紫・白・黄など。ツボスミレ・キスミレ・アカネスミレなど,日本には約五〇種ある。相撲取花(スモウトリバナ)。相撲取草。
(2)スミレ科の多年草。葉は三角状披針形で先端は丸い。春,葉間から高さ10センチメートル内外の花柄を出し,濃紫色の花をつける。[季]春。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は紫,裏は薄色。二・三月着用。

すみれ【菫】
a violet.→英和
‖菫色(の) violet.

菫外線

きんがいせん キングワイ― [0] 【菫外線】
「紫外線」に同じ。

菫色

すみれいろ [0] 【菫色】
スミレの花のような青紫色。「―の傘」

菫草

すみれぐさ [3] 【菫草】
「すみれ(菫){(2)}」に同じ。すみれそう。[季]春。《山路来て何やらゆかし―/芭蕉》

菫青石

きんせいせき [3] 【菫青石】
アルミニウム・マグネシウム・鉄を含むケイ酸塩鉱物。斜方晶系に属し,無色ないし淡青色でガラス光沢をもつ。変成岩やペグマタイト中に産する。人工的にも作られ,耐火材として用いる。

はな [2] 【花・華】

(1)種子植物の生殖器官。一定の時期に枝や茎の先端などに形成され,受精して実を結ぶ機能を有するもの。有性生殖を行うために葉と茎が分化したもので,花葉と花軸からなる。花葉は普通,萼(ガク)・花冠(花弁の集合)・おしべ・めしべに分化して,花の主体を形成する。形態上の特徴は分類上の指標となる。「―が咲く」「―が散る」
(2)特定の花をさす。
 (ア)春の花を代表する桜の花をさす。[季]春。「―に浮かれる」「願はくは―のしたにて春死なむ/山家(春)」
〔中古後期頃に一般化した用法。現代語では「花見」「花ぐもり」など他の語との複合した形でみられる〕

 (イ)古くは,百花にさきがけて咲くところから,梅の花をさした。「今のごと心を常に思へらばまづ咲く―の地(ツチ)に落ちめやも/万葉 1653」「春や疾(ト)き―や遅きと聞き分かむ鶯だにも鳴かずもあるかな/古今(春上)」
(3)神仏に供える花や枝葉。「手向けの―」
(4)生け花。花道(カドウ)。また,生け花にする材料。「お―の稽古」「―を生ける」
(5)(特に桜を対象として)
 (ア)花が咲くこと。「―便り」「向つ峰(オ)の若桂の木下枝(シズエ)取り―待つい間に嘆きつるかも/万葉 1359」
 (イ)古くは,花を見て賞すること。花見。「尋ね来て―にくらせる木の間より待つとしもなき山の端の月/新古今(春上)」
(6)(しばしば鳥・雪・月などと対比されつつ)自然美の代表として草木に咲く花を総称していう。「蝶よ―よと育てる」
❷色や形の類似から,花になぞらえていう。
(1)(主としてその白さによって)雪・霜・白波・月光・灯火などを花に見たてていう語。「雪の―」「波の―」「硫黄(イオウ)の―」
(2)麹黴(コウジカビ)。麹花。また,麹のこと。
❸花にちなんだ事物。
(1)造花。飾り花。また,散華(サンゲ)に用いる紙製の蓮(ハス)の花びら。
(2)〔もと露草の花のしぼり汁を原料としたところから〕

 (ア)青白色。また,藍(アイ)染めの淡い藍色。縹(ハナダ)色。はないろ。「御直衣の裏の―なりければ/大鏡(伊尹)」
 (イ)薄い藍色の顔料。「頭には―を塗り/栄花(本の雫)」
(3)
 (ア)芸人などに与える金品。また,芸娼妓や幇間(ホウカン)の揚げ代。花代。
〔「纏頭」とも書く。花の枝に贈り物を付けたところから〕

 (イ)芸娼妓や幇間の花代を計算するために用いる線香。また,それで計る時間。「―を恨み,鶏を惜(ニク)み/洒落本・南遊記」
(4)花札。花ガルタ。また,それを用いた遊び。花合わせ。「―を引く」
❹花の美しさ・はなやかさにたとえていう。
(1)はなやかで人目をひくもの。多く女性についていう。「社交界の―」「職場の―」「両手に―」
(2)美しく貴く思うもの。また,はなやかで興趣に富むもの。「高嶺(タカネ)の―」「この世の―」
(3)(「花の…」の形で,連体修飾語として)はなやかで美しいものである意を表す。「―の都」「―の顔(カンバセ)」
(4)(多く「…が花だ」の形で,述部として用い)最もよいこと。最もよい時期。「知らぬが―だ」「若いうちが―だ」
(5)はなやかで,そのものの特色を表しているもの。「火事と喧嘩(ケンカ)は江戸の―」「古代美の―」
(6)若い男女。「箱入の―もの云はぬ病が出/柳多留 42」
(7)美しい女。また,遊女。「―に遊ばば祇園あたりの色揃へ/浄瑠璃・忠臣蔵」
(8)世阿弥の能楽論の用語。観客の感動を呼び起こす芸の魅力,おもしろさ,珍しさ。また,それを追求・工夫し,感得する心の働き。
❺花の移ろいやすく,はかなく散るさま,また見かけだけであだなさまにたとえていう。
(1)外観。うわべ。実質を伴わないはなやかさ。「―多ければ実少なし」
(2)人の心や風俗などの変わりやすいこと。「色みえで移ろふものは世の中の人の心の―にぞありける/古今(恋五)」
(3)人の心などが,うわべばかりで誠実さのないこと。「今の世の中色につき,人の心―になりけるにより,あだなる歌はかなきことのみ出でくれば/古今(仮名序)」
(4)「花籤(ハナクジ)」の略。「ほんに当る因果なら,―ばかりでおけばいいに/黄表紙・金生木」
(5)文芸論の用語。和歌・連歌・俳諧などで,意味内容を実にたとえるのに対し,表現技巧をいう。「古の歌はみな実を存して―を忘れ,近代のうたは―をのみ心にかけて,実には目もかけぬから/毎月抄」
❻歌曲名(別項参照)。

か クワ [1] 【華】
はなやか。はでやか。虚飾。「其楼閣を―にして,其酒肴を美にせず/横浜新誌(景一)」

華々しい

はなばなしい【華々しい(しく)】
brilliant(ly);→英和
glorious(ly).→英和

華めく

はなめ・く [3] 【花めく・華めく】 (動カ四)
(1)はなやかに浮き立つ。「よき能をして人の心―・くは陽なり/風姿花伝」
(2)はなやかに時めく。時節に合って栄える。「時にあひ―・かせ給ふ后おはしましけり/唐物語 9」

華やか

はなやか [2] 【花やか・華やか】 (形動)[文]ナリ
(1)(花のように)きらびやかで美しいさま。明るく美しいさま。「―な装い」「いと―にうち笑ひ給ひて/源氏(行幸)」
(2)栄えて勢いがあるさま。盛んなさま。「映画界―なりし頃」
(3)きわだっているさま。「なにがしさぶらふと,いと―にいふ/枕草子 82」「樒(シキミ)のいと―に薫れるけはひも/源氏(総角)」
[派生] ――さ(名)

華やかな

はなやか【華やかな】
gay;→英和
flowery;→英和
bright;→英和
showy;→英和
colorful.

華やぐ

はなや・ぐ [3] 【花やぐ・華やぐ】 (動ガ五[四])
(1)明るくはなやかである。「若い女性の―・いだ声」「―・いだ雰囲気」
(2)陽気に振る舞う。「同じ直衣の人参り給ひて,これは今少し―・ぎ,猿楽言などし給ふを/枕草子 184」
(3)はぶりよく暮らす。栄える。「前(サキ)の帥殿は,時の一の人の御孫にて,えも言はず―・ぎ給ひしに/大鏡(頼忠)」

華下

かか クワ― [1] 【花下・華下】
花の下。花の咲いている木のほとり。「―一杯の酒に/日乗(荷風)」

華中

かちゅう クワ― [1] 【華中】
中国の中部,長江の中・下流域地方。秦嶺山脈と淮河以南,南嶺山脈以北にあたる,江蘇・淅江・湖南・湖北・安徽・江西・四川の七省と,政府直轄地の上海から成る。

華主

かしゅ クワ― [1] 【華主】
商家で,得意客。花客。

華人

かじん クワ― [1] 【華人】
(1)中国人。
(2)居住国の国籍・市民権を取得した華僑の自称。

華人経済圏

かじんけいざいけん クワ― [6] 【華人経済圏】
1980年代以降経済的結合を強めている香港・台湾・中国大陸(とりわけ広東省と福建省)の三地域。

華佗

かだ クワ― 【華佗】
中国,後漢末・魏初の名医。字(アザナ)は元化。麻沸散(一種の麻酔薬)を飲ませて外科手術を行なったという。曹操の侍医となったが,殺された。華陀。

華侈

かし クワ― [1] 【華侈】
はででぜいたくなこと。「―を好む」

華僑

かきょう クワケウ [1] 【華僑】
〔「華」は中国,「僑」は仮住まいの意〕
長期にわたり海外に居住する中国人およびその子孫。東南アジアに多く,経済的に大きな影響力をもつ。今日では移住先に定着し,自らを華人と規定することが多い。
→華商
→華人

華僑

かきょう【華僑】
a Chinese merchant abroad;an overseas Chinese.

華北

かほく クワ― 【華北】
中国の北部,北は万里の長城に,南は秦嶺山脈と淮河に限られる,黄河中・下流域地方。河南・河北・山東・山西・陝西の五省と政府直轄地の北京・天津から成る。

華北分離工作

かほくぶんりこうさく クワ― 【華北分離工作】
1935年(昭和10)以後,日本が華北五省を中国国民政府から引き離して日本の支配下におこうと企てた工作。関東軍が主体となって推進したが,失敗したまま日中戦争に突入。

華南

かなん クワ― [1] 【華南】
中国の南部,福建省と珠江流域にある広東・貴州・雲南の三省と,広西チワン族自治区から成る地方。

華原磬

かげんけい クワゲン― [2] 【華原磬】
(1)中国陝西(センセイ)省華原の名石で作った磬。
(2)奈良興福寺蔵の鋳銅製の金鼓(コンク)の名。平安末から鎌倉時代にかけての作。架は精巧な装飾が施され,唐代の作と伝える。国宝。

華厳

けごん [0] 【華厳】
(1)「華厳経」の略。
(2)「華厳宗」の略。

華厳会

けごんえ [2] 【華厳会】
華厳経を読誦(ドクジユ)する法会(ホウエ)。特に,旧暦三月一四日に奈良の東大寺で行われるものをいう。

華厳宗

けごんしゅう [2] 【華厳宗】
華厳経の教説に基づき,中国唐代の僧法蔵が開いた大乗の宗派。華厳教学は天台教学と並ぶ仏教の代表的な思想。日本には736年に唐僧道璿(ドウセン)が伝え,新羅(シラギ)僧審祥(シンジヨウ)が東大寺で初めて華厳経を講じ,日本華厳宗の第一祖となった。第二祖良弁(ロウベン)によって確立したが,のちに衰え,鎌倉時代に凝然・高弁により復興された。東大寺を大本山とする。

華厳寺

けごんじ 【華厳寺】
(1)中国山西省大同府にある寺。上寺は1062年,下寺は1038年の創建。中国最古の木造建築の一。
(2)韓国南部,智異山の麓,全羅南道東北部にある寺。544年新羅(シラギ)の真興王創建。華厳道場の中心地であったが,1593年焼失。1630年に碧巌(ヘキガン)が再興して以来禅宗の道場となった。
(3)岐阜県揖斐(イビ)郡谷汲村にある天台宗の寺。山号は谷汲山。798年豊然(ブネン)の開基。西国三十三所最後の札所。

華厳時

けごんじ [2] 【華厳時】
天台宗の判教五時の一。釈迦が成道後の最初の三七(サンシチ)日間,菩提樹の下で華厳経を説いた時期。

華厳滝

けごんのたき 【華厳滝】
栃木県日光市にある滝。男体山の溶岩流末端の100メートルの絶壁にかかる。中禅寺湖東部の流出口に近く,落下して大谷(ダイヤ)川となる。

華厳経

けごんぎょう 【華厳経】
大乗経典の一つで,華厳宗所依(シヨエ)の経典。漢訳に,東晋(トウシン)の仏駄跋陀羅(ブツダバツダラ)訳(旧訳華厳経,六〇巻),唐の実叉難陀(ジツシヤナンダ)訳(新訳華厳経,八〇巻),唐の般若(ハンニヤ)訳(貞元経,四〇巻)の三つがある。世界を毘盧遮那仏(ビルシヤナブツ)の顕現として,一塵(イチジン)の中に全世界が宿り,一瞬の中に永遠があるという。一即一切,一切即一の世界観を説く。また,入法界品の善財童子が五三人の善知識を訪ねる物語は,東海道五十三次など各分野に影響を与えた。

華厳院

けごんいん 【華厳院】
仁和寺の別院の寺。

華商

かしょう クワシヤウ [1] 【華商】
他国に住む中国人の商人。華僑(カキヨウ)。
→華人

華墨

かぼく クワ― [0][1] 【華墨】
他人の手紙を敬っていう語。

華壇

かだん クワ― [0][1] 【華壇】
華道の社会。華道界。

華夏

かか クワ― [1] 【華夏】
〔「華」は文華,「夏」は大の意〕
(1)中国人が自らの国を誇っていう語。中国。
(2)文化の開けた地。都。京都。「愷悌(ガイテイ)して―に帰り/古事記(序訓)」

華夷

かい クワ― [1] 【華夷】
〔「華」は中国,「夷」はえびす〕
中国と外国。また,開けた国と後れた国。

華夷訳語

かいやくご クワイ― 【華夷訳語】
中国語と近隣諸言語との対訳辞書。明代の1382年,蒙古語との辞書の編纂が最初。一九世紀までに朝廷の翻訳館で用いるために各国語のものが編纂された。日本語関係では「日本館訳語」と「琉球館訳語」がある。

華夷通商考

かいつうしょうこう クワイツウシヤウカウ 【華夷通商考】
地理書。西川如見著。二巻。1695年刊。1708年増補本五巻。中国および諸外国の地誌を通商の立場から書いた本。

華奢

きゃしゃ [0] 【華奢・花車】 (名・形動)[文]ナリ
(1)姿や形がほっそりとしていて上品な・こと(さま)。「―な体つき」「程よき背恰好で―なすらりとした姿だが/罪と罰(魯庵)」
(2)頑丈でないこと。弱々しく感じられること。また,そのさま。「―なつくりの椅子」
(3)はなやかで美しいこと。風流なこと。「よろづを―にてくらせし身なれども/浮世草子・胸算用 1」

華奢

かしゃ クワ― [1] 【華奢】
はなやかで,おごっていること。はでに暮らすこと。「如何も―なる都人士/新粧之佳人(南翠)」
〔「きゃしゃ」は別語〕

華奢な

きゃしゃ【華奢な】
delicate;→英和
slim;→英和
slender.→英和

華子城

かしじょう クワシジヤウ 【華子城】
⇒パータリプトラ

華字

かじ クワ― [1] 【華字】
中国の文字。漢字。「―紙」

華字

かじ クワ― [1] 【花字・華字】
(1)書き判。花押(カオウ)。
(2)中国の文字。

華寿

かじゅ クワ― [1] 【華寿】
六一歳の祝い。還暦。
→華甲

華山

かざん クワ― 【華山】
中国五岳の一。陝西(センセイ)省の南,秦嶺(シンレイ)山脈の東端にある名山。海抜1997メートル。
〔各地に同名の山がある〕
ホア-シャン。

華岡

はなおか ハナヲカ 【華岡】
姓氏の一。

華岡青洲

はなおかせいしゅう ハナヲカセイシウ 【華岡青洲】
(1760-1835) 江戸後期の医師。紀伊の人。名は震。古医方および蘭方を学ぶ。麻酔剤を案出。全身麻酔で乳癌手術に成功した。

華岳寺

かがくじ クワガク― 【華岳寺・花岳寺】
兵庫県赤穂市加里屋町にある曹洞宗の寺。藩主浅野氏三代の菩提(ボダイ)所。赤穂四十七士の墓もある。

華年

かねん クワ― [0] 【華年】
⇒かこう(華甲)

華府

かふ クワ― 【華府】
アメリカ合衆国の首都ワシントン(華盛頓)のこと。

華座

けざ [1] 【華座】
〔仏〕 仏・菩薩の座する蓮華(レンゲ)の台座。蓮華座。蓮台。

華押

かおう クワアフ [0][1] 【花押・華押】
古文書で,自分の発給したものであることを証明するために書く記号。自署を草書体で書く草名(ソウミヨウ)がさらに図案化したもので,平安中期頃より用いられた。本来は自署に代わるものであったが,鎌倉時代以後は署名の下に書かれることも多くなり,室町時代頃からは,印章のように木に彫って押すことも行われた。意匠により,二合体・一字体・明朝体・別用体などに分ける。書き判。花書。
花押[図]

華族

かぞく【華族】
a peer[peeress (女)];→英和
the peerage (総称).→英和
華族制度 the peerage system.

華族

かぞく クワ― [1] 【華族】
(1)旧憲法下,皇族の下,士族の上に置かれ貴族として遇せられた特権的身分。1869年(明治2)旧公卿・大名の称としたのに始まり(旧華族),84年の華族令により,公・侯・伯・子・男の爵位が授けられ,国家に貢献した政治家・軍人・官吏などにも適用されるに至った。1947年(昭和22)新憲法施行により廃止。
(2)〔「かしょく」「かそく」とも〕
清華(セイガ)家の別名。かしょく。「―も栄耀も面をむかへ肩を並ぶる人なし/平家 1」

華族会館

かぞくかいかん クワ―クワイクワン 【華族会館】
華族の社交のための集会所。東京都千代田区永田町にあった。1874年(明治7)創立。

華族女学校

かぞくじょがっこう クワ―ヂヨガクカウ 【華族女学校】
1885年(明治18)下田歌子らにより設けられた学校。華族子女の教育に携わったが,1906年学習院女学部として合併。

華氈

かせん クワ― [0] 【花氈・華氈】
花模様のある美しい毛氈(モウセン)。

華氏

かし【華氏(75度)】
(75 degrees) Fahrenheit;→英和
(75°).華氏寒暖計 a Fahrenheit (thermometer).

華氏

かし クワ― [1] 【華氏】
「華氏温度」の略。カ氏。

華氏温度

かしおんど クワシヲンド [3] 【華氏温度】
〔「華氏」は考案者のドイツ人ファーレンハイト(Fahrenheit)の中国音訳「華倫海」による〕
一気圧での水の凝固点を三二度,沸点を二一二度とする温度目盛り。記号 ℉ 摂氏温度との関係は C=5(F−32)/9 で表される。アメリカなどで使われている。カ氏温度。
→摂氏温度
→列氏温度
→華氏温度[表]

華洛

からく クワ― [0][1] 【花洛・華洛】
花の都。特に京都のこと。

華清宮

かせいきゅう クワセイ― 【華清宮】
中国唐代,驪山(リザン)にあった離宮。温泉があり玄宗と楊貴妃(ヨウキヒ)が遊んだことで有名。

華燭

かしょく クワ― [0] 【華燭・花燭】
婚礼の席などの華やかなともしび。また,婚礼。

華燭の典

かしょく【華燭の典】
<celebrate> a wed ding.

華燭の典

かしょくのてん クワ― [5] 【華燭の典】
結婚式の美称。

華瓶

けびょう [1] 【花瓶・華瓶】
〔仏〕 仏前に花を供えるのに用いる壺。かびん。
花瓶[図]

華甲

かこう クワカフ [1][0] 【華甲】
〔「華」の字を分解すると,六つの「十」と一つの「一」とになる。「甲」は甲子(キノエネ)で十二支の最初をさすところから〕
数え年六一歳の称。還暦。華年。

華筥

けこ [1] 【花籠・華筥】
法要の際,散華(サンゲ)に用いる花を入れる仏具。もとは竹の籠(カゴ)であったが,のちには金属で皿形に作り下に飾りひもや房をたらす。はなざら。はなかご。
花籠[図]

華筵

かえん クワ― [0] 【花筵・華筵】
(1)花ござ。はなむしろ。
(2)はなやかな宴会。酒宴。「―を開く」

華箋

かせん クワ― [1][0] 【華箋】
相手の手紙を敬っていう語。

華美

かび【華美】
splendor;→英和
gorgeousness (はで);→英和
showiness.〜な gorgeous;→英和
gaudy;→英和
showy.→英和

華美

かび クワ― [1] 【華美・花美】 (名・形動)[文]ナリ
はなやかで美しいこと。また,ぜいたくではでなこと。また,そのさま。「―な服装」「―を競う」「―に流れる」
[派生] ――さ(名)

華翰

かかん クワ― [0][1] 【華翰】
他人の手紙を敬っていう語。お手紙。華墨。「―拝誦仕り候」

華胄

かちゅう クワチウ [1] 【華胄】
〔「胄」は血筋・世継ぎの意。冑(カブト)とは別字〕
貴い家柄。名門。貴族。「―界」

華胥

かしょ クワ― [1] 【華胥】
〔「列子(黄帝)」より。黄帝が昼寝をしたときに「華胥氏の国」という理想郷の夢を見たという故事から〕
ひるね。午睡。

華興会

かこうかい クワコウクワイ 【華興会】
中国清末,湖南に基盤をおいた革命団体。1903年末頃黄興らにより留日学生を中心に長沙で結成。民族主義的傾向が強く,1905年,中国革命同盟会の成立に参加。

華華しい

はなばなし・い [5] 【花花しい・華華しい】 (形)[文]シク はなばな・し
はなやかである。はでやかで見事である。「―・い活躍」「―・く売り出す」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

華蓋

かがい クワ― [0][1] 【華蓋】
(1)花のように美しいきぬがさ。
(2)蓮華(レンゲ)の形をした天蓋。

華蔵界

けぞうかい ケザウ― [2] 【華蔵界】
〔仏〕
〔「蓮華蔵世界」の略〕
蓮華の中に含蔵されている世界。毘盧遮那(ビルシヤナ)如来の浄土。華蔵世界。

華表

かひょう クワヘウ [0][1] 【華表】
(1)中国で,宮城・墓所などの前に建てる標柱。
(2)神社の鳥居。

華語

かご クワ― [1] 【華語】
中国語。

華足

けそく [0] 【華足】
(1)机・台・盤などの脚で,先端を外側に反らせて花形・雲形の飾りを彫ったもの。また,その脚のついた器物。
(2)仏前に供える物を盛る器。また,その供え物。
華足(1)[図]

華軒

かけん クワ― [0] 【華軒】
〔「軒」は車の意〕
はなやかに飾った,貴人の車。「―香車の外を出でさせ給はぬ/太平記 5」

華輦

かれん クワ― [0] 【華輦】
⇒葱花輦(ソウカレン)

華道

かどう【華道】
(the art of) flower arrangement.⇒生花(いけばな).

華道

かどう クワダウ [1] 【華道・花道】
生け花を単なる技芸としてではなく,人間としての修養の面を重視した呼び名。

華音

かいん クワ― [1] 【華音】
中国語の音。また,中国語。かおん。

華頂宮

かちょうのみや クワチヤウ― 【華頂宮】
旧宮家。伏見宮邦家親王の第一二王子博経親王が1868年(明治1)に創始。1924年(大正13)廃絶。

華頂山

かちょうざん クワチヤウ― 【華頂山】
(1)京都,東山三十六峰の一。
(2)京都,知恩院の山号。

華飾

かしょく クワ― 【華飾・花色】
(1)派手に飾り立てること。また,ぜいたく。「コノ女房ヲ―シタテテ重衡ノモトニ遣ワサレタ/天草本平家 4」
(2)身分をこえて,尊大なこと。傲慢(ゴウマン)。「静は九郎に思はれて身を―にするなる上/義経記 6」

華香

けこう [0] 【華香・花香】
仏前に供える香と花。香華(コウゲ)。

華鬘

けまん [0] 【華鬘】
仏堂内陣の欄間などにかける荘厳具。金・銅・革などを材料に,花鳥・天女などを透かし彫りにする。古く,インドでは生花の輪を装飾品とする風習があって,それを仏前にも供えるようになり,中国や日本に入って仏具となった。
華鬘[図]

華鬘牡丹

けまんぼたん [4] 【華鬘牡丹】
⇒華鬘草(ケマンソウ)

華鬘結び

けまんむすび [4] 【華鬘結び】
紐の結び方の一。上と左右に大きく輪奈(ワナ)を作り,ゆるく結んだ装飾的なもの。同心むすび。
華鬘結び[図]

華鬘草

けまんそう [0] 【華鬘草】
ケシ科の多年草。朝鮮・中国の原産。古くから観賞用に栽培される。高さ約60センチメートル。葉は大きく,羽状に分裂。春,淡紅色・心臓形の花が,長い総状花序に下垂してつく。タイツリソウ。ケマンボタン。[季]春。
華鬘草[図]

華麗

かれい クワ― [0] 【華麗】 (名・形動)[文]ナリ
はなやかで美しい・こと(さま)。「―な転身」「―に舞う」
[派生] ――さ(名)

華麗な

かれい【華麗な】
splendid;→英和
gorgeous.→英和

こも [1][0] 【薦・菰】
(1)マコモやわらで織った筵(ムシロ)。
(2)マコモの古名。「三島江の入江の―をかりにこそ/万葉 2766」
(3)「薦被(コモカブ)り{(2)}」の略。

菰蓆

こもむしろ [3] 【菰蓆・薦筵】
マコモの葉を編んで作ったむしろ。魂(タマ)祭りの霊棚(タマダナ)に用いる。[季]秋。

菰角

こもづの [0] 【菰角】
マコモの茎に黒穂病菌が寄生してたけのこ状になったもの。若いものは台湾などで食用とする。また日本では,熟して黒くなったものは乾燥して,眉墨(マユズミ)・お歯黒などに用いた。

菰野

こもの 【菰野】
三重県北部,三重郡の町。鈴鹿山脈東麓にあり,湯ノ山温泉・御在所岳がある。

ひし [0] 【菱】
(1)ヒシ科の一年生水草。各地の沼や池に群生。茎は水中を伸びて各節に細根を生じる。葉は菱形で,葉柄はふくれて空気を含み,水面に浮く。夏,白色四弁の花が咲く。果実はかたい殻でおおわれ両側に鋭いとげがある。食用となる。
〔「菱の花」は [季]夏。「菱の実」は [季]秋〕
(2)家紋の一。菱形を組み合わせたもの。松皮菱・割菱(武田菱)・三階菱など。
(3)武器の一。鉄製で菱の実形に作り,先端をとがらせたもので,地上や河中に立てたり,まいたりして敵の進入を妨げる。車菱(クルマビシ)。
菱(1)[図]
菱(2)[図]

菱亜鉛鉱

りょうあえんこう [4] 【菱亜鉛鉱】
炭酸亜鉛からなる鉱物。三方晶系。灰白・緑・褐・暗灰色,真珠光沢の塊状。閃亜鉛鉱などの酸化によって生ずる。亜鉛の原料鉱石。

菱刈

ひしかり 【菱刈】
鹿児島県北部,伊佐郡の町。川内(センダイ)川上流域の大口盆地とシラス台地から成る。良質な「伊佐米」の産地。菱刈鉱山がある。

菱刺

ひしざし [0] 【菱刺(し)】
南部地方の伝承刺繍。こぎんに似るが,色糸を多用し,横長の菱形模様を表す。

菱刺し

ひしざし [0] 【菱刺(し)】
南部地方の伝承刺繍。こぎんに似るが,色糸を多用し,横長の菱形模様を表す。

菱垣

ひがき [1] 【檜垣・菱垣】
(1)檜(ヒノキ)の薄板を網代(アジロ)に編んで作った垣。
(2)模様の一。{(1)}を文様化したもの。地紋に用いることが多い。
(3)「菱垣船」「菱垣廻船」の略。
檜垣(1)[図]

菱垣

ひしがき [2] 【菱垣】
細い竹をこまかく菱形に組んで作った垣。

菱垣問屋

ひがきとんや [4] 【菱垣問屋】
菱垣廻船を輸送手段として江戸へ生活物資を廻漕した海運業者。大坂に七〜九軒があって積み荷・運航を差配し,江戸に三軒の荷受問屋があった。

菱垣廻船

ひしがきかいせん [5] 【菱垣廻船】
⇒ひがきかいせん(菱垣廻船)

菱垣廻船

ひがきかいせん [4] 【菱垣廻船】
江戸時代に,大坂・江戸間の幹線航路に就航して大量の日常消費物資を江戸へ輸送した輸送船。菱垣廻船問屋仲間所属船の目印として,舷側垣立(カキダツ)の下部に菱組(ヒシクミ)の装飾をつけたことからの名。積み荷は木綿・綿・油・酒・酢・醤油・砂糖・鰹節・紙・薬種など。菱垣船。
菱垣廻船[図]

菱垣船

ひがきぶね [4] 【菱垣船】
「菱垣廻船」に同じ。

菱垣造り

ひがきづくり [4] 【菱垣造り】
菱垣廻船の形式で造られた船。

菱川

ひしかわ ヒシカハ 【菱川】
姓氏の一。

菱川師宣

ひしかわもろのぶ ヒシカハ― 【菱川師宣】
(1618頃-1694) 江戸前期の浮世絵師。号は友竹。安房の人。江戸に出て多くの版本の挿絵を描いた。また肉筆画にも優れ,市井の女性の生き生きとした姿態を描き,浮世絵の祖とされる。代表作「見返り美人図」

菱川派

ひしかわは ヒシカハ― 【菱川派】
浮世絵の一派。菱川師宣が始めたもの。菱川流。

菱形

りょうけい [0] 【菱形】
⇒ひしがた(菱形)

菱形

ひしがた【菱形】
a lozenge.→英和
〜の diamond-shaped.

菱形

ひしがた [0] 【菱形】
(1)四つの辺の長さが等しい四辺形。一般的には特に,四つの角が直角でないものをいう場合が多い。斜方形。りょうけい。
(2)菱の実の形。

菱形矢来

ひしがたやらい [5] 【菱形矢来】
竹を菱形に組んでつくった矢来。菱矢来。

菱板

ひしいた [0] 【菱板】
「菱縫(ヒシヌイ)の板」に同じ。

菱根

ひしね [2][0] 【菱根】
(1)菱の根。
(2)山の崖(ガケ)。特に,とがった角のある岩壁。ひし。

菱模様

ひしもよう [3] 【菱模様】
菱形の模様。ひし。

菱灰

ひしばい [2][0] 【菱灰】
菱の実の殻を焼いて作った灰。赤褐色で,香炉灰に用いる。

菱田

ひしだ 【菱田】
姓氏の一。

菱田春草

ひしだしゅんそう 【菱田春草】
(1874-1911) 日本画家。長野県生まれ。本名三男治(ミナジ)。橋本雅邦に師事し,岡倉天心とともに日本美術院創立に参加。線描を捨て朦朧(モウロウ)体(没骨(モツコツ)描法)を試みるなど,日本画の革新をめざした。代表作「落葉」「黒き猫」「水鏡」「菊慈童」など。

菱矢来

ひしやらい [3] 【菱矢来】
「菱形(ヒシガタ)矢来」に同じ。

菱結

ひしゆい [0][2] 【菱結(い)】
縄が胸の所で菱形を作るような人の縛り方。菱縄。

菱結い

ひしゆい [0][2] 【菱結(い)】
縄が胸の所で菱形を作るような人の縛り方。菱縄。

菱結び

ひしむすび [3] 【菱結び】
ひもの結び方の一。中心が菱形になるように結ぶもの。

菱綴じ

ひしとじ [0] 【菱綴じ】
「菱縫(ヒシヌイ)」に同じ。

菱縫

ひしぬい [0] 【菱縫】
(1)鎧(ヨロイ)の袖・草摺(クサズリ),兜(カブト)の錏(シコロ)などの小札(コザネ)の板の最下段に,補強と装飾をかねて×形に糸あるいは革紐(カワヒモ)で縫った綴(ト)じ目。ひしとじ。
(2)「菱縫の板」の略。

菱縫の板

ひしぬいのいた [6] 【菱縫の板】
〔菱縫があるところからいう〕
兜の錏・鎧の袖・草摺の一番下の板。ひしいた。
→大鎧

菱織

ひしおり [0] 【菱織(り)】
足袋底(タビゾコ)用綿織物。菱形模様が織り出されていることからいう。

菱織り

ひしおり [0] 【菱織(り)】
足袋底(タビゾコ)用綿織物。菱形模様が織り出されていることからいう。

菱脳

りょうのう [0] 【菱脳】
脊椎動物の脳の発生途上,神経管上端部に生ずる三個の膨大部の最後部。やがて前後に後脳と髄脳とに分化する。
→後脳

菱花

りょうか [1] 【菱花】
ヒシの花。

菱苦土石

りょうくどせき [4] 【菱苦土石】
炭酸マグネシウムからなる鉱物。三方晶系。普通,粒状・土状。灰白・黄・褐色を呈し,ガラス光沢がある。蛇紋岩・橄欖岩(カンランガン)などマグネシウムに富む岩石の変質によって生ずる。耐火煉瓦(レンガ)・セメントの原料。マグネサイト。

菱蝗

ひしばった [3] 【菱蝗】
(1)直翅目ヒシバッタ科の昆虫の総称。バッタ類に似るが小形で,体長1センチメートル内外。全身暗褐色。前胸背面は菱形。後肢が強大で,よく跳躍する。
(2){(1)}の一種。日本各地と東アジアに分布。

菱蟹

ひしがに [0][2] 【菱蟹】
海産のカニ。甲はほぼ菱形で,幅約5センチメートル。はさみ脚が異常に発達し,その長さは約15センチメートル。甲とはさみ脚には大小の疣(イボ)状突起がある。全身淡赤紫色。食用になる。本州中部以南に分布。

菱鉄鉱

りょうてっこう [3] 【菱鉄鉱】
炭酸鉄を主成分とする鉱物。三方晶系。ガラス光沢があり,淡褐色であるが,赤褐色に変色する。堆積岩中や火成岩中に産する。炭酸鉄鉱。

菱面体

りょうめんたい [0] 【菱面体】
菱形の平面で囲まれた六面体。回転すると,一二〇度ごとに初めと同じ形がみられる対称軸がある。方解石の形(三方晶系)など。

菱食

ひしくい [0][3] 【鴻・菱食】
カモ目カモ科の水鳥。全長約80センチメートルの大形のガン。体は暗褐色。くちばしは黒く先端が橙(ダイダイ)色。ヒシの実を好む。シベリア・グリーンランドで繁殖。日本には冬鳥として渡来。天然記念物。沼太郎。

菱餅

ひしもち [2] 【菱餅】
(1)菱形に切った餅。普通,紅・白・緑の三枚を重ね,雛(ヒナ)祭りに供える。[季]春。《―のその色さへも鄙びたり/池内たけし》
(2)菱の実の粉で作った餅。

菲徳

ひとく [0] 【菲徳】
徳がうすいこと。また,自分の徳をへりくだっていう語。寡徳。「―の致すところ」

菲才

ひさい [0] 【非才・菲才】
才能のないこと。また,自分の才能をへりくだっていう語。「浅学―」

菲薄

ひはく 【菲薄】 (名・形動ナリ)
物が少ないこと。才能などが乏しいこと。劣っていること。また,そのさま。「我詩は―にして軽薄なる事は/四河入海 19」「蘇国(スカツトランド)人民の産業甚はだ―なりしもの/西国立志編(正直)」

あん [1] 【庵・菴】
(1)草葺(ブ)きの小家。僧侶・世捨て人・風流人などの住む,質素な小屋。いおり。草庵。「―を結ぶ」
(2)雅号や住まい・料亭の名などに添えて接尾語的に用いる語。「芭蕉―」

いおり イホリ [0] 【庵・菴・廬】
(1)僧侶や世捨て人などが住む粗末な小屋。庵室(アンシツ)。いお。「―を結ぶ」
(2)小さな家。粗末な家。また,自分の家を謙遜していう語。
(3)農作業などのための仮小屋。「秋田刈る旅の―にしぐれ降り/万葉 2235」
(4)軍隊の宿営地。軍営。[和名抄]
(5)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。
(6)「庵看板」の略。

菴摩羅

あんまら [0] 【菴摩羅】
「菴羅(アンラ)」に同じ。

菴没羅

あんもら [0] 【菴没羅】
「菴羅(アンラ)」に同じ。

菴羅

あんら [1] 【菴羅・奄羅】
〔梵 āmra〕
マンゴー。仏典では,美味の代表とされる。菴没羅(アンモラ)。菴摩羅(アンマラ)。

菴羅園

あんらおん 【菴羅園】
インド,ガンジス川中流域のバイシャーリー市郊外にあるマンゴー樹の園林。釈迦はここで維摩(ユイマ)経を説いたという。菴没羅園(アンモラオン)。菴摩羅樹園(アンマラジユオン)。

まめ 【豆・荳・菽】
■一■ [2] (名)
(1)マメ科植物のうち,食用にする大豆・小豆(アズキ)・隠元など。また,その種子。
(2)特に,大豆。「―まき」
(3)陰核。女陰。また,女。「何所(ドコ)の―を喰ひに往かれた/浄瑠璃・新版歌祭文」
(4)牛・豚などの腎臓の俗称。「豚―」
■二■ (接頭)
名詞に付く。
(1)形・規模などが小さいという意を表す。「―電球」「―台風」
(2)子供である意を表す。「―記者」

菽水

しゅくすい 【菽水】
豆と水。粗末な食べ物。貧しい生活にいう。「―の奴(ツブネ)に御恩(メグミ)をかへしたてまつるべし/読本・雨月(菊花の約)」

菽麦

しゅくばく [0] 【菽麦】
豆と麦。

まめがら [0][4] 【豆殻・豆幹・萁】
実をとったあとの,豆の茎・葉・さやなど。

萋萋

せいせい [0] 【萋萋】 (ト|タル)[文]形動タリ
草木の盛んに茂ったさま。「腴草(ユソウ)―として繁茂し/八十日間世界一周(忠之助)」

きざし [0] 【兆し・萌】
物事が起ころうとする気配。兆候。「春の―」「成功の―が見える」

萌える

も・える [0] 【萌える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 も・ゆ
芽が出る。芽ぐむ。きざす。「草が―・える」「春は―・え夏は緑に/万葉 2177」

萌え出す

もえだ・す [3] 【萌え出す】 (動サ五[四])
木の芽が出はじめる。萌え出る。「新芽が―・す」

萌え出づ

もえい・ず 【萌え出づ】 (動ダ下二)
(1)芽ぐむ。草木が萌えでる。「石走る垂水の上のさわらびの―・づる春になりにけるかも/万葉 1418」
(2)心にきざす。「雪の下草下にのみ―・づる恋をしる人ぞなき/堀河百首」

萌え出る

もえ・でる [3] 【萌え出る】 (動ダ下一)
草や木が芽ぶく。萌え出す。「草木の―・でる季節」

萌え出る

もえでる【萌え出る】
come out;sprout.→英和

萌え木

もえぎ [0] 【萌え木】
若芽の萌え出た木。

萌え立つ

もえた・つ [3] 【萌え立つ】 (動タ五[四])
さかんに芽を出す。「嫁菜餅草の誰はばからず―・つなど/いさなとり(露伴)」

萌す

きざ・す [2][0] 【兆す・萌す】 (動サ五[四])
(1)草木の芽がもえ出ようとする。芽ぐむ。「新芽が―・す」
(2)事が起ころうとする気配がある。「春が―・す」「大乱逆―・してけるにや/愚管 2」
(3)心の中に考えなどが生ずる。「疑心が―・す」
(4)事を起こし始める。「ムホンヲ―・ス/ヘボン(三版)」

萌む

めぐ・む [2] 【芽ぐむ・萌む】 (動マ五[四])
(1)草木が芽を出す。芽吹く。「柳が―・む」
(2)ある感情・考えなどがうまれる。「今年一六才,春の心を―・みたる/人情本・英対暖語」

萌む[芽ぐむ]

めぐむ【萌む[芽ぐむ]】
bud;→英和
put forth shoots.

萌やし

もやし [3][0] 【萌やし・糵】
〔動詞「萌(モ)やす」の連用形から〕
穀類などを水に浸し,日光を遮って芽を出させたもの。緑豆(リヨクトウ)・小豆(アズキ)・大豆を使用したもやしは野菜として食用に,大麦のもやしはビール・飴・消化酵素剤の原料となる。

萌やし

もやし【萌やし】
a bean sprout (豆萌やし).

萌やしっ子

もやしっこ [0] 【萌やしっ子】
もやしのようにひょろひょろとした,ひよわな都会の子供などをいう語。

萌やす

もや・す 【萌やす】 (動サ四)
芽を出させる。もやしをつくる。「春雨のふるに思ひはきえなくていとど思ひのめを―・すらむ/古今六帖 1」

萌ゆ

も・ゆ 【萌ゆ】 (動ヤ下二)
⇒もえる(萌)

萌出

ほうしゅつ ハウ― [0] 【萌出】 (名)スル
〔医〕 歯が生えること。

萌動

ほうどう ハウ― [0] 【萌動】 (名)スル
草木が芽ぶくこと。物事の起こる兆候があらわれること。「草木―し/日本風景論(重昂)」「一旦刺衝の機―するに及んで/明六雑誌 2」

萌生

ほうせい ハウ― [0] 【萌生】 (名)スル
草木がもえ出ること。転じて,物事の起こるきざしが現れること。「麦粒よりして,再び枝葉を―するが如く/西国立志編(正直)」「虚無党が魯国に―せしは/鬼啾々(夢柳)」

萌発

ほうはつ ハウ― [0] 【萌発】
草木の芽が出はじめること。また,一般に物事がきざし始めること。「廃滅せしものをして,再び―長養せしめ/自由之理(正直)」

萌芽

ほうが【萌芽】
a germ.→英和
〜する germinate;→英和
sprout;→英和
put forth buds.

萌芽

ほうが ハウ― [1] 【萌芽】 (名)スル
(1)芽を出すこと。芽ばえ。また,その芽。ぼうが。
(2)物事がはじまること。きざすこと。また,そのもとになるもの。きざし。「文明の―」「悪の―を断つ」

萌芽林

ほうがりん ハウ― [3] 【萌芽林】
立ち木を伐採したあとの根株からでる萌芽を育ててできた森林。主に薪炭材を生産する。ぼうがりん。

萌葱

もえぎ [0] 【萌黄・萌葱】
(1)やや黄色みを帯びた緑色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏ともに{(1)},または表薄青,裏萌黄。四季通用。

萌葱

もよぎ 【萌葱・萌黄】
「もえぎ(萌黄)」の転。「―のうはぎ・赤色の唐衣など/とはずがたり 1」

萌葱匂

もえぎにおい [4] 【萌葱匂】
(1)〔「萌葱匂縅(オドシ)」の略〕
萌葱色の匂縅。
(2)襲(カサネ)の色目の名。萌黄色が下から上へ次第に薄くなるもの。五つ衣では紅の単(ヒトエ)。

萌葱糸縅

もえぎいとおどし [6] 【萌葱糸縅】
鎧(ヨロイ)の縅の一種。萌黄色の糸で鎧の札(サネ)を綴(ツヅ)ったもの。

萌葱縅

もえぎおどし [4] 【萌葱縅】
「萌葱糸縅」に同じ。

萌黄

もよぎ 【萌葱・萌黄】
「もえぎ(萌黄)」の転。「―のうはぎ・赤色の唐衣など/とはずがたり 1」

萌黄

もえぎ [0] 【萌黄・萌葱】
(1)やや黄色みを帯びた緑色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏ともに{(1)},または表薄青,裏萌黄。四季通用。

萌黄色

もえぎいろ [0] 【萌黄色】
萌黄{(1)}の色。

萌黄色

もえぎいろ【萌黄色】
light green.〜の light-green.

うきくさ [0] 【浮(き)草・萍】
(1)池や沼の水面に浮かんで生える水草の総称。
(2)ウキクサ科の多年生の水草。池沼などの水面に浮かぶ。茎は扁平で,倒卵形。葉がなく,中央付近から数本の根が出る。ナキモノグサ。カガミグサ。ネナシグサ。[季]夏。
(3)〔浮き草が風の動きのままに水面をあちこち漂うことから〕
生活が不安定で落ち着かないことのたとえ。「―のような生活を送る」
浮き草(2)[図]

萍水

へいすい [0][1] 【萍水】
(1)浮き草と水。
(2)流浪しているもののたとえ。

しおり シヲリ [0] 【撓・萎】
蕉風俳諧の根本理念の一。作者の心にある哀感が,句または句の余情に自然とあらわれること。蕉風では「しほり」と表記。
→寂(サビ)
→細み
→かるみ

萎え

なえ [2] 【萎え】
なえること。「気持ちの―」

萎えばむ

なえば・む 【萎えばむ】 (動マ四)
衣服がなえかかる。「青色の―・めるに白襲(シラガサネ)の色合ひ/源氏(初音)」

萎える

なえる【萎える】
wither (しおれる);→英和
weaken (力を失う);→英和
be paralyzed (まひする).

萎える

な・える [2] 【萎える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 な・ゆ
(1)手足などが麻痺(マヒ)して動かなくなる。力が抜けてぐったりする。「長く寝たきりだったので足が―・えてしまった」
(2)気力がなくなる。精神の張りを失う。「立ち向かおうとする気力が―・える」
(3)野菜・草などがしおれる。「日照り続きで,草花も―・えてしまった」
(4)衣服が,糊(ノリ)が抜けて柔らかくなる。「御直衣などのいたう―・えたるしもをかしう見ゆ/和泉式部日記」

萎え萎え

なえなえ [0] 【萎え萎え】 (副)スル
生気がなく,しおれたさま。また,衣服などがよれよれになっているさま。なよなよ。「日がたって―した野菜」「―の袴/青春(風葉)」

萎す

なや・す [2] 【萎す】 (動サ五[四])
(1)気力・体力などを失わせ,ぐったりさせる。なえるようにさせる。「口には言はれぬ心地に―・されて,身動きをもせずに/奇遇(四迷)」
(2)なよなよとさせる。やわらかにする。「着―・したる物の色もあらぬやうに見ゆ/蜻蛉(上)」
(3)金属を精錬する。ねる。ねやす。[新撰字鏡]

萎びる

しな・びる [0][3] 【萎びる】 (動バ上一)[文]バ上二 しな・ぶ
水気が失われて,しぼんだりしわがよったりする。また,若々しさが失われる。「花が―・びてしまった」「―・びたハート」

萎びる

しなびる【萎びる】
wither;→英和
shrivel[dry]up.萎びた withered <arm> ;→英和
dried up.

萎ぶ

しな・ぶ 【萎ぶ】 (動バ上二)
⇒しなびる

萎む

しぼ・む [0] 【萎む・凋む】 (動マ五[四])
(1)(植物が)生気をなくしてちぢまる。なえしなびる。「花が―・む」「鼻いと小さく―・み/今昔 28」
(2)張りつめていたものが,ゆるみちぢむ。「―・む闘争心」

萎ゆ

な・ゆ 【萎ゆ】 (動ヤ下二)
⇒なえる

萎ゆ

しな・ゆ 【萎ゆ】 (動ヤ下二)
しおれる。「君に恋ひ―・えうらぶれ我(ア)が居れば/万葉 2298」

萎り

しおり シヲリ [0] 【萎り】
能で,役者が舞台で演ずる泣くしぐさ。顔をうつむけ,てのひらを眼の前にかざす。

萎る

しお・る シヲル 【撓る・萎る】
■一■ (動ラ四)
(1)痛め苦しめる。痛めつけて弱らせる。「―・りつる野分はやみてしののめの雲にしたがふ秋のむらさめ/風雅(秋下)」
(2)たわめる。しなわせる。「暫く―・りて堅めたる体(スガタ)/太平記 12」
■二■ (動ラ下二)
⇒しおれる

萎れる

しおれる【萎れる】
droop;→英和
wither;→英和
[気持が]be cast down;be dejected.

萎れる

しお・れる シヲレル [0] 【萎れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 しを・る
(1)草木や花が,水分が不足したりして生気を失う。枯れそうになる。「花瓶の花が―・れる」「されど薔薇は既に―・れ/即興詩人(鴎外)」
(2)人が元気を失ってしょんぼりする。「しかられて,―・れている」
(3)濡れる。濡れて弱る。「幾夜我浪に―・れて貴舟川袖に玉ちる物思ふらむ/新古今(恋二)」

萎れ返る

しおれかえ・る シヲレカヘル [4] 【萎れ返る】 (動ラ五[四])
ひどく元気がなくなる。「豊崎は急に―・つて/社会百面相(魯庵)」

萎凋

いちょう ヰテウ [0] 【萎凋】 (名)スル
草木がなえしぼむこと。

萎凋病

いちょうびょう ヰテウビヤウ [0] 【萎凋病】
糸状菌の寄生によっておこる,トマト・ゴボウ・イチゴなどの病気。水分の供給が悪くなり,下葉の方からしおれて枯れる。

萎烏帽子

なええぼし [3] 【萎烏帽子】
烏帽子の一種。漆で固めた烏帽子に対して,漆で固めていない柔らかい烏帽子。

萎縮

いしゅく ヰ― [0] 【萎縮】 (名)スル
(1)縮こまって小さくなること。しなびて小さくなること。「気持ちが―する」「―した字」
(2)生物の正常に発達した器官・組織の大きさが減少すること。主に栄養の供給が妨げられる場合や,神経系の障害,ホルモンの変調,放射線の照射などによって起こる。衰退。

萎縮する

いしゅく【萎縮する】
shrivel[wither](物が);→英和
be daunted <by> (人が).‖萎縮腎《医》atrophy of the kidney.

萎縮病

いしゅくびょう ヰ―ビヤウ [0] 【萎縮病】
植物の病害の一。分蘖(ブンケツ)が多くなり,茎が細く矮化(ワイカ)し,葉は巻縮する。ウイルスによるものが多い。稲・トマトなどに発生する。

萎縮腎

いしゅくじん ヰ― [3] 【萎縮腎】
腎臓が正常なときの半分以下に縮小し,硬化して機能障害を起こした状態。高血圧による動脈硬化や腎炎の末期症状として起こる。

萎草の

ぬえくさの 【萎草の】 (枕詞)
なよなよした草のような,の意で,「女(メ)」にかかる。「―女にしあれば/古事記(上)」

萎蕤

いずい ヰ― [0] 【萎蕤】
アマドコロの別名。

萎装束

なえしょうぞく [3] 【萎装束】
⇒なえそうぞく(萎装束)

萎装束

なえそうぞく [3] 【萎装束】
こわい布地や糊(ノリ)を使わずに,柔らかな仕立てにした公家の装束。鳥羽上皇時代に行われた強装束(コワソウゾク)に対して従来のものをいった。なえしょうぞく。

萎靡

いび ヰ― [1] 【萎靡】 (名)スル
なえしおれること。気力がなくなること。「―沈滞する」「嫌いだと思へば―して振はない/ヰタ・セクスアリス(鴎外)」

萎靡する

いび【萎靡する】
decline;→英和
decay.→英和

萎頓

いとん ヰ― [0] 【萎頓】 (名)スル
力がぬけること。へとへとになること。「―困敝(コンペイ)する」

萎黄病

いおうびょう ヰワウビヤウ [0] 【萎黄病】
(1)植物の茎や葉が黄緑色または黄色になる病気。病原体によるものと養分の過不足によるものとがある。
(2)鉄欠乏性の貧血。皮膚・粘膜などが青白くなる。若い女性に多い。

はぎ【萩】
《植》a bush clover.

はぎ [1] 【萩】
(1)マメ科ハギ属の植物の総称。落葉低木または半草本で,山野の日当たりの良い乾燥地に多い。葉は互生し,三小葉から成る複葉。夏から秋にかけ,紅紫色,ときに白色の蝶形花を総状につける。ヤマハギ・ノハギ・ミヤギノハギ・マルバハギ・キハギなど。秋の七草の一。[季]秋。《低く垂れその上に垂れ―の花/高野素十》
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は蘇芳(スオウ),裏は青。秋に着用。織り色では経(タテ)青,緯(ヨコ)蘇芳。
(3)家紋の一。萩の花や葉・茎を図案化したもの。
(4)おはぎ。ぼたもち。萩の餅。
萩(1)[図]

はぎ 【萩】
山口県北部,日本海に面する市。江戸時代,毛利氏三六万石の城下町。城下町の形態をよく残す。夏ミカンの栽培,水産加工が盛ん。萩焼は伝統工芸。

萩の乱

はぎのらん 【萩の乱】
1876年(明治9),山口県萩で起こった士族反乱。前参議前原一誠らの不平士族は,熊本の神風連の乱に呼応して挙兵したが鎮圧された。

萩の戸

はぎのと 【萩の戸】
〔前庭に小萩が植えてあったからとも,戸障子に萩が描いてあったからともいう〕
清涼殿の一室の名。夜の御殿の北,弘徽殿(コキデン)の上の局(ツボネ)と藤壺の上の局との間にあった。
→清涼殿

萩の花

はぎのはな [1] 【萩の花】
(1)ハギに咲く花。
(2)「萩の餅」に同じ。[日葡]

萩の露

はぎのつゆ 【萩の露】
地歌の一。手事物。明治初年京都の幾山検校が作曲。秋の景物になぞらえて,男に裏切られた女の恋情をうたったもの。京風物の末期の代表曲。

萩の餅

はぎのもち [1] 【萩の餅】
おはぎ。

萩原

はぎわら ハギハラ 【萩原】
姓氏の一。

萩原

はぎわら [0] 【萩原】
⇒はぎはら(萩原)

萩原

はぎはら [0] 【萩原】
萩の生い茂っている原。はぎわら。[季]秋。《いづくにかたふれ臥とも萩の原/曾良》

萩原タケ

はぎわらたけ ハギハラ― 【萩原タケ】
(1873-1936) 看護婦。東京生まれ。日本赤十字社病院看護婦養成所を卒業,災害や戦時の救護活動に従事。日本最初のナイチンゲール記章受章。

萩原広道

はぎわらひろみち ハギハラ― 【萩原広道】
(1815-1863) 江戸後期の国学者。岡山の人。号は蒜園(ニラゾノ)。壮年大坂に出て,国学を教授する。本居宣長に私淑し,野々口隆正に師事したといわれる。著「源氏物語評釈」「本学提綱」など。

萩原朔太郎

はぎわらさくたろう ハギハラサクタラウ 【萩原朔太郎】
(1886-1942) 詩人。群馬県生まれ。室生犀星と「感情」を創刊。特異な感覚の新しい口語詩の世界をひらいた「月に吠える」に始まり,虚無と倦怠の「青猫」を経て文語詩「氷島」に至る詩業は,近代抒情詩の頂点といわれる。他にアフォリズム「新しき欲情」,評論「詩の原理」など。

萩原雄祐

はぎわらゆうすけ ハギハラ― 【萩原雄祐】
(1897-1979) 天文学者。大阪生まれ。東大教授・東京天文台長・東北大教授。衛星や惑星等の運動を研究。乗鞍コロナ観測所・岡山天体物理観測所などの設立に尽力。

萩垣

はぎがき [2] 【萩垣】
ハギをまとめて縦に扱った仕切り用の垣根。編んで短い袖垣とすることもある。

萩大名

はぎだいみょう ハギダイミヤウ 【萩大名】
狂言の一。萩の花を褒めに茶屋へ行った大名が,そこの亭主に歌を所望されるが覚えてきた歌を思い出せず,亭主をあきれさせる。

萩寺

はぎでら 【萩寺】
(1)東京都江東区にある竜眼寺(リユウゲンジ)の通称。
(2)広島県福山市にある明王院(ミヨウオウイン)の通称。

萩焼

はぎやき [0] 【萩焼】
陶器の一。文禄・慶長の役で朝鮮から渡来した陶工李敬・李勺光が毛利氏の命を受け開窯。李敬の興した萩市松本の松本萩と,李勺光の孫による長門市深川(フカワ)の深川萩とを総称していう。高麗茶碗の影響が強くあらわれている。

萩野

はぎの 【萩野】
姓氏の一。

萩野由之

はぎのよしゆき 【萩野由之】
(1860-1924) 国文・歴史学者。佐渡の生まれ。東大教授。「日本文学全書」二五巻を校訂・出版。著「日本史講話」,池辺義象との共著「国学和歌改良論」など。

萩鍔

はぎつば [2] 【萩鍔】
室町末期,長門国萩で作り始めたといわれる鉄製の透かしつば。はぎのつば。

かや [1] 【茅・萱】
屋根を葺(フ)く丈の高い草の総称。イネ科植物のススキ・ヨシ・チガヤ・カルカヤ・カヤツリグサ科植物のスゲなど。[季]秋。
茅[図]

萱堂

けんどう [1] 【萱堂】
〔昔,中国で主婦の居室である北向きの室の庭に萱草(カンゾウ)を植えたところから〕
母の敬称。ははうえ。

萱場

かやば [0] 【茅場・萱場】
(1)屋根を葺(フ)く茅の茂ったところ。
(2)秣(マグサ)を刈るところ。まぐさば。

萱所

かやと [0] 【茅戸・萱所】
山中の茅におおわれている尾根や斜面。
〔登山者や山村でいう語〕

萱船

かやぶね [3] 【茅船・萱船】
茅を積んだ船。昔,船軍(フナイクサ)の際,茅に火をつけて敵船の間に放った。

萱草

かんぞう クワンザウ [0] 【萱草】
(1)ユリ科ワスレグサ属植物の総称。日当たりのよい,やや湿った地に生える。葉は二列に叢生し,広線形。夏,花茎を出し,紅・橙(ダイダイ)・黄色のユリに似た花を数輪開く。若葉は食用になる。日本に自生する種にノカンゾウ・ヤブカンゾウ・キスゲ・ニッコウキスゲなどがある。
〔「萱草の花」は [季]夏〕
(2)「萱草色(カンゾウイロ)」に同じ。「―など澄みたる色を着て/源氏(手習)」

萱草

わすれぐさ [3] 【忘れ草・萱草】
(1)ヤブカンゾウの別名。[季]夏。
(2)煙草(タバコ)の異名。

萱草

けんぞう [0] 【萱草】
⇒かんぞう(萱草)

萱草色

かんぞういろ クワンザウ― [0] 【萱草色】
染め色の名。黄みの強い橙(ダイダイ)色。萱草の花の色。凶色とする。かぞういろ。

萱野

かやの 【萱野】
姓氏の一。

萱野

かやの [0] 【茅野・萱野】
茅が生えている野原。かやはら。

萱野三平

かやのさんぺい 【萱野三平】
(1675-1702) 赤穂藩士。名は重実。義士に加わろうとしたが父の反対にあい,自刃(ジジン)した。浄瑠璃などで早野勘平として脚色。

萱門

かやもん [0][2] 【茅門・萱門】
庭園・数寄屋の露地の入り口などに設ける茅葺(ブ)きの簡素で風雅な門。

萱鼠

かやねずみ [3] 【萱鼠】
ネズミ科の哺乳類。日本のネズミ類中で最小。体長は5〜7センチメートル,尾もほぼ同長。背部は黄褐色で腹部は白色。尾をまきつけて巧みに草木に登る。湿地を好み,カヤなどの葉や茎を編み,地上数十センチメートルの所に球状の巣をつくる。穀類・種子などを食べる。
萱鼠[図]

萵苣

ちしゃ [0] 【萵苣】
キク科の一年草または二年草。地中海沿岸地方原産。葉はやや苦味と甘味があり,野菜として栽培される。葉は根生し,幅が広く,結球するものとしないものがある。日本で古くから栽培されたのはカキヂシャという結球しない種類で,下の方から葉をかき取って用いる。結球性のタマヂシャは明治以後輸入されてレタスと呼ばれ,普及した。ほかにタチヂシャ・サラダナなどがある。チサ。[季]春。

萵苣

ちさ [0][2] 【萵苣】
(1)チシャの別名。[季]春。
(2)チシャノキの別名。

萵苣の木

ちしゃのき [3] 【萵苣の木】
(1)ムラサキ科の落葉高木。暖地の山中に自生し,また庭木とされる。葉は互生し,長楕円形で,ややカキの葉に似る。夏,枝端に円錐花序を出して白色小花を密生し,黄熟する小核果を結ぶ。材は黄白色で建築・器具・家具材とする。カキノキダマシ。チサノキ。
(2)エゴノキの別名。チサノキ。

萵苣の木

ちさのき [3] 【萵苣の木】
⇒ちしゃのき(萵苣木)

うてな [0][1] 【萼】
〔「花の台(ウテナ)」の意か〕
花の萼(ガク)。

がく [1][2] 【萼】
花の最も外側に生じる器官。数個の萼片から成り,多くは緑色。タンポポの冠毛は萼が変形したもの。
→花被(カヒ)

がく【萼】
《植》a calyx.→英和

萼片

がくへん [0] 【萼片】
萼を形成するおのおのの裂片。
→花式図

落し

おとし [3] 【落(と)し】
(1)落とすこと。「さか―」
(2)鳥獣を捕らえる仕掛け。わな。「―をかける」
(3)入れるべきものを忘れること。おち。
(4)「落とし掛(ガ)け」に同じ。
(5)戸の桟に仕掛けて,閉めた時,敷居の穴に差し込んで,戸が開かないようにするための木片。くるる。
(6)話の結末。また,落語のおち。さげ。「―話」
(7)近世邦楽の用語。段落感をつけたり,文意を強調する部分に用いる音型だが,具体的技法は楽器(三味線・箏(コト))や声楽の種類(義太夫節・常磐津節・清元節など)により異なる。
(8)裁ち落とし。余りぎれ。
(9)鉱脈の傾斜方向に連続する富鉱体。品位のよい鉱石が,鉱脈の走向方向には短く,傾斜方向に斜めに細長く続く形をもつもの。
(10)鉱石・土砂・廃石などを重力で流し落とす通路。

落しミシン

おとしミシン [4] 【落(と)し―】
縫い代の割れ目や玉縁の際に表からかけるステッチ。縫い代を落ち着かせ,補強ともなる。

落し主

おとしぬし【落し主】
the loser;the owner of a lost article.

落し主

おとしぬし [3] 【落(と)し主】
金品を落とした,または置き忘れた人。

落し入れる

おとしい・れる [5] 【陥れる・落(と)し入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おとしい・る
〔(3)が原義〕
(1)計略にかけて人をだます。罪を着せて失脚させる。「罪に―・れる」
(2)攻め落とす。陥落させる。「城を―・れる」
(3)落として,中にはいらせる。「天の斑馬(フチコマ)を逆剥(サカハ)ぎに剥ぎて―・るる時に/古事記(上訓)」

落し前

おとしまえ [0] 【落(と)し前】
〔露店などで値を適当なところまで落として客と折り合いをつける香具師(ヤシ)仲間の隠語から〕
失敗・無礼の後始末。「―をつける」

落し卵

おとしたまご【落し卵】
a poached egg.

落し味噌

おとしみそ [4] 【落(と)し味噌】
粒味噌をすったりこしたりせず,そのまま入れて汁を作ること。

落し噺

おとしばなし [4] 【落(と)し話・落(と)し噺】
最後を洒落(シヤレ)や地口(ジグチ)で結ぶ短い話。近世,江戸での呼称。落とし話を核に筋を発展させると落語になる。

落し天井

おとしてんじょう [4] 【落(と)し天井】
「落ち天井」に同じ。

落し子

おとしご [3] 【落(と)し子】
(1)「落とし胤(ダネ)」に同じ。
(2)ある物事の影響により生じたもの。「戦争の―」

落し差し

おとしざし [0] 【落(と)し差し】
刀を普通よりこじりをさげて差すこと。くずれた,だらしない刀の差し方。

落し巾着

おとしぎんちゃく [4] 【落(と)し巾着】
紐(ヒモ)をつけて首や着物の襟にかける巾着。

落し幕

おとしまく [3] 【落(と)し幕】
歌舞伎で,振り落としにする浅黄幕や道具幕。一瞬のうちに舞台面を変化させるために用いる。
→振り落とし

落し懸け

おとしがけ [0] 【落(と)し掛け・落(と)し懸け】
(1)床の間や書院窓の正面上方の小壁の下端にある横木。内法長押(ウチノリナゲシ)より上位にある。
(2)窓や欄間の下につける雲形などの彫り物。
(3)木製の火鉢の内まわりや底を銅・ブリキなどの薄板で入れ子のように作り,木枠の中へ上から落とし入れて灰を入れるもの。おとし。
(4)〔「落とし崖(ガケ)」の意かともいう〕
車などで坂を下りかかる所。「―の高き所に見つけてひき入れ給ふ/源氏(東屋)」

落し所

おとしどころ [0] 【落(と)し所】
話し合いなどの前に,あらかじめ考えておく結論。「―をさぐる」

落し掛け

おとしがけ [0] 【落(と)し掛け・落(と)し懸け】
(1)床の間や書院窓の正面上方の小壁の下端にある横木。内法長押(ウチノリナゲシ)より上位にある。
(2)窓や欄間の下につける雲形などの彫り物。
(3)木製の火鉢の内まわりや底を銅・ブリキなどの薄板で入れ子のように作り,木枠の中へ上から落とし入れて灰を入れるもの。おとし。
(4)〔「落とし崖(ガケ)」の意かともいう〕
車などで坂を下りかかる所。「―の高き所に見つけてひき入れ給ふ/源氏(東屋)」

落し散毛

おとしばらげ 【落(と)し散毛】
江戸時代の女性の髪の結い方の一。鬢(ビン)さしや髱(タボ)さしを用いないで,鬢や髱をふっくらと結うもの。

落し文

おとしぶみ [3][0][4] 【落(と)し文・落(と)し書】
(1)公然とは言えないことを文書にして落としておくもの。落書(ラクシヨ)。「物によせて歌を作りて―にし侍れば/筑波問答」
(2)江戸時代,火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ文書。捨て文。
(3)オトシブミ科の甲虫。体長8ミリメートル内外。首が細長く,前胸部は三角形。体は黒く,上ばねは赤い。広葉樹の葉を巻いて巣を作り,中に産卵する。シベリアから日本にかけて分布。ナミオトシブミ。[季]夏。《―ゆるく巻きたるもの悲し/山口青邨》
〔巣の形が巻き紙に似ているとして「ホトトギスの落とし文」などといわれたことから転じた名〕

落し書

おとしぶみ [3][0][4] 【落(と)し文・落(と)し書】
(1)公然とは言えないことを文書にして落としておくもの。落書(ラクシヨ)。「物によせて歌を作りて―にし侍れば/筑波問答」
(2)江戸時代,火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ文書。捨て文。
(3)オトシブミ科の甲虫。体長8ミリメートル内外。首が細長く,前胸部は三角形。体は黒く,上ばねは赤い。広葉樹の葉を巻いて巣を作り,中に産卵する。シベリアから日本にかけて分布。ナミオトシブミ。[季]夏。《―ゆるく巻きたるもの悲し/山口青邨》
〔巣の形が巻き紙に似ているとして「ホトトギスの落とし文」などといわれたことから転じた名〕

落し棚

おとしだな [3] 【落(と)し棚】
四十八棚の一。地板に近いところに設けられた棚。落とし違い棚。

落し水

おとしみず [3] 【落(と)し水】
稲を刈る前に,田を干すため流し出す水。[季]秋。《―田毎の闇となりにけり/蕪村》

落し焼き

おとしやき [0] 【落(と)し焼き】
熱したフライ-パンや鉄板に材料をスプーンなどで流し落として焼く調理法。また,その料理や菓子。

落し物

おとしもの [0][5] 【落(と)し物】
気づかずに落としてなくした物。また,落ちていたもの。遺失物。「―を拾う」

落し物

おとしもの【落し物】
a lost article.〜をする lose <something> .→英和

落し玉子

おとしたまご [4][5] 【落(と)し玉子】
すまし汁・味噌汁の中に鶏卵を割って,散らさないように落とし入れた料理。

落し矢

おとしや [3] 【落(と)し矢】
(1)上差(ウワザ)しの矢。
(2)上から下に向けて射る矢。また,その射方。おろし矢。「源氏は馬上よりさし当てさし当て―に射る/盛衰記 42」

落し石

おとしいし [3] 【落(と)し石】
茶室の躙(ニジ)り口の前に置く役石の一。踏み石の次に位置する。

落し積み

おとしづみ [0] 【落(と)し積み】
石垣の積み方の一。長方形の石を隣の石に寄りかかるように斜めに置き並べる積み方。また,その石垣。

落し穴

おとしあな [3] 【落(と)し穴】
(1)罠(ワナ)の一種。動物を落として捕らえるために掘った穴。おとし。
(2)人をだましておとしいれるための秘密の計画。謀略。策略。「―にはまる」

落し穴

おとしあな【落し穴】
a pitfall;→英和
<fall into,be caught in> a trap[snare].→英和

落し紙

おとしがみ [3][0] 【落(と)し紙】
便所で使う紙。ちり紙。

落し網

おとしあみ [3] 【落(と)し網】
定置網の一。岸から張り出した垣網で誘導した魚群を,上り傾斜のついた登り網でさらに袋網上部の入り口へと導き,落ち込むようにしたもの。小台網・ひさご網など。

落し胤

おとしだね [4] 【落(と)し胤】
(主に身分の高い人が)正妻以外の女に生ませた子。落とし子。落胤(ラクイン)。

落し蓋

おとしぶた [3][0] 【落(と)し蓋】
煮物や漬物をするとき,材料の上に直接のせて用いる蓋。なべや容器の中にすっぽり入る。さしぶた。

落し薯

おとしいも [3] 【落(と)し薯】
吸い物に山芋をすって入れた料理。

落し角

おとしづの [3] 【落(と)し角】
四月ごろから初夏にかけて,自然に抜け落ちる鹿(シカ)の角。落ち角。[季]春。《山裾や草の中なる―/虚子》

落し話

おとしばなし [4] 【落(と)し話・落(と)し噺】
最後を洒落(シヤレ)や地口(ジグチ)で結ぶ短い話。近世,江戸での呼称。落とし話を核に筋を発展させると落語になる。

落し閉て

おとしだて 【落(と)し閉て】
戸を上から落として閉めるようにしたもの。

落す

おと・す [2] 【落(と)す】 (動サ五[四])
(1)(「墜す」とも書く)物などを高い所から低い所へ移動させる。意図的な場合にも,そうでない場合にもいう。「試薬を一滴―・す」「コップをうっかり―・して割ってしまった」「外野手がフライを―・した(=取リソコナッタ)」
(2)光や影を物の上に映す。「杉の木が長い影を―・していた」
(3)高い位置にある物を破壊して落下させる。「敵機をミサイルで―・す」
(4)ある対象から,付いている物を取り外す。取り除く。「枝から実を―・す」「化粧を―・す」
(5)持ち物をなくす。
 (ア)所持していた物品を移動の間に紛失する。「財布を―・した」
 (イ)得られるはずの物を得られないで終わる。「第一セットを―・したのが敗因だ」「―・した魚は大きい」「必修単位を―・した」
(6)ある範囲から除く。意図的である場合にもそうでない場合にもいう。
 (ア)洩らす。抜かす。「メンバーから―・す」「うっかり名簿から―・してしまった」
 (イ)ある水準や条件に達しないために,選ばれるものからはずす。
⇔入れる
「製品検査で一割が―・される」「ライバルを―・さないと当選できない」
(7)程度を低くする。
 (ア)高い程度・段階にあった物を低い程度・段階に変化させる。
⇔上げる
「スピードを―・す」「声を―・してささやく」
 (イ)良い状態にあったものを悪い状態に変化させる。下げる。
⇔上げる
「品質を―・す」「店の評判を―・す」
 (ウ)品格を下げる。「あいつはすぐに話を―・す」
(8)人の社会的な地位や所属を上位から下位に移す。「二軍に―・された」
(9)城や陣地を攻めて打ちやぶる。「水攻めで城を―・す」
(10)白状させる。「あの刑事は犯人を―・すのがうまい」
(11)相手を従わせる。「泣き―・す」「くどき―・す」
(12)決着を付ける。
 (ア)ある所に落ち着かせる。「どの辺に―・すか決めてから交渉を始める」
 (イ)入札などで,落札する。「名画を―・す」
 (ウ)手形を決済する。
 (エ)落語で,さげをつける。
(13)柔道で,気絶させる。
(14)ひそかに逃がす。「ただ置きて―・せ/平治(中)」
(15)見下げる。軽侮(ケイブ)する。「人に―・され給へる御ありさまとて/源氏(若菜下)」
〔「おちる」に対する他動詞〕
[可能] おとせる
[慣用] 命を―・肩を―・雷を―・気を―・火を―・星を―・目を―

落する

らく・する [3] 【落する】 (動サ変)[文]サ変 らく・す
建築物が完成する。「十月一日にこれを―・した/渋江抽斎(鴎外)」

落ち

おち [2] 【落ち】
(1)あるべきものが漏れていること。「名簿に―がある」
(2)物事の行きつくところ。結末。「恥をかくのが―だ」
(3)落語などで,最後の,洒落などで話を結ぶ部分。下げ。「―がつく」
(4)同類の中で品質の劣ったもの。地位の下がるもの。「かういふ頭(カシラ)を二十八文にも売らねえきやあ―へ行つてしかたがねえ/滑稽本・浮世風呂 4」
(5)よい結果。よい評判。「ちよく��逢はれる人の方へ―の来るのは/人情本・縁結娯色糸」

落ち

おち【落ち】
(1)[見落し]an omission;→英和
an oversight.→英和
(2)[話の]the point <of a story> ;→英和
a punch line.(3)[結果]the end.→英和
〜なく without omission.…するのが〜だ be bound to result in <a failure> .

落ちあぶる

おちあぶ・る 【落ちあぶる】 (動ラ下二)
おちぶれる。零落する。「行末とほき人は―・れてさすらへむこと/源氏(橋姫)」

落ちこぼれ

おちこぼれ【落ちこぼれ(人)】
a dropout.→英和

落ちぶれる

おちぶれる【落ちぶれる】
fall low;be reduced to poverty; <話> go to the dogs.落ちぶれた ruined.

落ちる

おちる【落ちる】
(1)[落下]fall;→英和
drop.→英和
(2)[崩壊]give way;collapse.→英和
(3)[脱落]be omitted.(4) set;→英和
sink (日・月が);→英和
fail <in an examination> ;→英和
fall into <another's hands> .
(5) fall (城など);come off[out](汚れ・しみ);fade (色).→英和
(6) be honored (手形が).

落ちる

お・ちる [2] 【落ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 お・つ
(1)高い所から低い所へ移動する。
 (ア)(「墜ちる」とも書く)それ自身の重みによって上から下へ移る。「屋根から―・ちた」「過って池に―・ちた」「滴が―・ちる」「財布が―・ちている」
 (イ)空から雨・雪などが降る。「大粒の雨が―・ちて来た」「雷が―・ちる」
 (ウ)勢いよく降りる。「滝となって―・ちる」「大鹿二つ妻鹿一つ…一つの谷へぞ―・ちたりける/平家 9」
 (エ)光や影が物の上に映る。「並木の影が路上に―・ちる」「月影が水に―・ちる」
 (オ)橋など高い所にあるものが崩れてこわれる。「橋が―・ちた」「壁が―・ちた」
(2)もとあったものがなくなる。
 (ア)付いていたものがとれて,なくなる。「汚れが―・ちる」「葉の―・ちた木」
 (イ)含まれているはずのものが,なくなる。「彼の名が名簿から―・ちた」
 (ウ)病気・狐など身にとりついていたものがなくなって,正常に戻る。「憑(ツ)き物が―・ちる」
 (エ)そろっているはずのものが抜けて,不完全になる。「一夜も―・ちず夢(イメ)にし見ゆる/万葉 3647」
(3)程度が低くなる。
 (ア)高い程度・段階にあったものが低い程度・段階に変化する。「人気が―・ちる」「スピードが―・ちる」「風が―・ちる」
 (イ)良い状態にあったものが悪い状態に変化する。「味が―・ちる」「鮮度が―・ちる」
 (ウ)他に比べて劣った状態である。「量産品は品が―・ちる」「兄より弟の方が成績が―・ちる」
 (エ)(話が)卑猥なことにふれる。みだらになる。「あいつが入ると話が―・ちる」
(4)社会的な地位や所属が上位から下位に移る。
 (ア)身分・家柄などが低くなる。「二軍に―・ちる」「かうまで―・つべき宿世ありければにや/源氏(蓬生)」
 (イ)(「堕ちる」とも書く)人間の品格などが下がる。堕落する。「かつての英雄も―・ちたものだ」
 (ウ)(「堕ちる」とも書く)望みや救いのない所にはまり込んで身動きできなくなる。「地獄に―・ちる」
(5)ある水準や条件に達しないために受け入れられない。「試験に―・ちる」「前回の選挙で―・ちた」
(6)その状態を持ちこたえられなくなる。
 (ア)(都などから)逃げ去る。「西国に―・ちる」「平家都を―・ちはてぬ/平家 7」
 (イ)白状する。「さすがの犯人も子供の写真を見せられると―・ちた」
 (ウ)相手に従う。「金では―・ちない人だ」
(7)決着がつく。
 (ア)ある所に落ち着く。「最後は身の上話に―・ちた」「眠りに―・ちる」
 (イ)入札・無尽などの結果が出る。「絵は A 氏に―・ちた」
 (ウ)手形などが決済される。「手形が―・ちない」
(8)(動物が)死ぬ。(柔道などで)気絶する。「小鳥が―・ちた」「―・ちた肴を吟味の役人/浄瑠璃・宵庚申(上)」
〔「おとす」に対する自動詞〕
[慣用] 語るに―・地に―・手に―・ほっぺたが―・目から鱗(ウロコ)が―/巨星墜つ・人後(ジンゴ)に落ちない・腑に落ちない

落ち人

おちびと 【落ち人】
⇒おちゅうど(落人)

落ち入り

おちいり [0] 【落(ち)入り】
歌舞伎で,息の絶えるさまをする演技。

落ち入る

おちい・る [3][0] 【陥る・落(ち)入る】 (動ラ五[四])
(1)へこんだところに落ちて中にはいる。「穴に―・る」
(2)計略にひっかかる。「敵の術中に―・る」「悪巧みに―・る」
(3)よくない状態になる。「危篤に―・る」「ジレンマに―・る」
(4)平らな所がへこんでくぼむ。おちこむ。「目皮(マカワ)いたく黒み―・りて/源氏(紅葉賀)」
(5)死ぬ。息が絶える。「手負のただいま―・るに,一日経書いてとぶらへ/平家 11」

落ち口

おちぐち [2][0] 【落(ち)口】
(1)滝など,水の流れの落下する所。
(2)下水などの流れ出る所。
(3)物のおち始め。おちかかり。

落ち合い

おちあい [0] 【落(ち)合い】
(1)一つ所で会うこと。落ち合うこと。「狩りくらす山のを鹿の―に/新撰六帖 2」
(2)川と川との合流地点。[日葡]

落ち合う

おちあう【落ち合う】
meet (by appointment) (約束で);→英和
come across (出くわす);come together (集合).

落ち合う

おちあ・う [3][0] 【落(ち)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)約束の場所で出会って一緒になる。「駅で―・う約束をする」
(2)川と川,また道と道とが合流する。
(3)(人で)込み合う。混雑する。「出番は始まる,土間は―・ふ/歌舞伎・名歌徳」
(4)相手になって立ち向かう。敵と取り組む。「われとおもはん平家のさぶらひどもは直実に―・へや,―・へ/平家 9」
(5)その場へやってくる。駆けつけて加勢する。「高橋が勢は国々のかり武者なれば,一騎も―・はず/平家 7」
(6)意見や気持ちなどが一致する。「口の―・はぬさま,猶奇恠也/東鑑(文治三)」
[可能] おちあえる

落ち天井

おちてんじょう [3] 【落(ち)天井】
茶室で,亭主の座る点前畳(テマエダタミ)の天井を,他の天井面よりも一段低く作ったもの。客に対する亭主の謙譲の気持ちを表す。落とし天井。

落ち失す

おちう・す 【落ち失す】 (動サ下二)
戦いに負けて逃亡する。逃げ失せる。「郎等どもも―・せて/保元(中・古活字本)」

落ち居る

おち・いる 【落ち居る】 (動ワ上一)
(1)事件が解決したりして,乱れた心が静まる。おちつく。「女御も御心―・ゐ給ひぬ/源氏(桐壺)」
(2)心や態度が穏やかである。「いかがはと人思ひきこえしかど―・ゐ給へる御心の本性なれば/大鏡(伊尹)」
(3)あるべきところ,または行きつくべきところに落ち着く。「世はさればいかに―・ゐなんずるぞ/愚管 2」

落ち度

おちど [1] オチ― 【落(ち)度】 ・ ヲチ― 【越度】
〔「おつど(越度)」の転〕
失敗。あやまち。過失。「運転手には―はない」

落ち延びる

おちの・びる [0][4] 【落(ち)延びる】 (動バ上一)[文]バ上二 おちの・ぶ
つかまらずに,遠くへ逃げる。逃げ切る。「九州へ―・びる」

落ち延びる

おちのびる【落ち延びる】
escape safely <to> .

落ち掛かり

おちがかり [3] 【落ち掛(か)り】
隅木などの傾斜した材木が桁(ケタ)などの水平な材木に交わっている所。

落ち掛かる

おちかか・る [0][4] 【落ち掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)今にも落ちそうになる。「棚の上の物が―・っている」
(2)頭上に落ちてくる。降りかかる。「神(=雷)の鳴りひらめくさまさらに言はむかたなくて,―・りぬとおぼゆるに/源氏(明石)」

落ち掛り

おちがかり [3] 【落ち掛(か)り】
隅木などの傾斜した材木が桁(ケタ)などの水平な材木に交わっている所。

落ち掛る

おちかか・る [0][4] 【落ち掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)今にも落ちそうになる。「棚の上の物が―・っている」
(2)頭上に落ちてくる。降りかかる。「神(=雷)の鳴りひらめくさまさらに言はむかたなくて,―・りぬとおぼゆるに/源氏(明石)」

落ち方

おちかた [0][3] 【落(ち)方】
(1)落ちる方法。落ち具合。
(2)〔「おちがた」とも〕
(花などが)落ちようとする頃。散りぎわ。「梅は…すこし―になりたれど/枕草子 83」
(3)逃げて行く方向。逃げ落ちる所。「―を失ひて/太平記 38」

落ち札

おちふだ [2] 【落(ち)札】
入札や籤(クジ)引きの結果,権利を獲得した札。らくさつ。

落ち栗

おちぐり [2] 【落ち栗】
(1)よく熟して地上に落ちた栗の実。[季]秋。
(2)〔「落ち栗色」の略〕
黒みがかった濃紅色。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は黒みがかった蘇芳(スオウ),裏は香色(コウイロ)。また,表は濃紅,裏は香色とも。秋に着用。

落ち椿

おちつばき [3] 【落ち椿】
散り落ちた椿の花。[季]春。

落ち武者

おちむしゃ [0][3] 【落(ち)武者】
戦いに負けて逃げて行く武者。

落ち潮

おちしお [0] 【落(ち)潮】
引き潮。

落ち留まる

おちとま・る 【落ち留まる】 (動ラ四)
(1)落ちることをやめる。落ちなくなる。「せきやらぬ涙よ暫し―・れ/玉葉(恋三)」
(2)あとに残る。とどまる。「うまやの長に句詩取らする人もありけるを,まして―・りぬべくなむおぼえける/源氏(須磨)」
(3)物がそのまま残る。「―・れる御指貫・帯など,翌朝(ツトメテ)奉れり/源氏(紅葉賀)」
(4)生き残る。「―・る身どもの悲しきを/源氏(総角)」

落ち目

おちめ [3][0] 【落(ち)目】
(1)商売や勢力などが下り坂になること。「―になるとだれも寄り付かない」
(2)商品の数量が送り状の記載よりも減っていること。

落ち目になる

おちめ【落ち目になる】
One's fortune declines./One's star is on the wane.→英和

落ち着き

おちつき [0] 【落(ち)着き】
(1)安定した状態になること。平静な状態になること。「世の中が―を取り戻す」「相場が―をみせる」
(2)態度や言動が穏やかで安定していること。「―のない子供」
(3)おさまりぐあい。安定。「上座にすえられては―が悪い」「―のいい家具」
(4)調和がとれて,安心した感じを与えること。「―のある色合い」
(5)住居・職業などが決まって,生活が安定すること。「身の―をつけてやりたいと思ひまして/虞美人草(漱石)」
(6)移り動いていたものがとどまること。また,その場所。行く先。「―は魚屋まかせや桜狩(利牛)/炭俵」
(7)宿に着いてまず飲食すること。また,その飲食物。「八瀬や大原の嫁入りは…―はお雑煮/浄瑠璃・酒呑童子枕言葉」

落ち着き払う

おちつきはら・う [6] 【落(ち)着き払う】 (動ワ五[ハ四])
ゆったりとして,少しもあわてない。全く平然としている。「―・って答える」

落ち着き雑煮

おちつきぞうに [5] 【落(ち)着き雑煮】
婚礼の日に,嫁が婿方に着いてまず食べる雑煮。普通は円餅を入れたすまし汁。落ち着きの吸い物。落ち着きの餅。

落ち着く

おちつく【落ち着く】
(1)[定住]settle (down) <in,at> .→英和
(2)[静まる]become calm[quiet];→英和
calm[quiet]down.落ち着いた(て) calm(ly).気を落ち着ける calm oneself.気が落ち着かない feel restless;be ill at ease.

落ち着く

おちつ・く [0] 【落(ち)着く】
■一■ (動カ五[四])
(1)動揺が静まり,安定した状態になる。「世の中が―・いてきた」「気持ちが―・く」「病状が―・く」
(2)住居・職業・地位などが定まり安定する。「いろいろな職を転々としてやっと今の会社に―・いた」「ひとまずホテルに―・いてくつろぐ」「結婚してすっかり―・く」
(3)決まりがつく。(議論が)結論に達する。落着する。「両者の折衷案に―・く」「公事が一方ニ―・イタ/日葡」
(4)人の態度や言動が穏やかで冷静である。「―・いて避難しなさい」「―・いた人」
(5)周囲のものと調和して,こちらの気分が休まる。安心して見ていられるようになる。「―・いた雰囲気」「―・いた色合い」
(6)落ちて下に着く。「中差何処に―・くとは見えねども/義経記 4」
[可能] おちつける
■二■ (動カ下二)
⇒おちつける

落ち着ける

おちつ・ける [0] 【落(ち)着ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おちつ・く
(1)物を安定した状態に置く。体などをある場所にすえる。「腰を―・ける」
(2)心を落ち着かせる。気持ちを静める。「気持ちを―・けて聞く」

落ち着ける

おちつける【落ち着ける】
settle down (腰を);compose oneself (気を).

落ち穂

おちぼ [1][0] 【落(ち)穂】
(1)刈り取ったあとに落ち散った稲の穂。[季]秋。
(2)落ち葉や落ちた小枝。「―・松笠など打けぶりたる草の庵閑に住なし/奥の細道」

落ち穂拾い

おちぼひろい [4] 【落(ち)穂拾い】
(1)落ち穂を拾い集めること。[季]秋。《―日当る方へ歩み行く/蕪村》
(2)採り残したものや漏れ落ちたものを拾い集めること。拾遺(シユウイ)。

落ち窪

おちくぼ 【落ち窪】
落ちくぼんだ所。家の中で,普通の床よりも一段低い所。「―一間をしつらひてなむおはしける/落窪 1」

落ち窪む

おちくぼ・む [4] 【落ち窪む】 (動マ五[四])
その部分が周りに比べて低くなる。へこむ。「―・んだ眼」

落ち窪む

おちくぼむ【落ち窪む】
cave in;sink.→英和
落ち窪んだ頬(ほお) hollow[sunken]cheeks.

落ち縁

おちえん [0][2] 【落(ち)縁】
雨戸の外にあって,座敷・縁より一段低く作ってある縁側。

落ち落ち

おちおち [1][0] 【落ち落ち】 (副)
(多く下に打ち消しの語を伴って)落ち着いているさま。安心して。「心配で夜も―眠れない」

落ち葉

おちば [1] 【落(ち)葉】
(1)散って落ちた木の葉。また,木の枝から落ちていく葉。[季]冬。《西吹ばひがしにたまる―かな/蕪村》
(2)落としだね。落胤(ラクイン)。「朝臣や,さやうの―をだにひろへ/源氏(常夏)」

落ち葉掻き

おちばかき [3] 【落(ち)葉掻き】
落ち葉をかき集めること。

落ち葉焚き

おちばたき [0][3] 【落(ち)葉焚き】
落ち葉を集めて燃やすこと。[季]冬。

落ち葉色

おちばいろ [0] 【落(ち)葉色】
枯れた落ち葉のような色。黄ばんだ茶色。おちば。

落ち行く

おちゆ・く [3][0] 【落(ち)行く】 (動カ五[四])
(1)逃げて行く。落ちのびて行く。「―・く先は九州相良」
(2)結局,そこに帰着する。結論として,そこに行きつく。「―・く先は知れている」
(3)落ち目になっていく。おちぶれていく。「すゑになれば―・くけぢめこそやすくはべるめれ/源氏(行幸)」

落ち角

おちつの [0] 【落(ち)角】
「落とし角」に同じ。[季]春。

落ち足

おちあし 【落ち足】
(1)戦いに負けて逃げて行くこと。敗走。「四国八島の―に/浄瑠璃・吉野忠信」
(2)水が引くこと。また,その時。減水。「水の―や待つべき/平家 9」

落ち込み

おちこみ [0] 【落(ち)込み】
良くない状態になること。落ち込むこと。「景気の―」

落ち込む

おちこ・む [0][3] 【落(ち)込む】 (動マ五[四])
(1)穴や溝などに落ちて入る。おちいる。はまる。「穴に―・む」
(2)深くへこむ。くぼむ。「地面が―・む」
(3)良くない状態になる。売り上げ・業績などが下がる。「景気が―・んでいる」
(4)気分がめいる状態になる。「成績不振ですっかり―・んでいる」

落ち込む

おちこむ【落ち込む】
fall in[into];sink (沈下);→英和
cave in (陥没);be depressed (気分).

落ち重なる

おちかさな・る [0][5] 【落(ち)重なる】 (動ラ五[四])
(1)落ちたものの上に,ほかのものが次々と落ちて重なる。「山道に枯れ葉が―・る」
(2)重なって一緒に落ちる。「馬の上にてひつ組んで,波うちぎはに―・つて/謡曲・敦盛」

落ち間

おちま 【落ち間】
他の部屋より床を一段低く作った部屋。奉公人などの身分の低い者が用いる。「―にがはと突き落せば/浄瑠璃・油地獄(中)」

落ち雲雀

おちひばり [3] 【落ち雲雀】
空から舞い降りるヒバリ。[季]春。

落ち零れ

おちこぼれ [0] 【落ち零れ】
(1)落ちて散らばっているもの。
(2)残りもの。あまりもの。
(3)教科の進度についていけない児童・生徒。

落ち髪

おちがみ [2] 【落(ち)髪】
抜け落ちた髪の毛。落ち毛。

落ち魚

おちうお [2] 【落(ち)魚】
(1)産卵のために川を下る魚。
(2)水温が低くなると,深い所へ移動する魚。
(3)死んだ魚。

落ち鮎

おちあゆ [3][0] 【落ち鮎】
秋,産卵のために川を下る鮎。下り鮎。さび鮎。[季]秋。《―や畠も浸たす雨の暮/几菫》

落ち鰻

おちうなぎ [3] 【落ち鰻】
秋,産卵のため川を下って海へ出るウナギ。下りうなぎ。[季]秋。

落つ

お・つ 【落つ】 (動タ上二)
⇒おちる

落とし

おとし [3] 【落(と)し】
(1)落とすこと。「さか―」
(2)鳥獣を捕らえる仕掛け。わな。「―をかける」
(3)入れるべきものを忘れること。おち。
(4)「落とし掛(ガ)け」に同じ。
(5)戸の桟に仕掛けて,閉めた時,敷居の穴に差し込んで,戸が開かないようにするための木片。くるる。
(6)話の結末。また,落語のおち。さげ。「―話」
(7)近世邦楽の用語。段落感をつけたり,文意を強調する部分に用いる音型だが,具体的技法は楽器(三味線・箏(コト))や声楽の種類(義太夫節・常磐津節・清元節など)により異なる。
(8)裁ち落とし。余りぎれ。
(9)鉱脈の傾斜方向に連続する富鉱体。品位のよい鉱石が,鉱脈の走向方向には短く,傾斜方向に斜めに細長く続く形をもつもの。
(10)鉱石・土砂・廃石などを重力で流し落とす通路。

落としミシン

おとしミシン [4] 【落(と)し―】
縫い代の割れ目や玉縁の際に表からかけるステッチ。縫い代を落ち着かせ,補強ともなる。

落とし主

おとしぬし [3] 【落(と)し主】
金品を落とした,または置き忘れた人。

落とし入れる

おとしい・れる [5] 【陥れる・落(と)し入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おとしい・る
〔(3)が原義〕
(1)計略にかけて人をだます。罪を着せて失脚させる。「罪に―・れる」
(2)攻め落とす。陥落させる。「城を―・れる」
(3)落として,中にはいらせる。「天の斑馬(フチコマ)を逆剥(サカハ)ぎに剥ぎて―・るる時に/古事記(上訓)」

落とし前

おとしまえ [0] 【落(と)し前】
〔露店などで値を適当なところまで落として客と折り合いをつける香具師(ヤシ)仲間の隠語から〕
失敗・無礼の後始末。「―をつける」

落とし味噌

おとしみそ [4] 【落(と)し味噌】
粒味噌をすったりこしたりせず,そのまま入れて汁を作ること。

落とし噺

おとしばなし [4] 【落(と)し話・落(と)し噺】
最後を洒落(シヤレ)や地口(ジグチ)で結ぶ短い話。近世,江戸での呼称。落とし話を核に筋を発展させると落語になる。

落とし天井

おとしてんじょう [4] 【落(と)し天井】
「落ち天井」に同じ。

落とし子

おとしご [3] 【落(と)し子】
(1)「落とし胤(ダネ)」に同じ。
(2)ある物事の影響により生じたもの。「戦争の―」

落とし差し

おとしざし [0] 【落(と)し差し】
刀を普通よりこじりをさげて差すこと。くずれた,だらしない刀の差し方。

落とし巾着

おとしぎんちゃく [4] 【落(と)し巾着】
紐(ヒモ)をつけて首や着物の襟にかける巾着。

落とし幕

おとしまく [3] 【落(と)し幕】
歌舞伎で,振り落としにする浅黄幕や道具幕。一瞬のうちに舞台面を変化させるために用いる。
→振り落とし

落とし懸け

おとしがけ [0] 【落(と)し掛け・落(と)し懸け】
(1)床の間や書院窓の正面上方の小壁の下端にある横木。内法長押(ウチノリナゲシ)より上位にある。
(2)窓や欄間の下につける雲形などの彫り物。
(3)木製の火鉢の内まわりや底を銅・ブリキなどの薄板で入れ子のように作り,木枠の中へ上から落とし入れて灰を入れるもの。おとし。
(4)〔「落とし崖(ガケ)」の意かともいう〕
車などで坂を下りかかる所。「―の高き所に見つけてひき入れ給ふ/源氏(東屋)」

落とし所

おとしどころ [0] 【落(と)し所】
話し合いなどの前に,あらかじめ考えておく結論。「―をさぐる」

落とし掛け

おとしがけ [0] 【落(と)し掛け・落(と)し懸け】
(1)床の間や書院窓の正面上方の小壁の下端にある横木。内法長押(ウチノリナゲシ)より上位にある。
(2)窓や欄間の下につける雲形などの彫り物。
(3)木製の火鉢の内まわりや底を銅・ブリキなどの薄板で入れ子のように作り,木枠の中へ上から落とし入れて灰を入れるもの。おとし。
(4)〔「落とし崖(ガケ)」の意かともいう〕
車などで坂を下りかかる所。「―の高き所に見つけてひき入れ給ふ/源氏(東屋)」

落とし散毛

おとしばらげ 【落(と)し散毛】
江戸時代の女性の髪の結い方の一。鬢(ビン)さしや髱(タボ)さしを用いないで,鬢や髱をふっくらと結うもの。

落とし文

おとしぶみ [3][0][4] 【落(と)し文・落(と)し書】
(1)公然とは言えないことを文書にして落としておくもの。落書(ラクシヨ)。「物によせて歌を作りて―にし侍れば/筑波問答」
(2)江戸時代,火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ文書。捨て文。
(3)オトシブミ科の甲虫。体長8ミリメートル内外。首が細長く,前胸部は三角形。体は黒く,上ばねは赤い。広葉樹の葉を巻いて巣を作り,中に産卵する。シベリアから日本にかけて分布。ナミオトシブミ。[季]夏。《―ゆるく巻きたるもの悲し/山口青邨》
〔巣の形が巻き紙に似ているとして「ホトトギスの落とし文」などといわれたことから転じた名〕

落とし書

おとしぶみ [3][0][4] 【落(と)し文・落(と)し書】
(1)公然とは言えないことを文書にして落としておくもの。落書(ラクシヨ)。「物によせて歌を作りて―にし侍れば/筑波問答」
(2)江戸時代,火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ文書。捨て文。
(3)オトシブミ科の甲虫。体長8ミリメートル内外。首が細長く,前胸部は三角形。体は黒く,上ばねは赤い。広葉樹の葉を巻いて巣を作り,中に産卵する。シベリアから日本にかけて分布。ナミオトシブミ。[季]夏。《―ゆるく巻きたるもの悲し/山口青邨》
〔巣の形が巻き紙に似ているとして「ホトトギスの落とし文」などといわれたことから転じた名〕

落とし棚

おとしだな [3] 【落(と)し棚】
四十八棚の一。地板に近いところに設けられた棚。落とし違い棚。

落とし水

おとしみず [3] 【落(と)し水】
稲を刈る前に,田を干すため流し出す水。[季]秋。《―田毎の闇となりにけり/蕪村》

落とし焼き

おとしやき [0] 【落(と)し焼き】
熱したフライ-パンや鉄板に材料をスプーンなどで流し落として焼く調理法。また,その料理や菓子。

落とし物

おとしもの [0][5] 【落(と)し物】
気づかずに落としてなくした物。また,落ちていたもの。遺失物。「―を拾う」

落とし玉子

おとしたまご [4][5] 【落(と)し玉子】
すまし汁・味噌汁の中に鶏卵を割って,散らさないように落とし入れた料理。

落とし着く

おとしつ・く 【落とし着く】 (動カ下二)
(1)決着をつける。解決する。結論を出す。「箱の中なるは慥(タシカ)に銀(カネ)と―・けて走り行く/浄瑠璃・鬼一法眼」
(2)気持ちを安定させる。心を静める。気持ちを落ち着かせる。「万事―・けて居たる客には/浮世草子・一代女 1」

落とし矢

おとしや [3] 【落(と)し矢】
(1)上差(ウワザ)しの矢。
(2)上から下に向けて射る矢。また,その射方。おろし矢。「源氏は馬上よりさし当てさし当て―に射る/盛衰記 42」

落とし石

おとしいし [3] 【落(と)し石】
茶室の躙(ニジ)り口の前に置く役石の一。踏み石の次に位置する。

落とし積み

おとしづみ [0] 【落(と)し積み】
石垣の積み方の一。長方形の石を隣の石に寄りかかるように斜めに置き並べる積み方。また,その石垣。

落とし穴

おとしあな [3] 【落(と)し穴】
(1)罠(ワナ)の一種。動物を落として捕らえるために掘った穴。おとし。
(2)人をだましておとしいれるための秘密の計画。謀略。策略。「―にはまる」

落とし紙

おとしがみ [3][0] 【落(と)し紙】
便所で使う紙。ちり紙。

落とし網

おとしあみ [3] 【落(と)し網】
定置網の一。岸から張り出した垣網で誘導した魚群を,上り傾斜のついた登り網でさらに袋網上部の入り口へと導き,落ち込むようにしたもの。小台網・ひさご網など。

落とし胤

おとしだね [4] 【落(と)し胤】
(主に身分の高い人が)正妻以外の女に生ませた子。落とし子。落胤(ラクイン)。

落とし蓋

おとしぶた [3][0] 【落(と)し蓋】
煮物や漬物をするとき,材料の上に直接のせて用いる蓋。なべや容器の中にすっぽり入る。さしぶた。

落とし薯

おとしいも [3] 【落(と)し薯】
吸い物に山芋をすって入れた料理。

落とし角

おとしづの [3] 【落(と)し角】
四月ごろから初夏にかけて,自然に抜け落ちる鹿(シカ)の角。落ち角。[季]春。《山裾や草の中なる―/虚子》

落とし話

おとしばなし [4] 【落(と)し話・落(と)し噺】
最後を洒落(シヤレ)や地口(ジグチ)で結ぶ短い話。近世,江戸での呼称。落とし話を核に筋を発展させると落語になる。

落とし閉て

おとしだて 【落(と)し閉て】
戸を上から落として閉めるようにしたもの。

落とす

おと・す [2] 【落(と)す】 (動サ五[四])
(1)(「墜す」とも書く)物などを高い所から低い所へ移動させる。意図的な場合にも,そうでない場合にもいう。「試薬を一滴―・す」「コップをうっかり―・して割ってしまった」「外野手がフライを―・した(=取リソコナッタ)」
(2)光や影を物の上に映す。「杉の木が長い影を―・していた」
(3)高い位置にある物を破壊して落下させる。「敵機をミサイルで―・す」
(4)ある対象から,付いている物を取り外す。取り除く。「枝から実を―・す」「化粧を―・す」
(5)持ち物をなくす。
 (ア)所持していた物品を移動の間に紛失する。「財布を―・した」
 (イ)得られるはずの物を得られないで終わる。「第一セットを―・したのが敗因だ」「―・した魚は大きい」「必修単位を―・した」
(6)ある範囲から除く。意図的である場合にもそうでない場合にもいう。
 (ア)洩らす。抜かす。「メンバーから―・す」「うっかり名簿から―・してしまった」
 (イ)ある水準や条件に達しないために,選ばれるものからはずす。
⇔入れる
「製品検査で一割が―・される」「ライバルを―・さないと当選できない」
(7)程度を低くする。
 (ア)高い程度・段階にあった物を低い程度・段階に変化させる。
⇔上げる
「スピードを―・す」「声を―・してささやく」
 (イ)良い状態にあったものを悪い状態に変化させる。下げる。
⇔上げる
「品質を―・す」「店の評判を―・す」
 (ウ)品格を下げる。「あいつはすぐに話を―・す」
(8)人の社会的な地位や所属を上位から下位に移す。「二軍に―・された」
(9)城や陣地を攻めて打ちやぶる。「水攻めで城を―・す」
(10)白状させる。「あの刑事は犯人を―・すのがうまい」
(11)相手を従わせる。「泣き―・す」「くどき―・す」
(12)決着を付ける。
 (ア)ある所に落ち着かせる。「どの辺に―・すか決めてから交渉を始める」
 (イ)入札などで,落札する。「名画を―・す」
 (ウ)手形を決済する。
 (エ)落語で,さげをつける。
(13)柔道で,気絶させる。
(14)ひそかに逃がす。「ただ置きて―・せ/平治(中)」
(15)見下げる。軽侮(ケイブ)する。「人に―・され給へる御ありさまとて/源氏(若菜下)」
〔「おちる」に対する他動詞〕
[可能] おとせる
[慣用] 命を―・肩を―・雷を―・気を―・火を―・星を―・目を―

落とす

おとす【落とす】
(1) drop;→英和
let fall;lose <one's purse> .→英和
(2)[抜かす]omit <a word> ;→英和
leave out.(3)[消す]remove (しみ・汚れなどを).→英和
(4)[下げる]degrade (位を);→英和
lower.→英和
信用(人気)を〜 lose one's credit (popularity).気を〜 lose heart.

落丁

らくちょう [0] 【落丁】
製本の過程で,丁合いのとき一部の折り丁が脱落すること。「―本」

落丁がある

らくちょう【落丁がある】
<Two> pages are missing <from this book> .

落下

らっか ラク― [0] 【落下】 (名)スル
下に落ちること。高い所から落ちること。「―する速度」

落下する

らっか【落下する】
drop;→英和
fall (down).→英和

落下傘

らっかさん ラク― [3] 【落下傘】
⇒パラシュート

落下傘

らっかさん【落下傘】
a parachute.→英和
〜で降下する (descend by) parachute.‖落下傘部隊 a parachute troop; <米> a paratroop.落下傘兵 a paratrooper;a parachutist.

落下傘部隊

らっかさんぶたい ラク― [6] 【落下傘部隊】
パラシュートを用いて航空機から敵地に降下する奇襲部隊。降下部隊。

落人

おちうど 【落人】
歌舞伎舞踊の一。清元。本名題「道行旅路の花聟(ハナムコ)」。三升屋(ミマスヤ)二三治作詞。1833年江戸河原崎座初演。お軽勘平の道行に鷺坂伴内(サギサカバンナイ)をからませたもの。曲も振りも優れ,清元の名曲である。

落人

おちゅうど オチウド [2] 【落人】
〔「おちびと」の転。古くは「おちうと」とも〕
(1)戦いに敗れて逃げて行く人。「―伝説」
(2)人目を避けて逃げて行く人。逃亡者。

落人

おちうど [2] 【落人】
⇒おちゅうど(落人)

落人

おちうど【落人】
a fugitive.→英和

落伍

らくご [0] 【落伍】 (名)スル
(1)隊伍からおくれること。仲間からおくれて,ついて行けなくなること。「―者」「―する者が大勢出る」
(2)人におくれをとること。人後に落ちること。
〔「落後」とも書く〕

落伍する

らくご【落伍する】
drop out <of> .落伍者 a straggler;a failure (失敗者).→英和

落体

らくたい [0] 【落体】
重力の作用で落下しつつある物体。落体の速度は質量と無関係で時間に比例する。

落入り

おちいり [0] 【落(ち)入り】
歌舞伎で,息の絶えるさまをする演技。

落入る

おちい・る [3][0] 【陥る・落(ち)入る】 (動ラ五[四])
(1)へこんだところに落ちて中にはいる。「穴に―・る」
(2)計略にひっかかる。「敵の術中に―・る」「悪巧みに―・る」
(3)よくない状態になる。「危篤に―・る」「ジレンマに―・る」
(4)平らな所がへこんでくぼむ。おちこむ。「目皮(マカワ)いたく黒み―・りて/源氏(紅葉賀)」
(5)死ぬ。息が絶える。「手負のただいま―・るに,一日経書いてとぶらへ/平家 11」

落剥

らくはく [0] 【落剥】 (名)スル
はげ落ちること。剥落。「金箔(キンパク)の―した仏壇」

落勢

らくせい [0] 【落勢】
相場が下降傾向にあること。
⇔騰勢

落口

おちぐち [2][0] 【落(ち)口】
(1)滝など,水の流れの落下する所。
(2)下水などの流れ出る所。
(3)物のおち始め。おちかかり。

落句

らっく ラク― [1] 【落句】
(1)漢詩の結句。律詩では最後の二句の称。
(2)和歌で,最後の句。「―に如此の句を置ては,その風姿幽ならず/国歌八論」
(3)終わりの句。おち。

落合

おちあい オチアヒ 【落合】
岡山県中北部,真庭(マニワ)郡の町。近世,高瀬舟による旭川水運で栄えた。トラフダケの自生地。

落合

おちあい オチアヒ 【落合】
姓氏の一。

落合い

おちあい [0] 【落(ち)合い】
(1)一つ所で会うこと。落ち合うこと。「狩りくらす山のを鹿の―に/新撰六帖 2」
(2)川と川との合流地点。[日葡]

落合う

おちあ・う [3][0] 【落(ち)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)約束の場所で出会って一緒になる。「駅で―・う約束をする」
(2)川と川,また道と道とが合流する。
(3)(人で)込み合う。混雑する。「出番は始まる,土間は―・ふ/歌舞伎・名歌徳」
(4)相手になって立ち向かう。敵と取り組む。「われとおもはん平家のさぶらひどもは直実に―・へや,―・へ/平家 9」
(5)その場へやってくる。駆けつけて加勢する。「高橋が勢は国々のかり武者なれば,一騎も―・はず/平家 7」
(6)意見や気持ちなどが一致する。「口の―・はぬさま,猶奇恠也/東鑑(文治三)」
[可能] おちあえる

落合直文

おちあいなおぶみ オチアヒナホブミ 【落合直文】
(1861-1903) 歌人・国文学者。仙台の人。旧姓,鮎貝。号,萩之家。国語伝習所などに出講。浅香社を結成し,和歌革新を唱えて近代短歌の基盤をつくった。長詩「孝女白菊の歌」,著「日本大文典」「ことばの泉」など。没後「萩之家遺稿」「萩之家歌集」

落命

らくめい [0] 【落命】 (名)スル
命を落とすこと。多く,不慮の死や戦死などにいう。「海難事故で―する」

落命する

らくめい【落命する】
die;→英和
be killed <in an accident> .

落城

らくじょう【落城】
the fall of a castle.→英和
〜する fall;→英和
surrender.→英和

落城

らくじょう [0] 【落城】 (名)スル
(1)城が攻め落とされること。
(2)物事を維持できずに投げ出すこと。また俗に,くどかれて承知すること。

落堕

らくだ 【落堕】 (名)スル
(1)僧が戒律を破って,妻帯すること。「寿桂といふ坊主―し,…比丘尼(ビクニ)を妻に持ちて/咄本・醒睡笑」
(2)僧が還俗(ゲンゾク)すること。「―スル/日葡」

落天井

おちてんじょう [3] 【落(ち)天井】
茶室で,亭主の座る点前畳(テマエダタミ)の天井を,他の天井面よりも一段低く作ったもの。客に対する亭主の謙譲の気持ちを表す。落とし天井。

落字

らくじ [0] 【落字】
書き落とした文字。脱字。欠字。

落居

らっきょ ラク― 【落居】 (名)スル
〔「落ち居る」の音読み〕
事のきまりがつくこと。「世間も―せぬさまになり行く事/平家 3」「公事ガ―シタ/日葡」

落屑

らくせつ [0] 【落屑】
〔医〕 表皮角質層の上層部が大小の薄い断片となってはがれ落ちる現象。

落差

らくさ [1] 【落差】
(1)流れ落ちる水の,高低二か所における水位の差。水力発電の場合には,取水面と放水面との水位差をいう。
(2)高低の差。二つのものの間にある差。「成績の―が大きすぎる」

落差

らくさ【落差】
a gap;→英和
a head (水車などの).→英和

落帯

らくたい [0] 【落帯】
琵琶の部分の名称。磯(イソ)(胴の横側)にはった皮。

落度

おちど [1] オチ― 【落(ち)度】 ・ ヲチ― 【越度】
〔「おつど(越度)」の転〕
失敗。あやまち。過失。「運転手には―はない」

落度

おちど【落度】
a fault (過失);→英和
blame (罪).→英和
〜のない faultless;→英和
blameless.君の〜だ You are to blame for it.

落延びる

おちの・びる [0][4] 【落(ち)延びる】 (動バ上一)[文]バ上二 おちの・ぶ
つかまらずに,遠くへ逃げる。逃げ切る。「九州へ―・びる」

落忌

としみ 【落忌】
〔「おとしいみ」の転〕
「精進落(シヨウジンオ)とし」に同じ。「はや―をこそしたまひてめ/蜻蛉(中)」

落想

らくそう [0] 【落想】 (名)スル
思いつくこと。また,思いついた考え。「―の高大なるはファイディアスに遜色あり/希臘思潮を論ず(敏)」

落慶

らっけい ラク― [0] 【落慶】
神社・寺院などの建物の落成をよろこび祝うこと。らくぎょう。「―供養」「―式」

落成

らくせい [0] 【落成】 (名)スル
工事が完成すること。竣工。「校舎が―する」

落成する

らくせい【落成する】
be completed[finished].落成式 an inauguration ceremony.

落成式

らくせいしき [3] 【落成式】
落成を祝う儀式。

落手

らくしゅ [1][0] 【落手】 (名)スル
(1)受け取ること。手に入れること。入手。落掌。「御書状―いたしました」
(2)囲碁や将棋で,悪い手。ぽか。

落手する

らくしゅ【落手する】
receive (受け取る).→英和

落掌

らくしょう [0] 【落掌】 (名)スル
受け取ること。落手。「招待状をば―せり/慨世士伝(逍遥)」

落方

おちかた [0][3] 【落(ち)方】
(1)落ちる方法。落ち具合。
(2)〔「おちがた」とも〕
(花などが)落ちようとする頃。散りぎわ。「梅は…すこし―になりたれど/枕草子 83」
(3)逃げて行く方向。逃げ落ちる所。「―を失ひて/太平記 38」

落日

らくじつ [0] 【落日】
沈もうとしている太陽。入り日。落陽。

落日

らくじつ【落日】
the setting sun.

落暉

らっき ラク― [1] 【落暉】
没する太陽。入り日。夕日。落日。

落書

らくしょ [1] 【落書】
(1)政治・世相・個人などを批判・風刺した匿名の文書。路上に落としたり,門・塀に貼ったりした。主に中世から近世にかけ盛行。二条河原落書は有名。おとしぶみ。
→落首
(2)らくがき。
(3)中世,社寺の集会などにおける無記名の投書。犯罪者摘発のために行われた。

落書

らくがき【落書】
a scribble;→英和
graffiti (便所などの).〜する scribble <on the wall> .‖ <掲示> 落書すべからず No Scribbling.

落書

らくがき [0] 【落書(き)・楽書(き)】 (名)スル
〔「らくしょ(落書)」から転じた語〕
壁・塀など,本来書くべきでない所にいたずら書きをすること。また,その字や絵。「壁に―する」

落書き

らくがき [0] 【落書(き)・楽書(き)】 (名)スル
〔「らくしょ(落書)」から転じた語〕
壁・塀など,本来書くべきでない所にいたずら書きをすること。また,その字や絵。「壁に―する」

落書露顕

らくしょろけん 【落書露顕】
歌論・連歌論書。一巻。今川了俊著。1412年頃成立か。二条派の頓阿(トンア)による冷泉為尹(タメマサ)批判に対して,了俊が冷泉派の歌風を擁護した書。善阿・救済・周阿などの連歌にも言及している。落書記。

落月

らくげつ [0] 【落月】
西にかたむいた月。

落木

らくぼく [0] 【落木】
葉が散り落ちた木。落葉した木。

落札

らくさつ [0] 【落札】 (名)スル
競争入札によって,権利が自分の手に入ること。「名画を―する」

落札

おちふだ [2] 【落(ち)札】
入札や籤(クジ)引きの結果,権利を獲得した札。らくさつ。

落札する

らくさつ【落札する】
make a successful bid;be knocked down <to a person> .落札値 the highest bid price.

落果

らっか ラククワ [1] 【落果】 (名)スル
果実が木から落ちること。また,その果実。

落柿舎

らくししゃ 【落柿舎】
京都市右京区嵯峨にある向井去来の別宅。豪商の別邸を買い取り修理したもので,芭蕉もしばしば訪れ,「嵯峨日記」を残した。

落梅

らくばい [0] 【落梅】
散り落ちた梅の花びら。

落梅集

らくばいしゅう 【落梅集】
詩文集。島崎藤村作。1901年(明治34)刊。小諸時代の秘められた恋情の詩と自然詩から成る。「小諸なる古城のほとり」は有名。作者の青春への決別の意味をもつ。

落款

らっかん【落款】
a writer's[painter's]signature.〜のない unsigned.

落款

らっかん ラククワン [0] 【落款】 (名)スル
〔落成の款識(カンシ)の意〕
書画が完成したとき,作者が署名・押印すること。またその署名・押印。「毫(フデ)を墨黒々と揮つて其の下に告朔餼羊坊(コクサクキヨウボウ)と―した/くれの廿八日(魯庵)」

落武者

おちむしゃ【落武者】
a fugitive.→英和

落武者

おちむしゃ [0][3] 【落(ち)武者】
戦いに負けて逃げて行く武者。

落水荘

らくすいそう 【落水荘】
〔Falling Water〕
アメリカ合衆国,ペンシルベニア州ピッツバーグの山間にある別荘。1936年完成。F=L=ライト設計。渓流の上にバルコニーが張り出し,自然と人工的な直線的形態との調和を実現した有機的建築の代表作。カウフマン邸。

落沙

らくしゃ [1] 【洛叉・落沙】
〔梵 lakṣa〕
〔仏〕 インドの数量の単位。十万。また,一億とも。

落涙

らくるい [0] 【落涙】 (名)スル
泣くこと。涙を落とすこと。また,その涙。「はらはらと―する」「思わず―する」

落涙する

らくるい【落涙する】
⇒涙.

落潮

らくちょう [0] 【落潮】
(1)ひきしお。干潮。おちしお。
(2)衰え始めること。落ち目。

落潮

おちしお [0] 【落(ち)潮】
引き潮。

落照

らくしょう [0] 【落照】
夕日の光。いりひ。落日。

落球

らっきゅう ラクキウ [0] 【落球】 (名)スル
野球で,打球や送球を捕りそこねて落とすこと。

落盤

らくばん【落盤】
a cave-in.

落盤

らくばん [0] 【落盤・落磐】 (名)スル
鉱坑・トンネルの中などで,天井や側面の岩石が崩れ落ちること。「―事故」

落目

おちめ [3][0] 【落(ち)目】
(1)商売や勢力などが下り坂になること。「―になるとだれも寄り付かない」
(2)商品の数量が送り状の記載よりも減っていること。

落着

らくちゃく [0] 【落着】 (名)スル
〔古くは「らくぢゃく」とも〕
(1)物事のきまりのつくこと。決着。「事件が―する」「一件―」
(2)納得すること。理解すること。「我も天地と一致なること―しがたし/都鄙問答」
(3)訴訟事件の判決がでること。また,その判決。「公事ガラクヂャクシタ/日葡」

落着き

おちつき [0] 【落(ち)着き】
(1)安定した状態になること。平静な状態になること。「世の中が―を取り戻す」「相場が―をみせる」
(2)態度や言動が穏やかで安定していること。「―のない子供」
(3)おさまりぐあい。安定。「上座にすえられては―が悪い」「―のいい家具」
(4)調和がとれて,安心した感じを与えること。「―のある色合い」
(5)住居・職業などが決まって,生活が安定すること。「身の―をつけてやりたいと思ひまして/虞美人草(漱石)」
(6)移り動いていたものがとどまること。また,その場所。行く先。「―は魚屋まかせや桜狩(利牛)/炭俵」
(7)宿に着いてまず飲食すること。また,その飲食物。「八瀬や大原の嫁入りは…―はお雑煮/浄瑠璃・酒呑童子枕言葉」

落着き

おちつき【落着き】
composure;→英和
presence of mind.〜はらって calmly;coolly.→英和
〜のある(ない) calm (restless).→英和
〜を失う(取り戻す) lose (recover) one's presence of mind.

落着き払う

おちつきはら・う [6] 【落(ち)着き払う】 (動ワ五[ハ四])
ゆったりとして,少しもあわてない。全く平然としている。「―・って答える」

落着き雑煮

おちつきぞうに [5] 【落(ち)着き雑煮】
婚礼の日に,嫁が婿方に着いてまず食べる雑煮。普通は円餅を入れたすまし汁。落ち着きの吸い物。落ち着きの餅。

落着く

おちつ・く [0] 【落(ち)着く】
■一■ (動カ五[四])
(1)動揺が静まり,安定した状態になる。「世の中が―・いてきた」「気持ちが―・く」「病状が―・く」
(2)住居・職業・地位などが定まり安定する。「いろいろな職を転々としてやっと今の会社に―・いた」「ひとまずホテルに―・いてくつろぐ」「結婚してすっかり―・く」
(3)決まりがつく。(議論が)結論に達する。落着する。「両者の折衷案に―・く」「公事が一方ニ―・イタ/日葡」
(4)人の態度や言動が穏やかで冷静である。「―・いて避難しなさい」「―・いた人」
(5)周囲のものと調和して,こちらの気分が休まる。安心して見ていられるようになる。「―・いた雰囲気」「―・いた色合い」
(6)落ちて下に着く。「中差何処に―・くとは見えねども/義経記 4」
[可能] おちつける
■二■ (動カ下二)
⇒おちつける

落着ける

おちつ・ける [0] 【落(ち)着ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おちつ・く
(1)物を安定した状態に置く。体などをある場所にすえる。「腰を―・ける」
(2)心を落ち着かせる。気持ちを静める。「気持ちを―・けて聞く」

落着する

らくちゃく【落着する】
be settled;come to a settlement[an end].→英和

落石

らくせき [0] 【落石】 (名)スル
山の上から石が落ちて来ること。また,その石。「―注意」

落石注意

らくせき【落石注意】
<掲示> Beware of Falling Rocks.

落研

おちけん [0] 【落研】
大学などで,落語研究会の俗称。

落磐

らくばん [0] 【落盤・落磐】 (名)スル
鉱坑・トンネルの中などで,天井や側面の岩石が崩れ落ちること。「―事故」

落穂

おちぼ【落穂】
gleanings;fallen ears.〜を拾う(人) glean (a gleaner).→英和

落穂

おちぼ [1][0] 【落(ち)穂】
(1)刈り取ったあとに落ち散った稲の穂。[季]秋。
(2)落ち葉や落ちた小枝。「―・松笠など打けぶりたる草の庵閑に住なし/奥の細道」

落穂拾い

おちぼひろい [4] 【落(ち)穂拾い】
(1)落ち穂を拾い集めること。[季]秋。《―日当る方へ歩み行く/蕪村》
(2)採り残したものや漏れ落ちたものを拾い集めること。拾遺(シユウイ)。

落窪物語

おちくぼものがたり 【落窪物語】
物語。四巻。作者未詳。一〇世紀後半に成立。継母に虐待された落窪の君が,侍女阿漕(アコギ)の活躍によって左近少将と結ばれて幸福になり,継母は報復される。後世の継子(ママコ)いじめの物語に大きな影響を与えた。

落第

らくだい [0] 【落第】 (名)スル
(1)試験や審査に合格しないこと。不合格。
⇔及第
(2)上級の学年に進級できないこと。原級にとどまること。[季]春。「出席日数が足りなくて―する」「―生」「―点」
(3)一定の水準に達しているとは認められないこと。「衛生面で―の店」「経営者としては―だ」

落第する

らくだい【落第する】
fail <(in) an examination> ;→英和
<米話> flunk <an exam> ;→英和
be flunked; <英話> be plucked[plowed];be rejected (検査に).〜である be a failure <as a teacher> .→英和
‖落第者 <米> a repeater; <英> a failed student.落第点 a failing mark.

落筆

らくひつ [0] 【落筆】 (名)スル
筆をとって書や絵をかくこと。「―する所の山水画/日本風景論(重昂)」

落籍

らくせき [0] 【落籍】 (名)スル
(1)戸籍簿に記載漏れしていること。
(2)名簿から名前を除いて仲間から身をひくこと。
(3)身の代金を払って芸者・娼妓(シヨウギ)などを廃業させ,そこの籍から名前を除くこと。また,自分の妻妾とすること。みうけ。「芸者を―する」

落籍す

ひか・す [0] 【引かす・落籍す】 (動サ五[四])
芸者・遊女などの借金を払い,身請けする。落籍する。「今度いよ��―・されることになつた/田舎教師(花袋)」

落綿

らくめん [0] 【落綿】
綿糸紡績の工程で発生する屑綿。

落縁

おちえん [0][2] 【落(ち)縁】
雨戸の外にあって,座敷・縁より一段低く作ってある縁側。

落羽松

らくうしょう [3] 【落羽松】
ヌマスギの別名。

落胆

らくたん [0] 【落胆】 (名)スル
期待どおりにならず,がっかりすること。失望。「試験に落ちて―する」

落胆する

らくたん【落胆する】
be discouraged[disappointed] <by,at,with> ;lose heart.〜させる discourage;→英和
disappoint.→英和

落胤

らくいん [0] 【落胤】
身分の高い男が正妻以外の女にひそかに生ませた子。おとしだね。「将軍の御―」

落脱

らくだつ [0] 【落脱】
「脱落」に同じ。

落花

らっか ラククワ [1][0] 【落花】
花の散り落ちること。また,落ちた花。特に,桜についていうことが多い。[季]春。《中空にとまらんとする―かな/中村汀女》

落花流水

らっかりゅうすい ラククワリウ― [1] 【落花流水】
〔落花には流水に従って流れたい気持ちがあり,流水には落花を浮かべて流れたい気持ちがある意〕
男女が互いに慕い合うことのたとえ。

落花狼藉

らっかろうぜき ラククワラウ― [1] 【落花狼藉】
〔和漢朗詠集(春) の「落花狼藉たり風狂じて後,啼鳥竜鐘たり雨の打つ時」による〕
(1)花が地上に散り乱れていること。転じて,物が散り乱れているさまにもいう。
(2)婦女子に乱暴を働くこと。「―に及ぶ」

落花生

らっかせい ラククワ― [3][0] 【落花生】
ナンキンマメの別名。[季]秋。

落花生

らっかせい【落花生】
a peanut.→英和

落花生油

らっかせいゆ ラククワ― [4] 【落花生油】
落花生の種子から得た不乾性油。独特の風味があり,オレイン酸を主成分とし,ほかにリノール酸などを含む。マーガリンなどの食用のほか,石鹸(セツケン)・軟膏などに用いる。ピーナッツ-オイル。

落莫

らくばく [0] 【落莫】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
ものさびしいさま。「―たる雪の中で/俳諧師(虚子)」
■二■ (形動)[文]ナリ
{■一■}に同じ。「何とも言へぬ―な感が為て/青春(風葉)」

落落

らくらく [0] 【落落】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)まばらでさびしいさま。
(2)心が広くて小事にこだわらないさま。「何ぞ―として光明に歩まざる/欺かざるの記(独歩)」「洒洒(シヤシヤ)―」
(3)物が落ち,または倒れるさま。「無数の岩が―として其処(ソコラ)一面に重なつて居るのだから/帰去来(独歩)」

落葉

おちば【落葉】
a fallen[dead]leaf.

落葉

おちば [1] 【落(ち)葉】
(1)散って落ちた木の葉。また,木の枝から落ちていく葉。[季]冬。《西吹ばひがしにたまる―かな/蕪村》
(2)落としだね。落胤(ラクイン)。「朝臣や,さやうの―をだにひろへ/源氏(常夏)」

落葉

らくよう [0] 【落葉】 (名)スル
(1)植物の葉が落ちること。多くは一種の生理現象で,落葉樹では寒期や乾燥期などの不利な環境に対する適応である。
(2)落ちた葉。おちば。
(3)六種(ムクサ)の薫物(タキモノ)の一。おちば。
(4)本の落丁(ラクチヨウ)。落紙。

落葉

らくよう【落葉】
fallen leaves.〜する shed[cast]its leaves (木が);fall (葉が).→英和
‖落葉樹 a deciduous tree.

落葉剤

らくようざい [3] 【落葉剤】
作物の葉を人為的に落とす薬剤の総称。果実への日当たりをよくして成熟を早めたり色づきを促進するため,あるいは収穫を容易にするため用いる。枯葉剤。

落葉広葉樹林

らくようこうようじゅりん [9] 【落葉広葉樹林】
落葉する広葉樹よりなる樹林。温帯北部の夏緑樹林の別称であるが,熱帯のモンスーン地帯には,乾期に落葉する雨緑樹林がある。
→雨緑林

落葉掻き

おちばかき [3] 【落(ち)葉掻き】
落ち葉をかき集めること。

落葉木

らくようぼく [3] 【落葉木】
⇒落葉樹(ラクヨウジユ)

落葉松

からまつ【落葉松】
《植》a larch (tree).→英和

落葉松

からまつ [0][2] 【唐松・落葉松】
マツ科の落葉高木。本州の亜高山帯・高山帯に分布し北海道・長野県などに多く植林される。幹は直立し,樹皮は暗褐色で裂け目ができる。葉は線形で,春の芽出しと秋の黄葉が美しい。雌雄同株で,広卵形の松かさを結ぶ。材は建材・杭(クイ)などに使う。富士山に多いのでフジマツともいう。ラクヨウショウ。

落葉松

らくようしょう [3] 【落葉松】
カラマツの別名。

落葉樹

らくようじゅ [3] 【落葉樹】
低温や乾燥の続く期間,すべての葉を落として休眠する樹木の総称。葉は形成されてから一年未満で枯れる。多くは広葉樹で,落葉に先立って黄葉・紅葉するものがある。闊葉(カツヨウ)樹。
⇔常緑樹

落葉焚き

おちばたき [0][3] 【落(ち)葉焚き】
落ち葉を集めて燃やすこと。[季]冬。

落葉色

おちばいろ [0] 【落(ち)葉色】
枯れた落ち葉のような色。黄ばんだ茶色。おちば。

落葉集

おちばしゅう 【落葉集】
〔歌謡集「松の葉」にもれた歌の集の意〕
江戸時代の歌謡書。七巻。大木扇徳編。1704年刊。上方(カミガタ)の歌謡を集めたもの。松の落葉。

落葉集

らくようしゅう ラクエフシフ 【落葉集】
キリシタン版の一。日本語の辞書。1598年刊。落葉集本編・いろは字集・小玉編の三部から成る。本編は約一二〇〇〇の漢語を一字目の字音によりイロハ順に配列し,いろは字集は約三四〇〇の和語をイロハ順に配列,小玉編は約二三〇〇の漢字を部首別に配する。

落行く

おちゆ・く [3][0] 【落(ち)行く】 (動カ五[四])
(1)逃げて行く。落ちのびて行く。「―・く先は九州相良」
(2)結局,そこに帰着する。結論として,そこに行きつく。「―・く先は知れている」
(3)落ち目になっていく。おちぶれていく。「すゑになれば―・くけぢめこそやすくはべるめれ/源氏(行幸)」

落角

おちつの [0] 【落(ち)角】
「落とし角」に同じ。[季]春。

落角

らっかく ラク― [0] 【落角】
物体の落下点における落下速度の方向と水平線のなす角。

落語

らくご【落語】
a comic story.落語家 a comic storyteller; <F.> a diseur.

落語

らくご [0] 【落語】
寄席(ヨセ)演芸の一。筋のある滑稽なはなしを身振りを加えて行い,落(オチ)をつけて聞き手の興をさそう話芸。貞享(1684-1688)頃,京(露の五郎兵衛)・大坂(初世米沢彦八)・江戸(鹿野武左衛門)と三都に落語家が出現。その後江戸は約90年の空白を生じたが,1786年に烏亭焉馬が催した咄(ハナシ)の会を契機に再興。大坂では軽口咄(カルクチバナシ),江戸では落とし咄とよばれ,「らくご」の名称は1804年頃から使われたという。

落語家

らくごか [0] 【落語家】
落語や人情咄・芝居咄・怪談咄などを演ずる芸人。咄家(ハナシカ)。

落蹲

らくそん [0] 【落蹲】
舞楽の一。二人舞の納蘇利(ナソリ)を一人で舞うときの称。

落車

らくしゃ [1] 【落車】 (名)スル
走行中の自転車から,乗っている人が落ちること。「競技中に接触―」

落込み

おちこみ [0] 【落(ち)込み】
良くない状態になること。落ち込むこと。「景気の―」

落込む

おちこ・む [0][3] 【落(ち)込む】 (動マ五[四])
(1)穴や溝などに落ちて入る。おちいる。はまる。「穴に―・む」
(2)深くへこむ。くぼむ。「地面が―・む」
(3)良くない状態になる。売り上げ・業績などが下がる。「景気が―・んでいる」
(4)気分がめいる状態になる。「成績不振ですっかり―・んでいる」

落選

らくせん [0] 【落選】 (名)スル
(1)選挙で選ばれないこと。選挙に落ちること。
⇔当選
「選挙に―する」
(2)選にもれること。
⇔入選
「出品作が―してしまった」

落選する

らくせん【落選する】
be defeated <in an election> ;be rejected[not accepted](出品が).落選者 an unsuccessful candidate.

落重なる

おちかさな・る [0][5] 【落(ち)重なる】 (動ラ五[四])
(1)落ちたものの上に,ほかのものが次々と落ちて重なる。「山道に枯れ葉が―・る」
(2)重なって一緒に落ちる。「馬の上にてひつ組んで,波うちぎはに―・つて/謡曲・敦盛」

落陽

らくよう [0] 【落陽】
入り日。夕日。落日。

落雁

らくがん [2] 【落雁】
(1)空から舞い降りる雁(カリ)。[季]秋。
(2)干菓子(ヒガシ)の一。微塵子(ミジンコ)・麦こがし・黄粉(キナコ)などに砂糖をまぜてこね,型に打ち抜いたもの。

落雪

らくせつ [0] 【落雪】 (名)スル
積もった雪が落ちてくること。また,その雪。なだれよりも小規模なものをいう。

落雷

らくらい【落雷】
⇒雷(かみなり).

落雷

らくらい [0] 【落雷】 (名)スル
雷が落ちること。地表物を一つの電極とした雷雲からの放電現象。[季]夏。

落題

らくだい [0] 【落題】
題意をよみ落とした和歌・俳句。

落飾

らくしょく [0] 【落飾】 (名)スル
貴人が髪を剃(ソ)り落として仏門に入ること。

落首

らくしゅ【落首】
a satirical poem;a lampoon.→英和

落首

らくしゅ [0][1] 【落首】
詩歌形式の落書(ラクシヨ)。風刺・嘲笑・批判の意をこめた匿名の歌。
→落書

落馬

らくば [0] 【落馬】 (名)スル
乗っている馬から落ちること。

落馬する

らくば【落馬する】
fall from[be thrown off]a horse.→英和

落髪

おちがみ [2] 【落(ち)髪】
抜け落ちた髪の毛。落ち毛。

落髪

らくはつ [0] 【落髪】 (名)スル
頭髪をそり落として僧侶となること。剃髪(テイハツ)。

落魄

らくはく [0] 【落魄】 (名)スル
〔「らくばく」とも〕
おちぶれること。零落。らくたく。「―の身」「事(コト)常に頓挫して失望―した今日(コンニチ)/社会百面相(魯庵)」

落魄れる

おちぶ・れる [0][4] 【零落れる・落魄れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おちぶ・る
以前の身分や財産を失い,みじめなありさまになる。零落(レイラク)する。「―・れて今は見る影もない」

落魚

おちうお [2] 【落(ち)魚】
(1)産卵のために川を下る魚。
(2)水温が低くなると,深い所へ移動する魚。
(3)死んだ魚。

葈耳

おなもみ ヲ― [0][2] 【葈耳】
キク科の一年草。路傍・荒れ地に自生する。高さ30〜100センチメートル。茎・葉ともに粗毛があり葉は浅く三裂する。夏,茎頂に雄花,葉腋(ヨウエキ)に雌花をつける。果実は楕円形でとげがあり,動物体について運ばれる。果実を慢性鼻炎や風邪の薬にする。
葈耳[図]

よう エフ 【葉】
■一■ [1] (名)
木の葉の縁のようにとがって角(カド)をなしているところ。「これ(=櫛形ノ穴)は―の入りて,木にて縁をしたりければ/徒然 33」
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)木の葉や紙など,薄いものを数えるのに用いる。「一―の写真」
(2)小舟を数えるのに用いる。「一―の舟の中の万里の身/和漢朗詠(雑)」

は【葉】
a leaf;→英和
a blade (葉身).→英和
〜のない leafless;→英和
naked.→英和
〜を出す put forth leaves.

は [0] 【葉】
維管束植物の基本器官の一。枝や茎につき,主として同化・呼吸作用を行う。多様な変態を示し,機能や形態によって子葉・普通葉・包葉・鱗片(リンペン)葉・花葉などに分ける。普通葉の形態は種によって異なり,分類上の手がかりとされる。「―が茂る」
葉[図]

葉っぱ

はっぱ [0] 【葉っぱ】
草木の葉。「―が風に舞う」

葉タバコ

はタバコ [2] 【葉―】
収穫して乾燥を終えたタバコの葉。刻んでいない,葉のままのタバコ。

葉タバコ

はタバコ【葉タバコ】
leaf tabacco.

葉二つ

はふたつ 【葉二つ】
雅楽の笛の伝説的名器の名。青葉・赤葉の二つがあったところからの名という。

葉付き塔婆

はつきとうば [4] 【葉付き塔婆】
「梢(ウレ)付き塔婆」に同じ。

葉切蜂

はきりばち [3] 【葉切蜂】
膜翅目ハキリバチ科に属するハチのうち,植物の葉を切断して巣を作る習性をもつ種の総称。腹部下面に花粉を集めるための毛を密生する。バラハキリバチ・ヤマトハキリバチなど。

葉叢

はむら [0] 【葉叢】
生い茂っている草木の葉。

葉唐辛子

はとうがらし [4] 【葉唐辛子】
未熟な唐辛子の葉。佃煮などにする。

葉守りの神

はもりのかみ 【葉守りの神】
樹木を守護する神。柏(カシワ)の木に宿るとされる。「柏木に―のましけるを/大和 68」

葉室

はむろ 【葉室】
姓氏の一。

葉室時長

はむろときなが 【葉室時長】
平安末期・鎌倉初期の学者。民部少輔,また大納言に累進ともいう。「保元物語」「平治物語」「平家物語」の作者に擬せられるが未詳。生没年未詳。

葉層

ようそう エフ― [0] 【葉層】
地層を構成する葉片状の構造で,同時に沈積したと考えられる堆積物の薄層。ラミナ。

葉山

はやま 【葉山】
姓氏の一。

葉山

はやま 【葉山】
神奈川県三浦半島西岸にある町。別荘地として発展。海水浴場として有名。御用邸がある。

葉山嘉樹

はやまよしき 【葉山嘉樹】
(1894-1945) 小説家。福岡県生まれ。本名,嘉重。早大中退。「文芸戦線」に参加。労働運動・労働体験を生かした力強い作風で知られる。初期プロレタリア文学の代表作家。小説「淫売婦」「セメント樽の中の手紙」「海に生くる人々」など。

葉巻

はまき【葉巻】
a cigar.→英和

葉巻

はまき [0] 【葉巻】
葉を刻まずに全葉を固く巻いて棒状にしたタバコ。葉巻タバコ。シガー。

葉序

ようじょ エフ― [1] 【葉序】
葉が茎につくときの配列の状態。ほとんどの植物についてその配列には規則性があり,互生・対生・輪生などに分けられる。
葉序[図]

葉影

はかげ [0] 【葉影】
物の上に映じた,木や草の葉の影。

葉振り

はぶり [0] 【葉振り】
葉の形。葉のようす。

葉挿し

はざし [0][3] 【葉挿し】
挿し木の一。植物の葉を土砂に挿して発根・発芽させ,新しい個体を得る方法。ベゴニア・グロキシニアなどに用いる。

葉捲虫

はまきむし [3] 【葉捲虫】
樹木の葉を丸く巻き,その中にすむ虫の総称。セセリチョウ・ハマキガの幼虫など。

葉擦れ

はずれ [0] 【葉擦れ】
草や木の葉が,風などですれあうこと。また,その音。「―の音」

葉書

はがき【葉書】
<米> a postal card (官製);a postcard (私製);→英和
<英> a postcard.

葉書

はがき [0] 【葉書・端書(き)】
(1)「郵便葉書」の略。
(2)紙片などに書いた覚え書きや書類。

葉月

はづき [1] 【葉月・八月】
陰暦八月の異名。[季]秋。

葉末

はずえ [0] 【葉末】
(1)葉の先。
(2)子孫。「桓武天皇の御―/浄瑠璃・傾城酒呑童子」

葉枕

ようちん エフ― [0] 【葉枕】
葉柄の基部,あるいは小葉の基部にある肥厚した部分。葉の運動(就眠運動など)に関係する。オジギソウなどによく発達する。

葉枯らし

はがらし [2] 【葉枯らし】
皆伐した林木を枝払いせず,林内に一定期間置き,含水率を短期間で下げる木材乾燥法。

葉枯れ病

はがれびょう [0] 【葉枯れ病】
かびによる植物の病害。葉が褐色に変わり,枯死する。セロリ・コンニャクなどに発生する。

葉柄

ようへい【葉柄】
《植》a leafstalk.→英和

葉柄

ようへい エフ― [0] 【葉柄】
葉身を支えて茎に付着する柄のように細くなった部分。
→葉

葉桜

はざくら【葉桜】
a cherry tree in leaf.

葉桜

はざくら [2][0] 【葉桜】
花が散り,若葉になったころの桜。[季]夏。《―のひと木淋しや堂の前/太祇》

葉武者

はむしゃ 【端武者・葉武者】
とるに足らぬ武者。雑兵(ゾウヒヨウ)。「―共に目なかけそ/平治(中)」

葉水

はみず [0] 【葉水】
盆栽・鉢植えの植物の葉に水をかけること。

葉洩れ日

はもれび [3] 【葉洩れ日】
木々の葉の間を通してもれる日の光。

葉渋病

はしぶびょう [0] 【葉渋病】
⇒銹病(サビビヨウ)

葉片

ようへん エフ― [0] 【葉片】
⇒葉身(ヨウシン)

葉牡丹

はぼたん [2] 【葉牡丹】
アブラナ科の越年草。キャベツの一品種。葉は結球せず,冬季には内側の葉が紅・白・紫などに変色して美しい。観賞用。[季]冬。

葉牡丹

はぼたん【葉牡丹】
an ornamental cabbage.

葉物

はもの [0] 【葉物】
(1)生け花・園芸で,主に葉を観賞する植物。
→花物
→実物(ミモノ)
(2)野菜のうち,主に葉を食用にするもの。

葉状

ようじょう エフジヤウ [0] 【葉状】
草木の葉のような形。

葉状体

ようじょうたい エフジヤウ― [0] 【葉状体】
茎・葉の区別がなく,維管束をもたない植物体。苔類・藻類・菌類などはこれに属する。
⇔茎葉体

葉状植物

ようじょうしょくぶつ エフジヤウ― [6] 【葉状植物】
多細胞であるが,茎・葉・根の分化のない植物。普通,内部には維管束の分化が認められない。コケ類・藻類・菌類がこれに属する。
⇔茎葉植物

葉状茎

ようじょうけい エフジヤウ― [3] 【葉状茎】
扁平または線状に変形して葉に似た形となり緑色で同化作用を行う茎。ウチワサボテン・ナギイカダ・カンキチク・アスパラガスなどにみられる。偏茎。葉状枝。

葉理

ようり エフ― [1] 【葉理】
葉層の断面が示す縞目。平行または斜交する。構成物質の粒径・組成などから堆積環境を推定できる。
→偽層

葉生姜

はしょうが [2] 【葉生薑・葉生姜】
葉のついたままのショウガ。新ショウガ。生のまま味噌や酢に漬けて食用にする。

葉生薑

はしょうが [2] 【葉生薑・葉生姜】
葉のついたままのショウガ。新ショウガ。生のまま味噌や酢に漬けて食用にする。

葉盤

ひらで 【枚手・葉盤】
柏の葉を合わせ竹の針で刺し,とじて作った平たい食器。大嘗会(ダイジヨウエ)などのとき,供え物を盛る。やはり柏の葉で窪んだ皿のように作る「葉椀(クボテ)」に対していう。ひらすき。

葉紹鈞

ようしょうきん エフセウキン 【葉紹鈞】
(1894-1988) 中国の作家。江蘇省出身。文学研究会の発起人の一人。創作童話の開拓者でもある。著「倪煥之」「かかし」など。イェー=シャオチュン。

葉組

はぐみ [0] 【葉組(み)】
生け花で,葉物を用いて花型を作ること。また,その組み方。

葉組み

はぐみ [0] 【葉組(み)】
生け花で,葉物を用いて花型を作ること。また,その組み方。

葉緑体

ようりょくたい エフリヨク― [0] 【葉緑体】
緑色植物の細胞中に存在する色素体。多量のクロロフィルのほかカロチノイドも含む。一般にグラナとストロマとから成り,光合成は前者で,二酸化炭素固定は主として後者で行われる。

葉緑素

ようりょくそ【葉緑素】
《植》chlorophyll.〜入りの chlorophyllous.

葉緑素

ようりょくそ エフリヨク― [3][4] 【葉緑素】
⇒クロロフィル

葉者

はもの 【端者・葉者】
とるに足らぬ者。身分のきわめて低い者。「―どもの討死千余人/武家名目抄(称呼)」

葉肉

ようにく エフ― [0][1] 【葉肉】
葉の表裏両側の表皮間を満たす部分。主に柔細胞から成り,葉緑体を含む。通常,柵状(サクジヨウ)組織と海綿組織に分かれ,ところどころに維管束が貫通する。

葉脈

ようみゃく エフ― [0] 【葉脈】
葉身内を走る維管束系。その配列の仕方から平行脈と網状脈とに分ける。
→葉

葉脈

ようみゃく【葉脈】
the veins of a leaf.→英和

葉腋

ようえき エフ― [0][1] 【葉腋】
植物の葉が茎に付着する部分で,芽ができるところ。

葉色

はいろ [0] 【葉色】
草木の葉の色。

葉芽

ようが エフ― [0][1] 【葉芽】
発達して葉や茎になる芽。花芽より小形でふくらみ方が少ない。

葉茎菜類

ようけいさいるい エフケイサイ― [5] 【葉茎菜類】
葉や茎を食用にする野菜類。ネギ・ウド・アスパラガスなど。

葉茶

はぢゃ [0] 【葉茶】
〔「はちゃ」とも〕
茶の木の芽葉をつんで蒸し,揉みながら乾かして製した茶。挽き茶に対していう。

葉茶壺

はぢゃつぼ [2] 【葉茶壺】
葉茶を入れる大型の茶壺。

葉茶屋

はぢゃや [0] 【葉茶屋】
茶を売る店。水茶屋と区別していう。葉茶店。

葉茶店

はぢゃみせ 【葉茶店】
「葉茶屋」に同じ。

葉菊

はぎく [1] 【葉菊】
(1)襲(カサネ)の色目の名。表は白,裏は青。秋に用いる。
(2)家紋の一。菊の花と葉を図案化したもの。

葉菜類

ようさいるい エフサイ― [3] 【葉菜類】
主に葉の部分を食用とする野菜。白菜・小松菜・キャベツなど。

葉葱

はねぎ [2] 【葉葱】
緑色の葉の部分を食用にするネギの総称。青ネギ。

葉蘭

はらん [0][1] 【葉蘭】
ユリ科の常緑多年草。中国原産。根茎は地中をはい,各節から長さ約40センチメートルの濃緑色広披針形の葉を出す。葉柄は長い。早春,地際に紫褐色の花を開く。観葉植物として庭園に植える。葉は生花の材料とし,また料理を盛るのに用いる。

葉虫

はむし [0] 【葉虫・金花虫】
甲虫目ハムシ科に属する昆虫の総称。体長1〜20ミリメートルの小形の甲虫。形は多様。色は緑・黒・赤などで,美しいものが多い。幼虫・成虫とも植物を食い,農林業の害虫も多い。日本にはウリハムシ・クルミハムシなど約五〇〇種が知られる。

葉蜂

はばち [0][1] 【葉蜂】
膜翅目ハバチ科および近縁の数科に属するハチの総称。体長2〜30ミリメートル。幼虫は植物の葉や茎などを食う。成虫の産卵管はのこぎり状で,これで植物に穴をあけて産卵する。多くは作物や樹木の害虫で,時に大発生する。日本にはニホンカブラハバチ・ツヤヒラタハバチなど約一〇〇〇種が知られる。

葉蜱

はだに [0] 【葉蜱】
ハダニ科に属するダニの総称。体長0.5ミリメートル内外。植物の葉や茎に寄生して樹液を吸う害虫。日本にはリンゴハダニ・ミカンハダニ・スギノハダニなど五〇種以上が知られる。アカダニ。

葉蝋石

ようろうせき エフラフ― [3] 【葉蝋石】
アルミニウムの含水ケイ酸塩鉱物。単斜晶系。色は白ないし帯褐緑色で,微小な板状結晶。真珠光沢がある。熱水鉱脈中に長石類の変質物として塊状に産出。石筆・印材・耐火材に利用する。パイロフィライト。
→蝋石

葉血引

はちびき [2] 【葉血引】
魚,チビキの別名。

葉裏

はうら [0] 【葉裏】
葉のうら。

葉越し

はごし [0] 【葉越し】
葉と葉の間から見えること。「―の月」

葉身

ようしん エフ― [0] 【葉身】
葉の主要部分。表皮と葉肉と葉脈とから成り,一般に扁平な形をしている。葉片。
→葉

葉酸

ようさん エフ― [0] 【葉酸】
水溶性のビタミン B 複合体の一。緑色野菜・肝臓・酵母などに多く含まれる。ヒトのヘモグロビン形成に関与し造血因子として作用。欠乏すると貧血・舌炎・下痢などが起こる。ビタミン M 。

葉針

ようしん エフ― [0] 【葉針】
葉の一部または全部が変形して針状となったもの。サボテンなどに見られる。

葉陰

はかげ [0] 【葉陰】
木や草の葉のかげ。

葉隠

はがくれ 【葉隠】
武士道論書。一一巻。佐賀鍋島藩士山本常朝口述,同藩士田代陣基(ツラモト)筆録。1716年頃成立。鍋島藩を中心とした逸事・逸聞を一貫した尚武思想で説く。「武士道と云は,死ぬ事と見付たり」の一節が有名。葉隠聞書。葉隠論語。鍋島論語。

葉隠る

はがく・る 【葉隠る】 (動ラ下二)
葉の陰に隠れる。「―・れて空にもひびく蝉(セミ)の声かな/為忠百首(丹後守)」

葉隠れ

はがくれ [2][0] 【葉隠れ】
葉の陰になること。「―の木の実」

葉隠武士

はがくれぶし [5] 【葉隠武士】
〔「葉隠」を武士の修養書としたことから〕
佐賀鍋島藩の武士。

葉面積指数

ようめんせきしすう エフメンセキ― [8][7] 【葉面積指数】
単位土地面積に対する植物体の全葉面積。無名数で表す。

葉鞘

ようしょう エフセウ [0] 【葉鞘】
鞘(サヤ)のように茎を包んだ葉の基部。セリ科やイネ科などにみられる。
葉鞘[図]

葉音

はおと [0] 【葉音】
葉が風などに吹かれてたてる音。

葉風

はかぜ [0] 【葉風】
木や草の葉をそよがせる風。

葉鰧

はおこぜ [3][2] 【葉鰧】
カサゴ目の海魚。全長約10センチメートル。体は長楕円形で側扁し,ほとんど鱗(ウロコ)はない。背面は淡褐色,腹面は赤い。背びれのとげに毒腺があり,刺されるとひどく痛む。本州中部以南に分布。スナバリ。

葉鶏頭

はげいとう【葉鶏頭】
《植》an amaranth.→英和

葉鶏頭

はげいとう [2] 【葉鶏頭】
ヒユ科の一年草。熱帯アジア原産。花壇や庭園に植える。茎は直立し,高さ1〜2メートル。葉は互生し,菱卵形から披針形。夏から秋にかけ,茎頂付近の葉が,紅・紫・黄などに色づき美しい。花はごく小さく,葉腋(ヨウエキ)に多数つく。かまつか。雁来紅。アマランサス。[季]秋。

葉黄素

ようこうそ エフクワウソ [3] 【葉黄素】
⇒キサントフィル

葉黒草

はぐろそう [0] 【葉黒草】
キツネノマゴ科の多年草。山中の林下に自生。高さ約30センチメートル。茎は四角形で節があり,葉は狭卵形。七〜一〇月,葉腋(ヨウエキ)や茎頂に長さ約2.5センチメートルの紅紫色の唇形花を開く。

むぐら [0] 【葎】
野原や荒れた庭などに繁茂する雑草の総称。ヤエムグラ・カナムグラなど。うぐら。もぐら。「―延(ハ)ふ賤(イヤ)しきやども/万葉 4270」

もぐら [0] 【葎】
植物ムグラの異名。

うぐら 【葎】
⇒むぐら(葎)

葎の宿

むぐらのやど 【葎の宿】
「葎の門」に同じ。「露しげき―に/源氏(横笛)」

葎の門

むぐらのかど 【葎の門】
葎のまつわり茂る門。荒れはてた家や貧しい家をいう。「さびしくあばれたらむ―に/源氏(帚木)」

葎生

むぐらふ 【葎生】
葎が生えていること。また,その所。「―の汚なきやどに入れいませてむ/万葉 759」

葒草

おおけたで オホ― [3] 【大毛蓼・葒草】
タデ科の一年草。アジア大陸原産。茎は高さ約1.5メートル。葉は大形の尖卵形。花穂は,秋,枝頂に出て下垂し,淡紅色の小花を密につける。葉がヘビの毒を消すといわれ,ハブテコブラの異名がある。オオタデ。イヌタデ。
大毛蓼[図]

ちょ [1] 【著】
(1)書物を書くこと。また,書物。著作。「森鴎外の―」
(2)明らかであること。顕著。

ちょ【著】
<a book> (written) by….→英和

著し

しろ・し 【著し】 (形ク)
「しるし(著)」に同じ。「やうやう―・くなり行く山ぎはすこしあかりて/枕草子 1」

著し

しる・し 【著し】 (形ク)
(1)はっきりしている。きわだっている。「梅の花匂ふ春べはくらぶ山闇にこゆれど―・くぞありける/古今(春上)」
(2)思ったこと,効果を期待していたことなどが,具体的な形をとって現れるさま。「宣ひしも―・く,十六夜の月のをかしき程におはしたり/源氏(末摘花)」

著し

いちしろ・し 【著し】 (形ク)
〔「いちじるし」の古形〕
「いちじるし」に同じ。「天霧らし雪もふらぬか―・くこのいつ柴に降らまくを見む/万葉 1643」

著し

いちじる・し 【著し】
〔「いち」は接頭語。中世以前は「いちしるし」〕
■一■ (形ク)
「いちじるしい」に同じ。「例の所ならぬ所にて,ことにまた―・からぬ人の声聞きつけたるはことわり/枕草子 150」
■二■ (形シク)
⇒いちじるしい

著しい

いちじるし・い [5] 【著しい】 (形)[文]シク いちじる・し
〔古くはク活用。シク活用は中世以降〕
際立っていて目立つさま。はっきりとわかるさま。めざましい。明らかだ。「成績が―・く向上する」「科学技術の―・い進歩」
→いちじるし
[派生] ――さ(名)

著しい

いちじるしい【著しい(く)】
remarkable(-bly);→英和
marked(ly).→英和

著し衣

あらわしごろも アラハシ― 【著し衣】
〔喪中であることを示す衣の意〕
喪服。あらわしぎぬ。「この御―の色なくは,えこそ思ひ給へわくまじかりけれ/源氏(藤袴)」

著す

あらわ・す アラハス [3] 【著す(著わす)】 (動サ五[四])
〔「表す」と同源〕
書物を書いて世に出す。書いて出版する。「郷土史の本を―・す」

著わす

あらわす【著わす】
write;→英和
publish.→英和

著作

ちょさく [0] 【著作】 (名)スル
(1)書物などをあらわすこと。また,その書きあらわしたもの。著述。「―集」
(2)「著作郎」の略。

著作

ちょさく【著作】
writing;→英和
literary work;[著書]⇒著書.‖著作権(のある本) copyright (a copyright book).著作権の侵害(を侵害する) piracy (pirate).著作者 ⇒著者.

著作家

ちょさくか [0] 【著作家】
著作を職業とする人。著述家。

著作権

ちょさくけん [3][2] 【著作権】
著作者が自己の著作物の複製・発刊・翻訳・興行・上映・放送などに関し,独占的に支配し利益をうける排他的な権利。著作権法によって保護される無体財産権の一種。原則として著作者の死後50年間存続する。

著作権法

ちょさくけんほう 【著作権法】
著作者の権利およびこれに隣接する権利を定め,著作の権利の保護を図ることを目的とする法律。現行のものは1970年(昭和45)制定。

著作物

ちょさくぶつ [3] 【著作物】
(1)著作によって作られたもの。思想や感情を文章に表出し,これを印刷して発行したもの。著作。
(2)著作権法上,思想または感情を創作的に表現したもので,文芸・学術・美術または音楽の範囲に属するもの。

著作者

ちょさくしゃ [3][2] 【著作者】
著作物の作成者。

著作者人格権

ちょさくしゃじんかくけん [8][7] 【著作者人格権】
著作者が自身の著作物について有する人格的利益を守る権利。著作物の公表,著作物への氏名表示,著作物の同一性保持を内容とする。

著作郎

ちょさくろう 【著作郎】
内記(ナイキ)の唐名。

著作隣接権

ちょさくりんせつけん [7][6] 【著作隣接権】
実演家・レコード製作者・放送事業者に認められる著作権に準ずる権利。録音・録画・複製などを専有しうる権利。

著名

ちょめい [0] 【著名】 (名・形動)[文]ナリ
世間に名前がよく知られている・こと(さま)。有名。「各界の―な人たち」「―人」
[派生] ――さ(名)

著名な

ちょめい【著名な】
⇒有名.

著増

ちょぞう [0] 【著増】 (名)スル
いちじるしくふえること。「海外旅行に行く学生が―している」

著大

ちょだい [0] 【著大】 (名・形動)[文]ナリ
いちじるしく大きいこと。ひときわ大きいこと。また,そのさま。「漸く四方に延蔓し其数―に至り/明六雑誌 26」

著心

ちゃくしん 【着心・著心】
〔「じゃくしん」とも〕
執着心。執念。「人間に―の深かりし咎(トガ)/太平記 35」

著明

ちょめい [0] 【著明】 (名・形動)[文]ナリ
はっきりしていて確かなこと。よく知れわたっていること。また,そのさま。「突然なんの―な動機もなく/青年(鴎外)」

著書

ちょしょ [1] 【著書】
書物を書きあらわすこと。また,書きあらわした書物。著作。

著書

ちょしょ【著書】
a book[work] <on economics> .→英和

著減

ちょげん [0] 【著減】 (名)スル
いちじるしくへること。激減。
⇔著増

著羅絹

チョロけん [0] 【―絹・著羅絹】
〔チョロはチャウルの転という〕
近世,オランダ船などで輸入された絹織物。インドのチャウル産,あるいは中国広東産で甲斐絹(カイキ)に似た地質という。

著者

ちょしゃ【著者】
a writer;an author.→英和
〜不明の anonymous.→英和

著者

ちょしゃ [1] 【著者】
その書物を書きあらわした人。著作者。著述者。筆者。

著聞

ちょぶん [0] 【著聞】
〔「ちょもん」とも〕
世間によく知られること。

著聞

ちょもん [0] 【著聞】
「ちょぶん(著聞)」に同じ。

著聞集

ちょもんじゅう チヨモンジフ 【著聞集】
⇒古今著聞集(ココンチヨモンジユウ)

著莪

しゃが [1] 【射干・著莪】
アヤメ科の多年草。山野の日陰の斜面に群生し,また庭園などに植えられる。葉は剣形。五月頃,高さ約50センチメートルの花茎が出て枝を分かち,中心が黄色い淡紫色の花をつける。結実しない。胡蝶花。[季]夏。
射干[図]

著語

じゃくご ヂヤク― [0] 【著語】
〔仏〕 禅の語録の本則や頌(ジユ)などの語句に評言を付すこと。また,その評言。短い語句で自己の宗教的理解を端的に示す。下語(アギヨ)。

著述

ちょじゅつ [0] 【著述】 (名)スル
書物・文章に書いてのべること。書物を書きあらわすこと。また,書きあらわしたもの。著作。「日々多数の小説や随筆などが―されている」

著述

ちょじゅつ【著述】
⇒著作.‖著述家 a writer;an author.著述業 the literary profession.

著述家

ちょじゅつか [0] 【著述家】
著述を職業とする人。著作家。

著述業

ちょじゅつぎょう [3] 【著述業】
文を書く職業。

著録

ちょろく [0] 【著録】 (名)スル
帳簿に記録すること。書きしるすこと。

くず [1] 【葛】
(1)マメ科の大形つる性多年草。山野・荒地に自生。葉は卵円形の小葉三個からなる複葉で,裏は白っぽい。秋,葉腋(ヨウエキ)に紅紫色の蝶形花を総状につける。肥大した根から葛粉をとるほか,漢方で葛根(カツコン)といい発汗・解熱剤とする。茎の繊維で葛布(クズフ)を織る。秋の七草の一。クズカズラ。[季]秋。
(2)「葛粉」の略。「―をひく」
(3)「葛餡(クズアン)」「葛溜(クズダマ)り」の略。
(4)「葛布(クズフ)」の略。
葛(1)[図]

くず【葛】
《植》an arrowroot.→英和
葛湯 arrowroot starch gruel.

かずら【葛】
《植》a vine;→英和
a creeper.→英和

つづら [0] 【葛・葛籠】
(1)ツヅラフジのつるを編んで作った,衣服などを入れる蓋(フタ)付きのかご。のちには竹やひのきの薄片で網代(アジロ)に編み,上に紙を貼って柿渋・漆などを塗ったものも作られるようになった。《葛籠》
(2)ツヅラフジなど,山野に生えるつる性の植物。《葛》「上野(カミツケノ)安蘇山―野を広み/万葉 3434」
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は青黒色,裏は淡青色。《葛》
葛(1)[図]

かずら カヅラ [0] 【葛・蔓】
(1)つる性植物の総称。つるくさ。かずらぐさ。
(2)桶(オケ)のたが。[物類称呼]

葛の根の

くずのねの 【葛の根の】 (枕詞)
葛の根が長くのびることから,「いや遠長し」にかかる。「一に云ふ,―いや遠長に/万葉 423」

葛の葉

くずのは 【葛の葉】
信太妻(シノダヅマ)伝説に登場する白狐。また,これに基づく作品の一つである浄瑠璃「蘆屋道満大内鑑(アシヤドウマンオオウチカガミ)」の通称,および女主人公。
→信太妻

葛の葉の

くずのはの 【葛の葉の】 (枕詞)
葛の葉は風に吹かれて裏返り,白く目立つことから,「うら」「うらみ」などにかかる。「―のうらみにかへる夢のよを/新古今(雑上)」

葛切っ付け

つづらきっつけ [4] 【葛切っ付け】
馬具の名。ツヅラフジを編んで作った下鞍(シタグラ)。

葛切り

くずきり [0][4] 【葛切り】
葛粉を水にとき煮冷まして固め,細く切ったもの。黒砂糖の蜜(ミツ)をかけて食べる。[季]夏。《―の井のすゞしさを掬ふごとし/大野林火》

葛原親王

かつらはらしんのう 【葛原親王】
〔「かずらはらしんのう」とも〕
(786-853) 桓武天皇の第三皇子。桓武平氏の祖。825年,平朝臣の姓を請うて許され,臣籍に下った。850年大宰帥(ダザイノソツ)。

葛団子

くずだんご [3] 【葛団子】
葛粉で作った団子。

葛垣

くずがき [2] 【葛垣】
葛のつるで編んだ垣根。

葛城

かつらぎ 【葛城】
〔古くは「かづらき」〕
(1)奈良県御所市・大和高田市と北葛城郡一帯の地。古代の倭六県(ヤマトノムツノミアガタ)の一つ葛城県の所在地。
(2)大和朝廷時代,大和葛城地方を本拠とした豪族。特に武内宿禰(タケノウチノスクネ)を祖といい,臣(オミ)の姓を称した一族は天皇家と婚姻関係を結び有力であった。

葛城

かずらき カヅラキ 【葛城】
姓氏の一。古代の豪族。葛城襲津彦を祖とするとされる。

葛城

かつらぎ 【葛城】
姓氏の一。

葛城

かずらき カヅラキ 【葛城】
(1)「かつらぎ(葛城)」に同じ。
(2)能の一。三・四番目物。世阿弥作。大和の葛城山で,山伏の前に葛城の女神が現れ,怠って岩橋を架けなかったため,役小角(エンノオヅノ)の怒りに触れて不動の大縄に縛られている苦しみを語る。

葛城の神

かずらきのかみ カヅラキ― 【葛城の神】
⇒かつらぎのかみ

葛城の神

かつらぎのかみ 【葛城の神】
今の奈良県にある葛城坐一言主(カズラギニマスヒトコトヌシ)神社の祭神である一言主と同一視される神。昔,役小角(エンノオヅノ)が諸鬼神に命じて,葛城山から吉野の金峯山(キンプセン)への久米路に石橋を渡させようとしたが,この神は容貌の醜いことを恥じて,夜間だけ出て働いたので,工事は完成しなかったという。この故事から,歌や物語などに,恋や物事の成就しない場合や醜い顔を恥じたりする場合に引用されることが多い。

葛城山

かつらぎさん 【葛城山】
(1)奈良県と大阪府の境にある金剛山地の一峰。海抜959メートル。修験道最古の霊場。かつらぎやま。かつらぎのやま。
(2){(1)}の北に連なる金剛山に至る一帯の山々の称。かつらぎやま。
〔古くは,現在の葛城山や金剛山を含む総称,もしくはその山脈の主峰である金剛山の称として用いられ,和歌に詠まれた〕
((歌枕))「春柳―に立つ雲の立ちても居ても妹(イモ)をしそ思ふ/万葉 2453」

葛城神道

かつらぎしんとう 【葛城神道】
⇒雲伝神道(ウンデンシントウ)

葛城織

かつらぎおり [0] 【葛城織】
綾織りにした厚地の綿布。服地・布団カバーなどに使う。かつらぎ。太綾。

葛城襲津彦

かずらきのそつひこ カヅラキ― 【葛城襲津彦】
四世紀末前後に実在したと考えられる将軍。仁徳天皇皇后磐之媛(イワノヒメ)の父で,その子孫葛城氏は五世紀を通じて外戚として栄えた。

葛城襲津彦

かつらぎのそつひこ 【葛城襲津彦】
⇒かずらきのそつひこ(葛城襲津彦)

葛子琴

かつしきん 【葛子琴】
(1739-1784) 江戸後期の漢詩人・医家。大坂の人。本姓,葛城氏。居を御風楼と称した。混沌詩社に属し華麗な詩風で知られた。著「葛子琴詩抄」

葛屋

くずや [2] 【葛屋】
藁(ワラ)・茅(カヤ)で葺(フ)いた屋根。また,その家。

葛巻

くずまき [2] 【葛巻(き)】
(1)互いにからみあっている葛のつる。また,そのような形。「こと草も皆とぢ交ぜていとど猶分けこそかぬれ野べの―/為尹千首」
(2)葛練りで巻いた菓子や料理。

葛巻き

くずまき [2] 【葛巻(き)】
(1)互いにからみあっている葛のつる。また,そのような形。「こと草も皆とぢ交ぜていとど猶分けこそかぬれ野べの―/為尹千首」
(2)葛練りで巻いた菓子や料理。

葛巾

かっきん [0] 【葛巾】
葛布(クズフ)の頭巾(ズキン)。

葛布

くずぬの [2] 【葛布】
⇒くずふ(葛布)

葛布

くずふ [2][0] 【葛布】
葛の茎の繊維を緯(ヨコ)糸に用いて織った布。水に強く丈夫なので,古くは袴(ハカマ)・仕事着とし,明治以後襖地・壁装材とした。静岡県掛川の特産。くずぬの。かっぷ。[季]夏。

葛帷子

くずかたびら [3] 【葛帷子】
葛布(クズフ)で作ったかたびら。

葛引き

くずひき [2] 【葛引き】
(1)葛粉を塗った紙。細く切って日本髪の飾りに用いる。
(2)葛餡(クズアン)をかけてある料理。

葛折

つづらおり [0] 【葛折(り)・九十九折(り)】
(1)〔ツヅラのつるのように折れ曲がっている意〕
山道などがはなはだしく曲がりくねっていること。羊腸。
(2)馬術における,馬の乗り方。ジグザグに馬を歩かせるもの。

葛折り

つづらおり [0] 【葛折(り)・九十九折(り)】
(1)〔ツヅラのつるのように折れ曲がっている意〕
山道などがはなはだしく曲がりくねっていること。羊腸。
(2)馬術における,馬の乗り方。ジグザグに馬を歩かせるもの。

葛掛

くずかけ [2][0] 【葛掛(け)】
「餡掛(アンカ)け」に同じ。

葛掛け

かずらかけ カヅラ― 【葛掛け】
桶などのたがをかけること。また,その職人。たがや。[物類称呼]

葛掛け

くずかけ [2][0] 【葛掛(け)】
「餡掛(アンカ)け」に同じ。

葛根

かっこん [0] 【葛根】
クズの根。葛根湯などの漢方薬材料。

葛根湯

かっこんとう [0] 【葛根湯】
漢方薬の一。クズの根を主な材料にし,麻黄・桂枝・生姜(シヨウキヨウ)・甘草(カンゾウ)・芍薬(シヤクヤク)・大棗(タイソウ)を煎(セン)じた薬。風邪などの際に,発汗剤または止瀉(シシヤ)剤として用いる。

葛桜

くずざくら [3] 【葛桜】
桜の葉で包んだ葛饅頭(クズマンジユウ)。[季]夏。

葛水

くずみず [2] 【葛水】
葛湯(クズユ)をひやした飲み物。[季]夏。

葛洪

かっこう 【葛洪】
(283-343頃) 中国,東晋の道士。字(アザナ)は稚川(チセン),号は抱朴子(ホウボクシ)。栄利を望まず,神仙道を修行。晩年は羅浮山(ラフザン)に入り,錬丹と著述に専念。著「抱朴子」「神仙伝」

葛湯

くずゆ [2] 【葛湯】
葛粉に砂糖をまぜ,熱湯をかけてよく練った食べ物。主として幼児食・病人食。[季]冬。

葛溜り

くずだまり [3] 【葛溜り】
葛餡(クズアン)。

葛煉り

くずねり [0][2] 【葛練り・葛煉り】
葛菓子の一。水で濃くといた葛粉に塩少量と砂糖を加え,火にかけてやや固めに練ったもの。

葛煮

くずに [3][0] 【葛煮】
水でといた葛粉を入れて,煮汁にとろみをつけた煮物。

葛生

くずう クズフ 【葛生】
栃木県南西部,安蘇(アソ)郡の町。石灰岩に恵まれ,土石工業が盛ん。1950年(昭和25)人骨化石を発見,葛生人と命名。

葛生

くずう 【葛生】
葛のはえている所。

葛石

かずらいし カヅラ― [3] 【葛石】
社寺の建物の壇の先端にある縁とりの石。

葛笠

つづらがさ [4] 【葛笠】
ツヅラフジで編んだ網代笠(アジロガサ)。近江国水口で産し,一七世紀後半に流行した女物の笠。市女笠(イチメガサ)に似ているが,中のみねがやや低い。「辻のぬけたる―を被き住みなれたるわが宿の名残/浮世草子・織留 2」
葛笠[図]

葛箙

つづらえびら [4] 【葛箙】
ツヅラフジで編んだ箙。公卿の私的な随身などが用いた。

葛篭

つづら【葛篭】
a bamboo[wicket]trunk.

葛籠

つづらこ [3] 【葛籠】
衣服を入れるかご。つづら。

葛籠

つづら [0] 【葛・葛籠】
(1)ツヅラフジのつるを編んで作った,衣服などを入れる蓋(フタ)付きのかご。のちには竹やひのきの薄片で網代(アジロ)に編み,上に紙を貼って柿渋・漆などを塗ったものも作られるようになった。《葛籠》
(2)ツヅラフジなど,山野に生えるつる性の植物。《葛》「上野(カミツケノ)安蘇山―野を広み/万葉 3434」
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は青黒色,裏は淡青色。《葛》
葛(1)[図]

葛籠馬

つづらうま [3] 【葛籠馬】
江戸時代,つづらを背にした馬。その上に人を乗せたり,また,荷物を運んだりした。「かざりたてたる―をひきながら/滑稽本・膝栗毛 5」

葛粉

くずこ [3][0] 【葛粉】
クズの根を粉にし,布袋に入れて水中でもみ出した沈殿粒を脱水乾燥させたもの。白色,良質のデンプンで,菓子などに利用される。吉野地方の名産。

葛粽

くずちまき [3] 【葛粽】
葛粉に砂糖と水を加えてこね,粽(チマキ)のように笹の葉にくるんで蒸した菓子。

葛紙

くずがみ [2] 【国栖紙・葛紙】
和紙の一。雨傘・表具などに用いた厚紙。奈良県国栖地方の産。

葛素麺

くずそうめん [3] 【葛素麺】
葛粉で作ったそうめん。くずめん。

葛練り

くずねり [0][2] 【葛練り・葛煉り】
葛菓子の一。水で濃くといた葛粉に塩少量と砂糖を加え,火にかけてやや固めに練ったもの。

葛織り

くずおり [0] 【葛織り】
葛布(クズフ)で織ること。また,その織ったもの。

葛羊羹

くずようかん [3] 【葛羊羹】
葛粉に砂糖・生餡(ナマアン)などを加えて練り,器に流し込んで蒸した羊羹。

葛芋

くずいも [2] 【葛芋】
マメ科のつる性多年草。中央アメリカ原産。塊根は径40センチメートル重さ15キログラムになり,デンプンや糖分に富む。塊根を食用とするため熱帯地方で広く栽培される。ヤム-ビーン。

葛草

かずらぐさ カヅラ― [3] 【葛草】
「葛(カズラ){(1)}」に同じ。

葛藤

かっとう [0] 【葛藤】 (名)スル
〔もつれ合う葛(カズラ)や藤の意から〕
(1)人と人とが譲ることなく対立すること。争い。もつれ。「藤原氏内部の激しい―」
(2)〔心〕 心の中に相反する欲求が同時に起こり,そのどちらを選ぶか迷うこと。コンフリクト。「―に苦しむ」
(3)禅宗で,解きがたい語句・公案,また問答工夫の意。

葛藤

かっとう【葛藤】
<give rise to> complications; <cause> trouble.→英和

葛藤

つづらふじ [3] 【葛藤】
ツヅラフジ科のつる性落葉木本。暖地の山中に自生。茎は緑色で無毛。葉は互生し,長柄があり,卵円形で時に掌状に浅裂する。雌雄異株。夏,淡緑色の小花を円錐花序に付け,黒熟する核果を結ぶ。つるでかごなどを編み,根・茎は利尿薬やリューマチの薬とする。オオツヅラフジ。
葛藤[図]

葛藤科

つづらふじか [0] 【葛藤科】
双子葉植物離弁花類。熱帯地方に多く,世界に約七〇属四〇〇種がある。つる性の木本または草本,時に直立の低木。雌雄異株。根にアルカロイドを含み薬用とするものもある。アオツヅラフジ・ツヅラフジ・コウモリカズラなど。

葛袴

くずばかま [3] 【葛袴】
葛布(クズフ)で作った小袴。

葛西

かさい 【葛西】
姓氏の一。中世,下総国葛飾郡葛西荘より興った豪族。奥州藤原征伐で功をなし,伊達氏と共に奥州で勢力をふるう。秀吉の小田原征伐に参陣せず,改易され滅ぶ。

葛西

かさい 【葛西】
東京都江戸川区南部工業地区。

葛西善蔵

かさいぜんぞう 【葛西善蔵】
(1887-1928) 小説家。青森県生まれ。「奇蹟」同人。大正期の自然主義的私小説の代表的作家。抒情と飄逸味(ヒヨウイツミ)に満ちた心境小説の佳品を残した。著「哀しき父」「子をつれて」「放浪」など。

葛西囃子

かさいばやし [4] 【葛西囃子】
江戸中期,武蔵国葛西におこった祭礼の囃子。一説に,葛西金町の鎮守香取明神の神職が始めたものという。葛西神社例大祭に奉納される。

葛西因是

かさいいんぜ 【葛西因是】
(1764-1823) 江戸後期の儒学者・文章家。大坂の人。名は質,字(アザナ)は休文。林述斎門人。著「因是文稿」など。

葛西念仏

かさいねんぶつ [4] 【葛西念仏】
(1)江戸中期,武蔵国葛西に始まり江戸の市中を踊りまわった一種の踊り念仏。鉦(カネ)・太鼓に笛を吹き念仏を唱えながら踊り歩いた。泡斎念仏。葛西踊り。
(2)葛西踊りから出た,歌舞伎の下座音楽。鉦や太鼓・三味線を用い,物売りの出入りや寺院など寂しい場面,また立ち回りなどに用いる。

葛西海苔

かさいのり [2] 【葛西海苔】
葛西辺から産出した海苔。浅草海苔。

葛西臨海公園

かさいりんかいこうえん 【葛西臨海公園】
東京都江戸川区,荒川・旧江戸川の河口の間にある都立公園。1989年(平成1)開園。水族園・野鳥園などがある。

葛西舟

かさいぶね [4] 【葛西舟】
葛西の農民が,肥やしにするため江戸の糞尿を運んだ舟。

葛西踊り

かさいおどり [4] 【葛西踊り】
「葛西念仏(カサイネンブツ){(1)}」に同じ。

葛醤油

くずじょうゆ [3] 【葛醤油】
葛粉をといて醤油・酒などを加え,煮立てたとろみのある汁。

葛野流

かどのりゅう 【葛野流】
能楽の大鼓(オオツヅミ)方の流派。江戸初期に活躍した。流祖は葛野九郎兵衛定之。

葛飾

かつしか 【葛飾】
〔古くは「かづしか」とも〕
(1)古く下総(シモウサ)国に属した一郡。現在の東京都葛飾区・千葉県東葛飾郡・埼玉県北葛飾郡はいずれもその一部。
(2)東京都二三区の一。荒川放水路と江戸川にはさまれた住宅・工業地域。

葛飾

かつしか 【葛飾】
姓氏の一。

葛飾北斎

かつしかほくさい 【葛飾北斎】
(1760-1849) 江戸後期の浮世絵師。江戸生まれ。春朗・宗理・画狂人などたびたび号を変えた。勝川春章の門で浮世絵を学ぶ。また,狩野派・土佐派・西洋画などからも画技を学び,風景版画に新生面を開いた。その画風はヨーロッパ印象派の発生に大きな影響を与えた。代表作「富嶽三十六景」「北斎漫画」など。

葛飾派

かつしかは 【葛飾派】
山口素堂を祖とする俳諧の一派。素堂が江戸葛飾に住んだのによる名。二世素丸が唱え出した。学究的な一派で俳諧学者を輩出した。葛飾蕉門。葛飾正風。

葛飾派

かつしかは 【葛飾派】
浮世絵の一流派。葛飾北斎を祖とする。西洋画を学んだ風景画に特徴がある。

葛餅

くずもち [2] 【葛餅】
(1)葛粉・小麦粉,また現在は生麩粉(キブコ)も加えて水でとき,型に流して蒸し固めた和菓子。三角に切って糖蜜・黄な粉をまぶして食べる。[季]夏。《―や老いたる母の機嫌よく/小杉余子》
(2)「葛饅頭(クズマンジユウ)」に同じ。

葛餡

くずあん [0][2] 【葛餡】
葛粉・片栗粉などを加えてとろみをつけた汁。料理にかける。葛溜(ダマ)り。

葛饅頭

くずまんじゅう [3] 【葛饅頭】
葛練りで餡(アン)を包んで蒸した和菓子。くずもち。[季]夏。

葛鬘

くずかずら 【葛鬘】
■一■ (名)
植物クズの異名。[季]秋。
■二■ (枕詞)
葛鬘を手繰る意から,「来る」にかかる。「―来る夜をかけて何恨みけむ/新後拾遺(恋五)」

葛鬱金

くずうこん [3] 【葛鬱金】
クズウコン科の多年草。中南米原産。肥厚した根茎からはデンプンをとり,また家畜の飼料とする。高さ約80センチメートル。葉はカンナに似,白色の三弁花をつける。アロールート。

葛鰹

くずがつお [3] 【葛鰹】
精進料理の一。葛粉に小豆の煮汁をまぜて蒸し,皮に見立てた銀箔で巻いて,鰹の刺身に似せたもの。からし醤油・山葵(ワサビ)醤油などを添える。

ポ [1] 【葡】
「葡萄牙(ポルトガル)」の略。「日―辞書」

葡萄

ぶどう【葡萄】
grapes;a grapevine (つる・木).→英和
‖葡萄園 a vineyard.葡萄酒 wine.葡萄状球菌 a staphylococcus.葡萄摘み a vintager (人).葡萄糖《化》glucose;grape sugar.

葡萄

ぶどう ブダウ [0] 【葡萄】
(1)ブドウ科のつる性落葉木本。西アジア原産。果樹として古く中国を経て渡来。葉は掌状。巻きひげは葉と対生。雌雄異株または同株。五,六月,開花。八〜一〇月,球形の液果が房状になる。果皮は黒紫色・黄緑色・紅紫色など。果実は多汁で甘く生食のほか,ジュース・ジャムなどに加工,また葡萄酒を作る。エビカズラ。[季]秋。
(2)家紋の一。葡萄の実・葉を図案化したもの。

葡萄

えび 【葡萄】
(1)ブドウの古名。
(2)エビヅルの古名。[重訂本草綱目啓蒙]
(3)灰色がかった赤紫色。古くはエビカズラの実で染めた。織り色では経(タテ)赤,緯(ヨコ)薄紫。えび色。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は紫,裏は赤。または表蘇芳(スオウ),裏縹(ハナダ)。冬から春にかけて着用。

葡萄パン

ぶどうパン ブダウ― [2] 【葡萄―】
干しブドウを入れて焼いたパン。レーズン-パン。

葡萄唐草文

ぶどうからくさもん ブダウ― [7] 【葡萄唐草文】
葡萄の蔓(ツル)・葉・房などを図案化した唐草文。
葡萄唐草文[図]

葡萄柿

ぶどうがき ブダウ― [2] 【葡萄柿】
シナノガキの別名。枝に多数の小さな実をつけ,熟すと黒紫色になる。

葡萄棚

ぶどうだな ブダウ― [0] 【葡萄棚】
(1)葡萄の蔓(ツル)をはわせるために竹や木で作った棚。
(2)劇場の舞台上部にある,吊(ツ)り物などを支えるための棚。古く,丸竹の格子を天井に張っていたのでいう。簀の子。

葡萄状

ぶどうじょう ブダウジヤウ [0] 【葡萄状】
多数の小さな粒が葡萄の房のように集まったさま。「―腺」

葡萄状鬼胎

ぶどうじょうきたい ブダウジヤウ― [6] 【葡萄状鬼胎】
⇒胞状奇胎(ホウジヨウキタイ)

葡萄球菌

ぶどうきゅうきん ブダウキウ― [4] 【葡萄球菌】
グラム陽性を示す球菌。培地上では不規則な集塊となって発育し,葡萄の房状に配列する。広く自然界および人体に分布。代表的な化膿菌で,また食中毒の原因となる。
〔自然科学では「ブドウ球菌」と書く〕

葡萄石

ぶどうせき ブダウ― [2] 【葡萄石】
カルシウム・アルミニウム・鉄を含んだ含水ケイ酸塩鉱物。斜方晶系に属し,淡緑・白色・黄色などを呈し,沸石と共生する。

葡萄科

ぶどうか ブダウクワ [0] 【葡萄科】
双子葉植物離弁花類の一科。世界に一二属七〇〇種があり,熱帯に多い。つる性の低木まれに多年草で巻きひげがある。果実は液果。ブドウ・ツタ・ヤブカラシなど。

葡萄糖

ぶどうとう ブダウタウ [0] 【葡萄糖】
炭素数六個の単糖類。化学式 C�H��O� デンプン・グリコーゲンの加水分解により得られる。水に溶けて還元性を示す。遊離の状態で甘い果実の中に多量に分布し,ヒトの血液中にもわずかに存在する。動植物のエネルギー代謝の中心に位置する重要な物質。D -グルコース。
〔自然科学では「ブドウ糖」と書く〕

葡萄膜

ぶどうまく ブダウ― [2] 【葡萄膜】
虹彩・脈絡膜・毛様体の総称。眼球壁の外膜と内膜の間にあって中層を形成する柔らかい薄い膜。葡萄の皮に似た色をしているのでこの名がある。眼球血管膜。

葡萄色

えびいろ [0] 【葡萄色】
「えび(葡萄){(3)}」に同じ。

葡萄色

ぶどういろ ブダウ― [0] 【葡萄色】
よく熟した葡萄の実の色。赤黒い紫色。

葡萄茶

えびちゃ [0] 【葡萄茶】
茶色味を帯びた葡萄(エビ)色。

葡萄茶式部

えびちゃしきぶ [5] 【葡萄茶式部】
〔明治30年代にえび茶色の袴が女学生の間で流行したことから〕
女学生の異名。

葡萄葛

えびかずら 【葡萄葛】
(1)ヤマブドウ・エビヅルなどの古名。[和名抄]
(2)かもじ。「御髪などもいたく盛り過ぎにけり。…―してぞつくろひ給ふべき/源氏(初音)」

葡萄蔓虫

えびづるむし [4] 【葡萄蔓虫・蘡薁虫】
ブドウスカシバの幼虫。ブドウやエビヅルの茎に食い入る害虫。体長約4センチメートル。釣りや小鳥の餌(エサ)にする。

葡萄酒

ぶどうしゅ ブダウ― [2][0] 【葡萄酒】
葡萄の果実または果汁を発酵させた醸造酒。紀元前三,四千年の頃からある最古の酒といわれ,宗教との結びつきも強い。原料の葡萄の種類によって製法・味・色などが異なるが,普通,赤・白・ロゼに大別する。ワイン。

葡萄鼠

ぶどうねずみ ブダウ― [4] 【葡萄鼠】
赤みがかったねずみ色。

董仲舒

とうちゅうじょ 【董仲舒】
(前176頃-前104頃) 中国,前漢の儒学者。武帝のとき,五経博士を置き儒教を国の根本思想とすべきことを建言。後世の儒学隆盛のもとをつくった。著「春秋繁露」

董作賓

とうさくひん 【董作賓】
(1895-1963) 中国の考古学者。字(アザナ)は彦堂(ゲンドウ)。李済(リサイ)らとともに安陽の殷墟(インキヨ)の発掘を行い,以後,甲骨文字の研究に専念,甲骨学の基礎を確立した。著「甲骨文断代研究例」「殷暦譜」など。トン=ツオピン。

董其昌

とうきしょう 【董其昌】
(1555-1636) 中国,明代の文人画家・書家。字(アザナ)は玄宰。号は思白。南宗画を理論的・様式的に最も優れたものとし,画論「画禅室随筆」を著す。

董卓

とうたく 【董卓】
(?-192) 中国,後漢末の群雄の一人。強力な軍隊を背景に少帝を廃して献帝を擁立し,一時政権を掌握したが,部下の呂布に殺された。

董源

とうげん 【董源】
中国,五代宋初期の画家。字(アザナ)は叔達。南唐に仕え北苑使となったので董北苑とも称される。山水画技法の基礎を確立,後世南宗画の祖と呼ばれる。生没年未詳。

董狐

とうこ 【董狐】
中国,春秋時代の晋の史官。晋の霊公が趙穿に殺されたのに,時の上卿趙盾は賊の穿を討たなかった。それゆえ狐は「盾その君を弑(シイ)す」と記述したという。権勢を恐れず,歴史の真実を表すことを董狐の筆という。生没年未詳。

董督

とうとく [0] 【董督】
〔「董」はただす意〕
監督して正すこと。とりしまること。

あし【葦】
a reed;→英和
a rush.→英和

よし【葦】
《植》a reed.→英和

あし [1] 【葦・蘆・葭】
イネ科の多年草。温帯および暖帯に広く分布し,水辺に自生する。地下の長い根茎から高さ2メートル以上に達する稈(カン)(茎)を出し,群生する。葉は二列に互生し,ササの葉に似る。秋,ススキに似た大きな穂を出す。稈は簾(スダレ)やよしずにする。「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで,「よし」ともいう。ハマオギ。[季]秋。

よし [1] 【葦・蘆・葭】
〔「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで言い換えた語〕
植物アシのこと。[季]秋。

葦が散る

あしがちる 【葦が散る】 (枕詞)
葦の多かった難波(ナニワ)の実景から,地名「難波」にかかる。「―難波の御津に/万葉 4331」

葦の根の

あしのねの 【葦の根の】 (枕詞)
(1)「ね」の音を繰り返して,「ねもころ」にかかる。「―ねもころ思ひて/万葉 1324」
(2)根に節(ヨ)のあることから,「夜」「世」などにかかる。「―夜の短くて/後撰(恋四)」
(3)根が分かれていることから,「分けても」にかかる。「―分けても人に逢はむとぞ思ふ/後撰(恋二)」
(4)根が埿(ウキ)の中にあることから,「憂き」にかかる。「―憂き身のほどと知りぬれば/後拾遺(恋四)」

葦の矢

あしのや 【葦の矢】
葦の茎で作った矢。朝廷で追儺(ツイナ)の式の時,桃の弓につがえて,鬼を射るのに使った。

葦の穂綿

あしのほわた [1] 【葦の穂綿・蘆の穂絮】
晩秋,熟した葦の花穂に生じる白い細毛。風に乗って飛ぶ。昔,綿の代わりに着物や布団の中に入れた。[季]秋。

葦の葉鰈

あしのはがれい [5] 【葦の葉鰈】
「木の葉鰈」に同じ。

葦の角

あしのつの [1] 【葦の角】
「あしづの(葦角)」に同じ。[季]春。《やゝありて汽艇の波や―/水原秋桜子》

葦五位

よしごい [2] 【葦五位】
コウノトリ目サギ科の鳥。全長約35センチメートルで小形。全体が黄褐色で頭上と翼の一部が黒い。水辺の葦原にすみ,水生昆虫や小魚を食べる。アシやマコモの間にひそみ,敵が近づくと首を上にのばし,くちばしを立てて,アシの茎に似せて体をゆらす習性がある。アジアの東部から南に分布。日本には夏鳥として渡来し,各地で繁殖する。

葦五位

あしごい [3] 【葦五位】
鳥ヨシゴイの異名。

葦付

あしつき [0] 【葦付】
藍藻類ユレモ目の淡水藻。じゅず状に連なった細胞列が寒天質に包まれて塊となり,浅瀬の石に付着する。食用。アシツキノリ。

葦分け

あしわけ 【葦分け・葦別け】 (名・形動ナリ)
葦の茂った中をおしわけて舟を漕いで行くこと。また,舟が進むのにはさわりがあることから,物事にさしさわりがあるさまにもいう。「過ぎぬる夜は―なる事のありしなり/頼政集」

葦切

よしきり [0][3] 【葦切・葦雀】
(1)スズメ目ウグイス科のオオヨシキリとコヨシキリの総称。一般にはオオヨシキリをさす。中国南部から夏鳥として渡来する。そのそうぞうしい鳴き声から「行々子(ギヨウギヨウシ)」ともいう。葦原雀(ヨシワラスズメ)。[季]夏。《―や漸暮れて須磨の浦/蓼太》
(2)早口で多弁な人。

葦切り

よしきり【葦切り】
《鳥》a reed warbler.

葦切鮫

よしきりざめ [4] 【葦切鮫】
ネズミザメ目の海魚。全長6メートルに達する。体はやや細長く,胸びれは長い。背面は藍青色で,腹面は白い。性質は獰猛(ドウモウ)。肉は蒲鉾(カマボコ)など練り製品の材料,ひれは「鱶(フカ)ひれ」として中国料理に使われる。熱帯から亜寒帯まで広く分布。ミズブカ。

葦刈り

あしかり 【葦刈り・蘆刈り】
葦を刈ること。また,その人。[季]秋。「―に堀江漕ぐなる楫(カジ)の音は/万葉 4459」

葦刈り小舟

あしかりおぶね 【葦刈り小舟】
葦を刈って積む小舟。あしぶね。「―所々に棹さして/東関紀行」

葦別け

あしわけ 【葦分け・葦別け】 (名・形動ナリ)
葦の茂った中をおしわけて舟を漕いで行くこと。また,舟が進むのにはさわりがあることから,物事にさしさわりがあるさまにもいう。「過ぎぬる夜は―なる事のありしなり/頼政集」

葦別け小舟

あしわけおぶね 【葦別け小舟】
葦の生い茂った中を漕いで行く小舟。さしさわりのあるさまにたとえる。「湊(ミナト)入りの―障(サワ)り多み/万葉 2745」

葦原

あしはら [0][2] 【葦原】
葦が生い茂っている原。あしわら。

葦原

よしわら [2] 【葦原】
葦の生い茂っている原。

葦原

あしわら [0][2] 【葦原】
⇒あしはら(葦原)

葦原の中つ国

あしはらのなかつくに 【葦原の中つ国】
日本の,神話的名称。「―に遣はせる天の菩比(ホヒ)の神/古事記(上訓)」
→中つ国

葦原の千五百秋の瑞穂の国

あしはらのちいおあきのみずほのくに 【葦原の千五百秋の瑞穂の国】
豊饒(ホウジヨウ)の永続する国の意で,「葦原の中つ国」の美称。「―は,これ吾が子孫の王たるべき地なり/日本書紀(神代下訓)」

葦原の国

あしはらのくに 【葦原の国】
「葦原の中つ国」に同じ。「―へたちにしいさをなりけり/日本紀竟宴和歌」

葦原の瑞穂の国

あしはらのみずほのくに 【葦原の瑞穂の国】
「葦原の千五百(チイオ)秋の瑞穂の国」に同じ。「―を天降り知らしめしける皇祖(スメロキ)の/万葉 4094」

葦原色許男

あしはらのしこお 【葦原醜男・葦原色許男】
記紀神話では大己貴神(オオナムチノカミ)(大国主)の別称とされるが,本来は別神。「播磨国風土記」には天日槍(アマノヒボコ)と土地の占有をめぐって争う神と伝えられる。

葦原醜男

あしはらのしこお 【葦原醜男・葦原色許男】
記紀神話では大己貴神(オオナムチノカミ)(大国主)の別称とされるが,本来は別神。「播磨国風土記」には天日槍(アマノヒボコ)と土地の占有をめぐって争う神と伝えられる。

葦原雀

よしわらすずめ [5] 【葦原雀】
ヨシキリの別名。[季]夏。

葦垣

あしがき 【葦垣】
〔上代は「あしかき」〕
(1)葦で結った垣根。「―の隈処(クマト)に立ちて/万葉 4357」
(2)催馬楽(サイバラ)の曲名。「声いとなつかしくて―うたふ/源氏(藤裏葉)」

葦垣の

あしがきの 【葦垣の】 (枕詞)
〔上代は「あしかきの」〕
葦垣が外と内とを隔てすき間のないことから,また,古くなりやすいことから,「古る」「乱る」「間近し」「外(ホカ)」にかかる。「難波の国は―古りにし里と/万葉 928」「―外に嘆かふ我(アレ)し悲しも/万葉 3975」

葦子

よしご [2] 【葦子・葭子】
葦の若芽。あしづの。

葦子笛

よしごぶえ [3][4] 【葦子笛】
葦子でつくった笛。

葦屋菟原処女

あしやのうないおとめ 【葦屋菟原処女】
⇒うないおとめ(菟原処女)

葦戸

よしど [2] 【葦戸・葭戸】
よしずを張った戸。夏,襖(フスマ)・障子などを外して代わりに使う。簾戸(スド)。葭障子。[季]夏。

葦手

あしで [0] 【葦手】
(1)文字を絵画風にくずして,水辺の葦を中心に水流・岩・草・鳥などをかたどったもの。平安時代に行われた。文字絵。葦手書き。
(2){(1)}に描かれているような文字の書体。
(3)「葦手絵」に同じ。
葦手(1)[図]

葦手文字

あしでもじ [4] 【葦手文字】
「葦手{(2)}」に同じ。

葦手書き

あしでがき [0] 【葦手書き】
「葦手{(1)}」に同じ。

葦手絵

あしでえ [3] 【葦手絵】
大和絵の一。中世に葦手{(1)}から発展して,絵の中に葦手の文字を組み込んだり,葦手の文字と絵とで一つの歌を表したりした装飾的絵画。料紙の下絵や蒔絵(マキエ)の意匠に用いられた。

葦根延ふ

あしねはう 【葦根延ふ】 (枕詞)
葦の根は水の下や埿(ウキ)をはうので,「下」「憂き」にかかる。「―下にのみこそ沈みけれ/拾遺(雑下)」

葦毛

あしげ【葦毛】
a gray (horse).→英和

葦毛

あしげ [0][3] 【芦毛・葦毛】
馬の毛色の名。体の一部や全体に白い毛が混生し,年齢とともにしだいに白くなる。はじめは栗毛や鹿毛にみえることが多い。原毛色の残り方から赤芦毛・連銭芦毛など種々ある。

葦毛雲雀

あしげひばり [4] 【葦毛雲雀】
馬の毛色の名。葦毛に雲雀(ヒバリ)毛のまじったもの。

葦海老

よしえび [2] 【葦海老】
海産のエビ。体長約18センチメートル。全身淡褐色で,微小な毛におおわれる。食用。本州中部以南に分布。スエビ。

葦火

あしび [2] 【葦火】
葦刈りの人が暖をとるために刈った葦を燃やす焚き火。[季]秋。《菅の火は蘆の火よりも尚弱し/虚子》

葦田鶴

あしたず 【葦田鶴】
鶴(ツル)の異名。「湯の原に鳴く―は/万葉 961」

葦田鶴の

あしたずの 【葦田鶴の】 (枕詞)
「ねのみし泣く」「泣く」にかかる。「―音(ネ)のみし泣かゆ朝夕(アサヨイ)にして/万葉 456」

葦登

よしのぼり [3] 【葦登】
スズキ目の淡水魚。全長約9センチメートル。淡水産のハゼの一種で,腹びれは吸盤状。体色や斑紋は生息地により変化に富む。美味で佃煮(ツクダニ)とする。日本各地と朝鮮半島・中国に分布。ゴリ。
→ハゼ

葦竹

よしたけ [2] 【葦竹・葭竹】
ダンチクの別名。

葦笛

よしぶえ [3][0] 【葦笛】
葦で作った笛。あしぶえ。

葦笛

あしぶえ [0][3] 【葦笛】
(1)葦の葉を巻いて作った草ぶえ。
(2)葦の茎で作った,たて笛。
→ケーナ

葦簀

よしず [0] 【葦簀・葭簀】
葦の茎を編んで作った,すだれ状のもの。立てかけて日除け,目隠しなどに用いる。よしすだれ。[季]夏。

葦簀囲い

よしずがこい [4] 【葦簀囲い】
葦簀で囲うこと。また,その囲い。

葦簀張

よしずばり [0] 【葦簀張(り)】
葦簀で囲うこと。また,囲った小屋。

葦簀張り

よしずばり [0] 【葦簀張(り)】
葦簀で囲うこと。また,囲った小屋。

葦簾

よしず【葦簾】
a marsh-reed screen.

葦簾

あしすだれ [3] 【葦簾】
(1)葦の茎を編んだすだれ。よしず。
(2)鈍色(ニビイロ)のへりをつけた,葦のすだれ。中古,諒闇(リヨウアン)の時,天皇のこもる倚廬(イロ)に掛けた。

葦簾

よしすだれ [3] 【葦簾・葭簾】
「よしず」に同じ。[季]夏。

葦舟

あしぶね [0][2] 【葦舟・葦船】
(1)葦を編んで作った舟。記紀神話で,蛭子(ヒルコ)をのせて流した。
(2)水に浮いている葦の葉を舟にたとえていう。

葦船

あしぶね [0][2] 【葦舟・葦船】
(1)葦を編んで作った舟。記紀神話で,蛭子(ヒルコ)をのせて流した。
(2)水に浮いている葦の葉を舟にたとえていう。

葦葺き

あしぶき [0] 【葦葺き】
屋根を葦で葺(フ)くこと。また,その屋根や家。

葦角

あしづの [0] 【葦角】
早春,水辺に生い出た葦の新芽。あしのつの。あしかび。あしわか。

葦辺

あしべ [0][3] 【葦辺・蘆辺】
アシの生えている水辺。

葦雀

よしきり [0][3] 【葦切・葦雀】
(1)スズメ目ウグイス科のオオヨシキリとコヨシキリの総称。一般にはオオヨシキリをさす。中国南部から夏鳥として渡来する。そのそうぞうしい鳴き声から「行々子(ギヨウギヨウシ)」ともいう。葦原雀(ヨシワラスズメ)。[季]夏。《―や漸暮れて須磨の浦/蓼太》
(2)早口で多弁な人。

葦鴨

よしがも [3][0] 【葦鴨】
カモ目カモ科の水鳥。全長約46センチメートル。雄は頭部の金属光沢のある黒色の羽毛と翼の三列風切羽が長くのびて美しい。雌は地味な褐色。アジア東北部に分布。日本では北海道で繁殖。冬は本州以南の各地や台湾に渡る。ミノガモ。ミノヨシ。

葦鴨

あしがも 【葦鴨】
〔葦辺に群れているところから〕
鴨。「渚には―騒き/万葉 3993」

葦鴨の

あしがもの 【葦鴨の】 (枕詞)
葦辺に鴨が群れいることから,「うち群れ」にかかる。「―うち群れて/土左」

葦鹿

あしか [0] 【海驢・葦鹿】
(1)食肉目アシカ科の海獣の総称。アシカ・トド・オットセイ・オタリアなどを含む。
(2){(1)}の一種。体長は雄が約2メートル,雌は約1.5メートル。毛は暗褐色。四肢は遊泳に適するよう,魚のひれ状に変化している。一夫多妻で,群れをなして生活し,警戒心が強い。太平洋に広く分布。うみうそ。
(3)〔アシカは眠りを好むと信じられたことから〕
眠たがる人。特に,よく眠る若い遊女。「―の名代席料を三分捨/柳多留 102」

にんにく [0] 【大蒜・蒜・葫】
ユリ科の多年草。原産地は不明。世界各地で古くから栽培。鱗茎は大きく,数個の小鱗茎に分かれる。高さ約60センチメートル。葉は広線形。夏,茎頂に白紫色の花を散形につける。全体に特異な臭気がある。鱗茎を食用とし,肉や魚のくさみを消し香味を添えるのに用い,また,強壮薬とする。ガーリック。[季]春。《―を噛みつゝ粥の熱き吸ふ/長谷川素逝》

ひる [1] 【蒜・葫】
ノビル・ニンニク・ネギなどの古名。「いざ子ども野蒜摘みに―摘みに/古事記(中)」

そう サウ 【葬】
死者をほうむること。「―の時の作法・坐儀/沙石(一〇・古活字本)」

葬り去る

ほうむりさ・る ハウムリ― [5] 【葬り去る】 (動ラ五[四])
(1)表面に現れないようにしてしまう。ほうむる。「闇に―・る」
(2)社会的に失墜(シツツイ)させる。ほうむる。「社交界から―・る」

葬る

ほうぶ・る ハウブル 【葬る】 (動ラ四)
「ほうむる(葬)」に同じ。[色葉字類抄]

葬る

ほうむる【葬る】
bury;→英和
shelve <a bill> (握りつぶす).→英和

葬る

はぶ・る 【葬る】 (動ラ四)
〔「はふる(放)」と同源。「はふる」とも〕
(1)死体を埋葬する。ほうむる。「神葬(カムハブ)り―・り奉れば/万葉 3324」
(2)火葬にする。「薪をつみて―・りて,上に石のそとばを立てけり/著聞 2」

葬る

ほうむ・る ハウムル [3] 【葬る】 (動ラ五[四])
〔「はぶる」の転〕
(1)死体や遺骨を墓や土中に埋める。「なきがらを墓に―・る」
(2)表面に現れないようにする。世間に知られないようにする。また,捨て去る。「闇から闇に―・る」「社会から―・られる」「忌まわしい過去を―・る」
[可能] ほうむれる

葬儀

そうぎ【葬儀】
a funeral[burial](service).→英和
〜に参列する attend a funeral.〜を行なう conduct a funeral.‖葬儀屋[人]an undertaker; <米> a mortician;[店]an undertaker's; <米> a funeral home.

葬儀

そうぎ サウ― [1] 【葬儀】
死者をほうむる儀式。葬式。

葬儀社

そうぎしゃ サウ― [3] 【葬儀社】
葬儀に必要な用具の調達や業務を請け負う職業。また,その人。葬儀屋。

葬具

そうぐ サウ― [1][0] 【葬具・喪具】
葬式に用いる道具。

葬列

そうれつ【葬列】
a funeral procession.

葬列

そうれつ サウ― [0] 【葬列】
葬式の行列。

葬制

そうせい サウ― [0] 【葬制】
死を取り扱う方式。火葬・土葬・水葬・風葬・鳥葬などの葬法や死者儀礼などが含まれ,各民族のもつ死生観・霊魂観・他界観などにより多様な形態がある。

葬地

そうち サウ― [1] 【葬地】
遺体を埋葬する場所。墓地。

葬場

そうじょう サウヂヤウ [0] 【葬場・喪場】
葬式を行う式場。葬儀場。斎場。

葬場殿

そうじょうでん サウヂヤウ― [3] 【葬場殿・喪場殿】
天皇の崩御の際,葬儀場に設ける仮殿。そうばどの。

葬式

そうしき サウ― [0] 【葬式】
死者をほうむる儀式。葬儀。とむらい。「―を出す」

葬式

そうしき【葬式】
⇒葬儀.

葬斂

そうれん サウ― [0] 【葬殮・葬斂】
〔「殮」「斂」はおさめる意〕
死者を葬ること。また,その儀式。

葬殮

そうれん サウ― [0] 【葬殮・葬斂】
〔「殮」「斂」はおさめる意〕
死者を葬ること。また,その儀式。

葬法

そうほう サウハフ [0] 【葬法】
遺体をほうむる方法。土葬・火葬・水葬・風葬の類。

葬礼

そうれい サウ― [0] 【葬礼】
死者をほうむる儀式。葬式。葬儀。とむらい。喪礼。

葬祭

そうさい サウ― [0] 【葬祭】
葬式と先祖のまつり。「冠婚―」

葬祭料

そうさいりょう サウ―レウ [3] 【葬祭料】
(1)葬式の費用。
(2)〔法〕 労働基準法上の災害補償の一。労働者が業務上死亡した場合に,使用者が葬祭を行う者に対して支払うもの。

葬車

そうしゃ サウ― [1] 【葬車・喪車】
柩(ヒツギ)を載せて運ぶ車。轜車(ジシヤ)。

葬輿嫁入り

そうよよめいり サウヨ― [4] 【葬輿嫁入り】
〔昔,女子は嫁に行ったら二度と実家に戻らないようにと,婚礼を葬礼とみたてたところから〕
葬式をかたどった嫁入り。葬儀の輿(コシ)に乗っての嫁入り。

葬送

そうそう サウ― [0] 【葬送】 (名)スル
死者をほうむるため墓地に送ること。死者をほうむるのを見送ること。送葬。

葬送曲

そうそうきょく【葬送曲】
a funeral march.

葬送行進曲

そうそうこうしんきょく サウ―カウシン― 【葬送行進曲】
〔(イタリア) funeral march〕
葬送のための行進曲。ベートーベンの交響曲「英雄」の第二楽章,ショパンのピアノ-ソナタ第二番の第三楽章など。

葬頭川

そうずがわ サウヅガハ 【三途川・葬頭川】
〔「そうず」は「さんず」の転〕
「三途(サンズ)の川」に同じ。

よし [1] 【葦・蘆・葭】
〔「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで言い換えた語〕
植物アシのこと。[季]秋。

あし [1] 【葦・蘆・葭】
イネ科の多年草。温帯および暖帯に広く分布し,水辺に自生する。地下の長い根茎から高さ2メートル以上に達する稈(カン)(茎)を出し,群生する。葉は二列に互生し,ササの葉に似る。秋,ススキに似た大きな穂を出す。稈は簾(スダレ)やよしずにする。「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで,「よし」ともいう。ハマオギ。[季]秋。

葭子

よしご [2] 【葦子・葭子】
葦の若芽。あしづの。

葭戸

よしど [2] 【葦戸・葭戸】
よしずを張った戸。夏,襖(フスマ)・障子などを外して代わりに使う。簾戸(スド)。葭障子。[季]夏。

葭竹

よしたけ [2] 【葦竹・葭竹】
ダンチクの別名。

葭簀

よしず [0] 【葦簀・葭簀】
葦の茎を編んで作った,すだれ状のもの。立てかけて日除け,目隠しなどに用いる。よしすだれ。[季]夏。

葭簾

よしすだれ [3] 【葦簾・葭簾】
「よしず」に同じ。[季]夏。

葭障子

よししょうじ [3] 【葭障子】
「葭戸(ヨシド)」に同じ。[季]夏。

葮竹

だんちく [0] 【葮竹・暖竹】
イネ科の大形多年草。暖地の海岸に群生し,稈(カン)は高さ3メートル内外で太く節がある。葉は広線形で長さ70センチメートルに達し,白緑色。秋,大形の花穂に白色または帯紫色の小穂を多数密生する。葭竹(ヨシタケ)。

やく【葯】
《植》an anther.→英和

やく [1] 【葯】
雄しべの一部で,花粉をつくる器官。被子植物では花糸の先端に生じ,二個の花粉嚢(ノウ)からなる。
→花式図

葯培養

やくばいよう [3] 【葯培養】
葯を培養し,半数体の植物を作ること。
→花粉培養

ねぎ【葱】
《植》a Welsh onion;a leek.→英和

き 【葱】
ネギの古名。「秋―のいやふたごもり/日本書紀(仁賢訓)」

ねぎ [1] 【葱】
ユリ科の多年草。シベリア南西部原産といい,古く中国を経て日本に渡来。葉は中空の円筒形で緑色。基部は白く莢(サヤ)となって巻き合う。花茎の頂に「ねぎぼうず」といわれる白色小花を多数散状につける。主に関東では軟白化した白色部を,関西では軟白化せず緑色部を食用とする。ナガネギ。ネブカ。ヒトモジ。古名,き。[季]冬。

葱坊主

ねぎぼうず [3] 【葱坊主】
ネギの花。球状についた白い小さな花を坊主頭に見立てたもの。[季]春。

葱嶺

そうれい 【葱嶺】
中央アジアの南部にあるパミール高原の中国語名。前漢の頃から西域への重要な交通路であり,中国勢力圏の西境。

葱油

ねぎあぶら [3] 【葱油】
ネギを低温で揚げ,香りをつけた油。中国料理で炒(イタ)めものなどに使う。

葱花

そうか [1] 【葱花】
(1)ネギの花。
(2)擬宝珠(ギボシ){(1)}の異名。
(3)「葱花輦(ソウカレン)」に同じ。

葱花輦

そうかれん [3] 【葱花輦】
屋形の頂に葱花の形をした金色の玉を据えた輿(コシ)。天皇の乗用。神事または行幸に用いられた。なぎのはなのみこし。なぎの花。華輦。
葱花輦[図]

葱鮪

ねぎま [0][3] 【葱鮪】
ネギとマグロを取り合わせた料理。鍋物またはすまし汁とする。

あおい【葵】
《植》a hollyhock.→英和

あおい アフヒ [0] 【葵】
(1)アオイ科の植物,タチアオイ・ゼニアオイ・モミジアオイなどの総称。[季]夏。
(2)フタバアオイのこと。カモアオイ。
(3)フユアオイの古名。「延(ハ)ふ葛(クズ)の後も逢はむと―花咲く/万葉 3834」
(4)「葵襲(アオイガサネ)」に同じ。
(5)家紋の一。フタバアオイの葉を図案化したもの。賀茂神社の神紋に由来する。葵巴(アオイドモエ)は徳川氏の紋。
→葵巴
(6)源氏物語の巻名。第九帖。賀茂祭見物の車争いで六条御息所(ミヤスドコロ)の恨みを買った葵の上は,産褥(サンジヨク)をその生き霊に悩まされて急死する。
葵(5)[図]

葵の上

あおいのうえ アフヒ―ウヘ 【葵の上】
(1)源氏物語の作中人物。光源氏の正妻。夕霧の母。六条御息所(ミヤスドコロ)の生き霊に悩まされて急死する。
(2)能楽の曲名。四番目物。古作を世阿弥が書き改めたもの。源氏物語を典拠とし,六条御息所の生き霊をシテにとり,嫉妬(シツト)の執念を主題とする。のちに,浄瑠璃・箏曲(ソウキヨク)・長唄などにも取り入れられた。

葵下坂

あおいしもさか アフヒ― [5] 【葵下坂】
越前の刀工下坂市之丞(康継)およびその子孫の鍛えた刀。徳川家康から「康」の字を賜り,刀に葵の紋を刻むことを許されたことからいう。青江下坂。

葵向

きこう [0] 【葵向】
(1)ヒマワリの花が日に向かうこと。
(2)徳の高い人などを仰ぎ慕うこと。

葵巴

あおいどもえ アフヒドモヱ [4] 【葵巴】
フタバアオイの葉を三枚,巴形に組み合わせた紋。徳川氏の紋。三葉葵。

葵座

あおいざ アフヒ― [0] 【葵座】
兜(カブト)の天頂(テヘン)の穴の周囲につける葵の葉の形をした金具。

葵祭

あおいまつり アフヒ― 【葵祭】
京都市の上賀茂神社と下鴨神社両社の祭礼。祭日はもと,四月の中の酉(トリ)の日。現在は五月一五日。平安時代に「まつり」といえばこの祭りを意味するほど盛大であった。牛車・社殿・冠などを葵鬘(アオイカズラ)で飾ったところからいう。賀茂祭。北祭。[季]夏。
→御生(ミアレ)
→御蔭祭(ミカゲマツリ)

葵科

あおいか アフヒクワ [0] 【葵科】
双子葉植物の一科。熱帯を中心に約七五属一〇〇〇種が分布。草本または低木。花弁は五枚。おしべは多数で花糸が筒状に癒合。果実は蒴果(サクカ)。フヨウ・ハイビスカス・オクラ・ワタなど。

葵草

あおいぐさ アフヒ― [3] 【葵草】
フタバアオイの異名。

葵菫

あおいすみれ アフヒ― [4] 【葵菫】
スミレ科の多年草。山野・路傍に見られる。全株に細毛がある。葉は根生し,長い柄をもつ心円形。早春,淡紫色の花を横向きにつける。ヒナブキ。

葵襲

あおいがさね アフヒ― [4] 【葵襲】
襲の色目の名。表は薄青,裏は薄紫または紫。四月頃に着用。葵。

葵鍔

あおいつば アフヒ― [3][4] 【葵鍔・葵鐔】
太刀鐔の一。木瓜(モツコウ)形の四辺の中央をとがらせ,四隅の切れ込みに猪(イ)の目を透かしたりしたもの。平安時代に発生し兵仗の太刀に用いられ,桃山期以後は太刀鐔を代表した。
葵鐔[図]

葵鐔

あおいつば アフヒ― [3][4] 【葵鍔・葵鐔】
太刀鐔の一。木瓜(モツコウ)形の四辺の中央をとがらせ,四隅の切れ込みに猪(イ)の目を透かしたりしたもの。平安時代に発生し兵仗の太刀に用いられ,桃山期以後は太刀鐔を代表した。
葵鐔[図]

葵鬘

あおいかずら アフヒカヅラ [4] 【葵鬘】
京都の賀茂神社の祭りに用いる飾り。賀茂神社の神紋であるフタバアオイの葉を,冠や烏帽子(エボシ)・牛車(ギツシヤ)・社前などに掛けて物忌みの印としたもの。また,祭神,賀茂別雷命(カモワケイカズチノミコト)にちなんで,雷除けのまじないともされた。葵桂。[季]夏。
→諸鬘(モロカズラ)

葷粥

くんいく 【葷粥・獯鬻】
古代中国で北方に住んでいた異民族。匈奴と同一種族であるともいわれるが不明。

葷羶

くんせん [0] 【葷羶】
ネギ・ニラなど臭気のある野菜と,生ぐさい肉。

葷菜

くん・さい [0] 【葷菜】
ネギ・ニラ・ニンニクなどのように,においの強い野菜。

葷辛

くんしん [0] 【葷辛】
臭気のあるニラ・ニンニクのような野菜と,辛みのあるショウガのような野菜。

葷酒

くんしゅ [1] 【葷酒】
ネギ・ニラなど臭気のある野菜と酒。

葺き下ろし

ふきおろし [0] 【葺き下ろし】
母屋の屋根を延長して,母屋に付属した下屋の屋根にすること。また,その屋根。

葺き土

ふきつち [0] 【葺き土】
屋根瓦が滑り落ちないようにその下に敷く土。粘土に少量の石灰や苆(スサ)を混ぜたもの。

葺き地

ふきじ [0] 【葺き地】
屋根に瓦(カワラ)などを葺くための下地。野地。

葺き師

ふきし [2] 【葺き師】
屋根葺きを職業とする人。屋根屋。

葺き替え

ふきかえ [0] 【葺き替え】
屋根の藁(ワラ)・茅(カヤ)・瓦(カワラ)などを新しいものと替えること。屋根替え。[季]春。

葺き替える

ふきか・える [4][3][0] 【葺き替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ふきか・ふ
屋根を新しい材料で葺き改める。「屋根を―・える」

葺き板

ふきいた [0][3] 【葺き板】
屋根を葺く板。屋根板。

葺き石

ふきいし [0] 【葺き石】
古墳の墳丘の表面をおおった石。

葺き籠り

ふきごもり [0] 【葺き籠り】
陰暦五月五日またはその前夜の称。ショウブとヨモギで屋根を葺いて家に籠る風習があり,この日を「女の家」「女の屋根」と呼ぶ地方もある。

葺き草

ふきぐさ [2] 【葺き草】
(1)屋根を葺くのに用いる草。藁(ワラ)・茅(カヤ)など。
(2)ショウブの異名。

葺き足

ふきあし [0] 【葺き足】
屋根に葺き重ねた瓦(カワラ)などの,一つの瓦の下端から上に重ねた瓦の下端までの長さ。

葺く

ふ・く [0][1][2] 【葺く】 (動カ五[四])
(1)板・瓦(カワラ)・茅(カヤ)などで屋根をおおう。「瓦で屋根を―・く」「秋の野のみ草刈り―・き宿れりし/万葉 7」
(2)軒に草木をさしかざす。「菖蒲―・く家に,時鳥なけり/落窪 3」
[可能] ふける

葺く

ふく【葺く】
tile <the roof> (かわらで);→英和
thatch (草・わら).→英和

しもと [0] 【葼・楉・細枝】
枝の茂った若い木立。[和名抄]

葼勝ち

しもとがち 【葼勝ち】 (形動ナリ)
若い枝が多いさま。「桃の木若立ちて,いと―にさし出でたる/枕草子 114」

葼原

しもとはら 【葼原】
しもとの茂っている原。枝の群れ茂った林。

葼机

しもとづくえ 【葼机】
しもとを並べ束ねて作った机。神を祀(マツ)る時の道具。葼棚。

葼棚

しもとだな 【葼棚】
「葼机(シモトヅクエ)」に同じ。

葼結ふ

しもとゆう 【葼結ふ】 (枕詞)
しもとを結う物の意で,「葛城山(カヅラキヤマ)」「まさきのつな」にかかる。「―かづらきやまにふる雪の/古今(大歌所)」「恋衣色には出でじ―まさきの綱の夜の時雨に/新続古今(恋一)」

すくも [0] 【蒅】
藍(アイ)の葉に水を加えて発酵させたもの。黒褐色の塊。
→藍染め

蒋介石

しょうかいせき シヤウ― 【蒋介石】
(1887-1975) 中国の政治家。浙江省の人。日本の陸軍士官学校出身。孫文死後,国民党で実力を伸ばし,北伐を経て南京政府と国民党の実権を掌握,次第に反共独裁化した。西安事件で国共停戦に同意したが,日中戦争中,再び反共路線を強め,戦後は内戦に敗れて1949年台湾に移り,中華民国総統となった。チアン=チエシー。

蒋光慈

しょうこうじ シヤウクワウジ 【蒋光慈】
(1901-1931) 中国の小説家・詩人。別名,蒋光赤など。安徽省出身。太陽社を組織してプロレタリア革命文学を提唱した。詩集「中国を哀しむ」,小説「短褲党」「咆える大地」など。チャン=コワンツー。

蒋経国

しょうけいこく シヤウ― 【蒋経国】
(1906?-1988) 中国の政治家。蒋介石の長子。台湾国民政府の重職を歴任。蒋介石の死後,総統。チアン=チンクオ。

蒐書

しゅうしょ [1][0] シフ― 【集書】 ・ シウ― 【蒐書】 (名)スル
書物を集めること。また,その集めた書物。

蒐荷

しゅうか [0][1] シフ― 【集荷】 ・ シウ― 【蒐荷】 (名)スル
農水産物などを各地から市場に集めること。また,その荷。

蒐集

しゅうしゅう シウシフ [0] 【収集・蒐集】 (名)スル
(1)よせ集めること。「ごみを―する」
(2)趣味や研究などのために,ある種の物や資料をたくさん集めること。コレクション。「切手を―する」「―家」

蒔かぬ種(タネ)は生(ハ)えぬ

蒔かぬ種(タネ)は生(ハ)えぬ
何もしないのに,よい結果が得られるわけはない。

蒔き付け

まきつけ [0] 【蒔き付け】
作物の種をまくこと。

蒔き付ける

まきつ・ける [0][4] 【蒔き付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 まきつ・く
作物の種をまく。「ホウレンソウを―・ける」

蒔き灰

まきばい [2] 【蒔き灰】
茶道で,形を整えた風炉灰(フロバイ)の上に景をつけるためにまく白い化粧灰。藤灰・線香灰などを用いる。

蒔き田

まきた [0] 【蒔き田】
苗を植えるのでなく,籾(モミ)をじかにまいて稲を作ること。また,その田。
⇔植え田

蒔き直し

まきなおし [0] 【蒔き直し】 (名)スル
(1)改めて種をまくこと。
(2)初めからやり直すこと。「新規―」

蒔き砂子

まきすなご [3] 【蒔き砂子】
絵や工芸品で,金粉・銀粉を蒔きつけたもの。

蒔き米

まきごめ [0][2] 【蒔き米・撒き米】
神仏に参るとき,まいて手向ける米。「談義の散銭,―を買ひ込み/浮世草子・新永代蔵」

蒔き肥

まきごえ [3][0] 【蒔き肥】
種子をまくときに施す肥料。

蒔き銭

まきせん [0][3] 【蒔き銭・撒き銭】
(1)神仏,特に伊勢神宮への参詣者が蒔き米のかわりにまく銭。「宮廻りの―に/浮世草子・永代蔵 4」
(2)棟上げなどの際,施工主が祝いとして参列者にまく銭。
(3)乞食などに投げ与える銭。

蒔く

まく【蒔く】
sow <seed in the soil,the field with wheat> .→英和

蒔く

ま・く [1] 【蒔く・播く】 (動カ五[四])
(1)発芽・生育させるために,植物の種を地面に散らしたり,地中に埋めたりする。「苗代(ナワシロ)に籾(モミ)を―・く」
(2)物事の原因をつくる。「自分で―・いた種」
(3)蒔絵(マキエ)をするために金銀粉を散らす。「衣筥には黄金して洲流を―・きためり/栄花(駒競べの行幸)」
[可能] まける

蒔地

まきじ [0] 【蒔地】
漆器の下地の一。素地(キジ)に直接漆を塗り,乾かないうちに木炭の粉や砥粉(トノコ)の粉末を蒔きつけて乾かし,順次細かい粉末を蒔き重ねていく法。

蒔石

まきいし [2] 【蒔石】
茶室の庭などにまき散らしたように配置した飛び石。

蒔筒

まきづつ [0] 【蒔筒】
蒔絵で各種の粉を蒔くための竹筒。粉筒。

蒔糊

まきのり [0][2] 【蒔糊】
染色技法の一。糊を竹の皮に塗って乾かし,細かく砕いたものを湿らせた布に蒔いて防染する方法。雪降り・霞などを表すのに用いる。

蒔絵

まきえ【(金,銀)蒔絵】
(gold,silver) lacquer.→英和

蒔絵

まきえ [0] 【蒔絵】
漆で文様を描き,金・銀・スズ・色粉などを付着させた漆工芸。技法上から研ぎ出し蒔絵・平蒔絵・高蒔絵に大別され,絵以外の地の装飾としては,梨子地(ナシジ)・塵地(チリジ)・平目地・沃懸(イカケ)地などがある。奈良時代に始まり平安時代に盛んになる。漆工芸の代表。

蒔絵筆

まきえふで [3] 【蒔絵筆】
蒔絵を描くときに用いる筆。柔らかい毛を用いる。線描用の捻じ筆,地塗り用の猫毛の筆などがある。

蒔絵粉

まきえふん [3] 【蒔絵粉】
蒔絵に用いる粉。金・銀・スズ・銅などを粉末にしたもので,その用途や粒子の違いから梨子地粉・平目粉・消し粉などがある。

蒔絵萩

まきえはぎ [3] 【蒔絵萩】
マメ科の多年草。本州中部以西の乾いた山林中に生える。茎は帯紫色で細い。高さ約60センチメートル。葉は三出複葉。秋,帯紫白色の蝶(チヨウ)形花を花柄に数個つける。

もう [1] 【蒙】
道理に暗いこと。蒙昧(モウマイ)。

蒙る

こうぶ・る カウブル 【被る・蒙る】 (動ラ四)
〔「かがふる」の転〕
(1)頭にのせる。かぶる。また,身につける。「此の冠どもは…斎(オガミ)の時に―・る所なり/日本書紀(孝徳訓)」
(2)「こうむる(被){(1)}」に同じ。「御徳をも―・り侍らむ/源氏(行幸)」
(3)「こうむる(被){(2)}」に同じ。「天下に疵(キズ)を―・るものたえず/平家 12」
(4)「こうむる(被){(3)}」に同じ。「かみほとけの恵み―・れるに似たり/土左」

蒙る

こうむ・る カウムル [3] 【被る・蒙る】 (動ラ五[四])
〔「こうぶる」の転〕
(1)他人から,自分にとってためになる何かを与えられる。「多大の恩恵を―・る」「皆様のお陰を―・りまして…」
(2)自身の身によくない結果がもたらされる。被害を受ける。「損害を―・る」「台風で大きな痛手を―・る」「傷ヲ―・ル/日葡」
(3)神仏や目上の者から与えられたものを受け入れる。「天罰を―・る」「お客様からおしかりを―・りました」「洋行の官命を―・り/舞姫(鴎外)」
[慣用] 御免を―

蒙古

もうこ【蒙古】
Mongolia.→英和
〜の[語]Mongolian.‖蒙古人 a Mongolian[Mongol].内(外)蒙古 Inner (Outer) Mongolia.蒙古症《医》mongolism.

蒙古

もうこ 【蒙古】
(1)シベリアの南,中国の万里の長城以北に広がるモンゴル高原を中心とする地域。
→モンゴリア
(2)古来{(1)}に住した遊牧民族。五,六世紀以降,柔然(ジユウゼン)・契丹(キツタン)などの部族が活躍。一三世紀初めチンギス-ハンが出てモンゴル帝国を建設。その孫フビライは中国を統一して元を建てた。明が興るとモンゴル高原に追われ,東のタタールと西のオイラートに分かれて抗争。清代にはその支配下に置かれた。今日ではモンゴル国と中国の内モンゴル自治区を構成する。モンゴル。
→モンゴル帝国

蒙古人種

もうこじんしゅ [4] 【蒙古人種】
⇒黄色人種(オウシヨクジンシユ)

蒙古帝国

もうこていこく 【蒙古帝国】
⇒モンゴル帝国

蒙古文字

もうこもじ [4] 【蒙古文字】
⇒モンゴル文字

蒙古斑

もうこはん [3] 【蒙古斑】
特に,黄色人種の乳幼児の尻などに見られる青いあざ。皮膚の深部にメラニン色素が沈着するために起こり,幼年期の終わりまでには消失する。小児斑。児斑。

蒙古来

もうこらい [3] 【蒙古来】
⇒元寇(ゲンコウ)

蒙古症

もうこしょう [3][0] 【蒙古症】
⇒ダウン症候群(シヨウコウグン)

蒙古相撲

もうこずもう [4] 【蒙古相撲】
モンゴルで行われている相撲。ジドックという競技用の服をつけ,膝から上が地につけば負けとなる。土俵はない。パリルドホ。

蒙古襞

もうこひだ [4] 【蒙古襞】
上まぶたの鼻筋寄りが小さなひだとなって目頭の部分にかぶさっているもの。黄色人種に多い。

蒙古襲来絵詞

もうこしゅうらいえことば 【蒙古襲来絵詞】
鎌倉後期の絵巻物。二巻。文永・弘安の役の際,肥後の武士竹崎季長(スエナガ)が自らの戦功を絵にして記録させたものという。描写は正確で史料的価値が高い。御物。

蒙古語

もうこご [0] 【蒙古語】
⇒モンゴル語(ゴ)

蒙古野馬

もうこのうま 【蒙古野馬】
現存する唯一の野生馬。肩高1.3メートル内外。足は短く頭が大きい。中央アジアの草原に少数がすむ。発見者の名をとってプシバルスキーウマ・プルツェバルスキーウマなどと呼ばれる。

蒙古馬

もうこうま [3] 【蒙古馬】
ウマの一品種。蒙古原産。肩高1.3メートル内外で小形。葦毛(アシゲ)が多い。

蒙古高句麗

むくりこくり 【蒙古高句麗】
〔「むくり」は蒙古(モウコ),「こくり」は高句麗(コウクリ)のこと。元寇のときに,「むくりこくりの鬼が来た」と言って恐れたことから。「もくりこくり」とも〕
(1)恐ろしいもののたとえ。子供を泣きやませるときなどに言った。「天人の玉子ではない―が玉子にてあらうず/咄本・醒睡笑」
(2)無理非道なこと。「神国に生まれて,神沙汰を停止とは,正真の―/浄瑠璃・日本武尊」

蒙塵

もうじん [0] 【蒙塵】 (名)スル
〔「左氏伝(僖公二十四年)」にある語。宮城の外に出て塵(チリ)をかぶる意〕
変事に際し,天子が難を避けて宮城の外に逃れること。

蒙恬

もうてん 【蒙恬】
(?-前210) 中国,秦の将軍。始皇帝に仕え,オルドスの匈奴(キヨウド)を討ち,万里の長城を完成,北辺防備に尽くす。始皇帝の死後,李斯と趙高の謀略により獄死。

蒙昧

もうまい [0] 【蒙昧】 (名・形動)[文]ナリ
暗いこと。転じて,物事の道理に暗いこと。また,そのさま。「無知―のやから」
[派生] ――さ(名)

蒙昧な

もうまい【蒙昧な】
unenlightened.→英和

蒙求

もうぎゅう モウギウ 【蒙求】
中国の類書。唐の李瀚(リカン)著。三巻。南北朝までの故事を五九六句の四字句に織り込んだもの。一話を一句に表して,内容の似た二句を一対とし,偶数句で韻をふみ八句ごとに韻を変えてある。初学の児童用に作られた。平安時代に日本に伝わり,広範な影響を残した。

蒙求抄

もうぎゅうしょう モウギウセウ 【蒙求抄】
抄物の一。「蒙求」の注釈書。清原宣賢の抄した「蒙求聴塵」(1523年ころ成立),清原宣賢講・林宗二抄(1534年ころ成立)などがある。

にんにく [0] 【大蒜・蒜・葫】
ユリ科の多年草。原産地は不明。世界各地で古くから栽培。鱗茎は大きく,数個の小鱗茎に分かれる。高さ約60センチメートル。葉は広線形。夏,茎頂に白紫色の花を散形につける。全体に特異な臭気がある。鱗茎を食用とし,肉や魚のくさみを消し香味を添えるのに用い,また,強壮薬とする。ガーリック。[季]春。《―を噛みつゝ粥の熱き吸ふ/長谷川素逝》

ひる [1] 【蒜・葫】
ノビル・ニンニク・ネギなどの古名。「いざ子ども野蒜摘みに―摘みに/古事記(中)」

蒜山

ひるぜん 【蒜山】
鳥取県と岡山県の境,大山(ダイセン)の南東にある山。大山火山群の一部で,上蒜山(1202メートル)・中蒜山・下蒜山よりなる。南麓に広大な蒜山原が広がる。

蒟蒻

こんにゃく [3][4] 【蒟蒻・菎蒻】
(1)サトイモ科の多年草。インドシナ原産。渡来は古く,各地で栽培される。葉は球茎から一個出て,葉柄は太く長く茎のように見える。球茎をこんにゃく玉という。こにゃく。
(2)こんにゃく玉をおろすか粉砕したものに水を加えて練り,消石灰を加えて固めた食品。成分のほとんどが水分で,栄養価値はないが,その弾力ある歯ざわりが好まれ,田楽・白和(シラア)え・おでんなどに用いられる。
蒟蒻(1)[図]

蒟蒻

こんにゃく【蒟蒻】
paste made from the arum root.

蒟蒻問答

こんにゃくもんどう 【蒟蒻問答】
(1)落語の一。俗に托善といわれる二代目(三代目とも)林屋正蔵の作と伝える。にわか坊主の蒟蒻屋六兵衛が,旅僧にしかけられた禅問答のしぐさを蒟蒻の出来具合だと思い,とんちんかんなしぐさで答えて禅僧を負かすという話。
(2)転じて,とんちんかんな問答・返事をいう。

蒟蒻本

こんにゃくぼん [0] 【蒟蒻本】
洒落本(シヤレボン)の別名。半紙四つ折りの小本で,他の草双紙より厚みがありこんにゃく{(2)}を連想させた。

蒟蒻版

こんにゃくばん [0] 【蒟蒻版】
印刷法の一。グリセリンと膠(ニカワ)を流し込んだゼリー状のものに,アニリン染料で書いた原稿を転写して版を作り,白紙を当てて印刷する。寒天版。

蒟蒻玉

こんにゃくだま [0] 【蒟蒻玉】
こんにゃく{(1)}の球茎。

蒟蒻粉

こんにゃくこ [0] 【蒟蒻粉】
こんにゃく{(1)}の球茎を乾燥して粉末にしたもの。

蒟蒻芋

こんにゃくいも [4] 【蒟蒻芋】
こんにゃく{(1)}の別名。また,その球茎。

蒟醤

キンマ [1] 【蒟醤】
〔東南アジアの言語に由来すると考えられる〕
(1)コショウ科のつる性半低木。葉は芳香があり,心臓形で革質。花穂は尾状で下垂し,黄白色の花を密生する。雌雄異株。マレーシア原産で,インドから東南アジアに広く栽培される。同地方の住民は,この木の葉で石灰とビンロウの果実を包み,かんで口中の清涼剤とする。
(2)タイ・ミャンマーに産する漆器。竹で編んだ素地に漆を塗り,これに模様を線彫し,色漆を詰めて研ぎ出したもの。近世に日本に伝わり,小さなものは香合として茶人に珍重された。江戸末期,四国高松の玉楮象谷(タマカジゾウコク)がこれに模して制作した。
→象谷塗

蒟醤塗

キンマぬり [0] 【蒟醤塗】
(1)「キンマ(蒟醤){(2)}」に同じ。
(2)「象谷(ゾウコク)塗」に同じ。

蒟醤手

キンマで [0][3] 【蒟醤手】
キンマの葉を入れるのに使う舶来の漆器。また,それを模したもの。色漆で美しい模様が描いてある。キンマ。

がま【蒲】
《植》a bulrush;→英和
a cattail.→英和

がま [1][0] 【蒲・香蒲】
〔古くは「かま」〕
ガマ科の多年草。池や沼などに生える。高さ1〜2メートル。葉は厚く線形で根生する。夏,茎頂に花穂をつけ,上半に雄花,下半に雌花がつき,雌花部はのちに赤褐色の円柱形となる。漢方で花粉を蒲黄(ホオウ)といい,傷薬にする。みすくさ。[季]夏。
蒲[図]

かば [1] 【蒲】
(1)植物ガマの異名。
(2)「蒲色(カバイロ)」の略。

蒲の冠者

がまのかんじゃ 【蒲の冠者】
源範頼(ミナモトノノリヨリ)の異名。遠江国蒲御厨(ガマノミクリヤ)で生まれたのでいう。

蒲公英

ほこうえい [2] 【蒲公英】
タンポポの漢名。また,タンポポの葉を乾燥させた生薬。解熱・健胃薬とする。

蒲公英

たんぽぽ [1] 【蒲公英】
キク科タンポポ属の多年草の総称。日当たりのよい草地に生える。葉はロゼット状に叢生し,倒披針形で切れ込みがある。春,中空の花茎を出し,舌状花のみから成る黄色または白色の頭花をつける。柄のある白色の冠毛がついた小さい実が,風に乗って飛び散る。若い葉は食用。カントウタンポポ・エゾタンポポ・セイヨウタンポポなど。[季]春。《―や長江にごるとこしなへ/山口青邨》
→蒲公英(ホコウエイ)
蒲公英[図]

蒲公英

たんぽぽ【蒲公英】
a dandelion.→英和

蒲公英色

たんぽぽいろ [0] 【蒲公英色】
タンポポの花のような鮮やかな黄色。

蒲原

かんばら 【蒲原】
静岡県中部,富士川河口西岸にある町。東海道の宿場町から発達。アルミ工場が立地。

蒲原

かんばら 【蒲原】
姓氏の一。

蒲原有明

かんばらありあけ 【蒲原有明】
(1876-1952) 詩人。東京生まれ。本名,隼雄。「春鳥集」「有明集」などで日本近代象徴詩の理念と実作を示した。

蒲団

ふとん [0] 【布団・蒲団】
〔「蒲団」の唐音,「布」は当て字〕
(1)袋に縫った布の中に綿・鳥の羽毛・わらなどを入れたもの。寝具や防寒・保温用にする。[季]冬。《―着て寝たる姿や東山/嵐雪》
(2)僧や修行者が座禅などに用いる丸い敷物。本来は蒲(ガマ)の葉で編んだ。ほたん。

蒲団

ふとん 【蒲団】
小説。田山花袋作。1907年(明治40)発表。中年の作家が自己の内面の醜悪さを大胆に告白暴露する。日本自然主義文学の方向を決めたとされる作。

蒲寿庚

ほじゅこう 【蒲寿庚】
中国,南宋末・元初の南海貿易家。イスラム教徒でアラビア人ともペルシャ人ともいう。泉州の提挙市舶司となる。のちに元に降り,その南海政策に協力。生没年未詳。

蒲松齢

ほしょうれい 【蒲松齢】
(1640-1715) 中国,清代の文人。字(アザナ)は留仙・剣臣,号は柳泉居士。著に怪異小説集「聊斎志異」,農業・医薬の通俗読物「農桑経」など。

蒲柳

ほりゅう [0] 【蒲柳】
〔「蒲柳」はカワヤナギの意。カワヤナギの葉は早く落ちるところから〕
ひよわなこと。虚弱。

蒲柳の質

ほりゅうのしつ [0][6] 【蒲柳の質】
体がほっそりしていて病気になりやすい弱々しい体質。

蒲桃

ふともも [0] 【蒲桃】
フトモモ科の常緑小高木。東南アジア原産。葉は披針形で質が厚い。花は白色の四弁花で,雄しべは長く数が多い。液果は径2.5〜5センチメートルの球形で,食用になる。花は観賞用。ローズ-アップル。ホトウ。

蒲桃

ほとう [0] 【蒲桃】
(1)植物ブドウの異名。
(2)植物フトモモの漢名。

蒲焼

かばやき [0] 【蒲焼(き)】
〔もと,ウナギを丸のまま縦に串刺しにして焼いたのが,蒲(ガマ)の穂に似ていたからとも,形・色が樺(カバ)皮に似るからともいう〕
ウナギ・ハモ・アナゴ・ドジョウなどを開いて骨をとり,適当な長さに切って串に刺し,たれをつけて焼く料理法。また,その料理。

蒲焼

かばやき【蒲焼】
an eel split and broiled.〜にする spitchcock.→英和

蒲焼き

かばやき [0] 【蒲焼(き)】
〔もと,ウナギを丸のまま縦に串刺しにして焼いたのが,蒲(ガマ)の穂に似ていたからとも,形・色が樺(カバ)皮に似るからともいう〕
ウナギ・ハモ・アナゴ・ドジョウなどを開いて骨をとり,適当な長さに切って串に刺し,たれをつけて焼く料理法。また,その料理。

蒲生

がもう ガマフ 【蒲生】
姓氏の一。

蒲生

がもう ガマフ 【蒲生】
滋賀県南東部の町。日野川流域の丘陵に位置し,米作が中心。百済(クダラ)の様式を模した三重石塔のある石塔寺がある。

蒲生君平

がもうくんぺい ガマフ― 【蒲生君平】
(1768-1813) 江戸後期の尊王論者。名は秀実。宇都宮の人。藤田幽谷と交わり,水戸学の影響を受けた。著書「山陵志」は幕末尊王論の先駆。林子平・高山彦九郎と並んで寛政の三奇人とされる。

蒲生氏郷

がもううじさと ガマフウヂサト 【蒲生氏郷】
(1556-1595) 安土桃山時代の武将。初名,賦秀(ヤスヒデ)。蒲生賢秀の子。織田信長・豊臣秀吉に仕え,小田原・奥州出兵に活躍。会津九一万石余を領す。キリスト教に入信。

蒲生賢秀

がもうかたひで ガマフ― 【蒲生賢秀】
(1534-1584) 安土桃山時代の武将。六角義賢,織田信長に仕える。本能寺の変に際し,信長の家族を日野城に移して守った。

蒲田

かまた 【蒲田】
東京都大田区南部の商工業地区。旧区名。東端に東京国際空港がある。

蒲色

かばいろ [0] 【蒲色・樺色】
赤みの強い茶黄色。かば。

蒲葵

びろう [0][1] 【檳榔・蒲葵】
ヤシ科の常緑高木。暖地の海岸付近に生え,シュロに似る。高さ10メートル近くになる。葉は大きな扇状で柄が長く,幹の頂に多数集まってつく。花は黄色で小さく,果実は楕円形で青色。古名,あじまさ。
檳榔[図]

蒲葵

ほき [1] 【蒲葵】
植物ビロウの漢名。

蒲蓆

がまむしろ [3] 【蒲蓆】
蒲の茎で編んだ蓆。夏の敷物とする。[季]夏。《―一枚敷いてあるばかり/高浜年尾》

蒲郡

がまごおり ガマゴホリ 【蒲郡】
愛知県,渥美(アツミ)湾北岸にある市。繊維工業が盛ん。三河湾国定公園観光の中心地。

蒲鉾

かまぼこ【蒲鉾】
boiled fish paste.蒲鉾形の semicylindrical.

蒲鉾

かまぼこ [0] 【蒲鉾】
(1)タイ・ハモ・サメ・エソなど白身の魚肉をすりつぶして味をつけ,練りあげたあと長方形の小板に半月形に塗ったり,簀(ス)巻きにしたりして蒸し上げた食品。昔は,竹に筒形に長く塗った形が蒲(ガマ)の穂に似ていたのでこの名があるが,現在ではこの作り方のものを竹輪(チクワ),板につけたものを板つき蒲鉾という。
(2)宝石をはめ込まない中高の指輪。
(3)蒲の穂。鉾の形に似るところからいう。[本草綱目啓蒙]

蒲鉾小屋

かまぼこごや [0] 【蒲鉾小屋】
竹を骨とし,まわりを筵(ムシロ)などで覆って蒲鉾形に作った粗末な小屋。

蒲鉾屋根

かまぼこやね [5] 【蒲鉾屋根】
蒲鉾形の屋根。体育館などにみられる。

蒲鉾弓

かまぼこゆみ [4] 【蒲鉾弓】
伏竹(フセダケ)の異名。

蒲鉾形

かまぼこがた [0] 【蒲鉾形】
円筒を縦に切ったような形。中高で弓なりになっている形。かまぼこなり。「―兵舎」

蒲鉾形

かまぼこなり [0] 【蒲鉾形】
⇒かまぼこがた(蒲鉾形)

蒲鉾板

かまぼこいた [5] 【蒲鉾板】
板蒲鉾に付いている長方形の小板。

蒲鉾箍

かまぼこたが [4] 【蒲鉾箍】
真鍮(シンチユウ)・銅などのたがで,中央が高く,縁が薄い蒲鉾形のもの。

蒲鞭

ほべん [0] 【蒲鞭】
〔蒲(ガマ)の穂の鞭(ムチ)の意〕
はずかしめるだけで苦痛を加えない寛大な刑罰。また,寛大な政治。

さく [1] 【蒴】
(1)蘚(セン)類の胞子嚢(ホウシノウ)。胞子体の主要部。球形・楕円形などで基部に柄があり,配偶体の上部につく。蘚蒴。
(2)「蒴果(サクカ)」に同じ。

蒴果

さっか サククワ [0][1] 【蒴果】
⇒さくか(蒴果)

蒴果

さくか [0][1] 【蒴果】
裂果の一種。二枚以上の心皮からなる子房で,成熟すると果皮が乾燥し,縦に開裂して種子を出す。アサガオ・ホウセンカなどの実。蒴。さっか。

蒴藋

そくず [1][0] 【蒴藋】
スイカズラ科の多年草。原野に自生。茎は高さ約1.5メートルで,羽状複葉を対生。夏,茎頂に白色の小花を散房花序につける。果実は液果で赤く熟す。漢方で根と葉を神経痛などの薬にする。クサニワトコ。
蒴藋[図]

むし [2] 【蒸(し)】
(1)蒸すこと。また,蒸したもの。
(2)〔女房詞〕
味噌。おむし。[大上臈御名之事]

蒸かし

ふかし [3] 【蒸かし】
ふかすこと。また,ふかした程度やふかしたもの。「―が足りない」

蒸かし芋

ふかしいも [3] 【蒸かし芋】
ふかした芋。特に,さつまいも。

蒸かす

ふか・す [2] 【蒸かす】 (動サ五[四])
食べ物に蒸気をあててやわらかくし,食べられるようにする。むす。「芋を―・す」「御飯を―・す」
[可能] ふかせる

蒸ける

ふ・ける [2] 【蒸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ふ・く
湯気で蒸されて,食べられる状態になる。「じゃがいもが―・けた」

蒸し

むし [2] 【蒸(し)】
(1)蒸すこと。また,蒸したもの。
(2)〔女房詞〕
味噌。おむし。[大上臈御名之事]

蒸しタオル

むしタオル [3] 【蒸し―】
手や顔をふいたり湿らせたりするのに用いる,蒸したタオル。

蒸しタオル

むしタオル【蒸しタオル】
a steamed towel.

蒸しパン

むしパン [0] 【蒸し―】
イーストまたはふくらし粉を入れた生地(キジ)を,蒸籠(セイロウ)で蒸したパン。玄米パンなど。

蒸し器

むしき [2][3] 【蒸(し)器】
蒸気によって食品を蒸したり温めたりする用具。蒸籠(セイロウ)・御飯蒸しなど。

蒸し室

むしむろ [0] 【蒸(し)室】
麹(コウジ)を蒸しかもす室。

蒸し暑い

むしあつ・い [4] 【蒸(し)暑い】 (形)[文]ク むしあつ・し
蒸されるように暑い。湿度が高く,風がなくて暑くるしい。「―・くて寝られない」「―・い部屋」
[派生] ――さ(名)

蒸し暑い

むしあつい【蒸し暑い】
sultry;→英和
close.→英和

蒸し焼き

むしやき [0] 【蒸(し)焼き】
材料を入れた容器を密閉し,熱を加えて焼くこと。また,そうしたもの。

蒸し煮

むしに [0] 【蒸(し)煮】
(1)一度蒸した材料を,調味料を加えて煮る調理法。
(2)少量の煮汁で長時間かけて弱火で煮る調理法。

蒸し物

むしもの [2][3] 【蒸(し)物】
(1)蒸して作った料理。茶碗蒸し・卵豆腐・蕪(カブラ)蒸しなど。
(2)蒸し菓子。

蒸し碗

むしわん [0] 【蒸し碗】
茶碗蒸しを作るときに用いる,筒形の茶碗。蒸し茶碗。

蒸し羊羹

むしようかん [3] 【蒸(し)羊羹】
漉(コ)し餡(アン)に砂糖・小麦粉などを加えてのばし,型に入れて蒸した羊羹。

蒸し菓子

むしがし [3] 【蒸(し)菓子】
蒸して作った菓子。饅頭(マンジユウ)・蒸し羊羹(ヨウカン)・ういろうなど。

蒸し蒸し

むしむし [1] 【蒸し蒸し】 (副)スル
湿気が多く,蒸し暑いさま。「―(と)暑い」「―する夏の夜」

蒸し蕎麦

むしそば [0] 【蒸し蕎麦】
蒸して仕上げた蕎麦。

蒸し薬

むしぐすり [3] 【蒸(し)薬】
湯に溶かしたり煎じ出したりして布などに浸し,患部を蒸す薬。

蒸し衾

むしぶすま 【蒸し衾】
掛けるとあたたかく柔らかな夜具。「―なごやが下に臥せれども/万葉 524」
〔「むし」は「虫」すなわち「蚕」で絹の夜具とも。また,一説に「むし」は「からむし(苧麻)」で苧麻の繊維でつくった夜具とも〕

蒸し返し

むしかえし【蒸し返し】
[繰返し](a) repetition;→英和
(a) revival (復活);→英和
(an) adaptation (改作).→英和
⇒蒸し返す.

蒸し返し

むしかえし [0] 【蒸(し)返し】
蒸し返すこと。また,蒸し返したもの。「―の御飯」「議論の―」

蒸し返す

むしかえ・す [3][0] 【蒸(し)返す】 (動サ五[四])
(1)一度蒸したものを,さらに蒸すこと。「饅頭(マンジユウ)を―・す」
(2)一度解決した事柄をまた問題にする。「話を―・す」
[可能] むしかえせる

蒸し返す

むしかえす【蒸し返す】
steam over again (食物を);repeat (繰り返す);→英和
[復活さす]revive;→英和
adapt (改作する).→英和

蒸し鍋

むしなべ [0] 【蒸し鍋】
食品を蒸すのに用いる鍋。二段重ねで中底(ナカゾコ)にこまかい孔(アナ)がたくさんあいており,下部に入れた水を沸かして蒸す。二重鍋。

蒸し風呂

むしぶろ [0] 【蒸(し)風呂】
四方を密閉し湯気を出して体を温める風呂。サウナの類。空(カラ)風呂。

蒸し飯

むしめし [2][0] 【蒸(し)飯】
(1)冷や飯を蒸したもの。ふかしめし。
(2)「強飯(コワメシ)」に同じ。

蒸し鮨

むしずし [2] 【蒸し鮨】
鮨飯に味をつけたシイタケ・アナゴ・金糸卵などをのせ,蒸して食べる鮨。[季]冬。

蒸し鰈

むしがれい [3] 【蒸し鰈】
カレイを塩水に漬けて蒸し,陰干しにしたもの。焼いて食べる。[季]春。

蒸す

むす【蒸す】
steam (ふかす);→英和
be sultry (蒸し暑い).

蒸す

む・す [1] 【蒸す】 (動サ五[四])
(1)蒸気で物を熱する。ふかす。「芋を―・す」
(2)温度・湿度が高く,風がなくて暑さがこもる。蒸し暑く感じる。「今日は―・すね」「菜の花の―・すやうな中に/斑鳩物語(虚子)」
(3)戦陣で,かがり火を焚いて攻撃の気勢を敵に示す。「方々の峰に篝火を焼て,一蒸―・す程ならば/太平記 6」
[可能] むせる

蒸す

ふかす【蒸す】
steam <potatoes> .→英和

蒸らす

むら・す [2] 【蒸らす】 (動サ五[四])
蒸れるようにする。熱の通った食べ物などをこもった蒸気でふっくらとさせる。「御飯を―・す」「鍋の蓋(フタ)をとらずに五分間―・す」

蒸らす

むらす【蒸らす】
steam.→英和

蒸る

む・る 【蒸る】 (動ラ下二)
⇒むれる

蒸れる

む・れる [2] 【蒸れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 む・る
(1)熱の通った飯などが蒸気でさらにやわらかくなる。「御飯が―・れるのを待つ」
(2)空気が通らないので熱気や湿気がこもる。「足が―・れる」「おむつが―・れる」

蒸れる

むれる【蒸れる】
be steamed (飯が);be stuffy (熱気がこもる).→英和
蒸れた stuffy <room> ;close <air> .→英和

蒸上

じょうじょう [0] 【蒸上】 (名)スル
水蒸気が立ち昇ること。「大谷川の水烟―する事山霧の如し/日光山の奥(花袋)」

蒸器

むしき [2][3] 【蒸(し)器】
蒸気によって食品を蒸したり温めたりする用具。蒸籠(セイロウ)・御飯蒸しなど。

蒸器

むしき【蒸器】
a steamer.→英和

蒸室

むしむろ [0] 【蒸(し)室】
麹(コウジ)を蒸しかもす室。

蒸散

じょうさん [0] 【蒸散】 (名)スル
植物体内の水分が水蒸気として体外に排出される現象。気孔蒸散と表皮蒸散(クチクラ蒸散)があり,主に気孔の開閉によって調節される。

蒸暑

じょうしょ [1] 【蒸暑】
むし暑いこと。「―甚しく机に向ひがたし/日乗(荷風)」

蒸暑い

むしあつ・い [4] 【蒸(し)暑い】 (形)[文]ク むしあつ・し
蒸されるように暑い。湿度が高く,風がなくて暑くるしい。「―・くて寝られない」「―・い部屋」
[派生] ――さ(名)

蒸民

じょうみん [0] 【蒸民・烝民】
多くの人民。諸人。万民。「害―に流(ツタ)はり禍八極に溢る/太平記 20」

蒸気

じょうき【蒸気】
steam;→英和
vapor.→英和
〜を立てる get up[generate]steam.‖蒸気機関(機関車) a steam engine (locomotive).蒸気船 a steamship[steamer].

蒸気

じょうき [1] 【蒸気・蒸汽】
(1)液体が蒸発したり,固体が昇華したりして気体となったもの。
(2)水蒸気。ゆげ。
(3)「蒸気船」「蒸気機関」の略。

蒸気タービン

じょうきタービン [4] 【蒸気―】
蒸気をノズルから噴出・膨張させ,羽根車に当てて回転力を得る原動機。円滑で強力な回転が得られる。衝動タービン・反動タービン・混式タービンなどに分けられる。

蒸気ハンマー

じょうきハンマー [4] 【蒸気―】
蒸気圧で槌(ツチ)を上下させる機械。鍛造(タンゾウ)に用いる。蒸気槌(ツイ)。スチーム-ハンマー。

蒸気ポンプ

じょうきポンプ [4] 【蒸気―】
(1)蒸気の圧力または蒸気機関を用いて水を揚げる装置。
(2)明治・大正時代,消防自動車のこと。

蒸気圧

じょうきあつ [3] 【蒸気圧】
液体または固体と共存する気体の圧力。飽和蒸気圧をいうことが多い。通常は空気中の水蒸気の分圧をさす。

蒸気機関

じょうききかん [5][4] 【蒸気機関】
蒸気の圧力を利用して,動力を得る機関。ボイラーからシリンダー内に高圧蒸気を導き,その膨張によってピストンを動かし,往復運動する動力を得るもの。

蒸気機関車

じょうききかんしゃ [5] 【蒸気機関車】
〔steam locomotive〕
蒸気機関を原動力とする機関車。SL 。

蒸気浴

じょうきよく [3] 【蒸気浴】
(1)水蒸気による温浴。蒸気を満たした部屋などで行う。温熱療法として,神経痛・関節痛・筋痛・脱脂療法などに利用することもある。むし風呂。
(2)化学実験で,物体の入った容器の外側から水蒸気などの蒸気を触れさせて,物体を加熱する方法。また,そのための装置。引火性の物質の加熱などに用いる。

蒸気缶

じょうきがま [3] 【蒸気缶】
ボイラー。

蒸気船

じょうきせん [0] 【蒸気船・蒸汽船】
蒸気機関を動力とする船舶。汽船。

蒸気霧

じょうきぎり [3] 【蒸気霧】
暖かい水面に冷たい大気が接するとき,水面から湯気が立ちのぼるようにできる霧。

蒸汽

じょうき [1] 【蒸気・蒸汽】
(1)液体が蒸発したり,固体が昇華したりして気体となったもの。
(2)水蒸気。ゆげ。
(3)「蒸気船」「蒸気機関」の略。

蒸汽船

じょうきせん [0] 【蒸気船・蒸汽船】
蒸気機関を動力とする船舶。汽船。

蒸溜

じょうりゅう [0] 【蒸留・蒸溜・蒸餾】 (名)スル
(1)液体を熱して気化させ,その気体を冷却して,再び液体とすること。不純物が除かれ,純粋な液体が得られる。「海水を―する」
→乾留
(2)多成分の混合溶液を熱し,沸点の違いを利用して各成分を分離すること。精留。分留。

蒸溜

じょうりゅう【蒸溜】
distillation.〜する distill.‖蒸溜酒 liquor.蒸溜水 distilled water.

蒸焼き

むしやき [0] 【蒸(し)焼き】
材料を入れた容器を密閉し,熱を加えて焼くこと。また,そうしたもの。

蒸焼きにする

むしやき【蒸焼きにする】
roast.→英和
〜の roast <beef> .

蒸煮

むしに [0] 【蒸(し)煮】
(1)一度蒸した材料を,調味料を加えて煮る調理法。
(2)少量の煮汁で長時間かけて弱火で煮る調理法。

蒸煮する

むしに【蒸煮する】
smother.→英和

蒸熱

じょうねつ [0] 【蒸熱】
むしあついこと。蒸暑。「―我が盛夏の如し/佳人之奇遇(散士)」

蒸物

むしもの [2][3] 【蒸(し)物】
(1)蒸して作った料理。茶碗蒸し・卵豆腐・蕪(カブラ)蒸しなど。
(2)蒸し菓子。

蒸留

じょうりゅう [0] 【蒸留・蒸溜・蒸餾】 (名)スル
(1)液体を熱して気化させ,その気体を冷却して,再び液体とすること。不純物が除かれ,純粋な液体が得られる。「海水を―する」
→乾留
(2)多成分の混合溶液を熱し,沸点の違いを利用して各成分を分離すること。精留。分留。

蒸留塔

じょうりゅうとう [0] 【蒸留塔】
石油などの成分分離を行う塔状の装置。分留塔。精留塔。

蒸留水

じょうりゅうすい [3] 【蒸留水】
蒸留により得た純度の高い水。物理的・化学的な実験その他に広く利用される。二酸化炭素の溶解のため微酸性を示す。

蒸留酒

じょうりゅうしゅ [3] 【蒸留酒】
醸造酒を蒸留して得たアルコール度の高い酒。焼酎・ウォッカ・ブランデー・ウイスキーなど。
→醸造酒

蒸発

じょうはつ【蒸発】
evaporation.〜する evaporate;→英和
vanish <from> ;→英和
steam (水が);→英和
disappear (人が).→英和
〜性の vaporable.‖蒸発皿 an evaporating dish.

蒸発

じょうはつ [0] 【蒸発】 (名)スル
(1)液体の表面から気化が起こる現象。広義には沸騰を含む。
(2)人がどこかへ行方をくらますこと。「父親が―した」

蒸発器

じょうはつき [4][3] 【蒸発器】
(1)ガス循環式の冷却装置で,液化された冷却剤を気化・膨張させて吸熱するための容器。
(2)水溶液を加熱して水を蒸発させ,溶質を取り出す装置。工業的には金属壁を介して水蒸気の凝縮熱を与えて溶液を熱する蒸発缶が広く用いられる。

蒸発散

じょうはっさん [3] 【蒸発散】
地表面から大気中への水の移動。裸地(土壌面)からの水の蒸発と,そこに生育する植物による水の蒸散とを合わせた呼称。

蒸発熱

じょうはつねつ [4] 【蒸発熱】
⇒気化熱(キカネツ)

蒸発皿

じょうはつざら [4] 【蒸発皿】
化学実験の際,溶液を加熱濃縮,または蒸発乾固して溶質を析出させる操作に用いる深皿。磁製のものが多いが,ガラス製・白金製もある。

蒸発計

じょうはつけい [0] 【蒸発計】
水面に浮かべた容器や地中に埋めた容器に一定量の水を入れて放置し,単位時間(普通一日)後の水の減量から水面・地面からの蒸発量を測る装置。

蒸発霧

じょうはつぎり [4] 【蒸発霧】
水面上の安定した冷たい空気塊が,急激な蒸発によって水蒸気の供給を受けてできる霧。

蒸着

じょうちゃく [0] 【蒸着】 (名)スル
⇒真空蒸着(シンクウジヨウチヤク)

蒸着テープ

じょうちゃくテープ [5] 【蒸着―】
磁気材料を真空蒸着法によりテープ-ベースに蒸着させた録音・録画用テープ。

蒸籠

せいろ [3] 【蒸籠】
⇒せいろう(蒸籠)

蒸籠

せいろう [0][3] 【蒸籠】
〔「せい」は唐音〕
釜の上に載せて,糯米(モチゴメ)や饅頭(マンジユウ)などを蒸す用具。木製の円形または方形の枠があり,底に簀(ス)を張り,釜の湯気で蒸す。せいろ。

蒸羊羹

むしようかん [3] 【蒸(し)羊羹】
漉(コ)し餡(アン)に砂糖・小麦粉などを加えてのばし,型に入れて蒸した羊羹。

蒸菓子

むしがし【蒸菓子】
a steamed cake.

蒸菓子

むしがし [3] 【蒸(し)菓子】
蒸して作った菓子。饅頭(マンジユウ)・蒸し羊羹(ヨウカン)・ういろうなど。

蒸薬

むしぐすり [3] 【蒸(し)薬】
湯に溶かしたり煎じ出したりして布などに浸し,患部を蒸す薬。

蒸返し

むしかえし [0] 【蒸(し)返し】
蒸し返すこと。また,蒸し返したもの。「―の御飯」「議論の―」

蒸返す

むしかえ・す [3][0] 【蒸(し)返す】 (動サ五[四])
(1)一度蒸したものを,さらに蒸すこと。「饅頭(マンジユウ)を―・す」
(2)一度解決した事柄をまた問題にする。「話を―・す」
[可能] むしかえせる

蒸風呂

むしぶろ [0] 【蒸(し)風呂】
四方を密閉し湯気を出して体を温める風呂。サウナの類。空(カラ)風呂。

蒸風呂

むしぶろ【蒸風呂】
a steam bath;a sudatorium.

蒸飯

むしめし [2][0] 【蒸(し)飯】
(1)冷や飯を蒸したもの。ふかしめし。
(2)「強飯(コワメシ)」に同じ。

蒸餅

じょうべい [0] 【蒸餅】
饅頭(マンジユウ)や蒸した餅(モチ)。また,パン。

蒸餾

じょうりゅう [0] 【蒸留・蒸溜・蒸餾】 (名)スル
(1)液体を熱して気化させ,その気体を冷却して,再び液体とすること。不純物が除かれ,純粋な液体が得られる。「海水を―する」
→乾留
(2)多成分の混合溶液を熱し,沸点の違いを利用して各成分を分離すること。精留。分留。

蒹葭

けんか [1] 【蒹葭】
オギとアシ。共に水辺に生える草。「―の間に葭雀(ヨシキリ)の鳴くを聞かず/日乗(荷風)」

蒺蔾轡

うばらぐつわ 【蒺蔾轡】
唐鞍(カラクラ)に用いる轡。鏡板(カガミイタ)の左右が菱(ヒシ)状にとがっているもの。[和名抄]

蒼い

あお・い アヲイ [2] 【青い・蒼い】 (形)[文]ク あを・し
(1)青の色をしている。広く緑など青系統の色にもいう。「―・い空」「―・いものをもっと食べる必要がある」
〔「あおい空(海)」は「碧い」とも書く〕
(2)赤みが足りない。青ざめている。「―・い月」「―・い顔」
(3)〔未熟の果実が青いことから〕
修行・知識などが不十分だ。まだ一人前でない。「まだ考えが―・い」
[派生] ――さ(名)――み(名)
[慣用] 尻が―/風青し

蒼勁

そうけい サウ― [0] 【蒼勁】 (名・形動)[文]ナリ
筆跡や文章が枯れていてしかも力強い・こと(さま)。「高泉の字が一番―で/草枕(漱石)」

蒼古

そうこ サウ― [1] 【蒼枯・蒼古】 (ト|タル)[文]形動タリ
古びていて深みがあるさま。「太い幹は―として白い粉をふいている/わが愛する山々(久弥)」

蒼天

そうてん サウ― [0] 【蒼天】
(1)青空。大空。
(2)春の空。
(3)天にいる神。天帝。「業を纂(ツ)ぎ基を承くる王は,此れ尤も―の与ふる所なり/将門記」

蒼惶

そうこう サウクワウ [0] 【倉皇・蒼惶】 (ト|タル)[文]形動タリ
落ち着かないさま。あわてるさま。「試験の四日ぐらゐ前から―として準備に着手し/羹(潤一郎)」

蒼昊

そうこう サウカウ [0] 【蒼昊】
あおぞら。蒼天。

蒼朮

そうじゅつ サウ― [0] 【蒼朮】
植物のオケラまたはその変種の根茎を乾燥したもの。生薬として利尿・健胃・発汗剤に用いるほか,屠蘇(トソ)散に混ぜる。

蒼松寿古

そうしょうじゅこ サウシヨウ― [5] 【蒼松寿古】
画題の一。松に南天を配する。長寿を祝うもの。

蒼枯

そうこ サウ― [1] 【蒼枯・蒼古】 (ト|タル)[文]形動タリ
古びていて深みがあるさま。「太い幹は―として白い粉をふいている/わが愛する山々(久弥)」

蒼柏

そうはく サウ― [0] 【蒼柏】
青々と茂ったカシワ。

蒼梧

そうご サウ― [1] 【蒼梧】
アオギリの異名。

蒼梧

そうご サウゴ 【蒼梧】
中国,湖南省寧遠県にある山。聖王舜(シユン)の死去した地と伝えられる。九嶷山(キユウギザン)。

蒼氓

そうぼう サウバウ 【蒼氓】
長編小説。石川達三作。1935年(昭和10)同人雑誌「星座」に第一部を発表。第一回芥川賞受賞。39年合冊刊行。1930年頃のブラジル移民団の悲惨な実態を描く。

蒼氓

そうぼう サウバウ [0] 【蒼氓】
人民。国民。蒼生。

蒼波

そうは サウ― [1] 【蒼波】
あおい波。蒼浪。

蒼浪

そうろう サウラウ [0] 【蒼浪・滄浪】
(1)青々とした波。
(2)老いて髪につやがなくなること。「肌膚虚しくして髪―たり/本朝文粋」

蒼海

そうかい サウ― [0] 【滄海・蒼海】
あおい海。あおうなばら。

蒼然

そうぜん サウ― [0] 【蒼然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)色のあおいさま。また,あおざめているさま。「―として死人に等しき我面色/舞姫(鴎外)」
(2)夕方の薄暗いさま。「―として暮れ行く街の方/あめりか物語(荷風)」
(3)古びて色あせたさま。「古色―」

蒼生

そうせい サウ― [0] 【蒼生】
多くの人々。庶民。国民。あおひとぐさ。「天下の―が朝夕を安んずること能はざる時/文学史骨(透谷)」

蒼白

そうはく サウ― [0] 【蒼白】 (名・形動)[文]ナリ
血の気がなく青白い・こと(さま)。「顔面―になる」

蒼白い

あおじろ・い アヲ― [4] 【青白い・蒼白い】 (形)[文]ク あをじろ・し
(1)青みがかって白い。「―・い月の光」
(2)血の気のない顔色をしている。「やつれて―・い顔」
[派生] ――さ(名)

蒼白な

そうはく【蒼白な】
pale;→英和
livid;→英和
pallid.→英和

蒼穹

そうきゅう サウ― [0] 【蒼穹】
青空。大空。蒼天。

蒼穹

そうきゅう【蒼穹】
the blue (sky).→英和

蒼空

そうくう サウ― [0] 【蒼空】
あおぞら。おおぞら。

蒼竜

そうりょう サウ― [0] 【蒼竜】
(1)青色の竜。また,青黒い毛並みの大きな馬とも。
(2)四神(シジン)の一。「青竜(セイリヨウ)」に同じ。
(3)二十八宿のうち,東方七宿の総称。

蒼竜

そうりゅう サウ― [0] 【蒼竜】
⇒そうりょう(蒼竜)

蒼竜楼

そうりょうろう サウリヨウ― 【蒼竜楼】
平安京大内裏朝堂院の四楼の一。大極殿の南東にあり,白虎楼に対する。しょうりゅうろう。そうりゅうろう。

蒼竜楼

しょうりゅうろう シヤウリユウ― 【蒼竜楼】
平安京大内裏朝堂院の四楼の一。大極殿(ダイゴクデン)の東南にある。左楼。東楼。青竜楼。そうりょうろう。

蒼翠

そうすい サウ― [0] 【蒼翠】
(1)あおみどり色。
(2)樹木が茂っていること。

蒼茫

そうぼう サウバウ [0] 【蒼茫】 (ト|タル)[文]形動タリ
遠くまで青々と広がっていること。また,そのさま。「―たる大海原」

蒼蒼

そうそう サウサウ [0] 【蒼蒼】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)空・海などが青いさま。草木が茂っているさま。「水天一色―として涯涘(カギリ)なく/浮城物語(竜渓)」
(2)薄暗いさま。「群山―として暮れむとす/自然と人生(蘆花)」

蒼蒼

あおあお アヲアヲ [3] 【青青・蒼蒼】 (副)スル
いかにも青くきわ立っているさま。「―(と)茂る森」

蒼虬

そうきゅう サウキウ 【蒼虬】
⇒成田(ナリタ)蒼虬

蒼蠅

あおばえ アヲバヘ [0][2] 【青蠅・蒼蠅】
イエバエ・クロバエなど大形で,腹部が青みを帯びた金属光沢をもつハエの俗称。

蒼蠅

そうよう サウ― [0] 【蒼蠅】
(1)あおばえ。はえ。
(2)君側にあって讒言(ザンゲン)する人。

蒼鉛

そうえん サウ― [0][1] 【蒼鉛】
ビスマス。

蒼鉛

そうえん【蒼鉛】
《化》bismuth.→英和

蒼鉛剤

そうえんざい サウ― [3] 【蒼鉛剤】
ビスマスを含む薬剤。収斂(シユウレン)・抗スピロヘータ作用があり,下痢・梅毒などの治療に用いる。次サリチル酸ビスマスなど。ビスマス剤。

蒼頡

そうきつ サウ― 【蒼頡・倉頡】
⇒そうけつ(蒼頡)

蒼頡

そうけつ サウ― 【蒼頡・倉頡】
中国の伝説上の人物。黄帝の史官。顔に四つの目をもち,鳥の足跡を見て文字を作ったという。そうきつ。

蒼頭

そうとう サウ― [0] 【蒼頭】
(1)〔昔,中国で青色の頭巾をかぶっていたことから〕
兵卒。雑兵。足軽。
(2)召し使い。下男。

蒼顔

そうがん サウ― [0] 【蒼顔】
老人の衰えたあおい顔。「白髪―」

蒼鷹

そうよう サウ― 【蒼鷹】
(1)青みを帯びた羽の鷹(タカ)。しらたか。
(2)〔(1)が猛鳥であることから〕
無慈悲な役人のたとえ。

蒼黒

そうこく サウ― [0] 【蒼黒】
あお黒い色。

蒿里

こうり カウ― [1] 【蒿里】
昔,中国で,下級官吏・士大夫・庶人の葬式に用いた挽歌。
→薤露(カイロ)

蒿雀

あおじ アヲジ [0] 【蒿雀・青鵐】
スズメ目ホオジロ科の鳥。スズメ大で,背面は褐色に黒色縦斑があり,腹面は黄色。本州中部以北で繁殖し,冬期は暖かい地方に移るものが多い。[季]秋。

蓁蓁

しんしん [0] 【蓁蓁】 (ト|タル)[文]形動タリ
草木の葉の盛んに茂るさま。「―と生ひ茂つた杉木立に囲まれて/葬列(啄木)」

蓄え

たくわえ タクハヘ [3][4] 【貯え・蓄え】
たくわえること。たくわえた金や物。貯蓄。「―が尽きる」

蓄える

たくわ・える タクハヘル [4][3] 【貯える・蓄える】 (動ア下一)[文]ハ下二 たくは・ふ
(1)品物・金銭・力などを,あとで役立たせるために集めておく。「金を―・える」「気力を―・える」
(2)知識・力などを将来のために身につける。「知識を―・える」「実力を―・える」
(3)ひげや髪を切らずに伸ばす。「ひげを―・える」
(4)やしなう。「営農(ナリワイ)をし妻子を―・へ養ふ/霊異記(下訓注)」

蓄ふ

たくわ・う タクハフ 【貯ふ・蓄ふ】
■一■ (動ハ四)
「たくわえる」に同じ。「神の命(ミコト)のみくしげに―・ひ置きて/万葉 4220」
■二■ (動ハ下二)
⇒たくわえる

蓄冷

ちくれい [0] 【蓄冷】
冷たい温度のままであること。「―剤」

蓄妾

ちくしょう [0] 【蓄妾】 (名)スル
めかけを持つこと。

蓄念

ちくねん [0] 【蓄念】
かねてからの念願。宿念。

蓄熱器

ちくねつき [4][3] 【蓄熱器】
熱機関の効率を上げるために,加熱器と冷却器の間に置く熱容量の大きな物質を含む装置。

蓄積

ちくせき [0] 【蓄積】 (名)スル
たくわえること。たくわえ。「資本の―」「知識を―する」

蓄積

ちくせき【蓄積】
accumulation.〜する accumulate <wealth> ;→英和
store up <energy> .

蓄積作用

ちくせきさよう [5] 【蓄積作用】
吸収に比べて排泄や分解の遅い薬を連用したとき,体内に薬が蓄積されること。中毒症状を起こすことが多い。

蓄積管

ちくせきかん [0] 【蓄積管】
電子管の一。信号を管内に一時記録・蓄積し,必要に応じ再生できるもの。特殊なオシロ-スコープなどに用いられる。

蓄縮

きっしく 【蓄縮】 (形動)[文]ナリ
〔「きくしゅく」の転。近世語〕
(1)物惜しみするさま。けちなさま。「呉服屋の―なる気の毒ども/浮世草子・禁短気」
(2)律儀で融通がきかないさま。「―ならぬ挨拶に/浄瑠璃・鬼一法眼」

蓄膿症

ちくのうしょう [0][3] 【蓄膿症】
化膿性炎症によって生じた膿汁がたまった状態。普通,副鼻腔に膿のたまるものをさすが,胆嚢・子宮・虫垂・肋膜腔・関節腔,脳室などに膿のたまるものもいう。蓄膿。

蓄膿症

ちくのうしょう【蓄膿症】
《医》empyema.

蓄蔵

ちくぞう [0] 【蓄蔵】 (名)スル
たくわえておくこと。「薬酒を用ゐて腐朽を防ぎ,極て能く之を―し/西洋聞見録(文夫)」

蓄蔵貨幣

ちくぞうかへい [5] 【蓄蔵貨幣】
⇒退蔵貨幣(タイゾウカヘイ)

蓄財

ちくざい [0] 【蓄財】 (名)スル
財産をたくわえること。「―家」「―の才にたける」「ひたすら―して資産家となる」

蓄財する

ちくざい【蓄財する】
save[make]money.

蓄銭

ちくせん [0] 【蓄銭】 (名)スル
金銭をためること。また,たくわえた金銭。

蓄銭叙位法

ちくせんじょいのほう 【蓄銭叙位法】
和銅開珎鋳造後,銭貨普及のため,711年発布した法令。たくわえた銭貨を政府に納めさせ,その額に応じて位を昇進させることにしたもの。蓄銭叙位令。

蓄電

ちくでん [0] 【蓄電】 (名)スル
電気をたくわえること。

蓄電する

ちくでん【蓄電する】
store.→英和
‖蓄電器 a condenser.蓄電池 a storage battery.

蓄電器

ちくでんき [3] 【蓄電器】
⇒コンデンサー(1)

蓄電池

ちくでんち [3] 【蓄電池】
電気エネルギーを化学エネルギーに変えてたくわえ,必要に応じて電気エネルギーとして取り出せるような電池。充電によって,繰り返し使える。バッテリー。

蓄音器

ちくおんき [3] 【蓄音機・蓄音器】
レコードに吹き込んだ音を再生する装置。1877年アメリカのエジソンが発明。針がレコード(初期には蝋管(ロウカン),のちには円盤レコード)の音溝をたどって起こす振動を,機械的に増幅して金属の振動板に伝え再生する。のち,針の振動を電気信号に変換する方式になった。フォノグラフ。

蓄音機

ちくおんき [3] 【蓄音機・蓄音器】
レコードに吹き込んだ音を再生する装置。1877年アメリカのエジソンが発明。針がレコード(初期には蝋管(ロウカン),のちには円盤レコード)の音溝をたどって起こす振動を,機械的に増幅して金属の振動板に伝え再生する。のち,針の振動を電気信号に変換する方式になった。フォノグラフ。

蓄音機

ちくおんき【蓄音機】
a gramophone;→英和
<米> a phonograph.→英和

蓄髪

ちくはつ [0] 【蓄髪】 (名)スル
僧が還俗(ゲンゾク)して再び髪を伸ばすこと。

蓄髯

ちくぜん [0] 【蓄髯】 (名)スル
ひげをはやしていること。

むしろ [3] 【筵・席・蓆・莚】
(1)わら・藺(イ)・竹などで編んだ敷物。特に,わらを編んで作ったもの。わらむしろ。「―囲いの仮小屋」
(2)すわる場所。また,会合の席。「一道にたづさはる人,あらぬ道の―にのぞみて/徒然 167」
(3)寝床。「―ニツク/日葡」

蓆旗

むしろばた [3][0] 【筵旗・蓆旗】
筵で作った旗。百姓一揆などに用いられた。

蓊鬱

おううつ ヲウ― [0] 【蓊鬱】 (ト|タル)[文]形動タリ
草や木が盛んに茂っているさま。「左右は―たるマホガニイの大森林で/くれの廿八日(魯庵)」

ふた【蓋】
a lid;→英和
a cover;→英和
a cap (びんの).→英和
〜をする put on the lid;close.→英和
〜をあける take off[lift]the lid;open (始まる).→英和

がい 【蓋】
〔「かい」とも〕
■一■ [1] (名)
(1)貴人や導師・仏像などの頭上にさしかけるかさやおおい。
(2)〔人の心をおおって真理を知ることを妨げる意から〕
煩悩(ボンノウ)。
■二■ (接尾)
助数詞。笠(カサ)または笠のようなものを数えるのに用いる。「加賀笠一―/浮世草子・一代女 6」

ふた [0] 【蓋】
(1)箱・容器などの口をおおってふさぐもの。
(2)サザエ・タニシなどの口をおおう平らな板状のもの。
(3)かさぶた。「是は天狗殿の灸(ヤイト)の―ぢや/咄本・露が咄」
(4)スッポンの異名。

きぬがさ [3][2] 【衣笠・絹傘・蓋】
(1)絹を張った柄の長い傘。古く,貴人の外出の際,後ろからさしかけるのに用いた。「我が大君は―にせり/万葉 240」
(2)仏像にかざす天蓋(テンガイ)。[和名抄]
衣笠(1)[図]

蓋う

おお・う オホフ [0][2] 【覆う・被う・蔽う・蓋う・掩う】 (動ワ五[ハ四])
〔「覆(オ)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)物の上や外側に他の物をかぶせる。また,そうして守る。「車をシートで―・う」「耳を―・いたくなるような金属音」「事故の現場は目を―・うばかりの惨状であった」「目に髪の―・へるをかきはやらで/枕草子 151」
(2)一面に広がって包む。「夜の霧がロンドンの街を―・っていた」「人々の熱気が会場を―・う」
(3)本当の事がわからないように,つつみかくす。「彼の失敗は―・うべくもない事実だ」「自分の非を―・おうとして,言い逃れをする」
(4)(「一言でおおう」の形で)すべてをつつみ含む。全体を言い表す。「彼の思想は一言で―・えば…である」
[可能] おおえる

蓋し

けだし【蓋し】
probably;→英和
perhaps (多分);→英和
after all (結局).

蓋し

けだし [1] 【蓋し】 (副)
(1)〔多く漢文訓読に用いられた語〕
かなりの確信をもって推量する意を表す。思うに。確かに。おそらく。たぶん。「―名言というべきだろう」
(2)疑いの気持ちをもって推量したり仮定したりする意を表す。ひょっとして。もしかして。もしや。「馬の音のとどともすれば松陰に出でてそ見つる―君かと/万葉 2653」「わが背子し―罷らば/万葉 3725」

蓋しく

けだしく 【蓋しく】 (副)
(多く助詞「も」を伴って用いる)「けだし」に同じ。「花のみに咲きて―実にならじかも/万葉 1463」「―も我(ア)が恋ひ死なば誰が名ならむも/万葉 3105」

蓋世

がいせい [0] 【蓋世】
〔「史記(項羽本紀)」より。「かいせい」とも〕
世をおおいつくすほどに才能や気力が大きくすぐれていること。「―の英雄」
→抜山蓋世(バツザンガイセイ)

蓋付き

ふたつき [0] 【蓋付き】
器物などにふたのついていること。また,その器。「―の茶碗」

蓋天説

がいてんせつ [3] 【蓋天説】
殷周時代に唱えられていたと考えられる中国最古の宇宙構造説。丸く笠を広げたような形状の天が四角い地をおおっている(=天円地方)とするもの。のち,渾天(コンテン)説との是非をめぐる論議のなかで,地の形状も球面状のものとされるに至った。周髀(シユウヒ)説。
→渾天説
→宣夜説(センヤセツ)

蓋擎子

かいけいし [3] 【蓋擎子】
〔「擎子」は台〕
蓋(フタ)をした青瓷(アオジ)の茶碗をのせる台。宮中で正月の供膳(キヨウゼン)に用いた。

蓋明け

ふたあけ [0] 【蓋明け】
〔ふたをあけることから〕
興行などを開始すること。「ペナント-レースの―」

蓋果

がいか [1] 【蓋果】
蒴果(サクカ)の一種。成熟すると果皮が横に割れて上半部が落ちる。マツバボタン・ゴキヅルなど。

蓋棺

がいかん [0] 【蓋棺】
棺にふたをすること。人の死んだことにいう。

蓋然

がいぜん [0] 【蓋然】
ある程度確実であること。
⇔必然
[哲学字彙]

蓋然性

がいぜんせい [0] 【蓋然性】
〔probability〕
事象が実現されるか否か,またはその知識の確実性の度合。確からしさ。数学的に定式化されたものを確率と呼ぶ。プロバビリティー。
→可能性

蓋然性

がいぜんせい【蓋然性】
probability.→英和

蓋然率

がいぜんりつ [3] 【蓋然率】
⇒確率(カクリツ)

蓋然的

がいぜんてき [0] 【蓋然的】 (形動)
ある程度確実であるさま。そうであろうと思われるさま。
⇔必然的

蓋然的判断

がいぜんてきはんだん [7] 【蓋然的判断】
〔論〕 様相すなわち確実の程度から分けられた判断の区分の一。主語と述語との関係が単に可能なことを表す。「 S は P であることがある」など。
→実然的判断
→必然的判断

蓋然論

がいぜんろん [3] 【蓋然論】
〔probabilism〕
〔哲〕 絶対確実な知識はありえないから,蓋然的な命題で満足しなければならないとする見解。

蓋物

ふたもの [0] 【蓋物】
陶器・漆器などで蓋のあるもの。

蓋置

ふたおき [0][4] 【蓋置】
茶の湯で,釜の蓋や柄杓(ヒシヤク)を置く具。古銅・陶磁器・木竹などで作る。

蓋車

がいしゃ [1] 【蓋車】
おおいのある車。有蓋貨車。

蓋開け

ふたあけ【蓋開け】
opening;→英和
beginning.

蓋馬高原

ケーマこうげん 【蓋馬高原】
朝鮮民主主義人民共和国の北東部を占める高原。焼畑農業を営む火田民の居住地。長津湖・赴戦湖などの人造湖がある。蓋馬(カイマ)高原。

蓋]う

おおう【被[覆・蓋]う】
cover <one's head with> ;→英和
hide <one's face> ;→英和
wrap (包む);→英和
envelope;→英和
shade <a lamp> ;→英和
disguise (事実を).→英和

めどぎ [0] 【筮・蓍】
〔「めどき」とも〕
占いの道具。もとメドハギで作ったが,のち竹で作る。筮竹(ゼイチク)。めど。

めど 【蓍】
(1)メドハギの古名。[和名抄]
(2)「めどぎ(筮)」に同じ。
(3)占い。「我が子は来たかと心の―/浄瑠璃・菅原」

蓍木

めどぎ [2] 【蓍木】
メドハギの別名。

蓍萩

めどはぎ [0] 【蓍萩】
マメ科の小低木状の多年草。荒地・草原などに多い。茎は直立して高さ約80センチメートル。葉は複葉で密に互生。小葉は篦(ヘラ)形。夏から秋,葉腋に白色で紫の条線のある小花を開く。茎を筮(メドギ)とした。若芽は利尿・解熱剤とされる。メドギ。漢名,鉄掃箒(テツソウシユウ)。

蓏果類

らかるい ラクワ― [2] 【蓏果類】
キュウリ・スイカなどの瓜類(ウリルイ)。

しきね [0] 【敷(き)寝・蓐】
物を下に敷いて寝ること。また,下に敷いて寝る具。「金革を―にして/笈日記」

蓐中

じょくちゅう [0] 【褥中・蓐中】
ふとんの中。寝床の中。

蓐月

じょくげつ [2] 【蓐月】
うみづき。臨月。

蓐瘡

じょくそう [0] 【褥瘡・蓐瘡】
とこずれ。

蓐草

じょくそう [0] 【褥草・蓐草】
家畜小屋に敷く枯れ草やわらなど。

みの [1] 【蓑・簑】
雨具の一。茅(カヤ)・菅(スゲ)などを編んで作り,肩に羽織って用いる。
蓑[図]

みの【蓑】
a mino;a straw raincoat.

蓑亀

みのがめ [0] 【蓑亀】
甲羅に藻などが付着し,蓑をつけたように見える亀。淡水産のイシガメやクサガメに緑藻がからみついたもの。海亀にも海草がつく現象がみられる。古くは緑毛亀・青毛亀・緑衣使者などといった。

蓑五位

みのごい [2] 【蓑五位】
ササゴイの異名。

蓑代衣

みのしろごろも 【蓑代衣】
蓑のかわりに雨具として用いる粗末な衣。「山伏の―にゆづり給ひて/源氏(初音)」

蓑庵

さあん 【蓑庵】
大坂の豪商鴻池了瑛が,1742年に京都,大徳寺玉林院に造営した茶室。三畳中板の席で,利休茶室の面影を伝える。

蓑曳

みのひき [2] 【蓑曳】
ニワトリの一品種。静岡県・愛知県原産。小国とチャボの交配により作出されたもので,蓑羽(ミノバネ)が長い。天然記念物。蓑曳鶏。

蓑毛

みのげ [0][2] 【蓑毛】
(1)蓑に編んだ茅(カヤ)や菅(スゲ)が乱れ垂れたもの。
(2)鷺(サギ)の首の,蓑のように垂れている羽。「鷺の―うちなびき/海道記」

蓑笠

みのかさ [1] 【蓑笠】
みのとかさ。また,蓑を着て笠をかぶること。

蓑笠子

みのかさご [3] 【蓑笠子】
カサゴ目の海魚。全長30センチメートルほど。背びれ・胸びれが著しく発達している。体は淡紅色の地に多くの黒褐色の横縞があって美しい。背びれのとげは鋭くて毒腺があるので,刺されると激しく痛む。観賞魚。食用。本州中部以南の温・熱帯海域に広く分布。ヤマノカミ。マテシバシ。
蓑笠子[図]

蓑米

みのごめ [0][2] 【蓑米】
カズノコグサの異名。

蓑芋

みのいも [2] 【蓑芋】
サトイモの別名。

蓑虫

みのむし [2] 【蓑虫】
ミノガ科のガの幼虫。葉や小枝を糸で綴り合わせた蓑のような巣を作り,雌は成虫になっても蛆(ウジ)状で蓑の中で一生を過ごす。一般に見られるものはオオミノガ・ケヤミノガ・ミノガの幼虫が多く,各種の樹木の葉を食害する。鬼の子。[季]秋。《―の父よと鳴きて母もなし/虚子》

蓑虫

みのむし【蓑虫】
a bagworm.→英和

蓑蛾

みのが [2] 【蓑蛾】
(1)ミノガ科のガの総称。全世界で約八〇〇種,日本で約四〇種が知られている。はね・体とも黒か暗褐色のものが多い。雄の成虫にははねがあって飛ぶが,雌ははねが全くないか退化しており,蛆(ウジ)状で一生を蓑の中で過ごす。幼虫はミノムシ。オオミノガ・チャミノガ・ミノガなど。
(2)ミノガ科のガの一種。雄の開張25ミリメートル内外。全体が黒褐色で,スギ・マツその他の植物を食害する。日本から中央アジアまで分布。

蓑貼り

みのばり [0] 【蓑貼り】
襖(フスマ)・壁紙などの下張りで半紙の上端だけに糊をつけ,蓑のように重ねていく貼り方。

蓖麻

ひま [1] 【蓖麻】
トウゴマの別名。

蓖麻子

ひまし [2] 【蓖麻子】
トウゴマの種子。

蓖麻子油

ひましゆ [3][0] 【蓖麻子油】
トウゴマの種子を圧搾して得た特異臭のある脂肪油。峻下剤(シユンゲザイ)や化粧品用・減摩剤などに用いる。

蓖麻子油

ひましゆ【蓖麻子油】
castor oil.

ござ [2] 【茣蓙・蓙】
〔貴人の座る「御座」に敷く物の意〕
藺(イ)などを編んで作った敷物。うすべり。ござむしろ。

ござ【蓙】
<spread> a (straw) mat <on the floor> .

蓚酸

しゅうさん シウ― [0] 【蓚酸】
カルボキシル基二個が結合したカルボン酸。化学式 C�H�O� 普通二分子の結晶水をもつ。水に溶けやすい。植物界にカルシウム塩・カリウム塩として広く分布。染料の原料や漂白剤などに用いる。
〔自然科学では「シュウ酸」と書く〕

蓚酸

しゅうさん【蓚酸】
oxalic acid.

蓪草

つうそう [0] 【通草・蓪草】
カミヤツデの別名。

よもぎ【蓬】
《植》a mugwort.

よもぎ [0] 【蓬・艾】
(1)キク科の多年草。各地の山野に見られ,高さ約1メートル。葉は楕円形で羽状に深裂し,裏に白毛がある。若葉は特に香りがあり,餅に搗(ツ)き込んで草餅とするので餅草ともいう。秋,茎頂に小頭花を円錐状につけ,生長した葉から灸に用いる「もぐさ」を作る。[季]春。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は淡萌黄(モエギ),裏は濃い萌黄,また,表白,裏青とも。夏着用。
蓬(1)[図]

蓬が島

よもぎがしま 【蓬が島】
(1)蓬莱山(ホウライサン)のこと。「真にや―に通ふらむ鶴に乗るてふ人に問はばや/堀河百首」
→蓬莱(1)
(2)日本の異名。[日葡]

蓬が杣

よもぎがそま 【蓬が杣】
蓬が生い茂って荒れ果てた所。また,自分の家の謙称。「なけや鳴け―のきりぎりす/曾丹集」

蓬く

ほお・く ホホク 【蓬く】 (動カ下二)
⇒ほおける

蓬ける

ほお・ける ホホケル [3] 【蓬ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ほほ・く
古くなってけば立つ。ほつれ乱れる。そそける。「―・けた畳」「風に吹かれて―・けた鬢(ビン)」

蓬の宿

よもぎのやど 【蓬の宿】
蓬が生い茂って荒れ果てた家。「やづまにかかるものとのみ―をうちはらひ/栄花(岩蔭)」

蓬の矢

よもぎのや 【蓬の矢】
「蓬矢(ホウシ)」に同じ。「桑の弓・―にて,天地四方を射させらる/平家 3」

蓬の門

よもぎのかど 【蓬の門】
蓬が生い茂って荒れ果てた門。蓬門(ホウモン)。「宿みれば―もさしながら/蜻蛉(中)」

蓬の髪

よもぎのかみ 【蓬の髪】
〔「蓬髪(ホウハツ)」の訓読み〕
蓬のようにほつれ乱れた髪。「いかにせん―の秋の霜/新撰六帖 5」

蓬乱

ほうらん [0] 【蓬乱】
ヨモギが乱れるように,入り乱れること。「―の髪は登徒が妻に勝れ/保元(下・古活字本)」

蓬壺

ほうこ [1] 【蓬壺】
(1)〔形が壺に似ていることから〕
蓬莱山(ホウライサン)の別名。「秦皇の―を尋ねしも/六百番歌合」
(2)内裏や上皇の御所。仙洞。「都鄙の老少みな―の瑕瑾ををしみ/平家 4」

蓬客

ほうかく [0] 【蓬客】
〔ヨモギが風に吹かれて飛ぶところから〕
あちこちとさすらい歩く旅人。

蓬屋

ほうおく [0] 【蓬屋】
(1)ヨモギで屋根をふいた家。
(2)みすぼらしい家。また,自宅をへりくだっていう語。

蓬左

ほうさ 【蓬左】
〔熱田神宮を蓬莱宮といい,その左(西)の意から〕
熱田から名古屋にかけての称。

蓬左文庫

ほうさぶんこ 【蓬左文庫】
旧尾張藩徳川家の蔵書を収めた文庫。名古屋市東区の旧徳川邸跡にあり,藩祖義直が分与された家康の蔵書を中心に,藩校明倫堂の蔵書などを加え和漢書約八万点を収蔵。朝鮮古活字版も多い。

蓬戸

ほうこ [1] 【蓬戸】
〔蓬(ヨモギ)を編んで作った戸の意〕
粗末な貧しい家。あばらや。

蓬生

よもぎう 【蓬生】
(1)蓬などが生い茂って荒れ果てた土地。「―の露分け入り給ふにつけても/源氏(桐壺)」
(2)源氏物語の巻名。第一五帖。

蓬矢

ほうし [1] 【蓬矢】
ヨモギで作った矢。邪鬼を払うといい,中国では男児が生まれると,これを桑の弓で四方に射て,将来の雄飛を祝った。よもぎのや。
→桑弧蓬矢(ソウコホウシ)

蓬窓

ほうそう [0] 【蓬窓】
ヨモギにつつまれた窓。転じて,粗末な家。

蓬艾

ほうがい [0] 【蓬艾】
ヨモギのこと。

蓬莱

ほうらい 【蓬莱】
(1)中国の神仙思想で説かれる想像上の仙境。東方の海上にあって,仙人が住む,不老不死の地と信じられた。蓬莱山。蓬莱島。よもぎがしま。
(2)富士山・熊野山など霊山の異名。
(3)熱田神宮の異名。
(4)台湾の異名。
(5){(1)}をかたどって松竹梅・鶴亀・尉姥(ジヨウウバ)などを配した祝儀などの飾り物。島台。蓬莱台。
(6)「蓬莱飾り」の略。[季]新年。《―の麓へ通ふ鼠かな/鬼貫》
(7)曲名(別項参照)。
蓬莱(5)[図]

蓬莱

ほうらい 【蓬莱】
長唄の一。四世杵屋六三郎作曲。遊郭を仙境蓬莱に,遊女を仙女に見立てた独吟もの。

蓬莱台

ほうらいだい [0] 【蓬莱台】
「蓬莱(ホウライ){(5)}」に同じ。

蓬莱山

ほうらいさん 【蓬莱山】
(1)「蓬莱{(1)}」に同じ。
(2)富士山の異名。
(3)金華山の異名。
(4)幸若舞「浜出(ハマイデ)」の別名。

蓬莱曲

ほうらいきょく 【蓬莱曲】
劇詩。北村透谷作。1891年(明治24)自費出版。夢幻的な仙境を背景にして,この世の繁栄と破滅,霊の救済を描く。

蓬莱竹

ほうらいちく [3] 【蓬莱竹】
小形のタケの一。南アジア原産。暖地で観賞用に栽培。叢生して株となり,高さ3〜5メートル。節から多数枝を出す。葉は軟らかく,小枝上に数個羽状に互生する。土用竹。

蓬莱米

ほうらいまい [0] 【蓬莱米】
台湾で栽培した日本種の稲およびこれを改良した稲からとれた米。

蓬莱織

ほうらいおり [0] 【蓬莱織】
たて糸で浮き模様を織り出した,風通織に似た織物。明治時代,西陣で織り始めたもので,女帯や袋物にする。

蓬莱羊歯

ほうらいしだ [5] 【蓬莱羊歯】
イノモトソウ科の常緑性シダ植物。観葉植物として栽培。短い根茎から,多数の葉が接して出る。高さ10〜25センチメートル。葉柄や中肋(チユウロク)は濃紫褐色で光沢があり,葉は軟らかく,羽状複葉。小葉は扇形。葉縁の折り返しの中に胞子嚢(ホウシノウ)群を生じる。アジアンタム。

蓬莱蕉

ほうらいしょう [3] 【蓬莱蕉】
モンステラの別称。

蓬莱豆

ほうらいまめ [3] 【蓬莱豆】
源氏豆(ゲンジマメ)の別名。

蓬莱飾り

ほうらいかざり [5] 【蓬莱飾り】
新年の祝儀として床に飾ったり年始の客に出したりする飾り物。三方の上に,白米・熨斗鮑(ノシアワビ)・伊勢海老・勝栗・昆布・野老(トコロ)・馬尾藻(ホンダワラ)・橙(ダイダイ)などを盛り付け,蓬莱{(1)}になぞらえたもの。これらを食べると寿命が延びるとされ,一種の取り肴として行われたが,実際に食べないものが多くなり飾り物となった。蓬莱。宝莱。江戸では「食い積み」といった。

蓬蓬

ほうほう [0] 【蓬蓬】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)風が強く吹くさま。「朔風―として満州より吹き当り/日本風景論(重昂)」
(2)草木の葉などが勢いよく茂っているさま。また,髪やひげがのびて乱れているさま。「櫛の痕なき頭髪の―たるに/即興詩人(鴎外)」
(3)煙や雲がさかんに立ちのぼるさま。「白い煙が,―と立つてゐるのを/日本北アルプス縦断記(烏水)」

蓬蓬然

ほうほうぜん [5] 【蓬蓬然】 (ト|タル)[文]形動タリ
風の吹き起こるさま。「暁の天(ソラ)より,―として下し来る風は/天うつ浪(露伴)」

蓬蓽

ほうひつ [0] 【蓬蓽】
〔「蓬戸蓽門」の略。ヨモギを編んで作った戸と,イバラで作った門の意〕
みすぼらしい家。また,自分の住居をへりくだっていう語。蓬屋。

蓬頭

ほうとう [0] 【蓬頭】
(ヨモギのように)ひどく乱れた頭髪。

蓬頭垢面

ほうとうこうめん [0] 【蓬頭垢面】
乱れた髪とあか染みた顔。身だしなみに無頓着なこと。蓬頭垢衣。

蓬餅

よもぎもち [3] 【蓬餅】
蓬のゆでた若葉を入れてついたもち。くさもち。[季]春。

蓬髪

ほうはつ [0] 【蓬髪】
長く伸びてくしゃくしゃに乱れた髪。蓬頭。

はちす [0] 【蓮】
(1)〔花後の花托が蜂の巣に似ることから〕
ハスの別名。[季]夏。
(2)〔浄土教で極楽浄土に往生した者は,蓮の花の中に生まれると説くことから〕
特に,極楽浄土の蓮。また,極楽浄土や往生の象徴的表現。「一たびも南無阿弥陀仏といふ人の―の上にのぼらぬはなし/拾遺(哀傷)」
(3)ムクゲの別名。

はす [0] 【蓮】
スイレン科の多年生水草。古く中国から渡来し,池や水田で広く栽培される。根茎は泥中をはい,秋には末端が肥厚する。葉は円形で長い葉柄につき,径約50センチメートル。夏,水上につき出た花茎の頂に径約20センチメートルの紅色ないし白色の花をつける。花後,花托が肥大して蜂(ハチ)の巣に似た形となり,上面の穴に一個ずつ種子を入れる。根(蓮根(レンコン))と種子は食用。ハチス。[季]夏。
→蓮の実
蓮[図]

はす【蓮】
《植》a lotus;→英和
a lotus root (蓮根);a lotus flower (花).

蓮っ葉

はすっぱ [0] 【蓮っ葉】 (名・形動)[文]ナリ
〔「はすは(蓮葉)」の促音添加〕
言動が浮薄なこと。特に,女性の態度やおこないに品がないこと。また,そのさま。そのような女性をもいう。「―な言い方」

蓮っ葉な

はすっぱ【蓮っ葉な】
loose;→英和
wanton.→英和
蓮っ葉娘 a hussy;→英和
a flirt.→英和

蓮の台

はちすのうてな 【蓮の台】
「はすのうてな(蓮の台)」に同じ。「教へあらば,浮む心の猿沢の―に坐せん/謡曲・采女」

蓮の台

はすのうてな [4] 【蓮の台】
仏・菩薩の座っている蓮の花の台座。また,極楽浄土に往生したものが座るという蓮の花の台。はちすのうてな。蓮座。

蓮の実

はすのみ [0] 【蓮の実】
蓮の果実。蜂(ハチ)の巣に似た半球形の花托(カタク)の穴から,黒く熟した実が跳ね落ちる。未熟のものは軟らかで甘味があり,生で食べられる。また,乾燥したものは菓子の材料などに用いる。[季]秋。

蓮の宿

はちすのやど 【蓮の宿】
極楽往生したものの住む所。「へだてなく―を契りても君がこころや住まじとすらむ/源氏(鈴虫)」

蓮の座

はちすのざ 【蓮の座】
「蓮(ハス)の台(ウテナ)」に同じ。

蓮の池

はちすのいけ 【蓮の池】
(極楽の)ハスの花の咲いている池。

蓮の糸

はちすのいと 【蓮の糸】
「はすのいと(蓮の糸)」に同じ。「―を村濃(ムラゴ)の組にして,九体の御手より通して/栄花(玉の台)」

蓮の糸

はすのいと 【蓮の糸】
蓮の葉柄の繊維から作るという糸。俗信で,極楽浄土との縁を結ぶという。蓮糸。「―にておれる袈裟なり/発心 2」

蓮の葉

はすのは [0] 【蓮の葉】
(1)蓮の円い葉。はすは。荷葉(カヨウ)。
(2)「蓮の葉物」に同じ。「麁相(ソソウ)な道具を―と言ふごとく/浮世草子・好色貝合」

蓮の葉商ひ

はすのはあきない 【蓮の葉商ひ】
ある時期にしか売れないものをあきなう商売。際物商売。「桃や柿や梨(アリ)の子(ミ),是ぞ―/浮世草子・二十不孝 5」

蓮の葉物

はすのはもの 【蓮の葉物】
盂蘭盆(ウラボン)に蓮の葉に包んで供える供物。蓮の葉。

蓮の葉貝

はすのはがい [4] 【蓮の葉貝】
タコノマクラの別名。

蓮の蔤

はちすのはい 【蓮の蔤】
ハスの地下茎。蓮根(レンコン)。[和名抄]

蓮切り鼻

はすきりばな [4] 【蓮切り鼻】
蓮のように,穴が上に向いた低い鼻。

蓮台

れんだい [0] 【輦台・蓮台】
江戸時代,人を乗せて川を渡るのに用いた道具。人を乗せる板に二本の棒をつけて四人でかつぐ平輦台,大名などを駕籠(カゴ)のままのせ,四本のにない棒を一六〜二〇人の人足がかつぐ大高欄など種々のものがあった。
輦台[図]

蓮台

れんだい [0] 【蓮台】
仏・菩薩が座る蓮(ハス)の花の台座。また,仏像をのせる蓮の花の形をした台座。蓮華台。蓮華座。

蓮台寺温泉

れんだいじおんせん 【蓮台寺温泉】
静岡県下田市にある温泉。泉質は単純泉。

蓮台野

れんだいの 【蓮台野】
墓地。地名にもなり,特に京都市北区船岡山の西麓(サイロク)にあった火葬場が有名。「―の奥,船岡山におさめ奉る/平家 1」

蓮如

れんにょ 【蓮如】
(1415-1499) 室町中期の僧。本願寺第八世。浄土真宗中興の祖。諱(イミナ)は兼寿,号は信証院,諡号(シゴウ)は慧灯大師。第七世存如の長男。比叡山僧徒のため大谷廟が破却されたのち,近江堅田,ついで越前吉崎に移り,「御文(オフミ)」を通じて北陸一帯の教化に努め,加賀一国は門徒領国化した。やがて山科に本願寺を再興し教勢大いに振るった。晩年には大坂石山に坊舎を造った。
→一向一揆

蓮子

れんし [1] 【蓮子】
ハスの実。数珠玉(ジユズダマ)に用いる。

蓮宗

れんしゅう [0] 【蓮宗】
浄土宗の異名。

蓮府

れんぷ [1] 【蓮府】
〔晋(シン)の大臣王倹が庭に蓮(ハス)を植えた故事から〕
大臣の邸宅。大臣の位。

蓮座

れんざ [0][1] 【蓮座】
「蓮華座{(2)}」に同じ。

蓮弁

れんべん [0] 【蓮弁】
ハスの花弁のこと。また,その形。仏の台座や光背,装飾などに用いられる。

蓮月尼

れんげつに 【蓮月尼】
⇒大田垣蓮月(オオタガキレンゲツ)

蓮根

れんこん [0] 【蓮根】
ハスの地下茎。いくつかの節に分かれ,内部には葉柄に通ずる穴が通っている。食用。はすのね。はす。藕根(グウコン)。

蓮根

れんこん【蓮根】
a lotus root[rhizome].

蓮根

はすね [0] 【蓮根】
(1)蓮の地下茎。れんこん。
(2)主に小児にできる腫(ハ)れものの一種。

蓮歩

れんぽ [1] 【蓮歩】
「金蓮歩(キンレンポ)」に同じ。

蓮池

はすいけ [0] 【蓮池】
蓮を植えてある池。れんち。[季]夏。

蓮池

れんち [1] 【蓮池】
ハスを植えてある池。

蓮生

れんしょう レンシヤウ 【蓮生】
熊谷直実(クマガイナオザネ)の法号。蓮生坊。

蓮田

はすだ 【蓮田】
埼玉県東部の市。市内の元荒川沿いは梨の産地。近年,都市化が著しく,金属・機械工業が立地。

蓮田

はすだ [0] 【蓮田】
蓮を植えてある田。

蓮社

れんしゃ [1] 【蓮社】
(1)「白蓮社(ビヤクレンシヤ)」の略。
(2)浄土宗で,僧が伝法の際に受ける法号。また,貴人などの戒名の下に付ける語。蓮社号。

蓮糸

はすいと [0] 【蓮糸】
「蓮の糸」に同じ。

蓮芋

はすいも [0] 【蓮芋・白芋】
サトイモ科の多年草で,栽培品種。葉や茎が緑白色で短い。芋は小さくかたくて食用にならないが,葉柄を食用にする。

蓮花

れんげ [0] 【蓮華・蓮花】
(1)ハスの花。[季]夏。
(2)〔「蓮華草」の略〕
ゲンゲに同じ。
(3)料理や食事に使う,柄の部分までくぼんでいる陶製の匙(サジ)。その形がハスの花びらに似ているのでいう。散り蓮華。

蓮荷

れんか [1] 【蓮荷】
〔「荷」も植物のハス〕
はす。はちす。

蓮華

れんげ [0] 【蓮華・蓮花】
(1)ハスの花。[季]夏。
(2)〔「蓮華草」の略〕
ゲンゲに同じ。
(3)料理や食事に使う,柄の部分までくぼんでいる陶製の匙(サジ)。その形がハスの花びらに似ているのでいう。散り蓮華。

蓮華

れんげ【蓮華】
a lotus (flower) (はすの花);→英和
[れんげ草]⇒げんげ.

蓮華升麻

れんげしょうま [4] 【蓮華升麻】
キンポウゲ科の多年草。山中の林内に生える。根葉は柄が長く,二,三回三出の複葉。夏から秋,高さ約80センチメートルの花茎の先に円錐花序を立て,淡紫色の花を下向きにつける。和名は花形と葉形に由来する。草蓮華。

蓮華坐

れんげざ [0][3] 【蓮華座・蓮華坐】
(1)「結跏趺坐(ケツカフザ)」に同じ。
(2)仏像を載せる蓮華形の台座。蓮座。

蓮華座

れんげざ [0][3] 【蓮華座・蓮華坐】
(1)「結跏趺坐(ケツカフザ)」に同じ。
(2)仏像を載せる蓮華形の台座。蓮座。

蓮華往生

れんげおうじょう [4] 【蓮華往生】
(1)〔仏〕 死後,極楽浄土の蓮華座上に生まれること。
(2)寛政年間(1789-1801),上総(カズサ)国で,日蓮宗の悪僧らが迷信を利用して行なった邪教。仕掛けのある大きな蓮華の台座を設け,料金を取って信者をここに登らせ,その周囲で一斉に読経しながら,蓮台をつぼませて台上の信者を包み込み,台の下から槍で刺し殺し,生きたまま仏土に往生するとしたもの。

蓮華文

れんげもん [3] 【蓮華文】
蓮華の花を文様化したもの。奈良・平安時代に瓦当(ガトウ)や仏像の光背・台座などに用いられた。
蓮華文[図]

蓮華王院

れんげおういん レンゲワウヰン 【蓮華王院】
三十三間堂の寺号。

蓮華草

れんげそう [0] 【蓮華草】
ゲンゲの別名。[季]春。

蓮華蔵世界

れんげぞうせかい [6] 【蓮華蔵世界】
〔仏〕
(1)華厳経の説。この世界は,毘盧遮那(ビルシヤナ)仏が過去に行なった修行と願によって実現した清浄な世界であり,巨大な蓮華の中にあるとする。
(2)梵網(ボンモウ)経の説。千葉の蓮華があり,その一葉ごとに一世界があり,毘盧遮那仏がその中心にあって全世界を教化しているとする。
(3)浄土宗で,阿弥陀仏の浄土のこと。

蓮華躑躅

れんげつつじ [4][5] 【蓮華躑躅】
ツツジ科の落葉低木。山地に生え,庭木ともする。葉は倒披針形。五月頃,枝先に朱黄色または黄色の花を少数個つける。花冠は径約6センチメートルで五中裂。いわつつじ。

蓮葉

はちすば 【蓮葉】
ハスの葉。「―の濁りにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく/古今(夏)」

蓮葉

はすは [0] 【蓮葉】 (名・形動)[文]ナリ
〔「はすば」「はすわ」とも〕
(1)(特に女性について)派手で浮ついていること。態度やおこないが下品でいやらしいこと。また,そのさま。「―を罷めて優に艶しく女性らしくなるはずもなし/浮雲(四迷)」「―に云って,口惜しさうに力のない膝を緊め合せる/婦系図(鏡花)」
(2)なまめかしく,異性をひきつけること。また,浮気なこと。また,そのさま。「なさけも有つて―に見えて,どうでも男のなりふりぢや/浄瑠璃・八花形」
(3)はしたないこと。軽率なこと。また,そのさま。「是は旦那,日比(ヒゴロ)と違ひ―なる御仕形/浮世草子・禁短気」
(4)「蓮葉女」に同じ。

蓮葉女

はすはおんな [4] 【蓮葉女】
(1)近世,上方で問屋が客の身の回りの世話をさせるために置いた女。売色を兼ねるものもあった。はすは。
(2)身持ちの悪い軽薄な女。

蓮葉桐

はすのはぎり [4] 【蓮葉桐】
ハスノハギリ科の常緑高木。沖縄・台湾・熱帯各地の海岸に生える。防風林・防潮林に植える。葉は長さ約30センチメートルの円心形。雌雄同株。花は白色。核果は扁球形に変化した総苞に包まれ,黒熟し,灯油をとる。材は下駄などにする。

蓮葉葛

はすのはかずら [5] 【蓮葉葛】
ツヅラフジ科のつる性草本。海に近い山地に生える。茎は緑色。葉は柄が長く広卵形で,蓮の葉のように盾形につく。雌雄異株。七〜九月,葉腋(ヨウエキ)に淡緑色の小花が密につく。果実は球形で朱赤色に熟す。地上部を千金藤と呼び薬用とする。イヌツヅラ。

蓮角

れんかく [0] 【蓮角】
(1)チドリ目レンカク科の鳥の総称。
(2){(1)}の一種。体長は20センチメートルほどだが,足指と爪(ツメ)が著しく長く,開くと15センチメートルもあり,浮き草の上を巧みに歩く。体は暗褐色。翼は白。繁殖期には尾が著しく長くのびる。東南アジアに分布。

蓮門

れんもん [0] 【蓮門】
浄土門の異名。蓮宗。

蓮門教

れんもんきょう 【蓮門教】
明治初年に興った新宗教の一。教祖は島村ミツ。日蓮教学を基盤とし,神道儀礼を取り入れ,神水による治療を行なって信者を集めた。九州小倉で興り,のち東京に進出。大成教に属したが1916年(大正5)に分裂,のち消滅。

蓮飯

はすめし [0] 【蓮飯】
(1)もち米を蓮の葉に包んで蒸した飯。盂蘭盆(ウラボン)に仏前に供え,また,親戚に贈ったりする。はすのいい。
(2)蓮の若葉を蒸して細かく刻んで混ぜた飯。

ぬなわ [0] 【沼縄・蓴】
蓴菜(ジユンサイ)の別名。[季]夏。《―とる小舟にうたはなかりけり/蕪村》

蓴菜

じゅんさい【蓴菜】
《植》a water shield.

蓴菜

じゅんさい [0] 【蓴菜】
(1)スイレン科の多年生水草。池沼に自生。茎は泥中の根茎から長く伸び,楕円形の葉を互生。夏,水上に花柄を出して暗紅紫色の花を開く。茎・葉にぬめりがあり,若い芽・葉を食用にする。蓴。古名ヌナワ。[季]夏。
(2)〔ぬめりをもつことから,それにたとえていう。近世上方語〕
ぬらりくらりと,どっちつかずであること。「こなさんがた―とはなぜに言ふえ。はておまへ追従ばかり言ふて,あちらでもこちらでもぬらりぬらりといふ心じやわいのう/浮世草子・旦那気質」
蓴菜(1)[図]

たで【蓼】
a smartweed.→英和
蓼食う虫も好き好き There is no accounting for tastes.

たで [0] 【蓼】
(1)タデ科タデ属に属する植物の総称。イヌタデ・ヤナギタデ・サクラタデ・オオケタデなど。
(2)ヤナギタデの一変種。辛みがあり,食用。刺身のつま,蓼酢にする。ベニタデ。アカタデ。[季]夏。
〔「蓼の花」は [季]秋〕

蓼喰ふ虫

たでくうむし タデクフ― 【蓼喰ふ虫】
小説。谷崎潤一郎作。1928(昭和3)〜九年発表。異常な夫婦関係にある要と美佐子の離婚に至る心理的経緯を描く。日本的女性美や伝統文化へ傾倒し始めた作者の転機を示す。

蓼太

りょうた レウタ 【蓼太】
⇒大島(オオシマ)蓼太

蓼科

たでか [0] 【蓼科】
双子葉植物離弁花類の一科。温帯に多く,世界に約四〇属八〇〇種がある。草本まれに低木。葉は単葉で互生し,基部に筒状の托葉鞘がある。花は放射相称で小さく,花被片は四〜六。果実は堅果。ダイオウ・タデ・アイ・ソバなどが古くから栽培される。

蓼科山

たてしなやま 【蓼科山】
長野県中央部,八ヶ岳山群北部の火山。海抜2530メートル。諏訪(スワ)富士。

蓼科高原

たてしなこうげん 【蓼科高原】
蓼科山山腹にひらける高原。蓼科温泉・白樺湖・女神湖などがあり,観光・別荘地。

蓼藍

たであい [3] 【蓼藍】
アイの別名。

蓼酢

たでず [0] 【蓼酢】
蓼の葉をすりつぶして混ぜ合わせた酢。鮎の塩焼きなどにかけたりして用いる。

しとみ [0][2] 【蔀】
(1)建具の一。格子を組み,間に板をはさんだ戸。日光・風雨をさえぎるためのもの。普通,長押(ナゲシ)から釣り,水平にはね上げて開き,L 字形の釣り金物で固定する。平安時代に現れ,寝殿造りの住宅や社寺建築などに広く用いられた。蔀戸。
→半蔀(ハジトミ)
→立蔀(タテジトミ)
(2)町家で,戸締まりのために柱の間に立て込む,上下二枚あるいは三枚から成る横長の板戸。昼間は外しておく。ひとみ。
(3)城外から見透かされないように設けた城内の土塁・建造物・植木などの総称。
(4)和船で,舷側(ゲンソク)に立てる波しぶきよけ。溝を切った柱と柱の間に板を落とし込んで立てる。
蔀(1)[図]

蔀む

しと・む 【蔀む】 (動マ四)
〔名詞「蔀(シトミ)」の動詞化〕
蔀でおおう。蔀で雨風を防ぐ。[日葡]

蔀屋

しとみや 【蔀屋】
蔀で囲った仮の小屋。

蔀戸

しとみど [3] 【蔀戸】
「しとみ(蔀){(1)}」に同じ。

蔀橋

しとみばし [3] 【蔀橋】
⇒廊下橋(ロウカバシ)

蔌蔌

そくそく [0] 【蔌蔌】 (形動タリ)
(1)木の葉などががさがさと音を立てるさま。「落葉―たり/日乗(荷風)」
(2)涙がはらはらと落ちるさま。

蔑する

なみ・する [3] 【蔑する】 (動サ変)[文]サ変 なみ・す
〔「無(ナ)みする」の意〕
ないがしろにする。あなどる。「吾自ら吾の理想,信仰を―・したるなり/欺かざるの記(独歩)」

蔑み

さげすみ【蔑み】
⇒軽蔑.

蔑み

さげすみ [0][4] 【蔑み・貶み】
さげすむこと。軽蔑。蔑視。「―の目で見る」

蔑む

さげす・む [3] 【蔑む・貶む】 (動マ五[四])
〔「下げ墨(ス)む」から転じた語〕
人格・能力などが劣った者,卑しい者としてばかにする。見下す。さげしむ。「いなか者と―・まれる」

蔑む

さげし・む 【蔑む】 (動マ四)
「さげすむ」に同じ。「人に―・み疑はるも生れ素性のさもしきゆゑ/浄瑠璃・井筒業平」

蔑ろ

ないがしろ [0] 【蔑ろ】 (名・形動)[文]ナリ
〔「無きが代(シロ)」の転。無いに等しいもの,の意〕
(1)侮り軽んずる・こと(さま)。「親を―にする」「本来の職務を―にする」
(2)人目を気にしないこと。うちとけたさま。「―に着なして/源氏(空蝉)」

蔑ろにする

ないがしろ【蔑ろにする】
make light of;ignore;→英和
slight.→英和

蔑如

べつじょ [1] 【蔑如】 (名)スル
さげすむこと。ないがしろにすること。蔑視。「遂には知事の法律を―し/緑簑談(南翠)」

蔑称

べっしょう [0] 【蔑称】
その人や物を軽蔑して呼ぶ称。

蔑視

べっし [0][1] 【蔑視】 (名)スル
あなどること。さげすむこと。

蔑視

べっし【蔑視】
⇒軽蔑.

つる【蔓】
a vine;→英和
a tendril (巻ひげ);→英和
a runner (芋の);→英和
earpieces[ <米> bows](眼鏡の).

かずら カヅラ [0] 【葛・蔓】
(1)つる性植物の総称。つるくさ。かずらぐさ。
(2)桶(オケ)のたが。[物類称呼]

つる [2][1] 【蔓】
(1)植物の茎の一形。一般に細長く強靭で,木化したものでも柔軟であるが,自身では直立できない。「朝顔の―」
→つる植物
(2)手がかり。つて。また,かねづる。手づる。「出世の―」「まさかの時のいい―だ/歌舞伎・青砥稿」
(3)眼鏡の耳にかける部分。

つら 【蔓】
「つる(蔓)」の古形。「まろき木に―つけし所所あるものをゆびさして/折たく柴の記」

蔓亀草

つるかめそう [0] 【蔓亀草】
ヤマノイモ科の多年草。南アフリカ原産。観賞用に栽培。根茎は大きな塊状で,表面に亀甲形の突起がある。茎は直立し,つる性の枝を出す。雌雄異株。花は白色で小さい。

蔓亀葉草

つるかめばそう [0] 【蔓亀葉草】
ムラサキ科の多年草。山中の湿った草地にまれに生える。茎はつる状でところどころから根を出す。根葉は柄が長く,卵形で先がとがる。春,淡青色の小花を数個総状花序につける。

蔓人参

つるにんじん [3] 【蔓人参】
キキョウ科のつる性多年草。山地に自生。切ると白汁が出る。葉は広披針形。八〜一〇月,淡緑色で内面に濃紫色の斑点のある鐘形の花を下向きにつける。根茎は薬用人参に似る。ジイソブ。

蔓割れ病

つるわれびょう [0] 【蔓割れ病】
スイカ・キュウリなどウリ類やサツマイモに多い病気。病原菌は根から入り,最初地ぎわの茎が褐色になり,やがて茎が割れて枯死する。連作によって伝染する。

蔓呆け

つるぼけ [0] 【蔓呆け】
サツマイモ・キュウリ・カボチャなどの蔓性植物で,蔓だけが繁茂して結実が悪くなる状態。

蔓巻

つるまき [0] 【蔓巻】
シマウシノシタの別名。

蔓巻発条

つるまきばね [5] 【蔓巻発条】
「コイルばね」に同じ。

蔓延

まんえん [0] 【蔓延】 (名)スル
伸び広がること。はびこること。好ましくないことにいう。「伝染病が―する」

蔓延

まんえん【蔓延】
spread <of a disease> .→英和
〜する spread;be prevalent.

蔓延る

はびこる【蔓延る】
spread;→英和
grow thick;prevail.→英和

蔓延る

はびこ・る [3] 【蔓延る】 (動ラ五[四])
(1)草木などが伸びて広がる。「雑草が―・る」
(2)好ましくないものの勢いが盛んになって広がる。「暴力が―・る」
(3)勢威をふるう。「アノ人―・ッテオル/ヘボン」「平氏世を執て九代,…一類天下に―・りて/太平記 11」
(4)満ち広がる。「西に望めば潮海広く―・りて/海道記」
[可能] はびこれる

蔓延る

ほびこ・る 【蔓延る】 (動ラ四)
はびこる。「この見ゆる雲―・りてとの曇り雨も降らぬか心足らひに/万葉 4123」

蔓忍

つるしのぶ [3] 【蔓忍】
植物カニクサの別名。

蔓性

つるせい [0] 【蔓性】
ある種の植物の,茎・幹がつる状になる性質。

蔓擬

つるもどき [3] 【蔓擬】
ツルウメモドキの別名。[季]秋。

蔓斑

つるぶち [0] 【蔓斑・鶴斑】
馬の毛色の一。まだらがつらなって続いているもの。

蔓日日草

つるにちにちそう [0] 【蔓日日草】
キョウチクトウ科の多年草。ヨーロッパ原産。まれに観賞用に栽培する。茎は長くつる状に伸びて横にはう。葉は卵形。夏,葉腋に五深裂する紫青色の花を一個ずつ上向きにつける。

蔓柏

つるがしわ [3] 【蔓柏】
柏紋の一。三柏の間に二股の蔓のあるもの。

蔓梅擬

つるうめもどき [5] 【蔓梅擬】
ニシキギ科のつる性落葉低木。山野に自生。葉は広楕円形。雌雄異株。初夏,腋生の集散花序に淡緑色の小花をつける。蒴果は小球形で,秋に熟し,三裂して黄赤色の種子を現す。ツルモドキ。[季]秋。
蔓梅擬[図]

蔓植物

つるしょくぶつ [4] 【蔓植物】
茎や幹が細長くて直立せず,他物を支えとしてこれに巻きついたり,付着したりして生長する植物の総称。草木または低木で,茎自身が他の植物などに巻きつくフジ・アサガオ,巻きひげでからみつくエンドウマメ・ウリ,茎から不定根を出して付着するツタ・ポトスなど,多様な器官の変態が見られる。藤本。

蔓橋

かずらばし カヅラ― 【蔓橋】
徳島県西祖谷山(イヤヤマ)村,祖谷川上流に架かる吊り橋。自生するシロクチカズラを編んで,三年に一度架け替える。祖谷の蔓橋。

蔓正木

つるまさき [3] 【蔓正木】
ニシキギ科のつる性常緑低木。山地に生える。気根を出し樹木などをはい上がる。葉は長楕円形。六,七月,葉腋に多数の緑色の小花をつける。蒴果は秋に熟し,裂開して朱赤色の種子を現す。

蔓無隠元

つるなしいんげん [5] 【蔓無隠元】
インゲンマメの変種。丈が低くつる立ちしない。さやと種子を食用にする。

蔓物

つるもの [0][2] 【蔓物】
(1)つるの伸びる植え木や野菜。
(2)生け花の花材で,アケビなどのつる状のもの。

蔓甘茶

つるあまちゃ [3] 【蔓甘茶】
アマチャヅルの別名。

蔓生

まんせい [0] 【蔓生】 (名)スル
植物の茎がつるとなってのびること。「植物は其上に―し得ず/日本風景論(重昂)」

蔓穂

つるぼ [0] 【蔓穂】
ユリ科の多年草。原野に群生。広線形の葉が地下の卵球形の鱗茎から数個出る。八,九月,高さ約30センチメートルの花茎を出し,総状花序を立てて淡紫色の小花を多数つける。スルボ。参内傘(サンダイガサ)。
蔓穂[図]

蔓立ち

つるだち [0] 【蔓立ち・蔓質】
⇒蔓生(マンセイ)

蔓竜胆

つるりんどう [3] 【蔓竜胆】
リンドウ科のつる性多年草。山地に生える。茎は細く,長さ約50センチメートルとなり,長卵形の葉を対生。夏から秋,葉腋に淡青紫色の鐘状花をつける。液果は楕円形で紅紫色に熟す。

蔓紫

つるむらさき [4] 【蔓紫】
ツルムラサキ科のつる性一年草。熱帯アジア原産。若苗を食用とし,また観賞用に栽培する。全体に多肉質。茎は長さ1,2メートルに達し,紫色を帯びる。葉は広卵形。夏から秋,葉腋に白または帯紅色の小花を穂状につける。果実は球形で紫色に熟す。

蔓紫陽花

つるあじさい [3] 【蔓紫陽花】
ユキノシタ科のつる性落葉小木本。山地に生える。葉は柄が長く卵円形。夏,集散花序をつける。両性花は小形,周囲に大形白色の中性花が数個ある。ゴトウヅル。蔓手毬(ツルデマリ)。

蔓脚類

まんきゃくるい [4] 【蔓脚類】
節足動物門甲殻綱の一亜綱。すべて海産。幼生は浮遊生活をするが,成体は岩などに固着するか,他の動物に寄生する。多くは雌雄同体。蔓(ツル)のような細長い脚をもつものが多い。エボシガイ・カメノテ・フジツボ・フクロムシなど。ツルアシ類。

蔓苔桃

つるこけもも [3] 【蔓苔桃】
ツツジ科の草本状の常緑低木。高層湿原に生える。茎は針金状で水苔上をはい,長さ約30センチメートル。葉は狭卵形で質が厚い。初夏,淡紅色の花を開き,球形の液果を結ぶ。果実は秋に赤く熟し,甘酸っぱく,生食や菓子・ジャムなどにする。
蔓苔桃[図]

蔓茘枝

つるれいし [3] 【蔓茘枝】
ウリ科のつる性一年草。熱帯アジア原産。観賞用とし,または未熟果を食用とするため栽培する。葉は掌状に深裂。夏から秋,葉腋(ヨウエキ)に黄色の花をつける。果実は全面に瘤(コブ)状の突起がある。果皮は苦く,別名を苦瓜(ニガウリ)という。れいし。[季]秋。

蔓茱萸

つるぐみ [3] 【蔓茱萸】
グミ科の半つる性常緑木本。山地に生える。葉は対生し,楕円形。晩秋,葉腋から白色の小花を二,三個ずつ下垂する。翌年の初夏,楕円形の果実が赤く熟し,食べられる。ヒグミ。

蔓草

つるくさ【蔓草】
a vine;→英和
a climber;→英和
a creeper.→英和

蔓草

つるくさ [0][2] 【蔓草】
茎がつる状に伸びる草の総称。

蔓荊

はまごう [2] 【蔓荊】
クマツヅラ科の落葉低木。海岸の砂地に自生。茎は砂上をはい,高さ50センチメートル内外の枝を立てる。葉は対生し,灰緑色の楕円形。夏,枝頂に青紫色の唇形花を多数つける。果実は球形,漢方で蔓荊子(マンケイシ)と称し鎮痛・強壮剤などとする。ハマツバキ。
蔓荊[図]

蔓菜

つるな [2][0] 【蔓菜】
ツルナ科の多年草。海岸に自生する。全体多肉質で,茎は地をはい,三角卵形の葉を互生。春から秋にかけ,葉腋に黄色の小花を一,二個つける。若苗を食用とするため,野菜としても栽培される。ハマヂシャ。

蔓蕺

つるどくだみ [3] 【蔓蕺】
タデ科のつる性多年草。中国原産。日本の各地に野生化する。葉は卵状心臓形でドクダミに似る。秋,葉腋に白色の小花を円錐状に多数つける。根は塊状に肥厚し,漢方で何首烏(カシユウ)と呼んで,強壮・緩下剤などに用いる。

蔓薔薇

つるばら [2] 【蔓薔薇】
枝がつる状に長くなるバラ。

蔓藤袴

つるふじばかま [5] 【蔓藤袴】
マメ科の多年草。山野に多い。茎はつる性で稜がある。葉は羽状複葉で中軸の先が巻きひげとなる。八〜一〇月,葉腋(ヨウエキ)に総状花序を出して紅紫色の蝶形花をつけ,扁平な豆果を結ぶ。

蔓藻

つるも [0] 【蔓藻】
褐藻類コンブ目の海藻。盤状の付着器で岩上に着生し,数本ずつ束生する。体は径2〜5ミリメートル,長さ数メートルに達する細長い中空の紐(ヒモ)状で,中にガスを含む。乾燥したものを食用とする。

蔓豆

つるまめ [2] 【蔓豆】
マメ科のつる性一年草。藪(ヤブ)や草地に自生。全体に粗毛がある。葉は長楕円形の三小葉から成る複葉。初秋,葉腋に紫色の小蝶形花をつけ,ダイズに似た豆果を結ぶ。ダイズの原種と考えられている。

蔓質

つるだち [0] 【蔓立ち・蔓質】
⇒蔓生(マンセイ)

ほぞ [1] 【蔕】
〔「ほぞ(臍)」と同源。古くは「ほそ」〕
果実のへた。

へた【蔕】
a calyx (なすなどの).→英和

へた [0][2] 【蔕】
茄子(ナス)・柿などの実についている萼(ガク)。

蔕落ち

ほぞおち [0][4] 【臍落ち・蔕落ち】 (名)スル
〔古くは「ほそおち」〕
(1)果実が熟して自然に落ちること。またその果実。ほぞち。ほぞぬけ。
(2)機が熟すること。時期が来て自然に事が成就すること。「―する迄待つてはゐられぬ/浄瑠璃・右大将鎌倉実記」
(3)納得すること。腑(フ)に落ちること。「段々の教訓に―して,一生あの里へ参るまいとの起請文/浮世草子・好色敗毒散」
(4)へその緒が落ちること。ほぞち。
〔(4)が原義〕

蔗境

しゃきょう [0] 【蔗境】
〔顧愷之(コガイシ)が甘蔗(=サトウキビ)を食うごとに,いつも末から根に至り,ようやく佳境に入ると言ったという「世説新語(排調)」「晋書(顧愷之伝)」の故事から〕
談話や文章などの次第に面白くなるところ。佳境。

蔗糖

しょとう [0][1] 【蔗糖】
〔「しゃとう(蔗糖)」の慣用読み〕
二糖類の一。サトウキビやテンサイから抽出して精製した甘味の強い無色の結晶。ブドウ糖と果糖とが脱水縮合したもの。化学式 C��H��O�� 食用とするほか,カラメルや糖炭(吸着剤)の原料などに用いる。砂糖。スクロース。サッカロース。
〔自然科学では「ショ糖」と書く〕

蔘精

じんせい [0] 【蔘精】
⇒人参(ニンジン)エキス

蔚山

ウルサン 【蔚山】
韓国南東部,日本海に臨む港湾都市。慶長の役で,加藤清正・浅野幸長が明・朝鮮の大軍に対し籠城戦を強いられた蔚山城趾がある。石油化学工業が発展。

蔚山

いさん ヰサン 【蔚山】
⇒ウルサン

蔚然

うつぜん [0] 【鬱然・蔚然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)草木の茂っているさま。「―たる原始林」
(2)物事の盛んなさま。立派なさま。「近世景色画の大家が―として一時に競ひ起こつた/文芸上の自然主義(抱月)」

まぶし [0][3] 【蔟】
蚕が繭をつくるとき,糸をかけやすいようにした仕掛け。わら・竹・紙などで作る。蚕蔟(サンゾク)。

さい 【蔡】
中国,周代の諸侯国の一((?-前447))。周の武王が弟の蔡叔度を封じた国(河南省上蔡県)。春秋時代,楚(ソ)によって滅ぼされた。

蔡倫

さいりん 【蔡倫】
(?-107) 中国,後漢中期の宦官(カンガン)。字(アザナ)は敬仲。樹皮・麻くず・魚網などを材料に初めて紙を作り,和帝に献じたという。

蔡元培

さいげんばい 【蔡元培】
(1868-1940) 中国の教育家・哲学者。浙江省出身。清末の革命運動に参加。ドイツに留学。中華民国初代の教育総長となり,近代教育の基礎を作る。文学革命や五・四運動のときは北京大学校長であったが,革新派を支持。自由主義者として一生を貫いた。著「哲学綱要」「中国倫理学史」など。ツァイ=ユアンペイ。

蔡元定

さいげんてい 【蔡元定】
(1135-1198) 中国,南宋の学者。字(アザナ)は季通。号は西山。朱熹に師事したが,博学で師からも一目置かれた。朱熹の著書は蔡元定と討論してできたものが多い。偽学の禁により配流。著「律呂新書」など。

蔡温

さいおん 【蔡温】
(1682-1761) 琉球王国の政治家。三司官の一人。名は具志頭文若(グシチヤンブンジヤク),具志頭温。蔡温は唐名。中国に留学。帰国後,尚敬王のもとで重用され,農林業・治水などの殖産興業や行政制度の整備など,国政全般に腕をふるい新体制を完成させた。著「農務帳」ほか。

蔡邕

さいよう 【蔡邕】
(132?-192) 中国,後漢の文人・学者。字(アザナ)は伯喈(ハクカイ)。六経の文字を校定し,みずから石に刻んで熹平(キヘイ)石経をたてた。散文,特に碑銘文にすぐれ,名文が多い。著「独断」「蔡中郎集」など。
→永字八法

はい ハヒ 【蔤】
蓮根(レンコン)の古名。「蓮葉の―にぞ人は思ふらむよにはこひぢの中に生ひつつ/後撰(雑一)」

つた [0][2] 【蔦】
(1)ブドウ科のつる性落葉木本。日本・朝鮮・中国に分布。巻きひげには吸盤があり,山野の岩や樹に着生する。葉は円心形で浅く三裂し,光沢がある。夏,葉腋に黄緑色の小花をつけ,液果は小球形で紫黒色に熟す。秋の紅葉が美しいので,家屋の外壁や石垣にはわせたり,盆栽にして観賞する。ナツヅタ。[季]秋。
(2)家紋の一。蔦の葉・蔓(ツル)・花をかたどったもの。蔦・蔦花・中陰蔦・結蔦など。
蔦(2)[図]

つた【蔦】
an ivy.→英和

蔦の細道

つたのほそみち 【蔦の細道】
蔦がおい茂って細くなった道。伊勢物語の文から,静岡県岡部町と静岡市丸子を分ける宇津谷峠付近の小道をいうことが多い。

蔦唐丸

つたのからまる 【蔦唐丸】
蔦屋(ツタヤ)重三郎の狂名。

蔦屋

つたや 【蔦屋】
江戸有数の地本(ジホン)問屋。初め吉原大門口にあったが,天明年間(1781-1789)に日本橋通油町に移転。

蔦屋重三郎

つたやじゅうざぶろう 【蔦屋重三郎】
(1750-1797) 江戸中期の書肆(シヨシ)・狂歌作者。江戸の人。本名,喜多川柯理。通称,蔦重(ツタジユウ)。号,耕書堂。狂名,蔦唐丸(ツタノカラマル)。地本問屋蔦屋の主人。京伝・南畝・馬琴,歌麿・北斎と親交があり,黄表紙・洒落本・浮世絵などの評判作を次々に出版した。

蔦温泉

つたおんせん 【蔦温泉】
青森県十和田湖町,八甲田山の南東にある温泉。単純泉。大町桂月の墓がある。

蔦漆

つたうるし [3] 【蔦漆】
ウルシ科のつる性落葉木本。山地に自生。茎は樹木や岩上をはい,気根を出して固着する。葉は卵形の三小葉から成る複葉。雌雄異株。初夏,葉腋に黄緑色の小五弁花を多数つける。果実は歪球形。秋の紅葉が美しい。樹液は有毒で,かぶれる。
蔦漆[図]

蔦紅葉

つたもみじ [3] 【蔦紅葉】
(1)紅葉したツタの葉。
(2)イタヤカエデの別名。

蔦紅葉宇都谷峠

つたもみじうつのやとうげ ツタモミヂウツノヤタウゲ 【蔦紅葉宇都谷峠】
歌舞伎の一。世話物。河竹黙阿弥作。1856年江戸市村座初演。通称「宇都谷峠」「文弥殺し」。文弥は姉が身売りした百両を持ち京へ市名(イチナ)を受けに行く途中,伊丹屋重兵衛に宇都谷峠で殺され亡霊となる。陰惨な殺しが見せ場。

蔦葛

つたかずら [3] 【蔦葛】
つるくさの総称。[季]秋。《桟やいのちをからむ―/芭蕉》

蔬菜

そさい [0] 【蔬菜】
野菜。青もの。

蔬菜

そさい【蔬菜】
vegetables;greens.蔬菜園 a kitchen garden.

蔬菜類

そさいるい [2] 【蔬菜類】
主として人の副食物に用いる草本植物。根菜類・茎菜類・葉菜類・果菜類・花菜類などに大別される。

おん 【蔭】
⇒蔭位(オンイ)

かげ [1] 【陰・蔭・翳】
(1)光がさえぎられて当たらない所。「ビルの―になって日当たりが悪い」
(2)物などにより視線がさえぎられ見えない所。「電柱の―に隠れる」「草葉の―」
(3)人の目のとどかない所。「―の人」「―で悪口をいう」
(4)表面にあらわれない所。物事の裏面。「勝利の―にはたゆみない努力がある」「犯罪の―には女あり」
(5)はっきりとはしないが,どこか暗い感じがすること。「―のある表情」
(6)「陰祭(カゲマツ)り」の略。
(7)恩恵を与えること。また,その人。「たれを頼む―にて,ものし給はむとすらむ/源氏(若菜上)」
→御蔭(オカゲ)

蔭位

おんい 【蔭位】
律令制で,父祖の位階によってその子孫も一定の位階を授けられた制度。五位以上の者の子と三位以上の者の孫は,二一歳になると,一定の位階に叙し,相当の官職に任用された。いんい。蔭(オン)。
→蔭位[表]

蔭子

おんし 【蔭子】
蔭位を受ける資格のある子。親王と五位以上の人の子。いんし。かげこ。

蔭子

かげこ 【陰子・蔭子】
(1)庇護されている子。「人しれず君が―になりねとぞ思ふ/相模集」
(2)「おんし(蔭子)」に同じ。
(3)「陰間(カゲマ)」に同じ。

蔭孫

おんそん 【蔭孫】
蔭位を受ける資格のある孫。三位以上の者の孫。

蔭涼軒日録

いんりょうけんにちろく インリヤウケン― 【蔭涼軒日録】
京都相国寺鹿苑(ロクオン)院蔭涼軒主の公用日記。全体で1435〜93年に及ぶ。このうち,1435〜66年までは季瓊真蘂(キケイシンズイ),1484〜93年分は亀泉集証(キセンシユウシヨウ)によることが知られている。五山内部の状況のほかに,室町幕府の動静についても詳記されており,室町時代の重要史料の一。おんりょうけんにちろく。

ぞう ザウ [1] 【蔵】
所有していること。「さる旧家の―にかかる名品」

ぞう【蔵】
property <of> .→英和
…蔵(の) in the possession of….

くら [2] 【蔵・倉・庫】
(1)家財や商品などを火災や盗難などから守り,保管しておく建物。倉庫。
(2)「お蔵(クラ){(2)}」に同じ。

蔵い忘れる

しまいわす・れる シマヒ― [6] 【蔵い忘れる】 (動ラ下一)
(1)出した物をしまうことを忘れる。「財布を―・れる」
(2)物をしまった場所を忘れる。

蔵い無くす

しまいなく・す シマヒ― [5] 【蔵い無くす】 (動サ五)
しまった物の所在がわからなくなって無くす。「印鑑を―・す」

蔵う

しま・う [0] 【仕舞う・終う・了う・蔵う】 (動ワ五[ハ四])
(1)(仕事などを)し終える。終わりまですませる。また,仕事が終わる。「店を―・う」「仕事が早く―・ったら寄ってみよう」「食事を―・つて茶を飲みながら/青年(鴎外)」
(2)使っていたもの,外に出ているものなどを納めるべき場所に納める。片付ける。また,適当な所に入れる。「おもちゃを―・う」「財布を懐に―・う」「秘密を胸に―・っておけない性質」
(3)解決する。けりをつける。
 (ア)(あったものを)なくする。「これを―・つたら盗賊よけの守りを引つ放しておかう/黄表紙・金生木」
 (イ)盆・暮れなどに取引を清算する。「まだ得―・はぬかして取乱したる書出し千束の如し/浮世草子・胸算用 2」
 (ウ)殺してけりをつける。「これへ呼び出せ,―・うてくれん/浄瑠璃・忠臣蔵」
 (エ)遊里で,遊女を買い切る約束などをして,ほかの客の所へ出さない。「今夜あ―・つて居て呼びにやるべえと思つた所い来さつた/洒落本・道中粋語録」
(4)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て(で)」を添えた形に付いて,その動作がすっかり終わる,その状態が完成することを表す。終わったことを強調したり,不本意である,困ったことになった,などの気持ちを添えたりすることもある。「忘れて―・うに限る」「寝過ごして―・った」「すっかりお手数をかけて―・いました」「見られて―・った」「指を挟んで―・った」
[可能] しまえる

蔵する

ぞう・する ザウ― [3] 【蔵する】 (動サ変)[文]サ変 ざう・す
(1)所蔵する。「多くの古書を―・する」
(2)中に含みもっている。「複雑な問題を―・している」

蔵の中

くらのなか 【蔵の中】
小説。宇野浩二作。1919年(大正8)「文章世界」に発表。質屋の蔵の中で,質入れした自分の着物を虫干ししながら女たちを回想する快楽を,ヒステリー女に邪魔される話。

蔵む

きす・む 【蔵む】 (動マ四)
しまいかくす。「頂(イナダキ)に―・める玉は二つ無し/万葉 412」

蔵主

くらぬし [2] 【倉主・蔵主】
倉庫の所有者。蔵の持ち主。

蔵主

ぞうす ザウ― [1] 【蔵主】
禅寺で,経蔵をつかさどる僧の役職名。蔵司。

蔵人

くろうど クラウド [2] 【蔵人】
〔「くらひと」の転〕
(1)蔵人所の役人で,機密の文書・訴訟をつかさどった令外(リヨウゲ)の官。のちには,天皇の衣食・起居のことから伝宣・進奏・諸儀式,その他宮中のいっさいのことを扱った。院・摂家にも置かれた。くらんど。くらうど。
(2)宮中の雑事に奉仕する女官。女蔵人(ニヨクロウド)。

蔵人

くらんど 【蔵人】
⇒くろうど(蔵人)(1)

蔵人

くらうど 【蔵人】
⇒くろうど(蔵人)

蔵人の五位

くろうどのごい クラウド―ゴヰ 【蔵人の五位】
六位の蔵人のうち任期が満ちて五位に叙せられ,欠員がなくて殿上を下りたもの。

蔵人弁

くろうどのべん クラウド― 【蔵人弁】
蔵人で太政官の弁官を兼ねた者。

蔵人所

くろうどどころ クラウド― [5] 【蔵人所】
810年,嵯峨天皇によって設置された令外の官司の蔵人が事務を執る役所。職員として別当・頭・五位蔵人・六位蔵人・出納・雑色などが置かれた。

蔵人所別当

くろうどどころのべっとう クラウド―ベツタウ 【蔵人所別当】
蔵人所の長官。左・右大臣または大納言が任ぜられた。殿上の別当。

蔵人町

くろうどまち クラウド― 【蔵人町】
蔵人の詰所。校書(キヨウシヨ)殿の西,後涼殿の南にあった。

蔵人頭

くろうどのとう クラウド― 【蔵人頭】
蔵人所の別当に次ぐ職。定員は二名で,一人は弁官から,一人は近衛中将から任じ,それぞれ頭弁・頭中将といい,殿上の大小の事務をつかさどった。

蔵元

くらもと [0] 【蔵元・倉本】
(1)酒・醤油などの醸造元。造り酒屋。
(2)荘園の年貢を収める倉庫を管理する者。
(3)室町時代,質屋を営んだ者。
(4)江戸時代,大坂などにおかれた蔵屋敷に出入りし,蔵物の出納をつかさどった商人。掛け屋を兼ねる者も多かった。

蔵入り

くらいり [0][4] 【蔵入り】
(1)蔵の中に納めること。
(2)芝居などで,興行の純利益。
(3)江戸時代,領地の年貢米の納入。
(4)「蔵入り地」に同じ。

蔵入り地

くらいりち 【蔵入り地】
中世末から江戸時代,幕府・大名の直轄領。お蔵入り。御料所。台所入り。

蔵入れ

くらいれ [0][4] 【蔵入れ・庫入れ】 (名)スル
(1)蔵に入れ納めること。
(2)貨物を普通倉庫または保税倉庫に委託し,保管させること。
⇔蔵出し

蔵六

ぞうろく ザウロク 【蔵六】
(1822-1877) 江戸末期・明治初期の陶工。姓は真清水。京都の人。五条坂に開窯して主に青磁を焼き,古染付(コソメツケ)・高麗(コウライ)などの写しをよくした。

蔵六

ぞうろく ザウ― [0] 【蔵六】
〔頭・尾・四足の六つを隠すことから〕
亀の異名。

蔵内

くらうち 【蔵内】
姓氏の一。

蔵内数太

くらうちかずた 【蔵内数太】
(1896-1988) 社会学者。岡山県生まれ。九大・阪大教授。東洋思想や日本文化の伝統を社会学に包摂しようと試みた。著「文化社会学」など。

蔵出し

くらだし [0] 【蔵出し・庫出し】 (名)スル
(1)倉庫に保管してある物品を引き出すこと。
⇔蔵入れ
(2)製造したものを蔵から市場に出すこと。「―の酒」

蔵前

くらまえ クラマヘ 【蔵前】
東京都台東区浅草,隅田川の西岸の地名。江戸時代,幕府の米倉があり,札差(フダサシ)が多く住んでいた。

蔵前入用

くらまえにゅうよう クラマヘニフ― 【蔵前入用】
江戸時代,高掛物(タカガカリモノ)とよばれた付加税の一。天領の農民に課せられた。

蔵前風

くらまえふう クラマヘ― [0] 【蔵前風】
(1)江戸時代の浅草蔵前の豪奢な札差(フダサシ)の風俗。
(2)〔蔵前の札差の女房の好みの結い方であったことから〕
のめし髷(マゲ)の異名。

蔵匿

ぞうとく ザウ― [0] 【蔵匿】 (名)スル
(1)人に見つからないように隠しておくこと。「これを樹籬の中に―せんが為めならず/西国立志編(正直)」
(2)〔法〕 罰金以上の刑にあたる罪を犯した者,または拘禁中逃走した者などをかくまう行為。
→犯人蔵匿罪

蔵卵器

ぞうらんき ザウラン― [3] 【造卵器・蔵卵器】
車軸藻類・コケ植物・シダ植物の雌性生殖器官。膨らんだ腹部と細い頸部とからなり,腹部に一個の卵細胞を生じる。
→造精器

蔵原

くらはら 【蔵原】
姓氏の一。

蔵原惟人

くらはらこれひと 【蔵原惟人】
(1902-1991) 文芸評論家。東京生まれ。東京外語卒。昭和初年からマルクス主義的文芸評論家として活躍,プロレタリア文学運動の理論的指導者。評論集「芸術論」など。

蔵司

くらのつかさ 【蔵司・内蔵寮】
(1)後宮十二司の一。神璽(シンジ)・関契,天皇皇后の衣服などの管理にあたった。ぞうし。くらづかさ。《蔵司》
(2)「くらりょう(内蔵寮)」に同じ。

蔵司

くらづかさ 【蔵司】
⇒くらのつかさ(蔵司)

蔵司

ぞうす ザウ― [1] 【蔵司】
(1)蔵主(ゾウス)の居室。
(2)「蔵主」に同じ。

蔵回り

くらまわり 【蔵回り】
〔「蔵」は質屋の意〕
近世,質流れの古着や古道具を売買して歩く商人。ふるてがい。

蔵奉行

くらぶぎょう [3] 【倉奉行・蔵奉行】
江戸時代,幕府の職制の一。勘定奉行の配下に属し幕府の米穀の出納,米蔵の管理をつかさどった。

蔵宿

くらやど 【蔵宿】
(1)料金を取って品物を保管しておく所。
(2)江戸浅草蔵前に住んだ札差(フダサシ)。また,その店舗。
(3)大坂の納め宿の別名。

蔵宿師

くらやどし 【蔵宿師】
江戸時代,旗本や武士などの依頼を受けて,蔵宿{(2)}と借金の交渉を行うことを業とした者。弁舌・気力にたけた浪人などがなり,蔵宿側は折衝役をおいてこれに対抗した。

蔵屋敷

くらやしき [3] 【蔵屋敷】
江戸時代,諸大名が年貢米や特産物を売りさばくために江戸・大坂・大津などに設けた,倉庫と取引所を兼ねた屋敷。特に,大坂に集中した。

蔵帳

くらちょう [0] 【蔵帳】
家蔵道具,特に茶道具の目録。茶道の名家の所蔵品は名物とされる場合があった。「遠州蔵帳」「雲州蔵帳」「鴻池蔵帳」などが著名。

蔵幅

ぞうふく ザウ― [0] 【蔵幅】
所蔵する掛物。

蔵店

くらみせ [0] 【蔵店】
土蔵造りの店。

蔵座敷

くらざしき [3] 【蔵座敷】
蔵の中にある座敷。

蔵役人

くらやくにん [3] 【蔵役人】
蔵屋敷に勤めて蔵米・蔵物の出納をつかさどる各藩の役人。

蔵志

ぞうし ザウシ 【蔵志】
日本最初の解剖書。山脇東洋著。1759年刊。54年に初めて官許を得て行なった解剖の所見を記述。古来の迷妄を正し,実際の解剖の必要性を認識させた。

蔵払い

くらばらい [3] 【蔵払い】 (名)スル
在庫商品を整理するため,またはその名目で,安売りすること。くらざらえ。

蔵持

くらもち [4] 【倉持(ち)・蔵持(ち)】
(1)倉庫を所有すること。また,持ち主。
(2)金持ち。財産家。

蔵持ち

くらもち [4] 【倉持(ち)・蔵持(ち)】
(1)倉庫を所有すること。また,持ち主。
(2)金持ち。財産家。

蔵教

ぞうきょう ザウケウ [0][1] 【蔵教】
〔仏〕 天台教学で釈迦一代の教説を内容的に分類した化法(ケホウ)の四教の第一で,三蔵教の略称。仏教教義の初歩として説かれた小乗教。
→五時八教

蔵方

くらかた [0] 【倉方・蔵方】
室町時代,倉庫を管理し,金銭・穀物・器財などの出納をつかさどったもの。

蔵書

ぞうしょ【蔵書】
a collection of books;one's library.2万の〜がある have a library of 20,000 books.‖蔵書印 the owner's signet.蔵書家 a book collector;a bibliophile.蔵書票 a bookplate;an ex libris.蔵書目録 a library catalog.

蔵書

ぞうしょ ザウ― [0][1] 【蔵書】
書物を所蔵していること。また,その書物。蔵本。

蔵書印

ぞうしょいん ザウ― [3] 【蔵書印】
その所蔵者を明らかにするために書籍に押した印。

蔵書家

ぞうしょか ザウ― [0] 【蔵書家】
書物をたくさん所有している人。

蔵書票

ぞうしょひょう ザウ―ヘウ [0] 【蔵書票】
⇒エクス-リブリス

蔵本

ぞうほん ザウ― [0] 【蔵本】
所蔵する書物。蔵書。

蔵本

ぞうほん【蔵本】
one's books[library].

蔵法師

くらぼうし [3] 【蔵法師】
(1)室町時代,大名などの蔵を預かって米穀の出納をつかさどった僧形の者。蔵衆。
(2)江戸時代,商家の土蔵や倉庫を預かり,管理した者。

蔵浚え

くらざらえ【蔵浚え】
a clearance sale.

蔵浚え

くらざらえ [3] 【蔵浚え】 (名)スル
「蔵払(クラバラ)い」に同じ。

蔵版

ぞうはん ザウ― [0] 【蔵版】
版木や紙型を所蔵していること。また,所蔵の版木や紙型。「大蔵省―」

蔵物

ぞうもつ ザウ― [0] 【蔵物】
所蔵している物品。ぞうぶつ。

蔵物

くらもの 【蔵物】
江戸時代,諸藩が江戸や大坂の蔵屋敷に送って売り払う物産。
→納屋(ナヤ)物

蔵玉和歌集

ぞうぎょくわかしゅう ザウギヨクワカシフ 【蔵玉和歌集】
室町時代の歌集。一巻。草木鳥月の異名などを詠み込んだ和歌を類聚(ルイジユ)し,簡単な注を施す。蔵玉集。

蔵王

ざおう ザワウ 【蔵王】
(1)「蔵王山」の略。
(2)「蔵王権現」の略。

蔵王国定公園

ざおうこくていこうえん ザワウ―コウヱン 【蔵王国定公園】
宮城・山形両県の県境,蔵王山を中心とする国定公園。火山景観・温泉・スキー場などで知られる。

蔵王堂

ざおうどう ザワウダウ 【蔵王堂】
奈良県吉野山にある金峰山(キンプセン)寺の本堂。蔵王権現をまつる。現存の堂は1456年の再建。

蔵王山

ざおうざん ザワウ― 【蔵王山】
宮城・山形両県にまたがる火山群。屏風岳を中心とする南蔵王と,最高峰熊野岳(1841メートル)・刈田岳を外輪山とし,五色岳を中央火口岳とする北蔵王からなる。樹氷で有名。

蔵王権現

ざおうごんげん ザワウ― 【蔵王権現】
釈迦如来の化身といわれ修験道の本尊。役行者(エンノギヨウジヤ)が金峰山(キンプセン)で修行中に感得したとされる。像は三目の忿怒身で,右手に三鈷(サンコ)を握って振り上げ左手は腰にあて片足を高くあげた姿をとる。金剛蔵王。蔵王菩薩。
蔵王権現[図]

蔵男

くらおとこ [3] 【蔵男・倉男】
酒蔵で酒を作る仕事をしている男。

蔵相

ぞうしょう【蔵相】
the Minister of Finance.

蔵相

ぞうしょう ザウシヤウ [0] 【蔵相】
大蔵大臣のこと。

蔵移し

くらうつし [3] 【蔵移し・庫移し】
蔵入れした貨物を,蔵出しせずに他の倉庫に保管換えすること。特に,保税倉庫にある貨物を,他の保税倉庫に保管換えすること。

蔵米

くらまい [0] 【蔵米】
(1)江戸時代,幕府・諸藩が倉庫に貯蔵した米。家臣の俸禄にあてた。切米(キリマイ)。
(2)江戸時代,幕府・諸大名が蔵屋敷を通して貨幣にかえた貢租米。

蔵米切手

くらまいきって [5] 【蔵米切手】
「指し紙{(3)}」に同じ。

蔵米取

くらまいとり 【蔵米取】
江戸時代,知行地でなく蔵米を給与された幕臣や藩士。初め下級者であったが,知行制の改定の結果多くの藩では上級者にまで及んだ。切米取(キリマイトリ)。
⇔地方取(ジカタドリ)
→知行取

蔵米知行

くらまいちぎょう 【蔵米知行】
江戸時代,幕臣や藩士に知行を土地ではなく米で与えること。多くの藩では一七世紀に地方(ジカタ)知行制から切り換えられた。
→地方(ジカタ)知行制

蔵精器

ぞうせいき ザウセイ― [3] 【造精器・蔵精器】
車軸藻類・コケ植物・シダ植物の雄性生殖器官。精子をつくる。
→造卵器

蔵経

ぞうきょう ザウキヤウ [0] 【蔵経】
「大蔵経」の略。

蔵経紙

ぞうきょうし ザウキヤウ― [3] 【蔵経紙】
中国で,宋代に大蔵経の印刷に用いた紙。麻紙という。また,のちに乾隆帝の時代にこれを模して作った写経用の紙。

蔵置

ぞうち ザウ― [1] 【蔵置】 (名)スル
倉庫などに物をしまっておくこと。

蔵衆

くらしゅう [2][0] 【蔵衆】
「蔵法師(クラボウシ){(1)}」に同じ。

蔵衣装

くらいしょう [3] 【蔵衣装・蔵衣裳】
(1)江戸時代,歌舞伎で興行主が下級俳優に貸与した衣装。
(2)他人の衣装を借りて着ること。また,その衣装。

蔵衣裳

くらいしょう [3] 【蔵衣装・蔵衣裳】
(1)江戸時代,歌舞伎で興行主が下級俳優に貸与した衣装。
(2)他人の衣装を借りて着ること。また,その衣装。

蔵造り

くらづくり [3] 【蔵造り】 (名)スル
(1)蔵を建てること。また,その人。
(2)土蔵づくりの家。土蔵づくり。

蔵部

くらべ 【蔵部】
律令制で,内蔵寮(クラリヨウ)や大蔵省に属し,官物の出納をつかさどった下級役人。

蔵鋒

ぞうほう ザウ― [0] 【蔵鋒】
書道で,筆法の一。起筆に筆の穂先を筆画の外に表さないように書くもの。篆(テン)書・隷(レイ)書に用いる。
⇔露鋒

蔵開き

くらびらき [3] 【蔵開き】 (名)スル
年の初めに,吉日を選んでその年初めて蔵を開くこと。また,その祝い。多く正月一一日に行い,鏡餅を雑煮などにして食べた。江戸時代,大名が米蔵を開く儀式をしたのにはじまる。

蔵面

ぞうめん ザウ― [0] 【蔵面・造面】
舞楽面の一。長方形の厚紙に白絹を張り,墨で抽象化した眉・目・鼻・口を描く。蘇利古(ソリコ)・安摩(アマ)の二種がある。雑面。
蔵面[図]

蔵預かり

くらあずかり [3] 【蔵預かり】
倉庫に入れてあずかること。また,その番人。

蔵預かり切手

くらあずかりきって [7] 【蔵預かり切手】
江戸時代,各藩が米や砂糖など蔵預かりしていたものに対して振り出した倉荷証券。

蔵骨器

ぞうこつき ザウコツ― [4][3] 【蔵骨器】
火葬した骨灰や副葬品を納める容器。骨蔵器。

蔵]

くら【倉[庫・蔵]】
a warehouse;→英和
a storehouse (貯蔵所);→英和
a granary (穀倉).→英和
〜に入れる store.→英和
‖蔵払い売出し a clearance sale.⇒蔵浚(ざら)え.

蔽い

おおい オホヒ [0][3] 【覆い・被い・蔽い】
物が隠れるように,広げてかぶせたり,周りを囲ったりするもの。

蔽う

おお・う オホフ [0][2] 【覆う・被う・蔽う・蓋う・掩う】 (動ワ五[ハ四])
〔「覆(オ)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)物の上や外側に他の物をかぶせる。また,そうして守る。「車をシートで―・う」「耳を―・いたくなるような金属音」「事故の現場は目を―・うばかりの惨状であった」「目に髪の―・へるをかきはやらで/枕草子 151」
(2)一面に広がって包む。「夜の霧がロンドンの街を―・っていた」「人々の熱気が会場を―・う」
(3)本当の事がわからないように,つつみかくす。「彼の失敗は―・うべくもない事実だ」「自分の非を―・おうとして,言い逃れをする」
(4)(「一言でおおう」の形で)すべてをつつみ含む。全体を言い表す。「彼の思想は一言で―・えば…である」
[可能] おおえる

蔽遮

へいしゃ [0] 【蔽遮】 (名)スル
おおい隠すこと。また,おおい隠すもの。遮蔽。「其の慧眼…憤雲怨霧の為に―せられ/経国美談(竜渓)」

蕁麻

いらくさ [0][2] 【刺草・蕁麻】
イラクサ科の多年草。日陰地に自生。高さ80センチメートル内外。葉は心臓形で粗い鋸歯(キヨシ)がある。秋,葉腋(ヨウエキ)に緑白色の雄花穂と雌花穂をつける。葉・茎にあるとげはギ酸を含み,触れると痛く,水疱ができる。若葉は食用。茎から繊維をとる。イタイタグサ。

蕁麻

じんま [1] 【蕁麻】
イラクサの漢名。

蕁麻疹

じんましん [3] 【蕁麻疹】
突然皮膚がかゆくなって紅色の少しふくれた発疹を生じる疾患。発疹は数分から数時間で消え,跡を残さない。漆(ウルシ)や化学薬品,魚肉・牛乳・卵などの食物,物理的刺激などによるものが多い。
→アレルギー

蕁麻疹

じんましん【蕁麻疹】
hives;→英和
nettle rash.

蕃人

ばんじん [0][3] 【蕃人】
(1)未開人。野蛮人。えびす。
(2)台湾の漢民族以外の先住民に対する第二次大戦前までの中国および日本側での呼称。

蕃俗

ばんぞく [0][1] 【蕃俗】
野蛮人の風習。未開の習俗。

蕃別

ばんべつ [0] 【蕃別】
⇒しょばん(諸蕃)(2)

蕃国

ばんこく [0][1] 【蛮国・蕃国】
(1)野蛮な国。蕃邦。
(2)外国。

蕃土

ばんど [1] 【蕃土・蛮土】
未開の地。蕃地(バンチ)。

蕃地

ばんち [1] 【蕃地・蛮地】
未開の土地。蕃土。

蕃坊

ばんぼう [0] 【蕃坊】
中国,唐宋代に広州・泉州などの外国貿易港に設けられた外国商人居留地。

蕃境

ばんきょう [0] 【蕃境】
野蛮人の住む土地。蕃地。

蕃夷

ばんい [1] 【蛮夷・蕃夷】
野蛮人。未開人。えびす。

蕃族

ばんぞく [1] 【蛮族・蕃族】
未開の民族。野蛮人。

蕃書

ばんしょ [1][0] 【蕃書】
江戸時代,オランダの書物を中心とする欧米の書籍・文書の総称。鎖国により輸入を禁止されていたが,八代将軍吉宗の時からは,キリスト教関係の書物を除いて輸入が認められた。

蕃書調所

ばんしょしらべしょ 【蕃書調所】
江戸末期,幕府が設けた洋学の研究・教育施設。外交文書の翻訳をも行なった。1855年洋学所として江戸九段坂下に設立。のち神田一ッ橋に移され,名称も蕃書調所,洋書調所,さらに開成所と変更され,東京大学の前身校の一つとなる。

蕃椒

とうがらし タウ― [3] 【唐辛子・唐芥子・蕃椒】
(1)ナス科の一年草。南アメリカの熱帯原産。日本には近世初期に渡来。高さ60センチメートル内外。夏,葉腋に白色の花を開く。果実の形は細長いもの,丸いもの,大小様々あり,熟すと赤・黄などとなる。一般に辛味が強く,香辛料や薬用とする。変種のシシトウガラシやピーマンは食用に,ゴシキトウガラシは観賞用にする。辛味の強いタカノツメなどは南蛮(ナンバン)辛子・南蛮・高麗胡椒(コウライゴシヨウ)とも呼ばれる。とんがらし。[季]秋。
(2)「七味唐辛子」の略。
唐辛子(1)[図]

蕃椒

ばんしょう [0] 【蕃椒】
トウガラシの漢名。

蕃殖

はんしょく [0] 【繁殖・蕃殖】 (名)スル
動物・植物が生まれふえること。生殖により生物の個体がふえること。「ネズミが―する」「―力」

蕃瓜樹

ばんかじゅ バンクワ― [3] 【蕃瓜樹】
パパイアの漢名。

蕃社

ばんしゃ [1] 【蕃社】
〔「社」は祭祀(サイシ)集団の意〕
第二次大戦前の台湾で,漢民族以外の先住民(高砂族)の血縁を基礎とする地縁的な集団に対する中国側・日本側の呼称。

蕃神

ばんしん [0] 【蕃神・蛮神】
外国人の信じている神。また,外国から渡来した神。

蕃紅花

ばんこうか [3] 【蕃紅花・番紅花】
サフランの漢名。

蕃習

ばんしゅう [0] 【蛮習・蕃習】
野蛮な風習。

蕃育

はんいく [0] 【蕃育】 (名)スル
やしないそだてること。「『シヤモ』の如き大鶏を撰んで之を―せば/新聞雑誌 2」

蕃舶

ばんぱく [0] 【蛮舶・蕃舶】
外国の船。蛮船。

蕃茄

ばんか [1] 【蕃茄】
トマトの異名。

蕃茉莉

ばんまつり [3] 【蕃茉莉】
ナス科の常緑低木。熱帯アメリカ原産。葉は互生。花は漏斗形,淡青紫色でのち白変する。観賞用に温室栽培する。

蕃茘枝

ばんれいし [3] 【蕃茘枝】
バンレイシ科の半落葉低木。熱帯アメリカ原産で,果樹として熱帯各地で広く栽培される。果実は径約10センチメートルの卵球形の集合果。果肉はクリーム状で甘く,生食する。同属で果樹として栽培されるものは他に数種ある。釈迦頭(シヤカトウ)。
→チェリモヤ

蕃藷

ばんしょ [1] 【蕃藷】
サツマイモの異名。

蕃藷考

ばんしょこう 【蕃藷考】
江戸中期の農書。一巻。青木昆陽著。1735年刊。救荒作物として有用な甘藷(カンシヨ)の性質・栽培法などを記す。

蕃衍

はんえん [0] 【繁衍・蕃衍】 (名)スル
しげり広がること。繁殖。「松の枝葉が―する」「一族郎党が―する」

きのこ [1] 【茸・蕈・菌】
〔「木の子」の意〕
担子菌類・子嚢(シノウ)菌類の作る大きな子実体の通称。木陰の腐葉土や朽ち木などに生え,多くは傘状で裏に多数の胞子ができる。松茸・初茸・椎茸のように食用になるものもあるが,有毒なものもある。[季]秋。

蕈虫

きのこむし [3] 【蕈虫】
茸に集まる甲虫目の昆虫の総称。茸を食べるもの,茸にいる他の昆虫などを捕食するもの,隠れ場所とするものなど,集まる目的はさまざまで種類も多い。

蕉翁

しょうおう セウヲウ 【蕉翁】
松尾芭蕉(バシヨウ)の敬称。

蕉葉

しょうよう セウエフ [0] 【蕉葉】
バショウ(芭蕉)の葉。

蕉門

しょうもん セウ― [0] 【蕉門】
松尾芭蕉の門人,およびその門流。

蕉門の十哲

しょうもんのじってつ セウ― 【蕉門の十哲】
松尾芭蕉門下の一〇名のすぐれた俳人。普通,榎本其角・服部嵐雪・各務(カガミ)支考・森川許六・向井去来・内藤丈草・志太野坡・越智越人・立花北枝・杉山杉風をいうが異説もある。

蕉風

しょうふう セウ― [0][3] 【蕉風】
松尾芭蕉およびその門流の信奉する俳風。美的理念としては幽玄・閑寂を重んじ,さび・しおり・細み・かるみを尊ぶ。また,付合(ツケアイ)では,それまでの物付け・心付けに対し,におい・うつり・ひびき・位など,余情・風韻を重視する匂(ニオイ)付けを創出した。正風。蕉流。

しべ [1] 【蕊・蘂】
(1)花の生殖器官。ずい。「雄―」「雌―」
(2)ひもの先端と総(フサ)との間につける飾り。[安斎随筆]
蕊(2)[図]

ずい [1] 【蕊・蘂】
花の生殖器官。雄蕊と雌蕊がある。しべ。

蕎麦

そまむぎ 【蕎麦】
「そばむぎ(蕎麦)」に同じ。「―をうゑて侍りけるを/著聞 12」

蕎麦

そば [1] 【蕎麦】
〔「そば(稜)」の意という〕
(1)タデ科の一年生作物。中央アジア原産で,日本へは古く渡来。茎は赤みを帯び,高さ約60センチメートルで,三角心形の葉を互生する。花は白色小形で,初秋,葉腋(ヨウエキ)・茎頂に多数総状につく。実は三角卵形で黒熟し,種子をひいて蕎麦粉とする。古名ソバムギ。[季]秋。
(2)蕎麦粉を水でこねて薄くのばし,細長く切った食品。ゆでてつけ汁につけたり,または汁をかけたりして食べる。そば切り。
蕎麦(1)[図]

蕎麦

そばむぎ 【蕎麦】
植物ソバの古名。[本草和名]

蕎麦

そば【蕎麦】
buckwheat (穀物);→英和
buckwheat noodles (加工品).‖蕎麦粉 buckwheat flour.蕎麦屋 a noodle[soba]shop.

蕎麦の木

そばのき 【蕎麦の木・稜の木】
(1)植物カナメモチの古名。
(2)植物ブナの古名。

蕎麦ボーロ

そばボーロ [3] 【蕎麦―】
焼き菓子の一。蕎麦粉を用い,梅の花形に焼いたボーロ。京都の銘菓。

蕎麦処

そばどころ [3] 【蕎麦処】
(1)そばの名産地。
(2)そば屋。看板や暖簾(ノレン)に書く言葉。

蕎麦切

そばきり [2] 【蕎麦切(り)】
「蕎麦{(2)}」に同じ。

蕎麦切り

そばきり [2] 【蕎麦切(り)】
「蕎麦{(2)}」に同じ。

蕎麦寿司

そばずし [2] 【蕎麦寿司】
飯のかわりに蕎麦を用いて,巻き寿司や握り寿司のように仕立てた料理。

蕎麦屋

そばや [2] 【蕎麦屋】
蕎麦などのめん類を食べさせる店。

蕎麦掻き

そばがき [2] 【蕎麦掻き】
蕎麦粉を熱湯で練ったもの。醤油やつゆをつけて食べる。そばねり。[季]冬。

蕎麦殻

そばがら [0] 【蕎麦殻】
そばの実のから。枕などに詰めて用いる。そばかす。

蕎麦湯

そばゆ [2] 【蕎麦湯】
(1)熱湯で蕎麦粉を溶いた飲み物。[季]冬。《古を好む男の―かな/村上鬼城》
(2)蕎麦をゆでたあとの湯。蕎麦つゆに入れて薄めて飲む。

蕎麦滓

そばかす [3] 【蕎麦滓】
(1)「蕎麦殻(ソバガラ)」に同じ。
(2)〔多く「雀斑」と書く〕
主として顔にできる褐色の小斑点。女子に多い。思春期に目立ちはじめ,日光にあたると増える。夏日斑(カジツハン)。雀卵斑(ジヤクランハン)。

蕎麦猪口

そばちょく [0] 【蕎麦猪口】
盛りそばのつけ汁を入れる容器。高台(コウダイ)はなく,畳付(タタミツキ)から口へ向けて直線的に広がる。染付・赤絵などが知られる。そばちょこ。

蕎麦粉

そばこ [3][2] 【蕎麦粉】
そばの実をひいて作った粉。練って,蕎麦掻き・蕎麦切りなどにして食べる。

蕎麦練り

そばねり [2] 【蕎麦練り】
「蕎麦掻(ガ)き」に同じ。

蕎麦菜

そばな [2] 【蕎麦菜】
キキョウ科の多年草。山地に自生。高さ約80センチメートル。葉は互生し卵形ないし狭卵形で軟らかい。秋,茎頂に淡紫色の鐘状花をまばらにつける。
蕎麦菜[図]

蕎麦饅頭

そばまんじゅう [3] 【蕎麦饅頭】
蕎麦粉に上新粉・ヤマノイモなどを加えてこね,餡(アン)を包んで蒸した饅頭。

蕓薹

うんだい [0] 【�薹・蕓薹】
(1)アブラナの別名。
(2)ウンダイアブラナの名で呼ばれるアブラナの変種。中国で主に採油用に栽培される。

ふき【蕗】
a butterbur.

ふふき 【蕗】
フキの古名。[本草和名]

ふき [0] 【蕗・苳・款冬・菜蕗】
キク科の多年草。山野に自生し,また野菜として栽培する。早春,地上に「ふきのとう」と呼ばれる苞(ホウ)に包まれた花茎を出し,生長すると淡黄白色の頭花をつける。雌雄異株。花後,長い柄のある腎心形の大きな葉が出る。香りのある葉柄とふきのとうを食用とする。[季]夏。《―の葉のうち重つて沢となる/山口青邨》
蕗[図]

ふき 【菜蕗・蕗・富貴・布貴】
箏曲の一。
(1)八橋検校作曲の箏組歌十三曲中の筆頭の曲。八橋流以降,生田流・山田流でも演奏され,俗箏の最初の曲として尊ばれている。
(2)筑紫箏の曲。{(1)}の原曲。越天楽(エテンラク)。

蕗の台

ふきのだい [4] 【富貴の台・蕗の台】
婚礼の三献(サンコン)の時に用いる嫁の肴台(サカナダイ)。三方の上に作り物の蕗を立て,その下に結び昆布(コンブ)・結び鯣(スルメ)などの肴を盛る。

蕗の姑

ふきのしゅうとめ [0] 【蕗の姑】
蕗の薹(トウ)の異名。

蕗の祖父

ふきのじい [4] 【蕗の祖父】
蕗の薹(トウ)の異名。

蕗の薹

ふきのとう [4][3] 【蕗の薹】
初春,地上に生い出た蕗の若い花茎。香りとほろ苦さを賞味する。ふきのじい。ふきのしゅうとめ。[季]春。《―紫を解き緑解き/後藤夜半》

蕗味噌

ふきみそ [0] 【蕗味噌】
蕗の薹(トウ)を刻み込んだ焼き味噌や練り味噌。苦みと芳香がある。

蕞爾

さいじ [1] 【蕞爾】 (ト|タル)[文]形動タリ
小さいさま。「実に―たる一小島/民権自由論(枝盛)」

蕤賓

すいひん [0] 【蕤賓】
(1)中国音楽の音名。十二律の七番目の音。日本の十二律の鳧鐘(フシヨウ)に相当。
(2)陰暦五月の異名。

わら 【蕨】
〔女房詞〕
ワラビ。[御湯殿上(文明一八)]

わらび [1] 【蕨】
イノモトソウ科の常緑性シダ植物。疎林や日当たりのよい山地に生え,早春,先端がこぶし状に巻いた新芽が地下の根茎上から直立して生い出る。これを山菜として食用にする。葉は三回羽状に分裂。羽片の縁が下面に巻きこんで,胞子嚢(ノウ)群がつく。根茎から蕨粉をとる。[季]春。
蕨[図]

わらび 【蕨】
埼玉県南東部の市。近世,中山道の宿場町として発展。宅地化が進み,人口密度は全国でも屈指の高さ。

わらび【蕨】
《植》a bracken;→英和
a fern.→英和

蕨手

わらびて [0] 【蕨手】
(1)こぶしの形をしたワラビの新芽。
(2)先端が巻き込んだ早蕨(サワラビ)形の意匠。刀の柄(ツカ),高欄の手すりの先端などに見られる。

蕨手刀

わらびてとう [0] 【蕨手刀】
古墳時代末から奈良時代・平安初期にかけて主に東日本で用いられた刀の一種。柄がワラビの芽のように屈曲している。わらびでのかたな。
蕨手刀[図]

蕨熨斗

わらびのし [3] 【蕨熨斗】
「のし」の字を蕨手に書くこと。また,その文字。

蕨箒

わらびぼうき [4] 【蕨箒】
露地用具の一。ワラビの根からとった繊維を束ね,青苧(アオソ)で結んだもの。露地の塵穴付近にかける飾り箒。

蕨粉

わらびこ [0] 【蕨粉】
ワラビの根茎からとったデンプン。蕨糊(ノリ)や蕨餅(モチ)を作る。

蕨糊

わらびのり [3] 【蕨糊】
蕨粉で作った糊。粘着力が強い。傘や提灯(チヨウチン)を張るのに使われた。

蕨綱

わらびづな [3] 【蕨綱】
ワラビの根の繊維で作った綱。

蕨縄

わらびなわ [3] 【蕨縄】
ワラビの根の繊維で作った縄。色は黒く,耐水性がある。

蕨餅

わらびもち [3] 【蕨餅】
蕨粉にもち米の粉を加えて作った餅。蜜と黄な粉をつけて食べる。[季]春。《青かつし貴船の茶屋の―/佐藤漾人》

蕩かす

とらか・す 【盪かす・蕩かす】 (動サ四)
(1)溶解する。とかす。「金は火に―・されうぞ/史記抄 7」
(2)惑わして本心を失わせる。また,心を和らげてうっとりさせる。とろかす。「酒をたしみ,女におぼれ,夙夜に思ひを―・し,志をほしいままにして/保元(下・古活字本)」

蕩かす

とろかす【蕩かす】
[溶かす]melt;→英和
dissolve;→英和
[心を]charm;→英和
fascinate;→英和
bewitch.→英和

蕩く

とら・く 【盪く・蕩く】 (動カ下二)
〔「とろく」の古形〕
(1)ばらばらになる。散る。[名義抄]
(2)形がくずれる。とける。[日葡]
(3)心がゆるむ。なごむ。和らぐ。「名利にはおもむきやすく,惑執―・けがたし/正法眼蔵」

蕩く

とろ・く 【蕩く・盪く】 (動カ下二)
⇒とろける

蕩ける

とろ・ける [0][3] 【蕩ける・盪ける】 (動カ下一)[文]カ下二 とろ・く
(1)溶けてやわらかになる。「飴(アメ)が―・ける」
(2)金属が熱せられて液状になる。「はんだが―・ける」
(3)心を奪われて,うっとりとした気持ちになる。心のしまりがなくなる。「甘い言葉に心が―・ける」

蕩ける

とろける【蕩ける】
[溶ける]melt (away);→英和
dissolve;→英和
[心が]be charmed[fascinated,bewitched] <by> .

蕩す

とろか・す [0][3] 【蕩す・盪す】 (動サ五[四])
(1)金属などを熱して液状にする。とかす。「鉛を―・す」
(2)心のしまりをなくさせる。うっとりとしたいい気持ちにさせる。「心を―・すような甘い言葉」

蕩ふ

つたよ・う ツタヨフ 【漂ふ・蕩ふ】 (動ハ四)
さまよう。うろつく。ただよう。「道路を知らずして島浦に―・ひつつ/日本書紀(垂仁訓)」

蕩めく

とろめ・く 【蕩めく】 (動カ四)
とろとろと夢心地になる。「其の国王の心極めてねぢけくて,性,本より―・きてぞ有ける/今昔 4」

蕩児

とうじ タウ― [1] 【蕩児】
身持ちのよくない者。遊蕩児。蕩子。

蕩子

とうし タウ― [1] 【蕩子】
「蕩児(トウジ)」に同じ。「優は―であつた/渋江抽斎(鴎外)」

蕩尽

とうじん タウ― [0] 【蕩尽】 (名)スル
財産などを使い尽くすこと。「財産を遂には―して了つたが/羹(潤一郎)」

蕩尽する

とうじん【蕩尽する】
dissipate;→英和
waste.→英和

蕩揺

とうよう タウエウ [0] 【蕩揺】 (名)スル
ゆれ動くこと。また,ゆり動かすこと。「春は何時(イツ)しか私の心を―し始めた/硝子戸の中(漱石)」

蕩散

とうさん タウ― [0] 【蕩散】
人の気を散らし,とろけさせること。「稗官小説は…その心志を―するものにして/西国立志編(正直)」

蕩然

とうぜん タウ― [0] 【蕩然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)ひろびろとしているさま。広大なさま。「地も天も―として融けむとす/自然と人生(蘆花)」
(2)あとかたもないさま。
(3)なすがままであるさま。また,しまりがなく,ゆるやかなさま。「懦弱の人は,其心―として帰するところなく/西国立志編(正直)」

蕩産

とうさん タウ― [0] 【蕩産】
財産を使い尽くすこと。破産。

蕩蕩

とうとう タウタウ [0] 【蕩蕩】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)広く大きいさま。広々としているさま。「―たる大河」
(2)ゆったりしているさま。穏やかなさま。「王者の民―たりと云ふ句の価値を始めて発見するから/吾輩は猫である(漱石)」

かぶ【蕪】
《植》a turnip.→英和

かぶら [0] 【蕪・蕪菁】
カブの別名。[季]冬。
〔現在は関西で多く用いられる語〕

かぶ [0] 【蕪】
(1)アブラナ科の越年草。古く中国から渡来して野菜として栽培される。根は白色のものが多く,多肉質で,大きさや形は,品種によって多様。根生葉はへら形。春,花茎の先に黄色の十字形花を総状に開く。カブラ。カブラナ。[季]冬。
(2)家紋の一。葉のついた蕪を図案化したもの。
(3)昔,女房が用いたカブ形のかもじ。

蕪村

ぶそん 【蕪村】
⇒与謝(ヨサ)蕪村

蕪村七部集

ぶそんしちぶしゅう 【蕪村七部集】
俳諧撰集。二冊。菊屋太兵衛ら編。1809年刊。芭蕉の「俳諧七部集」にならい書肆(シヨシ)が蕪村一派の「其雪影」「あけ烏」「一夜四歌仙(此ほとり)」「花鳥篇」「続一夜四歌仙」「桃李(モモスモモ)」「続明烏」「五車反古」の八部を編したもの。

蕪無

かぶらなし [0] 【蕪無】
古銅・青磁の花入れで,口が開いていて胴に蕪状のふくらみのないもの。

蕪稿

ぶこう [0] 【蕪稿】
雑で乱れた文章の原稿。自分の原稿をへりくだっていう語。

蕪穢

ぶあい [0] 【蕪穢】 (名・形動ナリ)
雑草などが生い茂って土地が荒れている・こと(さま)。ぶわい。「最も近き道は,最も―なるものなり/西国立志編(正直)」

蕪菁

かぶら [0] 【蕪・蕪菁】
カブの別名。[季]冬。
〔現在は関西で多く用いられる語〕

蕪菜

かぶらな [3][0] 【蕪菜】
カブの別名。

蕪菜

かぶな [0] 【蕪菜】
カブの異名。

蕪蒸

かぶらむし [0] 【蕪蒸(し)】
白身魚の切り身の上にすりおろしたカブをのせて蒸した料理。

蕪蒸し

かぶらむし [0] 【蕪蒸(し)】
白身魚の切り身の上にすりおろしたカブをのせて蒸した料理。

蕪辞

ぶじ [1] 【蕪辞】
乱雑な言葉。洗練されていない言葉。また,自分の文章をへりくだっていう語。蕪詞。「―を連ねる」

蕪雑

ぶざつ [0] 【蕪雑】 (名・形動)[文]ナリ
雑然としていてととのっていない・こと(さま)。「―な文章」
[派生] ――さ(名)

蕪骨

かぶらぼね [0][3] 【蕪骨】
クジラの頭部の軟骨を細く削り,晒(サラ)して乾燥したもの。三杯酢や粕漬けなどにして食べる。氷頭(ヒズ)。

蕪鮨

かぶらずし [3] 【蕪鮨】
石川県金沢市を中心に伝承されてきた漬物の一種。ブリとカブを塩漬けにした後,麹(コウジ)で漬けて発酵させたもの。

蕭何

しょうか セウ― 【蕭何】
(?-前193) 中国,前漢創業の功臣。劉邦(高祖)挙兵以来の参謀。劉邦が項羽と対しているときは関中の経営と兵站(ヘイタン)線の確保に努め,天下統一後は相国として,新法(九章律)を定めて,王朝の基礎を築いた。

蕭寥

しょうりょう セウレウ [0] 【蕭寥】 (ト|タル)[文]形動タリ
ひっそりとしてものさびしいさま。「室外の天下は―たる秋である/野分(漱石)」

蕭散

しょうさん セウ― [0] 【蕭散】 (名・形動)[文]ナリ
もの静かで,さびしいこと。落ち着いて心静かなこと。また,そのさま。「楽しい―な日を送つた/春(藤村)」

蕭条

しょうじょう セウデウ [0] 【蕭条】 (ト|タル)[文]形動タリ
ひっそりとしてもの寂しいさま。「十一月の近(チカヅ)いたことを思はせるやうな―とした日で/破戒(藤村)」

蕭殺

しょうさつ セウ― [0] 【蕭殺】 (ト|タル)[文]形動タリ
(秋の末の)ものさびしいさま。「―たる枯れ野」

蕭然

しょうぜん セウ― [0] 【蕭然】 (ト|タル)[文]形動タリ
がらんとしてもの寂しいさま。「沈々たる孤灯に対(ムカ)ひ―として窓下に縫衣す/世路日記(香水)」

蕭牆

しょうしょう セウシヤウ [0] 【蕭牆】
(1)君臣の会見所の周囲に設けたかき。
(2)内部。うちわ。「禍―の中より出たり/太平記 39」

蕭牆の患

しょうしょうのうれえ セウシヤウ―ウレヘ 【蕭牆の患】
〔韓非子(用人)〕
内部から起こるもめごと。身近にある心配事。蕭牆の禍(ワザワイ)。

蕭瑟

しょうしつ セウ― [0] 【蕭瑟】 (名・形動タリ)
秋風がものさびしく吹くこと。また,そのようなものさびしい音がすること。さびしいさま。「候虫(コウチユウ)の声―たり/緑簑談(南翠)」

蕭疎

しょうそ セウ― [1] 【蕭疎】
■一■ (形動)[文]ナリ
まばらで寂しいさま。「枯柳(コリユウ)―にして蓮荷(レンカ)凋摧(チヨウサイ)すれども/花間鶯(鉄腸)」
■二■ (形動タリ)
{■一■}に同じ。「暮の声―たり/太平記 27」

蕭白

しょうはく セウハク 【蕭白】
⇒曾我(ソガ)蕭白

蕭紅

しょうこう セウ― 【蕭紅】
(1911-1942) 中国の女流小説家。本名,張廼瑩(チヨウダイエイ)。蕭軍の妻。のち離婚。作「生死の場」「呼蘭河伝」など。シアオ=ホン。

蕭索

しょうさく セウ― [0] 【蕭索】 (ト|タル)[文]形動タリ
ものさびしいさま。蕭条。「実(ゲ)に―たる土地(トコロ)なるが/鬼啾々(夢柳)」

蕭統

しょうとう セウトウ 【蕭統】
⇒昭明太子(シヨウメイタイシ)

蕭蕭

しょうしょう セウセウ [0] 【蕭蕭】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)風雨・落葉などの音のものさびしいさま。「一陣の清籟―として起り/自然と人生(蘆花)」
(2)ものさびしいさま。「孤影―たるを想像し来れば/欺かざるの記(独歩)」

蕭衍

しょうえん セウ― 【蕭衍】
(464-549) 中国,南朝梁の初代皇帝(在位502-549)。諡(オクリナ)は武帝。斉を滅ぼして建国。治世中,六朝(リクチヨウ)を通じて最も貴族文化が栄えたが,晩年仏教に傾倒して財政を破綻させた。

蕭軍

しょうぐん セウ― 【蕭軍】
(1907-1988) 中国の小説家。遼寧省出身。本名は劉鴻霖(リユウコウリン)。魯迅(ロジン)に認められ,作家活動に入る。反党的と批判されたが,のち名誉を回復。小説「八月の郷村」「五月の鉱山」「過去の年代」など。シアオ=チュン。

蕭道成

しょうどうせい セウダウセイ 【蕭道成】
(427-482) 中国,南朝斉の初代皇帝(在位 479-482)。諡(オクリナ)は高帝。廟号(ビヨウゴウ)は太祖。宋の順帝の禅譲により即位。

蕭関

しょうかん セウクワン 【蕭関】
中国,寧夏(ネイカ)回族自治区の南部にあった関門。長安(今の西安)から約300キロメートル北西に位置する要衝。関中の四関の一。

蕭颯

しょうさつ セウ― [0] 【蕭颯】 (形動タリ)
ものさびしいさま。特に,秋風が吹いて心細いさま。「宸襟(シンキン)を―たる寂寞の中に悩さる/太平記 18」

しぶき 【蕺】
ドクダミの古名。[本草和名]「しりへのかたなる池に―といふ物おひたるといへば/蜻蛉(中)」

蕺草

どくだみ [0] 【蕺草】
ドクダミ科の多年草。平地の日陰に多い。全体に悪臭がある。茎は高さ20〜40センチメートル。葉は先のとがった卵心形。六月頃,円柱状の花穂に黄色の小花をつけ,花穂の基部には白色で花弁状の苞葉が四個ある。全草に整腸・利尿・緩下・解毒などの薬効があり薬用とされる。十薬(ジユウヤク)。[季]夏。《―や真昼の闇に白十字/川端茅舎》
蕺草[図]

つぼみ [3][0] 【蕾・莟】
〔動詞「つぼむ(蕾)」の連用形から〕
(1)花の芽ぐんでまだ開かないもの。「桜の―が膨らむ」
(2)(前途有望だが)まだ一人前でない年頃の者。

つぼみ【蕾】
a bud.→英和
〜が出る (be in) bud.

蕾む

つぼ・む [0][2] 【蕾む】 (動マ四)
つぼみになる。つぼみが出る。「御前近き若木の梅,心もとなく―・みて/源氏(竹河)」

薀蓄

うんちく [0] 【蘊蓄・薀蓄】 (名)スル
(1)深く研究して身につけた知識。「―の深さを示す」
(2)物を蓄えること。「以て余力を―すべし/佳人之奇遇(散士)」

うす 【薄】
〔形容詞「薄(ウス)し」の語幹から〕
(1)名詞・形容詞・動詞などの上に付く。
 (ア)厚みが少ない意を表す。「―紙」「―氷」
 (イ)濃度や密度が少ない意を表す。「―紫」「―味」
 (ウ)程度が少ない意を表す。「―曇り」「―明かり」
 (エ)はっきりしない,なんとなくの意を表す。「―気味悪い」「―ぼんやり」
(2)名詞の下に付いて形容動詞をつくり,度合が少ない意を表す。あまり…がない。「品―」「期待―」「望み―」

すすき [0] 【薄・芒】
イネ科の大形多年草。山野の荒地に群生する。葉は叢生(ソウセイ)し,長い線形で縁がざらつく。秋,約1.5メートルの花茎を出し,尾花(オバナ)といわれる花穂をつける。花穂には多数の細長い枝があって,白色または帯紫色の長毛のある小穂がつく。古くは葉で屋根をふいた。十五夜の月見に飾る。秋の七草の一。カヤ。[季]秋。

すすき【薄】
Japanese pampas grass.

薄々感づく

うすうす【薄々感づく】
be vaguely aware <of> .〜覚えている ⇒うろ覚え.

薄い

うす・い [0][2] 【薄い】 (形)[文]ク うす・し
(1)物の厚みが少ない。
⇔厚い
「―・い板」「―・い唇」
(2)物の濃度・密度が小さい。
⇔濃い

 (ア)色・味・光・影などが濃厚でない。「―・いピンク」「―・い塩味」「―・い日差し」「―・い影」
 (イ)まばらである。すき間が多い。「―・い髪の毛」
 (ウ)液体状のものについて,濃度が低い。「―・い牛乳」
 (エ)気体状のものについて,濃度が低い。「―・い煙」「―・い霧」
(3)物事の程度が弱い。
 (ア)情愛・関心・感銘などの気持ちが浅い。「愛情が―・い」「印象が―・い」「関心が―・い」
 (イ)利益・効果・恩恵などが少ない。「儲(モウ)けが―・い」「効き目が―・い」
 (ウ)つながりが深くない。関係が浅い。「縁が―・い」「かかわりが―・い」
(4)(存在感などが)希薄だ。「影が―・い」
(5)思慮・学識が乏しい。「たどり―・かるべき女方にだにみな思ひおくれつつ/源氏(若菜下)」
(6)経済的に恵まれない。貧しい。「―・き身上(シンシヨウ)の者なれども/仮名草子・東海道名所記」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

薄い

うすい【薄い】
(1)[厚さ]thin <paper> .→英和
(2)[色]light <color> .→英和
(3)[濃度]weak <tea> ;→英和
thin <coffee,hair> ;watery <soup> .→英和
(4)[少ない]望み薄,気乗り薄,手持薄 ⇒−薄.
薄く thinly;→英和
lightly;→英和
faintly.薄くする thin;lighten;→英和
weaken;→英和
make <one's tea> weak;dilute <whisky with water> .→英和

薄し

うす・し 【薄し】 (形ク)
⇒うすい

薄っぺら

うすっぺら [0] 【薄っぺら】 (形動)
(1)薄くてぺらぺらしているさま。「―な布団」「―な書類一枚で…」
(2)人柄や思想などに厚みや深みがないさま。多く軽蔑的な意で用いられる。軽薄。「―な男」「―な知識」

薄っぺらな

うすっぺらな【薄っぺらな】
thin;→英和
flimsy;→英和
[浅薄な]shallow(-minded);→英和
superficial <knowledge> ;→英和
frivolous <fellow> .→英和

薄のろ

うすのろ【薄のろ】
⇒薄馬鹿.

薄べったい

うすべった・い [5][0] 【薄べったい】 (形)
「薄い」を強めた言い方。「―・い布団」「―・い給料袋」

薄ぼける

うすぼ・ける [4] 【薄ぼける】 (動カ下一)
すこしぼける。ぼんやりとなる。「―・けた古い写真」

薄ぼんやり

うすぼんやり [5] 【薄ぼんやり】
■一■ (副)スル
物の形・様子・印象があまりはっきりしないさま。「事件の記憶は―と残っている」「―と見える」
■二■ (名)
うすのろであること。また,そのような人。

薄まる

うすま・る [3][0] 【薄まる】 (動ラ五[四])
濃度が落ちる。薄くなる。「色が―・る」「味が―・る」

薄む

うす・む 【薄む】 (動マ下二)
⇒うすめる

薄め

うすめ [0] 【薄め】 (名・形動)[文]ナリ
物の厚さや濃度などが比較的薄い・こと(さま)。「羊羹(ヨウカン)を―に切る」「―の味つけ」

薄める

うすめる【薄める】
[薄くする]⇒薄い.

薄める

うす・める [0][3] 【薄める】 (動マ下一)[文]マ下二 うす・む
濃度を下げる。濃さを減らす。薄くする。「水で味を―・める」

薄ら

うすら 【薄ら】
〔形容詞「薄い」の語幹「うす」に接尾語「ら」の付いたもの〕
名詞・形容詞の上に付いて,薄そうに見える,光・色合いなどが弱々しい感じである,なんとなくそのような感じであるなどの意を表す。「―明かり」「―寒い」

薄ら

うっすら [3] 【薄ら】 (副)
〔「うすら」の転〕
かすかなさま。うすく。「―(と)覚えている」「―(と)霜がおりる」

薄らか

うすらか 【薄らか】 (形動ナリ)
色・厚さなどの薄く見えるさま。物事の程度のかすかなさま。うっすら。「月さし出でて,―に積れる雪の光にあひて/源氏(朝顔)」

薄らぐ

うすら・ぐ [3][0] 【薄らぐ】 (動ガ五[四])
(1)物事の程度が弱くなる。「痛みが―・ぐ」
(2)心理的・感情的な深さ,強さなどが少なくなる。弱くなる。衰える。「世間の関心が―・ぐ」「憎しみが―・ぐ」

薄らぐ

うすらぐ【薄らぐ】
[色が]fade;→英和
[光が]become faint[dim];[痛みが]abate;→英和
[恐れが]diminish;→英和
[情が]cool (down);→英和
[興味が]flag;→英和
[尊敬が]decline;→英和
[寒さ暑さが]ease (off);→英和
lessen.→英和

薄ら寒い

うすらさむい【薄ら寒い】
(a little) chilly.

薄ら寒い

うすらさむ・い [5] 【薄ら寒い】 (形)[文]ク うすらさむ・し
少し寒い。なんとなく寒い。「初夏だというのに―・い毎日だ」

薄ら日

うすらび [3][0] 【薄ら日】
弱い日の光。薄日。「冬の―」

薄ら氷

うすらい [0] 【薄ら氷】
⇒うすらひ(薄氷)

薄ら氷

うすらひ [3][0] 【薄ら氷】
〔「うすらび」とも〕
薄く張った氷。うすらい。うすごおり。[季]春。《―の草を離るゝ汀かな/虚子》

薄ら笑い

うすらわらい [4] 【薄ら笑い】
相手を軽蔑したように,ほんの少し顔に浮かべた笑い。薄笑い。「―を浮かべる」

薄ら衣

うすらごろも 【薄ら衣】
うすごろも。うすぎぬ。「蝉の羽の―になりにしを妹と寝る夜の間遠なるかな/好忠集」

薄り

うっすり [3] 【薄り】 (副)
「うっすら」に同じ。「―(と)化粧する」「―と雪が積もる」

薄る

うす・る 【薄る】 (動ラ下二)
⇒うすれる

薄れる

うす・れる [3][0] 【薄れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うす・る
薄くなる。衰える。薄らぐ。「愛情が―・れる」「生存の可能性が―・れる」「記憶が―・れる」

薄れる

うすれる【薄れる】
⇒薄らぐ.

薄れ日

うすれび [3] 【薄れ日】
弱い日ざし。うすび。うすらび。

薄下地

うすしたじ [3] 【薄下地】
色を薄くしてある醤油。薄口醤油。主に関西で使う。

薄丸

すすきのまる [0] 【薄丸】
家紋の一。薄の葉と穂を輪形に描いたもの。

薄伽婆

ばがば 【薄伽婆】
〔梵 Bhagavat〕
⇒薄伽梵(バガボン)

薄伽梵

ばがぼん 【薄伽梵・婆伽梵】
〔梵 Bhagavat〕
〔仏〕 如来一般のこと。また特に,釈迦のこと。世尊。薄伽婆(バガバ)。

薄作り

うすづくり [3] 【薄造り・薄作り】
魚をごく薄くそぎ切りにする,さしみの作り方の一。フグやヒラメなど,肉質の締まった魚に適する。

薄俸

はくほう [0] 【薄俸】
俸給が少ないこと。薄給。

薄倖

はっこう ハクカウ [0] 【薄幸・薄倖】 (名・形動)[文]ナリ
幸せが薄い・こと(さま)。ふしあわせ。「―の身」「―な運命」

薄儀

はくぎ [1] 【薄儀】
わずかな礼物。差し出す謝礼をへりくだっていう。薄謝。

薄刃

うすば [0] 【薄刃】
(1)刃物の刃の薄いこと。また,その刃物。
(2)刃の薄い包丁。薄刃包丁。菜切り包丁。

薄刃

うすば【薄刃】
a (thin-bladed) knife.

薄切り

うすぎり [0] 【薄切り】
薄く切ること。また,そのように切ったもの。「レモンを―にする」「ハムの―」

薄切りにする

うすぎり【薄切りにする】
slice;→英和
cut <a thing> into thin pieces.

薄切斑

うすきりふ [3] 【薄切斑】
矢羽根で,切斑の黒いまだらが薄いもの。
→切斑

薄利

はくり【薄利】
small profits.〜で売る sell at a small profit.‖薄利多売 small profits and quick returns.

薄利

はくり [1] 【薄利】
利益の少ないこと。

薄利多売

はくりたばい [1] 【薄利多売】
利潤を少なくして品物を安く大量に売り,全体として利益があがるようにすること。

薄力粉

はくりきこ [4] 【薄力粉】
タンパク質・グルテンの最も少ない小麦粉。粘り気が弱く,ケーキなどに使う。
→強力粉(キヨウリキコ)

薄匂ひ

うすにおい 【薄匂ひ】
(1)薄くぼかした,ほとんど白に近い色。「女院は香(色ノ名)の―の御衣/増鏡(草枕)」
(2)かすかに香ること。また,その香り。

薄化粧

うすげしょう【薄化粧(する)】
(wear) a little makeup.〜した(顔) (a face) slightly made up.

薄化粧

うすげしょう [3] 【薄化粧】 (名)スル
(1)目立たぬようにうっすらと化粧すること。また,その化粧。
⇔厚化粧
「―して客を迎える」
(2)雪がうっすらと降り積もった様子。「―した山々」

薄口

うすくち [0] 【薄口】
(1)(「淡口」とも書く)「うすくち醤油」のこと。
⇔濃い口
(2)煮物などの味つけが薄いこと。
(3)陶器などで,薄手に作られたもの。

薄口醤油

うすくちしょうゆ [5] 【薄口醤油・淡口醤油】
料理素材の味や色を生かすために,色が薄くなるような製法で造られた醤油。濃い口醤油より塩分濃度,糖分ともやや高い。

薄味

うすあじ [0] 【薄味】
料理で,あっさりと淡い味つけ。

薄味の

うすあじ【薄味の】
lightly-seasoned.

薄命

はくめい [0] 【薄命】
(1)寿命の短いこと。短命。「佳人―」
(2)運にめぐまれないこと。ふしあわせなこと。「―に泣く」

薄命の

はくめい【薄命の】
unfortunate;→英和
short-lived (短命の).

薄商い

うすあきない [4] 【薄商い】
市場の売買出来高が少なく市場の活気のないこと。薄取引。

薄地

うすじ [0] 【薄地】
布・金属などの厚みの薄いもの。うすで。
⇔厚地

薄地

はくじ [1] 【薄地】
〔仏〕 宗教的能力の劣った世界。凡夫の境界のこと。「凡夫―,是非にまどへるが故に/平家 3」

薄型の

うすがた【薄型の】
thin.→英和

薄塗

うすぬり [0] 【薄塗(り)】
(1)薄く塗ること。薄く塗ったもの。
(2)「薄塗りの烏帽子」の略。

薄塗の烏帽子

うすぬりのえぼし 【薄塗の烏帽子】
漆を薄く塗った,つやのない烏帽子。年長者が使う。

薄塗り

うすぬり [0] 【薄塗(り)】
(1)薄く塗ること。薄く塗ったもの。
(2)「薄塗りの烏帽子」の略。

薄塩

うすじお [0] 【薄塩】
塩加減を薄くすること。あまじお。「―の料理」

薄塩の

うすじお【薄塩の】
(s)lightly salted.

薄塵

うすちり [0] 【薄塵】
金粉を薄く散らした蒔絵(マキエ)。薄塵地。

薄墨

うすずみ【薄墨】
thin Indian ink.薄墨色 gray.→英和

薄墨

うすずみ [0] 【薄墨】
(1)薄くすった墨の色。また,書いた墨の色の薄いもの。
⇔濃墨(コズミ)
(2)「薄墨紙」の略。
(3)〔女房詞。色が薄黒いところから〕
そばがき。
(4)「薄墨衣」の略。「―とのたまひしよりは/源氏(御法)」

薄墨の綸旨

うすずみのりんじ 【薄墨の綸旨】
薄墨紙に書かれた綸旨。

薄墨紙

うすずみがみ [4] 【薄墨紙】
薄墨色をした紙。平安時代,官営の紙屋院(カミヤイン)で漉(ス)き出された。反古(ホゴ)紙を漉き返した紙で,主として綸旨(リンジ)・宣旨・口宣案(クゼンアン)など,天皇文書の料紙として用いた。宿紙(シユクシ)。すきかえし。
→紙屋紙

薄墨色

うすずみいろ [0] 【薄墨色】
薄い墨色。ねずみ色。うすずみ。

薄墨衣

うすずみごろも 【薄墨衣】
薄墨色の衣服。喪服として用いた。「―あさけれど涙ぞ袖をふちとなしける/源氏(葵)」

薄寒い

うすさむ・い [4] 【薄寒い】 (形)[文]ク うすさむ・し
「うそさむい」に同じ。「未だ―・き頃なれば,主客共に火の傍にぞ坐しにける/経国美談(竜渓)」
[派生] ――さ(名)

薄幸

はっこう ハクカウ [0] 【薄幸・薄倖】 (名・形動)[文]ナリ
幸せが薄い・こと(さま)。ふしあわせ。「―の身」「―な運命」

薄幸な

はっこう【薄幸な】
unfortunate;→英和
unlucky.→英和

薄弱

はくじゃく [0] 【薄弱】 (名・形動)[文]ナリ
(1)頼りないこと。しっかりしていないこと。また,そのさま。「―な根拠」
(2)体力や意志が弱い・こと(さま)。「意志―」
[派生] ――さ(名)

薄弱な

はくじゃく【薄弱な】
weak;→英和
feeble.→英和
意志〜な weak-minded.

薄彩色

うすざいしき 【薄彩色】
墨絵の上に藍(アイ)・代赭(タイシヤ)などで薄く色付けをすること。淡彩。[日葡]

薄徳

はくとく [0] 【薄徳】
徳の少ないこと。徳のうすいこと。また,自分の徳行をへりくだっていう語。寡徳。

薄志

はくし [1][0] 【薄志】
(1)わずかな謝礼。寸志。薄謝。
(2)薄弱な意志。軽薄な意志。

薄志弱行

はくしじゃっこう [1] 【薄志弱行】
意志が弱く,決断力に欠けること。

薄恥

うすはじ 【薄恥】
ちょっとした恥。「織延を一きれも得ぬわれらさへ―をかく数に入るかな/平家 4」

薄情

はくじょう [0] 【薄情】 (名・形動)[文]ナリ
愛情のうすいこと。思いやりがないこと。また,そのさま。「―な人」「―者(モノ)」
[派生] ――さ(名)

薄情け

うすなさけ [3] 【薄情け】
なまなかの愛情。はかない情け。

薄情な

はくじょう【薄情な】
unkind;→英和
coldhearted.

薄手

うすで [0] 【薄手】 (名・形動)[文]ナリ
(1)紙・布・陶器などの厚みが少ない・こと(さま)。
⇔厚手
「―の茶碗」
(2)貧弱で安っぽいさま。「―な知識」
(3)浅い傷。
⇔深手
「小次郎が―負たるをだに/平家 9」

薄手火蛾

うすたびが [4] 【薄手火蛾・薄足袋蛾】
ヤママユガ科のガ。開張約9センチメートル。体とはねが雌は黄色,雄は黄褐色。幼虫は緑色のイモムシで,クリ・サクラ・ケヤキなどの葉を食害する。繭は緑色で,ヤマカマスと呼ばれる。日本全土と東アジアの一部に分布。

薄手[陶器]

うすで【薄手[陶器]】
eggshell china.〜の thin.→英和

薄才

はくさい [0] 【薄才】
才能・知識のとぼしいこと。また,その人。自分の才能をへりくだってもいう。非才。

薄揚

うすあげ [0] 【薄揚(げ)】
(厚揚げに対して)油揚げのこと。

薄揚げ

うすあげ [0] 【薄揚(げ)】
(厚揚げに対して)油揚げのこと。

薄播き

うすまき [0] 【薄播き】
一定面積当たりの量を少なく種子を播くこと。
→厚播き

薄日

うすび【薄日(がさす)】
(shed) soft beams of light.

薄日

うすび [0] 【薄日・薄陽】
薄曇りの日に,雲を通してさす弱い日の光。「―がさす」「―がもれる」

薄明

はくめい [0] 【薄明】
日没後および日の出前に天空がうす明るい現象。また,その時間。太陽が地平線下六度以内を常用薄明または市民薄明,一二度以内を航海薄明,一八度以内を天文薄明という。

薄明かり

うすあかり [3][0] 【薄明(か)り】
(1)弱いかすかな光。「雨戸のすき間から―がもれる」
(2)日の出前や日没後のかすかな明るさ。はくめい。

薄明り

うすあかり [3][0] 【薄明(か)り】
(1)弱いかすかな光。「雨戸のすき間から―がもれる」
(2)日の出前や日没後のかすかな明るさ。はくめい。

薄明り

うすあかり【薄明り(で)】
(in the) dim[faint,feeble]light;(in the) twilight (たそがれの).→英和

薄明るい

うすあかる・い [0][5] 【薄明るい】 (形)
ほんのりと明るい。少し明るい。
⇔薄暗い
「東の空が―・くなる」

薄明るくなる

うすあかるく【薄明るくなる】
become[get]faintly light.

薄暑

はくしょ [1] 【薄暑】
初夏の頃の,うっすら汗ばむほどの暑さ。[季]夏。《皆が見る私の和服パリ―/星野立子》

薄暗い

うすぐら・い [4][0] 【薄暗い】 (形)[文]ク うすぐら・し
光が弱くて少し暗い。
⇔薄明るい
「―・い部屋」
[派生]――さ(名)

薄暗い

うすぐらい【薄暗い】
dark;→英和
dim;→英和
gloomy.→英和

薄暗がり

うすくらがり【薄暗がり(で)】
in the dark[dusk,dim light,twilight,gloom].→英和

薄暗がり

うすくらがり [0][4] 【薄暗がり】
少し暗くなっていること。また,その場所。「納戸の―に何かがうずくまっている」

薄暮

はくぼ【薄暮】
<at> dusk[twilight].→英和

薄暮

はくぼ [1] 【薄暮】
夕暮れ。くれがた。

薄曇

うすぐもり [0][3] 【薄曇(り)】
(1)雲が薄く空をおおい,曇った天気。
(2)雲量が九以上で,巻雲・巻層雲など上層雲が多く,視程が1キロメートル以上の場合をいう。

薄曇り

うすぐもり [0][3] 【薄曇(り)】
(1)雲が薄く空をおおい,曇った天気。
(2)雲量が九以上で,巻雲・巻層雲など上層雲が多く,視程が1キロメートル以上の場合をいう。

薄曇りで

うすぐもり【薄曇りで】
a little cloudy.

薄曇る

うすぐも・る [4][0] 【薄曇る】 (動ラ五[四])
空が少し曇る。薄曇りになる。「―・った空」

薄書き

うすがき [0] 【薄書き】
薄い墨で書くこと。香典の上書きや見舞い・悔やみの手紙などに用いる。薄墨。

薄月

うすづき [0] 【薄月】
薄雲のかかった月。おぼろづき。「―や水行く末の小夜ぎぬた/半化坊発句集」

薄月夜

うすづきよ [4][3] 【薄月夜】
月に雲が薄くかかって,月の光がぼんやりとさす夜。おぼろ月夜。「おもしろう松かさ燃えよ―(土芳)/猿蓑」

薄板

うすいた【薄板】
a thin board.

薄板

うすいた [0] 【薄板】
(1)薄い板。
⇔厚板
「―塀」
(2)花器を載せる板。
(3)唐織物のうち,薄手のもの。薄い板に巻かれていた。
⇔厚板
(4)〔sheet〕
鋼板で,厚さ3ミリメートル以下のもの。
⇔厚板

薄染

うすぞめ [0] 【薄染(め)】
色を薄く染めること。

薄染め

うすぞめ [0] 【薄染(め)】
色を薄く染めること。

薄染め衣

うすぞめごろも 【薄染(め)衣】
薄い色に染めた衣服。

薄染衣

うすぞめごろも 【薄染(め)衣】
薄い色に染めた衣服。

薄柿

うすがき [0][2] 【薄柿】
「薄柿色」の略。「―の団七じまのかたびら/滑稽本・浮世風呂 4」

薄柿色

うすがきいろ [0] 【薄柿色】
淡い柿色。柿渋で染めた淡い渋色。うすがき。

薄桜

うすざくら [3] 【薄桜】
「薄花桜(ウスハナザクラ)」に同じ。

薄桜萌葱

うすざくらもえぎ 【薄桜萌葱・薄桜萌黄】
襲(カサネ)の色目の名。表は淡青,裏は蘇芳(スオウ)。あるいは,表は淡青,裏は桜色。春に用いる。

薄桜萌黄

うすざくらもえぎ 【薄桜萌葱・薄桜萌黄】
襲(カサネ)の色目の名。表は淡青,裏は蘇芳(スオウ)。あるいは,表は淡青,裏は桜色。春に用いる。

薄様

うすよう [0] 【薄様】
(1)薄く漉(ス)いた雁皮(ガンピ)紙・鳥の子紙など。薄葉紙。竹葉紙(チクヨウシ)。
⇔厚様
(2)濃い色から次第に薄くぼかし最後は白を残す染め方。
(3)襲(カサネ)の色目の名。袿(ウチキ)を重ねて着る時,同色で,外を濃く中を次第に薄くして最後を白にする重ね方。

薄様立つ

うすようだ・つ ウスヤウ― 【薄様立つ】 (動タ四)
薄様ふうである。「こまの紙の―・ちたるが/源氏(梅枝)」

薄様造り

うすようづくり 【薄様造り】
一本の矢羽を,斑紋の薄い羽を寄せ集めて矧(ハ)ぐこと。「白篦(シラノ)に―に作りたるかぶら矢を/平家(二・長門本)」

薄模様

うすもよう [3] 【薄模様】
薄紫に染めた模様。

薄機

うすはた 【薄繒・薄機】
薄く織った織物。うすもの。「さほ姫の織りかけさらす―の/古今六帖 5」

薄毛

うすげ [0] 【薄毛】
まばらでとぼしい髪の毛。

薄気味悪い

うすきみわる・い [6] 【薄気味悪い】 (形)[文]ク うすきみわる・し
なんとなく不気味な感じがする。「―・いほら穴」「―・い男」
[派生] ――さ(名)

薄気味悪い

うすきみ【薄気味(の)悪い】
weird;→英和
unearthly;→英和
eerie.→英和
〜悪くなる feel a vague apprehension[fear].

薄氷

うすごおり【薄氷(が張る)】
(be covered with) thin ice.

薄氷

はくひょう [0] 【薄氷】
うすい氷。

薄氷

うすごおり [3][0] 【薄氷】
薄く張った氷。うすらひ。

薄氷を踏む心地がする

はくひょう【薄氷を踏む心地がする】
feel as if one were treading on thin ice.

薄汚い

うすぎたな・い [5] 【薄汚い】 (形)[文]ク うすぎたな・し
(1)なんとなくよごれている。うすよごれている。「―・い恰好(カツコウ)の男」
(2)なんとなく不純・不正が感じられる。「―・いやり方だ」
[派生] ――さ(名)

薄汚い

うすぎたない【薄汚い】
dirty(-looking);→英和
untidy.→英和

薄汚れる

うすよご・れる [0][5] 【薄汚れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うすよご・る
なんとなくきたなくなる。「―・れたハンカチ」

薄浮き彫り

うすうきぼり [3] 【薄浮(き)彫り】
「薄肉彫(ウスニクボ)り」に同じ。

薄浮彫り

うすうきぼり [3] 【薄浮(き)彫り】
「薄肉彫(ウスニクボ)り」に同じ。

薄濁り

うすにごり [3] 【薄濁り】
水や物の色が少し濁っていること。「池の中はただ―に淀(ヨド)んでゐる/門(漱石)」

薄焼

うすやき [0] 【薄焼(き)】
材料を薄くのばして焼き上げた食品。
⇔厚焼き
「―卵」

薄焼き

うすやき [0] 【薄焼(き)】
材料を薄くのばして焼き上げた食品。
⇔厚焼き
「―卵」

薄煙

うすけむり [3] 【薄煙】
薄く立つ煙。

薄片

はくへん [0] 【薄片】
薄いかけらや切れはし。

薄物

うすもの【薄物】
light stuff[clothes].

薄物

うすもの [0] 【薄物・羅】
薄く織った織物。薄く,透けて見えるような布地。特に,羅(ラ)・紗(シヤ)・絽(ロ)などの類。[季]夏。《―にすはまの紋のうす��と/虚子》

薄琥珀

うすこはく [3] 【薄琥珀】
タフタに同じ。

薄田

すすきだ 【薄田】
姓氏の一。

薄田泣菫

すすきだきゅうきん 【薄田泣菫】
(1877-1945) 詩人・随筆家。岡山県生まれ。本名,淳介。独学で英詩に親しむ。古語を駆使した古典的浪漫的な文語定型詩を「白羊宮」で完成,蒲原有明とともに明治末期詩壇に一時代を画した。詩集「暮笛集」「ゆく春」「二十五絃」,随筆集「茶話」「艸木虫魚」など。

薄田研二

すすきだけんじ 【薄田研二】
(1898-1972) 新劇俳優。本名,高山徳右衛門。築地小劇場出身。新築地劇団・新協劇団・東京芸術座などで活躍。

薄田隼人

すすきだはやと 【薄田隼人】
⇒岩見重太郎(イワミジユウタロウ)

薄畳

うすだたみ [3] 【薄畳】
昔,宮殿で春夏に用いた薄い畳。薄帖(ウスジヨウ)。
⇔厚畳

薄痘痕

うすあばた [3] 【薄痘痕】
目立たない程度の薄いあばた。

薄白い

うすじろ・い [4] 【薄白い】 (形)[文]ク うすじろ・し
少し白い。ぼんやり白い。「闇(ヤミ)の中に―・い光がさす」

薄皮

はくひ [1] 【薄皮】
(1)薄い皮。うすかわ。
(2)「外皮{(3)}」に同じ。

薄皮

うすかわ【薄皮】
a thin skin;[膜]a film;→英和
《解》membrane.→英和

薄皮

うすかわ [0] 【薄皮】
(1)物の表面をおおう薄い膜。「枝豆の―」
(2)皮の薄い饅頭(マンジユウ)や餅。「―饅頭」
(3)女性などの皮膚が白く,きめの細かいこと。「顔の他の部分は日に焼けてはゐたが,―だけに却て見所が有つた/あひびき(四迷)」
(4)経木(キヨウギ)のこと。

薄皮蝸牛

うすかわまいまい [5] 【薄皮蝸牛】
カタツムリの一種。殻は薄く,球卵形で殻高約2センチメートル。殻表は黄白色で,軟体が透けて見える。雌雄同体。野菜や草花を食害する。膵蛭(スイテツ)の第一中間宿主。日本各地に分布。

薄目

うすめ [0] 【薄目】
目を細く開けること。「―を開ける」

薄目の

うすめ【薄目の】
rather light[thin,weak]⇒薄い.〜をあけて with half-closed eyes.

薄着

うすぎ [0] 【薄着】 (名)スル
衣服を少ししか重ねて着ないこと。
⇔厚着
「伊達(ダテ)の―」「―して風邪を引く」

薄着する

うすぎ【薄着する】
be lightly dressed.

薄知り

うすじり 【薄知り】
うすうす事情を知っていること。「なまなか武士の娘とは,―に人も知る/浄瑠璃・氷の朔日(中)」

薄端

うすばた [0] 【薄端】
金属製の花器。
(1)銅拍子口花瓶の縁が水平に大きく開いたもの。
(2)瓶形の胴に,中央に生け口があり,縁が水平に大きく開いた上皿を入れるもの。重ね薄端。

薄笑い

うすわらい【薄笑い】
<with> a faint smile.

薄笑い

うすわらい [3] 【薄笑い】 (名)スル
相手を軽蔑したように,かすかに笑うこと。薄ら笑い。「―を浮かべる」

薄粧

うすけわい 【薄粧】
〔「うすげわい」とも〕
薄化粧。「月鉾(ツキホコ)やちごの額の―(曾良)/猿蓑」

薄約束

うすやくそく 【薄約束】
かりそめの約束。口約束。「しかじかの事ども―して帰れば/浮世草子・一代男 1」

薄紅

うすくれない【薄紅】
light crimson;pink.→英和

薄紅

うすくれない [4][0] 【薄紅】
薄いくれない色。淡紅。

薄紅

うすべに [0] 【薄紅】
(1)薄い紅色。薄紅色。
(2)薄くつけた口紅や頬紅。「―をさす」

薄紅をさした

うすべに【薄紅をさした】
slightly rouged.

薄紅梅

うすこうばい [3] 【薄紅梅】
(1)色の薄い紅梅。
(2)薄紅梅の花の色に似た色。また,経(タテ)薄紫,緯(ヨコ)薄紅の織物。とき色。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表も裏も薄紅梅色。春に用いる。

薄紅葉

うすもみじ [3] 【薄紅葉】
紅葉しはじめて,薄く色づいた木の葉。また,その色。[季]秋。

薄紙

うすがみ [0] 【薄紙】
厚さの薄い紙。

薄紙

うすがみ【薄紙】
thin paper.

薄紫

うすむらさき【薄紫】
light purple.

薄紫

うすむらさき [4] 【薄紫】
(1)薄い紫色。藤色。
(2)令制で,二位・三位の人の袍(ホウ)の色。

薄給

はっきゅう ハクキフ [0] 【薄給】
少ない給料。安月給。
⇔高給

薄給

はっきゅう【薄給】
a small[low]salary;low pay.〜の poorly paid.

薄絹

うすぎぬ [0] 【薄絹】
地の薄い絹織物。紗(シヤ)・絽(ロ)など。

薄絹

うすぎぬ【薄絹】
light[thin]silk.

薄綿

うすわた [0] 【薄綿】
綿を薄く入れること。また,その着物。薄綿入れ。

薄緋

うすあけ 【薄緋】
茜草(アカネグサ)の根で染めた薄い緋の色。五位以上の人の着る袍(ホウ)の色目。

薄緑

うすみどり [3] 【薄緑】
(1)薄い緑色。あさみどり。
(2)律令制で,七位の人の袍(ホウ)の色。

薄緑

うすみどり【薄緑】
light green.

薄縁

うすべり【薄縁】
a thin matting.⇒ござ.

薄縁

うすべり [0] 【薄縁】
藺草(イグサ)で織った筵(ムシロ)に布の縁をつけた敷物。

薄縹

うすはなだ [3] 【薄縹】
(1)薄いはなだ色。薄い藍(アイ)色。薄花色。薄花。
(2)律令制で,初位の人の袍(ホウ)の色。

薄繒

うすはた 【薄繒・薄機】
薄く織った織物。うすもの。「さほ姫の織りかけさらす―の/古今六帖 5」

薄美濃

うすみの [0] 【薄美濃】
透き通るほど薄く漉(ス)いた美濃紙。ちょうちんなどに用いる。

薄羽蜉蝣

うすばかげろう [5] 【薄羽蜉蝣】
脈翅目の昆虫。体長約35ミリメートル。一見トンボに似るがはねが柔らかくて翅脈が細かく,ひらひらと飛び灯火に集まる。完全変態をし,幼虫はアリジゴクと呼ばれる。日本全土と東アジアに分布。[季]秋。《今宵また―灯に/星野立子》
薄羽蜉蝣[図]

薄羽黄蝶

うすばきちょう [4] 【薄羽黄蝶】
アゲハチョウ科のチョウ。開張約6センチメートル。淡黄色の地に灰と赤の斑紋がある。北海道の高山地帯とシベリアやアラスカなどに分布。天然記念物。キイロウスバアゲハ。

薄肉

うすにく [0] 【薄肉】
(1)「薄肉彫り」の略。
(2)「薄肉色」の略。
(3)歌舞伎の化粧法の一。薄肉色に顔を彩り,強さや勇ましさを表すもの。

薄肉彫

うすにくぼり [3] 【薄肉彫(り)】
浮き彫りのうち,模様や形を比較的薄く板面に浮き上がらせて彫る方法。メダル・貨幣などに多くみられる。浅肉彫り。浅浮き彫り。薄浮き彫り。
⇔高肉彫り

薄肉彫り

うすにくぼり [3] 【薄肉彫(り)】
浮き彫りのうち,模様や形を比較的薄く板面に浮き上がらせて彫る方法。メダル・貨幣などに多くみられる。浅肉彫り。浅浮き彫り。薄浮き彫り。
⇔高肉彫り

薄肉色

うすにくいろ [0] 【薄肉色】
薄い肉色。舞台化粧などの色で,砥粉(トノコ)を混ぜた薄赤い色。

薄膜

はくまく [0] 【薄膜】
薄い膜。

薄舞

うすまい 【薄舞】
江戸時代の上質な刻みタバコの名。丹波の山本地方の産。「―をくゆらせ/洒落本・辰巳婦言」

薄色

うすいろ [0] 【薄色】
(1)色の薄いこと。薄い色。
(2)薄紫色。織り色では経(タテ)は紫,緯(ヨコ)は白。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は薄紫色。裏は薄紫色のやや濃いものか白。四季通用。

薄色の

うすいろ【薄色の】
light-colored.

薄花染

うすはなぞめ [0] 【薄花染(め)】
薄い藍(アイ)色に染めてあるもの。

薄花染め

うすはなぞめ [0] 【薄花染(め)】
薄い藍(アイ)色に染めてあるもの。

薄花桜

うすはなざくら [5] 【薄花桜】
(1)花の色の薄い桜。また,その色。薄桜。「当世顔は少し丸く色は―にして/浮世草子・一代女 1」
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は白,裏は紅。春に着用。薄桜。

薄花色

うすはないろ [0] 【薄花色】
ごく薄い藍(アイ)色。薄縹(ウスハナダ)。

薄茶

うすちゃ [0] 【薄茶】
(1)薄茶用の抹茶(マツチヤ)。また,薄茶を点ずること。お薄(ウス)。
⇔濃茶(コイチヤ)
(2)薄い茶色。薄茶色。

薄茶

うすちゃ【薄茶】
a weak infusion of powdered tea;[色]light brown.

薄茶器

うすちゃき [3] 【薄茶器】
薄茶点前のときに抹茶を入れる容器。漆器が普通だが陶磁・竹・木地材などもある。

薄茶点前

うすちゃてまえ [4] 【薄茶点前】
薄茶を点(タ)てる作法。湯の量を多くして,茶筅(チヤセン)でかき回す。一碗に一服ずつ点てる。
⇔濃茶(コイチヤ)点前

薄荷

はっか ハク― [0] 【薄荷】
(1)シソ科ハッカ属の植物の総称。ハッカ・ヒメハッカ・セイヨウハッカ(ペパーミント)など。独特の香りがある。ミント。
(2)シソ科の多年草。湿った草地に自生。また香料や薬用とするため古くから栽培される。高さは約50センチメートル。葉は対生し,狭楕円形。八〜一〇月,葉腋に淡紫紅色の小花を輪状につける。葉から薄荷油をとる。
薄荷(2)[図]

薄荷

はっか【薄荷】
peppermint.→英和

薄荷パイプ

はっかパイプ ハク― [4] 【薄荷―】
タバコの代わりに,薄荷をつめて吸うパイプ。香りを味わう。

薄荷水

はっかすい ハク― [3] 【薄荷水】
(1)薄荷油を水でうすめたもの。
(2)あらく刻んだ薄荷の葉を水蒸気蒸留してとった液。

薄荷油

はっかゆ ハク― [3] 【薄荷油】
薄荷の地上部を水蒸気蒸留して得た油を冷却し,固形分を除去した精油。主成分はメントール。清涼芳香剤・皮膚刺激薬に用いられるほか,芳香性健胃・駆風薬として内用する。

薄荷精

はっかせい ハク― [3] 【薄荷精】
薄荷油にアルコールをまぜた,無色透明で揮発性の液。健胃剤・駆風薬に用いる。

薄荷糖

はっかとう ハク―タウ [0] 【薄荷糖】
薄荷の香味を加えた砂糖菓子。

薄荷脳

はっかのう ハク―ナウ [3] 【薄荷脳】
薄荷油の固形成分。無色針状結晶で,爽快な芳香と清涼味がある。薬用。メントール。

薄萌葱

うすもえぎ [3] 【薄萌葱・薄萌黄】
(1)染め色の名。薄い萌黄色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は薄青,裏は薄青の少し濃い色。五衣(イツツギヌ)ともする。

薄萌黄

うすもえぎ [3] 【薄萌葱・薄萌黄】
(1)染め色の名。薄い萌黄色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は薄青,裏は薄青の少し濃い色。五衣(イツツギヌ)ともする。

薄葉紙

うすようし ウスエフ― [3] 【薄葉紙】
(1)「うすよう(薄様){(1)}」に同じ。
(2)きわめて薄く漉(ス)いた紙。和紙では20グラム以下,洋紙では40グラム以下の秤量(ヒヨウリヨウ)のもの。

薄葉細辛

うすばさいしん [4] 【薄葉細辛】
ウマノスズクサ科の多年草。山地の陰地に生える。春,横にはう根茎の上端に心臓形の葉が二枚出る。二葉間に鐘形の花茎を出し紫黒色の花を一つつける。
→細辛
薄葉細辛[図]

薄葬

はくそう [0] 【薄葬】
(厚葬に比して)より簡素な葬儀。

薄葬令

はくそうれい [3] 【薄葬令】
646年,民衆の疲弊軽減のため,墳墓や葬儀の規模に制限を加え,また身分ごとに規定した勅令。

薄薄

うすうす [0] 【薄薄】 (副)
(1)事情などが,はっきりとではないが,なんとなくわかっているさま。かすかに。「―感づいているようだ」
(2)(色・光などが)うっすらと。かすかに。「人顔の―と見えし夕暮を/浮世草子・一代女 6」

薄薄の酒

はくはくのさけ 【薄薄の酒】
味の薄い酒。薄酒。

薄藍

うすあい [0] 【薄藍】
薄い藍色。薄藍色。

薄衣

うすぎぬ 【薄衣】
地の薄い着物。薄い袿(ウチキ)。うすごろも。「―も被(カズ)かず/義経記 6」

薄表紙

うすびょうし [3] 【薄表紙】
本製本で,薄くて柔軟な表紙。また,この表紙の本。
→厚表紙

薄襖

うすあお 【薄襖】
薄い織物で仕立てた袷(アワセ)の狩衣(カリギヌ)。

薄謝

はくしゃ [1][0] 【薄謝】
わずかの謝礼。また,人に差し出す謝礼をへりくだっていう語。

薄謝

はくしゃ【薄謝】
a small remuneration.〜を呈する offer a reward.→英和

薄足袋蛾

うすたびが [4] 【薄手火蛾・薄足袋蛾】
ヤママユガ科のガ。開張約9センチメートル。体とはねが雌は黄色,雄は黄褐色。幼虫は緑色のイモムシで,クリ・サクラ・ケヤキなどの葉を食害する。繭は緑色で,ヤマカマスと呼ばれる。日本全土と東アジアの一部に分布。

薄造り

うすづくり [3] 【薄造り・薄作り】
魚をごく薄くそぎ切りにする,さしみの作り方の一。フグやヒラメなど,肉質の締まった魚に適する。

薄遇

はくぐう [0] 【薄遇】 (名)スル
冷淡な待遇。冷遇。
⇔厚遇

薄野

すすきの 【薄野】
札幌市中央部にある繁華街。

薄金

うすかね [0] 【薄金】
(1)うすでの金物・金属板。
(2)うすでの札(サネ)を用いた鎧(ヨロイ)。源氏八領の鎧中のものは有名。

薄鈍

うすのろ [0] 【薄鈍】 (名・形動)
知能が普通より少し劣り,動作や反応が遅い・こと(さま)。また,その人。「―な男」

薄鈍

うすにび 【薄鈍】
(1)染め色の名。薄いにび色。うすねずみ色。うすにぶ。「―の紙にて/蜻蛉(中)」
(2)薄いにび色の衣服。喪服・僧衣など。「―にて,いとなまめかしくて/源氏(総角)」

薄鈍い

うすのろ・い [4] 【薄鈍い】 (形)
物事に対する反応がてきぱきしない。なんとなくはきはきしない。のろまである。「―・い動作」「―・い奴」

薄闇

うすやみ [0] 【薄闇】
物の姿がやっとわかる程度の暗さ。

薄陽

うすび [0] 【薄日・薄陽】
薄曇りの日に,雲を通してさす弱い日の光。「―がさす」「―がもれる」

薄雪

うすゆき 【薄雪】
歌舞伎舞踊の一。常磐津(トキワズ)。本名題「大和文字恋歌(ヤマトモジコイノコトノハ)」。二世桜田治助作詞。1819年初演。「新薄雪物語」の道行きのくだりで使われる。

薄雪

うすゆき [0] 【薄雪】
薄く降り積もった雪。

薄雪昆布

うすゆきこぶ [5] 【薄雪昆布】
非常に薄く削った白い昆布。吸い物に用いる。大阪の名産。うすゆき。うすゆきこんぶ。

薄雪物語

うすゆきものがたり 【薄雪物語】
仮名草子。二巻。作者未詳。江戸初期成立。園部左衛門と薄雪姫との悲恋を,恋文の往復の形式で描く。

薄雪草

うすゆきそう [0] 【薄雪草】
キク科の多年草。高原に生える。高さ約30センチメートル。葉は披針形。茎・葉裏・茎頂の総苞(ソウホウ)に白い綿毛がある。夏,黄色みを帯びた小花を密につけ,その周囲に苞葉が数個星形に開出する。エーデルワイスとは近縁。

薄雪鳩

うすゆきばと [5] 【薄雪鳩】
ハト目の鳥。ハト目ハト科では最小。全長約20センチメートル。オーストラリア原産。青灰色で翼に白い斑点があり,尾が長い。家禽化され,白色品種などが作られている。

薄雲

うすぐも [0] 【薄雲】
空に薄くかかった雲。淡い雲。

薄雲

うすぐも【薄雲】
thin[fleecy]clouds.

薄雲

うすぐも 【薄雲】
源氏物語の巻名。第一九帖。

薄雲の女院

うすぐものにょういん 【薄雲の女院】
〔「薄雲」の巻にその死を記すところから〕
源氏物語の作中人物の藤壺のこと。

薄霜

うすじも [0] 【薄霜】
朝,薄く降りた霜。

薄霞

うすがすみ [3] 【薄霞】
淡くかかっている霞。[季]春。

薄霧

うすぎり [0] 【薄霧】
薄くかかった霧。「―がたちこめる」

薄靄

うすもや [0] 【薄靄】
淡くかかったもや。

薄青

うすあお [0] 【薄青・淡青】
(1)染め色の名。薄い青色。
(2)織り色の名。経(タテ)は白,緯(ヨコ)は青。
(3)襲(カサネ)の色目の名。表は薄青で裏は白または青,表は黄青で裏は青,表裏とも薄青など。四季通用。

薄青毛

うすあおげ [3] 【薄青毛】
馬の毛色の名。淡い青色。

薄額

うすびたい [3] 【薄額】
縁(ヘリ)を低く作った冠。一五歳までの年少者が用いた。
⇔厚額

薄餅

バオビン [2] 【薄餅】
〔中国語〕
小麦粉をこねて薄く焼いたもの。烤鴨子(カオヤーツ)を包んで食べる。パオピン。

薄香

うすこう [0] 【薄香】
香染めのうすいもの。うすい黄褐色。

薄馬鹿

うすばか【薄馬鹿】
a fool;→英和
a blockhead (阿呆).→英和

薄馬鹿

うすばか [0] 【薄馬鹿】 (名・形動)
どことなく馬鹿に見える・こと(さま)。そういう人をもいう。

薄鬢

うすびん [0] 【薄鬢】
(1)毛が抜けて少なくなった鬢。「三すじほどある―のあたま/滑稽本・膝栗毛 8」
(2)江戸時代の男の結髪の一。月代(サカヤキ)を広く剃(ソ)り,鬢の毛を外側だけ薄くそろえるもの。
⇔厚鬢

薄鴨居

うすがもい [3] 【薄鴨居】
欄間や茶室などに使う薄手の鴨居。欄間鴨居。

薄黒い

うすぐろ・い [4][0] 【薄黒い】 (形)[文]ク うすぐろ・し
少し黒い。「―・い顔」

薄鼠

うすねず [0] 【薄鼠】
薄いねずみ色。うすねずみ。

ぜんまい [0] 【薇・紫萁】
ゼンマイ目のシダ植物。原野や山地に生える。葉は長さ約70センチメートルの羽状複葉。若葉は葉柄とともに渦巻状に巻き,綿毛におおわれ,春,開く前に採って食用とする。胞子葉は短く,羽片は線形。漢名,紫萁。[季]春。《―ののの字ばかりの寂光土/川端茅舎》
薇[図]

ぜんまい【薇】
《植》a flowering fern.

薇信夫

ぜんまいしのぶ [5] 【薇信夫】
リュウメンシダの別名。

薇織

ぜんまいおり [0] 【薇織(り)】
ゼンマイの若葉を包んでいる綿毛と木綿繊維を混ぜたものを緯(ヨコ)糸,綿糸を経(タテ)糸として織ったもの。山形・秋田・青森地方で産し,雨ガッパなどに用いた。

薇織り

ぜんまいおり [0] 【薇織(り)】
ゼンマイの若葉を包んでいる綿毛と木綿繊維を混ぜたものを緯(ヨコ)糸,綿糸を経(タテ)糸として織ったもの。山形・秋田・青森地方で産し,雨ガッパなどに用いた。

あざみ [0] 【薊】
キク科アザミ属の植物の総称。一般に多年草で,大形のものが多い。葉は羽状に裂け,縁にとげがある。花は多数の管状花からなる頭花で,春から秋に咲き,淡紅色・紅紫色まれに白色。ノアザミ・フジアザミ・モリアザミ・オニアザミなど種類が多い。[季]春。

あざみ【薊】
a thistle.→英和

薊馬

あざみうま [3] 【薊馬】
総翅目に属する微小な昆虫の総称。多く植物の花・葉・樹皮下などにすみ,シマアザミウマ・ネギアザミウマなど栽培植物の害虫となる。スリップス。

薏苡

よくい [1] 【薏苡】
ハトムギ,またジュズダマの漢名。

薏苡仁

よくいにん [3] 【薏苡仁】
ハトムギの種子。漢方薬で,利尿・消炎・鎮痛・排膿などに使用。

はじかみ [0] 【薑】
ショウガの別名。[季]秋。

薑黄

きょうおう キヤウワウ [0] 【薑黄】
ショウガ科の多年草。熱帯アジア原産。ウコンに似ているが,葉裏に短毛を密生し,春,長い花茎を出し,紅色をおびた白色の花を開く。根茎は淡黄色の塊状で,健胃剤・染料などにする。ハルウコン。

薔薇

そうび サウ― [1] 【薔薇】
(1)バラ。バラの花。しょうび。[季]夏。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は紅,裏は紫。夏に用いる。

薔薇

ばら【薔薇】
a rose.→英和
〜色の rosy.→英和

薔薇

しょうび シヤウ― [1] 【薔薇】
バラ。茨(イバラ)。そうび。

薔薇

ばら [0] 【薔薇】
〔「ばら(荊棘)」と同源〕
バラ科の低木。観賞用に栽培される。高さ1〜3メートルに達し,とげがあり,時につる性となる。葉は奇数羽状複葉。花は重弁,時に五弁。ヨーロッパ・中国・日本産の野生種を交配改良したもので,多くの系統がある。しょうび。そうび。[季]夏。

薔薇十字運動

ばらじゅうじうんどう バラジフジ― [6] 【薔薇十字運動】
ルネサンスから啓蒙主義時代にかけて,西欧にあった秘密結社的な文化運動。ヘルメス主義・カバラ・錬金術の統合によるユートピアの建設を目指した。

薔薇形装飾

ばらがたそうしょく [5] 【薔薇形装飾】
⇒ロゼット

薔薇戦争

ばらせんそう 【薔薇戦争】
1455〜85年にイギリスで起こった王位争奪の内乱。記章が赤ばらのランカスター家と白ばらのヨーク家に封建貴族が二分して争い,前者が勝ってヘンリー七世がチューダー朝を開いた。結果的には封建貴族が疲弊し王権が強化された。

薔薇星雲

ばらせいうん [3] 【薔薇星雲】
一角獣座にある美しい散光星雲。写真には赤いバラのように写る。内部に黒く小さい点々のグロビュールがある。距離四六〇〇光年。

薔薇果

しょうびか シヤウ―クワ [3] 【薔薇果】
偽果の一。花托が肥大してつぼ状になり,その中に真の果実を有するもの。バラなどの果実にみられる。

薔薇水

しょうびすい シヤウ― [3] 【薔薇水】
香料の一。バラの花弁からとった油と蒸留水の混合物を濾過した透明な液。

薔薇油

ばらゆ [2] 【薔薇油】
バラの花を水蒸気蒸留してとる精油。淡黄色粘稠な液体で,高級な天然香料とされる。

薔薇油

しょうびゆ シヤウ― [3] 【薔薇油】
⇒ばらゆ(薔薇油)

薔薇物語

ばらものがたり 【薔薇物語】
〔原題 (フランス) Le Roman de la Rose〕
恋愛の作法を述べたフランス中世の寓意文学。前編は1225年から40年にかけてギョーム=ド=ロリスにより,後編はジャン=ド=マンにより1275年から80年にかけて書かれた。

薔薇疹

ばらしん [0] 【薔薇疹】
皮膚に多発する小形の紅色の発疹。ウイルス性発疹症・腸チフス・薬疹・梅毒第二期の初期などに見られる。

薔薇目抜

ばらめぬけ [3] 【薔薇目抜】
カサゴ目の海魚。全長約40センチメートル。メヌケ類の一種で,体高が大きく全体が赤色で目が大きい。重要な水産魚。食用。千島列島から銚子沖にかけて深海の岩礁域に分布。バラサガ。

薔薇石英

ばらせきえい [3] 【薔薇石英】
塊状をなし,紅白色ないし淡紅色を呈する石英。飾り石とする。

薔薇科

ばらか [0] 【薔薇科】
双子葉植物の一科。温帯地方に多く,世界に一〇〇属,三〇〇〇種がある。草本および木本で,木本では高木になるものも多い。葉は互生。花は放射相称。花弁は普通五個で多数のおしべがある。日本ではシモツケ・ヤマブキ・オランダイチゴ・キイチゴ・サクラ・ウメ・ビワ・ボケ・リンゴ・ナシなど有用植物が多く,また多くの野生種がある。

薔薇羽太

ばらはた [0][2] 【薔薇羽太】
スズキ目ハタ科の海魚。体長60センチメートル程度。背びれのとげは九本。尾びれは三日月形に深く湾入し,後縁は黄色。南日本からインド・太平洋域のサンゴ礁の外縁に生息。

薔薇色

ばらいろ [0] 【薔薇色】
(1)明るいくれない色。淡紅色。「―の頬(ホオ)」
(2)(比喩的に)しあわせや希望に満ちている状態。輝かしい未来などを象徴する色。「―の人生」「―の未来」

薔薇輝石

ばらきせき [3] 【薔薇輝石】
マンガン・カルシウムを主成分とするケイ酸塩鉱物。三斜晶系に属し,濃紅色のガラス光沢があり,自形の結晶はまれで,多くは塊状。マンガン鉱床・熱水鉱脈などに産する。

薔薇鱮

ばらたなご [3] 【薔薇鱮】
コイ目の淡水魚。全長4〜6センチメートル。体高が高く側扁し,菱(ヒシ)形をなす。産卵期の雄は追い星を生じ,淡褐色の体色に赤・青色が現れて美しい。冬の釣魚。観賞魚。西日本に分布。

薗八

そのはち 【薗八】
江戸中期の浄瑠璃太夫。宮古路薗八といい,薗八節の創始者。宮古路豊後掾(ミヤコジブンゴノジヨウ)の門弟で,享保(1716-1736)頃,京都で一流を開いた。生没年未詳。

薗八節

そのはちぶし [0] 【薗八節】
上方浄瑠璃の一。薗八が享保(1716-1736)頃京都で語り始め,宮薗鸞鳳軒(ランボウケン)が宝暦(1751-1764)頃に大成した。曲風は情緒豊かで心中物が多い。宮薗節。

なぎ [0] 【薙】
山の崩れ落ちた所。青薙山・赤薙山など山名になっている。

薙ぎ伏せる

なぎふ・せる [0][4] 【薙ぎ伏せる】 (動サ下一)[文]サ下二 なぎふ・す
刃物で横にはらうようにして切り倒す。なぎたおす。

薙ぎ倒す

なぎたおす【薙ぎ倒す】
mow[cut]down.

薙ぎ倒す

なぎたお・す [4][0] 【薙ぎ倒す】 (動サ五[四])
(1)横にはらって倒す。「草を鎌で―・す」
(2)勢いよく次々に倒す。「並みいる強豪を―・す」
[可能] なぎたおせる

薙ぎ払う

なぎはら・う [4] 【薙ぎ払う】 (動ワ五[ハ四])
勢いよく横にはらう。刃物などで切りはらう。「草を―・う」
[可能] なぎはらえる

薙ぎ立てる

なぎた・てる [0][4] 【薙ぎ立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 なぎた・つ
刀剣などではげしく横に切りはらう。「―・て切伏(キリフセ)/近世紀聞(延房)」

薙ぎ袖

なぎそで [0] 【薙ぎ袖】
和服の袖の一。袖口が狭く,袖付けにかけて薙刀(ナギナタ)の刃のような曲線のある袖。江戸初期,主に少女が用いた。なぎなた袖。そぎ袖。

薙ぎ鎌

なぎがま 【薙ぎ鎌】
(1)物をなぎ切る鎌。
(2)鎌に長い柄をつけた武器。ないがま。「熊手・―持ちて/盛衰記 36」

薙ぎ面

なぎづら [0] 【薙ぎ面】
角材の,手斧(チヨウナ)で荒く削ったままの仕上げ面。また,そのような仕上げ方法。なぐりづら。

薙ぐ

な・ぐ [1] 【薙ぐ】 (動ガ五[四])
横にはらって切り倒す。「かまで草を―・ぐ」「打ち物抜いて艫舳にさんざんに―・いでまはる/平家 11」

薙刀

なぎなた【薙刀】
a long-handled sword.

薙刀

なぎなた [0][3] 【長刀・薙刀・眉尖刀】
(1)幅広で反りの強い刀身に,長い柄をつけた武器。平安時代から主に歩卒や僧兵が用い,南北朝時代以後は上級武士も使用したが,槍の発達で戦国時代以後は戦いの主要武器ではなくなった。江戸時代には婦人も用いた。
(2)「薙刀草履(ゾウリ)」の略。

薙刀草履

なぎなたぞうり [5] 【薙刀草履】
はき古したため,なぎなたのように延びてそり返った草履。

薙刀酸漿

なぎなたほおずき [5] 【薙刀酸漿】
アカニシの卵嚢。長さ約3センチメートルの薙刀形で紫色を帯びる。五〜八月の産卵期に採れる。口に入れ,鳴らして遊ぶ。

薙刀香薷

なぎなたこうじゅ [5] 【薙刀香薷】
シソ科の一年草。山地に生える。茎は四角く高さ40センチメートル内外。葉は卵形で香気がある。秋,薙刀に似た花穂を出し,淡紅色の小花を多数外向きにかたよってつける。全草を干したものを香薷といい,解熱・利尿剤などとする。

薙髪

ちはつ [0] 【薙髪】 (名)スル
髪をそり仏門に入ること。剃髪(テイハツ)。「通称は文五郎,―して文阿弥と云つた/渋江抽斎(鴎外)」

薛濤

せつとう 【薛濤】
(768-831) 中国,中唐の女流詩人。字(アザナ)は洪度(弘度)。零落(レイラク)して成都で歌妓(カギ)をしていた。詩文に巧みで,元稹(ゲンシン)・白居易ら,当代の詩人との交遊は有名。

らっきょう [0] 【辣韮・薤・辣韭】
ユリ科の多年草。中国原産。畑で栽培。ネギ類に属し,特有のにおいがある。地下に卵形の鱗茎がある。初夏,鱗茎を収穫し,漬物にして食用にする。らっきょ。[季]夏。

おおみら オホ― 【薤】
ラッキョウの古名。[和名抄]

薤露

かいろ [1] 【薤露】
〔漢の田横(デンオウ)が,高祖に仕えることを恥じて自殺した時,その死を悼んで門人が作った挽歌で,薤(オオニラ)(ラッキョウ)の葉に置いた露が乾きやすく落ちやすいのを命のはかなさにたとえたことから〕
昔,中国で王侯・貴人の葬送の時に歌った歌。挽歌。
→蒿里(コウリ)

こも [1][0] 【薦・菰】
(1)マコモやわらで織った筵(ムシロ)。
(2)マコモの古名。「三島江の入江の―をかりにこそ/万葉 2766」
(3)「薦被(コモカブ)り{(2)}」の略。

こも【薦】
straw matting (総称);a straw[rush]mat.薦被り a sake cask wrapped in straw matting.

薦む

すす・む 【勧む・奨む・薦む】 (動マ下二)
⇒すすめる

薦める

すす・める [0] 【勧める・奨める・薦める】 (動マ下一)[文]マ下二 すす・む
〔「進める」と同源〕
(1)相手にあることをするように働きかける。《勧・奨》「参加を―・める」「読めと―・める」「なほおぼし立てなど,絶えず―・め給ふ/源氏(行幸)」
(2)相手に物を差し出して,その飲食や利用を促す。《勧・奨》「食事を―・める」「座ぶとんを―・める」
(3)人・物などのよい点をのべて,採用を相手に促す。推薦する。《薦》「候補者として―・める」
(4)励まして気をふるいたたせる。「われを―・むる自害にこそとて,やがてうつたちけり/平家 9」

薦僧

こもそう 【薦僧・虚無僧】
〔「こもぞう」とも〕
「こむそう(虚無僧)」に同じ。「表に―の尺八/浄瑠璃・忠臣蔵」

薦包み

こもづつみ [3] 【薦包み】
薦で包むこと。また,薦で包んだもの。

薦垂れ

こもだれ [0] 【薦垂れ】
出入り口に,戸の代わりに薦{(1)}を垂れ下げること。転じて,貧しい住居。乞食(コジキ)小屋。

薦席

せんせき [0] 【薦席】
こもの敷物。むしろの敷物。

薦張

こもばり [0] 【薦張(り)】
小屋の四方に薦を張りめぐらすこと。また,その小屋。

薦張り

こもばり [0] 【薦張(り)】
小屋の四方に薦を張りめぐらすこと。また,その小屋。

薦張り芝居

こもばりしばい [5] 【薦張(り)芝居】
周囲が薦張りの仮小屋で興行する下級の芝居。乞食芝居。

薦張芝居

こもばりしばい [5] 【薦張(り)芝居】
周囲が薦張りの仮小屋で興行する下級の芝居。乞食芝居。

薦挙

せんきょ [1] 【薦挙】 (名)スル
ある地位や仕事にふさわしい人としてすすめること。推薦。推挙。「各部落より―せる民委官を歓接し/西国立志編(正直)」

薦枕

こもまくら 【薦枕】
■一■ (名)
マコモで作った枕。「―相まきし児もあらばこそ/万葉 1414」
■二■ (枕詞)
{■一■}が高いところから「たか」にかかる。「―高橋過ぎ/日本書紀(武烈)」

薦椎

せんつい [0] 【仙椎・薦椎】
椎骨のうち,腰椎より下方にある五個の骨。癒合(ユゴウ)して仙骨を構成する。
→椎骨

薦畳

こもだたみ 【薦畳】
■一■ [3] (名)
マコモで編んだ畳。
■二■ (枕詞)
{■一■}を幾重にも重ねて編むことから「へ(重)」にかかる。「―平群(ヘグリ)の朝臣(アソ)が鼻の上を掘れ/万葉 3843」

薦筵

こもむしろ [3] 【菰蓆・薦筵】
マコモの葉を編んで作ったむしろ。魂(タマ)祭りの霊棚(タマダナ)に用いる。[季]秋。

薦簾

こもすだれ [3] 【薦簾】
マコモで編んだすだれ。

薦被り

こもかぶり [3] 【薦被り】
(1)薦{(1)}で包んだ酒樽。普通,四斗樽(約72リットル入り)をいう。
(2)〔薦をかぶっていることから〕
乞食(コジキ)。おこもさん。こも。

薦骨

せんこつ [1] 【仙骨・薦骨】
脊柱の一部。五個の仙椎から成る倒三角形の骨。腰椎の下方,尾骨の上方にある。骨盤の後壁をなし,男女では形状に差がある。

こう [1] 【薨】
貴人の死。特に律令制では,親王および三位以上の人の死にいう。薨去。

薨ず

こう・ず 【薨ず】 (動サ変)
⇒こうずる(薨)

薨ずる

こう・ずる [0][5] 【薨ずる】 (動サ変)[文]サ変 こう・ず
身分の高い人が死ぬ。特に,皇族や三位(サンミ)以上の人が死ぬ。薨去する。

薨去

こうきょ [1] 【薨去】 (名)スル
親王または三位以上の人が死ぬこと。薨逝(コウセイ)。

薨御

こうぎょ [1] 【薨御】 (名)スル
親王・女院・摂関・大臣の死をいう語。

薨逝

こうせい 【薨逝】 (名)スル
「薨去(コウキヨ)」に同じ。「左遷の恨に沈んで―し給ひぬ/太平記 12」

薩南

さつなん 【薩南】
薩摩国の南部。

薩南学派

さつなんがくは 【薩南学派】
朱子学の一派。応仁の乱勃発後,禅僧桂庵玄樹が薩摩に招かれて伝えたのに始まる。月渚・一翁らが出たが,江戸時代には衰えた。

薩南諸島

さつなんしょとう 【薩南諸島】
九州の南,沖縄本島の北に弧状に連なる島々。南西諸島の北半部をいい,奄美(アマミ)諸島・吐噶喇(トカラ)列島・大隅諸島などから成る。鹿児島県に所属。

薩土盟約

さつどめいやく 【薩土盟約】
幕末期,薩摩・土佐両藩の政治協定。1867年大政奉還と公議政体の樹立を目的として締結された。

薩埵

さった [1] 【薩埵】
〔梵 sattva〕
〔仏〕
(1)有情。衆生(シユジヨウ)。
(2)「菩提(ボダイ)薩埵」の略。菩薩。「生身の―を祈り給ひしに/太平記 26」
(3)釈迦の,過去世における名前。薩埵王子。
(4)「金剛(コンゴウ)薩埵」の略。

薩埵峠

さったとうげ 【薩埵峠】
静岡県庵原(イハラ)郡由比町と清水市興津(オキツ)の境にある峠。旧東海道の難所。

薩婆訶

そわか ソハカ [1] 【蘇婆訶・薩婆訶】
〔梵 svāhā〕
〔仏〕 密教で呪文の最後につける語。密教ではさまざまに解釈するが,元来は仏への感嘆・呼びかけの語。「唵(オン)阿毘羅吽欠(アビラウンケン)―」

薩州

さっしゅう 【薩州】
薩摩(サツマ)国の別名。

薩戒記

さっかいき 【薩戒記】
室町時代の公卿中山定親の日記。1418年から43年までの日記二一冊(うち七年間欠)と,48年までの宣下・消息・その他の抄記から成る。

薩摩

さつま 【薩摩】
旧国名の一。鹿児島県西部にあたる。薩州。

薩摩の守

さつまのかみ [4] 【薩摩の守】
(1)〔薩摩守平忠度(タイラノタダノリ)の名を「ただ乗り」にかけていう〕
無賃乗車。また,それをする人。「―を決め込む」
(2)狂言の一(別項参照)。

薩摩ガラス

さつまガラス [4] 【薩摩―】
江戸末期,薩摩藩が西洋のガラス製法を導入して作ったガラス。吹きガラスで,色ガラス(紅ビードロ)・切り子なども作られた。

薩摩上布

さつまじょうふ [4] 【薩摩上布】
苧麻(チヨマ)を手紡(テツム)ぎにして細密に織り上げた上質の麻布。沖縄の宮古・八重山地方から産した上布を薩摩藩が租税として取り,他に販売したことからこの名がある。[季]夏。

薩摩下駄

さつまげた [3] 【薩摩下駄】
下駄の一種。駒下駄に似て,台の幅が広く,白の太い緒をすげた男用の下駄。

薩摩人形

さつまにんぎょう [4] 【薩摩人形】
薩摩国に伝わる武者人形。紙の鎧(ヨロイ)を着て,両手がなく,二本の矢を鎧の袖に貫き,馬にまたがったもので,車をつけて動かせるようにしてある。

薩摩半島

さつまはんとう 【薩摩半島】
鹿児島県南西部にある半島。鹿児島湾を隔てて大隅半島に対する。低山地と火山灰層の台地が発達。

薩摩国府

さつまこくぶ [4] 【薩摩国府】
鹿児島県国府(国分)から産出する上質のタバコ。

薩摩外記

さつまげき 【薩摩外記】
江戸前期の浄瑠璃太夫。京都の人。薩摩外記藤原直政。慶安・明暦(1648-1658)の頃江戸へ下り,一流を開いて外記節といった。その曲風は豪快な中に繊細さをもち,歌舞伎芝居へも出勤,荒事に多く用いられた。生没年未詳。
→外記節
→下り薩摩

薩摩守

さつまのかみ 【薩摩守】
狂言の一。旅の僧が,渡しで,「薩摩守忠度(タダノリ)」と秀句を言って無賃で川を渡ろうとはかるが,言い損なって失敗するというもの。

薩摩富士

さつまふじ 【薩摩富士】
開聞岳(カイモンダケ)の別名。

薩摩拳

さつまけん [0] 【薩摩拳】
拳の一種。象牙の籌(カズトリ)や杉箸などを何本かわからないように手に握り,双方が同時に差し出して,その数をあて合うもの。御国拳。

薩摩揚

さつまあげ [3] 【薩摩揚(げ)】
魚のすり身に小麦粉や細かく切った野菜などを加えて油で揚げた食品。

薩摩揚げ

さつまあげ [3] 【薩摩揚(げ)】
魚のすり身に小麦粉や細かく切った野菜などを加えて油で揚げた食品。

薩摩暦

さつまごよみ [4] 【薩摩暦】
江戸時代,安永(1772-1781)の頃から,薩摩藩で使われた暦。本田与一右衛門が,藩主島津綱貴の命で,貞享暦をもとに作った。

薩摩杉

さつますぎ [3] 【薩摩杉】
屋久杉(ヤクスギ)の異名。

薩摩椎

さつまじい [3][4] 【薩摩椎】
マテバシイの別名。

薩摩汁

さつまじる [4] 【薩摩汁】
鶏肉・豚肉などに大根・ごぼう・里芋などを入れて濃厚に仕立てた味噌汁。鹿児島汁。

薩摩浄雲

さつまじょううん 【薩摩浄雲】
(1593-1672) 江戸前期の浄瑠璃太夫。江戸浄瑠璃の開祖。堺(一説に京都または熊野)の人。沢住検校(サワズミケンギヨウ)に浄瑠璃を学び,寛永(1624-1644)の初め頃,江戸に下り,薩摩太夫と称して操り芝居を興行,人気を得た。激越な語り口で,武勇物を得意とした。

薩摩炒り

さつまいり [0] 【薩摩炒り】
炒った米に小豆と刻んだ薩摩芋を入れ,醤油と砂糖で味をつけて煮た食品。

薩摩焼

さつまやき [0] 【薩摩焼】
薩摩で産する陶磁器の総称。文禄の役の際,島津義弘が朝鮮から伴った陶工に焼かせたのに始まる。初期は,白釉(ハクユウ)・黒釉を施した朝鮮風のものや,宋胡録写(スンコロクウツシ)を特色としたが,のち錦手(ニシキデ)や金襴手が盛んとなり,現在では一般にこれを薩摩焼と呼んでいる。

薩摩版

さつまばん [0] 【薩摩版】
室町時代,薩摩で開板された書籍。また,江戸末期にも若干ある。

薩摩琵琶

さつまびわ [4] 【薩摩琵琶】
室町末期,薩摩に興った琵琶,またそれを伴奏とした語り物音楽。町家で行われた町風と,武家の士風を幕末に池田甚兵衛が融合した正派のほか,明治時代東京で永田錦心の立てた錦心流,その門下より出た水藤錦穣が考案した錦(ニシキ)琵琶がある。楽器は楽(ガク)琵琶より小さく(全長約1メートル),四弦四柱(ジ)で,柱は大きく高い。扇形の大形の撥(バチ)で奏する。錦琵琶は五弦五柱。

薩摩節

さつまぶし [0] 【薩摩節】
(1)薩摩国産出の鰹節(カツオブシ)。外形は長大で味は濃厚。
(2)「浄雲(ジヨウウン)節」に同じ。

薩摩糸雛

さつまいとびな [4] 【薩摩糸雛】
紙雛の一。三つまたは二つ折りにした厚紙に高砂(タカサゴ)の尉(ジヨウ)と姥(ウバ),浦島と乙姫などの絵模様を描いたもの。
→糸雛

薩摩絣

さつまがすり [4] 【薩摩絣】
薩摩から産出する木綿絣。元来は琉球で産し,薩摩を経て売り出された。

薩摩芋

さつまいも [0] 【薩摩芋】
ヒルガオ科のつる性多年草。中米原産。中国・沖縄を経て,一七世紀日本に渡来。一八世紀には,青木昆陽が救荒作物として普及させた。茎は赤紫色を帯び,卵心形の葉を互生。夏,ヒルガオに似た花を開く。根の一部は肥大して塊根(芋)となる。食用のほか,デンプン・ブドウ糖・アルコール・焼酎(シヨウチユウ)などの原料とする。キントキなど品種が多い。唐芋(カライモ)。琉球薯(リユウキユウイモ)。甘藷(カンシヨ)。[季]秋。

薩摩芋

さつまいも【薩摩芋】
a sweet potato.

薩摩菊

さつまぎく [3] 【薩摩菊】
エゾギクの異名。

薩摩蝋燭

さつまろうそく [4] 【薩摩蝋燭】
(1)鹿児島産の上等の蝋燭。
(2)鯨油と松脂(マツヤニ)から作った下等の蝋燭。

薩摩辞書

さつまじしょ 【薩摩辞書】
英和辞典。「改正増補和訳英辞書」の通称。1869年(明治2)上海で出版。薩摩藩学生高橋新吉・前田正穀共編。開成所の「英和対訳袖珍(シユウチン)辞書」をもとに,見出し語に片仮名で発音を付す。

薩摩錦

さつまにしき [4] 【薩摩錦】
鱗翅目マダラガ科のガ。開張約8センチメートル。はねは黒地に白・青緑・赤の斑紋があり,体は黒色で青緑色の鱗粉におおわれ,美しい。胸部から悪臭のある液体を出す。幼虫はヤマモガシの葉を食う。本州紀伊半島以南と中国・東南アジアに分布。

薩摩隼人

さつまはやと [4] 【薩摩隼人】
〔古代の隼人と精悍・勇猛な点が似ているところから〕
(1)薩摩の武士。
(2)鹿児島県出身の男性をいう。

薩摩飛脚

さつまびきゃく [4] 【薩摩飛脚】
(1)薩摩国に行く飛脚。
(2)(江戸時代,薩摩藩は他国人の入国を厳戒し,入り込んだ者が多く生還しなかったことから)行ったきりで帰らないことをいう語。「―になる」

薩摩馬

さつまうま [3] 【薩摩馬】
日本馬の地方種で,鹿児島県の在来馬。

薩摩鶏

さつまどり [3] 【薩摩鶏】
ニワトリの一品種。鹿児島県原産。闘鶏用のニワトリで,剣付鶏(ケンツキドリ)とも呼ばれる。肉質も良い。天然記念物。

薩英戦争

さつえいせんそう 【薩英戦争】
1863年7月,生麦事件報復のため鹿児島湾に来襲したイギリス東洋艦隊と薩摩藩との間で行われた戦争。双方とも損害大きく,同年11月横浜で和議が成立,以後薩英は緊密度を深めた。

薩都剌

さっとら 【薩都剌】
(1305?-1355?) 中国元代の詩人。字は天錫・号は直斎。回族(一説に蒙古族)出身。雁門に生まれた。生活感にあふれる山水詩に佳作を残した。詩集「雁門集」

薩長

さっちょう 【薩長】
薩摩藩と長州藩。

薩長連合

さっちょうれんごう 【薩長連合】
1866年第二次長州征伐を前にして薩長両藩が結んだ攻守同盟。坂本竜馬らの斡旋(アツセン)で長州の木戸孝允と薩摩の西郷隆盛らの間で成立。

薩閥

さつばつ [0] 【薩閥】
薩摩藩の出身者から成る一派。

薩隅

さつぐう 【薩隅】
薩摩国と大隅国。

たきぎ [0] 【薪・焚き木】
かまど・炉などで燃料にする細い枝や木。たきもの。まき。「―拾い」「―小屋」

まき【薪】
firewood.→英和
〜を割る chop wood.

たきぎ【薪】
<add> fuel <to> ;→英和
firewood.→英和

まき [0] 【薪】
燃料にするため適当な長さに切ったり割ったりした木。たきぎ。わりき。「―をくべる」「―割り」

薪の行道

たきぎのぎょうどう 【薪の行道】
法華八講の法会の三日目に,行基の作と伝えられる「法華経を我が得しことは薪こり菜つみ水くみ仕へてぞ得し」の歌を唱えながら,薪を背負い水桶をかついだ者が,大勢の僧の後について歩く儀式。「―などありて舞楽をも奏せらるべきなれど/延徳御八講記」

薪割

まきわり [0][4] 【薪割(り)】
丸太などを適当な大きさに割って薪を作ること。また,そのために使う刃物。

薪割り

まきわり [0][4] 【薪割(り)】
丸太などを適当な大きさに割って薪を作ること。また,そのために使う刃物。

薪割り

まきわり【薪割り】
wood chopping;[道具]an ax(e);a hatchet.→英和

薪屋

まきや【薪屋】
a firewood dealer.

薪柴

しんさい [0] 【薪柴】
まきと,しば。たきぎ。

薪水

しんすい [0][1] 【薪水】
(1)たきぎと汲(ク)み水。
(2)たきぎを拾い水を汲むこと。煮たきをすること。

薪水の労

しんすいのろう 【薪水の労】
〔梁昭明太子「陶靖節伝」より。「炊事仕事」の意から〕
人に仕えて骨身を惜しまず働くこと。「―をとる」

薪水給与令

しんすいきゅうよれい 【薪水給与令】
1842年,異国船打払令にかえて江戸幕府が出した法令。モリソン号事件の後,対外紛争を避けるため,外国船に薪水や食料を与えて速やかに立ち去らせることを命じたもの。

薪炭

しんたん【薪炭】
fuel;→英和
fire-wood and charcoal.

薪炭

しんたん [0] 【薪炭】
(1)まきとすみ。「―材」
(2)燃料一般。「―商」

薪炭林

しんたんりん [3] 【薪炭林】
薪や木炭の原料の生産を目的とする森林。

薪能

たきぎのう [3] 【薪能】
神事能の一。陰暦二月六日から一週間,奈良興福寺の修二会(シユニエ)の際に四座の大夫によって演じられたもの。幕末に廃れたが復興され,五月一一,一二日に行われる。また,諸社寺などで夜間にかがり火をたいて行う野外能をもいう。[季]夏。

薪雑把

まきざっぽう [0] 【薪雑把】
薪にするため適当な長さに切ったり,割ったりした木切れ。まきざっぱ。

薪雑把

まきざっぱ [0] 【薪雑把】
「まきざっぽう(薪雑把)」に同じ。

くん [1] 【薫】
かおりのよい草木。

薫き掛け

たきかけ 【薫き掛け】
衣類に香をたきこめること。また,その香り。「―残りてお七心にとまり/浮世草子・五人女 4」

薫き染める

たきし・める [4] 【薫き染める】 (動マ下一)[文]マ下二 たきし・む
香をたいて,物にその香りをしみこませる。「よく―・めたる薫物の/枕草子 231」

薫き込める

たきこ・める [4] 【薫き込める】 (動マ下一)[文]マ下二 たきこ・む
香をたいて,衣服などに香りをしみこませる。たきしめる。

薫く

た・く [0] 【炷く・薫く】 (動カ五[四])
〔「焚(タ)く」と同源〕
香(コウ)をくゆらす。「香を―・く」
[可能] たける

薫ずる

くん・ずる [0][3] 【薫ずる】 (動サ変)[文]サ変 くん・ず
(1)いい香りがする。かおる。また,いい香りをかおらせる。におわせる。「香を―・ずる」「白薔薇(ホワイトローズ)香(ニオイ)―・じて/風流仏(露伴)」
(2)風が若葉の香りをただよわせる。「南風―・ずる時節」

薫り

かおり カヲリ [0] 【薫り・香り】
(1)におい。特に,よいにおい。「花の―」「よい―がする」「―の高い新茶」
(2)品格。品位。「―高い文章」
(3)色つや。つややかな美しさ。「―をかしき顔ざまなり/源氏(柏木)」

薫り

かおり【薫り】
(a) smell.→英和
⇒匂(にお)い.

薫る

くゆ・る [2] 【燻る・薫る】 (動ラ五[四])
(1)炎を出さずに燃えて,煙が立つ。ふすぼる。くすぶる。「タバコが―・る」
(2)表面に出さないで,心の中で思い悩む。「人しれぬ心のうちに燃ゆる火は煙は立たで―・りこそすれ/大和 171」

薫る

かお・る カヲル [0] 【薫る・香る・馨る】 (動ラ五[四])
(1)いいにおいがする。香気をはなつ。「バラの花が―・る」「風―・る五月」
(2)煙・霞・霧などがただよう。「塩気のみ―・れる国に/万葉 162」
(3)顔などが,つややかに美しく見える。「つらつき,まみの―・れる程などいへば更なり/源氏(薄雲)」

薫る

かおる【薫る】
be fragrant.⇒匂(にお)う.

薫修

くんじゅ [1] 【薫修】
〔仏〕(「薫」は,香をたいて,香りを衣に染みこませること)修行を積むこと。

薫修

くんじゅう [0] 【薫習・薫修】
〔「くんじゅ」とも〕
〔仏〕 物に香りが染みつくように,人々の精神・身体のすべての行為が人間の心の最深部に影響を与えること。

薫化

くんか [1][0] 【薫化】 (名)スル
徳によって人によい影響を与え,導くこと。「人民を―する」

薫園

くんえん クンヱン 【薫園】
⇒金子(カネコ)薫園

薫大将

かおるだいしょう カヲルダイシヤウ 【薫大将】
〔身に異香があるところから呼ばれる〕
源氏物語,宇治十帖の主要人物。表向きは光源氏の子であるが,実は柏木の子。母は女三の宮。宇治の大君(オオイギミ)に心を寄せるが,いれられず,大君は病没。のち匂宮(ニオウノミヤ)と浮舟の愛を争う。

薫染

くんせん [0] 【薫染】 (名)スル
(1)香気が移り,しみこむこと。
(2)よい感化を受けること。また,与えること。「五年を独逸(ドイツ)に―せし学者風を喜び/金色夜叉(紅葉)」

薫灼

くんしゃく [0] 【薫灼】 (名)スル
くすぶり焼くこと。「忽ち残煙の―する所となり/佳人之奇遇(散士)」

薫炉

くんろ [1] 【薫炉】
香をたく器。香炉。薫籠(クンロウ)。「―の煙」

薫煙

くんえん [0] 【薫煙】
香をたいた煙。香の煙。香煙。

薫物

たきもの [0] 【薫物】
(1)各種の香木や香料を粉末にして甘葛(アマヅラ)・蜜・炭の粉などと練り固めた丸薬状の香。加熱して香りを立たせる。合香(アワセコウ)。練香(ネリコウ)。
(2)香をたくこと。また,その香り。「よくたきしめたる―の/枕草子 231」

薫物の籠

たきもののこ 【薫物の籠】
「伏籠(フセゴ){(1)}」に同じ。

薫物合

たきものあわせ [5] 【薫物合】
各自が持ち寄った薫物をたき,判者が香りと銘とを総合して優劣を判定する遊び。香合わせ。

薫物姫

たきものひめ [4] 【薫物姫】
〔乞巧奠(キツコウデン)の際に終夜机上で薫物をしたところからいうか〕
織女星。

薫籠

くんろう [0] 【薫籠】
(1)「薫炉(クンロ)」に同じ。
(2)「伏籠(フセゴ)」に同じ。

薫紙

くんし [1] 【薫紙】
香料をしみ込ませた紙。熱するか燃やすかして,芳香を出させる。

薫習

くんじゅう [0] 【薫習・薫修】
〔「くんじゅ」とも〕
〔仏〕 物に香りが染みつくように,人々の精神・身体のすべての行為が人間の心の最深部に影響を与えること。

薫育

くんいく [0] 【薫育】 (名)スル
徳をもって人によい影響を与え,教え導くこと。薫陶化育。しつけ。「生徒を―する」

薫蕕

くんゆう [0] 【薫蕕】
よい香りのある草と悪臭のある草。善人と悪人,また君子と小人にたとえる。

薫衣香

くぬえこう 【薫衣香】
⇒くのえこう(薫衣香)

薫衣香

くのえこう 【薫衣香】
衣服にたきしめるための香。貝香・丁子(チヨウジ)香・沈香(ジンコウ)・麝香(ジヤコウ)・白檀(ビヤクダン)香などを調合した練り香。くぬえこう。くんえこう。

薫衣香

くんえこう [3] 【薫衣香】
⇒くのえこう(薫衣香)

薫製

くんせい [0] 【薫製・燻製】
魚肉・獣肉などを塩漬けにし,脂(ヤニ)の少ないナラ・カシなどの木屑を焚いた煙でいぶしながら乾燥した保存性のある食品。独特の香味がある。

薫赫

くんかく [0] 【薫赫】
照りつけて暑いこと。また勢いの盛んなこと。「―の気は先づ面を撲てり/即興詩人(鴎外)」

薫陶

くんとう [0] 【薫陶】 (名)スル
〔香をたいてかおりをしみこませ,土をこねて形を整え陶器を作る意から〕
人徳・品位などで人を感化し,よい方に導くこと。「よき―を受ける」「儒教の中に―せられて/福翁百話(諭吉)」

薫陶

くんとう【薫陶】
discipline;→英和
training;→英和
education;→英和
instruction.→英和
…の〜を受ける study under…;be trained by….

薫陸

くんろく [0] 【薫陸】
〔「ろく」は呉音〕
(1)インド・ペルシャなどに産する一種の樹脂。香を製する。薫陸香。
(2)樹脂の化石。琥珀(コハク)に似ているがコハク酸を含まない。粉末にして香料にする。岩手県・福島県に産する。和の薫陸。

薫陸

くんりく [0] 【薫陸】
⇒くんろく(薫陸)

薫風

くんぷう [0] 【薫風】
初夏,若葉の香をただよわせて吹いてくるさわやかな南風。[季]夏。
→風薫る

薫風

くんぷう【薫風】
a balmy wind.

薫香

くんこう [0] 【薫香】
(1)香料を使ってつくり,くゆらせてよいにおいを出させるもの。たきもの。
(2)よいにおい。芳香。「―が満ちる」

やく [1] 【薬】
麻薬の隠語。「―が切れる」

くすり [0] 【薬】
(1)心身に,特殊な効果や一定の影響を与えるもの。特に,病気や傷などを治したり,健康を保持したりするために,飲んだり注射したり塗布したりするもの。医薬品。「―を飲む」「―が効く」
(2)化学的作用をもつ物質一般をいう語。火薬・釉(ウワグスリ)・殺虫剤など。
(3)その場では打撃や衝撃となるが,結果としてよい影響を与える物事。「試験に落ちたのもいい―になるだろう」
(4)わいろ。鼻薬。
(5)「病気」の忌み詞。

くすり【薬】
(1) (a) <liquid> medicine (内服用);→英和
a drug;→英和
(an) ointment;→英和
a pill;→英和
a powder;→英和
a tonic (強壮剤);→英和
a chemical (化学薬品).→英和
(2) glaze (うわ薬).→英和
〜一服 a dose of medicine.〜を飲む(つける).take (apply) medicine.〜を調合(処方)する compound (prescribe) a medicine.〜になる do good <to> ;be a good lesson <to> .
‖薬代 a charge for medicine.薬箱 a medicine chest[box].

薬す

くす・す 【薬す】 (動サ四)
薬を用いて治療する。「父を―・さん為にくすしを習ふぞ/蒙求抄 2」

薬の事

くすりのこと 【薬の事】
「病気」の忌み詞。「朱雀院の御―/源氏(若菜上)」

薬の女官

くすりのにょうかん 【薬の女官】
宮中で,元日から三日間天皇に屠蘇(トソ)を奉る女官。後宮の尚薬がこれにあたった。

薬の日

くすりのひ [5][0] 【薬の日】
陰暦五月五日。[季]夏。
→薬狩り
→薬日

薬事

やくじ [1] 【薬事】
医薬品・薬剤・調剤など薬や保健衛生に関する事柄。

薬事法

やくじほう 【薬事法】
医薬品・医薬部外品・化粧品・医療用具に関する事項を規制し,それらの品質・有効性・安全性を確保することを目的とした法律。1960年(昭和35)制定。

薬事監視員

やくじかんしいん [6] 【薬事監視員】
薬事法に基づき,薬事法違反のおそれがあるときなどに,立入検査や違反品の回収などを行う者。

薬代

くすりだい [0] 【薬代】
薬の代金。また,医者に払う治療費。やくだい。

薬代

やくだい [0] 【薬代】
薬の代金。

薬価

やっか【薬価】
medical charges.

薬価

やっか ヤク― [1][0] 【薬価】
(1)薬の値段。「―基準」
(2)医者に支払う代金。薬代。

薬剤

やくざい [0][2] 【薬剤】
医薬品を調合したもの。薬品。薬物。

薬剤

やくざい【薬剤】
a medicine;→英和
drugs.薬剤師 a pharmacist;→英和
<米> a druggist;→英和
<英> a chemist.→英和

薬剤師

やくざいし [3] 【薬剤師】
薬剤師法に基づき,調剤・医薬品の製造・供給その他薬事衛生に従事する者。

薬剤耐性

やくざいたいせい [5] 【薬剤耐性】
ある生物が変異によって,その生育を妨げるような薬剤の下でも生育できるようになること。
→耐性(2)

薬効

やっこう ヤクカウ [0] 【薬効】
薬の効能。薬のききめ。

薬包

やくほう [0] 【薬包】
(1)粉薬を紙に包んだもの。
(2)火砲に使用する発射用火薬を一発分ずつ分けて包んだもの。

薬包み

くすりづつみ 【薬包み】
散薬を包むような包み方。「紫の七重うすやうに―におしつつみて/十訓 1」

薬包紙

やくほうし [3] 【薬包紙】
粉薬を包むのに用いる紙。

薬医

やくい [1] 【薬医】
「典薬」の唐名。[運歩色葉集]

薬医門

やくいもん [3] 【薬医門】
本柱の後方に控え柱を立て,その上に女梁(メウツバリ)・男梁(オウツバリ)をかけ,切妻屋根をのせた門。
薬医門[図]

薬博

やくはく [0] 【薬博】
「薬学博士」の略。

薬卸

くすりおろし [4] 【薬卸(し)】
⇒薬研(ヤゲン)

薬卸し

くすりおろし [4] 【薬卸(し)】
⇒薬研(ヤゲン)

薬取り

くすりとり [3] 【薬取り】
(1)薬草を採集すること。また,その人。
(2)医者へ薬を取りに行くこと。また,その人。

薬司

くすりのつかさ 【薬司・典薬寮】
(1)後宮十二司の一。医薬のことをつかさどった。やくし。
(2)「てんやくりょう(典薬寮)」に同じ。

薬司

やくし [1] 【薬司】
律令制で,後宮十二司の一。医薬のことをつかさどった。くすりのつかさ。

薬名

やくめい [0] 【薬名】
薬品の名。

薬味

やくみ【薬味】
[香料]spices;a flavor;→英和
seasoning;→英和
a condiment.→英和
〜を入れる spice;→英和
flavor;season.→英和
‖薬味入れ a caster;a cruet.薬味台 a cruet (stand).

薬味

やくみ [3][0] 【薬味】
(1)風味を増し,食欲を刺激するために添える野菜や香辛料。ねぎ・わさび・しょうが・唐辛子(トウガラシ)など。
(2)薬の原料。薬の種類。「この上は―を明かして,すひ合せて見ようか/狂言記・膏薬煉」

薬味皿

やくみざら [3] 【薬味皿】
薬味を盛る小皿。

薬味箪笥

やくみだんす [4] 【薬味箪笥】
漢方医が薬を入れておく,小さい引き出しのたくさんある箪笥。百味箪笥。

薬味酒

やくみしゅ [3] 【薬味酒】
薬効のある草根木皮などを浸した酒。ニンジン酒など。薬酒。

薬品

やくひん [0] 【薬品】
(1)くすり。医薬品。
(2)化学変化を起こさせるために用いる固体・液体などの物質。「化学―」

薬品

やくひん【薬品】
medicines; <米> drugs;chemicals (化学薬品).

薬器

やっき ヤク― [1] 【薬器】
(1)薬を入れる器。
(2)茶道具の一。薄茶を入れる器。{(1)}を転用したもの。扁平で裾がすぼみ,蓋は一文字か少し盛り上がる。

薬嚢

やくのう [0] 【薬嚢】
(1)薬の袋。薬袋。
(2)大口径砲で,薬包を装填する時に入れる袋。

薬圃

やくほ [1] 【薬圃】
薬草を植える畑。薬園。

薬園

やくえん [0] 【薬園】
(1)薬草を栽培する畑。
(2)特に,江戸幕府や諸藩が直営した薬園{(1)}のこと。

薬売り

くすりうり [3] 【薬売り】
薬の行商人。

薬子

くすこ 【薬子】
⇒くすりこ(薬子)

薬子

くすりこ 【薬子】
元日,天皇の屠蘇(トソ)の毒味をする少女。くすこ。「元三の―/枕草子 156」

薬子の変

くすこのへん 【薬子の変】
810年に起こった宮廷内の抗争事件。平城天皇の寵厚く,権勢の座にあった藤原薬子が,天皇の退位後,兄仲成とともに再度実権を握ろうとして起こした事件。嵯峨天皇の廃立,平城上皇の重祚(チヨウソ),平城京遷都を企てたが未然に発覚,仲成は処刑され,薬子は自殺した。

薬学

やくがく【薬学】
pharmacy;→英和
pharmacology.→英和
‖薬学科 the pharmaceutical department.薬学士(博士) a bachelor (doctor) of pharmacy;Bachelor (Doctor) of Pharmacy (学位).薬学部 the faculty[department]of pharmacy.

薬学

やくがく [0][2] 【薬学】
医薬品の開発・製造・管理などを目標とし,これに必要な基礎学を体系化した総合科学。薬化学・薬品分析学・薬品製造学・生薬学・薬物学・衛生薬学・生化学・製剤学などの分野がある。

薬害

やくがい [0] 【薬害】
薬剤により,植物体や人畜に有害な作用が及ぶこと。

薬局

やっきょく【薬局】
<米> a drugstore;→英和
<英> a chemist's[pharmacist's]shop;a pharmacy;→英和
a dispensary (病院の).→英和
日本薬局方 the Japanese Pharmacopoeia.

薬局

やっきょく ヤク― [0] 【薬局】
(1)薬剤師が薬の販売または授与の目的で調剤を行う場所。開設には知事の許可を受けなければならず,開設者自身が薬剤師であること,または管理のための薬剤師を置くことを必要とする。
(2)病院や診療所などで,薬剤を調合するところ。

薬局方

やっきょくほう ヤク―ハウ [4][0] 【薬局方】
(1)その国の重要医薬品に対して一定の品質・強度・純度の基準を定めた規格書。
(2)「日本薬局方」の略。

薬局生

やっきょくせい ヤク― [4][3] 【薬局生】
医院の薬局にいて調剤をする人。薬剤師。

薬屋

くすりや【薬屋】
a pharmacy[a pharmacist (人)];→英和
<米> a drugstore[a druggist (人)];→英和
<英> a chemist's (shop)[a chemist (人)].

薬屋

くすりや [0] 【薬屋】
薬の調合や販売をする人。また,その店。薬局。薬店。

薬師

くすし 【薬師】
医者。「―を新羅に求(マ)ぐ/日本書紀(允恭訓)」

薬師

やくし 【薬師】
「薬師如来」の略。

薬師

くすりし 【薬師】
医者。くすし。「客人(マラヒト)の今の―貴かりけり/仏足石歌」

薬師の神

くすしのかみ 【薬師の神】
神代に医療・まじないの法を定めたといわれる大己貴(オオナムチ)・少彦名(スクナビコナ)の二神をいう。

薬師三尊

やくしさんぞん [4] 【薬師三尊】
薬師如来と,脇侍(キヨウジ)の日光菩薩(左)と月光(ガツコウ)菩薩(右)の三尊の総称。

薬師仏

やくしぼとけ 【薬師仏】
薬師如来のこと。

薬師堂

やくしどう [0] 【薬師堂】
薬師如来を安置する堂。

薬師如来

やくしにょらい 【薬師如来】
〔仏〕
〔梵 Bhaiṣajyaguru〕
東方浄瑠璃世界の教主。修行者の時に一二の願を起こして,成仏したとされ,衆生(シユジヨウ)の病気を治し,安楽を得させる仏。仏教の伝来以後,治病の仏として広く信仰された。薬壺を持つ像が多いが,一定しない。両界曼荼羅(マンダラ)に登場しないため,大日・釈迦など他の仏と同体とされるが,諸説ある。日光・月光(ガツコウ)の両菩薩を脇侍とし,十二神将を眷属(ケンゾク)とする。像にも法隆寺金堂,薬師寺金堂のものをはじめとして名品が多い。薬師瑠璃光如来。薬師仏。大医王仏。
薬師如来[図]

薬師寺

やくしじ 【薬師寺】
奈良市西ノ京町にある寺。法相宗の大本山。七世紀末に天武天皇の遺勅により藤原京に建立され,718年平城遷都により現在地に移る。藤原京の寺は橿原市木殿町にあり,本(モト)薬師寺と呼ばれて存続している。伽藍配置は,中門と講堂をつないだ回廊内に金堂と三重の東西両塔を置いている。薬師三尊像・聖観音像・吉祥天画像などのすぐれた仏像を蔵する。
→伽藍配置

薬師岳

やくしだけ 【薬師岳】
富山県南東部,飛騨山脈立山連峰中の高峰。海抜2926メートル。東斜面にカール群がある。

薬師悔過

やくしけか [4] 【薬師悔過】
薬師如来に向かって罪過をくい改める儀式。

薬師指

くすしゆび 【薬師指】
くすりゆび。

薬師法

やくしほう [0][3] 【薬師法】
薬師如来を本尊として病気の平癒,災厄の除去などを祈願する法。

薬師瑠璃光如来

やくしるりこうにょらい 【薬師瑠璃光如来】
薬師如来の別名。

薬師算

やくしざん [3] 【薬師算】
碁石を用いた遊び。碁石を中空正方形状に並べさせ,それを崩してから改めて一列がもとの一辺と同数になるように揃えて並べさせると,三列になり何個か残る。その残りの個数から碁石の総数を当てる。その当て方は(残りの数×4)+12 である。ここに表れる一二を薬師如来の一二の誓願,十二神将になぞらえて薬師算という。「塵劫記」に記載がある。

薬師経

やくしきょう 【薬師経】
大乗経典。「一仏薬師経」と,これを増広した「七仏薬師経」とがある。日本では一般に前者に属する唐代の玄奘(ゲンジヨウ)訳の「薬師瑠璃光如来本願功徳経」一巻をさす。薬師如来の一二の本願を明らかにしてその世界への往生を勧め,名号受持の功徳を説く。

薬師講

やくしこう [0] 【薬師講】
薬師経を百座に分けて講説する仏事。

薬店

やくてん [0] 【薬店】
薬剤師のいない,薬を売る店。調剤室がなく,販売品目に制限がある。薬事法により薬局と区別されている。薬舗。
→薬局

薬弥大観

やくみだいかん [4] 【薬弥大観】
薬師如来と阿弥陀如来と大日如来と観世音菩薩との略称。

薬悩み

くすりなやみ 【薬悩み】
薬にあたって病気になること。薬の中毒。「姉も余り呑み過ごして,―で此の仕合せ/浄瑠璃・松風村雨」

薬指

くすりゆび【薬指】
the third finger;the ring finger (左手の).

薬指

くすりゆび [3] 【薬指】
〔薬を水にとくのに用いたのでいう〕
小指の隣の指。名無し指。紅(ベニ)差し指。薬師(クスシ)指。

薬掛

くすりがけ [0] 【釉掛(け)・薬掛(け)】
陶磁器の作製で,釉(ウワグスリ)をかけること。

薬掛け

くすりがけ [0] 【釉掛(け)・薬掛(け)】
陶磁器の作製で,釉(ウワグスリ)をかけること。

薬料

やくりょう [2][0] 【薬料】
(1)薬品の代金。
(2)薬の材料。

薬方

やくほう [0] 【薬方】
薬の処方。調剤の方法。

薬日

くすりび [3] 【薬日】
陰暦五月五日の異名。この日に薬玉(クスダマ)を掛けたからとも,薬狩りをしたからともいう。くすりのひ。

薬枡

くすります 【薬枡】
奈良・平安時代,薬の量をはかるのに用いた枡。大小あり,大枡は九合(約1.6リットル)で煎薬(センヤク)用,小枡は二合二勺五才(約0.4リットル)で散薬用。

薬歴管理

やくれきかんり [5] 【薬歴管理】
薬剤師の業務として,重複投与を避けたり,副作用防止・服薬指導に役立てるため,患者の医薬品の服用歴を作成し,管理すること。

薬殺

やくさつ [0] 【薬殺】 (名)スル
毒薬を用いて殺すこと。「野犬を捕獲して―する」

薬殿

くすりどの 【薬殿】
⇒くすどの(薬殿)

薬殿

くすどの 【薬殿】
宮中の侍医や医学生の詰め所。安福殿の中にあった。くすりどの。

薬気

やっき ヤク― [0] 【薬気】
薬のにおい。くすりのけ。

薬浴

やくよく [0] 【薬浴】 (名)スル
薬剤を入れた湯に入ること。主に皮膚病の治療に用いる。

薬液

やくえき [0][2] 【薬液】
液状の薬品。薬品を溶かした液。

薬湯

くすりゆ [3] 【薬湯】
(1)薬剤や薬用植物を入れた浴用の湯。薬風呂。
(2)温泉。「よろづの人のあみける―あり/宇治拾遺 6」

薬湯

くすりゆ【薬湯】
a medicated[medical]bath.

薬湯

やくとう [0] 【薬湯】
(1)薬を入れた風呂。くすりゆ。
(2)薬を煎(セン)じ出した湯。

薬漬け

くすりづけ [0] 【薬漬け】
必要以上の薬を長い間飲んでいること。「―の医療」

薬煉

くすね 【薬煉・天鼠矢】
〔「くすりねり」の転〕
松脂(マツヤニ)に油を加え,熱して練ったもの。補強のために弓弦などに塗る。「さらば―に練つてねりとめておきまらせう/狂言・松脂」

薬煉糸

くすねいと 【薬煉糸】
くすねを塗った糸。

薬物

やくぶつ【薬物】
medicines.‖薬物学 ⇒薬学.薬物使用 doping.薬物中毒 drug poisoning.薬物療法 medical treatment.

薬物

やくぶつ [2][0] 【薬物】
治療・予防などに用いられる物質の総称。医薬品。

薬物依存

やくぶついそん [5] 【薬物依存】
ある薬物を抑えがたい欲求により持続的あるいは周期的に摂取する状態。コーヒー・タバコの嗜好などの精神的依存と,モルヒネ・大麻などのその使用を中止すると禁断症状を呈する身体的依存とがある。

薬物学

やくぶつがく [4] 【薬物学】
⇒薬理学

薬物消毒

やくぶつしょうどく [5] 【薬物消毒】
薬物による消毒。石炭酸・クレゾール石鹸液(セツケンエキ)などが使われる。

薬物犯罪

やくぶつはんざい [5] 【薬物犯罪】
麻薬・覚醒剤など,有害な薬物の製造・使用・所持などの犯罪の総称。

薬物療法

やくぶつりょうほう [5] 【薬物療法】
投薬による治療法。物理療法に対していう。

薬物耐性

やくぶつたいせい [5] 【薬物耐性】
薬物の連続投与によって薬効が減退し,そのため投与量の増加が必要になること。耐薬性。

薬狩

くすりがり 【薬狩(り)・薬猟】
陰暦五月五日に,山野に出て薬草や鹿の若角をとる行事。薬草摘み。薬採り。[季]夏。

薬狩り

くすりがり 【薬狩(り)・薬猟】
陰暦五月五日に,山野に出て薬草や鹿の若角をとる行事。薬草摘み。薬採り。[季]夏。

薬猟

くすりがり 【薬狩(り)・薬猟】
陰暦五月五日に,山野に出て薬草や鹿の若角をとる行事。薬草摘み。薬採り。[季]夏。

薬玉

くすだま [0] 【薬玉】
(1)種々の香料を玉にして錦の袋に入れ,糸や造花で美しく飾ったもの。悪疫払いや長寿を願って,端午の節句などに柱・壁などにかけた。長命縷(チヨウメイル)もこの一種。[季]夏。
(2){(1)}をまねた飾り物の玉。七夕飾りや式典の飾りとし,割れると中から紙吹雪やテープ,ハトが飛び出すものもある。飾り花。「―割り」
薬玉(1)[図]

薬玉

くすだま【薬玉】
a decorated ball.

薬王

やくおう 【薬王】
「薬王菩薩」の略。

薬王品

やくおうぼん 【薬王品】
〔仏〕「法華経」の第二三品,すなわち「薬王菩薩本事品」の略称。薬王焼臂の話を収める。

薬王菩薩

やくおうぼさつ 【薬王菩薩】
〔仏〕
(1)二十五菩薩の一。「法華経(薬王品)」に説かれる菩薩。修行していた時,仏道のために両腕を焼くという捨身供養(=薬王焼臂(シヨウヒ))を行なったという。
(2)良薬を与え,衆生(シユジヨウ)の病気を治すとされる菩薩。時に薬上菩薩とともに釈迦如来の脇侍(キヨウジ)となる。
薬王菩薩(2)[図]

薬王院

やくおういん ヤクワウヰン 【薬王院】
東京都八王子市の高尾山山頂にある真言宗智山派の寺。山号は高尾山。

薬理

やくり [1] 【薬理】
薬品によって起こる生理的変化。

薬理作用

やくりさよう [4] 【薬理作用】
生体に対する薬の作用。

薬理学

やくりがく [3] 【薬理学】
薬物の効果・副作用など薬物と生体との相互作用を研究する学問。薬物学。

薬理学

やくりがく【薬理学】
pharmacology.→英和

薬用

やくよう [0] 【薬用】
(1)薬として用いること。「―アルコール」
(2)薬を用いて治療すること。「格別御―あそばさるるにもあらず/不言不語(紅葉)」

薬用にする

やくよう【薬用にする】
use <a thing> for medical purposes.‖薬用植物 a medicinal plant[herb].薬用石鹸 medicated soap.

薬用人参

やくようにんじん [5] 【薬用人参】
チョウセンニンジンの異名。

薬用植物

やくようしょくぶつ [6] 【薬用植物】
医薬として,また医薬の原料として用いる植物。菌類から高等植物までにわたり,日本薬局方に収載されているもの,古来漢方で用いるもの,民間で用いるものなど,数は非常に多い。薬草。
→薬用植物[表]

薬用石鹸

やくようせっけん [5] 【薬用石鹸】
消毒殺菌剤を配合した石鹸。

薬用酒

やくようしゅ [3] 【薬用酒】
⇒薬酒(ヤクシユ)

薬用酵母

やくようこうぼ [5] 【薬用酵母】
⇒乾燥酵母(カンソウコウボ)

薬疹

やくしん [0] 【薬疹】
薬剤によって生じる発疹。薬剤の中毒による中毒疹と,特異体質によるアレルギー疹とがある。

薬療

やくりょう [0] 【薬療】
薬で治療すること。薬物療法。

薬石

やくせき [0] 【薬石】
〔「石」は古代中国で治療に用いた石鍼(イシバリ)の意〕
(1)種々の薬剤。また,病気の治療法。「―効なく」
(2)禅宗で夕食,また夕食用の粥(カユ)。薬食(ヤシツ)((ヤクジキ))。

薬石効なく

やくせき【薬石効なく】
in spite of every medical treatment.

薬研

やげん [0] 【薬研】
主に漢方で,薬種を砕き,または粉末にするために用いる器具。細長い舟形をした,内側が V 字形の器の中に薬種を入れ,上から軸のついた車輪様のものをきしらせて薬種を押し砕く。くすりおろし。きさげ。
薬研[図]

薬研台

やげんだい [2] 【薬研台】
⇒ブイ-ブロック

薬研堀

やげんぼり 【薬研堀】
(1)V 字形に深く掘った堀。
(2)江戸時代,現在の東京都中央区東日本橋両国にあった堀の名。江戸中期に埋め立てられた。不動堂があり,また付近は芸者,中条流の医師が多く居住した。

薬研彫

やげんぼり [0] 【薬研彫(り)】
溝が V 字形の彫り方。
→丸彫り

薬研彫り

やげんぼり [0] 【薬研彫(り)】
溝が V 字形の彫り方。
→丸彫り

薬研育ち

やげんそだち [4] 【薬研育ち】
〔江戸,両国の薬研堀あたりに踊り子が多かったことから〕
踊り子の異名。

薬研通吉光

やげんどおしよしみつ 【薬研通吉光】
〔1493年畠山政長が細川政元に囲まれた時,吉光作の短刀で自害しようとしたが腹を貫かず,投げ捨てたところかたわらの薬研(ヤゲン)を突き通したことから〕
藤四郎吉光が作った短刀の名。

薬礼

やくれい [0] 【薬礼】
薬代・治療費として医者に払う金。くすりだい。

薬禍

やっか ヤククワ [1] 【薬禍】
薬の副作用によって起こる障害などの災難。薬害。

薬科

やっか ヤククワ [0] 【薬科】
薬学に関する学科。薬学科。「―大学」

薬科大学

やっかだいがく【薬科大学】
a college of pharmacy.

薬種

やくしゅ [0] 【薬種】
薬の材料。特に漢方薬の材料となる草木など。

薬種屋

やくしゅや [0] 【薬種屋】
薬を調剤し,販売する人。漢方薬を商う人。また,その家。薬屋。

薬箋

やくせん [0] 【薬箋】
処方箋。

薬箱

くすりばこ [3] 【薬箱】
(1)薬を入れておく箱。
(2)医者が往診のとき,携帯した箱。薬籠(ヤクロウ)。

薬篭

やくろう【薬篭】
a medicine chest.自家〜中の物とする master;→英和
make oneself master <of> .

薬籠

やくろう [0] 【薬籠】
薬を入れる手箱。また,薬を入れて携帯する箱。二重三重に重ねたものもあった。やろう。

薬籠

やろう [0] 【薬籠】
「やくろう(薬籠)」に同じ。

薬籠蓋

やくろうぶた [3] 【薬籠蓋】
「やろうぶた(薬籠蓋)」に同じ。

薬籠蓋

やろうぶた [2] 【薬籠蓋】
薬籠の蓋のように作った蓋。かぶせ蓋。

薬缶

やっかん ヤク― 【薬缶】 ・ ヤククワン 【薬鑵】
「やかん(薬缶)」に同じ。「又は―などに化けたり/咄本・軽口大矢数」

薬缶

やかん [0] ―カン 【薬缶】 ・ ―クワン 【薬鑵】
〔「やくかん」の転。もと薬を煎じるのに用いた〕
(1)湯を沸かすのに用いる銅・アルミニウムなどの容器。
(2)「やかん頭」の略。

薬缶

やかん【薬缶】
a (tea)kettle.薬缶頭 a baldhead;a baldpate.→英和

薬缶頭

やかんあたま [4] 【薬缶頭】
毛がすっかり抜けて,やかんのように丸く光っている頭。はげあたま。やかん。

薬膳

やくぜん [2] 【薬膳】
中国で古くから行われてきた健康法の一。生薬や漢方薬を食事の中に取り入れること。

薬舗

やくほ [1] 【薬舗・薬鋪】
くすりや。薬店。

薬艾

くすりもぐさ [4] 【薬艾】
(1)灸に使うもぐさ。
(2)効きめまたは利益のあるもの。「女夫(メオト)中よい暮しこそ,所帯の―なれ/浄瑠璃・栬狩」

薬茶

くすりちゃ [3] 【薬茶】
茶にして飲む薬用の飲料。

薬草

やくそう [0] 【薬草】
薬の材料になる草。薬用植物。

薬草

やくそう【薬草】
a medicinal herb.

薬莢

やっきょう ヤクケフ [0] 【薬莢】
銃砲の発射薬を詰める,底部に雷管を備えた筒。

薬莢

やっきょう【薬莢】
a cartridge.→英和

薬袋

やくたい [0] 【薬袋】
(1)薬を入れる袋。薬嚢(ヤクノウ)。
(2)鉄砲の火薬を入れて携行する小瓶。

薬袋紙

やくたいし [3] 【薬袋紙】
薬袋{(1)}の材料とした和紙。雁皮(ガンピ)と楮(コウゾ)の繊維を混合した,丈夫で緻密な紙質のもの。

薬酒

やくしゅ [0] 【薬酒】
生薬などを加えた,薬用として飲用する酒。薬用酒。

薬酒

くすりざけ [3] 【薬酒】
薬の入っている酒。薬になる酒。

薬量

やくりょう [2] 【薬量】
薬の量。

薬量ポンド

やくりょうポンド [5] 【薬量―】
⇒ポンド(1)
 (イ)

薬鋪

やくほ [1] 【薬舗・薬鋪】
くすりや。薬店。

薬鍋

くすりなべ [4] 【薬鍋】
薬を煎じる鍋。

薬鑵

やかん [0] ―カン 【薬缶】 ・ ―クワン 【薬鑵】
〔「やくかん」の転。もと薬を煎じるのに用いた〕
(1)湯を沸かすのに用いる銅・アルミニウムなどの容器。
(2)「やかん頭」の略。

薬鑵

やっかん ヤク― 【薬缶】 ・ ヤククワン 【薬鑵】
「やかん(薬缶)」に同じ。「又は―などに化けたり/咄本・軽口大矢数」

薬風呂

くすりぶろ [0][4] 【薬風呂】
⇒薬湯(クスリユ)(1)

薬風炉

くすりぶろ [4][0] 【薬風炉】
薬を煎じる鍋を掛ける風炉。くすりろ。

薬食い

くすりぐい [0] 【薬食い】
(1)冬,保温・保健のために,鹿や猪(イノシシ)などの肉を食べること。[季]冬。《妻や子の寝顔も見えつ―/蕪村》
(2)滋養のために食べること。薬用として食べること。「土筆(ツクヅクシ)を―にし給へ/浮世草子・好色万金丹」

薬餌

やくじ [0][1] 【薬餌】
薬となる食べ物。また,薬。「―療法」

やぶ【薮】
a thicket (茂み);→英和
a bush (小薮);→英和
a bamboo bush (竹薮).‖薮から棒に suddenly;abruptly.薮蛇 <It is> waking a sleeping dog[lion].

薮入り

やぶいり【薮入り】
the apprentices'[servants']holiday; <英> Mothering Sunday.

薮医者

やぶいしゃ【薮医者】
a quack (doctor).→英和

薮睨み

やぶにらみ【薮睨み】
<have> a squint.→英和
〜の squint-[cross-]eyed.

薮蚊

やぶか【薮蚊】
a striped mosquito.

いも [2] 【芋・薯・藷】
(1)植物の根や地下茎が養分を蓄えて肥大したもの。食用となるサトイモ・ジャガイモ・ヤマノイモ・サツマイモなどをさす。園芸用の球根をいうこともある。[季]秋。《ぐい��と引抜く―の出来のよし/松本長》
(2)取り立てて言うほどのことはない物や人をあざけっていう語。「―侍」

薯蕷

とろろ【薯蕷】
grated yam.→英和
薯蕷芋 a yam.

薯蕷

しょよ [1] 【薯蕷・藷蕷】
〔「じょよ」とも〕
ヤマノイモの漢名。

薯蕷

とろろ [0] 【薯蕷】
ヤマノイモなどをすりおろした食べ物。生卵やだし汁を加えることもある。とろろ汁。

薯蕷

やまのいも [5][0] 【山の芋・薯蕷】
ヤマノイモ科のつる性多年草。山野に自生。塊根は長円柱形で地下に垂直に伸びる。茎は左巻き。葉は長卵形で基部は心臓形。葉腋にはむかごができる。雌雄異株で,夏,白色小花を穂状につける。塊根とむかごは食用。自然薯(ジネンジヨ)。山芋。
〔栽培されているナガイモを含めていうこともある〕

薯蕷汁

とろろじる [4] 【薯蕷汁】
「とろろ」に同じ。

薯蕷羹

しょよかん [0] 【薯蕷羹】
菓子の名。軽羹(カルカン)。

薯蕷芋

とろろいも [0][3] 【薯蕷芋】
とろろにする芋。ヤマノイモ・ナガイモ・ツクネイモなど。

薯蕷飯

とろろめし [3] 【薯蕷飯】
とろろをかけためし。麦飯をよく用いる。

薯蕷饅頭

じょうよまんじゅう [4] 【薯蕷饅頭】
〔「しょよまんじゅう」とも〕
ヤマノイモ・上新粉・砂糖で作った皮で餡(アン)を包んで蒸した菓子。

とう【薹】
a spike.→英和
〜が立つ run[go]to seed;pass one's prime[bloom](女が).

とう タウ [1] 【薹】
〔形が塔に似ているところからいうか〕
アブラナ・フキなどの花茎。

なずな【薺】
《植》a shepherd's purse.

なずな ナヅナ [0] 【薺】
アブラナ科の越年草。畑や道端に多い。高さ10〜40センチメートル。根出葉は羽状に分裂。春,茎頂に長い総状花序を立て,四弁白色の小花をつけ,のち扁平な三角形の果実を結ぶ。春の七草の一。果実は三味線の撥(バチ)に似,茎から少しはがして垂れ下げ,くるくる回すとペンペンと音を出すので,バチグサ・ペンペングサともいう。[季]新年。
〔「薺の花」は [季]春〕
薺[図]

薺蒿

うわぎ ウハギ 【薺蒿】
ヨメナの古名。「野の上の―過ぎにけらずや/万葉 221」

薺蒿

うはぎ 【薺蒿】
⇒うわぎ

わら【藁】
a straw.→英和
おぼれるものは藁をもつかむ <諺> A drowning man will catch at a straw.→英和

わら [1] 【藁】
(1)稲・麦などの茎をかわかしたもの。「―製品」
(2)〔分娩のとき床に敷いたことから〕
産褥(サンジヨク)。「―の中から養ひ/浄瑠璃・生玉心中(上)」

藁にお

わらにお [0] 【藁にお】
「藁塚」に同じ。

藁人形

わらにんぎょう【藁人形】
a straw figure.

藁人形

わらにんぎょう [3] 【藁人形】
藁をたばねて作った人形。藁人(コウジン)。丑(ウシ)の時参りに,憎む相手に擬して作り,五寸釘を打ち付けた。

藁仕事

わらしごと [3] 【藁仕事】
冬の農閑期,新藁を材料として縄・筵(ムシロ)・わらじなどを作る仕事。[季]冬。

藁半紙

わらばんし [3] 【藁半紙】
(1)藁の繊維にミツマタまたはコウゾの繊維を混ぜて漉(ス)いた粗末な半紙。
(2)
⇒ざら紙(ガミ)

藁囲い

わらがこい [3] 【藁囲い】
寒気から守るために,樹木などを藁で包み囲うこと。また,その囲い。

藁塚

わらづか [0] 【藁塚】
稲をこいたあとの藁を高く積み重ねたもの。わらにお。[季]秋。

藁寸莎

わらすさ [0] 【藁寸莎】
藁を刻んだ寸莎。
→すさ

藁屋

わらや [2] 【藁屋】
藁葺(ブ)きの家。転じて,粗末な家。

藁屋根

わらやね [0][3] 【藁屋根】
藁葺(ブ)きの屋根。

藁屑

わらくず [3] 【藁屑】
藁の切れはし。

藁工品

わらこうひん [3] 【藁工品】
縄・筵(ムシロ)など,藁で作った物。藁製品。

藁布団

わらぶとん [3] 【藁布団】
くず藁を入れた布団。稭(シベ)布団。

藁座

わらざ [0] 【藁座】
(1)藁で作った円座。藁蓋(ワロウダ)。
(2)軸つりの扉の回転軸を受けるため,地覆(ジフク)や貫(ヌキ)に取り付けた材または金具。
(3)鳥居の柱の根もとが腐るのを防ぐために巻き付けた銅や木。
藁座(2)[図]

藁座鳥居

わらざとりい [4] 【藁座鳥居】
「藁座{(3)}」を取り付けた鳥居。

藁打ち

わらうち [2][3][4] 【藁打ち】
藁を細工に適するように,槌(ツチ)などで打って柔軟にすること。

藁本

そらし 【藁本】
植物アギの異名。[本草和名]

藁沓

わろうず ワラウヅ 【藁沓】
〔「わらぐつ」の転〕
わらんず。

藁沓

わらぐつ [2][0] 【藁沓】
(1)藁を編んで作ったくつ。雪の深い場所などで使う。[季]冬。
→雪沓(ユキグツ)
(2)藁で編んだ履物。わらじ。「紫の指貫を着て―を履きて/今昔 16」

藁火

わらび [2] 【藁火】
藁を燃やした火。

藁灰

わらばい [0][2] 【藁灰】
藁を燃やしてできる灰。

藁灰

わらばい【藁灰】
straw ashes.

藁稭

わらみご [2] 【藁稭】
稲穂の芯(シン)。わらしべ。

藁稭

わらしべ [2][0] 【藁稭】
稲の穂の芯(シン)。わらすじ。わらすべ。みご。また,わらのくず。

藁稭

わらすべ [2][0] 【藁稭】
「わらしべ(藁稭)」に同じ。

藁稭長者

わらしべちょうじゃ 【藁稭長者】
昔話の一。一本のわらしべから次々と価値の高いものに交換して,ついに長者になるという話。「今昔物語集」や「宇治拾遺物語集」にも収められている。

藁筆

わらふで [2] 【藁筆】
わらしべで作った筆。また,粗末な筆のたとえ。わらふみで。

藁筋

わらすじ [0][3] 【藁筋】
藁の細いもの。また,わらしべ。

藁筵

わらむしろ [3] 【藁筵】
藁を編んだむしろ。わらごも。

藁箒

わらぼうき [3] 【藁箒】
藁を束ねて作ったほうき。

藁算

わらさん [0] 【藁算】
結縄(ケツジヨウ)の一種。藁・藺(イ)などに結び目を作り,数量などを表すもの。沖縄で,二〇世紀初頭まで,普通に用いられていた。さん。
藁算[図]

藁紙

わらがみ [2][0] 【藁紙】
藁などを原料とする粗悪な紙。特に,藁半紙。

藁素坊

わらすぼ [0][3] 【藁素坊】
スズキ目の海魚。全長35センチメートルほど。ハゼの一種であるが,体はウナギに似て細長く,背びれ・尻びれ・尾びれが連なる。腹びれは吸盤状。目は皮下に埋もれる。体色は腹面が白く,他は暗緑色。食用。日本では有明海の干潟に分布。

藁細工

わらざいく【藁細工】
strawwork.

藁細工

わらざいく [3] 【藁細工】
藁を使って細工をすること。また,その細工物。

藁縄

わらなわ [0] 【藁縄】
藁をなった縄。

藁苞

わらづと [0] 【藁苞】
(1)藁を編み,物を包むようにしたもの。「―入りの納豆」
(2){(1)}で包んだ土産物・贈り物。また,賄賂(ワイロ)。「そのお持ちやつた―は何ぢや/狂言・雁雁金」

藁草履

わらぞうり【藁草履】
straw sandals.

藁草履

わらぞうり [3] 【藁草履】
藁で編んだ草履。

藁葺き

わらぶき [0] 【藁葺き】
屋根を藁で葺くこと。また,その屋根。

藁葺き屋根

わらぶきやね [5] 【藁葺き屋根】
藁で葺いた屋根。

藁葺の

わらぶき【藁葺の(家)】
(a) (straw-)thatched (house).→英和

藁蓋

わらうだ [2][0] 【藁蓋・円座】
⇒わろうだ(藁蓋)

藁蓋

わろうだ ワラフダ [2][0] 【藁蓋・円座】
〔「わらふた」の転〕
わら・菅(スゲ)・藺(イ)などでひもを編み,渦巻状に組んだ敷物。綾(アヤ)や錦(ニシキ)で包んだものもある。円座(エンザ)。

藁蓋

わらふた 【藁蓋】
⇒わろうだ(藁蓋)

藁薦

わらごも [0] 【藁薦】
藁であんだこも。

藁鉄砲

わらでっぽう [3] 【藁鉄砲】
十日夜(トオカンヤ)に子供が地面を打つ,藁を巻き固めた棒状のもの。

藁靴

わらぐつ【藁靴】
straw boots.

藉す

か・す [0] 【貸す・藉す】 (動サ五[四])
(1)あとで返してもらう約束で一時的に品物・金を他人に渡したり使わせたりする。
⇔借りる
「本を―・す」「一万円―・す」「学生に部屋を―・す」
(2)自分の知恵や能力を,他人のために使う。「君の知恵を―・してもらいたい」「会社再建に力を―・す」「手を―・す」「弟に肩を―・してもらって医者へ行った」「耳を―・す(=他人ノ発言ヲ聞ク)」「顔を―・す」
〔近世以前は多く「借す」と書いた〕

藉口

しゃこう [0] 【藉口】 (名)スル
ある事にかこつけて言いわけをすること。口実にすること。

藉藉

せきせき [0] 【藉藉・籍籍】 (ト|タル)[文]形動タリ
がやがやと騒がしいさま。「声名―として世に噪げり/佳人之奇遇(散士)」

藊豆

あじまめ アヂ― 【藊豆】
フジマメの古名。[本草和名]

あい【藍】
an indigo plant (藍草);indigo (染料).→英和
〜色(の) indigo;deep blue.

あい アヰ [1] 【藍】
(1)タデ科の一年草。インドシナ原産。古く,中国を経て日本に渡来。高さ6,70センチメートルになり,秋に薄紅色の小花をつけ,黒褐色の痩果(ソウカ)を結ぶ。藍染めの染料をとるため,古くから各地で栽培されていた。タデアイ。
(2){(1)}の葉からとる染料。主成分,インジゴ。現在では工業的に合成され,天然のものは少ない。
→藍染め
(3)「藍色(アイイロ)」に同じ。
(4)「藍蝋(アイロウ)」の略。
藍(1)[図]

藍住

あいずみ アヰズミ 【藍住】
徳島県北東部,板野郡の町。徳島市と鳴門市の間に位置し,明治中期まで阿波藍の産地。

藍型

あいがた アヰ― [0] 【藍型】
藍の濃淡で模様を染め出した型染め。特に,沖縄のものが知られる。ええがた。
→紅型(ビンガタ)

藍墨

あいずみ アヰ― [0][2] 【藍墨】
墨の形に製した藍蝋(アイロウ)。青墨。

藍子

あいご アヰ― [0] 【藍子】
スズキ目の海魚。全長30センチメートル内外。体は楕円形で側扁する。体色は緑がかった暗褐色で,一面に小斑点がある。背びれ・腹びれ・尻びれに毒腺をもつ鋭いとげがある。食用。幼魚をバリコという。本州中部以南の暖海に分布。

藍屋

あいや アヰ― [2][0] 【藍屋】
「藍染め屋」に同じ。

藍建て

あいだて アヰ― [0] 【藍建て】
藍染めで,水に溶解しない藍の色素を,還元して水に溶かすこと。発酵によるものと還元剤によるものがある。
→建染め染料

藍役

あいやく アヰ― 【藍役】
中世,農民の栽培する藍に課せられた税。

藍摺り

あいずり アヰ― [0] 【藍摺り】
(1)布または紙に,藍の葉を摺りつけて模様を付ける染め方。あおくさずり。あおずり。
(2)「藍絵(アイエ){(1)}」に同じ。

藍晶石

らんしょうせき ランシヤウ― [3] 【藍晶石】
アルミニウムのケイ酸塩鉱物の一。三斜晶系。板状または端の欠けた長柱状。青色で,ときに緑・灰白色,ガラス光沢がある。方向によって硬度が異なるので二硬石ともいう。

藍本

らんぽん [0] 【藍本】
(1)絵の下書き。
(2)刊本や写本のよりどころとなった本。原本。

藍染

あいぞめ アヰ― [0] 【藍染(め)】
藍からとった色素で染めること。また,染めたもの。藍の葉を発酵させて色素インジゴを水溶性とする。この溶液に糸などを浸した後空気にさらすと,酸化して藍色に発色する。この液に繰り返し浸すことによって濃色とする。
→建染(タテゾ)め染料

藍染め

あいぞめ アヰ― [0] 【藍染(め)】
藍からとった色素で染めること。また,染めたもの。藍の葉を発酵させて色素インジゴを水溶性とする。この溶液に糸などを浸した後空気にさらすと,酸化して藍色に発色する。この液に繰り返し浸すことによって濃色とする。
→建染(タテゾ)め染料

藍染め付け

あいそめつけ アヰ― [3][4] 【藍染(め)付け】
⇒染(ソ)め付(ツ)け(2)(3)

藍染め屋

あいぞめや アヰ― [0] 【藍染(め)屋】
藍染めを業とする者。青屋。紺屋。藍屋。

藍染付け

あいそめつけ アヰ― [3][4] 【藍染(め)付け】
⇒染(ソ)め付(ツ)け(2)(3)

藍染屋

あいぞめや アヰ― [0] 【藍染(め)屋】
藍染めを業とする者。青屋。紺屋。藍屋。

藍棒

あいぼう アヰバウ [0][2] 【藍棒】
「藍蝋(アイロウ)」に同じ。

藍毘尼園

らんびにおん 【藍毘尼園】
〔梵 Lumbinī〕
釈迦の誕生の聖地。釈迦族が建てた迦毘羅(カビラ)衛の林苑。ネパール王国中部,インド国境に近いタライ付近。ルンビニ園。

藍水泥

あいみどろ アヰ― [3] 【藍水泥】
ユレモの別名。

藍汁

あいしる アヰ― [0][3] 【藍汁】
不溶性の藍の色素を還元して溶かした液。この液に浸して染める。藍液。

藍海松茶

あいみるちゃ アヰ― [4][3] 【藍海松茶】
染め色の名。藍色がかった海松茶色。青みがかった暗い茶色。

藍焼き

あいやき アヰ― [0] 【藍焼き】
「青焼き」に同じ。

藍玉

あいだま アヰ― [0] 【藍玉】
藍の葉を発酵させ,臼(ウス)でついて固めたもの。玉藍。[季]夏。
→藍染め

藍瓶

あいがめ アヰ― [0] 【藍瓶】
藍染めで,染料を入れるかめ。藍壺(アイツボ)。

藍瓶役

あいがめやく アヰ― [0] 【藍瓶役】
⇒紺屋役(コウヤヤク)

藍田

らんでん 【藍田】
中国,陝西省南部の県。古代,長安の京兆(ケイチヨウ)に属した。東方の藍田山から美玉を産したことで知られる。

藍田原人

らんでんげんじん [5] 【藍田原人】
1963年,64年に藍田で発見された化石人類。北京原人より原始的な原人。

藍白地

あいしらじ アヰシラヂ 【藍白地】
白地の革に藍で文様を染めたもの。藍白地の革。

藍碧

らんぺき [0] 【藍碧】
青みの強い緑色。あおみどり。「―なる青雲の海/即興詩人(鴎外)」

藍紙

あいがみ アヰ― [0] 【藍紙】
(1)「青花紙(アオバナガミ)」に同じ。
(2)藍色に染めた和紙。

藍紫色

らんししょく [3] 【藍紫色】
藍色(アイイロ)を帯びた紫色。

藍絵

あいえ アヰヱ [0] 【藍絵】
(1)江戸末期の浮世絵版画の一。藍の濃淡を主として,時に紅や黄を少量使ったもの。葛飾(カツシカ)北斎の風景画,歌川国貞の美人画などに見られる。藍摺(アイズ)り。
(2)陶磁器の呉須(ゴス)の染め付け模様。

藍綬褒章

らんじゅほうしょう [4] 【藍綬褒章】
褒章の一。公衆の利益に寄与した者,または公共の事務に尽くした者に藍(アイ)色の綬の記章とともに授与される。

藍色

あいいろ アヰ― [0] 【藍色】
藍で染めた色。くすんだ青。染める回数によって濃淡があり,紺・納戸・縹(ハナダ)・浅葱(アサギ)・瓶覗(カメノゾキ)などの色がある。藍。

藍色

らんしょく [0] 【藍色】
あいいろ。

藍花

あいばな アヰ― [1] 【藍花】
(1)藍瓶(アイガメ)の中で藍が十分に発酵したとき,液の表面に浮かぶ藍色の泡。また,それを取り出して乾燥したもの。液は飴色となる。
(2)ツユクサの異名。

藍茸

あいたけ アヰ― [0][2] 【藍茸】
(1)ハラタケ目の食用きのこ。かさの上面は藍緑色。夏から秋に,雑木林に生ずる。アオハツ。ナツアイタケ。
(2)ハツタケの異名。

藍蓼

あいたで アヰ― [0] 【藍蓼】
ヤナギタデの栽培品種。高さ1メートルに達する。葉・幼苗には辛みがあり,刺身のつまにする。

藍藻類

らんそうるい ランサウ― [3] 【藍藻類】
下等な藻類の一群。細胞膜を有するが細胞核の構造はなく,核の要素となる物質は細胞質の中心部に溶け込んでいて,その周辺部分には同化色素その他の色素が含まれている。単細胞のもの,糸状体になるもの,群体を形成するものなどがあり,プランクトンや底生生物もある。

藍蝋

あいろう アヰラフ [0][2] 【藍蝋】
藍染めの布を苛性(カセイ)ソーダなどを加えた液で煮出して藍を回収し,煮詰めて棒状にしたもの。また,藍瓶(アイガメ)に浮いた泡を固めて棒状にしたもの。絵の具とする。藍棒。

藍衣社

らんいしゃ 【藍衣社】
中国,民国時代の政治秘密結社。蒋介石のもと黄埔(コウホ)軍官学校出身者を中心に1931年成立,反共活動を行い,蒋の国民党支配を支えた。

藍返し

あいがえし アヰガヘシ [3] 【藍返し】
染めた色の上から淡い藍を染めて,落ち着いた色にすること。

藍鉄鉱

らんてっこう [3] 【藍鉄鉱】
鉄の含水リン酸塩鉱物。単斜晶系。柱状結晶のほか,団塊状などさまざまな形を示す。無色透明。空気中では藍青色に変わる。金属鉱床やペグマタイトの酸化帯,粘土中の有機物の周囲などに産出。

藍銅鉱

らんどうこう [3] 【藍銅鉱】
水酸化銅および炭酸銅からなる鉱物。単斜晶系。柱状あるいは板状結晶形のほか,塊状・葡萄状。藍青色で透明,ガラス光沢がある。容易に孔雀石に変わる。銅鉱床の酸化帯に産する。古来,青色の顔料として用いられた。

藍閃変成作用

らんせんへんせいさよう [9] 【藍閃変成作用】
藍閃石片岩を生ずる高圧・低温型の広域変成作用。神居古潭(カムイコタン)変成帯・三郡変成帯などがこれにあたる。

藍閃石

らんせんせき [3] 【藍閃石】
角閃石類の一。ナトリウム・マグネシウム・アルミニウムのケイ酸塩鉱物で単斜晶系。灰青または青紫色でガラス光沢がある。

藍閃石片岩

らんせんせきへんがん [7] 【藍閃石片岩】
石英・長石のほかに藍閃石などを多く含む結晶片岩。藍閃片岩。青色片岩。

藍隈

あいぐま アヰ― [0] 【藍隈】
歌舞伎の隈取りの一種。藍色で隈をとること。また,その隈。怨霊(オンリヨウ)や公家悪(クゲアク)など敵役系の役に用いる。青隈。

藍青色

らんせいしょく [3] 【藍青色】
藍色(アイイロ)を帯びた青色。

藍革

あいかわ アヰカハ [0] 【藍革】
藍色に染めたなめし革。あいなめし。あおなめし。

藍革縅

あいかわおどし アヰカハヲドシ [5] 【藍革縅】
藍革で鎧(ヨロイ)のさねをつづり合わせること。また,その鎧。中世では黒革縅といった。

藍鞣

あいなめし アヰ― [3] 【藍鞣・藍韋】
「藍革(アイカワ)」に同じ。

藍韋

あいなめし アヰ― [3] 【藍鞣・藍韋】
「藍革(アイカワ)」に同じ。

藍鮫

あいざめ アヰ― [0] 【藍鮫】
(1)ツノザメ目ツノザメ科アイザメ属の海魚の総称。アイザメ・ゲンロクザメなどがいる。全長1メートル内外。肉は練り製品の原料とし,皮は刀の鞘(サヤ)や柄(ツカ)の外装に用いる。関東以南の深海に分布。
(2)藍色を帯びた鮫皮。刀の鞘を巻くのに用いる。

藍鼠

あいねずみ アヰ― [3] 【藍鼠】
藍色を帯びた鼠色。あいねず。

藐姑射の山

はこやのやま 【藐姑射の山】
(1)〔荘子(逍遥遊)〕
中国で,不老不死の仙人が住むという伝説上の山。姑射山(コヤサン)。
(2)上皇の御所を祝っていう語。仙洞御所。

藐忽

びょうこつ ベウ― [0] 【藐忽】 (名)スル
さげすみ軽んずること。「僧徒の説は少年の学者に―せらる/新聞雑誌 60」

藐焉

ばくえん [0] 【邈焉・藐焉】 (ト|タル)[文]形動タリ
非常に遠いさま。遠くてはっきりしないさま。「―たる大空の百千の提灯を掲げ出せるあるのみ/春(藤村)」

藐視

びょうし ベウ― [0] 【藐視】 (名)スル
みくだすこと。軽視。「商売の事は,平人に―せられたり/新聞雑誌 60」

藕糸

ぐうし [1] 【藕糸】
〔「藕」は蓮(ハス)の意〕
蓮の茎。蓮の糸。

藕花

ぐうげ [1] 【藕花】
〔「藕」は蓮(ハス)〕
蓮の花。蓮花(レンゲ)。ぐうか。

あかざ [0] 【藜】
アカザ科の一年草。中国原産という。路傍や畑地に自生。高さ1メートル以上になり,よく分枝する。葉は菱形状の卵形で,ふちに波形の切れ込みがある。若葉は紅紫色で美しく,食べられる。[季]夏。
→白藜(シロザ)
藜[図]

あかざ【藜】
《植》a goosefoot.

藜の杖

あかざのつえ 【藜の杖】
アカザの茎を乾かして作った杖。老人が常用すると中風にかからぬという俗信があった。

藜の灰

あかざのはい 【藜の灰】
アカザを焼いた灰。染め物の媒染などに用いた。

藜の羹

あかざのあつもの 【藜の羹】
アカザを実にした吸い物。粗末な食物のたとえ。「紙の衾(フスマ),麻の衣,一鉢のまうけ,―,いくばくか人の費(ツイエ)をなさん/徒然 58」

藜杖

れいじょう [0] 【藜杖】
アカザの茎で作った杖(ツエ)。軽いので老人が用いる。

藜科

あかざか [0] 【藜科】
双子葉植物の一科。草本または低木。特に乾燥地帯に種類が多い。葉は単葉で互生または対生する。花は小さく,密に集合し,さらに大きな円錐花序になることが多い。世界に約一〇〇属,一五〇〇種。アカザ・アリタソウ・ホウキギ・ホウレンソウ・オカヒジキ・ビートなどがある。

藜羹

れいこう [0] 【藜羹】
〔アカザのあつものの意〕
粗食。

ふじ フヂ [0] 【藤】
(1)マメ科フジ属の植物の総称。
(2)マメ科のつる性落葉木本。山野に自生し,また観賞用に植える。つるは右巻き。葉は奇数羽状複葉。四,五月頃長い総状花序を垂れ,紫色・白色などの蝶形花をつける。長い莢(サヤ)の実がなる。つるは丈夫で縄や細工物に利用。ノダフジ。[季]春。《草臥て宿かる比や―の花/芭蕉》
〔「藤の実」は [季]秋〕
→ヤマフジ
(3)家紋の一。藤の花や葉・枝をかたどったもの。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄紫,裏は青。ふじがさね。
(5)「藤色」の略。「―の末濃(スソゴ)の織物の御几帳に/栄花(御裳着)」
藤(3)[図]

とう 【藤】
姓氏の一。

ふじ【藤】
a wistaria.→英和
藤棚 a wistaria trellis.

藤ノ木古墳

ふじのきこふん フヂノキ― 【藤ノ木古墳】
奈良県生駒郡斑鳩(イカルガ)町にある円墳。内部は横穴式石室で,巨石を使って築かれており,六世紀後半の築造と推定される。1985年(昭和60)には石室内から金銅製の鞍金具などの馬具類と家形石棺,88年には石棺内から金銅製の冠や沓,金・銀・金銅製の大刀などが発見された。

藤九郎

とうくろう トウクラウ [0] 【藤九郎】
アホウドリの異名。

藤五郎鰯

とうごろういわし トウゴラウ― [6] 【藤五郎鰯】
スズキ目の海魚。全長約16センチメートル。体は細長い。体色は青灰色。鱗が硬く食用とはせず,カツオ釣りの餌に利用。本州中部以南に広く分布し,沿岸の表層に群れをなす。トウゴロウ。

藤井

ふじい フヂヰ 【藤井】
姓氏の一。

藤井乙男

ふじいおとお フヂヰオトヲ 【藤井乙男】
(1868-1946) 国文学者。兵庫県生まれ。京大教授。号,紫影。東大卒。俳諧・近世小説・浄瑠璃などの実証的研究に従事。著「諺語大辞典」「江戸文学研究」など。

藤井健次郎

ふじいけんじろう フヂヰケンジラウ 【藤井健次郎】
(1866-1952) 植物学者。石川県の生まれ。東大教授。植物形態学と細胞遺伝学に業績を上げた。日本最初の遺伝学講座を開き,欧文の細胞学雑誌 Cytologia を創刊。

藤井右門

ふじいうもん フヂヰ― 【藤井右門】
(1720-1767) 江戸中期の尊王論者。越中の人。名は直明。皇学所教授を務めたが,宝暦事件に連座,各地に潜伏ののち江戸の山県大弐を頼る。のち,謀反の疑い(明和事件)で鈴ヶ森で処刑された。

藤井寺

ふじいでら フヂヰデラ 【藤井寺】
大阪府南東部,大和川中流域にある市。河内国の国府が置かれた地。允恭(インギヨウ)天皇陵など古墳が多い。製箔のほか,機械・紙器工業などが盛ん。

藤井日達

ふじいにったつ フヂヰ― 【藤井日達】
(1885-1985) 日蓮宗の僧。熊本県生まれ。1917年(大正6)中国に最初の日本山妙法寺を開創。各地に仏舎利塔を建立,平和運動に挺身した。

藤井竹外

ふじいちくがい フヂヰチクグワイ 【藤井竹外】
(1807-1866) 江戸後期の漢詩人。摂津の人。名は啓,字(アザナ)は士開,通称は啓次郎。頼山陽・梁川星巌に師事。七言絶句にすぐれた。著「竹外二十八字詩」「竹外詩鈔」

藤井高尚

ふじいたかなお フヂヰタカナホ 【藤井高尚】
(1764-1840) 江戸後期の国学者・歌人。備中の人。号,松の舎。本居宣長に師事。吉備津(キビツ)神社の宮司。著「三(ミツ)のしるべ」「松屋文集」「松の落葉」など。

藤代

ふじしろ フヂシロ 【藤代】
茨城県南部,北相馬郡の町。取手市に接し小貝川が貫流する。

藤倉

ふじくら フヂクラ [2] 【藤倉】
「藤倉草履」の略。

藤倉草履

ふじくらぞうり フヂクラザウ― [5] 【藤倉草履】
草履の一種。表を藺(イ)で編み,白・茶などの木綿の鼻緒をつけたもの。ふじくら。

藤八

とうはち [0] 【藤八】
(1)「藤八五文」の略。
(2)「藤八拳」の略。

藤八五文

とうはちごもん 【藤八五文】
文政(1818-1830)の頃江戸市中で五文の薬を売り歩いた薬売り。二人連れで,互いに「藤八」「五文」と応じ合い,最後に声を合わせて「奇妙」と叫び,評判となった。藤八。
藤八五文[図]

藤八拳

とうはちけん [4][0] 【藤八拳】
〔幇間(ホウカン)藤八から,あるいは藤八五文の売り声からという〕
拳の一。向かい合った二人の示す狐・鉄砲・庄屋の身振りによって勝負をきめるもの。狐拳。藤八。

藤原

ふじわら フヂハラ 【藤原】
姓氏の一。中臣鎌足が賜った藤原朝臣の姓が,子の不比等の一流に伝えられたもの。不比等の四子は南家・北家・式家・京家を分立させたが,平安時代以降は北家が摂関家として繁栄した。なお,奥州藤原氏は別系。

藤原不比等

ふじわらのふひと フヂハラ― 【藤原不比等】
(659-720) 奈良初期の廷臣。鎌足の子。右大臣。諡号(シゴウ)は文忠公,また淡海公。大宝律令の撰修に参加,養老律令を完成した。娘宮子を文武天皇の妃とし,光明子を聖武天皇の皇后とするなど,藤原氏繁栄の基礎を築いた。平城京遷都に際し,興福寺を建立。

藤原乙牟漏

ふじわらのおとむろ フヂハラ― 【藤原乙牟漏】
(760-790) 桓武天皇の皇后。宇合(ウマカイ)の孫。平城・嵯峨両天皇の生母。

藤原京

ふじわらきょう フヂハラキヤウ 【藤原京】
飛鳥(アスカ)時代,持統・文武・元明天皇の都(694-710)。奈良県橿原(カシハラ)市高殿を中心とする,大和三山に囲まれた地域にある。飛鳥浄御原(キヨミハラ)から遷都,元明天皇の平城京遷都まで16年間続いた。中国式の条坊制を採用した日本最初の都城とされる。大極殿(ダイゴクデン)・朝堂院・官衙(カンガ)などの遺跡が発掘されている。

藤原仲麻呂

ふじわらのなかまろ フヂハラ― 【藤原仲麻呂】
(706-764) 奈良後期の廷臣。武智麻呂(ムチマロ)の子。叔母光明皇太后の信を得て,左大臣橘諸兄と対立。757年橘奈良麻呂の変を制圧し,58年恵美押勝(エミノオシカツ)の名を受け,のち太師(太政大臣)となって専権をふるった。孝謙上皇が道鏡を寵愛(チヨウアイ)したので,その排除を策して失敗,近江で妻子らとともに殺された。

藤原伊周

ふじわらのこれちか フヂハラ― 【藤原伊周】
(974-1010) 平安中期の廷臣。道隆の子。内大臣。関白を争い叔父道兼・道長と対立,花山法皇に矢を射かけ,大宰権帥(ダザイノゴンノソツ)に左遷された。翌年許され儀同三司の待遇を得たが,道長に抗し得ず失意のうちに没した。

藤原伊尹

ふじわらのこれただ フヂハラ― 【藤原伊尹】
〔名は「これまさ」とも〕
(924-972) 平安中期の廷臣・歌人。師輔の長子。行成の祖父。一条摂政と呼ばれた。諡号(シゴウ)は謙徳公。摂政・太政大臣。撰和歌所別当となり,「後撰和歌集」の撰進に関与。家集に「一条摂政御集(豊蔭)」がある。

藤原伊房

ふじわらのこれふさ フヂハラ― 【藤原伊房】
(1030-1096) 平安中期の書家。行成の孫。世尊寺流第三代。「藍紙本万葉集」「十五番歌合」の筆者とされる。

藤原佐理

ふじわらのすけまさ フヂハラ― 【藤原佐理】
〔名は「さり」とも〕
(944-998) 平安中期の廷臣・書家。実頼の孫。右近衛少将・参議・大宰大弐(ダザイノダイニ)。和様・唐風ともにすぐれ,その書蹟を佐蹟(サセキ)という。三蹟の一。遺墨「離洛帖」「詩懐紙」

藤原俊成

ふじわらのとしなり フヂハラ― 【藤原俊成】
⇒ふじわらのしゅんぜい(藤原俊成)

藤原俊成

ふじわらのしゅんぜい フヂハラ― 【藤原俊成】
〔名は「としなり」とも〕
(1114-1204) 平安末期・鎌倉初期の歌人・歌学者。名は初め顕広。法号,釈阿。定家の父。五条三位と称された。後白河院の命により「千載和歌集」を撰進。古典主義的立場に立ち幽玄の理念を樹立,王朝和歌を統合的に継承するとともに中世和歌の出発点を築いた。歌論「古来風体抄」,家集「長秋詠藻」などのほか,書の名筆を多く遺す。

藤原保昌

ふじわらのやすまさ フヂハラ― 【藤原保昌】
(958-1036) 平安中期の廷臣。左馬頭。南家藤原氏。武芸にすぐれ,盗賊袴垂保輔を畏伏させたという。歌人としても著名。和泉式部は妻。平井保昌(ホウシヨウ)とも。

藤原信実

ふじわらののぶざね フヂハラ― 【藤原信実】
(1176頃-1265頃) 鎌倉前期の画人・歌人。隆信の子。法名,寂西。父の似せ絵を発展,「後鳥羽上皇像」「三十六歌仙絵巻」などの作者と伝える。また,「今物語」の著者とされる。

藤原信頼

ふじわらののぶより フヂハラ― 【藤原信頼】
(1133-1159) 平安後期の廷臣。忠隆の子。権中納言。後白河院別当。源義朝・藤原成親と結び,対立する藤原通憲(ミチノリ)(信西)を殺害(平治の乱)したが,平清盛に敗れ,斬殺された。

藤原公任

ふじわらのきんとう フヂハラ―キンタフ 【藤原公任】
(966-1041) 平安中期の歌人・歌学者。通称,四条大納言。四納言の一人。実頼の孫。正二位権大納言。故実に明るく,諸芸に秀で,名筆家としても知られる。「和漢朗詠集」「拾遺抄」「三十六人撰」の撰者。著「新撰髄脳」「和歌九品」「北山抄」,家集「前大納言公任卿集」

藤原公季

ふじわらのきんすえ フヂハラ―キンスヱ 【藤原公季】
(956-1029) 平安中期の廷臣。師輔の子。醍醐天皇の孫。1021年太政大臣。閑院と号す。

藤原公経

ふじわらのきんつね フヂハラ― 【藤原公経】
⇒西園寺(サイオンジ)公経

藤原兼実

ふじわらのかねざね フヂハラ― 【藤原兼実】
⇒九条兼実(クジヨウカネザネ)

藤原兼家

ふじわらのかねいえ フヂハラ―カネイヘ 【藤原兼家】
(929-990) 平安中期の廷臣。師輔の子。兄兼通と対立。兄の死後,花山天皇を退位させ,外孫一条天皇をたて摂政・関白となった。

藤原兼輔

ふじわらのかねすけ フヂハラ― 【藤原兼輔】
(877-933) 平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。従三位中納言兼右衛門督。邸が賀茂川の堤近くにあったので堤中納言と呼ばれる。「古今和歌集」以下の勅撰集に五五首入集。著「聖徳太子伝暦」,家集「兼輔集」

藤原兼通

ふじわらのかねみち フヂハラ― 【藤原兼通】
(925-977) 平安中期の廷臣。師輔の子。兄伊尹(コレタダ)の死後,弟兼家と政権を争い,関白・太政大臣となった。

藤原冬嗣

ふじわらのふゆつぐ フヂハラ― 【藤原冬嗣】
(775-826) 平安初期の廷臣。通称,閑院左大臣。嵯峨天皇の信頼厚く,蔵人頭(クロウドノトウ)・右大臣・左大臣を歴任,「弘仁格」「内裏式」を撰修。施薬院・勧学院を設置した。娘順子は文徳天皇の生母。

藤原咲平

ふじわらさくへい フヂハラ― 【藤原咲平】
〔姓は「ふじはら」とも〕
(1884-1950) 気象学者。長野県生まれ。東大卒。中央気象台長。気象学の普及に貢献したほか,渦動論の研究で知られる。著「渦巻の実験」「日本気象学史」など。

藤原基俊

ふじわらのもととし フヂハラ― 【藤原基俊】
(1060-1142) 平安後期の歌人・歌学者。源俊頼と並称される。万葉集に次点(訓点)を加えた一人。晩年藤原俊成に「古今伝授」を行なった。編「新撰朗詠集」,家集「基俊集」

藤原基家

ふじわらのもといえ フヂハラ―モトイヘ 【藤原基家】
(1203-1280) 鎌倉前期の廷臣・歌人。良経の子。正二位内大臣。「続古今和歌集」の撰者の一人。「続後撰和歌集」以下の勅撰集に七九首入集。

藤原基経

ふじわらのもとつね フヂハラ― 【藤原基経】
(836-891) 平安前期の廷臣。通称,堀河太政大臣。諡号(シゴウ)昭宣公。叔父良房の養子となって宗家を継ぎ,陽成天皇の摂政。のち天皇を廃して光孝天皇をたて,光孝天皇死後,宇多天皇を擁して最初の関白となった。「文徳実録」を撰修。
→阿衡(アコウ)事件

藤原基衡

ふじわらのもとひら フヂハラ― 【藤原基衡】
平安末期の陸奥(ムツ)の豪族。清衡の子。陸奥・出羽押領使。平泉を本拠地として,陸奥六郡を支配。毛越(モウツ)寺を建立。生没年未詳。

藤原宇合

ふじわらのうまかい フヂハラ―ウマカヒ 【藤原宇合】
(694-737) 奈良初期の廷臣。不比等の第三子。藤原式家の祖。遣唐副使として渡唐。常陸守時代,「常陸風土記」編纂(ヘンサン)に関係したと思われる。「万葉集」「懐風藻」「経国集」に作を残す。

藤原安子

ふじわらのあんし フヂハラ― 【藤原安子】
(927-964) 藤原師輔の女(ムスメ)。村上天皇の皇后。冷泉・円融両天皇の生母で,外戚政治による一族の繁栄をもたらした。

藤原定子

ふじわらのていし フヂハラ― 【藤原定子】
(977-1000) 一条天皇の皇后。道隆の女(ムスメ)。990年入内。1000年藤原彰子が中宮にたったために皇后となり,一代二后の先例となった。定子に仕えた清少納言の「枕草子」にその才色が伝えられている。

藤原定家

ふじわらのさだいえ フヂハラ―サダイヘ 【藤原定家】
⇒ふじわらのていか(藤原定家)

藤原定家

ふじわらのていか フヂハラ― 【藤原定家】
〔名は「さだいえ」とも〕
(1162-1241) 平安末期・鎌倉初期の歌人・歌学者。俊成の子。京極中納言と称さる。法号,明静(ミヨウジヨウ)。「新古今和歌集」(共撰),「新勅撰和歌集」を撰した。華麗妖艶な歌風で新古今調を代表し,一時代を画した。歌論書「近代秀歌」「毎月抄」,撰集「小倉百人一首」,日記「明月記」,家集「拾遺愚草」など。また,「顕註密勘」など古典の校勘にも功績を残し,「松浦宮物語」の作者ともいわれる。「千載和歌集」以下の勅撰集に四三九首入集。その書は「定家流」と呼ばれ,尊重された。

藤原定方

ふじわらのさだかた フヂハラ― 【藤原定方】
(873-932) 平安前期の歌人。高藤の子。右大臣。三条右大臣と呼ばれる。宮廷歌壇を支える役割を果たした。「古今和歌集」以下の勅撰集に一九首入集。家集「三条右大臣集」

藤原定頼

ふじわらのさだより フヂハラ― 【藤原定頼】
(995-1045) 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。公任の子。正二位権中納言。誦経も巧みであった。「後拾遺和歌集」以下の勅撰集に四十余首入集。家集「定頼集」

藤原実方

ふじわらのさねかた フヂハラ― 【藤原実方】
(?-998) 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。叔父済時の養子。正四位下左中将。陸奥守として下向,任地で没。風流な貴公子として知られ,多くの女性との贈答歌を残す。「拾遺和歌集」以下の勅撰集に六七首入集。家集「実方集」

藤原実資

ふじわらのさねすけ フヂハラ― 【藤原実資】
(957-1046) 平安中期の廷臣。右大臣。祖父実頼の養子。性剛直で全盛期の道長と対立,批判的立場に立つ。また,有職小野宮流を大成。著「小野宮年中行事」,日記「小右記」など。

藤原実頼

ふじわらのさねより フヂハラ― 【藤原実頼】
(900-970) 平安中期の廷臣。摂政・関白。忠平の子。小野宮殿と称。諡号(シゴウ),清慎公。安和の変によって左大臣源高明を失脚させ,藤原氏繁栄の基礎をつくった。有職小野宮流の祖。

藤原宣房

ふじわらののぶふさ フヂハラ― 【藤原宣房】
(1258-?) 鎌倉後期の廷臣。大納言。家名は万里小路(マデノコウジ)。後醍醐天皇の信厚く,吉田定房・北畠親房(チカフサ)とともに「後(ノチ)の三房」と称される。正中の変では鎌倉に赴き事件を落着させる。日記「万一記」

藤原家隆

ふじわらのいえたか フヂハラ―イヘタカ 【藤原家隆】
〔名は「かりゅう」とも〕
(1158-1237) 鎌倉初期の歌人。寂蓮の養子。従二位。壬生二品(ミブニホン)と呼ばれる。和歌を俊成に学び,抒情清艶な歌風で,定家とともに後鳥羽院歌壇の主要歌人。和歌所寄人(ヨリウド)で,「新古今和歌集」撰者の一人。「千載和歌集」以下の勅撰集に二八〇首余が入集。家集「壬二(ミニ)集」

藤原家隆

ふじわらのかりゅう フヂハラ― 【藤原家隆】
⇒ふじわらのいえたか(藤原家隆)

藤原師実

ふじわらのもろざね フヂハラ― 【藤原師実】
(1042-1101) 平安末期の廷臣。頼通の子。通称,京極殿。養女賢子の生んだ堀河天皇が即位すると摂政,次いで太政大臣・関白となった。和歌・琴に秀で,日記「京極関白記」がある。

藤原師賢

ふじわらのもろかた フヂハラ― 【藤原師賢】
⇒花山院師賢(カザンインモロカタ)

藤原師輔

ふじわらのもろすけ フヂハラ― 【藤原師輔】
(908-960) 平安中期の廷臣。忠平の子。右大臣。通称,九条殿。娘安子(アンシ)が冷泉・円融両天皇を生み,兼通・兼家・道長にわたる摂関家の祖となった。有職故実に通じ,九条流の祖。著「九条年中行事」,日記「九暦」など。

藤原師通

ふじわらのもろみち フヂハラ― 【藤原師通】
(1062-1099) 平安末期の廷臣。師実の子。関白。通称,後二条殿。白河院政と対立,延暦寺の僧兵を武力で制圧するなど政治の粛清に努めた。日記「後二条師通記」

藤原広嗣

ふじわらのひろつぐ フヂハラ― 【藤原広嗣】
(?-740) 奈良初期の廷臣。宇合(ウマカイ)の子。大宰少弐。政敵の橘諸兄・玄昉・吉備真備らを除こうとして北九州で挙兵したが敗れて殺され,藤原式家は衰運に向かった。

藤原彰子

ふじわらのしょうし フヂハラ―シヤウシ 【藤原彰子】
(988-1074) 一条天皇の中宮。道長の女(ムスメ)。後一条・後朱雀両天皇を生み,道長による藤原氏全盛を可能にした。紫式部・和泉式部・赤染衛門らの才媛が仕えた。上東門院。

藤原忠実

ふじわらのただざね フヂハラ― 【藤原忠実】
(1078-1162) 平安後期の廷臣。師通の子。摂政・関白。白河法皇の死後,摂関家の権威回復に努めた。二男頼長を愛し長男忠通と対立,保元の乱の一因をつくった。乱後,知足院に籠居。日記「殿暦(デンリヤク)」がある。

藤原忠平

ふじわらのただひら フヂハラ― 【藤原忠平】
(880-949) 平安中期の廷臣。基経の子。諡号(シゴウ)は貞信公。兄時平に次いで摂政,さらに関白となり,「延喜格」「延喜式」の撰修に加わり完成させた。日記に「貞信公記」がある。

藤原忠文

ふじわらのただぶみ フヂハラ― 【藤原忠文】
(873-947) 平安中期の廷臣。平将門の乱に征東大将軍,藤原純友の乱に征西大将軍となった。出兵の恩賞を藤原実頼に阻止されたとして,これを深く恨む。忠文の死後,実頼家に不幸が続いたため,その祟りがうわさされ,悪霊民部卿と恐れられた。

藤原忠通

ふじわらのただみち フヂハラ― 【藤原忠通】
(1097-1164) 平安後期の廷臣。法性寺殿と称される。忠実の長子。摂政・関白,太政大臣に至る。氏長者(ウジノチヨウジヤ)を父の寵児である弟頼長と争い,いったんは失ったが,保元の乱で弟を倒し復した。書にすぐれ,法性寺流の祖とされる。家集「田多民治(タダミチ)集」,漢詩集「法性寺関白集」,日記「法性寺関白記」など。

藤原惺窩

ふじわらせいか フヂハラセイクワ 【藤原惺窩】
(1561-1619) 江戸初期の儒学者。播磨の人。名は粛,字(アザナ)は斂夫。初め相国寺の僧。のち朱子学を究めて,京学派をおこした。徳川家康に重んぜられ,門人に林羅山らがいる。仏教・老荘との融和を心がけた。著「惺窩文集」

藤原成親

ふじわらのなりちか フヂハラ― 【藤原成親】
(1138-1177) 平安末期の廷臣。権大納言。後白河院の寵臣。平治の乱では藤原信頼に従って敗れたが,舅(シユウト)平重盛のとりなしで許された。鹿ヶ谷(シシガタニ)で僧俊寛らと平氏討伐を計画,事前に知れて備前に配流される途中殺された。

藤原房前

ふじわらのふささき フヂハラ― 【藤原房前】
(681-737) 奈良初期の廷臣。不比等の子。藤原北家の祖。参議。中務卿・東海東山両道節度使を歴任。

藤原敏行

ふじわらのとしゆき フヂハラ― 【藤原敏行】
(?9○1(9○7トモ)) 平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。富士麿の子。従四位上右兵衛督。その歌風は,六歌仙時代から「古今和歌集」撰者時代への過渡期的な性格をもつ。能書家としても知られる。「古今和歌集」以下の勅撰集に二八首入集。家集「敏行集」

藤原敦忠

ふじわらのあつただ フヂハラ― 【藤原敦忠】
(906-943) 平安中期の歌人。三十六歌仙の一人。時平の子。従三位権中納言。恋歌を得意とし,管絃にも優れた。「後撰和歌集」以下の勅撰集に三〇首入集。家集「敦忠集」

藤原敦頼

ふじわらのあつより フヂハラ― 【藤原敦頼】
(1090-?) 平安末期の歌人。清孝の子。従五位上右馬助。1172年出家,法名は道因。俊恵が主催した歌林苑の会衆の一人。「住吉社歌合」「広田社歌合」を主催。老齢に至っても和歌に精進したと伝える。「千載和歌集」以下の勅撰集に四一首入集。家集は散逸。

藤原明子

ふじわらのあきらけいこ フヂハラ― 【藤原明子】
(829-900) 藤原良房の女(ムスメ)。文徳天皇の東宮時代に入内(ジユダイ)し,清和天皇を生んだ。染殿(ソメドノ)の后(キサキ)。

藤原明衡

ふじわらのあきひら フヂハラ― 【藤原明衡】
(989-1066) 平安中期の学者。文章博士・大学頭。「本朝文粋」を編纂(ヘンサン)。著「新猿楽記」「明衡(メイゴウ)往来(雲州消息)」

藤原時代

ふじわらじだい フヂハラ― [5] 【藤原時代】
日本文化史,特に美術史上の時代区分の一。894年遣唐使廃止以後の平安中期・後期をさす。弘仁・貞観時代のあとで,国風文化が栄えた。

藤原時平

ふじわらのときひら フヂハラ― 【藤原時平】
(871-909) 平安前期の廷臣。基経の子。左大臣。通称,本院大臣・中御門左大臣。菅原道真を大宰権帥(ダザイノゴンノソツ)に左遷して藤原氏の地位を確保。最初の荘園整理令を発し,「三代実録」「延喜式」撰修に参画した。

藤原朝忠

ふじわらのあさただ フヂハラ― 【藤原朝忠】
(910-966) 平安中期の歌人。三十六歌仙の一人。定方の子。従三位中納言。土御門中納言と号す。多彩な恋愛贈答歌を残し,晴の歌にもすぐれていた。「後撰和歌集」以下の勅撰集に二一首入集。家集「朝忠集」

藤原武智麻呂

ふじわらのむちまろ フヂハラ― 【藤原武智麻呂】
(680-737) 奈良初期の廷臣。不比等の子。南家の祖。右大臣を経て,正一位左大臣。

藤原泰衡

ふじわらのやすひら フヂハラ― 【藤原泰衡】
(1155-1189) 鎌倉初期の陸奥(ムツ)の豪族。秀衡の子。陸奥・出羽押領使。鎌倉幕府の圧力に抗しきれず1189年かくまっていた源義経を衣川で殺害したが,同年源頼朝の討伐をうけ,敗走の途中殺され,奥州藤原氏は滅亡した。

藤原浜成

ふじわらのはまなり フヂハラ― 【藤原浜成】
(724-790) 奈良末期の歌人・歌学者。麻呂の子。大宰帥(ダザイノソツ)。782年氷上川継の乱に連座し解官。著「歌経標式(浜成式)」

藤原清河

ふじわらのきよかわ フヂハラ―キヨカハ 【藤原清河】
奈良中期の廷臣。房前(フササキ)の子。752年遣唐大使として入唐。帰国途上に乗船が難破したため,河清と称して唐王朝に仕え,唐で没した。生没年未詳。

藤原清衡

ふじわらのきよひら フヂハラ― 【藤原清衡】
(1056-1128) 平安末期の陸奥(ムツ)の豪族。後三年の役で源義家に味方して異父弟清原家衡らを討ち,陸奥六郡と出羽の管領権を握り,奥州藤原氏の基を築いた。平泉に中尊寺を建立。清原清衡。

藤原清輔

ふじわらのきよすけ フヂハラ― 【藤原清輔】
(1104-1177) 平安末期の歌人・歌学者。顕輔の子。正四位。太皇太后宮大進。六条家の中心人物。「続詞花和歌集」を撰した。晩年御子左家の俊成と対峙。著「和歌初学抄」,家集「清輔朝臣集」

藤原為世

ふじわらのためよ フヂハラ― 【藤原為世】
(1251-1338) 鎌倉後期の歌人。為氏の子。二条派の嫡流で,京極為兼と対立。歌風は平淡。「新後撰和歌集」「続千載和歌集」を撰し,「続拾遺和歌集」以下の勅撰集に一七七首入集。歌論「和歌庭訓抄」など。

藤原為兼

ふじわらのためかね フヂハラ― 【藤原為兼】
⇒京極為兼(キヨウゴクタメカネ)

藤原為定

ふじわらのためさだ フヂハラ― 【藤原為定】
(1293-1360) 鎌倉末期・南北朝初期の歌人。二条家の嫡流として,「続後拾遺和歌集」「新千載和歌集」を撰進。「玉葉和歌集」以下の勅撰集に一二四首入集。

藤原為家

ふじわらのためいえ フヂハラ―タメイヘ 【藤原為家】
(1198-1275) 鎌倉前期の歌人。定家の子。「続後撰和歌集」「続古今和歌集」(共撰)の撰者。阿仏尼を後妻とした。歌論書「詠歌一体」。「新勅撰和歌集」以下の勅撰集に三三二首入集。家集「為家集」

藤原為教

ふじわらのためのり フヂハラ― 【藤原為教】
(1227-1279) 鎌倉中期の歌人。為家の二男。為兼の父。号,毘沙門堂。京極家の祖。「続後撰和歌集」以下の勅撰集に三七首入集。

藤原為氏

ふじわらのためうじ フヂハラ―タメウヂ 【藤原為氏】
(1222-1286) 鎌倉中期の歌人。為家の長男。為世の父。二条家の祖。「続拾遺和歌集」の撰者。「続後撰和歌集」以下の勅撰集に二三二首入集。

藤原為相

ふじわらのためすけ フヂハラ― 【藤原為相】
(1263-1328) 鎌倉後期の歌人。為家の三男。母は阿仏尼。冷泉家の祖。歌風は平明温雅。鎌倉連歌の発展に尽くす。「新後撰和歌集」以下の勅撰集に六五首入集。「為相卿千首」,家集「権中納言為相卿集」など。

藤原百川

ふじわらのももかわ フヂハラ―モモカハ 【藤原百川】
(732-779) 奈良末期の廷臣。参議。宇合(ウマカイ)の第八子。初名,雄田麻呂。770年,称徳天皇が没すると道鏡を追放して光仁天皇を擁立,773年山部親王(桓武天皇)を皇太子に立て,政権を藤原氏の手に掌握した。

藤原秀衡

ふじわらのひでひら フヂハラ― 【藤原秀衡】
(?-1187) 平安末期・鎌倉初期の陸奥の豪族。基衡の子。鎮守府将軍。平氏滅亡後,源義経をかくまって頼朝と対立した。奥州藤原氏三代の最盛期を現出,嘉勝寺無量光院を建立。

藤原秀郷

ふじわらのひでさと フヂハラ― 【藤原秀郷】
平安中期の鎮守府将軍。俗称,俵藤太。下野押領使として平将門の乱を鎮圧,その功によって下野守となった。東国武士の小山・結城・下河辺氏の祖。近江三上山のムカデ退治の伝説がある。生没年未詳。

藤原種継

ふじわらのたねつぐ フヂハラ― 【藤原種継】
(737-785) 奈良末期の廷臣。桓武天皇の信任厚く,皇太子早良親王と対立。784年造長岡宮使として遷都に着手したが,翌年暗殺された。これを機に平安京遷都が計画された。

藤原範兼

ふじわらののりかね フヂハラ― 【藤原範兼】
(1107-1165) 平安末期の歌人・歌学者。従三位刑部卿。藤原公任(キントウ)の「三十六人撰」にならった私撰集「後六六撰(ノチノロクロクセン)」がある。著「和歌童蒙抄」

藤原純友

ふじわらのすみとも フヂハラ― 【藤原純友】
(?-941) 平安中期の地方官。伊予掾として任地に下ったが,瀬戸内海の海賊を率いて日振島を根拠地に乱を起こし,瀬戸内全域と九州の一部を支配。警固使橘遠保に誅せられた。
→承平天慶の乱

藤原義孝

ふじわらのよしたか フヂハラ― 【藤原義孝】
(954-974) 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。伊尹の子。右少将。疱瘡のため兄挙賢と同日のうちに没。死後人の夢枕に立って詠んだという歌も残る。「拾遺和歌集」以下の勅撰集に入集。家集「義孝集」

藤原義江

ふじわらよしえ フヂハラ― 【藤原義江】
(1898-1976) テノール歌手。山口県生まれ。藤原歌劇団を創設。「我らのテナー」として人気が高かった。

藤原興風

ふじわらのおきかぜ フヂハラ― 【藤原興風】
平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。道成の子。正六位上下総権大掾。「古今和歌集」撰者時代の有力歌人で,管絃にも優れた。「古今和歌集」以下の勅撰集に三八首入集。家集「興風集」。生没年未詳。

藤原良房

ふじわらのよしふさ フヂハラ― 【藤原良房】
(804-872) 平安前期の廷臣。冬嗣の子。通称,白河殿・染殿。諡号(シゴウ)忠仁公。857年文徳天皇の時,人臣初の太政大臣となり,応天門の変後摂政に就く。「続日本後紀」の撰修に参加。

藤原良経

ふじわらのよしつね フヂハラ― 【藤原良経】
(1169-1206) 鎌倉初期の廷臣・歌人。九条兼実(カネザネ)の子。摂政,従一位太政大臣。筆名,式部史生秋篠月清。後京極殿と呼ばれる。和歌を俊成・定家に学び,清澄高雅な歌風をもって後鳥羽院歌壇の主要歌人となる。詩・書画にもすぐれた。歌集「秋篠月清集」は六家集の一。千載和歌集以下の勅撰集に三一三首入集。

藤原薬子

ふじわらのくすこ フヂハラ― 【藤原薬子】
(?-810) 平安初期の女官。種継の女(ムスメ)。平城天皇に仕え寵愛(チヨウアイ)を得たが,嵯峨天皇が即位すると勢力の失墜を恐れ,810年兄仲成らと平城上皇の重祚(チヨウソ)をはかって失敗,自殺した(薬子の変)。

藤原藤房

ふじわらのふじふさ フヂハラ―フヂフサ 【藤原藤房】
(1295-?) 鎌倉末期の廷臣。宣房の子。中納言。家名は万里小路(マデノコウジ)。後醍醐天皇の近臣。元弘の乱の時,笠置山で捕らえられ,常陸(ヒタチ)に配流された。建武政権成立後は恩賞方筆頭。のち行賞の不公正など,新政に失望して隠居した。

藤原行成

ふじわらのゆきなり フヂハラ― 【藤原行成】
〔名は「こうぜい」とも〕
(972-1027) 平安中期の書家。伊尹(コレタダ)の孫。正二位権大納言。小野道風・王羲之を学んで,和様書道を完成。のちに世尊寺流と呼ばれ和様の主流をなす。その筆蹟を権蹟(ゴンセキ)という。三蹟の一。遺墨「白氏詩巻」ほか多数。

藤原通俊

ふじわらのみちとし フヂハラ― 【藤原通俊】
(1047-1099) 平安後期の歌人。従二位中納言・治部卿。白河天皇に重用され,後拾遺和歌集の撰者。同集以下の勅撰集に二七首入集。

藤原通憲

ふじわらのみちのり フヂハラ― 【藤原通憲】
(1106?-1159) 平安末期の廷臣・学者。少納言。出家して信西(シンゼイ)と称した。後白河天皇の側近として活躍,平治の乱で藤原信頼らに殺された。著「本朝世紀」「法曹類林」ほか。

藤原道信

ふじわらのみちのぶ フヂハラ― 【藤原道信】
(972頃-994) 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。伯父兼家の養子。従四位上左中将。贈答歌や挽歌を多く残し,平明な作風を特色とする。「拾遺和歌集」以下の勅撰集に四八首入集。家集「道信集」

藤原道兼

ふじわらのみちかね フヂハラ― 【藤原道兼】
(961-995) 平安中期の廷臣。兼家の子。道長の兄。一条天皇を擁立する父に加担。兄道隆の死後関白に就任。七日後に死去したところから七日関白と呼ばれた。

藤原道子

ふじわらみちこ フヂハラ― 【藤原道子】
(1900-1983) 政治家。岡山県生まれ。日本社会党の結成に参加。衆参両院で社会保障制度の充実や売春防止法の制定に尽力。

藤原道綱母

ふじわらのみちつなのはは フヂハラ― 【藤原道綱母】
(936頃-995) 平安中期の歌人。菅原孝標女の伯母。藤原兼家に嫁し,右大将道綱を生む。拾遺和歌集以下の勅撰集に三六首入集。著「蜻蛉日記」,家集「道綱母家集」

藤原道長

ふじわらのみちなが フヂハラ― 【藤原道長】
(966-1027) 平安中期の廷臣。摂政。兼家の子。道隆・道兼の弟。法名,行観・行覚。通称を御堂関白というが,内覧の宣旨を得たのみで正式ではない。娘三人(彰子・妍子・威子)を立后させて三代の天皇の外戚となり摂政として政権を独占,藤原氏の全盛時代を現出した。1019年出家,法成寺を建立。日記「御堂関白記」がある。

藤原道隆

ふじわらのみちたか フヂハラ― 【藤原道隆】
(953-995) 平安中期の廷臣。兼家の子。道長の兄。別称,中関白。内大臣を経て,摂政・関白となる。死を前にして子伊周(コレチカ)に地位を譲ろうとして果たせず,道長に権勢を奪われた。娘定子は一条天皇皇后。

藤原道雅

ふじわらのみちまさ フヂハラ― 【藤原道雅】
(992-1054) 平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。伊周(コレチカ)の子。従三位左京大夫。八条山荘で歌会等を催した。「後拾遺和歌集」以下の勅撰集に六首入集。

藤原銀次郎

ふじわらぎんじろう フヂハラギンジラウ 【藤原銀次郎】
(1869-1960) 実業家。長野県生まれ。慶大卒。王子製紙の再建に尽力,1920年(大正9)社長に就任。藤原工業大(現,慶大理工学部)を創立。第二次大戦中,商工相・軍需相に就任。

藤原鎌足

ふじわらのかまたり フヂハラ― 【藤原鎌足】
(614-669) 七世紀中頃の中央豪族。中臣氏。鎌子とも。不比等の父。中大兄皇子(のち天智天皇)らとともに蘇我氏を倒し,大化改新政府の内臣(ウチツオミ)となって律令体制の基礎をつくった。藤原氏の祖。

藤原隆信

ふじわらのたかのぶ フヂハラ― 【藤原隆信】
(1142-1205) 平安後期の廷臣・歌人・画家。法名,戒心。定家の異父兄。似せ絵を得意とし,源頼朝像・平重盛像などの肖像画はその作と伝える。家集「藤原隆信朝臣歌集」

藤原隆家

ふじわらのたかいえ フヂハラ―タカイヘ 【藤原隆家】
(979-1044) 平安中期の廷臣。道隆の子。中納言。叔父道長と対立し不遇であったが,大宰権帥(ダザイノゴンノソツ)となって赴任中,1019年刀伊の入寇を撃退し,武名をあげた。

藤原隆能

ふじわらのたかよし フヂハラ― 【藤原隆能】
平安末期の宮廷画家。鳥羽金剛心院の扉絵を描いた。鳥羽上皇の肖像はその作とされる。また「源氏物語絵巻」の作者に擬せられている。生没年未詳。

藤原雅経

ふじわらのまさつね フヂハラ― 【藤原雅経】
⇒飛鳥井雅経(アスカイマサツネ)

藤原頼業

ふじわらのよりなり フヂハラ― 【藤原頼業】
⇒寂然(ジヤクゼン)

藤原頼経

ふじわらのよりつね フヂハラ― 【藤原頼経】
⇒九条頼経(クジヨウヨリツネ)

藤原頼通

ふじわらのよりみち フヂハラ― 【藤原頼通】
(992-1074) 平安中期の廷臣。道長の長男。通称,宇治の関白・宇治殿。後一条・後朱雀・後冷泉三代の天皇の摂政・関白となったが,天皇外戚となりえず,摂関家の後退を招いた。出家後,宇治に平等院鳳凰堂を建立。

藤原頼長

ふじわらのよりなが フヂハラ― 【藤原頼長】
(1120-1156) 平安後期の廷臣。忠実の二男。左大臣。通称,悪左府・宇治左大臣。兄忠通と対抗し,父の後援を得て氏長者(ウジノチヨウジヤ)となったが,鳥羽法皇の信任を失い,崇徳上皇と結んで挙兵し(保元の乱),敗死した。和漢の才に富み,日記「台記」がある。

藤原顕輔

ふじわらのあきすけ フヂハラ― 【藤原顕輔】
(1090-1155) 平安末期の歌人。清輔の父。正三位左京大夫。歌道家六条家の確立者。崇徳院の命により「詞花和歌集」を撰進。歌風は優麗温雅。家集に「左京大夫顕輔卿集」がある。

藤原麻呂

ふじわらのまろ フヂハラ― 【藤原麻呂】
(695-737) 奈良初期の廷臣。不比等の第四子。藤原京家の祖。「万葉集」「懐風藻」に作を残す。

藤四郎

とうしろ [0] 【藤四郎】
〔「しろうと(素人)」をひっくり返し,人名めかした語〕
素人(シロウト)。とうしろう。

藤四郎

とうしろう トウシラウ 【藤四郎】
(1)鎌倉初期の陶工。加藤四郎左衛門景正の略称。道元に従い入宋。陶技を学んで帰朝後,瀬戸に窯(カマ)を開いたという。瀬戸焼の祖とされる。生没年未詳。以後代々藤四郎を襲名,一二代を数える。
(2)藤四郎作の茶入れ。特に二代作の真中古(マチユウコ)をさす。また,初代の作は唐物・春慶などと呼ばれる。
(3)刀工,粟田口吉光の通称。
(4)「とうしろ」に同じ。

藤堂

とうどう トウダウ 【藤堂】
姓氏の一。

藤堂伊賀

とうどういが トウダウ― [5] 【藤堂伊賀】
伊賀焼の一。寛永年間(1624-1644)に藩主藤堂高次の奨励により始められた陶器。茶器が多い。

藤堂高虎

とうどうたかとら トウダウ― 【藤堂高虎】
(1556-1630) 安土桃山・江戸初期の武将。津藩藩祖。近江の人。浅井長政・羽柴秀長・豊臣秀吉に仕えた。関ヶ原・大坂の陣では徳川家康に属し,その謀議にあずかり,伊勢・伊賀など三二万石に封ぜられた。

藤壺

ふじつぼ フヂツボ 【藤壺】
(1)〔壺庭に藤が植えてあったところから〕
飛香舎(ヒギヨウシヤ)の別名。
(2)源氏物語の作中人物。桐壺の帝の中宮。故桐壺の更衣に似る。光源氏と関係し,冷泉帝を生む。輝く日の宮。薄雲の女院。

藤女子大学

ふじじょしだいがく フヂヂヨシ― 【藤女子大学】
私立大学の一。1925年(大正14)創立の札幌藤高等女学校を源とし,61年(昭和36)設立。本部は札幌市北区。

藤娘

ふじむすめ フヂ― 【藤娘】
歌舞伎舞踊の一。長唄。五変化舞踊,本名題「歌へす��余波大津絵(カエスガエスナゴリノオオツエ)」の一。勝井源八作詞。1826年江戸中村座初演。大津絵にある藤の枝をかついだ娘の姿を舞踊化したもの。

藤山

ふじやま フヂヤマ 【藤山】
姓氏の一。

藤山一郎

ふじやまいちろう フヂヤマイチラウ 【藤山一郎】
(1911-1993) 歌手。東京生まれ。東京音楽学校卒。在学中から歌手として活躍。ヒット曲「酒は涙か溜息か」「青い山脈」など多数。

藤山寛美

ふじやまかんび フヂヤマクワンビ 【藤山寛美】
(1929-1990) 喜劇俳優。大阪生まれ。渋谷天外の指導で阿呆役に専念,松竹新喜劇を背負う人気者となった。

藤山雷太

ふじやまらいた フヂヤマ― 【藤山雷太】
(1863-1938) 実業家。肥前の人。大日本製糖社長となり同社を再建,関連企業を興し藤山コンツェルンを築く。

藤岡

ふじおか フヂヲカ 【藤岡】
(1)群馬県南部にある市。近世,中山道の脇街道の宿駅。藤岡瓦を特産。
(2)栃木県南端,下都賀(シモツガ)郡の町。渡良瀬川の河港・市場町として発達。南部に,遊水池がある。田中正造らは旧谷中村を遊水池とする土地買収に反対した。
(3)愛知県北部,西加茂郡の町。花崗岩が風化した良質の粘土の産地。

藤岡

ふじおか フヂヲカ 【藤岡】
姓氏の一。

藤岡作太郎

ふじおかさくたろう フヂヲカサクタラウ 【藤岡作太郎】
(1870-1910) 国文学者。石川県生まれ。号,東圃。東京帝大文科大学助教授。考証的・科学的な研究法によって近代の国文学研究の基礎を築く。また,美術にも造詣が深かった。著「国文学全史平安朝篇」「近世絵画史」など。

藤岡勝二

ふじおかかつじ フヂヲカ― 【藤岡勝二】
(1872-1935) 言語学者。京都生まれ。東大教授。日本語とウラル-アルタイ語との言語構造の類似を指摘。特に満州語の研究に努力した。著「国語研究法」など。

藤島

ふじしま フヂシマ 【藤島】
姓氏の一。

藤島の戦い

ふじしまのたたかい フヂシマ―タタカヒ 【藤島の戦い】
1338年越前国藤島(現福井市)付近で行われた新田義貞軍と斯波高経(シバタカツネ)軍との合戦。新田義貞は討死し,南朝は大きな打撃を受けた。

藤島武二

ふじしまたけじ フヂシマ― 【藤島武二】
(1867-1943) 洋画家。鹿児島生まれ。はじめ日本画を志す。白馬会創立に参加。パリ・ローマに留学。華麗な抒情性あふれる甘美な作品を描く。代表作「蝶」「黒扇」

藤島神社

ふじしまじんじゃ フヂシマ― 【藤島神社】
福井市岩堀町にある神社。新田義貞を主神とする。1870年(明治3)福井藩知事松平茂昭が建立。

藤崎八幡宮

ふじさきはちまんぐう フヂサキ― 【藤崎八幡宮】
熊本市井川淵町にある神社。祭神は応神天皇・住吉大神・神功皇后。朱雀天皇の時代,九州鎮護のために石清水八幡宮を勧請したのに始まる。

藤川

ふじかわ フヂカハ 【藤川】
姓氏の一。

藤川勇造

ふじかわゆうぞう フヂカハユウザウ 【藤川勇造】
(1883-1935) 彫刻家。香川県生まれ。東京美術学校卒。渡仏し,ロダン晩年の助手となる。帰国後,二科会彫刻部の創設に参加し新風を示した。代表作に「ブロンド」など。

藤巴

ふじどもえ フヂドモヱ [3] 【藤巴】
藤紋の一。藤の房を巴に組み合わせたもの。

藤布

ふじぬの フヂ― [0] 【藤布】
藤蔓(フジヅル)の繊維で織った布。

藤戸

ふじと フヂト 【藤戸】
能の一。四番目物。備前藤戸で先陣の功を立てた佐々木盛綱は,渡河によい浅瀬を教えてくれた土地の漁夫を口を封ずるために殺した。漁夫の母と漁夫の霊は盛綱の冷酷を責めるので供養をすると,ようやく霊は成仏した。

藤木

ふじき フヂキ 【藤木】
姓氏の一。

藤木

ふじき フヂ― [0] 【藤木】
マメ科の落葉高木。山地に生える。高さは約15メートル。葉は羽状複葉で小葉が互生する。夏,枝先に白色の蝶形花が円錐状につく。豆果は扁平。材は建築・細工などに用いる。ヤマエンジュ。

藤木九三

ふじきくぞう フヂキクザウ 【藤木九三】
(1887-1970) 登山家。京都府生まれ。早大中退。ロック-クライミング-クラブ( RCC )を設立。著「屋上登攀考」「雪・岩・アルプス」など。

藤本

ふじもと フヂモト 【藤本】
姓氏の一。

藤本

とうほん [0] 【藤本・籐本】
⇒蔓植物(ツルシヨクブツ)

藤本鉄石

ふじもとてっせき フヂモト― 【藤本鉄石】
(1816-1863) 幕末の志士。岡山藩士。字(アザナ)は鋳公。通称,津之助。脱藩して上洛。天誅組の首領に推されて挙兵,敗死した。

藤村

とうそん 【藤村】
⇒島崎(シマザキ)藤村

藤村

ふじむら フヂムラ 【藤村】
姓氏の一。

藤村作

ふじむらつくる フヂムラ― 【藤村作】
(1875-1953) 国文学者。福岡県生まれ。東大教授。近世文学,特に西鶴を研究。研究雑誌「国語と国文学」「むらさき」「解釈と鑑賞」を創刊し学界の発展に寄与した。著「上代文学と江戸文学」「評釈西鶴全集」,編「日本文学大辞典」など。

藤村富美男

ふじむらふみお フヂムラフミヲ 【藤村富美男】
(1916-1992) プロ野球選手。広島県生まれ。阪神タイガースに所属。物干し竿とよばれる長バットを使用し,打者として活躍。

藤枝

ふじえだ フヂエダ 【藤枝】
姓氏の一。

藤枝

ふじえだ フヂエダ 【藤枝】
静岡県中部,瀬戸川の上・中流域にある市。江戸時代は本多氏の城下町,東海道の宿駅。木工業・製茶業のほか,医薬品・化学工業が盛ん。

藤枝静男

ふじえだしずお フヂエダシヅヲ 【藤枝静男】
(1907-1992) 小説家。静岡県生まれ。本名,勝見次郎。千葉医大卒。志賀直哉の文学系譜にあって,生の深部を見据えた作品を書く。「凶徒津田三蔵」「空気頭」「欣求浄土」など。

藤棚

ふじだな フヂ― [0] 【藤棚】
藤のつるを絡ませ,花の房が垂れ下がるように作った棚。[季]春。

藤森

ふじもり フヂモリ 【藤森】
姓氏の一。

藤森弘庵

ふじもりこうあん フヂモリ― 【藤森弘庵】
(1799-1862) 幕末の儒学者。江戸の人。名は大雅,通称は恭助,号は天山・如不及斎など。朱子学者古賀穀堂・同侗庵らに学ぶ。海防を論じ,水戸斉昭に上書した。安政の大獄に連座して隠居。著「海防備論」「新政談」「如不及斎文鈔」など。

藤森成吉

ふじもりせいきち フヂモリ― 【藤森成吉】
(1892-1977) 小説家・劇作家。長野県生まれ。東大卒。「若き日の悩み」で文壇の地位を確立。第二次大戦の前後を通じてプロレタリア文学運動に活躍した。戯曲「磔茂左衛門」「何が彼女をさうさせたか」,小説「渡辺崋山」など。

藤森栄一

ふじもりえいいち フヂモリ― 【藤森栄一】
(1911-1973) 考古学者。長野県生まれ。旧制諏訪中学卒。諏訪考古学研究所所長。主著「銅鐸」「かもしかみち」

藤植流

ふじうえりゅう フヂウヱリウ 【藤植流】
〔「ふじえりゅう」とも〕
胡弓(コキユウ)の流派。宝暦(1751-1764)頃,江戸の藤植検校(ケンギヨウ)の創始。三弦であった胡弓を四弦に改めた。

藤樹

とうじゅ 【藤樹】
⇒中江藤樹(ナカエトウジユ)

藤樹学派

とうじゅがくは 【藤樹学派】
日本における陽明学派のうち,中江藤樹を祖とする一派。江西学派。

藤樹書院

とうじゅしょいん 【藤樹書院】
滋賀県高島郡安曇川(アドガワ)町にある中江藤樹の旧宅。藤樹の死後,門弟・村民らが藤樹をまつって祠堂としたもの。1880年(明治13)焼失後,再興。江西書院。

藤氏

とうし [1] 【藤氏】
〔「とうじ」とも〕
藤原氏。

藤氏の四家

とうしのしけ 【藤氏の四家】
藤原不比等の四人の子がそれぞれ成した一家の総称。すなわち,武智麻呂の南家,房前(フササキ)の北家,宇合(ウマカイ)の式家,麻呂の京家のこと。四家。

藤江の浦

ふじえのうら フヂエ― 【藤江の浦】
現在の兵庫県明石市西部,藤江の海岸。「万葉集」以来の和歌に詠まれた。((歌枕))「荒たへの―にすずき釣る海人(アマ)とか見らむ旅行く我を/万葉 252」

藤沢

ふじさわ フヂサハ 【藤沢】
姓氏の一。

藤沢

ふじさわ フヂサハ 【藤沢】
神奈川県中南部,相模湾に面する市。もと清浄光(シヨウジヨウコウ)寺の門前町,東海道の宿場町。京浜工業地帯の一部を形成。片瀬(カタセ)海岸は海水浴場として有名。

藤沢利喜太郎

ふじさわりきたろう フヂサハリキタラウ 【藤沢利喜太郎】
(1861-1933) 数学者。佐渡の人。東京帝国大学教授。ヨーロッパの数学を紹介し,数学教育の振興に尽力した。

藤波

ふじなみ フヂ― [0] 【藤波・藤浪】
(1)藤の花房。風にゆられて波のように揺れるさまからいう。「―をかざして行かむ見ぬ人のため/万葉 4200」
(2)藤原氏の系統。「いまぞさかえむ北の―/新古今(神祇)」

藤波の

ふじなみの フヂ― 【藤波の・藤浪の】 (枕詞)
(1)藤のつるが物にからまりつくことから「(思ひ)まつはる」にかかる。「人さはに満ちてあれども―思ひまつはり/万葉 3248」
〔万葉集「思ひまつはり」を「思ひもとほり」とする説もある〕
(2)「ただ一目」にかかる。かかり方未詳。枕詞とはしない説もある。「―ただ一目のみ見し人故に/万葉 3075」
(3)波の縁語で,「たつ」にかかる。「―たちもかへらで君とまれとか/後撰(春下)」

藤波神道

ふじなみしんとう フヂナミ―タウ 【藤波神道】
江戸時代,尾張国津島神社の祠官(シカン)で,伊勢神宮の祭主藤波氏の庶流かと思われる真野時縄(綱)((1645-1717)。藤波姓とも)によって主唱された神道。他教に対して比較的寛容な立場に立ち,三種の神器に神道の主眼,人道の基本があるとする。

藤浪

ふじなみ フヂナミ 【藤浪】
姓氏の一。

藤浪

ふじなみ フヂ― [0] 【藤波・藤浪】
(1)藤の花房。風にゆられて波のように揺れるさまからいう。「―をかざして行かむ見ぬ人のため/万葉 4200」
(2)藤原氏の系統。「いまぞさかえむ北の―/新古今(神祇)」

藤浪の

ふじなみの フヂ― 【藤波の・藤浪の】 (枕詞)
(1)藤のつるが物にからまりつくことから「(思ひ)まつはる」にかかる。「人さはに満ちてあれども―思ひまつはり/万葉 3248」
〔万葉集「思ひまつはり」を「思ひもとほり」とする説もある〕
(2)「ただ一目」にかかる。かかり方未詳。枕詞とはしない説もある。「―ただ一目のみ見し人故に/万葉 3075」
(3)波の縁語で,「たつ」にかかる。「―たちもかへらで君とまれとか/後撰(春下)」

藤浪与兵衛

ふじなみよへえ フヂナミヨヘヱ 【藤浪与兵衛】
(二世)(1865?-1921) 歌舞伎の小道具師。小道具に時代考証を加え,材質などの改良をはかった。

藤海鼠

ふじなまこ フヂ― [3] 【藤海鼠】
ナマコの一種。体長約20センチメートル。背面は淡褐色で栗色の小点があり,腹面は黄白色。カクレウオが肛門を通って体に出入りする。フジナマコガニが腸内に共生する。食用にならない。房総半島以南の干潮線付近にすむ。

藤灰

ふじばい フヂバヒ [2] 【藤灰】
藤の木を焼いて作った灰。風炉(フロ)の蒔(マ)き灰に用いる。一説に欅(ケヤキ)を焼いた灰で,藤色をおびているからともいう。化粧灰。

藤牡丹

ふじぼたん フヂ― [3] 【藤牡丹】
ケマンソウの異名。

藤田

ふじた フヂタ 【藤田】
姓氏の一。

藤田伝三郎

ふじたでんざぶろう フヂタデンザブラウ 【藤田伝三郎】
(1841-1912) 実業家。藤田組の創立者。萩生まれ。西南戦争で軍需品調達によって巨利を得,長州閥を背景に政商として大阪財界の指導者となった。茶道にいそしみ,その所蔵品を基として藤田美術館が設立された。

藤田保健衛生大学

ふじたほけんえいせいだいがく フヂタホケンヱイセイ― 【藤田保健衛生大学】
私立大学の一。1968年(昭和43)名古屋保健衛生大学として設立,91年(平成3)現名に改称。本部は豊明市。

藤田嗣治

ふじたつぐはる フヂタ― 【藤田嗣治】
(1886-1968) 洋画家。東京生まれ。東京美術学校卒。1913年渡仏。乳白色の地に細く鋭い線をもって描く独自の画風で国際的に知られ,エコール-ド-パリの一員となる。晩年フランスに帰化,カトリックに改宗。洗礼名レオナルド。代表作「五人の裸婦」「猫」など。

藤田小四郎

ふじたこしろう フヂタコシラウ 【藤田小四郎】
(1842-1865) 幕末の志士。水戸の人。東湖の四男。名は信。小四郎は通称。1864年攘夷延期を不満として筑波山に挙兵。西上の途中,金沢藩に降伏,敦賀で斬られた。
→天狗党

藤田幽谷

ふじたゆうこく フヂタイウコク 【藤田幽谷】
(1774-1826) 江戸後期の儒学者。水戸の商家の出。立原翠軒に学び,のち彰考館総裁。著「正名論」により水戸学を確立。

藤田東湖

ふじたとうこ フヂタ― 【藤田東湖】
(1806-1855) 幕末の思想家。水戸藩士。幽谷の次男。名は彪(タケシ)。徳川斉昭のもとにあって藩政改革に当たる一方,その熱烈な尊攘論により勤王家を主導した。安政の大地震で圧死。著「正気歌」「回天詩史」「弘道館記述義」など。

藤田流

ふじたりゅう フヂタリウ 【藤田流】
能の笛方の流名。江戸初期,尾張の徳川氏に仕えた藤田清兵衛を流祖とする。

藤田豊八

ふじたとよはち フヂタ― 【藤田豊八】
(1869-1929) 東洋史学者。徳島県生まれ。中国に渡り各地で教育事業に協力。帰国後早大・東大・台北帝大教授を歴任。著「東西交渉史の研究」など。

藤空木

ふじうつぎ フヂ― [3] 【藤空木】
フジウツギ科の落葉低木。日当たりのよい山野に自生。高さ1メートル内外。枝は四角で翼(ヨク)がある。葉は狭卵形。夏,枝先に10〜20センチメートルの花穂を垂れ,紫色の花を多数つける。葉は有毒成分を含む。

藤簍冊子

つづらぶみ 【藤簍冊子】
歌文集。六巻。上田秋成作。昇道編。1802年成立。1805〜06年刊。和歌・紀行・文集から成る。歌は万葉・古今にかかわらない自由な歌風であり,紀行・文集は雅文体で流麗である。

藤納戸

ふじなんど フヂ― [3] 【藤納戸】
藤色を帯びた納戸色。

藤紫

ふじむらさき【藤紫】
pale purple.

藤紫

ふじむらさき フヂ― [4] 【藤紫】
(藤の花のような)薄い紫色。

藤細工

ふじざいく フヂ― [3] 【藤細工】
藤のつるで手工芸品を作ること。また,その作品。

藤綱

ふじづな フヂ― [2] 【藤綱】
藤蔓(フジヅル)を縒(ヨ)って作った綱。

藤縄

ふじなわ フヂナハ [0] 【藤縄】
藤蔓(フジヅル)の繊維でなった縄。

藤色

ふじいろ フヂ― [0] 【藤色】
藤の花のような色。薄い紫色。

藤色

ふじいろ【藤色(の)】
mauve.→英和

藤花

とうか [1] 【藤花】
藤(フジ)の花。

藤花の宴

とうかのえん 【藤花の宴】
藤の花を観賞しながら行う宴会。

藤葛

ふじかずら フヂカヅラ [3] 【藤葛】
(1)藤のつる。
(2)つる草の総称。

藤蔓

ふじづる フヂ― [0] 【藤蔓】
藤のつる。ふじかずら。

藤衣

ふじごろも フヂ― [3] 【藤衣】
(1)藤づるなどの繊維で織った織り目の粗い粗末な衣類。ふじのころも。序詞として,衣を織るということから「折れる」を,織り目の粗いことから「間遠に」を,衣がなれることから「なる」を導き出す。「―なれはすれどもいやめづらしも/万葉 2971」
(2)麻で作った喪服。ふじのころも。

藤衣

ふじぎぬ フヂ― 【藤衣】
⇒ふじごろも(藤衣)

藤袴

ふじばかま フヂ― [3] 【藤袴】
(1)キク科の多年草。山野・川岸などに生え,また庭に植える。茎は直立し,高さ約1メートル。葉は対生で,普通三深裂する。八,九月,淡紅紫色の頭花を枝先に密につける。生乾きの時芳香がある。秋の七草の一。古名,ラニ,ラン。漢名,蘭草。[季]秋。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏とも淡紫色。秋に用いる。
藤袴(1)[図]

藤袴

ふじばかま【藤袴】
《植》a thoroughwort.

藤襲

ふじがさね フヂ― [3] 【藤襲】
「藤{(4)}」に同じ。

藤豆

ふじまめ フヂ― [0] 【藤豆・鵲豆】
マメ科のつる性一年草。熱帯原産。食用とするため広く栽培される。夏から秋にかけ,葉腋に淡紅紫色または白色の蝶形花をつける。莢(サヤ)は扁平で長さ約6センチメートル。若い莢を食用とする。関西ではこれをインゲンマメと呼ぶことが多い。センゴクマメ。アジマメ。[季]秋。《―の咲きのぼりゆく煙出し/高野素十》

藤貞幹

とうていかん 【藤貞幹】
(1732-1797) 江戸後期の考証学者。京都の生まれ。姓は藤原ともいう。号は無仏斎など。国学・有識故実に長じ,古文書・金石文を研究。著「衝口発(シヨウコウハツ)」「好古日録」など。
→衝口発

藤野

ふじの フヂノ 【藤野】
神奈川県北西部,津久井郡の町。中心の吉野は甲州街道の宿場町。相模湖・陣馬山がある。

藤間流

ふじまりゅう フヂマリウ 【藤間流】
日本舞踊の一流派。宝永年間(1704-1711)に歌舞伎舞踊の振付師藤間勘兵衛(初世)が創始。現在,勘十郎家(茅場町派)と勘右衛門家(浜町派)に分かれる。

藤黄

とうおう [0] 【藤黄】
⇒ガンボージ

はん [1] 【藩】
〔「かき」「かこい」,また,王室の守りとなるもの,の意〕
(1)江戸時代の大名の支配領域および支配機構の総称。
(2)1868年(明治1)維新政府が旧幕府領に府県を置いたのに対して,旧大名領を指していった称(藩の用語の公式使用の最初)。71年廃藩置県により廃止。

はん【藩】
a (feudal) clan.

藩中

はんちゅう [1] 【藩中】
その藩のうち。同藩。

藩主

はんしゅ [1] 【藩主】
藩の領主。藩侯。

藩侯

はんこう [1][0] 【藩侯】
〔明治期の語〕
藩主。とのさま。

藩儒

はんじゅ [1] 【藩儒】
藩主に仕える儒学者。

藩医

はんい [1] 【藩医】
江戸時代,藩に仕えた医者。

藩吏

はんり [1] 【藩吏】
江戸時代の藩の役人。

藩命

はんめい [0] 【藩命】
藩主の下す命令。また,藩の命令。

藩士

はんし [1] 【藩士】
藩に所属する武士。江戸時代の大名の家臣。藩臣。

藩学

はんがく [0] 【藩学】
江戸時代,各藩が藩士やその子弟の教育のために設けた学校。藩校。藩学校。

藩屏

はんぺい [0] 【藩屏】
(1)垣。かこい。守り防ぐための垣根。
(2)王室を守護するもの。藩翰(ハンカン)。藩籬(ハンリ)。「大軍を起こして天下の―となるべし/太平記 17」
(3)直轄の領地。「―の中にして,使節を誅戮(チユウリク)する条/太平記 10」

藩庁

はんちょう [0][1] 【藩庁】
明治初期,知藩事が藩内の政務を取り扱った所。

藩府

はんぷ [1] 【藩府】
藩の役所。

藩政

はんせい [0] 【藩政】
江戸時代,各大名家がその藩領で行なった政治。

藩政改革

はんせいかいかく [5] 【藩政改革】
江戸時代,諸藩の政治・財政改革をいう。主として,江戸初期の本百姓経営の維持策,中後期の殖産興業と専売制,幕末期の軍政改革,明治初年の職制改革などに特徴づけられる。

藩札

はんさつ [0] 【藩札】
江戸時代,各藩が発行し,その領内だけで通用させた紙幣。1661年,越前福井藩が最初に発行。領分札。国札。藩紙幣。

藩校

はんこう [1][0] ―カウ 【藩校】 ・ ―クワウ 【藩黌】
「藩学(ハンガク)」に同じ。

藩法

はんぽう [0] 【藩法】
江戸時代,諸藩が藩内を治めるために制定した法規の総称。藩政の要綱や藩士の心得などに関するものと,庶民の生活に関するものがある。

藩王国

はんおうこく ハンワウ― [3] 【藩王国】
イギリス統治下のインドで,イギリスと個々に従属関係を結び散在した,土侯の統制した国。土侯国。

藩知事

はんちじ [3] 【藩知事】
⇒知藩事(チハンジ)

藩祖

はんそ [1] 【藩祖】
藩を創設した人。藩主の先祖。

藩窯

はんよう [0] 【藩窯】
江戸時代,諸藩で経営した窯(カマ)。鍋島氏の大川内山窯,島津氏の竪野(タテノ)窯など。

藩籍

はんせき [0][1] 【藩籍】
藩の臣下として名を連ねること。

藩籬

はんり [1] 【藩籬】
(1)垣根。かこい。転じて,へだてとなるもの。「博愛を唱へて漫に―を作り/思出の記(蘆花)」
(2)「藩屏(ハンペイ){(2)}」に同じ。「百王鎮護の―となる/太平記 8」

藩翰

はんかん [0] 【藩翰】
〔「藩」はかきね,「翰」は柱の意〕
帝室の守りとなるもの。一地方を治めて王国のささえとなるもの。藩屏(ハンペイ)。

藩翰譜

はんかんふ 【藩翰譜】
歴史書。一三巻。新井白石著。徳川綱豊(のちの家宣)の命を受けて1702年完成。1600年(慶長5)から80年(延宝8)にいたる諸大名三三七家の事績を記し,家ごとに系図を付す。はんかんぷ。

藩臣

はんしん [0] 【藩臣】
(1)王室を守る臣。藩屏(ハンペイ)の臣。
(2)諸大名の家来。

藩論

はんろん [0] 【藩論】
その藩内の議論・意見。「―統一」

藩邸

はんてい [0] 【藩邸】
藩の所有する屋敷。

藩部

はんぶ [1] 【藩部】
清代,中国の直轄領には編入せず理藩院の監督下,それぞれの自治方式にゆだねて統治した地域。モンゴル・新疆・チベット・青海をいう。

藩鎮

はんちん [1][0] 【藩鎮】
(1)王室の藩屏(ハンペイ)となること。また,その諸侯。
(2)中国,唐・五代の軍職である節度使,およびそれに率いられる地方勢力。その数は唐代に四〇〜五〇,五代に三〇〜四〇。方鎮。
→節度使

藩閥

はんばつ [0] 【藩閥】
同じ藩の出身者が政府の要職を独占し,政治をその利害関係によって動かそうとしたこと。また,その閥。明治維新初期の薩長土肥四藩,廃藩置県以後の薩長二藩にみられた。「―政治」

藩閥政府

はんばつせいふ [5] 【藩閥政府】
藩閥政治を行なった政府。明治初年から加藤高明の護憲三派内閣成立(1924年)まで続いた。

藩領

はんりょう [0] 【藩領】
藩の領地。

藩黌

はんこう [1][0] ―カウ 【藩校】 ・ ―クワウ 【藩黌】
「藩学(ハンガク)」に同じ。

やぶ [0] 【藪】
(1)草木が群がり茂っている所。特に竹の群がり生えている所。
(2)「藪医者」の略。
(3)「藪入(ヤブイ)り」の略。
(4)「藪蕎麦(ヤブソバ)」の略。

藪の中

やぶのなか 【藪の中】
〔芥川竜之介の同名の作品から〕
関係者の言い分が食い違っていて,真相がわからないこと。

藪タバコ

やぶタバコ [3] 【藪―】
キク科の多年草。山野の林内に生える。高さ約80センチメートルで上方で分枝。全草に細毛を密生する。葉は互生し,形がタバコの葉に似る。夏から秋,上方の葉腋(ヨウエキ)に鐘形の黄色の頭花を下垂。痩果(ソウカ)は粘り,中国では条虫駆虫薬とする。

藪井竹庵

やぶいちくあん ヤブヰ― [5] 【藪井竹庵】
藪医者を人名めかしていう語。

藪人参

やぶにんじん [3] 【藪人参】
セリ科の多年草。藪や林内に自生。高さ約50センチメートル。葉は羽状に細裂し,ニンジンの葉に似る。晩春,枝頂に白色の小花多数を複散形花序につける。果実は長さ約2センチメートルの線状披針形。ナガジラミ。

藪入り

やぶいり [0] 【藪入り】
〔草深い土地へ帰る意〕
正月および盆の一六日に,奉公人が暇をもらって親元または請(ウケ)人の家へ帰ること。また,その日。宿入り。宿下がり。[季]新年。《―や琴かき鳴らす親の前/太祇》
→後(ノチ)の藪入(ヤブイ)り

藪内

やぶのうち 【藪内】
姓氏の一。

藪内流

やぶのうちりゅう 【藪内流】
茶道の流派の一。藪内宗把を遠祖とし,養子剣仲紹智(ジヨウチ)を流祖とする。西本願寺の庇護を受け,比較的古風を保つ。下(シモ)流。代々紹智を名乗る。

藪内紹智

やぶのうちじょうち 【藪内紹智】
(一世)(1536-1627) 安土桃山・江戸初期の茶人。藪内流の始祖。道号,剣仲。武野紹鴎に師事。古田織部の茶室燕庵を受け継いだ。

藪力

やぶぢから 【藪力】
(藪の竹を引き抜くほどの)なみはずれて強い力。ばかぢから。「汝も我も若者の十七,八の―/浄瑠璃・加増曾我」

藪医

やぶい [2] 【藪医】
「藪医者」の略。

藪医者

やぶいしゃ [0] 【藪医者】
〔「野巫医者」の意〕
診断・治療の能力の劣った医者。下手な医者。藪薬師(ヤブクスシ)。やぶ。

藪原

やぶはら [0] 【藪原】
竹ざさ・雑草・雑木などが自生し,やぶになっている野原。

藪垣

やぶがき [2] 【藪垣】
藪のような垣。また,藪の周りの垣。

藪塚本町

やぶづかほんまち 【藪塚本町】
群馬県南東部,新田(ニツタ)郡の町。渡良瀬川の大間々扇状地にある。たくあん漬を特産。

藪巻

やぶまき [0] 【藪巻(き)】
雪折れのおそれのある低木や竹などを,むしろや縄で巻いて損傷を防ぐもの。[季]冬。

藪巻き

やぶまき [0] 【藪巻(き)】
雪折れのおそれのある低木や竹などを,むしろや縄で巻いて損傷を防ぐもの。[季]冬。

藪手毬

やぶでまり [3] 【藪手毬】
スイカズラ科の落葉低木。山野に生え,庭木ともされる。葉は対生し,広卵形で鋭い鋸歯がある。晩春,短枝の先に散房花序を出し,多数の白色の小花をつけ,周囲に白色の大きな装飾花がある。

藪枯

やぶがらし [3] 【藪枯】
ブドウ科のつる性多年草。藪や路傍に自生。茎は長い地下茎から出て,よく伸び分枝する。葉は五小葉からなる鳥足状の複葉。夏から秋,腋生の花序に淡緑色で中央の赤い小花を多数つける。果実は扁球形で黒熟する。ビンボウカズラ。ヤブカラシ。
薮枯[図]

藪柑子

やぶこうじ [3][0] 【藪柑子】
ヤブコウジ科の常緑小低木。暖帯の山地の林下に群生。庭木や盆栽とする。高さ約20センチメートル。葉は長楕円形で茎の上方に輪生状につく。夏,腋生の花柄に白花を数個つけ,冬,小球形の果実が赤熟する。山橘(ヤマタチバナ)。赤玉の木。漢名,紫金牛。[季]冬。
薮柑子[図]

藪椿

やぶつばき [3] 【藪椿】
ツバキ{(1)}のうち,山地や海岸に自生するもの。栽培品種に対していう。やまつばき。[季]春。

藪沢

そうたく [0] 【藪沢】
藪(ヤブ)と沢(サワ)。草木の生い茂っている所。

藪漕ぎ

やぶこぎ [0] 【藪漕ぎ】 (名)スル
(登山道でない道を)藪を手でかきわけながら進むこと。

藪潜り

やぶくぐり [3] 【藪潜り】
(1)やぶをくぐること。また,そのもの。
(2)韮山笠(ニラヤマガサ)の別称。

藪畳

やぶだたみ [3] 【藪畳】
(1)一面に茂った藪。
(2)芝居の大道具の一。葉のついた竹を短く切って束ね,これを木製の枠にすき間なく取り付けて竹藪に見せるもの。

藪睨み

やぶにらみ [0] 【藪睨み】
(1)斜視(シヤシ)。
(2)見方・考え方などが見当はずれのこと。

藪紫

やぶむらさき [4] 【藪紫】
クマツヅラ科の落葉低木。山地に自生。全体に灰白色の軟毛を密生。葉は卵形。夏,葉腋(ヨウエキ)に淡紅色の小花を集散状につける。果実は小球形で,晩秋紫色に熟す。

藪肉桂

やぶにっけい [3] 【藪肉桂】
クスノキ科の常緑高木。暖地に自生。防風林に植える。高さ約10メートル。葉は狭卵形。初夏,葉腋に淡黄色の花を数個散状につける。果実は楕円形で黒熟。全体はニッケイに似るが,香りは少ない。材は堅く,器具用材とする。マツラニッケイ。女桂(メカツラ)。

藪苧麻

やぶまお [0] 【藪苧麻】
イラクサ科の多年草。藪や川岸などに生える。高さ約1メートル。葉は対生し,卵円形で粗大な鋸歯があり,質は厚くざらつく。秋,腋生の長い花序上に球形に集まった淡緑色の花が多数つく。

藪茗荷

やぶみょうが [3] 【藪茗荷】
ツユクサ科の多年草。本州中部以西の林下や竹藪に自生。茎は直立し,高さ約80センチメートル。葉は大きい狭長楕円形で,ミョウガに似る。夏から秋,茎頂に長い円錐花序を立て,白色の小花をつける。果実は小球形で青く熟す。

藪華鬘

やぶけまん [3] 【藪華鬘】
ムラサキケマンの別名。

藪萩

やぶはぎ [0][2] 【藪萩】
マメ科の多年草。各地の林内に生える。ヌスビトハギと近縁だが,葉の裏面は白色を帯びる。豆果にはかぎ状の毛が密生し,衣服につきやすい。

藪萱草

やぶかんぞう [3] 【藪萱草】
ユリ科の多年草。川岸や湿原などに自生。葉は広線形で柔らかい。夏,高さ約80センチメートルの花茎を立て,上端に朱赤色のユリに似た八重の一日花を次々に開く。若葉は食べられる。ワスレグサ。

藪蕎麦

やぶそば [0] 【藪蕎麦】
甘皮のついたままひいた蕎麦粉で作った緑色の蕎麦。また,その製法の蕎麦を供する店の屋号。

藪薬師

やぶくすし [3][4] 【藪薬師】
藪医者(ヤブイシヤ)。「―の病人選び」

藪蘇鉄

やぶそてつ [3] 【藪蘇鉄】
オシダ科の常緑性シダ植物。暖地の林下・川岸などに生える。葉は多数根生し,長さ約60センチメートルの羽状複葉で,羽片は広披針形で鎌形に曲がる。裏面に円形の包膜に包まれた胞子嚢(ノウ)群を散生する。トラノオ。漢名,貫衆。
薮蘇鉄[図]

藪蘭

やぶらん [2] 【藪蘭】
ユリ科の常緑多年草。山林中に生える。葉は根生し,線形で質が厚い。夏から秋,高さ約40センチメートルの花茎が出,頂の花穂に淡紫色の小六弁花が多数つく。種子は丸く,黒熟。乾燥した根を漢方で麦門冬と称し薬用とする。

藪虱

やぶじらみ [3] 【藪虱】
セリ科の二年草。荒地や道端に多い。全体に細毛があり,高さは約60センチメートル。葉は二回羽状複葉。夏,枝頂に複散形花序を作り,白色の小花を多数つける。果実は小卵形で刺毛を密生し,衣服につきやすい。草じらみ。[季]秋。

藪蚊

やぶか [0] 【藪蚊・豹脚蚊】
(1)ヤブカ属の蚊の総称。体長4〜6ミリメートルで,黒色のものが多く,黄褐色や体・足に白帯のあるものもいる。藪や木立の中にすみ,昼間活動して人畜を刺し吸血する。デング熱を媒介する種もある。日本には約四〇種を産する。ヒトスジシマカ・トウゴウヤブカ・キンイロヤブカなど。
(2)藪や草原にすみ,人を刺す大形の蚊の総称。やぶっか。

藪蛇

やぶへび [0] 【藪蛇】
〔「藪をつついて蛇を出す」から〕
余計なことをしてかえって悪い結果になる。「発言が―になる」

藪螽蟖

やぶきり [0] 【藪螽蟖】
キリギリス科の昆虫。体長約33ミリメートル。キリギリスに似るが全身緑色。樹上や草むらにすみ,雄は夜間ツルルルと鳴く。本州以南,台湾まで分布。

藪豆

やぶまめ [0] 【藪豆】
マメ科のつる性一年草。各地の道端・野原に自生。葉は卵状の三小葉からなる。秋,葉腋に淡紫色の蝶形花をつける。豆果は地上と地中にできる。

藪野

やぶの 【藪野】
姓氏の一。

藪野椋十

やぶのむくじゅう 【藪野椋十】
⇒渋川玄耳(シブカワゲンジ)

藪陰

やぶかげ [0] 【藪陰】
藪の陰になっている所。

藪雀

やぶすずめ [3] 【藪雀】
やぶにいる雀。

藪雨

やぶさめ [0] 【藪雨】
スズメ目ウグイス科の小鳥。全長約10センチメートルで,日本最小の鳥の一種。背面は赤褐色,腹面は白色で尾が短く,目の上に黄白色の眉(マユ)形の線がある。やぶかげで暮らし,あまり姿を見せない。日本では夏鳥として,各地の低山帯のやぶ地で繁殖。アジア東北部に分布。

藪鶯

やぶうぐいす [4] 【藪鶯】
藪にいる鶯。

いも [2] 【芋・薯・藷】
(1)植物の根や地下茎が養分を蓄えて肥大したもの。食用となるサトイモ・ジャガイモ・ヤマノイモ・サツマイモなどをさす。園芸用の球根をいうこともある。[季]秋。《ぐい��と引抜く―の出来のよし/松本長》
(2)取り立てて言うほどのことはない物や人をあざけっていう語。「―侍」

藷掘り

いもほり [3][4] 【芋掘り・藷掘り】
(1)芋を掘ること。
(2)田舎者をさげすんでいう語。
(3)「いもほりぼうず」の略。

藷焼酎

いもじょうちゅう [3] 【藷焼酎】
サツマイモを原料とする焼酎。

藷蕷

しょよ [1] 【薯蕷・藷蕷】
〔「じょよ」とも〕
ヤマノイモの漢名。

藹藹

あいあい [0] 【藹藹】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)なごやかなさま。穏やかなさま。「和気―」「春霞―たる和楽の天地/火の柱(尚江)」
(2)草木が盛んに茂るさま。「―たる山松皓皓たる白壁/佳人之奇遇(散士)」

い ヰ [1] 【藺】
イグサ科の多年草。北半球に広く分布。茎は高さ1メートルに達し,節がない。葉は退化して少数の葉鞘(ヨウシヨウ)が茎の基部につく。夏,茎頂に淡緑色の小花を密につける。栽培されて茎は花筵(ハナムシロ)・畳表などの材料とし,髄(ズイ)は灯心にした。イグサ。灯心草。[季]夏。《―の水に佇めば雲流れけり/大橋越央子》

藺相如

りんしょうじょ 【藺相如】
中国,戦国時代の趙(チヨウ)の政治家。「和氏(カシ)の璧(タマ)」を一五城と交換したいという秦の申し入れに対し,秦に赴いたが,秦の策謀を見抜き璧を完うして帰国(完璧(カンペキ))。また,将軍廉頗(レンパ)と刎頸(フンケイ)の交わりを結び,趙の維持に努めた。生没年未詳。

藺笠

いがさ ヰ― [1][2] 【藺笠】
藺の茎で編んだ笠。[季]夏。

藺草

いぐさ ヰ― [1][0] 【藺草】
植物イ(藺)の別名。[季]夏。

藺草

いぐさ【藺草】
a rush.→英和

も【藻】
an alga;→英和
seaweed.→英和

も [0] 【藻】
水中に生育する水草・海草・藻類などの総称。

藻の花

ものはな [0][4] 【藻の花】
湖沼や小川などに生えるさまざまな藻類の花。一般に小さく,白や黄緑色で目立たないものが多い。花藻。[季]夏。《―や小舟よせたる門の前/蕪村》

藻刈

もかり [0] 【藻刈(り)】
沼・池・川・海などに茂った藻を刈り取ること。[季]夏。

藻刈り

もかり [0] 【藻刈(り)】
沼・池・川・海などに茂った藻を刈り取ること。[季]夏。

藻刈り舟

もかりぶね 【藻刈り舟】
海藻を刈るのに用いる小舟。めかりぶね。「―沖漕ぎ来らし/万葉 1199」

藻場

もば [0] 【藻場】
海中で海草や海藻類が繁茂している所。アマモが群生するアマモ場(アジモ場),ホンダワラ類が群生するガラモ場など。海生動物の幼生や稚魚などにとって好適な環境となる。
→海中林

藻塩

もしお [0] 【藻塩】
海藻類に海水をそそぎかけて塩分を多く含ませ,それを焼いて水にとかし,そのうわずみを煮詰めてつくる塩。また,それをつくるためにくむ海水。「朝なぎに玉藻刈りつつ夕なぎに―焼きつつ/万葉 935」

藻塩木

もしおぎ [3] 【藻塩木】
藻塩を製する時にたく薪。「さみだれはあまの―朽ちにけり/千載(夏)」

藻塩火

もしおび [3] 【藻塩火】
藻塩をつくるときにたく火。「あまの―たくかとや見む/大鏡(伊尹)」

藻塩草

もしおぐさ [3] 【藻塩草】
(1)藻塩をとるために使う海藻・海草。かきあつめて,潮水をそそぐことから,「書く」の縁語に用いられることが多い。「いづくとも知らぬ逢瀬の―かきおく跡を形見とも見よ/平家 10」
(2)随筆・筆記類の異名。「よしなし言を心にまかせ,書きてぞおくる―/松の葉」
(3)「あまも」の別名。
(4)書名(別項参照)。

藻壁門

そうへきもん サウヘキ― 【藻壁門】
平安京大内裏外郭十二門の一。西側にある三門の中央。西中御門(ニシナカノミカド)大路に向かって開く。佐伯門。
→大内裏

藻屑

もくず [0] 【藻屑】
海中の藻のくず。

藻屑と消える

もくず【藻屑と消える】
sink to the bottom (of the sea).→英和

藻屑蟹

もくずがに [3] 【藻屑蟹】
カニの一種。甲の幅約6センチメートル。はさみは大きく,褐色の長毛が房状に密生する。全身暗緑色。内湾の河口域から川の中流にすむ。肉は美味で食用とするが,肺臓吸虫の第二中間宿主なので,加熱調理が必要。日本各地と千島・沿海州・台湾などに分布。

藻抜け

もぬけ [0] 【蛻け・藻抜け】
ヘビやセミなどのぬけがら。「蝉の―のやうな姿ぢや/狂言・箕被」

藻抜けの殻である

もぬけ【藻抜けの殻である】
be empty.

藻海

そうかい サウ― 【藻海】
〔Sargasso Sea〕
北大西洋の,ホンダワラ類の海藻が表層一面に浮遊している区域。北緯二〇〜四〇度,西経三五〜七五度の広い海面で,風も弱く,帆船時代には航海の難所として恐れられた。また,ウナギの産卵場として有名。サルガッソー海。藻の海。

藻海老

もえび [0] 【藻海老】
海産のエビ。体長約12センチメートル。体は淡黄色または淡青色。食用。また,釣り餌とする。日本各地の内湾・内海に分布し,砂泥底の海藻の間にすむ。

藻玉

もだま [0] 【藻玉】
マメ科の常緑つる性木本。熱帯地方の海岸に生える。日本では屋久島・沖縄に自生。葉は羽状複葉で,小葉は倒卵形革質。春,開花。豆果は長さ50センチメートル以上になり,硬く平たい大形の種子がある。種子がしばしば漂着するのでこの名がある。

藻紅素

そうこうそ サウ― [3] 【藻紅素】
⇒フィコエリトリン

藻臥し束鮒

もふしつかふな 【藻臥し束鮒】
藻の中の,手で一つかみできるほどの小鮒。「妹がため我が漁(スナド)れる―/万葉 625」

藻草

もぐさ [0] 【藻草】
藻(モ)。水草・海草・藻類など。

藻褐素

そうかっそ サウ― [3] 【藻褐素】
⇒フコキサンチン

藻雑魚

もじゃこ [2] 【藻雑魚】
ブリの稚魚。流れ藻の周囲について成長する。

藻類

そうるい【藻類】
《植》the algae;seaweeds.藻類学 algology.

藻類

そうるい サウ― [1] 【藻類】
水中に生活し,独立栄養を営む葉状植物の総称。分類上の明確な群ではない。緑藻類・褐藻類・紅藻類・藍藻類・ケイ藻類など。狭義で,前者三群をいう。

藿香薊

かっこうあざみ クワクカウ― [5] 【藿香薊】
⇒アゲラタム

ずい [1] 【蕊・蘂】
花の生殖器官。雄蕊と雌蕊がある。しべ。

ずい【蘂】
《植》a pistil (雌);→英和
a stamen (雄).→英和

しべ [1] 【蕊・蘂】
(1)花の生殖器官。ずい。「雄―」「雌―」
(2)ひもの先端と総(フサ)との間につける飾り。[安斎随筆]
蕊(2)[図]

よし [1] 【葦・蘆・葭】
〔「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで言い換えた語〕
植物アシのこと。[季]秋。

あし [1] 【葦・蘆・葭】
イネ科の多年草。温帯および暖帯に広く分布し,水辺に自生する。地下の長い根茎から高さ2メートル以上に達する稈(カン)(茎)を出し,群生する。葉は二列に互生し,ササの葉に似る。秋,ススキに似た大きな穂を出す。稈は簾(スダレ)やよしずにする。「あし」が「悪し」に通ずるのを忌んで,「よし」ともいう。ハマオギ。[季]秋。

蘆かび

あしかび 【蘆かび】
歌論書。一巻。小沢蘆庵著。1790年成立,1800年刊。「ただごと歌」の主張をした書。

蘆の穂絮

あしのほわた [1] 【葦の穂綿・蘆の穂絮】
晩秋,熟した葦の花穂に生じる白い細毛。風に乗って飛ぶ。昔,綿の代わりに着物や布団の中に入れた。[季]秋。

蘆刈

あしかり 【蘆刈】
能の曲名。四番目物。妻と別れ,蘆売りにまで落ちぶれた日下(クサカ)左衛門が,貴人に仕えて立身した妻に再会する話。

蘆刈り

あしかり 【葦刈り・蘆刈り】
葦を刈ること。また,その人。[季]秋。「―に堀江漕ぐなる楫(カジ)の音は/万葉 4459」

蘆名

あしな 【蘆名】
姓氏の一。会津国黒川を領した戦国大名家。相模国三浦郡蘆名から南北朝期に会津へ下向したという。会津守護と呼ばれ,権勢をふるった。

蘆名盛氏

あしなもりうじ 【蘆名盛氏】
(1521-1580) 戦国時代の武将。陸奥(ムツ)国会津黒川城主。初名盛治。父盛舜(モリキヨ)のあとをうけ会津地方を制圧,蘆名氏全盛時代を築いた。隠退後,止々斎と号す。

蘆屋道満

あしやどうまん 【蘆屋道満】
平安中期の陰陽家(オンヨウケ)。安倍晴明と術くらべをしたと伝えられる人物。のち浄瑠璃などに脚色された。生没年未詳。

蘆屋道満大内鑑

あしやどうまんおおうちかがみ アシヤダウマンオホウチカガミ 【蘆屋道満大内鑑】
人形浄瑠璃。時代物。竹田出雲作。1734年初演。通称「葛の葉」。和泉国信太(シノダ)の森の白狐が女に化けて安倍保名(アベノヤスナ)と契って安倍晴明を生んだという伝説を脚色したもの。四段目の「子別れ」が有名。

蘆屋釜

あしやがま [3] 【蘆屋釜・芦屋釜】
芦屋{(2)}で作られた茶の湯の釜。真形釜(シンナリガマ)が多く,肌は滑らかで山水・草木の地紋のあるものが多い。室町時代が最盛期で京釜盛業とともに衰退。分派に越前芦屋・播州芦屋・伊勢芦屋などがある。

蘆庵

ろあん 【蘆庵】
⇒小沢(オザワ)蘆庵

蘆木

ろぼく [0][1] 【蘆木】
古生代の石炭紀の末から二畳紀の初めにかけて栄えた木生シダ。トクサに似るが,高さは15メートルにも達する。石炭の原木の一。カラミテス。

蘆洲

ろしゅう [0] 【蘆洲】
アシの茂っている洲(ス)。

蘆窪茶

あしくぼちゃ [4] 【足久保茶・蘆窪茶】
静岡市足久保付近から産する茶。近世,幕府に献上された。あしくぼ。

蘆笋

ろじゅん [0] 【蘆笋・蘆筍】
「蘆錐(ロスイ)」に同じ。

蘆笙

ろしょう [1] 【蘆笙】
アシの茎を管にした笙。古くから中国南方の諸民族が用いた。

蘆笛

ろてき [0] 【蘆笛】
蘆(アシ)の葉を巻いて作った笛。あしぶえ。

蘆筍

ろじゅん [0] 【蘆笋・蘆筍】
「蘆錐(ロスイ)」に同じ。

蘆花

ろか ロクワ 【蘆花】
⇒徳富(トクトミ)蘆花

蘆荻

ろてき [0][1] 【蘆荻】
あしとおぎ。

蘆薈

ろかい [0] 【蘆薈】
〔近世に,属名の(ラテン) aloe をロエとよんでこの漢字を当てたもの〕
アロエのこと。

蘆角

ろかく [0] 【蘆角】
アシの葉で作った笛。あしぶえ。「―一声の心をやはらげ/奥の細道」

蘆辺

あしべ [0][3] 【葦辺・蘆辺】
アシの生えている水辺。

蘆辺踊り

あしべおどり [4] 【蘆辺踊り】
大阪市南地五花街の芸妓が総出で演じた舞踊。1888年(明治21)に始まり,現在は四月一日から一〇日間,大阪踊として道頓堀中座で行われる。[季]春。

蘆野

あしの 【蘆野】
姓氏の一。

蘆野東山

あしのとうざん 【蘆野東山】
(1696-1776) 江戸中期の儒学者。仙台藩士。名は徳林,字は世輔。崎門学派。主著「無刑録」は刑律に関する言論を集めたもの。

蘆錐

ろすい [0] 【蘆錐】
〔形が錐(キリ)に似るところからいう〕
あしの若芽。あしかび。蘆笋(ロジユン)。

蘆雪

ろせつ 【蘆雪】
⇒長沢(ナガサワ)蘆雪

蘆頭

ろず 【蘆頭】
薬用植物の根や茎で,薬用にならない部分。[運歩色葉集]

そ [1] 【酥・蘇】
牛や羊の乳を煮つめたもの。「延喜式」では十分の一に煮つめるものとされた。

蘇す

そ・す 【蘇す・甦す】 (動サ変)
生きかえる。よみがえる。「其の―・するは霊魂の返るなり/日本開化小史(卯吉)」

蘇り

よみがえり [0] 【蘇り・甦り】
よみがえること。蘇生(ソセイ)。

蘇る

よみがえ・る [3][4] 【蘇る・甦る】 (動ラ五[四])
〔黄泉(ヨミ)から帰る,の意〕
(1)死んだ人,死にかけた人が,息を吹き返す。生き返る。蘇生する。「死者を―・らせる秘法」「忌むことのしるしに―・りてなむ/源氏(夕顔)」
(2)衰えたものがまた盛んになる。「雨に―・ったような草木」「記憶が―・る」「平和が―・る」
[可能] よみがえれる

蘇利古

そりこ 【蘇利古】
雅楽の一。右方の新楽で,壱越(イチコツ)調の小曲。四人舞の文の舞。襲装束(カサネシヨウゾク)に老懸(オイカケ)のついた巻纓(ケンエイ)の冠をつけ,蔵面(ゾウメン)を用い,手に楚(ズワエ)を持って舞う。竈祭舞(カマドマツリノマイ)。
蘇利古[図]

蘇合

そごう [0] 【蘇合】
「蘇合香{(3)}」の略。「秋風楽三反,―皆つくして/十訓 10」

蘇合香

そごうこう [2] 【蘇合香】
(1)マンサク科の落葉高木。西アジア原産。フウに近縁で,高さは10メートルに達するが,生長は遅い。葉は掌状に五浅裂する。花は淡黄緑色の頭花。樹脂に芳香があって香料,皮膚病の薬とする。ソゴウ。
(2){(1)}から採取した半流動性の樹脂。芳香を有する。塗擦剤・香料に使用。蘇油。
(3)香の一種。{(2)}に沈香(ジンコウ)などを加えて作る。蘇合。[和名抄]
(4)雅楽曲の一。左方唐楽(管弦・舞楽)。盤渉(バンシキ)調。四個大曲(シカノタイキヨク)の一。六人舞。左方平舞(ヒラマイ)装束に{(1)}の葉をかたどった冠を着用。多く「そこう」と読む。蘇香。蘇合。

蘇婆訶

そわか ソハカ [1] 【蘇婆訶・薩婆訶】
〔梵 svāhā〕
〔仏〕 密教で呪文の最後につける語。密教ではさまざまに解釈するが,元来は仏への感嘆・呼びかけの語。「唵(オン)阿毘羅吽欠(アビラウンケン)―」

蘇峰

そほう 【蘇峰】
⇒徳富(トクトミ)蘇峰

蘇州

そしゅう ソシウ 【蘇州】
中国,江蘇省南部の観光都市。春秋時代の呉の都。米・綿花の集散地。絹織物・刺繍(シシユウ)・細工物などを特産。近郊には寒山寺などの名勝・古跡が多い。スーチョウ。
蘇州(寒山寺)[カラー図版]
蘇州(拙政園)[カラー図版]
蘇州(雲岩寺塔)[カラー図版]

蘇張

そちょう [1] 【蘇張】
(1)中国,戦国時代の縦横(ジユウオウ)家,蘇秦と張儀の併称。
(2)転じて,弁論のすぐれた人。

蘇張の弁

そちょうのべん 【蘇張の弁】
弁説が巧みなこと。非常に雄弁なこと。蘇張の舌。

蘇志摩利

そしまり 【蘇志摩利】
舞楽の一。右方高麗楽(ウホウコマガク)。高麗双調(ソウジヨウ)。舞人は蓑(ミノ)と笠(カサ)を着けて舞う。雨乞いの際に舞ったと言い伝えられる。長久楽。蘇尸茂利(ソシモリ)。

蘇悉地経

そしつじきょう ソシツヂキヤウ 【蘇悉地経】
〔梵 Susiddhi-kara-mahātantra〕
密教経典の一。三巻。三部秘経の一。正式名,蘇悉地羯羅経。725年善無畏訳。台密で重んじられ,修行の成就に関する儀則を説く。

蘇我

そが 【蘇我】
古代の中央豪族の一。姓(カバネ)は臣(オミ)。その称は大和国高市郡蘇我の地にちなむという。排仏派の物部氏と対立,587年物部守屋を滅ぼして政治の実権を握る。645年大化改新の際,蝦夷(エミシ)・入鹿父子は中大兄皇子(ナカノオオエノオウジ)らに滅ぼされたが,傍系は石川朝臣としてとどまった。

蘇我入鹿

そがのいるか 【蘇我入鹿】
(?-645) 蘇我蝦夷(エミシ)の子。鞍作とも。天皇家と威勢を競い,聖徳太子の子山背大兄王を殺害。大化改新で中大兄皇子・中臣鎌足に殺された。

蘇我石川麻呂

そがのいしかわのまろ 【蘇我石川麻呂】
(?-649) 蘇我馬子の孫。宗家の蝦夷(エミシ)・入鹿父子と対立,大化改新に参画し,右大臣に任ぜられた。のち弟日向の讒言(ザンゲン)によって,自害した。蘇我倉山田石川麻呂。

蘇我稲目

そがのいなめ 【蘇我稲目】
(?-570) 宣化・欽明両朝の大臣。蘇我馬子の父。物部尾輿・中臣勝海ら排仏派と対抗し,崇仏を説いて自邸に仏像を安置,向原(ムクハラ)寺と号した。また,皇室と姻戚関係を結び,蘇我氏繁栄の礎を築いた。

蘇我蝦夷

そがのえみし 【蘇我蝦夷】
(?-645) 推古・舒明・皇極三朝の大臣。蘇我馬子の子。専制的な権力をふるって天皇家に対抗,子の入鹿に紫冠を授けて大臣にした。入鹿が暗殺されると,邸に火を放って自殺した。

蘇我馬子

そがのうまこ 【蘇我馬子】
(?-626) 敏達・用明・崇峻・推古四朝の大臣。蘇我稲目の子。対立する排仏派の物部守屋を滅ぼし,崇峻天皇を殺害。法興寺を造立して仏教興隆に尽力,「天皇記」「国記」の編纂にも従事した。

蘇摩那華

そまなけ [3] 【蘇摩那華】
〔梵 Sumanā〕
仏典にあらわれるインドの花の名。花は黄白色で四方に垂れて天蓋(テンガイ)に似,香気があるという。

蘇方

すおう [2] 【蘇芳・蘇方・蘇枋】
(1)マメ科の落葉小高木。熱帯アジア原産。枝に鋭いとげがあり,葉は羽状複葉。春,黄色の小花を円錐状につけ,花後,帯紅色の豆果を結ぶ。心材と莢(サヤ)は,赤色染料とする。蘇芳の木。
(2)ハナズオウの通称。
(3)染め色の名。{(1)}の幹の心材の煎汁で染めた紅色。赤みのかかった紫。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄く,裏は濃い蘇芳の赤。四季通用。蘇芳襲。

蘇曼殊

そまんじゅ 【蘇曼殊】
(1884-1918) 中国,清末・民国初期の詩人・小説家。名は玄瑛(ゲンエイ)。曼殊は僧号。日本人を母として横浜で生まれた。革命的文学結社「南社」に参加したが,のち日本や東南アジア諸国を放浪。詩は感傷的傾向が濃い。自伝的小説「断鴻零雁記」。スー=マンシュー。

蘇東坡

そとうば 【蘇東坡】
蘇軾(ソシヨク)の号。

蘇枋

すおう [2] 【蘇芳・蘇方・蘇枋】
(1)マメ科の落葉小高木。熱帯アジア原産。枝に鋭いとげがあり,葉は羽状複葉。春,黄色の小花を円錐状につけ,花後,帯紅色の豆果を結ぶ。心材と莢(サヤ)は,赤色染料とする。蘇芳の木。
(2)ハナズオウの通称。
(3)染め色の名。{(1)}の幹の心材の煎汁で染めた紅色。赤みのかかった紫。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄く,裏は濃い蘇芳の赤。四季通用。蘇芳襲。

蘇武

そぶ 【蘇武】
(?-前60) 中国,前漢の名臣。字(アザナ)は子卿。匈奴(キヨウド)に使いして捕らえられ帰順をすすめられたが,節を曲げず,19年間北海のほとりの無人の地で牧者として暮らす。のち,漢と匈奴との和議が調って帰国した。
→雁(カリ)の使い

蘇民将来

そみんしょうらい [4][1] 【蘇民将来】
(1)疫病よけの神の名。貧者だったが,神に宿を貸したお礼に茅(チ)の輪を作って疫病から免れる方法を教えられたという(備後風土記)。
(2)災厄を除いて福徳を祈る護符の一。六角または八角の棒や木札・紙札などの形状がある。「大福長者蘇民将来子孫人也」などの語を記す。毎年正月,寺社で発行する。
蘇民将来(2)[図]

蘇民書札

そみかくだ 【曾美加久堂・蘇民書札】
修験者・山伏などの異名。山伏。「幾かへり行き来の嶺の―/金槐(雑)」

蘇油

そゆ [1] 【酥油・蘇油】
(1)牛乳から製した油。食用・薬用のほか,密教で護摩(ゴマ)を修するのに用いる。
(2)「蘇合香(ソゴウコウ){(2)}」に同じ。

蘇洵

そじゅん 【蘇洵】
(1009-1066) 中国,北宋の学者。字(アザナ)は明允(メイイン),号は老泉。文章にすぐれ,子の蘇軾(ソシヨク)・蘇轍(ソテツ)とともに三蘇と呼ばれ,唐宋八大家の一人に数えられる。老蘇。著「蘇老泉文集」「嘉祐集」

蘇生

そせい [0] 【蘇生・甦生】 (名)スル
(1)呼吸の止まっていた人が息を吹き返すこと。気を失っていた人が,意識を取り戻すこと。生き返ること。よみがえること。「人工呼吸で―する」
(2)活気を失っていたものが,生き返ったように活気を取り戻すこと。「雨が降って草花が―する」「活力を失った組織を―させる」

蘇生する

そせい【蘇生する】
revive;→英和
come to oneself;be restored to life.〜させる revive;→英和
bring <a person> back to life.〜の思いをする feel greatly relieved.

蘇秦

そしん 【蘇秦】
(?-前317) 中国,戦国時代の縦横(ジユウオウ)家。字(アザナ)は季子。洛陽(ラクヨウ)の人。諸国を遊説して合従(ガツシヨウ)策を唱え,秦に対抗する六国の同盟に成功したが,張儀の連衡策に破られ,斉で暗殺された。

蘇老泉

そろうせん 【蘇老泉】
⇒蘇洵(ソジユン)

蘇舜欽

そしゅんきん 【蘇舜欽】
(722-780) 中国北宋の詩人・文人。字(アザナ)は子美。中傷により失脚,蘇州に滄浪亭を作って隠棲。自然の景物に託して世俗を憤った豪放な詩を詠じた。欧陽修,梅尭臣とともに欧蘇・蘇梅と並称された。

蘇芳

すおう [2] 【蘇芳・蘇方・蘇枋】
(1)マメ科の落葉小高木。熱帯アジア原産。枝に鋭いとげがあり,葉は羽状複葉。春,黄色の小花を円錐状につけ,花後,帯紅色の豆果を結ぶ。心材と莢(サヤ)は,赤色染料とする。蘇芳の木。
(2)ハナズオウの通称。
(3)染め色の名。{(1)}の幹の心材の煎汁で染めた紅色。赤みのかかった紫。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄く,裏は濃い蘇芳の赤。四季通用。蘇芳襲。

蘇芳の匂

すおうのにおい 【蘇芳の匂】
襲(カサネ)の色目の名。上を白にして,紫を淡い色から次第に濃くなるように重ねたもの。

蘇芳色

すおういろ [0] 【蘇芳色】
「蘇芳{(3)}」に同じ。

蘇芳花

すおうばな [2] 【蘇芳花】
ハナズオウの異名。

蘇芳菲

そほうひ ソハウヒ 【蘇芳菲】
雅楽の曲名。乞食調(コツジキチヨウ)。そはひ。

蘇芳襲

すおうがさね 【蘇芳襲】
「蘇芳{(4)}」に同じ。「下襲は,冬は躑躅(ツツジ)。桜。掻練襲。―/枕草子 284」

蘇莫者

そまくしゃ 【蘇莫者】
雅楽の一。左方の古楽で盤渉(バンシキ)調の中曲。一人舞の走り舞。装束は胡裲襠(コウチカケ)・走り物袍(ホウ)に黄色の蓑(ミノ),金色の猿面をつけ,桴(バチ)を持つ。笛役が一人侍立して笛を吹く。そまくさ。
蘇莫者[図]

蘇莫者

そまくさ 【蘇莫者】
⇒そまくしゃ(蘇莫者)

蘇葉

そよう [0] 【蘇葉】
生薬の一。シソ,特にチリメンジソの葉を陰干ししたもので,解熱・健胃薬に用いる。

蘇蜜

そみつ 【酥蜜・蘇蜜】
牛の乳を精製したもの(酥)と,蜂蜜。飲料・薬用・供物などに用いた。「―を作て麨(ムギコ)に和合して/今昔 3」

蘇軾

そしょく 【蘇軾】
(1036-1101) 中国,北宋の詩人・文学者。字(アザナ)は子瞻(シセン),号は東坡(トウバ)。父の蘇洵(ソジユン),弟の蘇轍(ソテツ)と合わせて三蘇と呼ばれる。王安石の新法に反対し,しばしば左遷された。黄州(湖北省)に左遷されたときに詠じた「赤壁賦」はその代表作。多才で,散文・韻文ともにすぐれ,散文では唐宋八大家の一人に数えられ,詩も宋代詩人中第一に位した。著作集「東坡全集」

蘇轍

そてつ 【蘇轍】
(1039-1112) 中国,北宋の文人。字(アザナ)は子由,号は潁浜(エイヒン)・欒城(ランジヨウ)。蘇洵(ソジユン)の次男で,蘇軾(ソシヨク)の弟。兄とともに旧法党に属し,王安石らの新法党と対立した。父や兄とともに唐宋八大家の一人に数えられる。文集「欒城集」

蘇迷盧

そめいろ 【蘇迷盧】
〔梵 Sumeru〕
須弥山(シユミセン)のこと。

蘇鉄

そてつ [0] 【蘇鉄】
ソテツ科の常緑低木。暖地の海岸付近に自生し,また観賞用に栽植される。幹は太く,単立し,高さ約3メートル。葉は大形の羽状複葉で,頂に群生する。雌雄異株。雄花は夏,幹頂につき,円柱形で鱗片が螺旋(ラセン)状につく。また,雌花は多数重なってつく。種子は球形で朱色に熟す。種子と髄に含まれるデンプンは有毒だが,よく晒(サラ)せば食用ともなる。池野成一郎によって精子が発見された。
〔「蘇鉄の花」は [季]夏〕

蘇鉄

そてつ【蘇鉄】
《植》a cycad.→英和

蘇音器

そおんき [2] 【蘇音器・蘇音機】
「蓄音器」の旧称。

蘇音機

そおんき [2] 【蘇音器・蘇音機】
「蓄音器」の旧称。

蘇香

そこう [0] 【蘇香】
⇒蘇合香(ソゴウコウ)(4)

蘊奥

うんおう [0] 【蘊奥】
〔連声で「うんのう」とも〕
学問・技芸などの奥深いところ。奥義。極意。「学問の―を究める」

蘊奥

うんのう [0] 【蘊奥】
「うんおう」の連声。

蘊奥をきわめる

うんおう【蘊奥をきわめる】
master the secrets <of> .

蘊蓄

うんちく [0] 【蘊蓄・薀蓄】 (名)スル
(1)深く研究して身につけた知識。「―の深さを示す」
(2)物を蓄えること。「以て余力を―すべし/佳人之奇遇(散士)」

蘊蓄を傾けて

うんちく【蘊蓄を傾けて】
with one's rich[profound]knowledge <of> .

蘊藉

うんしゃ [1] 【蘊藉】 (名・形動)[文]ナリ
態度などがおだやかでゆったりしていること。「挙止―にして礼節あり/断腸亭日乗(荷風)」

蘐園学派

けんえんがくは ケンヱン― 【蘐園学派】
〔「蘐園」は荻生徂徠の家塾〕
荻生徂徠の率いた儒学の一派。古文辞学派とも。古代の言語・制度の理解を重視する。太宰春台・服部南郭らが出て江戸中期以降の思想界に大きな影響を与えた。

ひこばえ [0] 【蘖】
〔「孫(ヒコ)生え」の意〕
樹木の切り株や根元から群がり生える若芽。又生え。[季]春。

蘖ゆ

ひこば・ゆ 【蘖ゆ】 (動ヤ下二)
〔「孫(ヒコ)生ゆ」の意〕
切った草木の根や株から芽が出る。「あらをだの去年の古跡の古よもぎいまは春べと―・えにけり/新古今(春上)」

蘘荷

めが 【蘘荷】
茗荷(ミヨウガ)の古名。[和名抄]

蘘荷

みょうが メウガ [0] 【茗荷・蘘荷】
〔「芽香(メガ)」の転という〕
(1)ショウガ科の多年草。暖地の林中に生え,野菜として栽培もされる。葉は広披針形。夏,地下茎の先から花序が出,淡赤褐色の苞片が多数重なって卵形となり,苞の間から淡黄色の花が次々と出る。独特の香りがあり,開花前の苞と若い茎を食用とする。鈍根草。古名メガ。
〔「茗荷の花」は [季]秋〕
→茗荷竹
→茗荷の子
(2)〔茗荷を食べると忘れっぽくなるという俗説から〕
おろかな人。
(3)家紋の一。茗荷の花芽や花を図案化したもの。

蘚帽

せんぼう [0] 【蘚帽】
コケ植物のうち蘚類の胞子嚢である蒴(サク)を保護する帽子状の組織。

蘚苔

せんたい【蘚苔】
(a) moss.→英和

蘚苔

せんたい [0] 【蘚苔】
こけ。

蘚苔植物

せんたいしょくぶつ [6] 【蘚苔植物】
⇒苔植物(コケシヨクブツ)

蘚蓋

せんがい [0] 【蘚蓋】
蘚類の胞子嚢(ノウ)である蒴(サク)の頂部をおおっているふた状の器官。胞子が成熟すると脱落し,胞子を放散させる。

蘚類

せんるい [1] 【蘚類】
コケ植物のうち,茎が発達しているもの。造卵器を茎頂または枝の先端に生じるが,受精後はその基部が著しく伸長して蒴柄(サクヘイ)となり上部に蒴がつく。蒴は熟すと先端にある蓋(フタ)がとれて胞子がこぼれる。林下・池沼辺の湿地によく繁殖する。代表種はスギゴケ・ミズゴケ・クロゴケ・マゴケ・ヒカリゴケなど。

蘚類

せんるい【蘚類】
mosses.

蘞い

えぐ・い ヱグイ [2] 【蘞い・刳い・醶い】 (形)[文]ク ゑぐ・し
(1)あくが強くてのどを刺激するような味や感じがする。えがらっぽい。えごい。「十分に熟していないので―・い」
(2)気が強い。また,思いやりがない。「根つからよめりせずに立て歩く―・い代物さ/洒落本・列仙伝」
[派生] ――さ(名)

蘞い

えご・い ヱゴイ [2] 【蘞い】 (形)[文]ク ゑご・し
「えぐい」に同じ。「芋の親嫁には―・くあたるなり/雑俳・末摘花」

蘞し

えご・し ヱゴシ 【蘞し】 (形ク)
⇒えごい

蘞し

えぐ・し ヱグシ 【蘞し・刳し】 (形ク)
⇒えぐい

蘞味

えぐみ ヱグ― [3] 【蘞味・刳味】
あくが強くて,舌やのどがひりひりとするような感じや味。

蘞芋

えぐいも ヱグ― [0] 【蘞芋】
サトイモの一品種。えぐ味が強い。貯蔵性に富み,春,もやしにして葉柄を食用とする。

蘞辛い

えがら・い ヱ― [3] 【蘞辛い】 (形)[文]ク ゑがら・し
〔「えぐい」と「辛い」が混交して生じた語〕
「えがらっぽい」に同じ。「―・いタバコ」

蘞辛っぽい

えがらっぽ・い ヱガラツ― [5] 【蘞辛っぽい】 (形)
食物などがのどをひどく刺激するようだ。いがらっぽい。えがらい。「風邪をひいてのどが―・い」
[派生] ――さ(名)

蘞辛っぽい

いがらっぽ・い [5] 【蘞辛っぽい】 (形)
のどが刺激される感じである。えぐい。えがらっぽい。「煙でのどが―・い」
〔「えがらい」から転じた語〕
[派生] ――さ(名)

蘡薁

えびづる [0] 【蘡薁・蝦蔓】
ブドウ科のつる性落葉低木。山野に自生。ヤマブドウに似るが,茎・葉・実ともに小形。雌雄異株。実は食用,秋の紅葉も美しい。葉裏の褐色毛は艾(モグサ)の代用になる。[季]秋。

蘡薁虫

えびづるむし [4] 【葡萄蔓虫・蘡薁虫】
ブドウスカシバの幼虫。ブドウやエビヅルの茎に食い入る害虫。体長約4センチメートル。釣りや小鳥の餌(エサ)にする。

蘩蔞

はこべ [0] 【繁縷・蘩蔞】
ナデシコ科の越年草。日当たりのよい草地・畑などに多い。茎の下部は地をはい,よく分枝する。葉は対生し,卵円形。春,枝のつけ根に白色のごく小さな五弁花をつける。小鳥の餌(エサ)とする。春の七草の一。ハコベラ。アサシラゲ。[季]春。
繁縷[図]

らん【蘭】
《植》an orchid.→英和

らん [1] 【蘭】
(1)ラン科植物の総称。熱帯産で色の鮮明なカトレア・胡蝶蘭などの洋蘭と,温帯産で帯緑色系の花をつける春蘭・寒蘭などの東洋蘭がある。花冠は独特な形をし美しい種が多数あり,観賞植物として珍重される。[季]秋。
→蘭科
(2)フジバカマの古名。らに。「―の花の,いとおもしろきを/源氏(藤袴)」
(3)家紋の一。蘭の花や葉を図案化したもの。三つ蘭丸・向かい蘭菱・蘭の枝など。
(4)「和蘭(オランダ)」の略。
蘭(1)[図]

あららぎ [0] 【蘭】
(1)植物イチイの別名。
(2)植物ノビルの古名。「其の―一茎(ヒトモト)/日本書紀(允恭訓)」

蘭交

らんこう [0] 【蘭交】
親友どうしの交わり。その美しさを蘭の芳香にたとえていったもの。蘭契。

蘭亭

らんてい 【蘭亭】
中国,浙江省紹興県の西南,蘭渚にあった亭。

蘭亭の会

らんていのかい 【蘭亭の会】
晋(シン)の穆帝の永和九年(353),王羲之・謝安ら四一人が蘭亭に会し,詩を賦した会。

蘭亭叙

らんていのじょ 【蘭亭序・蘭亭叙】
晋の王羲之が蘭亭の会で成った詩集に書いた序文。行書の手本とされる。唐の太宗が愛したため,原本は太宗とともに埋葬されたという。欧陽詢(オウヨウジユン)・褚遂良(チヨスイリヨウ)などによる模本が伝わる。

蘭亭序

らんていのじょ 【蘭亭序・蘭亭叙】
晋の王羲之が蘭亭の会で成った詩集に書いた序文。行書の手本とされる。唐の太宗が愛したため,原本は太宗とともに埋葬されたという。欧陽詢(オウヨウジユン)・褚遂良(チヨスイリヨウ)などによる模本が伝わる。

蘭医

らんい [1] 【蘭医】
オランダ医学を修めた医者。蘭方医。

蘭印

らんいん 【蘭印】
「蘭領印度(ランリヨウインド)」の略。

蘭塔

らんとう [0] 【卵塔・蘭塔】
禅僧の墓標などに用いられる,台座の上に卵形の塔身がのせられた墓石。無縫塔。
卵塔[図]

蘭契

らんけい [0] 【蘭契】
「蘭交」に同じ。

蘭奢待

らんじゃたい 【蘭奢待】
正倉院宝物の黄熟香(オウジユクコウ)。聖武天皇の代に中国から伝わったという名香。蘭奢待の文字の中に「東大寺」の三字を含むというが命名の事情は不明。長さ約1.5メートル,重さ約13キログラム。足利義政・織田信長・徳川家康が勅許を得て切り取ったといわれる。

蘭学

らんがく [0] 【蘭学】
江戸中期以後,オランダ語により西洋の学術・文化を研究する学問の総称。幕府の鎖国政策により開国までの間,西洋知識導入の唯一の窓口となり,青木昆陽・杉田玄白・前野良沢・大槻玄沢ら多数の蘭学者が輩出,医学・数学・兵学・天文学・暦学などの諸分野にわたった。

蘭学

らんがく【蘭学】
Dutch learning.蘭学者 a Dutch scholar.

蘭学事始

らんがくことはじめ 【蘭学事始】
江戸後期に書かれた,蘭学に関しての回想録。二巻。杉田玄白著,大槻玄沢補訂。1815年成立。69年(明治2)刊。蘭学の沿革を述べ,「解体新書」翻訳の苦心談を通して,日本の蘭学の濫觴(ランシヨウ)期からの回想を述べる。和蘭(オランダ)事始。蘭東(ラントウ)事始。

蘭学者

らんがくしゃ [3][4] 【蘭学者】
蘭学を修めた人。

蘭学階梯

らんがくかいてい 【蘭学階梯】
江戸中期の蘭学入門書。二巻。大槻玄沢著。1783年成立。88年刊。蘭学研究の意義・歴史,オランダ語の文字・発音・文法などの初歩について説いたもの。

蘭州

らんしゅう ランシウ 【蘭州】
中国,甘粛(カンシユク)省の省都。黄河上流南岸に位置し,古来,新疆(シンキヨウ)・チベットへの交通の要衝。鉄鋼・機械・石油化学などの工業が発達。ランチョウ。

蘭帳

らんちょう [0] 【蘭帳】
かんばしいとばり。貴人・美人などの寝室のとばりにいう。

蘭平物狂

らんぺいものぐるい ランペイモノグルヒ 【蘭平物狂】
浄瑠璃「倭仮名(ヤマトガナ)在原系図」の四段目。刀を見ると奇病を発する奴(ヤツコ)蘭平の大立ち回りが見どころ。

蘭文

らんぶん [0] 【蘭文】
オランダ語で書いた文章。

蘭方

らんぽう [0] 【蘭方】
江戸時代にオランダから伝来した西洋医術。蘭法。「―医」

蘭曲

らんぎょく [0] 【闌曲・蘭曲・乱曲】
能で,「闌(タケ)たる位(クライ)」という最高の芸境に達してはじめて謡える曲。五音(ゴオン){(2)}の最高位の曲。現行の各流の闌曲はすべて独吟であり,廃曲の一部分(特にクセを中心とする部分)が残ったものが多い。金春流・喜多流では曲舞(クセマイ)とも呼ぶ。

蘭書

らんしょ [1] 【蘭書】
オランダ語の書物。

蘭月

らんげつ [1] 【蘭月】
陰暦七月の異名。

蘭東事始

らんとうことはじめ 【蘭東事始】
⇒蘭学事始(ランガクコトハジメ)

蘭渓道隆

らんけいどうりゅう 【蘭渓道隆】
(1213-1278) 鎌倉中期の臨済宗の僧。宋の人。道隆は諱(イミナ)。諡(オクリナ)は大覚禅師。1246年来日,北条時頼の帰依をうけて鎌倉の建長寺開山となった。その法流を大覚派という。書をよくした。

蘭湯

らんとう [0] 【蘭湯】
蘭の葉を入れてわかした風呂。邪気を払うという。中国起源で,日本でも古くから端午の節句に行われた。のちの菖蒲(シヨウブ)湯のはじまりといわれる。

蘭灯

らんとう [0] 【蘭灯】
美しい灯籠。美しいともしび。

蘭画

らんが [0] 【蘭画】
〔オランダ人が伝えたところから〕
西洋画。油絵。

蘭省

らんせい [1][0] 【蘭省】
⇒らんしょう(蘭省)

蘭省

らんしょう [1][0] 【蘭省】
〔「らんせい」とも〕
(1)中国の尚書省の異名。
(2)太政官の唐名。
(3)皇后の宮殿。「打ち続きたる哀傷,―露深く,柳営烟(ケムリ)暗くして/太平記 33」

蘭科

らんか [0] 【蘭科】
単子葉植物の一科。最も分化の進んだ大きな一群で,熱帯を中心に約七〇〇属一万七千〜二万五千種がある。着生または地上生の多年草。六花被片のうち,五個がほぼ同形・同色,下側の一個は唇弁といい,大きく発達して,ときに数個の裂片に分かれるなど,特異な形態と色を示す。果実は蒴果。

蘭竹

らんちく [1] 【蘭竹】
東洋画の画題。蘭と竹を配したもの。蘭は高節の士,竹は君子にたとえられ,文人画に多い。

蘭芷

らんし [1] 【蘭芷】
ランとヨロイグサ。ともに香草。転じて,賢人や美人のたとえ。

蘭蕙

らんけい [0] 【蘭蕙】
蘭と蕙。ともに香り高い草の名。賢人君子にたとえる。

蘭虫

らんちゅう [0][3] ―チウ 【蘭鋳】 ・ ―チユウ 【蘭虫】
金魚の品種の一。体は球状に肥満し,背びれがなく,四つ尾で,黄金色をしている。頭部にこぶを生じる。観賞魚。丸子(マルコ)。

蘭蝶

らんちょう ランテフ 【蘭蝶】
新内節の一。本名題「若木仇名草(ワカギノアダナグサ)」。初世鶴賀若狭掾作詞作曲。太鼓持ち蘭蝶と遊女此糸(コノイト)との交情と心中を扱ったもので,幕末の退廃味が色濃く出た新内節の代表曲。

蘭訳

らんやく [0] 【蘭訳】
オランダ語に訳すこと。「―書」

蘭語

らんご [0] 【蘭語】
オランダ語。

蘭通詞

らんつうじ [3] 【蘭通詞】
⇒オランダ通詞(ツウジ)

蘭鋳

らんちゅう [0][3] ―チウ 【蘭鋳】 ・ ―チユウ 【蘭虫】
金魚の品種の一。体は球状に肥満し,背びれがなく,四つ尾で,黄金色をしている。頭部にこぶを生じる。観賞魚。丸子(マルコ)。

蘭陵

らんりょう 【蘭陵】
中国漢代,現在の山東省棗庄(ソウシヨウ)付近に置かれた県。戦国時代,楚の邑(ユウ)。

蘭陵王

らりょうおう ラリヨウワウ 【蘭陵王・羅竜王・羅陵王】
⇒陵王(リヨウオウ)

蘭陵王

らんりょうおう 【蘭陵王】
⇒りょうおう(陵王)

蘭領

らんりょう 【蘭領】
オランダの領土。

蘭領インド

らんりょうインド 【蘭領―】
第二次大戦前,マレー諸島・ニューギニア島西半分にあったオランダの領有地の総称。現在のインドネシアに相当する。蘭領東印度。蘭印。

蘭麝

らんじゃ [1] 【蘭麝】
蘭と麝香(ジヤコウ)の香り。よい香りのこと。

かげ 【蘿】
ヒカゲノカズラの古名。「得がたき―を置きや枯らさむ/万葉 3573」

蘿蔔

すずしろ [0] 【蘿蔔・清白】
ダイコンの異名。春の七草の一。

蘿蔔

らふく [0] 【蘿蔔】
ダイコンの漢名。

蘿蔔草

すずしろそう [0] 【蘿蔔草】
アブラナ科の多年草。暖地の山地に自生。茎は高さ約15センチメートル。根葉は叢生(ソウセイ)し,長楕円形。四,五月,頂にダイコンの花に似た白色四弁花を総状につける。

蘿藦

ががいも [0] 【蘿藦】
ガガイモ科のつる性多年草。山野に自生。長さ2メートル内外。葉は長心臓形。夏,葉腋に淡紫色の小花を総状につける。花後,袋果を結び,一端に絹毛のある種子を入れる。この毛を綿の代用とし,種子は漢方で強壮剤にする。漢名蘿藦(ラマ)。ゴガミ。クサパンヤ。
蘿藦[図]

蘿藦

らま [1] 【蘿藦】
植物ガガイモの漢名。

蘿藦

かがみ 【蘿藦】
ガガイモの古名。[和名抄]

蘿藦科

ががいもか [0] 【蘿藦科】
双子葉植物合弁花類の一科。世界に約二〇〇属二〇〇〇種がある。多くはつる性で,単葉を対生または輪生。茎葉を切ると白汁が出る。花は放射相称で両性。花冠は五裂し,雌雄蕊(ズイ)は合生して蕊柱を作り,花粉は塊状となる。果実は袋果で,種子の一端に長毛のあることが多い。ガガイモ・イケマ・トウワタなど。

虁鳳文

きほうもん [2][0] 【虁鳳文】
古代中国で主に殷周(インシユウ)時代の青銅器に用いられた文様。細長い怪獣の側面形で,角(ツノ),大きな目,くちばしがある。虁文。

虁鳳鏡

きほうきょう [0] 【虁鳳鏡】
中国で,後漢代から魏代にかけて用いられた鏡。背面は鈕(チユウ)のまわりに相向かう一対の鳳凰(ホウオウ)を四組配する。日本の古墳時代前期の遺跡からも出土する。鳳鏡。

とら【虎】
a tiger;→英和
a tigress (めす).→英和
〜になる get dead drunk (酔って).

とら [0] 【虎】
(1)ネコ科の哺乳類。北方に産するものは大きく,体長2.8メートルに達するものがある。胴が長く足が短い。体は赤茶ないし黄褐色で,胴には黒色の横縞(ヨコジマ)がある。森林や深い茂みに単独ですみ,主に夜活動して鳥獣を捕食する。インド・東南アジアから朝鮮・シベリアまで分布。
(2)俗に,酔っ払いのこと。

虎が涙

とらがなみだ 【虎が涙】
「虎が雨」に同じ。

虎が石

とらがいし [3] 【虎が石】
神奈川県大磯にある石。曾我十郎の妾(シヨウ)であった遊女虎御前が化したもので,美男でなくては持ち上げられないと伝えられる。

虎が雨

とらがあめ [4] 【虎が雨】
陰暦五月二八日に降る雨。この日は曾我十郎の忌日で,妾(シヨウ)であった遊女虎御前の涙が雨となって降るという。曾我の雨。虎が涙。[季]夏。《ひとたびの虹のあとより―/阿波野青畝》

虎の口

とらのくち 【虎の口】
〔「虎口(ココウ)」の訓読み〕
非常に危険な場所や場合のたとえ。「大塔の尊雲法親王ばかりは,―をのがれたる御さまにて/増鏡(久米のさら山)」

虎の子

とらのこ [0] 【虎の子】
〔虎は子供を非常にかわいがるというところから〕
大切にして手元から離さないもの。秘蔵の金品。「―の貯金」

虎の子

とらのこ【虎の子】
a tiger cub (動物);one's precious savings (貯金).〜のように大切にする treasure.→英和

虎の子渡し

とらのこわたし [5] 【虎の子渡し】
〔宋の周密撰「癸辛雑識(続集下)」による。虎が三匹の子を生むと,一匹が彪(ヒヨウ)で他の子を食おうとするので,川を渡るときに親はまず彪を対岸に渡し,次いで他の一匹を渡してから彪を連れ帰り,次に残る一匹を渡し,最後に彪を渡したという故事から〕
(1)苦しい生計のやりくり。「其蔵なから質に置き,―にはし給へども/浮世草子・置土産 4」
(2)虎が三匹の子を連れて川を渡るさまをかたどった庭石。京都竜安寺のものが有名。
(3)次々に手渡すこと。リレー式に順ぐりに渡すこと。

虎の尾

とらのお [3] 【虎の尾】
(1)オカトラノオの別名。[季]夏。
(2)ヤブソテツの別名。

虎の尾羊歯

とらのおしだ [5] 【虎の尾羊歯】
チャセンシダ科の常緑性シダ植物。路傍や山野に自生。葉は短い根茎上に多数根生し,長さ25センチメートル内外の倒披針形で羽状に分裂。胞子嚢(ホウシノウ)群は線状の包膜に包まれる。

虎の巻

とらのまき [0][5] 【虎の巻】
〔中国の兵法書「六韜(リクトウ)」の虎韜の巻から出た語〕
(1)兵法の秘伝が記してある書物。「兵法の―を授かる」
(2)秘訣などを記してあるもの。「百人一首に上達するための―」
(3)教科書に従って解説・注釈した参考書。あんちょこ。とらかん。「英語の―」

虎の巻

とらのまき【虎の巻】
a key[crib] <to> ;→英和
<米> a pony.→英和

虎の皮

とらのかわ [5] 【虎の皮】
虎の毛皮。刀・槍の鞘(サヤ)や敷物として珍重された。

虎の頭

とらのかしら 【虎の頭】
虎の頭部に似せた作り物。昔,貴人の家でその影を映した湯で産湯(ウブユ)を使わせると邪気を払い,嬰児(エイジ)は生涯無病であるとされた。「―宮の内侍とりて御さきにまゐる/紫式部日記」

虎ノ門

とらのもん 【虎ノ門】
東京都港区にある地名。会社などの集中地区。もと江戸城外郭門である虎ノ門があった。

虎ノ門事件

とらのもんじけん 【虎ノ門事件】
1923年(大正12)12月27日摂政宮裕仁親王が帝国議会開院式に向かう途中,虎ノ門付近で無政府主義者難波(ナンバ)大助に狙撃された事件。山本権兵衛内閣は引責総辞職。難波はその場で逮捕,翌年処刑された。

虎児

こじ [1] 【虎児】
虎の子。また,手に入れにくく,非常に貴重なもののたとえ。「虎穴に入らずんば―を得ず」

虎冠

とらかんむり [3] 【虎冠】
漢字の冠の一。「虚」「虜」などの「虍」の部分。とらがしら。

虎刈

とらがり [0] 【虎刈(り)】
刈り方が下手なために,頭髪などの刈りあとがふぞろいで虎の毛のようにまだらになっていること。「―の頭」

虎刈り

とらがり【虎刈り】
unevenly cropped hair.

虎刈り

とらがり [0] 【虎刈(り)】
刈り方が下手なために,頭髪などの刈りあとがふぞろいで虎の毛のようにまだらになっていること。「―の頭」

虎刺

ありどおし [0] 【虎刺・蟻通】
アカネ科の常緑小低木。中部以西の山地に自生。高さ約60センチメートルで,葉は小卵円形。多くの小枝を分かち,葉腋に鋭い長いとげをもつ。初夏,花冠が四裂する白色漏斗状の花をつける。

虎口

こぐち [0][1] 【虎口・小口】
(1)城郭・陣営の要所にある出入り口。桝形(マスガタ)の仕切りをもち,その中を曲折して出入りする。「―に立つてぞ待ちかけたる/謡曲・烏帽子折」
(2)きわめて危険なこと。また,危険な戦い。ここう。[日葡]

虎口

ここう [0] 【虎口】
〔虎(トラ)の口の意から〕
きわめて危険な場所や状態。

虎口の難

ここうのなん 【虎口の難】
きわめて危険な難儀。「―を遁(ノガ)れて/太平記 16」

虎口をのがれる

ここう【虎口をのがれる】
escape from the jaws of death;get out of danger.

虎嘯

こしょう [0] 【虎嘯】 (名)スル
(1)虎(トラ)がほえること。
(2)英雄が世に出て活躍すること。

虎威

こい [1] 【虎威】
虎(トラ)が他の獣を恐れさせる威力。権勢の力。「―を張る」

虎子

こし [1] 【虎子】
(1)虎の子。虎児。
(2)便器。おまる。

虎子

まる [0] 【虎子】
〔動詞「まる(放)」から〕
持ち運びのできる便器。おまる。おかわ。

虎屋

とらや 【虎屋】
(1)京都市上京区の菓子屋。饅頭(マンジユウ)で有名。明治期,本店を東京に移したが,今の赤坂の虎屋黒川がそれである。
(2)近世,大坂高麗橋三丁目にあった菓子屋。虎屋大和大掾藤原伊織と称し,饅頭を売り物にした。
(3)江戸日本橋和泉町にあった有名な饅頭屋。

虎屋源太夫

とらやげんだゆう 【虎屋源太夫】
江戸前期の浄瑠璃太夫。薩摩浄雲の門弟。初め江戸で興行,寛文(1661-1673)の頃,京に上り,四条河原で人形操座を興した。門人に虎屋喜太夫(上総少掾)・虎屋永閑がいる。生没年未詳。

虎御前

とらごぜん 【虎御前】
鎌倉時代初期,相模国大磯の遊女であったと伝えられる女性。「曾我物語」に曾我十郎祐成の妾(シヨウ)として登場する。曾我兄弟の死後出家し,諸国を巡って菩提(ボダイ)を弔ったという。

虎徹

こてつ 【虎徹】
(?-1677?) 江戸初期の江戸の刀工。近江国長曾禰村の人。甲冑師であったが,五〇歳前後で刀匠に転じ江戸に移住。切れ味の妙をもって一世を風靡。また,刀身の彫り物にも長じ,新刀最盛期の第一人者と称される。刀銘「長曾禰興里入道虎徹」ほか。

虎拳

とらけん [0] 【虎拳】
酒席での拳遊戯の一種。杖をつく姿を母親,強そうににらむ姿を和藤内(ワトウナイ),這(ハ)って出る姿を虎とし,母は和藤内に,和藤内は虎に,虎は母に勝つとするもの。

虎挟み

とらばさみ [3] 【虎挟み】
獣類を捕獲する用具。獣類の通り道に設置し,これを踏むと留めがねがはずれて足や頭部を挟むようになっている装置。

虎斑

とらふ [0] 【虎斑】
虎の背の毛のようにまだらのある毛色。とらげ。

虎斑

こはん [0] 【虎斑】
虎の横縞(ヨコジマ)のような模様。黄褐色の地に黒い縞のあるもの。とらふ。とらまだら。

虎斑木菟

とらふずく [3] 【虎斑木菟】
フクロウ目フクロウ科の鳥。全長38センチメートル内外。ミミズクの一種で,耳状の羽毛は比較的長い。全身黄褐色で,黒褐色の縦斑がある。主として夜間に活動し,小動物を捕食する。日本では本州以北の繁殖は局地的で,冬は暖地に移る。

虎斑石

とらふいし [3] 【虎斑石】
兵庫県豊岡市に産した流紋岩の石材名。虎皮のような黄色の斑状模様が見られる。古墳の築造などに用いられた。陰石(カゲイシ)。

虎杖

いたどり [0][2] 【虎杖】
タデ科の多年草。山野に自生。高さ約1.5メートル。葉は卵状楕円形。晩夏,白色の小花多数を穂状につける。春出る若芽は酸味があって食用となる。花が紅色のものは明月草と呼ぶ。根は漢方で緩下・利尿・通経剤とする。[季]春。《―を銜(クワ)へて沙弥や墓掃除/川端茅舎》
〔「虎杖の花」は [季]夏。《―の花をこぼして雨強し/佐藤漾人》〕

虎榜

こぼう [0] 【虎榜】
〔「竜虎榜」の略〕
科挙に及第した者の名を記した札。「若くして名を―に連ね/山月記(敦)」

虎毛

とらげ [0] 【虎毛】
「虎斑(トラフ)」に同じ。

虎沢

とらざわ トラザハ 【虎沢】
姓氏の一。

虎沢検校

とらざわけんぎょう トラザハケンゲウ 【虎沢検校】
(?-1654) 文禄・慶長期(1592-1615)の三味線の名手。石村検校を師とし,三味線組歌の作曲者の一人と伝えられる。門下に柳川検校・沢崎検校がいる。

虎河豚

とらふぐ [0] 【虎河豚】
フグ目の海魚。全長約70センチメートル。体形は丸みを帯びて肥大し,典型的なフグ型を示す。背面と腹面に小棘がある。背側は青黒色,腹側は白色。胸びれの後方に白輪に囲まれた一個の大きな黒紋がある。卵巣と肝臓には強毒があるが,肉や精巣は美味でフグ料理に用いる。また,フグ提灯を作る。北海道以南に分布。ホンフグ。モンフグ。
→ふぐ

虎海老

とらえび [2][0] 【虎海老】
海産のエビ。体長10センチメートル内外。淡紅紫色で,紫赤色の斑紋をもつ。食用。瀬戸内海・伊勢湾・有明海などの浅海の砂底にすむ。

虎渓

こけい 【虎渓】
中国,江西省北部の廬山(ロザン)にある谷川。

虎渓三笑

こけいさんしょう [1][1][1] 【虎渓三笑】
東洋画の画題。晋の慧遠(エオン)法師が,廬山の東林寺で行を積んでいて虎渓を渡るまいと誓ったが,訪ねてきた陸修静・陶淵明を送り,話に夢中になって虎渓を渡ってしまったのに気づき,三人ともに大いに笑ったというもの。三笑。

虎牙

こが [1] 【虎牙】
(1)虎の牙(キバ)。
(2)将軍の異名。また,近衛府の異名。「職―に列せり/和漢朗詠(雑)」

虎狩

とらがり [0] 【虎狩(り)】
虎をつかまえるための狩猟。

虎狩り

とらがり [0] 【虎狩(り)】
虎をつかまえるための狩猟。

虎狼

ころう [0] 【虎狼】
(1)トラとオオカミ。
(2)貪欲で残忍な人のたとえ。「―の心」

虎猫

とらねこ [0] 【虎猫】
虎斑(トラフ)の毛色の猫。

虎猫

とらねこ【虎猫】
a tabby (cat).→英和

虎疫

こえき [1] 【虎疫】
〔「虎」は虎列剌(コレラ)の頭字〕
コレラ。

虎皮下

こひか [1] 【虎皮下】
〔虎の皮の敷物のもとの意〕
手紙で,多く学者・軍人などへの宛名の脇付(ワキヅケ)に用いる言葉。

虎眼石

とらめいし [3] 【虎眼石】
青い石綿の繊維が層状に混入している石英。黄褐色の光沢があり,磨くと虎の目のように輝く。飾り石にする。タイガー-アイ。とらのめいし。こがんせき。

虎眼石

こがんせき [2] 【虎眼石】
⇒とらめいし(虎眼石)

虎穴

こけつ [0] 【虎穴】
〔虎(トラ)の棲(ス)んでいる穴の意から〕
危険な場所や危険な状態。

虎穴に入らずんば虎児を得ず

こけつ【虎穴に入らずんば虎児を得ず】
Nothing venture,nothing win.

虎符

こふ [1] 【虎符】
古代中国で,徴兵する際,その印として用いられた,虎の形の銅製の割符(ワリフ)。

虎耳草

こじそう [0] 【虎耳草】
ユキノシタの漢名。

虎落

もがり 【強請・虎落】
〔動詞「もがる」の連用形から〕
言いがかり。かたり。ゆすり。「半七が目にはそなたを人売りと見た,―と見た/浄瑠璃・長町女腹切(中)」

虎落

もがり [0][3] 【虎落】
(1)竹を筋かいに組み合わせて縄で縛った柵(サク)や垣根。「牛若なのめに思し召し,―の内へ尋ね入り/幸若・烏帽子折」
(2)枝のついた竹を立て並べ,物を掛けて干すのに使うもの。もがり竿。「門の戸あくれば徳兵衛―の蔭に隠れしを/浄瑠璃・重井筒(上)」
〔中国で,「虎落」は割竹を連ねて作った竹矢来の意。その用字を当てたもので,「もがり」の語源は未詳〕

虎落る

もが・る 【強請る・虎落る】 (動ラ四)
(1)反対する。さからう。「これお寮さま,この上外へ談合あらば,必ずそこは―・るぞえ/浄瑠璃・下関猫魔達」
(2)言いがかりをつけて金品をゆする。「七十になる浄閑が,―・られたといふ外聞悪さ/浄瑠璃・寿の門松」

虎落竹

もがりたけ [3] 【虎落竹】
もがりに用いる竹。

虎落笛

もがりぶえ [4] 【虎落笛】
冬の強い風が柵(サク)や竹垣・電線などに吹きつけて発する笛のような音。[季]冬。《―眠に落ちる子供かな/虚子》

虎蛾

とらが [0] 【虎蛾】
トラガ科のガ。開張約55ミリメートル。前ばねは黒色の地に黄白色の斑紋があり,後ろばねは橙色と黒のまだら。六,七月に成虫が見られ,昼間花に集まる。日本各地と朝鮮半島・中国に分布。

虎視

こし [1] 【虎視】
(1)虎のように鋭い目で見回すこと。
(2)機会をねらって,形勢をうかがうこと。
→虎視眈眈(コシタンタン)

虎視眈眈

こしたんたん [1] 【虎視眈眈】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔易経(頤卦)〕
虎が獲物をねらって鋭い目でじっと見下ろすように,強者が機会をねらって形勢をうかがっているさま。「―と王の座をねらっている」

虎視耽々として

こし【虎視耽々(たんたん)として】
vigilantly.→英和

虎門寨追加条約

こもんさいついかじょうやく 【虎門寨追加条約】
1843年,英・清間で調印された南京条約の追加条約。領事裁判権・輸出入税率・通商章程・最恵国待遇条款などが規定された。虎門寨は,広州の珠江河口の要塞。

虎関師錬

こかんしれん コクワン― 【虎関師錬】
(1278-1346) 南北朝時代の臨済宗の僧。京都の人。虎関は号,師錬は諱(イミナ)。一山一寧(イツサンイチネイ)らに学び,東福寺・南禅寺などの住持となる。五山文学の先駆者。著「元亨(ゲンコウ)釈書」「済北集」など。

虎頭

とらがしら [3] 【虎頭】
「虎冠(トラカンムリ)」に同じ。

虎骨酒

ここつしゅ [3] 【虎骨酒】
蒸留酒にトラの骨のほか約一四〇種の生薬をつけた,中国の薬用酒。アルコール分60パーセント。北京産が有名。

虎髯

こぜん [0] 【虎髯】
(1)虎(トラ)のひげ。
(2)豪傑などの生やす,いかめしいひげ。とらひげ。

虎鬚

こしゅ [1] 【虎鬚】
虎のひげ。

虎鬚

とらひげ [0] 【虎鬚】
虎のひげのように,かたくて突っ張ったひげ。

虎魚

おこぜ ヲコゼ [2] 【鰧・虎魚】
カサゴ目の海魚のうちオコゼ類の総称。全長8〜25センチメートル。ハオコゼ・ダルマオコゼなどがいる。特に食用となるオニオコゼをさすことが多い。いずれも頭部がでこぼこで醜く,背びれのとげに毒腺をもつものが多く,刺されると激しく痛む。山の神の供物にするなど,山の神と関係のある伝承が多い。本州中部以南の海底に分布。夏が旬(シユン)。[季]夏。

虎鱓

とらうつぼ [3] 【虎鱓】
ウナギ目の海魚。全長90センチメートルに達する。成魚は暗褐色の地に不規則な暗色の斑状横帯と白色斑がある。後鼻管が著しく長く,口が完全に閉じられない。貪食で,小魚やタコを捕食する。魚皮をなめし革にして利用する。本州中部以南の岩礁域に分布。

虎鱚

とらぎす [0] 【虎鱚】
(1)スズキ目トラギス科の海魚の総称。全長20センチメートルどまり。体形がハゼに似たものが多い。温・熱帯に広く分布。日本近海に約二〇種がいる。
(2){(1)}の一種。全長約18センチメートル。体は赤褐色で,頭部に濃青色の数本の横縞があり,体側には六本の暗褐色の横帯と青色の広い縦帯が走る。食用。本州中部以南の砂泥底に分布。トラハゼ。オキハゼ。

虎鶫

とらつぐみ [3] 【虎鶫】
スズメ目ツグミ科の鳥。体長約30センチメートル。ツグミより大形。背面は暗緑黄色,下面は黄白色で,全体に黒斑がある。夏期に本州以北の落葉樹林で繁殖,冬期は暖地へ移る。夜間ヒョーヒョーと細い声で鳴くので,昔からヌエと呼ばれて気味悪がられた。ヌエシナイ。ヌエドリ。

虐ぐ

せた・ぐ 【虐ぐ】 (動ガ下二)
⇒せたげる

虐ぐ

しえた・ぐ シヘタグ 【虐ぐ】 (動ガ下二)
〔「しひたぐ」の古形。上代は「しへたく」と清音か。「しへだく」とも〕
(1)むごい扱いをして苦しめる。虐待する。「鬼神をやつことして召使ひ人民を―・ぐる由を/保元(下・古活字本)」
(2)征服する。征伐する。「御方(ミカタ)追ひ落とされて敵を―・ぐるに及ばず/平家 12」
(3)無実の罪におとし入れる。[名義抄]

虐ぐ

しいた・ぐ シヒタグ 【虐ぐ】 (動ガ下二)
⇒しいたげる

虐げる

しいたげる【虐げる】
oppress;→英和
tyrannize <over> ;→英和
treat with tyranny.

虐げる

しいた・げる シヒタゲル [4] 【虐げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 しひた・ぐ
〔「しへたぐ」の転〕
むごい扱いをして苦しめる。虐待(ギヤクタイ)する。「領民を―・げる」「動物を―・げる」

虐げる

せた・げる 【虐げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 せた・ぐ
〔中世・近世語〕
(1)ひどい目にあわせる。「万人を悩まし兆民を―・げ/太閤記」
(2)催促する。せきたてる。せっつく。「さあとく��と―・ぐれば/洒落本・大抵御覧」

虐する

ぎゃく・する [3] 【虐する】 (動サ変)[文]サ変 ぎやく・す
人・動物などをむごく取り扱う。虐待する。「奸党を助けて民を―・する村長/経国美談(竜渓)」

虐める

いじ・める イヂメル [0] 【苛める・虐める】 (動マ下一)
(1)弱いものを苦しめる。さいなむ。「動物を―・めるな」「級友に―・められる」
(2)ことさらきびしい扱いをする。「シーズン前に体を―・めておく」
(3)いじる。「紙巻莨(シガレツト)ばかりを―・めて居る/はやり唄(天外)」

虐使

ぎゃくし [1][0] 【虐使】 (名)スル
むごくこき使うこと。酷使。「奴隷にひとしく―されて/慨世士伝(逍遥)」

虐刑

ぎゃくけい [0] 【虐刑】
残虐な刑罰。

虐待

ぎゃくたい【虐待】
ill-treatment;mal-treatment.〜する ill-treat;treat cruelly.‖児童虐待 child abuse.動物虐待防止会 the Society for the Prevention of Cruelty to Animals <S.P.C.A.> .

虐待

ぎゃくたい [0] 【虐待】 (名)スル
むごい取り扱いをすること。「捕虜を―する」

虐政

ぎゃくせい [0] 【虐政】
人民を苦しめる政治。暴政。苛政(カセイ)。

虐殺

ぎゃくさつ [0] 【虐殺】 (名)スル
むごい方法で殺すこと。「一般市民を―する」

虐殺

ぎゃくさつ【虐殺(する)】
slaughter;→英和
massacre (多人数を).→英和
虐殺者 a murderer;→英和
a slaughterer.

虐遇

ぎゃくぐう [0] 【虐遇】 (名)スル
むごい取り扱いをすること。虐待。「嫉妬から女を―する/ヰタ・セクスアリス(鴎外)」

うろ [0] 【虚・空・洞】
内部が空(カラ)になっている所。空洞。「―のある大木」

から [2] 【空・虚】
〔「から(殻)」と同源〕
■一■ (名)
中に物が入っていないこと。うつろ。からっぽ。「―の財布」「家を―にして出かける」
■二■ (接頭)
名詞に付く。
(1)何も持っていない,何も伴っていない意を表す。「―手」「―身」
(2)形だけで実質が伴わない,見せかけだけで真実ではない意を表す。「―元気」「―いばり」「―手形」
(3)その動作が本来の目的を果たしていない意を表す。「―回り」「―振り」

むな 【空・虚】
名詞の上に付いて,「むなしい」「何もない」などの意を表す。「―言」「―頼み」「―車」

うつ 【空・虚】
名詞の上に付いて,複合語をつくり,空虚なこと,からっぽである意を表す。「―木」「―蝉」

きょ [1] 【虚】
(1)備えのないこと。油断。「相手の―につけこむ」
(2)うそ。いつわり。
⇔実(ジツ)
「実か―かいうて見や/浮世草子・禁短気」
(3)二十八宿の一。北方の星宿。虚宿。とみてぼし。

うつせ [0] 【虚】
「うつせがい」の略。「いづれの底の―にまじりけむ/源氏(蜻蛉)」

虚く

うつ・く 【空く・虚く】 (動カ下二)
⇒うつける

虚け

うつけ [0] 【空け・虚け】
(1)中がうつろなこと。から。
(2)(「躻」とも書く)ぼんやりしていること。うっかりしていること。また,そういう人。まぬけ。「この―め」

虚ける

うつ・ける [3] 【空ける・虚ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うつ・く
(1)魂が抜けたようになる。ぼんやりする。「―・けたように立ち尽くしていた」
(2)中がからになる。「たとへば鹿の角の如くして―・けたる国なり/日本書紀(神功訓)」

虚しい

むなし・い [3][0] 【空しい・虚しい】 (形)[文]シク むな・し
(1)形だけで中身がない。形式だけで実質が伴わない。うつろである。「人が去って―・くなった家」「―・い生活」
(2)何の役にも立たない。結果が何も残らない。「時間が―・く過ぎる」「―・い努力」「善戦―・く敗れる」
(3)確実でない。頼りにならない。はかない。「―・い夢」「世の中は―・しきものと知る時し/万葉 793」
(4)根拠がない。無実である。「―・しきことにて,人の御名や穢れむ/源氏(乙女)」
(5)魂や心が抜け去って体だけになっている。命がない。「有王―・しき姿に取つき/平家 3」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

虚す

きょ・す 【虚す】 (動サ変)
中身がなくなる。精力がなくなる。「脾胃(ヒイ)を労し心(シン)を傷(ヤブ)つて―・す/社会百面相(魯庵)」

虚ろ

うつろ [0] 【空ろ・虚ろ】 (名・形動)[文]ナリ
(1)(「洞」とも書く)中がからで何もない・こと(さま)。がらんどう。うろ。「根もとの方が―になっている」
(2)気力や生気を失い,ぼんやりしているさま。《虚》「―なひとみ」
(3)むなしいさま。空虚。「話も―に響いた」

虚を衝く

きょ【虚を衝(つ)く】
take <the enemy> unawares[by surprise].〜に乗じる catch <a person> napping.

虚事

そらごと [0][2] 【空事・虚事】
事実でない事柄。つくりごと。「絵―」

虚仮

こけ 【虚仮】
■一■ [2] (名)
(1)思慮・分別が浅いこと。愚かなこと。また,そのような人。「泣かれぬるといふ詞こそ余り―すぎていかにぞや聞え侍れ/無名抄」
(2)うそいつわり。仏教で,心の中は正しくないのに外見のみをとりつくろうこと。「―不実(フジチ)の我が身にて/正像末浄土和讃」
■二■ (接頭)
名詞などに付く。
(1)見せかけだけで中身のない意を表す。「―おどかし」
(2)むやみやたらにあることや,そのような状態であることをけなしていうのに用いる。「―いそぎ」「―惜しみ」

虚仮威し

こけおどし [0][3] 【虚仮威し】
底の見え透いたおどし。実質はないのに外見だけは立派に見えることにもいう。こけおどかし。「―で言うのではない」

虚仮威し

こけおどし【虚仮威し】
bluff;→英和
a claptrap.→英和
〜の showy;→英和
high-sounding.

虚仮虚仮

こけこけ 【虚仮虚仮】 (副)
いかにもばかげてみえるさま。「まんざら遊ぶも―として居るし/滑稽本・浮世風呂 4」

虚伝

きょでん [0] 【虚伝】
何の根拠もないうわさ。虚聞。

虚位

きょい [1] 【虚位】
実権を伴わない名目ばかりの地位。「天子は唯―を擁するのみ/文明論之概略(諭吉)」

虚偽

きょぎ【虚偽】
a lie;→英和
(a) falsehood.〜の false <statement> ;→英和
untrue.→英和

虚偽

きょぎ [1] 【虚偽】
(1)真実ではないと知りながら真実であるかのようにみせること。うそ。いつわり。こぎ。「―の申告をする」「―の証言」
(2)〔論〕
〔fallacy〕
⇒誤謬(ゴビユウ)

虚偽

こぎ 【虚偽】
〔「こ」は呉音〕
「きょぎ(虚偽)」に同じ。「言説念慮はこれ幻化―の夢中の妄想也/沙石(一〇・古活字本)」

虚偽表示

きょぎひょうじ [3] 【虚偽表示】
(1)〔法〕 相手方と通謀してなした真意でない意思表示。当事者間では無効であるが,善意の第三者に対してはその無効を主張できない。
(2)工業所有権がないのに,あるかのように虚偽の表示をすること。

虚像

きょぞう [0] 【虚像】
(1)物体から出た光線が凹レンズや鏡などにより発散させられた場合,実際に光線が交わるのではなく,発散した光線を逆向きに延長してできる像。
(2)ある人や物の本当の姿とは異なる,他によってつくられたイメージ。「マスコミがつくり上げた―」
⇔実像

虚像

きょぞう【虚像】
《理》a virtual image.

虚労

きょろう 【虚労】
病気などによる疲労または体力・気力の衰え。「又心気・腹痛・―等更に発る/庭訓往来」

虚勢

きょせい [0] 【虚勢】
実力を伴わない表面だけの勢い。からいばり。から元気。

虚勢を張る

きょせい【虚勢を張る】
bluff;→英和
put up a bold front.

虚口

すぐち 【素口・虚口】
何も食べていないこと。空腹。「―にては福楽無し/盛衰記 18」

虚名

きょめい【虚名】
an empty name; <seek> publicity.→英和

虚名

きょめい [0] 【虚名】
(1)実質を伴わない表面だけの名声。
(2)事実と異なった悪いうわさ。うそ。「先年色道の―によつて勅勘をかうぶり/浄瑠璃・用明天皇」

虚喝

きょかつ [0] 【虚喝】 (名)スル
虚勢を張っておどかすこと。からおどし。「外人の鼻息を窺ひ他邦の―を恐れ/佳人之奇遇(散士)」

虚器

きょき [1] 【虚器】
(1)実用に適しない名ばかりの器物。
(2)実権の伴わない名目だけの地位。虚位。

虚報

きょほう [0] 【虚報】
いつわりの知らせ。あやまった情報。

虚報

きょほう【虚報】
a false report.

虚士

きょし [1] 【虚士】
虚名の士。

虚声

きょせい [0] 【虚声】
事実に基づかないうわさ。

虚妄

きょぼう [0] 【虚妄】
「きょもう(虚妄)」に同じ。「全く―とのみ言ひ消すことが出来ませぬので/火の柱(尚江)」

虚妄

こもう [0] 【虚妄】
〔「こ」「もう」ともに呉音〕
(1)うそ。偽り。きょもう。「悲しび,楽しぶも皆―なれども/徒然 129」
(2)金品をごまかすこと。「金二百両投出し,さあ皆寄つて分けて取れ,全く―は致さぬぞ/浄瑠璃・末広十二段」

虚妄

きょもう [0] 【虚妄】
事実でないこと。うそ。いつわり。

虚威

きょい [1] 【虚威】
外見だけの威勢。からいばり。虚勢。

虚子

きょし 【虚子】
⇒高浜(タカハマ)虚子

虚字

きょじ [1][0] 【虚字】
漢字を,その意味・機能により分類した際の名。
(1)実質的な意味をもたず,文の組み立てを助ける字。いわゆる前置詞・後置詞・接続詞・助字・感動詞などに相当し,独立して用いられることが少ない。於・于・乎・者・也・矣・哉・則・焉などの類。
(2)〔江戸時代の漢学者皆川淇園らの説〕
実在の事物を表さない字。走・生・高・低など,主として動詞・形容詞・副詞などに用いる字。
→実字

虚実

きょじつ【虚実(を確かめる)】
(ascertain) the truth.→英和

虚実

きょじつ [1][0] 【虚実】
(1)虚と実。うそとまこと。「―とりまぜて話す」
(2)実体のあることとないこと。
(3)〔「虚虚実実」の略〕
いろいろな手段。手管(テクダ)。「―を尽くして争う」

虚実皮膜

きょじつひまく [1] 【虚実皮膜】
⇒きょじつひにく(虚実皮膜)

虚実皮膜

きょじつひにく [1] 【虚実皮膜】
〔穂積以貫が「難波土産(ナニワミヤゲ)」に近松門左衛門の芸術論として紹介している言葉に基づく〕
芸というものは実と虚との境の微妙なところにあるということ。事実と虚構の微妙な接点に芸術の真実があるとする論。きょじつひまく。

虚室

きょしつ [0] 【虚室】
(1)何もない部屋。人のいない部屋。あきべや。
(2)〔荘子(人間世)〕
わだかまりのない心。虚心。

虚宿

とみてぼし 【虚宿】
二十八宿の虚(キヨ)宿の和名。水瓶(ミズガメ)座のベータ星と小馬座のアルファ星に相当。

虚弱

きょじゃく [0] 【虚弱】 (名・形動)[文]ナリ
体が弱く病気になりやすい・こと(さま)。「―な体質」

虚弱な

きょじゃく【虚弱な】
weak;→英和
delicate.→英和
虚弱体質 a weak constitution.

虚弱児

きょじゃくじ [3] 【虚弱児】
病気ではないが体が弱い生徒・児童について,学校教育の場で使用する語。虚弱児童。

虚心

きょしん [0] 【虚心】 (名・形動)[文]ナリ
(1)先入観や偏見をもたず,ありのままを素直に受け入れること。心にわだかまりをもたないこと。また,そのさま。「―に耳を傾ける」
(2)いつわりの心。[日葡]

虚心坦懐

きょしんたんかい [0][1] 【虚心坦懐】 (名・形動)[文]ナリ
心になんのわだかまりもなく,平静な態度で事にのぞむ・こと(さま)。「―に話し合う」

虚心坦懐の

きょしん【虚心坦懐の(に)】
frank(ly);→英和
candid(ly).→英和

虚心平気

きょしんへいき [0][1] 【虚心平気】 (名・形動)[文]ナリ
「虚心坦懐(タンカイ)」に同じ。「―,以て至善の止まる所を明にし/文明論之概略(諭吉)」

虚手

そらで 【空手・虚手】
わけもなく手が痛むこと。神経痛などのため,手・腕が痛むこと。「此二三日は―が発りました/浮世草子・一代女 6」

虚掌実指

きょしょうじっし キヨシヤウ― [4] 【虚掌実指】
書道で,筆を持つとき,てのひらを広くして力を抜き指先に力を入れること。

虚数

きょすう [2] 【虚数】
〔数〕 複素数のうち実数でないもの。
⇔実数
→複素数

虚数

きょすう【虚数】
《数》an imaginary number.

虚数単位

きょすうたんい [4] 【虚数単位】
〔数〕 二乗すると,−1 となる数をいう。� で表す。

虚文

きょぶん [0] 【虚文】
内容の乏しい文章。

虚日

きょじつ [0] 【虚日】
用事のない日。ひまな日。閑日。

虚木綿の

うつゆうの ウツユフ― 【虚木綿の】 (枕詞)
「まさき国」「こもる」にかかる。「―まさき国といへども/日本書紀(神武訓)」「―こもりてをれば/万葉 1809」

虚栄

きょえい [0] 【虚栄】
身分・地位・財産・実力などを実質以上にみせかけてそれを誇ること。みえ。

虚栄

きょえい【虚栄】
<gratify one's> vanity.→英和
〜心(の強い) vanity (vain).

虚栄の市

きょえいのいち 【虚栄の市】
〔原題 Vanity Fair〕
サッカレーの小説。1847〜48年刊。二人の女性の対照的な生き方を軸に,ビクトリア朝社会の俗物性を風刺する。

虚栄心

きょえいしん [2] 【虚栄心】
みえを張りたがる気持ち。「―を満足させる」

虚栗

みなしぐり 【虚栗】
俳諧撰集。二冊。榎本其角編。1683年刊。蕉門の発句・歌仙などを四季別に収める。漢詩漢文調の作風は虚栗調・天和調と呼ばれ,貞享(1684-1688)の新風体への過渡的役割を果たした。

虚栗

みなしぐり [3] 【実無し栗・虚栗】
殻だけで,中に実のない栗。

虚根

きょこん [0] 【虚根】
〔数〕 方程式の根(解)のうち虚数(すなわち実数でない複素数)であるもの。実係数の二次方程式 ��²+��+�=0 が虚根をもつ条件は �²−4��<0 である。
⇔実根

虚業

きょぎょう [0] 【虚業】
〔「実業」からもじって作られた語〕
投機的な堅実でない事業。大衆をだますうさんくさい事業。

虚業家

きょぎょうか [0] 【虚業家】
投機のような堅実でないことや,名目だけの会社を作って利益を得ようとするような事業をする人。

虚構

きょこう【虚構】
a fiction;→英和
a fabrication.〜の made-up;false;→英和
fictitious.→英和

虚構

きょこう [0] 【虚構】
(1)事実でないことを事実らしく作り上げること。また,作り上げられたもの。作りごと。
(2)文芸作品を書くにあたって,作者の想像力により,実際にはないことを現実にあったことのように真実味をもたせて書くこと。また,その作品。仮構。フィクション。

虚浮

きょふ [1] 【虚浮】
行動などがうわついていること。「借銀に依頼することの―なるを論じて/西国立志編(正直)」

虚無

きょぶ 【虚無】
〔「ぶ」は漢音〕
「きょむ」に同じ。「―自然の理を専にする道士共/太平記 24」[日葡]

虚無

きょむ [1] 【虚無】
(1)何も存在せず空虚なこと。特に,価値のある本質的・本源的なものの存在しないこと。
(2)はてしない大空。虚空。
(3)「虚無の学」に同じ。

虚無

きょむ【虚無】
nothingness;→英和
nihil.〜的な nihilistic <ideas> .‖虚無主義(者) nihilism (a nihilist).

虚無の学

きょむのがく [1] 【虚無の学】
有無相対の世界を超えた無為自然の境地を究極のものとする学。老子が初めて唱え,荘子らが継承し,のちに道家となった。老荘の学。

虚無主義

きょむしゅぎ [3] 【虚無主義】
⇒ニヒリズム

虚無僧

こむそう [0] 【虚無僧】
普化(フケ)宗に属する有髪の托鉢(タクハツ)僧。天蓋と称する深編み笠をかぶり,首に袈裟(ケサ)をかけ,尺八を吹いて諸国を行脚修行した。江戸時代には武士のみに許され,浪人者がほとんどであった。普化僧。薦僧(コモソウ)。梵論(ボロ)。梵論子(ボロンジ)。
虚無僧[図]

虚無僧

こもそう 【薦僧・虚無僧】
〔「こもぞう」とも〕
「こむそう(虚無僧)」に同じ。「表に―の尺八/浄瑠璃・忠臣蔵」

虚無僧

こむそう【虚無僧】
a mendicant priest.

虚無党

きょむとう [0] 【虚無党】
⇒ニヒリスト(2)

虚無的

きょむてき [0] 【虚無的】 (形動)
人生などをむなしいものであると考えているさま。「―な考え」

虚焦点

きょしょうてん [2] 【虚焦点】
凸面鏡・凹レンズなどで,軸に平行な平行光線を当てたときの発散光があたかも発するように見える軸上の一点。実際に光が集まる点ではないのでいう。

虚病

きょびょう [0] 【虚病】
病気だといつわること。仮病(ケビヨウ)。「―を搆へて暫らく出て来ぬ始末/思出の記(蘆花)」

虚礼

きょれい [0] 【虚礼】
まごころからでなく,表面をとりつくろうためのみに行われる形式的な儀礼。「―廃止」

虚礼

きょれい【虚礼】
empty forms;formalities.

虚空

こくう【虚空】
the (empty) air;→英和
the sky;→英和
(empty) space.→英和
〜をつかむ grasp at the air.〜を見つめる stare into space.

虚空

こくう [0] 【虚空】
■一■ (名)
(1)何も存在しない空間。空(クウ)。「―を見詰める」
(2)〔仏〕 諸事物の存在する場としての空間。それ自体は事物に何の影響も与えない。
(3)「虚空鈴慕(レイボ)」の略。
■二■ (名・形動ナリ)
(1)根拠のないこと。架空のことであるさま。「―仮説の人物/小説神髄(逍遥)」「―ナコト/日葡」
(2)取り留めのないさま。当てにならないさま。「汝は―なる事を申す者かな/幸若・夜討曾我」
(3)深い考えがないさま。むやみやたらに。「日本人と見ると―に相撲を取りたがる/咄本・鹿の子餅」

虚空

きょくう [0] 【虚空】
むなしいこと。架空のこと。こくう。「夫れ小説は…作者の想像もて仮作(ツク)りいだせる―のものにて/小説神髄(逍遥)」

虚空界

こくうかい [2] 【虚空界】
(1)〔仏〕 世界の本来的な姿である真如を,遍(アマネ)く存在している点からとらえていう語。
(2)大空。

虚空蔵

こくうぞう 【虚空蔵】
「虚空蔵菩薩」の略。

虚空蔵求聞持法

こくうぞうぐもんじほう [9][0] 【虚空蔵求聞持法】
〔仏〕 虚空蔵菩薩を本尊として行う密教の修法。理解力・記憶力を高めるという。若き日に空海の修したことで知られる。求聞持法。虚空蔵菩薩求聞持法。

虚空蔵菩薩

こくうぞうぼさつ 【虚空蔵菩薩】
福と智を虚空のように無限にもっていて,衆生の望みに応じて分け与える菩薩。胎蔵界曼荼羅(タイゾウカイマンダラ)虚空蔵院の中尊。形像は種々あるが普通,五智宝冠をつけ,右手に智慧の宝剣,左手に福徳の蓮華と如意宝珠を持つ。虚空蔵。虚空孕(コクウヨウ)菩薩。
虚空蔵菩薩[図]

虚空鈴慕

こくうれいぼ 【虚空鈴慕】
尺八の曲名。「虚空」ともいう。普化尺八曲でもっとも重んじられる古伝三曲の中の一つ。

虚線

きょせん [0] 【虚線】
点線。

虚聞

きょぶん [0] 【虚聞】
(1)根拠のないうわさ。虚妄(キヨモウ)の風聞。
(2)事実と異なるよい評判。虚名。

虚脱

きょだつ【虚脱】
《医》atrophy;→英和
collapse.→英和
〜する be atrophied;collapse.→英和
‖虚脱状態 a state of stupor (心身の);absent-mindedness (放心).

虚脱

きょだつ [0] 【虚脱】 (名)スル
(1)気力がなくなって,何もしたくなくなること。ぼんやりして,何も手につかなくなること。「―状態」
(2)〔医〕 失血・火傷・中毒などによる急激な血液循環障害のため,極度の脱力状態に陥ること。

虚舟

きょしゅう [0] 【虚舟】
(1)人の乗っていない舟。からふね。
(2)何の束縛もなくわだかまるところのない心。

虚虚実実

きょきょじつじつ [1][0] 【虚虚実実】
〔実(=固イ守リ)を避け,虚(=守リノ弱イ所)をついて戦うことの意から〕
互いに計略やわざを出し尽くして戦うこと。「―のかけひき」「―秘術を尽くしてわたりあう」

虚虚実実の

きょきょじつじつ【虚虚実実の】
full of wiles and tricks.

虚血

きょけつ [0] 【虚血】
臓器や組織に流入する血液の量が必要量に比し著しく減少した状態。その部位に変性・萎縮(イシユク)・壊死(エシ)などをきたす。乏血。

虚血性心疾患

きょけつせいしんしっかん [8] 【虚血性心疾患】
冠不全により心筋が酸素不足に陥ったために起こる心疾患の総称。狭心症と心筋梗塞に大別される。

虚言

きょごん [0] 【虚言】
「きょげん(虚言)」に同じ。「―ヲ言ウ/天草本伊曾保」

虚言

そらごと [0] 【空言・虚言】
事実でない言葉。うそ。いつわり。「舟人此言を聞て―とこそ思ひければ/八十日間世界一周(忠之助)」

虚言

むなこと 【虚言・空言】
うそ。そらごと。「おぼろかに心思ひて―も祖(オヤ)の名断つな/万葉 4465」

虚言

きょげん [0] 【虚言】
うそ。いつわり。「―を吐く」「―を並べる」「―者」「―症」「誓て―せざるなりと/世路日記(香水)」

虚言

きょげん【虚言】
a lie.→英和
⇒嘘(うそ).

虚言症

きょげんしょう [0] 【虚言症】
精神症状の一。意識的に,あるいは空想的にうそをつくもの。顕示性性格によるものや,躁状態・健忘症などによる病的虚言などがある。

虚証

きょしょう [0] 【虚証】
漢方で,虚弱で体力がない体質をいう。または機能が低下したり,生理的物質が不足した病的状態のこと。
⇔実証

虚誕

きょたん [0] 【虚誕】
おおげさなうそ。おおうそ。でたらめ。つくりごと。「素(モト)より―を著すを戯作者の本意として/滑稽本・浮世床 2」

虚語

きょご [1] 【虚語】
うそ。虚言。

虚説

きょせつ [0] 【虚説】
事実無根のことをいいふらすうわさ。そらごと。
⇔実説

虚談

きょだん [0] 【虚談】
根も葉もない話。つくりばなし。

虚謀

きょぼう [0] 【虚謀】
よくないくわだて。悪だくみ。「潜(ヒソカ)に―を助くる者は/近世紀聞(延房)」

虚貝

うつせがい [3] 【虚貝】
(1)からになった貝。貝殻。和歌で「実なし」「むなし」「合わず」「われる」などや,「うつし心」などの「うつ」を導く序詞に用いられる。「住吉(スミノエ)の浜に寄るといふ―実なき言もちあれ恋ひめやも/万葉 2797」
(2)ツメタガイ・ウズラガイの異名。

虚足

きょそく [0] 【虚足】
⇒仮足(カソク)

虚軸

きょじく [0] 【虚軸】
〔数〕 複素数平面で虚数を表す点だけからなる軸。虚数軸。

虚辞

きょじ [0][1] 【虚辞】
本当でない言葉。そらごと。虚言。

虚霊不昧

きょれいふまい [0] 【虚霊不昧】
〔朱熹「大学章句」の第一章にある「明徳者,人之所�得�乎天�,而虚霊不昧,以具�衆理�而応�万事�者也」から〕
心が空で私心がなく,鏡のように一切を明らかに照らす働きをもつこと。

虚飾

きょしょく [0] 【虚飾】
内容を伴わない上辺だけの飾り。みえ。「―にみちた生活」

虚飾

きょしょく【虚飾】
display;→英和
show;→英和
ostentation 〜のない unaffected.

とりこ【虜】
a prisoner;→英和
a captive;→英和
a slave.→英和
〜にする(なる) take a person (be taken) prisoner;[魅惑]enslave (be enslaved <by> ).→英和

とりこ [3][0] 【虜・擒・俘虜】
〔取り子,の意〕
(1)戦争で敵に捕らえられた者。いけどりになった人。捕虜。
(2)ある事に熱中して逃げ出せない状態になること。心を奪われること。また,そのような人。「恋の―」「欲望の―になる」

虜囚

りょしゅう [0] 【虜囚】
とらわれた人。捕虜。とりこ。

虜掠

りょりゃく [0] 【虜掠】
人をとらえ,財物を掠奪すること。

虜獲

りょかく [0] 【虜獲】 (名)スル
敵をいけどりにすること。「日に其―する所の者を収めて/明六雑誌 14」

虞世南

ぐせいなん 【虞世南】
(558-638) 中国,唐初の名臣・書家。字(アザナ)は伯施(ハクシ)。太宗に仕え,その学識・人格を愛され,秘書監に至る。楷書にすぐれ,欧陽詢(オウヨウジユン)・褚遂良(チヨスイリヨウ)とともに唐の三大家といわれる。著「北堂書鈔(ホクドウシヨシヨウ)」

虞姫

ぐき 【虞姫】
「虞美人(グビジン)」に同じ。

虞氏

ぐし 【虞氏】
⇒虞美人(グビジン)

虞犯少年

ぐはんしょうねん [4] 【虞犯少年】
その性格・行動・環境などに照らして,将来犯罪を犯すおそれのある二〇歳未満の男女。

虞美人

ぐびじん 【虞美人】
楚(ソ)の項羽(コウウ)の寵姫(チヨウキ)。項羽が垓下(ガイカ)に囲まれたとき,最後の宴で,「力山を抜き気は世を蓋(オオ)う。時利あらず…,虞や虞や汝をいかんせん」と歌い,嘆じたという。虞姫(グキ)。虞氏。

虞美人草

ぐびじんそう 【虞美人草】
小説。夏目漱石作。1907年(明治40)発表。驕慢(キヨウマン)な女藤尾を中心に,我執と道義の相剋(ソウコク)を描く。

虞美人草

ぐびじんそう [0] 【虞美人草】
ヒナゲシの別名。[季]夏。

虞美人草

ぐびじんそう【虞美人草】
a field poppy.

虞舜

ぐしゅん 【虞舜】
中国古代の伝説上の天子,舜の別名。有虞氏を名乗ったところからいう。

虞芮

ぐぜい 【虞芮】
虞と芮。ともに中国周代の国名。

虧心

きしん [0] 【虧心】
道義の念に欠けている心。

虧損

きそん [0] 【虧損】 (名)スル
利益などがかけ損ずること。「各個人々の権分を―す/明六雑誌 10」

虧月

きげつ [1] 【虧月】
欠けている月。丸くない月。
⇔盈月(エイゲツ)

虧盈

きえい [1] 【虧盈】
欠けることと満ちること。

むし【虫】
[昆虫]an insect;→英和
a bug;→英和
a worm (みみずなど);→英和
a vermin (害虫);→英和
a moth (蛾・しみ虫).→英和
〜がつく be infested by vermin.〜が知らせる have a hunch[presentiment] <of,that> .→英和
〜がよすぎる ask too much (頼みすぎ).〜の食った moth-[worm-]eaten.〜のいい selfish.→英和
〜の息である breathe faintly.〜の居所が悪い be in a bad mood.〜の好かぬ disagreeable.→英和
〜も殺さぬ innocent-looking (顔の).

むし [0] 【虫】
(1)人・獣・鳥・魚・貝以外の小動物。多く,昆虫をいう。
(2)美しい声で鳴く昆虫。マツムシ・スズムシなど。[季]秋。《行水の捨て所なき―のこゑ/鬼貫》
(3)人に害を与える小動物。人の体内にすむ寄生虫や,ノミ・シラミ・シミなど。「―がわく」
(4)子供の体質が弱いために起こる病気。虫気(ムシケ)。「疳(カン)の―」
(5)人間の体内にあり,さまざまな考えや感情を起こすもとになると考えられているもの。「―が知らせる」「ふさぎの―が起きる」
(6)何かをしようとする考え。「浮気の―が起きる」「悪い―が頭をもたげる」
〔多く,よくない考えについていう〕
(7)癇癪(カンシヤク)。「小町田も性来(ウマレツキ)疳癪持だし,田の次も―のある人間だから/当世書生気質(逍遥)」
(8)一つの事に熱中する人。「本の―」「芸の―」
(9)ある特定の性向をもっている人。他の語と複合して用い,その人をあざけっていう。「泣き―」「点取り―」

虫の垂れ衣

むしのたれぎぬ 【虫の垂れ衣・帔】
平安から鎌倉時代にかけて,婦人が外出の際,市女笠(イチメガサ)の周囲に垂らした薄い苧(カラムシ)の布。むし。むしたれ。
虫の垂れ衣[図]

虫の音

むしのね [0] 【虫の音】
(1)虫の鳴き声。[季]秋。
(2)地歌箏曲の曲名。明和・安永年間(1764-1781)に名古屋の藤尾勾当が作曲。謡曲「松虫」に基づく京唄もの。虫づくしの手事に,虫の声をまねた手がある。松虫。

虫ピン

むしピン [0] 【虫―】
昆虫を標本箱などに止めるピン。

虫下し

むしくだし [3][0] 【虫下し】
駆虫薬。「―をかける」

虫下し

むしくだし【虫下し】
(a) vermifuge.→英和

虫供養

むしくよう [3] 【虫供養】
耕作中に殺した虫の供養をすること。地方によって日は異なる。

虫偏

むしへん [0] 【虫偏】
漢字の偏の一。「虹」「蛇」などの「虫」の部分。

虫入り

むしいり [0] 【虫入り】
冬眠のため,虫が地中にはいること。また,その頃に鳴る晩秋の雷。

虫出しの雷

むしだしのかみなり 【虫出しの雷】
〔啓蟄(ケイチツ)の頃に鳴ることから〕
立春後,初めて鳴る雷。初雷(ハツガミナリ)・(ハツライ)。虫出し。「―もふんどしかきたる君様/浮世草子・五人女 4」

虫刺され

むしさされ [3] 【虫刺され】
カ・ノミなどに刺されて起こる,皮膚のはれやかゆみの症状。

虫卵

ちゅうらん [0] 【虫卵】
寄生虫{(1)}の卵。

虫取り

むしとり [4][3] 【虫取り】
虫をとること。また,その道具。

虫取撫子

むしとりなでしこ [6] 【虫取撫子】
ナデシコ科の一年草。ヨーロッパ原産。高さは約50センチメートルで,長楕円形の葉を対生。五月頃,径約1センチメートルの紅色,時に白色の花を集散状につける。茎の上方の節から粘液を出すためこの名があるが,食虫植物ではない。ハエトリナデシコ。

虫取菫

むしとりすみれ [5] 【虫取菫】
タヌキモ科の多年生食虫植物。高山の草原や岩地に生える。葉は狭卵形で数個根生し,上面に腺毛があって虫などを粘着させ,消化・吸収する。夏,花茎を出しスミレに似た淡紫色の花をつける。

虫合せ

むしあわせ [3] 【虫合(わ)せ】
(1)虫を持ち寄って,その鳴き声の優劣を競わせること。[季]秋。
(2)歌合(ウタアワセ)の一。左右に分かれ,それぞれ虫にちなむ歌を詠んで優劣を競うこと。

虫合わせ

むしあわせ [3] 【虫合(わ)せ】
(1)虫を持ち寄って,その鳴き声の優劣を競わせること。[季]秋。
(2)歌合(ウタアワセ)の一。左右に分かれ,それぞれ虫にちなむ歌を詠んで優劣を競うこと。

虫唾

むしず [0] ―ズ 【虫酸】 ・ ―ヅ 【虫唾】
胸のむかむかしたときに,口に逆流する酸っぱい胃液。

虫喰い

むしくい [0] 【虫食い・虫喰い】
(1)虫が食うこと。また,虫に食われたもの。「―の本」「―の栗(クリ)」
(2)白磁の皿や鉢などの縁に見られる小さな釉(ウワグスリ)の剥落(ハクラク)したあと。釉あるいは化粧がけした土が素地に十分密着しないときに生じる。中国,明代末期や清代初期の染め付け磁器,特に古染め付けに多い。茶人が珍重し,のちには人為的につけるようになった。
(3)老い鶯(ウグイス)のこと。残鶯(ザンオウ)。「夏・秋の末まで老い声に鳴きて,―などようもあらぬ者は/枕草子 41」
(4)スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科ムシクイ属の鳥の総称。日本にはメボソムシクイ・センダイムシクイ・エゾムシクイ・イイジマムシクイの四種が夏鳥として渡来し,繁殖する。いずれもウグイスほどの大きさで,羽色も暗緑褐色で姿が似ているが,それぞれ特徴のある声でさえずる。

虫喰む

むしば・む [3] 【蝕む・虫喰む】 (動マ五[四])
(1)虫が食って物を損なう。「―・まれた果実」「―・みたる蝙蝠とり出でて/枕草子 292」
(2)(虫が食うように)悪弊や病気が少しずつ体や心をおかす。「青少年の心を―・む出版物」「―・まれた体」

虫噛め歯

むしかめば 【虫噛め歯】
むしば。むしくいば。[和名抄]

虫垂

ちゅうすい【虫垂】
《解》the vermiform appendix.虫垂炎《医》appendicitis.→英和

虫垂

ちゅうすい [0] 【虫垂】
盲腸の左後壁の下部から出ている細い管状の突起。虫様垂。虫様突起。

虫垂炎

ちゅうすいえん [3] 【虫垂炎】
虫垂の急性炎症。右下腹部の疼痛(トウツウ)・発熱・悪心(オシン)・嘔吐などの症状が見られる。俗に盲腸炎という。虫様突起炎。

虫売り

むしうり [0][4] 【虫売り】
(街頭などで)マツムシ・スズムシ・ホタルなどの虫を売る商売。また,その人。[季]秋。《―の荷を下ろすとき喧しき/虚子》

虫媒

ちゅうばい [0] 【虫媒】
昆虫によって花粉が運ばれ,受粉が媒介されること。

虫媒花

ちゅうばいか [3] 【虫媒花】
虫媒によって受粉が行われる花。一般に花弁が美しく,花粉に粘性があり,時に特有の香を放つ。
→水媒花
→風媒花

虫媒花

ちゅうばいか【虫媒花】
an entomophilous flower.

虫害

ちゅうがい [0] 【虫害】
農林業・園芸などで,虫のために受ける被害。

虫害を受ける

ちゅうがい【虫害を受ける】
be damaged by insects.

虫封じ

むしふうじ [3][5] 【虫封じ】
子供の疳(カン)の虫をしずめるためにまじないをすること。また,その護符など。

虫尽くし

むしづくし 【虫尽くし】
歌などに虫の名を多く並べあげること。また,その歌。「草づくし・―さまざま興ありし事ども/平家 9」

虫干

むしぼし【虫干】
airing.→英和
〜する air <clothes> .→英和

虫干し

むしぼし [0] 【虫干し】 (名)スル
虫やかびのつくのを防ぐために,書画・衣類などを日に干したり風にあてたりすること。土用干し。虫払い。曝涼(バクリヨウ)。[季]夏。「冬物を―する」

虫強い

むしづよ・い 【虫強い】 (形)
〔近世語〕
辛抱強い。「―・う半年余りもこらへてみたれど/浮世草子・姑気質」

虫払い

むしはらい [3] 【虫払い】
「虫干(ムシボ)し」に同じ。[季]夏。

虫押え

むしおさえ [3] 【虫押(さ)え】
(1)子供の虫気(ムシケ)を防ぎ,治す薬。
(2)空腹を一時的におさえるためにちょっと食べること。また,その食べ物。

虫押さえ

むしおさえ [3] 【虫押(さ)え】
(1)子供の虫気(ムシケ)を防ぎ,治す薬。
(2)空腹を一時的におさえるためにちょっと食べること。また,その食べ物。

虫拳

むしけん [0] 【虫拳】
拳の一種。親指を蛙(カエル),人差し指を蛇,小指を蛞蝓(ナメクジ)とし,蛙は蛇に,蛇は蛞蝓に,蛞蝓は蛙にそれぞれ負けるという決まりで勝負を争う。
虫拳[図]

虫持

むしもち [4] 【虫持(ち)】
(1)虫気(ムシケ)のあること。また,その人。
(2)癇癪(カンシヤク)持ち。「我(オレ)も随分―だが/五重塔(露伴)」

虫持ち

むしもち [4] 【虫持(ち)】
(1)虫気(ムシケ)のあること。また,その人。
(2)癇癪(カンシヤク)持ち。「我(オレ)も随分―だが/五重塔(露伴)」

虫明の瀬戸

むしあけのせと 【虫明の瀬戸】
現在の岡山県邑久(オク)郡邑久町の東南,長島と鴻(コウ)島(和気郡日生(ヒナセ)町)の間に比定される海峡。「狭衣物語」にも見える。むさけの瀬戸。((歌枕))「浪たかき―にゆく舟の/新勅撰(雑四)」

虫時雨

むししぐれ [3] 【虫時雨】
多くの虫が鳴いていて,時雨の降るようであること。[季]秋。

虫曳虻

むしひきあぶ [5] 【虫曳虻・食虫虻】
双翅目ムシヒキアブ科の昆虫の総称。体長5〜50ミリメートル。複眼が突出し,胸が大きく,腹部が細い。全身に毛が密生するものが多い。他の昆虫を捕らえ体液を吸う。世界各地に分布。

虫様突起

ちゅうようとっき【虫様突起】
⇒虫垂.

虫様突起

ちゅうようとっき チユウヤウ― [5] 【虫様突起】
虫垂(チユウスイ)の旧称。

虫歯

むしば【虫歯】
a decayed tooth.

虫歯

むしば [0] 【虫歯】
歯の硬組織が侵食される疾患。また,その歯。齲歯(ウシ)((クシ))。虫食い歯。

虫気

むしけ [0] 【虫気】
(1)子供が,寄生虫などにより腹痛・不眠・癇癪(カンシヤク)などの症状を示すこと。むし。「―が起つて,夜昼啼(ナキ)通しに啼いて/自然と人生(蘆花)」
(2)産気(サンケ)。

虫気付く

むしけづ・く [4] 【虫気付く】 (動カ五[四])
産気づく。「其翌年の秋―・いて,玉の様な男の子を産落した/初恋(お室)」

虫熟し

むしこなし 【虫熟し】
気晴らし。うさばらし。「遊び尽して胸つかへて,―に少しの商ひする/浮世草子・一代男 3」

虫狩

むしがり [0] 【虫狩(り)】
野に出て虫を探し捕らえること。

虫狩り

むしがり [0] 【虫狩(り)】
野に出て虫を探し捕らえること。

虫瘤

むしこぶ [0] 【虫瘤】
⇒虫癭(チユウエイ)

虫癭

ちゅうえい [0] 【虫癭】
昆虫・ダニなどの寄生や産卵による刺激によって,植物の組織が異常に発育したもの。形は球状・耳たぶ状など。クリタマバチによる虫癭のように樹木に有害なものもあるが,没食子(モツシヨクシ)・五倍子(付子(フシ))のようにタンニンの原料となるものもある。虫こぶ。

虫白蝋

ちゅうはくろう [4] 【虫白蝋】
⇒いぼたろう(水蝋樹蝋)

虫白蝋

いぼたろう [3] 【水蝋樹蝋・虫白蝋】
イボタロウカタカイガラムシの雄の幼虫が分泌する蝋。また,それを精製したもの。光沢があり,黄色を帯びた白色。主成分は脂肪酸と一価アルコールのエステル。蝋燭(ロウソク)・つや出し・医薬品などに用いる。ちゅうはくろう。虫蝋。

虫眼鏡

むしめがね [3] 【虫眼鏡】
(1)小さい物を拡大して見るための,焦点距離の短い凸レンズを用いた道具。拡大鏡。ルーペ。
(2)相撲の,序の口の力士の俗称。番付の最下段に,ごく小さい字で記されることからいう。

虫眼鏡

むしめがね【虫眼鏡】
a magnifying glass.

虫笛

むしぶえ [3][0] 【虫笛】
芝居の小道具の一。竹製の笛で虫の鳴き声を出すのに用いる。

虫篝

むしかがり [3] 【虫篝】
夏,田畑の害虫を誘い集めて焼き殺すために焚(タ)く火。[季]夏。《―さかんに燃えて終りけり/高野素十》

虫籠

むしこ [0] 【虫籠】
(1)むしかご。
(2)「虫籠窓」の略。「弥七しゆろ箒に四手切りて―よりによつと出せば/浮世草子・一代男 7」

虫籠

むしかご [0] 【虫籠】
スズムシ・マツムシなどの虫を入れて飼う籠。また,虫取りの際に虫を入れる籠。[季]秋。

虫籠窓

むしこまど [4] 【虫籠窓】
虫籠(ムシカゴ)のように目を細かく組んだ格子をはめた窓。

虫腹

むしばら [0] 【虫腹】
回虫などのために腹が痛むこと。

虫草

むしくさ [0] 【虫草】
ゴマノハグサ科の一年草。湿地に自生。高さ約10センチメートル。葉は線状披針形。初夏,葉腋に淡紅色の小花をつける。実は虫癭(チユウエイ)となることが多い。

虫薬

むしぐすり [3] 【虫薬】
子供の虫気(ムシケ)を治す薬。虫押さえ。

虫蝋

ちゅうろう [0] 【虫蝋】
⇒いぼたろう(水蝋樹蝋)

虫螻

むしけら [0] 【虫螻】
虫を卑しめていう語。また,何の役にも立たない人間を卑しめていう語。「―のような存在」

虫螻

むしけら【虫螻】
a worm (虫・つまらぬ人).→英和

虫襖

むしあお 【虫襖】
襲(カサネ)の色目の名。表は青黒,裏は二藍(フタアイ)または薄色。

虫見板

むしみばん [0] 【虫見板】
農作物の害虫を観察するときに使用する板。イネなどの株の下に板を置き,作物を強くはたいて虫を落とし,その種類と数を見て農薬散布の必要性の目安にする。

虫送り

むしおくり [3] 【虫送り】
稲田につく害虫を追い払うための儀礼。夜,里人がそろって松明(タイマツ)を焚(タ)き鐘を鳴らしてはやし立てながらあぜ道を巡り,川または村境まで虫を送って捨てる。稲虫送り。[季]秋。
→実盛(サネモリ)送り

虫選び

むしえらび 【虫選び】
昔,殿上人たちが嵯峨野などへ出向き,虫合わせの虫を選んで虫籠(ムシカゴ)に入れ宮中に奉ること。選虫。虫えらみ。

虫酸

むしず [0] ―ズ 【虫酸】 ・ ―ヅ 【虫唾】
胸のむかむかしたときに,口に逆流する酸っぱい胃液。

虫酸が走る

むしず【虫酸が走る】
be[feel]disgusted <with,at,by> .

虫除け

むしよけ [0] 【虫除け】
(1)虫の害を防ぐこと。また,その薬品や道具。
(2)毒虫や蝮蛇(マムシヘビ)などの害を防ぐ力をもつという守り札。虫除け守り。

虫除け

むしよけ【虫除け】
(a) insecticide.→英和

虫食い

むしくい [0] 【虫食い・虫喰い】
(1)虫が食うこと。また,虫に食われたもの。「―の本」「―の栗(クリ)」
(2)白磁の皿や鉢などの縁に見られる小さな釉(ウワグスリ)の剥落(ハクラク)したあと。釉あるいは化粧がけした土が素地に十分密着しないときに生じる。中国,明代末期や清代初期の染め付け磁器,特に古染め付けに多い。茶人が珍重し,のちには人為的につけるようになった。
(3)老い鶯(ウグイス)のこと。残鶯(ザンオウ)。「夏・秋の末まで老い声に鳴きて,―などようもあらぬ者は/枕草子 41」
(4)スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科ムシクイ属の鳥の総称。日本にはメボソムシクイ・センダイムシクイ・エゾムシクイ・イイジマムシクイの四種が夏鳥として渡来し,繁殖する。いずれもウグイスほどの大きさで,羽色も暗緑褐色で姿が似ているが,それぞれ特徴のある声でさえずる。

虫食いの

むしくい【虫食いの】
moth-[worm-]eaten.

虫食い歯

むしくいば [3] 【虫食い歯】
「虫歯(ムシバ)」に同じ。[節用集(易林本)]

虫食い算

むしくいざん [4] 【虫食い算】
等式の一部が空白になっていて,そこに数値を入れて等式が成り立つようにする計算。

虫食う

むしく・う [3] 【虫食う】 (動ワ五[ハ四])
「むしばむ」に同じ。「―・った古文書」[書言字考節用集]

虫養ひ

むしやしない 【虫養ひ】
一時的に空腹を紛らすこと。また,その食べ物。他の欲望にもいう。虫押さえ。「背なりと弄(イロ)うて貰へば―/浄瑠璃・右大将鎌倉実記」

虫魚

ちゅうぎょ [1] 【虫魚】
むしとさかな。「鳥獣―」

虫鰈

むしがれい [3] 【虫鰈】
カレイ目の海魚。全長60センチメートルに達するが,多くは約30センチメートル。体は長卵形で,口はやや大きく,目は体の右側にある。有眼側は淡褐色で,黒褐色の大小の円形の斑紋が散在する。冬に美味。干物にされる。日本近海と東シナ海に分布。ミズガレイ。

虫齧り

むしかぶり [3] 【虫齧り】
腹痛や陣痛。
→虫が齧(カブ)る

みずち 【蛟・虬・虯・螭】
〔古くは「みつち」。「み」は水,「つ」は格助詞,「ち」は霊。水霊・水神の意〕
古代人が恐れた想像上の動物。水中にすみ,蛇に似た形をし,角・四肢をもち,毒気を吐いて人を害するという,一種の竜。「青淵に―捕り来む剣大刀もが/万葉 3833」

虬竜

きゅうりょう キウ― [0] 【虬竜】
想像上の動物。みずち。

みずち 【蛟・虬・虯・螭】
〔古くは「みつち」。「み」は水,「つ」は格助詞,「ち」は霊。水霊・水神の意〕
古代人が恐れた想像上の動物。水中にすみ,蛇に似た形をし,角・四肢をもち,毒気を吐いて人を害するという,一種の竜。「青淵に―捕り来む剣大刀もが/万葉 3833」

しらみ【虱】
a louse.→英和
〜がわく become lousy.〜をとる catch lice.〜つぶしに調べる comb <a place for> ;→英和
make a thorough search.

しらみ [0] 【虱・蝨】
(1)シラミ目の昆虫の総称。体長1〜4ミリメートル。長楕円形,扁平で羽がない。哺乳類に外部寄生して吸血する。人間に寄生するものに,ヒトジラミとケジラミがあり,ヒトジラミはアタマジラミとコロモジラミに分けられる。いずれも吸血して激しいかゆみを与え,発疹チフス・回帰熱などの伝染病を媒介する。他の動物に寄生するものに,ブタジラミ・サルジラミなどがある。
(2)特に,ヒトジラミのこと。

虱本

しらみぼん [0] 【虱本】
明暦(1655-1658)頃から版行された,細かい字の絵入り浄瑠璃本。

虱潰し

しらみつぶし [4] 【虱潰し】
物事をすべて片端から片づけていくこと。「―に調べる」

虱目魚

さばひい [0] 【虱目魚】
ネズミギス目の海魚。体長1.7メートル程度まで達する。体は銀白色でやや長く側扁し,口先は尖る。尾びれは長く,二つに分かれる。高知県以南からインド洋までの沿岸浅海域に分布するが,河川にも入る。東南アジアでは重要な食用魚。サバヒー。ミルクフィッシュ。

虱紐

しらみひも [3] 【虱紐】
体に締めていれば虱よけになるという紐。江戸時代,江戸芝金杉通りの鍋屋茂兵衛が売り出したもの。

にじ [0] 【虹・霓】
夕立のあとなど,太陽と反対側の空に弧状にかかる七色の帯。空中の水滴粒子にあたった光の屈折と分光によって生じる。内側が紫,外側が赤の配列をした虹のほかに,この外側をとりまき,逆の色の配列の第二の虹が見えることがある。ぬじ。のじ。[季]夏。《―立ちて忽ち君の在る如し/虚子》

にじ【虹】
a rainbow.→英和
虹色の rainbow-colored.

虹の松原

にじのまつばら 【虹の松原】
佐賀県北西部,唐津市から東松浦郡浜玉町までの海浜にある松原。唐津湾に沿って,弧状に約5キロメートル続く。

虹彩

こうさい [0] 【虹彩】
眼球の角膜と水晶体の間にある輪状の薄い膜。中央の孔が瞳孔(ひとみ)で,虹彩中の平滑筋の伸縮によって瞳孔の開きを調節して,眼球内に入る光の量を調節する。色素に富み,その色合いは人種によって特徴がある。

虹彩

こうさい【虹彩】
the iris.→英和
虹彩炎 iritis.

虹彩毛様体炎

こうさいもうようたいえん [9] 【虹彩毛様体炎】
虹彩と,近接する毛様体とに生ずる炎症。虹彩炎。

虹彩炎

こうさいえん [3] 【虹彩炎】
⇒虹彩毛様体炎(コウサイモウヨウタイエン)

虹梁

こうりょう [0] 【虹梁】
主として社寺建築で用いられるやや弓形に反った梁(ハリ)。
虹梁[図]

虹梁鼻

こうりょうばな 【虹梁鼻】
上方に反っている鼻。「『鼻が又大きなは』『―で候もの』/狂言・今参」

虹橋

こうきょう [0] 【虹橋】
にじの橋。にじを橋に見たてた語。また,美しい橋をにじに見たてた語。

虹蜺

こうげい [0] 【虹霓・虹蜺】
〔古くにじを竜の一種と考え,雄を虹,雌を蜺としたことから〕
にじ。

虹霓

こうげい [0] 【虹霓・虹蜺】
〔古くにじを竜の一種と考え,雄を虹,雌を蜺としたことから〕
にじ。

虹鱒

にじます [0] 【虹鱒】
サケ目の魚。全長約40センチメートル。体形はサケに似る。背は緑褐色の地に多数の黒点が散在し,腹は銀白色。体側に一本の淡紅色の縦帯が走る。食用。釣りの対象魚。カリフォルニア原産だが各地で養殖。降海型もあり,全長1メートルにも達する。[季]夏。

虹鱒

にじます【虹鱒】
a rainbow trout.

虺竜文

きりゅうもん [2] 【虺竜文】
中国,殷周(インシユウ)時代の青銅器に用いられた文様。向き合った一対の蛇を並べるもの。

あぶ【虻】
a horsefly.→英和
虻蜂とらずになる fall between two stools.

あむ 【虻】
アブの古名。「手腓(タコムラ)に―かきつき/古事記(下)」

あぶ [1] 【虻・蝱】
双翅目アブ科の昆虫の総称。形はハエに似るが大きい。雌は牛馬などの家畜や人から吸血するものが多い。雄は花粉・花蜜をなめる。幼虫はウジ虫状で湿地や腐木などにすむ。メクラアブ・ウシアブなど種類が多い。アブ科以外でも似た形の双翅類をアブとよぶことがある。[季]春。
→虻蜂(アブハチ)取らず

虻蜂取らず

あぶはちとらず 【虻蜂取らず】 (連語)
同時にいくつかのものをねらって,結局何も得られないことのたとえ。

蚇蠖

おぎむし ヲギ― [2] 【蚇蠖】
エダシャクの別名。

か【蚊】
a mosquito.→英和
〜に食われる[さされる]be bitten[stung]by a mosquito.→英和

か [0] 【蚊】
双翅目カ科の昆虫の総称。体長5ミリメートル内外。体と脚は細長く,口吻(コウフン)が長い。はねは二枚で細く透明。雌の成虫は人畜より吸血して痒(カユ)みを与え,種によってマラリア・日本脳炎などの伝染病を媒介する。幼虫はボウフラ,蛹(サナギ)はオニボウフラと呼ばれ,池沼や水たまりで生活する。日本にはアカイエカ・シナハマダラカなど約一〇〇種がいる。[季]夏。《わが宿は―のちいさきを馳走也/芭蕉》

蚊の姥

かのおば [3] 【蚊の姥】
ガガンボの別名。かのうば。

蚊の姥

かのうば [3] 【蚊の姥】
ガガンボの別名。かのおば。[季]夏。

蚊取り線香

かとりせんこう [4] 【蚊取り線香】
火をつけて煙を出し,蚊を除去する線香。除虫菊の花・茎・葉の粉末を糊料で固め,棒状・渦巻き状にしたもの。有効成分はピレストリン。かやりせんこう。[季]夏。

蚊取線香

かとりせんこう【蚊取線香】
a mosquito-repellent incense.

蚊吸い鳥

かすいどり カスヒ― [2] 【蚊吸い鳥】
鳥,ヨタカの異名。

蚊屋

かや [0] 【蚊帳・蚊屋】
蚊を防ぐために寝床を覆う寝具。目の粗い麻・木綿などの布で作り,四隅をつって覆う。かちょう。「―を吊(ツ)る」[季]夏。《起きて見つ寝て見つ―の広さかな/浮橋》
蚊帳[図]

蚊帳

かや [0] 【蚊帳・蚊屋】
蚊を防ぐために寝床を覆う寝具。目の粗い麻・木綿などの布で作り,四隅をつって覆う。かちょう。「―を吊(ツ)る」[季]夏。《起きて見つ寝て見つ―の広さかな/浮橋》
蚊帳[図]

蚊帳

ぶんちょう 【蚊帳】
⇒かや(蚊帳)

蚊帳

かちょう [0] 【蚊帳】
かや。

蚊帳

かや【蚊帳】
a mosquito net.〜を吊る(はずす) put up (take down) a mosquito net.

蚊帳吊草

かやつりぐさ [4] 【蚊帳吊草・莎草】
(1)カヤツリグサ科カヤツリグサ属の草本の総称。カヤツリグサ・コゴメガヤツリ・アゼガヤツリ・チャガヤツリ・ウシクグなど。三角柱状の茎を両端から裂いていくと真ん中で四本に分かれ四角形ができるのを蚊帳や枡(マス)に見立てての名。マスクサ。[季]夏。《かたくなに一人遊ぶ子―/富安風生》
(2)カヤツリグサ科の一年草。日当たりのよい畑・草地に自生。高さ30〜40センチメートル。葉は根生し,線形。夏,茎頂に細長い苞葉と黄褐色の穂を数個つける。
蚊帳吊草(2)[図]

蚊帳吊草科

かやつりぐさか [0] 【蚊帳吊草科】
単子葉植物の一科。世界に七〇属約四〇〇〇種。葉は線形でイネ科植物と似ているが,茎は三角柱状で中実。カヤツリグサ・スゲ・アブラガヤ・クログワイの類を含む。

蚊帳草

かちょうぐさ [2] 【蚊帳草】
カヤツリグサの異名。

蚊柱

かばしら [2][0] 【蚊柱】
夏の夕暮れ,たくさんの蚊が軒下や木陰などに群がり飛び,柱のように見えるもの。交尾と関係した行動と考えられている。[季]夏。「―が立つ」

蚊母樹

いすのき [3] 【柞・蚊母樹】
マンサク科の常緑高木。暖地に生え,高さ約20メートル。葉は長楕円形で互生する。四月,葉腋(ヨウエキ)に小花を総状花序につける。葉にしばしばつく虫癭(チユウエイ)は,タンニンを含むので染料とする。材はかたく,家具・道具とし,灰は釉(ウワグスリ)の融剤とする。ユスノキ。ユシノキ。ヒョンノキ。
柞[図]

蚊火

かび [1] 【蚊火】
「蚊遣(カヤ)り火」に同じ。[季]夏。

蚊火屋

かびや 【鹿火屋・蚊火屋】
〔古くは「かひや」〕
田畑を荒らしに来る鹿(シカ)や猪(イノシシ)を近寄らせないように火をたく小屋。一説に,蚊遣(ヤ)り火をたく小屋ともいう。[季]秋。「―守り」「朝霞―が下に鳴くかはづ/万葉 2265」

蚊燻し

かいぶし [0][2] 【蚊燻し】
かやり。

蚊燻べ

かふすべ 【蚊燻べ】
「蚊遣(カヤ)り」に同じ。「物の淋しき夕は―の鋸屑(オガクズ)売り/浮世草子・椀久一世(下)」

蚊相撲

かずもう カズマフ 【蚊相撲】
狂言の一。大名が新参者と相撲を取って負けるが,相手が蚊の精であることを知り,大うちわであおいで面白がる。

蚊絣

かがすり [2] 【蚊飛白・蚊絣】
蚊が群がり飛んでいるように見える,細かい十字模様を染めたかすり。

蚊絶やし

かだやし [2] 【蚊絶やし】
メダカ目の淡水魚。雌の全長約5センチメートル,雄は約3センチメートル。メダカに似るが卵胎生。体色は背部が青褐色。ボウフラを好んで食べるが,小魚や魚卵も食害する。北アメリカ南部原産。日本へは蚊の天敵として移入され東北地方南部以南に分布。タップミノー。

蚊虻

ぶんぼう [0] 【蚊虻】
蚊(カ)と虻(アブ)。弱いもの,つまらぬもののたとえ。ぶんもう。「蟷蜋(トウロウ),車に対ひ,―嶽を負はんが如し/性霊集」

蚊虻

ぶんもう 【蚊虻】
「ぶんぼう(蚊虻)」に同じ。[日葡]

蚊蜻蛉

かとんぼ [2][0] 【蚊蜻蛉】
(1)ガガンボの異名。[季]夏。
(2)俗に,やせて背の高い人や,ひ弱な人をあざけっていう語。

蚊遣り

かやり [0] 【蚊遣り】
煙でいぶして蚊を追いやること。また,そのために燃やすもの。かやりび。蚊いぶし。蚊ふすべ。[季]夏。

蚊遣り木

かやりぎ [3] 【蚊遣り木】
蚊遣りに焚く木。

蚊遣り火

かやりび [3] 【蚊遣り火】
蚊を追い払うために,くすぶらせる煙。蚊火。かやり。[季]夏。

蚊遣り火の

かやりびの 【蚊遣り火の】 (枕詞)
(1)「蚊遣り火の燻(ク)ゆる」ことから,同音の「悔ゆる」にかかる。「―悔ゆる心も尽きぬべく/拾遺(雑下)」
(2)蚊遣り火が見えない所で燃えているところから,「した」「そこ」などにかかる。「―いつまでわが身下燃えをせむ/古今(恋一)」

蚊遣り線香

かやりせんこう [4] 【蚊遣り線香】
⇒蚊遣(カヤ)り香(コウ)

蚊遣り香

かやりこう [0] 【蚊遣り香】
蚊を追い払うため,除虫菊の粉末などを原料としてつくった線香。蚊取り線香。[季]夏。

蚊針

かばり [0] 【蚊鉤・蚊針】
⇒毛鉤(ケバリ)

蚊鉤

かばり [0] 【蚊鉤・蚊針】
⇒毛鉤(ケバリ)

蚊鉤[針]

かばり【蚊鉤[針]】
a (an artificial) fly;a fishing fly.〜でつる flyfish.

蚊除け

かよけ [0][3] 【蚊除け】
蚊を追い払うこと。また,蚊を追い払うのに用いるもの。

蚊雷

ぶんらい [0] 【蚊雷】
たくさん集まった蚊がうなり鳴くのを雷にたとえていう語。蚊鳴り。

蚊頭

かがしら [2] 【蚊頭】
毛鉤(ケバリ)。蚊鉤。

蚊飛白

かがすり [2] 【蚊飛白・蚊絣】
蚊が群がり飛んでいるように見える,細かい十字模様を染めたかすり。

蚊食い鳥

かくいどり カクヒ― [2] 【蚊食い鳥】
蝙蝠(コウモリ)の異名。[季]夏。

蚊鳥

かとり [0] 【蚊鳥】
コウモリの異名。

ぶと [1] 【蚋】
「ぶゆ(蚋)」に同じ。[季]夏。

ぶよ【蚋】
《虫》a gnat.→英和

ぶゆ [1] 【蚋・蟆子】
双翅目ブユ科の昆虫の総称。体長2〜8ミリメートル。ハエに似るが小さい。体は黒または灰色。はねは透明で大きい。雌の成虫は人畜に群がって吸血し,疼痛を与える。アフリカではフィラリアなどの媒介虫。幼虫は清流にすむ。ブヨ。ブト。[季]夏。

ぶよ [1] 【蚋・蟆子】
ブユの別名。[季]夏。

はまぐり [2] 【蛤・文蛤・蚌】
(1)〔「浜栗」の意という〕
海産の二枚貝。貝殻は丸みをおびた三角形で,表面は平滑で光沢がある。色彩は変化が多いが,黄褐色の地に栗色の紋様のあるものが多い。内面は白色で陶器質。肉は食用とし,貝殻は焼いて胡粉(ゴフン)を作る。日本では北海道南部以南の内湾の砂泥にすむ。養殖も盛ん。[季]春。《―を掻く手にどゞと雄波かな/虚子》
(2){(1)}の貝殻。貝合わせに用いたり,膏薬(コウヤク)を入れる容器として用いた。
(3)女陰をいう。「お前の―ならなほうまからう/滑稽本・膝栗毛 5」

蚌貝

からすがい [3] 【烏貝・蚌貝】
淡水産の二枚貝。日本の淡水産二枚貝では最大で,殻長30センチメートルに達する。殻は長卵形で,表面は光沢のある黒色,内面は真珠光沢のある青白色。有鉤子(ユウコウシ)と呼ばれる幼生時代は魚の皮膚に付着して育つ。殻は貝細工やボタンの材料。中国・朝鮮と北海道・本州の湖沼にすむ。[季]春。

蚍蜉

ひふ [1] 【蚍蜉】
大きなアリ。

こ 【蚕】
かいこ。「母が養(カ)ふ―の繭隠(マヨゴモ)り/万葉 2495」

かいこ カヒ― [1] 【蚕】
〔「飼い蚕(コ)」の意。普通,幼虫のことをいう〕
鱗翅目カイコガ科の蛾。開張約4センチメートル。全身灰白色,はねに褐色の帯の入る品種もある。胴の太い割にははねが小さく,飛べない。幼虫は体長7センチメートルほどの白いイモムシで,桑の葉を食べる。繭から絹糸をとるため数千年前から中国で飼育され,のちに世界中に広まり多くの改良品種ができた。日本では春蚕(ハルゴ)をはじめ夏蚕(ナツゴ)・秋蚕(アキゴ)などと称して農家での養蚕が盛んであった。カイコガ。家蚕(カサン)。[季]春。
蚕[図]

かいこ【蚕】
a silkworm.→英和
〜を飼う raise[rear]silkworms.⇒養蚕(ようさん).

蚕の蛆蠅

かいこのうじばえ カヒ―ウジバヘ [1][2] 【蚕の蛆蠅】
双翅目ヤドリバエ科のハエ。体長約15ミリメートル。体は黒褐色で剛毛が多い。幼虫はカイコノウジと呼ばれ,カイコや他の鱗翅類の幼虫に寄生し,蛹(サナギ)になってから繭に穴をあけて脱出する。養蚕上の大害虫。日本各地と中国・インドに分布。蠁蛆(キヨウソ)。

蚕下

こした [0] 【蚕下】
カイコの糞(フン)。蚕糞(サンフン)。

蚕児

さんじ [1] 【蚕児】
〔児は助辞〕
かいこ。

蚕具

さんぐ [1] 【蚕具】
養蚕に使う道具。

蚕卵

さんらん [0] 【蚕卵】
カイコの卵。

蚕卵紙

さんらんし [3] 【蚕卵紙】
カイコの蛾(ガ)に卵を産みつけさせる厚紙。たねがみ。蚕紙。[季]春。

蚕室

さんしつ [0] 【蚕室】
カイコを飼う部屋。

蚕屋

こや 【蚕屋】
カイコを飼う家。また,その部屋。飼屋(カイヤ)。

蚕日待ち

かいこびまち カヒ― [0] 【蚕日待ち】
⇒おしら講(コウ)

蚕棚

こだな [0] 【蚕棚】
⇒かいこだな(蚕棚)

蚕棚

かいこだな カヒ― [0][3] 【蚕棚】
(1)蚕を飼うかごをのせる棚。こだな。
(2)俗に,何層か棚状に重ねて設けられた寝床。

蚕業

さんぎょう [0] 【蚕業】
カイコを飼育し,繭をとる事業。養蚕業。「―試験場」

蚕玉

こだま [0] 【蚕霊・蚕玉】
蚕(カイコ)の神。養蚕の守り神。

蚕神

かいこがみ カヒ― [3] 【蚕神】
養蚕の守護神。各地で蚕影(コカゲ)明神・おしらさまなどが信仰対象とされる。

蚕種

さんしゅ [1] 【蚕種】
蚕(カイコ)の卵。

蚕糞

こくそ [3][1] 【蚕糞】
〔「こぐそ」とも〕
カイコのふん。

蚕糸

さんし【蚕糸】
silk yarn[thread].蚕糸業 sericultural industry.

蚕糸

さんし [1] 【蚕糸】
カイコの繭から取った糸。生糸。「―試験場」「―業」

蚕紙

さんし [1] 【蚕紙】
⇒蚕卵紙(サンランシ)

蚕蔟

さんぞく [0] 【蚕蔟】
⇒蔟(マブシ)

蚕蛹

さんよう [0] 【蚕蛹】
カイコのさなぎ。

蚕蛾

さんが [1] 【蚕蛾】
カイコの成虫。カイコガ。[季]夏。

蚕豆

さんとう [0] 【蚕豆】
ソラマメの漢名。

蚕豆

そらまめ [2] 【空豆・蚕豆】
マメ科の一年草または越年草。原産地は西アジア,アフリカといわれ,古くから世界各地で栽培される。高さ約60センチメートル。葉は羽状複葉。春,葉腋(ヨウエキ)に淡紫色で黒斑のある蝶形花をつける。豆果は長さ約10センチメートルの狭長楕円形で,種子を二〜四個含む。種子は塩ゆでにして食用とするほか,甘納豆・煮豆・餡(アン)などとする。豆果が空に向かってつくのでこの名があるという。ノラマメ。[季]夏。
空豆[図]

蚕霊

こだま [0] 【蚕霊・蚕玉】
蚕(カイコ)の神。養蚕の守り神。

蚕霊祭

こだままつり [4] 【蚕霊祭(り)】
養蚕神の祭り。多くは二月の初午(ハツウマ)の日に行う。

蚕霊祭り

こだままつり [4] 【蚕霊祭(り)】
養蚕神の祭り。多くは二月の初午(ハツウマ)の日に行う。

蚕食

さんしょく [0] 【蚕食】 (名)スル
〔カイコが桑の葉を食うように〕
端から次第に奥深く他の領域を侵略すること。「領土を―される」

蚕食する

さんしょく【蚕食する】
encroach <upon> ;→英和
make an inroad <into> .→英和

蚕飼い

こがい [0] 【蚕飼い】
蚕(カイコ)を飼うこと。養蚕。[季]春。《―する此頃妻のやつれかな/正岡子規》

蚕齢

さんれい [0] 【蚕齢】
カイコの発育段階。卵から孵化(フカ)して脱皮するまでを第一齢,以後脱皮ごとに一齢を増す。普通,第五齢まである。

蚜虫

ありまき [0] 【蟻巻・蚜虫】
アブラムシ{(1)}の異名。

のみ【蚤】
a flea.→英和
〜に食われる be bitten by fleas.‖蚤の市 a flea market[fair].

のみ [2] 【蚤】
隠翅目に属する昆虫の総称。体長1〜3ミリメートルで,雌は雄よりも大形。左右に扁平で褐色。はねをもたず,一対の単眼のみで複眼をもたない。後肢は発達してよくはねる。雌雄ともに吸血性で,哺乳類や鳥類に寄生するほか,ネズミからペスト・発疹熱を媒介する種類もいる。世界に約二〇〇〇種が知られる。[季]夏。

蚤の市

のみのいち [4][3] 【蚤の市】
毎週数回,パリ郊外ラ-ポルト-ド-サン-クリニャンクールで,道の両側に立つ中古品の露店市。転じて,一般に古物市のこと。

蚤の綴

のみのつづり [0] 【蚤の綴】
ナデシコ科の越年草。日当たりのよい荒れ地や畑などに見られる雑草。全体が淡青緑色。茎は下部から細かく分枝する。葉は小さな卵形で対生する。三〜六月,上方の葉腋(ヨウエキ)に白色の小五弁花をつける。

蚤の衾

のみのふすま [0] 【蚤の衾】
ナデシコ科の越年草。田畑や湿り気のある草地に見られる雑草。茎は叢生し,高さ約15センチメートル。葉は小さく長楕円形。三〜八月,葉腋(ヨウエキ)に小さな白色の五弁花をつける。

蚤取り

のみとり [4][3] 【蚤取り】
蚤を取ること。また,その薬。

蚤取り眼

のみとりまなこ [5] 【蚤取り眼】
蚤を探すときのように,どんな小さなものも逃さないように注意して見る目つき。また,きょろきょろとさがしまわる目つき。「―で小切(コギレ)を探して/婦系図(鏡花)」

蚤取り粉

のみとりこ [0][4] 【蚤取り粉】
蚤を駆除するための粉末の殺虫剤。[季]夏。

蚤取り粉

のみとり【蚤取り粉】
insect powder.〜眼で with sharp[eager]eyes.

蚤虫

のみむし [2] 【蚤虫】
トビムシの別名。

蚤飛蝗

のみばった [3] 【蚤飛蝗】
直翅目の昆虫。バッタに似た体形の微小な昆虫で,体長5,6ミリメートル。黒色で黄銅色の光沢がある。はねは前後ともに短い。発達した後肢でノミのように跳躍する。日本全土と台湾に分布。

蚩吻

しふん [0] 【鴟吻・蚩吻・鵄吻】
⇒鴟尾(シビ)

蚩尤

しゆう シイウ 【蚩尤】
中国の古伝説上の諸侯の一人。兵乱を好んだが,涿鹿(タクロク)の野で黄帝に敗れて殺された。

蚯蚓

みみず【蚯蚓】
an earthworm.→英和

蚯蚓

みみず [0] 【蚯蚓】
(1)貧毛綱の環形動物の総称。体は細長い円筒形で,多数の環節から成る。目はないが光を感じる細胞がある。土を食べ,その中の有機物を栄養とする。多くは陸生か淡水生。全世界で約二七〇〇種が知られ,体長2〜5ミリメートルから3メートルに及ぶものまである。赤竜(セキリヨウ)。めめず。[季]夏。《みちのくの―短かし山坂勝ち/中村草田男》
(2)「みみず書き」に同じ。「能い筆で―を書いてしかられる/柳多留 10」

蚯蚓

めめず [0] 【蚯蚓】
「みみず」の訛り。

蚯蚓

きゅういん キウ― [0] 【蚯蚓】
ミミズの異名。

蚯蚓書き

みみずがき 【蚯蚓書き】
ミミズの這(ハ)いまわったようなつたない筆跡。「姫宮,―にせさせ給へる/栄花(ゆふしで)」

蚯蚓脹れ

みみずばれ [0] 【蚯蚓脹れ】
皮膚をひっかいた時などにできる細長い赤いはれ。

蚯蚓腫れ

みみずばれ【蚯蚓腫れ】
a wale.→英和

蚰蜒

げじげじ [0][3] 【蚰蜒】
(1)ゲジの俗称。[季]夏。
(2)人から嫌われる者。憎まれ者。特に近世では,梶原景時のあだ名。「あの―野郎め」
〔歴史的仮名遣い「げじ」か「げぢ」か不明〕

蚰蜒

げじ [1] 【蚰蜒】
ゲジ目の節足動物の総称。体は短棒状で2〜7センチメートル。青藍(ラン)色ないし黒褐色で,一五対の細長い足がある。屋根裏などにすみ,小昆虫などを食べる。北海道南部以南に分布。ゲジゲジ。
〔歴史的仮名遣い「げじ」か「げぢ」か不明〕

蚰蜒眉

げじげじまゆ [5] 【蚰蜒眉】
濃くて太い眉。

蚰蜒羊歯

げじげじしだ [5] 【蚰蜒羊歯】
オシダ科の多年生シダ植物。林縁や山の斜面に群生する。葉は長さ約40センチメートル,披針形で羽状に深裂し,縁に汚黄色の鱗片(リンペン)がつく。

蚱蝉

なわせみ ナハ― 【蚱蝉】
〔「なわせび」とも〕
雌のセミ。鳴かないセミ。「よいぞよいぞといふ―来にけるは/蜻蛉(下)」
〔一説に,クマゼミなどの大きなセミの類をいうとも〕

きさ 【蚶】
赤貝の古名。[和名抄]

蛁蟟

みんみんぜみ [3] 【みんみん蝉・蛁蟟】
セミの一種。体長は約35ミリメートル。体には黒色に緑または淡黄褐色の斑紋がある。はねは透明。幼虫期間は七年。成虫は盛夏に出現し,ミーンミンミンと大声で鳴く。北海道の一部と本州以南の各地および中国に分布。

うじ [2] 【蛆】
ハエやハチなどの幼虫。体は円筒形ないし紡錘形で脚を欠く。全身が白色を帯び,体表の毛は不明瞭。俗に,不潔な場所にわいて出ると信じられていた。[季]夏。

うじ【蛆(虫)】
a worm;→英和
a maggot.→英和
〜がわく Maggots breed[hatch] <in> .

蛆草

うじくさ [2][0] 【蛆草】
〔葉を,味噌の蛆を殺すのに用いたので〕
ミソナオシの別名。

蛆虫

うじむし [2] 【蛆虫】
(1)ハエ・ハチなどの幼虫。うじ。
(2)〔蛆のようにつまらない嫌な奴,の意〕
人をののしっていう語。「この―どもめ」

へみ 【蛇】
へび。「四つの―五つの鬼(モノ)の集まれるきたなき身をば厭(イト)ひ捨つべし離れ捨つべし/仏足石歌」

へび [1] 【蛇】
有鱗目ヘビ亜目の爬虫類の総称。体は細長い円柱形。体長は約10センチメートルから10メートルに及ぶ種までさまざま。四肢を欠き,体をくねらせながら前進する。全身が鱗(ウロコ)でおおわれ,表皮が古くなると脱皮する。聴覚はないが,震動やにおいには敏感。卵生または卵胎生。舌は細く,先端が二本に分かれる。小動物を捕食し,鳥の卵も食べる。牙(キバ)から毒を出す種がある。ほとんどが温・熱帯に分布し,温帯にすむ種は冬眠する。蛙を好むといわれ,また,執念深いなどと嫌われる。古くから人間に恐れられてきた反面,神の使いや大地の主として崇められ,神話・伝説・怪奇物語などに登場する。世界に約二七〇〇種が知られる。ナガムシ。古名,くちなわ。かがち。[季]夏。《―逃げて我を見し眼の草に残る/虚子》

くちなわ [0] 【蛇】
ヘビの異名。[季]夏。

じゃ【蛇】
a snake;→英和
a serpent.→英和
蛇の道はへび One devil knows another.

じゃ [1] 【蛇】
(1)へび。おろち。うわばみ。「鬼が出るか―が出るか」
(2)大酒飲み。蛇之助(ジヤノスケ)。「どちらへ似ても―の子孫/浄瑠璃・淀鯉(上)」

へび【蛇】
a snake;→英和
a serpent.→英和

蛇が鎌首をもたげる

かまくび【蛇が鎌首をもたげる】
The snake raises its head.

蛇の目

じゃのめ【蛇の目】
a bull's-eye.‖蛇の目傘 an umbrella with a bull's-eye design.

蛇の目

じゃのめ [0] 【蛇の目】
(1)大小二つの同心円からなる文様・家紋。弦巻(ツルマキ)にかたどったもの。「水の面にほつつりと一つ雨点の落ちて―を画く/自然と人生(蘆花)」
(2)建築で用いる輪形の鉄の金具。肘壺(ヒジツボ)の間に,摩擦を少なくするために差し込む輪など。
(3)「蛇の目傘」の略。
(4)「蛇の目回し」の略。
(5)陶磁器を重ねて焼く時に,重ねた物同士がくっつかないように下になる器物の内面の釉(ウワグスリ)を丸くはがした跡。
(6)キュウリなどの芯をくり抜き,小口切りにしたもの。{(1)}のような形になることから。
蛇の目(1)[図]

蛇の目傘

じゃのめがさ [4] 【蛇の目傘】
開くと蛇の目の文様の表れる和傘。中央と外縁に青土佐紙,間に白紙を張る。他に色目の異なる渋蛇の目などがある。蛇の目。

蛇の目回し

じゃのめまわし [4] 【蛇の目回し】
大小二つの同心円に分かれている回り舞台。内外互いに独立して回転させることができる。蛇の目。

蛇の目草

じゃのめそう [0] 【蛇の目草】
ハルシャギクの別名。

蛇の目蝶

じゃのめちょう [3] 【蛇の目蝶】
ジャノメチョウ科のチョウ。開張約6センチメートル。はねは黒褐色で,前ばねに二個,後ろばねに一個の眼状紋がある。草原や雑木林にみられ,幼虫はタケ・ススキなどを食べる。九州以北の日本とユーラシアの温帯に広く分布。

蛇の衣

へびのきぬ [1][1] 【蛇の衣】
脱皮した,蛇のぬけがら。蛇の殻(カラ)。[季]夏。《―傍にあり憩ひけり/虚子》

蛇の鬚

じゃのひげ [0] 【蛇の鬚】
ユリ科の常緑多年草。林地に生える。葉は根生し,長線形。夏,短い花茎に淡紫色の小花を総状につける。種子は球形,濃碧色で,弾力があり「はずみだま」と呼ばれる。肥厚した部分の根を漢方で麦門冬(バクモンドウ)と呼び,鎮咳・袪痰(キヨタン)・滋養などの薬とする。竜のひげ。沿階草(エンカイソウ)。
蛇の鬚[図]

蛇の鮨

じゃのすし 【蛇の鮨】
(1)古く北陸地方で作られた鰍(カジカ)の熟鮨(ナレズシ)の異名。[本朝食鑑]
(2)蛇(ヘビ)の熟鮨。珍奇な物のたとえにいう。「―・鬼の角細工,何をしたればとて売れまじき事にあらず/浮世草子・永代蔵 2」

蛇上らず

へびのぼらず [3] 【蛇上らず】
メギ科の落葉低木。本州中部以西の山野に生える。高さ約60センチメートル。枝に鋭いとげがある。葉は狭卵形で,縁に細かいとげを密生。初夏,黄色の花をつけ,液果は赤く熟す。トリトマラズ。

蛇之助

じゃのすけ [2] 【蛇之助】
〔素戔嗚尊(スサノオノミコト)が大蛇に酒を飲ませた故事からとも,また蛇は物を丸飲みにするからともいう〕
大酒飲みの称。

蛇体

じゃたい [0] 【蛇体】
蛇のからだ。蛇身。

蛇卵

じゃだま [0] 【蛇卵】
水銀の硫シアン化物を小錠剤状に固めたもの。火をつけると容積が増え,ヘビがうねるようにして黒褐色のひも状になる。花火に用いる。

蛇口

じゃぐち【蛇口】
a tap;→英和
<米> a faucet.→英和

蛇口

じゃぐち [0] 【蛇口】
水道管の先に取りつけ,水を出したり,止めたりするための口金。

蛇咬症

だこうしょう ダカウシヤウ [0] 【蛇咬症】
毒蛇にかまれたために起こる中毒症状。

蛇婿入り

へびむこいり [3] 【蛇婿入り】
昔話の一。男性に身を変えた蛇が娘に求婚するもの。毎晩訪れてくる男の着物に針を通し,翌朝糸をたどって正体が蛇であることを知るという話の類。

蛇寝御座

へびのねござ [1] 【蛇寝御座】
オシダ科の夏緑性シダ植物。日本各地に分布。塊状の根茎から二回羽状複葉を叢生(ソウセイ)する。高さ20〜60センチメートル。胞子嚢(ホウシノウ)群は鈎(カギ)形または短い線形の包膜に包まれ,小羽片の中軸と葉縁との中間に並ぶ。カナヤマシダ。
蛇寝御座[図]

蛇座

へびざ [0] 【蛇座】
〔(ラテン) Serpens〕
蛇遣い座によって東西に二分される星座。西部は蛇の頭部にあたり七月頃の宵に南中,東部は尾部にあたり八月頃の宵に南中する。

蛇心

じゃしん [0] 【蛇心】
執念深く,陰険な心。

蛇心

だしん [0] 【蛇心】
⇒じゃしん(蛇心)

蛇柳

じゃやなぎ 【蛇柳】
歌舞伎十八番の一。時代物。一幕。金井三笑作。1763年中村座の「百千鳥大磯流通(モモチドリオオイソガヨイ)」の三番目として四代目市川団十郎が初演。怨霊事で,僧を恋して死んだ清姫にまつわる高野山蛇柳の伝説を脚色。

蛇毒

へびどく [2] 【蛇毒】
⇒じゃどく(蛇毒)

蛇毒

じゃどく [0] 【蛇毒】
毒蛇の上顎(ウワアゴ)にある毒腺から分泌される毒物。へび毒。

蛇灰岩

じゃかいがん ジヤクワイ― [2] 【蛇灰岩】
方解石を多く含む蛇紋岩。暗緑色の蛇紋岩の中に白色の方解石が網状に発達し,美しい模様をなしている。磨いて装飾石材に用いる。

蛇皮

じゃび [1] 【蛇皮】
〔「じゃひ」とも〕
(1)蛇の皮。
(2)「蛇皮線」の略。

蛇皮線

じゃびせん [0] 【蛇皮線】
⇒三線(サンシン)

蛇神

へびがみ [0] 【蛇神】
蛇の霊力を恐れ,これを神とあがめたもの。

蛇神憑き

へびがみつき [4] 【蛇神憑き】
蛇の霊にとりつかれたとして異常な精神状態になること。また,その人。

蛇笏

だこつ 【蛇笏】
⇒飯田(イイダ)蛇笏

蛇管

じゃかん [0] 【蛇管】
(1)吸熱・放熱の効果があがるよう,蛇腹状にして表面積を大きくした管。
(2)ホース。

蛇管

だかん [0] 【蛇管】
⇒じゃかん(蛇管)

蛇籠

じゃこ [1] 【蛇籠】
⇒じゃかご(蛇籠)

蛇籠

じゃかご [0][1] 【蛇籠】
(1)〔形が大蛇に似ているのでいう〕
鉄線・竹などを円筒形に粗く編み,その中へ砕石などをつめたもの。河川工事で,護岸や水流制御などのために使用する。石籠。じゃこ。
(2)歌舞伎の「だんまり」で,数人がそれぞれ前の人の腰に右手を当て,引きとめるようにして一列に並ぶ所作。
蛇籠(1)[図]

蛇紋

じゃもん [0] 【蛇紋】
蛇の皮の斑紋(ハンモン)に似た模様。

蛇紋岩

じゃもんがん [2] 【蛇紋岩】
蛇紋石を主成分鉱物とする岩石。超塩基性岩の一種で,造山帯に貫入岩体として出現する。

蛇紋石

じゃもんせき [2] 【蛇紋石】
マグネシウムを含む含水ケイ酸塩からなる鉱物。橄欖(カンラン)石や輝石が水と反応して変質したもの。単斜晶系または斜方晶系に属し,葉片状または微細な繊維状の結晶。石材・石綿用として利用する。

蛇結茨

じゃけついばら [4] 【蛇結茨】
マメ科の落葉低木。やや,つる性。山地や河原に自生。枝や葉軸に鋭いかぎ状のとげがある。葉は羽状複葉。初夏,枝頂に総状花序を立て,細い柄をもつ黄色の五弁花をつける。種子は有毒だが,マラリア・駆虫・下痢止め薬とされる。河原藤。

蛇腹

じゃばら【蛇腹】
bellows (アコーディオンなどの);→英和
a cornice (建物の).→英和

蛇腹

じゃばら [0] 【蛇腹】
(1)蛇の腹のような伸縮する形状,またその模様。
(2)カメラの暗箱の一部で,自由に伸縮させてピントを合わせるためのもの。
(3)アコーディオンや提灯(チヨウチン)などの伸縮する部分。
(4)ブレードの一。縁飾り・セーラー服の襟などに用いる,波形のもの。
(5)軒・壁などを帯状に取り巻く突出した装飾。
(6)「蛇腹伏せ」の略。
(7)「蛇腹糸」の略。
(8)「蛇腹切り」の略。

蛇腹伏せ

じゃばらぶせ [0] 【蛇腹伏せ】
畳や武具などのふちの始末で,撚(ヨ)りの強い糸を用いて糸目を粗く斜めに現してかがるもの。蛇腹。蛇腹縫い。

蛇腹切り

じゃばらぎり [0] 【蛇腹切り】
キュウリ・ウドなどを,小口から切り落とさないように,表・裏ともに連続して細かく斜めに切れ目を入れる切り方。

蛇腹糸

じゃばらいと [4] 【蛇腹糸】
芯糸に金銀の切箔をより合わせた糸。

蛇腹縫い

じゃばらぬい [3][0] 【蛇腹縫い】
「蛇腹伏せ」に同じ。

蛇舅母

かなへび [0] 【金蛇・蛇舅母】
有鱗目カナヘビ科のトカゲの総称。多くは全長20センチメートル内外で,尾は全長の二分の一以上もある。ニホンカナヘビは日本特産種。側面に帯状斑紋がある。草むらなどを好み,動きは素早く,昆虫・クモなどを捕食する。

蛇舌

じゃぜつ [0] 【蛇舌】
高御座(タカミクラ)の帽額(モコウ)の下に八面に垂れ下がっている短冊形をした薄金板の飾り。

蛇苔

じゃごけ [0] 【蛇苔】
ジャゴケ科のコケ植物。葉状体は分岐し長さ約15センチメートル。全面にほぼ六角形の区分があり,各区分の中央に気孔があって,蛇の体表のように見える。雌雄異株。胞子嚢(ホウシノウ)は胞子とともに弾糸をもつ。

蛇苺

くちなわいちご [5] 【蛇苺】
ヘビイチゴの異名。

蛇苺

へびいちご [3] 【蛇苺】
バラ科の多年草。道端や草地,田の畦(アゼ)などに多い。茎は地上をはう。葉は三葉からなり,小葉は楕円形で鋸歯がある。四,五月,黄色の五弁花をつける。果実は径約1センチメートルの球形で赤い。無毒だがうまくはない。クチナワイチゴ。ドクイチゴ。[季]夏。
蛇苺[図]

蛇虫

じゃむし [1] 【蛇虫】
多毛綱の環形動物。ゴカイ類の最大種で,体幅4センチメートル,全長90センチメートルに達する。生殖時期は六月頃で,夜間,体をくねらせながら水面を群泳する。北太平洋に分布。

蛇蜻蛉

へびとんぼ [3] 【蛇蜻蛉】
脈翅目の昆虫。体長約4センチメートル。体形はややトンボに似る。幼虫は川底に生息し,孫太郎虫と呼ばれ,黒焼きにして子供の疳(カン)の薬とされる。九州以北の日本各地と東アジアに分布。

蛇蝎

だかつ [0] 【蛇蝎】
へびとさそり。人の恐れ嫌うもののたとえ。じゃかつ。「―の如く嫌われる」

蛇蝎のように嫌う

だかつ【蛇蝎のように嫌う】
hate <a person> like a viper;→英和
detest;→英和
abhor.→英和

蛇蝎視

だかつし [3] 【蛇蝎視】 (名)スル
へびやさそりのごとく忌み嫌うこと。

蛇蠍

じゃかつ [0] 【蛇蠍】
ヘビとサソリ。だかつ。

蛇行

じゃこう [0] 【蛇行】 (名)スル
⇒だこう(蛇行)

蛇行

だこう [0] 【蛇行】 (名)スル
(1)蛇の動くように曲がりくねって進むこと。「道路が―する」「―運転」
(2)川や気流が,曲がりくねって流れること。

蛇行する

だこう【蛇行する】
meander;→英和
wind.→英和

蛇貝

へびがい [2] 【蛇貝】
海産の巻貝で,殻が蛇がとぐろを巻いたように見えるものの総称。殻は管状・灰白色で不規則に伸びる。海岸の岩石などに固着する。オオヘビガイ・フタモチヘビガイなど。

蛇責め

へびぜめ [0] 【蛇責め】
拷問の一。多くの蛇のいる桶(オケ)の中に入れて責めるもの。

蛇足

じゃそく 【蛇足】
⇒曾我(ソガ)蛇足

蛇足

だそく [0] 【蛇足】
(1)〔ヘビの絵を早く書き上げる競争で,早くできたものが蛇に足を描き加えて失敗したという「戦国策(斉策上)」の故事から〕
余分なもの。不要のもの。なくてもよいもの。
(2)自分の付け足しの言葉をへりくだっていう語。「―ですが,最後にひと言」

蛇足の

だそく【蛇足の】
superfluous;→英和
redundant;→英和
unnecessary.→英和

蛇踊り

じゃおどり [2] 【蛇踊り】
蛇腹胴(ジヤバラドウ)の張り子の大きな竜を棒に結び,十数人でささげて練り回る踊り。もと中国で行われた踊りが長崎のおくんち祭(竜踊(ジヤオドリ))などに伝わったもの。

蛇身

じゃしん [0] 【蛇身】
蛇のからだ。蛇の姿。

蛇道

じゃどう [0] 【蛇道】
死後,蛇身に生まれかわるという世界。「汝が―を遁れしめん/今昔 4」

蛇遣い

へびつかい [3] 【蛇遣い】
生きた蛇を首や体に巻いたり口にくわえたりして人に見物させること。また,それを職業とする人。

蛇遣い座

へびつかいざ [0] 【蛇遣い座】
〔(ラテン) Ophiuchus〕
八月上旬の宵に南中する星座。蛇座を東西に二分して大きく天球面を占める。両手で毒蛇をつかむギリシャ神話中の医術の神アスクレピオスに見たてたもの。

蛇食鷲

へびくいわし ヘビクヒ― [3] 【蛇食鷲】
タカ目ヘビクイワシ科の鳥。全長約1.2メートル。外観はワシよりもツルやサギに似る。脚と尾が非常に長く,後頭部に長い羽毛がある。アフリカの草原に生息し,歩きまわりながらヘビ・トカゲ・昆虫などを捕食する。書記官鳥。

蛇骨

じゃこつ [0][1] 【蛇骨】
ヘビのほね。

蛋民

たんみん [0] 【蛋民・蜑民】
中国南部の水上生活民。漁業・水運に従事。漢人による蔑称。

蛋白

たんぱく【蛋白】
albumin <in the urine> .→英和
‖蛋白質 protein.蛋白石 opal.

蛋白

たんぱく [1] 【蛋白】
(1)卵の白身。卵白(ランパク)。
(2)「蛋白質」の略。

蛋白乳

たんぱくにゅう [4] 【蛋白乳】
カゼインを添加してタンパク質含量を高めた牛乳。食餌(シヨクジ)療法に用いる。

蛋白人絹

たんぱくじんけん [5] 【蛋白人絹】
セルロースの代わりに牛乳のカゼインなど天然のタンパク質を原料とした人絹。

蛋白尿

たんぱくにょう [4] 【蛋白尿】
尿中にタンパク質が一定量以上現れた状態。腎臓疾患などの際認められる病的なものと,過激な運動・長時間の起立などのあとみられる生理的なものとがある。

蛋白石

たんぱくせき [4][3] 【蛋白石】
⇒オパール

蛋白質

たんぱくしつ [4][3] 【蛋白質】
〔protein〕
約二〇種類の L -α-アミノ酸からなるポリペプチドを主体とする高分子化合物の総称。組成の上から,アミノ酸だけからなる単純タンパク質と,核酸・リン酸・脂質・糖・金属などを含む複合タンパク質とに分けられる。また,分子の形状から,繊維状タンパク質と球状タンパク質とに分類される。種類・機能はきわめて多種多様で,生体内の化学反応の触媒となる各種の酵素,生物体を構成するもの(コラーゲンなど),運動をつかさどるもの(アクチン・ミオシンなど),各種のホルモンや抗体など,いずれも生命現象に本質的な役割を果たす。プロテイン。
〔自然科学ではタンパク質と書く〕

蛋白質分解酵素

たんぱくしつぶんかいこうそ [11] 【蛋白質分解酵素】
⇒プロテアーゼ

蛋白質工学

たんぱくしつこうがく [7] 【蛋白質工学】
遺伝子組み換えや化学的手法によってタンパク質の構造を変え,新たに優れた性質のタンパク質を創出して研究・利用するバイオテクノロジーの一手法。

ほたる [1] 【蛍】
(1)ホタル科の甲虫の総称。体長5〜20ミリメートルほど。体は長楕円形で,甲虫としては軟弱。体色は黒・赤・黄などが組み合わさる。日本には二十数種が知られ,約一〇種は腹部が発光・明滅する。ゲンジボタル・ヘイケボタルは特に有名で,幼虫は清流にすみ,六月頃羽化する。古来文学によく登場し,またホタルを死者の霊魂とする伝説が多い。ほたろ。くさのむし。なつむし。[季]夏。
(2)源氏物語の巻名。第二五帖。
蛍(1)[図]

ほたる【蛍】
a firefly;→英和
a glowworm (幼虫).→英和
‖蛍篭 a firefly cage.蛍狩り <go> firefly-catching.蛍の光 ‘Auld Lang Syne' (曲名).

蛍の光

ほたるのひかり 【蛍の光】
〔原題 Auld Lang Syne(久しい昔)〕
スコットランドの代表的な民謡。1881年(明治14)文部省音楽取調掛編の「小学唱歌集」初編に採用されて以来,日本でも送別の歌として愛唱されてきた。

蛍の光

ほたるのひかり 【蛍の光】
(1)「蛍の光窓の雪」に同じ。
(2)曲名(別項参照)。

蛍光

けいこう [0] 【蛍光】
(1)ほたるの光。ほたる火。
(2)〔fluorescence〕
ある物質に光や電磁波・粒子線などを照射した時に発光する現象。照射をやめてもしばらく発光するものはリン光という。

蛍光ペン

けいこうペン [3][5] 【蛍光―】
蛍光顔料を使用した筆記具。マーカーなどに使う。

蛍光体

けいこうたい [0] 【蛍光体】
蛍光を発する物質の総称。石油・フルオレセイン・エオシン・エスクリンなど。

蛍光分析

けいこうぶんせき [5] 【蛍光分析】
物質に紫外線または X 線を当てて発する蛍光を測定して行う化学分析法の一。

蛍光塗料

けいこうとりょう [5] 【蛍光塗料】
可視範囲の蛍光を発する蛍光顔料を配合した塗料。

蛍光増白剤

けいこうぞうはくざい [8] 【蛍光増白剤】
それ自体は無色あるいは淡黄色であるが,紫外線により青紫色の蛍光を発する染料。紙や繊維をより白く見せるために用いられる。また,洗剤に混合して,布地の黄ばみを消す。蛍光剤。蛍光漂白剤。

蛍光板

けいこうばん [0] 【蛍光板】
蛍光物質を塗布した板。X 線・紫外線・電子線・α線などがあたると,可視光線を発する。

蛍光染料

けいこうせんりょう [5] 【蛍光染料】
(1)蛍光を発する染料の総称。
(2)蛍光増白剤のこと。

蛍光灯

けいこうとう [0] 【蛍光灯】
(1)低圧水銀灯のガラス管の内側に蛍光塗料を塗った照明器具。水銀アーク放電によって発生する紫外線を蛍光物質にあてて発光させる。効率がよく,発熱も少ない。
(2)〔スイッチを入れてからつくのに時間がかかることから〕
反応の遅い人のたとえ。

蛍光物質

けいこうぶっしつ [5] 【蛍光物質】
「蛍光体」に同じ。

蛍光顔料

けいこうがんりょう [5] 【蛍光顔料】
可視範囲の蛍光を発する顔料。光による刺激のある時だけ発光する有機質のものと,光による刺激が止まってからもしばらく発光を続ける無機質のものとがある。夜光塗料・カラーブラウン管・蛍光灯などに用いる。

蛍光顕微鏡

けいこうけんびきょう [0] 【蛍光顕微鏡】
紫外線を光源として試料を照射し,試料が発する蛍光によってその試料を観察する顕微鏡。

蛍合戦

ほたるがっせん [4] 【蛍合戦】
交尾の相手を求めて飛びかう蛍の光がきらきらと入り乱れる光景を,合戦にたとえた語。[季]夏。

蛍如す

ほたるなす 【蛍如す】 (枕詞)
蛍光のかすかなところから,比喩として「ほのか」にかかる。「―ほのかに聞きて/万葉 3344」

蛍手

ほたるで [3] 【蛍手】
磁器素地(キジ)を透かし彫りにしてそこに釉(ウワグスリ)などを熔填し半透明の文様を現したもの。中国明代におこった。透かし手。

蛍柴胡

ほたるさいこ [4] 【蛍柴胡】
セリ科の大形多年草。高さ1メートル以上に達する。山中の日当たりの良い草原に生える。葉はへら状。根葉は柄が長い。秋,黄色の小花多数がつく。根を解熱剤とする。ダイサイコ。ホタルソウ。

蛍火

ほたるび [3][0] 【蛍火】
(1)蛍の放つ光。[季]夏。
(2)小さく消え残った炭火。

蛍火

けいか [1] 【蛍火】
ホタルの光。ほたるび。

蛍烏賊

ほたるいか [3] 【蛍烏賊】
イカの一種。胴長約7センチメートル,体表に多数の発光器がある。晩春から初夏にかけての産卵期には群をなして沿岸を浮遊し,特に美しく発光する。食用。本州中部以北の沿岸に分布するが富山湾が有名で,群遊海面は特別天然記念物。マツイカ。[季]春。

蛍狩

ほたるがり [3] 【蛍狩(り)】
蛍を追い捕らえたり眺めたりすること。[季]夏。

蛍狩り

ほたるがり [3] 【蛍狩(り)】
蛍を追い捕らえたり眺めたりすること。[季]夏。

蛍石

ほたるいし [3] 【蛍石】
フッ化カルシウムからなる鉱物。立方晶系に属し,無色・淡緑色・紫色など変化に富み,紫外線を照射すると蛍光を発し,熱や日光にさらすとリン光を発するものが多い。ペグマタイトや各種鉱脈中に産し,フッ素の原料,アルミニウム製錬や製鉄の融剤として用いる。けいせき。

蛍石

ほたるいし【蛍石】
fluorite.→英和

蛍石

けいせき [1] 【蛍石】
⇒ほたるいし(蛍石)

蛍窓

けいそう [0] 【蛍窓】
〔「晋書(車胤伝)」の,晋の車胤(シヤイン)がホタルの光で読書したという故事から〕
(1)書斎。
(2)「蛍雪」に同じ。

蛍籠

ほたるかご [3] 【蛍籠】
蛍を入れておくかご。[季]夏。

蛍船

ほたるぶね [4] 【蛍船】
蛍狩りのときに乗る船。

蛍草

ほたるぐさ [3] 【蛍草】
ツユクサの別名。[季]秋。

蛍草

ほたるそう [0] 【蛍草】
ホタルサイコの別名。

蛍蔓

ほたるかずら [4] 【蛍蔓】
ムラサキ科の多年草。山中の日当たりの良い斜面・草地に生える。全体に粗毛がある。高さ約20センチメートル。葉は倒披針形。春,葉腋に青紫色の花を一個ずつつける。花後,根際から地面をはう茎を出し,先端が地について新株を生じる。瑠璃草。

蛍蛆

つちぼたる [3] 【地蛍・蛍蛆】
ホタルの幼虫,または,はねの退化した雌の成虫。水辺の草むらなどにおり,蛆虫(ウジムシ)に似た体の腹端部から光を発する。みぞぼたる。

蛍蛾

ほたるが [3] 【蛍蛾】
マダラガ科のガ。開張約5センチメートル。はねは黒色で,前ばねの一本の白色帯が目立つ。頭部が赤い。昼間に飛ぶ。日本各地と東アジアに分布。

蛍袋

ほたるぶくろ [4] 【蛍袋・山小菜】
キキョウ科の多年草。山野に生える。全体に粗毛がある。高さ約50センチメートル。葉は長卵形。初夏,葉腋や枝頂に淡紅紫色または白色で紫斑のある鐘状花を下向きにつける。釣鐘草。[季]夏。
蛍袋[図]

蛍貝

ほたるがい [3] 【蛍貝】
海産の巻貝。貝殻は紡錘形で殻長約2センチメートル。殻表は滑らかで光沢があり,淡灰色の地に褐色の不規則な電光模様がある。北海道南部以南の浅海の砂地にすむ。

蛍雑魚

ほたるじゃこ [3] 【蛍雑魚】
スズキ目スズキ科の海魚。体長14センチメートル程度。体はやや長く,側扁する。背びれは二つ。一対の発光器が腹面にあり,発光細菌が共生している。体は桃色で,腹側は銀色。練り製品の原料となる。南日本から南アフリカまでの大陸棚に分布。

蛍雪

けいせつ [0] 【蛍雪】
〔「晋書(車胤伝)」による。晋の車胤(シヤイン)が蛍の光で,孫康が窓辺の雪明かりで書物を読んだ故事から〕
苦労して勉学に励むこと。蛍窓。蛍の光窓の雪。

蛍雪の功

けいせつのこう [6] 【蛍雪の功】
辛苦して勉強した成果。

蛔虫

かいちゅう クワイ― [0] 【回虫・蛔虫】
袋形動物線虫綱の人体寄生虫の総称。紐(ヒモ)のように細長く,雌は体長20〜40センチメートル,雄は15〜25センチメートルで,淡桃色または黄白色。野菜・果物などに付着した卵が口から腸内に入って幼虫となり,腹腔・横隔膜・胸腔から肺に入り,発育したのち気管・消化管を経て小腸内で成熟する。人体に種々の悪影響を与える。家畜に寄生する種類もある。

かわず カハヅ [0] 【蛙】
(1)カエルの別名。[季]春。《古池や―飛こむ水の音/芭蕉》
(2)カジカガエルの別名。

かいる 【蛙】
カエル。[日葡]

かえる カヘル [0] 【蛙・蝦】
無尾目の両生類の総称。尾はなく,発達した後ろ足とやや小さい前足とをもち,後ろ足に五本,前足に四本の指がある。普通,後ろ足には水かきがある。小昆虫やクモなどを食べる。水辺にすむものが多いが,草むらや樹上にすむ種類もある。幼時はオタマジャクシと呼ばれ,水中にすむが,二〜三週間で変態し,四肢が生え,尾が消失して陸上にあがる。食用になる種もある。トノサマガエル・ヒキガエル・アマガエル・ウシガエルなど種類が多い。かわず。[季]春。「―の合唱」《痩(ヤセ)―まけるな一茶これにあり/一茶》

かえる【蛙】
a frog <croaks> .→英和
‖蛙泳ぎ <swim> the breast stroke.蛙飛び leapfrog.蛙の子は蛙 Like father,like son.

かわず【蛙】
a frog.→英和
井の中の蛙 a person with narrow views.

蛙合戦

かわずがっせん カハヅ― [4] 【蛙合戦】
⇒かえるいくさ(蛙軍)

蛙声

あせい [0] 【蛙声】
カエルの鳴く声。

蛙女房

かわずにょうぼう カハヅ―バウ 【蛙女房】
⇒かえるにょうぼう(蛙女房)

蛙女房

かえるにょうぼう カヘル―バウ [4] 【蛙女房】
〔目を妻(メ)にかけて,蛙は目が上にあるから〕
夫より年上の女房。かわず女房。

蛙子

かえるご カヘル― [3] 【蛙子】
おたまじゃくし。

蛙手

かえるで カヘル― 【楓・蛙手・鶏冠木】
〔古くは「かへるて」とも。葉の形が蛙の手に似ているので〕
かえで。「子持山若―のもみつまで/万葉 3494」

蛙泳ぎ

かえるおよぎ カヘル― [4] 【蛙泳ぎ】
水府流泳法の一。蛙が泳ぐ時のような手足の使い方で泳ぐ泳ぎ方。平泳ぎ。

蛙目粘土

がえろめねんど ガヘロメ― [5] 【蛙目粘土】
瀬戸(愛知県)・多治見(岐阜県)地方や島ヶ原(三重県)地方に分布する第三紀鮮新世の粘土層。花崗(カコウ)岩の風化残留粘土で,中に石英粒が点々と残っており,雨水に濡れると蛙の目のように見える。窯業原料。がえろめ。

蛙股

かえるまた カヘル― [0] 【蛙股・蟇股】
〔蛙がまたを広げたような形から〕
(1)(「蟇股」と書く)社寺建築などで,頭貫(カシラヌキ)または梁(ハリ)の上,桁との間に置かれる山形の部材。本来は上部構造の重みを支えるもの。のちには単に装飾として,さまざまに彫刻して破風などにつけられた。厚い板でできた板蟇股と中を透かした本蟇股とがある。
(2)かんざしで,足が蛙のまたを広げた形になったもの。
(3)網地の結節の一。結び目が締まり,ずれにくいため,刺し網類に用いる。
蟇股(1)[図]

蛙葉

かえるっぱ カヘル― [3] 【蛙葉】
〔死んだ蛙をこの葉で覆うと生き返るといわれたことから〕
オオバコの別名。カエルバ。

蛙足

かえるあし カヘル― [3] 【蛙足】
平泳ぎの足の動かし方。蛙が泳ぐ時のように,両足を十分縮めた後,力強く外側に開いて水を蹴り,最後に両足を伸ばしてそろえる。

蛙軍

かわずいくさ カハヅ― 【蛙軍】
⇒かえるいくさ(蛙軍)

蛙軍

かえるいくさ カヘル― [4] 【蛙軍】
多数の蛙が群れ集まって,争うように交尾すること。蛙合戦(カエルガツセン)((カワズガツセン))。

蛙飛び

かえるとび カヘル― [0][3] 【蛙飛び】
⇒馬飛(ウマト)び

蛙飛び

かわずとび カハヅ― [0] 【蛙飛び】
⇒馬飛(ウマト)び

蛙鳴蝉噪

あめいせんそう [1] 【蛙鳴蝉噪】
(1)蛙(カエル)や蝉(セミ)が鳴き立てること。騒々しいこと。
(2)むだな議論。

蛛形類

ちゅけいるい [2] 【蛛形類】
⇒蜘蛛形類(クモガタルイ)

蛛網

ちゅもう [0] 【蛛網】
蜘蛛(クモ)の巣。

蛞蝓

なめくじり ナメクヂリ [3] 【蛞蝓】
ナメクジの異名。[季]夏。《五月雨に家ふり捨てて―/凡兆》

蛞蝓

なめくじら ナメクヂラ [3] 【蛞蝓】
ナメクジの異名。[季]夏。

蛞蝓

なめくじ ナメクヂ [3] 【蛞蝓】
(1)ナメクジ科およびコウラナメクジ科に属する陸生巻貝の総称。貝殻が全くないか,または退化している。体は円筒形で,頭部に二対の触角をもつ。後方の大触角の先端は目となる。体表は粘液におおわれ,はうと粘液の跡が残る。雌雄同体。多湿な環境を好み,農作物を食害する。塩をかけると体内の水分が出て縮む。なめくじら。なめくじり。[季]夏。
(2)ナメクジ科の陸生巻貝。体長約6センチメートル。無殻で,体表は淡褐色に小黒点が散在し,三条の暗褐色縦帯が走る。アジアに広く分布。

蛞蝓魚

なめくじうお ナメクヂウヲ [4] 【蛞蝓魚】
原索動物頭索綱に属する小形で細長い動物。全長4.5センチメートル前後。原索動物の中では脊椎動物に最も近いと考えられている。背びれ・尾びれなどをもつが,骨がないこと,赤血球がないことなど魚類とは異なる。

みずち 【蛟・虬・虯・螭】
〔古くは「みつち」。「み」は水,「つ」は格助詞,「ち」は霊。水霊・水神の意〕
古代人が恐れた想像上の動物。水中にすみ,蛇に似た形をし,角・四肢をもち,毒気を吐いて人を害するという,一種の竜。「青淵に―捕り来む剣大刀もが/万葉 3833」

蛟竜

こうりょう カウ― [0][1] 【蛟竜】
〔「こうりゅう」とも〕
(1)中国の想像上の動物。まだ竜にならない,蛟(ミズチ)。水中にひそみ,雲や雨にあって天上にのぼって竜になるとされる。
(2)時運に恵まれず,志を得ない英雄や豪傑。

蛟竜

こうりゅう カウ― [0][1] 【蛟竜】
⇒こうりょう(蛟竜)

はまぐり [2] 【蛤・文蛤・蚌】
(1)〔「浜栗」の意という〕
海産の二枚貝。貝殻は丸みをおびた三角形で,表面は平滑で光沢がある。色彩は変化が多いが,黄褐色の地に栗色の紋様のあるものが多い。内面は白色で陶器質。肉は食用とし,貝殻は焼いて胡粉(ゴフン)を作る。日本では北海道南部以南の内湾の砂泥にすむ。養殖も盛ん。[季]春。《―を掻く手にどゞと雄波かな/虚子》
(2){(1)}の貝殻。貝合わせに用いたり,膏薬(コウヤク)を入れる容器として用いた。
(3)女陰をいう。「お前の―ならなほうまからう/滑稽本・膝栗毛 5」

はまぐり【蛤】
a clam.→英和

うむき 【蛤】
ハマグリの類の古名。うむがい。「尋ねて海の中に出でます。仍(ヨリ)て―を得たり/日本書紀(景行訓)」

はま [1] 【蛤】
〔もと女房詞〕
「はまぐり」の略。「焼き―」

蛤刃

はまぐりば [4] 【蛤刃】
刃物の,鎬(シノギ)から刃までの間を蛤の貝殻のようなふくらみをもたせて研ぎ上げたもの。丸刃。

蛤御門

はまぐりごもん 【蛤御門】
京都御所外郭門の一。西側の下立売御門の北,中立売御門の南にある。

蛤御門の変

はまぐりごもんのへん 【蛤御門の変】
1864年7月,前年の八月一八日の政変で京都を追われた長州藩が,形勢挽回(バンカイ)のため京都に兵を進め,会津・薩摩藩などの兵と蛤御門付近で交戦して敗れた事件。禁門の変。
→長州征伐

蛤鍋

はまなべ [0][3] 【蛤鍋】
「はまぐりなべ(蛤鍋)」の略。[季]春。

蛤鍋

はまぐりなべ [5] 【蛤鍋】
蛤のむき身と焼豆腐・ねぎなどを味噌または塩で味をつけ,煮ながら食べる鍋料理。はまなべ。

ひる【蛭】
a leech.→英和

ひる [1] 【蛭】
ヒル綱に属する環形動物の総称。体長数センチメートル。細長く扁平。三四の体節からなるが,さらに多数の縞によって分節されて見える。体の前後両端の腹面に吸盤があり,前方の吸盤に口が開く。陸産のヒルは淡水や湿地に生息し,チスイビル・ヤマビルなどのように温血動物の血液を吸う。海産のものは,多く魚類や甲殻類などに寄生。[季]夏。《―の血の垂れひろがりし腓かな/富安風生》

蛭の子

ひるのこ 【蛭の子】
⇒ひるこ(蛭子)

蛭ヶ小島

ひるがこじま 【蛭ヶ小島】
静岡県伊豆半島頸部,韮山(ニラヤマ)町にある史跡。当時は狩野川の中州で,1160年,平治の乱に敗れた源頼朝が流された所。蛭ヶ島。

蛭子

えびす [0] 【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
七福神の一。商売繁盛・福の神として広く信仰される,兵庫県西宮神社の祭神。蛭子(ヒルコ)とも,事代主(コトシロヌシノ)神ともいわれる。古くは豊漁の神として漁民に信仰され,また農神としても信仰された。狩衣(カリギヌ)・風折り烏帽子(エボシ)姿で右手に釣り竿,左手に鯛(タイ)を抱えた神像に描かれる。夷(エビス)三郎。
〔「えびす(戎・夷)」と同源の語。一般に「恵比須」と書くことが多く,この場合の歴史的仮名遣いは「ゑびす」〕
恵比須[図]

蛭子

ひるこ 【蛭子】
記紀神話で,伊弉諾命(イザナキノミコト)と伊弉冉命(イザナミノミコト)の子とされる。古事記では伊弉諾・伊弉冉が日本の国土を生み成す際,国土とは認定し得ぬ失敗児,日本書紀では統治者の資格を欠く不具児としてそれぞれ位置づけられる。中世以降,恵比須(エビス)として尊崇された。ひるのこ。

蛭巻

ひるまき [2] 【蛭巻】
〔蛭の巻きついた形に似ることから〕
補強や装飾のために,刀の柄や鞘,また槍・薙刀(ナギナタ)・斧(オノ)などの柄を,鉄や鍍金・鍍銀の延べ板で間をあけて巻いたもの。
蛭巻[図]

蛭木

ひるぎ [2][0] 【漂木・蛭木】
ヒルギ科の常緑樹の総称。熱帯海岸湿地のマングローブを構成する。日本には九州南部から南西諸島にかけてメヒルギ・オヒルギ・ヤエヤマヒルギが分布する。
漂木[図]

蛭石

ひるいし [2] 【蛭石】
黒雲母が風化して水分を含んだ鉱物。急に熱するとヒルのように伸長する。焼成して耐熱材・防音材などに用いる。バーミキュライト。

蛭蓆

ひるむしろ [3] 【蛭蓆】
ヒルムシロ科の多年生水草。池や水田に生える。茎は泥土中の根茎から出て,上方は水面に達する。水面に浮かぶ葉は長楕円形で光沢があり,水中の葉は披針形。夏,水上に淡緑黄色の花穂を出す。蛭藻。[季]夏。

蛭藻

ひるも [2] 【蛭藻】
ヒルムシロの異名。[季]夏。

蛭鉤

ひるかぎ [2] 【蛭鉤】
(1)先細で中太の形が蛭に似た吊(ツ)り鉤。蛭環。
(2)中太の釣り針。

蛭飼い

ひるかい 【蛭飼い】
腫(ハ)れ物の悪い血を蛭に吸わせる治療法。

蛮カラ

ばんカラ [0] 【蛮―】 (名・形動)
〔ハイカラをもじった語〕
服装や言動などが粗野なこと。また,わざとそのようにふるまう人やさま。「旧制中学以来の―な校風」「―学生」

蛮カラの

ばんカラ【蛮カラの】
unrefined;unconventional.→英和

蛮人

ばんじん [0][3] 【蛮人】
野蛮人。

蛮人

ばんじん【蛮人】
a savage;→英和
a barbarian.→英和

蛮力

ばんりょく [1] 【蛮力】
(1)蛮勇の力。
(2)乱暴な力。

蛮勇

ばんゆう【蛮勇】
reckless courage.

蛮勇

ばんゆう [0] 【蛮勇】
周囲への配慮をも捨てて,事をなす乱暴な大胆さ。向こう見ずの勇ましさ。「―をふるう」

蛮国

ばんこく [0][1] 【蛮国・蕃国】
(1)野蛮な国。蕃邦。
(2)外国。

蛮土

ばんど [1] 【蕃土・蛮土】
未開の地。蕃地(バンチ)。

蛮地

ばんち [1] 【蕃地・蛮地】
未開の土地。蕃土。

蛮声

ばんせい [0] 【蛮声】
野蛮な声。下品で大きな声。

蛮声をあげて

ばんせい【蛮声をあげて】
in a loud,discordant voice.

蛮夷

ばんい [1] 【蛮夷・蕃夷】
野蛮人。未開人。えびす。

蛮族

ばんぞく [1] 【蛮族・蕃族】
未開の民族。野蛮人。

蛮的

ばんてき [0] 【蛮的】 (形動)
言動などが粗野で荒々しいさま。野蛮なさま。「―行為」

蛮社の獄

ばんしゃのごく 【蛮社の獄】
〔「蛮社」は「蛮学社中」の略〕
1839年,江戸幕府が渡辺崋山・高野長英らの蘭学者に加えた言論弾圧事件。モリソン号事件を契機とし,崋山は「慎機論」,長英は「夢物語」を書いて幕府の外国船撃攘策を批判。幕府は幕政批判のかどで,崋山を国元蟄居,長英を永牢とした。
→尚歯会

蛮神

ばんしん [0] 【蕃神・蛮神】
外国人の信じている神。また,外国から渡来した神。

蛮絵

ばんえ [0] 【蛮絵・盤絵】
動植物を丸く図案化した模様。袍(ホウ)や舞楽の装束などに用いた。名称については種々の説があるが,定説はない。
蛮絵[図]

蛮習

ばんしゅう [0] 【蛮習・蕃習】
野蛮な風習。

蛮舶

ばんぱく [0] 【蛮舶・蕃舶】
外国の船。蛮船。

蛮行

ばんこう【蛮行】
a brutality.

蛮行

ばんこう [0] 【蛮行】
野蛮な行為。乱暴で無作法な行為。

蛮触の争い

ばんしょくのあらそい 【蛮触の争い】
「蝸牛(カギユウ)角上の争い」に同じ。

蛮語

ばんご [1] 【蛮語】
異国の言葉。外国語を卑しんでいう。

蛮野

ばんや [1] 【蛮野】 (名・形動)[文]ナリ
「野蛮(ヤバン)」に同じ。「尤も―なる種族/文学史骨(透谷)」

蛮風

ばんぷう [0] 【蛮風】
野蛮な風俗。粗野な習慣。

蛮骨

ばんこつ [0] 【蛮骨】
気風や人柄が粗野なこと。蛮カラ。

たこ【蛸(壷)】
an octopus (trap).→英和

たこ [1] 【蛸・章魚・鮹】
(1)頭足綱八腕目の軟体動物の総称。丸い頭状の胴に吸盤のある八本の腕が付き,その付け根に口がある。頭状の部分は実際は胴体で,内臓や鰓(エラ)がはいっており,本当の頭にあたる部分は腕の付け根,口の上部に位置し,脳や目がある。体色は周囲の環境によって変化する。イカと同様,外敵に襲われたりすると口状の漏斗から墨を吐き出す。すべて海産。日本や南欧の一部では食用にするが,西欧では悪魔の魚といって食用にしない。マダコ・ミズダコ・イイダコなどが含まれる。
(2)「蛸突(タコツ)き」に同じ。
(3)〔頭の様子から〕
坊主をさげすんでいう語。「水船で―ののたくる御難病/柳多留 68」

蛸の木

たこのき [1] 【蛸の木】
タコノキ科の常緑高木。小笠原など暖地に自生。高さ10メートル内外。幹の下方から太い気根をタコの足状に多数出す。葉は長い剣形で枝先に集まってつく。雌雄異株。果実はパイナップル状。気根の繊維で縄を,葉で帽子やかごなどを作る。

蛸の枕

たこのまくら [1][1] 【蛸の枕・海燕】
ウニ綱の棘皮動物。体はやや平たい饅頭(マンジユウ)形で,長径10センチメートル内外。上面に五つの花弁状の紋がある。褐色で,一面に短い棘(トゲ)が生える。本州中部以南の浅海の砂底にすむ。饅頭貝。
蛸の枕[図]

蛸の足

たこのあし [1] 【蛸の足】
ベンケイソウ科の多年草。湿地に自生。高さ約80センチメートル。葉は狭披針形。夏,茎頂に反曲する数本の穂状花序をつけ,黄白色の小花を密生する。和名は花序の姿をタコの足に見立てたもの。サワシオン。
蛸の足[図]

蛸入道

たこにゅうどう [3] 【蛸入道】
(1)〔タコの外見を入道,すなわち僧の頭に見立てた語〕
タコの異名。たこぼうず。
(2)坊主頭の者をあざけっていう語。たこぼうず。

蛸坊主

たこぼうず [3] 【蛸坊主】
〔タコの外見を坊主頭に見立てた語〕
「蛸入道(タコニユウドウ)」に同じ。

蛸壺

たこつぼ [2][0] 【蛸壺】
(1)タコを捕まえるのに使う素焼きの壺。多数を幹縄につけて海中に沈め,タコの入った頃を見はからって引き上げる。
(2)戦場に掘った一人用の壕(ゴウ)。

蛸引き

たこひき [2] 【蛸引き】
和包丁の一種。細身で先が角型になったもの。主に関東地方で刺身を作るのに用いる。
→包丁

蛸水母

たこくらげ [3] 【蛸水母】
海産のクラゲの一種。傘の部分は半球形で,大きなものは直径20センチメートルになる。傘の下に触手と八本の口腕がある。暖流域に分布。

蛸烏賊

たこいか [2] 【蛸烏賊】
イカの一種。胴長25センチメートル内外で菱形のひれをもつ。二本の触腕が退化し,腕が八本しかない。食用。北海道東岸に分布。

蛸焼

たこやき [0] 【蛸焼(き)】
溶いた小麦粉にゆでたタコを刻んで入れ,型に流して球形に焼いたもの。薬味に紅しょうが・青のりなどを加える。大阪が本場。

蛸焼き

たこやき [0] 【蛸焼(き)】
溶いた小麦粉にゆでたタコを刻んで入れ,型に流して球形に焼いたもの。薬味に紅しょうが・青のりなどを加える。大阪が本場。

蛸突き

たこつき [4][0] 【蛸突き】
土を突き固めるのに使う胴突き。太い丸太に二ないし四本の柄がついたもの。蛸胴突き。胴突き。蛸。
蛸突き[図]

蛸胴突き

たこどうつき [3] 【蛸胴突き】
「蛸突(タコツ)き」に同じ。

蛸船

たこぶね [3][0] 【蛸船】
タコの一種。雌は体長約12センチメートルで,直径約9センチメートルの淡黄褐色の殻に収まる。雄は小さく,殻をもたない。世界中の暖海に分布し,浮遊生活を営む。フネダコ。
〔本来,タコブネは雌の殻をいい,軟体はフネダコと呼ぶ〕

蛸薬師

たこやくし [3] 【蛸薬師】
京都市中京区の妙心寺(永福寺旧蔵)や東京都目黒区の成就院などの薬師如来の俗称。婦人病・小児病・禿頭(トクトウ)などに霊験があるとされ,タコの絵馬を掲げて祈願する風がある。多く,薬師が海上をタコに乗って渡来したという口碑をもつ。

蛸足

たこあし [0][2] 【蛸足】
(1)タコの足に似た形に作った器物の足。「―のろうそく立て」
(2)一か所からたくさん分かれ出ていること。

蛸足配線

たこあしはいせん [5] 【蛸足配線】
多数の電気器具を接続するため,一つのコンセントから多くのコードを引くこと。

蛸部屋

たこべや [0] 【蛸部屋】
〔蛸壺(タコツボ)(1)の中のタコのように抜け出られないことから〕
かつての炭鉱や工事現場などに見られた,労働条件のきわめて悪い作業員宿舎。

蛸配

たこはい [0] 【蛸配】
「蛸配当」の略。

蛸配当

たこはいとう [3] 【蛸配当】
〔俗に,タコは空腹になると自分の足を食うというが,それに似た自滅的行為であるところからいう〕
会社が,配当を可能にする利益がないのに株主に利益配当をすること。蛸配。

蛸配当

たこはいとう【蛸配当】
a bogus dividend.

蛸釣

たこつり [2] 【蛸釣(り)】
(1)タコを捕まえること。
(2)戸や窓のすき間などからかぎのついた竿や糸を差し入れて,品物を釣り上げて盗み出すこと。

蛸釣り

たこつり [2] 【蛸釣(り)】
(1)タコを捕まえること。
(2)戸や窓のすき間などからかぎのついた竿や糸を差し入れて,品物を釣り上げて盗み出すこと。

蛸鉤

たこかぎ [2] 【蛸鉤】
タコを捕まえるのに用いる鉤。長い竿の先に鉤をつけたもの。

蛸頭巾

たこずきん [3][4] 【蛸頭巾】
頭頂部を丸く作った頭巾。

さなぎ [0] 【蛹】
完全変態をする昆虫が幼虫期と成虫期との間に経過する特殊な発育段階。幼虫器官の退化と成虫器官の形成が起こる。はね・胸脚などを備えるがほとんど機能しない。普通は移動せず,食物もとらない。蛹虫(ヨウチユウ)。

さなぎ【蛹】
《動》a chrysalis;→英和
<become> a pupa.→英和

蛹化

ようか [0] 【蛹化】 (名)スル
昆虫類の幼虫が脱皮して蛹(サナギ)になること。前胸腺ホルモンの作用による,完全変態を行う種類にみられる。
→孵化(フカ)
→羽化(ウカ)

蛹油

さなぎゆ [3] 【蛹油】
蚕の蛹から採取した油。蛹あぶら。

蛹虫

ようちゅう [0] 【蛹虫】
⇒さなぎ(蛹)

蛺蝶

たてはちょう [3][0] 【立羽蝶・蛺蝶】
タテハチョウ科のチョウの総称。中形で,複雑な模様と美しい色彩を持つはねを有する種が多い。飛翔は直線的で敏速。物に止まる時は,はねを閉じて直立させる。日本ではキタテハ・ルリタテハ・オオムラサキなど約五〇種が知られる。

蛻け

もぬけ [0] 【蛻け・藻抜け】
ヘビやセミなどのぬけがら。「蝉の―のやうな姿ぢや/狂言・箕被」

蛻けの殻

もぬけのから [6] 【蛻けの殻】
(1)人の抜け出たあとの寝床や住居。「隠れ家はすでに―だった」
(2)魂の抜け去ったからだ。死骸(シガイ)。

蛻ける

もぬ・ける [3] 【蛻ける】 (動カ下一)[文]カ下二 もぬ・く
(1)抜けて外に出る。脱する。抜ける。「いつしか魂が―・けて其中へ紛れ込んだやうに/平凡(四迷)」
(2)セミやヘビなどが脱皮する。「―・けたるむしのからなどのやうに/源氏(若菜下)」

こおろぎ コホロギ [1] 【蟋蟀・蛼】
(1)直翅目コオロギ科の昆虫の総称。体は太く短く,頭部は丸くて光沢があり,触角は糸状で長い。後肢は長く,跳躍に適する。尾端に二本の尾毛がある。多くは地表にすみ,雄は美しい声で鳴く。通常は,エンマコオロギ・ハラオカメコオロギ・ミツカドコオロギなど黒褐色の大形種をさすことが多い。古くはキリギリスといった。[季]秋。《―が髭をかつぎて鳴きにけり/一茶》
(2)古く,秋に鳴く虫の総称。「庭草に村雨降りて―の鳴く声聞けば秋付きにけり/万葉 2160」

ばい [1] 【貝・蛽・海蠃】
(1)海産の巻貝。貝殻は長卵形で殻高7センチメートル内外。表面は黄褐色の殻皮でおおわれる。殻は乳白色で栗色の斑紋がある。肉は食用。貝殻は貝細工の材料。昔は貝殻を使ってばいごま(べいごま)を作った。浅海の砂底にすむ。北海道南部以南に分布。
(2)「貝独楽(バイゴマ)」の略。「―ヲ回ス/日葡」

ひひる 【蛾】
⇒ひいる(蛾)

ひむし 【蛾】
蛾(ガ)。特に,蚕の蛾。「―羽の衣だに着ずに/万葉 3336」

が [0] 【蛾】
鱗翅目の昆虫のうちチョウでないものの総称。触角が櫛(クシ)の歯状で,腹部が太い。多くは静止時にはねを開き,夜間に飛ぶ種が多い。幼虫はイモムシ・ケムシで,農作物や樹木の葉を食害するものが多い。完全変態をする。カイコ・ミノガ・シャクガなど日本では約五〇〇〇種が知られる。

が【蛾】
a moth.→英和

ひいる ヒヒル 【蛾】
蛾(ガ)の総称。特に,カイコが羽化した蛾をいう。「越前の国の司,白き―献る/日本書紀(持統訓)」

蛾の衣

ひむしのころも 【蛾の衣】
蚕がこもっている繭。また,絹の衣服とも。「夏蚕(ムシ)の―二重着て/日本書紀(仁徳)」

蛾眉

がび [1] 【蛾眉】
(1)(蛾の触角のような形の)細く美しい眉(マユ)。
(2)美人。
(3)三日月。眉月。

蛾眉山

がびさん 【蛾眉山・峨眉山】
中国,四川省の四川盆地西端にある名山。海抜3099メートル。五台山・天台山とともに中国の仏教の三大霊山といわれる。オーメイ-シャン。

しょく 【蜀】
(1)中国,四川省の別名。秦・漢時代に灌漑施設が整備され,生産が高まり,劉備がここに蜀漢を建てて以来しばしば独立国が形成された。
→望蜀(ボウシヨク)
(2)三国時代の王朝。
→蜀漢(シヨツカン)
(3)五代十国の王朝。
→前蜀
→後蜀(コウシヨク)

蜀の桟道

しょくのさんどう 【蜀の桟道】
中国,長安から四川省北部の蜀に通ずるけわしい道。古くから険路として知られた。蜀道。

蜀丸

とうまる タウ― [0] 【唐丸・蜀丸・鶤鶏】
(1)ニワトリの一品種。鳴き声を賞玩する目的で作られた。とさかは単一で羽は黒い。鳴き声は五〜一三秒と長く,やや高音。新潟で改良された。天然記念物。
(2)「唐丸籠(カゴ)」の略。

蜀山人

しょくさんじん 【蜀山人】
⇒大田南畝(オオタナンポ)

蜀椒

なるはじかみ 【蜀椒】
アサクラザンショウの異名。[和名抄]

蜀江

しょっこう シヨクカウ 【蜀江】
中国の蜀(四川省)の成都付近を流れる河川。長江上流の一部。錦江。

蜀江の錦

しょっこうのにしき シヨクカウ― 【蜀江の錦】
(1)中国,蜀の国で製した赤地錦。日本に伝わり,法隆寺に残る。蜀錦(シヨツキン)。
(2)明代,中国,四川省で製した錦。

蜀江文

しょっこうもん シヨクカウ― [3] 【蜀江文】
蜀江の錦に見られる文様の様式。八角形や円を連続させ,中に雲竜などを表すものが多い。蜀江型。

蜀漢

しょくかん 【蜀漢】
⇒しょっかん(蜀漢)

蜀漢

しょっかん シヨクカン 【蜀漢】
中国,三国の一。後漢(ゴカン)の滅亡後,劉備(リユウビ)が蜀(四川省)に建てた漢(221-263)の称。二代で魏(ギ)に滅ぼされた。蜀。

蜀犬

しょっけん シヨク― [0] 【蜀犬】
中国の蜀(今の四川省)の犬。

蜀紅螺

しょくこうら [3] 【蜀紅螺】
海産の巻貝。殻高90ミリメートル,殻径60ミリメートルほどで,体層は丸くふくらむ。殻は褐色の地に淡色の帯や波状紋があり,美しいので観賞用とする。紀伊半島以南の暖海に分布。

蜀葵

からあおい 【唐葵・蜀葵】
タチアオイの古名。

蜀錦

しょっきん シヨク― [0] 【蜀錦】
「蜀江(シヨツコウ)の錦(ニシキ)」に同じ。

蜀魂

しょっこん シヨク― [0] 【蜀魂】
〔蜀の望帝の魂が化したという伝説から〕
ホトトギスの別名。蜀魄(シヨクハク)。蜀鳥。

蜀魂

ほととぎす 【杜鵑・時鳥・子規・不如帰・杜宇・蜀魂・田鵑】
■一■ [3] (名)
(1)ホトトギス目ホトトギス科の鳥。全長約30センチメートル。尾羽が長い。背面は灰褐色。腹面は白色で黒い横斑がある。ウグイスなどの巣にチョコレート色の卵を産み,抱卵と子育てを仮親に託す。鳴き声は鋭く,「テッペンカケタカ」などと聞こえる。夏鳥として渡来し,山林で繁殖して東南アジアに渡る。古来,文学や伝説に多く登場し,卯月(ウヅキ)鳥・早苗(サナエ)鳥・あやめ鳥・橘鳥・時つ鳥・いもせ鳥・たま迎え鳥・しでの田長(タオサ)などの異名がある。[季]夏。《―平安城を筋違に/蕪村》
(2)(「時鳥草」「杜鵑草」「油点草」の文字を当てる)ユリ科の多年草。丘陵や低山の湿った場所に生える。高さ約60センチメートル。葉は互生し,狭長楕円形で基部は茎を抱く。秋,葉腋に白色で紫斑がある花を一〜三個ずつつける。花被片は六個。和名は花の斑を{(1)}の胸の斑に見立てたもの。ほととぎすそう。[季]秋。
■二■ (枕詞)
{■一■(1)}が飛ぶ意から類音の地名「飛幡(トバタ)」にかかる。「―飛幡の浦にしく波のしくしく君を/万葉 3165」
杜鵑■一■(1)[図]
杜鵑■一■(2)[図]

蜀黍

もろこし [0] 【蜀黍・唐黍】
(1)イネ科の一年草。アフリカ原産。食用・飼料とするため,温帯・熱帯地方で広く栽培される。形状はトウモロコシに似る。夏,茎頂に多数の小穂が円錐状につく。実を精白・製粉して食用とする。高粱(コーリヤン)は本種の一品種。タカキビ。トウキビ。
(2)トウモロコシの別名。トウキビ。[季]秋。

はち【蜂】
a bee (蜜蜂);→英和
a wasp (スズメバチ).→英和
蜂の巣 a beehive;→英和
a honeycomb.→英和

はち [0] 【蜂】
膜翅目のうちアリを除く昆虫の総称。世界で十数万種が知られている。一般に膜質の前ばねと後ろばねの四翅を持ち,体長は1ミリメートルに満たないものから70ミリメートルに達するものがある。生態的には社会性・孤独性・寄生性および植物食のものなどがあり,多様である。完全変態をする。雌は毒針を持つものが多い。[季]春。《―の尻ふは��と針をさめけり/川端茅舎》

蜂の子

はちのこ [0] 【蜂の子】
ハチの幼虫。特に,スズメバチやクロスズメバチの幼虫をいう。タンパク質・脂肪に富み食用とする。

蜂の巣

はちのす [4][0] 【蜂の巣】
(1)ハチが幼虫を育てたり花の蜜(ミツ)をたくわえたりするために作る巣。ハチの種類により形状はさまざまであるが,腹部から分泌する蝋質を集めて作る六角柱状の集合体のものが多い。[季]春。
(2)鍛造作業に用いる金敷の一種。側面に各種の溝があり,表面には裏まで貫通した各種の形の穴がある。
(3)〔形が(1)に似ているところから〕
(料理用の)牛の第二胃。

蜂吹く

はちぶ・く 【蜂吹く】 (動カ四)
不満気な顔をする。ふくれ面をする。「鼻などうち赤めつつ,―・きいへば/源氏(松風)」

蜂屋柿

はちやがき [3] 【蜂屋柿】
カキの一品種。渋柿。果実は大きく長楕円形で,頂部は鈍くとがる。干し柿とする。岐阜県美濃加茂市蜂屋町の原産。美濃柿。

蜂岡寺

はちおかでら ハチヲカ― 【蜂岡寺】
広隆寺(コウリユウジ)の古称。

蜂巣

ほうそう [0] 【蜂巣】
はちのす。蜂窩(ホウカ)。蜂房。

蜂巣

はちす [0] 【蜂巣】
ハチの巣。

蜂巣織

はちすおり [0] 【蜂巣織(り)】
⇒枡(マス)織(オ)り

蜂巣織り

はちすおり [0] 【蜂巣織(り)】
⇒枡(マス)織(オ)り

蜂巣織炎

ほうそうしきえん [6] 【蜂巣織炎】
⇒蜂窩織炎(ホウカシキエン)

蜂熊

はちくま [0] 【蜂熊】
タカ目タカ科の鳥。全長約60センチメートル。背面は黒褐色。昆虫やカエル・ヘビなどを食うが,特にハチの幼虫や蛹(サナギ)を好むといわれる。ユーラシア大陸に広く分布し,日本には夏鳥として全国の森林に渡来する。

蜂窩

ほうか [1] 【蜂窩】
蜂の巣。蜂房。

蜂窩織炎

ほうかしきえん [5] 【蜂窩織炎】
皮下または筋肉・内臓周囲の組織が疎である部位(蜂窩織)に生じた急性化膿性炎症。ブドウ球菌・連鎖球菌などにより起こる。局所は赤く腫れて痛む。蜂巣織炎。

蜂腰

ほうよう [0] 【蜂腰】
(1)(女性の)蜂のようにくびれた腰。
(2)五言詩の一句中の第二字と第五字との平仄(ヒヨウソク)が同じであること。または,五言詩,七言詩の別なく一句中の第二字と第四字が同声であること。または,律詩の第五句と第六句だけに対句を用いたもの。詩八病(シハチヘイ)の一つとして避けるべきものとされた。

蜂蜜

はちみつ【蜂蜜】
honey.→英和

蜂蜜

はちみつ [0] 【蜂蜜】
ミツバチが花から集めて巣にたくわえた蜜。無色または飴色で,ねばりがあり甘い。大部分が糖分で栄養価が高く,食用・薬用。ハニー。

蜂蜜蛾

はちみつが [4] 【蜂蜜蛾】
メイガ科のガ。開張約25ミリメートル。はねは細く,茶褐色。幼虫はウジ状で,ミツバチの巣や毛皮などを食べるため,養蜂の害虫とされる。世界各地に分布。

蜂蝋

はちろう [0] 【蜂蝋】
⇒蜜蝋(ミツロウ)

蜂谷

はちや 【蜂谷】
姓氏の一。

蜂谷宗先

はちやそうせん 【蜂谷宗先】
(1693-1739) 香道志野流九世。号,葆光斎。家元制成立期の宗匠として,香道の教授内容を整備し,没後「香道箇条目録」として集成された。また,「諸国香道門人帳」の記載を始めた。

蜂起

ほうき【蜂起】
an uprising.→英和
〜する rise <against> .→英和

蜂起

ほうき [1] 【蜂起】 (名)スル
大勢の者が一斉に行動を起こすこと。「反乱軍が各地で―する」

蜂雀

はちすずめ [3] 【蜂雀】
ハチドリの異名。

蜂須賀

はちすか 【蜂須賀】
姓氏の一。

蜂須賀家政

はちすかいえまさ 【蜂須賀家政】
(1558-1638) 安土桃山・江戸初期の武将。徳島藩祖。正勝(小六)の子。豊臣秀吉に仕え,四国攻略後阿波一七万石余を領した。関ヶ原の戦いでは初め西軍に加えられたが参戦せず,本領を安堵。

蜂須賀小六

はちすかころく 【蜂須賀小六】
⇒蜂須賀正勝(ハチスカマサカツ)

蜂須賀正勝

はちすかまさかつ 【蜂須賀正勝】
(1526-1586) 安土桃山時代の武将。尾張の土豪。幼名,小六。のち彦右衛門尉。豊臣秀吉の臣。美濃墨俣(スノマタ)城の築塁,越前・近江征討,中国・四国攻略などで戦功を重ねた。

蜂鳥

はちどり【蜂鳥】
a hummingbird.→英和

蜂鳥

はちどり [2] 【蜂鳥】
アマツバメ目ハチドリ科に属する鳥の総称。鳥の中で最も小形。羽は金属光沢のある美しい色彩をもつ。飛行は前進・後進・静止ができ,空中に静止して細長いくちばしで蜜を吸う。南北アメリカ大陸に約三四〇種(または三二〇種)が知られ,最小種は体長6センチメートル。ハチスズメ。
蜂鳥[図]

蜃楼

かいやぐら カヒ― [3] 【貝櫓・蜃楼】
〔「蜃楼」を訓読みした語〕
蜃気楼(シンキロウ)のこと。

蜃気楼

しんきろう【蜃気楼】
a mirage.→英和

蜃気楼

しんきろう [3] 【蜃気楼】
〔蜃(大蛤(オオハマグリ))が気を吐いて描いた楼閣の意〕
下層大気の温度差などのために空気の密度に急激な差が生じて光が異常屈折をし,遠くのオアシスが砂漠の上に見えたり,船などが海上に浮き上がって見える現象。日本では富山湾の魚津海岸のものが有名。海市。[季]春。
→逃げ水

しじみ [0] 【蜆】
シジミ科の二枚貝の総称。貝殻は丸みを帯びた三角形で,表面に輪状の成長脈をもつ。殻表は多くは黒褐色。マシジミは湖・川に,ヤマトシジミは河口に,セタシジミは琵琶湖水系に分布。いずれも食用となる。蜆貝。[季]春。

しじみ【蜆】
a corbicula.

蜆川

しじみがわ 【蜆川】
大阪市北区堂島新地の北を流れていた川。また,堂島新地の異名。「折々の気のばしに―にあそび/浮世草子・織留 3」

蜆掻き

しじみかき [3] 【蜆掻き】
シジミをとるための漁具。網の袋の口に板か金属製の爪をつけ,長い柄をつけたもの。[季]春。

蜆汁

しじみじる [4] 【蜆汁】
シジミを殻のまま入れて煮た味噌汁。黄疸(オウダン)によいとされる。[季]春。

蜆縮凉鼓集

けんしゅくりょうこしゅう ケンシユクリヤウコシフ 【蜆縮凉鼓集】
仮名遣い書。1695年刊。二巻。著者は「鴨東蔌父(コウトウノソクフ)」とあるが不詳。「じ」と「ぢ」,「ず」と「づ」の正しい使い分けを示したもの。書名の蜆(シジミ)・縮(チヂミ)・凉(スズミ)・鼓(ツヅミ)はそれにちなむ。

蜆花

しじみばな [3] 【蜆花】
バラ科の落葉低木。中国原産。花木として植える。幹は高さ1メートル内外,多数株立ちとなる。葉は楕円形。春,新葉と同時に白色八重の小花が枝を覆うように密に咲く。粶花(ハゼバナ)。小米花(コゴメバナ)。[季]春。

蜆蝶

しじみちょう [3][0] 【蜆蝶・小灰蝶】
シジミチョウ科のチョウの総称。一般に小形で,色彩の美しいものが多く,はねの形も変化に富む。ルリシジミ・ヤマトシジミ・ミドリシジミ・オナガシジミなど種類が多い。全世界に分布。

蜆貝

しじみがい [3] 【蜆貝】
(1)シジミに同じ。
(2)シジミの貝殻。「―で海を測る(=成シ遂ゲ難イコトノタトエ。「蜆貝で井戸替え」トモ)」

蜈蚣

むかで [0] 【百足・蜈蚣】
(1)唇脚綱の節足動物のうちゲジ類を除いたものの総称。種類が多く,体長5ミリメートルくらいのものから15センチメートルを超えるものまである。体は腹背に扁平で,頭部と多数の環節が連続した胴部とから成り,環節ごとに一対の脚がある。石や朽ち木の下,地中などにすみ,小昆虫を捕食する。大顎(オオアゴ)から毒液を出し,種類によってはかまれるとかなり激しく痛む。ひゃくそく。[季]夏。《水甕の縁廻りをる―かな/柏崎夢香》
(2)「むかで小判」の略。「―がくろふ紙入れをわすれて来/柳多留 97」

蜉蝣

かげろう カゲロフ [2][0] 【蜉蝣・蜻蛉】
(1)カゲロウ目の昆虫の総称。多くは体長10〜15ミリメートル。体はか弱く細長で,二本または三本の糸状の尾がある。はねは膜状で,後ろばねは小さいかまたは欠如する。不完全変態を行い,若虫は水中で一年以上を過ごし,羽化して亜成虫となり,さらに脱皮して成虫となる。成虫の寿命は数時間から一週間ぐらいで,短命ではかないもののたとえにされる。日本にはヒラタカゲロウ・トビイロカゲロウなど約六〇種が知られる。ウスバカゲロウ・クサカゲロウなどは脈翅目に属し,分類上は異なった種類。[季]秋。
〔陽炎(カゲロウ)のゆらめきを思わせる飛び方をするところからの名といわれる〕
(2)トンボの古名。かぎろう。[和名抄]

蜉蝣

ふゆう [0][1] 【蜉蝣】
(1)カゲロウ。
(2)〔カゲロウが朝に生まれ夕べに死ぬということから〕
人生のはかないことのたとえ。「―の命」

蜉蝣の一期

ふゆうのいちご 【蜉蝣の一期】
人生の短くはかないことのたとえ。

あま 【海人・蜑】
魚介をとったり,藻塩を焼いたりするのを業とする者。漁師。古くは海部(アマベ)に属した。あまびと。いさりびと。「―の釣舟/古今(羇旅)」

蜑戸

たんこ [1] 【蜑戸】
海人(アマ)の住む家。漁家。

蜑民

たんみん [0] 【蛋民・蜑民】
中国南部の水上生活民。漁業・水運に従事。漢人による蔑称。

蜘糸

い 【蜘糸】
クモの糸。クモの巣。「露にてもいのちかけたる蜘蛛(クモ)の―に/蜻蛉(下)」

蜘網

ちもう [0] 【蜘網】
クモの巣。

蜘蛛

ちちゅう 【蜘蛛】
「ちちゅ(蜘蛛)」に同じ。「―が網をはりて,鳳凰をまつ風情也/曾我 8」

蜘蛛

ちちゅ [0] 【蜘蛛】
〔「ちちゅう」「ちしゅ」とも〕
(動物の)クモ。

蜘蛛

くも【蜘蛛】
a spider.→英和
〜の糸(巣) a spider's thread (a cobweb).〜の子を散らすように <disperse> in all directions.〜の巣だらけの cobwebby.

蜘蛛

くも [1] 【蜘蛛】
クモ形綱真正クモ目に属する節足動物の総称。体は頭胸部と腹部とからなり,胸部に四対の歩脚がある。腹端に紡績突起があって糸を出す。普通,八個の単眼をもち,複眼はない。頭部には脚の変化した触肢がある。糸を出して巣を張るオニグモ・ジョロウグモなどと,巣を張らないジグモ・ハエトリグモなどがある。分類上は,昆虫よりサソリ・ダニなどに近い。[季]夏。
→蜘蛛の子

蜘蛛

ちしゅ [1] 【蜘蛛】
⇒ちちゅ(蜘蛛)

蜘蛛の囲

くものい [1] 【蜘蛛の囲】
蜘蛛の巣。蜘蛛の網。[季]夏。

蜘蛛の子

くものこ [1] 【蜘蛛の子】
蜘蛛の幼虫。[季]夏。

蜘蛛の巣

くものす [1] 【蜘蛛の巣】
蜘蛛が張り渡した網。[季]夏。

蜘蛛の巣後光

くものすごこう 【蜘蛛の巣後光】
阿弥陀(アミダ)くじの一種。紙に蜘蛛の巣のような後光のある阿弥陀像をかき,後光の端に金額を書いて隠し,各自が引き合うもの。

蜘蛛の巣黴

くものすかび [4] 【蜘蛛の巣黴】
接合菌類クモノスカビ目の黴。やや温度の高いとき,食品,特にイチゴの実などに発生する。球形の胞子嚢(ノウ)を生じて繁殖するが,また匍匐枝(ホフクシ)で増殖するので蜘蛛の巣のようになる。有性生殖は接合による。酒の醸造に関与する有用種も知られている。

蜘蛛の糸

くものいと 【蜘蛛の糸】
歌舞伎舞踊の一。常磐津(トキワズ)。本名題「蜘蛛糸梓弦(クモノイトアズサノユミハリ)」。金井三笑作詞。1765年江戸市村座で初演。能「土蜘蛛」に基づく。

蜘蛛の網

ちちゅうのあみ 【蜘蛛の網】
クモの網。いくら願っても,とうてい望みがかなわないことのたとえ。「我も又蟷螂(トウロウ)が斧―雲にかけはしといへども/浮世草子・文反古 3」

蜘蛛の行ひ

くものおこない 【蜘蛛の行ひ】
蜘蛛が巣をかける様子。蜘蛛が人の衣につくと親しい人が来ると信じられた。蜘蛛の振る舞い。「ささがねの―今宵著しも/日本書紀(允恭)」

蜘蛛切丸

くもきりまる 【蜘蛛切丸】
源氏重代の宝刀。源頼光が蜘蛛の妖怪を斬ったことから名づけられた。蜘蛛切。

蜘蛛形類

くもがたるい [4] 【蜘蛛形類】
節足動物門の一綱。体は頭胸部と腹部に分けられる。頭胸部には六対の足があり,上顎・触肢各一対と四対の歩脚となる。触角はなく,目は単眼。顕著な変態はしない。サソリ・ムチサソリ・ヒヨケムシ・カニムシ・コヨリムシ・真正クモ目・フッコムシ・ザトウムシ・ダニ目の九目に分類される。クモ類。蛛形類(チユケイルイ)。

蜘蛛手

くもで [0] 【蜘蛛手】
(1)蜘蛛の足のように四方八方に出ていること。放射状に広がり,または組み合わされている状態。「水行く河の―なれば/伊勢 9」
(2)橋の梁(ハリ)・桁(ケタ)を支えるため,橋脚から筋交いに渡した材木。「五月雨に水まさるらしうち橋や―にかかる波の白糸/山家(夏)」
(3)細い材を打ち違えに組んだ,灯明皿や手水鉢(チヨウズバチ)などをのせる台。
(4)刀・棒などを四方八方に振り回す動作。「―,かくなわ,十文字,とんばう返り,水車,八方すかさず切つたりけり/平家 4」
(5)あれこれと思い乱れること。「うち渡し長き心は八橋の―に思ふことは絶えせじ/後撰(恋一)」

蜘蛛手の橋

くもでのはし 【蜘蛛手の橋】
池の上などに四方へ架け渡した橋。

蜘蛛手格子

くもでごうし [4] 【蜘蛛手格子】
木材や鉄棒などを縦横に交えて厳重にこしらえた格子。獄屋などにとりつける。

蜘蛛海星

くもひとで [3] 【蜘蛛海星】
(1)クモヒトデ科の棘皮動物の総称。
(2){(1)}の一種。胴部は直径2センチメートル内外の円盤状で,細長い6センチメートルほどの腕を五本もち,クモの足のように動かして移動する。本州以南の潮間帯にすむ。

蜘蛛猿

くもざる [0] 【蜘蛛猿】
オマキザル科の哺乳類。体長約50センチメートル。尾は体長より長い。胴は短く,四肢が細長くてクモの足を思わせる。体色は黒色・黄灰色など。樹上生活をし,果実などを食う。中南米の熱帯林にすむ。

蜘蛛目

くももく [2] 【蜘蛛目】
⇒真正蜘蛛目(シンセイクモモク)

蜘蛛膜

くもまく [2] 【蜘蛛膜】
脳と脊髄をおおう三層の髄膜のうち,中層をなす薄い無血管性の膜。外層を硬膜,内層を軟膜という。軟膜との間に蜘蛛膜下腔(カクウ)と呼ばれる間隙があり,蜘蛛の巣状の無数の小梁が伸びている。ちしゅまく。

蜘蛛膜

ちしゅまく [2] 【蜘蛛膜】
⇒くもまく(蜘蛛膜)

蜘蛛膜下出血

くもまく【蜘蛛膜下出血】
subarachnoid hemorrhage.

蜘蛛膜下出血

くもまくかしゅっけつ [6] 【蜘蛛膜下出血】
頭蓋内出血が蜘蛛膜下腔に起こること。動脈瘤・動脈硬化および動静脈奇形などにより脳血管が破れて起こる。突然の激しい頭痛・嘔吐・一過性の意識消失などを伴う。

蜘蛛舞

くもまい [0] 【蜘蛛舞】
中世末期から近世前期にかけて行われた見世物芸。張り渡した綱の上で,軽業芸を見せるもの。現在秋田県の一部に古風を残す。

蜚廉

ひれん [0][1] 【蜚廉・飛廉】
(1)中国の想像上の動物で,頭は雀に似て角があり,胴体は鹿に似ていて豹文があり,尾は蛇に似るというもの。
(2)中国で,風の神の名。風伯。
(3)陰陽道(オンヨウドウ)で,その方に向かって土工・建築・転居・嫁取りをするとわざわいが起こるとされる方角。大殺。

蜚蠊

ごきかぶり [3] 【御器噛・蜚蠊】
〔御器をかじる虫の意〕
ゴキブリの異名。[和漢三才図会]

蜚蠊

ごきぶり [0] 【蜚蠊】
〔「御器噛(ゴキカブリ)」の転という〕
ゴキブリ目に属する昆虫の総称。体は扁平で幅広く,光沢がある。触角は糸状で長い。前ばねは革質,後ろばねは膜状で,通常は腹部の上にたたまれる。夜行性ですばやく走り,狭いすき間に好んでもぐる。人家にすむ種と野外にすむ種があり,前者は食品を汚染し,各種の病原菌や寄生虫を媒介する。日本にはクロゴキブリ・チャバネゴキブリなど約四〇種がいる。アブラムシ。[季]夏。

蜚語

ひご [1] 【飛語・蜚語】
根拠のない,無責任なうわさ。飛言。デマ。「流言―」

みち 【蜜】
「みつ(蜜)」に同じ。「金の甕(カメ)二つに,一つには―,一つには甘葛(アマヅラ)入れて/宇津保(蔵開上)」

みつ [1] 【蜜】
(1)ミツバチがつくる甘い液。はちみつ。
(2)植物の分泌する甘い液。「花の―」
(3)砂糖や飴(アメ)からつくる甘い液。

みつ【蜜】
honey.→英和

蜜吸

みつすい [0] 【蜜吸】
スズメ目ミツスイ科の鳥の総称。東南アジアからニュージーランドまでに一七〇種余りが分布。体長は10〜44センチメートルまでさまざま。くちばしは細く,長めで下に曲がり,花蜜のほか木の実や虫を食べる。羽の色彩は地味なものが多い。

蜜教

みつおしえ [3] 【蜜教】
キツツキ目ミツオシエ科の鳥の総称。全長10〜20センチメートル。羽は灰色か緑灰色,くちばしは太く短く,脚の指は前後に二本ずつの対趾足(タイシソク)。人間やミツアナグマの注意をひいてミツバチの巣まで案内し,巣をこわし蜜を取って立ち去るのを待って幼虫・さなぎ・蜜蝋を食う習性がある。キツツキなど他の鳥の巣に托卵。アフリカ・南アジアの熱帯雨林に分布。

蜜月

みつげつ【蜜月】
the honeymoon.→英和

蜜月

みつげつ [0][2] 【蜜月】
〔honeymoon の訳語〕
(1)結婚したての頃。ハネムーン。
(2)親密な関係にあること。「労使の―時代」

蜜月旅行

みつげつりょこう [5] 【蜜月旅行】
新婚旅行。

蜜柑

みかん【蜜柑】
a mandarin (orange);→英和
a tangerine;→英和
<英> a satsuma.→英和

蜜柑

みかん [1] 【蜜柑】
(1)ウンシュウミカン・ナツミカン・ダイダイ・オレンジ・ザボンなどの柑橘類の総称。
(2)特にウンシュウミカンをいい,古くはキシュウミカンをいった。[季]秋。

蜜柑状果

みかんじょうか [4] 【蜜柑状果】
ミカン類に見られる液果。外果皮は油類を含んで強靭,中果皮は厚くて海綿状,内果皮は薄くその内壁から液汁を含んだ毛状体を突出する。内果皮の部分を生食する。柑果(カンカ)。橙果(トウカ)。

蜜柑科

みかんか [0] 【蜜柑科】
双子葉植物離弁花類の一科。世界の温帯から熱帯に一五〇属九〇〇種余りがある。低木または高木,まれに草本。通常,葉に透明な油点がある。果実は液果・蒴果(サクカ)・核果など。キハダ・ミヤマシキミ・ミカン・カラタチ・サンショウ・コクサギ・マツカゼソウなど。

蜜柑色

みかんいろ [0] 【蜜柑色】
ミカンの果皮のような黄赤色。

蜜柑酒

みかんしゅ [2] 【蜜柑酒】
ミカンの果汁やミカンの皮の蒸留液を加えて熟成させた酒。また,ミカンの果実を焼酎に漬けて作った果実酒。

蜜源植物

みつげんしょくぶつ [6] 【蜜源植物】
ミツバチに蜜をとらせるのに適した植物。ハギ・ナタネ・レンゲ・ソバ・ミカン・クローバーなど。

蜜漬

みつづけ [0] 【蜜漬(け)】
クリ・キンカンや百合根(ユリネ)などを砂糖蜜に漬け込んだもの。

蜜漬け

みつづけ [0] 【蜜漬(け)】
クリ・キンカンや百合根(ユリネ)などを砂糖蜜に漬け込んだもの。

蜜煮

みつに [0] 【蜜煮】
豆類や果実類などを,砂糖や蜂蜜(ハチミツ)で甘く煮含めたもの。

蜜砂糖

みつざとう [3] 【蜜砂糖】
未精製の,黒い液状の砂糖。

蜜腺

みつせん [0] 【蜜腺】
被子植物の分泌組織。糖類を主成分とする花蜜を分泌する。多くは子房の基部,あるいは子房と雄しべとの間にある。蜜槽。

蜜蜂

みつばち [2] 【蜜蜂】
ミツバチ科ミツバチ属のハチの総称。一匹の女王バチ,数百匹の雄バチ,数万匹の働きバチから成る高度な社会生活を営む。働きバチの体長は約13ミリメートルで,女王バチや雄バチは大きい。いずれも体は黒褐色で,黄褐色の短毛が密生する。女王バチは産卵に専念し,雄バチは交配のみ行う。働きバチは,花の蜜や花粉の採集・貯蔵,幼虫・女王バチ・雄バチへの給餌(キユウジ)にあたり,腹から分泌する蝋(ロウ)で巣をつくる。働きバチは花の位置などの情報を仲間に伝えるために独特のダンスを踊る。世界に五種が知られ,西洋ミツバチは世界各地で飼育されており,蜂蜜・蜜蝋・ローヤル-ゼリーなどを利用するほか,果樹や農作物の花粉を媒介させる。[季]春。
蜜蜂[図]

蜜蜂

みつばち【蜜蜂】
a (honey) bee.蜜蜂の巣 a beehive.→英和

蜜蜂マーヤの冒険

みつばちマーヤのぼうけん 【蜜蜂―の冒険】
〔原題 (ドイツ) Die Biene Maja und ihre Abenteuer〕
ボンゼルスの童話。1912年刊。外の世界にあこがれて故郷の町をとび出した蜜蜂のマーヤが,さまざまな冒険のすえに町に帰り,熊蜂の攻撃から町を守る。

蜜蝋

みつろう [0] 【蜜蝋】
蜜蜂から分泌され,蜜蜂の巣の主成分をなす蝋。巣を加熱圧搾して採取する。主成分はパルミチン酸ミリシルなどのエステル。化粧品やつや出し剤などの原料とする。蜂蝋。黄蝋。

蜜語

みつご [1][0] 【蜜語】
男女の甘い語らい。むつごと。

蜜豆

みつまめ [0] 【蜜豆】
ゆでた赤豌豆(エンドウ)や寒天・求肥(ギユウヒ)・白玉・果物などを盛りつけ,糖蜜をかけた食べ物。[季]夏。

蜥蜴

とかげ [0] 【蜥蜴・蝘蜓・石竜子】
(1)有鱗目トカゲ亜目の爬虫類の総称。多くは20〜30センチメートルだが,コモドオオトカゲなど3メートルを超すものもある。ほとんどが卵生,一部卵胎生。
(2){(1)}の一種。体は細長く,全長20センチメートル内外。背面は緑色を帯びた暗褐色で,尾は青色がかった金属光沢をもつ。尾を押さえると,自分で切断して逃げる。昼行性で,昆虫やクモを捕食する。日本各地に分布。[季]夏。

蜥蜴

とかげ【蜥蜴】
a lizard.→英和

蜥蜴座

とかげざ [0] 【蜥蜴座】
〔(ラテン) Lacerta〕
一〇月下旬の宵にほぼ日本の真上を通過する小星座。天の川の近くにあり,明るい星はない。

蜥蜴色

とかげいろ [0] 【蜥蜴色】
たて糸を浅黄または萌葱(モエギ)に染め,よこ糸を赤く染めた織色。光線の具合でよこ糸の赤色が交差して見え,トカゲの色に似る。

ひぐらし [0] 【蜩・茅蜩】
セミの一種。頭からはねの先まで約45ミリメートル。頭部と胸部の背面は赤褐色と緑色が紋様をなす。はねは透明。初秋の早朝と夕方,カナカナと高い声で鳴く。北海道南部から奄美大島にかけて分布する。カナカナ。カナカナゼミ。[季]秋。《―や陽明門のしまるころ/赤星水竹居》

ひぐらし【蜩】
a (higurashi) cicada.

かなかな [0][4] 【蜩】
〔鳴き声から〕
蜩(ヒグラシ)の別名。かなかなぜみ。[季]秋。《―に後れ勝なる仕事かな/虚子》

だに [2] 【蜱・壁蝨】
(1)〔古くは「たに」とも〕
ダニ目に属する節足動物の総称。一対の鋏角(キヨウカク),一対の触肢と四対の脚を持つ。種類はきわめて多く,あらゆる環境にすむ。人畜に寄生して,吸血し,激しいかゆみを与えたり,伝染病を媒介する種類もある。
(2)社会に寄生し,市民に害を与えるきらわれもの。「町の―」

にな [2] 【蜷・蝸螺】
(1)一群の巻貝の総称。
(2)カワニナの別名。[季]春。

みな [0] 【蜷】
ニナの別名。[季]春。

蜷の腸

みなのわた 【蜷の腸】 (枕詞)
蜷の腸が黒いことから,「か黒き」にかかる。「―か黒き髪に/万葉 804」

蜷局

とぐろ [3][0] 【塒・蜷局】
蛇がからだを渦巻のようにぐるぐる巻いてわだかまること。また,そのありさま。

蜷川

にながわ ニナガハ 【蜷川】
姓氏の一。

蜷川智蘊

にながわちうん ニナガハ― 【蜷川智蘊】
⇒智蘊(チウン)

蜷川親元

にながわちかもと ニナガハ― 【蜷川親元】
(1433-1488) 室町中期の武将。法名道寿。足利義政に仕え,政所執事代として幕政に参与。「蜷川親元日記」は室町幕府政治の実情を知る貴重な資料。歌人・名筆としても有名。

蜷結び

になむすび [3] 【蜷結び】
緒の結び方の一種。泔坏(ユスルツキ)の台や厨子棚(ズシダナ)などの敷物の周辺を飾りとじる結び方。できた形が巻貝の蜷に似るところからいう。
蜷結び[図]

蜷色

にないろ [0] 【蜷色】
(1)襲(カサネ)の色目の名。表は黄色,裏は青色。
(2)染め色の名。青黒い色。

蜻蛉

せいれい [0] 【蜻蛉】
トンボの別名。

蜻蛉

えんば ヱンバ 【蜻蛉】
トンボの古名。

蜻蛉

かげろう カゲロフ [2][0] 【蜉蝣・蜻蛉】
(1)カゲロウ目の昆虫の総称。多くは体長10〜15ミリメートル。体はか弱く細長で,二本または三本の糸状の尾がある。はねは膜状で,後ろばねは小さいかまたは欠如する。不完全変態を行い,若虫は水中で一年以上を過ごし,羽化して亜成虫となり,さらに脱皮して成虫となる。成虫の寿命は数時間から一週間ぐらいで,短命ではかないもののたとえにされる。日本にはヒラタカゲロウ・トビイロカゲロウなど約六〇種が知られる。ウスバカゲロウ・クサカゲロウなどは脈翅目に属し,分類上は異なった種類。[季]秋。
〔陽炎(カゲロウ)のゆらめきを思わせる飛び方をするところからの名といわれる〕
(2)トンボの古名。かぎろう。[和名抄]

蜻蛉

あきず アキヅ 【蜻蛉・秋津】
〔平安時代以降は「あきつ」とも〕
トンボの異名。[季]秋。「手腓(タコムラ)に�(アム)かきつきその�を―早咋(ハヤグ)ひ/古事記(下)」

蜻蛉

あきつ 【蜻蛉・秋津】
〔古くは「あきづ」〕
トンボの異名。[季]秋。
→あきず(蜻蛉・秋津)

蜻蛉

とんぼ [0] 【蜻蛉・蜻蜓】
(1)トンボ目の昆虫の総称。世界で約六〇〇〇種が命名されている。熱帯に多く,日本には,約二〇〇種がいる。目は大きな複眼で,発達した口器をもつ。胴は細長い棒状で,細長い二対の羽をもつ。幼虫は水中にすみ,ヤゴと呼ばれ,成虫とともに害虫を捕食するので益虫とされる。あきつ。かげろう。とんぼう。だんぶり。[季]秋。
(2)多色印刷で,刷り合わせを正確にするため,版面につける見当合わせ用の十字形の印。
(3)(「筋斗」とも書く)「とんぼ返り」に同じ。
→とんぼをきる
(4)「とんぼ持ち」の略。

蜻蛉

とんぼ【蜻蛉】
a dragonfly.→英和

蜻蛉

とんぼう トンバウ [0] 【蜻蛉】
「とんぼ(蜻蛉){(1)}」に同じ。[季]秋。

蜻蛉持ち

とんぼもち [0] 【蜻蛉持ち】
物を担ぐときに,棒の前端に横木をつけて左右二人で担ぎ,後端を一人で担ぐ方法。とんぼ。

蜻蛉日記

かげろうにっき カゲロフ― 【蜻蛉日記】
日記。三巻。藤原道綱母作。977年成立か。藤原兼家との結婚に始まり,夫との不和,子への愛情など21年間の生活をつづる。女性の筆になる最初の日記文学。

蜻蛉洲

あきつしま 【秋津島・秋津洲・蜻蛉洲】
〔古くは「あきづしま」〕
■一■ (名)
初め,大和国内の一地名。のち,「しま」が国と同義であるところから大和国の異名となり,さらに,日本国の異称となった。秋津島根(アキツシマネ)。「そらみつ倭の国を―とふ/古事記(中)」
■二■ (枕詞)
「大和」にかかる。「―大和の国の橿原の畝傍の宮に/万葉 4465」

蜻蛉玉

とんぼだま [0] 【蜻蛉玉】
ガラス製の玉の一種。丸い玉の表面に二色以上の色ガラスでまだらの文様などを表したもの。古墳の副葬品として出土。

蜻蛉笠

とんぼがさ [4] 【蜻蛉笠】
真竹(マダケ)の皮で編んだ粗末な笠。船頭やいかだ師がかぶった。

蜻蛉結び

とんぼむすび [4] 【蜻蛉結び】
紐(ヒモ)の結び方の一種。トンボの羽を広げたような形に結ぶもの。
蜻蛉結び[図]

蜻蛉羽

あきずは アキヅ― 【蜻蛉羽】
トンボのはね。薄く透き通って美しいもののたとえ。「―の袖振る妹を/万葉 376」

蜻蛉返り

とんぼがえり [4] 【蜻蛉返り】 (名)スル
〔トンボが飛びながら急に後方へ身をひるがえすことから〕
(1)空中で体を一回転させること。宙返り。空中転回。
(2)ある場所へ行き,すぐ戻ってくること。「大阪へ行って用を足し,その日のうちに―する」

蜻蛉返りをする

とんぼがえり【蜻蛉返りをする】
turn a somersault;→英和
loop the loop (飛行機が);→英和
make a quick return (行ってすぐ帰ること).‖蜻蛉返りターン a somersault turn (水泳での).

蜻蛉釣

とんぼつり [3] 【蜻蛉釣(り)】
細い竹の先に糸で雌のトンボを結びつけ,雄を誘い寄せて捕らえる遊び。また,竹の先にとりもちを塗って捕らえる遊びをもいう。[季]秋。《―今日は何処まで行たやら/千代》

蜻蛉釣り

とんぼつり [3] 【蜻蛉釣(り)】
細い竹の先に糸で雌のトンボを結びつけ,雄を誘い寄せて捕らえる遊び。また,竹の先にとりもちを塗って捕らえる遊びをもいう。[季]秋。《―今日は何処まで行たやら/千代》

蜻蛉長者

だんぶりちょうじゃ 【蜻蛉長者】
昔話の一。夢に現れたトンボ・ハチなどの昆虫に導かれて,酒や黄金の在処(アリカ)を知り,長者になるという型の話。東北地方に伝わる。

蜻蛉領巾

あきずひれ アキヅ― 【蜻蛉領巾】
トンボのはねのように,薄くて美しい領巾(ヒレ)。「吾が持てるまそみ鏡に―負ひなめ持ちて/万葉 3314」

蜻蜓

やんま [0] 【蜻蜓】
ヤンマ科のトンボの総称。多くは体長6センチメートル以上の大形のトンボ。複眼が頭頂で接する。一定の場所を往復して飛ぶ習性がある。ギンヤンマ・ルリボシヤンマ・コシボソヤンマなど。なお,オニヤンマ科・ムカシヤンマ科およびサナエトンボ科の大形種も含めた俗称として用いることもある。[季]秋。

蜻蜓

せいてい 【蜻蜓】
ヤンマの異名。[伊京集]

蜻蜓

とんぼ [0] 【蜻蛉・蜻蜓】
(1)トンボ目の昆虫の総称。世界で約六〇〇〇種が命名されている。熱帯に多く,日本には,約二〇〇種がいる。目は大きな複眼で,発達した口器をもつ。胴は細長い棒状で,細長い二対の羽をもつ。幼虫は水中にすみ,ヤゴと呼ばれ,成虫とともに害虫を捕食するので益虫とされる。あきつ。かげろう。とんぼう。だんぶり。[季]秋。
(2)多色印刷で,刷り合わせを正確にするため,版面につける見当合わせ用の十字形の印。
(3)(「筋斗」とも書く)「とんぼ返り」に同じ。
→とんぼをきる
(4)「とんぼ持ち」の略。

蜾蠃

から クワ― 【蜾蠃】
ジガバチの異名。すがる。「―の母は情を矯(タ)めて/渋江抽斎(鴎外)」

蜾蠃

すがる [0][1] 【蜾蠃】
(1)ジガバチの古名。また,ハチの異名。「飛び翔る―のごとき腰細に取り飾らひ/万葉 3791」
(2)鹿(シカ)の異名。「―伏す木ぐれが下の葛まきを/山家(雑)」

蜾蠃少女

すがるおとめ 【蜾蠃少女】
ジガバチのように腰の細い,しなやかな少女。「胸別(ムナワケ)の広き我妹,腰細の―のその姿(カオ)のきらきらしきに/万葉 1738」

蜿蜒

えんえん ヱン― [0] 【蜿蜒】 (ト|タル)[文]形動タリ
ヘビなどがうねり行くさま。また,うねうねと長く続くさま。「―長蛇の列」「愛宕の山脈が―と連なつて/朱雀日記(潤一郎)」
〔「蜿蜿」「蜒蜒」とも書く〕

せび 【蝉】
「せみ」に同じ。[新撰字鏡]

せみ [0] 【蝉】
(1)半翅(ハンシ)目セミ科の昆虫の総称。体長数センチメートルで体が太く,はねは透明なものが多い。口は針のように細長く,樹木に差し込んで養分を吸う。雄の腹部に発音器があって高い声で鳴く。幼虫は地中で樹木の根から吸汁して数年から十数年を過ごす。日本産はアブラゼミ・ミンミンゼミ,秋にヒグラシ・ツクツクボウシなど三二種が分布する。せび。[季]夏。《しづかさや岩にしみ入る―の声/芭蕉》
(2)雅楽の横笛の名所(ナドコロ)。吹き口と頭端との間の背面を三分ほど切り開き,蝉形の木でおおったもの。
(3)高い所に物を引き上げる際に用いる小さな滑車。
(4)和船の帆柱などに取り付けて,帆や荷物の上げ下ろしをする滑車。
蝉(3)[図]

せみ【蝉】
a cicada.→英和

蝉の羽

せみのは 【蝉の羽】
(1)蝉のはね。
(2)透けて見えるような薄い着物の形容。「―も裁(タ)ちかへてける夏衣/源氏(夕顔)」

蝉の羽衣

せみのはごろも 【蝉の羽衣】
「蝉衣」に同じ。「今朝かふる―着てみれば/千載(夏)」

蝉の脱け殻

せみのぬけがら 【蝉の脱け殻】
(1)蝉が成虫になるときに抜け出したあとの殻。
(2)中身がなくて,殻だけが残ったものを比喩的にいう。

蝉丸

せみまる 【蝉丸】
(1)平安前期の歌人。宇多天皇の皇子敦実親王に仕えた雑色(ゾウシキ)とも,醍醐天皇の第四皇子とも伝えられる。逢坂(オウサカ)山に住み,盲目で琵琶の名手とされ,音曲の守護神として伝説に富む。後撰集以下の勅撰集に四首の歌がみえる。生没年未詳。
(2)能の一。四番目物(狂乱物)。世阿弥作か。盲目のため逢坂山に捨てられた皇子蝉丸を,髪が逆立つ病をもつ姉逆髪(サカガミ)が狂乱のさまで訪ねて行き,互いの宿命を嘆きながら,やがて別れて行く。
(3)人形浄瑠璃。時代物。近松門左衛門作。初演年代未詳。{(2)}に取材。蝉丸をめぐる,北の方・直姫らの恋争いを中心に描く。蝉丸は女人の怨念で盲目となるが,最後に開眼する。

蝉噪

せんそう [0] 【蝉噪・蝉騒】
(1)蝉(セミ)がさわがしく鳴くこと。
(2)多くの人がさわがしく言い立てること。

蝉噪蛙鳴

せんそうあめい [5] 【蝉噪蛙鳴】 (名)スル
「蛙鳴蝉噪(アメイセンソウ)」に同じ。

蝉声

せんせい [0] 【蝉声】
蝉(セミ)の鳴く声。

蝉折れ

せみおれ [0] 【蝉折れ】
(1)鬢先を上方に反らし蝉の形にした男の髪形。天和・元禄(1681-1704)頃流行。
(2)平安時代の横笛の名。「―,小枝と聞えし漢竹の笛を二つ/平家 4」

蝉時雨

せみしぐれ [3] 【蝉時雨】
たくさんの蝉が鳴いているさまを時雨の降る音にたとえていう語。[季]夏。

蝉海老

せみえび [2] 【蝉海老】
海産の大形のエビ。体長30センチメートルに達する。頭胸部は正方形に近く,甲は赤褐色で厚く,表面に多数の顆粒状の突起と粗毛がある。食用になる。房総以南の太平洋沿岸に分布。

蝉笛

せみぶえ [2][0][3] 【蝉笛】
蝉の鳴き声を出すおもちゃの笛。土製の蝉を飾りとして付けた,竹製の笛。

蝉籠

せみかご [0][2] 【蝉籠】
蝉の形をした花入れ用の籠。

蝉脱

せんだつ [0] 【蝉脱】 (名)スル
「蝉蛻(センゼイ){(2)}」に同じ。「クラシシズムの乾枯した殻を―せん/文芸上の自然主義(抱月)」

蝉茸

せみたけ [2] 【蝉茸】
子嚢菌(シノウキン)類バッカク菌目のきのこ。地下のニイニイゼミの蛹(サナギ)に寄生し,春から夏,地上に発生する。子実体は頭と茎から成り,地上部の高さ約5センチメートル。頭部はややふくらみ黄褐色の無数の胞子を生じる。茎は白色。冬虫夏草(トウチユウカソウ)の一種。

蝉蛻

せんぜい [0] 【蝉蛻】 (名)スル
(1)蝉(セミ)のぬけがら。うつせみ。
(2)俗世間から超然としていること。蝉脱。「濁世の汚穢を被り容易に之を―すること能はず/花柳春話(純一郎)」

蝉衣

せみごろも [3] 【蝉衣】
紗(シヤ)や絽(ロ)などの,蝉の羽のように薄く透けた上等の着物。「かけ香や何にとどまる―/蕪村」

蝉退

せんたい [0] 【蝉退】
〔「ぜんたい」とも〕
セミの抜け殻で生薬の一。解熱・かゆみ止め・鎮痙(チンケイ)薬などに用いられる。

蝉騒

せんそう [0] 【蝉噪・蝉騒】
(1)蝉(セミ)がさわがしく鳴くこと。
(2)多くの人がさわがしく言い立てること。

蝉鬢

せんびん 【蝉鬢】
蝉(セミ)の羽のように,透き通って美しく見える鬢。美人の髪。また,美人。蝉髪。「―肩にふり乱れて/読本・弓張月(続)」

蝉魴鮄

せみほうぼう [3] 【蝉魴鮄】
カサゴ目の海魚。全長35センチメートルほど。体形はややホウボウに似るが,大きな胸びれをもち,背びれ前方に明瞭な二つの遊離したとげがある。体は朱紅色。本州中部以南に分布。

ろう ラフ [1] 【蝋】
高級脂肪酸と高級一価アルコールとのエステル。天然のものは多くが固体。グリセリドである油脂に似ているが,油脂よりも酸化や加水分解に対して安定。動植物体の表面に存在し,保護膜の役を果たすものが多い。精製して,艶(ツヤ)出し・化粧品・医薬品などに用いる。木蝋など慣用名で蝋とよばれていても油脂のものがある。ワックス。

ろう【蝋】
wax;→英和
candlewax.〜をひく wax.〜びきの waxed.

蝋の木

ろうのき ラフ― [1] 【蝋の木】
ハゼノキの別名。

蝋人形

ろうにんぎょう ラフニンギヤウ [3] 【蝋人形】
蝋で作った人形。

蝋人形

ろうにんぎょう【蝋人形】
a wax doll[figure].

蝋叩き

ろうたたき ラフ― [3] 【蝋叩き】
熱い蝋を堅い刷毛で地色の部分に叩きつけ,梨子地蒔絵(ナシジマキエ)のようにする染色法。

蝋型

ろうがた ラフ― [0] 【蝋型】
鋳造技法の一。蜜蝋(ミツロウ)と松やになどを混ぜたものを中子(ナカゴ)の表面にかぶせて原型を作り,土と粘土汁を混ぜたものを塗りかけて乾かし,熱を加えて蝋を除き,できた型と中子の間に溶銅を流し込む。日本では古代の小金銅仏に主に用いられた。

蝋山

ろうやま ラフヤマ 【蝋山】
姓氏の一。

蝋山政道

ろうやままさみち ラフヤマ― 【蝋山政道】
(1895-1980) 政治学者。群馬県生まれ。河合事件に際し東大教授を辞任。戦後,お茶の水女子大学学長などを歴任。著「行政組織論」

蝋引き

ろうびき ラフ― [0] 【蝋引き】
(1)表面にろうを引くこと。
(2)ろうや亜麻仁油を顔料に混ぜて塗り,防水した紙や布。

蝋染

ろうぞめ ラフ― [0] 【蝋染(め)】
蝋を防染に用いた染色法。

蝋染め

ろうぞめ ラフ― [0] 【蝋染(め)】
蝋を防染に用いた染色法。

蝋梅

ろうばい ラフ― [0] 【蝋梅・臘梅】
ロウバイ科の落葉低木。中国原産。庭木とする。葉は対生し,卵形。一,二月,葉に先立ち枝の節に香りのよい花をつける。花は径約2センチメートルで,多数の花被片があり,外側の花被片は黄色,内側は暗紫色。唐梅(カラウメ)。[季]冬。
蝋梅[図]

蝋椰子

ろうやし ラフ― [3] 【蝋椰子】
ヤシ科の高木。ブラジル原産で,葉から蝋を採る。蝋は融点が高く良質で,蝋燭(ロウソク),靴クリーム,柑橘(カンキツ)類のつや出しなどに用いる。

蝋涙

ろうるい ラフ― [1] 【蝋涙】
ともした蝋燭からとけて流れる蝋。涙にたとえていう。

蝋瀬漆

ろせうるし [3] 【蝋瀬漆】
水分を蒸発させた瀬しめ漆に蝋色(ロイロ)漆をまぜたもの。研ぎ出し蒔絵(マキエ)に用いる。

蝋燭

ろうそく ラフ― [3][4] 【蝋燭】
糸・紙撚(コヨ)りなどを芯(シン)にし,まわりを蝋・パラフィンなどで固めた円柱状の灯具。らっそく。「―をともす」「―立て」

蝋燭をつける

ろうそく【蝋燭をつける(消す)】
light (put out) a candle.→英和
‖蝋燭立て a candlestick.蝋燭の芯 a candlewick.

蝋燭足

ろうそくあし ラフ― [4] 【蝋燭足】
株価の動きをグラフで表す罫線の一。一般に広く使われ,日・週・月ごとなど,ある期間の始め値と終わり値を示す棒の上下に高値・安値を示す線(ヒゲ)を書く方式。その図が蝋燭に似ることからいう。陰陽線。
〔「ロウソク足」と書く〕

蝋燭鞘

ろうそくざや ラフ― [0] 【蝋燭鞘】
蝋燭の形をした槍の鞘。

蝋画

ろうが ラフグワ [0] 【蝋画】
(1)エンカウスティックに同じ。
(2)テンペラ画の上に蝋やワックスを塗り,熱で溶かして光沢を与えた絵。

蝋石

ろうせき ラフ― [4][3][0] 【蝋石】
緻密(チミツ)で塊状,蝋のような感触のある鉱物や岩石の総称。葉蝋石・滑石など。

蝋管

ろうかん ラフクワン [0] 【蝋管】
初期の蓄音機で,音声の記録に用いた蝋を塗った円筒。蝋にカッターで音溝を刻み込んで録音した。

蝋紙

ろうし ラフ― [1] 【蝋紙】
⇒ろうがみ(蝋紙)

蝋紙

ろうがみ ラフ― [1] 【蝋紙】
蝋をしみこませた紙。ろうし。
→パラフィン紙

蝋細工

ろうざいく【蝋細工】
a waxwork.→英和

蝋細工

ろうざいく ラフ― [3] 【蝋細工】
蝋を材料にして細工をすること。また,その作品。

蝋纈

ろうけつ ラフ― [0] 【臈纈・蝋纈】
「臈纈染め」の略。

蝋纈

ろうけち ラフ― [0] 【臈纈・蝋纈】
蝋で防染して模様を表した染色法。蝋を型で押したものが多い。奈良時代に中国から伝来したが,平安時代には廃れた。
→臈纈染(ロウケツゾ)め

蝋膜

ろうまく ラフ― [1] 【蝋膜】
鳥の上嘴(ジヨウシ)基部をおおう肉質の膜。鼻孔が開いている。フクロウ目・タカ目・ハト目・オウム目などに見られる。

蝋色

ろいろ [0] 【蝋色】
「蝋色塗り」の略。ろういろ。

蝋色

ろういろ ラフ― [0] 【蝋色】
⇒ろいろ(蝋色)

蝋色塗

ろいろぬり [0] 【蝋色塗(り)】
漆塗りの技法の一。蝋色漆で上塗りをし木炭で研ぎ,砥粉(トノコ)などで平らにし,摺(ス)り漆をして磨いて光沢を出したもの。蝋色研ぎ出し。蝋色仕立て。

蝋色塗り

ろいろぬり [0] 【蝋色塗(り)】
漆塗りの技法の一。蝋色漆で上塗りをし木炭で研ぎ,砥粉(トノコ)などで平らにし,摺(ス)り漆をして磨いて光沢を出したもの。蝋色研ぎ出し。蝋色仕立て。

蝋色漆

ろいろうるし [4] 【蝋色漆・呂色漆】
蝋色塗りに用いる漆。油分を含まない黒漆。

蝋色鞘

ろいろざや [0] 【蝋色鞘】
蝋色塗りの刀の鞘。

蝋虫

ろうむし ラフ― [1] 【蝋虫】
イボタロウカタカイガラムシの俗称。

蝌蚪

かと クワ― [1] 【蝌蚪】
(1)オタマジャクシの別名。[季]春。《この池の生々流転―の紐/虚子》
(2)「蝌蚪文字(カトモジ)」の略。

蝌蚪文字

かともじ クワト― [3] 【蝌蚪文字】
〔「蝌蚪」はオタマジャクシの意〕
中国の古体篆字(テンジ)の称。竹簡に漆で書いたとき,漆がねばって,点画の頭が太く,先の方が細く,オタマジャクシを思わせる形をしている。

しょく [1] 【食・蝕】
ある天体が他の天体の一部または全部をおおい隠す現象。日食・月食,星食や惑星による衛星の食などもいう。
→星食
食=1[図]
食=2[図]

蝕え尽く

はえつ・く 【蝕え尽く】 (動カ上二)
日食・月食で,皆既食となる。「日,―・きたること有り/日本書紀(推古訓)」

蝕する

しょく・する [3] 【食する・蝕する】 (動サ変)[文]サ変 しよく・す
天体が他の天体の一部または全体をおおい隠す。また,おおい隠される。「―・する日の面(オモテ)を仰ぎつつ/婦系図(鏡花)」

蝕む

むしば・む [3] 【蝕む・虫喰む】 (動マ五[四])
(1)虫が食って物を損なう。「―・まれた果実」「―・みたる蝙蝠とり出でて/枕草子 292」
(2)(虫が食うように)悪弊や病気が少しずつ体や心をおかす。「青少年の心を―・む出版物」「―・まれた体」

蝕む

むしばむ【蝕む】
spoil;→英和
affect;→英和
undermine;→英和
gnaw <at,on,in> .→英和

蝕ゆ

は・ゆ 【蝕ゆ】 (動ヤ下二)
日食または月食になる。「日―・え尽きたること有り/日本書紀(推古訓)」

蝕像

しょくぞう [0] 【蝕像・食像】
結晶面に,薬品による腐食で生じた模様。特有な形を示し,結晶の対称性や結晶系を知ることができる。

蝕害

しょくがい [0] 【食害・蝕害】 (名)スル
虫や鳥獣が,植物を食い荒らすこと。また,その害。

蝕甚

しょくじん [0] 【食尽・蝕甚】
日食または月食で,太陽または月が最も欠けた状態。また,その時刻。

いなむし [2] 【稲虫・蝗】
(1)稲の害虫の総称。
(2)イナゴ。

こう クワウ [1] 【蝗】
イナゴ。また,イナゴによる災害。

いなご [0] 【稲子・蝗】
(1)イナゴ属のバッタの総称。日本にはハネナガイナゴ・コバネイナゴほか二種がいる。体長約3センチメートル。体は緑色,はねは淡褐色,発達した後肢でよく跳ぶ。鳴かない。稲の害虫。食用ともする。[季]秋。
(2)〔建〕 竿縁(サオブチ)天井の板の重ね目を密着させるために,その裏側に取り付ける竹・金属などの小片。
稲子(1)[図]

いなご【蝗】
a locust.→英和

蝗害

こうがい クワウ― [0] 【蝗害】
バッタ類による農作物の被害。

蝗虫

ばった [0] 【飛蝗・蝗虫】
直翅目バッタ科の昆虫の総称。触角は短く,はねは退化したものからよく発達したものまで変化に富む。後肢は長く発達して跳躍に適している。雌は土中に穴を掘って産卵し,多くは卵の状態で越冬する。変態は不完全。草本,特にイネ科植物を好み,トノサマバッタのように大発生し,飛蝗(ヒコウ)となって農林作物に大被害を与えるものもある。イナゴ・トノサマバッタ・ショウリョウバッタ・オンブバッタなど。[季]秋。《街道をきち��と飛ぶ―かな/村上鬼城》

蝗虫

こうちゅう クワウ― [0] 【蝗虫】
イナゴの漢名。

蝘蜓

とかげ [0] 【蜥蜴・蝘蜓・石竜子】
(1)有鱗目トカゲ亜目の爬虫類の総称。多くは20〜30センチメートルだが,コモドオオトカゲなど3メートルを超すものもある。ほとんどが卵生,一部卵胎生。
(2){(1)}の一種。体は細長く,全長20センチメートル内外。背面は緑色を帯びた暗褐色で,尾は青色がかった金属光沢をもつ。尾を押さえると,自分で切断して逃げる。昼行性で,昆虫やクモを捕食する。日本各地に分布。[季]夏。

蝙蝠

へんぷく [0] 【蝙蝠】
動物のコウモリのこと。

蝙蝠

かわほり カハ― 【蝙蝠】
(1)コウモリの古名。[季]夏。「簾(スダレ)もへりは―に食はれて/大和 173」
(2)「蝙蝠扇(カワホリオウギ)」に同じ。

蝙蝠

こうもり【蝙蝠】
《動》a bat.→英和
‖蝙蝠傘 <fold,unfold> an umbrella.

蝙蝠

こうもり カウ― [1] 【蝙蝠】
〔「かわほり」の転〕
(1)哺乳綱翼手目に属する動物の総称。体はネズミに似るが,前肢の上腕骨・前腕骨および指骨・掌骨が著しく発達し,指・胴・後肢・尾の間に薄い飛膜を張って翼となる。鳥のように自由に飛べる唯一の哺乳類。後肢の鋭いかぎ状の爪をそなえた五本の指で木や洞穴の天井などにぶら下がる。超音波を発し,その反射を聞いて,障害物との距離を感知しながら飛ぶものが多い。約九五〇種が全世界に分布し,熱帯・亜熱帯に多い。夜行性で昼間は暗所・物陰にひそむ。かくいどり。[季]夏。
(2)「蝙蝠傘」の略。
蝙蝠(1)[図]

蝙蝠傘

こうもりがさ カウ― [5] 【蝙蝠傘】
〔開くとコウモリが翼を広げた形に似るところからいう〕
細い鉄の骨に絹・ナイロンなどを張った洋傘。こうもり。

蝙蝠半纏

こうもりばんてん カウ― [5] 【蝙蝠半纏】
丈が短く,袖丈の長い半纏。江戸後期,旅商人などが合羽(カツパ)の代わりに着た。

蝙蝠扇

かわほりおうぎ カハ―アフギ [5] 【蝙蝠扇】
〔蝙蝠が翼を広げた形に似ているところから〕
扇子。夏扇。
蝙蝠扇[図]

蝙蝠羽織

かわほりばおり カハ― [5] 【蝙蝠羽織】
⇒こうもりばおり(蝙蝠羽織)

蝙蝠羽織

こうもりばおり カウ― [5] 【蝙蝠羽織】
江戸時代中期に流行した男羽織。腰くらいの短い身丈で長い振袖が付く。かわほりばおり。
蝙蝠羽織[図]

蝙蝠葛

こうもりかずら カウ―カヅラ [5] 【蝙蝠葛】
ツヅラフジ科のつる性落葉植物。葉は五角の心形でコウモリの翼に似,長い葉柄に盾(タテ)形につく。雌雄異株。五,六月,葉腋に淡黄色の小花を多数つける。

蝙蝠蛾

こうもりが カウ― [4] 【蝙蝠蛾】
(1)コウモリガ科の蛾の総称。中形または大形で,触角が短い。日没時に活動する種が多い。世界に約三〇〇種,日本では八種が知られる。
(2)コウモリガ科の蛾。開張約90ミリメートル。褐色を帯び,夕方活発に飛び回る。幼虫はクサギ・キリなどの樹幹に穴をあける害虫。九州以北の日本各地と中国・シベリアに分布。

蝟集

いしゅう ヰシフ [0] 【蝟集】 (名)スル
〔「蝟」はハリネズミの意〕
ハリネズミの毛のように多くの物が一時に寄り集まること。「僕の頭脳には万感―して/思出の記(蘆花)」

蝟集する

いしゅう【蝟集する】
swarm.→英和

蝤蛑

がざみ [0] 【蝤蛑】
〔「かざみ」「がさみ」「がざめ」とも〕
海産のカニ。甲は横に長い菱形で,幅15センチメートル内外。体色は暗青色で腹面は白い。肉は美味。青森以南の浅海の砂底にすみ,昼は海底の砂に埋まり,夜泳ぎまわる。ワタリガニ。

えび [0] 【海老・蝦】
(1)甲殻綱十脚目のうち長尾類に属する節足動物の総称。体は左右相称で細長く,頭胸部は硬い甲皮でおおわれ,腹部は七つの関節があって内側に曲がる。長い触角と,飛び出た複眼をもつ。腹部に遊泳脚,頭胸部に歩脚があり,はさみをもつものもある。淡水・海水にすみ,イセエビ・クルマエビ・シバエビなど,食用にする種類が多い。うみのおきな。
(2)「海老錠(エビジヨウ)」の略。
(3)家紋の一。「えびの丸(マル)」「違いえび」「向かいえび」などがある。

かえる カヘル [0] 【蛙・蝦】
無尾目の両生類の総称。尾はなく,発達した後ろ足とやや小さい前足とをもち,後ろ足に五本,前足に四本の指がある。普通,後ろ足には水かきがある。小昆虫やクモなどを食べる。水辺にすむものが多いが,草むらや樹上にすむ種類もある。幼時はオタマジャクシと呼ばれ,水中にすむが,二〜三週間で変態し,四肢が生え,尾が消失して陸上にあがる。食用になる種もある。トノサマガエル・ヒキガエル・アマガエル・ウシガエルなど種類が多い。かわず。[季]春。「―の合唱」《痩(ヤセ)―まけるな一茶これにあり/一茶》

蝦夷

えぞ [1] 【蝦夷】
(1)〔アイヌ語のエンジュ・エンチウ(人,の意)からという〕
古代に,北関東から東北・北海道にかけて住み,朝廷の支配に抵抗し服属しなかった人々。えみし。えびす。
(2)「蝦夷地(エゾチ)」に同じ。

蝦夷

えみし [1] 【蝦夷】
「えぞ(蝦夷){(1)}」の古名。「―を一人(ヒダリ)百(モモ)な人人は言へども抵抗(タムカイ)もせず/日本書紀(神武)」

蝦夷仙入

えぞせんにゅう [3] 【蝦夷仙入・蝦夷潜入】
スズメ目ウグイス科の鳥。全長約18センチメートル。背面は暗褐色で腹は灰白色。夏鳥として北海道に渡来。ホトトギスに似た鳴き声で,夕方からさえずる。エゾホトトギス。

蝦夷代官

えぞだいかん [3] 【蝦夷代官】
⇒蝦夷管領(エゾカンレイ)

蝦夷地

えぞち 【蝦夷地】
明治以前,北海道・樺太・千島の総称。特に,北海道の称。蝦夷。

蝦夷奉行

えぞぶぎょう [3] 【蝦夷奉行】
江戸幕府の職名。遠国(オンゴク)奉行の一。老中支配。1802年2月に箱館におかれたが,同年5月箱館奉行と改称。蝦夷地奉行。

蝦夷富士

えぞふじ 【蝦夷富士】
羊蹄山(ヨウテイザン)の別名。

蝦夷岩魚

えぞいわな [3] 【蝦夷岩魚】
アメマスの陸封型。

蝦夷志

えぞし 【蝦夷志】
地誌。新井白石著。一巻。1720年成立。北海道の地理・歴史・風俗・産物などを述べたもの。

蝦夷松

えぞまつ【蝦夷松】
a spruce.→英和

蝦夷松

えぞまつ [2] 【蝦夷松】
マツ科の常緑高木。北海道・南千島・サハリンに分布。高さ40メートルに達する。葉は扁平な線形でとがる。球果は長楕円形。材はパルプ・建築材としバイオリンの胴などに用いる。トウヒは本種の変種。クロエゾマツ。

蝦夷潜入

えぞせんにゅう [3] 【蝦夷仙入・蝦夷潜入】
スズメ目ウグイス科の鳥。全長約18センチメートル。背面は暗褐色で腹は灰白色。夏鳥として北海道に渡来。ホトトギスに似た鳴き声で,夕方からさえずる。エゾホトトギス。

蝦夷狼

えぞおおかみ [3] 【蝦夷狼】
オオカミの亜種。体長は1.2メートルほど。体は灰褐色で,尾先は黒色。北海道・サハリンに分布していたが,1900年頃絶滅した。

蝦夷管領

えぞかんれい [3] 【蝦夷管領】
鎌倉幕府の職名。北条義時が蝦夷を鎮撫(チンブ)させるため,安東五郎を津軽に派遣したのに始まる。以後,安東氏が世襲。蝦夷代官。

蝦夷若布

えぞわかめ [3][4] 【蝦夷若布】
チガイソの別名。

蝦夷菊

えぞぎく [2] 【蝦夷菊】
キク科の一年草。園芸品種名アスターで呼ばれることが多い。[季]夏。

蝦夷菫

えぞすみれ [3] 【蝦夷菫】
叡山菫(エイザンスミレ)の別名。

蝦夷蝉

えぞぜみ [2] 【蝦夷蝉】
大形のセミ。体長ははねの先端までが68ミリメートルほど。からだは黒色で,頭胸部背面に黄斑があり,中胸背には広い赤褐色斑がある。はねは透明。ギーギーと鳴く。北海道・本州・四国・九州に分布。

蝦夷錦

えぞにしき [3] 【蝦夷錦】
中国産の錦。縹(ハナダ)色の地に雲竜・波濤(ハトウ)などを織り出したもの。袈裟(ケサ)などに用いられた。江戸期に大陸と交易したアイヌがもたらしたことからいう。

蝦夷雷鳥

えぞらいちょう [3] 【蝦夷雷鳥】
キジ目キジ科の鳥。全長35センチメートルほど。背面は茶・黒・白・灰色などがまじり,目の上が赤く,腹面は灰白色地に黒・茶の粗い縦紋がある。ライチョウと違って,冬も白くならない。ユーラシア北部の森林にすみ,日本では北海道に留鳥として生息。エゾヤマドリ。

蝦夷鶲

えぞびたき [3] 【蝦夷鶲】
スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約14.5センチメートル。上面は濃い灰褐色で,下面は白色に黒縦斑がある。ロシアの極東地方から千島列島で繁殖し,フィリピン・ニュージーランドなどで越冬。日本では春秋に旅鳥として渡来。

蝦夷鹿

えぞしか [2] 【蝦夷鹿】
ニホンジカの一亜種。肩高約1メートル,角の長さは約75センチメートル。日本に生息するシカの中で最大。北海道の森林や原野にすむ。

蝦夷鼬

えぞいたち [3] 【蝦夷鼬】
オコジョの別名。

蝦尾

えびお [2][0] 【海老尾・蝦尾】
(1)尾の形がエビの尾に似ている金魚。
(2)琵琶(ビワ)・三味線の,棹(サオ)の先端のエビの尾のように反った部分の名。かいろうび。
→三味線

蝦束

えびづか [2][0] 【海老束・蝦束】
違い棚の上下の棚板の間にある束(ツカ)柱。雛束(ヒナヅカ)。

蝦根

えびね [0] 【海老根・蝦根】
ラン科の多年草。林床に自生する。根茎に節があり,その形をエビにみたてる。葉は二〜三枚根生し,長楕円形で,縦ひだがある。五月頃,花茎を出し,紫褐色または赤褐色で唇弁の白い花を一〇個ほどつける。観賞用に栽培され品種も多い。
海老根[図]

蝦殻天蛾

えびがらすずめ [5] 【蝦殻天蛾】
スズメガ科のガ。開張10センチメートル内外。前ばねは灰色で黒褐色の斑紋があり,腹部は赤と黒の太い横縞が交互に並ぶ。成虫は年二回発生。日本各地と東南アジア・アフリカ・ヨーロッパに分布。ユウガオベットウ。ユウガオヒョウタン。

蝦腰

えびごし [0][2] 【海老腰・蝦腰】
エビのように曲がった腰。

蝦芋

えびいも [2][0] 【海老芋・蝦芋】
サトイモの栽培品種。京都近郊の特産。子芋は長くエビ状で軟らかい。唐の芋。京芋。

蝦蔓

えびづる [0] 【蘡薁・蝦蔓】
ブドウ科のつる性落葉低木。山野に自生。ヤマブドウに似るが,茎・葉・実ともに小形。雌雄異株。実は食用,秋の紅葉も美しい。葉裏の褐色毛は艾(モグサ)の代用になる。[季]秋。

蝦藻

えびも [0][2] 【海老藻・蝦藻】
ヒルムシロ科の沈水性多年草。池沼・流水中に群生。葉は線形で互生する。全体が緑褐色。夏,淡黄褐色の小花を穂状につける。

蝦虎魚

はぜ [1] 【鯊・沙魚・蝦虎魚】
(1)スズキ目ハゼ亜目に属する魚の総称。多くは全長十数センチメートル。体は円柱形,目は頭上部に並ぶ。腹面が平らで,左右の腹びれが合して吸盤状となるものが多い。河口の汽水域や海水・淡水の水底にすむ。世界の広範囲に分布し,日本ではマハゼのほか,ドンコ・チチブ・ヨシノボリ・シロウオ・ムツゴロウなど約一五〇種が知られる。ふるせ。[季]秋。
(2)マハゼに同じ。
鯊(1)[図]

蝦虹梁

えびこうりょう [3] 【海老虹梁・蝦虹梁】
虹梁の一種。側柱または向拝柱と本柱との間など,柱頭間に高低差のある場合に用いるエビ状に湾曲した虹梁。鎌倉時代から唐様建築に用いられた。
海老虹梁[図]

蝦蛄

しゃこ [1] 【蝦蛄】
甲殻綱口脚目の節足動物。体長15センチメートル内外。ややエビに似るが平たく,第二胸脚はカマキリの前脚のような鎌状の捕脚となる。体色は灰色がかった淡褐色。鮨種(スシダネ)などとして食用にする。北海道から台湾までの内湾の泥深い干潟に穴をあけてすむ。[季]夏。
蝦蛄[図]

蝦蛄万力

しゃこまんりき [3] 【蝦蛄万力】
コの字形の鉄材の一端に固定部材を,他方にねじと可動部材をとりつけた万力。クランプ。
蝦蛄万力[図]

蝦蛄葉サボテン

しゃこばサボテン [4] 【蝦蛄葉―】
サボテン科の多年草。クリスマス-カクタスのうち,茎節がやや幅広く,鋭い刺(トゲ)のあるものの総称。
→クリスマス-カクタス

蝦蟆

がま [1][0] 【蝦蟇・蝦蟆】
ヒキガエルの俗称。[季]夏。

蝦蟇

がまがえる [3] 【蝦蟇】
ヒキガエルの別名。がま。

蝦蟇

がま [1][0] 【蝦蟇・蝦蟆】
ヒキガエルの俗称。[季]夏。

蝦蟇

がま【蝦蟇(蛙)】
a toad.→英和

蝦蟇の油

がまのあぶら [4][0] 【蝦蟇の油】
ヒキガエルの体表からの分泌液を原料とする軟膏と称して,外傷・ひび・あかぎれに効能があると香具師(ヤシ)が大道で口上よろしく売ったもの。
→蟾酥(センソ)

蝦蟇仙人

がませんにん 【蝦蟇仙人】
ガマを使って妖術(ヨウジユツ)を使う仙人。特に,中国,三国時代の呉の葛玄,五代後梁の劉海蟾(リユウカイセン)をいう。歌舞伎・浄瑠璃に登場する。

蝦蟇口

がまぐち【蝦蟇口】
a purse.→英和

蝦蟇口

がまぐち [0] 【蝦蟇口】
〔開けた口の形がガマの口に似ているところから〕
口金のついた袋状の小銭入れ。

蝦蟇禅

がまぜん [0][2] 【蝦蟇禅】
ガマがただ跳ぶことだけを知って他の術を知らないように,一知半解の悟りで活用のきかない不自由な死に禅。

蝦蟇腫

がましゅ [2] 【蝦蟇腫】
舌下腺や口腔底部の唾液腺の導管がふさがり,分泌液がたまってできる嚢腫(ノウシユ)。

蝦蟋蟀

えびこおろぎ [3] 【海老蟋蟀・蝦蟋蟀】
昆虫カマドウマの別名。

蝦錠

えびじょう [0] 【海老錠・蝦錠】
(1)門扉(モンピ)の閂(カンヌキ)におろす錠で,エビのように半円形に曲がったもの。
(2)南京(ナンキン)錠。[日葡]

蝦鞘巻

えびさやまき [3] 【海老鞘巻・蝦鞘巻】
柄と鞘にエビの殻のような刻み目をつけて,朱塗りにした腰刀。

しらみ [0] 【虱・蝨】
(1)シラミ目の昆虫の総称。体長1〜4ミリメートル。長楕円形,扁平で羽がない。哺乳類に外部寄生して吸血する。人間に寄生するものに,ヒトジラミとケジラミがあり,ヒトジラミはアタマジラミとコロモジラミに分けられる。いずれも吸血して激しいかゆみを与え,発疹チフス・回帰熱などの伝染病を媒介する。他の動物に寄生するものに,ブタジラミ・サルジラミなどがある。
(2)特に,ヒトジラミのこと。

まむし【蝮】
《動》an adder;→英和
a viper.→英和

まむし [0] 【蝮】
(1)〔真虫の意〕
有鱗目クサリヘビ科の毒蛇の総称。一二種が日本およびアジア全域に分布。日本にすむニホンマムシは全長40〜65センチメートル。頭部は三角形。体の背面は,普通,灰褐色ないし暗赤褐色の地に黒褐色の大きな銭形の斑紋がある。竹やぶや森林の中,水田の周辺などにすみ,カエル・ネズミなどを捕食する。卵胎生。はみ。[季]夏。
(2)人に害をなし恐れられる人をいう語。
(3)「まむし指」の略。

はみ 【蝮】
マムシの古名。[和名抄]

蝮指

まむしゆび [3] 【蝮指】
指先の関節がマムシ{(1)}の頭のような形に曲がる指。呪力があって腹痛を治すとか,この指の者は働き者であるなどという。まむし。

蝮草

まむしぐさ [3] 【蝮草】
サトイモ科の多年草。テンナンショウ属の一種で,林下に生える。葉鞘(ヨウシヨウ)に黒褐色の斑点がある。雌雄異株。春,開花。肉穂花序は黄白色で,淡緑色または淡紫色で白い縦筋のある仏炎苞に包まれる。根茎を去痰(キヨタン)・鎮痙(チンケイ)薬とする。

蝮酒

まむしざけ [3] 【蝮酒】
マムシ{(1)}を浸した焼酎。強壮剤とする。[季]夏。《―鼻をつまんで飲みにけり/相島虚吼》

あぶ [1] 【虻・蝱】
双翅目アブ科の昆虫の総称。形はハエに似るが大きい。雌は牛馬などの家畜や人から吸血するものが多い。雄は花粉・花蜜をなめる。幼虫はウジ虫状で湿地や腐木などにすむ。メクラアブ・ウシアブなど種類が多い。アブ科以外でも似た形の双翅類をアブとよぶことがある。[季]春。
→虻蜂(アブハチ)取らず

蝲蛄

ざりがに [0] 【蝲蛄】
(1)淡水産のエビ。体長6センチメートル内外。鋏脚(ハサミアシ)が大きい。食用になるが,肺臓ジストマの中間宿主になるので危険。日本固有種で,北海道・東北に分布。
(2)ザリガニ科の甲殻類の総称。在来種のニホンザリガニと輸入種のアメリカザリガニ・ウチダザリガニ・タンカイザリガニをいう。
蝲蛄(2)[図]

蝲蛄石

ざりがにいし [4] 【蝲蛄石】
ザリガニの胃の中にある米粒大の炭酸石灰質の分泌物。俗にオクリカンキリといって医薬に用いた。胃石。

蝴蝶

こちょう [1] 【胡蝶・蝴蝶】
(1)蝶のこと。[季]春。
(2)家紋の一。羽を開いた蝶を真上から描いたもの。
(3)「胡蝶楽(コチヨウラク)」の略。
(4)源氏物語の巻名。第二四帖。

ちょう テフ [1] 【蝶】
(1)鱗翅目アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科に属する昆虫の総称。体は細長く,はねは葉状で二対あり鱗粉(リンプン)と鱗毛で美しく彩られる。頭部には棍棒状の触角,一対の複眼と単眼,花の蜜を吸うに適したぜんまい状の口器がある。多くは昼間活動し,ものに止まるときは垂直にはねを立てる。幼虫は芋虫・青虫・毛虫と呼ばれ草木を食うが,やがて蛹(サナギ)となりさらに成虫になる。多くは繭を作らない。日本には約二六〇種が知られる。蝶類。胡蝶。蝶々。ちょうちょ。[季]春。《山国の―を荒しと思はずや/虚子》
(2)家紋の一。蝶を種々にかたどったもの。古くは蚕の蛾をいう。

ちょう【蝶】
a butterfly.→英和

蝶々

ちょうちょう【蝶々】
⇒蝶.

蝶ネクタイ

ちょうネクタイ テフ― [3] 【蝶―】
蝶結びにしてつけるネクタイ。多く礼装に用いる。ボー-タイ。

蝶ネクタイ

ちょうネクタイ【蝶ネクタイ】
a bow (tie).→英和

蝶形

ちょうけい テフ― [0] 【蝶形】
蝶のような形。ちょうがた。

蝶形

ちょうがた テフ― [0] 【蝶形】
(1)蝶の羽をひろげた形。
(2)「蝶花形(チヨウハナガタ)」に同じ。

蝶形弁

ちょうがたべん テフ― [4] 【蝶形弁】
円板をその中心を通る軸の周囲で傾斜させて管路を開閉する弁。

蝶形花

ちょうけいか テフ―クワ [3] 【蝶形花】
左右相称で蝶に似た形の花。離弁花冠の一種で五弁からなる。マメ科植物に多く見られる。
蝶形花[図]

蝶形骨

ちょうけいこつ テフ― [3] 【蝶形骨】
頭蓋骨の一。頭蓋底の中央部に位置する骨で,その中央に脳下垂体を入れる体と,これから出る左右各一対の大翼・小翼および翼状突起から成る。蝶が羽を広げた形に似ている。楔状骨(ケツジヨウコツ)。胡蝶骨(コチヨウコツ)。

蝶番

ちょうばん テフ― [0] 【蝶番】
〔「丁番」とも書く〕
⇒ちょうつがい(蝶番)

蝶番

ちょうつがい テフツガヒ [3] 【蝶番】
(1)〔形が蝶に似ることから〕
開き戸・開き蓋(ブタ)などを支え,自由に開閉できるように取りつける金具。ちょうばん。
(2)二つの物事をつなぎとめるもの。特に,関節(カンセツ)のこと。「腰の―を痛める」

蝶番

ちょうつがい【蝶番】
a hinge.→英和
〜のある hinged.〜がはずれる be off the hinges.

蝶結び

ちょうむすび テフ― [3] 【蝶結び】
ひもの結び方の一。蝶が羽を開いたような形に結ぶもの。ちょうちょ結び。花結び。

蝶結び

ちょうむすび【蝶結び(にする)】
(tie in) a bow.→英和

蝶花形

ちょうはながた テフ― [4] 【蝶花形】
祝宴の際に,銚子の首などに飾りとしてつける蝶形に折った紙。蝶は酒の毒を消すというのに基づく。蝶形。
蝶花形[図]

蝶蜻蛉

ちょうとんぼ テフ― [3] 【蝶蜻蛉】
トンボの一種。体長35ミリメートル内外。体もはねも黒色で藍色の光沢をもつが,はねの先端のみ透明。はねの幅が広く,蝶のようにひらひら飛ぶ。夏に出現。本州以南・朝鮮・中国南部に分布。

蝶蝶

ちょうちょう テフテフ [1] 【蝶蝶】
「蝶(チヨウ)」に同じ。[季]春。

蝶蝶

ちょうちょ テフ― [1] 【蝶蝶】
「ちょう(蝶){(1)}」に同じ。[季]春。

蝶蝶夫人

ちょうちょうふじん テフテフフジン 【蝶蝶夫人】
〔原題 (イタリア) Madama Butterfly〕
プッチーニ作曲のオペラ。二幕。1904年初演。アメリカの劇作家ベラスコの戯曲に取材した作品で,日本の長崎を背景に,蝶蝶夫人とアメリカ海軍士官ピンカートンの悲恋を描く。第二幕の蝶蝶夫人のアリア「ある晴れた日に」は有名。マダム-バタフライ。

蝶蝶雲

ちょうちょうぐも テフテフ― [5] 【蝶蝶雲】
蝶の舞うように流れてゆく雲。積雲の乱れたもので,雨の前兆という。

蝶蝶髷

ちょうちょうまげ テフテフ― [3] 【蝶蝶髷】
〔蝶が羽を広げたような形であることから〕
主に関西で,銀杏(イチヨウ)返しのこと。

蝶蝶魚

ちょうちょううお テフテフウヲ [3] 【蝶蝶魚】
(1)スズキ目チョウチョウウオ科の海魚の総称。
(2){(1)}の一種。全長約20センチメートル。体はほぼ円形で側扁する。口は小さくて突出する。体色は黄褐色で,黒褐色と白色の横縞が目の上を横切る。観賞魚。房総半島以南に広く分布。
蝶蝶魚(2)[図]

蝶貝

ちょうがい テフガヒ [1] 【蝶貝】
シロチョウガイの別名。

蝶足

ちょうあし テフ― [1][0] 【蝶足】
(1)膳などの足の一種。蝶の羽を広げた形をしたもの。
(2)「蝶足膳」の略。

蝶足膳

ちょうあしぜん テフ― [4] 【蝶足膳】
蝶足の付いた膳。蝶足。
蝶足膳[図]

蝶類

ちょうるい テフ― [1] 【蝶類】
⇒蝶(チヨウ)(1)

蝶鮫

ちょうざめ テフ― [1][0] 【蝶鮫・鱘魚】
(1)チョウザメ目チョウザメ科に属する魚の総称。海産または淡水産。硬骨魚類の中では原始的な形質を備え,体には菱(ヒシ)形をした板状の硬鱗(コウリン)が縦に五列並ぶ。肉は美味。卵の塩漬けはキャビアと呼ばれ珍味。ヨーロッパ・アジア・北アメリカのそれぞれ北部に分布。
(2){(1)}の一種。全長約1.5メートル。体はほぼ円筒形で吻(フン)が突出する。体は灰青色で腹部は白い。五列の鱗は菱形で硬く大きい。春に産卵のため海から河川を上り,秋に下る。本州北部からサハリンにかけて分布。
蝶鮫(2)[図]

蝶鳥の舞

ちょうとりのまい テフトリ―マヒ 【蝶鳥の舞】
雅楽・舞楽の曲名。左舞の迦陵頻(カリヨウビン)は鳥の羽をかけ,右舞の胡蝶(コチヨウ)は蝶の羽をかけて舞う。

蝸廬

かろ クワ― [1] 【蝸廬】
〔「蝸牛廬」の略〕
カタツムリの殻のように狭い家。蝸舎。自分の家をへりくだっていう語。

蝸牛

かたつむり [3] 【蝸牛】
〔「かたつぶり」の転〕
軟体動物腹足綱のうち陸上にすむ貝類の総称。普通は右巻きの殻をもつ。二対の触角の長い方の先端に目がある。雌雄同体。食用になる種類もあり,フランス料理で使われる。マイマイ。マイマイツブロ。デンデンムシ。かぎゅう。[季]夏。《角出して這はでやみけり―/太祇》

蝸牛

でんでんむし [3] 【蝸牛】
〔「ででむし」の転〕
カタツムリの異名。[季]夏。

蝸牛

かたつむり【蝸牛】
a snail.→英和

蝸牛

かぎゅう クワギウ [0] 【蝸牛】
(1)「かたつむり」に同じ。
(2)狂言の一。蝸牛(カタツムリ)を知らぬ太郎冠者が,山伏をそれと思って失敗する。
(3)渦巻(ウズマ)き管のこと。

蝸牛

かたつぶり [3] 【蝸牛】
カタツムリに同じ。[季]夏。

蝸牛管

かぎゅうかん クワギウクワン [2] 【蝸牛管】
⇒渦巻(ウズマ)き細管(サイカン)

蝸牛考

かぎゅうこう クワギウカウ 【蝸牛考】
方言研究書。柳田国男著。1930年(昭和5)刊。カタツムリの方言調査によって,方言周圏論を提唱。

蝸牛被

まいまいかぶり マヒマヒ― [5] 【舞舞被・蝸牛被】
オサムシ科の甲虫。体長5センチメートル内外。頭と胸部は細長く,腹部は長楕円形。左右の上ばねは癒着して開かず飛べないが,足はよく発達して歩くのは速い。全身黒色。幼虫成虫とも地表にすみ,カタツムリの殻に首を入れ,肉を食う。日本特産で屋久島以北の各地に分布。

蝸舎

かしゃ クワ― [1] 【蝸舎】
小さく狭い家。自分の家の謙称。

蝸螺

にな [2] 【蜷・蝸螺】
(1)一群の巻貝の総称。
(2)カワニナの別名。[季]春。

蝸角

かかく クワ― [0] 【蝸角】
蝸牛(カタツムリ)の触角。狭い場所のたとえ。

はえ【蝿】
a fly.→英和
〜をたたく swat a fly.→英和
‖蝿たたき a flyswatter.蝿取紙 a flypaper.

螇蚸

はたはた [0][4] 【螇蚸】
バッタの異名。[季]秋。《―はわぎもが肩を越えゆけり/山口誓子》

とおる トホル 【融】
⇒源(ミナモトノ)融

とおる トホル 【融】
能の一。世阿弥作。五番目物。古名「塩竈(シオガマ)」。旅の僧が六条河原の院の廃墟で休んでいると,汐汲みの老人が現れ,ここは源融(ミナモトノトオル)が奥州塩竈の地を模して作った庭であると語り,景色を賞し,古事を語って消え失せる。僧がまどろむと,夢に融大臣が現れて舞い,夜明けとともに消える。

融かす

とか・す [2] 【解かす・溶かす・融かす】 (動サ五[四])
(1)固形物を,熱を加えて液状にする。溶解する。「氷を―・して水にする」「金属を―・して鋳型に流しこむ」
〔金属の場合は「熔かす」「鎔かす」とも書く〕
(2)固形物などを,液体の中に入れて液状にする。とく。溶解する。「砂糖を水に―・す」
[可能] とかせる

融く

と・く [1] 【溶く・解く・融く】
〔「とく(解)」と同源〕
■一■ (動カ五[四])
(1)かたまっていた物に液体を加えて液状にする。とかす。「小麦粉を水で―・く」「粉末を水に―・く」
(2)かきまぜて液状にする。ほぐす。「卵を―・く」
[可能] とける
■二■ (動カ下二)
⇒とける

融ける

と・ける [2] 【溶ける・解ける・融ける】 (動カ下一)[文]カ下二 と・く
〔「とける(解)」と同源〕
(1)ある物質の分子が液体中に均一に核散すること。溶解する。「塩は水に―・ける」「酸素は水にあまり―・けない」
(2)固形物が,熱によって液状になる。「チョコレートが―・けてべたべたになる」「春になって雪が―・ける」「溶鉱炉の中で鉱石が―・ける」
〔金属の場合は「熔ける」「鎔ける」とも書く〕

融け込む

とけこ・む [0][3] 【溶(け)込む・解(け)込む・融け込む】 (動マ五[四])
(1)液体になって他のものの中に混じる。「塩分が―・んだ水」
(2)その場の雰囲気や,周囲の環境に,次第になじみ同化する。「会場の空気に―・む」
[可能] とけこめる

融け込む

とけこむ【融け込む】
melt into;blend into;fuse into;become friendly with (人に);conform[adapt]oneself to (環境・習慣などに).

融会

ゆうかい [0] 【融会】 (名)スル
(1)とけて一つに集まること。とかして一つに集めること。「神理天工,一心一手の間に―して/獺祭書屋俳話(子規)」
(2)自然に了解すること。

融剤

ゆうざい [0] 【融剤】
融解を促進するために加える物質。化学分析や冶金・窯業などで用いる。アルミニウムの電気精錬の際,難溶融性のアルミナに加える氷晶石など。フラックス。

融化

ゆうか [0] 【融化】 (名)スル
とけて変化すること。とけ合って一つのものになること。「自然。人生。神。悉く吾に在りて―する処を得たると信ず/欺かざるの記(独歩)」

融合

ゆうごう [0] 【融合】 (名)スル
とけあうこと。とけて一つになること。「二つの金属を―させる」「核―」

融合

ゆうごう【融合】
harmony (調和);→英和
unity (一致);→英和
fusion (結合).→英和
〜する harmonize;→英和
unite;→英和
fuse <into one> .→英和

融合反応

ゆうごうはんのう [5] 【融合反応】
⇒核融合(カクユウゴウ)

融和

ゆうわ [0] 【融和】 (名)スル
うちとけて仲よくすること。「次第に感情を―させられて/雁(鴎外)」

融和

ゆうわ【融和】
harmony;→英和
(re)conciliation;understanding.→英和
〜する harmonize;→英和
reconcile.→英和

融氷

ゆうひょう [0] 【融氷】
氷がとけること。

融点

ゆうてん【融点】
the melting point.

融点

ゆうてん [1] 【融点】
融解の起こり始める温度。固体と液体とが平衡を保って存在する温度。純粋な物質の融解点は,一定の圧力のもとでは一定。融解点。
⇔凝固点

融然

ゆうぜん [0] 【融然】 (ト|タル)[文]形動タリ
気分のやわらぐさま。「散士杯を手にし―として曰く/佳人之奇遇(散士)」

融融

ゆうゆう [0] 【融融】 (ト|タル)[文]形動タリ
融和して楽しそうなさま。「親子の睦み笑ふ声美しく,―たる楽しみの色顔にあらはさぬ人もなくて/いさなとり(露伴)」

融解

ゆうかい [0] 【融解】 (名)スル
(1)とけること。とかすこと。
(2)(加熱または圧力変化によって)固体が液体となる現象。溶融。
⇔凝固

融解する

ゆうかい【融解する】
melt;→英和
fuse.→英和
‖融解点 the melting point.炉心融解 (a) meltdown.

融解点

ゆうかいてん [3] 【融解点】
⇒融点(ユウテン)

融解熱

ゆうかいねつ [3] 【融解熱】
融解の際に吸収される熱量。通常その物質の1グラム,1キログラム,または1モルが融解するのに必要な熱量で表す。潜熱の一。
→凝固熱
→融解熱[表]

融資

ゆうし [1][0] 【融資】 (名)スル
資金を融通して貸し出すこと。「銀行から―してもらう」「―を頼む」

融資

ゆうし【融資】
financing;a loan (貸付金).→英和
〜する finance;→英和
furnish funds <to> .‖融資会社 a financing company.

融通

ゆずう 【融通】
〔「ゆ」は呉音〕
「ゆうずう(融通)」に同じ。「はて,つかふための金銀だから用向きの事にはつかふがよし。つかはねば―が悪い/滑稽本・浮世風呂 4」

融通

ゆうづう [0] 【融通】 (名)スル
⇒ゆうずう(融通)

融通

ゆうずう [0] 【融通】 (名)スル
〔古くは「ゆずう」とも〕
(1)金などをやりくりして貸し借りすること。「金を―してもらう」
(2)その場その場で適切な処置をとること。「―がきかない」
(3)とどこおりなく通ずること。

融通する

ゆうずう【融通する】
lend;→英和
accommodate <a person with a loan> ;→英和
finance.→英和
〜のきく adaptable;→英和
flexible.→英和
〜のきかない unadaptable;inflexible;→英和
stiff;→英和
stubborn.→英和
‖融通手形 an accommodation bill.

融通円門章

ゆうずうえんもんしょう ユウヅウヱンモンシヤウ 【融通円門章】
仏教書。一巻。大通融観著。1703年刊。融通念仏宗の根本聖典。開創の因縁を述べ,融通念仏の教義を明らかにする。

融通念仏

ゆうずうねんぶつ [5] 【融通念仏】
融通念仏宗で唱える念仏。大念仏。円融念仏。

融通念仏宗

ゆうずうねんぶつしゅう 【融通念仏宗】
平安末期,良忍によって開かれた一宗派。江戸時代に大通融観により宗団として固定化された。華厳・天台の教理を基礎として念仏往生を説き,自己の唱える念仏の功徳が自他ともに融通して,一人の往生がすべての人の往生を約束するという。総本山は大阪市東住吉区の大念仏寺。大念仏宗。

融通性

ゆうずうせい [0] 【融通性】
その場に応じて適切な対応・処理をする能力。「非常に真面目だが―がない」

融通手形

ゆうずうてがた [5] 【融通手形】
実際の商取引はないのに,振出人・裏書人が指図人に自分の信用を利用させて,資金の融通を受けさせるために振り出したり裏書きしたりした手形。好意手形。
⇔商業手形

融通無礙

ゆうずうむげ [5] 【融通無礙】 (名・形動)[文]ナリ
何ものにもとらわれることなく自由である・こと(さま)。「柔軟で―な態度」

融通物

ゆうずうぶつ [3] 【融通物】
私法上,取引の対象となりうる物。
⇔不融通物

融通王

ゆうずうおう ユウヅウワウ 【融通王】
⇒弓月君(ユヅキノキミ)

融通証券

ゆうずうしょうけん [5] 【融通証券】
政府が予算の執行上必要な一時的資金を調達するために発行する証券。期限は一年以内で国会の承認が必要。大蔵省証券・食糧証券など。

融雪

ゆうせつ [0] 【融雪】
(1)雪がとけること。また,その雪。ゆきどけ。「―期」
(2)雪をとかすこと。「―設備」

螓首蛾眉

しんしゅがび [1][1] 【螓首蛾眉】
〔「螓」は蝉(セミ)の一種〕
蝉のような広いひたいと,蛾の触角のように細くて曲がった眉(マユ)。美人をたとえていう語。

螟虫

めいちゅう [0] 【螟虫】
ニカメイガの幼虫。イネの害虫。ニカメイチュウ。ズイムシ。

螟虫

ずいむし [1][2] 【髄虫・螟虫】
(1)昆虫の幼虫で,草木の茎・枝の内部に食いこむものの総称。
(2)ニカメイガの幼虫。イネの葉鞘(ヨウシヨウ)や茎の内部を食う害虫。トウモロコシ・キビなどにもつく。ニカメイチュウ。いねのずいむし。

螟蛉

めいれい [0] 【螟蛉】
(1)青虫(アオムシ)。
(2)〔ジガバチは青虫を養って自分の子とするということから〕
養子。螟蛉子。

螟蛾

めいが [1] 【螟蛾】
メイガ科のガの総称。全世界に一万種以上が知られ,日本には約六五〇種がいる。体も足も細い。はねの形や色彩・斑紋は変化に富む。幼虫が植物の根・茎・葉・果実を食害したり,貯蔵した穀類を食べる害虫が多い。ニカメイガ・アワノメイガ・クワノメイガなど。

ゆむし [1] 【螠】
(1)ユムシ綱に属する環形動物の総称。約一五〇種が知られ,すべて海産。ユムシ・サナダユムシなど。イムシ。
(2){(1)}の一種。体長10〜30センチメートル。体は円筒形で柔らかく,先端に円錐状の吻(フン)がある。体表は乳白色で,多数の乳頭状突起がある。日本各地の沿岸の砂泥底に U 字形の穴を掘ってすむ。タイやカレイなどの釣り餌(エ)にする。ユ。イイ。

螠虫

おきくむし [3] 【阿菊虫・螠虫】
アゲハチョウの類のさなぎの俗称。尾部を樹皮に固定し,胸部は一本の糸で枝からつる。後ろ手に縛り上げられた姿に似ているとして「播州皿屋敷」のお菊になぞらえてこの名があるという。

螢光

けいこう【螢光】
fluorescence.螢光灯(板) a fluorescent lamp[tube](plate).螢光塗料 a luminous[fluorescent]paint.

螢雪の功を積む

けいせつ【螢雪の功を積む】
study diligently;burn the midnight oil.螢雪時代 one's school[student]days.

みずち 【蛟・虬・虯・螭】
〔古くは「みつち」。「み」は水,「つ」は格助詞,「ち」は霊。水霊・水神の意〕
古代人が恐れた想像上の動物。水中にすみ,蛇に似た形をし,角・四肢をもち,毒気を吐いて人を害するという,一種の竜。「青淵に―捕り来む剣大刀もが/万葉 3833」

螭竜

あまりょう [2] 【雨竜・螭竜】
(1)雨をつかさどると考えられていた,中国の想像上の竜に似た動物。体は黄緑色,尾は赤く細い。角はない。
(2){(1)}を図案化した紋所。

螭首

ちしゅ [1] 【螭首】
石碑や柱の頭部に彫った螭(ミズチ)の形。

螳螂

かまきり [1] 【螳螂・蟷螂・鎌切・杜父魚】
(1)カマキリ科の昆虫。体長75ミリメートル内外。体は細長く,緑または褐色。前肢が鎌状の捕獲肢(ホカクシ)になり,小昆虫を捕食する。頭は三角形で複眼が大きく,触角は糸状で短い。後ろばねは薄い膜状で前ばねの下に畳まれる。海綿状の卵嚢(ランノウ)(おおじがふぐり)中に多数の卵を産む。本州・四国・九州と中国大陸に分布。トウロウ。イボムシ。イボジリ。イボツリムシ。《螳螂・蟷螂・鎌切》 [季]秋。《かりかりと―蜂の皃(カオ)を食む/誓子》
(2)(「鎌切」「杜父魚」の文字を当てる)カサゴ目の淡水魚。全長30センチメートルほど。カジカの一種で体形もカジカに似る。鰓(エラ)に上向きに曲がったとげがあり小魚を掛けて食べる。冬食用にして美味。秋田県と神奈川県以南の河川に分布。アユカケ。アラレウオ。アラレガコ。カクブツ。
螳螂(1)[図]

螳螂

とうろう タウラウ [0] 【蟷螂・螳螂】
カマキリの漢名。[季]秋。《かり��と―蜂の貌を食む/山口誓子》

螳螂擬

かまきりもどき [5] 【螳螂擬】
カマキリモドキ科の昆虫。体長約18ミリメートル。カマキリに似て前肢が鎌状であるが,分類学上の関係はない。体は細長く,前胸部が長い。はねは透明。小昆虫を捕食する。本州・四国・九州と朝鮮半島に分布。

螵蛸

おおじがふぐり オホヂ― [5] 【螵蛸】
〔老翁の陰嚢の意〕
カマキリの卵塊。はじめは泡状だが固まって黒褐色となる。秋の末に木の枝や家の壁に産みつけられ,翌春孵化する。

つび 【螺】
巻貝の古名。つぶ。つみ。[和名抄]

にし [1] 【螺】
ある一群の巻貝の総称。アカニシなど。

ら [1] 【螺】
渦巻状の貝殻をもつ貝類の総称。

つぶ [1] 【螺】
(1)エゾバイ科の海産巻貝のうちの一群の称。食用。つぶがい。
(2)タニシの異名。

螺子

ねじ ネヂ [1] 【螺子・捻子・捩子】
〔上一段動詞「捩(ネ)じる」の連用形から〕
(1)物をしめつけて固定したりするのに使う機械部品。円柱の側面に螺旋(ラセン)状に一本あるいは数本の溝を刻んだ雄ねじと,それがちょうどはまるように,円筒状の穴の内面に溝を刻んだ雌ねじとがある。また,円錐の側面に溝を刻んだものもある。
(2)時計などのぜんまいを巻く装置。また,そのぜんまい。

螺子

らし [1] 【螺子】
ねじ。ねじくぎ。

螺子ゲージ

ねじゲージ ネヂ― [3] 【螺子―】
ねじが所定の寸法公差内にあるかどうかを検査する器具。

螺子コンベヤー

ねじコンベヤー ネヂ― [5] 【螺子―】
円筒の内部に,回転するねじ状の連続羽根を設けた運搬装置。粒体・粉体の移送に用いる。

螺子ポンプ

ねじポンプ ネヂ― [3] 【螺子―】
円筒形のケーシング内に,回転する螺旋(ラセン)状の連続羽根を設けたポンプ。ケーシングと羽根のすき間にそって,羽根の軸方向に水を運ぶ。螺旋水揚げ機。アルキメデスのポンプ。

螺子切り

ねじきり ネヂ― [0] 【螺子切り】
ボルトやナットなどに溝を刻んでねじを切る作業。また,その作業に用いる道具。

螺子回し

ねじまわし ネヂマハシ [3] 【螺子回し】
ねじくぎを差し込んだり抜き取ったりする道具。ドライバー。

螺子山

ねじやま ネヂ― [0] 【螺子山】
ねじの,溝と溝の間の高い部分。スクリュー-スレッド。

螺子歯車

ねじはぐるま ネヂ― [4] 【螺子歯車】
歯形がねじ状をした歯車。平行でもなく,交わりもしない二軸間の伝導に用いる。スクリュー-ギア。

螺子穴

ねじあな ネヂ― [0] 【螺子穴】
ねじを受け入れる螺旋(ラセン)状の溝の切ってある穴。雌ねじの穴やボルトの穴など。

螺子釘

ねじくぎ ネヂ― [2] 【螺子釘】
雄ねじが切ってある釘。

螺子鋲

ねじびょう ネヂビヤウ [2] 【螺子鋲】
木螺子(モクネジ)の別名。

螺旋

らせん [0] 【螺旋】
(1)巻貝のからのように渦巻形になっていること。また,そのもの。「―状に巻く」「―形」「―運動」
(2)ねじ。

螺旋

らせん【螺旋】
a spiral (うずまき);→英和
a screw (ねじ).→英和
〜形の spiral <spring> .‖螺旋階段 a spiral staircase.

螺旋綴じ

らせんとじ [2] 【螺旋綴じ】
背に綴じ穴を多数あけ,針金を螺旋状に通して表紙とともに綴じる方法。スケッチ-ブック・ノートなどの背の綴じ方。

螺旋階段

らせんかいだん [4] 【螺旋階段】
中心軸の周囲に螺旋状にとりつけられた階段。西洋建築に多くみられる。螺階(ラカイ)。

螺状

らじょう [0] 【螺状】
螺旋状。

螺線

らせん [0] 【螺線】
〔数〕
(1)渦巻状にぐるぐるまわった平面曲線。スパイラル。渦巻線。匝線(ソウセン)。
→アルキメデスの螺線
→対数螺線
(2)軸の回りを一定の角速度で円運動しながら,軸方向に一定の速さで移動する点の描く空間曲線。ヘリックス。弦巻線(ツルマキセン)。
螺線(2)[図]

螺線面

らせんめん [2] 【螺線面】
軸と直交する線分がその軸の回りを一定の角速度で回転しながら,軸方向に一定の速さで移動するときに描く曲面。
螺線面[図]

螺蠃

さそり 【螺蠃】
ジガバチの古名。[新撰字鏡]

螺鈿

らでん【螺鈿】
mother-of-pearl <work> ;nacre.→英和

螺鈿

らでん [0][1] 【螺鈿】
漆工芸技法の一。貝殻の真珠光を放つ部分を磨(ス)り平らにして細かく切り,文様の形に漆器や木地にはめこんで装飾するもの。中国唐代に発達,日本へは奈良時代に伝来,平安時代には盛んに蒔絵(マキエ)に併用された。薄い貝を用いたものは特に青貝ともいう。摺(ス)り貝。「―細工(ザイク)」

螺鈿の太刀

らでんのたち 【螺鈿の太刀】
鞘(サヤ)に螺鈿をほどこした太刀。公卿(クギヨウ)が大饗・列見・定考(コウジヨウ)などの行事の際に,また諸衛府の次将は節会(セチエ)の際に使用した。

螺髪

らほつ [0] 【螺髪】
仏の三十二相の一。縮れて右に渦巻く巻貝の形をした頭髪。仏像に特有の形式として表示される。らはつ。

螺髪

らはつ [0] 【螺髪】
⇒らほつ(螺髪)

螺髻

らけい [0] 【螺髻】
(1)ほら貝のようにたばねたもとどり。主に子供の髪の結い方。
(2)その髪形から,梵天の異称。

螻蛄

けら [0][2] 【螻蛄】
直翅目ケラ科の昆虫。体長約3センチメートル。体は円柱状で褐色。前足は幅広く,土を掘るのに適する。前ばねは短く発音器があり,土中でジーと鳴く声は俗にミミズが鳴くといわれる。昼は地中に潜み,夜は出て飛び,よく灯火に来る。日本全土とアジア・アフリカ・オーストラリアに分布。オケラ。[季]夏。《灯りたる障子に―の礫かな/岡田耿陽》
〔「螻蛄鳴く」は [季]秋〕
螻蛄[図]

螻蛄

おけら【螻蛄】
《虫》a mole cricket.

螻蛄

ろうこ [1] 【螻蛄】
ケラの漢名。

螻蛄

おけら [0] 【螻蛄】
(1)昆虫ケラの通称。
(2)俗に,一文無しのこと。「競馬ですって―になる」

螻蛄才

けらざい [0] 【螻蛄才】
〔螻蛄には,飛ぶ,登る,泳ぐ,穴をほる,走る,の能力があるが,どれも巧みではないことから〕
多芸ではあっても,どれも未熟なこと。螻蛄芸。

螻蛄羽

けらば [0] 【螻蛄羽】
切妻屋根の端の部分。桁端(ケタバシ)。傍軒(ソバノキ)。

螻蛄羽瓦

けらばがわら [4] 【螻蛄羽瓦】
切妻屋根の端に用いる瓦。

螻蛄芸

けらげい [0] 【螻蛄芸】
「螻蛄才(ケラザイ)」に同じ。

螻蛄首

けらくび [0] 【螻蛄首】
(1)槍の穂の末端で,柄に接するくびれた部分。しおくび。
(2)建築の継ぎ手で,突出部の根元のくびれた部分。

螻蟻

ろうぎ [1] 【螻蟻】
ケラとアリ。とるに足りないもののたとえ。

螽斯

きりぎりす [3] 【螽斯・螽蟖・蟋蟀】
(1)キリギリス科の昆虫。体長40ミリメートル内外。体は緑色か褐色で,前ばねの部分には黒点がある。はねは短く,腹端に達する程度。雌の産卵管は長く細い剣状。雄は夏,草むらでチョンギースと鳴く。本州以南の日本各地に分布。ハネナガキリギリス・ヤブキリなどの近縁種をも含めることがある。[季]秋。《むざんやな甲の下の―/芭蕉》
(2)コオロギの古名。「―いたくな鳴きそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる/古今(秋上)」
(3)〔櫓(ロ)のきしる音がキリギリスの鳴く音に似ているところからという〕
江戸時代,吉原に通う二挺だての屋形船。きりぎりすぶね。きりぎりすまる。
螽斯(1)[図]

螽斯

しゅうし [1] 【螽斯】
(1)キリギリスの漢名。
(2)イナゴの漢名。
(3)〔イナゴは多くの子を生むことから〕
子孫が栄えること。「―の化行なはれて/太平記 1」

螽蟖

ぎす [1] 【螽蟖】
昆虫,キリギリス類の異名。[季]秋。

螽蟖

きりぎりす【螽蟖】
《虫》a grasshopper.→英和

螽蟖

きりぎりす [3] 【螽斯・螽蟖・蟋蟀】
(1)キリギリス科の昆虫。体長40ミリメートル内外。体は緑色か褐色で,前ばねの部分には黒点がある。はねは短く,腹端に達する程度。雌の産卵管は長く細い剣状。雄は夏,草むらでチョンギースと鳴く。本州以南の日本各地に分布。ハネナガキリギリス・ヤブキリなどの近縁種をも含めることがある。[季]秋。《むざんやな甲の下の―/芭蕉》
(2)コオロギの古名。「―いたくな鳴きそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる/古今(秋上)」
(3)〔櫓(ロ)のきしる音がキリギリスの鳴く音に似ているところからという〕
江戸時代,吉原に通う二挺だての屋形船。きりぎりすぶね。きりぎりすまる。
螽斯(1)[図]

蟀谷

こめかみ [0] 【顳顬・蟀谷】
〔米を噛むと動く所,の意〕
目尻と耳の上の間にある,物をかむと動く部分。

蟄する

ちっ・する [0][3] 【蟄する】 (動サ変)[文]サ変 ちつ・す
(1)虫や獣が冬になって穴に隠れる。「朔風木葉を払ひ,熊穴に―・し/日本風景論(重昂)」
(2)隠れ住む。隠退する。こもる。「余り家(ウチ)に許(バカ)り―・してをりますから/真景累ヶ淵(円朝)」

蟄伏

ちっぷく [0] 【蟄伏】 (名)スル
(1)ヘビ・カエル・虫などが,冬に地中にこもっていること。
(2)隠れひそむこと。とじこもっていること。「人に蔑視せられて暗処に―するの事例少なからず/福翁百話(諭吉)」

蟄居

ちっきょ [1] 【蟄居】 (名)スル
(1)家の中にとじこもっていること。「朝からの降りで一日―して/続風流懺法(虚子)」
(2)江戸時代,士分以上の者に科した刑罰の一。閉門の上,一室に謹慎させたもの。
(3)虫などが地中にこもっていること。「竜は…陰の時に至りては―を閉づ/太平記 20」

蟄居する

ちっきょ【蟄居する】
keep indoors[the house].

蟄懐

ちっかい [0] 【蟄懐】
心中に不平不満の念を抱くこと。「平家九代の繁昌一時に滅亡して,源氏多年の―一朝に開くる事を得たり/太平記 10」

蟄石

かがみいし [3] 【蟄石】
縁先の手水鉢のまわりの役石の一。水のはね返りや縁下への流れ込みを防ぐ。

蟄竜

ちつりょう [0][2] 【蟄竜】
蟄伏(チツプク)している竜。時期を得ないでひそんでいる英雄のたとえにいう。

蟄虫

ちっちゅう [0] 【蟄虫】
地中で,越冬する虫。

蟆子

ぶよ [1] 【蚋・蟆子】
ブユの別名。[季]夏。

蟆子

ぶゆ [1] 【蚋・蟆子】
双翅目ブユ科の昆虫の総称。体長2〜8ミリメートル。ハエに似るが小さい。体は黒または灰色。はねは透明で大きい。雌の成虫は人畜に群がって吸血し,疼痛を与える。アフリカではフィラリアなどの媒介虫。幼虫は清流にすむ。ブヨ。ブト。[季]夏。

ひきがえる【蟇】
a toad.→英和

ひき [2] 【蟇・蟾】
ヒキガエルの別名。[季]夏。《這出よかひやが下の―の声/芭蕉》

ひきがえる [3] 【蟇・蟾蜍】
(1)カエル目ヒキガエル科の両生類の総称。
(2){(1)}の一種。体長は7〜15センチメートル。ずんぐりした体形で四肢は短く跳躍力は弱い。背面は暗褐色,腹面は淡黄褐色。耳腺がよく発達し,背には疣(イボ)がある。一般に地上性で,繁殖期以外はあまり水に入らない。ニホンヒキガエル。ヒキ。ガマ。ガマガエル。イボガエル。[季]夏。

蟇目

ひきめ [0] 【蟇目・引目】
〔「響き目」の転。また,その形がヒキガエルの目に似ているからともいう〕
紡錘形の先端をそいだ形の木製の鏑(カブラ)。また,それを付けた矢。朴(ホオ)・桐(キリ)などで作り,内部を刳(ク)り,数個の穴をあけてある。射ると音を立てて飛ぶことから降魔(ゴウマ)の法に用いられ,また,獲物に傷をつけないことから,笠懸(カサガケ)・犬追物(イヌオウモノ)などに使われた。ひきめかぶら。ひきめのかぶら。
蟇目[図]

蟇目の法

ひきめのほう 【蟇目の法】
妖魔降伏のため,蟇目を射ること。蟇目の式。

蟇目の番

ひきめのばん 【蟇目の番】
蟇目を射て魔物を脅し,退散させる役目の侍。蟇目の当番。

蟇目の神事

ひきめのしんじ 【蟇目の神事】
諸所の神社で,毎年2月4日(古くは陰暦正月四日)に行われる祭事。蟇目を射て邪を祓(ハラ)う神事。日光市の二荒山神社のものが有名。

蟇目刳り

ひきめくり [3] 【蟇目刳り】
蟇目を作ること。また,その職人。

蟇目役

ひきめやく [0] 【蟇目役】
貴人の出産の際,妖魔を降伏(ゴウブク)するために,蟇目を射る役。

蟇目柄

ひきめがら [3][0] 【蟇目柄】
蟇目を付ける太く,長い矢柄。

蟇目鏑

ひきめかぶら [4] 【蟇目鏑】
「蟇目」に同じ。

蟇肌

ひきはだ [0] 【蟇肌・引き膚】
(1)「蟇肌革(ガワ)」の略。
(2)蟇肌革で作った刀剣の鞘袋(サヤブクロ)。「はきも習はぬ太刀の―(芭蕉)/ひさご」

蟇肌革

ひきはだがわ [0] 【蟇肌革】
ヒキガエルの背のような,しわのある革。ひきはだ。

蟇股

かえるまた カヘル― [0] 【蛙股・蟇股】
〔蛙がまたを広げたような形から〕
(1)(「蟇股」と書く)社寺建築などで,頭貫(カシラヌキ)または梁(ハリ)の上,桁との間に置かれる山形の部材。本来は上部構造の重みを支えるもの。のちには単に装飾として,さまざまに彫刻して破風などにつけられた。厚い板でできた板蟇股と中を透かした本蟇股とがある。
(2)かんざしで,足が蛙のまたを広げた形になったもの。
(3)網地の結節の一。結び目が締まり,ずれにくいため,刺し網類に用いる。
蟇股(1)[図]

蟋蟀

こおろぎ【蟋蟀】
a cricket.→英和

蟋蟀

こおろぎ コホロギ [1] 【蟋蟀・蛼】
(1)直翅目コオロギ科の昆虫の総称。体は太く短く,頭部は丸くて光沢があり,触角は糸状で長い。後肢は長く,跳躍に適する。尾端に二本の尾毛がある。多くは地表にすみ,雄は美しい声で鳴く。通常は,エンマコオロギ・ハラオカメコオロギ・ミツカドコオロギなど黒褐色の大形種をさすことが多い。古くはキリギリスといった。[季]秋。《―が髭をかつぎて鳴きにけり/一茶》
(2)古く,秋に鳴く虫の総称。「庭草に村雨降りて―の鳴く声聞けば秋付きにけり/万葉 2160」

蟋蟀

きりぎりす [3] 【螽斯・螽蟖・蟋蟀】
(1)キリギリス科の昆虫。体長40ミリメートル内外。体は緑色か褐色で,前ばねの部分には黒点がある。はねは短く,腹端に達する程度。雌の産卵管は長く細い剣状。雄は夏,草むらでチョンギースと鳴く。本州以南の日本各地に分布。ハネナガキリギリス・ヤブキリなどの近縁種をも含めることがある。[季]秋。《むざんやな甲の下の―/芭蕉》
(2)コオロギの古名。「―いたくな鳴きそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる/古今(秋上)」
(3)〔櫓(ロ)のきしる音がキリギリスの鳴く音に似ているところからという〕
江戸時代,吉原に通う二挺だての屋形船。きりぎりすぶね。きりぎりすまる。
螽斯(1)[図]

蟋蟀

しっしゅつ [0] 【蟋蟀】
こおろぎ。

蟋蟖

ころぎす [0] 【蟋蟖】
〔コオロギとキリギリスの両方に似ているのでいう〕
直翅目コロギス科の昆虫。体長25ミリメートル内外。体は黄緑色で,触角が長い。前ばねは長楕円形。口から糸を出して葉をつづり合わせ,その中にひそむ。鳴かない。本州・四国・九州に分布。

蟒草

うわばみそう ウハ―サウ [0] 【蟒草】
イラクサ科の多年草。山中の日陰の湿った斜面などに生える。茎は高さ30〜50センチメートルで多肉質。葉は歪卵形で左右二列に互生。雌雄異株。花は五,六月,葉腋に球状につく。若苗は食用。ミズナ。
蠎草[図]

蟒蛇

うわばみ【蟒蛇】
[大蛇]a python.→英和

蟒蛇

うわばみ ウハ― [0] 【蟒蛇】
(1)巨大な蛇の俗称。大蛇。
(2)〔大蛇は物をのみ込むというところから〕
俗に,大酒飲みをいう。

蟒蛇

やまかがち 【蟒蛇】
うわばみ。大蛇。「―のねまり申したるやうな/仮名草子・東海道名所記」

蟠り

わだかまり [0] 【蟠り】
(1)心の中に解消されないで残っている不信や疑念・不満など。また,そのためにすっきりとしない気持ち。「―を残す」「―がとける」
(2)心がねじけていること。悪意があること。[日葡]

蟠りがある

わだかまり【蟠りがある】
have a bad feeling <toward> ;be prejudiced <against> .〜が解ける come to an understanding.→英和

蟠る

わだかまる【蟠る】
lurk in one's mind;be deep-rooted.

蟠る

わだかま・る [4][0] 【蟠る】 (動ラ五[四])
(1)不平・不満などが解消されないで残る。心が晴れない。「不満が―・る」
(2)とぐろを巻く。「竜蛇の―・るがごとく/日光山の奥(花袋)」
(3)くねり曲がる。「七曲に―・りたる玉/枕草子 244」
(4)心がねじけまがる。「先ノゴトク―・ッテ身ヲバタバカルトモ/天草本伊曾保」
(5)他人の物を盗んで自分のものにする。横領する。「然れども勘十郎おのれ一旦主人の金子を―・り/浄瑠璃・五十年忌(下)」

蟠屈

ばんくつ [0] 【盤屈・蟠屈】 (名)スル
(1)複雑にいりくんでいること。「無数の大石―し/日本風景論(重昂)」
(2)心にわだかまりがあること。

蟠竜

はんりょう [0] 【蟠竜】
地上にとぐろを巻いていて,まだ天にのぼらない竜。

蟠踞

ばんきょ [1] 【盤踞・蟠踞】 (名)スル
〔とぐろを巻いてうずくまる意から〕
(1)しっかりと根を張って動かないこと。「老松の―する辺/日光山の奥(花袋)」
(2)広い土地に勢力を張って,そこを動かないこと。「辺境に―する」「異分子の…政府部内に―するあれば/文学史骨(透谷)」

蟭螟

しょうめい セウ― [0] 【焦螟・蟭螟】
蚊のまつげに巣くうという想像上の小虫。微小なもののたとえ。「おめへ方に兎の毛どころか―の産毛ほどもこみやられてなるものか/西洋道中膝栗毛(魯文)」

蟯虫

ぎょうちゅう【蟯虫】
a threadworm.

蟯虫

ぎょうちゅう ゲウ― [0] 【蟯虫】
袋形動物線虫綱の寄生虫。体は白く細長い紡錘形で,体長は雄が約5ミリメートル,雌が約10ミリメートル。雌は人間が睡眠中に肛門からはい出し,肛門の周辺に産卵する。卵は口から人体内に入り,腸管・盲腸などに寄生。産卵すると局所にかゆみを覚える。じょうちゅう。

蟯虫

じょうちゅう ゼウ― [0] 【蟯虫】
⇒ぎょうちゅう(蟯虫)

まて [1] 【馬蛤・馬刀・蟶】
マテガイの別名。[季]春。

蟶貝

まてがい [2] 【馬蛤貝・馬刀貝・蟶貝】
海産の二枚貝。殻長約12センチメートル。殻高約1.6センチメートル。殻は薄く,細長い円筒状。殻表は淡黄色の光沢ある殻皮におおわれる。砂泥底に垂直にもぐって住むが,穴の中に食塩を入れると飛び出す習性を利用して採集する。肉は美味。北海道南部以南の沿岸に分布。カミソリガイ。マテ。

蟷螂

かまきり [1] 【螳螂・蟷螂・鎌切・杜父魚】
(1)カマキリ科の昆虫。体長75ミリメートル内外。体は細長く,緑または褐色。前肢が鎌状の捕獲肢(ホカクシ)になり,小昆虫を捕食する。頭は三角形で複眼が大きく,触角は糸状で短い。後ろばねは薄い膜状で前ばねの下に畳まれる。海綿状の卵嚢(ランノウ)(おおじがふぐり)中に多数の卵を産む。本州・四国・九州と中国大陸に分布。トウロウ。イボムシ。イボジリ。イボツリムシ。《螳螂・蟷螂・鎌切》 [季]秋。《かりかりと―蜂の皃(カオ)を食む/誓子》
(2)(「鎌切」「杜父魚」の文字を当てる)カサゴ目の淡水魚。全長30センチメートルほど。カジカの一種で体形もカジカに似る。鰓(エラ)に上向きに曲がったとげがあり小魚を掛けて食べる。冬食用にして美味。秋田県と神奈川県以南の河川に分布。アユカケ。アラレウオ。アラレガコ。カクブツ。
螳螂(1)[図]

蟷螂

とうろう タウラウ [0] 【蟷螂・螳螂】
カマキリの漢名。[季]秋。《かり��と―蜂の貌を食む/山口誓子》

蟷螂

かまきり【蟷螂】
a (praying) mantis.

蟷螂

いいぼむしり イヒボ― 【蟷螂】
カマキリの異名。[新撰字鏡]

蟷螂

いもじり 【蟷螂】
カマキリの異名。いぼじり。[名語記]

かに【蟹】
a crab.→英和
‖蟹の甲 a crust.蟹缶 canned[ <英> tinned]crab.蟹工船 a floating crab cannery.蟹座 the Crab;Cancer.蟹サラダ crabmeat salad.

かに [0] 【蟹】
(1)甲殻綱十脚目のうち尾の短い一群の節足動物の総称。一対のはさみと四対の歩脚,堅い甲を持ち,大部分は横にはう。海産・淡水産とも種類が多く,大きさもさまざま。食用になるものも多い。タラバガニやヤシガニは分類上カニ類ではないが,一般にはカニと呼ばれる。
(2)俳句で,サワガニや,磯にいる小さいカニ類。[季]夏。《さかしげに帆綱をのぼる小―かな/鈴鹿野風呂》

蟹の手

かにのて [4] 【蟹の手】
紅藻類カクレイト目の石灰藻の一種。関東以南の浅海の岩上に群生する。体は帯紅色。節ごとに叉状に分枝し,高さ約10センチメートルになる。
→石灰藻

蟹の褌

かにのふんどし [0] 【蟹の褌】
カニの腹部の三角形をした部分の俗称。

蟹サボテン

かにサボテン [3] 【蟹―】
⇒蟹葉(カニバ)サボテン

蟹取

かにとり 【蟹取】
公家(クゲ)などの産衣。薄縹(ウスハナダ)の生絹(スズシ)に,蟹・鶴・宝尽くしなど縁起のよい模様をつけたもの。蟹取小袖。

蟹味噌

かにみそ [0] 【蟹味噌】
カニの甲羅の中にあるわたのこと。

蟹喰猿

かにくいざる カニクヒ― [5] 【蟹喰猿】
オナガザル科の哺乳類。体長50センチメートル内外で,尾は体長よりやや長い。体はほっそりしており,灰褐色ないし褐色。川沿いの密林や山地に小群ですむ。カニや貝類を好み,木の実・穀類なども食う。実験動物として重要。東南アジア・東インドに分布。

蟹守貝

かにもりがい [4] 【蟹守貝】
海産の巻貝。殻は細く先端がとがり,殻長40ミリメートル,殻径15ミリメートルほど。褐色の斑条がある。死殻にヤドカリが入るのでこの名がある。貝細工の材料。温・熱帯海域の浅海の砂底にすむ。

蟹屎

かにばば [0] 【蟹屎】
「かにくそ(蟹屎)」に同じ。

蟹屎

かにくそ [0] 【蟹屎】
赤ん坊が生まれて初めてする大便。青黒く粘り気がある。かにばば。かに。胎便。

蟹山伏

かにやまぶし 【蟹山伏】
狂言の一。修行をつんだ羽黒山の山伏が,下向の途中で蟹の精に会い,行力を見せようとしてかえってはさみで耳をはさまれ愚弄(グロウ)される。

蟹工船

かにこうせん [0] 【蟹工船】
漁獲したカニを船中ですぐに缶詰に加工する設備のある船。カニ母船。

蟹工船

かにこうせん 【蟹工船】
小説。小林多喜二作。1929年(昭和4)「戦旗」発表。綿密な調査をもとに,タラバガニ漁の蟹工船における未組織労働者の階級闘争を描いたプロレタリア文学の代表作。

蟹座

かにざ [0] 【蟹座】
〔(ラテン) Cancer〕
三月下旬の宵に南中する黄道星座。双子座と獅子(シシ)座の間にある。黄道十二宮の巨蟹(キヨカイ)宮に相当し,約二千年前には,ここに天球の夏至点があった。

蟹挟み

かにばさみ [3] 【蟹挟み】
(1)柔道の技の名。相手の横にまわり込んで,ジャンプしながら相手の両足を前と後ろからはさみつけて相手を後ろに倒す技。
(2)レスリングの技の名。相手に片足をとられた時に,残りの足で相手の両足を後ろから払い,倒れた相手の胴を両足ではさみつける技。

蟹文字

かにもじ [0][3] 【蟹文字】
〔カニが横にはうところから。明治初期の語〕
横文字。外国語。蟹行(カイコウ)文字。

蟹星雲

かにせいうん [3] 【蟹星雲】
牡牛(オウシ)座にあるガス星雲。強い電波や X 線の放射源。藤原定家の「明月記」や中国の記録から,1054年に木星ほどに輝いてこの付近に現れた超新星の残骸と考えられる。

蟹江

かにえ 【蟹江】
愛知県西部,海部(アマ)郡の町。名古屋市の西に接する水郷地帯で,施設園芸が盛ん。

蟹満寺

かにまんじ 【蟹満寺】
京都府相楽郡山城町にある真言宗の寺。山号は普門山。行基の開基と伝える。法華経普門品を読誦した利益(リヤク)によって,少女が蛇の難から蟹の群れによって助けられたという縁起は有名。本尊の釈迦如来坐像は白鳳時代の作で国宝。紙幡(カバタ)寺。

蟹玉

かにたま [0] 【蟹玉】
中国料理の一。ほぐしたカニの肉と野菜を卵でとじて味をつけたもの。芙蓉蟹(フーヨーハイ)・(フーロンシエ)。

蟹甲

かいこう [0] 【蟹甲】
カニのこうら。蟹殻。

蟹目釘

かにめくぎ [3] 【蟹目釘】
頭部がまるく盛り上がった化粧釘。戸板などに打つ。

蟹眼

かいがん [0] 【蟹眼】
茶釜の湯の煮え具合を表す語。カニの目のような小さな泡がたつ状態。

蟹眼鏡

かにめがね [3] 【蟹眼鏡】
双眼鏡の一。プリズムを使って,対物レンズを観測者の眼より高くカニの眼のように突き出した形のもの。弾着観測用などに使用。

蟹石

かにいし [0][2] 【蟹石】
カニの化石。また,カニのような形の化石。

蟹股

がにまた [0] 【蟹股】
両脚が O 字形に曲がっていること。

蟹股の

がにまた【蟹股の】
bowlegged.→英和

蟹草

かにくさ [0] 【蟹草】
カニクサ科の夏緑性シダ植物。葉は羽状複葉で,地下の根茎から出る。地上部は全体が葉で,つる状で茎にみえる部分は葉柄にあたる。羽片は三角形。胞子や根を漢方薬として用いる。ツルシノブ。シャミセンヅル。スナクサ。漢名,海金砂。

蟹葉サボテン

かにばサボテン [4] 【蟹葉―】
サボテン科の多年草。ブラジル原産。茎は扁平で細長い楕円形の茎節が連なり,多く分枝し下垂する。茎節にはとげがなく,葉は退化。早春,紫紅色の漏斗状花をつける。本種を母種の一とする園芸種クリスマス-カクタスのうち,茎節が細くとげがないものを称することが多い。カニサボテン。

蟹虫

かにむし [2] 【蟹虫】
クモ形綱擬蠍(ギケツ)目の節足動物の総称。外見が尾のないサソリに似る。体長1〜7ミリメートル。一般に白ないし淡褐色のものが多い。大きなはさみをもち,毒腺を備える種もある。倒木・落葉の下にすみ,洞穴・屋内でも見られる。アトジサリ。アトビサリ。

蟹蝙蝠

かにこうもり [3] 【蟹蝙蝠】
キク科の多年草。深山の林中に生える。茎は高さ約60センチメートル,数個の葉を互生し,葉はカニの甲羅に似る。夏から秋にかけ茎頂に円錐花序を立てて多数の白色の頭花をつける。

蟹行

かいこう [0] 【蟹行】 (名)スル
(1)カニのように横に歩くこと。よこばい。
(2)「蟹行文字(モンジ)」の略。「時に―・鳥跡に倦みたる眼(マナコ)を移して/自然と人生(蘆花)」

蟹行文字

かいこうもんじ [5] 【蟹行文字】
横書きにする欧米の文字。横文字。

蟹足腫

かいそくしゅ [4][3] 【蟹足腫】
⇒ケロイド

蟹醢

かにびしお [3] 【蟹醢】
カニの塩辛(シオカラ)。かにひしこ。

蟹釣草

かにつりぐさ [4] 【蟹釣草】
イネ科の多年草。原野に多い。高さ50センチメートル内外。葉は線形。五,六月,長さ10センチメートル内外の円錐花序をつける。花は黄褐色。子供が穂で小ガニを釣って遊ぶのでこの名がある。

蟹隈

かにぐま [0] 【蟹隈】
歌舞伎の隈取の一。蟹の形状で模した紅隈。半道敵(ハンドウガタキ)役に用いる。

あり【蟻】
an ant.→英和
蟻塚 an anthill.→英和

あり [0] 【蟻】
(1)膜翅目アリ科の昆虫。体は頭・胸・腹の三部に分けられ,胸部と腹部の間が細くくびれている。大部分は2〜10ミリメートル。体色は黒か赤褐色。女王アリを中心に雄アリ・働きアリ(不完全な雌)が地中や朽ち木に巣を作り,多数で社会生活を営む。糖分を含む食物を好む。全世界に分布し,種類が多い。[季]夏。
(2)建築で,鳩尾状(逆三角形)に広がった形の名称。木材の端に作って継ぎ手・仕口(シクチ)などに用いる。

蟻の塔

ありのとう [4] 【蟻の塔】
「蟻塚(アリヅカ)」に同じ。[季]夏。

蟻の塔草

ありのとうぐさ [4] 【蟻の塔草】
アリノトウグサ科の多年草。山野に自生。高さ20センチメートル内外。葉は卵円形で対生する。秋,茎頂が分枝して黄褐色の小花を多数つける。ノミトリグサ。

蟻の門渡り

ありのとわたり [5] 【蟻の門渡り】
(1)蟻が一筋の細い列となって進むこと。蟻の熊野まいり。
(2)外陰部と肛門との間。会陰(エイン)。
(3)長野県北部,戸隠山山中の難所。

蟻付

ぎふ [1] 【蟻付】 (名)スル
蟻(アリ)のように群がり集まること。蟻集。「名利の存する場所に―して/日本開化小史(卯吉)」

蟻先

ありさき 【蟻先・衽先】
〔「あまりさき」の転という〕
袍(ホウ)や直衣(ノウシ)で,襴(ラン)の両脇の張り出した部分。

蟻吸

ありすい [0] 【蟻吸】
キツツキ目キツツキ科の小鳥。全長17センチメートル内外。背面は褐色で黒い横斑がある。木の幹に穴を掘らず,他鳥の古巣や巣箱を利用して繁殖。地上におりて舌でアリを捕らえて食う。東北地方以北で繁殖し,冬は本州以南に渡る。

蟻喰

ありくい【蟻喰】
an anteater.→英和

蟻地獄

ありじごく【蟻地獄】
《虫》an ant lion.

蟻地獄

ありじごく [3] 【蟻地獄】
(1)ウスバカゲロウの幼虫。体長約1センチメートル。乾いた土や砂にすり鉢状の穴を掘り,その底に隠れて落ち込んだアリなどを捕食する。すりばちむし。あとびさり。あとじさり。[季]夏。
(2){(1)}の作る穴。抜け出すことの困難な悪状況のたとえにもいう。「―に落ちる」

蟻垤

ぎてつ [0] 【蟻垤】
〔「垤」は塚の意〕
ありづか。丘垤(キユウテツ)。

蟻塚

ありづか [0] 【蟻塚・垤】
アリやシロアリが地中に巣を作るとき,運び出した土や砂が盛り上げられてできる柱状・円錐状の山。また,落ち葉や枯れ木で作られるアリの巣。蟻の塔。蟻垤(ギテツ)。蟻封(ギホウ)。

蟻塚虫

ありづかむし [4] 【蟻塚虫】
甲虫目アリヅカムシ科の昆虫の総称。体長1〜4ミリメートル。体は黄褐色ないし暗褐色で,一般にひょうたん形。上ばねは短い。種類が多く,普通,石や落ち葉の下にすむ。アリと共生する種もある。

蟻壁

ありかべ [2][0] 【蟻壁】
天井と蟻壁長押(ナゲシ)との間の壁。

蟻壁長押

ありかべなげし [5] 【蟻壁長押】
内法(ウチノリ)長押と天井の回り縁(ブチ)の間に設けた長押。

蟻封

ぎほう [0] 【蟻封】
⇒蟻塚(アリヅカ)

蟻差

ありさし [2][0] 【蟻差】
建築で,仕口(シクチ)の一。蟻枘(アリホゾ)を交互に組み合わせたもので,厚板などの接合に用いる。

蟻巻

ありまき [0] 【蟻巻・蚜虫】
アブラムシ{(1)}の異名。

蟻掛

ありかけ [2][0] 【蟻掛】
建築の仕口(シクチ)の一。一方の材の端に蟻枘(アリホゾ)を作り他の材に蟻穴を切ってはめ込むもの。ありおとし。
→仕口

蟻擬

ありもどき [3] 【蟻擬】
甲虫目カッコウムシ科の昆虫の総称。体長3〜10ミリメートル。種類が多く,アリに似た体形のものが多い。落ち葉の下や枯れ木の樹皮の下にすむ。一角虫。

蟻枘

ありほぞ [0] 【蟻枘】
木材の先端を,鳩尾形(逆三角形)に突出させた枘。ほかの木材に同じ形の枘穴を切り,はめ込んで抜けないようにする。

蟻植物

ありしょくぶつ [4] 【蟻植物】
アリと共生関係にある植物の総称。熱帯地方に多い。アリアカシア・アリノスダマなど。

蟻浴

ぎよく [0] 【蟻浴】
ある種の鳥に見られる,アリを羽毛に這い上がらせたり,こすりつける行動。アリが分泌するギ酸が羽毛を清潔にするのに役立つと考えられている。

蟻穴

ありあな [0] 【蟻穴】
建築で,蟻枘(アリホゾ)を受ける穴。

蟻継

ありつぎ [2][0] 【蟻継(ぎ)】
建築の継手の一。蟻枘(アリホゾ)を作って木材を継ぐもの。
→継ぎ手

蟻継ぎ

ありつぎ [2][0] 【蟻継(ぎ)】
建築の継手の一。蟻枘(アリホゾ)を作って木材を継ぐもの。
→継ぎ手

蟻聚

ぎしゅう [0] ―シフ 【蟻集】 ・ ―シユウ 【蟻聚】 (名)スル
蟻(アリ)のように群がり集まること。「短識の人―螻議す/明六雑誌 12」

蟻落し

ありおとし [3] 【蟻落(と)し】
「蟻掛(アリカケ)」に同じ。

蟻落とし

ありおとし [3] 【蟻落(と)し】
「蟻掛(アリカケ)」に同じ。

蟻蚕

ぎさん [0] 【蟻蚕】
卵からかえったばかりの蚕(カイコ)。蟻(アリ)に似ている。けご。

蟻蜘蛛

ありぐも [0][3] 【蟻蜘蛛】
クモの一種。体長8ミリメートル内外。体色は黒褐色で,アリに似る。網を張らず枝や葉の上を歩き回り,小昆虫を捕食する。

蟻走感

ぎそうかん [2] 【蟻走感】
アリが肌の上をはっているような,むずむずした感じのする知覚異常。

蟻通

ありどおし [0] 【虎刺・蟻通】
アカネ科の常緑小低木。中部以西の山地に自生。高さ約60センチメートルで,葉は小卵円形。多くの小枝を分かち,葉腋に鋭い長いとげをもつ。初夏,花冠が四裂する白色漏斗状の花をつける。

蟻通

ありどおし 【蟻通】
能の一。四番目物。田楽の古作を世阿弥が改作。蟻通明神の神域をおかしたため,旅の途上で難儀にあった紀貫之が歌を詠進して明神の怒りをとく。

蟻通明神

ありどおしみょうじん 【蟻通明神】
大阪府泉佐野市長滝にある神社。祭神は大名持命(オオナムチノミコト)。その縁起が「枕草子」などにみえる。

蟻酸

ぎさん [0] 【蟻酸】
最も簡単な脂肪族モノカルボン酸。化学式 HCOOH  刺激臭のある無色の酸性液体。メチルアルコールやホルマリンの酸化により得られる。ハチやアリの毒腺中にあり,これらの虫に刺されたときの皮膚の痛みやはれの原因となる。各種有機薬品の合成原料や,皮革のなめしに用いる。
〔自然科学では「ギ酸」と書く〕

蟻酸

ぎさん【蟻酸】
《化》formic acid.

蟻集

ぎしゅう [0] ―シフ 【蟻集】 ・ ―シユウ 【蟻聚】 (名)スル
蟻(アリ)のように群がり集まること。「短識の人―螻議す/明六雑誌 12」

蟻食

ありくい [0][2][3] 【蟻食・食蟻獣】
アリクイ科の哺乳類の総称。口は小さくて歯がなく,頭部は筒状で細長い口吻(コウフン)が突出する。蟻塚をこわし,ひも状の長い舌でアリ・シロアリなどをなめて食う。オオアリクイ・コアリクイ・ヒメアリクイの三種があり,中南米の森林にすむ。

蟻鼻銭

ぎびせん [2] 【蟻鼻銭】
中国,戦国時代の楚で使用された青銅貨幣。長さ約2センチメートル,長円形,表面はややふくらむ。蟻の顔に似ていたのでこの名がある。

ひき [2] 【蟇・蟾】
ヒキガエルの別名。[季]夏。《這出よかひやが下の―の声/芭蕉》

蟾蜍

せんじょ [1] 【蟾蜍】
〔姮娥(コウガ)が月に走り,ヒキガエルと化したという中国の伝説から〕
月にすむというヒキガエル。転じて,月。
→姮娥

蟾蜍

ひきがえる [3] 【蟇・蟾蜍】
(1)カエル目ヒキガエル科の両生類の総称。
(2){(1)}の一種。体長は7〜15センチメートル。ずんぐりした体形で四肢は短く跳躍力は弱い。背面は暗褐色,腹面は淡黄褐色。耳腺がよく発達し,背には疣(イボ)がある。一般に地上性で,繁殖期以外はあまり水に入らない。ニホンヒキガエル。ヒキ。ガマ。ガマガエル。イボガエル。[季]夏。

蟾酥

せんそ [1] 【蟾酥】
生薬の一。ヒキガエル・シナヒキガエルなどの毒腺の分泌物。鎮痛・強心薬に用いる。

蠁子

さし [1] 【蠁子】
(1)魚の頭などで人工的に繁殖させたキンバエの幼虫。釣りの餌(エサ)に用いる。
(2)糠味噌(ヌカミソ)・酒粕(サケカス)などにつく小さい蛆(ウジ)。ショウジョウバエの幼虫。

はえ ハヘ [0] 【蠅】
(1)双翅目短角亜目ハエ群に属する昆虫の総称。体は黒または褐色で太く,二枚の透明なはねを有し,触角は短い。幼虫は「うじ」と呼ばれる。イエバエ・クロバエ・ニクバエ・サシバエ・ツェツェバエなど種類が多く,伝染病を媒介したりして人畜に害を与えるものもある。はい。[季]夏。《やれうつな―が手をする足をする/一茶》
(2)とるに足らない者,つまらない者をののしっていう語。「―侍」

はい ハヒ [0] 【蠅】
「はえ(蠅)」の転。

蠅の子

はえのこ ハヘ― [0] 【蠅の子】
ハエの幼虫。うじ。

蠅取り

はえとり ハヘ― [0][4][3] 【蠅取り】
(1)ハエをとるための道具。蠅取り器や蠅取り紙,蠅たたきなど。はいとり。
(2)「蠅取蜘蛛(グモ)」の略。

蠅取り紙

はえとりがみ ハヘ― [4] 【蠅取り紙】
ハエを取るために,ねばる薬液を塗った紙。天井からつるすテープ状にしたものは蠅取りリボンという。はえとりし。[季]夏。

蠅取撫子

はえとりなでしこ ハヘ― [6] 【蠅取撫子】
ムシトリナデシコの別名。

蠅取茸

はえとりだけ ハヘ― [4] 【蠅取茸】
テングタケ・ベニテングタケなどの俗称。その毒液がハエを殺すので,この名がある。

蠅取草

はえとりそう ハヘ―サウ [0] 【蠅取草】
ハエジゴクの別名。

蠅取蜘蛛

はえとりぐも ハヘ― [5] 【蠅取蜘蛛・蠅虎】
真正クモ目ハエトリグモ科のクモの総称。小形のクモ類で体は扁平。目は三列に並び,前列中央の一対は巨大。網を張らず,壁面などを歩行し,跳躍力が強く,巧みにハエなどの小昆虫を捕らえる。日本では約八〇種が知られる。[季]夏。

蠅叩き

はえたたき ハヘ― [3] 【蠅叩き】
蠅を打ち殺すための,長い柄のついた道具。はいたたき。はえうち。[季]夏。《―とり彼一打我一打/虚子》

蠅叩き

はいたたき ハヒ― [3] 【蠅叩き】
⇒はえたたき(蠅叩)

蠅地獄

はえじごく ハヘヂゴク [3] 【蠅地獄】
モウセンゴケ科の多年生食虫植物。北アメリカ東南部原産。葉は根生し円形で縁に長い毛がある。葉面に三対の感覚毛があって,虫などが触れると二つに閉じて捕らえ,消化液を出す。五月頃,白色の五弁花をつける。蠅取草(ハエトリソウ)。
蝿地獄[図]

蠅帳

はえちょう ハヘチヤウ [0] 【蠅帳】
風通しをよくし,また蠅などが入らないように金網あるいは紗(シヤ)を張った,食品を入れておく小さな戸棚。蠅入らず。蠅よけ。はいちょう。[季]夏。

蠅帳

はいちょう ハヒチヤウ [0] 【蠅帳】
⇒はえちょう(蠅帳)

蠅座

はえざ ハヘ― [0] 【蠅座】
〔(ラテン) Musca〕
南天の星座。日本からは見えない。南十字星の南にあり,天の川の一部を含む。

蠅打ち

はえうち ハヘ― [0][4] 【蠅打ち】
「蠅叩(ハエタタ)き」に同じ。[季]夏。

蠅毒草

はえどくそう ハヘドクサウ [0] 【蠅毒草】
ハエドクソウ科の多年草。高さ約7センチメートル。原野の林内に自生。葉は三角卵形。夏,細長い穂を立て淡紅色の小花をまばらにつける。根を蠅を殺すのに用いた。

蠅虎

はえとりぐも ハヘ― [5] 【蠅取蜘蛛・蠅虎】
真正クモ目ハエトリグモ科のクモの総称。小形のクモ類で体は扁平。目は三列に並び,前列中央の一対は巨大。網を張らず,壁面などを歩行し,跳躍力が強く,巧みにハエなどの小昆虫を捕らえる。日本では約八〇種が知られる。[季]夏。

蠅除け

はえよけ ハヘ― [0][4] 【蠅除け】
ハエをよけたり追い払ったりすること。またそれに用いる道具。はいよけ。[季]夏。

蠅頭

ようとう [0] 【蠅頭】
〔ハエの頭の意〕
きわめて小さいもの,特に小さな字のたとえ。

蠅黴

はえかび ハヘ― [2] 【蠅黴】
接合菌類ハエカビ科に属するかび。生きているハエ類に寄生し,寄主を殺して体外に菌糸を伸ばして子実層をつくる。ほかの昆虫類につく近似種も多い。

さそり [0] 【蠍】
クモ形綱サソリ目の節足動物の総称。体長は25ミリメートルから20センチメートルまで種類により異なる。体は,短い頭胸部と,多くの関節に分かれる腹部から成る。腹部の後方は細く尾状になり,先端に毒針がある。触肢はカニのはさみのようになり,胸部に四対の脚がある。毒虫として有名。熱帯・亜熱帯に多く,約六〇〇種が知られ,日本には八重山・宮古・小笠原諸島に二種が分布。
蠍[図]

さそり【蠍】
a scorpion.→英和
蠍座 the Scorpion;Scorpio.→英和

蠍座

さそりざ [0] 【蠍座】
〔(ラテン) Scorpius〕
七月下旬の宵に南中する南天の S 字形の星座。古くは黄道十二宮の天蝎(テンカツ)に相当した。ギリシャ神話では,巨人オリオンを刺し殺したサソリを形どる。アルファ星アンタレスは色が赤く,サソリの心臓にたとえられる。

蠍擬

さそりもどき [4] 【蠍擬】
クモ形綱サソリモドキ目の節足動物の総称。体長4センチメートル内外。触肢が大きなはさみになり,一見サソリに似るが,尾部が細い鞭(ムチ)状となる。毒はないが,外敵に襲われると悪臭のある液体を放出する。熱帯を中心に約七〇種が知られ,日本にも九州と沖縄に一種が生息する。

蠐螬

すくもむし 【蠐螬】
地虫(ジムシ)。[和名抄]

蠑螈

いもり ヰ― [1] 【井守・蠑螈】
有尾目の両生類。雌は体長約10センチメートル。雄はやや小形。体は黒ないし黒褐色で,腹面に赤色または橙黄(トウコウ)色の斑紋がある。池沼・小川などにすむ。黒焼きにしたものは媚薬(ビヤク)・強壮剤とされる。本州・四国・九州および周辺の島に分布。アカハラ。[季]夏。《浮み出て底に影ある―かな/虚子》

蠔油

ハオユー [3] 【蠔油】
〔中国語〕
⇒牡蠣油(カキアブラ)

蠕動

ぜんどう [0] 【蠕動】 (名)スル
(1)ミミズなどの虫がうごめき進むこと。また,一般にうごめくこと。「蜘蛛の肢は生けるが如く―した/刺青(潤一郎)」
(2)筋肉の収縮によって生じたくびれが波のように徐々に伝播していく形の運動。高等動物では消化管壁や血管壁に見られ,内容物を下方に送るはたらきをする。ミミズのような蠕形動物では体壁に見られ,体を移動するはたらきをする。蠕動運動。
(3)ミミズなど,うごめく虫。「蚑行―,何ぞ仏性無からむ/性霊集」

蠕動

ぜんどう【蠕動】
《生》vermiculation.〜する creep;→英和
worm.→英和

蠕形動物

ぜんけいどうぶつ [5] 【蠕形動物】
蠕動運動をする動物の総称。体は左右相称で細長い。扁形動物・線形動物・環形動物などが含まれる。

蠕虫

ぜんちゅう【蠕虫】
a worm;→英和
a helminth.→英和

蠕虫

ぜんちゅう [0] 【蠕虫】
ミミズやゴカイなどのように細長くて足がなく,うごめいて移動する下等動物の俗称。

蠕蠕

ぜんぜん 【蠕蠕】
⇒柔然(ジユウゼン)

蠢かす

うごめか・す [4] 【蠢かす】 (動サ五[四])
ぴくぴく動かす。「自慢げに鼻を―・す」

蠢く

おごめ・く 【蠢く】 (動カ四)
〔「うごめく」の転〕
ぴくぴくと動く。「鼻のほど―・きて言ふは/徒然 73」

蠢く

うごめ・く [3] 【蠢く】 (動カ五[四])
(虫がはうように)もぞもぞと動く。蠢動(シユンドウ)する。「毛虫が―・く」

蠢く

うごめく【蠢く】
move;→英和
stir;→英和
wiggle.→英和

蠢く

むくめ・く 【蠢く】 (動カ四)
虫などがむくむくと動く。うごめく。「左右にかづき給ふるものは蓑虫のやうにてや,―・きまゐらむ/宇津保(楼上・上)」

蠢動

しゅんどう [0] 【蠢動】 (名)スル
(1)虫などのうごめくこと。
(2)(取るに足らないものが)こそこそとうごめくこと。「賊徒の―」「此世に生息すべき義務を有して―する者は/吾輩は猫である(漱石)」

蠢愚

しゅんぐ [1] 【蠢愚】 (名・形動)[文]ナリ
きわめて無知でおろかな・こと(さま)。「固陋―なるもの/文明論之概略(諭吉)」

蠢爾

しゅんじ [1] 【蠢爾】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)虫のうごめくさま。蠢然。
(2)取るに足らぬものがさわぐさま。「其土人も亦―たる番夷に過ずして/明六雑誌 4」

蠢蠢

しゅんしゅん [0] 【蠢蠢】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)虫のうごめくさま。もののむくむくとうごめくさま。「―として御玉杓子の如く動いて居たものは/趣味の遺伝(漱石)」
(2)とるに足らないもののうごめくさま。「人間生活の状態を観よ,―喁々として/文学史骨(透谷)」

蠢蠢

うごうご 【蠢蠢】 (副)
(1)少しずつ動くさま。虫などがうごめくさま。「鼻の先うぞやき,―として/仮名草子・浮世物語」
(2)活気がなくぐずぐずしているさま。「若盛りにあてがひ世帯,―と生きて居て/浮世草子・置土産 2」

蠣崎

かきざき 【蠣崎】
姓氏の一。

蠣崎波響

かきざきはきょう 【蠣崎波響】
(1764-1826) 江戸後期の画家・詩人。松前藩家老。藩主松前資広の五男。名は広年,波響は号。若くして写実装飾的な肖像画の傑作「夷酋列像」を描き,六如や菅茶山らと交遊して漢詩をよくした。著「梅痩柳眠村舎詩稿」

蠣殻町

かきがらちょう 【蠣殻町】
東京都中央区日本橋の商業地区。水天宮がある。もと米穀取引所があった。

まじ [1] 【蠱】
「蠱物(マジモノ)」に同じ。

蠱る

まじこ・る 【蠱る】 (動ラ四)
邪悪なものに引き込まれる。「天のまがつひといふ神の言はむ悪事(マガゴト)にあひ―・り/祝詞(御門祭)」

蠱惑

こわく [0] 【蠱惑】 (名)スル
人の心を引きつけまどわすこと。女が色香で男をまどわすこと。「時々刻々何ものゝ妖魔にか―され/罪と罰(魯庵)」

蠱惑的

こわくてき [0] 【蠱惑的】 (形動)
人の心を引きつけてまどわすさま。「―な瞳(ヒトミ)」

蠱毒

こどく [0][1] 【蠱毒】 (名)スル
毒を盛って人を害すること。「他人を―するの兇器たらんと/もしや草紙(桜痴)」

蠱物

まじもの 【蠱物】
(1)まじないをして相手をのろうこと。また,その術。まじ。「けもの倒し,―する罪/祝詞(六月晦大祓)」
(2)人を惑わすもの。魔性のもの。「これらの―らを捉んは何の難き事にもあらじ/読本・雨月(蛇性の婬)」

蠲免

けんめん [0] 【蠲免】
奈良・平安時代に,租・庸・調・雑徭(ゾウヨウ)の一部または全部を免除すること。官位・職務などによる常例と災害・凶事などによる臨時のものとがあった。蠲除。

蠲符

けんぷ [1] 【蠲符】
〔「蠲」は除く意〕
律令制下,有位者・官人・僧侶など,初めてその身分を取得した者が課役を免除される旨を記した官符。

のむし 【蠹・野虫】
(1)野にすむ虫。
(2)キクイムシの古名。[和名抄]
(3)衣魚(シミ)の異名。

蠹害

とがい [0] 【蠹害】
(1)虫が物を食害すること。
(2)物事をそこない害すること。また,その者。「国の―也/太平記 14」

蠹毒

とどく [1] 【蠹毒】 (名)スル
〔「蠹」はキクイムシやシミのこと〕
(1)物事に害毒を与えること。また,その害毒。「健全なる人心を―し/復活(魯庵)」
(2)害虫がむしばみそこなうこと。「されども腹中に―といへる虫有つて/浄瑠璃・出世景清」

蠹魚

しみ [0] 【紙魚・衣魚・蠹魚】
(1)総尾目シミ科の昆虫の総称。体長10ミリメートル前後。体は細長く,尾端に二本の尾角と一本の尾毛がある。体は銀白色の鱗(ウロコ)におおわれ,長い触角をもつ。和紙・衣料・穀類などを食害する。しみむし。[季]夏。
(2)特に,ヤマトシミのこと。古くから古書の害虫として知られる。日本から東南アジアに広く分布。雲母虫(キララムシ)。[季]夏。《三代の―の更科日記かな/景山筍吉》
紙魚(1)[図]

蠹魚

とぎょ [1] 【蠹魚】
(1)昆虫シミ(衣魚)の異名。
(2)やたらに本を読むばかりで,その真意を知ることができず,これを活用する才のない者。

蠼螋

はさみむし [3] 【鋏虫・蠼螋】
(1)革翅目に属する昆虫の総称。
(2)革翅目の昆虫の一種。体長20ミリメートル内外。体は細長く,光沢のある黒褐色。尾端にはさみがある。ごみや枯れ葉などの下にすむ。世界各地に分布。
鋏虫(2)[図]

のり 【血・生血】
まだ乾かず,ねばりけのある血。ちのり。「目のさやはづす刀の―/浄瑠璃・平家女護島」

ち [0] 【血】
(1)動物の体内を循環して流れる液体。脊椎動物ではヘモグロビンを含むため赤く見える。血液。血潮(チシオ)。「―が出る」「―がにじむ」
(2)人の体内をめぐって,その活力の源となるもの。「―がたぎる」「―の気が多い」「―のめぐり」
(3)親から受け継ぎ,同じ父祖につながる血族の関係。血筋。血統。「―は争えない」

けつ [1] 【血】
漢方で,血液・体液全般をさす語。気とともに生命力の根源とされる。狭義には,血液をさす。
→気

ち【血】
blood.→英和
〜が出ている <His nose> is bleeding; <He> is bleeding <at the nose> .
〜がつながっている be related <to a person> by blood.→英和
〜に飢えた bloodthirsty.→英和
〜の気のない pale;→英和
white.→英和
〜の海 a pool of blood.→英和
〜の出るような金 money earned by the sweat of one's brow.〜のめぐりの良い(悪い) quick-(dull-)witted.〜も涙もある(ない) sympathetic (coldhearted).→英和
〜を採る draw[let]blood.→英和
〜を吐く vomit blood (胃から).
〜を引いている be descended <from> .
〜を見る result[end]in bloodshed.〜を沸かせるような thrilling.→英和
〜を分けた兄弟 one's blood brother.

血だらけ

ちだらけ [0][4] 【血だらけ】 (名・形動)
一面に血がつく・こと(さま)。血まみれ。「―の布」「顔面が―になる」

血だらけの

ちだらけ【血だらけの】
bloody.→英和

血の余り

ちのあまり 【血の余り】
末の子。末子。「子におろかはなけれどもわけて御身は―/浄瑠璃・用明天皇」

血の巡り

ちのめぐり [0] 【血の巡り】
(1)血液の循環。血行。
(2)頭のはたらき。「―が悪い」

血の日曜日

ちのにちようび 【血の日曜日】
1905年1月22日(ロシア暦九日)日曜日,ペテルブルクで皇帝への請願のため行進していた労働者とその家族に対して,軍隊が発砲した事件。死傷者は二千名にのぼり,民衆の不満は高まり,ロシア革命の発端となる。

血の気

ちのけ [0] 【血の気】
(1)血の通っているようす。血色(ケツシヨク)。「―が失せる」「―のない顔」「―が戻る」
(2)物事に激しやすい気質。興奮しやすい心意気。血気(ケツキ)。「―の多い若者」

血の汗

ちのあせ [3] 【血の汗】
たいそう努力をし,非常な苦しみをした時に出る汗のたとえ。「―を流して完成させる」

血の池

ちのいけ [0][4] 【血の池】
地獄にあり,血をたたえているという池。「―地獄」

血の海

ちのうみ [3] 【血の海】
多くの血が流れ出ているさまを,海にたとえた語。「事故現場は―だった」

血の涙

ちのなみだ [3] 【血の涙】
非常につらかったり悲しかったりする時に出る涙のたとえ。血涙(ケツルイ)。「―を流す思い」

血の病

ちのやまい [3] 【血の病】
「血の道{(1)}」に同じ。

血の道

ちのみち [0] 【血の道】
(1)女性が,思春期・生理時・産褥(サンジヨク)時・更年期などに訴える,めまい・のぼせ・肩こり・頭痛・疲労感などの諸症状をいう語。自律神経の失調とされる。血の病。ちみち。
(2)血管のこと。血脈。ちみち。

血の道持ち

ちのみちもち 【血の道持ち】
血の道{(1)}の持病があること。また,その人。

血の雨

ちのあめ [3] 【血の雨】
争いなどのために多くの血が流されることのたとえ。「―が降る」「―を降らす」

血みどろの努力を重ねる

ちみどろ【血みどろの努力を重ねる】
make desperate[strenuous]efforts <to do> .

血下ろし

ちおろし 【血下ろし】
胎児をおろすこと。堕胎。「さては昔―をせし親なし子かと悲し/浮世草子・一代女 6」

血不浄

ちふじょう [2] 【血不浄】
出産のけがれ。また,それに対する忌み。

血中アルコール濃度

けっちゅうアルコールのうど [10] 【血中―濃度】
飲酒による血液中のエチルアルコール濃度。血液100ミリリットル中,50ミリグラムでほろ酔い,200ミリグラムで泥酔,400ミリグラム以上で昏睡(コンスイ)する。
→急性アルコール中毒

血便

けつべん【血便】
bloody excrement.

血便

けつべん [0] 【血便】
血液が混ざった大便。通常は下部消化管からの出血による赤色の便をさす。腸の炎症では下痢状の赤色便,直腸癌(ガン)など大腸下部での出血では鮮明な血液を混じた便となる。

血債

けっさい [0] 【血債】
〔血の債務,血ぬられた負債の意〕
肉親を殺害された仇(アダ)。戦争や搾取によって奪われた損失。

血刀

ちがたな [2][3] 【血刀】
人などを斬って血にまみれた刀。

血切り

ちきり 【血切り】
「血鰤(チブリ)」に同じ。

血判

けっぱん [0][1] 【血判】 (名)スル
誓約の堅さを強調するため,指を切ってしたたらせた血で押判すること。また,その判。ちばん。

血判する

けっぱん【血判する】
seal with one's blood.

血判状

けっぱんじょう [0][3] 【血判状】
血判を押した書状。起請文・願文・契状など。

血友病

けつゆうびょう ケツイウビヤウ [0] 【血友病】
血液凝固因子の欠損のため出血傾向をきたす遺伝性疾患。伴性劣性遺伝のため,男性に現れる。

血反吐

ちへど [0] 【血反吐】
胃からはきだす血。また,血のまじったへど。「―をはいて苦しむ」

血合

ちあい [0] 【血合(い)】
魚の肉で,黒ずんだ赤みを帯びた部分。カツオ・マグロなどは体側および背骨の周辺に多い。

血合い

ちあい [0] 【血合(い)】
魚の肉で,黒ずんだ赤みを帯びた部分。カツオ・マグロなどは体側および背骨の周辺に多い。

血合せ

ちあわせ [2] 【血合(わ)せ】
血縁関係の有無を調べる古い風習の一。水の中にそれぞれの血をたらし,そのまじり方によって判定した。

血合わせ

ちあわせ [2] 【血合(わ)せ】
血縁関係の有無を調べる古い風習の一。水の中にそれぞれの血をたらし,そのまじり方によって判定した。

血吸蛭

ちすいびる チスヒ― [2] 【血吸蛭】
ヒルの一種。体は扁平な円柱状。体長3〜4センチメートル。背面は黄褐色または緑灰色で数本の縦縞があり,腹面は緑灰色。雌雄同体。池沼・水田などにすむ。人畜の血を多量に吸うので,昔から医療に用いられた。医用蛭。水蛭(スイテツ)。

血吸蝙蝠

ちすいこうもり チスヒカウモリ [4] 【血吸蝙蝠】
翼手目チスイコウモリ科の哺乳類。前腕長6センチメートル内外,頭胴長8センチメートルほどで,尾はない。上顎の大きくて鋭い門歯・犬歯で動物の皮膚に傷をつけ,流れ出る血をなめる。狂犬病を媒介することがある。洞窟や樹洞などにすみ,夜行性。メキシコから南米中部にかけて分布。吸血コウモリ。バンパイア。

血圧

けつあつ [0] 【血圧】
心臓から血液が押し出されるとき,血管内に生ずる圧。心臓に近い動脈の圧ほど高く,毛細血管・静脈の順に低くなる。通常,上腕部の動脈で測定した値を用いる。心臓の収縮期におけるものを最高血圧,拡張期におけるものを最低血圧,両者の差を脈圧という。

血圧

けつあつ【血圧】
<measure one's> blood pressure.〜が高い(低い) have high (low) blood pressure.‖血圧計 a sphygmomanometer.血圧降下剤 a hypotensive drug.

血圧計

けつあつけい [0] 【血圧計】
血圧を測定する機器。水銀の液圧で計測する水銀血圧計や電子式の自動血圧計などがある。

血圧降下薬

けつあつこうかやく [7] 【血圧降下薬】
高血圧症に対し,血圧を下げるために用いる薬。直接・間接的に交感神経を抑制し,末梢血管の抵抗を低下させる。

血塊

けっかい【血塊】
a clot of blood.

血塊

けっかい [0] 【血塊】
血液の凝固したもの。血液のかたまり。また,体内に血のかたまりができる病気。

血塗る

ちぬ・る [2][0] 【血塗る・釁る】 (動ラ五[四])
〔古代中国で,いけにえや,殺した敵の血を器に塗って神に捧(ササ)げたことから〕
刀剣などの器物に血を塗りつける。また,人を殺傷する。「―・られた一族の歴史」

血塗れ

ちまみれ [0] 【血塗れ】
一面に血がつくこと。血だらけ。血みどろ。血まぶれ。「―の体」

血塗れ

ちまぶれ [0] 【血塗れ】
⇒ちまみれ(血塗)

血塗れの

−まみれ【血塗れの】
bloody;→英和
smeared with blood.泥〜の muddy.→英和

血塗れの

ちまみれ【血塗れの】
bloody;→英和
bloodstained.〜になって smeared[covered]with blood.

血塗ろ

ちみどろ [0] 【血塗ろ】 (名・形動)[文]ナリ
(1)一面に血がついている・こと(さま)。血まみれ。血だらけ。「―の手」
(2)(血にまみれるような)大変に苦しい状態にあること。死に物狂いであること。また,そのさま。「―の苦闘を続ける」

血塗ろちんがい

ちみどろちんがい 【血塗ろちんがい】
〔「ちんがい」は血滴(チアエ)の意〕
「ちみどろ」を強めていう語。血だらけの状態。「耳そぐ鼻そぐ―追払ふ/浄瑠璃・博多小女郎(下)」

血声

ちごえ [0] 【血声】
血を絞るような声。必死の声。「『人殺,人殺だ!』と―を絞りぬ/義血侠血(鏡花)」

血太り

ちぶとり [2] 【血太り】 (名・形動)スル
血色よく太っている・こと(さま)。「顔の色赤々として,―して/破戒(藤村)」

血小板

けっしょうばん [0] 【血小板】
血液の有形成分の一。無核でさまざまな形をした2〜4マイクロメートルの小体。骨髄巨核球からつくられる。血液凝固に重要な働きをする。

血尿

けつにょう [0] 【血尿】
赤血球が混じった尿。必ずしも赤色を呈さず潜血反応や顕微鏡検査でのみ診断可能なものもある。腎尿路疾患や内科疾患など種々の成因により生じる。
→血色素尿

血屎

ちくそ 【血屎】
赤痢(セキリ)の古名。[和名抄]

血引

ちびき [0] 【血引】
(1)スズキ目の海魚。全長約60センチメートル。体はやや細長くて側扁する。体色は紅色で腹部は銀白色。暖海のやや深海にすむ。肉は白身で,美味。南日本以南に広く分布。ハチビキ。マーマチ。
(2)ヒメダイの異名。

血忌み

ちいみ [0] 【血忌み】
(1)出産の忌み。
(2)「血忌み日」の略。

血忌み日

ちいみび [3] 【血忌み日】
暦注の一。婚姻,奉公人の雇い入れ,漁業などを凶として避ける日。ちいみ。ちいみにち。

血惑ふ

ちまど・う 【血惑ふ】 (動ハ四)
「血迷(チマヨ)う」に同じ。「具足を着,東西に走り,―・ふてござつた/天草本平家 3」

血戦

けっせん [0] 【血戦】 (名)スル
血みどろになって激しく戦うこと。また,その戦い。

血抜き

ちぬき [0] 【血抜き】 (名)スル
臭みを取るため,水にさらすなどして,食用にする肉や内臓の血を抜くこと。

血振るい

ちぶるい [2] 【血振るい】 (名)スル
(1)猛獣が他の動物を食ったあと,毛についた血を身ぶるいして振り落とすこと。
(2)人などを斬ったあと,刀についた血を振るい落とすこと。
(3)産後に血の道でからだが震える病。「涙を絞り気をもみ上げ,―しきりに息弱り/浄瑠璃・浦島年代記」

血文

ちぶみ 【血文】
血でしたためた文。起請文などで行われる血書。「―は消えず今更に/浮世草子・諸艶大鑑 2」

血斑

けっぱん [0] 【血斑】
皮下または粘膜下の出血によって生じる紫黒色の斑点状のあざ。

血方

ちかた 【血方】
血筋を引く者。血縁の者。

血族

けつぞく【血族】
one's blood relation;one's kith and kin;kinship.→英和
血族結婚 consanguineous marriage;intermarriage.→英和

血族

けつぞく [2][0] 【血族】
血縁によってつながる人々。法律上は,養親子関係にある者(法定血族)を含む。
→姻族

血族結婚

けつぞくけっこん [5] 【血族結婚】
血族間の婚姻。ごく近い関係にある血族間の婚姻では,夫婦の各々から劣性遺伝子がそろって伝えられて,子供に遺伝性疾患の出現する確率が高い。血族婚。親族結婚。
→近親婚

血書

けっしょ【血書(する)】
a writing (write) in blood.

血書

けっしょ [1][0] 【血書】 (名)スル
堅い誓いや誠意を示すため,自分の血で文書を書くこと。また,その文書。

血書き

ちがき [0] 【血書き】 (名)スル
誓言などを,自分の血で書くこと。けっしょ。

血条苔

ちすじのり チスヂ― [3] 【血条苔】
紅藻類ウミゾウメン目の淡水藻。暗紫色で,多くの糸状の枝を出す。河川に生育し,生育地は天然記念物に指定されている。

血染め

ちぞめ [0] 【血染め】
血がしみついていること。血がついて赤くなること。

血染めの

ちぞめ【血染めの】
bloodstained.

血栓

けっせん【血栓】
thrombus.血栓症 thrombosis.→英和

血栓

けっせん [0] 【血栓】
血管内で凝固してできる血液の固まり。「脳―」

血栓症

けっせんしょう [0] 【血栓症】
(1)血管内で血液が凝固する病的現象。
(2)血栓によって引き起こされる種々の病的状態。

血槍

ちやり [0] 【血槍】
血だらけになった槍。血に染まった槍。

血止め

ちどめ【血止め(薬)】
a styptic.→英和

血止め

ちどめ [0] 【血止め】
傷口の出血をとめること。また,その薬。止血(シケツ)。

血止め草

ちどめぐさ [3] 【血止め草】
セリ科の常緑多年草。茎は細くよく分枝して地をはい,節から根を出す。葉は浅い切れ込みのある腎心形。七〜九月,短い花柄に淡緑色の小花を球状につける。葉を傷口にはり血を止めるのでこの名がある。[季]秋。
血止め草[図]

血気

けっき [0][1] 【血気】
(1)血液と気息。生命を維持する力。生命力。活力。
(2)旺盛な活動意欲。恐れずに立ち向かおうとする気概。「―盛んな若者」「―にかられる」

血気の

けっき【血気の】
hot-blooded.〜にはやる be driven by youthful ardor.

血気盛り

けっきざかり [4] 【血気盛り】
若くて活力が盛んであること。また,その年頃。

血汁

ちしる [0] 【血汁】
血。血液。

血汐

ちしお [0][1] 【血潮・血汐】
(1)流れ出る血。「―に染まる」
(2)身体をめぐる血。激しい情熱や感情のたとえにもいう。「燃える―」「たぎる―」

血汗

けっかん 【血汗】
血の汗。非常に苦労することにいう。「―ヲナガス/ヘボン(三版)」

血沈

けっちん [0] 【血沈】
〔「赤血球沈降速度」の略〕
凝固を阻止した血液をガラス管内に垂直に立てた状態で,赤血球が一定時間に沈降する速度。赤血球の数・血漿タンパクの性状などに影響され,炎症性疾患・悪性腫瘍(シユヨウ)・貧血・妊娠などで亢進,赤血球増多症・ DIC などで遅延する。赤沈。ESR 。

血沈

けっちん【血沈】
precipitation of blood.血沈検査 a blood sedimentation test.

血流

けつりゅう [0] 【血流】
血管内での血液の流れ。「―計」

血流し

ちながし [2] 【血流し】
刀身についている細長いみぞ。樋(ヒ)の異名。

血涙

けつるい [0] 【血涙】
血のなみだ。激しく悲しみ怒って流す涙。「―をしぼる」

血涙

けつるい【血涙(を流す)】
(shed) bitter tears.

血液

けつえき [2] 【血液】
動物体内を循環する液体の一。哺乳(ホニユウ)類では有形成分である血球(赤血球・白血球・血小板)と液体成分である血漿(ケツシヨウ)から成る。酸素・二酸化炭素・栄養分・ホルモン・ビタミンなどの運搬,免疫作用,白血球による食菌作用その他重要な生理的機能をもつ。血(チ)。
→血液[表]

血液

けつえき【血液】
blood.→英和
AB型の〜 blood of the AB type.‖血液型 a blood type.血液検査(銀行) a blood test (bank).

血液センター

けつえきセンター [5] 【血液―】
日本赤十字社が行う輸血用血液の保存管理事業。1952年(昭和27)血液銀行として創設。64年現名に改称。

血液ドーピング

けつえきドーピング [5] 【血液―】
自分の血液を抜き取って冷凍保存しておき,競技の直前に自分のからだに戻し,一時的に体内の酸素量を増加させるドーピング法。

血液像

けつえきぞう [4] 【血液像】
赤血球や白血球の数・形・大きさ・染色性・種類別割合・異常細胞の出現などに示される血液の形態学的特徴。多くの疾患が特有の像をもち,診断や経過の追跡に役立つ。

血液凝固

けつえきぎょうこ [5] 【血液凝固】
血液がかたまること。正常では,血液は血管外に出ると流動性を失って凝固し,止血効果をあらわす。

血液凝固促進薬

けつえきぎょうこそくしんやく [10] 【血液凝固促進薬】
積極的に血液を凝固し出血を停止させる薬。ビタミン K ・カルシウム剤など。止血薬。

血液凝固因子製剤

けつえきぎょうこいんしせいざい [11] 【血液凝固因子製剤】
血液製剤の血漿(ケツシヨウ)分画製剤のうち,血液凝固因子を多量に含むもの。血友病の治療に用いられる。

血液凝固阻止薬

けつえきぎょうこそしやく [9] 【血液凝固阻止薬】
血液の凝固を抑制または阻止するための薬。ヘパリン・クマリン誘導体など。抗凝血薬。

血液型

けつえきがた [0] 【血液型】
赤血球表面の抗原(凝集原)の違いによる血液分類。代表的な分類である ABO 式のほかに,MNSs 式・ P 式・ Rh 式などがある。
→血液型[表]

血液型不適合

けつえきがたふてきごう [8] 【血液型不適合】
(1)輸血で,受血者と供血者との血液型の組み合わせが不適当なこと。溶血・ショックなど副作用の原因となる。
(2)妊娠時に母子の血液型の組み合わせが不適当なこと。流産や胎児・新生児溶血性疾患(胎児赤芽球症)・核黄疸などの原因になる。

血液寄生虫

けつえききせいちゅう [6] 【血液寄生虫】
血液内に寄生する寄生虫の総称。マラリア原虫・日本住血吸虫・フィラリアなど。

血液循環

けつえきじゅんかん [5] 【血液循環】
血液が血管系を常に一定の方向に循環する現象。閉鎖循環系と開放循環系がある。爬虫(ハチユウ)類・哺乳(ホニユウ)類は前者で,左心室から全身をめぐって右心房に戻る大循環(体循環)と右心室から肺をめぐって左心房に戻る小循環(肺循環)とがある。

血液成分製剤

けつえきせいぶんせいざい [9][2][5] 【血液成分製剤】
血液を分離・調整し,血小板や血漿(ケツシヨウ)中のグロブリン・アルブミンなどを別々に投与できるようにした製剤。分画製剤。

血液検査

けつえきけんさ [5] 【血液検査】
採血した血液を用いて,血液像や成分の異常の有無,血清の生化学的検査および免疫反応などを調べること。

血液毒

けつえきどく [4] 【血液毒】
血液中の赤血球を破壊する作用のある毒物。ヘビ毒・ハチ毒・キノコ毒やベンゾール系薬品・ピリン剤・サルファ剤など。出血毒。

血液脳関門

けつえきのうかんもん [7] 【血液脳関門】
脳の血管から神経細胞へと有害な物質が移行しないように働く,選択的な障壁。

血液色素

けつえきしきそ [6] 【血液色素】
⇒血色素(ケツシキソ)

血液製剤

けつえきせいざい [5] 【血液製剤】
ヒトの血液から分離調整された製剤。全血製剤,血液成分製剤,血漿(ケツシヨウ)分画製剤などに分けられる。

血液透析

けつえきとうせき [5] 【血液透析】
腎不全や薬物中毒の治療法の一。血液を一度体外に出して,血液中の老廃物や毒物を透析液中に除き,電解質や酸アルカリのバランスを正して再び体内に戻す方法。

血液銀行

けつえきぎんこう [5] 【血液銀行】
〔blood bank〕
患者・医療機関と献血者の間に立って輸血用血液を保存・管理し,必要に応じて供給することを目的とした施設。1936年シカゴに最初の組織ができた。日本では51年(昭26)以降,血液を買い取る民間の組織ができたが,64年の献血制度の導入によりなくなった。
→血液センター

血清

けっせい [0] 【血清】
血液を容器にとって放置した時,細胞成分と凝固成分が除かれてできる上澄み。淡黄色透明の液体で,免疫抗体や各種の栄養素・老廃物を含む。
→血漿

血清

けっせい【血清】
a serum.→英和
‖血清肝炎 serum hepatitis.血清療法(注射) a serum treatment (injection).

血清アルブミン

けっせいアルブミン [0] 【血清―】
血漿中に含まれるアルブミン。血漿タンパク質の中では最も量が多く,水に最も溶けやすい。脂肪酸・胆汁色素・薬剤・イオンなど種々の物質の運搬や血液コロイド浸透圧の維持などの役割をもつ。

血清検査

けっせいけんさ [5] 【血清検査】
ある疾病に対する感染の有無を,血清中のその疾病に特異的な抗原,あるいは抗原によって生じた抗体の存在で検出する検査。

血清注射

けっせいちゅうしゃ [5] 【血清注射】
免疫血清を注射すること。

血清病

けっせいびょう [0] 【血清病】
異種の動物血清を注射したあとにみられる副作用の一。アナフィラキシーなどショック症状を起こすものと,発熱・頭痛・全身倦怠感・発疹などの一連の症状を起こすものとに大別できる。

血清療法

けっせいりょうほう [5] 【血清療法】
免疫血清を患者に与えて疾病を治療する方法。ジフテリア・破傷風,ハブやサソリの咬傷の治療などに用いる。

血清肝炎

けっせいかんえん [5] 【血清肝炎】
ウイルスによって起こる肝炎の一。病原ウイルスが血清中に存在し,特に原因ウイルスが不明であった時代には輸血や血液製剤によって伝染した。輸血後肝炎。

血漿

けっしょう【血漿】
(blood) plasma.→英和

血漿

けっしょう [0] 【血漿】
血液の液状成分。血清とフィブリノーゲンから成る。脊椎動物では水分のほか,タンパク質・糖質・脂質・無機塩類・代謝物質を含み,物質の輸送・ガス交換・血液凝固・免疫に関与するほか,浸透圧や水素イオン濃度の調節などによって内部環境を整えるのに重要な役割を果たす。プラズマ。

血漿交換療法

けっしょうこうかんりょうほう [9] 【血漿交換療法】
遠心分離機・半透膜などで血液から血漿を分離し,血漿中の有害物質を取り除いてから体内に戻す治療法。薬物中毒・劇症肝炎・膠原病などで用いられる。
→プラズマフェレーシス

血漿分画製剤

けっしょうぶんかくせいざい [9] 【血漿分画製剤】
ヒト血液を原料として,その血漿から各種タンパクを抽出した製剤。アルブミン・グロブリン・血液凝固因子製剤の三種がある。

血潮

ちしお [0][1] 【血潮・血汐】
(1)流れ出る血。「―に染まる」
(2)身体をめぐる血。激しい情熱や感情のたとえにもいう。「燃える―」「たぎる―」

血煙

ちけむり [2] 【血煙】
傷口などから飛び散る血を煙にたとえた語。ちけぶり。「―を上げて倒れる」

血珠

ちだま [0] 【血珠】
赤色の珊瑚珠(サンゴジユ)。

血球

けっきゅう [0] 【血球】
血液中の有形成分で血漿中に浮遊するもの。赤血球・白血球・血小板からなる。

血球

けっきゅう【血球】
a <red,white> blood corpuscle.

血球凝集反応

けっきゅうぎょうしゅうはんのう [9] 【血球凝集反応】
赤血球が,抗体やウイルスなどによって凝集を起こす反応。赤血球凝集反応。
→凝集

血痕

けっこん【血痕】
a bloodstain.〜のついた bloodstained.

血痕

けっこん [0] 【血痕】
血のついたあと。血のあと。

血痰

けったん [0] 【血痰】
血がまじった痰。気管支拡張症・肺癌・肺結核・肺炎などの際にみられる。

血痰

けったん【血痰】
<spit> blood(y) phlegm.

血盟

けつめい [0] 【血盟】 (名)スル
互いの血をすすり合ったり血判を押したりしてかたくちかうこと。「―して同志となる」

血盟団

けつめいだん 【血盟団】
井上日召らを主導者とする右翼グループ。国家革新を標榜し,一人一殺を唱えて1932年(昭和7)井上準之助・団琢磨(タクマ)を暗殺(血盟団事件),その後の右翼テロの口火となった。

血目

ちめ [2] 【血目】
病気・のぼせで,充血した目。ちまなこ。

血相

けっそう [3] 【血相】
顔の表情。顔色。「―を変える」

血相を変える

けっそう【血相を変える】
change color;look desperate.〜を変えて with a desperate look.

血眼

ちまなこ [0][2] 【血眼】
(1)逆上して血走った目。ちめ。
(2)あることに狂奔すること。「―で探す」「金策に―になる」

血眼になって

ちまなこ【血眼になって(捜す)】
(look for a thing) desperately.→英和

血石

けっせき [0] 【血石】
緑石英または緑玉髄の中に赤色または赤褐色の酸化鉄が点々と入っているもの。飾り石として用いられる。血玉髄。

血祭

ちまつり [2] 【血祭(り)】
〔昔,中国で,出陣に際し,いけにえを殺して軍神をまつったことから〕
出陣に際して,敵の者などを殺して士気を奮い立たせること。手始めとして敵をほふって気勢を揚げること。

血祭り

ちまつり [2] 【血祭(り)】
〔昔,中国で,出陣に際し,いけにえを殺して軍神をまつったことから〕
出陣に際して,敵の者などを殺して士気を奮い立たせること。手始めとして敵をほふって気勢を揚げること。

血祭りにする

ちまつり【血祭りにする】
make a scapegoat of a person <for> .→英和

血税

けつぜい [0] 【血税】
(1)血のにじむような努力をして納めた税。また,過酷な税。
(2)〔1872年(明治5)太政官告諭の「西人之を称して血税とす。その生血を以て国に報ずるの謂なり」による〕
徴兵。

血税

けつぜい【血税】
an unbearably heavy tax.

血税一揆

けつぜいいっき 【血税一揆】
1873年(明治6)から74年にかけて起こった一揆。徴兵令公布に端を発し,徴兵反対・年貢減免などの要求を掲げ,西日本を中心に農民や士族が蜂起した。徴兵反対一揆。

血筋

ちすじ【血筋】
[家系]lineage;→英和
descent.→英和
〜をひく[子孫である]be descended <from> ;[病気などの] <Madness> runs in one's blood.〜のよい人 a man of noble descent[blood].

血筋

ちすじ [0] 【血筋】
(1)先祖から子孫への血のつながり。血統。「平家の―をひく」
(2)血が循環する道。血管。
(3)血のつながった者。血縁。「遠い―をたずねる」

血管

けっかん [0] 【血管】
血液を体内の各部へ送る管。広く全身に分布する。中胚葉から分化したもので,脊椎動物では動脈・静脈・毛細血管に分けられる。
→血管系

血管

けっかん【血管】
a blood vessel.血管移植 a vascular transplantation.

血管性浮腫

けっかんせいふしゅ [7] 【血管性浮腫】
⇒クインケ浮腫(フシユ)

血管拡張薬

けっかんかくちょうやく [7] 【血管拡張薬】
細動脈を拡張する作用のある薬剤。血糖降下,局所の循環改善などに使用される。

血管系

けっかんけい [0] 【血管系】
血液循環を行う器官の集まり。脊椎(セキツイ)動物では,心臓・動脈・毛細血管・静脈からなり,血液はこの順に循環するが,大部分の無脊椎動物では毛細血管を欠き,動脈血は組織の間隙を流れて静脈に帰る。

血管腫

けっかんしゅ [3] 【血管腫】
血管系の組織が局所的に増殖した腫瘍(シユヨウ)。単純性血管腫・いちご状血管腫・海綿状血管腫・老人性血管腫などがある。俗に赤あざという。

血管造影法

けっかんぞうえいほう [0] 【血管造影法】
医療検査の一。ヨード化合物などの造影剤を血管内に注入し X 線で撮影する方法。血管病変や悪性腫瘍(シユヨウ)などの診断のために用いる。アンジオグラフィー。

血粉

けっぷん [0] 【血粉】
家畜の血液を乾燥したもの。飼料や肥料とする。乾血。

血糊

ちのり [0] 【血糊】
〔粘り気のあるところから〕
血を糊にたとえていう語。「―の付いたナイフ」

血糊

ちのり【血糊】
gore.→英和

血糖

けっとう [0] 【血糖】
血液に含まれるブドウ糖。脳や赤血球のエネルギー源となり,核酸・乳糖などの重要物質の供給源となる。

血糖

けっとう【血糖】
blood sugar.

血糖値

けっとうち [3] 【血糖値】
血液中のブドウ糖の濃度。空腹時の健康成人では血液100ミリリットル中70〜110ミリグラム。常に一定範囲に保たれていることが重要。

血糖降下剤

けっとうこうかざい [7] 【血糖降下剤】
糖尿病における高血糖状態を改善する薬剤。通常インシュリン以外の経口剤をさす。

血紅

のりべに [0] 【血紅・糊紅】
芝居の小道具の一。血糊を表すのに用いるもの。古くは蘇芳(スオウ)などを用いた。現在は朱の染料にうどん粉などをまぜて煮たものを用いる。

血紅素

けっこうそ [3] 【血紅素】
ヘモグロビン。

血紅色

けっこうしょく [3] 【血紅色】
血のような赤い色。

血統

けっとう【血統】
blood;→英和
lineage;→英和
stock.→英和
〜が良い come of a good stock.→英和
‖血統書 a certificate of pedigree (犬などの).

血統

けっとう [0] 【血統】
先祖から代々受け継がれてきた血のつながり。血すじ。「―が絶える」「―登録」

血統主義

けっとうしゅぎ [5] 【血統主義】
国籍の取得に関して,子は出生地に関係なく,父または母の国籍が与えられるとする考え。日本の国籍法はこれを採用。
→出生地(シユツシヨウチ)主義

血統書

けっとうしょ [5][0] 【血統書】
(1)家畜や愛玩用の動物で,その個体の血縁関係が登録されていることを証明する書類。血統証明書。
(2)サラブレッドの血統を記した本。スタッドブック。

血続き

ちつづき【血続き】
blood-relationship;a blood relation (人).

血続き

ちつづき [2] 【血続き】
血縁関係のあること。血筋のつながっていること。親類。「―の間柄」

血綿

ちわた [0] 【血綿】
歌舞伎で,傷口より出る血のように見せるために用いる赤く染めた綿。

血縁

けちえん 【血縁】
「けつえん(血縁)」に同じ。「―に思はむぞ,あやしき心なるや/堤中納言(虫めづる)」

血縁

けつえん【血縁】
⇒血族.

血縁

けつえん [0] 【血縁】
親子・兄弟姉妹など血のつながっている関係。また,その関係にある家族や親族。血族。けちえん。
→地縁

血縁淘汰

けつえんとうた [5] 【血縁淘汰】
近縁個体間に共通の,ある遺伝形質が,直系の子孫以外の近縁者の生存・繁殖に対して有利または不利に働く進化の過程。生殖能力はもたず幼虫の世話に専念する働きバチや働きアリの利他行動の発現は,この過程によって進化したもの。

血縁関係

けつえんかんけい [5] 【血縁関係】
親子・兄弟姉妹を基本とし,その連鎖によってつながれる関係。養子などの擬制的関係をも含む場合がある。

血縁集団

けつえんしゅうだん [5] 【血縁集団】
血縁関係によって結合している社会集団。血族だけでなく婚姻による姻族も含むこともある。
→地縁集団

血肉

けつにく [0] 【血肉】
(1)血と肉。また,肉体。
(2)血のつながった関係にある人。血縁。骨肉。「―ノ兄弟/ヘボン」

血肉

ちにく [0] 【血肉】
「けつにく(血肉)」に同じ。

血肝

ちぎも [0] 【血肝】
ニワトリの肝臓。

血肥

けっぴ [1] 【血肥】
獣類の血を肥料とするもの。
→血粉

血胤

けついん [0] 【血胤】
同じ血筋をひく子孫。血裔(ケツエイ)。血族。

血脈

ちみゃく [0] 【血脈】
血すじ。血統。

血脈

けつみゃく [0] 【血脈】
(1)血管。
(2)「けちみゃく(血脈){(1)}」に同じ。「我其―をつぐべき人相/浄瑠璃・烏帽子折」

血脈

けちみゃく [0] 【血脈】
〔「けつみゃく」とも〕
(1)祖先から受け継いだ血のつながり。血統。ちすじ。
(2)〔仏〕 教理が師から弟子へと代々伝えられていく系譜。法統。また,その系譜を記した系図書。
(3)在家の受戒者に授ける法門相承の系譜。死後,棺におさめる。「―一つに数珠一連/浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(下)」
(4)芸道で,師から弟子へと伝えること。

血脈相承

けちみゃくそうじょう [0] 【血脈相承】
(1)法脈を師僧から弟子へと次々に相続してゆくこと。
(2)浄土真宗で,法主が親鸞の子孫によって継承されていること。

血脈袋

けちみゃくぶくろ [5] 【血脈袋】
「けちみゃく{(3)}」を入れた袋。

血腥い

ちなまぐさ・い [5] 【血腥い】 (形)[文]ク ちなまぐさ・し
(1)血が多く流れて,なまぐさいにおいがする。血のにおいがする。「―・い戦場の風」
(2)流血を目前にするような残酷なようすであるさま。「―・い話」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

血腥い

ちなまぐさい【血腥い】
bloody.→英和

血腫

けっしゅ [0] 【血腫】
内出血により,体内の一か所に血液がたまってこぶのように腫れあがったもの。

血膿

ちうみ [0] 【血膿】
血のまじったうみ。

血臭い

ちくさ・い 【血臭い】 (形)[文]ク ちくさ・し
〔近世語〕
血のにおいがする。ちなまぐさい。「―・い軍(イクサ)は我にさせ/浮世草子・国姓爺明朝太平記」

血色

けっしょく【血色】
a complexion.→英和
〜が良い(悪い) look well (pale).

血色

けっしょく [0] 【血色】
(1)顔の色つや。顔色。「―が悪い」
(2)血のような赤い色。血紅色。

血色素

けっしきそ [4] 【血色素】
動物の血液中にあって,酸素の運搬を媒介する色素。金属を含んだタンパク質の一種。脊椎動物では赤血球中のヘモグロビンがこれにあたる。血液色素。

血色素尿

けっしきそにょう [5] 【血色素尿】
血色素(ヘモグロビン)が混じった暗赤色ないし赤褐色の尿。血液毒その他の原因で,大量の赤血球が破壊された時に起こる。
→血尿

血荒れ

ちあれ 【血荒れ】
流産の古い言い方。[ヘボン(三版)]

血行

けっこう【血行】
<quicken> the circulation of the blood.→英和

血行

けっこう [0] 【血行】
血液の循環。血の巡り。

血行感染

けっこうかんせん [5] 【血行感染】
病原菌が病巣部から血管に入り,血流によって他の部所に運ばれそこに新たな病巣をつくること。

血裔

けつえい [0] 【血裔】
「血胤(ケツイン)」に同じ。

血豆

ちまめ [0] 【血豆】
強く挟んだり打ったりしたとき,皮下に出血して生じる赤黒い豆状のもの。「―ができる」

血豆

ちまめ【血豆】
<get> a blood blister.

血走った

ちばしる【血走った】
bloodshot <eyes> .→英和

血走る

ちばし・る [3] 【血走る】 (動ラ五[四])
眼球が充血して赤くなる。物事に熱中したり,興奮したりしたさまを表すことが多い。「―・った目」「目を―・らせる」

血路

けつろ [1] 【血路】
(1)敵の囲みを破って逃げる道。
(2)苦しみや困難をきりぬける方法。活路。

血路を開く

けつろ【血路を開く】
cut one's way <through the enemy> .〜を求める seek a way out.

血迷う

ちまよ・う [3] 【血迷う】 (動ワ五[ハ四])
恐れや怒りなどのため,のぼせて正しい判断や行動などができなくなる。逆上して心が乱れる。「何を―・っているのだ」

血迷う

ちまよう【血迷う】
go mad;lose one's mind.

血逆せ

ちのぼせ [2] 【血逆せ】
のぼせること。逆上。特に,女性が血の道のために逆上すること。

血途

けつず [1] 【血途】
⇒けちず(血途)

血途

けちず [2] 【血途】
三途(サンズ)の一。畜生道(チクシヨウドウ)のこと。

血道

ちみち [0] 【血道】
「血の道」に同じ。

血道を上げる

ちみち【血道を上げる】
be madly in love <with a person> ;give oneself up to.

血達磨

ちだるま [2][0] 【血達磨】
(1)全身が血だらけで,達磨人形のように真っ赤になること。また,そのもの。「―になる」
(2)歌舞伎作品の一系列。お家の重宝の達磨の掛け軸を,自分の腹を切ってその内に入れて火災から守った忠臣の話を脚色したもの。「加州桜谷血達磨(カシユウサクラガヤツチノダルマ)」以下,「蔦模様血染御書(ツタモヨウチゾメノゴシユイン)」に至る作品の通称。

血達磨になる

ちだるま【血達磨になる】
be covered with blood all over (the body).

血酒

ちざけ [0] 【血酒】
(1)かたい約束であるという誓いのしるしに,互いに杯の中に血をたらして飲むこと。「承り及ぶ長崎には物の堅めに―飲むとや/浄瑠璃・博多小女郎(上)」
(2)動物の生血(イキチ)をしぼって酒のように飲むこと。

血青素

けっせいそ [3] 【血青素】
⇒ヘモシアニン

血飛沫

ちしぶき [2] 【血飛沫】
刃物で切られたときなどに飛び散る血。

血食

けっしょく [0] 【血食】
先祖の霊に血のしたたるいけにえを供えて祀(マツ)ること。また,子孫が続いて先祖の祭祀を絶やさないこと。

血餅

けっぺい [0] 【血餅】
血液が凝固してできる暗赤色・餅(モチ)状の凝塊。フィブリンの細かい網に赤血球・白血球・血小板がからまってできる。

血髄

けつずい [2][0] 【血髄】
血液と骨髄。身体の最も大切なところ。「―を屠(ホフ)り身体をなげうつても/盛衰記 11」

血鯛

ちだい [1][0] 【血鯛】
スズキ目の海魚。全長約40センチメートル。タイの一種で,体形はマダイに似るが小形で,尾びれの縁が黒くない。体色は赤色で腹方は淡く,体側上半にコバルト色の小斑点が散在する。食用。釣りの対象魚。北海道南部から東シナ海にかけて分布。ハナダイ。

血鰤

ちぶり 【血鰤】
防腐のために内臓を抜き,その血を魚体に塗ったブリ。血切り。

しゅう【衆】
the people;→英和
the masses.

しゅう 【衆】
■一■ [1] (名)
(1)多くの人。もろもろの人。人々。「烏合の―」
(2)人数が多いこと。頭数が多いこと。
⇔寡(カ)
「―を頼んで押し寄せる」
(3)ある集団を形づくる特定の人々。また,なかま。しゅ。「若い―」「三河―」
■二■ (接尾)
人を表す名詞に付いて,複数の人を敬意または親愛の意を添えて言い表す。古くは単数の人にも用いた。しゅ。「旦那―」「見物人―」

しゅ 【衆】
■一■ (名)
「しゅう(衆){■一■}」に同じ。「駕籠の―掛声をせんかい/滑稽本・浮世床(初)」
■二■ (接尾)
「しゅう(衆){■二■}」に同じ。

衆中

しゅうちゅう 【衆中】
⇒しゅちゅう(衆中)

衆中

しゅちゅう 【衆中】
〔「しゅぢゅう」とも〕
(1)大勢の人々。「一町の―,是を取り持ち/浮世草子・武家義理物語 5」
(2)中世,奈良興福寺の衆徒の称。

衆人

しゅうじん【衆人】
the people[the public].→英和
〜の前で in public;in company.

衆人

しゅうじん [0] 【衆人】
多くの人。大勢の人。

衆人環視

しゅうじんかんし [0][5] 【衆人環視】
大勢の人がまわりをとりまいて見ていること。「―の的(マト)」「―の中で開票を行う」

衆人環視の中に

かんし【衆人環視の中に】
with everybody looking at one.

衆俗

しゅうぞく [0] 【衆俗】
多数の俗人。一般大衆。「―に辟易して近づき難しとなす所/草枕(漱石)」

衆儀

しゅぎ 【衆儀】
大勢で討議すること。また,それによって決まったこと。「―かくの如し/平家 7」

衆兵

しゅうへい [0] 【衆兵】
大勢の兵士。

衆力

しゅうりょく [1] 【衆力】
多くの人の力。大衆の力。

衆口

しゅうこう [0] 【衆口】
〔「しゅこう」とも〕
多くの人の言葉。多くの人の評判。うわさ。「―に上る」

衆合地獄

しゅうごうじごく シユウガフヂゴク [5] 【衆合地獄】
⇒しゅごうじごく(衆合地獄)

衆合地獄

しゅごうじごく シユガフヂゴク [4] 【衆合地獄】
八大地獄の第三。殺生・偸盗(チユウトウ)・邪淫の罪を犯した者が落ちるという。鉄山が両方から崩落して罪人を砕くなどの責め苦を受ける。石割り地獄。衆合。

衆善

しゅうぜん [0] 【衆善】
多くの善事。また,多くの善人。

衆多

しゅうた [1] 【衆多】 (名・形動)[文]ナリ
数が多いさま。多数。「其使役―なる者は問はずして/三酔人経綸問答(兆民)」

衆妙

しゅうみょう [0] 【衆妙】
天地万物の深遠な道理。

衆寡

しゅうか [1] 【衆寡】
多数と少数。多勢(タゼイ)と無勢(ブゼイ)。

衆寡敵せず

しゅうか【衆寡敵せず】
be outnumbered.

衆寮

しゅりょう [0] 【衆寮】
禅寺で,座禅をする僧堂に対し,僧が経や語録を読み,修行を深める自習用の建物。

衆庶

しゅうしょ [1] 【衆庶】
もろもろの人々。庶民。

衆徒

しゅうと [1] 【衆徒】
⇒しゅと(衆徒)

衆徒

しゅと [1] 【衆徒】
(1)奈良・京都の諸大寺の僧侶たち。平安末期以後は僧兵をさす。衆僧。僧徒。
(2)特に,中世,奈良興福寺で,武装して寺院警護にあたった下級僧侶。

衆徒国民

しゅとこくみん [1] 【衆徒国民】
中世,興福寺の衆徒{(2)}と春日社の国民{(3)}。大和国の武力の中心であった。

衆心

しゅうしん [0] 【衆心】
多くの人の心。多くの人の考え。

衆怨

しゅうえん [0] 【衆怨】
多くの人のうらみ。

衆意

しゅうい [1] 【衆意】
大勢の人の考え。衆人の意向。

衆愚

しゅうぐ [1] 【衆愚】
多くのおろかな人。「―に媚(コ)びる/社会百面相(魯庵)」

衆愚

しゅうぐ【衆愚】
the vulgar crowd;the multitude.→英和
衆愚政治 mob rule.

衆愚政治

しゅうぐせいじ [4] 【衆愚政治】
愚かな民衆による政治。ペリクレス死後の堕落したアテネの民主政治をさしていった語。

衆敵

しゅうてき [0] 【衆敵】
大勢の敵。

衆星

しゅうせい [0] 【衆星】
多くの星。「―多しと雖(イエド)も一月(イチゲツ)には如(シカ)じ」

衆智

しゅうち [1] 【衆知・衆智】
多くの人のもっている知恵。大勢の人の知恵。「―を集める」

衆望

しゅうぼう [0] 【衆望】
多くの人々からかけられている期待や信頼。「国民の―を担(ニナ)って登場した内閣」

衆望を集める

しゅうぼう【衆望を集める】
enjoy public confidence.〜を担(にな)って with popular support.

衆生

すじょう 【衆生】
「しゅじょう(衆生)」に同じ。「もろもろの―/宇津保(俊蔭)」

衆生

しゅうせい 【衆生】
⇒しゅじょう(衆生)

衆生

しゅじょう [0] 【衆生】
〔梵 sattva〕
〔仏〕 心をもつすべての存在。苦のある世界である三界を輪廻(リンネ)する。「人々」という意味で使われることが多い。時として,仏・菩薩をも含めることがある。「縁なき―は度し難し」

衆生

しゅじょう【衆生】
mankind;→英和
all living things.

衆生済度

しゅじょうさいど [4] 【衆生済度】
〔仏〕 仏・菩薩などが衆生を迷いの中から救済して悟りを得させること。

衆生界

しゅじょうかい [2] 【衆生界】
〔仏〕
(1)衆生の住む世界。また,人間界。現世。
(2)十界のうち仏界を除く九界。

衆目

しゅうもく【衆目(の的)】
(the target of) public attention.…は〜の見るところである It is universally admitted that….

衆目

しゅうもく [0] 【衆目】
多くの人の目。多くの人の観察。十目。万目。「―の認めるところ」「―の一致するところ」

衆盲

しゅうもう [0] 【衆盲】
(1)多くの盲人。群盲。
(2)多くの凡人。

衆知

しゅうち [1] 【衆知・衆智】
多くの人のもっている知恵。大勢の人の知恵。「―を集める」

衆知を集める

しゅうち【衆知を集める】
seek the counsel of many people.

衆籟

しゅうらい 【衆籟】
風が木々などにあたって発する音。風の音。「―暁に興つて林の頂老いんたり/和漢朗詠(雑)」

衆縁

しゅえん [0] 【衆縁】
〔仏〕 さまざまの縁。多くの縁。

衆芳

しゅうほう [0] 【衆芳】
多くの,においのよい花。

衆評

しゅうひょう [0] 【衆評】
大勢の人の批評。世評。

衆説

しゅうせつ [0] 【衆説】
多くの人の意見。多くの人の説。

衆論

しゅうろん [0] 【衆論】
多くの人の議論・意見。「世界の―を以て公道と為す可し/学問ノススメ(諭吉)」

衆議

しゅうぎ [1] 【衆議】
多人数で行う相談。また,その時の人々の意見。「―一決する」「―にはかる」

衆議

しゅぎ 【衆議】
「しゅうぎ(衆議)」に同じ。[日葡]

衆議一決する

しゅうぎ【衆議一決する】
be decided unanimously.

衆議判

しゅぎはん 【衆議判】
(1)歌合(ウタアワセ)で,参加した左右の方人(カタウド)が相互に論議しあって歌の優劣を決めること。香合(コウアワセ)でもいう。
(2)合議で,優劣・採否などをきめること。

衆議判

しゅうぎはん [3] 【衆議判】
⇒しゅぎはん(衆議判)

衆議統裁

しゅうぎとうさい [1] 【衆議統裁】
会議で,各人の意見を聞いた上で,多数決によらず,委員長・議長などの判断で決定すること。

衆議院

しゅうぎいん [3] 【衆議院】
(1)現行憲法下,参議院とともに国会を構成する議院。予算案の先議権・決議権・条約の承認など参議院に優先する権限をもつ。
(2)旧憲法下,貴族院とともに帝国議会を構成した議院。

衆議院

しゅうぎいん【衆議院(議長,議員)】
(the Speaker of,a member of) the House of Representatives.

衆議院議員

しゅうぎいんぎいん [6] 【衆議院議員】
衆議院を構成する議員。任期は四年で,衆議院解散の場合は,その任期満了以前に資格を失う。被選挙権は二五歳以上。

衆賛歌

しゅうさんか [3] 【衆賛歌】
⇒コラール

衆車園

しゅしゃおん 【衆車園・衆車苑】
〔仏〕 帝釈天(タイシヤクテン)の居所である喜見城(キケンジヨウ)外の四園の一つで北方にある園。諸天人遊覧のときに,乗り物を出す所。

衆車苑

しゅしゃおん 【衆車園・衆車苑】
〔仏〕 帝釈天(タイシヤクテン)の居所である喜見城(キケンジヨウ)外の四園の一つで北方にある園。諸天人遊覧のときに,乗り物を出す所。

衆道

しゅうどう 【衆道】
⇒しゅどう(衆道)

衆道

しゅどう [0] 【衆道】
「若衆道(ワカシユドウ)」の略。男色。若道(ニヤクドウ)。

衆院

しゅういん [0] 【衆院】
「衆議院」の略。

こう カウ [1] 【行】
(1)行くこと。特に,旅行などで歩きまわること。「―を共にする」
(2)隋唐時代,都市の特定地区(市)に限って営業を許された同業種から成る商店街。
(3)唐の中期以後,同業者が営業独占と互助の目的で作った商人組合。
(4)〔もと楽府(ガフ)の楽曲のこと〕
古詩の一体。唐代以降は,多く叙事詩。「琵琶―」

くだり【行】
a line.→英和
三〜半 a letter of divorce.

くだり 【行】
〔「下(クダ)り」と同源〕
■一■ [0] (名)
(1)文章の縦(タテ)の行(ギヨウ)。「―の程,はじざまにすぢかひて/源氏(常夏)」
(2)(着物の)縦の線。「手本(タモト)の―まよひ来にけり/万葉 3453」
■二■ (接尾)
助数詞。文章の行(ギヨウ)を数えるのに用いる。「ただ三―ばかりに,文字ずくなにこのましくぞ書き給へる/源氏(梅枝)」

ぎょう【行】
(1) a line (文の);→英和
a verse (詩の).→英和
⇒行間.
(2)[修業](religious) austerities.〜を改める begin a new line.

ぎょう ギヤウ 【行】
■一■ [1] (名)
(1)文字などの並び。普通,縦書きの場合の縦の並び,横書きの場合の横の並びをいう。「―を改めて書きはじめる」「―と―の間に書き加える」
(2)〔仏〕
〔梵 saṃskāra〕

 (ア)五蘊(ゴウン)の一。初めは心の意志的働きをさしたが,のちには存在物一般をさす。「諸―無常」
 (イ)十二因縁の一。あらゆるおこないのこと。また,現世の結果を生む原因となった過去世のおこない。
(3)〔仏〕
〔梵 caryā〕
宗教上の実践。悟りを開くための修行・行法。
(4)〔仏〕
〔梵 gamana〕
進みゆくこと。歩くこと。行住坐臥(ギヨウジユウザガ)の四威儀の行。
(5)漢字の書体の一。行書。「真・―・草」
(6)律令制で,位に相当していない低い官についている場合に,位と官との間に書く語。
⇔守(シユ)
「正三位兼―左近衛大将/宇津保(初秋)」
→位署
(7)〔数〕 行列または行列式で,横の並びをいう。
■二■ (接尾)
助数詞。文字などの縦または横の並びの数を数えるのに用いる。「五―削る」

行い

おこない オコナヒ [0] 【行い(行ない)】
(1)一定の方法や習慣に従って物事をすること。行動。「慈悲の心を―で示す」
(2)日常の生活の仕方。品行。身持ち。「日頃の―が悪い」
(3)一定の作法に従ってなされる仏事や神事。仏道の修行。「―よりほかの事なくて月日を経るに/源氏(明石)」

行い

おこない【行い】
(1)[行為]an act;→英和
an action;→英和
a deed.→英和
(2)[身持]conduct;→英和
behavior.→英和
〜の良い well-behaved.

行い澄ます

おこないすま・す オコナヒ― [6] 【行い澄ます】 (動サ五[四])
(1)戒めを守り,けがれのない心で仏道を修行する。「僧庵に―・す」
(2)殊勝らしく振る舞う。とりすます。

行う

おこな・う オコナフ [0] 【行う(行なう)】 (動ワ五[ハ四])
(1)何らかの事柄や動作をする。多くは,一定の方式に従ってする,の意を含む。「練習を―・う」「熱心な討議が―・われる」「卒業式は三月二二日に―・われる」「言うは易く―・うは難し」
(2)規範や事の次第などに従って,適切に処理する。また,指図する。「米・魚など乞へば―・ひつ/土左」「夜は『門強くさせ』など,事―・ひたる/枕草子 177」「かせ杖をつきて走りまはりて―・ふなりけり/宇治拾遺 8」
(3)仏道の修行をする。仏事を法式どおりに営む。「持仏すゑ奉りて―・ふ,尼なりけり/源氏(若紫)」
(4)刑罰に処する。「重科に―・はるべしときこゆ/平家 2」
[可能] おこなえる

行き

ゆき [0] 【行き】
(1)目的のところへ向けて移動すること。また,出発点から目的地までの道中。いき。
⇔帰り
(2)往復乗車券で,往路に用いる乗車券。いき。
(3)地名の下に付けて,そこが乗り物の進む目的地であることを表す。「博多―のひかり号」
(4)行くこと。また,旅に出ること。「君が―日(ケ)長くなりぬ/古事記(下)」

行き

いき [0] 【行き・往き】
「ゆき(行)」に同じ。「―と帰り」「東京―の新幹線」

行き

−ゆき【行き(の)】
<a train> for <Kyoto> ;→英和
<a ship> bound for <Seattle> .

行きかつ

ゆきか・つ 【行きかつ】 (動タ下二)
行くことができる。「麁玉(アラタマ)の寸戸(キヘ)の林に汝(ナ)を立てて―・つましじ/万葉 3353」
→かつ

行きしな

ゆきしな [0] 【行きしな】
〔「しな」は接尾語〕
行くときの途中。いきしな。「―に寄って届けておきましょう」

行きしな

いきしな [0] 【行きしな】
「ゆきしな」に同じ。

行きずりの

ゆきずり【行きずりの】
passing;→英和
casual.→英和

行きつけの

ゆきつけ【行きつけの】
favorite;→英和
accustomed;→英和
regular.→英和

行きつ戻りつ

ゆきつもどりつ 【行きつ戻りつ】 (連語)
〔「つ」は並立助詞〕
同じ所を何度も行ったり戻ったりすること。「―して思案する」

行きつ戻りつ

いきつもどりつ 【行きつ戻りつ】 (連語)
「ゆきつもどりつ」に同じ。

行きはぐれる

ゆきはぐれる【行きはぐれる】
lose one's way;lose (sight of) <a person> .→英和

行きは電車にする

ゆき【行きは電車にする】
go by train.〜も帰りも歩く walk there and back.

行き交い

ゆきかい [2][3] 【行(き)交い・往き交い】
(1)ゆきかうこと。ゆきき。往来。「車の―」
(2)つきあい。交際。「三姉妹ともいふごとく,常に―なしけるが/人情本・辰巳園 4」

行き交う

ゆきかう【行き交う】
come and go.

行き交う

ゆきか・う [3] 【行(き)交う・往き交う】 (動ワ五[ハ四])
(1)人や車などが往き来をする。通る。「車が激しく―・う道路」
(2)親しい人と互いの家を行き来する。交際する。いきかう。「少年時代に親しく―・った家」
(3)種々の物事が入れかわりつつ移って行く。「時うつり,ことさり,たのしびかなしび―・ふとも/古今(仮名序)」
(4)ある所へいつも行く。ある人のもとへ通う。「東路に―・ふ人にあらぬ身はいつかは越えむ相坂の関/後撰(恋三)」

行き交う

いきか・う [3] 【行(き)交う】 (動ワ五[ハ四])
⇒ゆきかう

行き交じる

ゆきまじ・る 【行き交じる・行き雑じる】 (動ラ四)
(1)種々の物がまざり合う。入り乱れる。入りまじる。「山寺こそ,なほかやうの事おのづから―・り,もの紛るる事侍らめ/源氏(夕顔)」
(2)人が出入りする。「いと静かなる所の人も―・らずはべるを/源氏(椎本)」

行き交ひ路

ゆきかいじ 【行き交ひ路】
行き来する道。往来の道。「かりそめの―とぞ思ひこし今は限りの門出なりけり/古今(哀傷)」

行き付け

いきつけ [0] 【行(き)付け】
⇒ゆきつけ

行き付け

ゆきつけ [0] 【行(き)付け】
何度も行ってなじみになっていること。いきつけ。「―の飲み屋」

行き付ける

ゆきつ・ける [4] 【行(き)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ゆきつ・く
行くのに慣れている。行くのを習慣としている。いきつける。「何回も―・けた所」

行き倒れ

ゆきだおれ【行き倒れ】
a person dead[dying]on the street (人).→英和
〜になる fall ill[dead]on the street.

行き倒れ

いきだおれ [0] 【行(き)倒れ】
⇒ゆきだおれ

行き倒れ

ゆきだおれ [0] 【行(き)倒れ・行き斃れ】
病気や飢え・寒さなどのために,路上で倒れること。また,倒れて死ぬこと。また,その人。行路病者。いきだおれ。

行き先

ゆきさき【行き先】
where one is going;one's destination (目的地).‖行き先標示板 a destination label (電車・バスの).

行き先

いきさき [0] 【行(き)先】
⇒ゆきさき

行き先

ゆきさき [0] 【行(き)先】
〔「いきさき」とも〕
(1)行こうとしている目的地。「―を告げずに家を出る」
(2)未来の状況。「今のままでは―が不安だ」

行き別る

ゆきあか・る 【行き別る】 (動ラ下二)
「ゆきわかれる(行別)」に同じ。「見捨てて―・れにけりと,辛くや思はむ/源氏(夕顔)」

行き別れ

ゆきわかれ [0] 【行(き)別れ】
別々の方向に別れて行くこと。別離。いきわかれ。

行き別れる

ゆきわか・れる [5] 【行(き)別れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ゆきわか・る
別々の方向に分かれて行く。いきわかれる。「右と左に―・れる」

行き別れる

いきわか・れる [5] 【行(き)別れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いきわか・る
「ゆきわかれる」に同じ。

行き去る

ゆきさ・る [3] 【行(き)去る】 (動ラ五[四])
去って行く。去る。「情(ナサケ)ある巡査は―・りぬ/源おぢ(独歩)」

行き合い神

いきあいがみ イキアヒ― [3] 【行(き)合い神】
不用意に出会うと祟(タタ)りをする神霊。頭痛がしたり,胸苦しくなったりするという。水神・山の神・便所の神などがそれとされることが多い。いきあい。ゆきあいがみ。
→ひだる神

行き合う

いきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】 (動ワ五[ハ四])
「ゆきあう」に同じ。「道で友人と―・った」

行き合う

ゆきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)外出の途中で偶然出会う。いきあう。「町で知人に―・う」
(2)異なる方向から進んで来たものが交差する。重なる。「片そぎの―・はぬ間より洩る月や/山家(秋)」
(3)合致する。「二道の道理のかくひしと―・ひぬれば/愚管 3」
[可能] ゆきあえる
■二■ (動ハ下二)
交差させる。「大宮人は鶉鳥(ウズラトリ)領巾(ヒレ)取り懸けて鶺領(マナバシラ)尾―・へ/古事記(下)」

行き合す

ゆきあわ・す [4] 【行き合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「ゆきあわせる(行合)」に同じ。「事故現場に―・した」
■二■ (動サ下二)
⇒ゆきあわせる

行き合せる

いきあわ・せる [5] 【行き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 いきあは・す
「ゆきあわせる」に同じ。「現場にたまたま―・せた」

行き合せる

ゆきあわ・せる [5] 【行き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ゆきあは・す
ちょうどその場に行く。行って,偶然そのことに出合う。いきあわせる。「たまたま現場に―・せた」

行き合ひ

ゆきあい 【行き合ひ】
(1)であうこと。ゆきあうこと。また,その場所。「玉桙(タマホコ)の道の―に天雲の外(ヨソ)のみ見つつ/万葉 546」
(2)夏と秋と,二つの季節にまたがること。

行き合ひの早稲

ゆきあいのわせ 【行き合ひの早稲】
夏から秋への季節の変わり目にできる早稲。「―を刈る時に/万葉 2117」

行き合ひの空

ゆきあいのそら 【行き合ひの空】
夏の末,秋の初め頃の空。「夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜やふけぬらむ―/新古今(夏)」

行き合ひ兄弟

ゆきあいきょうだい 【行き合ひ兄弟】
(1)異父同母あるいは同父異母の兄弟。
(2)親の再婚によって兄弟(姉妹)となった連れ子の間柄。いきあい兄弟。「猪隼太とは―/浄瑠璃・雪女」

行き合ひ夫婦

ゆきあいふうふ 【行き合ひ夫婦】
「行き合ひ兄弟{(2)}」の関係にある者どうしが結婚した夫婦。ゆきあいめおと。

行き合わす

ゆきあわ・す [4] 【行き合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「ゆきあわせる(行合)」に同じ。「事故現場に―・した」
■二■ (動サ下二)
⇒ゆきあわせる

行き合わせる

いきあわ・せる [5] 【行き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 いきあは・す
「ゆきあわせる」に同じ。「現場にたまたま―・せた」

行き合わせる

ゆきあわ・せる [5] 【行き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ゆきあは・す
ちょうどその場に行く。行って,偶然そのことに出合う。いきあわせる。「たまたま現場に―・せた」

行き合[会]う

ゆきあう【行き合[会]う】
meet;→英和
come across[run into] <a person> .

行き向かふ

ゆきむか・う 【行き向かふ】 (動ハ四)
(1)年月が去来する。「―・ふ年の緒長く/万葉 3324」
(2)出向く。そこへ行く。「西天竺に―・ひて/宇治拾遺 12」
(3)相手に立ち向かっていく。「―・つてうばひとどめ奉れ/平家 2」

行き場

ゆきば [0] 【行(き)場】
行くべき所。いきば。「―のない不要家具」「不平の持って―がない」

行き場

いきば [0] 【行(き)場】
⇒ゆきば

行き増さる

ゆきまさ・る 【行き増さる】 (動ラ四)
だんだん増して行く。「明日香川水―・りいや日異(ケ)に/万葉 2702」

行き変はる

ゆきかわ・る 【行き変はる】 (動ラ四)
時間などの経過とともに変化する。「玉の緒の現し心や年月の―・るまで妹に逢はざらむ/万葉 2792」

行き始め

ゆきはじめ [0] 【行(き)始め】
(1)行きはじめること。いきはじめ。
(2)貴人の子女が,誕生後初めて外出する儀式。

行き届く

ゆきとど・く [4] 【行(き)届く】 (動カ五[四])
(1)こまかいところまで気がつく。すみずみまでよく注意がゆきわたる。いきとどく。「―・いた教え方」「―・かないところもありますが,どうぞよろしく」
(2)至りつく。ある程度またはある所まで達する。「年来たづねし我誠心,―・いて満足いたす/人情本・梅児誉美 4」

行き届く

ゆきとどく【行き届く】
be careful;be complete[perfect](完全);be in good repair (手入れが);be kept clean (掃除が);have complete <sanitary> facilities (設備が);give good service (客扱いが).行き届かない <Please let us know if> anything is wrong./It is all my fault.

行き届く

いきとど・く [4] 【行(き)届く】 (動カ五[四])
「ゆきとどく」に同じ。「―・いた配慮」

行き巡る

ゆきめぐ・る 【行き巡る】 (動ラ四)
(1)あちらこちらをめぐり歩く。「女郎花咲きたる野辺を―・り/万葉 3944」
(2)ひとまわりしてもどる。「―・りても会はむとぞ思ふ/古今(離別)」

行き帰り

ゆきかえり [0] 【行(き)帰り・往き還り】 (名)スル
ある場所へ向かって進むことと,そこからもとの方向へ戻ること。往復。いきかえり。「学校の―」

行き帰り

いきかえり [0] 【行き帰り】 (名)スル
「ゆきかえり」に同じ。「学校への―」

行き帰り

ゆきかえり【行き帰り】
⇒往復.

行き帰る

ゆきかえ・る 【行き返る・行き帰る・往き還る】 (動ラ四)
〔「ゆきがえる」とも〕
(1)去ったものがまた戻る。行ってまた帰る。「天雲の―・りなむものゆゑに/万葉 4242」
(2)年・月・日が過ぎ次の年・月・日になる。年・月・日が改まる。「あらたまの年―・り春立たば/万葉 4490」

行き当たり

ゆきあたり [0] 【行き当(た)り】
行き当たること。また,その所。行きづまり。いきあたり。

行き当たり

いきあたり [0] 【行き当(た)り】
「ゆきあたり」に同じ。

行き当たりばったり

いきあたりばったり [6][8] 【行き当(た)りばったり】 (名・形動)
「ゆきあたりばったり」に同じ。「―の計画」

行き当たりばったり

ゆきあたりばったり [6][8] 【行き当(た)りばったり】
一貫した計画や予定もなく,その場その場のなりゆきにまかせること。

行き当たりばったりに

いきあたりばったり【行き当たりばったりに】
at random;in a haphazard way.

行き当たる

ゆきあた・る [4] 【行き当(た)る】 (動ラ五[四])
〔「いきあたる」とも〕
(1)進んで行って行くてをさえぎるものに出合う。「路地の奥で塀に―・る」
(2)先へ進みにくい場面に当面する。行きづまる。「難局に―・る」

行き当たる

いきあた・る [4] 【行き当(た)る】 (動ラ五[四])
「ゆきあたる」に同じ。「難問に―・る」

行き当り

いきあたり [0] 【行き当(た)り】
「ゆきあたり」に同じ。

行き当り

ゆきあたり [0] 【行き当(た)り】
行き当たること。また,その所。行きづまり。いきあたり。

行き当りばったり

ゆきあたりばったり【行き当りばったり】
haphazard;→英和
casual;→英和
happy-go-lucky.〜にやる do in a haphazard way;take a chance[chances].→英和

行き当りばったり

いきあたりばったり [6][8] 【行き当(た)りばったり】 (名・形動)
「ゆきあたりばったり」に同じ。「―の計画」

行き当りばったり

ゆきあたりばったり [6][8] 【行き当(た)りばったり】
一貫した計画や予定もなく,その場その場のなりゆきにまかせること。

行き当る

いきあた・る [4] 【行き当(た)る】 (動ラ五[四])
「ゆきあたる」に同じ。「難問に―・る」

行き当る

ゆきあた・る [4] 【行き当(た)る】 (動ラ五[四])
〔「いきあたる」とも〕
(1)進んで行って行くてをさえぎるものに出合う。「路地の奥で塀に―・る」
(2)先へ進みにくい場面に当面する。行きづまる。「難局に―・る」

行き悩む

ゆきなやむ【行き悩む】
⇒行き詰まる.

行き悩む

ゆきなや・む [4] 【行(き)悩む】 (動マ五[四])
(1)前に進むことに苦労する。いきなやむ。「雪道で―・む」「難路に―・む」
(2)物事が思いどおりに進展せず苦労する。いきなやむ。「仕事のうえで―・む」「交渉が―・む」

行き悩む

いきなや・む [4] 【行(き)悩む】 (動マ五[四])
「ゆきなやむ」に同じ。

行き憂し

いきう・し 【行き憂し】 (形ク)
行くのがつらい。行きにくい。「おほかたは―・しと言ひていざ帰りなむ/古今(離別)」

行き成り

ゆきなり [0] 【行(き)成り】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
成り行きにまかせる・こと(さま)。「両人は―にかたはらへねころぶと/西洋道中膝栗毛(魯文)」
■二■ (副)
だしぬけに。いきなり。「いづみ湯に入ると―はだかになり/西洋道中膝栗毛(魯文)」

行き成り三宝

ゆきなりさんぼう [5] 【行(き)成り三宝】
成り行きまかせにすること。ゆきあたりばったり。

行き成り三宝

いきなりさんぼう 【行き成り三宝】
なりゆきまかせ。行き成り放題(ホウダイ)。「―男の雨やどり/柳多留 10」

行き戻り

ゆきもどり [0] 【行(き)戻り】 (名)スル
(1)行くことと戻ること。いきもどり。
(2)行って戻ること。いきもどり。

行き所

ゆきどころ [0] 【行(き)所】
(1)行って安心して生活できる所。いきどころ。「身寄りもなく―がなくなる」
(2)行った先。ゆくさき。いきどころ。「―が知れない」

行き所

いきどころ [0] 【行(き)所】
⇒ゆきどころ

行き手

ゆきて [3] 【行(き)手】
行く人。行きたいと思う人。いきて。
⇔来手(キテ)
「危険な所なので―がない」

行き抜け

ゆきぬけ [0] 【行(き)抜け】 (名・形動)[文]ナリ
(1)進んで行ってそこを過ぎ別の所へ出ること。通り抜け。
(2)限度がないこと。しまりがなくだらしないこと。また,そのさま。「菊の井のお力は―の締りなしだ/にごりえ(一葉)」

行き掛かり

いきがかり [0] 【行き掛(か)り】
「ゆきがかり」に同じ。「―上やむをえなかった」

行き掛かり

ゆきがかり [0] 【行き掛(か)り】
(1)いったん始められた物事の動いてゆく勢い。いきがかり。「―上やむをえない」
(2)これまでの事情。いきがかり。「一切の―をすてる」
(3)行く途中。ゆきがけ。「―に郵便局に寄る」

行き掛かる

ゆきかか・る [4] 【行き掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)その場から他の場所へ移動し始める。いきかかる。「向こうへ―・った人を呼びとめる」
(2)事が進展し始める。いきかかる。「うまく―・っていたのに,じゃまが入った」
(3)移動する際に,ある場所を過ぎようとする。さしかかる。「瀬多の橋の本,―・るほどにぞ,ほのぼのとあけゆく/蜻蛉(中)」
(4)出かけて行って関係する。「うけひかざらむものゆゑ,―・りて空しうかへらむ後手(ウシロデ)も,をこなるべし/源氏(須磨)」

行き掛け

いきがけ [0] 【行(き)掛け】
⇒ゆきがけ

行き掛け

ゆきがけ [0] 【行(き)掛け】
行く途中。ゆきがかり。いきがけ。
⇔帰り掛け
⇔来掛け
「―に投函する」

行き掛けに

ゆきがけ【行き掛けに】
on one's way <to> .

行き掛り

ゆきがかり [0] 【行き掛(か)り】
(1)いったん始められた物事の動いてゆく勢い。いきがかり。「―上やむをえない」
(2)これまでの事情。いきがかり。「一切の―をすてる」
(3)行く途中。ゆきがけ。「―に郵便局に寄る」

行き掛り

いきがかり [0] 【行き掛(か)り】
「ゆきがかり」に同じ。「―上やむをえなかった」

行き掛り上

ゆきがかり【行き掛り上】
forced by circumstances.〜を捨てる forget all that has passed <between each other> .

行き掛る

ゆきかか・る [4] 【行き掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)その場から他の場所へ移動し始める。いきかかる。「向こうへ―・った人を呼びとめる」
(2)事が進展し始める。いきかかる。「うまく―・っていたのに,じゃまが入った」
(3)移動する際に,ある場所を過ぎようとする。さしかかる。「瀬多の橋の本,―・るほどにぞ,ほのぼのとあけゆく/蜻蛉(中)」
(4)出かけて行って関係する。「うけひかざらむものゆゑ,―・りて空しうかへらむ後手(ウシロデ)も,をこなるべし/源氏(須磨)」

行き摩り

ゆきずり [0] 【行き摺り・行き摩り】
(1)道ですれちがうこと。いきずり。「―の人に声をかけられる」
(2)たまたま通りかかること。通りすがり。
(3)かりそめ。「―の恋」
(4)通りすぎるときに触れ合うこと。通りがかりに触れて色や香が染みつくこと。「―の衣にうつれ萩が花/風雅(旅)」

行き摺り

ゆきずり [0] 【行き摺り・行き摩り】
(1)道ですれちがうこと。いきずり。「―の人に声をかけられる」
(2)たまたま通りかかること。通りすがり。
(3)かりそめ。「―の恋」
(4)通りすぎるときに触れ合うこと。通りがかりに触れて色や香が染みつくこと。「―の衣にうつれ萩が花/風雅(旅)」

行き摺り

いきずり [0] 【行き摺り】
「ゆきずり」に同じ。

行き散る

ゆきち・る 【行き散る】 (動ラ四)
あちらこちらに散って行く。「さるべき所々に―・りたるむすめども/源氏(総角)」

行き斃れ

ゆきだおれ [0] 【行(き)倒れ・行き斃れ】
病気や飢え・寒さなどのために,路上で倒れること。また,倒れて死ぬこと。また,その人。行路病者。いきだおれ。

行き方

ゆきかた [0] 【行き方】
〔「いきかた」とも〕
(1)ある場所へ行く道順。また,そのための乗り物の利用方法。「駅までの―を教えて下さい」「バスに乗るという―もあるが時間がかかるでしょう」
(2)物事をする手だて。行う方法。やりかた。しかた。「独特の―で成功する」

行き方

いきかた [4][3] 【行き方】
「ゆきかた」に同じ。「駅への―」

行き方

ゆきがた 【行き方】
行った方向。ゆくえ。「其後は―もしらず,長くうせにけりとなん/宇治拾遺 12」

行き暮らす

ゆきくら・す 【行き暮らす】 (動サ四)
日の暮れるまで歩き続ける。また,旅の途中で日が暮れる。「―・し長き春日も忘れて思へや/万葉 4020」

行き暮れる

ゆきくれる【行き暮れる】
be overtaken by night.

行き暮れる

ゆきく・れる [4] 【行(き)暮れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ゆきく・る
歩いていく途中で日が暮れる。「山中で―・れる」

行き来

いきき [2][0] 【行(き)来】 (名)スル
「ゆきき」に同じ。「道路を―する車」

行き来

ゆきき [2][0][3] 【行(き)来・往き来】 (名)スル
(1)行ったり来たりすること。往来。いきき。「人の―がとだえる」
(2)交際すること。いきき。「あの家とは昔から―している」

行き来

ゆきき【行き来】
[交通] <much,heavy> traffic;→英和
[交際]⇒交際.

行き桁

ゆきげた [0] 【行き桁】
橋などの,架けられた方向に沿って渡してある桁(ケタ)。

行き止まり

ゆきどまり [0] 【行き止(ま)り】
(1)道などで行く手がさえぎられ,先へは行けなくなること。また,その所。ゆきづまり。いきどまり。「路地はこの先―になる」
(2)物事の終わり。終点。いきどまり。

行き止まり

いきどまり [0] 【行き止(ま)り】
「ゆきどまり」に同じ。「この先は―になっている」

行き止まる

ゆきどま・る 【行き止(ま)る】 (動ラ四)
〔「ゆきとまる」とも〕
(1)進んで行って立ち止まる。「待つ人は―・りつつあぢきなく年のみ越ゆるよさのおほ山/和泉式部集」
(2)進んで行ってそれ以上進めなくなる。「―・るをぞ宿と定むる/古今(雑下)」

行き止り

いきどまり [0] 【行き止(ま)り】
「ゆきどまり」に同じ。「この先は―になっている」

行き止り

ゆきどまり【行き止り(になる)】
(come to) a dead end;(be) a blind alley (袋小路).

行き止り

ゆきどまり [0] 【行き止(ま)り】
(1)道などで行く手がさえぎられ,先へは行けなくなること。また,その所。ゆきづまり。いきどまり。「路地はこの先―になる」
(2)物事の終わり。終点。いきどまり。

行き止る

ゆきどま・る 【行き止(ま)る】 (動ラ四)
〔「ゆきとまる」とも〕
(1)進んで行って立ち止まる。「待つ人は―・りつつあぢきなく年のみ越ゆるよさのおほ山/和泉式部集」
(2)進んで行ってそれ以上進めなくなる。「―・るをぞ宿と定むる/古今(雑下)」

行き渡り

ゆきわたり [0] 【行(き)渡り】
細かい点にまで配慮されていること。「女子どもの使ひやう出入りの者の―/十三夜(一葉)」

行き渡る

いきわた・る [4] 【行(き)渡る】 (動ラ五[四])
「ゆきわたる」に同じ。「プリントが全員に―・る」

行き渡る

ゆきわた・る [4] 【行(き)渡る】 (動ラ五[四])
(1)残る所なくすべてに及ぶ。広範囲に及ぶ。いきわたる。「全員に―・る」「細かい点にまで注意が―・っている」
(2)渡って行く。「川―・りいさなとり/万葉 3339」
(3)訪問する。
(4)事情をよく知っている。物事がよくわかる。「ずいぶんともに―・りたる米八なれど/人情本・辰巳園 3」

行き渡る

ゆきわたる【行き渡る】
extend;→英和
spread;→英和
go around;prevail.→英和

行き着く

ゆきつく【行き着く】
⇒到着.

行き着く

ゆきつ・く [3] 【行(き)着く】 (動カ五[四])
(1)長い道のりをへて目的の土地に達する。いきつく。「やっと家に―・く」
(2)いろいろな状況をへて最後の状態になる。いきつく。「―・くところは知れている」
(3)すっかり愛情のとりこになる。ほれこんでしまう。いきつく。「かの男に―・いて毎日百通二百通/浄瑠璃・嫗山姥」
(4)財産をすっかり使い果たす。いきつく。「これではよつぽど―・きさうなものと思ひのほか,なみはづれて大金を使ふゆゑ/黄表紙・金生木」
(5)一面に付着する。「白き物―・かぬ所は/枕草子 3」
[可能] ゆきつける

行き着く

いきつ・く [3][0] 【行(き)着く】 (動カ五[四])
「ゆきつく」に同じ。「目的地に―・く」
[可能] いきつける

行き立つ

ゆきた・つ [3] 【行(き)立つ】 (動タ五[四])
生活できる。暮らしが成り立つ。いきたつ。「内職では生活が―・たない」

行き脚

ゆきあし [0] 【行(き)足・行(き)脚】
(船などが)それまでの勢いで走り続けること。いきあし。「―が止まる」

行き行く

ゆきゆ・く 【行き行く】 (動カ四)
どんどん行く。行き進む。「―・きて,駿河の国にいたりぬ/伊勢 9」

行き触れ

ゆきぶれ 【行き触れ】
「いきぶれ」に同じ。「―ゆへすけなうによたつにて/御湯殿上日記」

行き触れ

いきぶれ 【行き触れ】
触穢(シヨクエ)の一。死者などに出会ったためにけがれること。ゆきぶれ。

行き訪ふ

ゆきとぶら・う 【行き訪ふ】 (動ハ四)
見舞いに行く。訪問する。「人多く―・ふ中に/徒然 76」

行き詰まり

ゆきづまり [0] 【行(き)詰まり】
(1)道がさえぎられて,それ以上進めなくなった所。ゆきどまり。いきづまり。「―の路地」
(2)それ以上進展しなくなった状態。いきづまり。「交渉の―を打開する」「仕事に―を感ずる」

行き詰まり

いきづまり [0] 【行き詰(ま)り】
「ゆきづまり」に同じ。

行き詰まりを打開する

ゆきづまり【行き詰まりを打開する】
break[find a way out of]the deadlock.→英和

行き詰まる

ゆきづまる【行き詰まる】
come[be brought]to a standstill;→英和
come to a deadlock[a dead end].→英和

行き詰まる

ゆきづま・る [4] 【行(き)詰まる】 (動ラ五[四])
(1)道がなくなって先へ進めなくなる。ゆきどまる。いきづまる。「道が―・る」
(2)物事が進展しなくなる。いきづまる。「仕事が―・る」「交渉が―・る」

行き詰まる

いきづま・る [4] 【行き詰(ま)る】 (動ラ五[四])
「ゆきづまる」に同じ。「資金的に―・る」

行き詰む

ゆきつ・む 【行き詰む】
■一■ (動マ四)
それ以上先に進めない所まで行く。「―・む(=「雪積む」トノ掛ケ詞)年の寒さをも知れ/六帖詠草」
■二■ (動マ下二)
⇒ゆきつめる

行き詰める

ゆきつ・める [4] 【行(き)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 ゆきつ・む
〔「ゆきづめる」とも〕
それ以上先に進めない所まで行く。「崖(ガケ)の突端まで―・める」

行き詰り

いきづまり [0] 【行き詰(ま)り】
「ゆきづまり」に同じ。

行き詰る

いきづま・る [4] 【行き詰(ま)る】 (動ラ五[四])
「ゆきづまる」に同じ。「資金的に―・る」

行き足

ゆきあし [0] 【行(き)足・行(き)脚】
(船などが)それまでの勢いで走り続けること。いきあし。「―が止まる」

行き路

ゆきみち [0] 【行(き)道・行き路】
(1)行くときの道。往路。
(2)費やしたもののゆくえ。つかいみち。「知れてはあれど,金子(キンス)の―/人情本・梅児誉美 4」

行き返る

ゆきかえ・る 【行き返る・行き帰る・往き還る】 (動ラ四)
〔「ゆきがえる」とも〕
(1)去ったものがまた戻る。行ってまた帰る。「天雲の―・りなむものゆゑに/万葉 4242」
(2)年・月・日が過ぎ次の年・月・日になる。年・月・日が改まる。「あらたまの年―・り春立たば/万葉 4490」

行き迷う

ゆきまよ・う [4] 【行(き)迷う】 (動ワ五[ハ四])
どう進んでよいかわからなくなる。道に迷う。「茫然と―・つて居た処を/あめりか物語(荷風)」

行き通い

ゆきかよい [0] 【行(き)通い】
行ったり来たりすること。交際。「兄と縁を切つて仕舞つて,―なし/真景累ヶ淵(円朝)」

行き通う

ゆきかよ・う [4] 【行(き)通う】 (動ワ五[ハ四])
(1)ある地点を行ったり来たりする。いきかよう。「川を―・う舟」
(2)互いに訪れたり訪れられたりして親しくつきあう。いきかよう。「隔てなく―・った隣どうし」

行き逢う

ゆきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)外出の途中で偶然出会う。いきあう。「町で知人に―・う」
(2)異なる方向から進んで来たものが交差する。重なる。「片そぎの―・はぬ間より洩る月や/山家(秋)」
(3)合致する。「二道の道理のかくひしと―・ひぬれば/愚管 3」
[可能] ゆきあえる
■二■ (動ハ下二)
交差させる。「大宮人は鶉鳥(ウズラトリ)領巾(ヒレ)取り懸けて鶺領(マナバシラ)尾―・へ/古事記(下)」

行き逢う

いきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】 (動ワ五[ハ四])
「ゆきあう」に同じ。「道で友人と―・った」

行き連る

ゆきつ・る 【行き連る】 (動ラ下二)
連れだって行く。道連れになる。「山伏一人また鋳物師する男一人―・れて/著聞 16」

行き過ぎ

ゆきすぎ [0] 【行(き)過ぎ】 (名・形動)[文]ナリ
(1)目的の場所を越えて行くこと。いきすぎ。
(2)度を超す・こと(さま)。いきすぎ。「警備の―」「ちょっと―な発言と思うが」

行き過ぎ

いきすぎ [0] 【行(き)過ぎ】 (名・形動)
「ゆきすぎ」に同じ。「そこまで言うのは―だ」

行き過ぎ

ゆきすぎ【行き過ぎ】
excess;→英和
the excesses (行為);going too far.

行き過ぎる

ゆきすぎる【行き過ぎる】
go past[beyond](通過);go too far[to extremes](極端).

行き過ぎる

いきす・ぎる [4] 【行(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 いきす・ぐ
「ゆきすぎる」に同じ。「店に気付かないで―・ぎた」

行き過ぎる

ゆきす・ぎる [4] 【行(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 ゆきす・ぐ
(1)とおりすぎる。通過する。いきすぎる。「家の前を―・ぎる」
(2)目的の場所よりも先へ行く。いきすぎる。「―・ぎて引き返す」
(3)度を超す。いきすぎる。「―・ぎたことをする」

行き道

ゆきみち [0] 【行(き)道・行き路】
(1)行くときの道。往路。
(2)費やしたもののゆくえ。つかいみち。「知れてはあれど,金子(キンス)の―/人情本・梅児誉美 4」

行き違い

ゆきちがい [0] 【行(き)違い】
(1)人や物がすれちがって出会わないこと。いきちがい。「―になる」「返事の手紙と―にまた催促の手紙がきた」
(2)意思が通じなかったりして,食いちがいや誤解がおこること。いきちがい。「会談は―に終わった」「相互の理解に―があった」

行き違い

いきちがい [0] 【行(き)違い】
「ゆきちがい」に同じ。「ちょっとの差で―になる」

行き違い

ゆきちがい【行き違い】
[誤解]misunderstanding;→英和
a mistake;→英和
[不和](a) disagreement.→英和
〜になる[すれ違う]cross[miss] <each other> ;→英和
come just after a person left.

行き違い様

ゆきちがいざま [0] 【行(き)違い様】
行きちがう瞬間。すれちがいざま。

行き違う

ゆきちが・う [4][0] 【行(き)違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)道や時間がずれるなどして,相手と会えずにすれちがう。いきちがう。「途中で―・う」
(2)互いに別の方向に進む。いきちがう。「―・った車に知人が乗っていた」「大空には叢雲(ムラクモ)―・ひ/谷間の姫百合(謙澄)」
(3)意思が通じなかったりして食いちがいがおきる。いきちがう。「話が―・ってわけがわからなくなる」
■二■ (動ハ下二)
⇒ゆきちがえる

行き違う

いきちが・う [4][0] 【行(き)違う】 (動ワ五[ハ四])
「ゆきちがう」に同じ。「車で―・う」
[可能] いきちがえる

行き違う

ゆきちがう【行き違う】
⇒行き違い.

行き違え

ゆきちがえ [0] 【行(き)違え】
「ゆきちがい(行違)」に同じ。「行く先々で―になる」

行き違える

ゆきちが・える [5][0] 【行(き)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ゆきちが・ふ
行く方向を誤る。まちがった道を行く。いきちがえる。「道を―・える」

行き違ふ

ゆきたが・う 【行き違ふ】 (動ハ四)
「ゆきちがう(行違)」に同じ。「従者共も皆―・ひて,人もなかりけるを/今昔 26」

行き遣る

ゆきや・る 【行き遣る】 (動ラ四)
(多く打ち消しの語を伴って)遠く離れた所へ行く。行ってしまう。「ゆけどなほ―・られぬは妹がうむ小津の浦なる岸の松原/土左」

行き雑じる

ゆきまじ・る 【行き交じる・行き雑じる】 (動ラ四)
(1)種々の物がまざり合う。入り乱れる。入りまじる。「山寺こそ,なほかやうの事おのづから―・り,もの紛るる事侍らめ/源氏(夕顔)」
(2)人が出入りする。「いと静かなる所の人も―・らずはべるを/源氏(椎本)」

行く

い・く [0] 【行く・往く・逝く】 (動カ五[四])
「ゆく(行・往)(逝)」に同じ。
[可能] いける

行く

いく【行く】
⇒行(ゆ)く.

行く

ゆく【行く】
go;→英和
come <to your house> ;→英和
[訪問]visit;→英和
call <on a person> ;→英和
attend <a meeting> (出席);→英和
leave <for> <Kyoto> (去る);→英和
get there <in an hour> (到着);lead <to> (道が).→英和
うまく〜 go well;turn out fine;be a success.→英和
行ったことがある[行って来たところだ]have been <to> .‖行く春 the departing spring.

行く

ゆ・く [0] 【行く・往く】 (動カ五[四])
(1)人・動物・乗り物が,移動する。話し手に近づく場合は「来る」という。
 (ア)人・動物・乗り物が,話し手のいる場所から遠くへ移動する。「これから銀行へ―・くところだ」「父は今,タバコを買いに―・っています」「まっすぐ―・けば駅へ出ます」
 (イ)人・動物・乗り物が,目的の地点に向かって進む。また至りつく。「京都を見たあと奈良へ―・く」「プールに泳ぎに―・く」「何度も神戸へ―・ったことがある」「大阪から九州へ―・く列車」
 (ウ)ある地点を通過する。往来する。「道―・く人々の服装もカラフルだ」「野―・き山―・き我来れど/万葉 4344」
(2)動作者が話し手とともに移動する。話し手を中心に考えたときは「来る」で表現することも可能。「映画を見に行くところなんだが,君も一緒に―・かないか」
(3)人・動物以外のものが,運ばれて移動する。話し手に近づく場合は「来る」という。
 (ア)手紙・通知・電話などがある地点に到達する。「該当者には役所から通知が―・くはずだ」
 (イ)風・匂いなどがある所に到達する。「風が―・かないように戸をしめる」
(4)学校の生徒や軍隊の兵士などになる。《行》「うちの次男は幼稚園に―・っています」「父は戦時中兵隊に―・っていました」
(5)(「嫁に行く」「養子に行く」などの形で)他の家へ移る。《行》「大阪へ嫁に―・った娘」
(6)去って帰らない。
 (ア)年月が経過する。「―・く春を惜しむ」「―・く年来る年」
 (イ)水が流れ去る。「―・く河の流れは絶えずして,しかももとの水にあらず/方丈記」
(7)ある方法・状態で,動作を開始する。「よし,この手で―・こう」「さあ,今日も元気で―・こう」「ではもう一度初めから―・こう(=初メカラヤリ直ソウ)」
(8)物事が進展・実現する。行われる。「こんどの実験はうまく―・った」「世の中はなかなか理屈どおりには―・かないものだ」「仕事が思うように―・かない」
(9)事態が進展して,ある段階に至る。《行》
 (ア)ある段階に至る。ある状態に達する。「きれい好きもあそこまで―・くと,潔癖を通りこしている」「社長とは―・かないまでも専務ぐらいにはなりたい」
 (イ)ある年齢に達する。「もっと年の―・った人だった」「年端(トシハ)も―・かない娘」
 (ウ)(「そこへ行くと」の形で)そういう点から考えると。「都会は道路が混雑して自動車があっても十分に使えない。そこへ―・くと,郊外では自動車があるとまことに便利だ」
(10)気持ちが,満足した状態になる。「満足の―・くような回答」「納得が―・くまで尋ねる」「心―・くまで楽しむ」
(11)(「…するわけに行かない(行かぬ)」の形で)しかるべき理由があって…することができない。《行》「本当の理由を話すわけには―・かない」「期日までに返さないわけに―・かない」
(12)性交において,快感が絶頂に達する。俗語的な言い方なので主に「いく」の形を用いる。
(13)(補助動詞)
(動詞の連用形または連用形に接続助詞「て(で)」を添えたものに付いて)
 (ア)話し手またはある問題や中心となっているものから遠ざかる意を表す。「船が沖へ出て―・く」「車はどんどん遠ざかって―・く」
 (イ)その傾向が増大する意を表す。「だんだんしぼんで―・く」「明け―・く空」
 (ウ)動作・状態の継続する意を表す。「万代に言ひ継ぎ―・かむ/万葉 4003」
[可能] ゆける
〔(1)同義の語に「いく」があり,上代から併用される。「ゆく」と「いく」は一般に同じ語の少し異なった語形とうけとられており,本辞典では,この「ゆく」の項で両方あわせて記述する。なお,現代語では,「いく」にくらべ,「ゆく」の方がより文章語的な感じをもつ。(2)原則として「ゆく」「いく」どちらの形も使えるが,「立ちゆく」「亡びゆく」「更けゆく」「消えゆく」,「ゆくえ」「ゆく末」「ゆくて」「ゆく春」「ゆくゆく(は)」などは普通,「いく」の形をとらない。(3)連用形の音便形は,現代語では「いく」の「いっ(て)」「いっ(た)」の形しか用いられない。ただし古くは「ゆく」にも音便形として「ゆい(て)」があった。(4)平安鎌倉時代の漢文訓読では「いく」の例はまれで,ほとんど「ゆく」が用いられた〕

行くさ

ゆくさ 【行くさ】
〔「さ」は接尾語〕
行くとき。ゆきしな。「―には二人我が見しこの崎を/万葉 450」

行くさ来さ

ゆくさくさ 【行くさ来さ】
行くとき来るとき。往来の際。ゆくさきるさ。「白菅の真野の榛原(ハリハラ)―君こそ見らめ真野の榛原/万葉 281」

行くさ来るさ

ゆくさきるさ 【行くさ来るさ】
「ゆくさくさ」に同じ。「とねりこが袖も露けしとも岡のしげき笹ふの―に/万代集」

行くとして可(カ)ならざるはなし

行くとして可(カ)ならざるはなし
どんなことをしても,必ず十分の成果をあげる。

行くに径(コミチ)に由(ヨ)らず

行くに径(コミチ)に由(ヨ)らず
〔論語(雍也)〕
裏道や小道を通らず,常に大道を歩く。正々堂々としたおこないをいう。

行くも帰るもの関

ゆくもかえるものせき ユクモカヘルモ― 【行くも帰るもの関】
〔後撰集の蝉丸の歌「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」から〕
近江国の逢坂関(オウサカノセキ)の異名。

行く先

ゆくさき [0] 【行く先】
(1)行く目当ての場所。ゆきさき。いくさき。「―も告げずに出かける」
(2)前途。将来。行く末。「―が思いやられる」
(3)余命。「―短い人生」

行く先

いくさき [0] 【行く先】
「ゆくさき(行先)」に同じ。

行く先先

ゆくさきざき [4] 【行く先先】
その人の行く所のすべて。「―で歓迎される」

行く川の

ゆくかわの ユクカハ― 【行く川の】 (枕詞)
川の水が流れ去って行く意から,死を意味する「過ぐ」にかかる。「―過ぎにし人の手折(タオ)らねば/万葉 1119」

行く年

ゆくとし [4] 【行く年】
(1)過ぎ去ろうとしている今年。暮れてゆく年。[季]冬。《―のこそりともせぬ山家かな/士朗》
(2)年齢。「―もはや六十五なるに/浮世草子・一代女 6」

行く影の

ゆくかげの 【行く影の】 (枕詞)
動きゆく月影の,の意で,年月の「月(ツキ)」にかかる。「―月も経行けば/万葉 3250」

行く手

いくて [0][3] 【行く手】
「ゆくて」に同じ。

行く手

ゆくて [0][3] 【行く手】
(1)向かって行く先。進んで行く先。ゆくさき。「―に立ちはだかる」「―をさえぎる」
(2)前途。将来。ゆくえ。
(3)行くついで。行きがけ。「梅が香に―の袖も移るまで/新拾遺(春上)」

行く手に

ゆくて【行く手に】
before[ahead of]one.〜をはばむ block[stand in]one's way.

行く方

ゆくかた 【行く方】
(1)進んで行く方向。ゆくえ。
(2)心や気持ちの晴れる方法。やるかた。「世と共に―もなき心かな/千載(恋三)」

行く春

ゆくはる [3] 【行く春】
過ぎ去ろうとしている春。暮春。晩春。[季]春。《―を近江の人とおしみける/芭蕉》

行く月の

ゆくつきの 【行く月の】 (枕詞)
地名「いるさ山」にかかる。「―いるさの山をたれかたづぬる/源氏(末摘花)」

行く末

ゆくすえ【行く末】
<be anxious about> a person's future.

行く末

ゆくすえ [0] 【行く末】
(1)これから先のこと。将来。ゆくさき。いくすえ。「この子の―が思いやられる」
(2)進んで行くずっと先の方。「―は空もひとつの武蔵野に/新古今(秋上)」
(3)余命。「―長き事をこひねがふ/源氏(幻)」
(4)来世。「―にも,草木・鳥けだものとなるとも/宇津保(菊の宴)」
(5)来歴。「彼の女房の―を委しく尋ねて候へば/太平記 18」

行く水

ゆくみず 【行く水】
流れて行く川水。流水。「―の帰らぬごとく吹く風の見えぬがごとく/万葉 3625」

行く水の

ゆくみずの 【行く水の】 (枕詞)
流れ行く川の水のさまから,「過ぐ」「絶ゆることなし」などにかかる。「―過ぎにし妹が形見とそ来し/万葉 1797」「―絶ゆることなく/万葉 4002」

行く秋

ゆくあき [3] 【行く秋】
過ぎ去ろうとしている秋。晩秋。[季]秋。《―の不二に雪なき日なりけり/久保田万太郎》

行く立て

ゆくたて [0] 【行く立て】
事のなりゆき。いきさつ。「一十伍十(イチブシジユウ)の―をば/当世書生気質(逍遥)」

行く船の

ゆくふねの 【行く船の】 (枕詞)
船が過ぎて行く意から,「過ぐ」にかかる。「―過ぎて来べしや/万葉 1998」

行く行く

ゆくゆく [0] 【行く行く】 (副)
〔動詞「ゆく」を重ねた語〕
(1)将来。行く末。「―大物になるだろう」「―はここに住もう」
(2)行きながら。「中海に入り,―御倉半島の断崖を仰ぐ/十和田湖(桂月)」

行く行くは

ゆくゆく【行く行くは】
in (the) future;in the end.→英和

行く鳥の

ゆくとりの 【行く鳥の】 (枕詞)
飛ぶ鳥が先を争い,また群れることから,「争ふ」「群がる」にかかる。「―あらそふはしに/万葉 199」「―群がりて待ちあり待てど/万葉 3326」

行ける

い・ける [0] 【行ける】 (動カ下一)
〔「行く」の可能動詞形から〕
(1)物事をうまくすることができる。うまくこなす。「ゴルフも少々―・ける」「この企画なら何とか―・けそうだ」
(2)酒を相当量飲むことができる。「相当―・けるくちだ」
(3)料理や酒などの味が相当に良い。「この地酒はなかなか―・けるねえ」

行ける

いける【行ける】
(1) can go.(2) can drink <a little beer> (飲める).
(3) be good[not bad](結構);taste nice.

行ける

ゆ・ける [0] 【行ける】 (動カ下一)
⇒いける(行)

行ずる

ぎょう・ずる ギヤウ― [3][0] 【行ずる】 (動サ変)[文]サ変 ぎやう・ず
(1)修行する。「道を―・ずる」
(2)事を行う。「好事を―・じて前程を問ふことなかれ/徒然 171」
(3)歩く。「各七歩を―・じ畢(オワ)りて/今昔 1」

行って来い

いってこい 【行って来い】 (連語)
歌舞伎の舞台で,大道具がある場面から別の場面に替わり,また元の場面に戻ること。回り舞台を使用することが多い。

行なう

おこなう【行なう】
(1) do (実行);→英和
act;→英和
perform;→英和
commit (悪事を).→英和
(2) put in practice (実施).
(3) hold <a ceremony> ;→英和
celebrate.→英和

行なわれる

おこなわれる【行なわれる】
(1) be done[acted,performed](なされる).
(2) be put in practice (実施);be put in force (法律・規則が).
(3) take place[be held](挙行).
(4) prevail (流行);→英和
be in vogue.

行ひの具

おこないのぐ オコナヒ― 【行ひの具】
勤行(ゴンギヨウ)の道具。「尼君の―のみあり/源氏(宿木)」

行ひ人

おこないびと オコナヒ― 【行ひ人】
仏道を修行する人。行者。修行者。「なにがし寺といふところに,かしこき―侍る/源氏(若紫)」

行ひ出だす

おこないいだ・す オコナヒ― 【行ひ出だす】 (動サ四)
仏道修行の功徳や法力により,霊験を現す。「山寺には,いみじき光,―・したてまつれり/源氏(賢木)」

行ひ勝ち

おこないがち オコナヒ― 【行ひ勝ち】
仏道修行ばかりすること。「行く末短う,物心ぼそうて,―になりにて侍れば/源氏(柏木)」

行ひ窶る

おこないやつ・る オコナヒ― 【行ひ窶る】 (動ラ下二)
厳しい仏道修行のためにやつれる。「―・れむもいとほしげになむ侍りし/源氏(手習)」

行われる

おこなわ・れる オコナハレル [0] 【行われる(行なわれる)】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おこなは・る
広く世の中にゆきわたる。はやる。もてはやされる。「この説が今は―・れている」

行乞

ぎょうこつ ギヤウ― [0][1] 【行乞】
〔仏〕 十二頭陀行(ズダギヨウ)の一。僧侶が乞食(コツジキ)を行うこと。托鉢(タクハツ)。行鉢。

行事

ぎょうじ【行事】
an event;→英和
a function.→英和
‖行事予定(表) a schedule <for the coming month> .年中行事 annual functions[events].

行事

ぎょうじ ギヤウ― [1][0] 【行事】
(1)一定の日を決めて行う儀式や催し。「年中―」
(2)平安時代,朝廷の儀式などの運営に当たる役。行事官。
(3)江戸時代,町内または商人の組合を代表し事務を取り扱った人。行司。
(4)ある事を主として担当すること。また,その人。「里の刀禰・村の―いできて/大鏡(藤氏物語)」

行事の蔵人

ぎょうじのくろうど ギヤウ―クラウド 【行事の蔵人】
平安時代,行事{(2)}に任じられた蔵人。

行交い

ゆきかい [2][3] 【行(き)交い・往き交い】
(1)ゆきかうこと。ゆきき。往来。「車の―」
(2)つきあい。交際。「三姉妹ともいふごとく,常に―なしけるが/人情本・辰巳園 4」

行交う

ゆきか・う [3] 【行(き)交う・往き交う】 (動ワ五[ハ四])
(1)人や車などが往き来をする。通る。「車が激しく―・う道路」
(2)親しい人と互いの家を行き来する。交際する。いきかう。「少年時代に親しく―・った家」
(3)種々の物事が入れかわりつつ移って行く。「時うつり,ことさり,たのしびかなしび―・ふとも/古今(仮名序)」
(4)ある所へいつも行く。ある人のもとへ通う。「東路に―・ふ人にあらぬ身はいつかは越えむ相坂の関/後撰(恋三)」

行交う

いきか・う [3] 【行(き)交う】 (動ワ五[ハ四])
⇒ゆきかう

行人

ぎょうにん ギヤウ― [0] 【行人】
(1)修行僧。行者。
(2)延暦寺で,寺の雑役をする人。堂衆。
(3)高野山で雑役に従事した下級の僧。中世以後,学侶・聖(ヒジリ)とともに高野三方(コウヤサンカタ)の一として真言密教修学のかたわら,大峰・葛城(カツラギ)などの山々で修験の行を行なった。
(4)乞食僧。

行人

こうじん カウ― [0] 【行人】
(1)道を歩いて行く人。また,旅人。
(2)使者。
(3)出征兵士。

行人

こうじん【行人】
a passer-by;a wayfarer.→英和

行人

こうじん カウジン 【行人】
小説。夏目漱石作。1914年(大正3)刊。妻への不信感から人間社会自体へも憎しみを持つに至る一郎の,深刻な孤独感を描き,無心の境地には到達できない近代知識人の苦悩を示す。

行人偏

ぎょうにんべん ギヤウ― [3] 【行人偏】
漢字の偏の一。「役」「後」などの「彳」の部分。道,または行くことに関する文字を作る。
〔「行」の部首は「ゆきがまえ(行)」〕

行人坂

ぎょうにんざか ギヤウ― 【行人坂】
東京都目黒区にある坂。
→目黒行人坂の火事

行人塚

ぎょうにんづか ギヤウ― [3][0] 【行人塚】
(1)山伏などの行者が入定して往生したと伝えられている塚。東日本に多い。
(2)出羽三山の信者たちが参拝記念に作る供養塚。

行仏性

ぎょうぶっしょう ギヤウブツシヤウ [3] 【行仏性】
〔仏〕 法相宗で,修行によって仏の本性を得ること。
⇔理仏性

行付け

ゆきつけ [0] 【行(き)付け】
何度も行ってなじみになっていること。いきつけ。「―の飲み屋」

行付け

いきつけ [0] 【行(き)付け】
⇒ゆきつけ

行付ける

ゆきつ・ける [4] 【行(き)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ゆきつ・く
行くのに慣れている。行くのを習慣としている。いきつける。「何回も―・けた所」

行住

ぎょうじゅう ギヤウヂユウ [0] 【行住】
〔仏〕 行くことと止(トド)まること。

行住坐臥

ぎょうじゅうざが ギヤウヂユウ―グワ [5] 【行住坐臥】
(1)〔仏〕 行くことと止まること,坐(スワ)ることと横になること,の四つの動作。日常の立ち居振る舞い。四威儀。
(2)日常。起き伏し。副詞的にも用いる。常住坐臥。「―故郷を思う」

行使

こうし カウ― [1] 【行使】 (名)スル
武力・権力・権利などを実際に用いること。「公民権を―する」「武力―」

行使する

こうし【行使する】
exercise;→英和
use;→英和
pass <counterfeit notes> (偽紙幣を).→英和

行倒れ

いきだおれ [0] 【行(き)倒れ】
⇒ゆきだおれ

行倒れ

ゆきだおれ [0] 【行(き)倒れ・行き斃れ】
病気や飢え・寒さなどのために,路上で倒れること。また,倒れて死ぬこと。また,その人。行路病者。いきだおれ。

行像

ぎょうぞう ギヤウザウ [0] 【行像】
車などに仏像を乗せて練り供養すること。転じて,それに用いる仏像。

行儀

ぎょうぎ ギヤウ― [0] 【行儀】
(1)作法にかなうかどうかという点から見た立ち居振る舞い。「―が悪い」「―良くしていなさい」「―を知らない」
(2)おこない。しわざ。したこと。「見限りはてた旦那殿,悉皆盗人の―か/浄瑠璃・大経師(上)」
(3)〔仏〕 法会や修法の定められた方式。「聖(ヒジリ)が―を見給へば/平家 10」

行儀

ぎょうぎ【行儀】
behavior;→英和
manners.〜の良い(悪い) well-(ill-)mannered.〜を良くする behave oneself.他人〜である stand on ceremony <with a person> .

行儀作法

ぎょうぎさほう ギヤウ―ハフ [4] 【行儀作法】
立ち居振る舞いの仕方。行儀と作法。

行儀強い

ぎょうぎづよ・い ギヤウギ― 【行儀強い】 (形)[文]ク ぎやうぎづよ・し
〔近世語〕
行儀をよく守る。おこないが正しい。「本親の旦那も―・く,義理も情も知つたる人/浄瑠璃・油地獄(下)」

行儀正しい

ぎょうぎただし・い ギヤウギ― [6] 【行儀正しい】 (形)[文]シク ぎやうぎただ・し
行儀がよい。「―・くきちんと座る」

行儀霰

ぎょうぎあられ ギヤウ― [4] 【行儀霰】
小さな霰文が整然と並んでいるもの。

行先

いきさき [0] 【行(き)先】
⇒ゆきさき

行先

ゆきさき [0] 【行(き)先】
〔「いきさき」とも〕
(1)行こうとしている目的地。「―を告げずに家を出る」
(2)未来の状況。「今のままでは―が不安だ」

行内

こうない カウ― [1] 【行内】
銀行のなか。銀行の内部。

行刑

ぎょうけい ギヤウ― [0] 【行刑】
自由刑を執行すること。懲役・禁錮・拘留の確定した者に刑を執行すること。

行列

ぎょうれつ ギヤウ― [0] 【行列】 (名)スル
(1)多くの人が,順序よく並ぶこと。また,その列。「―ができる」「開店前から―して待つ」
(2)儀仗(ギジヨウ)を整え,供奉(グブ)の列を作って行くこと。「大名―」
(3)〔数〕
〔matrix〕
多数の数あるいは文字を長方形に並べたもの。並べた数あるいは文字をその行列の成分または要素といい,横並びの要素を行,縦並びの要素を列という。

行列

ぎょうれつ【行列】
[行進]a procession;→英和
a parade;→英和
[列] <form,stand in> a line[queue](順番を待つ人の).→英和
〜する march in procession;parade;line[queue]up.‖行列式《数》a determinant.

行列三重

ぎょうれつさんじゅう ギヤウ―ヂユウ [5] 【行列三重】
歌舞伎芝居の囃子(ハヤシ)の一。行列などが練って行く際に用いる,にぎやかな鳴り物入りの三味線音楽。

行列式

ぎょうれつしき ギヤウ― [4] 【行列式】
〔数〕
〔determinant〕
�² 個の数あるいは式を � 行 � 列に配列し,各行各列から要素を一個ずつとった � 個のものの相乗積を,一定の規則に従って加え合わせたもの。

行別れ

ゆきわかれ [0] 【行(き)別れ】
別々の方向に別れて行くこと。別離。いきわかれ。

行別れる

ゆきわか・れる [5] 【行(き)別れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ゆきわか・る
別々の方向に分かれて行く。いきわかれる。「右と左に―・れる」

行別れる

いきわか・れる [5] 【行(き)別れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いきわか・る
「ゆきわかれる」に同じ。

行力

ぎょうりき ギヤウ― [0][1] 【行力】
仏教を修行して得た法力。

行動

こうどう カウ― [0] 【行動】 (名)スル
(1)実際に体を動かして,あることを行うこと。実行。おこない。「―に移る」「ただちに―する」
〔行為とはほぼ同義だが,行動は人間の集団や動物のふるまいについても用いられる〕
(2)〔心〕
〔behavior〕
外部から客観的に観察できる,人間や動物の行為や反応。

行動

こうどう【行動】
(an) action;→英和
(a) movement;→英和
conduct;→英和
behavior.→英和
〜する[をとる]act;→英和
conduct oneself.‖行動主義《心》behaviorism.行動半径 a radius of action.行動派 active people.行動力 activity;energy[-gies].〜のある energetic.

行動主義

こうどうしゅぎ カウ― [5] 【行動主義】
アメリカのワトソンが唱えた現代心理学の方法論の一。あらゆる心的現象を内省的方法によらず,外部から客観的に観察しうる行動を通して研究しようとする立場。ビヘイビアリズム。

行動化

こうどうか カウ―クワ [0] 【行動化】
⇒アクティング-アウト

行動半径

こうどうはんけい カウ― [5] 【行動半径】
(1)軍艦・軍用飛行機などが,基地を出発してから燃料を補給せずに基地に帰れる行動可能距離。航続距離の二分の一がこれにあたる。
(2)人・動物の行動しうる範囲。行動範囲。

行動形成

こうどうけいせい カウ― [5] 【行動形成】
⇒シェーピング

行動派

こうどうは カウ― [0] 【行動派】
理論より行動を重んずる人。行動力のある人。

行動生物学

こうどうせいぶつがく カウ― [8] 【行動生物学】
⇒比較行動学(ヒカクコウドウガク)

行動療法

こうどうりょうほう カウ―レウハフ [5] 【行動療法】
神経症や拒食症などの不適応行動を学習されたものと考え,学習理論に基づいて適応的な行動へと変容させようとする心理療法の総称。

行動科学

こうどうかがく カウ―クワ― [5] 【行動科学】
人間行動の一般法則を科学的に見いだそうとする学問。心理学・社会学・人類学・経済学・政治学・精神医学などの諸科学の学際協力によって総合的に解明しようとする立場に立つ。

行動美術協会

こうどうびじゅつきょうかい カウ―ケフクワイ 【行動美術協会】
美術団体。1945年(昭和20),向井潤吉ら旧二科会員によって組織。

行務

こうむ カウ― [1] 【行務】
(1)事務の執行。
(2)銀行の業務。

行化

ぎょうけ ギヤウ― [1] 【行化】
〔仏〕 修行と教化。

行印

こういん カウ― [0] 【行印】
銀行の公式印判。

行厨

こうちゅう カウ― [0] 【行厨】
携帯用の食物。弁当。「車中にて―を食らふ/航西日乗(柳北)」

行去る

ゆきさ・る [3] 【行(き)去る】 (動ラ五[四])
去って行く。去る。「情(ナサケ)ある巡査は―・りぬ/源おぢ(独歩)」

行司

ぎょうじ ギヤウ― [0][3] 【行司】
(1)相撲で,土俵上の取組を管理し,勝敗を判定する役。また,その人。
(2)「行事{(3)}」に同じ。

行司

ぎょうじ【行司】
a (sumo) referee.

行司溜まり

ぎょうじだまり ギヤウ― [4] 【行司溜まり】
土俵の裏正面の,行司が控えている場所。

行合い神

いきあいがみ イキアヒ― [3] 【行(き)合い神】
不用意に出会うと祟(タタ)りをする神霊。頭痛がしたり,胸苦しくなったりするという。水神・山の神・便所の神などがそれとされることが多い。いきあい。ゆきあいがみ。
→ひだる神

行合う

いきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】 (動ワ五[ハ四])
「ゆきあう」に同じ。「道で友人と―・った」

行合う

ゆきあ・う [3] 【行(き)合う・行き逢う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)外出の途中で偶然出会う。いきあう。「町で知人に―・う」
(2)異なる方向から進んで来たものが交差する。重なる。「片そぎの―・はぬ間より洩る月や/山家(秋)」
(3)合致する。「二道の道理のかくひしと―・ひぬれば/愚管 3」
[可能] ゆきあえる
■二■ (動ハ下二)
交差させる。「大宮人は鶉鳥(ウズラトリ)領巾(ヒレ)取り懸けて鶺領(マナバシラ)尾―・へ/古事記(下)」

行名

こうめい カウ― [0] 【行名】
銀行の名前。

行員

こういん【行員】
a bank clerk.

行員

こういん カウヰン [0] 【行員】
「銀行員」の略。

行商

ぎょうしょう ギヤウシヤウ [0] 【行商】 (名)スル
店を構えず,商品を持ち歩いて小売りすること。また,その人。
⇔座商
「隣町まで―する」

行商

ぎょうしょう【行商】
peddling;hawking.〜する peddle[hawk] <fish> .→英和
‖行商人 a peddler;a hawker.

行商人

ぎょうしょうにん ギヤウシヤウ― [0] 【行商人】
行商をする人。

行啓

ぎょうけい ギヤウ― [0] 【行啓】
〔古くは「ぎょうげい」。「啓」は先払いの意〕
三后・皇太子・皇太子妃・皇太孫が外出すること。「中宮は御車にたてまつつて―あり/平家 1」
→行幸(ギヨウコウ)

行器

ほかい [0] 【外居・行器】
食物を入れて持ち運ぶのに用いる器。形は丸く高く,蓋(フタ)と外側へ反った三本の脚があり,杉の白木製のものや黒漆塗りのものなどがある。「―に飯(イイ)一盛さし入れて/今昔 12」
外居[図]

行嚢

こうのう カウナウ [0] 【行嚢】
郵袋(ユウタイ)の旧称。

行在所

あんざいしょ [0][5] 【行在所】
〔「あん」は唐音〕
天皇が外出したときの仮の御所。行宮(アングウ)。かりみや。

行地社

こうちしゃ カウチ― 【行地社】
1924年(大正13)大川周明・満川亀太郎らによって結成された右翼団体。社会教育研究所を設置して青年闘士の養成にあたり,軍部少壮派に接近した。

行基

ぎょうき ギヤウキ 【行基】
(668-749) 奈良時代の僧。和泉の人。俗姓,高志氏。道昭・義淵らに法相(ホツソウ)教学を学ぶ。のち諸国をめぐり,架橋・築堤など社会事業を行い,民衆を教化し行基菩薩と敬われた。その活動が僧尼令に反するとして弾圧されたが,やがて聖武天皇の帰依を受け,東大寺・国分寺の造営に尽力し,大僧正に任ぜられ,また大菩薩の号を賜った。

行基図

ぎょうきず ギヤウキヅ [3] 【行基図】
行基が作ったと伝えられる最古の日本総図。原本は残っていないが,諸図が伝えられている。

行基焼

ぎょうきやき ギヤウキ― [0] 【行基焼】
〔行基が始めたという〕
須恵器(スエキ)の俗称。ねずみ色をした素焼きの土器。

行基葺き

ぎょうきぶき ギヤウキ― [0] 【行基葺き】
本瓦葺(ホンカワラブ)きの一。先細りの丸瓦を細い方を上にして用い,少しずつ重ねながら下から上へ葺いていくもの。法隆寺の玉虫厨子(ズシ)宮殿屋根などに見られる。
行基葺き[図]

行堂

あんどう 【行堂】
〔「あん」は唐音〕
行者(アンジヤ)の住む所。行者房。

行場

ゆきば [0] 【行(き)場】
行くべき所。いきば。「―のない不要家具」「不平の持って―がない」

行場

いきば [0] 【行(き)場】
⇒ゆきば

行始め

ゆきはじめ [0] 【行(き)始め】
(1)行きはじめること。いきはじめ。
(2)貴人の子女が,誕生後初めて外出する儀式。

行学

ぎょうがく ギヤウ― [1] 【行学】
〔仏〕 修行と学問。

行実

ぎょうじつ ギヤウ― [0] 【行実】
ある人が行なった事柄・事績。また,それを記した文。行状実記。こうじつ。

行実

こうじつ カウ― [0] 【行実】
⇒ぎょうじつ(行実)

行客

こうかく カウ― [0] 【行客】
道を行く人。旅人。

行宮

こうきゅう カウ― 【行宮】
「あんぐう(行宮)」に同じ。「浪の上の―は静かなる時なし/平家 8」

行宮

あんぐう [3][0] 【行宮】
〔「あん」は唐音〕
天皇が外出したときの仮の御所。かりみや。行在所(アンザイシヨ)。こうきゅう。

行尊

ぎょうそん ギヤウソン 【行尊】
(1057-1135) 平安後期の僧・歌人。平等院大僧正と称される。源基平の子。園城寺長吏・天台座主・大僧正。「金葉和歌集」以後の勅撰集に入集。家集に「行尊大僧正集」がある。

行尸走肉

こうしそうにく カウシ― [1] 【行尸走肉】
〔歩くしかばねと走る肉,の意〕
ただ存在するだけで,学ぼうとしない者をあざけっていう語。

行届く

ゆきとど・く [4] 【行(き)届く】 (動カ五[四])
(1)こまかいところまで気がつく。すみずみまでよく注意がゆきわたる。いきとどく。「―・いた教え方」「―・かないところもありますが,どうぞよろしく」
(2)至りつく。ある程度またはある所まで達する。「年来たづねし我誠心,―・いて満足いたす/人情本・梅児誉美 4」

行届く

いきとど・く [4] 【行(き)届く】 (動カ五[四])
「ゆきとどく」に同じ。「―・いた配慮」

行屋

ぎょうや ギヤウ― [3][0] 【行屋】
(1)修行僧・修験者などが行をする家。
(2)祈祷(キトウ)を業とする家。
(3)代参講のとき,代表して参詣(サンケイ)に行く者が出立(シユツタツ)や帰着のときに籠(コモ)る家。

行屎走尿

こうしそうにょう カウシソウネウ [1] 【行屎送尿・行屎走尿】
便所で用を足す意。ありふれた日常生活のたとえ。「行住坐臥,―悉く真正の日記であるから/吾輩は猫である(漱石)」

行屎送尿

こうしそうにょう カウシソウネウ [1] 【行屎送尿・行屎走尿】
便所で用を足す意。ありふれた日常生活のたとえ。「行住坐臥,―悉く真正の日記であるから/吾輩は猫である(漱石)」

行履

あんり [1] 【行履】
〔「あん」は唐音。「行」は進退,「履」は実践の意〕
禅宗で,日常の一切の行為のこと。行・住・坐(ザ)・臥(ガ)のすべて。

行帰り

ゆきかえり [0] 【行(き)帰り・往き還り】 (名)スル
ある場所へ向かって進むことと,そこからもとの方向へ戻ること。往復。いきかえり。「学校の―」

行平

ゆきひら [2] 【行平・雪平】
(1)
⇒在原(アリワラノ)行平
(2)〔昔,在原行平が須磨で海女(アマ)に潮を汲ませて塩を焼いた故事に基づく〕
粥(カユ)などを煮るのに用いる,取っ手・ふた・注ぎ口のある陶器の平鍋(ヒラナベ)。または,木の柄がついた,金属製の打ち出し鍋。行平鍋。雪平鍋。

行平

ゆきひら 【行平】
鎌倉初期,豊後(ブンゴ)の刀工。後鳥羽院御番鍛冶の一人。太刀姿は細身で優しく古風。腰元に彫り物を施す例が多く,最古の刀身彫刻といえる。

行年

こうねん カウ― [0] 【行年】
これまで生きてきた年数。
→ぎょうねん(行年)

行年

ぎょうねん ギヤウ― [0] 【行年】
〔「行」は経歴の意〕
「享年(キヨウネン)」に同じ。

行年衰日

ぎょうねんすいにち ギヤウ― 【行年衰日】
陰陽道(オンヨウドウ)で,その人の生年の干支(エト)と年齢との関係から毎年定められる凶日。

行幸

みゆき [0] 【行幸・御幸】 (名)スル
(1)天皇の外出。《行幸》「―には,みこたちなど,世に残る人なく仕うまつり給へり/源氏(紅葉賀)」
(2)上皇・法皇・女院の外出。《御幸》

行幸

ぎょうこう ギヤウカウ [0] 【行幸】 (名)スル
〔「ぎょうごう」とも〕
天皇が出かけること。みゆき。
〔行き先が二か所以上のときは「巡幸」という〕
→行啓(ギヨウケイ)

行徳

ぎょうとく ギヤウ― [0] 【行徳】
仏教修行によって身に備わる徳。「此の人はかく―あるやうなれども/十訓 7」

行徳

ぎょうとく ギヤウトク 【行徳】
(1)千葉県市川市南部の地名。旧町名。江戸川の河口港。塩の産地として知られたが,現在,京葉工業地帯の一部。住宅地化も進む。
(2)〔江戸時代,(1)で製した塩が江戸に供給されていたことから〕
芝居社会で塩のことをいった隠語。

行悩む

ゆきなや・む [4] 【行(き)悩む】 (動マ五[四])
(1)前に進むことに苦労する。いきなやむ。「雪道で―・む」「難路に―・む」
(2)物事が思いどおりに進展せず苦労する。いきなやむ。「仕事のうえで―・む」「交渉が―・む」

行悩む

いきなや・む [4] 【行(き)悩む】 (動マ五[四])
「ゆきなやむ」に同じ。

行成

こうぜい カウゼイ 【行成】
⇒藤原行成(フジワラノユキナリ)

行成り

ゆきなり [0] 【行(き)成り】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
成り行きにまかせる・こと(さま)。「両人は―にかたはらへねころぶと/西洋道中膝栗毛(魯文)」
■二■ (副)
だしぬけに。いきなり。「いづみ湯に入ると―はだかになり/西洋道中膝栗毛(魯文)」

行成り三宝

ゆきなりさんぼう [5] 【行(き)成り三宝】
成り行きまかせにすること。ゆきあたりばったり。

行成様

こうぜいよう カウゼイヤウ [0] 【行成様】
藤原行成の書風。

行成紙

こうぜいがみ カウゼイ― [3] 【行成紙】
藤原行成筆の歌書の料紙をまねた紙。薄い鳥の子紙を,淡藍色・黄色などに薄く染め雲母(ウンモ)で模様を型置きしたもの。

行戻り

ゆきもどり [0] 【行(き)戻り】 (名)スル
(1)行くことと戻ること。いきもどり。
(2)行って戻ること。いきもどり。

行所

いきどころ [0] 【行(き)所】
⇒ゆきどころ

行所

ゆきどころ [0] 【行(き)所】
(1)行って安心して生活できる所。いきどころ。「身寄りもなく―がなくなる」
(2)行った先。ゆくさき。いきどころ。「―が知れない」

行手

ゆきて [3] 【行(き)手】
行く人。行きたいと思う人。いきて。
⇔来手(キテ)
「危険な所なので―がない」

行抜け

ゆきぬけ [0] 【行(き)抜け】 (名・形動)[文]ナリ
(1)進んで行ってそこを過ぎ別の所へ出ること。通り抜け。
(2)限度がないこと。しまりがなくだらしないこと。また,そのさま。「菊の井のお力は―の締りなしだ/にごりえ(一葉)」

行掛け

ゆきがけ [0] 【行(き)掛け】
行く途中。ゆきがかり。いきがけ。
⇔帰り掛け
⇔来掛け
「―に投函する」

行掛け

いきがけ [0] 【行(き)掛け】
⇒ゆきがけ

行政

ぎょうせい ギヤウ― [0] 【行政】
(1)立法により形成された公共の意思や目的に基づいて,国や公共団体の執行機関が業務を行うこと。
(2)法の実現を目的として執行される国家作用。国家作用のうちから立法・司法を除いたもの。
(3)内閣をはじめとする行政機関の権限に属する国家作用。
(4)組織や団体の中に生ずるさまざまの事柄を処理し解決すること。「彼の―手腕に期待する」

行政

ぎょうせい【行政】
administration.→英和
〜的[の]administrative <ability> .→英和
‖行政改革 an administrative reform.行政官 an administrator.行政管理局 the Administrative Management Bureau.行政機関 an administrative organ.行政指導 administrative guidance.行政処分 an administrative disposition.行政整理 administrative adjustment.行政法 the administrative law[code (法典)].

行政不服審査法

ぎょうせいふふくしんさほう ギヤウ―ハフ 【行政不服審査法】
行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の不服申し立てについて規定する法律。1962年(昭和37)制定。

行政争訟

ぎょうせいそうしょう ギヤウ―サウ― [5] 【行政争訟】
(1)行政上の法律関係について不服がある場合に,利害関係人の申し立てに基づいて開始される審判手続き。
(2){(1)}のうち,行政機関による審判手続きのみをさす。

行政事件

ぎょうせいじけん ギヤウ― [5] 【行政事件】
行政上の法律関係についての訴訟事件。原則として行政事件訴訟法の適用を受ける。
→民事事件
→刑事事件

行政事件訴訟

ぎょうせいじけんそしょう ギヤウ― [8] 【行政事件訴訟】
行政法規の適用にかかわる紛争について,裁判所が正式の訴訟手続きにより行う裁判。民事裁判ではあるが,行政事件訴訟法が適用される点で,訴訟手続き上,民事事件と区別される。

行政事務

ぎょうせいじむ ギヤウ― [5] 【行政事務】
(1)行政権の作用に属する事務。
(2)地方公共団体の事務のうち,住民の権利の規制や住民への義務の賦課など権力的手段を用いて処理するもの。条例の定めを必要とする。

行政代執行法

ぎょうせいだいしっこうほう ギヤウ―ダイシツカウハフ 【行政代執行法】
行政上の強制執行の手段としての代執行の一般的な根拠および手続きを定めた法律。1900年(明治33)制定の行政執行法に代わるものとして48年(昭和23)に制定された。
→代執行

行政処分

ぎょうせいしょぶん ギヤウ― [5] 【行政処分】
行政機関が法規に基づいて行う法律上の効果を発生させる行為。権利を設定し,義務を命じたりすること。営業許可・公企業の特許などがその例。行政行為。

行政区

ぎょうせいく ギヤウ― [3] 【行政区】
政令指定都市の区。行政の事務処理の便宜のためにおかれている区で,特別区のような自治的機能はもたない。

行政区画

ぎょうせいくかく ギヤウ―クワク [5][6] 【行政区画】
行政上の便宜のため行政機関の権限が及ぶ範囲として定められた地域。

行政協定

ぎょうせいきょうてい ギヤウ―ケフ― [5] 【行政協定】
行政府の固有の権限に属する事項や既存の条約または国内法により容認された事項について,議会の承認を必要とせず行政府の間だけで締結される協定。1952年(昭和27)に日米間で締結された日米行政協定はこれにあたる。

行政命令

ぎょうせいめいれい ギヤウ― [5] 【行政命令】
⇒行政規則(ギヨウセイキソク)

行政国家

ぎょうせいこっか ギヤウ―コク― [5] 【行政国家】
(1)行政裁判制度をもち,行政権が司法権によって制約されない国家。
→司法国家
(2)行政機能の増大と複雑化・専門化によって,事実上行政権が,立法権・司法権に優位に立つ傾向にある現代の国家をさす。

行政大臣

ぎょうせいだいじん ギヤウ― 【行政大臣】
行政事務を分担管理する地位にある内閣総理大臣および各省大臣。
→無任所(ムニンシヨ)大臣

行政契約

ぎょうせいけいやく ギヤウ― [5] 【行政契約】
⇒公法上(コウホウジヨウ)の契約(ケイヤク)

行政委員会

ぎょうせいいいんかい ギヤウ―ヰヰンクワイ [6] 【行政委員会】
行政官庁の一種。会議制で,権限行使につき一般行政権に対して独立性を保つ。行政権限の他に,準立法的・準司法的権限を有する。公正取引委員会・労働委員会・選挙管理委員会・教育委員会など。

行政学

ぎょうせいがく ギヤウ― [3] 【行政学】
行政を研究の対象とする社会科学の一分野。行政の一般法則,機能の分析,政治との関係性,合理的・効率的な組織や運営方法,現行制度改善の方策などの探究を行う。

行政官

ぎょうせいかん ギヤウ―クワン [3] 【行政官】
(1)国の行政事務を取り扱う官吏。
(2)1868年(明治1)設置の行政機関。翌年,太政官に改組。

行政官庁

ぎょうせいかんちょう ギヤウ―クワンチヤウ [5] 【行政官庁】
(1)国家の行政関係諸機関の総称。
(2)国家の意思を決定・表示する権限をもつ行政機関。権限が全国に及ぶものを中央行政官庁,特定地域に限られるものを地方行政官庁という。
→司法官庁

行政審判

ぎょうせいしんぱん ギヤウ― [5] 【行政審判】
⇒審判(5)

行政庁

ぎょうせいちょう ギヤウ―チヤウ [3] 【行政庁】
国・地方の行政官庁の総称。

行政府

ぎょうせいふ ギヤウ― [3] 【行政府】
行政機関。立法府・司法府に対する語。

行政手続

ぎょうせいてつづき ギヤウ― [6] 【行政手続(き)】
行政機関が行政処分など公権力を行使する際に行う,聴聞・公聴会・諮問などの手続き。

行政手続き

ぎょうせいてつづき ギヤウ― [6] 【行政手続(き)】
行政機関が行政処分など公権力を行使する際に行う,聴聞・公聴会・諮問などの手続き。

行政手続法

ぎょうせいてつづきほう ギヤウ―ハフ 【行政手続法】
行政機関が行う,行政処分・行政指導・届出に関する手続きについて共通する事項を定める法律。1993年(平成5)制定。

行政指導

ぎょうせいしどう ギヤウ―ダウ [5] 【行政指導】
ある行政目的を達するために,行政機関が,業界や下級行政機関に対して勧告・助言など法的強制を伴わない手段で,一定の政策目的を実現するように促すこと。

行政改革

ぎょうせいかいかく ギヤウ― [5] 【行政改革】
国や地方公共団体の行政機関について,その組織や運営を内外の変化に適応したものに変えること。組織の統廃合,事務の効率化,規制緩和などを目的とする。行革。「―審議会」

行政救済

ぎょうせいきゅうさい ギヤウ―キウ― [5] 【行政救済】
行政行為が国民の権利や利益を侵害した場合,行政機関が活動の是正や生じた損害の填補(テンポ)を行うこと。制度として,行政争訟・国家賠償・損失補償などがある。

行政書士

ぎょうせいしょし ギヤウ― [5] 【行政書士】
行政書士法に基づき,他人の依頼により官公署に提出する書類を作成することを業とする者。もと代書人といった。

行政村

ぎょうせいそん ギヤウ― [3] 【行政村】
自然発生的に形成された村落に対し,行政単位として区画された村。
→自然村

行政権

ぎょうせいけん ギヤウ― [3] 【行政権】
国家の統治作用のうち,行政を行う権能。現行憲法では,行政権は内閣に属し,内閣は国会に対して行政権の行使につき責任を負う。

行政機関

ぎょうせいきかん ギヤウ―クワン [6][5] 【行政機関】
行政組織を構成し,行政事務を担当する機関。

行政法

ぎょうせいほう ギヤウ―ハフ 【行政法】
行政の組織とその作用を規定する法のうち,行政に関する特殊な公法の体系。

行政犯

ぎょうせいはん ギヤウ― [3] 【行政犯】
行政上の目的のために定められた法規を守らなかったことにより違法とされる行為。道路交通法違反など。
→法定犯

行政監察

ぎょうせいかんさつ ギヤウ― [5] 【行政監察】
行政監査の一。行政機関および公共企業体などの業務を調査し,公正・能率・効果を確保するために改善の必要がある場合は勧告を行う。総務庁が所管している。

行政監査

ぎょうせいかんさ ギヤウ― [5] 【行政監査】
行政機関の事務・会計の執行が公正・適法に行われているかを調査し,勧告を行うこと。会計検査院・大蔵省・総務庁によるもの,各省庁内の業務監査などがある。

行政立法

ぎょうせいりっぽう ギヤウ―パフ [5] 【行政立法】
行政機関が,その行為・組織に関する基準を,具体的な処分の形式ではなく,一般的・抽象的な法規範として定めること。一般に国民の権利・義務に関するものを法規命令といい,その性質をもたないものを行政規則という。

行政管理庁

ぎょうせいかんりちょう ギヤウ―クワンリチヤウ [7] 【行政管理庁】
行政機関の機構および運営に関する基本事項の立案・調査・調整と行政監察を行なった総理府の外局。1984年(昭和59)総務庁の発足に伴い廃止。

行政組織

ぎょうせいそしき ギヤウ― [5] 【行政組織】
行政権の組織。国家行政組織・自治行政組織・委任行政組織の別があり,国家行政組織は内閣の統轄の下に法律によって定められる。
→行政組織[表]

行政罰

ぎょうせいばつ ギヤウ― [3] 【行政罰】
行政法上の義務違反に対して科する制裁。行政刑罰と秩序罰がある。

行政行為

ぎょうせいこうい ギヤウ―カウヰ [5] 【行政行為】
行政機関が具体的事実に関して,意思や認識・判断などを表示して法的規制をすること。行政上の許可・認可・免許・特許・禁止はこれにあたる。

行政裁判

ぎょうせいさいばん ギヤウ― [5] 【行政裁判】
行政上の法律関係についての争訟に関する裁判。また,行政裁判所が行う裁判。
→司法裁判

行政裁判所

ぎょうせいさいばんしょ ギヤウ― [0][9] 【行政裁判所】
行政事件のみの裁判をする特別裁判所。旧憲法では設置されていたが,現行憲法では認められていない。

行政規則

ぎょうせいきそく ギヤウ― [5][6] 【行政規則】
行政機関が,その行為・組織に関して定める一般的・抽象的な法規範のうち,国民の権利・義務にかかわらない,法規としての性質を持たない,行政権に当然に伴う機能として定めるものをいう。告示・訓令・通達など。行政命令。行政規程。
→法規命令

行政解剖

ぎょうせいかいぼう ギヤウ― [5] 【行政解剖】
法医解剖の一。伝染病・中毒・災害などにより死亡した疑いのある死体について,行政上の見地から死因を明らかにする必要がある場合に行う解剖。

行政訴訟

ぎょうせいそしょう ギヤウ― [5] 【行政訴訟】
行政官庁の行なった処分の適法性を争い,その処分の取り消しなどを求める訴訟。旧憲法下では,行政裁判所で行われる訴訟を意味した。現行憲法下では,通常の裁判所による行政事件の裁判(行政事件訴訟)をさす。

行政警察

ぎょうせいけいさつ ギヤウ― [5] 【行政警察】
衛生・交通・産業などについて,公共の安全と秩序維持のために行われる強制作用。司法警察・治安警察と区別される。一般警察機構によるほかに,厚生省・労働省などにより行使される。

行政財産

ぎょうせいざいさん ギヤウ― [5] 【行政財産】
国・地方公共団体により直接に行政の目的を遂行するために供される公有財産。
⇔財政財産

行文

こうぶん カウ― [0] 【行文】
文章を書き進める時の,語句の配りや文字の使いかた。「其―は花なく,其脚色は浅劣なれども/当世書生気質(逍遥)」

行方

ゆくえ【行方】
<do not know> where a person is;one's whereabouts.〜をくらます disappear.→英和
〜を捜す look[search] <for a person> .→英和
‖行方不明である be missing.

行方

ゆくえ [0] 【行方】
(1)行くべき方向。行くべき目当ての所。ゆくて。「―も定めずに歩きまわる」
(2)行った方向。去って行った先。「―がわからない」「―をくらます」
(3)これから。行く先。前途。将来。「―には幾多の困難がある」
(4)子孫。「是も咎(トガ)有りし人の―なれば/太平記 13」

行方不明

ゆくえふめい [4] 【行方不明】
行った先がわからないこと。消息・安否がわからないこと。

行旅

こうりょ カウ― [1] 【行旅】 (名)スル
旅行すること。また,その人。「遠方に―する人/西国立志編(正直)」

行旅病者

こうりょびょうしゃ カウ―ビヤウ― [4] 【行旅病者】
引き取って救護する者のいない旅行中の病人。行旅病人。

行星

こうせい カウ― [0] 【行星】
惑星の中国名。

行暮れる

ゆきく・れる [4] 【行(き)暮れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ゆきく・る
歩いていく途中で日が暮れる。「山中で―・れる」

行書

ぎょうしょ【行書】
a semi-cursive style (of penmanship).

行書

ぎょうしょ ギヤウ― [0] 【行書】
漢字の書体の一。楷書の画をやや崩した書体だが,楷書より先に発生した。行書体。行。
→楷書
→草書

行替

ぎょうがえ ギヤウガヘ [0] 【行替(え)】
文章の行をかえること。改行。

行替え

ぎょうがえ ギヤウガヘ [0] 【行替(え)】
文章の行をかえること。改行。

行末

ぎょうまつ ギヤウ― [0] 【行末】
文章の行の終わり。
⇔行頭

行李

こうり カウ― [1] 【行李・梱】
〔「行李」は使者の意〕
(1)竹または柳などで編み,衣類や旅行用の荷物などを入れるのに用いるかぶせ蓋(ブタ)つきの入れもの。こり。
(2)軍隊で,弾薬・食糧・器具などを運ぶ部隊。大行李と小行李があった。
(3)旅行用の荷物。旅じたく。転じて,旅。
行李(1)[図]

行李

こうり【行李】
a wicker trunk;baggage[ <英> luggage](荷物).→英和

行李柳

こりやなぎ [3] 【行李柳】
ヤナギ科の落葉低木。湿地に生え,水田で栽培される。枝は長く伸び,広線形の葉を対生または三個輪生する。春,葉に先だって紫褐色の花穂をつける。若枝で行李などを編む。

行来

ゆきき [2][0][3] 【行(き)来・往き来】 (名)スル
(1)行ったり来たりすること。往来。いきき。「人の―がとだえる」
(2)交際すること。いきき。「あの家とは昔から―している」

行来

いきき [2][0] 【行(き)来】 (名)スル
「ゆきき」に同じ。「道路を―する車」

行業

ぎょうごう ギヤウゴフ [0] 【行業】
〔仏〕
(1)行状。ふるまい。「我れ聖人の―を聞くに依りて/今昔 7」
(2)修行。修行による功徳。善果。「―いたらぬにこそと思ひて/沙石 6」

行楽

こうらく カウ― [0] 【行楽】
山野に出たりして,遊び楽しむこと。「―シーズン」「―客」

行楽

こうらく【行楽】
<go on> an excursion[a picnic].→英和
行楽客(地) a holidaymaker (holiday resort).→英和

行楽地

こうらくち カウ― [4][3] 【行楽地】
景色が美しく,行楽に適した所。

行構え

ぎょうがまえ ギヤウガマヘ [3] 【行構え】
⇒ゆきがまえ(行構)

行構え

ゆきがまえ [3] 【行構え】
漢字の構えの一。「術」「街」などの「行」の部分。道,または道を行く意を表す文字を作る。ぎょうがまえ。

行橋

ゆくはし 【行橋】
福岡県北東部,周防灘(スオウナダ)に臨む市。中心地の行事(ギヨウジ)は旧宿場町,大橋は市場町。米作・果樹栽培が盛ん。

行歩

ぎょうぶ ギヤウ― 【行歩】
歩くこと。歩行。ぎょうほ。「杖にかかりてつかれて―に能はず/今昔 1」

行歩

こうほ カウ― [1] 【行歩】 (名)スル
あるくこと。歩行。「杖に倚て―する/西国立志編(正直)」

行水

ぎょうずい【行水(をする)】
(have) a bath in the tub.→英和

行水

ぎょうずい ギヤウ― [0] 【行水】 (名)スル
(1)(夏の暑いときなどに)たらいに湯や日なた水を入れて汗を流すこと。[季]夏。「―を使う」
(2)(鳥などが水辺で)水浴びをすること。「烏の―」
(3)潔斎のため清水で体を洗い浄めること。

行水船

ぎょうずいぶね ギヤウ― [5] 【行水船】
浴槽を据えた船。江戸時代,停泊中の船の人々に銭を取って入浴させたもの。湯舟。

行法

ぎょうほう [0] 【行法】
□一□〔歴史的仮名遣い「ぎやうはふ」〕
法律を執行すること。
□二□〔歴史的仮名遣い「ぎやうほふ」〕
〔仏〕
〔古くは「ぎようぼう」〕
仏道を修行すること。また,その方法。「真言もよく習ひて―を断たず/今昔 13」

行渡り

ゆきわたり [0] 【行(き)渡り】
細かい点にまで配慮されていること。「女子どもの使ひやう出入りの者の―/十三夜(一葉)」

行渡る

ゆきわた・る [4] 【行(き)渡る】 (動ラ五[四])
(1)残る所なくすべてに及ぶ。広範囲に及ぶ。いきわたる。「全員に―・る」「細かい点にまで注意が―・っている」
(2)渡って行く。「川―・りいさなとり/万葉 3339」
(3)訪問する。
(4)事情をよく知っている。物事がよくわかる。「ずいぶんともに―・りたる米八なれど/人情本・辰巳園 3」

行渡る

いきわた・る [4] 【行(き)渡る】 (動ラ五[四])
「ゆきわたる」に同じ。「プリントが全員に―・る」

行火

あんか [0] 【行火】
〔「あん」は唐音〕
炭火を入れて手足を温めるために用いる暖房器具。普通,丸みを帯びた箱形の土器で,床(トコ)の中に入れたり,置きごたつとして用いる。[季]冬。
行火[図]

行火

あんか【行火(を入れる)】
(use) a foot warmer.

行灯

あんどん [0] 【行灯】
〔唐音〕
木や竹のわくに紙を貼り,中に油皿を入れて火をともす照明具。あんどう。

行灯

あんどう [0] 【行灯】
「あんどん(行灯)」に同じ。「―に油注しやや/浄瑠璃・油地獄(下)」

行灯水母

あんどんくらげ [5] 【行灯水母】
腔腸(コウチヨウ)動物ハチクラゲ綱のクラゲ。傘部は高さ約3センチメートル,幅約2.5センチメートルの立方形で,下端の角から6センチメートルほどの触手が四本出て,全体として行灯に似る。触手には強い毒があり,刺されると痛む。日本近海に広く分布,夏期に出現する。

行灯袴

あんどんばかま [5] 【行灯袴】
〔形が行灯に似ているところから〕
襠(マチ)のないスカート状の袴。最初は婦人用,のちには男も用いた。袋袴。女袴。

行灯部屋

あんどんべや [0] 【行灯部屋】
行灯をしまっておく部屋。階段下などの暗い狭い部屋があてられ,遊郭では遊興費の払えない客を一時押し込めておくのに用いた。

行為

こうい【行為】
an act;→英和
an action;→英和
a deed;→英和
behavior.→英和

行為

こうい カウヰ [1] 【行為】
(1)個人がある目的を持って意識的にするおこない。行動。ふるまい。しわざ。所為。
(2)〔哲〕 自由な意志に基づいて選択され,実行された身体的動作で道徳的評価の対象となるもの。
(3)法律上の効果を発生させる原因となる,人の自発的な意思活動。「不法―」
〔明治期の造語〕

行為地法

こういちほう カウヰ―ハフ [4] 【行為地法】
法律行為の行われる場所の法律。国際私法上,契約・婚姻などの準拠法として認められている。

行為法

こういほう カウヰハフ [3] 【行為法】
法人や自然人の行為を規律する法。企業活動に関する商行為法など。
→組織法

行為理論

こういりろん カウヰ― [4] 【行為理論】
社会学の基礎理論の一。行為者・目的・手段・状況などを所与とし,出来事を人々の行為またはその結果として分析・理解しようとする。

行為的直観

こういてきちょっかん カウヰ―チヨククワン [0] 【行為的直観】
西田哲学の用語。普通,認識と行為とは相反すると考えられるが,これが一如に結びついた認識即行為の働き。東洋的身心一如観を哲学的に表現したもの。

行為税

こういぜい カウヰ― [3] 【行為税】
法律的または経済的行為に課する租税。直接消費税・印紙税など。
→人税
→物税

行為能力

こういのうりょく カウヰ― [4] 【行為能力】
民法上,有効な法律行為を単独でなしうる能力。
→権利能力

行為規範

こういきはん カウヰ― [4] 【行為規範】
社会生活上当然行われるべき,または守られるべきものとされている規範。裁判規範に対する概念。

行燈

あんどん【行燈】
a lantern.→英和

行状

ぎょうじょう ギヤウジヤウ [0][3] 【行状】
(1)人の普段のおこない。身持ち。品行。「―を改める」
(2)「行状記」に同じ。

行状

ぎょうじょう【行状】
⇒行儀(ぎようぎ).

行状記

ぎょうじょうき ギヤウジヤウ― [3] 【行状記】
ある人物の行状を書き記したもの。

行狭

くだりせば 【行狭】 (形動ナリ)
文字の行間のせまいさま。「―に裏表書きみだりたるを/枕草子 294」

行用

こうよう カウ― [0] 【行用】
(1)「行使(コウシ)」に同じ。
(2)銀行の用務。

行田

ぎょうだ ギヤウダ 【行田】
埼玉県北部にある市。足袋(タビ)の産地で知られた。現在は電気機械工業が発達。

行疫神

ぎょうやくじん ギヤウヤク― 【行疫神】
疫病神(ヤクビヨウガミ)。

行省

こうしょう カウシヤウ 【行省】
〔「行中書省」の略〕
中国,元代の地方統治機関。財政・民政・軍政を統轄。明以後の省の名称はこれに由来。
→中書省

行着く

いきつ・く [3][0] 【行(き)着く】 (動カ五[四])
「ゆきつく」に同じ。「目的地に―・く」
[可能] いきつける

行着く

ゆきつ・く [3] 【行(き)着く】 (動カ五[四])
(1)長い道のりをへて目的の土地に達する。いきつく。「やっと家に―・く」
(2)いろいろな状況をへて最後の状態になる。いきつく。「―・くところは知れている」
(3)すっかり愛情のとりこになる。ほれこんでしまう。いきつく。「かの男に―・いて毎日百通二百通/浄瑠璃・嫗山姥」
(4)財産をすっかり使い果たす。いきつく。「これではよつぽど―・きさうなものと思ひのほか,なみはづれて大金を使ふゆゑ/黄表紙・金生木」
(5)一面に付着する。「白き物―・かぬ所は/枕草子 3」
[可能] ゆきつける

行程

こうてい カウ― [0] 【行程】
(1)目的地までの距離。みちのり。「八時間の―」「―がはかどる」
(2)旅行の日程。
(3)往復機関で,シリンダー内をピストンが一端から他端まで動く距離。ストローク。衝程。

行程

こうてい【行程】
(a) distance;→英和
a <day's> journey <from here> ;→英和
《機》a stroke.→英和

行程体積

こうていたいせき カウ― [5] 【行程体積】
シリンダー内のピストンの往復運動によって生ずるシリンダー内容積の変化量。

行立つ

ゆきた・つ [3] 【行(き)立つ】 (動タ五[四])
生活できる。暮らしが成り立つ。いきたつ。「内職では生活が―・たない」

行章

こうしょう カウシヤウ [0] 【行章】
銀行の記章。

行端

いきは 【行端】
行った所。行くべき所。ゆくえ。「先の―もおぼつかなし/浄瑠璃・重井筒(中)」

行筆

こうひつ カウ― [0] 【行筆】
筆で文字を書くこと。

行粧

ぎょうそう ギヤウサウ 【行装・行粧】
外出や旅のときの服装。旅の装束。「路次の―例に替りて/太平記 11」

行縢

むかばき [0] 【行縢・行騰】
〔「向か脛(ハギ)」にはく意〕
旅行や狩りなどの際に足をおおった布また革。型・丈・材質などは用途や時代によって異なる。平安末期から武士は狩猟・騎乗などの際には,腰から足先までの長さの鹿皮のものを着用。現在も流鏑馬(ヤブサメ)の装束に用いる。
行滕[図]

行纏

はばき 【脛巾・行纏】
〔「脛穿(ハギハキ)」の転という〕
脛(スネ)に巻き付けてひもで結び,脚を保護して歩行時の動作をしやすくするために用いたもの。後世の脚絆(キヤハン)に当たる。はばきも。「蹈皮(タビ)―脱がせ足洗うて/太平記 2」
脛巾[図]

行者

ぎょうじゃ ギヤウ― [1][0] 【行者】
(1)仏教の修行をしている者。修行者。修験者。
(2)修験道の修行を行う者。山伏。
(3)民間信仰でさまざまの神秘的な能力を発揮する宗教者。
(4)「あんじゃ(行者)」に同じ。
(5)役行者(エンノギヨウジヤ)のこと。

行者

あんじゃ [1] 【行者】
〔「あん」は唐音〕
禅寺で,種々の雑用をつとめる者。

行者

ぎょうじゃ【行者】
an ascetic;→英和
a hermit (隠者).→英和

行者之水

ぎょうじゃのみず ギヤウ―ミヅ [0] 【行者之水】
ブドウ科の落葉つる性小木本。山地に自生。葉は三角状卵形。つるを切ると水が出るのでこの名がある。果実は,黒く熟し食べられる。サンカクヅル。

行者参り

ぎょうじゃまいり ギヤウ―マヰリ [4] 【行者参り】
修験者が修行のために大和国金峰山の蔵王権現に参詣すること。山上(サンジヨウ)参り。山上詣(モウ)で。大峯(オオミネ)入り。

行者堂

ぎょうじゃどう ギヤウ―ダウ [0] 【行者堂】
役行者(エンノギヨウジヤ)をまつった堂。

行者葫

ぎょうじゃにんにく ギヤウ― [4] 【行者葫】
ユリ科の多年草。深山の林中に自生。根生葉は狭長楕円形。初夏,花茎を立て,白色の小花を多数散状につける。地下にラッキョウのような鱗茎(リンケイ)があり,ニンニク臭が強いが食用になる。

行者講

ぎょうじゃこう ギヤウ―カウ [0] 【行者講】
大和国吉野の金峰山(キンプセン)の蔵王権現に参詣する信者の組合。山上講(サンジヨウコウ)。「山上参りの―のと今年も身どもが手から四貫六百/浄瑠璃・油地獄(中)」

行脚

ゆきあし [0] 【行(き)足・行(き)脚】
(船などが)それまでの勢いで走り続けること。いきあし。「―が止まる」

行脚

あんぎゃ【行脚(する)】
(go on) a walking tour;(go on) (a) pilgrimage.→英和

行脚

あんぎゃ [1][0] 【行脚】 (名)スル
〔唐音〕
(1)〔仏〕 僧が修行のために諸国を歩きまわること。「西国を―する」
(2)徒歩で諸国を旅すること。「全国―」

行脚僧

あんぎゃそう [3] 【行脚僧】
修養あるいは教導のために諸国をめぐる僧。雲水。

行色

こうしょく カウ― [0] 【行色】
旅立とうとすること。また,その気配。

行草

ぎょうそう ギヤウサウ [0][1] 【行草】
行書と草書。

行蔵

こうぞう カウザウ [0] 【行蔵】
〔論語(述而)〕
世に出て道を行うことと,隠遁し世に出ないこと。出処進退。

行行

こうこう カウカウ [0] 【行行】 (形動タリ)
次第に進んでゆくさま。行き行くさま。「―竟に旧都に入る/日本風景論(重昂)」

行行子

ぎょうぎょうし ギヤウギヤウ― [3] 【行行子・仰仰子】
〔鳴き声から〕
ヨシキリの異名。[季]夏。《―大河はしんと流れけり/一茶》

行衣

ぎょうい ギヤウ― [1] 【行衣】
行者などが身につける白衣。

行装

ぎょうそう ギヤウサウ 【行装・行粧】
外出や旅のときの服装。旅の装束。「路次の―例に替りて/太平記 11」

行装

こうそう カウサウ [0] 【行装】
旅行の際の服装。旅のよそおい。旅装。ぎょうそう。

行詰まり

ゆきづまり [0] 【行(き)詰まり】
(1)道がさえぎられて,それ以上進めなくなった所。ゆきどまり。いきづまり。「―の路地」
(2)それ以上進展しなくなった状態。いきづまり。「交渉の―を打開する」「仕事に―を感ずる」

行詰まる

ゆきづま・る [4] 【行(き)詰まる】 (動ラ五[四])
(1)道がなくなって先へ進めなくなる。ゆきどまる。いきづまる。「道が―・る」
(2)物事が進展しなくなる。いきづまる。「仕事が―・る」「交渉が―・る」

行詰める

ゆきつ・める [4] 【行(き)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 ゆきつ・む
〔「ゆきづめる」とも〕
それ以上先に進めない所まで行く。「崖(ガケ)の突端まで―・める」

行賞

こうしょう カウシヤウ [0] 【行賞】
(功績に対して)賞を与えること。「論功―」

行足

ゆきあし [0] 【行(き)足・行(き)脚】
(船などが)それまでの勢いで走り続けること。いきあし。「―が止まる」

行跡

こうせき カウ― 【行跡】
「ぎょうせき(行跡)」に同じ。「言葉ノ―ニ違ウ時ワ/天草本伊曾保」

行跡

ぎょうせき ギヤウ― [0] 【行跡】
日頃のおこない。身持ち。行状。

行路

こうろ カウ― [1] 【行路】
(1)道を行くこと。また,旅行すること。
(2)人として生きてゆく道すじ。世に処すること。世わたり。「人生―」
(3)通り道。道すじ。「尸(カバネ)は―に横(ヨコタワツ)て/太平記 10」

行路

こうろ【行路】
a path;→英和
a course.→英和
‖行路病者 a charity patient.人生行路 life's journey.

行路病者

こうろびょうしゃ カウ―ビヤウ― [4] 【行路病者】
「行旅(コウリヨ)病者」に同じ。

行路難

こうろなん カウ― [3] 【行路難】
〔白居易「太行路」〕
世渡りの困難なことをゆききの道の困難にたとえる語。

行軍

こうぐん【行軍】
a march;→英和
marching.〜する march.

行軍

こうぐん カウ― [0] 【行軍】 (名)スル
軍隊が徒歩で長距離を移動すること。「隊伍を組んで―する」

行軍将棋

こうぐんしょうぎ カウ―シヤウ― [5] 【行軍将棋】
児童用のゲームの一。将兵・兵種・兵器など強弱の定まった駒を伏せて交互に進め,両軍の駒が出合うと,第三者が判定して,弱い方をのぞく。敵の本陣に入れば勝ちとなる。軍人将棋。

行迷う

ゆきまよ・う [4] 【行(き)迷う】 (動ワ五[ハ四])
どう進んでよいかわからなくなる。道に迷う。「茫然と―・つて居た処を/あめりか物語(荷風)」

行通い

ゆきかよい [0] 【行(き)通い】
行ったり来たりすること。交際。「兄と縁を切つて仕舞つて,―なし/真景累ヶ淵(円朝)」

行通う

ゆきかよ・う [4] 【行(き)通う】 (動ワ五[ハ四])
(1)ある地点を行ったり来たりする。いきかよう。「川を―・う舟」
(2)互いに訪れたり訪れられたりして親しくつきあう。いきかよう。「隔てなく―・った隣どうし」

行進

こうしん【行進】
a march;→英和
a parade.→英和
〜する march;(march in) parade.‖結婚(葬送)行進曲 a wedding (funeral) march.

行進

こうしん カウ― [0] 【行進】 (名)スル
人や車馬などが隊列を組んで進むこと。「デモ―」「堂々と―する」

行進曲

こうしんきょく カウ― [3] 【行進曲】
隊列の行進に用いられる曲。また,隊列の行進を描写した楽曲。規則正しい二拍子系。軍楽や儀式の音楽が多い。マーチ。
→行進曲/「威風堂々」第1番(エルガー)[音声]

行過ぎ

ゆきすぎ [0] 【行(き)過ぎ】 (名・形動)[文]ナリ
(1)目的の場所を越えて行くこと。いきすぎ。
(2)度を超す・こと(さま)。いきすぎ。「警備の―」「ちょっと―な発言と思うが」

行過ぎ

いきすぎ [0] 【行(き)過ぎ】 (名・形動)
「ゆきすぎ」に同じ。「そこまで言うのは―だ」

行過ぎる

いきす・ぎる [4] 【行(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 いきす・ぐ
「ゆきすぎる」に同じ。「店に気付かないで―・ぎた」

行過ぎる

ゆきす・ぎる [4] 【行(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 ゆきす・ぐ
(1)とおりすぎる。通過する。いきすぎる。「家の前を―・ぎる」
(2)目的の場所よりも先へ行く。いきすぎる。「―・ぎて引き返す」
(3)度を超す。いきすぎる。「―・ぎたことをする」

行道

ゆきみち [0] 【行(き)道・行き路】
(1)行くときの道。往路。
(2)費やしたもののゆくえ。つかいみち。「知れてはあれど,金子(キンス)の―/人情本・梅児誉美 4」

行道

ぎょうどう ギヤウダウ [0] 【行道】 (名)スル
〔仏〕
(1)仏道を修行すること。「七日が間,共に―して懺悔を致す/今昔 9」
(2)列を作って読経しながら本尊や仏堂の周りを右に回って供養礼拝すること。回る対象により,遶仏(ニヨウブツ)・遶堂などともいう。
(3)経文を唱えながら屋外を歩くこと。
(4)「経行(キヨウギヨウ)」に同じ。

行道面

ぎょうどうめん ギヤウダウ― [3] 【行道面】
「行道{(2)}」のとき僧尼がつける仮面。菩薩面・八部衆・二十八部衆・十二天などがある。

行違い

ゆきちがい [0] 【行(き)違い】
(1)人や物がすれちがって出会わないこと。いきちがい。「―になる」「返事の手紙と―にまた催促の手紙がきた」
(2)意思が通じなかったりして,食いちがいや誤解がおこること。いきちがい。「会談は―に終わった」「相互の理解に―があった」

行違い

いきちがい [0] 【行(き)違い】
「ゆきちがい」に同じ。「ちょっとの差で―になる」

行違い様

ゆきちがいざま [0] 【行(き)違い様】
行きちがう瞬間。すれちがいざま。

行違う

いきちが・う [4][0] 【行(き)違う】 (動ワ五[ハ四])
「ゆきちがう」に同じ。「車で―・う」
[可能] いきちがえる

行違う

ゆきちが・う [4][0] 【行(き)違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)道や時間がずれるなどして,相手と会えずにすれちがう。いきちがう。「途中で―・う」
(2)互いに別の方向に進む。いきちがう。「―・った車に知人が乗っていた」「大空には叢雲(ムラクモ)―・ひ/谷間の姫百合(謙澄)」
(3)意思が通じなかったりして食いちがいがおきる。いきちがう。「話が―・ってわけがわからなくなる」
■二■ (動ハ下二)
⇒ゆきちがえる

行違え

ゆきちがえ [0] 【行(き)違え】
「ゆきちがい(行違)」に同じ。「行く先々で―になる」

行違える

ゆきちが・える [5][0] 【行(き)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ゆきちが・ふ
行く方向を誤る。まちがった道を行く。いきちがえる。「道を―・える」

行金

こうきん【行金】
bank money.

行録

こうろく カウ― [0] 【行録】
⇒あんろく(行録)

行録

あんろく [0] 【行録】
〔仏〕 禅宗で,弟子が師の修行の経歴を記録した伝記の一種。

行間

ぎょうかん【行間】
an interlinear space.〜をあける leave space between lines.〜の意味を読む read between the lines.

行間

ぎょうかん ギヤウ― [0] 【行間】
文章の行と行の間。

行阿

ぎょうあ ギヤウア 【行阿】
鎌倉末期の歌学者・語学者。本名,源知行。家学の源氏物語研究を継承し,また祖父親行が起稿した仮名遣い書を増補し,「仮名文字遣」を撰述。定家仮名遣い,また行阿仮名遣とも呼ばれて,歌人の間で用いられた。生没年未詳。
→仮名文字遣(カナモジヅカイ)

行障

こうしょう カウシヤウ [0] 【行障】
天皇の御幸や遷宮途上の御神体などの幸路でその前後左右を囲う遮蔽用の幕。

行雲

こううん カウ― [0] 【行雲】
空をよぎる雲。ただよう雲。

行雲流水

こううんりゅうすい カウ―リウ― [0] 【行雲流水】
空行く雲や流れる水のように,一事に執着せず,自然にまかせて行動すること。

行革

ぎょうかく ギヤウ― [0] 【行革】
「行政改革(ギヨウセイカイカク)」の略。

行革審

ぎょうかくしん ギヤウ― [4] 【行革審】
行政改革の方向を検討するための首相の諮問機関。正称,臨時行政改革推進審議会。1983年以降,三次にわたって設置。

行頭

ぎょうとう ギヤウ― [0] 【行頭】
文章などの行のはじめ。
⇔行末

行願寺

ぎょうがんじ ギヤウグワン― 【行願寺】
⇒革堂(コウドウ)

行香

ぎょうごう ギヤウガウ [0] 【行香】
〔仏〕
(1)法会(ホウエ)の時,焼香させるため,台に香と香炉をのせて衆僧の間を巡り香を配ること。また,その役目の人。朝廷の大法会では殿上人がこの役を務めた。
(2)堂内を歩きながら焼香すること。

行騰

むかばき [0] 【行縢・行騰】
〔「向か脛(ハギ)」にはく意〕
旅行や狩りなどの際に足をおおった布また革。型・丈・材質などは用途や時代によって異なる。平安末期から武士は狩猟・騎乗などの際には,腰から足先までの長さの鹿皮のものを着用。現在も流鏑馬(ヤブサメ)の装束に用いる。
行滕[図]

えん [1] 【衍】
「衍字」の略。

衍入

えんにゅう [0] 【衍入】
もともとの本文に誤って余計な文字(衍字)や語句(衍文)が挿入されること。

衍字

えんじ [0] 【衍字】
〔「衍」はあまる意〕
文章の中に誤って入った余計な文字。衍。

衍文

えんぶん [0] 【衍文】
文章中に混入した余計な文。

衍義

えんぎ [1] 【衍義】
意味を推し広めて詳しく説くこと。意味を敷衍(フエン)して説くこと。また,その説いたもの。

衒い

てらい テラヒ [2][0] 【衒い】
てらうこと。ひけらかすこと。「―のない素直な文体」

衒い

てらい【衒い】
何の〜もなく unpretentiously.

衒う

てらう【衒う】
[誇示]show off;make a show of;be pedantic (学問を).

衒う

てら・う テラフ [2][0] 【衒う】 (動ワ五[ハ四])
〔「照らふ」の意〕
(1)ことさらに才能や知識をひけらかす。また,実際以上によく見せかける。「学識を―・う」「奇を―・う」
(2)誇る。みせびらかす。「人―・ふ馬の八匹(ヤツギ)は惜しけくもなし/日本書紀(雄略)」

衒さふ

てらさ・う テラサフ 【照らさふ・衒さふ】 (動ハ四)
〔動詞「てらす(照らす)」に助動詞「ふ」が付いたものから〕
物をはっきり見せるようにする。みせびらかす。てらう。「里ごとに―・ひあるけど人も咎めず/万葉 4130」

衒奇

げんき [1] 【衒奇】
奇をてらうこと。奇矯なわざとらしいふるまいをすること。

衒妻

げんさい 【幻妻・衒妻】
(1)〔香具師(ヤシ)の隠語〕
妻。女。「おれががんばつて置いた,めんかのまぶい―の事よ/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(2)女を卑しめていう語。「やくたいなる―めと,握りこぶしでつづけぶち/滑稽本・当世阿多福仮面」

衒学

げんがく【衒学】
pedantry.〜的(な人) pedantic (a pedant).

衒学

げんがく [0] 【衒学】
学識を誇り,ことさらにひけらかすこと。ペダントリー。

衒学的

げんがくてき [0] 【衒学的】 (形動)
学者ぶるさま。学識をひけらかすさま。ペダンチック。「―な態度」

衒気

げんき [1] 【衒気】
自分の学問や才能をひけらかしたがる気持ち。てらい。「―のある人」

衒示的消費

げんじてきしょうひ [6] 【衒示的消費】
〔conspicuous consumption〕
自分が財産家であることを誇示する,高価で豪華な消費。T = B =ベブレンが唱えた。誇示的消費。

衒耀

げんよう [0] 【衒耀】 (名)スル
才能を実際以上に見せかけること。「之をして大世界に誇号し,―し/真善美日本人(雪嶺)」

じゅつ【術】
an art;→英和
a technique;→英和
[魔術]witchcraft;→英和
magic.→英和
〜を使う practice magic.→英和

じゅつ [2][1] 【術】
(1)わざ。技能。「―の優劣をあらそう」「身をまもる―」「蘇生―」
(2)不思議なわざ。妖術。魔術。「―にかかる」「火遁(カトン)の―」

ばけ 【術】
〔「ばけ(化)」と同源。「はけ」とも〕
てだて。はかりごと。「必ず善き―有らむ/日本書紀(神代下訓)」

すべ [1][2] 【術】
手段。方法。「なす―を知らない」「もはや施す―がない」

すべ【術】
a way;→英和
a means.→英和
施す〜を知らない be at a loss <what to do> ;→英和
be at one's wit's end.

術よく

すべよく 【術よく】 (副)
手ぎわよく。「―おれに渡さにやあ,腕づくでも取らにやならねえ/歌舞伎・三人吉三」

術中

じゅっちゅう [0] 【術中】
相手の仕掛けたはかりごと・わざの中。「―におちいる」「―にはまる」

術中に陥る

じゅっちゅう【術中に陥る】
fall into[be caught in]a trap <of> .→英和

術前

じゅつぜん [0] 【術前】
手術する前。「―の処置」

術士

じゅつし [1] 【術士】
巧みに計略をめぐらす人。策士。

術後

じゅつご [0][1] 【術後】
手術が終わったあと。「―の経過」

術数

じゅっすう [3][0] 【術数】
(1)はかりごと。計略。策略。「権謀―」
(2)陰陽・卜占・暦数などの諸種の術。

術無い

じゅつな・い [3] 【術無い】 (形)[文]ク じゆつな・し
〔古くは「ずちなし」「ずつなし」とも。主に関西地方で用いる〕
仕方がない。しようがない。せつなくつらい。「頭が痛くて―・いわ」「両方の板挟みになつて,真実に―・かつたわな/縁(弥生子)」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)

術無い

ずつな・い 【術無い】 (形)[文]ク ずつな・し
〔「ずちなし」の転。中世・近世語〕
どうしようもない。くるしい。つらい。じゅつない。「ああ―・い母様々々/浄瑠璃・油地獄(中)」

術無し

すべな・し 【術無し】 (形ク)
なすべき手段がない。しかたがない。「かくばかり―・きものか世の中の道/万葉 892」

術無し

ずちな・し 【術無し】 (形ク)
なすすべがなく苦しい。どうにもならない。じゅつなし。ずつなし。「持ちて候物を故なく召され候はば,―・きことに候ひなん/宇治拾遺 1」

術科学校

じゅっかがっこう ジユツクワガクカウ [4] 【術科学校】
海上自衛隊・航空自衛隊で,各職種(術科)を初・中級幹部に教育する学校。

術策

じゅっさく【術策】
an artifice;→英和
a stratagem;→英和
a trick.→英和
〜に富む be resourceful.〜を弄(ろう)する resort to tricks.

術策

じゅっさく [0] 【術策】
はかりごと。計略。謀略。策謀。

術者

じゅっしゃ [1] 【術者】
(1)手術や療法を行う人。施術者。
(2)妖術・忍術などの術を行う人。

術計

じゅっけい【術計】
an artifice;→英和
a stratagem.→英和
〜に陥る fall into one's snare;be trapped.

術計

じゅっけい [0] 【術計】
はかりごと。術策。「―にはまる」

術語

じゅつご [0] 【術語】
〔technical term〕
学問・技術などの分野で,特に定義され限定されて,用いられる語。専門語。学術語。テクニカル-ターム。

術語

じゅつご【術語】
a technical term.

術道

じゅつどう [0] 【術道】
祈祷(キトウ)・修験などの術。

−がい【−街】
a street;→英和
a district (地区).→英和

まち [2] 【町・街】
〔(9)が原義〕
(1)人が多く集まり住んでいる所。「―に働きに出る」
(2)商店の多く並んだ区域。にぎやかな街区。「―へ買い物に行く」「ファッションの―」
(3)地方公共団体の一。「ちょう(町)」に同じ。《町》「―役場」
(4)市や区を構成する小区画。《町》「千代田区麹(コウジ)―」
(5)市街地で,道路で囲まれた一区画。「―ひとつに檜皮の大殿・廊・渡殿・倉・板屋など,いとおほく建てたる/宇津保(藤原君)」
(6)宮殿・邸宅内の一区画。「姫君のおはします―はいと異に,何の草木も様異に/寝覚 5」
(7)等級。階級。「かみの―も上臈とて/源氏(宿木)」
(8)市場。また,店舗。「―に魚を買に遣つ/今昔 12」
(9)区画した田地。田の区画。[和名抄]

街上

がいじょう [0] 【街上】
まちなかの路上。道ばた。ちまた。

街区

がいく [1] 【街区】
街路に囲まれた市街の一区画。ブロック。

街商

がいしょう [0] 【街商】
露天商。

街娼

がいしょう【街娼】
a streetwalker;→英和
a prostitute.→英和

街娼

がいしょう [0] 【街娼】
街頭で客を引いて,売春する女。

街宣

がいせん [0] 【街宣】
街頭で行う宣伝。街頭宣伝。「―車」

街庄

がいしょう [0] 【街庄】
台湾の行政区画の名。日本統治時代に用いた。町・村に当たる。

街明かり

まちあかり [3] 【街明(か)り】
夜,遠くに見える街の電灯・ネオンなどのあかり。

街明り

まちあかり [3] 【街明(か)り】
夜,遠くに見える街の電灯・ネオンなどのあかり。

街村

がいそん [0] 【街村】
集村の一形態。街道沿いに住家が帯状に発達した集落。宿場町・市場町・門前町などにみられる。

街渠

がいきょ [1] 【街渠】
街路上の雨水などが流れ込むように作られた道路わきのみぞ。側溝。

街灯

がいとう【街灯】
a streetlamp[-light].〜の柱 a lamppost.→英和

街灯

がいとう [0] 【街灯】
道路を明るくするため,道ばたに設ける電灯。街路灯。

街衢

がいく [1] 【街衢】
〔「衢」はみちの意〕
人家や店の並ぶ土地。ちまた。まち。「―の地割の井然たるは/即興詩人(鴎外)」

街角

まちかど [0] 【町角・街角】
(1)街路の曲がりかど。「―を曲がる」
(2)街頭。「―でタクシーをひろう」「―の話題」

街談

がいだん [0] 【街談】
〔漢書(芸文志)〕
まちのうわさ。世間の話。

街談巷説

がいだんこうせつ [0] 【街談巷説】
ちまたのうわさ。

街路

がいろ [1] 【街路】
町なかにある広いみち。「―灯」

街路

がいろ【街路】
a street;→英和
an avenue;→英和
a road.→英和
街路樹 street[roadside]trees.

街路園

がいろえん [3] 【街路園】
十字路や駅前など,街路の広場に泉石などを設けてつくった庭園風の植え込み。

街路樹

がいろじゅ [3] 【街路樹】
都市の美観や環境の向上・保全のため,街路に沿って列植された樹木。

街道

かいどう [0] 【街道】
(1)交通上,重要な道路。日光街道・甲州街道など。
→海道
(2)人の歩む道。「出世―」「人生の裏―」

街道

かいどう【街道】
a highway;→英和
a road.→英和
青梅街道 the Ome Road.

街道湯漬

かいどうゆづけ 【街道湯漬(け)】
(1)街道の茶屋などで旅人に食べさせた,簡単な湯漬け飯。
(2)ありきたりの,誠意のないもてなし。「―の,義理一遍の御馳走は/洒落本・南閨雑話」

街道湯漬け

かいどうゆづけ 【街道湯漬(け)】
(1)街道の茶屋などで旅人に食べさせた,簡単な湯漬け飯。
(2)ありきたりの,誠意のないもてなし。「―の,義理一遍の御馳走は/洒落本・南閨雑話」

街道筋

かいどうすじ [3] 【街道筋】
街道の道筋。「―の村」

街頭

がいとう【街頭】
<in,on> the street.→英和
‖街頭演説(募金) street oratory (a street collection of subscriptions).街頭録音 a street interview;a ‘Man on the Street' interview.

街頭

がいとう [0] 【街頭】
まちの路上。まちなか。

街頭劇

がいとうげき [3] 【街頭劇】
一般大衆を観客として,街頭で演じられる演劇。1960年代盛行。

街頭募金

がいとうぼきん [5] 【街頭募金】
駅前や繁華街などで道を行く人から募金すること。

街頭演説

がいとうえんぜつ [5] 【街頭演説】
街頭で行われる演説。選挙運動のためにする街頭演説については,公職選挙法が規定する。

街頭録音

がいとうろくおん [5] 【街頭録音】
ラジオ放送で,その時々の問題に関する大衆の意見を街頭で録音し,放送する番組。街録。

衙府

がふ [1] 【衙府】
役所。官庁。官衙。

衙門

がもん [0] 【衙門】
役所。官庁。官衙。

えい ヱイ 【衛】
中国,周代の諸侯国の一。武王の弟康叔(コウシユク)を祖とし,朝歌(現,河南省内)に都した。紀元前209年秦に滅ぼされた。

衛兵

えいへい【衛兵】
<post> a guard;→英和
a sentinel.→英和

衛兵

えいへい ヱイ― [0] 【衛兵】
警備や取り締まりを任務とする兵士。番兵。衛卒。「―所」

衛卒

えいそつ ヱイ― [0] 【衛卒】
「衛兵」に同じ。

衛営

えいえい ヱイ― [0] 【衛営】
植物が葉などを落とし栄養を保って冬を越すこと。

衛士

えいし ヱイ― [1] 【衛士】
護衛の兵士。衛士(エジ)。

衛士

えじ ヱ― [1] 【衛士】
(1)律令制で,諸国の軍団から毎年(のち3年)交代で上京し,衛門府(エモンフ)・衛士府に配属されて,宮中の警護などにあたった兵士。
(2)誤って,「仕丁(ジチヨウ)」をいう。
(3)もと伊勢神宮司庁と熱田神宮に置かれていた警護の職員。衛士長は奏任官。

衛士府

えじふ ヱジ― 【衛士府】
律令制で,衛士を統率して,宮中の警護,行幸の護衛にあたった官府。左・右二府よりなる。811年に左・右衛門府と改称。

衛士籠

えじかご ヱジ― 【衛士籠】
〔衛士がたくかがり火の籠に形が似るところから〕
空薫(ソラダキ)に用いる道具。一寸(約3センチメートル)四方ほどの網に香をのせて針金の鉤(カギ)にかけ,火鉢などに刺して用いる。

衛尉

えいい ヱイヰ [1] 【衛尉】
中国,秦代の官名。九卿(キユウケイ)の一。宮門の護衛をつかさどった。

衛府

えふ ヱ― [1] 【衛府】
(1)奈良・平安時代に,宮中の警衛をつかさどった役所の総称。大宝令では衛門,左・右衛士,左・右兵衛の五府。811年以降,左・右近衛,左・右衛門,左・右兵衛の六衛府(ロクエフ)となった。衛府司。
(2)衛府に所属する武官。衛府司。

衛府

えいふ ヱイ― 【衛府】
⇒えふ(衛府)

衛府の太刀

えふのたち ヱフ― [1][1] 【衛府の太刀】
衛府の役人が身に着ける,柄に毛抜き形の飾りを設けた太刀。もとは警備用だったが,のちには装飾用となった。
衛府の太刀[図]

衛府佐

えふのすけ ヱフ― 【衛府佐】
衛府の次官の総称。近衛(コノエ)中・少将,兵衛(ヒヨウエ)佐,衛門(エモン)佐をいう。

衛府司

えふづかさ ヱフ― 【衛府司】
「衛府」に同じ。

衛府督

えふのかみ ヱフ― 【衛府督】
衛府の長官の総称。近衛(コノエ)大将・兵衛(ヒヨウエ)督・衛門(エモン)督をいう。

衛戍

えいじゅ ヱイ― [1][0] 【衛戍】
軍隊が常時駐屯して警備すること。

衛戍地

えいじゅち ヱイ― [3] 【衛戍地】
軍隊が衛戍勤務を行う一定の区域。

衛戍病院

えいじゅびょういん ヱイ―ビヤウヰン [4] 【衛戍病院】
旧陸軍で衛戍地に設けていた病院。

衛戍監獄

えいじゅかんごく ヱイ― [4] 【衛戍監獄】
旧陸軍で,衛戍地に設けていた監獄。

衛所

えいしょ ヱイ― [1] 【衛所】
守衛・衛兵のつめている場所。

衛所制度

えいしょせいど ヱイ― [4] 【衛所制度】
中国,明の兵制。戸籍を軍戸と民戸に分けた軍戸の方の編成制度。一一二人を百戸所とし,十百戸所を千戸所,五千戸所を一衛(五六〇〇人)とし,指揮使が統轄した。

衛星

えいせい【衛星】
《天》a satellite.→英和
‖衛星国 a satellite (state,nation).衛星船 a spacecraft.衛星中継 a satellite telecast;transmission via satellite.衛星都市 a satellite town[city].衛星放送 satellite broadcasting.

衛星

えいせい ヱイ― [0] 【衛星】
(1)惑星の周りを公転している天体。陪星(バイセイ)。太陽系内で最大の衛星は,木星の第三衛星(ガニメデ)。
(2)「人工衛星」の略。

衛星中継

えいせいちゅうけい ヱイ― [5] 【衛星中継】
通信衛星や放送衛星を使って,大陸間など遠隔地間のテレビ電波などの中継をすること。

衛星国

えいせいこく ヱイ― [3] 【衛星国】
大国の周辺にあって,内政・外交が事実上その国に支配されている国家。
〔第二次大戦後,東ヨーロッパ諸国を「ソ連の衛星国」と呼んだことから用いられるようになった〕

衛星放送

えいせいほうそう ヱイ―ハウ― [5] 【衛星放送】
静止軌道上の放送衛星( BS )および通信衛星( CS )が,地上局からの放送電波を受け,これを増幅して一般視聴者に直接送り届ける方式の放送。難視聴地域の解消や高品位テレビ放送などを目的に1989年(平成1)本放送開始。BS 放送。

衛星航法

えいせいこうほう ヱイ―カウハフ [5] 【衛星航法】
双曲線航法のうち,人工衛星を発信局に用いるもの。

衛星船

えいせいせん ヱイ― [0] 【衛星船】
人工衛星のうち,人間の乗ることのできるもの。1961年ソ連のボストーク一号により実現。

衛星通信

えいせいつうしん ヱイ― [5] 【衛星通信】
通信用の人工衛星を中継局として行う,遠隔地間の無線通信。マイクロ波などの短い波長の電波を用い,国際間の多重電話,データ通信,テレビ中継などを行う。

衛星速度

えいせいそくど ヱイ― [5] 【衛星速度】
物体が人工衛星となるのに必要な飛翔の最低速度。地上100キロメートルでは秒速約7.79キロメートル,地上1000キロメートルでは秒速約7.36キロメートル。第一宇宙速度。

衛星都市

えいせいとし ヱイ― [5] 【衛星都市】
大都市の周辺にあって,その機能の一部を分担している中小都市。

衛正斥邪

えいせいせきじゃ ヱイセイ― 【衛正斥邪】
朝鮮李朝末期の思想。元来は正学(朱子学)を守り,邪学(仏教や天主教など)を排斥するという内容であったが,欧米列強の侵略に直面して,欧米諸国を夷狄視して排斥し,鎖国を維持しようとする思想へと変化した。

衛氏朝鮮

えいしちょうせん ヱイシテウセン 【衛氏朝鮮】
古朝鮮の王朝の一。紀元前二世紀初め,燕(エン)の亡命者衛満が箕子(キシ)朝鮮を滅ぼして建国。都は王険城(現在の平壌)。漢の武帝の朝鮮遠征(紀元前108年)で滅びた。衛満朝鮮。

衛河

えいが ヱイ― 【衛河】
⇒永済渠(エイサイキヨ)

衛満

えいまん ヱイ― 【衛満】
衛氏朝鮮の建国者。中国,燕(エン)の人。漢の高祖に追われて朝鮮に入り,紀元前二世紀初め箕子(キシ)朝鮮を滅ぼし王険城(今の平壌)に都した。生没年未詳。

衛生

えいせい【衛生】
[健康]health;→英和
hygiene;→英和
sanitation.→英和
〜的 hygienic;→英和
sanitary.→英和
〜に良い(悪い) good (bad) for health.‖衛生学 hygienics.衛生士 a (dental) hygienist.衛生試験所 a hygienic laboratory.衛生施設 sanitary facilities.公衆衛生 public health.

衛生

えいせい ヱイ― [0] 【衛生】
(身の回りを清潔にして)健康を保ち,病気にかからないようにすること。「―に気をつける」「―上よくない」

衛生学

えいせいがく ヱイ― [3] 【衛生学】
医学の一分野。個人および公衆の健康維持・向上,疾病予防などを目的とする学問。遺伝・伝染病・環境・社会的要因などが人間に及ぼす影響を研究する。

衛生害虫

えいせいがいちゅう ヱイ― [5] 【衛生害虫】
吸血したり毒針・毒毛で刺したりして人間に害を与え,生活環境を悪化させ,伝染病などの病原を伝播・媒介する昆虫やダニ類。ノミ・シラミ・ブユ・ドクガ・スズメバチ・ハエ・ゴキブリ・ダニなど。家畜に対して同様の害を加えるものを含めることが多い。

衛生検査技師

えいせいけんさぎし ヱイ― [8] 【衛生検査技師】
国家試験により免許を受け,医師の指導・監督のもとに細菌学的・血清学的・血液学的・病理学的な諸検査を行う者。
→臨床検査技師

衛生的

えいせいてき ヱイ― [0] 【衛生的】 (形動)
清潔で,健康を保ち病気を防ぐのにふさわしいさま。「―な台所」「―な店」

衛生管理者

えいせいかんりしゃ ヱイ―クワンリ― [7] 【衛生管理者】
事業場で,労働環境の整備・改善や健康管理を担当する者。労働安全衛生法により,配置が義務づけられている。

衛生行政

えいせいぎょうせい ヱイ―ギヤウ― [5] 【衛生行政】
国民の健康の維持促進に関し,国および地方公共団体などが広く衛生上の見地から行う行政。

衛生試験所

えいせいしけんじょ ヱイ― [0][8] 【衛生試験所】
飲食物・薬品・水質・化粧品など,衛生に関する試験・分析などを行う機関。国立のほか,政令指定都市におかれている。都道府県の場合は衛生研究所と称する。

衛生警察

えいせいけいさつ ヱイ― [5] 【衛生警察】
国民の健康を保全するため,その障害を予防・排除する警察作用。食品衛生法による飲食物その他の取り締まり,医師法などに基づく医薬の取り締まりなどがある。

衛生車

えいせいしゃ ヱイ― [3] 【衛生車】
屎尿(シニヨウ)をホースでくみ取る自動車。バキューム-カー。

衛生陶器

えいせいとうき ヱイ―タウ― [5] 【衛生陶器】
建築の衛生設備に用いられる陶磁器製器具の総称。洗面器・便器・流しなど。

衛視

えいし ヱイ― [1] 【衛視】
国会において,院内警護の職務を行う国会職員。議長の指示のもとに院内秩序維持にあたる。

衛護

えいご ヱイ― [1] 【衛護】 (名)スル
付き添い守ること。護衛。

衛門

えもん ヱ― [1] 【衛門】
(1)「衛門府」の略。
(2)「右衛門(ウエモン)」の略。

衛門の陣

えもんのじん ヱ―ヂン 【衛門の陣】
左右衛門府の役人の詰め所。左衛門の陣は建春門内に,右衛門の陣は宜秋(ギシユウ)門内にあった。

衛門大夫

えもんのたいふ ヱ― 【衛門大夫】
本来は六位に相当する衛門の尉(ジヨウ)で,五位に叙せられたもの。

衛門府

えもんふ ヱ― [2] 【衛門府】
律令制の官名で,六衛府(ロクエフ)の一。衛士を率いて宮城諸門の警護・開閉を行い,行幸の際に供奉(グブ)する武官の役所。左右の二衛門府があった。靫負司(ユゲイノツカサ)。金吾。

衛青

えいせい ヱイセイ 【衛青】
(?-前106) 中国,前漢の将軍。諡(オクリナ)は烈侯。武帝の妃の弟。匈奴(キヨウド)との戦いに功をあげ,甥(オイ)の霍去病(カクキヨヘイ)とともに大司馬に任ぜられた。

しょう [1] 【衝】
(1)通路。また,重要な地点。
(2)重要な立場。大切な役目。
(3)太陽と外惑星との黄経の差が一八〇度となる現象およびその時刻。外惑星はこの時刻の近くで地球に最も接近する。
→合(ゴウ)

衝き動かす

つきうごか・す [5] 【突(き)動かす・衝き動かす】 (動サ五[四])
突いて動かす。また,強い刺激を与えて,そうしようという気持ちにさせる。「彼女の情熱に―・される」

衝に当たる

しょう【衝に当たる】
be in charge <of> ;bear the brunt <of> .→英和

衝上断層

しょうじょうだんそう シヨウジヤウ― [5] 【衝上断層】
逆断層の一。上盤が下盤の上に低角度でのし上がった断層の称。突き上げ断層。

衝動

しょうどう【衝動】
an impulse.→英和
〜的に impulsively;→英和
on the spur of the moment.→英和
〜に駆られる be driven by an impulse.→英和
‖衝動買い impulse buying.衝動買いをする buy a thing on impulse.

衝動

しょうどう [0] 【衝動】 (名)スル
〔impulse〕
(1)強く心をつき動かすこと。また,そのように働きかける力。ショック。「その事件は人々に大きな―を与えた」「此の事如何に吾が精神を―したるぞ/欺かざるの記(独歩)」
(2)よく考えないで,発作的・本能的に行動しようとする心の動き。「一時の―に駆られる」

衝動タービン

しょうどうタービン [5] 【衝動―】
ノズルから噴出した蒸気などの気体を,回転羽根に吹きつけて回すタービン。
→反動タービン

衝動水車

しょうどうすいしゃ [5] 【衝動水車】
ノズルからの噴出水を水車のバケットに当てて回転させる水車。ペルトン水車など。
→反動水車

衝動的

しょうどうてき [0] 【衝動的】 (形動)
ふと心をつき動かされて行動するさま。「―な行動」「―に走り出す」

衝動買い

しょうどうがい [0] 【衝動買い】 (名)スル
よく考えもせず,その場の欲しいという気持ちだけで買ってしまうこと。

衝口発

しょうこうはつ 【衝口発】
史論書。一巻。藤貞幹(トウテイカン)著。1781年刊。日本古代の諸事を論じて,年紀の600年延長されていることやすべての起源を韓に求めるべきであることを述べる。

衝天

しょうてん [0] 【衝天】
天をつくこと。勢いの盛んなこと。「意気―」

衝心

しょうしん [0] 【衝心】 (名)スル
⇒脚気衝心(カツケシヨウシン)

衝撃

しょうげき [0] 【衝撃】 (名)スル
(1)激しく突き当たること。また,それによって起こる刺激。「後頭部に―を感じた」「日本海の浪濤這般(シヤハン)の岩石を―し/日本風景論(重昂)」
(2)思いがけない出来事によって起こる,心の激しい動き。「全世界に大きな―を与えた事件」
(3)物体に瞬間的に激しい力が加えられること。また,その力。

衝撃

しょうげき【衝撃】
an impact;→英和
a shock.→英和
〜を与える (give a) shock.‖衝撃波 a shock wave.

衝撃吸収ステアリング

しょうげききゅうしゅうステアリング [10] 【衝撃吸収―】
自動車の衝突などで,運転者がハンドルにぶつかったときの衝撃を緩和したり,衝突によってハンドルが車室内に突き出さないような構造のステアリング装置。

衝撃波

しょうげきは [4][3] 【衝撃波】
通常の音速よりも速く伝播(デンバ)する,空気中に生じた急速な圧縮波。爆発によって起こる圧縮波や音速以上の速さで飛ぶ飛行体の頭部を頂点として円錐形に生ずる弾頭波など。

衝程

しょうてい [0] 【衝程】
⇒行程(コウテイ)(3)

衝突

しょうとつ【衝突】
a collision;→英和
a clash;→英和
a conflict.→英和
〜する run <against,into> ;→英和
collide[conflict] <with> ;→英和
clash <with> ;run counter.利害の〜 a clash of interests.‖正面(空中)衝突 a head-on (mid-air) collision.

衝突

しょうとつ [0] 【衝突】 (名)スル
(1)突き当たること。ぶつかること。「自動車が―する」「―事故」
(2)利害・意見などの相反するものが争うこと。「意見が―する」

衝突入り

つといり [0] 【衝突入り・突入り】
昔,他人の家に勝手に入り込んで,秘蔵の道具や妻女などを遠慮なく見るのを許された行事。陰暦七月一六日,伊勢山田地方で行われていたものが有名。

衝立

ついたて【衝立】
a screen.→英和

衝立

ついたて [0] 【衝立】
「衝立障子(シヨウジ)」の略。

衝立障子

ついたてしょうじ [5] 【衝立障子】
玄関や座敷などに立てて隔てとする道具。もと宮殿や貴族の邸宅の移動用障屏具(シヨウヘイグ)の一。襖(フスマ)障子や板障子を支脚台の上に取り付けたもの。ついたて。ついたてそうじ。

衝羽根

つくばね [0] 【衝羽根】
(1)羽子板遊びのはね。羽子(ハゴ)。[季] 新年。
(2)ビャクダン科の落葉低木。山地に生え,根は他の木に半ば寄生する。高さ約1メートル。披針形の葉を対生。雌雄異株。花は淡緑色で初夏,開花し,雄花は散房状につき,雌花は単生する。果実は卵状楕円形で,頂に四個の萼片が残存し,衝羽根{(1)}に似ている。ハゴノキ。[季]秋。
衝羽根(2)[図]

衝羽根朝顔

つくばねあさがお [6] 【衝羽根朝顔】
ナス科の一年草。南アメリカ原産。花壇用・鉢植えとされる。茎は高さ15〜50センチメートルで卵形の葉を対生。六〜一〇月,上方の葉腋に広漏斗状の花を開く。花色は紫・紅・白・絞りなど。品種が多く,八重咲きもある。ペチュニア。

衝羽根樫

つくばねがし [4] 【衝羽根樫】
ブナ科の常緑高木。暖地の山中に自生。葉は枝先付近に衝羽根{(1)}状に互生し,狭長楕円形で質が厚く短柄。雌雄同株。四月頃開花。雄花序は長く下垂,雌花序は短く直立する。堅果は楕円形で食用となる。材は器具・楽器などとする。

衝羽根空木

つくばねうつぎ [5] 【衝羽根空木】
スイカズラ科の落葉低木。山地に自生。高さ約2メートル。葉は卵形。五月頃,枝端に上端が五裂する筒状鐘形の淡黄白色の花を数個つける。萼片は五個。和名は果実の頂に萼片が残存するさまを衝羽根に見立てたもの。形態に変異が多い。
衝羽根空木[図]

衝羽根草

つくばねそう [0] 【衝羽根草】
ユリ科の多年草。山地の林中に生える。茎は高さ20センチメートル内外で,頂に卵状長楕円形の葉を四個輪生する。晩春,茎頂に緑色の花を開く。外花被片は披針形で四個あり,内花被片はない。王孫。
衝羽根草[図]

衝角

しょうかく [0] 【衝角】
敵船に衝突して穴をあけるために艦首の水線下に突出させた角状の物。明治末年までこの方式があった。

衝角付き兜

しょうかくつきかぶと [7] 【衝角付き兜】
古墳時代の兜の一。兜の鉢(ハチ)の前部が船の衝角のように尖っている。
衝角付き兜[図]

衝路

しょうろ [1] 【衝路】
(1)敵の攻めてくるみちすじ。
(2)物事の要(カナメ)となるところ。要衝。

衝迫

しょうはく [0] 【衝迫】
心の中につきあげてくるもの。強くわきおこる心の動き。「書かなくてはゐられないと云ふ―がなくてはならないとすると/灰燼(鴎外)」

衝重ね

ついがさね [3] 【衝重ね】
白木でつくった四角の折敷(オシキ)に台をつけたもの。食器や供物をのせるために用いる。台の三面に穴をあけたものを三方,四面にあけたものを四方,穴のないものを供饗(クギヨウ)という。

くびき [0] 【軛・頸木・衡】
(1)車の轅(ナガエ)の先端につけて,車を引く牛馬の頸の後ろにかける横木。
→牛車(ギツシヤ)
(2)(比喩的に)自由を束縛するもの。「国家の―から脱する」

衡器

こうき カウ― [1] 【衡器】
秤(ハカリ)。

衡山

こうざん カウ― 【衡山】
中国,湖南省中部にある山。五岳の一。七二峰ある。南岳。ホン-シャン。

衡平

こうへい カウ― [0] 【衡平】
(1)つりあうこと。平衡。
(2)〔法〕 一般的規定である法を,その適用において具体的事例に適するように修正すること。

衡平法

こうへいほう カウ―ハフ [0][3] 【衡平法】
⇒エクイティー

衡平運動

こうへいうんどう カウ― 【衡平運動】
朝鮮の被差別民である白丁(ハクテイ)の解放運動。1923年に結成された衡平社が中心となった。

衡胴

かぶきどう [3] 【衡胴】
甲冑(カツチユウ)の胴の部分名。立挙(タテアゲ)と草摺(クサズリ)の間にあり,胴のまわりを守るもの。長側(ナガカワ)。
→大鎧(オオヨロイ)

衡量

こうりょう カウリヤウ [3] 【衡量】 (名)スル
重さや量をはかること。

衡門

こうもん カウ― [0] 【衡門】
冠木(カブキ)門。転じて,隠棲の家。

ちまた [0] 【巷・岐・衢】
〔「道股(チマタ)」の意〕
(1)道の分かれる所。分かれ道。辻(ツジ)。
(2)物事の境目。分かれ目。「生死の―をさまよう」
(3)町の中の道路。また,町中(マチナカ)。「紅灯の―」
(4)世間。世の中。「―の声」「不況の風が―に吹く」
(5)物事の行われる場所。「戦いの―」

衢の神

ちまたのかみ 【衢の神】
(1)「ちまた{(1)}」にあって邪神・悪霊の侵入をさえぎる神。また,旅人を守る神。塞(サエ)の神。
(2)〔天孫降臨の際,天(アマ)の八衢(ヤチマタ)に迎え出て先導役を務めたことから〕
猿田彦(サルタヒコ)神。

けし 【衣】
〔動詞「着(ケ)す」の連用形から〕
(「御衣(ミケシ)」の形で)ころも。「ぬばたまの黒き御―を/古事記(上)」

そ 【衣】
ころも。きぬ。着物。「おんぞ(御衣)」「みぞ(御衣)」などの形で用いられる。

ころも [0] 【衣】
(1)人が身にまとうものの総称。衣服。きもの。きぬ。
(2)僧尼の着る衣服。法衣(ホウエ)。僧衣。法服。「墨染めの―」
(3)揚げ物や菓子などの,中の種を包んでいる皮。

きぬ [1] 【衣】
(1)着る物。衣服。
(2)古代は上衣。中古は表着(ウワギ)と肌着の間に着た衵(アコメ)・袿(ウチキ)など。
(3)鳥の羽毛や里芋の子芋の皮など,身を包んでいるものを比喩的にいう。「にはとりのひなの,…―みじかなるさまして/枕草子 151」

ころも【衣】
(1) clothes;→英和
a dress;→英和
a priest's robe (法衣).
(2) coating (食物の);→英和
icing (砂糖の).→英和
‖衣替えする change one's clothes[dress]for the season.

い [1] 【衣】
身にまとうもの。着物。ころも。「―と食と住と」

衣の珠

ころものたま 【衣の珠】
「衣の裏の珠」に同じ。

衣の裏の珠

ころものうらのたま 【衣の裏の珠】
〔「法華経(五百弟子授記品)」にある話から〕
大乗の真実の教えを説かれてもそのありがたみがわからなかった者が,法華経を聞いて悟ることができたというたとえ。衣の珠。

衣の関

ころものせき 【衣の関】
中古,安倍氏が設置した関所。中尊寺金色堂の北西にあった。衣川の関。衣が関。((歌枕))

衣偏

ころもへん [0] 【衣偏】
漢字の偏の一。「袖」「被」などの「衤」の部分。
〔漢和辞典では一般に「衣」(六画)部に配列される〕

衣冠

いかん [1] 【衣冠】
(1)衣服と冠。服装。「―を正す」
(2)平安中期以降,束帯に次ぐ正装。束帯から下襲(シタガサネ)と石帯をはぶき,表袴(ウエノハカマ)と指貫(サシヌキ)にかえた活動的な服装で,文官・武官の別なく広く用いられた。
衣冠(2)[図]

衣冠束帯

いかんそくたい [1][0] 【衣冠束帯】
公家の正装。
〔江戸中期以降,衣冠と束帯の違いが意識されなくなってからできた語〕

衣勝ち

きぬがち 【衣勝ち】 (形動ナリ)
何枚も衣服を重ね着しているさま。「あまり―にて/栄花(初花)」

衣嚢

いのう [0] 【衣嚢】
衣服についている物入れ。ポケット。かくし。

衣屋

ころもや [0] 【衣屋】
僧衣を作って売る家。また,売る人。

衣川

ころもがわ 【衣川】
岩手県南西部を流れる北上川の支流。((歌枕))「袂より落つる涙は陸奥(ミチノク)の―とぞいふべかりける/拾遺(恋二)」

衣川の関

ころもがわのせき 【衣川の関】
⇒衣(コロモ)の関(セキ)

衣川の館

ころもがわのたて 【衣川の館】
(1)岩手県胆沢郡衣川村付近に設けられた古代の館・城柵。前九年の役で陸奥の安倍貞任が源頼義に敗れた激戦場。ころものたて。
(2)高館(タカダチ)の別名。

衣帯

いたい [1] 【衣帯】
(1)衣と帯。
(2)服装。装束(シヨウゾク)。「これみな襁褓(キヨウホウ)の中に包まれて,―を正しうせざつしか共/平家 4」

衣手

ころもで [0][3] 【衣手】
■一■ (名)
袖。「沖辺より寄せ来る波に―濡れぬ/万葉 3709」
■二■ (枕詞)
袖をひたす(濡れる)意から同音を含む地名「常陸(ヒタチ)」にかかる。「―常陸の国の二並ぶ筑波の山を/万葉 1753」

衣手の

ころもでの 【衣手の】 (枕詞)
(1)手(タ)の縁から同音を含む地名「田上(タナカミ)山」「高屋」などにかかる。「いはばしる近江の国の―田上山の/万葉 50」「―高屋(タカヤ)の上にたなびくまでに/万葉 1706」
(2)翻ることから,「返る」にかかる。「―かへりも知らず/万葉 3276」
(3)袖が両方に分かれていることから,「別る」にかかる。「―別れし時よ/万葉 4101」
(4)「真若の浦」にかかる。かかり方未詳。「―真若の浦の/万葉 3168」
(5)地名「名木(ナキ)」にかかる。かかり方未詳。「―名木の川辺を春雨に/万葉 1696」

衣手を

ころもでを 【衣手を】 (枕詞)
砧(キヌタ)で打つの意から,同音の「打廻(ウチミ)」にかかる。「―打廻の里にある我を/万葉 589」

衣掛山

きぬかけやま 【衣掛山】
衣笠(キヌガサ)山の異名。宇多法皇が盛夏に雪景色を見ようとして,この山一面に白衣を敷きつめさせたという伝説による名。

衣摺れ

きぬずれ [0] 【衣擦れ・衣摺れ】
着ている着物の裾などが擦れ合うこと。また,その音。「かすかな―の音」

衣擦れ

きぬずれ【衣擦れ】
the rustling of a dress.→英和

衣擦れ

きぬずれ [0] 【衣擦れ・衣摺れ】
着ている着物の裾などが擦れ合うこと。また,その音。「かすかな―の音」

衣文

えもん [0][2] 【衣紋・衣文】
(1)装束を形よく着用すること。また,そのための着用方法。「この大将殿はことの外に―をぞ好み給ひて/今鏡(御子たち)」
(2)衣服。身なり。「冠も―も打乱れ/浄瑠璃・大職冠」
(3)和服の襟の,胸で合わさるあたり。
(4)彫刻・絵画において,人物像の着衣の表現のこと。

衣料

いりょう [1] 【衣料】
身につけて着るものの総称。また,その材料となる布地など。「―品」

衣料

いりょう【衣料】
clothing;→英和
clothes.→英和
衣料費 clothing expenses.

衣料切符

いりょうきっぷ [4] 【衣料切符】
第二次大戦中から戦後にかけて,政府が衣料統制のために発行した切符。

衣更着

きさらぎ [0] 【如月・衣更着・更衣】
陰暦二月の異名。[季]春。

衣替え

ころもがえ [0] 【衣替え・更衣】 (名)スル
(1)衣服を着かえること。着がえ。「鈍色の直衣・指貫うすらかに―して/源氏(葵)」
(2)季節に応じて衣服や調度をかえること。平安朝では,四月一日と一〇月一日にそれぞれ夏装束・冬装束に改めた。室町・江戸時代にはさらに細かい決まりがあった。現在は制服については,六月一日と一〇月一日を目安として行われている。[季]夏。
(3)(比喩的に)建物や街路などの外装や内装を一新すること。
(4)男女が互いに衣服を取りかえて共寝すること。「―せむやさきむだちや/催馬楽」

衣服

いふく [1] 【衣服】
(1)着る物。着物。「―をまとう」
(2)身にまとうこと。「飾装の為めに―する所の風土/民約論(徳)」

衣服

いふく【衣服】
clothes;→英和
dress;→英和
clothing (総称).→英和

衣板

きぬいた 【衣板】
「砧(キヌタ)」に同じ。[和名抄]

衣架

いか [1] 【衣架】
衣類をかけておく家具。衣桁(イコウ)。

衣桁

いこう【衣桁】
a clothes rack.

衣桁

いこう [0] 【衣桁】
着物を掛けておく家具。細い木を鳥居形に組んだもの。現在は蝶番(チヨウツガイ)で二枚に折り畳む形のものが多い。衣架。みぞかけ。衣紋掛け。えこう。
衣桁[図]

衣桁

えこう [0] 【衣桁】
「いこう(衣桁)」に同じ。

衣笠

きぬがさ [3][2] 【衣笠・絹傘・蓋】
(1)絹を張った柄の長い傘。古く,貴人の外出の際,後ろからさしかけるのに用いた。「我が大君は―にせり/万葉 240」
(2)仏像にかざす天蓋(テンガイ)。[和名抄]
衣笠(1)[図]

衣笠

きぬがさ 【衣笠】
姓氏の一。

衣笠山

きぬがさやま 【衣笠山】
京都市北西部の山。笠に似た海抜202メートルの小丘。山麓に金閣寺・竜安寺・仁和(ニンナ)寺などがある。衣掛山。衣笠岡。((歌枕))「もみぢ葉を千しほに染て山姫のきがさねたりし衣笠の山/為忠集」
〔歌枕としては,「衣笠(の)岡」が詠まれることの方が多い〕

衣笠草

きぬがさそう [0] 【衣笠草】
ユリ科の多年草。深山の林中に生える。高さ約50センチメートル。葉は披針形で茎の上端に八〜一〇個輪生する。夏,茎頂に短い花柄を立てて,径7センチメートルほどの白い花を一個上向きにつける。

衣笠貞之助

きぬがさていのすけ 【衣笠貞之助】
(1896-1982) 映画監督。三重県生まれ。初め女形として映画界にはいる。演出に転じ,「日輪」「狂った一頁」「十字路」など異色先駆作のあと,「鯉名の銀平」「雪之丞変化」「蛇姫様」「地獄門」など主として時代劇に独自の情緒を発揮。

衣筥

ころもばこ 【衣筥】
衣類を入れる箱。唐櫃に似て脚がついていた。

衣粥

ころもがゆ [3] 【衣粥】
⇒霜月粥(シモツキガユ)

衣糧

いりょう [1] 【衣糧】
衣類と食糧。

衣紋

えもん [0][2] 【衣紋・衣文】
(1)装束を形よく着用すること。また,そのための着用方法。「この大将殿はことの外に―をぞ好み給ひて/今鏡(御子たち)」
(2)衣服。身なり。「冠も―も打乱れ/浄瑠璃・大職冠」
(3)和服の襟の,胸で合わさるあたり。
(4)彫刻・絵画において,人物像の着衣の表現のこと。

衣紋付き

えもんつき [0] 【衣紋付き】
衣服の着振り。着こなし。えもんづき。

衣紋坂

えもんざか 【衣紋坂】
新吉原の日本堤から大門までの間にあった坂。ここで遊客が衣服をつくろうことから名付けられたという。

衣紋家

えもんけ [2][0] 【衣紋家】
朝廷で,装束の製作・着用法などをつかさどった家。江戸時代には天皇以下堂上家を山科(ヤマシナ)家が,院中や将軍以下武家の装束を高倉家がつかさどった。

衣紋掛け

えもんかけ【衣紋掛け】
a coat[dress]hanger.

衣紋掛け

えもんかけ [2] 【衣紋掛け】
(1)肩幅ぐらいの短い棒の中央に紐を付けて,衣服を掛けてつるしておく用具。
(2)衣桁(イコウ)。

衣紋描き

えもんがき [0][2] 【衣紋描き】
日本画の技法で,人物の着物の線を描くこと。また,そのために用いる穂の細長い絵筆。

衣紋方

えもんかた 【衣紋方】
公家・大名家にあって,衣紋についての故実を知り,その着用などをつかさどった役。

衣紋流し

えもんながし 【衣紋流し】
蹴鞠(ケマリ)の余興の一。体を傾け鞠を一方の腕から襟を伝わらせてもう一方の腕に渡す技。

衣紋竹

えもんだけ [2] 【衣紋竹】
竹製の衣紋掛け。[季]夏。《一つある窓塞がりて―/長谷川かな女》

衣紋竿

えもんざお [2] 【衣紋竿】
衣服をかける竿。

衣紋鏡

えもんかがみ [4] 【衣紋鏡】
衣服の着くずれを整えるのに用いる鏡。姿見。

衣縫部

きぬぬいべ キヌヌヒ― 【衣縫部】
古代,裁縫を職とした部民。

衣虱

ころもじらみ [4] 【衣虱】
ヒトジラミのうち,衣服におおわれた部分につくもの。体長3ミリメートル内外。発疹チフス・五日熱・回帰熱などを媒介する。頭部につくアタマジラミは同種の別の生態型。キモノジラミ。

衣蛾

いが [1] 【衣蛾】
ヒロズコガ科のガ。黄褐色で前ばねには三個の黒褐色の斑がある。開張10〜14ミリメートル。幼虫は毛織物・毛皮・羽毛などを食害する。世界各地に分布。

衣衣

きぬぎぬ 【衣衣・後朝】
(1)男女が互いに衣を重ねて共寝した翌朝,別れるときに身につける,それぞれの衣服。「しののめのほがらほがらとあけゆけばおのが―なるぞかなしき/古今(恋三)」
(2)相会った男女が一夜をともにした翌朝。また,その朝の別れ。ごちょう。こうちょう。「―の濡れて別れし東雲ぞ/宇津保(国譲上)」
(3)夫婦の離別。「この如くに―になるとても,たがひにあきあかれぬ中ぢやほどに/狂言記・箕かづき」

衣衾

いきん [1] 【衣衾】
衣服と夜具。

衣被

きぬかつぎ [3] 【衣被】
(1)〔「きぬかずき」の転。もと女房詞〕
里芋の子芋。また,里芋の子芋を皮のままゆでたり,蒸したりしたもの。温かいうちに皮をむき,塩をつけて食べる。[季]秋。《母君の客よろこびて―/星野立子》
(2)「きぬかずき(衣被)」に同じ。

衣被

きぬかずき [3] 【衣被】
〔「きぬかつぎ」とも〕
(1)平安時代以降,身分の高い家の婦女子が外出する際,顔を隠すため頭から衣をかぶったこと。また,その衣。多くは小袖を用いた。結髪の発達した近世には襟肩を前に下げた小袖形に仕立てた。かずき。
(2){(1)}をした女。「物見ける―の/徒然 70」
(3)包茎。かわかぶり。「わづかなるこまらの,しかも―したるを/著聞 16」
衣被(1)[図]

衣袽

のみ 【�・袽・船筎・衣袽】
舟・樋(トイ)などの継ぎめに詰め,水漏れを防ぐのに用いる,マキやヒノキの内皮。槙皮(マイハダ)。檜皮(ヒワダ)。「矢口の渡りの船の底を二所ゑり貫(ヌイ)て,―を差し/太平記 33」

衣装

いしょう [1] 【衣装・衣裳】
〔上半身に着る「衣」と下半身に着る「裳」の意〕
(1)着物。衣服。晴れ着。「花嫁―」
(2)俳優・踊り子が役を演ずるために着る衣服。舞楽・能では装束という。

衣装人形

いしょうにんぎょう [4] 【衣装人形】
主として江戸時代に作られた人形。衣装をつけた人形で,押し絵と木彫りに衣装を着せたものとの二種がある。多くは婦女・若衆・俳優・遊女などの風俗をかたどっている。浮世人形。着付け人形。

衣装付き

いしょうつき [2] 【衣装付き】
着物の着こなし。着物を着たすがた。「借りものとは想はれぬ―/二人女房(紅葉)」

衣装付け

いしょうづけ [0] 【衣装付け】
(1)俳優の衣装の着こなし方。
(2)役者に着物を着せる係の人。
(3)衣装方が俳優の必要とする衣装を書きとめる帳簿。

衣装合せ

いしょうあわせ [4] 【衣装合(わ)せ】
いくつか準備された衣装の中から演技者が実際に着てみて役柄にあったものを選ぶこと。

衣装合わせ

いしょうあわせ [4] 【衣装合(わ)せ】
いくつか準備された衣装の中から演技者が実際に着てみて役柄にあったものを選ぶこと。

衣装好み

いしょうごのみ [4] 【衣装好み】
衣服に好きこのみがあったり,衣装道楽であったりすること。また,その人。

衣装尽くし

いしょうづくし 【衣装尽(く)し】
衣服に贅沢(ゼイタク)の限りを尽くすこと。「袖がさねの―/浮世草子・懐硯 5」

衣装尽し

いしょうづくし 【衣装尽(く)し】
衣服に贅沢(ゼイタク)の限りを尽くすこと。「袖がさねの―/浮世草子・懐硯 5」

衣装幕

いしょうまく 【衣装幕】
花見・遊山などの際,木に綱を渡して女性の美しい衣装を掛け,幕としたもの。小袖幕。「―の内には小唄交りの女中姿/浮世草子・諸国はなし 4」

衣装持

いしょうもち [2] 【衣装持(ち)】
衣服をたくさんもっていること。また,その人。

衣装持ち

いしょうもち [2] 【衣装持(ち)】
衣服をたくさんもっていること。また,その人。

衣装方

いしょうかた [0] 【衣装方】
演劇,ことに歌舞伎・能・狂言などで,俳優の衣装の世話をする係。

衣装棚

いしょうだな [2] 【衣装棚】
衣服を入れておく戸棚。

衣装櫃

いしょうびつ [2] 【衣装櫃】
衣装を入れておく大形の箱。

衣装競べ

いしょうくらべ [4] 【衣装競べ】
女性が互いに衣装の美しさや豪華さを競い合うこと。

衣装箪笥

いしょうだんす [4] 【衣装箪笥】
衣服をしまっておく箪笥。

衣装道楽

いしょうどうらく [4] 【衣装道楽】
きれいな衣装を好んで着たり,たくさんもつことを好んだりすること。また,その人。着(キ)道楽。

衣装長持

いしょうながもち [4] 【衣装長持】
衣装を入れる長持。

衣装[裳]

いしょう【衣装[裳]】
clothes;→英和
clothing;→英和
<wedding> dress;→英和
costume (芝居などの).→英和
〜持ちである have a large wardrobe.‖衣装係 a costumer[dresser](劇場などの).貸衣装(屋) costumes for rent (a costume agency).

衣裓

えこく [0] 【衣裓】
〔仏〕 花を入れて仏前に置く脚つきの箱または籠(カゴ)。けこ。はなかご。

衣裳

いしょう [1] 【衣装・衣裳】
〔上半身に着る「衣」と下半身に着る「裳」の意〕
(1)着物。衣服。晴れ着。「花嫁―」
(2)俳優・踊り子が役を演ずるために着る衣服。舞楽・能では装束という。

衣裳所

いしょうどころ [4] 【衣裳所】
武家時代に,大名の邸内で衣装を納めたり,裁縫したりした所。呉服所。

衣通姫

そとおりひめ ソトホリ― 【衣通姫】
記紀に登場する伝説上の女性。その名は,容姿が美しく,艶色が衣を通して光り輝いたことによるという。古事記の允恭天皇の皇女軽大郎女(カルノオオイラツメ),日本書紀の允恭天皇の皇后衣通郎女(ソトオリノイラツメ)(弟姫(オトヒメ))の別名とされる。後世,和歌三神の一人として和歌山市の玉津島神社にまつられる。

衣鉢

いはつ [0] 【衣鉢】
〔「えはつ」「えはち」とも〕
(1)袈裟(ケサ)と,托鉢(タクハツ)を受ける鉢。修行者の常に携えるべきもの。三衣一鉢。
(2)〔禅宗で,法統を継ぐ者に師僧から三衣と一鉢を授けることから〕
教法。奥義。
(3)学問・芸術などで,師から弟子に伝えるその道の奥義。また,一般に,先人から受け伝えたもの。「―を継ぐ」「―を伝える」

衣鉢

えはつ [0] 【衣鉢】
⇒いはつ(衣鉢)

衣鉢を継ぐ

いはつ【衣鉢を継ぐ】
inherit the mantle <of one's master> .→英和

衣鉢簿

えはつぼ [3] 【衣鉢簿】
禅宗寺院で,出納簿。

衣鉢閣

えはつかく [3] 【衣鉢閣】
(1)禅宗寺院で,僧の衣鉢を納める蔵。
(2)開山や名僧の遺品を納める蔵。

衣鉢閣

いほかく 【衣鉢閣】
⇒えはつかく(衣鉢閣)

衣錦の栄

いきんのえい 【衣錦の栄】
〔欧陽修「相州画錦堂記」〕
富貴になって錦(ニシキ)を着て故郷に帰る名誉。

衣類

いるい【衣類】
clothing;→英和
clothes;→英和
one's wardrobe (所有の全部).

衣類

いるい [1] 【衣類】
身につける物の総称。衣服。着類。

衣食

いしょく [1] 【衣食】
(1)着る物と食べる物。
(2)くらし。生活。「原稿料で―してゐる位ですから/硝子戸の中(漱石)」

衣食

いしょく【衣食】
food and clothing.〜に窮する be without a means of livelihood;find it hard to make a living.→英和
〜足りて礼節を知る Well fed,well bred.‖衣食住 food,clothing and shelter[housing].

衣食住

いしょくじゅう [3] 【衣食住】
着ることと食べることと住むこと。衣服と食物と住居。生活の基本的な要件。

衣香

いこう [0][1] 【衣香】
衣服にたきしめる香。また,その香り。

衣魚

しみ [0] 【紙魚・衣魚・蠹魚】
(1)総尾目シミ科の昆虫の総称。体長10ミリメートル前後。体は細長く,尾端に二本の尾角と一本の尾毛がある。体は銀白色の鱗(ウロコ)におおわれ,長い触角をもつ。和紙・衣料・穀類などを食害する。しみむし。[季]夏。
(2)特に,ヤマトシミのこと。古くから古書の害虫として知られる。日本から東南アジアに広く分布。雲母虫(キララムシ)。[季]夏。《三代の―の更科日記かな/景山筍吉》
紙魚(1)[図]

衣魚虫

しみむし [2] 【衣魚虫】
昆虫シミの別名。

ひょう ヘウ [0] 【表】
(1)文章ではわかりにくい事柄などを,分類整理して,見やすくまとめたもの。リスト。「時間―」「―にまとめる」
(2)臣下から天子にたてまつる文書。上表文。「出師(スイシ)の―」

おもて [3] 【表】
(1)二つの面のうち,前や上になる方。また,外側。表面。
⇔裏
「封筒の―」
(2)目立つ方の側。前面・正面になる方。
⇔裏
「―から入る」「―玄関」「―参道」
(3)家のそと。屋外。戸外。
⇔うち
「―で遊ぶ」
(4)見せかけの部分。うわべ。外見。
⇔裏
「―はきれいごとで済ます」「裏―のない人」
(5)おおっぴらなこと。おおやけ。「―沙汰(ザタ)」
(6)正式なもの。本来のもの。
⇔裏
「―芸」
(7)野球で,先攻チームの攻撃する間。
⇔裏
「七回の―」
(8)(畳や下駄などの)表面をおおうもの。「畳―」「―付き」
(9)書類などに書いてある事柄。「書類の―ではこうなっている」
(10)江戸時代,将軍・大名の私的な生活に対して,公的な政務。また,政務を執る所。
(11)連歌・俳諧で,一枚目の懐紙の表。初表(シヨオモテ)。
(12)「表千家」の略。
(13)「表仕」の略。
(14)名詞の下に付いて,複合語をつくる。
 (ア)その方向に向かっていること,その側に面していることを表す。「南―の座敷」
 (イ)その方向の土地・地方を表す。「江戸―」「国―」

ひょう【表】
a table;→英和
a diagram (図表);→英和
a schedule (予定表).→英和

表す

あらわ・す アラハス [3] 【表す(表わす)・現す(現わす)・顕す】 (動サ五[四])
(1)今までなかったり隠れていたりした物・姿・様子などを,外から見えるようにする。《現》「姿を―・す」「全貌を―・す」「正体を―・す」「本性を―・す」
(2)感情などを表情や外見から読みとれるようにする。《表》「怒りを顔に―・す」
(3)人が,考え・感情などを,言葉・絵・音楽などによって相手に示す。表現する。《表》「自分の気持ちをうまく言葉に―・すことができない」「荘厳な雰囲気を音楽で―・す」
(4)記号や色がある意味を示す。表示する。《表》「交通信号の赤は『止まれ』を―・す」「地図で寺を―・す記号」
(5)広く世間に知らせる。顕彰する。《顕》「碑を建ててその功績を世に―・す」
(6)口に出して言う。「君をやさしみ―・さずありき/万葉 854」
[可能] あらわせる
〔「あらわれる」に対する他動詞〕
[慣用] 頭角を―・馬脚を―・化けの皮を―

表す

ひょう・す ヘウ― [1] 【表す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「表する」の五段化〕
「表する」に同じ。「敬意を―・さずに去る」
[可能] ひょうせる
■二■ (動サ変)
⇒ひょうする

表する

ひょうする【表する】
express;→英和
show.→英和
謝意を〜 express one's thanks.…に敬意を表して in honor of….

表する

ひょう・する ヘウ― [3] 【表する】 (動サ変)[文]サ変 へう・す
あらわす。「遺憾の意を―・する」「我朝は葦の葉を―・するとぞ/曾我 6」

表る

あらわ・る アラハル 【表る・現る・顕る】 (動ラ下二)
⇒あらわれる

表れ

あらわれ アラハレ [0] 【表れ・現れ】
あらわれること。あらわれたもの。「好意の―」

表れる

あらわ・れる アラハレル [4] 【表れる(表われる)・現れる(現われる)・顕れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あらは・る
(1)今までなかった人や物が出てきたり,隠れて見えなかった物や事柄が見えるようになる。出現する。《現》「一五分ほどおくれて―・れた」「この辺には時に熊の―・れることがある」
(2)それまで存在しなかった物や事柄が生じたり作られたりして,目で確認できるようになる。出現する。登場する。出る。《現》「皮膚に赤い発疹(ハツシン)が―・れる」「薬の効果が―・れる」
(3)考え・感情・傾向などが,他人に感知されるようになる。《表》「景気の動向はすぐ数字に―・れる」「顔に死相が―・れる」
(4)隠されていた物やわからなかった事柄などが,人々に知られるようになる。露顕する。《現》「これまでの悪事が―・れる」「こういう時にこそ,その人の真価が―・れる」
〔「あらわす」に対する自動詞〕

表仕

おもてし 【表仕】
江戸時代の廻船乗組の役名。航法を担当する航海長役。船頭を補佐する船方三役の一。おもて。表役。

表付き

おもてつき [3] 【表付き】
(1)外見。見てくれ。
(2)建物の正面の構え。「―のよい家」
(3)畳表のついた下駄や雪駄(セツタ)。

表作

おもてさく [0][3] 【表作】
一年のうちに同じ田畑で時期をずらして二種類の作物を作る場合,本来の目的の作物。稲を収穫したあとに麦を作る場合の稲の方。
⇔裏作

表使

おもてづかい 【表使】
(1)江戸幕府の大奥の職名。奥女中の中で,年寄の命を受けて諸種の買い物をつかさどるほか,年寄・中臈の代参の随行や諸役人との応対など,表向きの用に当たる者。
(2)大名などの諸家で,表向きと奥向きの連絡に当たる役。

表価

ひょうか ヘウ― [1] 【表価】
有価証券の表に記されている価格。額面価格(ガクメンカカク)。

表側

おもてがわ [0] 【表側】
(1)表の方。表に面する部分。表面。「月の―」
(2)建物の玄関・正面入り口のある方。
⇔裏側

表八句

おもてはっく [4] 【表八句】
連歌・俳諧の百韻で,一枚目の懐紙の表に書く,発句(ホツク)から第八句までの八句。
→表六句

表六

ひょうろく ヘウ― [0] 【表六】
まぬけな人をあざけっていう語。

表六句

おもてろっく [4] 【表六句】
俳諧の歌仙で,一枚目の懐紙の表に書く,発句から第六句までの六句。
→表八句

表六玉

ひょうろくだま ヘウ― [0] 【表六玉】
「表六」に同じ。

表具

ひょうぐ ヘウ― [3][0] 【表具・裱具】
布や紙をはって,巻物・掛物・屏風(ビヨウブ)・襖(フスマ)などに仕立てること。表装。背帖(ハイチヨウ)。

表具地

ひょうぐじ ヘウ―ヂ [3] 【表具地】
表具用の生地。模様を織り出したものが多い。

表具屋

ひょうぐや ヘウ― [0] 【表具屋】
表具師。また,その店。経師屋。

表具屋節

ひょうぐやぶし ヘウ― 【表具屋節】
上方浄瑠璃の一。大坂の太夫表具屋又四郎が,貞享(1684-1688)・元禄(1688-1704)頃に語って流行したもの。

表具師

ひょうぐし ヘウ― [3] 【表具師】
軸物や額を作ったり,襖(フスマ)や屏風(ビヨウブ)を仕立てたりすることを職業とする人。経師屋。

表具師

ひょうぐし【表具師】
a paper hanger.

表具足

うわぐそく ウハ― [3] 【上具足・表具足】
腹巻・鎖帷子(クサリカタビラ)などを着込んでいるとき,その上につける具足をいう語。

表出

ひょうしゅつ ヘウ― [0] 【表出】 (名)スル
精神内部の動きが外部にあらわれること。また,あらわすこと。「感情の―」

表割

ひょうかつ ヘウ― [0] 【表割】
受精卵の表層で分割が行われる卵割様式。卵黄が中央にある卵(昆虫類・クモ類,その他の節足動物)にみられる。

表千家

おもてせんけ 【表千家】
茶道流派の一。千利休の孫宗旦の三男,宗左が利休の四世を称したのに始まる。裏千家との対比でこの名がある。表流。おもて。

表半畳

おもてはんじょう 【表半畳】
近世,劇場で見物人に半畳を売るほか,使い走りや送り迎えなど外向きの雑用を務めた役目。
→半畳
→表方

表口

おもてぐち [0][3] 【表口】
(1)表側の方の出入り口。正面の出入り口。
⇔裏口
(2)登山道・参道などで,本道となる方の道。
(3)土地・建物などの正面の幅。表間口。

表口

おもてぐち【表口】
the front door.

表右筆

おもてゆうひつ [4] 【表右筆】
江戸幕府の職名。若年寄に属し,老中奉書などの書物(カキモノ)・文案の作成,幕府の日記の記入および将軍印章の保管などに当たった。
→奥右筆

表号

ひょうごう ヘウガウ [0] 【表号・標号】 (名)スル
(1)めじるし。しるし。
(2)はっきり言うこと。はっきり名づけること。「その―する声は何であつても/ふらんす物語(荷風)」

表向き

おもてむき【表向き(は)】
openly;→英和
publicly (公に);→英和
officially (公式に).→英和
〜の open;→英和
public;→英和
official.→英和

表向き

おもてむき [0] 【表向き】
(1)他人に知られること。表ざた。「約束の内容は―にはしない」
(2)(副詞的にも用いる)世間体のために取り繕った見せかけ。「―(は)病気ということにした」
(3)公の場。公の事柄。
 (ア)政務を執る所。幕府。政府。「―の沙汰」
 (イ)(商家で)店。
⇔奥向き
「跡を預けて―をさばかせ/浮世草子・五人女 3」

表土

ひょうど ヘウ― [1] 【表土】
(1)土壌の最上層の部分。農作物栽培上最も重要な土壌。表層土。
(2)考古学で,遺跡に堆積した表面の土層。

表地

おもてじ [0] 【表地】
衣服・袋物などを袷(アワセ)仕立てにする時の,表にする生地。表。
⇔裏地

表坊主

おもてぼうず [4] 【表坊主】
江戸幕府の職名。江戸城中で大名や諸役人の給仕を務める坊主。

表外

ひょうがい ヘウグワイ [0] 【表外】
(1)一覧表などの表に含まれないこと。
(2)「常用漢字表」に含まれないこと。「―漢字」「―音訓」

表大名

おもてだいみょう [4] 【表大名】
江戸時代,外様大名の呼称。

表奏

ひょうそう ヘウ― [0] 【表奏】
文書をもって君主に上奏すること。また,その文書。

表家老

おもてがろう [4] 【表家老】
江戸時代,武家で政務にあずかる家老。
⇔奥家老

表小姓

おもてごしょう [4] 【表小姓】
(1)江戸幕府の職名。政務の行われる表に勤める小姓。
(2)大名家で,表に勤める小姓。

表層

ひょうそう ヘウ― [0] 【表層】
表面の層。うわべ。

表層

ひょうそう【表層】
the outer layer.‖表層雪崩 a surface avalanche.

表層構造

ひょうそうこうぞう ヘウ―ザウ [5] 【表層構造】
〔surface structure〕
チョムスキーによって導入された変形生成文法の術語。深層構造に変形規則が適用された結果の出力として生じる構造で,主として現実に用いられている音声レベルの解釈にかかわる。例えば,〔ボクガ〔ボクガステーキヲタベル〕タイ〕 という深層構造に,同一名詞句消去変形などをはじめとするいくつかの変形規則が適用されると,その結果として初めて「僕はステーキがたべたい」という表層構造が導出される。
→深層構造

表層雪崩

ひょうそうなだれ ヘウ― [5] 【表層雪崩】
積雪層の上部が崩れ落ちるなだれ。大量の新雪が降ったあとなどに多い。

表層魚

ひょうそうぎょ ヘウ― [3] 【表層魚】
水底から離れて水中を遊泳して生活する魚。浮き魚。
⇔底魚

表差

おもてざし [0] 【表差】
脇差の鞘表(サヤオモテ)にさす笄(コウガイ)。

表巻

うわまき ウハ― [0] 【上巻(き)・表巻(き)】
巻子や書状を上から包む白い紙。

表巻き

うわまき ウハ― [0] 【上巻(き)・表巻(き)】
巻子や書状を上から包む白い紙。

表帯

うわおび ウハ― [0] 【上帯・表帯】
(1)着物の最も外側に締める帯。
(2)鎧(ヨロイ)の胴を締める緒。また,鎧の上から締める白い帯。
(3)箙(エビラ)や胡簶(ヤナグイ)の上部の緒。腰に回して結ぶ。

表店

おもてだな [0] 【表店】
表通りに面して建てられた家。
⇔裏店

表座敷

おもてざしき【表座敷】
a front parlor.

表座敷

おもてざしき [4] 【表座敷】
(1)家の表の側にある客用の座敷。
(2)遊里で,上位の遊女のいる,道に面した二階の部屋。また,そこにいる遊女。

表式

ひょうしき ヘウ― [0] 【表式】
(1)表示する一定の形式。
(2)手本。規範。

表彰

ひょうしょう ヘウシヤウ [0] 【表彰】 (名)スル
善行・功労・成果などを公にし,ほめたたえること。「人命救助で―される」

表彰

ひょうしょう【表彰】
an honor;→英和
commendation.〜する commend;→英和
honor <a person> .‖表彰式 a presentation ceremony.表彰状 a citation;a testimonial.表彰台 an honor platform.

表彰状

ひょうしょうじょう ヘウシヤウジヤウ [0] 【表彰状】
表彰の主旨を記した書面。表状。

表御座所

おもてござしょ [5] 【表御座所】
天皇が政務をとる建物。皇居正殿の奥にある。

表御殿

おもてごてん [4] 【表御殿】
公の政務を執り,儀式を行う建物。

表徳

ひょうとく ヘウ― [0] 【表徳】
(1)徳・善行をあらわすこと。
(2)「表徳号」の略。「『貴様―があるか』『あい,どふぞお前の字を取て,お付けなされてくだされませ』/洒落本・遊子方言」

表徳号

ひょうとくごう ヘウ―ガウ [4] 【表徳号】
徳行をあらわす号。また雅号。近世,通人めかして号をつけることが流行した。

表徴

ひょうちょう ヘウ― [0] 【表徴・標徴】
(1)表面に現れたしるし。そのものであることを示す外見的特徴。「風俗は人情の―なり/当世書生気質(逍遥)」
(2)象徴。

表情

ひょうじょう【表情】
an expression;→英和
a look (顔つき).→英和
〜に富んだ expressive;→英和
significant (意味ありげな).→英和

表情

ひょうじょう ヘウジヤウ [3] 【表情】
顔や身振りに表れた内部の感情・気分など。「―豊かな人」「いかにも困ったという―」

表情筋

ひょうじょうきん ヘウジヤウ― [3] 【表情筋】
顔面の皮膚の下に付着する筋肉群の総称。顔面神経の支配をうけ,主として表情をつくる。顔面筋。

表情術

ひょうじょうじゅつ ヘウジヤウ― [3] 【表情術】
演劇で,心の中の感情・情緒・思想などを,動作・姿態・顔形など表面に見えるもので表現する技術。ミミック。

表意

ひょうい ヘウ― [1] 【表意】
(1)文字が意味を表していること。
⇔表音
(2)意思を表示すること。「―者」

表意文字

ひょういもじ ヘウ― [4] 【表意文字】
ことばを意味の面からとらえて,一字一字を一定の意味にそれぞれ対応させた文字。絵文字・象形文字・漢字など。意字。
⇔表音文字

表意文字

ひょういもじ【表意文字】
an ideograph.→英和

表慶

ひょうけい ヘウ― [0] 【表慶】
慶賀の意を表すこと。

表戸

おもてど [3] 【表戸】
家の表の戸。

表掲

ひょうけい ヘウ― [0] 【表掲】 (名)スル
あらわしかかげること。掲示すること。

表敬

ひょうけい ヘウ― [0] 【表敬】 (名)スル
敬意をあらわすこと。「―訪問」

表敬訪問

ひょうけい【表敬訪問】
<pay> a courtesy visit; <make> a courtesy call.

表敷

おもてじき 【表敷】
和船で,船首寄りの前半部の底板敷を,別材でつないだもの。おもてがわら。

表方

おもてかた [0] 【表方】
劇場で,幕から劇場入り口の間の仕事に従事する者の総称。観客に関する業務を行う人。宣伝係・案内人・切符売りなど。
⇔裏方

表旌

ひょうせい ヘウ― [0] 【表旌】 (名)スル
善行をほめて広く世間に知らせること。表彰。「善行ヲ―スル/ヘボン(三版)」

表日本

おもてにほん [5] 【表日本】
本州の太平洋に面する地域。近年,太平洋岸地域と呼ぶ。
⇔裏日本

表日本方言

おもてにほんほうげん [7] 【表日本方言】
音韻の面から分けた,日本の方言区画の一。関東・東海地方から西の本州の大部分,および四国・九州にわたる地域が属し,裏日本方言と対立する。イとエ,シとスの混同や,語中語尾のカ行音・タ行音の濁音化などがみられず,日本語の標準的な発音を示す。

表明

ひょうめい【表明】
(an) expression;→英和
(a) manifestation;(a) declaration.→英和
〜する express;→英和
manifest;→英和
declare.→英和

表明

ひょうめい ヘウ― [0] 【表明】 (名)スル
態度や決意などをはっきりとあらわし示すこと。「反対の態度を―する」

表書

ひょうしょ ヘウ― [1][0] 【表書】
おもて書き。うわ書き。表記。

表書き

おもてがき [0] 【表書き】
「上書(ウワガ)き」に同じ。

表書院

おもてしょいん [4] 【表書院】
書院造りで,建物の表側にある書院。
⇔奥書院

表替え

おもてがえ [0] 【表替え】
畳の表を新しいものに取り替えること。

表札

ひょうさつ【表札】
a doorplate;→英和
a nameplate.→英和

表札

ひょうさつ ヘウ― [0] 【表札・標札】
門・戸口などに掲げて,居住者の名を示す札。

表構え

おもてがまえ [4] 【表構え】
外側から見たときの家や門などの造りや様子。「立派な―」

表決

ひょうけつ ヘウ― [0] 【表決】 (名)スル
合議体の構成員が,一定の議案について賛否の意思を表明すること。「―権」

表沙汰

おもてざた [0] 【表沙汰】
(1)世間に知れてしまうこと。みんなに知られること。おおやけ。「不祥事が―になる」
(2)事件などが裁判にまで進むこと。訴えごと。
⇔内沙汰

表沙汰にする

おもてざた【表沙汰にする】
make public (公表);go to law <about a matter> (訴える).〜になる be made[become]public;be brought before the court.→英和

表潮

おもてしお [3] 【表潮】
地球の,月に向かっている側に生ずる満ち潮。
⇔裏潮

表状

ひょうじょう ヘウジヤウ [3] 【表状】
(1)君主にたてまつる文書。上表。
(2)「表彰状」に同じ。

表玄関

おもてげんかん【表玄関】
the front door.

表玄関

おもてげんかん [4] 【表玄関】
(1)家の正面にある,来客などを迎える玄関。
⇔内玄関
(2)その国・地域の主要な空港・駅などをたとえていう。

表現

ひょうげん【表現】
(an) expression.→英和
〜する express.→英和
‖表現主義 expressionism.

表現

ひょうげん ヘウ― [3] 【表現】 (名)スル
(1)内面的・精神的・主体的な思想や感情などを,外面的・客観的な形あるものとして表すこと。また,その表れた形である表情・身振り・記号・言語など。特に,芸術的形象たる文学作品(詩・小説など)・音楽・絵画・造形など。「適切な言葉で―する」「―力」「―方法」
(2)外にあらわれること。外にあらわすこと。
〔明治時代に作られた語〕

表現の自由

ひょうげんのじゆう ヘウ―ジイウ 【表現の自由】
憲法が保障する基本的人権の一。外部に向かって自らの意見・思想・主張を表現する自由。

表現主義

ひょうげんしゅぎ ヘウ― [5] 【表現主義】
〔(ドイツ) Expressionismus〕
二〇世紀初めドイツを中心に展開された芸術運動。文学上の自然主義や美術上の印象主義に対する反動としておこり,作家の内面的・主観的な感情表現に重点をおいた。はじめ絵画で,キルヒナー・カンディンスキーらが主唱し,第一次大戦後は文学・音楽・演劇・映画の分野にも広まった。

表現型

ひょうげんがた ヘウ― [0] 【表現型】
生物の外見に現れた形態的・生理的性質。
⇔遺伝子型

表白

ひょうはく ヘウ― [0] 【表白】 (名)スル
述べあらわすこと。「人品の高卑を―するが如きは,人間世界の常態にして/福翁百話(諭吉)」
→表白(ヒヨウビヤク)

表白

ひょうびゃく ヘウ― [0] 【表白】
〔「ひょうひゃく」とも〕
〔仏〕 法事の最初にその趣旨などを仏前に申し述べること。また,その文。啓白。開白。「講師,声を挙て―する程に,此の居並みたる聴聞の者共/今昔 20」
→表白(ヒヨウハク)

表皮

ひょうひ ヘウ― [1] 【表皮】
(1)高等植物体の表面をおおう一層または多層の組織。外側の細胞の細胞壁は厚く,植物体を保護するとともに,水分の蒸散を防ぐ。
(2)動物体の表面をおおう皮膚の上皮組織。

表皮

ひょうひ【表皮】
the bark (木の).→英和

表皮効果

ひょうひこうか ヘウ―カウクワ [4] 【表皮効果】
導体中の高周波電流がその断面に平均に流れず,表面に近いほど密になる現象。周波数の高いものほど強く現れる。

表目

おもてめ [0] 【表目】
(1)差し金の表にある目盛り。実寸目盛り。
(2)棒針編みで,表編みによってできる編み目。

表看板

おもてかんばん [4] 【表看板】
(1)劇場などの正面にかかげる,上演内容や配役などを記した看板。
(2)世間に対して示す名目。「実業家を―にした詐欺師」

表示

ひょうじ ヘウ― [0][1] 【表示】 (名)スル
(1)外部にはっきりとあらわし示すこと。「意思を―する」
(2)表にして示すこと。「前年度の成績を―する」
(3)きざし。表事。「此れ偏に金粟世界に生ぜる―也/今昔 6」

表示

ひょうじ【表示】
(an) indication.〜する indicate.→英和
‖表示価格 a list price.

表示主義

ひょうじしゅぎ ヘウ― [4] 【表示主義】
行為者の意思と外部への表示行為が一致しないときに,外部に示された表示を重んじて,その行為の効力を決める主義。
⇔意思主義

表立つ

おもてだ・つ [4] 【表立つ】
■一■ (動タ五[四])
(1)事柄が表面化して世間に知られる。表ざたになる。「―・った動きは見られない」
(2)正式なことになる。改まった形をとる。「こういう事は―・ってすると角(カド)がたつ」
(3)表ざたにする。裁判ざたになる。
■二■ (動タ下二)
⇒おもてだてる

表立つ

おもてだつ【表立つ】
become public[known].→英和
表立った(て) public(ly);open(-ly).→英和

表立てる

おもてだ・てる [5] 【表立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おもてだ・つ
表ざたにする。「―・てないで済ませる」

表章

ひょうしょう ヘウシヤウ [0] 【表章】 (名)スル
表し明らかにすること。

表筒男命

うわつつのおのみこと ウハツツノヲ― 【表筒男命】
⇒住吉神(スミノエノカミ)

表筵

うわむしろ ウハ― [3] 【表筵・上蓆】
帳台内の畳の上に敷く敷物。唐綾(カラアヤ)の白の表に紅の裏をつけ,青地の錦の縁をとって,中に綿を薄く入れたもの。

表紋

おもてもん [3] 【表紋】
(1)その家の正式の紋章。定紋。家紋。
⇔裏紋
(2)「日向紋(ヒナタモン)」に同じ。

表紙

ひょうし【表紙】
a cover.→英和
〜をつける cover <a book with cloth> .

表紙

ひょうし ヘウ― [3][0] 【表紙】
(1)書物や帳簿などの外側に保護・装飾・内容表示などのために付けた,厚紙や革・布などのおおい。
(2)巻物を巻いたときに表側に出るようにつけた布帛(フハク)や紙。

表組

おもてぐみ [0] 【表組】
近世邦楽で,自流の曲目を教習上二段階に分類した場合の,最初の段階の曲目。特に,三味線組歌・箏組歌についていう。
⇔裏組

表絵師

おもてえし [4] 【表絵師】
江戸幕府御用絵師のうち,奥絵師の支流十数家。御家人格。

表編み

おもてあみ [0] 【表編み】
棒針編みの基本編みの一。メリヤスの表の面と同じ編み目のでる編み方。メリヤス編み。
→裏編み
表編み[図]

表罫

おもてけい [0] 【表罫】
印刷に用いる罫線の一。実線の細いもの。

表舞台

おもてぶたい [4] 【表舞台】
公然と活動する場所。「政治の―で活躍する」

表芸

おもてげい [3] 【表芸】
自分の本業とする技芸。
⇔裏芸

表街道

おもてかいどう [4] 【表街道】
(1)正式の街道。本道。
(2)(比喩的に)まっとうな人生。はなやかな人生。正しい人生。「人生の―を歩む」

表衣

ひょうい ヘウ― [1] 【表衣】
一番上に着る衣服。うわぎ。

表衣

うえのきぬ ウヘ― 【表衣・袍】
袍(ホウ)。また,略装のときの直衣(ノウシ)。

表表

ひょうひょう ヘウヘウ [0] 【表表】 (ト|タル)[文]形動タリ
あきらかであるさま。「戦場に於て,武勇を振ひ,貴爵を得たる人,また少なからず,…古雷徳(クライド)の如き,その尤も―たるものなり/西国立志編(正直)」

表袴

うえのはかま ウヘ― 【表袴・上袴】
束帯のとき,大口の上につける袴。夏・冬を問わず表は白,裏は紅。三位以上または禁色を許された者は有文の絹織物,四位以下は平絹を用いる。
表袴[図]

表装

ひょうそう ヘウサウ [0] 【表装】 (名)スル
書画の保存と鑑賞のために布・紙などで縁どりや裏打ちなどをして掛軸・額に仕立てること。また,布または紙をはって,屏風(ビヨウブ)・襖(フスマ)などに仕立てること。表具。

表装

ひょうそう【表装】
mounting (書画の);binding (書物の).〜する mount <a picture> ;→英和
bind.→英和

表裏

おもてうら 【表裏】
(1)おもてとうら。
(2)表面に表れた態度と内心。うらおもて。「―ノアル人/日葡」

表裏

ひょうり ヘウ― [1] 【表裏】 (名)スル
(1)表と裏。また,物の表と裏の関係にあること。「―を成す」「物質界と―して…精神界が別にあると/平凡(四迷)」
(2)外面と内情とが食い違うこと。また,外面に出る言葉や態度と内心が食い違うこと。陰ひなたがあったり,うそを言ったりすること。「―なく働く」「―のある行動」

表裏

ひょうり【表裏】
(1)[物の両面]two[both]sides <of a thing> .
(2)[二心]dishonesty.→英和
〜のない(ある) (dis)honest.→英和

表裏一体

ひょうりいったい ヘウ― [1] 【表裏一体】
相反するかに見える二つのものが,根本では密接につながっていること。また,その関係。「―をなすもの」

表裏者

ひょうりもの ヘウ― 【表裏者】
うらおもてのある者。うそつき。「やあ卑怯至極の―/浄瑠璃・神霊矢口渡」

表裳

うわも ウハ― 【上裳・表裳】
(1)律令制下,男女が礼服に用いた裳。男は袴(ハカマ)の上,女は下裳(シタモ)の上につけた。
(2)上代,女の重ねの裳の上の部分。

表褙

ひょうはい ヘウ― [0] 【表褙・裱褙】
表装すること。表具。

表見代理

ひょうけんだいり ヘウケン― [5] 【表見代理】
代理権のない者が代理行為をした場合のうち,その者と本人との間に一定の関係があり,相手方がその者を本人の正当な代理人と誤信して取引などが成立したときは,代理権がないにもかかわらず,その代理行為を有効とする制度。
→無権代理

表計算ソフト

ひょうけいさんソフト ヘウケイサン― [7] 【表計算―】
⇒スプレッド-シート

表記

ひょうき ヘウ― [1] 【表記】 (名)スル
(1)おもてに書き記すこと。また,その文字。おもて書き。「―の住所あてお送り下さい」
(2)文字や記号で書き表すこと。「漢字仮名まじりで―する」

表記の

ひょうき【表記の】
mentioned on the outside.→英和
表記法 notation.→英和

表記法

ひょうきほう ヘウ―ハフ [0] 【表記法】
言葉を文字によって書き表すときのきまり。日本語でいえば,漢字の使い分け,送り仮名の付け方,仮名遣い,句読点など補助記号の使い方,縦書き・横書きなど。
→正書法

表語文字

ひょうごもじ ヘウゴ― [4] 【表語文字】
表意文字のうち,一字ずつが一語を表す文字。漢字の類。一字は,その対応する語の意味と音を同時に表すことになる。単語文字。

表象

ひょうしょう【表象】
a symbol;→英和
《哲》an idea;→英和
a (re)presentation.

表象

ひょうしょう ヘウシヤウ [0] 【表象】
〔哲〕
〔(ドイツ) Vorstellung〕
感覚の複合体として心に思い浮かべられる外的対象の像。知覚内容・記憶像など心に生起するもの。直観的な点で概念や理念の非直観作用と異なる。心像。観念。

表象主義

ひょうしょうしゅぎ ヘウシヤウ― [5] 【表象主義】
⇒象徴(シヨウチヨウ)主義

表象型

ひょうしょうがた ヘウシヤウ― [0] 【表象型】
〔心〕 知的機能,特に記憶に関して,どの感覚が最も強く働くかによって分けた人間の型。色や形による視覚型,音による聴覚型,身体的運動の感じや触覚による運動型などがある。

表身頃

おもてみごろ [4] 【表身頃】
袷(アワセ)・綿入れなど裏のある衣服の身頃で表となるもの。
⇔裏身頃

表通り

おもてどおり [4] 【表通り】
町の主要な道路。
⇔裏通り

表通り

おもてどおり【表通り】
a main street.

表道具

おもてどうぐ [4] 【表道具】
身分・格式あるいは職業を示すための道具。欠くことのできない道具。「麻のかみしも・中脇差一腰は,町人の―なれば/浮世草子・織留 5」

表銘

おもてめい [3] 【表銘】
刀の茎(ナカゴ)の表に彫った銘。普通は作者名だけであるが,時に,作者の生国・住所・作刀場所・鍛法を刻むこともある。
⇔裏銘

表長屋

おもてながや [4] 【表長屋】
表通りに面している長屋。
⇔裏長屋

表門

おもてもん [0] 【表門】
建物の正面の門。正門。
⇔裏門

表露

ひょうろ ヘウ― [1] 【表露】 (名)スル
表にあらわれること。表にあらわすこと。「其人の怯懦を―して/露団々(露伴)」

表面

ひょうめん ヘウ― [3] 【表面】
(1)物の一番外側あるいは上側の部分。おもて。
⇔裏面
「―に傷をつける」「水の―」
(2)外から目につく部分。外見。うわべ。
⇔裏面
「―だけとりつくろう」
(3)〔物・化〕 液相または固相と気相(または真空)とが接触しているときの境界面。

表面

ひょうめん【表面】
the (sur)face.〜的な superficial (うわべの);→英和
outward (外面の).→英和
〜的に(は) superficial(ly);outward(ly);on the face of it.〜化する come up to the surface.→英和
‖表面張力《物》surface tension.

表面処理

ひょうめんしょり ヘウ― [5] 【表面処理】
材料表面の美化・硬化また耐食化などのために行う種々の処理の総称。

表面化

ひょうめんか ヘウ―クワ [0] 【表面化】 (名)スル
今まで知られなかったことが,広く知られるようになってくること。「内紛が―する」

表面張力

ひょうめんちょうりょく ヘウ―チヤウ― [5] 【表面張力】
液体の表面がみずから収縮してできるだけ小さな表面積となろうとする力。液体分子間に働く引力によって起こる。水滴が丸い粒になったり,乾いた針を静かに水面におくと浮かんだりするのはこの力による。

表面張力波

ひょうめんちょうりょくは ヘウ―チヤウリヨク― [8] 【表面張力波】
表面張力が主な復元力として働く水面波。水深の深い水の表面では波長が1.7センチメートル以下の波がこれに当たる。

表面弾性波素子

ひょうめんだんせいはそし ヘウ― [10] 【表面弾性波素子】
⇒ソウ(SAW)

表面波

ひょうめんは ヘウ― [3] 【表面波】
媒質の表面または境界面に沿って伝わる波。地表を伝わる地震波がその例。また,水深が波長に比べて十分に大きい場合の,水面の波をいう。風波やうねりなど。

表面活性剤

ひょうめんかっせいざい ヘウ―クワツセイ― [7] 【表面活性剤】
⇒界面活性剤(カイメンカツセイザイ)

表面的

ひょうめんてき ヘウ― [0] 【表面的】 (形動)
うわべだけにとどまっているさま。外面的。「―には平静を装っていた」

表面硬化

ひょうめんこうか ヘウ―カウクワ [5] 【表面硬化】
(1)ゴムなどの弾性物質を空気中に放置すると,材質の酸化などにより表層部からだんだん弾性を失い固くなってゆくこと。
(2)鋼の表面層だけを硬化させ,内部に靭性(ジンセイ)を残しておく処理法。表面の耐摩耗性・耐疲労性を増すために行う。

表面税率

ひょうめんぜいりつ ヘウ― [5] 【表面税率】
税法や条例に規定され,課税所得に適用される税率。
→実効税率

表面積

ひょうめんせき ヘウ― [3] 【表面積】
立体の表面の面積。

表面色

ひょうめんしょく ヘウ― [3] 【表面色】
⇒反射色(ハンシヤシヨク)

表面金利

ひょうめんきんり ヘウ― [5] 【表面金利】
金融機関が資金を貸し出す際,借主と約定した金利。クーポン-レート。

表音

ひょうおん【表音(の)】
phonetic.→英和
‖表音記号(文字) a phonetic symbol[sign](alphabet).

表音

ひょうおん ヘウ― [0] 【表音】
文字が,発音を表していること。音標。
⇔表意

表音式仮名遣い

ひょうおんしきかなづかい ヘウ―カナヅカヒ [9] 【表音式仮名遣い】
仮名を実際の発音にもっぱら対応させた仮名遣い。現代仮名遣いは現代語の発音に基づく表音式仮名遣いの一種であるが,連濁ならびに連呼音の場合に「ぢ」「づ」を用いる点など,一部に歴史的仮名遣いを残している。発音式仮名遣い。

表音文字

ひょうおんもじ ヘウ― [5] 【表音文字】
文字の中で,一字一字が特定の意味を表すことがなく,もっぱら一つ一つの音声に対応して,その発音を表すもの。ローマ字・アラビア文字・仮名など。音字。音標文字。写音文字。
⇔表意文字

表音記号

ひょうおんきごう ヘウ―ガウ [5] 【表音記号】
⇒音声記号(オンセイキゴウ)

表題

ひょうだい ヘウ― [0] 【表題・標題】
(1)本の表紙に書かれている本の名。
(2)講義・演説などの題目。
(3)演劇などの題目。

表顕

ひょうけん ヘウ― [0] 【表顕】 (名)スル
世の人に広く知らせ明らかにすること。顕彰。「予が赤心を他日に―せんことを/新聞雑誌 12」

表高

おもてだか [0] 【表高】
江戸時代,大名・知行取りの表向きの石高。公称の禄高。
⇔内高

表高家

おもてこうけ [4] 【表高家】
江戸幕府の職名。高家のうち,高家肝煎(キモイリ)になれなかった無役の高家。

表鳴り

うわなり ウハ― [0] 【上鳴り・表鳴り】
笙(シヨウ)などで,目的の音に伴って鳴るかすかな上音(ジヨウオン)。

表[票]決

ひょうけつ【表[票]決(で)】
(by) vote;→英和
voting.〜する take a vote <on> ;put <a matter> to vote.

表[面]

おもて【表[面]】
(1) the face;→英和
the surface (表面);→英和
the right side (着物の);the head (貨幣の).→英和
(2) the front (前面);→英和
the front door (戸口).
(3) the street (街路);→英和
out of doors (戸外).
7回の〜《野》the top of the seventh inning.〜で[に]outside.→英和
‖表門 the front gate.

衰え

おとろえ オトロヘ [0][3] 【衰え】
勢いが弱くなること。おとろえること。衰微。「体力の―を感じる」

衰える

おとろえる【衰える】
become weak;lose bodily vigor;wither (しおれる);→英和
decline.→英和
健康(人気)が〜 decline in health (popularity).風(火勢)が〜 The wind (fire) goes down.

衰える

おとろ・える オトロヘル [4][3] 【衰える】 (動ア下一)[文]ハ下二 おとろ・ふ
〔「おとる」に接尾語「ふ」の付いた「おとらふ」の転〕
(1)勢いが弱くなる。盛んでなくなる。「体力が―・える」「火勢が―・える」「容色が―・える」
(2)おちぶれる。「―・へたる家に藤の花植ゑたる人/伊勢 80」

衰ふ

おとろ・う オトロフ 【衰ふ】 (動ハ下二)
⇒おとろえる

衰亡

すいぼう [0] 【衰亡】 (名)スル
おとろえほろびること。勢力を失って滅亡すること。「国家―の危機」「国が―する」

衰亡する

すいぼう【衰亡する】
decline;→英和
(go to) ruin;→英和
fall.→英和

衰勢

すいせい [0] 【衰勢】
おとろえた勢力。勢力のおとろえ。

衰容

すいよう [0] 【衰容】
やつれた容姿。やせおとろえた姿。

衰廃

すいはい [0] 【衰廃】 (名)スル
おとろえすたれること。

衰弊

すいへい [0] 【衰弊】 (名)スル
おとろえ弱ること。衰憊(スイハイ)。

衰弱

すいじゃく [0] 【衰弱】 (名)スル
(肉体などが)衰えて弱くなること。「神経がひどく―している」

衰弱

すいじゃく【衰弱】
weakening;breakdown.→英和
〜する grow weak;be worn out;be weakened[emaciated].

衰微

すいび [1] 【衰微】 (名)スル
盛んだったものが衰えること。衰退。「国力が―する」

衰微する

すいび【衰微する】
decay;→英和
decline;→英和
fall.→英和

衰憊

すいはい [0] 【衰憊】 (名)スル
おとろえつかれること。衰弊。「―を救ふの道を尋ねけるが/二宮尊徳(露伴)」

衰日

すいじつ [0] 【衰日】
⇒すいにち(衰日)

衰日

すいにち [0] 【衰日】
陰陽道(オンヨウドウ)で凶日の一。生年の十二支によって決まる生年衰日と,生年の干支と年齢の関係によって決まる行年衰日とがある。すいじつ。
→徳日(トクニチ)

衰朽

すいきゅう [0] 【衰朽】
おとろえてくさること。

衰死

すいし [0] 【衰死】 (名)スル
おとろえ弱って死ぬこと。

衰残

すいざん [0] 【衰残】
おとろえ弱りはてること。「―の身」

衰滅

すいめつ [0] 【衰滅】 (名)スル
勢いがおとろえほろびること。衰亡。「君主の権は次第に―するに至り/民約論(徳)」

衰窮

すいきゅう [0] 【衰窮】
おとろえ困窮すること。

衰老

すいろう [0] 【衰老】 (名)スル
「老衰」に同じ。「父季闖―して子を思ふ心甚しく/浮世草子・国姓爺明朝太平記」

衰耄

すいもう [0] 【衰耄】 (名)スル
年老いておとろえること。すいぼう。「愛慾の為に―したやうな甥の姿/家(藤村)」

衰耄

すいぼう [0] 【衰耄】 (名)スル
「すいもう(衰耄)」に同じ。

衰耗

すいこう [0] 【衰耗】 (名)スル
おとろえ弱ること。すいもう。「健安の心思,…―することなり/西国立志編(正直)」

衰耗

すいもう [0] 【衰耗】
「すいこう(衰耗)」に同じ。

衰色

すいしょく [0] 【衰色】
おとろえたようす。「―あらわ」

衰退

すいたい【衰退】
a decline;→英和
a fall;→英和
decay.→英和
⇒衰える.

衰退

すいたい [0] 【衰退・衰頽】 (名)スル
おとろえて,勢いを失うこと。凋落。衰微。「国運が―する」「―の一途をたどる」

衰運

すいうん【衰運】
declining fortune.〜に向かう begin to decline;be on the wane.→英和
〜を挽(ばん)回する recover one's former prosperity.

衰運

すいうん [0] 【衰運】
おとろえ亡びてゆく運命。
⇔盛運

衰邁

すいまい [0] 【衰邁】 (名)スル
年老いて,心身の衰えること。老衰。「老眼年々に―して/読本・八犬伝 9」

衰零

すいれい [0] 【衰零】 (名)スル
衰えおちぶれること。「王室及び足利氏の―して/日本開化小史(卯吉)」

衰頽

すいたい [0] 【衰退・衰頽】 (名)スル
おとろえて,勢いを失うこと。凋落。衰微。「国運が―する」「―の一途をたどる」

衰顔

すいがん [0] 【衰顔】
生気の失われた顔。やつれた顔。

衰鬢

すいびん [0] 【衰鬢】
薄くなった鬢の毛。

のう ナウ 【衲】
(1)「衲衣(ノウエ){(1)}」に同じ。「暑げなるもの,随身の長の狩衣。―の袈裟/枕草子 123」
(2)「衲衣(ノウエ){(2)}」に同じ。

衲僧

のうそう ナフ― 【衲僧】
「衲子(ノツス)」に同じ。

衲子

のうし ナフ― 【衲子】
「のっす(衲子)」に同じ。

衲子

のうす ナフ― 【衲子】
「のっす(衲子)」に同じ。

衲子

のっす 【衲子】
〔仏〕
〔「のうす」とも〕
衲衣(ノウエ)を着ている者の意で,主として禅宗の僧をさす。また,禅僧の自称。衲僧(ノウソウ)。のうし。

衲衆

のうしゅ ナフ― [1] 【衲衆】
法会(ホウエ)などで,衲袈裟(ノウゲサ)を着け,金剛杵(コンゴウシヨ)を持つ役割の僧たち。

衲衣

のうえ ナフ― [1] 【衲衣・納衣】
(1)〔ぼろ布を縫いつづって作った衣の意〕
僧尼が身に着ける袈裟(ケサ)。日本では,形式化して華美なものも作られた。衲(ノウ)。衲袈裟。「―の僧は綺羅の人に代へたり/和漢朗詠(雑)」
(2)僧侶のこと。

衲袈裟

のうげさ ナフ― [0] 【衲袈裟】
「衲衣(ノウエ){(1)}」に同じ。

あこめ [0] 【衵・袙】
〔「間籠(アイコメ)」の転か〕
(1)中古の,男子の中着。束帯のときは下襲(シタガサネ)と単(ヒトエ)の間,衣冠のときは袍(ホウ)と単の間に着た。通常は腰丈で袴(ハカマ)の中に入れて着た。直衣(ノウシ)では,下着の衣をいい,出衵(イダシアコメ)とした。
(2)中古,女子の中着。表着(ウワギ)と単の間に何枚も重ねて着た。また,女童が着た袿(ウチキ)の小形のもの。汗衫(カザミ)の下に着たが,のちには表着とした。
衵(1)[図]

衵姿

あこめすがた 【衵姿】
少女の,汗衫(カザミ)も着ないで,衵だけを着ている姿。「わらはべなど,をかしき―うちとけて/源氏(野分)」

衵扇

あこめおうぎ [4] 【衵扇】
「檜扇(ヒオウギ){(2)}」に同じ。

衵衣

あこめぎぬ 【衵衣】
「あこめ{(1)}」に同じ。[和名抄]

衵袴

あこめばかま 【衵袴】
女性が衵を着るときに着ける袴。

衷心

ちゅうしん [0] 【衷心】
心の奥底。まごころ。「―から哀悼の意を表します」

衷心から

ちゅうしん【衷心から】
from the bottom of one's heart;heartily;deeply.→英和
〜からの歓迎(同情) <offer> a hearty welcome (one's deep sympathy).

衷情

ちゅうじょう [0] 【衷情】
うそいつわりのない心。まごころ。誠意。「悶々の―を訴へたく/羹(潤一郎)」

衷懐

ちゅうかい [0] 【衷懐】
(1)心のうち。思い。「―を述べる」
(2)誠実な心。まごころ。まこと。「―を吐露する」

おおくび オホ― 【大領・衽】
(1)袍(ホウ)・狩衣(カリギヌ)・直衣(ノウシ)などの前襟の重なる部分。
(2)小袖の前に付く布。今日の袵(オクミ)にあたる。

おくみ [0][3] 【衽・袵】
〔「大領(オオクビ)」の転〕
和服で,長着の前身頃(マエミゴロ)の打ち合わせ側にある半幅の部分。上に襟がつく。おくび。

おくび 【衽・袵】
〔「大領(オオクビ)」の転〕
「おくみ(衽)」に同じ。「御下交(シタガイ)の―に/宇津保(俊蔭)」

衽下がり

おくみさがり [4] 【衽下(が)り】
肩山から衽先までの寸法。

衽下り

おくみさがり [4] 【衽下(が)り】
肩山から衽先までの寸法。

衽先

おくみさき [0] 【衽先】
衽が襟と身頃とに接する細くとがった先。剣先。

衽先

ありさき 【蟻先・衽先】
〔「あまりさき」の転という〕
袍(ホウ)や直衣(ノウシ)で,襴(ラン)の両脇の張り出した部分。

衽席

じんせき [0] 【衽席】
しきもの。ふとん。ねどこ。ねま。

衽形

おくみなり [0] 【衽形】
衽の上部のように斜めになった形。

ふすま [0][3] 【衾・被】
身体の上にかける寝具。木綿・麻などで縫い,普通は長方形であるが,袖や襟を付けたものもある。現在のかけぶとんの役割をした。[季]冬。《一日を心に描く―かな/池内友次郎》

衾瓦

ふすまがわら [4] 【衾瓦】
雁振(ガンブリ)瓦の別名。

衾褥

きんじょく [0][1] 【衾褥】
ふすまとしとね。夜具。

衾道を

ふすまじを 【衾道を】 (枕詞)
地名「引手(ヒキテ)の山」にかかる。語義・かかり方に諸説あるが,未詳。「―引手の山に妹を置きて/万葉 212」

衾雪

ふすまゆき [3] 【衾雪】
一面に白く降り積もった雪。

えり [2] 【襟・衿・領】
(1)衣服で,身頃の首を取り囲むところに取りつけられている部分。また,襟ぐり。「詰め―」「コートの―を立てる」
(2)首の後部。また,首。「今日こそは,と―を延ばして/浮雲(四迷)」
(3)布団などの,首のあたる部分にかける布。

衿帯

きんたい [0] 【襟帯・衿帯】
(1)えりとおび。
(2)〔山を襟(エリ),川を帯(オビ)にたとえて〕
山や川が敵を防ぐのに便利なようになっている所。「山河―」

袁世凱

えんせいがい ヱン― 【袁世凱】
(1859-1916) 中国の軍人・政治家。字(アザナ)は慰庭(イテイ),号は容菴(ヨウアン)。李鴻章(リコウシヨウ)を継いで北洋軍閥の首領となり,辛亥(シンガイ)革命では革命派と結び,清朝の宣統帝を廃位して臨時大総統に就任。独裁政治を行い,帝政実現を図ったが失敗。ユアン=シーカイ。

袁宏道

えんこうどう ヱンクワウダウ 【袁宏道】
(1569-1610) 中国,明代の詩人。字(アザナ)は中郎,号は石公。李贄(リシ)の影響を受けて性霊説を述べ,兄宗道・弟中道とともに公安の三袁と呼ばれた。詩文集「袁中郎集」がある。

袁彦道

えんげんどう ヱンゲンダウ [3] 【袁彦道】
〔「晋書(袁耽伝)」にみえる,中国東晋時代のばくちの名人の名から〕
ばくち。

袁枚

えんばい ヱン― 【袁枚】
(1716-1797) 中国,清代の詩人。字(アザナ)は子才,号は簡斎。世に随園先生と称される。詩法に拘泥せず性霊説を唱え,清新奇抜な詩をつくり,古文・駢文(ベンブン)にもすぐれた。主著「小倉山房集」「随園詩話」「随園食単」

袁紹

えんしょう ヱンセウ 【袁紹】
(?-202) 中国,後漢末の豪族・武臣。字(アザナ)は本初。霊帝の死後,宦官(カンガン)の専横を抑圧。皇帝の廃立を行なった董卓(トウタク)を洛陽(ラクヨウ)から追放して,冀州(キシユウ)を中心に勢力を伸ばし,山東の曹操(ソウソウ)と対立した。官渡(河南省)の戦いで敗れ病没。

たもと [3] 【袂】
〔手(タ)本(モト)の意〕
(1)和服の袖の,袖付けより下の垂れ下がった部分。「―に入れる」「―を翻(ヒルガエ)す」
(2)袖。「をのこどもの―より手いだしたる/宇治拾遺 1」
(3)上代,肘から肩までの部分。一説に,手首・袖口のあたり。「韓玉(カラタマ)を―に巻かし/万葉 804」
(4)かたわら。あたり。ほとり。「橋の―」

たもと【袂】
the sleeve;→英和
<at> the foot <of> (橋の).→英和
〜を分かつ part from[take leave of] <a person> .

袂の露

たもとのつゆ 【袂の露】
袖にかかる涙。「ほに出でぬ物思ふらし篠すすき招く―しげくして/源氏(宿木)」

袂別

べいべつ [0] 【袂別】 (名)スル
たもとを分かつこと。人と別れること。

袂時計

たもとどけい [4] 【袂時計】
懐中時計。

袂糞

たもとくそ [3] 【袂糞】
和服の袖の底に自然とたまるごみ。

袂落し

たもとおとし [4] 【袂落(と)し】
タバコ入れ・汗ふきなどをはさむ小さい袋。紐(ヒモ)の両端にその二個を結びつけ,懐中から左右のたもとに落としておく。
袂落とし[図]

袂落とし

たもとおとし [4] 【袂落(と)し】
タバコ入れ・汗ふきなどをはさむ小さい袋。紐(ヒモ)の両端にその二個を結びつけ,懐中から左右のたもとに落としておく。
袂落とし[図]

袈裟

けさ【袈裟】
a surplice.→英和

袈裟

けさ [2][0] 【袈裟】
〔梵 kāṣāya 不正色・壊色(エシキ)の意〕
(1)インドで仏教者の着る法衣(ホウエ)のこと。中国・日本では衣(コロモ)の上に左肩から右腋下へかける長方形の布をいう。インドの法衣が形式化したもので,小さい四角の布を縫い合わせて作り,中国・日本では次第に色や布は華美なものが用いられるようになった。宗派によって各種の形式のものがある。功徳衣。無垢衣。福田衣。忍辱鎧(ニンニクガイ)。卓衣。
(2)「袈裟懸け」の略。「―に斬る」

袈裟固め

けさがため [3] 【袈裟固め】
柔道の抑え込み技の一。あお向けに倒した相手の肩と腋(ワキ)の下とを袈裟懸けの形に抑え込むもの。

袈裟形

けさがた [0] 【袈裟形】
「袈裟襷(ケサダスキ){(1)}」に同じ。

袈裟御前

けさごぜん 【袈裟御前】
平安末期の伝説上の女性。北面の武士源渡(ワタル)の妻。夫の同僚遠藤盛遠(のちの文覚(モンガク))に横恋慕され,夫の身代わりに殺される。

袈裟懸

けさがけ [0] 【袈裟懸(け)】
(1)袈裟をかけるように,一方の肩から他方の腋(ワキ)へ斜めに物をかけること。
(2)一方の肩から他方の腋へかけて,刀で斬り下げること。けさぎり。「―に斬る」

袈裟懸け

けさがけ [0] 【袈裟懸(け)】
(1)袈裟をかけるように,一方の肩から他方の腋(ワキ)へ斜めに物をかけること。
(2)一方の肩から他方の腋へかけて,刀で斬り下げること。けさぎり。「―に斬る」

袈裟斬り

けさぎり [0] 【袈裟斬り】
「袈裟懸(ケサガ)け{(2)}」に同じ。

袈裟袋

けさぶくろ [3] 【袈裟袋】
禅僧が行脚(アンギヤ)のときに,袈裟やその他の用具を入れて首にかけ胸に垂らす袋。

袈裟襷

けさだすき [3] 【袈裟襷】
(1)梵鐘(ボンシヨウ)の外面にある縦横の帯。袈裟形。
(2)斜め格子文の帯で縦横に区切った文様。弥生時代の銅鐸に多くみられる。

袈裟頭巾

けさずきん 【袈裟頭巾】
法師武者が戦場で兜(カブト)の上にかぶった頭巾。

たい 【袋】 (接尾)
助数詞。茶・薬など,袋(フクロ)に入れたものを数えるのに用いる。「セメント一―」

ふくろ [3] 【袋・嚢】
(1)口の部分だけを残し他を縫い合わせたり張り合わせたりして,中に物を入れるようにしたもの。布・紙・革などで作る。
(2)ミカン・ホオズキなどの果肉を包んでいる薄い皮。
(3)開いている口が一方だけで,他に抜けられないもの。「―小路」
(4)体の中にあって,何かを入れているもの。「胃―」「子―」「堪忍―」
(5)水に囲まれている土地。
(6)きんちゃく。「嶋田の者は,…旅人の―をむさぼる故に,大水を喜ぶ/仮名草子・東海道名所記」

ふくろ【袋】
a bag;→英和
a sack.→英和
〜のねずみである be like a mouse in a trap.→英和

袋ナット

ふくろナット [4] 【袋―】
特殊ナットの一。ねじ穴の一方が半球状に密閉されているもの。
→ナット

袋井

ふくろい フクロヰ 【袋井】
静岡県中西部,太田川と支流の原野谷(ハラノヤ)川の合流部にある市。近世は東海道の宿駅。温室メロンのほか,茶・ミカンなどの産地。

袋入り本

ふくろいりぼん [0] 【袋入り本】
江戸時代,色刷りの袋に入れて刊行された特製本の黄表紙。

袋叩き

ふくろだたき [4] 【袋叩き】 (名)スル
一人を多人数で取り囲みさんざんに叩くこと。転じて,大勢の人からさんざんに非難されること。「―にあう」

袋叩きにする

ふくろだたき【袋叩きにする】
gang up and give a person sound beating.〜にあう get soundly beaten.

袋回し

ふくろまわし [4] 【袋回し】
運座の方法の一。状袋に書かれた季題で作った句を小紙に書き,その状袋に入れて隣に回す方法。
→膝回し

袋土竜

ふくろもぐら [4] 【袋土竜】
有袋目フクロモグラ科の哺乳類。地下生活に適応した有袋類で,オーストラリアの砂漠に棲むが分布はきわめてまれ。体重40グラム程度で,淡黄色の毛をもつ。動物学的に不明な点が多い。

袋地

ふくろち [3] 【袋地】
⇒ふくろじ(袋地)

袋地

ふくろじ [3] 【袋地】
他の土地に囲まれ,私道によって公道に通じている敷地。
→裏地(ウラジ)

袋小路

ふくろこうじ [4] 【袋小路】
行き止まりになっている小路。転じて,物事が行き詰まること。袋道。「―に迷い込む」「捜査が―に入り込む」

袋小路

ふくろこうじ【袋小路】
a blind alley; <F.> a cul-de-sac.

袋帯

ふくろおび [4][3] 【袋帯】
袋織りにした縫い目も芯(シン)もない帯。正装・礼装に用いる。

袋床

ふくろどこ [3][0] 【袋床】
床の間の一形式。床の間正面の左右いずれかの端部に袖壁を設け,その部分を袋のようにした床の間。

袋張り

ふくろはり [3] 【袋張り・袋貼り】
(1)紙で袋をつくること。
(2)額や襖(フスマ)などを張るとき,紙の周囲にだけ糊(ノリ)をつけて他の部分は浮かして貼ること。

袋形動物

たいけいどうぶつ [5] 【袋形動物】
動物分類上の一門。輪虫綱・線虫綱など七綱から成る。外形は芋虫状または糸状。左右相称で呼吸・循環器系がない。自由生活するものと動植物に寄生するものとがある。回虫・ワムシなどの類を含む。かつては線形動物と輪形動物に分けられていた。

袋戸

ふくろど [3] 【袋戸】
袋棚の戸。多くは襖(フスマ)。

袋戸棚

ふくろとだな [4] 【袋戸棚】
⇒ふくろだな(袋棚)

袋打ち

ふくろうち [0] 【袋打ち】
組紐(クミヒモ)を中が袋になるように管状に組むこと。また,その紐。

袋掛

ふくろかけ [3] 【袋掛(け)】
ナシ・リンゴなどの果実に,病虫害や強い日照から守るために紙袋をかぶせること。[季]夏。

袋掛け

ふくろかけ [3] 【袋掛(け)】
ナシ・リンゴなどの果実に,病虫害や強い日照から守るために紙袋をかぶせること。[季]夏。

袋果

たいか [1] 【袋果】
乾果のうちの裂開果の一種。一枚の心皮子房が成熟した果実で,内縫(ナイホウ)線または外縫線に沿って裂ける。オウレン・シキミなどキンポウゲ科・モクレン科の植物に多い。

袋棚

ふくろだな [3] 【袋棚】
(1)床の間の脇に設けられ,引き違いの襖(フスマ)をつけた戸棚。多くは違い棚と組み合わせて用いる。天袋や地袋など。袋戸棚。
(2)茶室の棚の一。地袋のついた置き棚。桑や桐などで作り,花入れ・棗(ナツメ)などを飾る。志野袋棚。利休袋棚。

袋海苔

ふくろのり [3] 【袋海苔】
褐藻類カヤモノリ目の海藻。世界に広く分布。潮間帯下部の岩上または他の海藻に着生。藻体は薄膜質で直径4〜10センチメートルの塊状をなし,中空で破れやすい。

袋熊

ふくろぐま [3] 【袋熊】
コアラの別名。

袋物

ふくろもの [0] 【袋物】
(1)袋状の入れ物。紙入れ・がま口・手提げなど。
(2)袋に入れた物。

袋狐

ふくろぎつね [4] 【袋狐】
有袋目クスクス科の哺乳類の一種。とがった鼻面をもつが,キツネには似ていない。頭胴長40〜55センチメートル。数亜種に分かれ,体色も褐色・灰色・黒色と変異が大きい。多様な植物や昆虫を餌とする。オーストラリア大陸・タスマニアに分布し,ニュージーランドにも移入されて定着している。

袋狼

ふくろおおかみ [4] 【袋狼】
有袋目の哺乳類。外形はイヌに似るが育児嚢(ノウ)をもつ。頭胴長約1.1メートル,尾長約55センチメートル。全身淡褐色で,背から尾にかけて暗褐色の横縞がある。主に小形の鳥獣類を捕食する。かつてタスマニアに分布したが,現在は生息が確認できず,絶滅したとされる。

袋猫

ふくろねこ [4] 【袋猫】
(1)フクロネコ科の有袋類の総称。五〇種以上が含まれる。多くは体重100グラム程度と小形だが,最大種タスマニアデビルは8キログラムに達する。オーストラリアとニューギニアの周辺に分布。昆虫・トカゲ・果実・死肉などを食べる。
(2){(1)}の一種。体重2キログラムに達する大形の肉食性有袋類。

袋田温泉

ふくろだおんせん 【袋田温泉】
茨城県北部,大子(ダイゴ)町袋田にある温泉。泉質は炭酸泉。久慈川支流の滝川に臨み,上流には高さ120メートルで四段に落下,冬期には凍結する袋田の滝がある。

袋町

ふくろまち [3] 【袋町】
道路が行き止まりになっていて,通り抜けられない町。

袋竹刀

ふくろしない [4] 【袋竹刀】
竹刀の一種。竹を割って束ね,革袋をかぶせて刀に模したもの。新陰流・柳生(ヤギユウ)流で多く用いられた。

袋網

ふくろあみ [3] 【袋網】
(1)袋状に編んだ網。流れに仕掛けて魚などを捕る。
(2)引き網・巻き網などの魚を追い込む袋状の部分。

袋綴じ

ふくろとじ [3][0] 【袋綴じ】
書物・帳面の綴じ方の一。文字を書いた面が外側になるように紙を一枚ずつ二つ折りにし,折り目でない方を重ね合わせて綴じる方法。和装本と呼ばれるものはこの形式が多い。

袋縫い

ふくろぬい [0][3] 【袋縫い】 (名)スル
縫い代(シロ)の処理の仕方の一。外表に合わせて布端を浅く縫い合わせ,次いで裏返して,その縫い代を包んで出来上がり線を縫う。裁ち目が外に表れないのでほつれにくい。

袋織

ふくろおり [0] 【袋織(り)】
二重織りの一。布の両端が表裏接合され,筒状になる織り方。また,そのように織った物。

袋織り

ふくろおり [0] 【袋織(り)】
二重織りの一。布の両端が表裏接合され,筒状になる織り方。また,そのように織った物。

袋耳

ふくろみみ [3] 【袋耳】
(1)一度聞いたことは決して忘れないこと。また,その人。地獄耳。
(2)織物の耳の部分を袋織りにしたもの。

袋茸

ふくろたけ [3] 【袋茸】
担子菌類ハラタケ目のきのこ。秋,地面上に生える。食用菌で栽培もされる。傘は鐘形ないし丸山形,のちに平らになり中央は盛り上がる。表面を黒褐色の繊維がおおう。径5〜10センチメートル。柄は白く高さ5〜12センチメートル。
袋茸[図]

袋草子

ふくろそうし [4] 【袋草紙・袋草子】
〔「ふくろぞうし」とも〕
(1)袋綴じにした冊子。
(2)書名(別項参照)。

袋草紙

ふくろそうし 【袋草紙】
歌学書。四巻。藤原清輔著。1159年以前の成立,のち増補。歌会の諸作法,撰集の故実,歌人の逸話などを文献を引用しながら考証的に記す。続編「袋草紙遺編」一巻がある。

袋草紙

ふくろそうし [4] 【袋草紙・袋草子】
〔「ふくろぞうし」とも〕
(1)袋綴じにした冊子。
(2)書名(別項参照)。

袋虫

ふくろむし [3] 【袋虫】
節足動物門甲殻綱根頭目に属する動物の総称。体長数ミリメートルほどで袋状。他の甲殻類に寄生し,寄生された甲殻類の雄は生殖能力を失うことが多い。ツブフクロムシ・ウンモンフクロムシなど。

袋蜘蛛

ふくろぐも [4] 【袋蜘蛛】
(1)真正蜘蛛目フクログモ科フクログモ属に属するクモの総称。ハマキフクログモ・ヒメフクログモなど。
(2)ジグモの別名。

袋袴

ふくろばかま [4] 【袋袴】
⇒行灯袴(アンドンバカマ)

袋角

ふくろづの [3] 【袋角】
鹿の若角で,夏に生えかわったばかりの,皮をかぶり瘤(コブ)のようになっているもの。[季]夏。

袋貼り

ふくろはり [3] 【袋張り・袋貼り】
(1)紙で袋をつくること。
(2)額や襖(フスマ)などを張るとき,紙の周囲にだけ糊(ノリ)をつけて他の部分は浮かして貼ること。

袋足袋

ふくろたび [4] 【袋足袋】
親指と他の指の間に縫いこみの隔てをせず袋のようにした足袋。

袋道

ふくろみち [3] 【袋道】
「袋小路(フクロコウジ)」に同じ。

袋鯣

ふくろするめ [4] 【袋鯣】
ミズイカ・アオリイカなどの脚と内臓を取り除き,皮をはぎ胴を開かずに干して作った鯣。京都府宮津の名産。

袋鼠

ふくろねずみ [4] 【袋鼠】
オポッサムの別名。

うえのきぬ ウヘ― 【表衣・袍】
袍(ホウ)。また,略装のときの直衣(ノウシ)。

ほう ハウ [1] 【袍】
(1)衣冠・束帯などのときに着用する盤領(マルエリ)の上衣。身分によって色や布地に定めのある位袍と,好みによる雑袍がある。また,縫腋(ホウエキ)(文官用)と闕腋(ケツテキ)(武官・幼年者用)の別がある。うえのきぬ。
(2)転じて,上衣。「発(ハナ)つ矢を,一条は―の袖に/読本・弓張月(前)」

袒裼

たんせき [0] 【袒裼・襢裼】
肌脱ぎになること。また,上着を脱いで,下に着ているものをあらわすこと。

そで [0] 【袖】
〔「衣(ソ)手」の意〕
(1)衣服の左右の腕をおおう部分。和服では,袂(タモト)を含めていう。「―が長すぎる」「―を翻す」
(2)鎧(ヨロイ)の付属具の一。肩から肘(ヒジ)を護るもの。
(3)本体に対して付属部分。物の左右に突き出た部分。わきの部分。
 (ア)牛車(ギツシヤ)・輿などの出入り口の左右の張り出した部分。
 (イ)机のわきの部分。また,そこにある引き出し。
 (ウ)建造物・工作物の両脇の部分。
 (エ)舞台の左右両端の部分。

そで【袖】
a sleeve.→英和
〜なしの sleeveless.→英和
〜にすがる cling to a person's sleeve;beg for mercy (比喩的).〜にする give the cold shoulder <to> .〜の下を使う bribe.→英和
〜ふり合うも他生の縁 Even a chance acquaintance is preordained.〜を引く pull <a person> by the sleeve.〜をまくる roll up one's sleeves.‖袖カバー a sleevelet.袖口 a cuff.

袖の下

そでのした [5] 【袖の下】
(1)袂(タモト)に隠すようにしてそっと渡すもの。賄賂。また,心付け。そでした。「―を使う」
(2)人目をはばかって,内証で渡すこと。「茶など買うて飲めやといふて,―から二匁も遣る/浮世草子・新色五巻書」

袖の別れ

そでのわかれ 【袖の別れ】
共寝の重ね合わせた袖を解いて別れること。「白たへの―は惜しけども/万葉 3182」

袖の子

そでのこ 【袖の子】
〔托鉢(タクハツ)僧が米を袖で乞い受けることからという〕
稲の異名。「うぢ山のすそ野のをだの苗代にいくらかまきし―の種/為忠百首(丹後守)」

袖の時雨

そでのしぐれ 【袖の時雨】
時雨のように袖を濡らす涙。「中宮の御―もながめがちにて/栄花(岩蔭)」

袖の柵

そでのしがらみ 【袖の柵】
涙を押さえる袖を,流れをせき止める柵に見立てた語。「涙川落つる水上早ければせきぞかねつる―/拾遺(恋四)」

袖の梅

そでのうめ 【袖の梅】
江戸時代,江戸の新吉原で売られた酔いざましの丸薬。

袖の氷

そでのこおり 【袖の氷】
袖をぬらした涙の凍ったもの。袖のつらら。「わが―は春も知らなくに/蜻蛉(下)」

袖の氷柱

そでのつらら 【袖の氷柱】
「袖の氷」に同じ。「われらが中はしぐれつつ―もむすぼほれ/永久百首」

袖の浦

そでのうら 【袖の浦】
(1)山形県酒田市,最上川河口付近の海岸。((歌枕))「―たまらぬ玉のくだけつつ寄せても遠く帰る浪かな/建保名所百首」
(2)神奈川県鎌倉市稲村ヶ崎の西方の海岸。七里ヶ浜の異名。

袖の浦

そでのうら 【袖の浦】
涙にぬれた袖を浦に見立てていう語。「心にしみて―のひる時もなく/小大君集」

袖の海

そでのうみ 【袖の海】
袖が涙にひどくぬれることを海にたとえていう語。

袖の淵

そでのふち 【袖の淵】
袖に涙がたまったことを淵にたとえていう語。

袖の渡り

そでのわたり 【袖の渡り】
宮城県石巻市の北部,北上川にあった渡し場。((歌枕))「陸奥(ミチノク)の―の涙川心のうちにながれてぞすむ/相模集」

袖の湊

そでのみなと 【袖の湊】
〔伊勢物語の「思ほえず袖に湊の騒ぐかなもろこし舟の寄りしばかりに」からできた語〕
港に打ち寄せる波を,泣き声とともに袖にかかる涙にたとえていう語。「海士小舟よる方もなしなみだ川―は名のみさわげど/続後撰(恋二)」

袖の紙

そでのかみ 【袖の紙】
女性が袂(タモト)などに入れておく鼻紙。杉原紙の類。

袖の緒

そでのお [4] 【袖の緒】
鎧(ヨロイ)の袖の懸緒(カケオ)・請緒(ウケオ)・水呑(ミズノミ)の緒の総称。

袖の羽風

そでのはかぜ 【袖の羽風】
袖を振るときに起こる風を鳥の羽風にたとえていう語。

袖の雨

そでのあめ 【袖の雨】
袖に落ちる涙を雨に見立てていう語。

袖の雫

そでのしずく 【袖の雫】
袖にかかる涙。「―さへあはれにめづらかなり/和泉式部日記」

袖の露

そでのつゆ 【袖の露】
袖にかかる涙。「吹き結ぶ風は昔の秋ながらありしにも似ぬ―かな/新古今(秋上)」

袖の香

そでのか [4][0] 【袖の香】
袖にたきしめたかおり。

袖もぎ様

そでもぎさん 【袖もぎ様】
その前で転んだら,片袖をもいで手向(タム)けないと災いにあうといわれる神。中国・四国地方に多い。

袖カバー

そでカバー [3] 【袖―】
「腕カバー」に同じ。

袖ガッパ

そでガッパ [3] 【袖―】
袖をつけて着物仕立てにしたカッパ。

袖ヶ浦

そでがうら 【袖ヶ浦】
千葉県中西部,東京湾に面する市。京葉工業地帯の南部に当たり,石油化学工業が発達。

袖丈

そでたけ [2][0] 【袖丈】
衣服の袖の長さ。洋服では肩先から袖口まで,和服では袖山から袂(タモト)下端までの丈。

袖下

そでした [0] 【袖下】
(1)和服で,袂(タモト)の下端。また,袖付けの下端から袖の下端までの部分。
(2)洋服で,一枚袖の縫い合わされたところ。
(3)「袖の下」に同じ。「かの―のいひかはし/浄瑠璃・薩摩歌」

袖中抄

しゅうちゅうしょう シウチユウセウ 【袖中抄】
歌学書。二〇巻。顕昭著。文治(1185-1190)頃成立。「万葉集」以下「堀河百首」頃までの歌集や歌合(ウタアワセ)における歌語約三〇〇を注釈。豊富な引用文献を擁する当時の代表的歌学書。

袖乞い

そでごい [0] 【袖乞い】 (名)スル
物をもらって歩くこと。また,その人。こじき。ものもらい。「往来の人に―する」

袖付け

そでつけ [2][0] 【袖付け】
衣服の身頃に袖を縫いつけること。また,身頃と袖を縫い合わせた部分。

袖付けの緒

そでつけのお 【袖付けの緒】
鎧(ヨロイ)の綿上(ワタガミ)にある罠緒(ワナオ)。これに袖の懸緒(カケオ)・請緒(ウケオ)・執加緒(シツカノオ)を結びつける。

袖付け衣

そでつけごろも [5] 【袖付け衣】
(1)(袖のない肩衣(カタギヌ)に対して)袖のついている衣服。「結ひ幡(ハタ)の―着し我を/万葉 3791」
(2)狩衣(カリギヌ)・直衣(ノウシ)・袍(ホウ)など端袖(ハタソデ)のある衣。

袖几帳

そでぎちょう 【袖几帳】
袖をかかげて顔をおおい隠すこと。袖屏風(ソデビヨウブ)。「撒米(ウチマキ)をあやにくにすれば,御―の程もをかしく/栄花(楚王の夢)」

袖判

そではん [0] 【袖判】
古文書において,その右端に,認可のしるしに加えた書き判(花押)。

袖刳り

そでぐり [0] 【袖刳り】
洋服の身頃の袖付け。また,そのくり方。アームホール。

袖包み

そでぐるみ [3] 【袖包み】
「そでぶき(袖袘)」に同じ。

袖印

そでじるし [3] 【袖標・袖印】
戦場で敵味方を見分けるために,鎧(ヨロイ)の袖につけた目印。
袖標[図]

袖口

そでぐち [0] 【袖口】
衣服の袖の先端。手が出る所。

袖含み

そでぐくみ 【袖含み】
袖でつつむようにすること。「火をただほのかに入れて,―に持たり/源氏(末摘花)」

袖土産

そでみやげ 【袖土産】
袂(タモト)に入るほどの手軽なみやげ。手みやげ。「ほんに忘れておりました,と扇三本―/浄瑠璃・菅原」

袖型

そでがた [0] 【袖型】
和裁で袖の丸みを作るときに用いる,固い紙製・金属製の型。

袖垣

そでがき [2][0] 【袖垣】
建物などのわきに添えて造った幅の狭い垣根。
袖垣[図]

袖塀

そでべい [0] 【袖塀】
門や建物の脇に設けられた低い塀。

袖壁

そでかべ [2][0] 【袖壁】
(1)構造的・防火的な理由から,建物外部に突き出した壁。
(2)二階建て民家の,二階の軒下両側に張り出した壁。猫這(バ)い止め,火返しなどともよばれる。

袖奉加

そでほうが 【袖奉加】
人の袖にすがって金を乞うこと。また,その金。「一銭・二銭の―/浄瑠璃・双生隅田川」

袖屏風

そでびょうぶ [3] 【袖屏風】
「袖几帳(ソデギチヨウ)」に同じ。

袖山

そでやま [0] 【袖山】
(1)和服で,袖の上端の折り目になる所。
(2)洋服で,型紙で袖幅を決める基礎線から上の山型になった部分。また,その頂点。
(3)演劇の大道具で,舞台の両端から袖のように張り出された背景の山。

袖師浦

そでしのうら 【袖師浦】
(1)静岡県清水市袖師町の海浜。三保ノ松原を眺望する景勝地。
(2)島根県松江市馬潟町,中海に面する海岸。
〔歌枕としての「袖師浦」は(1)とも(2)ともいわれる。「から衣―のうつせ貝むなしき恋に年のへぬらむ/後拾遺(恋一)」〕

袖幅

そではば [2] 【袖幅】
和服で,袖口から袖付けまでの長さ。洋服で,袖付け線のカーブの終わった所で測った横幅。または,その半分。

袖幕

そでまく [0] 【袖幕】
舞台の左右の端に下げた幕。

袖引きタバコ

そでひきタバコ 【袖引き―】
遊女などが客の気を引くために,吸いつけて差し出す火のついたタバコ。「―であなたのお足を無理にとどめた/人情本・娘節用」

袖扇

そでおうぎ [3] 【袖扇】
江戸時代,奥女中の中老以上の者が用いた扇。長さ六寸七分(約20センチメートル),黒塗りの骨に鳥の子紙を貼った。

袖手

しゅうしゅ シウ― [1] 【袖手】 (名)スル
手をそでに入れていること。ふところ手。転じて,自ら手を下すことをきらって,何もしないこと。「―して阿容々々(オメオメ)と擒(トリコ)にならんや/近世紀聞(延房)」

袖手傍観

しゅうしゅぼうかん シウ―バウクワン [1] 【袖手傍観】 (名)スル
自ら手を下すことを避け,なりゆきにまかせてながめていること。拱手(キヨウシユ)傍観。

袖括り

そでぐくり [3] 【袖括り】
狩衣・水干・直垂(ヒタタレ)などの袖口のくくりひも。袖口を絞って動きやすくするもの。のちには装飾になった。

袖振り草

そでふりぐさ [4] 【袖振り草】
ススキの異名。

袖振山

そでふるやま 【袖振山】
奈良県吉野町の勝手神社の裏手の山。大海人皇子(オオアマノオウジ)(後の天武天皇)が社前で琴を奏でたとき,天女が天降(アマクダ)って舞ったという伝説があり,五節(ゴセチ)の舞の起源とする。

袖捲り

そでまくり [3] 【袖捲り】 (名)スル
袖をまくって腕をあらわすこと。腕まくり。

袖搦み

そでがらみ [3][5] 【袖搦み】
江戸時代の捕り物用具の一。長い柄の先に多数の鉄鈎(テツカギ)をつけたもの。袖や袴(ハカマ)に搦ませて引き倒す。狼牙棒(ロウゲボウ)。捩(モジリ)。
→刺股(サスマタ)
→突棒(ツクボウ)
袖搦み[図]

袖摺り

そですり [0] 【袖摺り】
袖が触れて摺れること。また,袖が摺れるほど狭いこと。「―の長露地/浮世草子・椀久一世(下)」

袖摺り松

そですりまつ [4][5] 【袖摺り松】
着物の袖が触れて摺れるほどの小さい松。

袖時計

そでどけい [3] 【袖時計】
袂(タモト)や懐(フトコロ)に入れる小型の時計。袂時計。懐中時計。明治初期に流行した。

袖時雨

そでしぐれ [3] 【袖時雨】
袖に涙がかかるのを時雨にたとえていう語。

袖書き

そでがき [0] 【袖書き】
(1)古く,文章の右端の余白に別筆で書き添えたこと。認否・指示などの文言をしるした。また,その文言。
(2)文書の書き手が追伸としてあるいは余白が不足したため右端の空白を用いてしるした文言。

袖枕

そでまくら [3] 【袖枕】
着ている着物の袖を枕にして寝ること。「―霜おく床の苔の上/金槐(雑)」

袖柱

そでばしら [3] 【袖柱】
四脚門・両部鳥居などの本柱の前後に立てられる小柱。稚児(チゴ)柱。
→主柱(オモバシラ)

袖格子

そでごうし [3] 【袖格子】
牛車(ギツシヤ)の袖の裏にある格子。

袖標

そでじるし [3] 【袖標・袖印】
戦場で敵味方を見分けるために,鎧(ヨロイ)の袖につけた目印。
袖標[図]

袖止め

そでとめ [0] 【袖止め・袖留(め)】
(1)江戸時代,成人になった女子が,振袖を切って短くし,脇を縫い閉じたこと。袖詰め。「こりやおむす,―めでたい/咄本・鹿の子餅」
(2)江戸吉原で,新造女郎が袖丈を切って部屋持ち女郎になること。上方の遊里では「袖詰め」という。「此花魁も―ばかり二人くくされて/黄表紙・元利安売鋸商売」

袖湊

そでのみなと 【袖湊】
博多の入海の古称。唐舟の入港でにぎわった。

袖無し

そでなし [0] 【袖無し】
(1)袖のない衣服。
(2)「ちゃんちゃんこ」の別名。[季]冬。

袖無し羽織

そでなしばおり [5] 【袖無し羽織】
袖のない丈の短い羽織。綿を入れて防寒用とするものが多い。

袖珍

しゅうちん シウ― [0] 【袖珍】
袖(ソデ)やポケットに入るほどの小形であること。

袖珍本

しゅうちんぼん シウ― [0] 【袖珍本】
袖(ソデ)の中に入れて持ち歩きできるぐらいの小形の本。袖珍版。

袖珍版

しゅうちん【袖珍版(辞書)】
a pocket edition (dictionary).

袖瓦

そでがわら [3] 【袖瓦】
切妻屋根などの螻羽(ケラバ)に使用する瓦。けらばがわら。

袖留

そでとめ [0] 【袖止め・袖留(め)】
(1)江戸時代,成人になった女子が,振袖を切って短くし,脇を縫い閉じたこと。袖詰め。「こりやおむす,―めでたい/咄本・鹿の子餅」
(2)江戸吉原で,新造女郎が袖丈を切って部屋持ち女郎になること。上方の遊里では「袖詰め」という。「此花魁も―ばかり二人くくされて/黄表紙・元利安売鋸商売」

袖留め

そでとめ [0] 【袖止め・袖留(め)】
(1)江戸時代,成人になった女子が,振袖を切って短くし,脇を縫い閉じたこと。袖詰め。「こりやおむす,―めでたい/咄本・鹿の子餅」
(2)江戸吉原で,新造女郎が袖丈を切って部屋持ち女郎になること。上方の遊里では「袖詰め」という。「此花魁も―ばかり二人くくされて/黄表紙・元利安売鋸商売」

袖畳み

そでだたみ [3][0] 【袖畳み】
和服の,間に合わせの畳み方。左右の肩山・袖山を合わせ,両袖を重ねて一方に折り,身頃を二つか三つに折る畳み方。
→本畳み

袖看板

そでかんばん [3] 【袖看板】
建物から突き出した看板。主に店舗の所在を知らせる目的で設置される。突き出し看板。

袖石

そでいし [0] 【袖石】
石段の左右にある石。耳石。妻石。

袖移し

そでうつし [3][5] 【袖移し】
自分の袖から相手の袖へ,他人にわからないようにこっそり渡すこと。

袖章

そでしょう [0] 【袖章】
制服の袖につけて階級などを表す記章。

袖笠

そでがさ [3] 【袖笠】
笠の代わりにかざした袖。

袖笠雨

そでがさあめ 【袖笠雨】
袖を笠にしてしのぐほどのわずかの雨。「―の宿りにも,心留めぬ仮枕/浄瑠璃・五十年忌(下)」

袖築地

そでついじ [3] 【袖築地】
門の左右両側につけた築地。

袖細

そでぼそ 【袖細】
直垂(ヒタタレ)の一種で,袖が細く,脇を縫いふさいだもの。室町時代,下級武士・庶民が着用。

袖網

そであみ [0] 【袖網】
定置網類で,袋口の両端から八字形に張った網。魚群を袋網に誘導する。翼(ツバサ)網。

袖萩祭文

そではぎさいもん 【袖萩祭文】
人形浄瑠璃「奥州安達原」三段目の通称。盲目となった安倍貞任の妻袖萩が,祭文にことよせて思いのたけを語る場面。安達三(アダサン)。

袖袘

そでぶき [0] 【袖袘】
着物の袖口の袘(フキ)。そでぐるみ。

袖被り

そでかぶり 【袖被り】
死者を葬送するとき,婦人が着物の左袖をかぶること。白い袋や綿帽子をかぶることもある。つむりかけ。

袖裏

そでうら [0] 【袖裏】
袖の裏。また,それに用いる布地。

袖褄

そでつま [0] 【袖褄】
袖や褄。また,衣服。身なり。「―に付いてあるものではない/狂言記・仏師」

袖覆輪

そでふくりん [4] 【袖覆輪】
袖口を別布でくるみ縫いにしたもの。黒繻子(クロジユス)などを用いた。袖口の切れるのを防ぎ,装飾をもかねた。

袖詰め

そでつめ [0] 【袖詰め】
「袖止め」に同じ。

袖貝

そでがい [2] 【袖貝】
(1)スイショウガイ科の巻貝の一群の総称。殻は円錐形で,殻長4〜15センチメートル。殻口の外唇が袖のような形に開く。マイノソデガイ・ベニソデガイなど。熱帯・亜熱帯のサンゴ礁に多い。
(2)海産の二枚貝シワロウバイ科のうち,殻が扁平で前方が丸く,後方が背側に反りかえった形の類の総称。ゲンロクソデガイ・フリソデガイなど。房総以南の浅海の砂底にすむ。
(3)アコヤガイの別名。「波洗ふ衣のうらの―を水際(ミギワ)に風の畳みおくかな/山家(雑)」

袖鑑

そでかがみ [3] 【袖鑑】
袂(タモト)に入るほどの小形の案内書。

袖頭巾

そでずきん [3][4] 【袖頭巾】
着物の袖の形をした頭巾。袖口から顔を出してかぶる。髪の形を損なわないので主に女性が用いた。御高祖(オコソ)頭巾の原形。

袖飛車

そでびしゃ [0] 【袖飛車】
将棋で,振り飛車にした飛車をもとの位置から一路左に寄せて駒組みすること。

袖香炉

そでごうろ [3] 【袖香炉】
(1)携帯用の小形の毬(マリ)香炉。中の火皿は常に水平を保つようになっている。袖。袖炉(シユウロ)。
(2)地歌の一。錺屋(カザリヤ)治郎兵衛作詞,峰崎勾当(コウトウ)作曲。1785年に没した師豊賀検校(ケンギヨウ)の追善曲。

袖黒鶴

そでぐろづる [5] 【袖黒鶴】
ツル目ツル科の鳥。全体が白色で,風切り羽のみ黒い大形のツル。額から顔は赤い皮膚が露出する。シベリアから中国北部に分布し,南アジアで越冬する。日本には冬鳥としてまれに渡来。

ふき [0] 【袘・�】
袷(アワセ)や綿入れの裾(スソ)・袖口などで,裏布を表へのぞかせて縁のように仕上げたもの。ふきかえし。

袘す

ふか・す 【袘す】 (動サ下二)
袘(フキ)を出す。「浅黄裏を表へ五寸―・せ/浮世草子・御前義経記」

あこめ [0] 【衵・袙】
〔「間籠(アイコメ)」の転か〕
(1)中古の,男子の中着。束帯のときは下襲(シタガサネ)と単(ヒトエ)の間,衣冠のときは袍(ホウ)と単の間に着た。通常は腰丈で袴(ハカマ)の中に入れて着た。直衣(ノウシ)では,下着の衣をいい,出衵(イダシアコメ)とした。
(2)中古,女子の中着。表着(ウワギ)と単の間に何枚も重ねて着た。また,女童が着た袿(ウチキ)の小形のもの。汗衫(カザミ)の下に着たが,のちには表着とした。
衵(1)[図]

袞冕

こんべん [0] 【袞冕】
袞衣(コンエ)と冕冠。天子の衣冠。

袞竜

こんりょう [0] 【袞竜】
袞竜の御衣(ギヨイ)。また,その縫い取り。

袞竜の御衣

こんりょうのぎょい [6] 【袞竜の御衣】
天皇が朝賀・即位などの儀式に用いた礼服。赤地綾織の上衣と裳からなり,竜・火など一二種の縫い取りがある。中国の制にならったもので,孝明天皇即位まで用いられた。
袞竜の御衣[図]

袞竜の袖

こんりょうのそで [0] 【袞竜の袖】
(1)天子の礼服の袖。
(2)天子の威徳の下。「―に隠れる(=天子ノ威徳ノ下ニカクレテ勝手ナコトヲスル)」

袞衣

こんい 【袞衣】
「こんえ(袞衣)」に同じ。

袞衣

こんえ [1] 【袞衣】
竜の刺繍をした天皇の礼服。袞竜(コンリヨウ)の御衣(ギヨイ)。こんい。

袢纏

はんてん [3] 【半纏・袢纏】
(1)羽織に似た,丈の短い上着。わきに襠(マチ)がなく,胸紐をつけず,襟は折り返さないで着る。
(2)「印半纏(シルシバンテン)」に同じ。

袪痰

きょたん [0] 【去痰・袪痰】
喉頭(コウトウ)または気管にたまっている痰を取り除くこと。

かずき カヅキ [0][1] 【被・被衣】
〔動詞「かずく」の連用形から。「かつぎ」とも〕
(1)頭にかぶること。「―せむ袂は風にいかがせし/玄々集」
(2)「衣被(キヌカズキ){(1)}」に同じ。
(3)負担。損失。「跡には大臣が―にならうとままよ/浮世草子・魂胆色遊懐男」

ふすま [0][3] 【衾・被】
身体の上にかける寝具。木綿・麻などで縫い,普通は長方形であるが,袖や襟を付けたものもある。現在のかけぶとんの役割をした。[季]冬。《一日を心に描く―かな/池内友次郎》

かつぎ 【被】
〔「かづき」の転〕
⇒かずき(被)

ひ 【被】 (接頭)
行為を表す漢語に付いて,他からその行為をされる,他からその行為をこうむる,などの意を表す。「―選挙権」「―修飾語」「―支配者」

きせ [0] 【被】
裁縫で,縫い目よりやや奥で折って縫い代を片返しにしたときの,縫い目から折り山までの部分。「―をかける」

被い

おおい オホヒ [0][3] 【覆い・被い・蔽い】
物が隠れるように,広げてかぶせたり,周りを囲ったりするもの。

被う

おお・う オホフ [0][2] 【覆う・被う・蔽う・蓋う・掩う】 (動ワ五[ハ四])
〔「覆(オ)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)物の上や外側に他の物をかぶせる。また,そうして守る。「車をシートで―・う」「耳を―・いたくなるような金属音」「事故の現場は目を―・うばかりの惨状であった」「目に髪の―・へるをかきはやらで/枕草子 151」
(2)一面に広がって包む。「夜の霧がロンドンの街を―・っていた」「人々の熱気が会場を―・う」
(3)本当の事がわからないように,つつみかくす。「彼の失敗は―・うべくもない事実だ」「自分の非を―・おうとして,言い逃れをする」
(4)(「一言でおおう」の形で)すべてをつつみ含む。全体を言い表す。「彼の思想は一言で―・えば…である」
[可能] おおえる

被く

かず・く カヅク 【被く】
〔「かずく(潜)」と同源。「かつぐ」とも〕
■一■ (動カ四)
(1)頭にかぶる。「黒き物を―・きて/源氏(手習)」
(2)当座の褒美・引き出物として,布・装束などを主君から与えられる。また,それを左肩にかける。「白き物どもをしなしな―・きて/源氏(若菜上)」
(3)損害などを身に受ける。「闇にても人はかしこく,老たる姿を―・かず/浮世草子・五人女 2」
■二■ (動カ下二)
⇒かずける

被ぐ

かつ・ぐ 【被ぐ】 (動)
⇒かずく(被)

被ける

かず・ける カヅケル [3] 【被ける】 (動カ下一)[文]カ下二 かづ・く
(1)頭にかぶらせる。「衣ヲ―・ケル/ヘボン(三版)」
(2)当座の褒美・引き出物として衣類などを与える。「女の装束―・けむとす/伊勢 44」
(3)責任を他に負わせる。転嫁する。「ワガトガヲ人ニ―・ケル/ヘボン(三版)」
(4)かこつける。「病に―・けて寺へ引き込みて/三体詩抄」

被け物

かずけもの カヅケ― 【被け物】
〔「かつげもの」とも〕
(1)当座の褒美・引き出物として与えられるもの。多くは衣服で,肩に掛けて与えた。禄(ロク)。「これかれ酔ひ給ひて物語りし,―などせらる/大和 29」
(2)芸人に与えられる御祝儀。纏頭(テントウ)。はな。

被さる

かぶさ・る [3] 【被さる】 (動ラ五[四])
(1)覆いかかる。上に重なる。「落ち葉が―・る」
(2)負担になる。「負担が―・る」
(3)守る。かばう。「親ガ子ヲ叱レバババガ―・ル/ヘボン」

被さる

かぶさる【被さる】
be[get]covered <with> ;overlap (重なり合う).→英和

被す

かぶ・す [2] 【被す】
■一■ (動サ五[四])
「かぶせる」に同じ。「子供に帽子を―・してやる」
■二■ (動サ下二)
⇒かぶせる

被せ

かぶせ [3] 【被せ】
(1)かぶせること。物をおおうこと。また,そのもの。
(2)「被せ物」の略。

被せる

かぶ・せる [3] 【被せる】 (動サ下一)[文]サ下二 かぶ・す
(1)上からかけて覆う。表面を覆って包む。「帽子を―・せる」「本にカバーを―・せる」
(2)浴びせかける。「頭から水を―・せる」
(3)色・音などの上に,さらに別の色や音を加える。「赤を―・せる」「音を―・せる」
(4)他人の話が終わらないうちに話し始める。「相手の言葉に―・せて反論する」
(5)罪や責任を人に負わせる。着せる。「罪を―・せる」
〔「かぶる」に対する他動詞〕

被せる

かぶせる【被せる】
cover <with> ;→英和
put <a hat> on a person's head;pour <water on> ;→英和
cover <a thing> with earth;lay a guilt <on a person> ;→英和
charge a person <with a blame> .→英和

被せガラス

きせガラス [3] 【被せ―】
ガラス器物の加飾法の一。透明なガラス素地を覆うように色ガラスを重ねて熔着する技法。また,その技法で作られた製作品。内側に色ガラスを重ねたときは内被せガラスと呼ぶ。オーバーレイ-グラス。ケース-ガラス。

被せ彫

かぶせぼり [0] 【被せ彫(り)】
木版印刷で,既刊の版本の刷り紙を版下として版木を彫刻しなおすこと。また,その版木。

被せ彫り

かぶせぼり [0] 【被せ彫(り)】
木版印刷で,既刊の版本の刷り紙を版下として版木を彫刻しなおすこと。また,その版木。

被せ物

かぶせもの [0] 【被せ物】
表面だけ立派にしてごまかしたもの。まやかしもの。

被せ網

かぶせあみ [3] 【被せ網・掩網】
水の上から投げかぶせて魚を捕らえる網。投網(トアミ)・提灯網など。

被せ綿

きせわた [0] 【着せ綿・被せ綿】
(1)「菊の被綿(キセワタ)」に同じ。
(2)シソ科の多年草。茎は方形で,高さ80センチメートルほど。葉は卵形。初秋に上部の葉腋に淡紅色の花をつける。
(3)海産の巻貝。殻は体に比べて小さく,殻長2センチメートルほどで外套膜(ガイトウマク)に包まれて白い。各地の沿岸に分布。

被せ蓋

かぶせぶた [3] 【被せ蓋】
箱や筒で,身をすっぽりおおうように作った蓋。薬籠蓋(ヤロウブタ)。

被り

かぶり [3] 【被り・冠】
(1)かぶること。また,かぶる物。《被》「あねさん―」「薦(コモ)―」
(2)現像または焼き付けしたフィルムや印画紙が,画像とは無関係に薄黒くなっている状態。現像過多,材料の品質不良,カメラの光線漏れなどによる。《被》
(3)かんむり。こうぶり。《冠》「御―奉りてさしいでおはしましたりける/大鏡(宇多)」
(4)冠位。《冠》「因りて―一級給ふ/日本書紀(舒明訓)」
(5)負担。損失。《被》「土場六ひとり―となりしかば/滑稽本・和合人」
(6)しくじること。《被》「知れると大―さ/洒落本・古契三娼」
(7)劇場で,大入り。
(8)芝居の打ち出し。

被り厚さ

かぶりあつさ [4] 【被り厚さ】
鉄筋コンクリートにおいて,鉄筋からコンクリート表面までの厚さ。

被り物

かぶりもの【被り物】
headgear;→英和
headdress (婦人の).→英和
⇒帽子.

被り物

かぶりもの [0][5] 【被り物・冠物】
笠・頭巾(ズキン)など,頭にかぶるものの総称。「―を取る」

被り笠

かぶりがさ [4] 【被り笠】
(さし傘に対して)頭にかぶるかさ。
⇔さしがさ

被る

こうむ・る カウムル [3] 【被る・蒙る】 (動ラ五[四])
〔「こうぶる」の転〕
(1)他人から,自分にとってためになる何かを与えられる。「多大の恩恵を―・る」「皆様のお陰を―・りまして…」
(2)自身の身によくない結果がもたらされる。被害を受ける。「損害を―・る」「台風で大きな痛手を―・る」「傷ヲ―・ル/日葡」
(3)神仏や目上の者から与えられたものを受け入れる。「天罰を―・る」「お客様からおしかりを―・りました」「洋行の官命を―・り/舞姫(鴎外)」
[慣用] 御免を―

被る

かむ・る [2] 【被る・冠る】 (動ラ五[四])
「かぶる」に同じ。「頭に手ぬぐいを―・る」

被る

かぶ・る [2] 【被る・冠る】 (動ラ五[四])
〔「かがふる」が「かうぶる」を経て転じたもの〕
(1)頭の上にのせる。上にかけて覆う。「帽子を―・る」「布団を頭から―・って寝る」
(2)(水・粉などを)上から浴びる。《被》「水を―・る」「波を―・る」
(3)身に受ける。《被》
 (ア)本来,他人が負うべき借金・罪などを身に負う。「罪を―・る」「泥を―・る」
 (イ)恩恵など好ましいものを受ける。こうむる。「盛徳を―・らんとて/宇津保(祭の使)」
(4)写真で,フィルムや印画に,画像とは関係なく薄黒いところができる。
(5)〔終演になると観客が総立ちになり,ほこりが立つので手拭いをかぶったことから〕
一日の芝居などが終わる。終演になる。はねる。
(6)(寄席芸人仲間などの用語)寄席などが,大入り満員になる。
(7)〔「毛氈(モウセン)を被る」の意〕
失敗する。しくじる。「―・つたら来やれと通な烏帽子親/柳多留 87」
〔「かぶらせる」に対する自動詞〕
[可能] かぶれる
[慣用] 仮面を―・猫を―

被る

かぶる【被る】
put on (帽子などを);wear;→英和
cover one's head <with a towel> ;put <one's quilt> over one's head;be covered <with dust> ;take <a person's guilt> upon oneself.

被る

ほどこ・る 【播る・延る・被る】 (動ラ四)
(1)延び広がる。ゆきわたる。はびこる。「酷毒,民庶に―・りなむ/日本書紀(雄略訓)」
(2)満ちていっぱいになる。満ちる。[新撰字鏡]

被る

こうぶ・る カウブル 【被る・蒙る】 (動ラ四)
〔「かがふる」の転〕
(1)頭にのせる。かぶる。また,身につける。「此の冠どもは…斎(オガミ)の時に―・る所なり/日本書紀(孝徳訓)」
(2)「こうむる(被){(1)}」に同じ。「御徳をも―・り侍らむ/源氏(行幸)」
(3)「こうむる(被){(2)}」に同じ。「天下に疵(キズ)を―・るものたえず/平家 12」
(4)「こうむる(被){(3)}」に同じ。「かみほとけの恵み―・れるに似たり/土左」

被る

こうむる【被る】
suffer[sustain] <a loss> ;→英和
be subjected <to an insult> .被らす inflict <a blow (up)on a person> .→英和
不興を〜 incur a person's displeasure.

被る

かがふ・る 【被る】 (動ラ四)
(1)頭からかぶる。「寒くしあれば麻衾(ブスマ)引き―・り/万葉 891」
(2)承る。こうむる。特に,命令を受ける。「恐(カシコ)きや命―・り/万葉 4321」

被乗数

ひじょうすう [2] 【被乗数】
掛け算で,掛けられる方の数。�×� で � のこと。

被乗数

ひじょうすう【被乗数】
《数》a multiplicand.→英和

被仰出書

おおせいだされしょ オホセ― 【被仰出書】
1872年(明治5)文部省によって出された「学事奨励に関する被仰出書」のこと。国民皆学,教育の機会均等などをうたった。

被保護国

ひほごこく [1][2][3] 【被保護国】
他の国家との条約に基づいて,その国家の保護を受ける国家。
→保護国

被保護者

ひほごしゃ【被保護者】
a protégé (男);a protégée (女);《法》a ward.→英和

被保険物

ひほけん【被保険物(件)】
an insured article;a subject of insurance.被保険者 the insured.

被保険物

ひほけんぶつ [3] 【被保険物】
損害保険で,保険事故が発生し損害を受けるおそれのある物。保険の目的物。

被保険者

ひほけんしゃ [3] 【被保険者】
損害保険や社会保険などでは,保険事故が発生した場合に保険金の支払いを受ける権利をもつ者。生命保険では,その者の生死が保険事故とされている者。
⇔保険者

被修飾語

ひしゅうしょくご ヒシウシヨク― [1][0] 【被修飾語】
文の成分の一。修飾語によって意味内容の限定を受ける語。例えば「美しい花」の「花」,「美しく咲く」の「咲く」。
⇔修飾語

被傭者

ひようしゃ [2] 【被用者・被傭者】
他人に雇われている人。

被写体

ひしゃたい [0] 【被写体】
撮影の対象となる人・物や景色。写真に写されるもの。

被写体

ひしゃたい【被写体】
a (photographic) subject.

被写界深度

ひしゃかいしんど [5] 【被写界深度】
ある一点に焦点を合わせたとき,その前後の一定範囲内ではピントの合った像が得られるが,この範囲内の,近点と遠点との距離のこと。同一条件下では絞りを小さくするほど深くなる。被写体深度。

被加数

ひかすう [2] 【被加数】
加法で,加えられる方の数。�+� の �。
⇔加数

被告

ひこく [0] 【被告】
民事訴訟・行政事件訴訟において,原告により訴えられた側の当事者。
⇔原告

被告

ひこく【被告】
a defendant (民事);→英和
the accused (刑事).被告席 the dock.→英和

被告人

ひこくにん [0] 【被告人】
刑事訴訟において,犯罪を犯したとして起訴され,訴訟が係属中の者。

被嚢類

ひのうるい ヒナウ― [2] 【被嚢類】
⇒尾索類(ビサクルイ)

被圧地下水

ひあつちかすい [5] 【被圧地下水】
傾斜している二つの不透水層の間に介在する透水層中の地下水。圧力がかかっているので,このような所に井戸を掘ると,地表に自噴することがある。被圧水。

被子植物

ひししょくぶつ [4] 【被子植物】
種子植物のうち胚珠が子房に包まれている一群。木部は主に導管からなり,草本または木本。最も進化した一群で,高等植物の大部分を占める。双子葉類と単子葉類とに分ける。
⇔裸子植物

被子植物

ひししょくぶつ【被子植物】
《植》an angiosperm.→英和

被官

ひかん [0] 【被官・被管】
(1)律令制下,上級官庁に直属する下級官庁。また,その官吏。
(2)中世,上級武士に仕えて家臣化した下級武士。守護に下属した土豪など。
(3)「被官百姓」の略。

被官百姓

ひかんびゃくしょう [4] 【被官百姓】
中世・近世,経済的・身分的に地主に隷属していた百姓。

被害

ひがい [1] 【被害】
損害・危害を受けること。また,受けた損害・危害。
⇔加害
「―が及ぶ」「―をこうむる」「―に遭う」

被害

ひがい【被害】
damage;→英和
casualties (死傷).〜をうける be damaged <by> ;suffer damage.‖被害者 a sufferer;a victim.被害地 the damaged area.被害妄想 persecution mania.

被害地

ひがいち [2] 【被害地】
天災などの被害を受けた土地。被災地。

被害妄想

ひがいもうそう [4][1] 【被害妄想】
自分が他人から危害を加えられているという妄想。精神分裂病に典型的にみられる。

被害届

ひがいとどけ [4] 【被害届】
犯罪による被害があったことを警察等に通知すること。犯人の訴追・処罰を求める意思の有無を問わない。

被害者

ひがいしゃ [2] 【被害者】
(1)被害を受けた人。
(2)他人の不法行為や犯罪によって権利の侵害や損害を受けた者。民事上は損害賠償の請求,刑事訴訟法上は告訴ができる。
⇔加害者

被害者補償

ひがいしゃほしょう [5] 【被害者補償】
(1)被害者の被った損害を補填(ホテン)すること。
(2)犯罪行為によって死亡・重障害が生じた場合に,国が本人または遺族に一定の給付金を支給すること。

被審人

ひしんにん [2] 【被審人】
審判・審問を受ける人。

被差別部落

ひさべつぶらく [5] 【被差別部落】
近世以降,封建的身分制度のもとで最下層に位置づけられた人々を中心に形成され,今なおさまざまな形で差別を被っている地域。1871年(明治4)の太政官布告により法制上の差別は撤廃されたが,現在に至るも社会的な差別や人権侵害が残っており,部落解放運動が続けられている。部落。未解放部落。

被布

ひふ [0] 【被風・被布・披風】
(1)長着の上に羽織る防寒用の外衣。襟あきは四角く,前を深く重ね,総(フサ)付きの組紐でとめて着る。江戸末期,茶人や俳人が好んで着たが,のちに女性用のコートとなった。子供用のものもある。[季]冬。
(2)近世,公家が着用した,盤領(マルエリ)の道服(ドウブク)の一種。
被風(1)[図]

被度

ひど [1] 【被度】
植物が地表を覆っている面積の割合。

被弾

ひだん [0][1] 【被弾】 (名)スル
弾丸に当たること。「無数に―した機体」

被後見人

ひこうけんにん [1] 【被後見人】
後見人をつけられている人。後見される人。

被扶養者

ひふようしゃ ヒフヤウ― [1][2] 【被扶養者】
扶養されている者。

被控訴人

ひこうそ【被控訴人】
an appellee.→英和

被昇天

ひしょうてん [2] 【被昇天】
聖母マリアの体が霊魂とともに天国にあげられたこと。キリストの昇天と区別していう。
→聖母被昇天

被曝

ひばく [0] 【被曝】 (名)スル
放射線や化学物質にさらされること。

被服

ひふく【被服】
clothes;→英和
clothing.→英和

被服

ひふく [1][0] 【被服】
着る物。衣服。「―費」「―材料学」

被毛

ひもう [0] 【被毛】
獣の体表面を覆う毛。「―の長い猫」

被治者

ひちしゃ [2] 【被治者】
統治される者。
⇔治者

被減数

ひげんすう [2] 【被減数】
減法で,引かれる方の数。�−� で � のこと。
⇔減数

被災

ひさい [0] 【被災】 (名)スル
災害をうけること。罹災(リサイ)。「―地」

被災する

ひさい【被災する】
suffer <from> ;→英和
be hit <by a typhoon> .‖被災者 the sufferers.被災地 a stricken area.

被災者

ひさいしゃ [2] 【被災者】
災害にみまわれた人。

被爆

ひばく [0] 【被爆】 (名)スル
(1)爆撃をうけること。
(2)特に,原水爆の被害をうけること。「―者(シヤ)」

被爆する

ひばく【被爆する】
be bombed.原爆の被爆者 an A-bomb victim.

被物

かずきもの カヅキ― 【被物】
(1)〔「かつぎもの」とも〕
かぶっている物。衣被(キヌカズキ)。「はやう―をとらさせられい/狂言・眉目吉」
(2)負担・損失となるもの。「六匁に召したらば大きな―/浮世草子・禁短気」

被用者

ひようしゃ [2] 【被用者・被傭者】
他人に雇われている人。

被用者保険

ひようしゃほけん [5] 【被用者保険】
社会保険制度のうち,被用者を対象とする保険の総称。

被疑者

ひぎしゃ [2] 【被疑者】
起訴されてはいないが,犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている者。容疑者。

被疑者

ひぎしゃ【被疑者】
a suspect;→英和
a suspected person.

被疑者補償

ひぎしゃほしょう [4] 【被疑者補償】
被疑者として抑留または拘禁を受けた者に対して,公訴を提起しない処分がなされ,犯罪を行わなかったと認められる場合に,一定の金額を交付して,拘束に伴う損失を償うこと。
→刑事補償

被相続人

ひそうぞくにん [1][0] 【被相続人】
相続人が相続する財産や権利義務のもとの所有者。

被相続人

ひそうぞく【被相続人】
《法》an ancestor;→英和
an ancestress (女).

被管

ひかん [0] 【被官・被管】
(1)律令制下,上級官庁に直属する下級官庁。また,その官吏。
(2)中世,上級武士に仕えて家臣化した下級武士。守護に下属した土豪など。
(3)「被官百姓」の略。

被膜

ひまく [0] 【被膜】
おおい包んでいる膜。

被葬者

ひそうしゃ ヒサウ― [2] 【被葬者】
古墳や墓地に葬られた人。埋葬された者。

被虐

ひぎゃく [0] 【被虐】
残虐な扱いを受けること。しいたげられいじめられること。
⇔加虐
「―趣味」「―愛」

被衣

かずき カヅキ [0][1] 【被・被衣】
〔動詞「かずく」の連用形から。「かつぎ」とも〕
(1)頭にかぶること。「―せむ袂は風にいかがせし/玄々集」
(2)「衣被(キヌカズキ){(1)}」に同じ。
(3)負担。損失。「跡には大臣が―にならうとままよ/浮世草子・魂胆色遊懐男」

被衣初

かずきぞめ カヅキ― 【被衣初(め)】
江戸時代,京都で女児が初めて被衣を着ける式。五歳から七歳の間に一一月の吉日を選んで行なった。

被衣初め

かずきぞめ カヅキ― 【被衣初(め)】
江戸時代,京都で女児が初めて被衣を着ける式。五歳から七歳の間に一一月の吉日を選んで行なった。

被覆

ひふく [0] 【被覆】 (名)スル
おおいかぶせること。ひふう。「銅線をビニールで―する」「―線」

被覆船

ひふくせん [0] 【被覆船】
船虫の被害や貝・海藻の付着を防ぐために,喫水線以下の船体に銅板を張った船。

被造物

ひぞうぶつ ヒザウ― [2] 【被造物】
神によって造られたもの。
→創造主

被選

ひせん [0] 【被選】
選出されること。「―資格」

被選挙人

ひせんきょにん [1][0] 【被選挙人】
選挙される人。

被選挙権

ひせんきょけん [1][3][4] 【被選挙権】
選挙に立候補することができる資格。公職選挙法上,衆議院議員・地方議会議員・市町村長は満二五歳以上,参議院議員・都道府県知事は満三〇歳以上の者に与えられる。

被選挙権

ひせんきょ【被選挙権】
eligibility <for> .〜権がある be eligible <for> .‖被選挙人 an eligible person.

被除数

ひじょすう【被除数】
《数》a dividend.→英和

被除数

ひじょすう ヒヂヨ― [2] 【被除数】
割り算で,割られる方の数。�÷� で � のこと。

被雇用者

ひこようしゃ [3][1][2] 【被雇用者】
雇われている人。雇用されている人。

被風

ひふ [0] 【被風・被布・披風】
(1)長着の上に羽織る防寒用の外衣。襟あきは四角く,前を深く重ね,総(フサ)付きの組紐でとめて着る。江戸末期,茶人や俳人が好んで着たが,のちに女性用のコートとなった。子供用のものもある。[季]冬。
(2)近世,公家が着用した,盤領(マルエリ)の道服(ドウブク)の一種。
被風(1)[図]

被食者

ひしょくしゃ [3][2] 【被食者】
生物界で,他の生物に捕食される生物。

被験者

ひけんしゃ [2] 【被験者】
実験・検査などを受ける人。
〔検査を受ける人は「被検者」とも書く〕

被験者

ひけんじゃ【被験者】
a subject;→英和
a testee.

被髪

ひはつ [0] 【被髪】
髪を結ばないで,自然のままに垂らしておくこと。ざんばら髪。

被[覆

おおう【被[覆・蓋]う】
cover <one's head with> ;→英和
hide <one's face> ;→英和
wrap (包む);→英和
envelope;→英和
shade <a lamp> ;→英和
disguise (事実を).→英和

袱子

ふくす [0] 【袱子・複子】
禅宗で,僧が行脚の時に食器などを包むのに用いる袱紗(フクサ)。包袱。

袱紗

ふくさ [0][3] 【袱紗・帛紗・服紗】
(1)一枚物または表裏二枚合わせの方形の絹布。進物の上にかけたり物を包んだりする。
(2)(「帛紗」と書く)茶の湯で,道具をぬぐったり盆・茶托の代用として器物の下に敷いたりする絹布。羽二重(ハブタエ)・塩瀬(シオゼ)などを用い,縦横を九寸(約27センチメートル)と九寸五分(約29センチメートル)ほどに作る。
(3)柔らかい絹。「狩衣は…白き―/枕草子 282」
(4)本式でないもの。多く他の語に冠して用いる。[貞丈雑記]

袱紗

ふくさ【袱紗】
a crepe wrapper.

袱紗包み

ふくさづつみ [4] 【袱紗包み】
袱紗に包むこと。また,そのもの。

袱紗味噌

ふくさみそ [4] 【袱紗味噌】
(1)二種の味噌を合わせた味噌。
(2)練りつぶした味噌。[日葡]

袱紗帯

ふくさおび [4] 【袱紗帯】
羽二重や綸子(リンズ)などの柔らかい布地で仕立てた腹合わせ帯。

袱紗料理

ふくさりょうり [4] 【袱紗料理】
本膳料理を略式にしたもの。実質的な味覚を楽しむ料理として成立し,会席料理に発展。

袱紗物

ふくさもの 【袱紗物】
袱紗のこと。また,それに包んだもの。「薄紫の―より瞿麦(ナデシコ)の紋所ありし爪出して/浮世草子・一代男 3」

はかま [3] 【袴】
(1)和装で着物の上から着けて腰から脚をおおうゆったりした衣服。上部に付けたひもを結んで着用し,普通,ズボンのように両脚の部分に分かれるが,スカート状のものもある。古くは男子のみが用い,埴輪(ハニワ)に原初的な形態が見られる。平安以降,表(ウエ)の袴・指貫(サシヌキ)・長袴など,官位や服装に応じて用いるべき袴の形態や材質が定められた。近世には形態・材質ともに著しく発達し,野袴・行灯袴・軽衫(カルサン)など種類が増え,武士は日常着に用い,庶民は礼装の際着用した。女子は平安時代には緋袴を用いたが,鎌倉時代以降一般には用いなくなった。
(2)ツクシなどの節を包む苞葉(ホウヨウ)やドングリなどの殻斗(カクト)の俗称。
(3)卓上に徳利を置くときにはかせる器。
(4)(「褌」とも書く)上代,男子の着た,裾の短いズボン様の下半身用下着。ふんどし。「逼めて―を脱かしめて/日本書紀(欽明訓)」
袴(1)[図]

はかま【袴】
a hakama;a pleated skirt.

袴下

こした [0] 【袴下】
旧陸軍用語で,ズボン下をいう。

袴地

はかまじ [0] 【袴地】
袴用の布地。

袴垂

はかまだれ 【袴垂】
平安中期の伝説中の盗賊。藤原保昌(ヤスマサ)の兄(一説に弟)保輔(ヤススケ)のこととも伝えられるが,未詳。「今昔物語」「宇治拾遺物語」にみえる。

袴着

はかまぎ [3] 【袴着】
幼児の成長を祝い,初めて袴を着せる儀式。平安以降,男女の別なく三歳から七歳の間に吉日を選んで行われたが,江戸時代には五歳男児のみの風となり,次第に一一月一五日に定着し,七五三の風習の一環となった。着袴(チヤツコ)。[季]冬。

袴能

はかまのう [3] 【袴能】
盛夏のころ,面や装束をつけず紋服・袴で行う能。作物や小道具を略する場合もある。
⇔装束能
[季]夏。

袴腰

はかまごし [0] 【袴腰】
(1)男袴の後ろ腰の,厚板の芯を入れて仕立てた部分。腰板。
(2)({(1)}の形から)台形。梯形。

袴蔓

はかまかずら [4] 【袴蔓】
マメ科の常緑つる性木本。和歌山県から沖縄の海岸の林内に生える。葉は幅が広く先が二裂。夏,枝先に総状花序を直立し,淡黄緑色の五弁花をつける。葉形を袴に見立てこの名がある。

袴褶

こしゅう [0] 【袴褶】
乗馬に用いる袴(ハカマ)。馬乗り袴。

おくび 【衽・袵】
〔「大領(オオクビ)」の転〕
「おくみ(衽)」に同じ。「御下交(シタガイ)の―に/宇津保(俊蔭)」

おくみ [0][3] 【衽・袵】
〔「大領(オオクビ)」の転〕
和服で,長着の前身頃(マエミゴロ)の打ち合わせ側にある半幅の部分。上に襟がつく。おくび。

あわせ【袷】
a lined kimono.

あわせ アハセ [3] 【袷】
〔「あわせ(合)」と同源〕
裏をつけて仕立てた和服。単衣(ヒトエ)・綿入れに対していう。あわせぎぬ。[季]夏。

袷ジバン

あわせジバン アハセ― [4] 【袷―】
裏をつけた襦袢(ジバン)。

袷羽織

あわせばおり アハセ― [4] 【袷羽織】
裏をつけた羽織。

のみ 【�・袽・船筎・衣袽】
舟・樋(トイ)などの継ぎめに詰め,水漏れを防ぐのに用いる,マキやヒノキの内皮。槙皮(マイハダ)。檜皮(ヒワダ)。「矢口の渡りの船の底を二所ゑり貫(ヌイ)て,―を差し/太平記 33」

うちき [0] 【袿】
〔「うちぎ」とも。「内着」の意か〕
(1)平安時代の女房装束で,唐衣(カラギヌ)の下に着る衣服。多くは袷(アワセ)仕立てで,色目を合わせて何枚も重ねて着た。普段には表衣としても用いた。
(2)平安時代,男性が直衣(ノウシ)や狩衣(カリギヌ)の下に着る衣服。

袿姿

うちきすがた 【袿姿】
唐衣・裳(モ)を略したくつろいだ姿。「いとなまめかしき―,うちとけ給へるを/源氏(松風)」

袿袴

うちきはかま [4] 【袿袴】
⇒けいこ(袿袴)

袿袴

けいこ [1] 【袿袴】
1884年(明治17)に制定された婦人の和装礼服。袿(ウチキ)・単(ヒトエ)・袴(切袴)・小袖・履(クツ)からなり,手に檜扇(ヒオウギ)を持つ。宮中に参内するときに着用する。

裁き

さばき【裁き】
judgment;decision.→英和

裁き

さばき [1][3] 【裁き】
〔動詞「裁く」の連用形から〕
正邪・理非の判断をすること。また,その判断。審判。裁断。「―が下る」「―を受ける」

裁きの庭

さばきのにわ 【裁きの庭】
法廷。

裁く

さばく【裁く】
try;→英和
judge;→英和
decide.→英和
犯人(事件)を〜 try a criminal (case).→英和

裁く

さば・く [2] 【裁く】 (動カ五[四])
〔「捌く」と同源〕
善悪・理非の判断をする。(裁判官が)判決を下す。「公平に―・く」「検断出て―・く/狂言・茶ぐり(天正本)」
[可能] さばける

裁す

さい・す 【裁す】 (動サ変)
⇒さいする(裁)

裁する

さい・する [3] 【裁する】 (動サ変)[文]サ変 さい・す
(1)布や紙を切る。裁断する。
(2)訴訟や物事を判断して処置する。さばく。定める。「家政を―・するの権なし/福翁百話(諭吉)」
(3)手紙を書く。文章を作る。「中桐氏に一書を―・して/欺かざるの記(独歩)」

裁ち上がり

たちあがり [0] 【裁ち上(が)り】
衣服の生地を裁ち終えること。また,その出来ばえ。

裁ち上り

たちあがり [0] 【裁ち上(が)り】
衣服の生地を裁ち終えること。また,その出来ばえ。

裁ち下ろし

たちおろし [0] 【裁(ち)下ろし】
仕立てたばかりの着物。仕立ておろし。

裁ち切れ

たちぎれ [2] 【裁(ち)切れ・裁(ち)布】
衣服を仕立てるために裁った布。

裁ち包丁

たちぼうちょう [3] 【裁(ち)包丁】
「裁ち物包丁」に同じ。

裁ち台

たちだい [0][2] 【裁(ち)台】
布地を裁断する台。たちいた。

裁ち売り

たちうり [0] 【裁(ち)売り】 (名)スル
必要なだけ裁ち切って売ること。切り売り。

裁ち屑

たちくず [3] 【裁ち屑】
紙・布などを裁つときに出る屑。

裁ち布

たちぎれ [2] 【裁(ち)切れ・裁(ち)布】
衣服を仕立てるために裁った布。

裁ち方

たちかた [3] 【裁(ち)方】
布・革・紙などを適当な寸法に裁ち切る方法。

裁ち方

たちかた【裁ち方】
a <good> cut;→英和
cutting;→英和
how to cut (方法).

裁ち板

たちいた [3][2] 【裁(ち)板】
布を裁断するときなどに台として用いる板。たちもの板。

裁ち物

たちもの [2] 【裁(ち)物】
布や紙などを裁断すること。

裁ち物包丁

たちものぼうちょう [5] 【裁(ち)物包丁】
布や紙の裁断に用いる,刃の広くて丸い包丁。裁ち包丁。
→包丁

裁ち物板

たちものいた [4][5] 【裁(ち)物板】
裁ち板。

裁ち着け

たちつけ [0] 【裁(ち)着け】
「たっつけ」に同じ。「きんか頭に顔色も,繻珍の―りりしげに/浄瑠璃・丹波与作(上)」

裁ち縫い

たちぬい [2] 【裁(ち)縫い】 (名)スル
さいほう。針仕事。

裁ち縫ふ

たちぬ・う 【裁ち縫ふ】 (動ハ四)
布を裁って着物などに縫う。「―・はぬ霞の衣/新千載(雑下)」

裁ち縫わぬ衣(キヌ)着る人

裁ち縫わぬ衣(キヌ)着る人
仙人の異名。

裁ち落し

たちおとし [0] 【裁ち落(と)し】
裁縫・製本・料理などで,不必要な部分を切り落とすこと。また,その不要な部分。

裁ち落す

たちおと・す [0][4] 【裁ち落(と)す】 (動サ五[四])
裁ち切って不必要な部分を取り除く。「布地を―・す」

裁ち落とし

たちおとし [0] 【裁ち落(と)し】
裁縫・製本・料理などで,不必要な部分を切り落とすこと。また,その不要な部分。

裁ち落とす

たちおと・す [0][4] 【裁ち落(と)す】 (動サ五[四])
裁ち切って不必要な部分を取り除く。「布地を―・す」

裁ち鋏

たちばさみ [3] 【裁ち鋏】
布地を裁つための鋏。

裁つ

た・つ [1] 【裁つ・截つ】 (動タ五[四])
〔「断つ」と同源〕
布・紙などを,所用の寸法や形に切る。裁断する。「布地を―・つ」「浴衣を―・つ」
[可能] たてる

裁つ

たつ【裁つ】
cut (out).→英和

裁下ろし

たちおろし [0] 【裁(ち)下ろし】
仕立てたばかりの着物。仕立ておろし。

裁人

さいにん 【裁人】
仲裁をする人。さえにん。「―はこよりで髪をふたつゆひ/柳多留 14」

裁切れ

たちぎれ [2] 【裁(ち)切れ・裁(ち)布】
衣服を仕立てるために裁った布。

裁判

さいばん【裁判】
justice;→英和
a trial[hearing](公判);→英和
judgment (判決);decision.→英和
〜する try;→英和
judge.→英和
〜中である be on trial.〜に付す put <a case> on trial.〜に勝つ(負ける) win (lose) a suit.→英和
〜を仰ぐ lay <a case> before the court.→英和
〜を受ける be tried;stand one's trial.‖裁判官 a judge;the court.裁判権 jurisdiction.裁判長 a presiding judge.裁判手続 legal proceedings.欠席裁判 judgment by default.

裁判

さいばん [1] 【裁判】 (名)スル
(1)裁き,判定を下すこと。「理非分明に―せしとぞ/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(2)司法機関が訴訟について,法律に基づいた判断を行うこと。判決・決定・命令の三種の形式がある。
(3)政務をとりしきること。「家ノ―ヲスル/日葡」

裁判上の離婚

さいばんじょうのりこん 【裁判上の離婚】
夫婦の一方からの訴えに基づき裁判所の判決によって成立する離婚。配偶者の不貞な行為,悪意の遺棄,強度の精神病,三年以上の生死不明などの場合に限り認められる。

裁判化学

さいばんかがく [5] 【裁判化学】
化学的見地から毒物検査・血液分析などの裁判上の問題を解決する学問と技術。

裁判官

さいばんかん [3] 【裁判官】
裁判所に所属し,裁判事務を担当し,裁判権を実行する国家公務員。すべての権力から独立し,憲法・法律のみに拘束され,良心に従い職権を行使する。最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官・判事・判事補・簡易裁判所判事の六種がある。

裁判官分限法

さいばんかんぶんげんほう 【裁判官分限法】
裁判官の免職および懲戒に関する事項を規定した法律。1947年(昭和22)制定。

裁判官弾劾法

さいばんかんだんがいほう 【裁判官弾劾法】
裁判官の弾劾につき,罷免の事由,訴追および裁判手続きを定める法律。1947年(昭和22)制定。
→弾劾裁判所

裁判官弾劾裁判所

さいばんかんだんがいさいばんしょ [0] 【裁判官弾劾裁判所】
⇒弾劾裁判所(ダンガイサイバンシヨ)

裁判官訴追委員会

さいばんかんそついいいんかい [3][5] 【裁判官訴追委員会】
非行・義務違反による裁判官の罷免請求を審査し,必要な際はそれを裁判官弾劾裁判所に訴追する機関。衆参両院の議員各一〇名の委員によって構成される。訴追委員会。

裁判所

さいばんしょ [0][5] 【裁判所】
司法権を行使する国家機関。具体的事件において法律的判断を下す権限を有する。最高裁判所と下級裁判所(高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所)がある。

裁判所

さいばんしょ【裁判所】
a court of justice;a law court.〜に出頭する appear in court.‖上告裁判所 a court of revision.民(刑)事裁判所 a civil (criminal) court.

裁判所書記官

さいばんしょしょきかん [7] 【裁判所書記官】
裁判所において,裁判の記録や書類の作成・保管を行い,その他裁判に必要な調査を補助する職員。旧称,裁判所書記。

裁判所法

さいばんしょほう 【裁判所法】
裁判所に関して基本的な事項を定めた法律。旧憲法下の裁判所構成法に代わって1947年(昭和22)に制定。

裁判所調査官

さいばんしょちょうさかん [8] 【裁判所調査官】
最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所に置かれ,裁判官の命を受けて,事件の審理・裁判に関して必要な調査を行う特別職の職員。

裁判書

さいばんしょ [0][5] 【裁判書】
刑事訴訟法上,裁判の内容を記載した文書。民事訴訟では普通,裁判の原本という。法曹界では「さいばんがき」と言いならわされる。

裁判権

さいばんけん [3] 【裁判権】
裁判所が事件または人に対して裁判を行う権限。

裁判沙汰

さいばんざた [0] 【裁判沙汰】
裁判所で訴訟事件として取り扱われること。そのように取り扱われることは望ましくないという気持ちでいう語。「―になると面倒だ」

裁判管轄

さいばんかんかつ [5] 【裁判管轄】
諸種の裁判所間の裁判権の配分に関する定め。裁判所の裁判権の行使の範囲。

裁判籍

さいばんせき [3] 【裁判籍】
民事訴訟法で,裁判を受ける者からみた裁判管轄。

裁判規範

さいばんきはん [5] 【裁判規範】
裁判の基準としてのっとるべき法規範。
→行為規範

裁判長

さいばんちょう [3] 【裁判長】
合議制裁判所を代表する裁判官。訴訟・審問の指揮をする。

裁制

さいせい [0] 【裁制】 (名)スル
さばき定めること。「新律改定凡そ十四例三百余条を―し給へり/開化本論(徳明)」

裁包丁

たちぼうちょう [3] 【裁(ち)包丁】
「裁ち物包丁」に同じ。

裁可

さいか【裁可】
<the Imperial> sanction[approval].→英和
〜する sanction;approve.→英和

裁可

さいか [1] 【裁可】 (名)スル
(1)裁決し,許可すること。特に,君主が臣下の奏上する案を自ら裁決し許可すること。「阿部侯は蘭軒の請によつて已むことを得ずして―した/伊沢蘭軒(鴎外)」
(2)旧憲法下で,帝国議会の議決した法律案または予算案を確定的に成立させる天皇の行為。

裁台

たちだい [0][2] 【裁(ち)台】
布地を裁断する台。たちいた。

裁売り

たちうり [0] 【裁(ち)売り】 (名)スル
必要なだけ裁ち切って売ること。切り売り。

裁定

さいてい【裁定】
decision;→英和
《商》arbitration.〜する decide;→英和
arbitrate.→英和
‖裁定案 an arbitration draft.

裁定

さいてい [0] 【裁定】 (名)スル
物事の是非などを考えて決定すること。「慎重に―する」「仲裁―」

裁定取引

さいていとりひき [5][6] 【裁定取引】
市場間の価格差を利用して利益をあげる経済行為。その結果として両市場の価格差は縮小する。アービトラージ。

裁定為替相場

さいていかわせそうば [8] 【裁定為替相場】
基準為替相場とクロス-レートによって間接的に算定された一国の各国に対する為替相場。平準相場。
→基準為替相場
→クロス-レート

裁布

たちぎれ [2] 【裁(ち)切れ・裁(ち)布】
衣服を仕立てるために裁った布。

裁断

さいだん [0] 【裁断】 (名)スル
(1)物事の理非曲直を判断して決定を下すこと。「―を下す」「万機を―すべし/新聞雑誌 52」
(2)紙・布を一定の型にたちきること。カッティング。「ブラウスを―する」「―機」

裁断

さいだん【裁断】
(1) decision;→英和
judgment.(2)[洋服の]cutting.→英和
〜する cut <a coat> .→英和
〜を仰ぐ leave <a matter> to a person's judgment.〜を下す judge;→英和
decide.→英和
‖裁断機 a cutter.

裁方

たちかた [3] 【裁(ち)方】
布・革・紙などを適当な寸法に裁ち切る方法。

裁板

たちいた [3][2] 【裁(ち)板】
布を裁断するときなどに台として用いる板。たちもの板。

裁決

さいけつ [0][1] 【裁決】 (名)スル
(1)物事の正邪を考えて,決定を下すこと。「理事会で―する」
(2)行政に関する国民の不服申し立ての審査請求に対し,行政庁が争訟手続きによって判断を与える行為。また,その決定。

裁決

さいけつ【裁決】
(a) decision;→英和
(a) judgment.〜する decide;→英和
arbitrate (仲裁).→英和
〜を仰ぐ(に従う) ask for (abide by) a decision.

裁決の申請

さいけつのしんせい 【裁決の申請】
公法上の法律関係について争いや疑いがある場合,権限ある行政庁の判断を求める行為。裁定の申請。決定の申請。

裁物

たちもの [2] 【裁(ち)物】
布や紙などを裁断すること。

裁物包丁

たちものぼうちょう [5] 【裁(ち)物包丁】
布や紙の裁断に用いる,刃の広くて丸い包丁。裁ち包丁。
→包丁

裁物板

たちものいた [4][5] 【裁(ち)物板】
裁ち板。

裁着

たっつけ [0] 【裁着】
〔「たちつけ」の転〕
「裁着袴」に同じ。

裁着け

たちつけ [0] 【裁(ち)着け】
「たっつけ」に同じ。「きんか頭に顔色も,繻珍の―りりしげに/浄瑠璃・丹波与作(上)」

裁着袴

たっつけばかま [5] 【裁着袴】
男子袴の一。膝から下を細く仕立てたもの。活動に便利なため,江戸中期から武士が旅行・調練などに用い,また奉公人・行商人が用いた。現在は相撲の呼び出しなどが用いている。伊賀袴。
裁着袴[図]

裁縫

さいほう [0] 【裁縫】 (名)スル
布を一定の形に裁ち,衣服などに縫い上げること。主に和裁についていう。針仕事。お針。縫いもの。「―箱」

裁縫

さいほう【裁縫】
sewing;→英和
needlework.→英和
〜する do needlework;sew.→英和
‖裁縫師 a tailor;a dressmaker.裁縫道具入れ a housewife.

裁縫い

たちぬい [2] 【裁(ち)縫い】 (名)スル
さいほう。針仕事。

裁縫鳥

さいほうちょう [0] 【裁縫鳥】
スズメ目ウグイス科サイホウチョウ属の鳥の総称。約一〇種が知られる。全長13センチメートル内外。くちばしはやや長く,下に曲がる。インド・フィリピン・ボルネオにかけて分布。木の葉をクモの糸,植物繊維などで縫い合わせて巣をつくる種があり,この名がついた。

裁許

さいきょ [1] 【裁許】 (名)スル
(1)役所などで,下から上申された事項を審査して許可すること。「市長が―する」
(2)鎌倉時代以後,裁判で申し立てを認める判決や決定を与えること。「あはれとく御―あるべきものを/平家 1」

裁許状

さいきょじょう [0] 【裁許状】
鎌倉時代以後,訴訟の判決文書。

裁許留

さいきょどめ 【裁許留】
江戸時代の民事判例集。四五冊。幕府評定所が1702年から1867年に至る期間の判例を編年体に編纂したもの。

裁許破り

さいきょやぶり 【裁許破り】
江戸時代,裁判の判決に従わず,違反すること。

裁量

さいりょう【裁量】
<at one's> discretion.→英和
〜に任す leave <a matter> to a person's discretion.

裁量

さいりょう [0][3] 【裁量】 (名)スル
自分の考えで問題を判断し処理すること。「君の―に一任する」「自由―」

裁量処分

さいりょうしょぶん [5] 【裁量処分】
行政庁に自由裁量がある場合になされる行政処分。

裁量労働

さいりょうろうどう [5] 【裁量労働】
研究開発業務のように,労働時間が労働者の裁量に委ねられている労働。みなし労働。

裁量労働制

さいりょうろうどうせい [0] 【裁量労働制】
出張などのような事業場外労働や裁量労働を,労使協定により一定の時間勤務したものとみなすこと。1987年(昭和62)の労働基準法改正により本格導入。

裁量行為

さいりょうこうい [5] 【裁量行為】
行政庁の行為のうち,法規が多義的なため,行政庁に一定範囲の裁量の余地があるもの。
⇔羈束(キソク)行為

裂き織り

さきおり [0] 【裂(き)織り・割(き)織り】
経(タテ)糸に木綿あるいは麻を用い,古着を細く裂いたものを緯(ヨコ)糸にした厚地の織物。さっこり。ざっくり。

裂き膾

さきなます [3] 【裂き膾】
刃物で切らずに,指で裂いて作ったイワシのなます。[季]秋。

裂く

さ・く [1] 【裂く・割く】
■一■ (動カ五[四])
(1)一枚の布や紙を無理に二つ以上に引き離す。ひきやぶる。《裂》「シーツを―・く」「絹を―・くような悲鳴」
(2)動物の腹を刃物で切り開く。「腹を―・いて卵を取り出す」
(3)親密な関係にある人を無理やり引き離す。《裂》「二人の仲を―・く」「生木を―・く」
(4)時間・金・人手・スペースなどの一部分を分けて他の用途に振り向ける。《割》「賞金の一部を―・いて施設に寄付する」「誘拐事件の報道に一面全部を―・く」
(5)目尻などに入れ墨をする。「あめつつ,ちどり,ましととなど―・ける利目(トメ)/古事記(中)」
〔「裂ける」に対する自動詞〕
[可能] さける
■二■ (動カ下二)
⇒さける

裂く

さく【裂く】
rend <one's heart> ;→英和
tear <to pieces> ;→英和
sever <the two> .→英和

裂ける

さ・ける [2] 【裂ける】 (動カ下一)[文]カ下二 さ・く
一つの物が線状に鋭く切れる。「落雷で大木が―・けた」「口が―・けても言えない」
〔「裂く」に対する自動詞〕

裂ける

さける【裂ける】
split <in two> ;→英和
be torn[rent];burst;→英和
crack.→英和

裂け痔

さけじ [2] 【裂け痔】
肛門(コウモン)の縁が裂ける痔。きれ痔。

裂け目

さけめ【裂け目】
a rent;→英和
a tear;→英和
a crack;→英和
a fissure;→英和
a chasm.→英和

裂け目

さけめ [3] 【裂け目】
さけた所。われめ。

裂れ痔

きれじ [2] 【切れ痔・裂れ痔】
肛門の皮膚と粘膜との境がただれたり,細かく裂けたりする病気。排便時に痛みを感じ出血がある。肛門裂創(レツソウ)。裂肛。さけじ。

裂傷

れっしょう [0] 【裂傷】
皮膚や粘膜などの表面が裂けてできた傷。裂創。「頭部―」

裂傷

れっしょう【裂傷】
a lacerated wound.

裂創

れっそう [0] 【裂創】
「裂傷(レツシヨウ)」に同じ。

裂取り

きれどり [0] 【裂取り】
和服の文様構成の一。地の上に異なった裂をおいたように,種々の文様を継ぎ合わせた形の文様。裂取り模様。

裂帛

れっぱく [0] 【裂帛】
(1)帛(キヌ)を引き裂くこと。また,その音。
(2)激しい掛け声や女性の悲鳴のたとえ。「―の気合」「助けを求める―の声」
(3)ホトトギスの鳴き声。

裂果

れっか [0] 【裂果】
⇒裂開果(レツカイカ)

裂線噴火

れっせんふんか [5] 【裂線噴火】
⇒割(ワ)れ目(メ)噴火(フンカ)

裂織り

ざっくり [0] 【裂織り】
〔「さきおり」の転。「さっくり」とも〕
(1)「裂き織り」に同じ。
(2)裂き織りでできた野良着。

裂織り

さっこり [0] 【裂織り】
⇒さきおり(裂織)

裂織り

さきおり [0] 【裂(き)織り・割(き)織り】
経(タテ)糸に木綿あるいは麻を用い,古着を細く裂いたものを緯(ヨコ)糸にした厚地の織物。さっこり。ざっくり。

裂罅

れっか [1] 【裂罅】
裂けてすき間のできること。また,その裂け目。割れ目。ひび。断裂。

裂罅充填鉱床

れっかじゅうてんこうしょう [8] 【裂罅充填鉱床】
⇒鉱脈(コウミヤク)

裂罅填充

れっかてんじゅう [4] 【裂罅填充】
地層や岩石の割れ目を他の物質で充填すること。土木工事の際,漏水を止めるために液状のセメントなどを注入する。

裂罅水

れっかすい [3] 【裂罅水】
岩石の割れ目・節理,断層破砕帯・石灰洞などの空隙に保持された地下水。トンネル工事の際,大量に噴出することがある。

裂肛

れっこう [0] 【裂肛】
⇒切(キ)れ痔(ジ)

裂蹄

れってい [0] 【裂蹄】
冬季の乾燥した気候などのため,馬の蹄(ヒヅメ)にひびが生じること。

裂開

れっかい [0] 【裂開】 (名)スル
(1)さけひらけること。また,さきひらくこと。
(2)劈開面(ヘキカイメン)以外の鉱物の割れ方。結晶の成長過程でできた欠陥による。剥離(ハクリ)。

裂開果

れっかいか [3] 【裂開果】
熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する果実。乾果の一種で,莢果(キヨウカ)(マメ科),蒴果(サクカ)(アヤメ科),角果(アブラナ科),袋果(キンポウゲ科),蓋果(ガイカ)(スベリヒユ科)などがある。裂果。
⇔閉果

裂頭条虫

れっとうじょうちゅう [5] 【裂頭条虫】
条虫綱の扁形動物。俗にいうサナダムシの一種。体は細長いひも状で多数の片節に分かれる。頭部に二個の吸着溝がある。第一・第二中間宿主を経て,ヒトをはじめ脊椎動物の腸に寄生する。日本で多く見られるのは広節裂頭条虫。ミゾサナダ。
→広節裂頭条虫

かみしも [0] 【裃】
⇒かみしも(上下)□二□(2)

ゆき [1][2][0] 【裄】
着物の背縫いから肩先を経て袖口までの長さ。肩ゆき。

ゆき【裄】
the length of the sleeve.→英和

裄丈

よだけ 【裄丈】
衣服の裄(ユキ)のたけ。ゆきたけ。ゆだけ。

裄丈

ゆだけ [1] 【裄丈】
着物のゆきたけ。ゆきの長さ。「―の片の身を縫ひつるが/枕草子 95」

裄丈

ゆきたけ [2][3] 【裄丈・裄長】
(1)着物の裄の長さ。
(2)物事の程度・度合。「心の底の―は昔も今も変はらぬか/浄瑠璃・薩摩歌」

裄丈

いきたけ [2][3] 【裄丈】
〔「ゆきたけ」の転〕
(1)衣服の裄(ユキ)と丈。
(2)〔「いきだけ」とも〕
物事の程度・分量。たか。「―の知れた商売と見限り/浮世草子・子息気質」

裄長

ゆきたけ [2][3] 【裄丈・裄長】
(1)着物の裄の長さ。
(2)物事の程度・度合。「心の底の―は昔も今も変はらぬか/浄瑠璃・薩摩歌」

そう サウ [1] 【装】
(1)衣服を身につけること。よそおい。みじたく。「―を新たにする」
(2)書物のつくり。本の体裁。「クロス―」「粘葉(デツチヨウ)―」

装い

よそい ヨソヒ 【装い・粧い】
〔動詞「装(ヨソ)う」の連用形から〕
■一■ [2] (名)
(1)取りそろえること。したく。準備。「舟,―を設けて待ち侍りしに/源氏(明石)」
(2)服装。装束。特に,ととのった服装。よそおい。「唐めいたる―は,うるはしうこそありけめ/源氏(桐壺)」
(3)かざり。装飾。「えさらず取り使ひ給ふべき物ども,ことさら―もなく/源氏(須磨)」
(4)富士谷成章の用いた文法用語。現在の用言にあたる。
→名(ナ)
→挿頭(カザシ)
→脚結(アユイ)
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)衣服・調度などそろっているものを数えるのに用いる。そろい。「舞人,女の装束(ソウゾク)一―づつ賜ふ/宇津保(春日詣)」
(2)器に盛った飲食物を数えるのに用いる。「けさも粥を中蓋(チユウガサ)に三―/浄瑠璃・宵庚申(中)」

装い

よそおい ヨソホヒ [3][0] 【装い・粧い】
(1)外観・設備や身なりなどを美しく飾りととのえること。また,そうした設備・服装・化粧など。「晴れの―」「―を新たに開店する」「―をこらす」
(2)外観の様子。おもむき。風情。「春の―をした山山」
(3)したくをすること。準備すること。「旅の―こまごまと沙汰しをくられたり/平家 2」

装い

よそおい【装い】
dress;→英和
attire;→英和
(a) makeup (化粧).→英和

装う

よそう【装う】
[食物を]serve;→英和
dish up (皿に);help <a person to rice> ;→英和
help oneself <to> (自分で).

装う

よそお・う ヨソホフ [3][0] 【装う・粧う】 (動ワ五[ハ四])
〔動詞「装(ヨソ)ふ」の未然形に,継続の助動詞「ふ」の付いた「よそはふ」の転〕
(1)立派な衣服や装身具で身なりをととのえる。正装する。「絹のドレスに身を―・った夫人」
(2)実際はそうではないのに,いかにもそうであるかのように見せかける。「学生を―・う」「犯人は客を―・って店に入った」
(3)出発の準備をととのえる。「一人の男小舟を―・ひ此方へ向つて漕ぎ出せしが/いさなとり(露伴)」
(4)衣服・用具などを身につける。「王公卿相,花の袂を―・ひ,玉のくつばみをならべ/平家 8」
[可能] よそおえる

装う

よそおう【装う】
[着る]wear <a dress> ;→英和
be dressed <in> ;[ふりをする]pretend <illness,that one is ill> ;→英和
[飾る]⇒飾る.

装う

よそ・う ヨソフ [2] 【装う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1) [0]
飯や汁を器に盛る。よそる。「ごはんをもう一杯―・ってください」
(2)飾りととのえる。しつらえる。「中の間は院のおはしますべき御座(オマシ)―・ひたり/源氏(若菜下)」
(3)船出・出発の準備・整備をする。「おしてるや難波の津ゆり舟―・ひ我(アレ)は漕ぎぬと妹に告ぎこそ/万葉 4365」
(4)ととのった衣服を身につける。よそおう。「ぬば玉の黒き御衣(ミケシ)をまつぶさに(=完全ニ)取り―・ひ/古事記(上)」
[可能] よそえる
■二■ (動ハ下二)
飾りととのえる。身じたくをする。「色々に―・へたる指貫姿/今昔 31」

装し

よそお・し ヨソホシ 【装し】 (形シク)
〔動詞「装(ヨソ)う」の形容詞化〕
よそおいをこらしている。美々しく立派である。「清げに,―・しげに,下襲の裾(シリ)ながく引き/枕草子 129」

装丁

そうてい サウ― [0] 【装丁・装釘・装幀】 (名)スル
書物を綴じて,表紙・扉・カバー・外箱などをつけ,意匠を加えて本としての体裁を飾り整えること。また,その意匠。装本。「好みの材料で―する」

装丁

そうてい【装丁】
binding.〜する bind;→英和
design.→英和

装備

そうび【装備】
equipment;→英和
outfit.→英和
〜する equip <with> ;→英和
furnish <with> ;→英和
mount <a battery> .→英和

装備

そうび サウ― [1] 【装備】 (名)スル
ある目的に必要な武器・器具・付属品などを備え付けたり,身に着けたりすること。また,その武器・器具など。「新鋭機を―する」

装入

そうにゅう サウニフ [0] 【装入】 (名)スル
中につめ込むこと。「善く貨物を包むものは…多く―す/西国立志編(正直)」

装具

そうぐ【装具】
equipment;→英和
an outfit.→英和

装具

そうぐ サウ― [1] 【装具】
(1)身につける道具。武装のためや作業などをするために身につける道具。
(2)かんざしなどの,身を飾るための道具。
(3)機械に取り付ける道具。
(4)室内などの飾り付けに用いる道具。

装填

そうてん サウ― [0] 【装填】 (名)スル
中に詰め込んで準備すること。特に,銃砲に弾丸をこめること。「弾丸を―する」「フィルムを―する」

装填する

そうてん【装填する】
load[charge] <a gun> .→英和

装幀

そうてい サウ― [0] 【装丁・装釘・装幀】 (名)スル
書物を綴じて,表紙・扉・カバー・外箱などをつけ,意匠を加えて本としての体裁を飾り整えること。また,その意匠。装本。「好みの材料で―する」

装弾

そうだん サウ― [0] 【装弾】 (名)スル
銃砲に弾丸をこめること。

装本

そうほん サウ― [0] 【装本】 (名)スル
「装丁(ソウテイ)」に同じ。

装束

そうぞく サウ― 【装束】 (名)スル
「しょうぞく(装束)」に同じ。「まゐりの夜の人々―せさせ給ふ/源氏(乙女)」

装束

しょうぞく【装束】
costume;→英和
a ceremonial dress (式服).〜をつける be dressed.

装束

しょうぞく シヤウ― [1] 【装束】
〔古くは「そうぞく」とも〕
(1)特別の場合のための,整った一そろいの服装。衣冠・束帯・直衣(ノウシ)など,一定の法式にかなった装い。また,それで盛装すること。身じたくすること。いでたち。「晴れの日のための―」「白―」
(2)衣服。着物。「わらはが―のあるをば取て,いかならん僧にも取らせ/平家 9」
(3)衣服を身に着けること。装うこと。そうずく。「季通も―してゐたり/宇治拾遺 2」
(4)室内・庭・車などを飾ること。また,その飾り。「極(イミジ)く―仕たる女車の乗り泛(コボ)れたる/今昔 24」

装束

そうずく サウ― 【装束】
「しょうぞく(装束)」に同じ。「―一領ばかり/蜻蛉(上)」

装束き分く

そうぞきわ・く サウゾキ― 【装束き分く】 (動カ下二)
装束の模様・色などをそれぞれ違えて着る。「鳥・蝶に―・けたる童べ八人/源氏(胡蝶)」

装束く

しょうぞ・く シヤウ― 【装束く】 (動カ四)
〔名詞「装束」の動詞化。「そうぞく」とも〕
装束を身に着ける。装う。そうずく。「軽びやかに―・きたる男一人寄り来りて/今昔 23」

装束く

そうず・く サウズク 【装束く】 (動カ四)
動詞「そうぞく(装束)」に同じ。「いとになく―・きて琴弾き遊ぶ/宇津保(嵯峨院)」

装束く

そうぞ・く サウ― 【装束く】 (動カ四)
〔名詞「そうぞく(装束)」を活用させた語〕
(1)装束を着ける。よそおう。「しなやかなる童の,えならず―・きたるぞ歩み来たる/源氏(夢浮橋)」
(2)支度を調える。飾りつける。「―・かれたる御琴三つ御笛三つとりいでさせ給ひつ/宇津保(蔵開上)」

装束の仮

しょうぞくのか シヤウ― 【装束の仮】
奈良・平安時代,地方官に任命されたときに赴任の準備のために与えられる休暇。任地の遠近によって日数は異なる。

装束の傘

しょうぞくのかさ シヤウ― 【装束の傘】
貴族が装束を着けて外出するとき,従者に持たせた大形の傘。しょうぞくのからかさ。

装束の家

しょうぞくのいえ シヤウ―イヘ 【装束の家】
代々,朝廷・将軍家などの装束のことを扱った家。三条・大炊御門(オオイミカド)・高倉・山科など。

装束司

しょうぞくし シヤウ― 【装束司】
行幸(ギヨウコウ)・儀式・節会(セチエ)などの装飾・設営のことをつかさどるため臨時に設けられる職。

装束始め

しょうぞくはじめ シヤウ― [5] 【装束始め】
(1)装束をはじめて着けること。また,その儀式。
(2)能楽で,夏季に休演していた装束能を再開すること。また,その催し。

装束立つ

そうぞきた・つ サウゾキ― 【装束立つ】
■一■ (動タ四)
美しく着飾る。「わらは大人は―・ちて待ち奉れど/宇津保(国譲上)」
■二■ (動タ下二)
美しく着飾らせる。「おほきにはあらぬ殿上童の,―・てられてありくもうつくし/枕草子 151」

装束納め

しょうぞくおさめ シヤウ―ヲサメ [5] 【装束納め】
能楽で,夏季,装束能が休演となる前に行う,最後の装束能の催し。

装束能

しょうぞくのう シヤウ― [4] 【装束能】
正規の装束を着けて演ずる能。
⇔袴能(ハカマノウ)

装潢

そうこう サウクワウ [0] 【装潢】 (名)スル
〔「潢」は紙を染める意〕
書画を表装すること。「僧妙超の書を―することを霞亭に託した/北条霞亭(鴎外)」

装用

そうよう サウ― [0] 【装用】 (名)スル
道具などを,身に着けて使うこと。「補聴器を―する」

装甲

そうこう サウカフ [0] 【装甲】 (名)スル
(1)鎧(ヨロイ)を身につけること。
(2)敵弾に破られないように,船体・車体などに甲鉄板を張ること。「特殊鋼板で―する」

装甲車

そうこう【装甲車】
an armored motorcar.

装甲車

そうこうしゃ サウカフ― [3] 【装甲車】
装甲{(2)}を施した軍用車両。

装画

そうが サウグワ [0] 【装画】
書物の装丁に使われている絵。

装着

そうちゃく サウ― [0] 【装着】 (名)スル
身につけること。器具などを取り付けること。「チェーンをタイヤに―する」

装着する

そうちゃく【装着する】
equip <with> ;→英和
put <chains> on <a car> .

装粧品

そうしょうひん サウシヤウ― [0] 【装粧品】
化粧品・化粧用具などの総称。小間物。

装置

そうち【装置】
(a) device;→英和
(an) equipment;→英和
(an) installation;(a) contrivance;an apparatus (機械).→英和
〜する install;equip <with> ;→英和
fit <with> ;→英和
contrive.→英和
‖安全装置 a safety device.冷(暖)房装置 a cooling (heating) apparatus.

装置

そうち サウ― [1] 【装置】 (名)スル
(1)ある目的に合わせて設備・機械・仕掛けなどを備えつけること。また,その設備・機械など。「無電を―する」
〔明治期に apparatus の訳語としてつくられた語〕
(2)舞台装置。

装置産業

そうちさんぎょう サウ―ゲフ [4] 【装置産業】
大型の設備・装置を必要とする産業。石油化学工業などはその典型。

装荷

そうか サウ― [1] 【装荷】
通信線路で,伝送特性の劣化を軽減するために,線路中にインダクタンスを入れること。

装薬

そうやく サウ― [0][1] 【装薬】 (名)スル
弾丸を発射するために火薬を装填(ソウテン)すること。また,その火薬。「―せざる所の施条銃を置き/月世界旅行(勤)」

装蹄

そうてい サウ― [0] 【装蹄】 (名)スル
馬や牛に蹄鉄(テイテツ)をつけること。

装身具

そうしんぐ【装身具】
personal ornaments;trinkets;accessories;furnishings.装身具店 a jeweler's (貴金属類の);an outfitter's; <米> a haberdasher's (紳士用の).

装身具

そうしんぐ サウシン― [3] 【装身具】
身につけて飾りとするもの。指輪・イヤリング・ネックレス・かんざし・ブローチなど。アクセサリー。

装釘

そうてい サウ― [0] 【装丁・装釘・装幀】 (名)スル
書物を綴じて,表紙・扉・カバー・外箱などをつけ,意匠を加えて本としての体裁を飾り整えること。また,その意匠。装本。「好みの材料で―する」

装飾

そうしょく【装飾】
decoration;→英和
ornament;→英和
adornment.→英和
〜する adorn;→英和
ornament;→英和
decorate.→英和
〜的 decorative;ornamental.〜用の for decorative[ornamental]purposes.‖装飾音《楽》graces;grace notes.装飾品 ornaments;decorations.装飾業者 an interior decorator (室内);a window dresser (店頭).

装飾

そうしょく サウ― [0] 【装飾】 (名)スル
美しく飾ること。また,そのかざり。「壁面を―する」

装飾古墳

そうしょくこふん サウ― [5] 【装飾古墳】
横穴式石室の壁面や石棺に彩色や線刻などが施されている古墳。北九州に多く,朝鮮半島にもみられる。壁画古墳。

装飾品

そうしょくひん サウ― [0] 【装飾品】
装飾用の品物。装飾物。

装飾的

そうしょくてき サウ― [0] 【装飾的】 (形動)
飾りなどの付属物によって飾られているさま。「―な建築」

装飾紙

そうしょくし サウ― [4][3] 【装飾紙】
特殊なすき入れ・印刷などを施した紙の総称。艶(ツヤ)紙・布目(ヌノメ)紙・擬革紙・杢目(モクメ)紙・砂目紙など。

装飾経

そうしょくきょう サウ―キヤウ [0] 【装飾経】
料紙や装丁に意匠をこらした美しい写経。平安末期に盛んになり,鎌倉時代まで行われた。平家納経など。

装飾美術

そうしょくびじゅつ サウ― [5] 【装飾美術】
実用品の装飾を目的とする美術。建造物・器具などの外観を美化するもの。鋳金・象眼・蒔絵(マキエ)・染織の類。応用美術。

装飾音

そうしょくおん サウ― [4] 【装飾音】
曲の興趣・表情を豊かにするため,ある音に部分的に付加する音。前打音・後打音・ターン・トリルなど。

裊娜

じょうだ デウ― [1] 【嫋娜・裊娜】 (形動タリ)
しなやかなさま。なよなよしたさま。「―嬋娟たる自然の媚の失せたるを/緑簑談(南翠)」

裊裊

じょうじょう デウデウ [0] 【嫋嫋・裊裊】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)なよなよとして風情のあるさま。しなやかなさま。たおやかなさま。「―たる柳」「―たる美女」
(2)音や声が細く長く続くさま。「余韻―として尽きない」「曲は―として次第に興を増した/復活(魯庵)」
(3)風がそよそよと吹くさま。「薫風―として菜花(サイカ)黄波を揚ぐ/花柳春話(純一郎)」

うら [2] 【裏】
(1)表面と反対の面。下または陰になって見えない部分。
⇔表
「小切手の―に署名する」
(2)前面・正面の反対側。うしろ。
⇔表
「―の出口」「―の家」
(3)衣服・袋物などの内側に付ける布。
⇔表
「―はキュプラだ」
(4)相手の予想や世間の常識の反対。逆。
(5)表面には現れない隠された内部の事情。内情。
⇔表
「彼の発言には―がある」
(6)公正なやり方ではないこと。「―から手を回す」
(7)正式ではないこと。
⇔表
「―芸」
(8)野球で,後攻チームの攻撃するイニング。
⇔表
(9)裏付け。証拠。
(10)〔論〕
〔reverse〕
命題「 � ならば � である」に対して,その前件と後件の両方を否定した命題「� でなければ � でない」をいう。ある命題が真であっても,その裏は必ずしも真ではない。
→逆
→対偶
(11)遊女を揚げるとき,初会の次,すなわち二度目。
(12)連歌・俳諧で,懐紙の裏側のこと。
⇔表
(13)「裏千家」の略。

り 【裏・裡】
状態を表す漢語に付いて,「そのような状態のうちに」の意を表す。「穏密―に処理する」「成功―に終わる」「暗暗―」

うら【裏】
(1)[裏面]the back;→英和
the reverse side;the wrong side (反対側);the inside (内側);→英和
the tail (貨幣の).→英和
(2)[背後]the back;the rear.→英和
(3)[着物の裏地]the lining.→英和
(4)[野球の]the bottom <of the fourth inning> .→英和
〜に at the back[in the rear, <米話> in back]of <the house> .
〜には〜がある There are wheels within wheels.〜へまわる go round to the back of <the house> .
〜の意味 <read> the hidden meaning <of> .
〜を付ける line <a coat with silk> .→英和
〜をかく defeat[baffle,frustrate] <a person's plan> .→英和
法の〜をかく defeat the ends of justice.

裏の目

うらのめ [4] 【裏の目】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏の矩

うらのかね [0] 【裏の矩】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏一巡

うらいちじゅん [3][0] 【裏一巡】
連歌・俳諧で,名残の裏で一巡すること。
→一巡

裏付き

うらつき [0][4] 【裏付き】
衣服などに裏が付いていること。また,裏の付いたもの。うらつけ。

裏付け

うらづけ [0] 【裏付け】
(1)証拠や保証となるもの。「実験による―のない空論」
(2)結論を証拠や資料によって確実なものとすること。「―捜査」「―をとる」

裏付け

うらつけ [0][4] 【裏付け】
(1)「裏付き」に同じ。
(2)「裏付け草履(ゾウリ)」の略。

裏付けがない

うらづけ【裏付けがない】
There is no fact[evidence,assurance]to support[back (up),prove,justify]it.事実の〜のない <an argument> not based on facts.

裏付ける

うらづける【裏付ける】
back (up);→英和
support;→英和
assure;→英和
prove;→英和
justify.→英和

裏付ける

うらづ・ける [4] 【裏付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うらづ・く
結論を証拠や資料によって確実にする。「犯行を―・ける証拠」

裏付け草履

うらつけぞうり [5] 【裏付け草履】
裏を付けて,厚く丈夫にした草履。うらつけ。

裏住い

うらずまい [3] 【裏住(ま)い】
裏店(ウラダナ)にすむこと。

裏住まい

うらずまい [3] 【裏住(ま)い】
裏店(ウラダナ)にすむこと。

裏住み

うらずみ 【裏住み】
「裏ずまい」に同じ。

裏作

うらさく [0] 【裏作】
主要な作物を収穫したあと,次の作付けまでの間を利用して他の作物を栽培すること。また,その作物。稲を刈り取ったあとに,麦を植えたりする類。
⇔表作

裏作

うらさく【裏作】
the second crop.

裏側

うらがわ [0] 【裏側】
裏の方。裏に面する部分。裏面。
⇔表側
「月の―」「社会の―」

裏側

うらっかわ [0] 【裏側】
「裏側(ウラガワ)」に同じ。

裏切り

うらぎり [0] 【裏切り】
うらぎること。内通。内応。「―行為」

裏切り

うらぎり【裏切り(行為)】
(an act of) treachery;→英和
betrayal.→英和
裏切り者 a betrayer;→英和
a traitor;→英和
a turncoat;→英和
[罷業の]a strikebreaker;→英和
a scab.→英和

裏切り者

うらぎりもの [0][6] 【裏切り者】
仲間を裏切った者。

裏切る

うらぎる【裏切る】
betray <one's country,a person's trust> ;→英和
sell <one's friends> ;→英和
turn one's coat;[罷業者を]scab <on strikers> ;→英和
[予想を]be[turn out]contrary to[fall short of,disappoint]one's expectation(s).

裏切る

うらぎ・る [3] 【裏切る】 (動ラ五[四])
(1)味方にそむいて敵側につく。「味方を―・る」
(2)人の信頼にそむく行為をする。「友人を―・る」「恋人に―・られる」
(3)期待や予想に反する。「人々の予想を―・る成績」
[可能] うらぎれる

裏判

うらはん [0] 【裏判】
文書の裏面に記された花押(カオウ)や押印。文書の文面を承認・保証する場合,あるいは相手に敬意を表する場合などに用いる。裏印。

裏千家

うらせんけ 【裏千家】
茶道の一流派。千利休の孫宗旦の四男仙叟(センソウ)宗室が利休の四世を称したのに始まる。宗室が父から譲られた茶室今日庵が,表千家の裏にあたるのでこの名がある。裏。

裏印

うらいん [0] 【裏印】
(1)実印の一方の端に彫った小印。
(2)「裏判(ウラハン)」に同じ。

裏取引

うらとりひき [3][4] 【裏取引】
こっそりと行う不正な取引。

裏口

うらぐち [0] 【裏口】
(1)家の裏側にある出入り口。勝手口。
⇔表口
「―へ回る」
(2)不正な方法で隠れて物事をすること。「―入学」

裏口

うらぐち【裏口】
the back door[entrance].〜から <enter> at[by]the back door.‖裏口営業 backdoor[illegal]dealings[business].裏口入学 <obtain> admission <to a university> by unfair means.

裏口営業

うらぐちえいぎょう [5] 【裏口営業】
飲食店などで,特定の客だけを相手にこっそり行う営業。

裏合せ

うらあわせ [3] 【裏合(わ)せ】
二つの物が裏どうしを合わせた状態にあること。
⇔おもあわせ

裏合わせ

うらあわせ [3] 【裏合(わ)せ】
二つの物が裏どうしを合わせた状態にあること。
⇔おもあわせ

裏問ふ

うらど・う 【心問ふ・裏問ふ】 (動ハ四)
相手の心中にそれとなく探りを入れる。「なんと私(ワシ)に頼まれて下んすまいかと―・へば/浄瑠璃・夏祭」

裏地

うらち [0] 【裏地】
道路に接していない敷地。公道にも私道にも接していない土地。盲地。
→袋地(フクロジ)

裏地

うらじ【裏地】
(cloth for) lining.→英和

裏地

うらじ [0] 【裏地】
(1)衣服の裏につける布。
⇔表地
(2)
⇒うらち(裏地)

裏坂

うらざか [0] 【裏坂】
主要な坂の裏手にある坂。

裏声

うらごえ【裏声(で歌う)】
(sing in) falsetto.→英和

裏声

うらごえ [0] 【裏声】
地声(ジゴエ)では出せない高音域を特殊な発声法で出した声。地声とは声帯の状態が異なり,音色が異なる。仮声。ファルセット。
⇔地声

裏封

うらふう [0] 【裏封】
中世の訴訟などで,私人の文書の裏に権力のある者が証明の文言や署判を書き与えること。

裏尺

うらがね [0] 【裏尺・裏曲・裏矩】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏尺

うらじゃく [0] 【裏尺】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏屋

うらや [0] 【裏屋】
「裏店(ウラダナ)」に同じ。「―にすむしよくにんどもの妻(サイ)やむすめ/安愚楽鍋(魯文)」

裏山

うらやま [0] 【裏山】
(1)家の裏手の山。
(2)山の,日当たりの悪い側。

裏山吹

うらやまぶき 【裏山吹】
襲(カサネ)の色目の名。表は黄,裏は萌黄(モエギ)または紅。三〇歳以下の人が五節(ゴセチ)から春に着用。

裏崩れ

うらくずれ 【裏崩れ】
戦線において,前線より先に後方の軍勢が動揺して崩れること。「彼備は跡より崩るべしと云。果して―ある/武家名目抄(軍陣)」

裏差

うらざし [0] 【裏差(し)】
刀の鞘(サヤ)の,差裏側に設けた小柄櫃(コヅカビツ)に小柄をおさめること。また,その小柄。

裏差し

うらざし [0] 【裏差(し)】
刀の鞘(サヤ)の,差裏側に設けた小柄櫃(コヅカビツ)に小柄をおさめること。また,その小柄。

裏帆

うらほ [0] 【裏帆】
帆にあたる風が正常とは反対に裏側にあたる状態になった帆。逆帆(サカホ)。「―を打つ」

裏年

うらどし [2] 【裏年】
果実がよく実らない年。
⇔生り年
→隔年結実

裏店

うらだな [0] 【裏店】
裏通りに面した家。裏屋。
⇔表店
「―住まい」

裏庭

うらにわ [0] 【裏庭】
家の裏側にある庭。勝手庭。

裏庭

うらにわ【裏庭】
a backyard.→英和

裏張

うらばり [0] 【裏張(り)】 (名)スル
補強のため,物の裏に紙や布をはること。

裏張り

うらばり [0] 【裏張(り)】 (名)スル
補強のため,物の裏に紙や布をはること。

裏彩色

うらざいしき [3] 【裏彩色】
東洋画の技法の一。画面の全体,また一部に絵絹の裏から顔料を塗って効果を出す方法。

裏急後重

りきゅうこうじゅう リキフコウヂユウ [4] 【裏急後重】
下痢で,排便後またすぐに便意をもよおす状態。渋り腹。

裏戸

うらど [2] 【裏戸】
家の裏側にある戸。裏口の戸。

裏手

うらて [0] 【裏手】
建物などの,裏の方。背後。うしろ。

裏手に

うらて【裏手に】
behind;→英和
at the back <of> .→英和

裏打ち

うらうち【裏打ち】
the lining.→英和
〜する line <a coat> ;→英和
back <a thing with paper> .→英和

裏打ち

うらうち [0][4] 【裏打ち】 (名)スル
(1)紙や布などの裏に,別の紙や布をあてて補強すること。「表紙を―する」
(2)物事を別な面から補強すること。裏づけ。「学説を違った資料で―する」
(3)裏をつけた直垂(ヒタタレ)。裏打ち直垂。

裏技

うらわざ [0] 【裏技】
コンピューター-ゲームやアプリケーション-プログラムで,正式には公開されていない操作方法によって有効な結果を得ること。

裏投げ

うらなげ [0] 【裏投げ】
柔道の技の名。技をかけてきた相手を抱え上げ,後ろに倒れながらその勢いで肩越しに投げる捨て身技。

裏抜け

うらぬけ [0] 【裏抜け】 (名)スル
表に印刷したインクの一部が裏ににじみ出ること。

裏文書

うらもんじょ [3] 【裏文書】
古文書で,使用済みの紙の裏面を用いている文書の最初に使われた面の文書。紙背文書。

裏方

うらかた [0] 【裏方】
(1)芝居で,舞台裏のいろいろな仕事をする人。道具方・衣装方・狂言方・照明方など。
⇔表方
(2)表立たないで,実質的な仕事をする人。「祝賀会の―をつとめる」
(3)貴族や貴人の奥方。内の方。
(4)江戸時代以降,特に本願寺法主の夫人の称。御裏様。

裏方

うらかた【裏方】
[劇]a sceneshifter.→英和

裏日本

うらにほん [4] 【裏日本】
本州の日本海に面する地域をいう。冬の降雪量が多い。
⇔表日本

裏日本

うらにほん【裏日本】
(districts along) the coast of the Japan Sea.

裏星科

うらぼしか [0] 【裏星科】
シダ植物の一科。葉(葉状体)は根生し,芽出しのときには巻曲する。葉片の下面に円形または長楕円形の胞子嚢(ノウ)ができる。マメヅタ・ヒトツバ・ノキシノブ・クリハランなど。イノモトソウ科・チャセンシダ科・シノブ科・オシダ科は従来この科とされてきたが,近時は独立の科にすることが多い。

裏曲

うらがね [0] 【裏尺・裏曲・裏矩】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏書

うらがき [0] 【裏書(き)】 (名)スル
(1)あることが確実であることを別な方面から証明すること。「彼の行動が犯行を―している」
(2)文書などの裏に証明・注記などを書き込むこと。また,その書き込み。
 (ア)小切手・手形など指図証券の譲渡や質入れの際,証券の裏に裏書人の署名や被裏書人の指定などの必要事項を記入すること。多く,裏書譲渡の場合をいう。
 (イ)巻子本などの紙背に書かれた注記や校勘など。
 (ウ)書画の軸物の裏に書かれた鑑定の文。
 (エ)訴訟の際,提出された証文の裏に,その当否を奉行人が書き記したもの。
 (オ)江戸時代,目安{(5)}の裏に,判決や召喚期日を書いたもの。

裏書

うらがき【裏書】
(an) endorsement[indorsement];→英和
a visa (旅券の).→英和
〜する endorse[indorse] <a check,a person's view> ;→英和
back <a bill> ;→英和
visa (旅券の);[証明する]confirm;→英和
support;→英和
corroborate.→英和

裏書き

うらがき [0] 【裏書(き)】 (名)スル
(1)あることが確実であることを別な方面から証明すること。「彼の行動が犯行を―している」
(2)文書などの裏に証明・注記などを書き込むこと。また,その書き込み。
 (ア)小切手・手形など指図証券の譲渡や質入れの際,証券の裏に裏書人の署名や被裏書人の指定などの必要事項を記入すること。多く,裏書譲渡の場合をいう。
 (イ)巻子本などの紙背に書かれた注記や校勘など。
 (ウ)書画の軸物の裏に書かれた鑑定の文。
 (エ)訴訟の際,提出された証文の裏に,その当否を奉行人が書き記したもの。
 (オ)江戸時代,目安{(5)}の裏に,判決や召喚期日を書いたもの。

裏書人

うらがきにん [0] 【裏書人】
証券を譲渡するために証券に裏書きをする者。

裏書禁止

うらがききんし [0] 【裏書禁止】
手形・小切手などの指図証券の振出人または裏書人が,譲渡や質入れを目的とする裏書きを禁止すること。指図禁止。「―手形」
→禁転手形

裏書禁止裏書

うらがききんしうらがき [8] 【裏書禁止裏書】
裏書人により,指図証券の譲渡を目的とする裏書きを禁止する旨の記載がなされた裏書{(2)
 (ア)}。

裏書譲渡

うらがきじょうと [5] 【裏書譲渡】
指図証券上の権利を裏書きによって他人に譲渡すること。

裏木戸

うらきど [0][3] 【裏木戸】
(1)家の裏手に設けた木戸。
(2)芝居小屋の裏手の出入り口。楽屋口。

裏松

うらまつ 【裏松】
姓氏の一。

裏松光世

うらまつみつよ 【裏松光世】
(1736-1804) 江戸中・後期の有職故実家。烏丸光栄の子。裏松益光の養子。法号,固禅。竹内式部の宝暦事件に加わり,幕府から蟄居(チツキヨ)を命じられ,以後故実研究に専念。著「大内裏図考証」「皇居年表」

裏板

うらいた [0] 【裏板】
(1)物の裏面に張りつけた板。
(2)軒裏や屋根裏に張った板。「寝殿の―の壁のすこしくろかりければ/大鏡(伊尹)」

裏柳

うらやなぎ 【裏柳】
襲(カサネ)の色目の名。表は白,裏は萌黄(モエギ)。

裏桟

うらざん [0][2] 【裏桟】
天井板・雨戸などの裏側に取り付けた桟。

裏梅

うらうめ [2] 【裏梅】
(1)襲(カサネ)の色目の名。表は白,裏は蘇芳(スオウ)。一一月から二月頃まで着用。しらうめ。ひとえうめ。
(2)梅紋の一。梅の花を裏から見た形を図案化したもの。

裏模様

うらもよう [3] 【裏模様】
着物・羽織などの,裏につけた模様。

裏正面

うらじょうめん [3] 【裏正面】
相撲で,土俵の南側。「天子南面,侍臣北面」という相撲(スマイ)の節会(セチエ)の故事によって土俵の北側を正面とする。向こう正面。

裏毛

うらけ [0] 【裏毛】
裏糸をパイル状に編み込んで浮かせ,起毛した生地。

裏流

うらりゅう [0] 【裏流】
裏千家のこと。

裏海

りかい 【裏海】
(1) [0]
陸地に入り込んだ海。また,内海。
(2)カスピ海の別名。

裏渦貝

うらうずがい ウラウヅガヒ [4] 【裏渦貝】
海産の巻貝。殻径2.5センチメートル,殻高3センチメートルほどの円錐形。殻は灰白色で,底面の周縁に十数個の小突起が並ぶ。本州中部以南の岩礁に分布。

裏漉し

うらごし [0] 【裏漉し】 (名)スル
枠に布や目の細かい網を張った篩(フルイ)のような道具で食品をつぶして漉し,細かくしたり,かすを取り除いたりすること。また,その道具。「ゆでた芋を―する」「―にかける」

裏漉し

うらごし【裏漉し】
a strainer.→英和
〜する strain.→英和

裏漏り

うらもり [2] 【裏漏り】 (名)スル
急須や醤油さしなどから茶や醤油をつぐときに,つぎ口の下に伝ってそれが垂れること。

裏潮

うらしお [0] 【裏潮】
地球の,月と反対側に生ずる満ち潮。
⇔表潮

裏無し

うらなし [0] 【裏無し】
(1)裏地をつけていない単衣(ヒトエ)の衣服。
(2)(二枚重ねの,普通の草履に対して)裏をつけない一枚づくりの草履。緒太(オブト)。

裏無し

うらな・し 【心無し・裏無し】 (形ク)
(1)相手に対して自分の心を包み隠さない。へだて心がない。「さるは,よしと人にいはるる人よりも―・くぞ見ゆる/枕草子 305」
(2)裏表がない。率直だ。いつわりがない。「ひきときの―・く思ふ心よりあはせてたべと神せがむなり/徳和歌後万載集」

裏焼

うらやき [0] 【裏焼(き)】
フィルムの裏表をまちがえて写真の焼き付けをすること。レイアウトの面白さなどの効果をねらって意図的に行う場合もある。

裏焼き

うらやき [0] 【裏焼(き)】
フィルムの裏表をまちがえて写真の焼き付けをすること。レイアウトの面白さなどの効果をねらって意図的に行う場合もある。

裏甲

うらごう [0] 【裏甲】
神社・仏閣などで,軒先の茅負(カヤオイ)の上にのせる化粧板。

裏町

うらまち [0] 【裏町】
表通りから引っ込んだ裏にある町。

裏町

うらまち【裏町】
a back street.

裏番

うらばん [0] 【裏番】
〔「裏番長」の略。学生仲間の隠語〕
自分は表には立たずに,陰でグループを支配する番長。

裏番組

うらばんぐみ [3] 【裏番組】
ある番組に対して,これと同じ時間帯に放送される,ほかの放送局の番組。

裏番組

うらばんぐみ【裏番組】
a (TV) program on a different channel.

裏白

うらじろ【裏白】
《植》a whitebeam;the New Year fern (しだ).

裏白

うらじろ [0] 【裏白】
(1)裏・底・内側の白いこと。「―の紙」
(2)ウラジロ科の常緑性シダ植物。暖地に自生し,大群落をつくる。葉柄は長く,上端で二葉片に分かれ,さらに羽状に分かれる。葉の裏面は白く,粒状の胞子嚢(ノウ)群をつける。葉柄で箸(ハシ)・籠(カゴ)などを作り,葉を正月の飾りに使う。ヤマクサ。モロムキ。シダ。ホナガ。ヘゴ。[季]新年。
〔シダとも呼ばれ,「齢垂(シダ)る」にかけて長寿の縁起物とされた〕
(3)裏の白い紺足袋。
(4)「裏白戸」の略。
(5)「裏白連歌」の略。
(6)魚のすり身,またはそれに小麦粉・ヤマイモ・鶏卵などをすり合わせ,シイタケの傘の裏や海苔などに塗りつけて煮た料理。
裏白(2)[図]

裏白の木

うらじろのき [6] 【裏白の木】
バラ科の落葉高木。山地に自生し,高さ10メートルになる。葉は互生し,広楕円形で鋸歯があり,裏面は白毛が密生する。五月,枝頂に白色五弁花を多数散房状につける。果実は楕円形で赤熟する。

裏白戸

うらじろど [4] 【裏白戸】
土蔵の扉の内部に二重に設けた引き戸で,表側はねずみ色,裏は白色の漆喰(シツクイ)塗りにしたもの。

裏白樅

うらじろもみ [4] 【裏白樅】
マツ科の常緑高木。深山に群生する。葉はモミに似るが,裏面は白色。材は建材・パルプなどにする。ダケモミ。

裏白樫

うらじろがし [4] 【裏白樫】
ブナ科の常緑高木。暖地の山地に自生。樫の一種。葉は披針状長楕円形で鋸歯(キヨシ)があり,裏面は白い。雌雄同株。堅果は広楕円形。材を用材・薪炭材とする。

裏白樺

うらじろかんば [5] 【裏白樺】
カバノキ科の落葉高木。本州中部以北の深山に自生,大きなものは高さ15メートルになる。葉の裏は白色を帯びる。ネコシデ。

裏白連歌

うらじろれんが [5] 【裏白連歌】
懐紙の表にだけ書いて裏には書かない方式の連歌。正月三日北野神社で行われたものが有名。うらじろ。

裏白青磁

うらじろせいじ [5] 【裏白青磁】
高台内に白釉を掛けた青磁。景徳鎮の民窯で明末清初に焼かれた。福州青磁。裏白手(ウラジロデ)((ウラシロデ))。

裏皮

うらがわ [0] 【裏革・裏皮】
(1)袋物・靴などの裏に張った皮革。
(2)〔革の裏面を表にして使用することから〕
スエードの別名。

裏盆

うらぼん [0][2] 【裏盆】
盂蘭盆(ウラボン)の終わり。一般に七月二〇日をいう地方が多いが,一六日・二四日・二七日,あるいは七月いっぱいをいい,また,盂蘭盆に入る前日(一二日)をいう所もある。

裏目

うらめ [0][3] 【裏目】
(1)さいころの表に出た目の反対側の目。一・二・三に対して六・五・四の目。
(2)差し金の裏にある目盛り。表目,すなわち曲尺(カネジヤク)の一目盛りを一辺とする正方形の対角線の長さ。表目の�倍。うらのめ。裏曲(ウラガネ)。裏尺(ウラジヤク)。裏の矩(カネ)。
(3)編み物で,裏編みによってできる編み目。

裏目に出る

うらめ【裏目に出る】
backfire <on one> ;→英和
have an opposite result to what was intended.

裏矩

うらがね [0] 【裏尺・裏曲・裏矩】
⇒裏目(ウラメ)(2)

裏移り

うらうつり [3] 【裏移り】 (名)スル
(1)印刷された紙がインクが乾かないうちに次々に積み重ねられたため,紙の裏面がインクで汚れること。
(2)(「裏写り」とも書く)表裏とも印刷した紙の,裏の文字や絵がすけて見えること。「薄い紙で―(が)する」

裏窓

うらまど [0] 【裏窓】
家の裏側にある窓。

裏箔

うらはく [0] 【裏箔】
日本画で,金・銀の色の光沢をやわらげるために,絹地の裏から金・銀の箔をあてること。また,その箔。

裏紋

うらもん [2][0] 【裏紋】
「替(カ)え紋」に同じ。
⇔表紋

裏組

うらぐみ [0] 【裏組】
近世邦楽で,自流の曲目を教習上二段階に分類した場合の,第二段階の曲目。特に,三味線組歌・箏組歌についていう。
⇔表組

裏編み

うらあみ [0] 【裏編み】
棒針編みの基本編みの一。メリヤスの裏の面と同じ編み目になる編み方。
→表編み

裏縞躑躅

うらしまつつじ [5][6] 【裏縞躑躅】
ツツジ科の落葉小低木。高山植物で,株になって群生する。高さ5センチメートル内外。葉は倒卵形で,裏面に縞状の葉脈がある。六月頃,黄白色で壺状の花を数個開き,秋,まるい黒紫色の果実を結ぶ。

裏罫

うらけい [0] 【裏罫】
印刷に用いる罫線の一。表(オモテ)罫に比べて太い。太罫(フトケイ)。
→表罫

裏背戸

うらせど [0] 【裏背戸】
裏の入り口。裏口。背戸。

裏腹

うらはら [0] 【裏腹】 (名・形動)[文]ナリ
〔背と腹,裏と表,の意〕
(1)正反対な・こと(さま)。あべこべ。「言うこととやることが―だ」
(2)背中合わせ。となり合わせ。「死と―」

裏腹なことを言う

うらはら【裏腹なことを言う】
do not mean what one says.〜に contrary to….

裏芸

うらげい [2][0] 【裏芸】
余興などで見せたりする専門外の芸。隠し芸。
⇔表芸

裏茶屋

うらぢゃや [0] 【裏茶屋】
江戸時代,遊里の裏通りにあった茶屋。隠れ遊びの場となった。

裏菊

うらぎく [2] 【裏菊】
菊の花を裏から見た形の文様。
→菊

裏葉草

うらはぐさ [3] 【裏葉草】
イネ科の多年草。山中の岩地に生える。高さ約80センチメートル。葉は線形で,基部で上下転倒して下側に向く。夏から秋,茎頂に円錐状の花穂をつける。葉に斑のある園芸品種もある。風知草(フウチソウ)。

裏行

うらゆき 【裏行】
家の表から奥までの距離。奥行。「表口(オモテグチ)三十間,―六十五間を家蔵に立て続け/浮世草子・永代蔵 2」

裏街道

うらかいどう [3] 【裏街道】
(1)正式の街道ではない道路。「中山道の―」
(2)(比喩的に)あまりまっとうでない生き方や人生をいう。「人生の―」

裏衣

うちごろも 【裏衣】
法橋(ホツキヨウ)・寺主・維那(イナ)以下一般の僧侶の着る単衣(ヒトエ)の法服。

裏表

うらうえ [0] 【裏表】
(1)うらとおもて。「夫の詞少きとは―にて,この媼はめづらしき饒舌(ジヨウゼツ)なり/即興詩人(鴎外)」
(2)上下・前後・左右など相対するものの両側。「―に二ならびに居なみたる鬼,かずをしらず/宇治拾遺 1」
(3)うらとおもてとを逆にすること。うらがえし。うらおもて。「祭の日は―の色なり/栄花(殿上の花見)」

裏表

うらおもて [0] 【裏表】
(1)うらとおもて。
(2)うらをおもて側にすること。裏返し。「シャツを―に着る」
(3)内面と外に現れたものとが合わないこと。かげひなた。表裏(ヒヨウリ)。「―のない人」
(4)表面と内情。表裏。「政界の―に通じた人物」

裏表

うらおもて【裏表】
both sides.〜に着る put on[wear] <a sweater> wrong side out.〜のある(ない)人 a double-dealer (an honest man).

裏表紙

うらびょうし【裏表紙】
the back cover.

裏表紙

うらびょうし [3] 【裏表紙】
書物の裏側の表紙。

裏衿

うらえり [0] 【裏襟・裏衿】
(1)洋服の襟で,裏側の襟。
(2)着物の広襟の裏に付ける別布。えりうら。

裏襟

うらえり [0] 【裏襟・裏衿】
(1)洋服の襟で,裏側の襟。
(2)着物の広襟の裏に付ける別布。えりうら。

裏設けて

うらまけて 【心設けて・裏設けて】 (連語)
心の準備をして。「夏影の房(ツマヤ)の下に衣裁つ吾妹(ワギモ)―わがため裁たばやや大に裁て/万葉 1278」
〔例歌は,着物の裏地をつける用意をしての意をかける〕

裏話

うらばなし【裏話】
the inside story.

裏話

うらばなし [3] 【裏話】
一部の関係者だけが知っていて,世間に知られていない話。うちわの話。「文壇の―」

裏読み

うらよみ [0] 【裏読み】
書かれた文字どおりの意味ばかりでなく,その陰に隠された意味を読むこと。

裏身頃

うらみごろ [3] 【裏身頃】
裏付きの衣服の身頃で裏となるもの。
⇔表身頃

裏込め

うらごめ [0] 【裏込め】
石垣やトンネル覆土などの裏側に,割り栗石や砂利を詰め込むこと。

裏返し

うらがえし [3] 【裏返し】
(1)裏を返して表にすること。また,その状態。「座布団を―にする」
(2)反対の面。反対。逆。「さびしさの―」

裏返す

うらがえす【裏返す】
turn <a thing> inside out;turn over.裏返しに着る put on[wear] <socks> inside[wrong side]out.

裏返す

うらがえ・す [3] 【裏返す】 (動サ五[四])
(1)今までの裏を表に,表を裏にする。「札を―・して見る」
(2)物の見方・考え方などを反対にする。「―・して言えば」
[可能] うらがえせる

裏返る

うらがえ・る [3] 【裏返る】 (動ラ五[四])
(1)裏が表に,表が裏になる。ひっくりかえる。「カメの子が―・る」
(2)逆になる。「想頭(カンガエ)が―・つて/いさなとり(露伴)」
(3)裏切る。ねがえる。「当代の宣旨をたまはりし物の,かく―・りぬれば/増鏡(月草の花)」

裏通り

うらどおり【裏通り】
a back street;an alley (狭い).→英和

裏通り

うらどおり [3] 【裏通り】
大通りの裏手にある人通りの少ない細い通り。うらみち。
⇔表通り

裏道

うらみち [0][2] 【裏道】
(1)本道以外の道。抜け道。間道。「―づたい」
(2)裏口に通じる道。
(3)正しくない方法。
(4)苦労の多い人生。「人生の―を歩む」

裏道

うらみち【裏道】
a back street;a byway (抜け道);→英和
a bypath (間道).→英和

裏金

うらがね [0] 【裏金・裏鉄】
(1)取引や交渉をうまく運ぶために,表立てないで,相手に渡す金銭。《裏金》「入札に―が動いた」
(2)表向きの帳簿には別の名目にしたり,記載もせずに集める資金。隠し金。《裏金》
(3)雪駄(セツタ)の裏のかかとの部分に打ちつける鉄片。
(4)合わせ鉋(カンナ)の切れ刃の裏にあてがったもう一枚の切れ刃。
→台鉋

裏金

うらきん [0] 【裏金】
日本画で絵絹の裏から金箔(キンパク)を当てたもの。柔らかい金色を出す際に用いる。裏箔。

裏金

うらがね【裏金】
a bribe;→英和
<米> a slush fund.

裏釘

うらくぎ [2] 【裏釘】
打った釘が裏まで突き抜けたもの。

裏針

うらばり [0] 【裏針・逆針・闇針】
江戸時代に用いられた船用磁石。十二支目盛りが普通の磁石とは逆回りにつけてあり,目盛り盤の北・南をそれぞれ船首・船尾に合わせて設置すると,磁針の指す方向が,進行方向として直読できる。さかばり。

裏鉄

うらがね [0] 【裏金・裏鉄】
(1)取引や交渉をうまく運ぶために,表立てないで,相手に渡す金銭。《裏金》「入札に―が動いた」
(2)表向きの帳簿には別の名目にしたり,記載もせずに集める資金。隠し金。《裏金》
(3)雪駄(セツタ)の裏のかかとの部分に打ちつける鉄片。
(4)合わせ鉋(カンナ)の切れ刃の裏にあてがったもう一枚の切れ刃。
→台鉋

裏銘

うらめい [2] 【裏銘】
刀の製作者の銘を彫った側とは反対の側に彫った銘。製作年月日や製作者の生国・年齢など,時には所持者・奉納社寺名なども彫られる。
⇔表銘

裏長屋

うらながや【裏長屋】
a tenement house in a back street.

裏長屋

うらながや [3] 【裏長屋】
裏通りに建てられた長屋。横丁や路地裏にある家賃の安い長屋。
⇔表長屋

裏門

うらもん【裏門】
a back gate.

裏門

うらもん [0] 【裏門】
裏の方にある門。
⇔表門

裏関

うらぜき 【裏関】
相撲で,今の「張り出し大関」にあたるものの古名。

裏陪紅梅

うらまさりこうばい 【裏陪紅梅】
襲(カサネ)の色目の名。表は紅梅色,裏は紅。春の初めに用いる。うらべこうばい。

裏面

りめん [1] 【裏面】
(1)物の裏の面。裏側。「―にもご記入ください」
(2)物事の表面に現れない部分。一般には知られていない事柄。「社会の―を探る」
⇔表面

裏面

りめん【裏面】
[裏側]the back;→英和
the other[reverse]side;the inside (内面);→英和
the dark side (暗黒面).〜で[に]behind <one's back> ;→英和
in secret; <There is something> behind the scene[curtain].→英和
〜を見よ Please turn over <p.t.o.> .‖裏面工作 behind-the-scene maneuvering.裏面史 an inside history[story].

裏面史

りめんし [2] 【裏面史】
物事の隠れた部分や一般には知られていない事柄を記述した物語や歴史。

裏面工作

りめんこうさく [4] 【裏面工作】
物事を進めるにあたり,裏でいろいろと下準備をすること。

裏革

うらがわ [0] 【裏革・裏皮】
(1)袋物・靴などの裏に張った皮革。
(2)〔革の裏面を表にして使用することから〕
スエードの別名。

裏馴染み

うらなじみ [3] 【裏馴染み】
〔遊里語。「裏」は二度目,「馴染み」は三度目の意〕
その遊女に会うのが二度目(裏)でありながら,馴染みとして迎えられたり,普通は三度目に出す馴染み金を出したりすること。

裏鬼門

うらきもん [3] 【裏鬼門】
家相で,北東の鬼門に対して南西の方角。鬼門とともに不吉な方角として忌む。

みごろ [1][0] 【身頃・裑】
衣服の,胴を包む部分。普通,肩から裾までをいうが,洋服でウエストから上だけをいうこともある。「前―」

こはな 【裔】
子孫。後裔(コウエイ)。血統。「帝皇の―/日本書紀(允恭訓)」

えい [1] 【裔】
子孫。「源氏の―」

裔孫

えいそん [0] 【裔孫】
遠い子孫。末の子孫。

裔神

えだがみ 【枝神・裔神】
末社に祀(マツ)られている神。

裕げ

ゆたげ 【豊げ・寛げ・裕げ】 (形動ナリ)
ゆたかなさま。ゆったりしたさま。「ゆふ襷かくる袂はわづらはし―にとけて有らむとを知れ/拾遺(神楽)」

裕福

ゆうふく [1][0] 【裕福】 (名・形動)[文]ナリ
財産があり,生活がゆたかである・こと(さま)。富裕。「―な家庭」「―に暮らす」
[派生] ――さ(名)

裕福な

ゆうふく【裕福な】
rich;→英和
wealthy;→英和
well-off;well-to-do.〜に暮らす be well off.

かわごろも カハ― 【皮衣・裘】
(1)毛皮で作った防寒用の衣。かわぎぬ。[季]冬。「限なきおもひに焼けぬ―/竹取」
(2)〔修行中の釈迦が鹿の皮をまとったという故事から〕
僧衣。また,僧。「山深く行ふ道の―/藻塩草」

かわぎぬ カハ― 【皮衣・裘】
「かわごろも(皮衣)」に同じ。「裏まだつけぬ―の縫ひ目/枕草子 155」

きゅう キウ [1] 【裘】
けものの皮で作った衣服。けごろも。「一人物巾(キン)を頂き―を衣たり/伊沢蘭軒(鴎外)」

けごろも [2] 【毛衣・裘】
(1)毛皮で作った衣服。かわごろも。また,獣の毛皮。[季]冬。
(2)鳥の羽毛。また,鳥の羽毛で作った衣服。羽衣。

裘代

きゅうたい キウ― [0] 【裘代】
〔裘(カワゴロモ)に代える衣の意〕
僧服の一種。法皇・諸門跡,また参議以上で出家した人が参内のときなどに着る。俗人の直衣(ノウシ)に相当する。形は素絹(ソケン)に似るが僧綱(ソウゴウ)襟になっている。
裘代[図]

裘葛

きゅうかつ キウ― [0] 【裘葛】
(1)皮ごろもと葛のかたびら。冬の衣と夏の衣。
(2)冬と夏が過ぎること。一年。

くん [1] 【裙】
(1)もすそ。
(2)〔仏〕「裙子(クンス)」に同じ。

裙子

くんし [1] 【裙子】
「くんす(裙子)」に同じ。

裙子

くんす [1] 【裙子】
〔「す」は「子」の唐音。主として禅宗での用語〕
僧衣の一。腰から下を覆う,ひだの多い裳のようなもの。裙(クン)。腰衣。内衣(ナイエ)。くんし。
→偏衫(ヘンサン)

裙屐

くんげき [1][0] 【裙屐】
衣服のすそとはきもの。

裙帯

くんたい 【裙帯】
(1)裳の腰につけて左右に長く垂らした紐。官女が正装の時,装飾として用いた。くたい。「ひれ,―は浮線綾(フセンリヨウ)を櫨緂(ハジダン)に染めたり/紫式部日記」
(2)すそと帯。
裙帯(1)[図]

裙帯

くたい 【裙帯】
〔「くんたい」の「ん」の無表記〕
「くんたい(裙帯){(1)}」に同じ。「領布(ヒレ)・―などして/枕草子 89」

裙蔕菜

わかめ [1][2] 【若布・和布・稚海藻・裙蔕菜】
褐藻類コンブ目の海藻。日本沿岸の干潮線下に生じ,養殖もされる。葉は柔らかく粘滑で,羽状に分裂し,長さ60〜100センチメートル,幅30〜40センチメートルになる。茎状部の基部に「めかぶ」と呼ばれる厚い胞子葉がつく。生(ナマ)で,あるいは乾燥したものを水でもどして食用とする。古名ニキメ・メノハ。[季]春。《みちのくの淋代(サビシロ)の浜―寄す/山口青邨》
若布[図]

裛衣

えい エヒ 【裛衣】
「裛衣香(エイコウ)」の略。

裛衣

えび 【裛衣】
⇒裛衣香(エビコウ)

裛衣香

えいこう エヒカウ 【裛衣香】
「裛衣香(エビコウ)」に同じ。

裛衣香

えびこう 【裛衣香】
香の名。栴檀(センダン)の葉や樹皮を臼でひき,ふるいにかけて製したとも,白檀(ビヤクダン)・沈香・丁香などの練り香ともいう。薫衣防虫に用いた。えい。えび。

補い

おぎない オギナヒ [0][3] 【補い】
(1)補うこと。また,補うもの。うめあわせ。「内職をして,家計の―にする」
(2)「補い薬(グスリ)」の略。「―を一帖進ぜませう/滑稽本・和合人」

補い

おぎない【補い】
a supplement;→英和
a complement (補充);→英和
reparation (補償).→英和
〜の supplementary.

補い薬

おぎないぐすり オギナヒ― [5] 【補い薬】
⇒ほやく(補薬)

補う

おぎな・う オギナフ [3] 【補う】 (動ワ五[ハ四])
〔「おきぬふ」の転。中世以降の語〕
(1)足りないところに足す。十分な状態にする。「栄養の不足を点滴で―・う」「説明を―・う」
(2)(損害・罪などの)埋め合わせをする。償う。「失策を―・って余りある一打」「欠損を―・う」
(3)破れやほころびを修理する。「網ヲ―・ウ/日葡」
[可能] おぎなえる

補う

おぎなう【補う】
make up <for> ;make good <the loss> ;supplement.→英和

補す

ふ・す 【補す・輔す】 (動サ変)
その職に任命する。「五位の侍中に―・せられて左少弁になり帰り給ふ/平家 3」

補する

ほ・する [2] 【補する】 (動サ変)[文]サ変 ほ・す
職務の担当を命じる。「事務官に―・する」

補ふ

おきぬ・う オキヌフ 【補ふ】 (動ハ四)
「おぎなう」の古形。室町時代以降「おぎぬう」と濁音。破れた箇所に布を置いて縫う意が原義か。[名義抄]

補ふ

おぎの・う オギノフ 【補ふ】 (動ハ四)
「おぎなう」に同じ。[日葡]

補任

ふにん [0] 【補任】
〔「ぶにん」とも〕
(1)官職に任ずること。「義経五位尉に―の条/平家 11」
(2)「補任状」の略。

補任

ほにん [0] 【補任】
職に補し官に任ずること。ぶにん。

補任状

ふにんじょう [0] 【補任状】
中世,将軍家・荘園領主・寺社などが,守護・地頭・荘官・坊官などを任命する際に発給した文書。下文・下知状などの様式が用いられた。

補佐

ほさ【補佐】
[事]help;→英和
aid;→英和
assistance;[人]an assistant;→英和
an adviser.〜する help;assist.→英和

補佐

ほさ [1] 【補佐・輔佐】 (名)スル
かたわらにあってその人の仕事を助けること。また,それをする役職。「大統領を―する」「課長―」「―官」
→補佐人

補佐人

ほさにん [0] 【補佐人】
(1)民事訴訟法上,訴訟当事者・訴訟代理人とともに期日に出頭し,その者の陳述を補助する者。輔佐人。
(2)刑事訴訟法上,被告人と一定の関係にあり,その補助にあたる者。被告人のなしうる訴訟行為を独立して行うことができる。

補体

ほたい [0] 【補体】
脊椎動物の新鮮な血清中に存在して免疫反応・感染・防御などに関与する二〇種ほどのタンパク質の総称。また,その反応系。熱に不安定。抗原と抗体との複合体に反応して活性化され,溶血・溶菌,食作用の促進など種々の効果をもたらす。

補作

ほさく [0] 【補作】 (名)スル
完成した作品にさらに手を加えること。また,そのもの。

補修

ほしゅう [0] 【補修】 (名)スル
こわれたところをつくろうこと。「堤防の―工事」「古美術品を―する」

補修

ほしゅう【補修】
repair.→英和
〜する repair;mend;→英和
fix.→英和

補償

ほしょう【補償】
(a) compensation.〜する compensate <a person for his loss> .→英和
‖補償金 (a) compensation.

補償

ほしょう [0] 【補償】 (名)スル
(1)損失などを埋め合わせること。「損害を―する」「―を要求する」
(2)損害賠償として財産上の損失を金銭で補填(ホテン)すること。
(3)〔心〕
〔compensation〕
身体面・精神面において人より劣っていると意識されたことを補おうとする心の働き。

補償原理

ほしょうげんり [4] 【補償原理】
ある経済政策が,必ずしも全員の経済福利を改善するとは限らないとき,その政策を実行すべきか否かを判断する厚生経済学の基準。損害を受ける人に補償してもなお余るほどの利益が社会全体で得られるか否かを判断基準とする。

補償点

ほしょうてん [2] 【補償点】
緑色植物で,呼吸による酸素の消費量と光合成による放出量が釣り合って,見かけ上ガス交換が全くないときの光の強さ。緑色植物の生長には補償点以上の強い光が必要とされる。

補充

ほじゅう [0] 【補充】 (名)スル
足りないものを補うこと。「人員を―する」

補充

ほじゅう【補充】
(a) supplement.→英和
〜する supplement;fill up;supply;→英和
recruit (兵員を).→英和

補充兵

ほじゅうへい [2] 【補充兵】
補充兵役に服する兵。

補充兵役

ほじゅうへいえき [4] 【補充兵役】
現役兵の欠員補充や,戦争・事変に備えるための兵役。

補充判決

ほじゅうはんけつ [4] 【補充判決】
⇒追加判決(ツイカハンケツ)

補充選挙

ほじゅうせんきょ [4] 【補充選挙】
定員の一部を補充するために行う選挙。補欠選挙や再選挙など。

補処

ふしょ [1] 【補処】
〔仏〕「一生補処」の略。

補則

ほそく [0] 【補則】
「雑則(ザツソク)」に同じ。日本国憲法においては「付則{(2)}」と同義。

補剤

ほざい [0] 【補剤】
主となる薬に配合し,その作用を高めたり,副作用を減じたりする薬剤。

補力

ほりょく [0] 【補力】
淡く仕上がったネガ画像に銀粒子などを付着させて濃度を高め焼き付けを可能にすること。
⇔減力

補助

ほじょ [1] 【補助・輔助】 (名)スル
足りないものを補い助けること。また助けとなるもの。「学資を―する」「―を受ける」

補助

ほじょ【補助】
assistance;help;→英和
support;→英和
(an) aid.→英和
〜する assist;→英和
help;→英和
support;→英和
subsidize (補助金を与える).→英和
‖補助椅子 a spare[an extra]seat (劇場などの);a jump seat (バスなどの).補助金 a subsidy.補助翼 an aileron.

補助動詞

ほじょどうし [3] 【補助動詞】
補助用言の一。動詞のうち,本来の意味・用法の独立性が薄れ,述語の下に付いて,もっぱら付属的に用いられるようになったもの。「本である」「戸があいている」「食べてみる」「お読み下さい」などの「ある」「いる」「みる」「下さい」の類。
⇔本動詞

補助単位

ほじょたんい [3] 【補助単位】
(1)計量法で実用上の目的のためにある基本単位の整数倍量または整数分の一量を呼ぶ単位名。キロメートル・デシリットルなどの類。
(2)SI 単位系で,基本単位・組立単位の他に導入された単位。平面角のラジアンと立体角のステラジアン。
→基本単位

補助参加

ほじょさんか [3] 【補助参加】
民事訴訟において係属中の訴訟の結果に利害関係を有する第三者が当事者の一方を補助するため,訴訟行為に参加をすること。従参加。

補助定理

ほじょていり [3] 【補助定理】
〔lemma〕
主要な定理を証明するために,準備として証明され,使われる定理。補題。レンマ。

補助席

ほじょせき [2] 【補助席】
劇場や乗り物などで,満席になったときに通路に出す座席。

補助帳簿

ほじょちょうぼ [3] 【補助帳簿】
総勘定元帳とは別に,目的に応じて作成する帳簿。ある取引について発生順に現金別,手形別などの形で記入する補助記入帳と,ある勘定を売掛金別,買掛金別というように口座別に記入する補助元帳とがある。補助簿。

補助形容詞

ほじょけいようし [5] 【補助形容詞】
補助用言の一。形容詞のうち,本来の意味・用法の独立性が薄れ,述語の下に付いて,もっぱら付属的に用いられるようになったもの。「寒くはない」「学生ではない」における「ない」の類。

補助椅子

ほじょいす [2] 【補助椅子】
劇場・ホールなどで,定員の座席以外に用意する椅子。

補助機関

ほじょきかん [4][3] 【補助機関】
行政官庁の意思決定を補助する機関。各省の政務次官・事務次官・事務官,委員会の事務局職員,地方公共団体の副知事・助役・出納長・収入役など。

補助活用

ほじょかつよう [3] 【補助活用】
形容詞の活用のうち,連用形の語尾「く」に動詞「あり」が結合して「から・かり・○・かる・○・かれ」と変化するもの。形容詞の付属語への接続のしかたが動詞などに比べて自由でなく,それを補うために発達したと考えられる。口語では,「かろ(未然形)・かっ(連用形)」の形に残っている。
→カリ活用

補助用言

ほじょようげん [3] 【補助用言】
用言のうち,本来の意味・用法の独立性が薄れ,述語の下に付いて,もっぱら付属的に用いられるようになったもの。補助動詞と補助形容詞とがある。

補助的

ほじょてき [0] 【補助的】 (形動)
主となるものを補助する関係にあるさま。

補助符号

ほじょふごう [3] 【補助符号】
文章を書く時に,文字だけでは誤読されやすく,意を尽くしにくい時などに書き加えられる補助的な符号。句読点・圏点(傍点)・傍線・疑問符・感嘆符・繰り返し符号などの類。

補助線

ほじょせん [2] 【補助線】
幾何の問題を解く時,与えられた図形にないが,問題解決の助けとするために新たに描く直線,または円。

補助翼

ほじょよく [2] 【補助翼】
飛行機に傾きを与えるための舵。一般に主翼の翼端後部につけられている。エルロン。

補助肥料

ほじょひりょう [3] 【補助肥料】
作物を栽培するために,主体とした肥料の不足を補うために用いる肥料。元肥(モトゴエ)・基肥に対する追肥・補肥,直接肥料に対する間接肥料・刺激肥料など。

補助記憶装置

ほじょきおくそうち [6] 【補助記憶装置】
コンピューターで,主記憶装置の記憶容量の不足を補うための記憶装置。一般には磁気ディスク・磁気テープなどを用いる。
→主記憶装置

補助貨幣

ほじょかへい [3] 【補助貨幣】
本位貨幣の補助として日常の少額取引に用いられる貨幣。補助貨。

補助金

ほじょきん [0] 【補助金】
(1)不足を補うために出す金銭。
(2)特定産業の育成や特定施策の奨励など,一定の行政目的を達成するために,国・地方公共団体が公共団体・企業・私人などに交付する金銭。

補填

ほてん [0] 【補填】 (名)スル
足りない所や欠けた所などをおぎないうめること。「赤字を―する」

補填する

ほてん【補填する】
cover[make up] <the deficit> .→英和

補外法

ほがいほう ホグワイハフ [0] 【補外法】
〔数〕 ある変域内で,いくつかの変数値に対する関数値が知られているとき,この変域外の変数値に対する関数値を推定する方法。補間法を変域外に適用したもの。外挿法。
→補間法

補完

ほかん [0] 【補完】 (名)スル
欠けているところや不十分なところを補って完全なものにすること。「欠点を―する」「―的機能」

補完財

ほかんざい [2] 【補完財】
互いに補い合うことによって単独で用いる場合よりも価値を増す財。他の財の価格が下落すると,それに対する需要が増大する財。例えば,パンとバターなど。
⇔代替財

補導

ほどう [0] 【補導・輔導】 (名)スル
(1)正しい方向に進むように教えみちびいてやること。「良正に―するを以て専念と為すに至るべし/明六雑誌 6」
(2)非行を未然に防ぐため青少年を正しい方向にみちびくこと。「―係」「家出少年を―する」

補導

ほどう【補導】
guidance.→英和

補導処分

ほどうしょぶん [4] 【補導処分】
売春勧誘などの罪を犯した満二〇歳以上の女子に対し,婦人補導院に収容し生活指導・職業補導・医療を行う処分。懲役・禁錮の執行猶予にともない言い渡される。

補巻

ほかん [0] 【補巻】
全集などが完結したあとに出す追加の本。補遺の巻。

補強

ほきょう [0] 【補強】 (名)スル
足りない所や弱い所を補ったり強くしたりすること。「橋のいたんだ部分を―する」「戦力の―」

補強

ほきょう【補強】
reinforcement.→英和
〜する reinforce.→英和

補強証拠

ほきょうしょうこ [4] 【補強証拠】
ある証拠の証明力を増強する別の証拠。

補弼

ほひつ【補弼】
⇒補佐.

補弼

ほひつ [0] 【輔弼・補弼】 (名)スル
(1)天子の政治をたすけること。また,その人。
(2)旧憲法で,天皇の権能行使に対し,助言を与えること。「国務各大臣は天皇を―し其の責に任ず/大日本帝国憲法」

補忘記

ぶもうき ブマウ― 【補忘記】
真言声明の書。観応著。二巻。1687年刊。再訂本(三巻),95年刊。新義真言宗の論義の法会の際に用いる語句をイロハ順に挙げ,その唱え方を示したもの。室町時代のアクセントを反映。

補数

ほすう [2] 【補数】
一定の数からその値を引き算した結果のこと。コンピューターなどで負の数を表現するのに,絶対値と符号を組み合わせるのではなく,扱いうる符号なし整数の最大値から絶対値を引き算し 1 を加えた補数で表すことが多い。

補整

ほせい [0] 【補整】 (名)スル
足りないところを補い,整えること。

補整天府

ほせいてんぷ [4] 【補整天府】
温度の変化によって慣性モーメントが変化しないように,膨張係数の異なる二種の金属を組み合わせてつくった天府。

補整振子

ほせいしんし [4] 【補整振子】
錘(オモリ)をつるす棒の部分に,膨張係数の異なる金属を組み合わせ,温度変化によって棒の長さが変化しないようにして,周期が一定になるようにした振り子。補整振り子。

補格

ほかく [0] 【補格】
体言の格の一。単独では実質的意味が十分でない用言に対してその内容を補うもの。「市長になる」「花を見る」における「市長(または,市長に)」「花(または,花を)」の類。

補植

ほしょく [0] 【補植】 (名)スル
植樹・造林などで,苗木が枯れてできた空地に,再び苗木を植えること。

補欠

ほけつ【補欠】
supplement;→英和
[人]an alternate;→英和
a substitute.→英和
〜の alternate;substitute.〜の募集をする invite <students> to fill vacancies.‖補欠選挙 a special election; <英> a by-election.補欠選手 a substitute player;a reserve.

補欠

ほけつ [0] 【補欠】
(1)欠けたものを補うこと。不足を補うこと。あなうめ。
(2)正規の要員の補充のために待機させてある人。控えの人。予備の人。「―で合格する」

補欠入学

ほけつにゅうがく [4] 【補欠入学】
入学者数が定員に満たない時に,その不足を補うために追加して入学を許可されること。また,そのような入学。

補欠募集

ほけつぼしゅう [4] 【補欠募集】
志願者数または採用者数が定数に満たない時,その不足を補うためにする募集。

補欠選手

ほけつせんしゅ [4] 【補欠選手】
正選手が病気や事故などによって出場できない場合のための控えの選手。補欠。

補欠選挙

ほけつせんきょ [4] 【補欠選挙】
議員の欠員などを補うために行う選挙。公職選挙法では,繰り上げ補充ができない時や,欠員が一定数に達した時に行う。

補正

ほせい [0] 【補正】 (名)スル
(1)足りないところを補い,あやまりを正すこと。
(2)誤差を除いて正しい値を求めること。「観測値を―する」

補正する

ほせい【補正する】
revise;→英和
correct.→英和
補正予算 a supplementary budget.

補正予算

ほせいよさん [4] 【補正予算】
すでに成立した国の予算(本予算)に関して,経費の不足および予算作成後に生じた事由に基づき追加・変更を行うために作成され,国会に提出される予算。
→本予算

補正漢字

ほせいかんじ [4] 【補正漢字】
1954年(昭和29)に,将来当用漢字表を補正する際の資料として国語審議会から報告された漢字。また,その表。

補殺

ほさつ [0] 【補殺】 (名)スル
野球で,野手が,ゴロを捕ってその球をある塁へ送球し,走者の刺殺を助けること。アシスト。
→刺殺

補法

ほほう [0] 【補法】
漢方で,弱っている臓腑または経絡に刺激を与えて正常にもどす療法。

補注

ほちゅう [0] 【補注・補註】
注だけでは説明不足の場合などに,それをおぎなってつけ加えた注釈。

補流

ほりゅう [0] 【補流】
海水が他の場所へ移ったあとへ,そこを補うように入り込んでくる海水の流れ。

補益

ほえき [0][1] 【補益】 (名)スル
補い助けること。裨益(ヒエキ)。「此一薬の功能を以て,治者流の力を―し/文明論之概略(諭吉)」

補章

ほしょう [0] 【補章】
本文を補足するために立てた章。

補筆

ほひつ [0] 【補筆】 (名)スル
足りない所を補い書き加えること。加筆。「論文を―する」

補箋

ほせん [0] 【補箋】
本紙に補い加えた紙片。

補給

ほきゅう [0] 【補給】 (名)スル
足りなくなった分を補うこと。「弾薬を―する」

補給

ほきゅう【補給】
supply;→英和
replenishment.→英和
〜する supply <food> ;replenish <coal,fuel> .→英和

補給基地

ほきゅうきち [4] 【補給基地】
軍需品その他戦時要品を補給する根拠地。

補給線

ほきゅうせん [0] 【補給線】
前線に兵員・兵器・食料などの軍需品を輸送するための陸・海・空の交通路。

補給金

ほきゅうきん [0] 【補給金】
特定事業の助成のため,国が事業会社に給する補助金。

補綴

ほてい [0] 【補綴】 (名)スル
(1)破れや不足を補いつづること。ほてつ。「未だ足らざる所を開きて,これを―し/蘭学事始」
(2)古人の語句をつづりあわせて詩文を作ること。ほてつ。

補綴

ほてつ [0] 【補綴】 (名)スル
(1)「ほてい(補綴)」に同じ。「田舎の老婆が藍縷を―するが如き小計策を恃みて/三酔人経綸問答(兆民)」
(2)歯の欠損を義歯・金属冠・継続歯などの人工物で補って,機能を回復させること。

補習

ほしゅう【補習(がある)】
(have) supplementary[extra]lessons.

補習

ほしゅう [0] 【補習】 (名)スル
正規の授業以外に,それを補うためになされる授業。

補習教育

ほしゅうきょういく [4] 【補習教育】
(1)補習のための学習・教育。
(2)既に職業についている者に対し,さらに教養や実務の知識・技能を与えるために行われる教育。

補習科

ほしゅうか [0] 【補習科】
補習のために設けられている学科・課程。

補考

ほこう [0] 【補考】
本論を補足する考察。補説。

補聴器

ほちょうき【補聴器】
a hearing aid.

補聴器

ほちょうき ホチヤウ― [2] 【補聴器】
難聴者の聴力の補助として用いられる小形の音声増幅器。聴話器。

補職

ほしょく [0] 【補職】 (名)スル
公務員任命に際し,官と職が分離されている場合に具体的な職務を与える行為。

補肥

ほひ [1] 【補肥】
基肥(モトゴエ)の不足を補って施す肥料。作物の生育に従って,多く速効性肥料が用いられる。追肥(ツイヒ)。

補色

ほしょく [0] 【補色】
一定の割合で混ぜ合わせると光では白色光に,絵の具では灰色になる関係にある二つの色。赤と青緑など。余色。反対色。

補色

ほしょく【補色】
complementary colors.

補薬

ほやく [0] 【補薬】
漢方で,補法に用いる薬剤。「瀉薬を飲みて―を服するが如し/沙石(五・古活字本)」

補装具

ほそうぐ ホサウ― [2] 【補装具】
身体に障害のある人の動きなどを助けるための器具。義肢(義手・義足)や,麻痺(マヒ)した足に添えて体位の保持や歩行の補助をする用具など。

補角

ほかく【補角】
《数》a supplementary angle.

補角

ほかく [0] 【補角】
〔数〕 二角の和が二直角であるとき,その二角を互いに補角であるという。
→余角

補訂

ほてい [0] 【補訂】 (名)スル
補いただすこと。特に,著作物などについて,説明の足りない部分を補ったり誤りを訂正したりすること。「―を加える」「旧著を―する」

補記

ほき [1] 【補記】 (名)スル
不足を補って書き足すこと。補筆。

補註

ほちゅう [0] 【補注・補註】
注だけでは説明不足の場合などに,それをおぎなってつけ加えた注釈。

補語

ほご【補語】
《文》a complement.→英和

補語

ほご [1] 【補語】
(1)〔complement〕
英文法などで,不完全自動詞・不完全他動詞の意味を補う語。He is a teacher. He made her happy. などにおける a teacher, happy など。
(2){(1)}にならって国文法で,述語動詞の意味を補って,文意を完全にする役割を果たす語句をいう。連用修飾語のうち,主として格助詞「に」「と」を伴うもの。「花が実になる」「白を黒という」における「実に」「黒と」の類。格助詞「を」を伴うものを目的語または客語というのに対する。

補説

ほせつ [0] 【補説】 (名)スル
補って説明すること。また,その説明。「少し―する必要がある」

補講

ほこう [0] 【補講】 (名)スル
補充のためにおこなう講義。

補講

ほこう【補講】
a supplementary lecture.〜する make up for the missing lecture.

補足

ほそく [0] 【補足】 (名)スル
足りない所を補うこと。不十分な点を付け加えること。「説明を―する」

補足

ほそく【補足】
a supplement.→英和
〜の supplementary.〜する supplement <a thing by another> ;add;→英和
make up <the loss> .

補足遺伝子

ほそくいでんし [5] 【補足遺伝子】
二つ以上の非対立遺伝子が共存し,互いに補い合って新しい形質を表現する場合,その双方の非対立遺伝子をいう。

補選

ほせん [0] 【補選】
「補欠選挙」の略。「参議院―」

補遺

ほい【補遺】
a supplement <to> ;→英和
an appendix.→英和

補遺

ほい [1] 【補遺】
もらし残した事柄をあとから補うこと。また,補ったもの。

補酵素

ほこうそ [2] 【補酵素】
ある種の酵素のタンパク質と可逆的に結合することによって,酵素の活性を発現させる非タンパク質性の低分子有機化合物。ビタミン特に B 群はその主要合成素材となる。助酵素。コエンザイム。コエンチーム。

補間法

ほかんほう [0] 【補間法】
〔数〕 ある変域内で,いくつかの変数値に対する関数値が知られているとき,同じ変域内の他の変数値に対する関数値を推定し,近似値を求める方法。内挿法。挿入法。
→補外法

補閲

ほえつ [0] 【補閲】 (名)スル
足りない点を調べておぎなうこと。「荻大見が―せし黴療新法/新聞雑誌 24」

補陀大士

ふだだいし 【補陀大士】
〔補陀落山に住む大士の意〕
観世音菩薩の別称。

補陀落

ふだらく 【補陀落・普陀落】
〔梵 potalaka〕
〔仏〕 インド南端の海岸にある,八角形で観音が住むという山。中国・日本で,多く観音の霊場にこの名を用いる。

補陀落渡海

ふだらくとかい [5] 【補陀落渡海】
舟に乗り海を渡って補陀落を目指すこと。実際には捨身往生や水葬として行われた。熊野から出発するのが代表的である。

補集合

ほしゅうごう [2] 【補集合】
全体集合の部分集合 � があるとき,その全体集合には属するが,集合 � には属さない要素の全体でできる集合。余集合。

補題

ほだい [0] 【補題】
⇒補助定理(ホジヨテイリ)

り 【裏・裡】
状態を表す漢語に付いて,「そのような状態のうちに」の意を表す。「穏密―に処理する」「成功―に終わる」「暗暗―」

裨益

ひえき [0] 【裨益・埤益】 (名)スル
利益となること。役に立つこと。助けとなること。「教育に―する」

裨補

ひほ [1] 【裨補】 (名)スル
欠けているところを助け補うこと。「気格を高尚になし教化を―する由あれども/小説神髄(逍遥)」

裱具

ひょうぐ ヘウ― [3][0] 【表具・裱具】
布や紙をはって,巻物・掛物・屏風(ビヨウブ)・襖(フスマ)などに仕立てること。表装。背帖(ハイチヨウ)。

裱褙

ひょうはい ヘウ― [0] 【表褙・裱褙】
表装すること。表具。

裲襠

りょうとう リヤウタウ [0] 【裲襠】
(1)古代,儀式の時に武官が礼服(ライフク)の上に着用した衣服。胸と背に当てる,錦や繍(ヌイ)をほどこした布製の短衣。鎧(ヨロイ)の形式化したものという。うちかけ。
(2)舞楽の装束。{(1)}に似た,貫頭衣形の衣服。

も [0] 【裳】
腰から下にまとう衣服。
(1)奈良時代,律令制による礼服のときに,男女とも用いた腰巻式のもの。
(2)平安時代以後,公家の女房などが正装するとき,袴(ハカマ)の上につけ,後方のみにたれた襞(ヒダ)飾りのあるもの。
裳(2)[図]

裳の腰

ものこし 【裳の腰】
裳に付いているひも。引腰・小腰および大腰の総称。

裳層

もこし [1][0] 【裳階・裳層】
仏堂・塔などで,本来の屋根の下につけた差しかけの屋根。法隆寺の金堂・塔,薬師寺の塔などに見られる。雨打(ユタ)。裳階(シヨウカイ)。
裳階[図]

裳着

もぎ [1] 【裳着】
平安時代,公家の女子が成人したしるしとして,初めて裳を着ける儀式。男子の元服に当たる。一二歳から一四歳の頃,婚儀以前に行うのが習わしであった。吉日を選んで尊長者が腰の紐(ヒモ)を結び,髪を垂れ髪から結い髪に改めた。

裳裾

もすそ [0] 【裳裾】
裳のすそ。着物のすそ。「―を引く」

裳階

しょうかい シヤウ― [0] 【裳階】
⇒もこし(裳階)

裳階

もこし [1][0] 【裳階・裳層】
仏堂・塔などで,本来の屋根の下につけた差しかけの屋根。法隆寺の金堂・塔,薬師寺の塔などに見られる。雨打(ユタ)。裳階(シヨウカイ)。
裳階[図]

裴世清

はいせいせい 【裴世清】
中国,隋の官人。608年遣隋使小野妹子(オノノイモコ)らの帰国のとき,隋使として来日。朝廷に国書を提出。同年,再び遣隋使となった妹子らとともに隋に帰った。生没年未詳。

裴李崗文化

はいりこうぶんか ハイリカウブンクワ [6] 【裴李崗文化】
中国,黄河中流域の初期新石器文化。仰韶(ギヨウシヨウ)文化に先行する農耕文化として注目される。

はだか [0] 【裸】
(1)衣服を着けていないこと。[季]夏。「着物を脱いで―になる」
(2)おおうものがないこと。むきだしの状態。「お札を―で出す」「―電球」
(3)財産や持ち物が全くないこと。無一物。「―になって出直す」
(4)隠し事の全くないこと。「―のつきあい」

裸の

はだか【裸の】
naked;→英和
bare;→英和
uncovered.〜になる strip oneself;become penniless (無一文に).〜にする strip <a person> naked.

裸ん坊

はだかんぼう [0] 【裸ん坊】
〔「はだかんぼ」とも〕
(1)裸の人。
(2)衣服・金銭などをすべて失うことのたとえ。

裸一貫

はだかいっかん【裸一貫】
<start> from scratch.

裸一貫

はだかいっかん [6] 【裸一貫】
自分のからだのほかには何もないこと。「―からたたきあげる」

裸体

らたい【裸体】
⇒裸(はだか).〜の naked;→英和
nude.→英和
〜で in the nude.→英和
‖裸体画 a nude (picture).裸体主義 nudism.

裸体

らたい [0] 【裸体】
着物をつけていないはだかのからだ。裸身。

裸体画

らたいが [0] 【裸体画】
はだかの人体を描いた絵。特に婦人の裸体を描いたもの。ヌード。

裸値段

はだかねだん [4] 【裸値段】
⇒裸相場

裸像

らぞう【裸像】
a nude (statue).→英和

裸像

らぞう [0] 【裸像】
絵・彫刻などに表された裸の人体。

裸出

らしゅつ [0] 【裸出】 (名)スル
物におおわれないで,むきだしになっていること。露出。「―した山肌」

裸利回り

はだかりまわり [5] 【裸利回り】
株式の配当利回りの計算で,増資が予想される場合,増資の条件をおりこみ権利落ち後の株価を計算して得られる増資後の配当利回りのこと。

裸参り

はだかまいり [4] 【裸参り】
寒の行として裸で神社や寺院に参詣すること。[季]冬。

裸城

はだかじろ 【裸城】
櫓(ヤグラ)・濠(ホリ)などの外郭を失って,防御の備えのない城。[日葡]

裸女

らじょ [1] 【裸女】
はだかの女。裸婦。

裸婦

らふ【裸婦】
<paint> a woman in the nude;→英和
a nude[naked]woman.

裸婦

らふ [1] 【裸婦】
はだかの女性。「―のデッサン」

裸子植物

らししょくぶつ【裸子植物】
a gymnosperm.→英和

裸子植物

らししょくぶつ [4] 【裸子植物】
種子植物中で胚珠が心皮に包まれないで裸出する一群をいう。木部は主に仮導管からなり,重複受精はしない。マツ・イチョウ・ソテツなどがある。
⇔被子植物

裸山

はだかやま [0] 【裸山】
樹木を伐採して山肌の現れた山。はげやま。

裸形

らぎょう [0] 【裸形】
はだか。はだかのすがた。裸身。

裸文

はだかぶみ [3][4] 【裸文】
上包みをしない書状。封筒に入れていない手紙。

裸木

はだかぎ [3] 【裸木】
バクチノキの異名。樹皮がはげ落ち人肌色であることから,博打(バクチ)に負けて裸になった人にみたてていう。

裸火

はだかび [3] 【裸火】
おおいやかこいがなく,炎が露出して燃えている火。

裸百貫

はだかひゃっかん 【裸百貫】
無一物でも,なお銭百貫文の価値があるということ。多く,男にいう。裸が百貫。「男は―たとへてらしても世はわたる/浮世草子・五人女 1」

裸相場

はだかそうば [4] 【裸相場】
権利を含まない値段。株式では配当や増資・新株割り当ての権利を除いた値,公社債では経過利子を含まない値をいう。

裸眼

らがん [0] 【裸眼】
眼鏡を使わないときの目。「右目の視力は―で〇・一だ」

裸眼

らがん【裸眼】
<with> the naked eye.

裸眼視力

らがんしりょく [4] 【裸眼視力】
裸眼での視力。
⇔矯正視力

裸祭

はだかまつり [4] 【裸祭(り)】
褌(フンドシ)一つの若者が神輿(ミコシ)をかついだり,もみ合ったりすることを特色とする祭り。正月の修正会(シユシヨウエ),六月の川祭り,夏越(ナゴシ)に行う地方が多い。岡山県西大寺・愛知県国府宮・福岡県筥崎宮などのものが有名。

裸祭り

はだかまつり [4] 【裸祭(り)】
褌(フンドシ)一つの若者が神輿(ミコシ)をかついだり,もみ合ったりすることを特色とする祭り。正月の修正会(シユシヨウエ),六月の川祭り,夏越(ナゴシ)に行う地方が多い。岡山県西大寺・愛知県国府宮・福岡県筥崎宮などのものが有名。

裸線

はだかせん [0] 【裸線】
ビニールなどの絶縁物でおおっていない,むき出しの電線。

裸花

らか [1] 【裸花】
⇒無花被花(ムカヒカ)

裸葉

らよう [0] 【裸葉】
栄養葉(エイヨウヨウ)のこと。
⇔実葉

裸蛇

はだかへび [4] 【裸蛇】
アシナシイモリの別名。

裸蝋燭

はだかろうそく [4] 【裸蝋燭】
おおいをせず,むきだしで火をつけた蝋燭。

裸裎

らてい [0] 【裸裎】
(1)はだか。
(2)極めて無礼なさま。

裸足

はだし【裸足】
bare feet.〜の barefoot(-ed).→英和
〜で <walk> barefoot.

裸足

はだし [0] 【裸足・跣】
〔「はだあし(肌足)」の転〕
(1)足に靴下やたびをはいていないこと。素足(スアシ)。また,素足のまま地面の上にいること。[季]夏。「―で土を踏む」
(2)〔「はだしで逃げる」意から〕
とてもかなわないほどにみごとであること。顔負け。現代語では多く名詞の下に付けて用いる。「玄人(クロウト)―」「専門家―」「唐土人(モロコシビト)の軽業(カルワザ)も是には―と/浮世草子・名残の友 2」

裸踊り

はだかおどり [4] 【裸踊り】
はだかで踊る踊り。

裸身

はだかみ [3] 【裸身】
(1)はだかのからだ。裸体。
(2)抜き身。

裸身

らしん [0] 【裸身】
はだかのからだ。裸体。「―をさらす」

裸金

はだかがね [0][3] 【裸金】
紙などに包んでいない,むきだしの金。はだかきん。

裸電球

はだかでんきゅう [4] 【裸電球】
笠(カサ)などのおおいのない電球。

裸鞍

はだかぐら [0] 【裸鞍】
四方手(シオデ)・切付(キツツケ)などの付属具をつけていない鞍。

裸馬

はだかうま [3][0] 【裸馬】
鞍のおいていない馬。

裸馬

はだかうま【裸馬】
an unsaddled horse.

裸鰯

はだかいわし [4] 【裸鰯】
(1)ハダカイワシ目ハダカイワシ科に属する深海魚の総称。
(2){(1)}の一種。全長約20センチメートル。体形はイワシに似る。全身黒褐色で体側に真珠のような発光器が散在し,鱗(ウロコ)ははげやすい。深海魚であるが,夜間は海面近くまで浮上する。南日本の大陸棚からインド洋にかけて分布。

裸鶴脛

はだかつるはぎ 【裸鶴脛】
すっかりあらわになった脛。「―にて走らせ給ひて/宇津保(蔵開中)」
→鶴脛

裸麦

はだかむぎ [4] 【裸麦】
イネ科の越年草,オオムギの一品種。実と殻とが離れやすい。関東以西で,食糧・馬糧として栽培。ぼうずむぎ。

裸麦

はだかむぎ【裸麦】
rye.→英和

くぐつ 【裹】
(1)莎草(クグ)で編んだ手提げ袋。海草などを入れるのに用いる。「塩干(シオカレ)の三津の海女の―持ち玉藻刈るらむいざ行きて見む/万葉 293」
(2)糸・藁(ワラ)などで編んだ網状の袋。「絹・綾を糸の―に入れて/宇津保(国譲下)」

裹み飯

つつみいい 【包み飯・裹み飯】
強飯(コワメシ)を木の葉などに包んだもの。古代,儀式などの際,下級の参加者に給した。

裹む

つつ・む [2] 【包む・裹む】 (動マ五[四])
(1)大きな布・紙などで全体を覆って中にいれる。くるむ。「箱を風呂敷に―・む」
(2)周囲をとりかこむ。「雑木林に―・まれた家」「霧に―・まれる」「炎に―・まれる」「温かい愛情で―・む」
(3)ある雰囲気などが充満したりただよったりする。「会場は熱気に―・まれた」「謎に―・まれた過去」
(4)隠して人に知られないようにする。ひめる。「―・み切れぬ喜びを満面に滔(アフ)らして/社会百面相(魯庵)」「母にも言はず―・めりし心は/万葉 3285」
(5)謝礼などのお金をふくろや紙に入れて人にわたす。「お礼に一万円―・む」
(6)堤を築いて水を防ぐ。「白鳥の羽が堤を―・むとも/常陸風土記」
[可能] つつめる
[慣用] オブラートに―・真綿に針を―

裹頭

かとう クワ― [0] 【裹頭】
僧侶の,頭を袈裟(ケサ)で包み,両眼だけを出した装い。かしらづつみ。
裹頭[図]

裹頭楽

かとうらく クワトウラク [2] 【裹頭楽】
雅楽の一。唐楽。平調(ヒヨウジヨウ)。新楽。四人舞の文の舞。斉(セイ)の明帝作とも,唐の李徳祐(リトクユウ)作とも伝える。襲(カサネ)装束を片肩袒(カタカタヌギ)で舞う。

裹頭衆

かとうしゅ クワ― [2] 【裹頭衆】
平安時代,延暦寺・東大寺などの裹頭姿の僧兵たち。

−せい【−製】
of <German> make;made in <Japan> .皮〜の本 a book bound in leather.鉄〜 made of iron.

せい [1] 【製】
作られたものであること。作。「名匠の―になる刀剣」「鋼鉄―」

製する

せい・する [3] 【製する】 (動サ変)[文]サ変 せい・す
品物をつくる。製造する。「算器を―・する工人/西国立志編(正直)」

製作

せいさく【製作】
manufacture;→英和
production.→英和
〜する make;→英和
produce.→英和
‖製作者 a producer.製作所 a factory;a works.製作費 production costs.

製作

せいさく [0] 【製作】 (名)スル
(1)物品・作品・道具などを作ること。
(2)(「制作」とも書く)映画・演劇・番組などを作ること。プロデュース。「―者」「娯楽番組を―する」

製作図

せいさくず [4] 【製作図】
機械や部品などの製作に用いる図面。組み立て図・工程図など。

製出

せいしゅつ [0] 【製出】 (名)スル
つくりだすこと。「安永八年始めて日傘を―し/日本開化小史(卯吉)」

製剤

せいざい [0] 【製剤】 (名)スル
薬剤を製造すること。また,その製品。

製品

せいひん【製品】
a product;→英和
manufactured goods.‖絹製品 silk goods.国内製品 home products.

製品

せいひん [0] 【製品】
原料に手を加えて作った品物。

製品アセスメント

せいひんアセスメント [6] 【製品―】
製品の有用性や便利さだけでなく,廃棄物になったときの処理のしやすさも含めて,製品を事前に評価すること。

製図

せいず【製図】
draftsmanship;drafting;drawing <board> .→英和
〜する draw[draft]a plan.→英和
‖製図家 a draftsman.製図器具 a drawing instrument.

製図

せいず [0] 【製図】 (名)スル
機械・建築物・工作物などを製作するため,その形や大きさを書き表した図面を製作すること。

製図器

せいずき [3] 【製図器】
製図に必要な道具。製図板・コンパス・定規・烏口(カラスグチ)など。製図器械。

製図板

せいずばん [0] 【製図板】
製図をする際,用紙の下に置く平らな四角い板。

製塩

せいえん【製塩】
salt manufacture.‖製塩業 the salt industry.製塩所 a salt pit;a saltworks.

製塩

せいえん [0] 【製塩】 (名)スル
食塩を海水・岩塩・天然鹹水(カンスイ)などから採取し,製造すること。日本では,主に海水を天日蒸発させる揚浜式塩田・入浜式塩田による方法が行われた。現在はイオン交換膜を用いる電気透析法による。

製本

せいほん [0] 【製本】 (名)スル
印刷物などを折り畳み,また原稿などの紙葉を順序に従って取りまとめ,糸・針金・接着剤などで互いに接合し,表紙などをつけて一冊子に形づくること。和装本と洋装本に大別される。
製本=1[図]
製本=2[図]
製本=3[図]

製本

せいほん【製本】
(book)binding.〜する bind <a book> ;→英和
have <a book> bound (させる).‖製本屋 a bookbinder.

製材

せいざい [0] 【製材】 (名)スル
原木を鋸(ノコギリ)などによって角材・板材などに加工すること。また,その加工品。「―業」

製材

せいざい【製材】
sawing;lumbering <industry> .製材所 a sawmill;→英和
a lumber mill.

製氷

せいひょう【製氷】
ice manufacture.製氷皿 an ice tray.製氷所 an ice plant.

製氷

せいひょう [0] 【製氷】 (名)スル
水を冷却して,人工的に氷をつくること。「冷凍庫で―する」「―機」「―皿」

製油

せいゆ [0] 【製油】 (名)スル
油を製造すること。原油を精製したり,原料の動植物から油を搾り取ったりすること。

製油

せいゆ【製油】
oil manufacture.製油所 an oil factory[refinery].

製法

せいほう【製法】
a method[process]of manufacture;a recipe (料理の).→英和

製法

せいほう [0] 【製法】
物をつくる方法。製造の方法。

製炭

せいたん [0] 【製炭】
木炭をつくること。「―業」

製版

せいはん【製版】
plate making.製版所 a plate-maker's shop.

製版

せいはん [0] 【製版】 (名)スル
印刷用の版面をつくること。活字原版・写真凸版・オフセット版・石版・グラビア版などをつくること。また,その版面。整版。

製産

せいさん [0] 【製産】 (名)スル
製造し産出すること。製造と産出。「礦石を破砕し且つ金を―する器械/新聞雑誌 27」

製粉

せいふん [0] 【製粉】 (名)スル
穀物から粉,特に小麦から小麦粉を作ること。「―業」

製粉する

せいふん【製粉する】
grind to powder.‖製粉業 the milling industry.

製糖

せいとう [0] 【製糖】
サトウキビ・テンサイなど糖分を多く含む植物のしぼり汁を煮つめて,砂糖をつくること。

製糖

せいとう【製糖】
sugar manufacture.製糖会社 a sugar manufacturing company.

製糸

せいし【製糸】
spinning.→英和
製糸業 the silk-reeling industry.

製糸

せいし [0] 【製糸】
繭を煮て糸を繰り,数本集めて一本の糸にする工程。「―業」

製紙

せいし [0] 【製紙】
紙を製造すること。「―工場」

製紙

せいし【製紙】
paper manufacture[making].‖製紙業 paper manufacturing.製紙工場 a paper mill.

製絨

せいじゅう [0] 【製絨】
毛織物を製造すること。

製織

せいしょく [0] 【製織】
織物を織ること。機(ハタ)織り。「―機」

製缶

せいかん [0] 【製缶】
缶・ボイラーなどを作ること。

製缶

せいかん【製缶(業)】
(the) can industry.

製茶

せいちゃ【製茶】
tea manufacture.製茶業者 a tea manufacturer.

製茶

せいちゃ [0] 【製茶】
茶の葉を加工して,飲用としての茶をつくること。[季]春。「―業」

製菓

せいか [1] 【製菓】
菓子を製造すること。「―業」

製菓

せいか【製菓(会社)】
(a) confectionery (company).→英和

製菓衛生師

せいかえいせいし [6] 【製菓衛生師】
製菓衛生師法により都道府県知事の免許を受けて,菓子製造の業務に従う人。

製薬

せいやく【製薬(業)】
medicine manufacture.製薬会社 a pharmaceutical company.

製薬

せいやく [0] 【製薬】
薬を製造すること。「―会社」

製表

せいひょう [0] 【製表】 (名)スル
調査などをして得た数値のデータを表の形にまとめあらわすこと。

製造

せいぞう【製造】
manufacture;→英和
production.→英和
〜する make;→英和
manufacture;→英和
produce.→英和
‖製造業(費) manufacturing industry (expenses).製造法 a manufacturing process.製造元 a manufacturer;a producer;a maker.

製造

せいぞう [0] 【製造】 (名)スル
(1)原材料に手を加えて製品にすること。「部品を―する」
(2)言葉・文・詩歌などをつくり出すこと。「拙者が三十一文字を―しました/当世書生気質(逍遥)」

製造元

せいぞうもと [0] 【製造元】
その品物を製造した所。製造所。

製造業

せいぞうぎょう [3] 【製造業】
原料に手を加えて品物をつくり上げる産業。

製造物責任法

せいぞうぶつせきにんほう 【製造物責任法】
製造物の欠陥により人の身体,財産等に被害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定め,被害者の保護を図ることを目的とする法律。1994年(平成6)制定。PL(product liability)法。

製酪

せいらく [0] 【製酪】 (名)スル
バター・チーズ・練粉乳などを製造すること。「―農家」「―業」

製鉄

せいてつ【製鉄】
iron manufacture.‖製鉄所 an ironworks.

製鉄

せいてつ [0] 【製鉄】
鉄鉱石を製錬して銑鉄をつくること。また広く,製鋼をも含めていう。

製鉄所

せいてつじょ [0][5] 【製鉄所】
製鉄を行う工場。普通,製銑・製鋼・圧延を基本とする銑鋼一貫の工程をもつ工場をいう。日本では,1901年(明治34)に官営八幡製鉄所が操業を開始,近代産業の基幹となった。

製銑

せいせん [0] 【製銑】
鉄鉱石から銑鉄をつくること。また,その工程。製鉄。

製鋼

せいこう [0] 【製鋼】 (名)スル
鋼鉄をつくること。「―炉」

製鋼業

せいこう【製鋼業】
the steel industry.

製錬

せいれん [0] 【製錬】 (名)スル
鉱石から金属を取り出して精製すること。金属の抽出から地金を得るまでの全工程をいう。冶金。「―所」

製陶

せいとう [0] 【製陶】
陶磁器を作ること。「―業」

製陶

せいとう【製陶】
pottery manufacture.‖製陶術 ceramics.製陶所 a pottery.

製革

せいかく【製革(業)】
(the) tanning (industry).→英和

製革

せいかく [0] 【製革】
皮をなめして鞣革(ナメシガワ)をつくること。

製靴

せいか [1] 【製靴】
靴を製造すること。「―業」

製靴

せいか【製靴】
shoemaking.製靴工 a shoemaker.→英和

製麹

せいきく [0] 【製麹】
麹菌(コウジキン)を混ぜて麹を作ること。

製麺

せいめん [0] 【製麺】
うどん・そばなどの麺類を作ること。

製麻

せいま [0][1] 【製麻】
大麻・亜麻・マニラ麻などの靭皮(ジンピ)繊維を木質部から分離して,紡績原料とすること。

すそ [0] 【裾】
(1)衣服の下の縁(ヘリ)。また,その部分。「―をからげる」
(2)山の麓(フモト)。「山―」
(3)物の下の方。下端。「カーテンの―」
(4)川しも。「揖斐川の流れの―は/歌行灯(鏡花)」
(5)髪の末端。「髪いとうるはしくてたけばかりに,―いとふさやかなる/枕草子 189」
(6)膝(ヒザ)から下。足もと。「いやいや―が冷える/浄瑠璃・重井筒(中)」
(7)馬の四つ足。また,それを洗うこと。「馬ども鞍下し,―洗ひなどしける/義経記 4」

すそ【裾】
the skirt;→英和
the train (婦人服の);→英和
the cuffs (ズボンの);the foot (山の).→英和

きょ [1] 【裾】
束帯の下襲(シタガサネ)の裾(スソ)で,後ろに長く引く部分。のちには天皇の料以外は下襲から切り放し,ひもで腰につけた。身分・官位・季節によって,地紋・色目・長さに決まりがあり,官位の高い者ほど長い。きぬのしり。
裾[図]

裾っ張り

すそっぱり 【裾っ張り】
「すそばり(裾張)」に同じ。

裾付き

すそつき [0] 【裾付き】
(1)衣の裾の具合。
(2)髪の末端の様子。「―のをばなのすゑのやうにて/浜松中納言 2」

裾付けの衣

すそづけのころも 【裾付けの衣】
直衣(ノウシ)の異名。[和名抄]

裾分け

すそわけ [0] 【裾分け】
もらった物や利益の一部分を分けて人に与えること。
→おすそわけ

裾分限

すそぶげん 【裾分限】
〔近世語〕
(男性が)精力の強いこと。また,その人。
→裾張り(2)

裾刈

すそがり [0] 【裾刈(り)】
襟首のあたりの髪を刈ること。

裾刈り

すそがり [0] 【裾刈(り)】
襟首のあたりの髪を刈ること。

裾前

すそまえ [0] 【裾前】
和服の裾の前の部分。

裾取り

すそとり [0][4] 【裾取り】
(1)「裾回し」に同じ。
(2)相撲の決まり手の一。相手が投げを打ったとき,それを残しながら相手の足首をとってあおむけに倒す技。

裾回

すそみ 【裾廻・裾回】
山のふもとのあたり。山裾。すそわ。「皇神(スメガミ)の―の山の渋谿(シブタニ)の崎の荒磯に/万葉 3985」

裾回

すそわ 【裾廻・裾回】
〔「すそみ(裾廻)」の誤読から〕
「すそみ」に同じ。「或は―の田居にいたりて/方丈記」

裾回し

すそまわし [3] 【裾回し】
袷(アワセ)の長着の裏の,胴裏に続く下の部分。八掛(ハツカケ)。裾取り。裾裏。

裾子

すそご [0] 【裾子】
末っ子。

裾山

すそやま [0] 【裾山】
ふもとにある小山。

裾廻

すそわ 【裾廻・裾回】
〔「すそみ(裾廻)」の誤読から〕
「すそみ」に同じ。「或は―の田居にいたりて/方丈記」

裾廻

すそみ 【裾廻・裾回】
山のふもとのあたり。山裾。すそわ。「皇神(スメガミ)の―の山の渋谿(シブタニ)の崎の荒磯に/万葉 3985」

裾張り

すそばり 【裾張り】
(1)着物の裾が横に広がっていること。すそっぱり。
(2)(女性が)多淫であること。また,その人。すそっぱり。「―の女かすがの里にすみ/柳多留拾遺」

裾払い

すそはらい [3] 【裾払い】
相撲の決まり手の一。相手が横向きになって足を前に出したとき,その足を後ろから前にけって倒す技。

裾捌き

すそさばき [3] 【裾捌き】
和服を着て動くときの,裾の扱い方。また,立ち居振る舞い。「―が美しい」

裾模様

すそもよう [3] 【裾模様】
(1)着物の裾につけた模様。また,その模様をつけた衣服。すそがた。
(2)物の裾の部分の模様。

裾濃

すそご [0] 【裾濃】
衣服の染め方で,上方を淡く,下方にゆくにしたがって次第に濃く染めた物。また,鎧(ヨロイ)の縅(オドシ)で下方が濃い色になっているもの。末濃。「紫―」

裾物

すそもの [0] 【裾物】
(取引で)下等な品物。

裾着

すそつき [0] 【裾着・襴】
⇒襴(ラン)

裾短

すそみじか [0][3] 【裾短】 (形動)[文]ナリ
裾が短いさま。「小倉の袴の,…ひだの形なしになりたるを,―に穿き/当世書生気質(逍遥)」

裾礁

きょしょう [0] 【裾礁】
海洋島の海岸に礁湖を欠いて直接に発達する珊瑚(サンゴ)礁。

裾細

すそぼそ [0] 【裾細】
「踏籠袴(フンゴミバカマ)」に同じ。

裾絡げ

すそからげ [3] 【裾絡げ】
着物の裾をたくし上げて,帯にはさみ込むこと。

裾継

すそつぎ 【裾継】
江戸時代,江戸深川の遊郭の一。「―は,二朱/洒落本・当世気とり草」

裾継ぎ

すそつぎ [0][4] 【裾継ぎ】
小袖(コソデ)など,着物の裏の裾をいろいろの布で継ぎ合わせたもの。

裾綿

すそわた [0] 【裾綿】
着物の裾に綿を入れて仕立てること。また,その綿。

裾緒

すそお [0] 【裾緒】
「沓引(クツビキ)」に同じ。

裾膨ら

すそぶくら [3] 【裾膨ら】
(1)頬(ホオ)の肉付きがよく,顔の下方がふくらんでいること。「首ふとく,頭すこし,―に/曾我 1」
(2)槍の鞘(サヤ)に用いる,裾がふくらんだ形の袋。

裾被き

すそかずき 【裾被き】
大礼のときの酒宴で,高貴な人の裾を持つこと。また,それをする人。「―の女房三十人ばかり御あたりにさぶらふ/おもひのままの日記」

裾裏

すそうら [0] 【裾裏】
「裾回し」に同じ。

裾貧乏

すそびんぼう 【裾貧乏】
好色なこと。また,その者。「―のはつた行き過ぎ丁稚め/浄瑠璃・新版歌祭文」

裾野

すその 【裾野】
静岡県東部の市。箱根用水により水田地帯となり,近年は金属・自動車などの工場が進出。遊園地・景勝地などの観光資源にも富む。

裾野

すその [0] 【裾野】
山麓(サンロク)の広くゆるやかな傾斜面。

裾野

すその【裾野】
the skirts[foot]of a mountain.→英和

裾金物

すそがなもの [3] 【裾金物】
鎧(ヨロイ)の袖や,草摺(クサズリ)の菱縫(ヒシヌイ)の板の端に打った金物。

裾長

すそなが [0] 【裾長】 (形動)[文]ナリ
和服などの裾を長く引きずるようにして着るさま。「―に着る」

裾除け

すそよけ [0] 【裾除け】
「蹴出(ケダ)し」に同じ。

裾風

すそかぜ [0][2] 【裾風】
起居動作の際に,着衣の裾が動いて起こる風のような空気の動き。

つま [2] 【褄】
〔端(ツマ)の意〕
着物の裾(スソ)の左右両端の部分。また,竪褄(タテヅマ)のこと。

褄ぐ

つま・ぐ 【褄ぐ】 (動ガ下二)
すそをからげる。はしょる。「尻も―・げてとらし/浮世草子・親仁形気」

褄を取る

つま【褄を取る】
tuck a skirt.→英和

褄先

つまさき [0] 【褄先】
着物の裾(スソ)と竪褄(タテヅマ)の出合った角。

褄取

つまどり [0][4] 【褄取(り)・端取(り)】
(1)衣服の褄を手で持ち上げること。
(2)相撲の決まり手の一。相手を泳がせて後ろに回り込み,足首を取って前にはわす技。
(3)「褄取縅(オドシ)」の略。

褄取り

つまどり [0][4] 【褄取(り)・端取(り)】
(1)衣服の褄を手で持ち上げること。
(2)相撲の決まり手の一。相手を泳がせて後ろに回り込み,足首を取って前にはわす技。
(3)「褄取縅(オドシ)」の略。

褄取る

つまど・る [3] 【褄取る・端取る】 (動ラ五[四])
(1)着物の褄を手にとってひきずらないようにする。[ヘボン]
(2)鎧(ヨロイ)の袖や,草摺(クサズリ)の端を別の色を用いて縅(オド)す。「洗ひ皮の鎧の―・りたるに,竜頭の甲の緒をしめ/太平記 32」

褄取縅

つまどりおどし [5] 【褄取縅】
鎧(ヨロイ)の縅の一。袖・草摺(クサズリ)・錏(シコロ)の片側の端を斜めに色をかえて縅すもの。南北朝時代に盛行。つまどり。
褄取縅[図]

褄取草

つまとりそう [0] 【褄取草】
サクラソウ科の多年草。深山の林中に自生。茎は高さ10センチメートル内外となり,上部に広倒披針形の葉を数個互生。初夏,茎頂に白花を一個上向きに開き花冠は七深裂する。

褄外れ

つまはずれ [3] 【褄外れ・爪外れ】
裾(スソ)のさばき方。転じて,身のこなし。所作。「其―じんじやうにて,憔悴(ヤツレ)たれども鄙(イヤ)しからず/当世書生気質(逍遥)」

褄御召

つまおめし [4] 【褄御召】
紋御召の一種。褄模様を種々の色糸を用いて織り出したもので,婦人正装用の着尺地。

褄折れ焼き

つまおれやき ツマヲレ― [0] 【褄折れ焼き】
三枚におろした魚の端を折って串を打ち,焼いたもの。

褄捌き

つまさばき [3] 【褄捌き】
着物の褄の扱い具合。

褄摺り

つまずり [0] 【褄摺り】
和服の裾(スソ)や袖などに摺り模様をつけること。また,その和服。

褄模様

つまもよう [3] 【褄模様】
和服の褄に置かれた模様。また,それをつけた着物。

褄紅蝶

つまべにちょう [4] 【褄紅蝶】
シロチョウ科のチョウ。開張約10センチメートル。はねの表は,雄は白色で雌ではやや褐色がかる。雄雌とも前ばねの先端に黒く縁どられた橙色斑がある。鹿児島県から東南アジアにかけて分布する。

褄高

つまだか [0] 【褄高】
着物の褄を高くからげて着ること。

褄黄蝶

つまきちょう [3] 【褄黄蝶】
シロチョウ科のチョウ。開張5センチメートル内外。はねは白色で前翅端はとがり黒色の斑点がある。雄のこの部分は橙黄色。初夏,平地に発生。九州以北の日本と朝鮮半島に分布。

褄黒横這

つまぐろよこばい [5] 【褄黒横這】
ヨコバイ科の昆虫。全長5ミリメートル内外。全体草緑色で,頭部は黄緑色。雄でははねの先端は黒色。成虫は年四回以上発生し,灯火に集まる。イネの害虫。本州以南,台湾・中国まで分布。

ふく [2] 【複】
(1)「複試合」の略。
(2)「複勝式」の略。

複の

ふく【複の】
double;→英和
compound.→英和

複付点

ふくふてん [3] 【複付点】
音符または休止符の右側に水平に並べて付される二つの点。付された音符あるいは休止符の長さの四分の三を加えることを意味する。

複写

ふくしゃ【複写】
(a) duplication;a copy;→英和
a duplicate;→英和
a reprint.→英和
〜する copy;duplicate;xerox.‖複写機 a copying machine;a photocopier.

複写

ふくしゃ [0] 【複写】 (名)スル
(1)複写機を使って,もとの文書・書類などと同じものを写しとること。コピー。「書類を―する」
(2)同じものを二枚以上同時に書き写すこと。「カーボン紙で―する」
(3)一度写してあるものをさらに写すこと。また,絵画を複製すること。

複写機

ふくしゃき [3] 【複写機】
文書・書類などを複写する機械。

複写紙

ふくしゃし [3] 【複写紙】
複写に用いる紙。コピー紙やカーボン紙など。

複分数

ふくぶんすう [3] 【複分数】
⇒繁分数(ハンブンスウ)

複分解

ふくぶんかい [3] 【複分解】
二種類の化合物が,互いの成分を交換して別の二種類の化合物を生じる反応。塩化ナトリウム水溶液に硝酸銀を加えると,塩化銀の沈殿と硝酸ナトリウムを生じる反応などはこの例。

複利

ふくり【複利(で)】
(at) compound interest.

複利

ふくり [2][1] 【複利】
複利法で計算された利子。重利。
⇔単利

複利法

ふくりほう [0] 【複利法】
利息計算法の一。一定期間内の利子が元金に加えられ,その合計額を新元金として次期の利子計算がなされる方法。
⇔単利法

複利表

ふくりひょう [0] 【複利表】
複利計算を簡単にするために,元金を一とした場合の元利合計を利率や期日の違いに従って列挙した表。

複動機関

ふくどうきかん [6][5] 【複動機関】
往復するピストンの両面に交互に圧力をかけて動かす蒸気機関や内燃機関。
⇔単動機関

複勝

ふくしょう [0] 【複勝】
「複勝式」の略。

複勝式

ふくしょうしき [0] 【複勝式】
競馬・競輪などで,一着と二着または三着までに入れば的中とする方式。複勝。

複十字

ふくじゅうじ [3] 【複十字】
結核予防を表すしるし。「�」の形に似る。

複占

ふくせん [0] 【複占】
〔duopoly〕
寡占(カセン)状態のうち,供給者または需要者の数が二である場合。

複号

ふくごう [0] 【複号】
〔数〕 正の符号+と負の符号−とを合わせた記号±,�のこと。

複合

ふくごう [0] 【複合】 (名)スル
いくつかの物が集まって一つになること。「二つの語が―して一語となる」

複合

ふくごう【複合】
《心》a complex.→英和
‖複合汚染 complex pollution.複合語《文》a compound (word).複合体 a complex.

複合企業

ふくごうきぎょう [5] 【複合企業】
⇒コングロマリット

複合体

ふくごうたい [0] 【複合体】
二つ以上のものが合わさって一体となっているもの。

複合動詞

ふくごうどうし [5] 【複合動詞】
二語の複合によってできた動詞。「思い出す」「根ざす」「執筆する」の類。

複合国

ふくごうこく [3] 【複合国】
二つ以上の国家の結合により成り立っている国家。複合国家。例,タンザニア・ユーゴスラビア。
⇔単一国

複合映像信号

ふくごうえいぞうしんごう [9] 【複合映像信号】
⇒コンポジット信号

複合民族国家

ふくごうみんぞくこっか [9] 【複合民族国家】
⇒多民族国家

複合汚染

ふくごうおせん [5] 【複合汚染】
〔有吉佐和子の同名の小説(1975年発表)で知られるようになった語〕
複数の有害物質が複合して作用することで,質的・量的に予期しない汚染が起こること。

複合火山

ふくごうかざん [5] 【複合火山】
いくつかの火山が組み合わさってできた火山。
→複式火山

複合社会

ふくごうしゃかい [5] 【複合社会】
(1)単純社会が合成されて生まれる社会。イギリスのスペンサーらが用いた社会の概念。
(2)異なる社会集団がそれぞれ併存するが,融合しない社会。

複合競技

ふくごうきょうぎ [5] 【複合競技】
スキーのノルディック競技の種目の一。距離競技(15キロメートル)とジャンプ競技(70メートル級)の二種目から成り,合計得点によって順位を競うもの。

複合脂質

ふくごうししつ [5] 【複合脂質】
単純脂質にさらにリン酸・硫黄・窒素塩基・糖などが加わった脂質。リン脂質と糖脂質に大きく分類され,タンパク質とともに生体膜を構成するなど,生体で重要な役割を果たす。
⇔単純脂質

複合蛋白質

ふくごうたんぱくしつ [8] 【複合蛋白質】
単純タンパク質に対して,成分としてα-アミノ酸以外の原子団を含むタンパク質。核タンパク質・糖タンパク質・色素タンパク質・リンタンパク質など。生体に広く分布して重要な役割を果たす。

複合語

ふくごうご [0] 【複合語】
〔compound word〕
単語のうち,意味・語形の上から二つ以上の単語の結合によってできたと認められる語。「朝日」「買い物」「花見」「祝い酒」「書き込む」の類。合成語。熟語。
〔「さかな」「なべ」など複合意識の一般に薄れてしまった複合語も多い〕
→単純語
→派生語

複合開発

ふくごうかいはつ [5] 【複合開発】
開発当事者が複数からなる開発行為。また,開発の目的が商業施設・ホテル・住宅など複数の施設の組み合わせからなる開発をいう。

複名手形

ふくめいてがた [5] 【複名手形】
手形面上の債務者が二名以上の手形。担保力があり一般の商業手形はこれに該当する。
⇔単名手形

複図紙

ふくずし フクヅ― [3] 【複図紙】
⇒トレーシング-ペーパー

複坐

ふくざ [0] 【複座・複坐】
座席が二つ付いていること。
⇔単座
「―機」

複塩

ふくえん [0] 【複塩】
塩が結合した形式で表される化合物のうち,結晶中に錯イオンを含まず,それぞれの成分イオンがそのまま存在するもの。例えば,MgCO�・CaCO� は Mg²�,Ca²�,CO�²� からなるイオン結晶で複塩である。

複声

ふくせい [0] 【複声】
楽曲中で,二つ以上の声部が対位法的に進行すること。

複姓

ふくせい [0] 【複姓】
(1)中国で,二字以上の姓。欧陽・諸葛の類。
(2)日本古代,単一の氏(ウジ)の名にさらに他の名称を付加した氏の名。傍系諸氏が分立したり,同族関係を擬制化したりするために生じたもの(阿部他田・阿部久努など)と職掌名を付しているもの(伊賀水取(モイトリ)など)とがある。

複婚

ふっこん フク― [0] 【複婚】
⇒ふくこん(複婚)

複婚

ふくこん [0] 【複婚】
〔polygamy〕
婚姻形態の一。一人が複数の異性と同時に婚姻関係をもつこと。一夫多妻婚・一妻多夫婚など。
→単婚

複子

ふくす [0] 【袱子・複子】
禅宗で,僧が行脚の時に食器などを包むのに用いる袱紗(フクサ)。包袱。

複子房

ふくしぼう [3] 【複子房】
二つ以上の心皮が結合してできた子房。ユリ科やスミレ科の植物にみられる。

複対立遺伝子

ふくたいりついでんし [8] 【複対立遺伝子】
同一の遺伝子座にありながら,少しずつ異なる形質発現をする三つ以上の遺伝子。

複屈折

ふくくっせつ [3] 【複屈折】
光学的に等方的でない結晶などに光が入射して二つの屈折光線が現れる現象。方解石の結晶などがこの性質を示す。
→常光線
→異常光線

複層ガラス

ふくそうガラス [5] 【複層―】
複数の板ガラスの間を密封した,断熱・遮音に効果的な窓ガラス。ペア-ガラス。

複層林

ふくそうりん [3] 【複層林】
樹齢・樹高の異なる樹木で構成される人工林。
⇔一斉林(イツセイリン)

複座

ふくざ [0] 【複座・複坐】
座席が二つ付いていること。
⇔単座
「―機」

複式

ふくしき [0] 【複式】
(1)二つ以上からなる方式または形式。
(2)「複式簿記」の略。
(3)「複勝式」の略。
⇔単式

複式学級

ふくしきがっきゅう [5] 【複式学級】
二つ以上の異なる学年を一つにして編成した学級。

複式投票

ふくしき【複式投票】
plural voting.複式簿記 bookkeeping by double entry.

複式火山

ふくしきかざん [5] 【複式火山】
複数の火山体からなる火山。不連続に数回にわたって,順次,より小さい火山体を形成し,複雑な形を示す。二重式火山・三重式火山などの総称。多くは複成火山である。浅間火山・樽前火山など。
⇔単式火山

複式簿記

ふくしきぼき [5] 【複式簿記】
簿記の一。すべての取引を借方・貸方に分けて記入したのち,各口座ごとに集計し転記する方式。貸借平均の原理により,資産の移動や損益の状態を正確に知ることができ,記帳の偽りや誤りも同時に確認できる。現在の企業会計の根本をなす。
⇔単式簿記

複式能

ふくしきのう [4] 【複式能】
能の戯曲形式の一。前場(マエバ)と後場(ノチバ)の二場からなり,シテが前場と後場で形相の変わる能。「高砂」「田村」「殺生石」など。
⇔単式能

複成

ふくせい [0] 【複成】
重複してできること。

複成火山

ふくせいかざん [5] 【複成火山】
休止期をはさんで噴火活動を繰り返して生成した火山。大型の山体をつくる。成層火山やハワイ型の楯状(タテジヨウ)火山など。多輪廻(タリンネ)火山。
⇔単成火山

複振り子

ふくふりこ [3] 【複振(り)子】
⇒剛体(ゴウタイ)振(フ)り子(コ)

複振子

ふくふりこ [3] 【複振(り)子】
⇒剛体(ゴウタイ)振(フ)り子(コ)

複散形花序

ふくさんけいかじょ [7] 【複散形花序】
複合花序の一。散形花序の花軸の上にさらに散形に花をつけるもの。セリ科植物の多くに見られる。

複数

ふくすう【複数】
《文》the plural (number).→英和
〜の plural.

複数

ふくすう [3] 【複数】
(1)二つ以上の数。「―の敵」
(2)ヨーロッパ諸語の文法で,名詞・代名詞の表す人や事物が二つ以上のものであること。動詞や形容詞も語形上呼応することがある。
⇔単数

複文

ふくぶん [0] 【複文】
構造上からみた文の種類の一。主語・述語の関係が成り立っている文で,さらにその構成部分に主語・述語の関係がみられるもの。「花の咲く春が来た」の類。
→単文
→重文

複文

ふくぶん【複文】
《文》a complex sentence.

複方

ふくほう [0] 【複方】
数種の薬品を調合した薬剤。

複方ヨードグリセリン

ふくほうヨードグリセリン [10][0] 【複方―】
ヨウ素・ヨウ化カリウムの水溶液にグリセリン・薄荷水などを混和した赤褐色の特異臭ある液。殺菌・防腐・刺激緩和作用があり咽頭炎の際など塗布して用いる。ルゴール液を改良したもの。

複族国

ふくぞくこく [4] 【複族国】
⇒多民族国家

複本

ふくほん [0] 【複本】
一個の手形関係について同一内容の複数の手形が発行されている場合の各通。

複本位制度

ふくほんいせいど [6] 【複本位制度】
二種類以上の金属を本位貨幣とする貨幣制度。普通は金銀二種類からなる金銀複本位制をさす。両本位制。
⇔単本位制度

複果

ふっか フククワ [1] 【複果】
⇒集合果(シユウゴウカ)

複果

ふくか [2] 【複果】
⇒集合果(シユウゴウカ)

複比

ふくひ [2][0] 【複比】
二つ以上の比で,前項は前項どうし,後項は後項どうしを掛け合わせてできる比。2 : 3 と 5 : 7 の複比は 2×5 : 3×7 で表される。
⇔単比

複比例

ふくひれい [3] 【複比例】
比例式の等号の一方の側,あるいは双方の側が複比の形をしているもの。例えば,� : � と � : � に対し �� : ��=� : � が成り立つとき,�,�,�,�,�,� は複比例するという。複比例式。
→複比

複相

ふくそう [0] 【複相】
一細胞当たりの染色体が二倍数(2�)からなる核相。受精から減数分裂までの核相。

複眼

ふくがん【複眼】
compound eyes.

複眼

ふくがん [0] 【複眼】
個眼が蜂の巣状に多数集まった目。節足動物(昆虫類・甲殻類など)や多毛類などに見られる。物体の形態を識別できる。昆虫では色彩弁別の能力もある。
→個眼

複眼的

ふくがんてき [0] 【複眼的】 (形動)
いろいろな角度・立場から物事を見るさま。「―な思考」

複税

ふくぜい [0] 【複税】
単一の租税だけでなく,複数の基幹税とそれを補完する税からなる租税体系。
⇔単税

複素平面

ふくそへいめん [4] 【複素平面】
座標平面の点(�,�)に,複素数 �+�� を対応させたもの。ガウス平面。

複素数

ふくそすう [3][4] 【複素数】
〔数〕
〔complex number〕
�,� を実数,� を虚数単位(�²=−1)とするとき,�+�� で表される数。� を実部,� を虚部という。実数の概念を拡張した数で,実数と虚数を含んだ数といえる。
→虚数

複素環式化合物

ふくそかんしきかごうぶつ フクソクワンシキクワガフブツ [9] 【複素環式化合物】
炭素原子だけでなく,窒素・酸素・硫黄などの原子を含む環状の構造をもつ有機化合物。ピリジン・フラン・インドールなど。

複素関数

ふくそかんすう [4] 【複素関数】
独立変数・従属変数がともに複素数の関数。

複総状花序

ふくそうじょうかじょ フクソウジヤウクワジヨ [7] 【複総状花序】
⇒円錐(エンスイ)花序

複線

ふくせん [0] 【複線】
(1)二つ以上の並行している線。
(2)鉄道で,線路が上下線別に二つ並行して敷設されていること。また,その軌道。複線軌道。
⇔単線

複線

ふくせん【複線】
a double-track line.複複線 a four-track line.

複線型教育制度

ふくせんがたきょういくせいど [11] 【複線型教育制度】
学校制度の一形式。複数の学校系統が交わることなく平行して存在する学校体系。ヨーロッパ型。

複縦線

ふくじゅうせん [3] 【複縦線】
楽譜に引かれた二本の垂直線。二本が同じ太さのものは楽曲の段落を示すときや拍子・調の変わるときに用いられ,右側が太いものは楽曲の終止を示すのに用いられる。

複色光

ふくしょくこう [4][3] 【複色光】
異なる波長の光が混ざり合っている光。
⇔単色光

複葉

ふくよう【複葉】
《植》a compound leaf.‖複葉機 a biplane.

複葉

ふくよう [0] 【複葉】
(1)葉身が二枚以上の小葉よりなる葉。小葉の並び方により,掌状複葉(アケビなど)・羽状複葉(フジなど)など,その形状により多くの呼び方がある。
(2)飛行機の主翼が二重になっているもの。「―機」
⇔単葉
複葉(1)[図]

複製

ふくせい【複製】
a reproduction;→英和
a reprint;→英和
a replica.→英和
〜する reproduce;→英和
reprint.

複製

ふくせい [0] 【複製】 (名)スル
(1)ある物に模して同じような物を作ること。また,その作られた物。「―画」「本物そっくりに―する」
(2)(「覆製」とも書く)翻刻に対して,写本・刊本を原形どおりに再製すること。
(3)著作権法上,印刷・写真・複写・録音・録画その他の方法により有形的に再製すること。演劇については,その上演・放送・放送の録画・録音を含み,建築については,図面に従った建築物の完成も含める。

複製権

ふくせいけん [3] 【複製権】
著作物を複製{(3)}する著作者の排他的な権利。

複製物

ふくせいぶつ [3] 【複製物】
印刷・写真・複写・録音・録画などの方法により有形的に再製されたもの。

複複線

ふくふくせん [0] 【複複線】
複線が二組並行している線路。

複視

ふくし [0][2] 【複視】
一個の物体が二個に見えること。眼筋麻痺(マヒ)・中枢性脳疾患などが原因で起こる。複像視。

複試合

ふくしあい [3] 【複試合】
⇒ダブルス

複語尾

ふくごび [3] 【複語尾】
山田孝雄の用語。一般に助動詞と呼ばれるものにほぼ相当する語で,用言だけに接続するものをいう。動詞の語尾が複雑に発達・分出したものとして名付けられた。
〔一般に助動詞と呼ばれる語のうち,「なり」「たり」「ごとし」「だ」「です」「である」は形式用言と呼び,複語尾に入れない〕

複軌

ふっき フク― [0][1] 【複軌】
複線の鉄道の軌道。

複軌鉄道

ふっきてつどう フク―ダウ [4] 【複軌鉄道】
複線の軌道で運行する鉄道。

複道

ふくどう [0] 【複道・復道】
上下で往来できるように二重に作った廊下。

複雑

ふくざつ [0] 【複雑】 (名・形動)[文]ナリ
物の構造や物事の関係がこみ入っていること。いろいろな要素がからみ合ってわかりにくいこと。また,そのさま。
⇔単純
「―な構造」「因果関係が―になる」「―な表情」「―な気持ち」
[派生] ――さ(名)

複雑

ふくざつ【複雑】
complexity.〜な complicated;→英和
complex;→英和
intricate.→英和
〜にする(になる) (be) complicate(d).→英和

複雑性

ふくざつせい [0] 【複雑性】
〔complexity〕
システム論の用語。諸要素間の論理的に可能な結合関係が過剰であって,それらから選択せねばならぬ事態をいう。環境はシステムより常に複雑性が大きいので,システムはこれを縮減して自分なりに対応する必要がある。複合性。

複雑怪奇

ふくざつかいき [5] 【複雑怪奇】 (名・形動)[文]ナリ
非常に複雑で怪しく不思議な・こと(さま)。「―な事件」

複雑系

ふくざつけい [0] 【複雑系】
多くの要素からなり,それらが相互に干渉しあって複雑に振る舞う系。従来の要素還元による分析では捉えることが困難な生命・気象・経済などの現象に見られる。高精度の測定技術,カオス・フラクタルなどの新概念の導入,コンピューターの活用などによって新しい研究対象となりつつある。

複雑骨折

ふくざつこっせつ [5] 【複雑骨折】
骨および周囲の軟部組織に重大な損傷を伴う骨折で,特に皮膚の外に骨折端が露出する場合をいう。

複音楽

ふくおんがく [3] 【複音楽】
⇒ポリフォニー

褊す

さみ・す 【狭みす・褊す】 (動サ変)
〔形容詞「さし(狭)」の語幹に接尾語「み」の付いた「さみ」にサ変動詞「す」の付いたもの〕
軽蔑する。見下す。軽んじる。「小説を―・する者またいへらく/小説神髄(逍遥)」「武家ノ輩公家ヲ―・シ/日葡」

褊少

へんしょう [0] 【偏小・褊少】 (名・形動)[文]ナリ
せまく小さい・こと(さま)。「才力の―なるもの/民約論(徳)」

褊狭

へんきょう [0] 【偏狭・褊狭】 (名・形動)[文]ナリ
(1)度量が狭いこと。考えがかたよっていて狭いこと。また,そのさま。「―な性格」「―な見方」
(2)土地が狭いこと。また,そのさま。「―な国土」
[派生] ――さ(名)

褊綴

へんとつ [0] 【褊綴・褊裰】
偏衫(ヘンサン)と直綴(ジキトツ)を折衷した,羽織に似た衣服。脇裾は15センチメートルばかりあける。江戸時代に医師や占者などが着た。へんてつ。

褊綴

へんてつ [0] 【褊綴・褊裰】
⇒へんとつ(褊綴)

褊衫

へんさん [0] 【偏衫・褊衫】
〔「へんざん」とも〕
僧衣の一。垂領(タリクビ)で背が割れた,上半身をおおう法衣。上に袈裟を掛ける。

褊裰

へんとつ [0] 【褊綴・褊裰】
偏衫(ヘンサン)と直綴(ジキトツ)を折衷した,羽織に似た衣服。脇裾は15センチメートルばかりあける。江戸時代に医師や占者などが着た。へんてつ。

褊裰

へんてつ [0] 【褊綴・褊裰】
⇒へんとつ(褊綴)

みつ [1] 【褌】
〔「みつ(三)」と同源〕
(1)褌(フンドシ)の,腰に回した部分と股下に回した部分とが背面で T 字状になるあたり。
(2)相撲で,まわし。「前―」「たて―」

たふさぎ 【犢鼻褌・褌】
〔古くは「たふさき」〕
短い下袴。今のふんどし,またはさるまたのようなものという。とうさぎ。「わが背子が―にする円石(ツブレイシ)の/万葉 3839」

ふんどし【褌】
a loincloth.→英和
人の〜で相撲を取る benefit oneself at a person's expense.

ふんどし [0] 【褌・犢鼻褌】
(1)男子が陰部をおおい隠す細長い布。下帯(シタオビ)。まわし。たふさぎ。ふどし。
(2)〔盤上での形が丁字形となり(1)に似ることから〕
将棋で,桂馬で相手の駒二つを同時に取りにいく手。
(3)女性の腰巻。
(4)相撲の化粧回し。
(5)蟹(カニ)の腹部の生殖器の蓋板。

へこ [1] 【褌】
(1)ふんどし。「棒組,のしの―をはづせ/滑稽本・膝栗毛 3」
(2)「へこづな」の略。

褌担ぎ

ふんどしかつぎ [5] 【褌担ぎ】
(1)相撲の位のごく低い力士の俗称。関取のふんどしを持ち運びすることからいう。
(2)下っぱの者。その社会に入りたてで未熟の者。

褌祝

へこいわい [3] 【褌祝(い)】
通過儀礼の一。男女ともが一三歳前後でする成年の祝い。男子にはふんどしを,女子には腰巻をへこ親がおくる。ふんどし祝い。たふさぎ祝い。

褌祝

ふんどしいわい [5] 【褌祝(い)】
通過儀礼の一。成人した男子が初めてふんどしを締める時にした祝い事。下帯の祝い。へこ祝い。

褌祝い

ふんどしいわい [5] 【褌祝(い)】
通過儀礼の一。成人した男子が初めてふんどしを締める時にした祝い事。下帯の祝い。へこ祝い。

褌祝い

へこいわい [3] 【褌祝(い)】
通過儀礼の一。男女ともが一三歳前後でする成年の祝い。男子にはふんどしを,女子には腰巻をへこ親がおくる。ふんどし祝い。たふさぎ祝い。

褌綱

へこづな [0] 【褌綱】
漁網のうきを,網につなぐために使う細い綱。へこ。

褌親

へこおや [0] 【褌親】
へこ祝いのとき,後見人になってもらう仮の親。回し親。

かつ [1] 【褐】
(1)濃い紺色。かち。
(2)目のあらい毛織物。粗服。

かちん 【褐】
〔「かち」の転〕
「かち(褐)」に同じ。

かち 【褐】
(1)濃い藍色。かちいろ。かつ。かちん。「―の直垂(ヒタタレ)/平家 7」
→かつ(褐)
(2)「褐衣(カチエ)」の略。

褐冠

かちかぶり [3] 【褐冠】
褐衣(カチエ)に冠を着けた装束。

褐変

かっぺん [0] 【褐変】
(1)植物体の一部分が病変などにより褐色に変わること。
(2)食品が,加工・調理または保存中に褐色に変わること。酵素的褐変と非酵素的褐変とがある。

褐寛博

かつかんぱく [3] 【褐寛博】
〔「褐」は粗末な服,「寛博」はひろくゆるやかなこと〕
(1)卑しい者の衣服。
(2)卑しい者。無頼漢。

褐布

かちぬの 【褐布】
褐色(カチイロ)に染めた布。かつて播磨国飾磨(シカマ)郡産のものが有名であった。「飾磨なる市女がもてる―の/夫木 33」

褐斑病

かっぱんびょう [0] 【褐斑病】
種々の病原菌により,葉に褐色の斑点が生じる農作物の病気。

褐染

かちんぞめ [0] 【褐染(め)】
⇒かちぞめ(褐染)

褐染

かちぞめ [0] 【褐染(め)】
褐色(カチイロ)に染めること。また,その色の染め物。かちんぞめ。

褐染め

かちぞめ [0] 【褐染(め)】
褐色(カチイロ)に染めること。また,その色の染め物。かちんぞめ。

褐染め

かちんぞめ [0] 【褐染(め)】
⇒かちぞめ(褐染)

褐毛和種

あかげわしゅ [3] 【褐毛和種】
和牛の一品種。毛色は淡褐色または赤褐色。熊本県と高知県が主産地。

褐炭

かったん【褐炭】
brown coal;lignite.→英和

褐炭

かったん [0][1] 【褐炭】
炭化が不完全で褐色をした石炭。燃やすと瀝青炭(レキセイタン)に比べてすすが多く出て,臭気があり,火力が弱く,灰が多く残る。

褐色

かちいろ [0] 【褐色】
(1)〔「かついろ」とも〕
黒く見えるほど深い藍(アイ)色。「勝ち色」に通じるので,武具などを染めるのに用いた。かち。かちんいろ。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏とも萌黄(モエギ)色。

褐色

かついろ 【褐色・勝つ色】
「かちいろ(褐色)」に同じ。「―見せたる花のかんばせ/浄瑠璃・菅原」

褐色

かちんいろ [0] 【褐色】
⇒かちいろ(褐色)

褐色

かっしょく【褐色(の)】
brown.→英和

褐色

かっしょく [0] 【褐色】
黒っぽい茶色。

褐色木炭

かっしょくもくたん [5] 【褐色木炭】
完全に炭化して黒くならないうちに焼き止めた褐色の木炭。火薬製造などに用いる。

褐色森林土

かっしょくしんりんど [7] 【褐色森林土】
温帯湿潤な気候下の落葉広葉樹林帯に発達する,褐色の強い色調の土壌。

褐色火薬

かっしょくかやく [5] 【褐色火薬】
⇒トリニトロトルエン

褐色縅

かちいろおどし [5] 【褐色縅】
鎧(ヨロイ)の縅の一種。濃い藍(アイ)の糸でおどしたもの。

褐色脂肪組織

かっしょくしぼうそしき [8] 【褐色脂肪組織】
哺乳(ホニユウ)類の頸(ケイ)部・肩甲部にある褐色の特殊な脂肪組織。脂肪分解の能力が大きく,急激に多量の熱を産生する。冬眠動物によく発達し,冬眠から覚める時の体温上昇に働く。冬眠腺。

褐藻

かっそう [0] 【褐藻】
植物界の一門。海産で,緑藻・紅藻とともに狭義の藻類の一群。葉緑素のほかにフコキサンチンなどのキサントフィルを含み,黄褐色ないし黒褐色を呈する。コンブ・ワカメ・ヒジキ・ホンダワラ類などが含まれる。褐藻類。褐藻植物。

褐藻植物

かっそうしょくぶつ [6] 【褐藻植物】
⇒褐藻(カツソウ)

褐藻素

かっそうそ [3] 【褐藻素】
⇒フコキサンチン

褐衣

かちぎぬ [2] 【褐衣】
⇒かちえ(褐衣)

褐衣

かちえ [2] 【褐衣】
狩衣(カリギヌ)系の衣服。後世,両脇を縫いふさいだ。主に随身(ズイジン)が着た。かちぎぬ。かちあお。
褐衣[図]

褐鉄鉱

かってっこう [3] 【褐鉄鉱】
水を吸着した,鉄の酸化物。主成分は低結晶度の針鉄鉱。黒褐色ないし赤褐色を呈し,土状で軟らかい。しばしば鉱床を形成し,鉄資源となる。

褒ず

ほう・ず 【褒ず】 (動サ変)
ほめる。たたえる。「世間に此様な事が稀なほどに別して―・ずるぞ/史記抄 3」

褒む

ほ・む 【誉む・褒む】 (動マ下二)
⇒ほめる

褒める

ほ・める [2] 【誉める・褒める】 (動マ下一)[文]マ下二 ほ・む
(1)高く評価していると,口に出して言う。たたえる。「よく頑張ったと―・められる」「上手な字だとみんなが―・める」
(2)祝う。祝福する。「真木柱―・めて造れる殿のごといませ母刀自面(オメ)変はりせず/万葉 4342」
〔(2)が原義〕

褒める

ほめる【褒める】
praise;→英和
admire.→英和
…を褒めちぎる praise…to the skies.褒むべき admirable.→英和
…を褒めたたえて in praise of….

褒め詞

ほめことば [3] 【誉め言葉・褒め詞】
(1)ほめて言う言葉。
(2)歌舞伎で,俳優の風貌や技芸を称賛する言葉。江戸時代には一時舞台上の演技を中止して,定められた観客が花道に立ってほめる習慣があった。

褒姒

ほうじ 【褒姒】
中国,西周の幽王の寵姫(チヨウキ)。褒は出身国名,姒は姓。めったに笑わぬ女で,幽王が変事もないのに狼煙(ノロシ)をあげて諸侯を集めるとはじめて笑った。以後これを繰り返すうち,申侯と西戎(セイジユウ)に侵入されて,狼煙をあげたが諸侯は集まらず,幽王は殺されて西周は滅び,褒姒は捕らえられたという。生没年未詳。

褒揚

ほうよう [0] 【褒揚】 (名)スル
ほめあげること。ほめそやすこと。称揚。

褒状

ほうじょう [0] 【褒状】
ほめる言葉をしるした書き付け。賞状。

褒称

ほうしょう [0] 【褒称】 (名)スル
ほめたたえること。称揚。「其篤行を―せり/新聞雑誌 25」

褒章

ほうしょう【褒章】
a medal.→英和
藍綬(らんじゆ)褒章 the Order of the Blue Ribbon.

褒章

ほうしょう [0] 【褒章】
栄典の一。社会・公共・文化などに尽くした人を表彰して記章とともに授与される。

褒美

ほうび [0] 【褒美】
(1)ほめて与える品物や金銭。褒賞。「ご―をあげる」
(2)ほめたたえること。「見物の上下,一同に―せしなり/風姿花伝」

褒美

ほうび【褒美】
a reward;→英和
a prize.→英和
〜をやる give a prize;reward <a person with money> .

褒詞

ほうし [1] 【褒詞】
ほめたたえることば。褒辞。

褒貶

ほうへん [0] 【褒貶】 (名)スル
ほめることとけなすこと。ことのよしあしを論ずること。「毀誉(キヨ)―」

褒賜

ほうし [1] 【褒賜】
ほめて物をたまわること。また,その物。

褒賞

ほうしょう【褒賞】
⇒褒美.

褒賞

ほうしょう [0] 【褒賞】 (名)スル
ほめたたえること。ほめそやすこと。また,そのしるしとして与える賞品。「天皇飲御(キコシメシ)て甚だ―させ玉ひ/新聞雑誌 53」

褒辞

ほうじ [1] 【褒辞】
ほめことば。賛辞。褒詞。

褚先生

ちょせんせい [1] 【楮先生・褚先生】
〔楮(コウゾ)で紙を作るところから。また,漢の褚少孫が「史記」を補訂した際に「褚先生曰」と書したことになぞらえる〕
紙の異名。

褚遂良

ちょすいりょう 【褚遂良】
(596-658) 中国,唐の書家。字(アザナ)は登善。王羲之の書体を受け継ぐ優美端正な楷書で,欧陽詢(オウヨウジユン)・虞世南(グセイナン)とともに初唐の三大家の一人。代表作「雁塔聖教序」など。

褞袍

どてら【褞袍】
a padded dressing gown.

褞袍

どてら [0] 【褞袍・縕袍】
〔「ててら」の転〕
厚く綿を入れた広袖の着物。寝具にも使う。丹前。[季]冬。《病み坐る人や―に顔嶮し/虚子》

しとね [0] 【褥・茵】
敷物。座布団・敷き布団の類。

にく 【褥】
〔「にく」は呉音〕
(1)毛の敷物。しとね。「御―しきて,そのうへにゑんざ二まいしきて/御湯殿上(大永七)」
(2)〔その皮が敷物に適することから〕
カモシカの異名。[節用集(文明本)]

とこしき [0] 【床敷・褥】
(1)座席などに敷くもの。敷物。しとね。
(2)船床に敷く板。

褥中

じょくちゅう [0] 【褥中・蓐中】
ふとんの中。寝床の中。

褥婦

じょくふ [1] 【褥婦】
産褥にいる婦人。産婦。

褥瘡

じょくそう [0] 【褥瘡・蓐瘡】
とこずれ。

褥茵

じょくいん [0] 【褥茵】
しとね。しきもの。

褥草

じょくそう [0] 【褥草・蓐草】
家畜小屋に敷く枯れ草やわらなど。

褪す

あ・す 【褪す】 (動サ下二)
〔「浅あす」と同源〕
⇒あせる

褪せる

あ・せる [2][0] 【褪せる】 (動サ下一)[文]サ下二 あ・す
〔「浅(ア)す」と同源〕
(1)時間が経過したり,光線が当たったりして,色・つやなどが薄くなる。色がさめる。「色―・せた洋服」
(2)もとの美しさや力を失う。衰える。「色香が―・せる」

褪せる

あせる【褪せる】
fade;→英和
discolor.→英和
褪せた faded.褪せ易い fading;fugitive.→英和

褪む

さ・む 【冷む・覚む・醒む・褪む】 (動マ下二)
⇒さめる(冷)
⇒さめる(覚)
⇒さめる(褪)

褪める

さめる【褪める】
[色が主語]go off;fade (away);→英和
[物が主語]discolor;→英和
be discolored.褪め易い(ない) fading (fast) <color> .

褪める

さ・める [2] 【褪める】 (動マ下一)[文]マ下二 さ・む
〔「冷める」と同源〕
長い時間が経過したり,光に当たったりして,色が薄くなる。あせる。「表紙の色が―・める」

褪紅

たいこう [0] 【退紅・褪紅】
(1)「退紅色」に同じ。
(2)退紅色に染めた粗製の狩衣。

褪色

たいしょく [0] 【退色・褪色】 (名)スル
日光に当たったり,時間の経過などにより色あせること。「日に当たって―する」

褪色する

たいしょく【褪色する】
fade;→英和
discolor.→英和

褫く

あば・く 【褫く】 (動カ下二)
〔「あはく」と清音とも〕
(1)くずれ落ちる。「塗れる金―・け落つ/霊異記(中訓注)」
(2)気がゆるむ。油断する。「打解け―・けたらん所へ/盛衰記 42」

褫奪

ちだつ [0][1] 【褫奪】 (名)スル
官位・職権などをとりあげること。「艦長…は,其の官職を―せられ/此一戦(広徳)」

褰帳

けんちょう 【褰帳】
即位式・朝賀の時,高御座(タカミクラ)の御帳をかかげること。また,その役にあたる女官。褰帳の命婦(ミヨウブ)。とばりあげ。

褰帳

とばりあげ 【褰帳】
天皇の即位・朝賀などの大礼の時,高御座(タカミクラ)の南面の帳をあげる儀。また,その儀に奉仕する内親王・王女。けんちょう。

しびら 【褶】
衣服の上から腰に巻き付けて,裳(モ)の代用とするもの。中世では,地位の低い女房の略礼装。「侍従も怪しき―着たりしを/源氏(浮舟)」

ひらみ 【褶】
〔「ひらおび(平帯)」の変化した「ひらび」の転〕
「平帯(ヒラオビ){(1)}」に同じ。

ひらおび [0] 【平帯・褶・枚帯】
(1)古代,礼服着用の際,男は袴(ハカマ)の上に,女は唐衣(カラギヌ)の上に着けた裳(モ)。ひらみ。
(2)平打ちの帯。半臂(ハンピ)の単(ヒトエ)。

ひらび 【褶】
「ひらおび(平帯)」の転。「諸王,諸臣に命じて―着しむ/日本書紀(推古訓)」

褶曲

しゅうきょく [0] シフ― 【褶曲】 ・ シウ― 【皺曲】 (名)スル
地殻にはたらく力によって地層が波状に押し曲げられること。また,その状態。

褶曲山脈

しゅうきょくさんみゃく シフ― [5] 【褶曲山脈】
褶曲した地層によってできている山脈。アルプス・ヒマラヤ・ロッキー・アンデスなど。

褶襞

しゅうへき [0] シウ― 【皺襞】 ・ シフ― 【褶襞】
しわ。ひだ。

け [1] 【褻】
改まった場合ではない,日常的なこと。普段。平生。
⇔晴れ

褻の御所

けのごしょ 【褻の御所】
上皇が日常起居する御所。

褻の衣

けのころも 【褻の衣】
普段の衣服。けごろも。普段着。

褻れ姿

なれすがた 【馴れ姿・褻れ姿】
平常の衣服を着た姿。「あやしき―をうちとけて御覧ぜられむとは/源氏(若菜下)」

褻れ衣

なれごろも 【馴れ衣・褻れ衣】
着慣れた衣。着つづけて古びた衣。ふだん着。なれぎぬ。「別れにし妹が着せてし―袖片敷きてひとりかも寝む/万葉 3625」

褻居

けい 【褻居】
主人が普段いるところ。居間。小座敷。「なつかしく思はれけるにや,額突きしたる―に呼び入れて/沙石 1」

褻晴れ

けはれ 【褻晴れ】
褻の時と晴れの時。平常の時と儀式ばった時。また,それぞれの時に用いる衣服・道具など。「ことにうち解けぬべき折節ぞ―なくひきつくろはまほしき/徒然 191」

褻瀆

せっとく [0] 【褻瀆】 (名)スル
けがすこと。けがれること。「此別を正しうして相―せざるなり/明六雑誌 22」

褻着

けぎ 【褻着】
日常着る衣服。普段着。[ヘボン]

褻衣

けごろも 【褻衣】
平常着る服。ふだん着。「あすよりは,朱(アケ)の衣を―にせむ/神楽歌」

褻衣

せつい [1] 【褻衣】
ふだん着。褻服(セツプク)。

褻衣を

けごろもを 【褻衣を】 (枕詞)
ふだん着を洗うため解くことから,同音の「時」にかかる。「―時かたまけて出でましし/万葉 191」

褻言

せつげん [0] 【褻言】
みだりがわしい言葉。

襀翅

かわげら カハ― [0] 【川螻蛄・襀翅・�】
襀翅目(セキシモク)の昆虫の総称。オオヤマカワゲラ・オナシカワゲラなど。

襀翅目

せきしもく [3] 【襀翅目】
昆虫の分類上の一目。直翅目と系統的に近い。成虫は体長1〜3センチメートルで陸生,幼虫は淡水中で生活する。不完全変態。体は細長く扁平で,褐色。二対のはねは静止する時,重ね合わせて背中におく。はねの全くない種類もある。襀翅類。カワゲラ目。

襁褓

おしめ【襁褓】
a diaper;→英和
a (baby's) napkin.〜をあてる diaper <a baby> .

襁褓

おしめ [2] 【御湿・襁褓】
〔「しめ」は「しめし(湿布)」の略〕
赤ん坊の股に当て,大小便の汚れを受ける布や紙。おむつ。「―カバー」

襁褓

むつき [1][0] 【襁褓】
(1)おむつ。おしめ。「―をあてる」
(2)生まれたばかりの子に着せる衣。産着(ウブギ)。「藤宰相は,御衣御―/紫式部日記」
(3)ふんどし。「赤裸にて―をかき/盛衰記 10」

襁褓

きょうほう キヤウ― [0] 【襁褓】
〔「きょうほ」とも〕
(1)赤子を包む布。産着。「―のなかに包まれて衣帯を正しうせざしかども/平家 4」
(2)おしめ。おむつ。
(3)赤子のこと。

襄公

じょうこう ジヤウ― 【襄公】
(?-前637) 中国,春秋時代の宋の王。楚(ソ)と戦った時,楚の陣容が整わないうちに攻撃するように勧められても,仁義に反するといってきかず,大敗した。
→宋襄(ソウジヨウ)の仁(ジン)

ちはや 【襅・千早】
(1)神事に奉仕する女性の用いた,たすき状の布。
(2)女官などが着た貫頭衣形の上衣。のち,小忌(オミ)の肩衣として前が明き,細い襟が付いた。白絹で,身二幅(フタノ)で脇は縫わず水草・蝶(チヨウ)・鳥などの模様を山藍(ヤマアイ)ですりつける。

おう アウ 【襖】
⇒あお(襖)

ふすま【襖】
a sliding door[screen].

あお アヲ [1] 【襖】
〔「襖」の字音「あう」の転〕
(1)武官の朝服。「闕腋(ケツテキ)の袍(ホウ)」に同じ。
(2)「狩衣(カリギヌ)」に同じ。狩襖(カリアオ)。「萩の―,紫苑の織物の指貫(サシヌキ)着て/更級」
(3)袷(アワセ)または綿入れの衣。襖子(アオシ)。「紺の洗ひざらしの―着/宇治拾遺 11」
〔原始衣服と大陸から伝わったものが混在・融合したもの〕

ふすま [0][3] 【襖】
和室用の建具の一。格子組みにした木の枠に布・紙などを張り重ね,木枠を周囲に取り付けたもの。部屋の仕切りに用いる。中世以降用いられた名称。襖障子。
→障子

襖紙

ふすまがみ [3] 【襖紙】
襖の上張りに用いる紙。

襖絵

ふすまえ [0][3] 【襖絵】
襖に描かれた絵。

襖袴

あおばかま アヲ― [3] 【襖袴】
狩袴(カリバカマ)の別名。

襖障子

ふすましょうじ [4] 【襖障子】
「襖(フスマ)」に同じ。

ひだ【襞】
a fold;→英和
a pleat;→英和
a tuck.→英和
〜をとる pleat;fold;tuck.

ひだ [1] 【襞】
(1)衣服などで,布を折りたたんだ部分。「スカートの―」
(2){(1)}のように見えるもの。「山の―」
(3)複雑で微妙な部分。「心の―」
(4)マツタケ・ハラタケ・テングタケなどの類のきのこの傘の裏面にあるしわ。このしわの両側に子実層があり,胞子を生ずる。菌褶(キンシユウ)。

きん [1] 【襟】
(1)衣服のえり。
(2)心の中。

えり【襟】
[頚]the neck;→英和
[服の]a collar (洋服);→英和
a neckband (和服);→英和
a lapel (返し襟).→英和
〜を正す straighten oneself.

えり [2] 【襟・衿・領】
(1)衣服で,身頃の首を取り囲むところに取りつけられている部分。また,襟ぐり。「詰め―」「コートの―を立てる」
(2)首の後部。また,首。「今日こそは,と―を延ばして/浮雲(四迷)」
(3)布団などの,首のあたる部分にかける布。

襟丈

えりたけ [2] 【襟丈】
和服の一方の襟先から他方の襟先までの長さ。また,背縫いから襟先までの長さ。

襟下

えりした [0] 【襟下】
和服で襟付け止まりから衽(オクミ)の褄先(ツマサキ)までの部分の名。また,その寸法。立て褄(ヅマ)。褄下。

襟付き

えりつき [0][2] 【襟付き】
(1)着物を重ねて着たときの襟の様子。襟もと。
(2)〔襟もとの様子で貧富の判断がついたことから〕
身なり。また,その人の暮らし向き。「―見立てらるるが口惜しい/浮世草子・一代女 5」

襟元

えりもと【襟元】
the neck.→英和

襟元

えりもと [0][4] 【襟元】
(1)襟のあたり。えり首。
(2)着物の襟の合わさる胸のあたり。「―をかきあわせる」

襟先

えりさき [0][3] 【襟先】
(1)洋服・ワイシャツなどの襟の先端。
(2)和服の襟の下端。

襟刳

えりぐり [0] 【襟刳】
洋服などの身頃の,首を出すためにくった線。ネック-ライン。

襟周り

えりまわり [3] 【襟回り・襟周り】
(1)襟の周囲。また,襟のあたり。
(2)円座の際,和服の襟合わせの向きに従って,右へ右へと順番を回していくこと。

襟回り

えりまわり [3] 【襟回り・襟周り】
(1)襟の周囲。また,襟のあたり。
(2)円座の際,和服の襟合わせの向きに従って,右へ右へと順番を回していくこと。

襟垢

えりあか [0] 【襟垢】
襟についた垢。

襟巻

えりまき【襟巻】
a scarf;→英和
a muffler;→英和
a comforter.

襟巻

えりまき [2] 【襟巻(き)】
防寒や装飾のために首に巻くもの。毛糸・布・毛皮などで作る。首まき。マフラー。[季]冬。《―の狐の顔は別にあり/虚子》

襟巻き

えりまき [2] 【襟巻(き)】
防寒や装飾のために首に巻くもの。毛糸・布・毛皮などで作る。首まき。マフラー。[季]冬。《―の狐の顔は別にあり/虚子》

襟巻蜥蜴

えりまきとかげ [5] 【襟巻蜥蜴】
有鱗目の爬虫類。全長80センチメートル内外。頸部に大きな襟飾りをもち,興奮すると傘のように広げる。また,追われるとからだを立て,後肢だけで走る。普通は樹上にすみ,昆虫・クモなどを食べる。オーストラリア北部とパプアニューギニア南部の半乾燥地帯に分布。

襟帯

きんたい [0] 【襟帯・衿帯】
(1)えりとおび。
(2)〔山を襟(エリ),川を帯(オビ)にたとえて〕
山や川が敵を防ぐのに便利なようになっている所。「山河―」

襟度

きんど [1] 【襟度】
人を受けいれる心の広さ。度量。

襟当て

えりあて [0][2] 【襟当て】
補強や汚れを防ぐため,衣服や寝具の襟に当てた布。

襟懐

きんかい [0] 【襟懐】
心の中。胸のうち。「―を開く」

襟替え

えりがえ [0] 【襟替え】
〔襦袢(ジバン)の襟の色をかえる意〕
舞妓(マイコ)・半玉(ハンギヨク)・お酌(シヤク)が一人前の芸妓(ゲイギ)となること。

襟留

えりどめ [4][3] 【襟留(め)】
洋服の襟の合わせ目に留める金具。ブローチ。

襟留め

えりどめ [4][3] 【襟留(め)】
洋服の襟の合わせ目に留める金具。ブローチ。

襟白粉

えりおしろい [3] 【襟白粉】
襟首から肩にかけて塗る濃い白粉。

襟祝

えりいわい 【襟祝(い)】
着物を裁つときにする祝い。少量の白米と鰹節を布の上に供えた。裁ち祝い。

襟祝い

えりいわい 【襟祝(い)】
着物を裁つときにする祝い。少量の白米と鰹節を布の上に供えた。裁ち祝い。

襟章

えりしょう【襟章】
a collar badge.

襟章

えりしょう [0] 【襟章】
洋服の襟につけて,職階や所属・学部・学年などを表す徽章(キシヨウ)。

襟筋

えりすじ [2] 【襟筋】
首の後ろの襟が触れるあたり。えりあし。

襟肩明き

えりかたあき [4] 【襟肩明き】
和裁で首をおさめるために,前後身頃の境に入れる明き。後ろ身頃では,この明きが襟付けの縫い代となる。

襟腰

えりこし [0][2] 【襟腰】
襟の折り返しから下の,首に沿って立っている部分。立ち代(シロ)。

襟芯

えりしん [0] 【襟芯】
衣服の襟の形を保つために入れる芯。

襟裏

えりうら [0] 【襟裏】
⇒裏襟(ウラエリ)

襟裳岬

えりもみさき 【襟裳岬】
北海道中南部,日高山脈が太平洋に落ち込んで生じた岬。寒・暖流の合流地点で濃霧が発生しやすい。

襟足

えりあし [0] 【襟足・領脚】
首の後ろ側の髪の生え際。また,そのあたり。「―のきれいな女性」

襟足

えりあし【襟足】
the border of the back hair.

襟輪

えりわ [0] 【襟輪】
〔建〕 木材の仕口(シクチ)で,一方の材木の縁に設けてある突出部。いりわ。

襟飾り

えりかざり [3] 【襟飾り】
洋服の襟,あるいは襟元につける飾り。ブローチ・首飾り・ネクタイなど。

襟首

えりくび [2] 【襟首・領頸】
首の後ろの部分。くびすじ。うなじ。「―をおさえる」

襟首

えりくび【襟首】
the nape[back]of the neck.→英和

襟髪

えりがみ [0][2] 【襟髪・領髪】
首の後ろの部分の髪。また,襟首あたり。「―をつかむ」

襟髪

えりがみ【襟髪】
<seize[grab]a person by> the scruff of the neck.→英和

まち【襠】
[衣服の]a gusset;→英和
a gore.→英和

まち [1][2] 【襠】
衣服や袋物で,幅や厚みの足りない所に加える布。「―を入れる」

襠無し袴

まちなしばかま [5] 【襠無し袴】
襠のないスカートのような袴。行灯袴(アンドンバカマ)など。

襠高

まちだか [0] 【襠高】
「襠高袴(マチダカバカマ)」の略。

襠高袴

まちだかばかま [5] 【襠高袴】
襠を高い位置につけ動きやすいように仕立てた袴。多く乗馬用。のち,武士の平服の袴となった。

襢裼

たんせき [0] 【袒裼・襢裼】
肌脱ぎになること。また,上着を脱いで,下に着ているものをあらわすこと。

襤衣

らんい [1] 【襤衣】
やぶれた衣服。弊衣(ヘイイ)。ぼろ。

襤褸

らんる [1] 【襤褸】
ぼろぼろの衣服。ぼろ。「―をまとう」

襤褸

ぼろ【襤褸】
(1) <be in> rags.(2)[欠点]a defect;→英和
a fault.→英和
〜の ragged.→英和
〜を出す expose one's defect;betray one's ignorance.

襤褸

ぼろ [1] 【襤褸】
■一■ (名)
(1)使い古して役に立たなくなった布。ぼろぎれ。「くず屋に―を出す」
(2)着古して破れた衣服。つぎはぎをしてむさくるしい衣服。「―をまとう」
(3)つたない箇所。欠点。失敗。「余りしゃべると―が出る」「―をかくす」
■二■ (名・形動)
古くなったり,壊れたりして役にたたない・こと(さま)。ぼろぼろ。「―の自転車」「―靴」

襤褸ける

ぼろ・ける [3] 【襤褸ける】 (動カ下一)
(1)衣服や布が古くなってぼろになる。「―・けた着物」
(2)人が落ちぶれる。また,年老いてよぼよぼになる。[ヘボン]

襤褸切れ

ぼろきれ [2][0] 【襤褸切れ】
ぼろの切れはし。

襤褸屋

ぼろや [2] 【襤褸屋】
(1)ぼろを売買する人。また,その店。
(2)古くなっていたみの激しい家。

襤褸滓

ぼろかす [0] 【襤褸滓】
(1)ぼろやかすのように,役に立たず価値のないもの。
(2)ひどく悪く言うこと。ぼろくそ。

襤褸糞

ぼろくそ [0] 【襤褸糞】 (名・形動)
ぼろや糞のように価値のないもの。また,そのようなものとしてひどく悪く言うさま。「―にけなされる」「―に言われる」

襤褸綿

ぼろわた [2] 【襤褸綿】
使い古した綿。

襤褸藍

ぼろあい [3] 【襤褸藍】
染料の一。藍染めの古い布を苛性ソーダまたは飴(アメ)と石灰とを加えて煮沸し,還元してとった藍。

襦袢

じゅばん【襦袢】
an underwear;→英和
an undershirt.→英和

したうず 【下沓・襪】
⇒しとうず(下沓)

しとうず シタウヅ 【下沓・襪】
〔「したぐつ」の転〕
平安時代以後,許可を得て用いる一種の足袋。指の部分は分かれず,小鉤(コハゼ)はなくひもで結ぶ。
下沓[図]

襯字

しんじ [0] 【襯字】
中国の詞曲で,定型の字数以外に加えられた字。句意を補い,詩趣を添えるもので,多く虚字が用いられる。

襯染

しんぜん [0] 【襯染】
(1)人に親しく接してその人の感化を受けること。親炙(シンシヤ)。
(2)小説などで,後から述べる重要な部分のために,その来歴や起因などを前もって書いておくこと。下染め。「伏線と―は其事相似て同じからず/小説神髄(逍遥)」

襯衣

しんい [1] 【襯衣】
はだぎ。シャツ。

おそい オソヒ 【襲】
〔動詞「おそう」の連用形から〕
(1)上をおおうもの。覆い。「―・棟(ムネ)などに長き枝を葺きたるやうにさしたれば/枕草子 99」
(2)〔馬をおおうもの,の意〕
鞍。「御―はいづれをか奉らむ/宇津保(初秋)」
(3)屏風や障子の枠の木。襲い木。「―にはみな蒔絵(マキエ)したり/栄花(衣の珠)」
(4)屋根板のおさえ。「弓矢なき者は―の石木を以つて打ちければ/盛衰記 34」

くだり 【領・襲】 (接尾)
助数詞。装束などのそろったものを数えるのに用いる。「袈裟・衣など,すべて一―のほどづつ/源氏(橋姫)」

おすい オスヒ 【襲】
古代,衣服の上から着た外套(ガイトウ)のようなもの。もと男女とも用いたが,のちには主として神事をつかさどる女性が用いた。一説に,幅広の布ともいう。

かさね 【重ね・襲】
■一■ [0] (名)
(1)重ねること。また,重ねたもの。
(2)衣服を数枚重ねて着ること。また,その衣服。かさね着。
(3)衣服を重ねて着る時の色の組み合わせ。また,衣の表と裏の色の組み合わせ。《襲》
→襲の色目(イロメ)
■二■ (接尾)
助数詞。重なっているもの,重ねてあるものを数えるのに用いる。「布団一―」

襲い掛かる

おそいかか・る オソヒ― [5] 【襲い掛(か)る】 (動ラ五[四])
突然,攻撃をしかけて,危害をおよぼそうとする。「おおかみが羊に―・った」
[可能] おそいかかれる

襲い掛る

おそいかか・る オソヒ― [5] 【襲い掛(か)る】 (動ラ五[四])
突然,攻撃をしかけて,危害をおよぼそうとする。「おおかみが羊に―・った」
[可能] おそいかかれる

襲う

おそう【襲う】
attack (襲撃);→英和
fall on;raid (警察の手入れ);→英和
visit[strike](災害などが).→英和
襲われる be attacked[visited] <by> ;be seized <with a panic> .

襲う

おそ・う オソフ [0][2] 【襲う】 (動ワ五[ハ四])
〔「押す」に接尾語「ふ」の付いた「おさふ」の転〕
(1)不意に攻めかかる。「暴漢に―・われる」
(2)風雨・地震などが被害を及ぼす。「台風が九州を―・う」
(3)不意に押しかける。また,不意にやって来る。「友人の家を―・って御馳走になる」「強迫観念に―・われる」
(4)地位や名跡を受け継ぐ。跡を継ぐ。「父のあとを―・って家元になる」
(5)物の怪(ケ)などが乗り移る。「内外(ウチト)なる人の心ども,物に―・はるるやうにて/竹取」
(6)衣などを重ねて着る。[名義抄]
(7)〔「圧ふ」と書く〕
上からのしかかる。押さえつける。「舟は―・ふ海のうちのそらを/土左」
[可能] おそえる

襲ね着

かさねぎ [0][3] 【重ね着・襲ね着】 (名)スル
衣服を何枚も重ねて着ること。[季]冬。

襲の国

そのくに 【襲の国】
古代の九州南部の地名。記紀伝説の熊襲(クマソ)が居住した地の一部で,現在の鹿児島県曾於(ソオ)郡あたりの地と考えられる。

襲の色目

かさねのいろめ [7] 【襲の色目】
襲{(3)}の色の組み合わせ。それぞれの組み合わせに,山吹・葵・枯野などの名があり,季節・年齢などで使い分けた。
〔細部は各家,伝書などにより必ずしも一定ではない〕

襲名

しゅうめい シフ― [0] 【襲名】 (名)スル
先代の名跡(ミヨウセキ)を継ぐこと。「団十郎を―する」「―披露興行」

襲名する

しゅうめい【襲名する】
succeed to a person's name.

襲封

しゅうほう シフ― [0] 【襲封】 (名)スル
諸侯が領地をうけつぐこと。「世子は江戸に於て―した/伊沢蘭軒(鴎外)」

襲弊

しゅうへい シフ― [0] 【習弊・襲弊】
昔からの悪いならわし。「徐々に―を脱するに至る可し/福翁百話(諭吉)」

襲撃

しゅうげき【襲撃】
an attack;→英和
an assault.→英和
〜する (make an) attack;assault.

襲撃

しゅうげき シフ― [0] 【襲撃】 (名)スル
敵の不意をついて攻撃すること。「敵の移動中を―する」

襲来

しゅうらい【襲来】
an invasion;→英和
an attack.→英和
〜する invade;→英和
attack;[嵐などが]visit;→英和
hit.→英和

襲来

しゅうらい シフ― [0] 【襲来】 (名)スル
(1)襲いかかってくること。来襲。「敵機が―する」
(2)受け継ぐこと。「久く―せる門閥の弊を廃し/日本開化小史(卯吉)」

襲業

しゅうぎょう シフゲフ [0] 【襲業】 (名)スル
家業などを受け継ぐこと。

襲歩

しゅうほ シフ― [1] 【襲歩】
馬術などで,馬を最大速力で走らせること。ギャロップ。

襲津彦真弓

そつひこまゆみ 【襲津彦真弓】
〔襲津彦は武内宿禰の子で,応神天皇の時の勇将〕
襲津彦が使ったような強い弓。また,その素材のマユミ。「葛城の―荒木にも頼めや君がわが名告りけむ/万葉 2639」

襲爵

しゅうしゃく シフ― [0] 【襲爵】 (名)スル
爵位を受け継ぐこと。

襲用

しゅうよう シフ― [0] 【襲用】 (名)スル
受け継ぎ用いること。「養父(=優繇(ヤスシゲ))の優字を―したのである/渋江抽斎(鴎外)」

襲着

おそき 【襲着・襲衣】
上着。表着。「児ろが―の有ろこそえしも/万葉 3509」

襲職

しゅうしょく シフ― [0] 【襲職】 (名)スル
職務を受け継ぐこと。

襲芳舎

しゅうほうしゃ シフハウ― 【襲芳舎】
平安京内裏五舎の一。内裏の西北隅で,凝華舎(ギヨウガシヤ)の北にあり,主として後宮の局(ツボネ)に当てられた。かみなりのつぼ。しほうしゃ。
→内裏

襲芳舎

しほうしゃ シハウ― 【襲芳舎】
⇒しゅうほうしゃ(襲芳舎)

襲草履

かさねぞうり [4] 【襲草履】
表を何枚か重ねた草履。

襲衣

おそき 【襲着・襲衣】
上着。表着。「児ろが―の有ろこそえしも/万葉 3509」

襲装束

かさねしょうぞく [4] 【襲装束】
舞楽で主に文の舞に用いる装束。鳥兜(トリカブト)・袍(ホウ)・半臂(ハンピ)・下襲・表袴(ウエノハカマ)・忘れ緒・石帯・糸鞋(シガイ)などをつける。平舞装束。常(ツネ)装束。かさねそうぞく。

すそつき [0] 【裾着・襴】
⇒襴(ラン)

らん [1] 【襴】
縫腋(ホウエキ)の袍(ホウ)や直衣(ノウシ)などの裾に付けた横布。すそつき。

たすき [0][3] 【襷】
(1)和服を着て働くときに,袂(タモト)をからげるのに用いるひも。肩からわきの下にかけて結び回し,背中で斜めに打ち違いにする。
(2)一方の肩から他方のわきの下に掛ける布やひも。「候補者が名前を入れた―を掛ける」「駅伝競走で―を受け渡しする」
(3)ひもや線または細長いものを斜めに打ち違えること。また,その模様。
(4)漢字の画の一。「戈」の第三画にみられるような「ノ」の部分。
(5)建築で,斜め十字に交差させて取りつける材。

襷がけで

たすき【襷がけで】
with one's sleeves tucked up.

襷反り

たすきぞり [0] 【襷反り】
相撲の決まり手の一。一方の手で相手の差し手を殺し,他の手で攻め足を内側からとり,頭を相手のわきの下に出して後ろに反りながら投げる技。

襷掛

たすきがけ [0] 【襷掛(け)】
(1)襷を掛けていること。襷を掛けて立ち働くこと。
(2)ひもや縄などを物にからげるとき,斜め十文字に打ち違えること。また,物の模様などが斜め十文字になっていること。

襷掛け

たすきがけ [0] 【襷掛(け)】
(1)襷を掛けていること。襷を掛けて立ち働くこと。
(2)ひもや縄などを物にからげるとき,斜め十文字に打ち違えること。また,物の模様などが斜め十文字になっていること。

襷星

たすきぼし [3] 【襷星・翼宿】
二十八宿の翼宿の和名。コップ座あたりの星宿。

襷桟

たすきざん [3] 【襷桟】
斜め十文字に交差させて組む桟。

西

にし [0] 【西】
(1)方位の一。太陽の沈む方角。十二支を配するときは酉(トリ)の方位。
⇔東
(2)西から吹く風。
(3)〔仏〕
 (ア)西方浄土。
 (イ)「西本願寺」の略。お西。
(4)劇場で,江戸では舞台に向かって左側,京坂では右側をいう。
(5)相撲で,番付上で左側に記されている方。東より格は下とされる。
(6)資本主義国家。西ヨーロッパに多いことからいう。
→西側
(7)江戸新宿の遊里。江戸城の西にあったのでいう。

西

にし 【西】
姓氏の一。

西

にし【西】
the west.→英和
〜の west;western.→英和
〜に in[to (西方),on (西側)]the west.→英和
‖西側[西欧圏]the West.

西する

にし・する [0] 【西する】 (動サ変)[文]サ変 にし・す
西の方向に進む。「九州をさして―・する」

西の丸

にしのまる [0] 【西の丸】
(1)本丸に対して,城の西部の一郭。
(2)江戸城の西の一郭。将軍の世継ぎの居所で,また隠退した将軍の隠居所ともなった。

西の京

にしのきょう 【西の京】
平安京・平城京で朱雀大路以西の地区。右京。さいきょう。

西の内

にしのうち [3] 【西の内】
「西の内紙」の略。

西の内紙

にしのうちがみ [5] 【西の内紙】
和紙の一。コウゾで漉(ス)いたやや厚手のもの。茨城県山方町西野内で産した。傘紙・版画用紙などに用いられ,明治時代に投票用紙に指定され知られた。

西の対

にしのたい [4] 【西の対】
寝殿造りの建物で,主殿の西方にある対の屋。二の対。

西の海

にしのうみ 【西の海】
(1)西方の海。
(2)西海道(サイカイドウ)。「―のはてまで取りもてまかりにしかば/源氏(橋姫)」
(3)近世,災厄を追い込むという西方にある冥界(メイカイ)。また,厄払いのこと。「―すてると直に年が来る/柳多留 86」

西の衆

にしのしゅう 【西の衆】
〔西向きの縁を通って拝謁したことから〕
室町将軍家と外様(トザマ)関係にある者。
→東の衆

西の道

にしのみち 【西の道】
(1)山陽道・西海道(サイカイドウ)のこと。「吉備津彦を―に遣(マダ)す/日本書紀(崇神訓)」
(2)上代,中国へ国使を派遣したときの西路。「―の使/日本書紀(孝徳訓)」

西アジア

にしアジア [3] 【西―】
アジア西部,アフガニスタンから地中海東岸に至る地域の総称。イラン・イラク・トルコ・シリア・レバノン・ヨルダン・イスラエル・アラビア半島の諸国を含む。西南アジア。

西アジア経済社会委員会

にしアジアけいざいしゃかいいいんかい 【西―経済社会委員会】
〔Economic and Social Commission for Western Asia〕
国連の経済社会理事会に属する地域経済委員会の一。アラブ諸国によって構成。本部はアンマン。ESCWA 。

西イリアン

にしイリアン 【西―】
〔West Irian〕
インドネシア領のイリアンジャヤの旧称。

西インド会社

にしインドがいしゃ 【西―会社】
(1)アフリカ西岸とアメリカ沿岸との貿易独占を目的として1621年設立されたオランダの会社。立法・行政・軍備などの権限をもち,植民地獲得を進めてスペイン勢力打倒には成功したがイギリスに敗れ,74年解散。
(2)1664年コルベールが設立したフランスの会社。北米海岸・アフリカ西岸の貿易独占権をもったが,成果を上げられず74年解散。

西インド諸島

にしインドしょとう 【西―諸島】
中部アメリカ,カリブ海周辺に分布する島々の総称。大アンティル諸島・小アンティル諸島・バハマ諸島から成る。

西ゴート

にしゴート 【西―】
東ゲルマンの一部族。フン族の西進による圧迫を逃れ,376年ドナウ川北岸の定住地からローマ帝国領内に移住,民族大移動の発端をつくる。移住阻止をねらうローマ軍と各地で衝突した後,イベリア半島に西ゴート王国(415-711)を建国。

西サハラ

にしサハラ 【西―】
〔Western Sahara〕
西アフリカ,サハラ砂漠の西端部にあたる領域。旧スペイン領サハラ。1976年スペインが領有権を放棄。モロッコが統治しているが,独立を主張する西サハラのポリサリオ戦線がアルジェリアにサハラ-アラブ民主共和国の亡命政権を樹立。紛争が続いている。リン鉱石の世界的な産地。中心都市アイウン。住民はアラブ人とベルベル人。

西サモア

にしサモア 【西―】
〔Western Samoa〕
南太平洋,サモア諸島の主要部を占める共和国。主な島はサバイイ島とウポル島。コプラ・バナナ・カカオなどを産出。1962年ニュージーランド信託統治領から独立。首都はウポル島のアピア。住民はポリネシア人。主要言語は英語とサモア語。面積3000平方キロメートル。人口一六万(1992)。正称,西サモア。

西ドイツ

にしドイツ 【西―】
1990年に東西の両ドイツが統一される以前の,旧ドイツ連邦共和国の通称。西独。

西ベルリン

にしベルリン 【西―】
ベルリン市の西半分。第二次大戦後,米・英・仏・ソによって分割占領されたベルリンのうち米・英・仏が占領した地域。東西ドイツの統一以前は,旧東ドイツ国内にあって旧西ドイツの一州をなした。

西ローゼン協定

にしローゼンきょうてい 【西―協定】
朝鮮と中国東北部における日露間の権益分割協定。1898年(明治31)外相西徳二郎と駐日ロシア公使ローゼン(R. R. Rozen 1847-1922)が東京で調印。

西ローマ帝国

にしローマていこく 【西―帝国】
395年,東西に分裂したローマ帝国のうち,ローマに都をおいた西方の帝国。ゲルマン人の侵入で国力は衰退し,476年ゲルマン出身の傭兵隊長オドアケルに滅ぼされた。800年のカール大帝戴冠,さらに962年の神聖ローマ帝国成立によって名目上は復興したとされる。

西下

さいか [1] 【西下】 (名)スル
都(東京)を出て西方へ行くこと。
⇔東上
「陸路を―する」

西中国山地国定公園

にしちゅうごくさんちこくていこうえん 【西中国山地国定公園】
中国山地西部を占める国定公園。広島・島根・山口三県にまたがり,阿佐山・冠山などの山地と三段峡などの渓谷の景観が中心。

西之表

にしのおもて 【西之表】
鹿児島県種子島の北部にある市。鎌倉時代以来種子島氏の居城があり栄えた。種子島の行政・経済の中心地。

西九州大学

にしきゅうしゅうだいがく ニシキウシウ― 【西九州大学】
私立大学の一。1968年(昭和43)佐賀家政大学として開設,74年現名に改称。本部は佐賀県神埼町。

西京

さいきょう [0] 【西京】
(1)西の方にある都。東京に対して,京都をいうことが多い。
(2)平安京や平城京で,中央の大路を境にして西側の地域。右京。

西京味噌

さいきょうみそ [5] 【西京味噌】
京都地方でつくられる白味噌。

西京壁

さいきょうかべ [3] 【西京壁】
⇒京壁(キヨウカベ)

西京焼

さいきょうやき [0] 【西京焼(き)】
西京味噌に漬け込んだ魚の切り身を焼いた料理。

西京焼き

さいきょうやき [0] 【西京焼(き)】
西京味噌に漬け込んだ魚の切り身を焼いた料理。

西人

せいじん [0] 【西人】
西の方の人。西欧の人。西洋人。

西使記

せいしき 【西使記】
中国,元代の旅行記。一巻。1263年に成立。憲宗の命令で西域に派遣された常徳の紀行を,劉郁が筆録したもの。

西側

にしがわ [0] 【西側】
旧ソ連および東欧などの,かつての社会主義諸国に対して,(欧米の)資本主義諸国のこと。
⇔東側

西光

さいこう サイクワウ 【西光】
(?-1177) 平安末期の僧。俗名,藤原師光(モロミツ)。後白河院の近臣。1177年,京都鹿谷(シシガタニ)で藤原成親・俊寛らと平家打倒を謀議,露見して斬られた。

西八条殿

にしはちじょうどの ニシハチデウ― 【西八条殿】
平安京左京八条大路北,東大宮大路西(現在の京都駅の西)にあった平清盛の別邸。

西公談抄

さいこうだんしょう 【西公談抄】
歌論書。一冊。蓮阿著。1225〜29年頃に成立か。西行の歌論を筆録したもの。西行上人談抄。

西刹

さいせつ [0] 【西刹】
〔仏〕 西方の国土,すなわち阿弥陀仏の極楽浄土。西方浄土。

西北

せいほく [0] 【西北】
西と北との中間の方角。にしきた。北西。乾(イヌイ)。
⇔東南

西北

せいほく【西北】
the northwest.→英和
〜の northwestern.→英和

西北

にしきた [0][4] 【西北】
西と北の中間の方角。せいほく。北西。乾(イヌイ)。

西北西

せいほくせい [0] 【西北西】
西と北西との中間の方角。

西半球

にしはんきゅう [3] 【西半球】
地球の西半分。旧グリニッジ天文台跡を通る子午線より西回りに西経一八〇度にわたる地域。南北アメリカ大陸・グリーンランドが含まれる。
⇔東半球

西半球

にしはんきゅう【西半球】
the western hemisphere.

西南

にしみなみ [3][0] 【西南】
西と南の中間の方角。せいなん。西南。坤(ヒツジサル)。

西南

せいなん [0] 【西南】
西と南との中間の方角。にしみなみ。南西。坤(ヒツジサル)。
⇔東北

西南

せいなん【西南】
southwest.→英和
〜の southwestern.→英和

西南の役

せいなんのえき 【西南の役】
⇒西南戦争(セイナンセンソウ)

西南アジア

せいなんアジア [5] 【西南―】
⇒西(ニシ)アジア

西南ドイツ学派

せいなんドイツがくは [8] 【西南―学派】
新カント学派の一。西南ドイツ(バーデン地方)で活躍したウィンデルバント・リッケルト・ラスクなどが代表者。西南学派。バーデン学派。

西南女学院大学

せいなんじょがくいんだいがく 【西南女学院大学】
私立大学の一。1993年(平成5)設立。本部は北九州市小倉北区。

西南学院大学

せいなんがくいんだいがく 【西南学院大学】
私立大学の一。アメリカの南部バプテスト派宣教師によって1916年(大正5)に創立された西南学院を源とし,49年(昭和24)に新制大学となる。本部は福岡市早良区。

西南戦争

せいなんせんそう 【西南戦争】
1877年(明治10),西郷隆盛を中心とする鹿児島士族の反乱。征韓論により下野した西郷は帰郷して私学校を興したが,その生徒が西郷を擁して挙兵,熊本鎮台を包囲したが,政府軍に鎮圧され,西郷らの指導者は多く自刃した。明治初年の士族反乱のうち最大で最後のもの。以後の反政府運動の中心は自由民権運動に移る。西南の役。

西南日本

せいなんにほん [6] 【西南日本】
日本列島を糸魚川-静岡構造線で二分した場合の西南部の称。
⇔東北日本
→内帯
→外帯

西南西

せいなんせい [0] 【西南西】
西と南西との中間の方角。

西原

にしはら 【西原】
沖縄県中頭(ナカガミ)郡,沖縄島南部の町。サトウキビの産地。琉球大学がある。

西原借款

にしはらしゃっかん 【西原借款】
1917(大正6)〜18年,寺内内閣が北京の軍閥段祺瑞(ダンキズイ)に供与した借款。総額一億四五〇〇万円にのぼったが,段派の権力失墜により回収不能に陥った。首相の私設秘書西原亀三が任にあたったのでこの名がある。

西収

さいしゅ 【西収】
〔「西」は秋の意〕
秋の収穫。さいしゅう。せいしゅう。
⇔東作
「春は東作の思ひを忘れ,秋は―の営みにも及ばず/平家 10」

西収

せいしゅう 【西収】
〔「東作」にならって日本で作った漢語。「西」は秋の意〕
秋の,作物の取り入れ。さいしゅう。
⇔東作
「春は東作の企てを忘れ,秋は―の営みを棄ててければ/盛衰記 41」

西合志

にしごうし ニシガフシ 【西合志】
熊本県北部,菊池郡の町。熊本市の北に接する。熊本種畜牧場がある。

西名阪自動車道

にしめいはんじどうしゃどう 【西名阪自動車道】
奈良県天理市と大阪府松原市を結ぶ高速道路。延長27.2キロメートル。1969年(昭和44)全線開通。松原で近畿自動車道などと接続。

西向き

にしむき [0] 【西向き】
西の方へ向いていること。「―の窓」

西周

にしあまね 【西周】
(1829-1897) 明治時代の思想家。津和野藩医の子。通称,経太郎。洋学を志しオランダに留学,帰国して開成所教授。維新後明治政府に仕え,軍人勅諭などの起草にあたる。明六社に参加し,近代思想の紹介に努めた。著「百一新論」「致知啓蒙」など。

西周

せいしゅう 【西周】
⇒周(シユウ)

西哲

せいてつ [0] 【西哲】
(1)西洋の優れた思想家。西洋の哲人。
(2)「西洋哲学」の略。

西国

さいごく [0] 【西国】
〔「さいこく」とも〕
□一□西方の国。
(1)日本の関西地方より西の国。特に,九州地方。
(2)日本の西方にある国。特に,インド。
(3)アジアの西方にある国。西洋の国。
□二□京都を中心に,西国三十三所にある観音の霊地,またそれらを巡礼すること。西国三十三所。西国巡礼。

西国

さいこく [0] 【西国】
⇒さいごく(西国)

西国三十三所

さいごくさんじゅうさんしょ 【西国三十三所】
関西三十三か所の,観音を安置した寺。三十三所。三十三番。
→西国三十三所[表]

西国巡礼

さいごくじゅんれい [5] 【西国巡礼】
西国三十三所を巡礼すること。また,その巡礼者。

西国立志編

さいごくりっしへん 【西国立志編】
啓蒙書。イギリスの S =スマイルズの著「Self Help(自助論)」の訳書。中村正直訳。1871年(明治4)刊。西欧の歴史上の人物三百数十人の成功談を掲げて,その原動力となった個人主義精神を鼓吹(コスイ)。明治初期の青年層に多大な影響を与えた。

西国筋郡代

さいごくすじぐんだい [7] 【西国筋郡代】
江戸幕府の職名。九州の幕府領を管轄し,管内の租税の徴収・訴訟などをつかさどった。本陣は豊後(ブンゴ)国日田(ヒタ)にあった。西国郡代。

西国船

さいごくぶね [5] 【西国船】
九州地方を主とする西国地方の回船をいう,上方での呼称。

西国路

さいごくじ 【西国路】
「山陽道」に同じ。特に,江戸時代,大坂から下関に至る瀬戸内海に沿う街道。

西園寺

さいおんじ サイヲンジ 【西園寺】
姓氏の一。藤原北家閑院流。公実の子通季を祖とする清華家。承久の乱以後,一門から太政大臣を出し,摂関家をしのぐ勢いがあった。琵琶(ビワ)を家業とした。

西園寺公望

さいおんじきんもち サイヲンジ― 【西園寺公望】
(1849-1940) 政治家。号は陶庵。王政復古で参与となり,戊辰(ボシン)戦争では各地に転戦。のち政友会総裁,首相。パリ講和会議首席全権。長く元老として後継首班奏請にあたり,立憲政治の維持に努めた。明治法律学校(現,明治大学),京都法政学校(現,立命館大学)の創設に参画。

西園寺公経

さいおんじきんつね サイヲンジ― 【西園寺公経】
(1171-1244) 鎌倉前期の公卿。藤原氏。承久の乱後,内大臣,太政大臣。京都北山の別荘に西園寺を建立,これが家名となる。歌人としては新古今和歌集以下の勅撰集に一一四首入集。

西土

せいど [1] 【西土】
(1)西方の国。古くはインドをさし,後には西洋をいった。
(2)「さいど(西土)」に同じ。

西土

さいど [1] 【西土】
西方浄土のこと。極楽。

西域

せいいき [0] 【西域】
〔「さいいき」とも〕
中国の西方地域を中国人が総称した語。狭義にはタリム盆地をいい,漢代ここに分立したオアシス諸国家を西域三十六国と総称した。東西交通上,また北方遊牧民に対する軍略上きわめて重要で,漢では西域都護府,唐では北庭・安西両都護府が置かれた。広義には中央アジア・西アジア・エジプトも含めた。

西域

さいいき [0] 【西域】
⇒せいいき(西域)

西域水道記

せいいきすいどうき セイヰキスイダウキ 【西域水道記】
中国の地理書。五巻。清の徐松の撰。1823年刊。天山南北路(新疆)の水系を中心として近辺の地理・歴史を記す。

西域都護府

せいいきとごふ 【西域都護府】
漢代に置かれた西域統治のための機関。長官は都護。前60年,前漢の宣帝の時に烏塁(ウルイ)城に創設。

西堂

せいどう [0] 【西堂】
〔仏〕
(1)〔西は客の座る位置であることからいう〕
禅宗で他の寺を隠退した長老で,その寺に来て教化を助けるもの。西庵。
→東堂
(2)僧位の一。住持の次に位し,修行僧の指導にあたる。

西塔

さいとう [0] 【西塔】
(1)東西二つの塔のうち西にある塔。
(2)比叡山を東塔・西塔・横川(ヨカワ)の三つの霊域に分けたうちの一。釈迦堂を中心に相輪橖(ソウリントウ)・法華堂・常行堂などがある。また,それらの堂舎の総称。

西夏

せいか 【西夏】
中国北西部(今のオルドス地方・甘粛省)にチベット系のタングート(党項)族が建てた国(1038-1227)。李元昊(リゲンコウ)は皇帝を称し,国号を大夏とした。のちチンギス-ハンに滅ぼされた。東西交易の利を得て繁栄し,また独特の西夏文字を作った。

西夏文字

せいかもじ [4] 【西夏文字】
タングート族西夏で用いられた表意文字。1036年に公布,約400年間使用。総数六千数百字。縦書きで,楷書,行書,草書,篆書(テンシヨ)の書体がある。長らく未解読文字であったが,日本の西田竜雄により,その大半が解読された。

西大寺

さいだいじ 【西大寺】
(1)奈良市にある真言律宗総本山。南都七大寺の一。765年称徳天皇の勅願により創建。常騰を開基とする。鎌倉時代,叡尊が出て戒律道場の中心となる。天平時代の四仏像,平安前期の仏画十二天像のほか,鎌倉時代の美術工芸品が多い。高野寺(タカノデラ)。四王院。
(2)岡山市西大寺にある真言宗の寺。二月に行われる会陽(エヨウ)行事は,宝木(シンギ)を奪い合う裸祭りとして有名。

西大谷

にしおおたに 【西大谷】
大谷本廟(ホンビヨウ)の異名。
⇔東大谷

西天

さいてん 【西天】
〔仏〕
(1)西方の空。「それ仏日―の雲に隠れ/謡曲・弱法師」
(2)〔「西天竺(サイテンジク)」の略〕
天竺。インド。「仏法を伝へんために,遥に―より来りわたれるなり/宇治拾遺 15」
(3)「西方浄土」に同じ。

西天竺

さいてんじく [3] 【西天竺】
(1)天竺。インド。
(2)五天竺の一。天竺のうちの西部をいう。西インド。

西太后

せいたいこう 【西太后】
(1835-1908) 中国,清の咸豊(カンポウ)帝の妃。同治帝の生母。諡(オクリナ)は孝欽。同治帝・光緒帝の摂政となり政権を握る。宮廷保守派の中心人物で,変法運動を弾圧し(戊戌(ボジユツ)政変),また義和団を支持して列強に宣戦布告。

西夷

せいい [1] 【西夷】
(1)西方に住むえびす。西方の未開人。
(2)江戸末期に,西洋人をさしていった語。

西学

せいがく [0] 【西学】
西洋の学問。

西安

せいあん 【西安】
中国,陝西(センセイ)省の省都。渭水の南岸に位置し,綿織物・製鉄・機械などの工業が盛ん。周・秦・漢・隋・唐の都として栄えた。旧市街は唐の長安の皇城の地に位置する。シーアン。
→長安
西安(鐘楼)[カラー図版]
西安(陝西歴史博物館)[カラー図版]
西安(兵馬俑)[カラー図版]

西安事件

せいあんじけん 【西安事件】
1936年12月,対共産軍作戦督促のため西安に飛来した蒋介石を,内戦停止・抗日戦などを要求する張学良らが監禁した事件。周恩来の調停により蒋は釈放され,これを契機に第二次国共合作による抗日民族統一戦線が結成されたが,以後張は監禁状態となった。

西安碑林

せいあんひりん 【西安碑林】
中国,陝西(センセイ)省西安市の陝西省博物館(旧孔子廟)に保存されている一〇九五基の石碑。清の乾隆年間に,陝西巡撫の畢沅(ヒツゲン)が漢代唐代の諸石碑を捜索して陝西府の孔子廟に集めたもの。碑洞。

西宮

にしのみや 【西宮】
兵庫県南東部,大阪と神戸のほぼ中間にある市。西宮神社の門前町。宮水で知られる灘清酒の本場。現在は住宅工業都市。南部に甲子園球場,北部に蓬莱峡がある。

西宮記

さいきゅうき 【西宮記】
⇒せいきゅうき(西宮記)

西宮記

さいぐうき 【西宮記】
⇒せいきゅうき(西宮記)

西宮記

せいきゅうき 【西宮記】
〔「さいきゅうき」「さいぐうき」とも〕
有職書。西宮左大臣源高明著。平安中期の公事・儀式作法・装束などを類別編集し,漢文で記す。成立年未詳。

西寧

せいねい 【西寧】
中国,青海省の省都。機械・化学工業が発達。シーニン。

西寺

さいじ 【西寺】
京都市南区唐橋にあった寺。796年桓武天皇の勅により,左右両京の鎮護のために東寺とともに建立。平安中期に焼失。右大寺。

西尾

にしお ニシヲ 【西尾】
愛知県中南部,矢作川下流にある市。近世,松平氏六万石の城下町。製茶・繊維・金属機械工業が盛ん。

西尾

にしお ニシヲ 【西尾】
姓氏の一。

西尾実

にしおみのる ニシヲ― 【西尾実】
(1889-1979) 国文学者・国語教育学者。長野県生まれ。東大卒。中世文学を中心とした国文学研究のほか,国語教育学の樹立にも貢献。国立国語研究所の初代所長。

西尾末広

にしおすえひろ ニシヲスヱヒロ 【西尾末広】
(1891-1981) 政治家・労働運動家。香川県生まれ。右派社会民主主義の立場に立ち,社会民衆党の創立に参加。第二次大戦後,日本社会党を結成,書記長。1959年日米安保条約改定問題で脱党し,60年民主社会党を結成し委員長。

西尾線

にしおせん ニシヲ― 【西尾線】
名古屋鉄道の鉄道線。愛知県新安城・吉良吉田間,24.7キロメートル。

西山

にしやま 【西山】
(1)新潟県中部,日本海側にある,もと油田の町。大正初期の全盛期には全国の約半分近くを産出した。
(2)山梨県南西部,南巨摩(ミナミコマ)郡早川町内の地区。西山温泉があり,赤石山脈への登山基地。
(3)京都市の西に連なる山々。京都盆地の西の境をなす。愛宕(アタゴ)山・ポンポン山・釈迦岳・天王山などを含む。また,その山麓(サンロク)一帯をいう。
→東山

西山

にしやま 【西山】
姓氏の一。

西山夘三

にしやまうぞう 【西山夘三】
(1911-1994) 建築学者。大阪市生まれ。京大教授。建築計画学の確立に努め,小住宅の食寝分離論を提唱。都市計画・地域計画も手がけた。

西山宗因

にしやまそういん 【西山宗因】
(1605-1682) 江戸初期の連歌師・俳人。肥後八代の生まれ。名は豊一(トヨカズ)。通称,次郎作。俳号,一幽・西山翁・梅翁など。加藤正方の側近であったが,のち浪人。京で里村昌琢に師事し,大坂天満宮連歌所宗匠となる。俳諧にも親しみ,自由・斬新な作風は談林風として俳壇を風靡(フウビ)し,門下から西鶴・芭蕉などを輩出した。

西山拙斎

にしやませっさい 【西山拙斎】
(1735-1798) 江戸中期の儒者。備中の人。名は正,字(アザナ)は士雅。はじめ徂徠学を学んだが,のち朱子学に転じた。柴野栗山とはかって,寛政異学の禁を推進。著「間窓瑣言」など。

西山朝

せいざんちょう 【西山朝】
ベトナムの王朝。1778年阮文岳ら三兄弟が黎朝を倒して建てたが,1802年阮福映に滅ぼされた。

西山派

せいざんは 【西山派】
法然の弟子証空による浄土宗の一派。念仏を天台的に解釈する。現在は西山禅林寺派・西山浄土宗・西山深草派・西山曼陀羅寺派などに分立。

西山物語

にしやまものがたり 【西山物語】
読本。三巻。建部綾足作。1768年刊。若い男女の恋,武士の道義にからむ宝刀の祟(タタ)りや女の幽霊などを脚色した雅文体小説。

西岳

せいがく 【西岳】
中国,五岳の一。華山の別名。

西岸

せいがん [0] 【西岸】
西側の岸。
⇔東岸

西岸気候

せいがんきこう [5] 【西岸気候】
大陸の西岸地方に特徴的な気候。東岸に比べて一般に温和。夏は冷涼,冬は温暖。中・高緯度で顕著。
→東岸気候

西岸海洋性気候

せいがんかいようせいきこう [11] 【西岸海洋性気候】
西岸に特有な湿潤温和な気候。偏西風の吹き込みで海洋の影響を受け,夏に涼しく,冬に温暖。年間を通じて適度の降水がある。西ヨーロッパが典型的で,北アメリカ北西岸,チリ南部・ニュージーランドなどにも分布。

西島

さいとう サイタウ 【西島】
〔京都の西部にあったことから〕
京都島原遊郭の別名。

西島

にしじま 【西島】
姓氏の一。

西島蘭渓

にしじまらんけい 【西島蘭渓】
(1780-1852) 江戸後期の儒者。江戸の人。名は長孫,字(アザナ)は元齢,蘭渓は号。また孜々斎(シシサイ)とも号す。林述斎・西島柳谷に師事して校勘の学をよくした。著「弊箒詩話」

西川

にしかわ ニシカハ 【西川】
姓氏の一。

西川

にしかわ 【西川】
京都市の西部を流れる桂川の別名。

西川一草亭

にしかわいっそうてい ニシカハイツサウテイ 【西川一草亭】
(1878-1938) 文人花の去風流の家元。京都市生まれ。弟の津田青楓を通じて,浅井忠・幸田露伴・夏目漱石などが入門した。1930年に創刊した「瓶史(ヘイシ)」は生け花にかぎらず,伝統文化を論じる機関誌となり,文化研究のサロンを形成した。

西川光二郎

にしかわこうじろう ニシカハクワウジラウ 【西川光二郎】
(1876-1940) 社会運動家。兵庫県生まれ。片山潜に協力して「労働世界」を発刊。社会民主党の創立発起人。のち平民社に参加,「平民新聞」を刊行して,社会主義・非戦論を主張。東京市電争議に関与して入獄中転向,精神修養家となった。

西川如見

にしかわじょけん ニシカハ― 【西川如見】
(1648-1724) 江戸中期の天文・地理学者。長崎の人。本名,忠英。通称,次郎右衛門。儒学・天文暦算を修めて,儒学的自然観をとりながらも実証主義的見地をもち,多数の著作を残す。著「華夷通商考」「天文義論」「町人嚢」「百姓嚢」など。

西川扇蔵

にしかわせんぞう ニシカハセンザウ 【西川扇蔵】
日本舞踊西川流の家元の名。
(1)(二世)(?-1817) 藤間勘兵衛の門下,初世西川仙蔵の門弟。江戸三座の振り付け師となり,「蜘蛛(クモ)の糸」「関の扉(ト)」「鷺娘(サギムスメ)」などを残した。
(2)(四世)(1792-1845) 前名,藤間勘助。三世藤間勘兵衛の門下。西川家の養子となり,西川流の全盛期を築いた。「勧進帳」「鳥羽絵」「お染」「供奴」などの振り付けが知られる。

西川正治

にしかわしょうじ ニシカハシヤウヂ 【西川正治】
(1884-1952) 物理学者。東京都生まれ。東大教授。1915年,スピネル群結晶内の電子配置を決定し,X 線結晶学の発展に貢献。

西川流

にしかわりゅう ニシカハリウ 【西川流】
(1)浮世絵の一派。西川祐信を祖とする。
(2)日本舞踊の流派の一。歌舞伎舞踊の振り付け師初代西川仙蔵が創始。二代は扇蔵と改名。現在西川鯉三郎の名古屋西川流と,東京の正派西川流とがある。

西川祐信

にしかわすけのぶ ニシカハ― 【西川祐信】
(1671-1751) 江戸中期の浮世絵師。京都の生まれ。号,自得斎・自得叟・文華堂など。最初,狩野・土佐両派に学び,のち江戸の菱川師宣の画風を摂取。絵本の挿絵を多く描き,特に,上品・優美な美人画にすぐれていた。

西川鯉三郎

にしかわこいさぶろう ニシカハコヒサブラウ 【西川鯉三郎】
日本舞踊,名古屋西川流の家元の名。江戸の西川仁蔵(1824-1899)が1841年に名古屋に移り名を鯉三郎と改め名古屋西川流を樹立。
→西川流

西序

せいじょ [1] 【西序】
禅宗寺院で,学徳に長じた者が占める職位。首座(シユソ)以下の六頭首(チヨウシユ)のこと。また,その僧たちが法堂(ハツトウ)において並ぶ西側の位置。西班。
⇔東序

西康

せいこう セイカウ 【西康】
中国,チベット高原と四川盆地との間に1928年設立された省。省都は康定。55年廃止。

西廂

せいそう [0] 【西廂】
西側のひさしの間。また,西側の棟にある部屋。

西廂記

せいしょうき セイシヤウキ 【西廂記】
⇒せいそうき(西廂記)

西廂記

せいそうき セイサウ― 【西廂記】
中国,元代の戯曲。王実甫(オウジツポ)作。一四世紀初めに成立。書生張君瑞と良家の娘崔鶯鶯(サイオウオウ)の波乱に富んだ恋物語で,北曲の代表作。唐の元稹(ゲンシン)の小説「会真記(鶯鶯伝)」に基づく金の董解元(トウカイゲン)の語り物「西廂記(董西廂)」を戯曲化したもの。せいしょうき。

西廻り航路

にしまわりこうろ ニシマハリカウロ [6] 【西廻り航路】
江戸時代にひらかれた日本海岸の諸港と大坂を,下関・瀬戸内海ルートでむすぶ航路。江戸後期には蝦夷地・東北・北陸の物資(米・海産物)を上方(カミガタ)へ輸送する幹線航路となったが,冬季四か月は海況が悪く途絶するため,瀬戸内・太平洋沿岸航路に後れをとった。
→東廻り航路

西彼杵半島

にしそのぎはんとう 【西彼杵半島】
長崎県中部,長崎市北方の西彼杵郡北部,大村湾の西側に突出する半島。

西征

せいせい [0] 【西征】 (名)スル
西へ向かって行くこと。また西方の征伐に行くこと。征西。
⇔東征

西徳二郎

にしとくじろう 【西徳二郎】
(1847-1912) 明治期の外交官。薩摩藩出身。ロシア公使・外相・枢密顧問官を歴任。ロシアからの帰国の途次,中央アジアを探査。著「中央亜細亜紀事」。
→西-ローゼン協定

西念

さいねん 【西念】
ありふれた凡僧を呼ぶ名。西念坊。「花とちる身は―が衣着て(芭蕉)/猿蓑」

西戎

せいじゅう [0] 【西戎】
中国人が西方に住む異民族に対して用いた呼称。西夷。
→東夷
→北狄(ホクテキ)
→南蛮

西成甫

にしせいほ 【西成甫】
(1890-1978) 解剖学者。ドイツの比較解剖学を日本に広め,特に体幹筋の研究で多大な業績を残した。脊椎動物の歴史性を追求した著「比較解剖学」は,日本の形態学に画期的影響を与えた。

西所川原

さいしょがわら 【西所川原】
⇒最勝河原(サイシヨウガワラ)

西教

せいきょう [0] 【西教】
西洋の宗教,すなわちキリスト教。

西教寺

さいきょうじ サイケウ― 【西教寺】
滋賀県大津市坂本町にある天台宗真盛(シンゼイ)派総本山。山号,戒光山。推古天皇のときの創建という。最澄ら天台僧が復興,1486年,真盛が入寺して念仏の根本道場とした。客殿は伏見城の遺構という。1878年(明治11)天台宗真盛派を公称。

西文氏

かわちのふみうじ カハチノフミウヂ 【西文氏】
古代の中国系の有力渡来氏族。王仁(ワニ)の子孫と伝えられ,河内国古市郡古市郷に居住。東漢氏(ヤマトノアヤウジ)とともに東西史(ヤマトカワチノフビト)として,文筆を専門に朝廷に仕えた。

西新井大師

にしあらいだいし ニシアラヰ― 【西新井大師】
東京都足立区西新井にある真言宗豊山派の寺。遍照院総持寺(ソウジジ)と号す。空海の開創。本尊は弘法大師像・十一面観音像。数度の戦乱にも焼失を免れてきたため,厄除け大師として尊崇される。

西方

にしがた [0] 【西方】
(1)西の方角。
(2)勝負する者を東西二組に分けたときの西の組。

西方

にしかた 【西方】
栃木県南部,上都賀郡の町。栃木市と鹿沼市の間に位置。日光例幣使街道の宿場町。

西方

せいほう【西方】
the west.→英和
〜の western.→英和
〜に to the west <of> .

西方

さいほう [0] 【西方】
〔仏〕 西の方。極楽浄土のある方角。

西方

せいほう [0] 【西方】
西の方角。さいほう。
⇔東方

西方の行者

さいほうのぎょうじゃ 【西方の行者】
〔仏〕 西方浄土に往生することを願って念仏する行者。念仏行者。

西方十万億土

さいほうじゅうまんおくど [9] 【西方十万億土】
⇒西方浄土(サイホウジヨウド)

西方教会

せいほうきょうかい 【西方教会】
⇒ローマ-カトリック教会(キヨウカイ)

西方極楽

さいほうごくらく [0] 【西方極楽】
⇒西方浄土(サイホウジヨウド)

西方浄土

さいほうじょうど [5] 【西方浄土】
〔仏〕 この世の西方,十万億の仏土を隔てたところに存在する,阿弥陀仏の浄土。極楽浄土。西方安楽国。西方極楽。西方十万億土。西方世界。西方。「日の入給ふ所は―にてあんなり/平家 1」

西方矩

せいほうく [3] 【西方矩】
「下矩(カク)」に同じ。
→矩

西方阿弥陀

さいほうあみだ 【西方阿弥陀】
〔仏〕 西方浄土にいる阿弥陀如来。

西施

せいし 【西施】
中国,春秋時代の越の美女。越王勾践(コウセン)は呉王夫差の色好みを知って西施を献上した。呉王はその色香に迷って政治を怠り,越に滅ぼされた。

西施乳

せいしにゅう [3] 【西施乳】
〔フグの腹の白い部分を西施の乳房にたとえたものか〕
フグの異名。

西日

にしび【西日】
the setting[afternoon]sun.

西日

にしび [0] 【西日】
西に傾いた太陽の光。特に真夏の,なお衰えない夕方の日光についていう。[季]夏。

西日本

にしにほん [4] 【西日本】
〔「にしにっぽん」とも〕
日本列島の西半分。地質学的には糸魚川静岡構造線より西の地域をいう。
⇔東日本

西日本工業大学

にしにほんこうぎょうだいがく 【西日本工業大学】
私立大学の一。1936年(昭和11)創立の九州工学校を源とし,67年設立。本部は福岡県苅田町。

西日本新聞

にしにほんしんぶん 【西日本新聞】
九州(および中国地方の一部)の日刊新聞。前身は1877年(明治10)創刊の「筑紫新聞」。1942年(昭和17)の新聞統合で「九州日報」と合併,現紙名となる。

西日本鉄道

にしにほんてつどう 【西日本鉄道】
大手民営鉄道の一。福岡市と北九州市を中心として福岡県一円に鉄道網をもつ。鉄道営業キロ121.1キロメートル。大牟田線・宮地岳線・甘木線・北九州線などよりなる。西鉄。

西明かり

にしあかり [3] 【西明(か)り】
日没後,西の空の明るいこと。また,その空。残照。

西明り

にしあかり [3] 【西明(か)り】
日没後,西の空の明るいこと。また,その空。残照。

西明寺

さいみょうじ サイミヤウ― 【西明寺】
京都市右京区梅ヶ畑槙尾(マキノオ)町にある真言宗大覚寺派の寺。山号,槙尾山。832年空海の高弟智泉の開創。1699年徳川綱吉の母桂昌院が堂舎を寄進。

西春

にしはる 【西春】
愛知県北西部,西春日井郡の町。名古屋市の北に接する住宅地。

西晋

せいしん 【西晋】
⇒晋(シン)(2)

西暦

せいれき [0] 【西暦】
西洋諸国をはじめ世界で広く用いられている暦。イエス-キリストが生誕したとされていた年(実際の生誕は4年以上さかのぼる)を紀元元年としている。西紀。キリスト紀元。

西暦

せいれき【西暦】
the Christian Era;Anno Domini <A.D.→英和
> .〜49年に in (the year) 49 A.D.→英和

西曼荼羅

さいまんだら [3] 【西曼荼羅】
〔胎蔵界(タイゾウカイ)曼荼羅を東に配するのに対して,西に配することから〕
金剛界(コンゴウカイ)曼荼羅のこと。

西本願寺

にしほんがんじ 【西本願寺】
京都市下京区堀川にある浄土真宗本願寺派の本山,本願寺の通称。本派本願寺。お西。
→本願寺(1)

西本願寺三十六人家集

にしほんがんじさんじゅうろくにんかしゅう 【西本願寺三十六人家集】
⇒三十六人集(サンジユウロクニンシユウ)

西村

にしむら 【西村】
姓氏の一。

西村伊作

にしむらいさく 【西村伊作】
(1884-1963) 教育家。和歌山県生まれ。1921年(大正10)東京駿河台に文化学院を設立,自由主義的教育を行なった。

西村天囚

にしむらてんしゅう 【西村天囚】
(1865-1924) 新聞記者・小説家・漢学者。本名,時彦。別号,碩園。大隅国種子島の人。東大中退。大阪朝日新聞社員。政治的風刺小説「屑屋の籠」で文名を上げ浪花文学会を興した。主著「日本宋学史」

西村茂樹

にしむらしげき 【西村茂樹】
(1828-1902) 道徳思想家。下総(シモウサ)佐倉藩士。明六社の一員として活躍,「東京修身学社」(のち「講道会」「日本弘道会」と改称)を設立し儒教的倫理思想に基づく国民道徳の鼓吹につとめた。

西村道仁

にしむらどうにん 【西村道仁】
(1504-1555) 戦国時代の京都の釜師・鋳物師。西村家始祖。三条釜座に住し,天下一と称された。

西村遠里

にしむらとおさと 【西村遠里】
(1718?-1787?) 江戸中期の暦学者。京都の生まれ。名は遠里,字は得一,号は居行。民間における暦学の第一人者。宝暦の改暦事業にも参加。「授時暦解」「貞享暦解」は代表作。

西条

さいじょう サイデウ 【西条】
(1)広島県中部,東広島市の中心地区。酒造業が発達。
(2)愛媛県北東部,燧灘(ヒウチナダ)に面する市。旧城下町。製紙・化学・繊維工業などが発達する。

西条

さいじょう サイデウ 【西条】
姓氏の一。

西条八十

さいじょうやそ サイデウ― 【西条八十】
(1892-1970) 詩人。仏文学者。東京生まれ。早大教授。象徴詩集「砂金」で注目された。ランボーに造詣が深く,また童謡詩人としても著名。詩集「蝋人形」,童謡集「鸚鵡と時計」など。歌謡曲作詞でも活躍。

西条柾

さいじょうまさ サイデウ― [3] 【西条柾】
伊予柾紙の一。愛媛県西条市付近から産出する大判の柾目紙。

西条柿

さいじょうがき サイデウ― [3] 【西条柿】
広島県西条付近から産する柿の一品種。渋柿のため干し柿にする。

西来

さいらい [0] 【西来】
⇒せいらい(西来)

西来

せいらい [0] 【西来】
(1)西から来ること。さいらい。
(2)〔仏〕
〔「再来」と区別して〕
禅宗の祖達磨が西のインドから,中国へやってきたこと。「―の宗旨(=禅宗)」

西東三鬼

さいとうさんき 【西東三鬼】
(1900-1962) 俳人。岡山県生まれ。日本歯科医専卒。本名,斎藤敬直。新興俳句運動の中心となるが,京大俳句事件で検挙。戦後「天狼」「断崖」を創刊。句集「夜の桃」,随筆集「神戸」「続神戸」など。

西東京科学大学

にしとうきょうかがくだいがく ニシトウキヤウクワガク― 【西東京科学大学】
私立大学の一。1989年(平成1)設立。本部は山梨県上野原町。

西枇杷島

にしびわじま ニシビハジマ 【西枇杷島】
愛知県北西部,西春日井郡の町。庄内川で名古屋市と接する工業地区。

西根

にしね 【西根】
岩手県北西部,岩手郡の町。岩手山北東斜面と七時雨山南斜面からなる。岩手山中腹の焼走り溶岩流は特別天然記念物。

西楼棚

せいろうだな [3] 【城楼棚・西楼棚】
(1)茶席に用いる棚物の一。香道に用いる袋棚を半分にしたもの。天王寺宗及の創始。宗及棚。半切棚。
(2)違い棚の形式の一。三枚の棚板で構成されるもので,書院造りの違い棚としては最も正式のものの一つ。
→床脇(トコワキ)棚

西欧

せいおう【西欧】
West(ern) Europe;the West (西洋).西欧文明 Western civilization.

西欧

せいおう [0] 【西欧】
(1)ヨーロッパ西部の地域。イギリス・フランス・オランダなどの資本主義諸国をいう。西ヨーロッパ。
⇔東欧
(2)(明治時代に東洋に対して)西洋。ヨーロッパ。欧州。

西欧主義

せいおうしゅぎ [5] 【西欧主義】
一九世紀中葉のロシアの思想上の一潮流。ロシアの後進性を西欧をモデルに打破しようとする思想。
→スラブ主義

西欧同盟

せいおうどうめい 【西欧同盟】
〔Western European Union〕
加盟国の安全保障政策を調整する外相・大使級の諮問機関。1948年結成のブリュッセル条約機構を54年改編し結成(翌年発効)。ヨーロッパ連合( EU )の軍事面での中心組織。

西武秩父線

せいぶちちぶせん 【西武秩父線】
西武鉄道の鉄道線。埼玉県吾野・西武秩父間,19キロメートル。池袋線と直通運転される。

西武鉄道

せいぶてつどう 【西武鉄道】
大手民営鉄道の一。池袋・新宿などをターミナル駅とし,東京西北部,埼玉西南部に鉄道網をもつ。鉄道営業キロ179.8キロメートル。池袋線・西武秩父線・新宿線などよりなる。

西沙群島

せいさぐんとう 【西沙群島】
南シナ海の西部にある珊瑚(サンゴ)礁の島々。グアノを産する。中国・フィリピン・ベトナムが領有権を主張している。別名,パラセル群島。

西没

せいぼつ [0] 【西没】 (名)スル
〔「せいもつ」とも〕
日月が西に沈むこと。
⇔東涌(トウユウ)

西沢

にしざわ ニシザハ 【西沢】
姓氏の一。

西沢一風

にしざわいっぷう ニシザハ― 【西沢一風】
(1665-1731) 江戸中期の浮世草子・浄瑠璃作者。名は義教。大坂の書肆(シヨシ)。西鶴没後の関西の代表的作者。通俗的文体で八文字屋本の先駆をなす。浄瑠璃作者としては豊竹座に所属。著,浮世草子「御前義経記」「女大名丹前能」,浄瑠璃「北条時頼記」など。

西沢一鳳

にしざわいっぽう ニシザハ― 【西沢一鳳】
(1802-1852) 江戸後期の歌舞伎脚本作者。通称,正本屋利助。浄瑠璃作者西沢一風の子孫。大坂の書肆(シヨシ)で芝居道の故実通として「伝奇作書」「脚色余録」「皇都午睡」などの随筆がある。

西洋

せいよう [1] 【西洋】
ヨーロッパや南北アメリカの諸国をさしていう呼称。欧米諸国の総称。
⇔東洋

西洋

せいよう【西洋】
the West[Occident].〜の Occidental;→英和
Western.〜化する Westernize;Europeanize.→英和
‖西洋人 a Westerner.西洋文明 Western civilization.西洋流 the Western way <of thinking> .西洋料理 Western[European]food[cooking].

西洋の没落

せいようのぼつらく セイヤウ― 【西洋の没落】
〔原題 (ドイツ) Der Untergang des Abendlandes〕
ドイツの哲学者シュペングラーの代表作。1918〜22年刊。文化を有機体と見,発生・展開・衰滅の円環を必然的に描くものととらえて,西洋文明が没落に瀕していることを指摘。

西洋カボチャ

せいようカボチャ [5] 【西洋―】
カボチャの一種。明治年間に渡来。食用のクリカボチャその他がある。

西洋カルタ

せいようカルタ [5] 【西洋―】
トランプのこと。

西洋事情

せいようじじょう セイヤウジジヤウ 【西洋事情】
福沢諭吉の著。1866〜70年刊。二度の外遊による見聞をもとに,諸外国の歴史,政治・財政・軍事などの海外事情を紹介。幕末から明治初頭に多数の人々に読まれ,啓蒙的役割を果たした。

西洋人

せいようじん [3] 【西洋人】
欧米諸国の人。欧米人。
⇔東洋人

西洋剃刀

せいようかみそり [5] 【西洋剃刀】
在来の日本の剃刀より幅が広く,鞘(サヤ)と柄(エ)が兼用になっている剃刀。レザー。

西洋医学

せいよういがく [5] 【西洋医学】
ヨーロッパで発達した医学。東洋医学に対していう。

西洋学

せいようがく [3] 【西洋学】
幕末・明治初期に日本にもたらされた欧米の学問の総称。「―を唱へ交易開港の説を主張し/近世紀聞(延房)」

西洋実桜

せいようみざくら [6] 【西洋実桜】
バラ科の落葉高木。ヨーロッパ原産。さくらんぼうをとるために東北地方・長野県などで栽培する。果実は球形または円心形で束状について下垂し,初夏,黄色または赤色に熟す。桜桃(オウトウ)。

西洋将棋

せいようしょうぎ [5] 【西洋将棋】
⇒チェス

西洋小刀

せいようこがたな [5][7] 【西洋小刀】
ナイフのこと。

西洋山樝子

せいようさんざし [5] 【西洋山樝子】
バラ科の落葉低木。ヨーロッパ・北アフリカ原産。庭木とする。高さ約5メートル。枝にとげがある。葉は広卵形で三〜五裂。五月,枝先に白または淡紅色の五弁花を散房状につける。果実は球形で秋に赤く熟す。メイフラワー。

西洋山葵

せいようわさび [5] 【西洋山葵】
ワサビダイコンの別名。

西洋手拭い

せいようてぬぐい [5] 【西洋手拭い】
タオルのこと。

西洋料理

せいようりょうり [5] 【西洋料理】
西洋風の料理の総称。洋食。

西洋松虫草

せいようまつむしそう [0] 【西洋松虫草】
マツムシソウ科の一年草。南ヨーロッパ原産。観賞用に栽培。葉は羽裂。夏,高さ約60センチメートルの茎の先に香りの良い半球形の頭状花をつける。花色は淡紫・濃紫・桃・白など。ピンクッション-フラワー。

西洋松露

せいようしょうろ [5] 【西洋松露】
⇒トリュフ

西洋柊

せいようひいらぎ [5] 【西洋柊】
モチノキ科の常緑高木。ヨーロッパ・アジア原産。庭木として栽培される。葉は濃緑色で光沢があり,卵形で縁に鋭い鋸歯(キヨシ)がある。雌雄異株で,晩春開花。果実は小球形で赤く熟する。クリスマスの飾りに用いる。ヒイラギモチ。ホーリー。

西洋梨

せいようなし [3] 【西洋梨】
バラ科の落葉果樹。ヨーロッパ原産。ナシの一種で,明治の初めに渡来。果実はくびれた卵形体で,香りが高く,果肉は柔らかい。洋梨。ペア。

西洋独活

せいよううど [5] 【西洋独活】
アスパラガスの異名。

西洋画

せいようが [0] 【西洋画】
西洋で発生・発達した材料・技法によって描いた絵画。油絵・水彩画・パステル画などの類。洋画。

西洋算

せいようざん [3] 【西洋算】
「洋算(ヨウサン)」に同じ。

西洋箱柳

せいようはこやなぎ [7] 【西洋箱柳】
ポプラの別名。

西洋紀元

せいようきげん [5] 【西洋紀元】
西洋で使われる紀元。西紀。西暦。

西洋紀聞

せいようきぶん セイヤウキブン 【西洋紀聞】
新井白石の欧米事情取調書。三巻。屋久島に渡来したイタリア人宣教師シドッチを尋問した際の記録をもとにまとめたもの。上巻は宣教師との対話編,中巻は五大州誌,下巻は天主教の大意を記す。1715年頃成立。1882年(明治15)刊。

西洋紙

せいようし [3] 【西洋紙】
「洋紙」に同じ。

西洋菓子

せいようがし [5] 【西洋菓子】
「洋菓子」に同じ。

西洋蒲公英

せいようたんぽぽ [5] 【西洋蒲公英】
キク科の多年草。ヨーロッパ原産の帰化植物。今日都会地周辺で見られるものはほとんどが本種である。総包が反りかえることから在来種と見分けられる。
→タンポポ

西洋薄荷

せいようはっか [5] 【西洋薄荷】
ペパーミントの和名。

西洋薄雪草

せいよううすゆきそう [0] 【西洋薄雪草】
エーデルワイスの和名。

西洋蝋燭

せいようろうそく [5] 【西洋蝋燭】
蝋またはパラフィンなどを用いた,糸芯(イトシン)入りの蝋燭。西洋より伝来。

西洋道中膝栗毛

せいようどうちゅうひざくりげ セイヤウダウチユウ― 【西洋道中膝栗毛】
滑稽本。一五編三〇冊。1870(明治3)〜76年刊。仮名垣魯文(ロブン)作。一二編以下は総生寛(号,七杉子)作。福沢諭吉の「西洋事情」その他を下敷きにし,「東海道中膝栗毛」の趣向を模した作品。初代弥次郎兵衛・北八と同名の孫がロンドンの万国博覧会に行くというもの。

西洋酒

せいようしゅ [3] 【西洋酒】
「洋酒」に同じ。

西洋酸塊

せいようすぐり [5] 【西洋酸塊】
グーズベリーの別名。

西洋野菜

せいようやさい [5] 【西洋野菜】
西洋から日本へ移入された野菜。主に明治以降に伝わったレタス・アスパラガス・セロリ・アーティチョークなどをいう。

西洋鋏

せいようばさみ [5] 【西洋鋏】
二枚の刃が支点で交差して物を切る,今日普通に用いるはさみ。洋鋏。

西洋鋸草

せいようのこぎりそう [0] 【西洋鋸草】
キク科の多年草。ヨーロッパ原産。高さ60〜90センチメートル。葉は鋸のように羽裂。夏,茎頂の散房花序に白または紅色の小花を密生。観賞用に栽培。また,昔から全草を痔(ジ)や咳(セキ)止めの薬とする。

西洋間

せいようま [0] 【西洋間】
「洋間(ヨウマ)」に同じ。

西洋雑誌

せいようざっし セイヤウ― 【西洋雑誌】
1867年(慶応3)柳河春三が創刊した日本最初の定期刊行雑誌。主に西洋の自然科学事情を紹介した。69年の巻六まで発行。

西洋音楽

せいようおんがく [5] 【西洋音楽】
西洋で発生・発達した音楽。オペラ・管弦楽・室内楽などの類。洋楽。

西洋風

せいようふう [0] 【西洋風】 (名・形動)
西洋的な様子・様式である・こと(さま)。洋風。

西洋風蝶草

せいようふうちょうそう [7][0] 【西洋風蝶草】
クレオメの和名。

西洋館

せいようかん [0][3] 【西洋館】
西洋風の造りの家。洋館。

西流

せいりゅう [0] 【西流】 (名)スル
西の方向に流れること。西方に伝わること。「―する川」「文化が―する」

西浄

せいちん 【西浄】
〔「ちん」は唐音〕
禅寺で,便所。西序(セイジヨ)の人が用いるからいう。せいじょう。
→雪隠(セツチン)
→東浄(トウチン)

西浄

せいじょう [0] 【西浄】
⇒せいちん(西浄)

西海

さいかい [0] 【西海】
(1)西の方の海。
(2)昔,九州地方をよんだ語。西海道。

西海国立公園

さいかいこくりつこうえん 【西海国立公園】
長崎県北西岸および沖合の五島列島・平戸島などを含む国立公園。

西海道

さいかいどう 【西海道】
律令制における七道の一。今の九州地方,すなわち筑前・筑後・豊前(ブゼン)・豊後(ブンゴ)・肥前・肥後・日向(ヒユウガ)・大隅・薩摩の九国と壱岐・対馬の二島。また,そこを通る幹線道路をいう。

西涼

せいりょう 【西涼】
五胡十六国の一。漢人の敦煌(トンコウ)太守李暠(リコウ)が北涼から自立して建国(400-421)。二代で北涼に滅ぼされた。

西清古鑑

せいせいこかん 【西清古鑑】
中国の図録集。四〇巻。1749年,清の梁詩正らが勅を奉じて撰。清朝内府蔵の古銅器の形態を模し,銘に釈文を付したもの。

西湖

せいこ 【西湖】
中国,浙江省杭州の西にある湖。付近は岳飛の墓など古跡に富み,西湖十景などの景勝で知られる。シー-フー。

西湖

さいこ 【西湖】
山梨県南部にある湖。富士五湖の一つで,富士山の溶岩流による堰(セキ)止め湖。面積2.3平方キロメートル。湖面高度900メートル。湖畔は観光・保養地。にしのうみ。

西漢

せいかん 【西漢】
⇒前漢(ゼンカン)

西漸

せいぜん [0] 【西漸】 (名)スル
東に興った文明・勢力が次第に西方に移り進むこと。

西漸運動

せいぜんうんどう [5] 【西漸運動】
アメリカ合衆国史における,東部大西洋岸から西方地域へのたえまない拡張・開拓・移住の運動。植民地時代に始まり,独立革命後,急速に促進されてそのフロンティアはアパラチア山脈を越え,一九世紀半ばには太平洋岸に達する。

西烏

せいう [1] 【西烏】
〔「烏」は太陽の意〕
夕日。

西燕

せいえん 【西燕】
五胡十六国時代に鮮卑族が建てた国(384-394)。後燕に滅ぼされた。十六国の中には数えない。

西独

せいどく 【西独】
〔「西独逸(ニシドイツ)」の略〕
⇒西(ニシ)ドイツ

西王母

せいおうぼ セイワウボ 【西王母】
(1)中国の神話上の女神。玉山または崑崙(コンロン)山に住む,人面・虎歯・豹尾の女神。のち,神仙思想の発展とともに仙女化され,周の穆(ボク)王が西に巡狩した時,瑶池で宴を開き,漢の武帝に降臨して仙桃を与えたという。道教の成立後は東王父と一組の神格とされた。
(2)能の一。脇能物。西王母が穆王の宮殿に天降(アマクダ)って,不老長寿の仙桃を献上し,舞を舞い,聖代の栄えをことほぐ。類曲に「東方朔(トウホウサク)」がある。
(3)〔西王母{(1)}の園にあったとされることから〕
ジュセイトウの異名。

西瓜

すいか【西瓜】
a watermelon.→英和

西瓜

すいか [0] 【西瓜】
〔「すい」は「西」の唐音。「水瓜」とも書く〕
ウリ科のつる性一年草。熱帯アフリカ原産。暖地の砂地畑で栽培。葉は羽状に深裂。雌雄同株。夏,淡黄色の花をつけ,大きな球形または長球形の液果がなる。果皮は平滑で時に縦の縞(シマ)があり,果肉は多汁で甘く,赤ないし淡黄色。品種が多い。日本へは一六世紀渡来。ウオーターメロン。[季]秋。
〔「西瓜の花」は [季]夏〕

西瓜割り

すいかわり [0][3] 【西瓜割り】
目隠しをして,前方に置いたスイカを棒などで打ち割る遊び。

西瓜子

シーグアズ [1][3] 【西瓜子】
〔中国語〕
スイカの種子を炒めて味つけしたもの。酒のつまみにしたり,製菓材料に用いる。黒瓜子(ヘイグアズ)。

西瓜糖

すいかとう [0] 【西瓜糖】
スイカの果汁を煮つめたもの。糖分およびリンゴ酸を含み,利尿作用がある。

西田

にしだ 【西田】
姓氏の一。

西田天香

にしだてんこう 【西田天香】
(1872-1968) 宗教家。滋賀県生まれ。二宮尊徳・トルストイらの影響を受け,1905年(明治38)「一灯園」を開創した。

西田幾多郎

にしだきたろう 【西田幾多郎】
(1870-1945) 哲学者。石川県生まれ。京大教授。西洋哲学の伝統と対決しつつ,禅などの東洋思想を統合,これを「場所」「絶対無」「絶対矛盾的自己同一」などの理論で表現する宗教的色彩の強い思弁哲学を説いた。近代日本独自の哲学として大正・昭和期の思想に深い影響を与えた。著「善の研究」「思索と体験」「場所的論理と宗教的世界観」など。

西矩

せいく [1] 【西矩】
「下矩(カク)」に同じ。
→矩

西神線

せいしんせん 【西神線】
神戸市営の地下鉄道線。神戸市学園都市・新長田間,9.2キロメートル。

西秦

せいしん 【西秦】
五胡十六国の一。鮮卑族の乞伏国仁が苻竪の死後甘粛省中部で自立し,建国(385-431)。夏(カ)に滅ぼされた。秦。

西突厥

にしとっけつ 【西突厥】
⇒突厥(トツケツ)

西端

せいたん [0] 【西端】
西のはし。「町の―」

西紀

せいき [1] 【西紀】
西洋の紀元。西暦。

西経

せいけい【西経】
the west longitude.〜50度 long.→英和
50°W[longitude fifty degrees west].→英和

西経

せいけい [0] 【西経】
イギリスのグリニッジ天文台の跡地を通る子午線を〇度とし,それより西へ一八〇度までの間の経度。
⇔東経

西脇

にしわき 【西脇】
兵庫県中央部,加古川中流域にある市。綿織物業が盛んで,播州織の名で知られる。

西脇

にしわき 【西脇】
姓氏の一。

西脇順三郎

にしわきじゅんざぶろう 【西脇順三郎】
(1894-1982) 詩人・英文学者。新潟県生まれ。慶大理財科卒。慶大教授。シュールレアリスムの理論家として指導的位置を占め,現代詩の代表的詩人。著,詩集「Ambarvalia」「旅人かへらず」「第三の神話」,評論「 T ・ S ・エリオット」など。

西芳寺

さいほうじ サイハウ― 【西芳寺】
京都市西京区にある臨済宗天竜寺派の寺。山号,洪隠山。奈良時代,行基が開創。鎌倉時代に浄土宗寺院となり,西方寺と称された。1339年,夢窓疎石が再興し,禅宗に改めて西芳寺とする。疎石の入寺以前作庭の枯山水などがあるが,のち庭園全体が苔でおおわれてからは苔寺とよばれる。

西蔵

せいぞう セイザウ 【西蔵】
チベットの中国語名。

西行

せいこう [0] 【西行】 (名)スル
西の方へ行くこと。

西行

さいぎょう サイギヤウ 【西行】
(1)(1118-1190) 平安末期から鎌倉初期の歌僧。俗名,佐藤義清(ノリキヨ)。法号,円位・大宝房など。もと北面の武士。二三歳で出家。陸奥(ムツ)から四国・九州まで諸国を旅し,河内の弘川寺で没す。生活体験のにじみ出た述懐歌にすぐれ,「新古今集」では集中最高の九四首が入集。家集「山家集」,聞書「西公談抄」がある。「撰集抄」は仮託だが後世の西行観に大きな影響を与えた。
(2)〔西行法師が天下を遍歴したことから〕
諸所・諸国の遍歴者。

西行忌

さいぎょうき サイギヤウ― [3] 【西行忌】
西行法師の忌日。陰暦二月一五日。

西行桜

さいぎょうざくら サイギヤウ― 【西行桜】
(1)能の一。四番目物。世阿弥作。大勢の花見客のため閑居の楽しみを妨げられた庵室の西行は,それが花の咎(トガ)であると歌に詠む。やがて,桜の精が現れ,西行の歌に反論して桜の名所を語り,ともに春宵(シユンシヨウ)の興趣を楽しむ。
(2)地歌の一。菊崎検校作曲。手事物(テゴトモノ)。{(1)}に基づく。

西行被き

さいぎょうかずき サイギヤウカヅキ 【西行被き】
〔富士見西行の絵姿から〕
笠を後頭部へずらしてかぶること。阿弥陀かぶり。

西表

いりおもて 【西表】
沖縄県南西部,八重山諸島中最大の島。面積284平方キロメートル。河口付近にマングローブ林が発達。内陸は亜熱帯原始林におおわれた山地。

西表国立公園

いりおもてこくりつこうえん 【西表国立公園】
亜熱帯原生林におおわれる西表島を中心とし,日本最大の珊瑚(サンゴ)礁が発達する周辺海域よりなる自然公園。

西表山猫

いりおもてやまねこ【西表山猫】
an Iriomote wildcat.

西表山猫

いりおもてやまねこ [6] 【西表山猫】
西表島だけに一〇〇頭程度が生息する貴重なヤマネコ。体長60センチメートルほどで,イエネコよりやや大きい。耳先が丸く,鼻づらは大きく,体は焦げ茶色で,暗色のぼんやりした斑点が多数ある。特別天然記念物。
西表山猫[図]

西詩

せいし [1] 【西詩】
西洋の詩。

西諺

せいげん [0] 【西諺】
西洋のことわざ。

西進

せいしん [0] 【西進】 (名)スル
西に向かって進むこと。
⇔東進

西遊

さいゆう [0] 【西遊】 (名)スル
西の方,特にヨーロッパへ旅行すること。せいゆう。

西遊

せいゆう [0] 【西遊】 (名)スル
西方へ旅をすること。特に,西洋に旅行すること。さいゆう。

西遊記

さいゆうき サイイウ― 【西遊記】
(1)中国,元代の旅行記。二巻。李志常(リシジヨウ)撰。1220〜24年,長春真人(丘処機)が,西征途上のチンギス-ハンの招きに応じて西行した際の記録。一三世紀の東西交通の資料として重視される。長春真人西遊記。
(2)中国,明代の口語体の長編小説。一〇〇回。呉承恩作。1570年頃成立。四大奇書の一。唐の玄奘(ゲンジヨウ)(三蔵法師)がインドへ行き,中国に仏教の経典をもたらした史実を軸に,そのお供の孫悟空・猪八戒(チヨハツカイ)・沙悟浄(サゴジヨウ)が妖怪どもを退治して玄奘を助ける活躍ぶりを描く。それまでの同種の説話・芝居・物語類を集大成し,登場人物に強い個性を与えて作りあげたもの。
(3)紀行・随筆。正編・続編各五巻。橘南谿(春暉)著。1795〜98年刊。角書(ツノガキ)に「諸国奇談」とあるように,作者が1782年から山陽・西海・南海に旅した際に見聞した奇事・奇談を収める。「東遊記」と併せて「東西遊記」という。

西遊録

せいゆうろく セイイウロク 【西遊録】
中国の旅行記。一巻。元の耶律楚材(ヤリツソザイ)の撰。チンギス-ハンの西アジア遠征に加わって見聞した,中央アジア・西アジアの諸事情を記す。

西遷

せいせん [0] 【西遷】 (名)スル
(1)(人・都などが)西へ移ること。
(2)「長征(チヨウセイ)」に同じ。

西遼

せいりょう 【西遼】
遼の王族耶律大石(ヤリツダイセキ)がカラハン朝を滅ぼして建てた国(1132-1211)。東西トルキスタンを支配したが,トルコ系のナイマン部に国を奪われた。カラキタイ。黒契丹。
→遼

西那須野

にしなすの 【西那須野】
栃木県北部,那須郡の町。那須野原西部にあたり,明治初期から開拓された。

西郊

さいこう [0] 【西郊】
⇒せいこう(西郊)

西郊

せいこう [0] 【西郊】
都市の西方の郊外。さいこう。

西部

せいぶ [1] 【西部】
(1)ある地域の西の方の部分。
⇔東部
「愛知県―」
(2)特にアメリカ合衆国の西の地方。

西部

せいぶ【西部】
the west(ern part);→英和
[米国]the West.西部劇 a western;→英和
<話> a horse opera.

西部劇

せいぶげき [3] 【西部劇】
アメリカの西部開拓期における人々の苦闘や,そこで起きた事件などを題材とした映画。アメリカ映画の一ジャンル。ウエスタン。

西部戦線

せいぶせんせん [4] 【西部戦線】
第一次大戦中,ドイツ軍と連合軍が激突したフランス北東部の戦線。1914年のマルヌの戦い以後は一進一退の長期戦となった。

西郷

さいごう サイガウ 【西郷】
姓氏の一。

西郷

さいごう サイガウ 【西郷】
島根県隠岐郡,隠岐の中心の町。古来,商業・漁業が盛ん。飯ノ山古墳,国分寺跡など史跡が多い。

西郷

にしごう ニシガウ 【西郷】
福島県南部,西白河郡の村。阿武隈川上流域を占め,甲子(カツシ)高原は観光開発が進む。

西郷従道

さいごうつぐみち サイガウ― 【西郷従道】
(1843-1902) 軍人・政治家。薩摩藩の人。西郷隆盛の弟。渡欧して兵制を調査。1874年(明治7),台湾蕃地事務都督として台湾征討を強行。のち海相・内相を歴任。海軍大将・元帥。

西郷星

さいごうぼし サイガウ― [3] 【西郷星】
〔西南戦争があった1877年(明治10)9月,火星が大接近し明るく輝いた。人々がこの赤い星の中に西郷隆盛が見えるといったことから〕
火星の異名。なお,火星の近くにあった土星を西郷の参謀桐野利秋の名に因んで桐野星と呼んだ。

西郷札

さいごうさつ サイガウ― 【西郷札】
1877年(明治10)の西南戦争の際,西郷軍が戦費調達のために発行した紙幣。十円・五円・一円・五十銭・二十銭・十銭の六種が発行された。

西郷隆盛

さいごうたかもり サイガウ― 【西郷隆盛】
(1827-1877) 維新の三傑の一人。通称,吉之助。号は南洲。薩摩藩の下級藩士の出。島津斉彬(ナリアキラ)の知遇を受け,国事に奔走。第二次長州征伐以後,倒幕運動の指導者となり,薩長同盟に尽力。大総督府参謀として征東軍を指揮して東下,江戸城を無血開城させた。維新後,参議。のち,征韓論の議を唱えたが入れられず下野,西南戦争に敗れて城山で自刃。
→西南戦争

西都

さいと 【西都】
宮崎県中部の市。一ッ瀬川中流域の農林産物の集散地。西都原(サイトバル)古墳群がある。

西都

せいと [1] 【西都】
(1)西の都。例えば東の洛陽に対して,長安など。
(2)大宰府の別名。

西都原

さいとばる 【西都原】
宮崎県西都(サイト)市の西方に広がる洪積台地。

西都原古墳群

さいとばるこふんぐん 【西都原古墳群】
宮崎県西都原にある大小約三三〇基からなる古墳群。三二基の前方後円墳を含み,五,六世紀の成立と推定される。特別史跡。

西鉄

にしてつ 【西鉄】
⇒西日本鉄道(ニシニホンテツドウ)

西院

さいいん サイヰン 【西院】
〔宮殿・寺院などの西の一郭の意〕
淳和(ジユンナ)天皇が居住し,仁明天皇に譲位後も住した院。淳和院。現在も京都市右京区に地名として残る。

西院の帝

さいいんのみかど サイヰン― 【西院の帝】
淳和天皇の別名。

西陣

にしじん ニシヂン 【西陣】
〔応仁の乱の際,西軍の山名宗全の陣営が置かれたことから〕
京都市上京区にある機業地区。一条通り以北,堀川以西の地域をさす。家内工業的な機屋が集まり,近世以来絹織物業の中心地。

西陣織

にしじんおり ニシヂン― [0] 【西陣織】
京都西陣で織られる綾・錦・金襴・繻子(シユス)・緞子(ドンス)など高級絹織物の総称。応仁の乱後機業者が多く西陣に集まって発展した。

西面

にしおもて 【西面】
(1)西を向いていること。また,西の方角。西方。「(富士山ハ)わが生ひ出でし国にては―に見えし山なり/更級」
(2)建物や殿舎で,西向きの間(マ)。「職の御曹司の―の立蔀(タテジトミ)のもとにて/枕草子 49」
(3)「西面の武士」の略。「―,北面の者ども/宇治拾遺 12」

西面

さいめん [0] 【西面】
(1)西に向かうこと。西むき。せいめん。
(2)「西面の武士」の略。にしおもて。「ほくめん・―とて,侍を近く召し使はるることあり/承久軍物語」

西面

せいめん [0] 【西面】
⇒さいめん(西面)

西面の武士

さいめんのぶし 【西面の武士】
後鳥羽上皇が院の西面に伺候させた武士。北面の武士とともに院の警備,御幸の護衛,盗賊の追捕などの任にあたった。承久の乱以後廃止。さいめん。にしおもて。にしおもてのぶし。

西面の武士

にしおもてのぶし 【西面の武士】
⇒さいめんのぶし(西面の武士)

西風

せいふう [0] 【西風】
(1)西から吹く風。にしかぜ。
(2)秋風。

西風

にしかぜ [0] 【西風】
西方から吹いてくる風。
⇔東風(ヒガシカゼ)

西高東低型

せいこうとうていがた セイカウトウテイ― [0] 【西高東低型】
日本付近の気圧配置型の一。気圧が,西方の大陸方面で高く,東方の洋上で低くなっている。冬期に顕著で,日本海側の各地に季節風による降雪をもたらす。太平洋側では乾燥した晴天が続く。
⇔東高西低型

西魏

せいぎ 【西魏】
中国,北魏末期,宇文泰が北魏の一族である文帝を擁して,長安に建てた国(535-556)。陝西・甘粛を支配。子の宇文覚が北周を建て,西魏は二十余年で滅んだ。

西鶴

さいかく 【西鶴】
⇒井原(イハラ)西鶴

西鶴大矢数

さいかくおおやかず 【西鶴大矢数】
俳諧句集。五冊。井原西鶴作。1681年刊。前年5月,西鶴が大坂生玉(イクタマ)社別当南坊で興行した「大矢数四千句」(即吟で一日に四千句詠んだもの)を収める。

西鶴織留

さいかくおりどめ 【西鶴織留】
浮世草子。六巻。井原西鶴作。1694年刊。西鶴の遺稿を門人北条団水が編纂・刊行したもの。致富成功談を描いた前半「本朝町人鑑」と,人心の機微を追求した後半「世の人心」から成る。

西鶴置土産

さいかくおきみやげ 【西鶴置土産】
浮世草子。五巻。井原西鶴作。1693年刊。西鶴の遺稿を門人北条団水が編纂・刊行したもの。遊蕩の結果零落した人々の話を通して,遊客・遊女の品位や心意気を描く。

西鶴諸国はなし

さいかくしょこくはなし 【西鶴諸国はなし】
浮世草子。五巻。井原西鶴作。1685年刊。奇談・怪談など諸国の説話を集めたもので,西鶴の脚色により新鮮味をもったものも多い。

西麓

せいろく [0] 【西麓】
山の西側のふもと。

よう エウ [1] 【要】
(1)物事の大切な部分。物事のかなめ。
(2)必要であること。なくてはならないこと。「再考の―がある」「―のないお饒舌(シヤベリ)をするわけではない/婦系図(鏡花)」
→ようは
(3)名詞などの上に付いて,そのものが必要である意を表す。「―注意」「―確認」「―書類」

ぬみ 【要・要害】
(1)「ぬま{(1)}」に同じ。「毎に―の所に堅く塁塞(ソコ)を築け/日本書紀(敏達訓)」
(2)「ぬま{(2)}」に同じ。「安徳等が―の所を并せ取る/日本書紀(天智訓)」

かなめ [0] 【要】
(1)物事の最も大切な点や事柄,また人物。要点。「チームの―」「肝心―のところで失敗する」
(2)扇の骨を留めるのに用いる釘。また,扇のその場所。
(3)「要黐(カナメモチ)」の略。

かなめ【要】
(1) the rivet (of a fan).→英和
(2) the point (要点).→英和

ぬま 【要・要害】
(1)要害。要衝。ぬみ。「その拠る所並に―の地なり/日本書紀(景行訓)」
(2)大切なこと。要点。ぬみ。「およそ政の―は軍事なり/日本書紀(天武下訓)」

要す

よう・す エウ― [1] 【要す】 (動サ五)
■一■〔サ変動詞「要する」の五段化〕
「要する」に同じ。「厳重な注意を―・す」
■二■ (動サ変)
⇒ようする

要する

ようする【要する】
require;→英和
need <doing,to do> ;→英和
want <doing,to do> ;→英和
take (時・人などを);→英和
cost (金を).→英和
〜に in short;in a word;→英和
to sum up.

要する

よう・する エウ― [3] 【要する】 (動サ変)[文]サ変 えう・す
〔古くは「ようず」とも〕
(1)必要とする。求める。「全治一か月を―・する」「注意を―・する問題」「かぐや姫の―・じ給ふべきなりけり/竹取」
(2)待ち伏せをする。「途中に―・して之を奪ひ返さんと/経国美談(竜渓)」
(3)かいつまむ。要約する。「―・してこれを言へば/西国立志編(正直)」
→要するに

要するに

ようするに エウスル― [3] 【要するに】 (副)
要約して言えば。かいつまんで言えば。つまり。「―我々の力不足だったのだ」

要の木

かなめのき [5] 【要の木・金目の木】
要黐(カナメモチ)の別名。

要は

ようは エウ― 【要は】 (連語)
大切なのは。一番の要点となるのは。要するに。「―本人の努力次第だ」

要らざる

いらざる 【要らざる】 (連語)
不必要な。余計な。いらぬ。「―心配をする」

要らぬ

いら∘ぬ 【要らぬ】 (連語)
必要ない。余計だ。いらん。「―∘ぬお世話だ」

要らぬ

いらぬ【要らぬ】
needless;→英和
useless;→英和
superfluous;→英和
uncalled-for.〜世話をやく be meddlesome.〜おせっかいだ Mind your own business.

要る

いる【要る】
[人が主語]want;→英和
need;→英和
be[stand]in need of;[物が主語]be necessary;be needed;[時間・費用が]take;→英和
require;→英和
cost.→英和

要る

い・る [0] 【要る】 (動ラ五[四])
〔「入(イ)る」と同源〕
必要である。「燃焼させるには酸素が―・る」「そんなに時間は―・らない」「金が―・る」「もっと人手が―・る」

要を得ている

よう【要を得ている】
be to the point.→英和
〜するに in short;in a word;→英和
The point is….〜は All you have to do is….

要事

ようじ エウ― [0][1] 【要事】
必要な事柄。また,重要な事柄。

要人

ようじん【要人】
an important person;a leading figure; <話> a VIP.→英和

要人

ようじん エウ― [0] 【要人】
重要な地位にある人。特に政治上の要職にある人。「政府の―」

要件

ようけん【要件】
an important matter[business];[条件]an essential factor;a requisite <for> .→英和

要件

ようけん エウ― [3][0] 【要件】
必要な条件。欠くことのできない条件。「必要な―を書き込む」

要償

ようしょう エウシヤウ [0] 【要償】
損害の賠償を求めること。

要具

ようぐ エウ― [1] 【要具】
必要な道具。必要品。

要務

ようむ【要務(を帯びて)】
(on) urgent business[an important mission].

要務

ようむ エウ― [1] 【要務】
重要なつとめ。大切な仕事。

要否

ようひ エウ― [1] 【要否】
必要か否かということ。

要員

よういん【要員】
a worker;→英和
an employee;→英和
personnel (総称).→英和

要員

よういん エウヰン [0] 【要員】
ある事をなすのに必要な人員。

要因

よういん【要因】
a[an important]factor.→英和

要因

よういん エウ― [0] 【要因】
〔agent〕
物事が生じた,主要な原因。

要因証券

よういんしょうけん エウ― [5] 【要因証券】
証券上の権利の発生に,証券発行の原因となった法律関係が有効であることを必要とする有価証券。船荷証券・倉庫証券など。有因証券。
⇔無因証券

要図

ようず エウヅ [1] 【要図】
必要な事項だけを書いた地図。

要地

ようち【要地】
an important place;a strategic point.

要地

ようち エウ― [1] 【要地】
重要な土地。「戦略上の―」

要垣

かなめがき [3] 【要垣・金目垣】
要黐(カナメモチ)で造った生け垣。

要塞

ようさい エウ― [0] 【要塞】
戦略上の重要地点に設けられる,主に防衛を目的とした軍事施設。

要塞

ようさい【要塞】
a fortress;→英和
a stronghold.→英和
要塞地帯 a fortified zone.

要塞地帯

ようさいちたい エウ― [5][6] 【要塞地帯】
要塞とそのまわりの地域。軍事上の重要地域。

要塞都市

ようさいとし エウ― [5] 【要塞都市】
濠や城壁に囲まれた軍事拠点を中心に発達した都市。一三世紀から一四世紀にかけて主にフランスで建設された。

要害

ようがい【要害】
a fortress;→英和
a stronghold.→英和
要害堅固の unassailable;→英和
impregnable;→英和
unapproachable.→英和

要害

ようがい エウ― [0] 【要害】
(1)険しい地形で,敵の攻撃を防ぐのに便利なこと。また,その土地。「―の地」
(2)城塞。城郭。とりで。「天然の―」
(3)防御をかためること。用心すること。「様体みるに厳しく―して/浮世草子・武道伝来記 7」

要害

ぬま 【要・要害】
(1)要害。要衝。ぬみ。「その拠る所並に―の地なり/日本書紀(景行訓)」
(2)大切なこと。要点。ぬみ。「およそ政の―は軍事なり/日本書紀(天武下訓)」

要害

ぬみ 【要・要害】
(1)「ぬま{(1)}」に同じ。「毎に―の所に堅く塁塞(ソコ)を築け/日本書紀(敏達訓)」
(2)「ぬま{(2)}」に同じ。「安徳等が―の所を并せ取る/日本書紀(天智訓)」

要害の板

ようがいのいた エウ― 【要害の板】
兜(カブト)の眉庇(マビサシ)と鉢との接合部の内側にあてる薄い鉄板。

要害堅固

ようがいけんご エウ― [5] 【要害堅固】
地形がけわしく防備が固く,容易には破られないこと。「―の城」

要式

ようしき エウ― [0] 【要式】
一定の方式が必要とされていること。

要式行為

ようしきこうい エウ―カウヰ [5] 【要式行為】
婚姻・縁組・手形の振出のように,法規の定めた一定の方式に従って行わなければ不成立または無効となる法律行為。

要式証券

ようしきしょうけん エウ― [5] 【要式証券】
記載事項が法律で定められている有価証券。手形・小切手・株券など。

要役地

ようえきち エウエキ― [4][3] 【要役地】
〔法〕 地役権が設定されたとき,承役地から便益を受ける土地。

要心

ようじん [1] ヨウ― 【用心】 ・ エウ― 【要心】 (名)スル
万一に備えて警戒・注意すること。気をつけること。「火事を起こさぬよう―する」「―のため鍵をかける」「火の―」

要所

ようしょ エウ― [0][1] 【要所】
(1)重要な場所。大切な地点。「―を固める」
(2)重要な箇所。肝心な点。「―をおさえる」

要所

ようしょ【要所】
a key[an important]point.〜要所に at every strategic point.

要扼

ようやく エウ― [0] 【要扼】 (名)スル
敵を待ち伏せして食い止めること。「且其士必ず―に拠り/佳人之奇遇(散士)」

要指示医薬品

ようしじいやくひん エウシジ― [0] 【要指示医薬品】
薬事法の規定により,医師の処方箋なしで販売することを禁止されている医薬品。

要撃

ようげき エウ― [0] 【要撃】 (名)スル
〔「要」は待ち伏せする意〕
待ち伏せして攻撃すること。「おれと山嵐は二人の帰路を―しなければならない/坊っちゃん(漱石)」

要撃する

ようげき【要撃する】
attack by surprise;intercept (迎撃).→英和

要文

ようもん エウ― [0] 【要文】
文章の大切なところ。特に,経典の中の,重要な語句。

要斬

ようざん エウ― [0] 【腰斬・要斬】
(1)古代中国の刑罰で,腰の部分でからだを切断するもの。
(2)物事が中断すること。「士官次室の話は暫(シバ)し―となりぬ/不如帰(蘆花)」

要旨

ようし エウ― [1] 【要旨】
主な内容。述べようとする内容の主要な点を短くまとめたもの。「発言の―」

要旨

ようし【要旨】
⇒要点,要領,趣意.

要望

ようぼう エウバウ [0] 【要望】 (名)スル
物事の実現を強くのぞむこと。「道路の整備を―する」「―にこたえる」

要望

ようぼう【要望】
a demand[request,cry] <for> .→英和
〜する demand;request.→英和
〜に応じる meet the demand <of> .

要殺

ようさつ エウ― [0] 【要殺】
待ち伏せて,殺すこと。「其夜少将殿を―に及びたる/近世紀聞(延房)」

要求

ようきゅう エウキウ [0] 【要求】 (名)スル
(1)必要だとして,また当然の権利として強く求めること。「賃上げを―する」「時代の―」「相手の―をのむ」「―書」
(2)〔心〕「欲求{(2)}」に同じ。

要求する

ようきゅう【要求する】
demand;→英和
require;→英和
claim;→英和
request.→英和
〜に応じる meet a requirement[demand].〜に応じて at a person's request.→英和
〜を満たす fulfill the needs[requirements] <of> .→英和

要求払預金

ようきゅうばらいよきん エウキウバラヒ― [8] 【要求払預金】
⇒通貨性預金

要求水準

ようきゅうすいじゅん エウキウ― [5] 【要求水準】
課題を実行する際に目標とされる水準。

要法寺版

ようほうじばん エウホフジ― 【要法寺版】
慶長年間(1596-1615),京都要法寺から刊行された銅活字版の書物。「法華経伝記」「沙石集」「宝物集」「論語集解」などを開板した。

要注意

ようちゅうい エウ― [3] 【要注意】
注意・警戒が必要なこと。

要津

ようしん エウ― [0] 【要津】
重要な港。要港。

要港

ようこう【要港】
a strategic port.

要港

ようこう エウカウ [0] 【要港】
(1)交通・輸送・軍事・産業上重要な港。「東西貿易の―」
(2)旧海軍の基地の一。軍港より規模・機能ともに小さく,警備府が置かれた。

要点

ようてん【要点】
<grasp> the point;→英和
the gist.→英和

要点

ようてん エウ― [3] 【要点】
物事の中心となる大切な点。重要なポイント。「話の―をまとめる」

要無し

ような・し エウ― 【要無し】 ・ ヨウ― 【用無し】 (形ク)
必要がない。役にたたない。「身を―・き物に思ひなして/伊勢 9」

要物契約

ようぶつけいやく エウブツ― [5] 【要物契約】
効力の発生のために,当事者双方の合意だけではなく目的物の実際の給付を必要とする契約。消費貸借・使用貸借など。践成契約。
⇔諾成契約

要理

ようり エウ― [1] 【要理】
大切な教理や理論。「公教―」

要用

ようよう エウ― [0] 【要用】 (名・形動)[文]ナリ
(1)入り用であること。必要であること。重要であること。また,そのさま。「―の品」「社会の為めに―なるもの/民約論(徳)」
(2)大切な用件。重要な用件。要件。「先ずは―のみ」

要略

ようりゃく エウ― [0] 【要略】 (名)スル
(1)必要な部分をとり,必要でない部分は捨てること。要約。「さて―して演説せば/慨世士伝(逍遥)」
(2)あらまし。概略。

要目

ようもく エウ― [0] 【要目】
重要な項目。重要な事柄。

要石

かなめいし [3] 【要石】
(1)茨城県の鹿島神宮にある神石。根が深く,地震を鎮めているという。「ゆるぐともよもや抜けじの―/浄瑠璃・用明天皇」
(2)〔建〕 石や煉瓦でアーチを造る際,最後に頂点に入れて他を固定するための楔形(クサビガタ)の石。剣石。楔石。キーストーン。
(3)物事の支えとなる大切な事柄や人物。「是ぞお留守の―/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(4)「役石(ヤクイシ)」に同じ。
(5)露地の飛び石の一。他の石より少し高く据えてあり,この石の上から露地の景がよく眺められる。

要石

かなめいし【要石】
the keystone.→英和

要約

ようやく【要約】
a summary;→英和
a précis;a résumé;a recap.→英和
〜する summarize.→英和

要約

ようやく エウ― [0] 【要約】 (名)スル
(1)文章や話の要点を短くまとめること。また,まとめたもの。「講演の趣旨を―する」
(2)約束を結ぶこと。契約すること。

要約者

ようやくしゃ エウ― [4] 【要約者】
第三者のためにする契約において,第三者に対して債務を負担する者(諾約者)の相手方。

要素

ようそ【要素】
an element;→英和
a factor;→英和
a requisite (必要な).→英和

要素

ようそ エウ― [1] 【要素】
(1)物事を成り立たせているもの。また,物事の成り立ちに関与している成分や性質。
(2)集まっているもの,または組み合わさっているものの一つ一つ。それ以上分析できないもの。
(3)〔法〕 具体的な法律行為・意思表示において,その行為者に重要な意義をもつ部分。
(4)〔数〕 集合を構成している一つ一つのもの。元(ゲン)。
〔明治期に作られた語〕

要素価格

ようそかかく エウ― [4] 【要素価格】
労働についての賃金,資本についての利子,土地についての地代など,生産要素についての価格。

要素命題

ようそめいだい エウ― [4] 【要素命題】
ラッセルやウィトゲンシュタインの論理的原子論において,それ以上分析できない最小単位の命題を指す。要素命題が論理的に結合されることによって,複合命題(分子命題)が形作られる。原子命題。
→論理的原子論

要素所得

ようそしょとく エウ― [4] 【要素所得】
労働・土地・資本などの生産要素に対し,報酬として受け取る賃金・地代・利潤などの所得。

要素費用

ようそひよう エウ― [4] 【要素費用】
生産に貢献した労働・資本・土地などの生産要素に対して支払われる費用。

要綱

ようこう エウカウ [0] 【要綱】
根本的な,重要な事柄。また,そのような重要事項をまとめ上げたもの。「政策の―」

要綱

ようこう【要綱】
an outline.→英和

要緊

ようきん エウ― [0] 【要緊】 (名・形動)[文]ナリ
きわめて大切な・こと(さま)。緊要。「この五者…事業を成すには最も―にして/西国立志編(正直)」

要義

ようぎ エウ― [1] 【要義】
重要な意義。根本の意義。

要職

ようしょく【要職】
<be in> an important position.

要職

ようしょく エウ― [0] 【要職】
重要な職務。重要な地位。重職。

要脚

ようきゃく エウ― 【要脚】 ・ ヨウ― 【用脚】
(1)金銭。ぜに。おあし。[日葡]
(2)税金。「寺道場に―を懸け,僧物施料を貪る事を業とす/太平記 35」
(3)費用。入費。また,それに当てるための物品。「諸司―の公事正税/太平記 27」

要衝

ようしょう【要衝】
a strategic point (軍事上の);an important position.

要衝

ようしょう エウ― [0] 【要衝】
商業・交通・軍事などの点で,重要な場所。要地。「交通の―を占める」

要覧

ようらん【要覧】
a survey;→英和
an outline;→英和
[案内書]a handbook;→英和
a bulletin.→英和

要覧

ようらん エウ― [0] 【要覧】
資料を集めまとめて,要点がわかるようにした文書。「建築関係法規―」

要解

ようかい エウ― [0] 【要解】
要点をかいつまんで解説すること。多く書名などに用いられる。「―世界史」

要言

ようげん エウ― [0] 【要言】 (名)スル
要点をとらえた言葉。要語。

要訣

ようけつ エウ― [0] 【要訣】
物事をなすのに欠かせない大切な方法。物事の奥義。秘訣。

要証

ようしょう エウ― [0] 【要証】
立証の必要があること。

要証事実

ようしょうじじつ エウ― [5] 【要証事実】
証明を必要とする事実。刑事訴訟法上,厳格な証明が必要な,犯罪構成要件に該当する事実など。民事訴訟法上,当事者の主張する事実のうち争いのない事実や顕著な事実を除いたもの。

要語

ようご エウ― [0] 【要語】
重要なことば。要言。「―索引」

要説

ようせつ エウ― [0] 【要説】
要点を取り出して説明すること。また,そのもの。書名などに用いる。「物理学―」

要談

ようだん エウ― [0] 【要談】
重要な話し合い。大切な相談。

要請

ようせい【要請】
a demand;→英和
a request.→英和
〜する demand;claim;→英和
request.

要請

ようせい エウ― [0] 【要請】 (名)スル
(1)必要なこととして,実現を願い求めること。乞い求めること。「援助を―する」
(2)〔哲〕
〔(ドイツ) Postulat〕
公理ほど自明ではないが,証明なしに原理として立てられる命題。特にカントは,無条件的に妥当する道徳命令の根拠である人間の自由・魂の不死・神の存在を理論理性では証明しえないとしながらも,実践理性の要請としては確保した。公準。

要論

ようろん エウ― [0] 【要論】
重要な点を取り出して論じたもの。「経済学―」

要諦

ようてい エウ― [0] 【要諦】
物事の肝心なところ。ようたい。

要諦

ようたい エウ― [0] 【要諦】
〔「たい」は呉音〕
「ようてい(要諦)」に同じ。

要諦

ようてい【要諦】
the secret <of> .→英和

要路

ようろ エウ― [1] 【要路】
(1)重要な交通路。「交通の―を抑える」
(2)重要な地位。「政府―の人」「―にある」

要路

ようろ【要路】
an important road (道); <hold> an important position (地位).交通の〜に当たる be in the main artery of traffic.

要道

ようどう エウダウ [0] 【要道】
大切な方法。大切な教え。

要部

ようぶ【要部】
the main[important]part.

要項

ようこう エウカウ [0] 【要項】
必要な事項。また,それを書き記したもの。「入学者の募集―」

要項

ようこう【要項】
the gist;→英和
essential points.

要須

ようしゅ エウ― 【要須】
無くてはならないもの。必要。必須。「般若経は,此れ菩提の直道,往生の―也/今昔 7」

要領

ようりょう エウリヤウ [3] 【要領】
(1)物事の主要な部分。要点。
(2)物事をうまく処理する方法・手段。「機械取り扱い―」「―の悪い人」

要領

ようりょう【要領】
[要点]the (main) point;→英和
the gist;→英和
[大意]an outline;→英和
a summary.→英和
〜の良い(悪い)男 a shrewd (tactless) fellow.〜を得ている(いない) be (not) to the point.

要駅

ようえき エウ― [0] 【要駅】
交通上,重要な宿場や鉄道の駅。

要黐

かなめもち [3] 【要黐】
バラ科の常緑小高木。暖地に自生。庭木や生け垣とする。葉は厚く,長楕円形。若葉と落葉前の葉は赤い。五,六月,白色の小花を多数開く。材は堅く強く,扇の骨や,鎌(カマ)の柄,車軸などにする。アカメモチ。ソバノキ。

覆い

おおい オホヒ [0][3] 【覆い・被い・蔽い】
物が隠れるように,広げてかぶせたり,周りを囲ったりするもの。

覆い

おおい【覆い】
a cover;→英和
a covering <for a chair> .→英和
〜をする(とる) (un)cover.〜のある(ない) (un)covered.

覆い被さる

おいかぶさ・る オヒ― [5] 【覆い被さる】 (動ラ五[四])
「おおいかぶさる」に同じ。「大きな樹の枝が…二人の頭に―・る様に空を遮つた/門(漱石)」

覆い被さる

おおいかぶさ・る オホヒ― [6] 【覆い被さる】 (動ラ五[四])
上からつつむようにかぶさる。「思わず子供の上に―・る」

覆い被せる

おおいかぶ・せる オホヒ― [6] 【覆い被せる】 (動サ下一)
上からつつむようにかぶせる。「布を―・せる」

覆い隠す

おおいかく・す オホヒ― [5] 【覆い隠す】 (動サ五[四])
(1)上をおおって,外から見えないようにする。「顔を袖で―・す」
(2)物事を秘密にして他人に知られないようにする。「事実を―・す」
[可能] おおいかくせる

覆う

おお・う オホフ [0][2] 【覆う・被う・蔽う・蓋う・掩う】 (動ワ五[ハ四])
〔「覆(オ)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)物の上や外側に他の物をかぶせる。また,そうして守る。「車をシートで―・う」「耳を―・いたくなるような金属音」「事故の現場は目を―・うばかりの惨状であった」「目に髪の―・へるをかきはやらで/枕草子 151」
(2)一面に広がって包む。「夜の霧がロンドンの街を―・っていた」「人々の熱気が会場を―・う」
(3)本当の事がわからないように,つつみかくす。「彼の失敗は―・うべくもない事実だ」「自分の非を―・おうとして,言い逃れをする」
(4)(「一言でおおう」の形で)すべてをつつみ含む。全体を言い表す。「彼の思想は一言で―・えば…である」
[可能] おおえる

覆す

くつがえす【覆す】
upset;→英和
overturn;→英和
capsize <a ship> ;→英和
reverse <a judgment> ;→英和
overthrow <a theory> .→英和

覆す

くつがえ・す [3][4] 【覆す】 (動サ五[四])
(1)上下を逆にする。ひっくりかえす。「大波が船を―・す」
(2)国・政権・体制などを打ち倒す。滅ぼす。「現体制を―・す」「臣又君を―・す/平家 3」
(3)それまでのことなどを否定し,全面的に改める。「定説を―・す」「有罪判決を―・す」
〔「覆る」に対する他動詞〕
[可能] くつがえせる

覆す

ふく・す 【覆す】 (動サ変)
くつがえす。倒す。「奸党政府を―・せし一節は/経国美談(竜渓)」

覆ふ

お・う オフ 【覆ふ】 (動ハ四)
おおう。かぶせる。「上枝(ホツエ)は天(アメ)を―・へり,中つ枝はあづまを―・へり/古事記(下)」

覆る

くつがえ・る [3] 【覆る】 (動ラ五[四])
(1)上下が逆になる。ひっくりかえる。「天地が―・るような大騒ぎ」
(2)国・政権などが打ち倒される。滅びる。「何百年も続いた王制が―・る」
(3)それまでのことが否定されて,全面的に改まる。「一審判決が―・る」
(4)動詞の連用形に付いて,その意味を強める。「監(ゲン)の命婦めで―・りて,もとめてやりけり/大和 22」
〔「覆す」に対する自動詞〕

覆る

くつがえる【覆る】
be upset[overthrown];be capsized (船が).

覆下園

おいしたえん オヒシタヱン [4] 【覆下園】
茶の木に覆(オオ)いを施した茶園。柔らかい上質な葉が得られる。

覆刻

ふっこく フク― [0] 【覆刻・復刻】 (名)スル
書籍類で,原本そのままに新たな版を作って出版すること。また,その物。「稀覯本(キコウボン)を―する」

覆刻本

ふっこくぼん フク― [0] 【覆刻本・復刻本】
原本どおり新たに作った版で再版された本。覆刊本。

覆土

ふくど [2] 【覆土】 (名)スル
土をおおいかぶせること。

覆審

ふくしん [0] 【覆審】
上級審で第一審とは無関係に新たに審理し直すこと。また,その審級。旧刑事訴訟法上の控訴審は,この性格を備えていた。
→続審
→事後審

覆手

ふくしゅ [0] 【覆手・伏手】
〔「ふくじゅ」とも〕
琵琶(ビワ)の名所(ナドコロ)の一。腹板の下方に,隠月をおおうように取り付けて,弦の下端を止める板。

覆敗

ふくはい [0] 【覆敗】 (名)スル
くつがえりやぶれること。

覆水

ふくすい [0] 【覆水】
ひっくり返った容器からこぼれた水。

覆水盆に帰らず

ふくすい【覆水盆に帰らず】
It's no use crying over spilt milk.

覆没

ふくぼつ [0] 【覆没】 (名)スル
(1)艦船などがひっくり返って沈むこと。「大艦を波濤の間に―せしめたる/民約論(徳)」
(2)やぶれほろぶこと。敗滅。

覆滅

ふくめつ [0] 【覆滅】 (名)スル
完全に滅ぼすこと。また,完全に滅びること。「露国は其の艦隊を―せられ/此一戦(広徳)」

覆育

ふいく [0] 【覆育】 (名)スル
天地が万物をおおい育てること。ふくいく。

覆育

ふくいく [0] 【覆育】 (名)スル
「ふいく(覆育)」に同じ。

覆蓋

ふくがい [0] 【覆蓋】 (名)スル
おおいかぶせること。また,そのもの。

覆蔵

ふくぞう [0] 【腹蔵・覆蔵】
心の中に秘め隠すこと。

覆製

ふくせい [0] 【覆製】 (名)スル
「複製{(2)}」に同じ。

覆車

ふくしゃ [2] 【覆車】
車が転覆すること。また,その車。

覆載

ふうさい [0] 【覆載】
〔「ふう」は漢音〕
(1)天が万物をおおい,地が万物をのせること。また,天地や君主の恩恵のたとえ。
(2)転じて,天と地。宇宙。乾坤(ケンコン)。

覆輪

ふくりん [0] 【覆輪・伏輪】
(1)刀剣・甲冑(カツチユウ)・馬具・笛・陶磁器などの縁を包む金属や革。他の物との接触による傷みを防止するためのもの。装飾ともなるため,金銅・銀銅・砂張(サハリ)などが多く用いられた。
(2)女性の着物の八つ口・袖口などを他の布で細く縁どったもの。

覆轍

ふくてつ [0] 【覆轍】
〔ひっくりかえった車の轍(ワダチ)の意〕
前人の失敗。失敗の前例。「―を踏む」

覆鉢

ふくばち [2] 【伏鉢・覆鉢】
仏堂・仏塔の屋根の露盤の上や擬宝珠の下にある鉢を伏せた形をした部分。
→相輪

覆面

ふくめん【覆面】
a veil;→英和
a mask.→英和
〜する veil[mask] <one's face,oneself> .〜を脱ぐ unveil;→英和
unmask.→英和
〜の veiled;→英和
masked.→英和

覆面

ふくめん [0] 【覆面】 (名)スル
(1)顔面をおおいかくすこと。また,そのためのもの。「―(を)した賊が侵入する」
(2)神仏の供養や貴人への配膳に際して,布などで口をおおい息のかからないようにすること。また,そのためのもの。
(3)転じて,姓名や正体を隠して行動すること。「―批評」

覆面パトカー

ふくめんパトカー [7][6] 【覆面―】
俗に,外観を一般車両と同様にした警察車両をいう。

覆面頭巾

ふくめんずきん [5][6] 【覆面頭巾】
目だけを出し,あとは全部かくれるようにした頭巾。

は [1] 【覇】
(1)武力によって国を治めること。武力で諸侯を従え天下を治めること。覇道。
(2)競技などで優勝すること。「―を競う」
(3)ある範囲内での首領。
(4)旗頭(ハタガシラ)。

覇を唱える

は【覇を唱える】
reign <over> ;→英和
dominate.→英和
〜を争う struggle <with a person> for supremacy.

覇府

はふ [1] 【覇府】
覇者が政治を行う所。また,幕府。

覇業

はぎょう [0] 【覇業】
覇者となるための事業。武力によって天下を統一すること。「―を成しとげる」

覇業

はぎょう【覇業(を遂げる)】
(establish) supremacy <in,over> .→英和

覇権

はけん【覇権】
supremacy;→英和
leadership;→英和
championship;→英和
hegemony.→英和
〜を握る(争う) hold (fight for) supremacy.‖覇権主義 hegemonism.

覇権

はけん [0] 【覇権】
(1)〔hegemony〕
覇者としての権力。他の者に勝って得た権力。「―を握る」「―主義」
(2)競技などで優勝して得た栄誉。「リーグ戦の―をかける」

覇気

はき【覇気】
ambition.→英和
〜のある ambitious.→英和

覇気

はき [1] 【覇気】
(1)進んで事に当たろうとする意気込み。「若者らしい―に欠ける」
(2)覇者になろうという気持ち。人に勝ってのし上がろうとする野望。野心。

覇王

はおう [2] 【覇王】
武力で諸侯を従えて,天下を治める人。

覇王樹

サボテン [0] 【仙人掌・覇王樹】
〔語源には,(ポルトガル) sabão(石鹸(セツケン))と関連づける説などがある〕
サボテン科の多肉植物の総称。南北アメリカ大陸などの乾燥地に二〇〇〇以上の種がある。茎は緑色で多肉,柱状・球状・板状等になって茎節に分かれ,茎節に葉の退化した刺(トゲ)がある。多くは夏に美しい花をつけ,観賞用として広く栽培される。カクタス。シャボテン。[季]夏。《―の奇峰を愛す座右かな/村上鬼城》

覇王樹

はおうじゅ [2] 【覇王樹】
サボテンの異名。

覇者

はしゃ【覇者】
a ruler;→英和
a champion.→英和

覇者

はしゃ [1] 【覇者】
(1)競技で優勝した者。
(2)中国,春秋時代の諸侯の盟主。周王室の権威が衰え諸侯の争いが続くと,諸侯を統率し戦乱をしずめようとした。のち,儒家により覇道をもって天下を治める者とされた。
⇔王者
→五覇

覇道

はどう [1] 【覇道】
武力・策略などで国を治めること。
⇔王道

み 【見】
(1)見ること。他の語と複合して用いる。「花―」「月―」
(2)ながめ。「山見れば―のともしく川見れば―のさやけく/万葉 4360」

けん [1] 【見】
(1)ものの見方。考え。見識。「皮相の―」「何事につけても,人に殊なる―を立て/即興詩人(鴎外)」
(2)遊里をひやかすこと。素見(スケン)。「茶屋の戸をたたきて,遊女の―して帰る/浮世草子・娘容気」
(3)見所(ミドコロ)。「餞別となしてなほ―あり/去来抄」

見え

みえ【見え】
show;→英和
display;→英和
vanity (虚栄);→英和
a pose (俳優の).→英和
〜をきる pose.〜を張る show off;make a vain display.〜に <do a thing> for show.‖見え坊,見えっ張り a vain person.

見え

みえ [2] 【見え・見栄・見得】
〔動詞「見える」の連用形から。「見栄」「見得」は当て字〕
(1)見た目。外見。みば。みかけ。体裁。「―を飾る」
(2)人の目を気にして,うわべ・外見を実際よりよく見せようとする態度。《見栄》「―でピアノを買う」「―坊」
(3)歌舞伎の演技・演出の一。劇的感情が高まったとき,俳優が,一時その動きを静止してにらむようにポーズをとること。《見得》

見え

まみえ [3] 【目見え・見え】
まみえること。面会すること。

見えざる手

みえざるて [3][1] 【見えざる手】
⇒神(カミ)の見えざる手(「神」の句項目)

見えしらがふ

みえしらが・う 【見えしらがふ】 (動ハ四)
わざと人目にたつようにふるまう。「つねに―・ひありく/枕草子 87」

見える

まみえる【見える】
see;→英和
meet;→英和
have an interview <with> .→英和

見える

みえる【見える】
(1)[目にうつる][人が主語]see;→英和
[物が主語]be seen.(2)[…と思われる]look <young> ;→英和
look like <a teacher> ;seem <(to be) tired> .→英和
目に見える(見えない) be (in)visible.見えない be missing (紛失).
見えなくなる disappear.→英和
見えてくる appear;→英和
come into view.

見える

み・える [2] 【見える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 み・ゆ
(1)目に物の形などが感じられる。
 (ア)物が視界の中にある。目にうつる。目にはいる。「この部屋からは海がよく―・える」「声はすれども姿は―・えず」
 (イ)目で知覚できる。見ることができる。「黒板の字がよく―・えない」「今夜は星がよく―・える」
 (ウ)(文または句を受けて)…が…するのが目で見て知覚される。「子供がこっちへ走ってくるのが―・える」「奈呉の海人の釣する小舟漕ぎ隠る―・ゆ/万葉 4017」「箱根路を我が越え来れば伊豆の海や沖の小島に波の寄る―・ゆ/金槐(雑)」
(2)見たところ,様子が…であると感じられる。
 (ア)ある物が…のように感じられる。…みたいだ。「白い雲が羊のように―・える」「一見,強そうに―・える」「落ちそうに―・えて落ちない」「実際よりもふけて―・える」
 (イ)見て判断される。…と見受けられる。「これからどこかへ出かけるところと―・える」「よほどくやしかったと―・えて涙を流していた」
(3)抽象的なものの存在がわかる。見て取れる。看取される。「工夫の跡が―・える」「少しも反省の色が―・えない」「景気回復のきざしが―・えてきた」
(4)「来る」の尊敬語。おいでになる。「お客さんがお―・えです」
(5)他の人に見られる。「此の朝臣に―・ゆるこそ恥かしけれ/宇津保(蔵開中)」
(6)他人に見せる。「(男達ハカグヤ姫ニ対シテ)あながちに心ざしを―・えありく/竹取」
(7)貴人に対面する。会う。まみえる。「(亡クナッタ殿ニ)―・えにたるか,いかに,と言ヘば/宇治拾遺 15」
(8)妻になる。結婚する。「あひおぼさざりける人に―・えけることと,いとつらく思ひたれば/落窪 1」
[慣用] 先が―・目に―・山が―

見える

まみ・える [3] 【見える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 まみ・ゆ
〔目(マ)見ゆの意〕
(1)「会う」の意の謙譲語。お目にかかる。「閣下に―・える」
(2)顔を合わせる。対面する。「敵と相―・える」
(3)妻として夫につかえる。「貞女は二夫(ジフ)に―・えず/平家 9」

見え分く

みえわ・く [0][3] 【見え分く】 (動カ五[四])
見分けがつく。はっきり見える。「頂きは,全く狭霧に包まれて―・かず/あめりか物語(荷風)」

見え坊

みえぼう [3][0] 【見え坊】
外見を飾って人によく見られようとする者。みえっぱり。

見え掛かり

みえがかり [3] 【見え掛(か)り】
建築の部材の,目に見える部分。

見え掛り

みえがかり [3] 【見え掛(か)り】
建築の部材の,目に見える部分。

見え渡る

みえわた・る [0][4] 【見え渡る】 (動ラ五[四])
一面に見える。全体にわたって見える。「奇怪峭絶(シヨウゼツ)なる姿は,手にも取らるる如く―・れり/日光山の奥(花袋)」

見え紛ふ

みえまが・う 【見え紛ふ】 (動ハ四)
区別がつかないように見える。「おなじ赤色を着給へれば,いよいよ一つものとかがやきて,―・はせ給ふ/源氏(乙女)」

見え見え

みえみえ [0] 【見え見え】 (名・形動)
相手の意図が見えすいている・こと(さま)。「魂胆(コンタン)が―だ」

見え返る

みえかえ・る 【見え返る】 (動ラ四)
繰り返し見える。「我が背子が夢(イメ)に夢(イメ)にし―・るらむ/万葉 2890」

見え透いた

みえすいた【見え透いた】
transparent[palpable] <lie> ;→英和
flimsy[poor] <excuse> ;→英和
shallow.→英和

見え透く

みえす・く [0][3] 【見え透く】 (動カ五[四])
(1)すきとおって底や向こう側まで見える。「硝子越に彼方から―・くのを/婦系図(鏡花)」
(2)本心・結果などがよくわかる。「―・いたお世辞」「今年も飽気なく過ぎてしまふのが―・くやうに思はれた/泥人形(白鳥)」

見え隠れ

みえかくれ [0][3] 【見え隠れ】 (名)スル
(1)〔「みえがくれ」とも〕
見えたり,見えなくなったりすること。「―にあとをつける」「太陽が雲間に―する」
(2)建築の部材の,目に見えない部分。

見え隠れに跡をつける

みえがくれ【見え隠れに跡をつける】
shadow <a person> .→英和

見え難い

みえにく・い [4] 【見え難い】 (形)[文]ク みえにく・し
(1)はっきり見えない。見にくい。見づらい。「黒板の字が―・い」「表通りからは―・い場所」
(2)わかりにくい。「外部からは―・い結論の出し方」
(3)対面するのが気づまりである。「おぼろけの人―・き御気色をも知らず/源氏(常夏)」

見がてら

みがてら 【見がてら】 (連語)
見ることを兼ねて。見かたがた。「月を―散歩してくる」

見がてり

みがてり 【見がてり】 (連語)
「みがてら」に同じ。「山辺の御井を―神風の伊勢娘子(オトメ)ども相見つるかも/万葉 81」

見が欲し

みがほ・し 【見が欲し】 (形シク)
〔「がほし」は接尾語〕
見ることが望ましい。見たい。「我が―・し国は葛城高宮吾家(ワキエ)のあたり/古事記(下)」

見こなす

みこな・す 【見こなす】 (動サ四)
見くびる。あなどる。「小人数なりと―・して/浄瑠璃・先代萩」

見さい

みさい 【見さい】 (連語)
〔「さい」は助動詞「さる」の命令形〕
見なさい。御覧なさい。「金津の地蔵の金津の地蔵のお立ちやつた―な―な/狂言・金津地蔵(三百番集本)」

見す

み・す 【見す】
■一■ (動サ四)
「見る」の尊敬語。御覧になる。「御諸が上に登り立ち我が―・せば/日本書紀(継体)」
■二■ (動サ下二)
⇒みせる

見す

め・す 【見す・看す】 (動サ四)
(1)「見る」の尊敬語。御覧になる。御覧遊ばす。「大君の―・しし野辺には標(シメ)結ふべしも/万葉 4509」
(2)「治める」の尊敬語。統治なさる。「食(オ)す国を―・したまはむと/万葉 50」

見す見す

みすみす [0] 【見す見す】 (副)
(1)(悪い状況について)目の前で見ていたり,そうなるとわかっていながら,どうしようもないこと。「―チャンスをのがす」
(2)見ているうちに。目の前で。「船形は―眼界より消え去れり/浮城物語(竜渓)」

見す見す

みすみす【見す見す】
[面前で]before one's own eyes;under one's nose.

見ず

けん・ず 【見ず】 (動サ変)
見る。わかる。「あれ��あの森を―・じ給へ/滑稽本・人間万事虚誕計」

見ず知らず

みずしらず [1] 【見ず知らず】
一度も会ったことや見たことがなく,知らないこと。「―の人」

見ず知らずの

みずしらず【見ず知らずの】
strange.→英和
〜の人 a stranger <to one> .→英和

見せしめ

みせしめ [0] 【見せしめ】
〔「しめ」は使役の助動詞「しむ」の連用形から〕
悪いことをした人を罰して人に見せ,他の人やその人のいましめとすること。「―のためにみんなの前でしかる」「今後の―にきびしく罰する」

見せつける

みせつける【見せつける】
⇒見せびらかす.

見せばや

みせばや [0] 【見せばや】
ベンケイソウ科の多年草。小豆島に自生。観賞用に栽培。全体に多肉質。葉は円形で三個ずつ輪生。秋,枝頂に多数の淡紅色の花が球状につく。タマノオ。[季]秋。

見せびらかす

みせびらか・す [5] 【見せびらかす】 (動サ五[四])
自慢そうに見せる。「指輪を―・す」

見せびらかす

みせびらかす【見せびらかす】
show off;display;→英和
make a parade of.

見せる

みせる【見せる】
show;→英和
display (展示);→英和
consult <a doctor> .→英和

見せる

み・せる [2] 【見せる】 (動サ下一)[文]サ下二 み・す
(1)人に見させる。示して見えるようにする。「掛軸を―・せる」「庭を―・せてもらう」「手のうちを―・せる」
(2)おもてに表し出す。「疲れを―・せる」「誠意を―・せる」
(3)こうむらせる。よくわからせる。「憂き目を―・せる」「目にもの―・せる」
(4)それらしく見えるようにする。「若く―・せる」「長身に―・せる」
(5)診察させる。「医者に―・せる」
(6)(女を男に)結婚させる。めあわせる。「親王達にこそは―・せ奉らめ/源氏(若菜下)」
(7)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て」を添えた形に付いて用いられる。
 (ア)ある動作を人に見えるようにわざわざする意を表す。「絵に描いて―・せる」「大げさに驚いて―・せる」
 (イ)話し手の強い意志を表す。「来年の今月今夜になつたならば,僕の涙で必ず月は曇らして―・せるから/金色夜叉(紅葉)」
[慣用] 後ろを―・白い歯を―・泣きを―・目に物―

見せ付ける

みせつ・ける [0][4] 【見せ付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みせつ・く
(1)自慢らしくわざと人に見せる。これ見よがしにする。「仲のよいところを―・ける」
(2)ひどい目にあわせる。「町人を―・け百姓を威し/仮名草子・浮世物語」

見せ勢

みせぜい 【見せ勢】
敵を欺くための,見せかけの軍勢。見せ備え。「郷民を大勢かりて―となし/常山紀談」

見せ場

みせば [3][0] 【見せ場】
芝居などで,役者が得意としている場面。また,その芝居の最も盛り上がった場面。転じて,見るだけの価値のある場面。「―をつくる」

見せ所

みせどころ [3] 【見せ所】
是非とも見てほしい得意の場面。「ここが腕の―」

見せ掛け

みせかけ [0] 【見せ掛け】
外見。うわべ。見てくれ。「―ばかりよくしたみやげ物」「―だけの涙を流す」

見せ掛け

みせかけ【見せ掛け】
show;→英和
pretense.→英和
〜の make-believe;feigned.

見せ掛ける

みせかける【見せ掛ける】
[…に見えるようにする]make <a thing> look (like);[…のふりをする]pretend <to be ill> ;→英和
feign <madness> .→英和

見せ掛ける

みせか・ける [0][4] 【見せ掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みせか・く
実際はそうではないのに,そう見えるようにする。うわべだけを取りつくろう。「金持ちのように―・ける」「純金のように―・ける」

見せ旗

みせばた [2] 【見せ旗】
合戦などで,敵に,味方が大勢いるように見せかけるために立てる旗。

見せ消ち

みせけち [0] 【見せ消ち】
写本などで字句を訂正する場合,塗りつぶしてしまわず,消した字句も読めるようにした消し方。訂正する字句のそばに符号をつけたり,または字句の上に細い線を引くなどする。

見せ金

みせがね [0] 【見せ金】
商売などで,相手を信用させるために見せる現金。みせきん。

見せ鞘

みせざや [0] 【見せ鞘】
短い腰刀の鞘を包む長い袋。腰に下げたとき,鞘より長い部分が折れ曲がって垂れるように作ったもの。提げ鞘。

見たくでもない

みたくでもな・い 【見たくでもない】 (連語)
〔近世江戸語。「見たくない」を強めた言い方〕
みっともない。みにくい。「年(ネン)が年百(ネンビヤク)くさ��してゐるだ。ほんに��見たくでもねえ/滑稽本・浮世風呂 2」

見たむない

みたむな・い 【見たむない】 (形)
〔中世語〕〔「見たうもない」の転〕
みっともない。見苦しい。「その―・い髭をいかう自慢に思はるるさうな/狂言・髭櫓(三百番集本)」

見たようだ

みた∘ようだ 【見たようだ】 (連語)
〔動詞「みる(見る)」に完了の助動詞「た」を添えた「見た」に比況の助動詞「ようだ」の付いたもの。近世後期から明治期へかけての語〕
(1)比べたとえていう意を表す。「小説―∘やうな話があるといふのさ/腕くらべ(荷風)」「売薬屋の銅人形―∘やうに看板にされたばかりもつまらねえぢやあねえか/滑稽本・浮世風呂 3」「百で買た馬か磁石(ギシヤク)の剣を―∘やうに横倒しに寝そべつ居て/滑稽本・浮世風呂 2」
(2)例として示す意を表す。「己れ―∘やうな変な物が世間にも有るだらうかねえ/わかれ道(一葉)」「お前―∘やうにそう無暗に二郎の口車に乗つちやいけないよ/行人(漱石)」
〔近世江戸語では「を見たようだ」の形で多く用いられたが,のちに「を」を伴わずに体言に直接つづけて用いるようになった。この語の転として,明治中期以降,助動詞「みたいだ」が成立した〕
→みるようだ(連語)
→みたいだ(助動詞)

見た所

みたところ [1] 【見た所】
外側から見たようす。外見。

見た目

みため [1] 【見た目】
外部から見た姿・ようす。外観。外見。「―がいい」「―には仲のよさそうな夫婦」

見てくれ

みてくれ【見てくれ】
⇒体裁.

見ての極楽(ゴクラク)住みての地獄(ジゴク)

見ての極楽(ゴクラク)住みての地獄(ジゴク)
外から見るのと実際に体験するのとでは大きな違いのあるたとえ。聞いて極楽見て地獄。

見ての通り

見ての通り
(他人が)見たとおり。「―の貧乏暮らしだ」

見て取る

みてとる【見て取る】
perceive;→英和
see through;grasp <the situation> .→英和

見て取る

みてと・る [1] 【見て取る】 (動ラ五[四])
見てさとる。見破る。看破する。「敵の動きを―・る」「にせものと―・る」
[可能] みてとれる

見て呉れ

みてくれ [0] 【見て呉れ】
〔「これを見てくれ」と人の注意を促す意〕
(1)外側から見たようす。外見。見かけ。体裁。「―は悪いが味はいい」「―ばかり気にする」
(2)他人の目に立つような行為。「諸事―を専として/洒落本・つれつれ睟か川」

見て見ぬ振り

見て見ぬ振り
実際に見ても見なかったように振る舞うこと。知らんぷり。また,とがめないで見のがすこと。

見とうもない

みとうもな・い ミタウ― [2] 【見とうもない】 (形)[文]ク みたうもな・し
〔「見たくもない」の転〕
(1)見たいとも思わない。
(2)みっともない。「我身の年寄りて―・い事をば/三体詩抄」

見ぬが花

見ぬが花
実際に見ると想像していたほどではないから,期待している間がいちばんよい。聞かぬが花。

見ぬ京(キヨウ)の物語(モノガタリ)

見ぬ京(キヨウ)の物語(モノガタリ)
知らぬことを知っているふりをして話すこと。

見ぬ商(アキナ)いはできぬ

見ぬ商(アキナ)いはできぬ
品物を見なければ売買はできない。実物を見なければ判断できない。

見ぬ振りをする

みぬふり【見ぬ振りをする】
pretend not to see;connive <at> .→英和

見ぬ=こと

見ぬ=こと(=もの)清し
見なければ,きたない物事も気にならない。

見も知らぬ

見も知らぬ
見たことがない。全く知らない。「―人」

見ゆ

み・ゆ 【見ゆ】 (動ヤ下二)
⇒みえる

見ゆ

まみ・ゆ 【見ゆ】 (動ヤ下二)
⇒まみえる

見よかし

みよかし [3] 【見よかし】 (形動)[文]ナリ
〔「見る」の命令形に終助詞「かし」の付いた語。「みよがし」とも〕
これを見よと言わんばかりに見せびらかすさま。これ見よがし。「故意(ワザ)と其手紙に封をせずに明けて―にしてあるから/福翁自伝(諭吉)」

見よかし顔

みよかしがお 【見よかし顔】
これ見よがしな顔つき。「―に桜子の花のよそ目もねたましや/謡曲・三山」

見られたものではない

見られたものではない
あまりにお粗末で,まともに見ることができない。

見られる

み∘られる 【見られる】 (連語)
〔動詞「見る」に助動詞「られる」が付いたもの〕
(1)見える。ある状態が認められる。そのように考えられる。「反省の色が―∘られない」「会談を牽制(ケンセイ)するねらいと―∘られる」
(2)見るに値する。「最近は―∘られる番組が少ない」

見る

みる [1] 【見る】 (動マ上一)[文]マ上一
□一□
(1)視覚によって,物の形・色・様子などを知覚する。「建物を正面から〈みる〉」「〈み〉たことのない鳥がいる」「不正を〈み〉て〈み〉ないふりをする」「〈みる〉からに強そうな男」「しばらく〈み〉ないうちにずいぶん変わった」「〈みる〉も無残な最期」
(2)(「観る」とも書く)風景などを,そこへ出かけていって楽しむ。見物する。「桜を〈み〉に行く」
(3)(「観る」とも書く)芝居や映画,スポーツの試合などを鑑賞する。「まだ歌舞伎を〈み〉たことがない」「内野席で野球を〈みる〉」
(4)文字・図などによって表されている内容を理解する。「朝刊はまだ〈み〉ていない」「心電図を〈みる〉」
(5)存在を確認する。認める。ある。「みられる」の形で用いることが多い。「まれに〈みる〉秀才」「昔の農家に多く〈み〉られる間取り」
(6)判断を下すために,物事の状態などを調べる。「雲を〈みる〉」「相手の出方を〈みる〉」「様子を〈みる〉」「味を〈みる〉」「湯かげんを〈みる〉」
(7)
 (ア)判断する。評価する。「世間を甘く〈みる〉」「人を〈み〉て法を説く」
 (イ)(「診る」とも書く)医者が体の様子を調べ,健康状態を判断する。診断する。「患者を〈みる〉」
 (ウ)うらなう。「手相を〈みる〉」
 (エ)鑑定する。「彼が〈み〉て一休の書というのだから確かだろう」
 (オ)(「…からみて」などの形で)その立場に立って判断することを表す。…からいうと。「私から〈みる〉とどっちもどっちだ」「全体として〈みれ〉ばよくできている」(カ)(「…にみる」の形で)ある限られた範囲を対象として結果・結論を導く。「流行歌に〈みる〉世相」「若者に〈みる〉敬語意識」
(8)(「看る」とも書く)悪い事態にならないよう,気を配って世話をする。「買い物に行っている間,この子を〈み〉ていて下さい」「入院中の親の面倒を〈みる〉」「かの御かはりに〈み〉奉らむ/源氏(玉鬘)」
(9)責任をもって指導・助言をする。「息子の勉強を〈み〉てもらう」「子会社の経理も〈みる〉ことになった」
(10)好ましくないことを身に受ける。経験する。「失敗の憂き目を〈みる〉」「馬鹿を〈みる〉」「痛い目を〈みる〉」
(11)動作・作用が実現する。「完成を〈みる〉」「なかなか意見の一致を〈み〉ない」
(12)会う。特に,異性と会う。また,男女の交わりをする。「今は〈み〉きとなかけそ/源氏(帚木)」
(13)夫婦として暮らす。「さやうならむ人をこそ〈み〉め/源氏(桐壺)」
□二□(補助動詞)
(1)動詞の連用形に助詞「て(で)」を添えた形に付いて用いられる。
 (ア)(意志動詞に付いて)ある動作を試みにする意を表す。ためしに…する。古語では,助詞「て」を伴わず,動詞の連用形に直接付いた形でも用いることがある。「ノートに要旨を書いて〈みる〉」「旅行にでも行って〈み〉たくなった」「ちょっとつまんで〈みる〉」「男もすなる日記といふものを,女もして〈み〉むとてするなり/土左」「いざ都へと来てさそひ〈みよ〉/和泉式部日記」
 (イ)(無意志動詞にも付いて,「…てみると」「…てみれば」「…てみろ」などの形で用いられる)その運動がなされることを条件として,結果として新しい事態や認識が起こることを表す。「なるほど,そう言われて〈みれ〉ば,本当にそうだ」「気がついて〈みる〉と,すっかり人通りがとだえていた」
(2)名詞に助詞「で」を添えた形に付いて,「…である」の意に用いられる。
 (ア)(「…でみれば」「…でみると」などの形で)「…であるので」「…だから」の意を表す。「後家で〈みれ〉ば何もさほどの不義といふのでもあるまい/人情本・いろは文庫」
 (イ)(下に命令または放任の言い方を伴って)「もし…であったら」の意を表す。「あれが外の者で〈み〉ねえ,どんなに気の毒だか知れやあしねえ/滑稽本・七偏人」
[慣用] 足下(アシモト)を―・大目に―・血を―・泣きを―・日の目を―・目八分に―・余所(ヨソ)に―/様(ザマ)をみろ・それみたことか

見る

みる【見る】
(1)[目で]see;→英和
look <at> ;→英和
glance <at> (ちらりと見る);→英和
gaze <at> (じっと見る).→英和
(2)[観察]observe;→英和
watch;→英和
inspect (視察).→英和
(3)[見物]⇒見物.
(4)[読む]read <the paper> ;→英和
see.(5)[調べる]look over <the papers> ;examine;→英和
consult <a dictionary> .→英和
(6)[世話する]take care of;look after.(7)[…してみる]try <to do,and do> .→英和
〜間に in a moment.→英和
〜に堪えない cannot bear the sight <of> .→英和
見たところ apparently;→英和
at first sight (ちょっと見ると).
私の見たところでは in my opinion.…から〜[判断する]と judging from….
…するところを〜と seeing that….
どこから見ても in every respect.

見るから

みるから [1] 【見るから】 (副)
(多く「に」を伴って用いる)
(1)ちょっと見るだけで。一見してそれらしくみえるさま。「―に強そうな男」「―枯燥して憐れげであった/土(節)」
(2)見るとそのまま。見るとすぐ。「古への野中の清水―にさしぐむものは涙なりけり/後撰(恋四)」

見るからに

みるからに【見るからに】
obviously;→英和
evidently.→英和

見ると聞くとは大違い

見ると聞くとは大違い
話に聞いていたのと実際に見るのとでは大変な違いがあること。実見してみると伝え聞いていたより劣っている時に用いることが多い。

見るなの座敷

みるなのざしき 【見るなの座敷】
昔話の一。一軒家に泊まった旅の男が,戒めを破って禁断の部屋をのぞいたために幸福を失うというもの。

見るに堪え∘ない

見るに堪え∘ない
(1)ひどくて見ていられない。見られたものではない。
(2)見るに忍びない。

見るに忍び∘ない

見るに忍び∘ない
あまりに気の毒で見ていられない。

見るに見かねる

見るに見か・ねる
見ていて堪えられない。「―・ねて手助けする」

見るも

みるも [1] 【見るも】 (副)
見ただけでも。見た目にも。程度の甚だしいさまを表す。「―無惨な姿」「―気の毒なほど…」

見るようだ

みる∘ようだ 【見るようだ】 (連語)
〔動詞「見る」に比況の助動詞「ようだ」の付いたもの。近世江戸語〕
比況の意味で,くらべたとえて言うのに用いられる。「この大ぜいの連中がそこや爰(ココ)にかたまつた所は,白魚のねはんを―∘やうだね/洒落本・通仁枕言葉」「この浄瑠璃本の三勝を―∘やうなわたしの身のうへ/人情本・娘節用」「色のなまじらけた日影の瓢箪―∘やうなしやつつらだ/滑稽本・膝栗毛 8」
〔「を見るようだ」の形で多く用いられたが,時に「を」を伴わずに体言に直接つづけて用いることもあった。近世江戸語では,「(を)見たようだ」の形も行われ,のちには「見たようだ」のほうが一般化し,明治期にも用いられ,助動詞「みたいだ」の原形となった〕
→みたようだ(連語)

見る可き

みるべき 【見る可き】 (連語)
(1)見る値打ちがあるほどすぐれているさま。「これらの作品には―ものがある」
(2)特にそれとはっきり見えるような。「―成果が上がらない」

見る影も無い

見る影も無・い
見るに堪えないほどみすぼらしい。

見る目

みるめ [1] 【見る目】
(1)他人の目。はた目。おもわく。「―を気にする」「人の―がうるさい」
(2)物事を見ぬく能力。鑑識眼。「―がある」「―なし」
(3)物事の見方。視点。「―を変える」
(4)会うこと。会う機会。「―の難く,行きあふせあるまじき事/とりかへばや」
(5)見た様子。見た目。外見。「この源氏,ただ今の―よりも/宇津保(藤原君)」

見る目がない

みるめ【見る目がない】
have no eye <for beauty> .

見る見る

みるみる [1] 【見る見る】 (副)
〔動詞「見る」を重ねた語〕
(1)見ているうちに。たちまち。「―うちにたいらげる」「―火が燃え広がる」
(2)見ながら。「むなしき御からを―,なほおはするものと思ふが,いとかひなければ/源氏(桐壺)」

見る間に

みるまに 【見る間に】 (連語)
見ているうちに。見る見る。「―雲が広がった」「船は―海中に消えた」

見れば目の毒(ドク)

見れば目の毒(ドク)
見なければ欲望も起こらないのに,見ると欲しくなるから身のためによくない。

見れば見るほど

見れば見るほど
よく見るとなおいっそう。程度のはなはだしいさまを表す。「―よくできている」

見れる

み・れる [2] 【見れる】 (動ラ下一)
上一段動詞「見る」の可能動詞で,五段動詞「書く」「読む」の可能動詞「書ける」「読める」などからの類推でできた語。本来は「みられる」というべきもの。見ることができる。「舞台はここからでもよく―・れる」

見ん事

みんごと [1] 【見ん事】 (副)
「見事」を強めた言い方。「―罰も当たらず/浄瑠璃・大職冠」

見丁

けんちょう 【見丁】
〔仏〕 御修法(ミシホ)に用いる花香・乳木(ニユウモク)を採取する僧の役名。

見上げる

みあ・げる [0][3] 【見上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 みあ・ぐ
(1)下から上を見る。仰ぐ。「空を―・げる」
(2)立派だと思う。
⇔見下げる
「―・げた度胸だ」

見上げる

みあげる【見上げる】
look up <at,to> .〜ような towering.→英和

見下げる

みさ・げる [0][3] 【見下げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 みさ・ぐ
軽蔑する。見くだす。
⇔見上げる
「相手を―・げた目つき」

見下げる

みさげる【見下げる】
⇒見下(みくだ)す.

見下げ果てた

みさげはてた【見下げ果てた】
mean;→英和
contemptible.→英和

見下げ果てる

みさげは・てる [5][0] 【見下げ果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 みさげは・つ
極度に軽蔑する。「人さまのものに手を出すとは―・てたやつだ」

見下す

みくだ・す [0][3] 【見下す】 (動サ五[四])
(1)相手を自分より劣っていると思う。こばかにする。見さげる。「人を―・したような態度をとる」
(2)下の方を見る。見おろす。「縦に十和田湖を―・さずんば/十和田湖(桂月)」
[可能] みくだせる

見下す

みくだす【見下す】
look down on;despise.→英和

見下ろす

みおろす【見下ろす】
look down <at,upon> ;overlook.→英和

見下ろす

みおろ・す [0][3] 【見下ろす】 (動サ五[四])
(1)上から下を見る。「山頂から―・す」
(2)みさげる。あなどる。みくだす。「人を―・したような態度をとる」
[可能] みおろせる

見世

みせ [2] 【店・見世】
〔「見せ棚」の略〕
(1)商品を並べて売る所。商店。また,転じて,商売。「繁華街に―を出す」
(2)江戸時代,妓楼で,遊女が客を誘うために格子構えにした所。道路に面している。張り見世。
(3)「見世女郎」の略。「二年も―を勤めしうちに/浮世草子・一代女 2」

見世付き

みせつき [0][2] 【見世付き・店付き】
(1)店のようす。店がまえ。
(2)「見世女郎」に同じ。

見世女郎

みせじょろう [3] 【見世女郎】
上方の遊郭で,店頭の格子の中から客をひいた下級の遊女。端(ハシ)女郎。見世付き。

見世棚

みせだな [2][0] 【店棚・見世棚】
(1)店の中で商品を陳列した棚。
(2)商品を陳列する場所。現在の店に相当する。《見世棚》

見世棚造り

みせだなづくり [5] 【見世棚造り】
間口が一間くらいの小さく簡素な社殿。土台の上に組まれ,階段はない。

見世清掻き

みせすががき [4] 【見世清掻き】
江戸吉原で,遊女が張見世へ出る合図にひく三味線。「孔雀騒ぎで目白押し,―のてんてつとん/長唄・吉原雀」

見世物

みせもの [3][4] 【見世物】
(1)珍しい物・曲芸・手品などを人に見せる興行。「―小屋」
(2)多くの人におもしろがって見られること。また,そのもの。「他人の―になる」

見世物

みせもの【見世物】
a show;→英和
an exhibition.→英和
〜にする make a show <of a thing> .

見事

みごと [1] 【見事・美事】
■一■ (形動)[文]ナリ
(1)すばらしいさま。大変立派なさま。「―な菊の花」「―な出来ばえ」「何(ドウ)も大層お―な御普請で/緑簑談(南翠)」
(2)手ぎわのよいさま。巧みなさま。「―に片を付ける」「―なボールさばき」
(3)(反語的に)完全なさま。すっかり。「ものの―に落第する」「―なはげ頭」
[派生] ――さ(名)
■二■ (副)
(1){■一■(2)}に同じ。「―飛び越える」
(2){■一■(3)}に同じ。「―失敗する」
■三■ (名)
見るべき価値のある事柄。みもの。「―いとおそし。そのほどは桟敷不用なり/徒然 137」
〔■三■が原義。「美事」はあて字〕

見事

けんじ 【見事】 (名・形動ナリ)
見ること。また,見るべきところがあるさま。「さだめて―なる所あるべし/仮名草子・難波物語」

見事な

みごと【見事な(に)】
[美しい]beautiful(ly);→英和
fine;→英和
[りっぱな]splendid(ly);→英和
admirable(-bly);→英和
[巧みな]skillful(ly).〜にやられる be completely defeated.‖見事見事 Well done!

見交わす

みかわ・す [0][3] 【見交わす】 (動サ五[四])
(1)互いに相手を見る。みあわす。「驚いて顔を―・す」
(2)男女が互いに相手を恋愛・結婚の対象として会う。「女のつかうまつるを,常に―・してよばひ渡りけり/伊勢 95」

見交わす

みかわす【見交わす】
look at each other;exchange glances.

見仏

けんぶつ [0] 【見仏】
〔仏〕 仏の姿を目のあたりに見ること。
→観仏

見仏聞法

けんぶつもんぽう [5] 【見仏聞法】
〔仏〕 目に仏を拝し,耳に仏法を聞くこと。

見付

みつけ [0] 【見付・見附】
(1)江戸時代,枡形をもつ城門の外側の門で,見張りの者が置かれ通行人を監視した所。江戸城では内郭・外郭の城門を含めて俗に三十六見附と呼ばれていた。
(2)建築で,枠・框(カマチ)などの部材の正面。また,その幅。みつき。
⇔見込み
(3)すぐ向かいに見える所。「あの―の松でござる/狂言記・富士松」

見付かる

みつか・る [0] 【見付かる】 (動ラ五[四])
(1)人にみつけられる。人の目にとまる。「かくれんぼで鬼に―・る」「万引が―・る」
(2)探しもとめていたものを見つけることができる。「落とした物が―・る」「仕事が―・る」

見付かる[見付けられる]

みつかる【見付かる[見付けられる]】
be found (out);be discovered;be detected.

見付き

みつき [0] 【見付き】
(1)外から物を見たようす。外観。外貌。外見。「見た所では,家の―に些(チツ)とも変(カワリ)はなく/めぐりあひ(四迷)」
(2)建築・舞台などの部材の,正面から見える面。また,その幅。みつけ。

見付く

みつ・く 【見付く】
■一■ (動カ四)
見なれる。「幼き人は,―・い給ふままに,いとよき心ざまかたちにて/源氏(紅葉賀)」
■二■ (動カ下二)
⇒みつける

見付ける

みつける【見付ける】
find (out);→英和
discover;→英和
detect;→英和
notice;→英和
look for (捜す).

見付ける

みつ・ける [0] 【見付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みつ・く
(1)探していたものを発見する。見いだす。「なくした指輪を―・ける」「解決策を―・ける」
(2)いつも見ている。見慣れる。「―・けない人がいる」

見付け出す

みつけだ・す [4] 【見付け出す】 (動サ五[四])
発見する。見いだす。「なくした財布を―・す」
[可能] みつけだせる

見付柱

みつけばしら [4] 【見付柱】
⇒目付柱(メツケバシラ)

見倒し

みたおし 【見倒し】
(1)商品などを安い値段に見積もること。また,見るだけで買わないこと。「払ひ扇子箱―はじめなり/柳多留 24」
(2)「見倒し屋」の略。「早く―を呼んで踏ませませう/黄表紙・一粒万金談」

見倒し屋

みたおしや 【見倒し屋】
品物を安く評価して買い取る店。古着屋・古道具屋・屑屋など。「―ついでに後家も仲人し/柳多留拾遺」

見倒す

みたお・す 【見倒す】 (動サ四)
(1)さげすんで見る。見さげる。「下り坂と見ゆる大商人を,―・すやうにするものあり/浮世草子・新永代蔵」
(2)品物などを非常に安く評価する。「どんな紙屑買が―・しても奥様の価格(ネウチ)があるぜ/塩原多助一代記(円朝)」

見倣う

みなら・う [3][0] 【見習う・見倣う】 (動ワ五[ハ四])
(1)見て覚える。見て学ぶ。「先輩の仕事を―・う」
(2)他人の良いところを見て,同じようにする。「少しは兄さんに―・え」
[可能] みならえる

見做し

みなし [0] 【見做し・看做し】
(1)みなすこと。見てそれと仮定すること。「―配当」「―公務員」
(2)そう思って見ること。気のせい。「―にやあらむ,屈し痛げに思へり/源氏(賢木)」

見做す

みな・す [0][2] 【見做す・看做す】 (動サ五[四])
(1)見て,これこれだ,と判定したり仮定したりする。「返事がないので欠席と―・す」「反抗すれば敵と―・す」
(2)〔法〕 ある事柄について,他の性質の異なる事柄と法律上同一視し,同一の法律効果を生じさせる。擬制。
→推定(2)
(3)見とどける。見きわめる。「命長くて,なほ位高くなど―・し給へ/源氏(夕顔)」
(4)実際にはそうでないものを,そうだと思って見る。「照らす日を闇に―・して泣く涙/万葉 690」
[可能] みなせる

見做す

みなす【見做す】
regard[think of] <a person[a thing]as…> ;→英和
consider <a person[a thing]to be…> .→英和

見優り

みまさり 【見優り】
予想よりまさって見えること。「何事につけても,―は難き世なめるを/源氏(葵)」

見優る

みまさ・る 【見優る】 (動ラ四)
(1)想像していたよりも,まさって見える。「今少し若やげにらうたげなる筋さへ添ひて,―・りける事さへ,口惜しう/狭衣 4」
(2)以前見た物や他のものよりもまさって見える。「はじめに―・る美君をまねき/浮世草子・男色大鑑 4」

見入る

みいる【見入る】
watch;→英和
gaze <at> .→英和

見入る

みい・る [2] 【見入る】
■一■ (動ラ五[四])
一心にじっと見る。注視する。みとれる。「人々は号外に―・っていた」
■二■ (動ラ下二)
(1)外から内側を見る。のぞき込む。「妻戸のあきたる隙(ヒマ)をなに心もなく―・れ給へるに/源氏(野分)」
(2)よく見る。気をつけて見る。「とび,烏などのうへは―・れ聞き入れなどする人世になしかし/枕草子 41」
(3)心を込めて大事に取り扱う。ていねいに世話をする。「例よりは―・れて御座(オマシ)などひきつくろはせ給ふ/源氏(椎本)」

見入れ

みいれ 【見入れ】
(1)内部を見ること。中をのぞき込むこと。「―の程なく,物はかなきすまひを/源氏(夕顔)」
(2)深く思い込んで離れないこと。執念をかけること。「竜宮よりの―もあるべし/浮世草子・男色大鑑 1」
(3)外見。「コノ家ノ―ガ悪イ/日葡」

見兼ねる

みか・ねる [0][3] 【見兼ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 みか・ぬ
(1)平気で見ていられない。傍観できない。「―・ねて助けに行く」
(2)見ることができない。見当たらない。「家見れど家も―・ねて里見れど里も―・ねて/万葉 1740」

見兼ねる

みかねる【見兼ねる】
cannot stand by and see;cannot be indifferent <to> .

見出し

みだし【見出し】
a heading;→英和
a caption;→英和
a headline (新聞の);→英和
a title (標題);→英和
an index <to a book> (索引).→英和
‖見出し語 a headword (辞書の).

見出し

みだし [0] 【見出し】
(1)新聞・雑誌などの記事の内容が一目でわかるようにつけた標題。ヘッドライン。「大―」「小―」
(2)本や帳簿の内容がすぐわかるように書き出した目次・索引など。インデックス。「ノートに―をつける」
(3)辞書で項目を示すために掲げる語。見やすいように太字などで示す。見出し語。

見出し語

みだしご [0] 【見出し語】
「見出し{(3)}」に同じ。

見出す

みいだす【見出す】
find (out);→英和
discover.→英和

見出す

みだ・す [0][2] 【見出す】 (動サ五[四])
(1)見始める。「映画を―・す」
(2)見つけ出す。見いだす。[ヘボン]

見出だす

みいだ・す [3][0] 【見出だす】 (動サ五[四])
(1)見つけ出す。発見する。「法則を―・す」「打開策を―・す」
(2)内から外を見る。「御几帳引きやりたれば,御ぐしもたげて―・し給へり/源氏(夕顔)」
(3)目をむき出してみる。怒りや驚きで目をみはる。「持ちたる扇をさつとひらき,大きに目を―・し/曾我 7」
[可能] みいだせる

見出づ

みい・ず 【見出づ】 (動ダ下二)
見つけ出す。発見する。「とみにてもとむる物―・でたる/枕草子 276」

見分

けんぶん [0] 【検分・見分】 (名)スル
(1)実際に見て,調べること。みとどけること。「実情を―する」
(2)みかけ。外見。「―よりない物は金銀なり/浮世草子・二十不孝 2」

見分け

みわけ【見分け】
⇒見分ける,区別.

見分け

みわけ [0] 【見分け】
見て区別すること。区別。「兄か弟か―がつかない」

見分ける

みわける【見分ける】
tell <a thing from another> ;→英和
distinguish <a thing from another,between> ;→英和
recognize <a person> .→英和

見分ける

みわ・ける [0][3] 【見分ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みわ・く
見て区別する。鑑別する。「不良品を―・ける」

見切り

みきり [0] 【見切り】
(1)見込みがないとして,あきらめること。みかぎること。「―をつける」
(2)建築において仕上げが切れる部分やそれらの形状と納まりをいう。

見切りをつける

みきり【見切りをつける】
give up;abandon;→英和
wash one's hands <of a business> .‖見切り品 a bargain.

見切り品

みきりひん [0] 【見切り品】
売れる見込みがないとして,値下げした商品。

見切り時

みきりどき [0] 【見切り時】
見切りをつけるのに適当な時機。「今が―だ」

見切り発車

みきりはっしゃ [4] 【見切り発車】 (名)スル
(1)電車などが,満員などの理由で客を残したまま発車すること。
(2)議論などが十分に尽くされていない段階で,決定を下し,実行に移ること。「結論が出ないまま―する」

見切る

みきる【見切る】
(1) ⇒見離す,見切り.
(2)[安売り]sell off;sell <a thing> at a bargain.→英和

見切る

みき・る [0][2] 【見切る】 (動ラ五[四])
(1)全部見る。すっかり見る。「全部の書類を―・る」
(2)見込みがないとして,あきらめる。見かぎる。「養生に努めないとお医者さんに―・られる」
(3)見きわめをつける。見定める。「イクサノヨウスヲ―・ル/日葡」
(4)商品の売れ行きを見かぎって,安く売る。
[可能] みきれる

見初める

みそ・める [0] 【見初める】 (動マ下一)[文]マ下二 みそ・む
(1)異性を一目見て好きになる。「スキー場で―・める」
(2)初めてあう。初めて見る。「かくゆゆしきさまを―・め給ひつらむ人の,何とかおぼすべき/宇津保(俊蔭)」
(3)男女が初めて契りを結ぶ。「―・め奉りてし後なむ,なほざりにてやみなましかばと悔しかりし/落窪 4」

見初める

みそめる【見初める】
fall in love <with a person> (at first sight).

見劣り

みおとり [0] 【見劣り】 (名)スル
(1)他のものと比べて劣っているように見えること。「本物と比べると複製はやはり―する」
(2)予想したよりも実際は劣って見えること。「思ったよりずっと―がする」

見劣りする

みおとり【見劣りする】
compare unfavorably <with> ;look to disadvantage;be not so good <as> .

見劣る

みおと・る 【見劣る】 (動ラ四)
予想していたものや他のものより劣って見える。みおとりがする。「ねんもない絵などは―・りて/浮世草子・男色大鑑 6」

見印

けんいん [0] 【見印】
「見留(ミトメ)印」の「留」の字を省いて音読みした語。みとめいん。

見参

けんざん 【見参】 (名)スル
⇒げんざん(見参)

見参

げんぞう 【見参】
「げんざん(見参)」に同じ。「イカニ鶏,久シュウ―セヌ/天草本伊曾保」

見参

げんざん [0][1] 【見参】 (名)スル
〔「げざん」「げんぞう」「けんざん」とも〕
(1)高貴な人や目上の人にお目にかかること。拝謁。「婿が岳父(シウト)に―する/雁(鴎外)」
(2)目下の者に会うこと。引見。対面。「―してかへさん/平家 1」
(3)節会(セチエ)・宴などに伺候した人の名を記して,主君に差し出すこと。「内の大殿の頭中将,弁の少将など,―ばかりにてまかづるを/源氏(梅枝)」

見参

げざん [1] 【見参】
〔「げんざん」の撥音「ん」の無表記〕
「げんざん(見参)」に同じ。

見参の板

げざんのいた 【見参の板】
「げんざん(見参)のいた(板)」に同じ。

見参の板

げんざんのいた 【見参の板】
清涼殿孫廂(マゴビサシ)の南端の小階。釘付けせず,踏むと鳴る仕掛けになっている鳴板(ナリイタ)。見参する者がこの階段を上ったからいう。なるいた。げざんの板。
→清涼殿

見収め

みおさめ [0] 【見納め・見収め】
これで見るのが最後であること。「今生(コンジヨウ)の―」

見取り

みどり [0] 【見取り】
(1)見渡して多くの中からいいものを選び取ること。「より取り―」
(2)(「緑」とも書く)歌舞伎・浄瑠璃を,通し狂言として上演せず,一幕・一段ずつを適当に組み合わせて上演するやり方。幕末以降はこのやり方が多い。「―狂言」

見取り

みとり [0] 【見取り】 (名)スル
(1)見て知ること。
(2)江戸時代,毎年収穫不同の土地の作況を調べて納米高を決めたこと。
(3)見取り小作のこと。
(4)「見取り算」の略。
→みどり(見取)

見取り図

みとりず [3] 【見取り図】
(1)建物・地勢・配置などの大体をわかりやすく描いた図。
(2)製図用具を用いず,手がきで描いた図。

見取り図

みとりず【見取り図】
a sketch.→英和
〜を作る sketch;make a sketch <of> .

見取り小作

みとりこさく [4] 【見取り小作】
江戸時代の小作形態の一。小作料を一定に決めず,年々の作柄を見てその年の小作料を決めるもの。新田や災害の多い地方に行われた。見取り。

見取り算

みとりざん [3] 【見取り算】
算盤(ソロバン)で,書いてある数字を見ながらする計算。見取り。
→読み上げ算

見取る

みと・る [2][0] 【見取る】 (動ラ五[四])
(1)見てわかる。理解する。「師の芸風を―・る」
(2)見て写しとる。「いとよく案内―・りて申す/源氏(夕顔)」

見受け

みうけ [0] 【身請け・見受け】 (名)スル
芸妓・娼妓などを身の代金を払って年季のすまないうちに,その商売をやめさせること。落籍すること。「水街道の麹屋へ話してお隅をお金で―して/真景累ヶ淵(円朝)」

見受ける

みうける【見受ける】
(happen to) see (見かける);→英和
look <young> (…に見える).→英和

見受ける

みう・ける [0][3] 【見受ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みう・く
(1)ちょっとみて判断する。みて取る。「剣道の心得があると―・けたが」
(2)見かける。「この辺では―・けない顔だ」

見台

けんだい [0][1] 【見台】
〔「書見台」の略〕
書物をのせて読む台。特に,謡曲・浄瑠璃・長唄などで,見ながらうたうために,詞章・節付けを記した本を開いてのせる台。
見台[図]

見台

けんだい【見台】
a bookrest.→英和

見合

みあい【見合(をする)】
a meeting (meet <a person> ) with a view to marriage.見合結婚 an arranged marriage.

見合

みあい [0] 【見合(い)】 (名)スル
(1)互いに相手を見つめること。
(2)結婚相手として適当かどうかを互いに判断するために,男女が人を介して面会すること。
(3)対応していること。釣り合っていること。
(4)囲碁でほぼ同等の価値のある二つの着点を双方が打ち得る状態。

見合い

みあい [0] 【見合(い)】 (名)スル
(1)互いに相手を見つめること。
(2)結婚相手として適当かどうかを互いに判断するために,男女が人を介して面会すること。
(3)対応していること。釣り合っていること。
(4)囲碁でほぼ同等の価値のある二つの着点を双方が打ち得る状態。

見合い結婚

みあいけっこん [4] 【見合(い)結婚】
見合い{(2)}によって結ばれる結婚。

見合う

みあう【見合う】
correspond <to> (対応する).→英和

見合う

みあ・う [2][0] 【見合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)対応する。釣り合う。「投資に―・う利益」「収入に―・った生活」
(2)互いに見る。見つめあう。「土俵上で両力士が―・う」
(3)男女が見合いをする。「後生ねがひのふりをして―・ふ也/柳多留 16」
(4)皆で見る。「浜に人のおほく集りて物を―・ひたるを/発心 3」
(5)その場に居合わせて見る。出くわす。「おのづから人有りて生命を害せんを―・はば,必ず助け救ふべき事也/今昔 9」

見合せ

みあわせ [0] 【見合(わ)せ】
(1)しばらくさし控えて様子をみること。「実施は―にする」
(2)あれこれ見くらべて取りつくろうこと。見つくろい。「何ぞ引肴(ヒキザカナ)―にと書き付け/浮世草子・置土産 5」

見合せる

みあわ・せる [0][4] 【見合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 みあは・す
(1)互いに見あう。「思わず顔を―・せる」
(2)くらべて見る。対照する。「二つの案を―・せる」
(3)実行するのをやめて,しばらく様子をみる。「旅行を―・せる」
(4)時期を見はからう。「引込む時ぶんの間を―・せ/人情本・梅児誉美(初)」

見合わす

みあわ・す [0][3] 【見合わす】
■一■ (動サ五[四])
「みあわせる」に同じ。
■二■ (動サ下二)
⇒みあわせる

見合わせ

みあわせ [0] 【見合(わ)せ】
(1)しばらくさし控えて様子をみること。「実施は―にする」
(2)あれこれ見くらべて取りつくろうこと。見つくろい。「何ぞ引肴(ヒキザカナ)―にと書き付け/浮世草子・置土産 5」

見合わせる

みあわ・せる [0][4] 【見合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 みあは・す
(1)互いに見あう。「思わず顔を―・せる」
(2)くらべて見る。対照する。「二つの案を―・せる」
(3)実行するのをやめて,しばらく様子をみる。「旅行を―・せる」
(4)時期を見はからう。「引込む時ぶんの間を―・せ/人情本・梅児誉美(初)」

見合わせる

みあわせる【見合わせる】
(1)[顔を]look at each other;exchange glances (目と目を).
(2)[中止]put off;postpone;→英和
give up (断念).

見合結婚

みあいけっこん [4] 【見合(い)結婚】
見合い{(2)}によって結ばれる結婚。

見向き

みむき [1][2] 【見向き】
見向くこと。関心を示すこと。「―もしないで通り過ぎる」「―もされない記事」

見向く

みむ・く [2] 【見向く】 (動カ五[四])
その方を向いて見る。関心をもってみる。ふりむく。「折々―・けば眩(マバ)ゆさうにして/多情多恨(紅葉)」

見向く

みむく【見向く】
turn <to> ;→英和
turn one's face <to> .見向きもせずに without a look <toward,at> .→英和

見和ぐ

みな・ぐ 【見和ぐ】 (動ガ上二)
見て心がなごやかになる。「思ひのべ―・ぎし山に/万葉 4177」

見咎める

みとがめる【見咎める】
question;→英和
challenge.→英和

見咎める

みとが・める [4][0] 【見咎める】 (動マ下一)[文]マ下二 みとが・む
(1)見て怪しいと思い問いただす。「だれにも―・められずに侵入する」
(2)見て,気づく。目にとめる。「宮(ミヤ)が面色(オモモチ)の穏(ヤス)からぬを―・めて/金色夜叉(紅葉)」「左府―・めてしきりに感嘆のけしきありけり/著聞 3」

見回し

みまわし [0] 【見回し】
建物の,かどで合わさっている二つの側面を,同じ材質・形状で仕上げること。

見回す

みまわす【見回す】
look about[(a)round].

見回す

みまわ・す [0][3] 【見回す】 (動サ五[四])
ぐるっとあたりを見る。そこらじゅうを見る。「部屋の中を―・す」「きょろきょろ―・す」
[可能] みまわせる

見回り

みまわり [0] 【見回り】
見まわること。巡視。巡回。「工場内の―」

見回り

みまわり【見回り】
patrol;→英和
inspection;a patrol(man) (人).

見回る

みまわる【見回る】
go[make]one's rounds (持場を);patrol;→英和
inspect.→英和

見回る

みまわ・る [0][3] 【見回る】 (動ラ五[四])
異状がないように歩いて見て回る。「町内を―・る」
[可能] みまわれる

見地

けんち【見地】
a standpoint;→英和
a point of view;a viewpoint;→英和
an angle.→英和

見地

けんち [1] 【見地】
観察・判断・思想・意見などが基づく立場。考え方。観点。「道徳的―からは好ましくない」

見場

みば [2] 【見場】
外からちょっと見たところ。外観。みかけ。「―は悪いがおいしいリンゴ」

見場が良い

みば【見場が良い】
look fine.

見境

みさかい [0] 【見境】
物事を見分けること。分別。識別。「―(も)なく手を出す」「善悪の―が付かない」

見境ない

みさかい【見境ない(なく)】
indiscriminate(-ly);→英和
imprudent(ly).→英和
〜がなくなる be beside oneself <with rage> .〜がつかない cannot distinguish[discriminate].

見増す

みま・す 【見増す】 (動サ四)
他と比べてまさって見える。見まさる。「風義は一文字屋の金太夫に―・すべし/浮世草子・一代男 6」

見変える

みか・える [0] 【見変える・見替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 みか・ふ
(1)一つのものを見すてて,他のものに心を移す。「私を投げて他人に―・へる権利があるのですか/人形の家(抱月)」
(2)これまでとは見方を変える。また,別のものを見る。「毎日人の面を―・へ/浮世草子・新可笑記 3」

見外す

みはず・す [0] 【見外す】 (動サ五[四])
見おとす。見もらす。「此日は岡田が散歩に出なかつたか,それともこつちで―・したか/雁(鴎外)」

見失う

みうしなう【見失う】
lose sight of;miss.→英和

見失う

みうしな・う [0][4] 【見失う】 (動ワ五[ハ四])
今まで見ていたものが,どこにあるのかわからなくなる。「人込みで子供を―・う」

見好い

みよ・い [2] 【見好い】 (形)[文]ク みよ・し
(1)見た感じがよい。みぐるしくない。「もうすこし―・い服装をしなさい」
(2)見やすい。「この時計の文字盤は―・い」
[派生] ――さ(名)

見好げ

みよげ [2] 【見好げ】 (形動)[文]ナリ
見た目に好ましいさま。「―な一間に相対(サシムカ)つて/多情多恨(紅葉)」

見始め

みはじめ [0] 【見始め】
初めて見ること。また,そのもの。

見学

けんがく [0] 【見学】 (名)スル
実際に見て知識を身につけること。「工場を―する」

見学

けんがく【見学】
(an) inspection;(a) study.→英和
〜する inspect;→英和
visit <a place> for study.‖見学者 a visitor <to> .見学旅行 <make,go on> a field[observation]trip.

見守る

みまもる【見守る】
watch;→英和
gaze <at> .→英和

見守る

みまも・る [0][3] 【見守る】 (動ラ五[四])
(1)目をはなさないで見る。間違いや事故がないようにと,気をつけて見る。「子供の成長を―・る」
(2)じっと見つめる。注意深く見る。熟視する。「成り行きを―・る」
[可能] みまもれる

見定め

みさだめ [0] 【見定め】
見定めること。「先の―がつかない」

見定める

みさだめる【見定める】
⇒見極める.

見定める

みさだ・める [4][0] 【見定める】 (動マ下一)[文]マ下二 みさだ・む
どうなるか,どんなものか,はっきりと見届けて判断する。みきわめる。「目標を―・める」「頼もしくないと―・めて/渋江抽斎(鴎外)」

見尽くす

みつく・す [0][3] 【見尽(く)す】 (動サ五[四])
全部見る。十分に見る。「関係書類はすべて―・した」
[可能] みつくせる

見尽す

みつく・す [0][3] 【見尽(く)す】 (動サ五[四])
全部見る。十分に見る。「関係書類はすべて―・した」
[可能] みつくせる

見届ける

みとど・ける [0][4] 【見届ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みとど・く
最後まで見て確かめる。終わりまで見る。見きわめる。「戦友の最期を―・ける」「安全を―・けてから横断する」

見届ける

みとどける【見届ける】
[確かめる]make sure <of,that…> ;ascertain;→英和
[見きわめる]see with one's own eyes;witness.→英和

見島

みしま 【見島】
山口県萩市北西沖合45キロメートルの日本海にある孤島。玄武岩の台地からなり,周囲に海食崖が発達。和牛の見島牛の産地。古墳ジーコンボや古習俗を残す。

見島牛

みしまうし [3] 【見島牛】
ウシの一品種。山口県の見島に産する和牛。やや小形で体高1.1メートルほど。ウシが日本へ初めて渡来した頃の面影を残しているという。天然記念物。

見巧者

みごうしゃ [2] 【見巧者】 (名・形動)[文]ナリ
芝居などを見なれていて,見方のじょうずな・こと(さま)。そのような人をもいう。「―な人」「―たちも,児童(コドモ)しうも,あとで結了(マトマ)るのをまちたまへや/当世書生気質(逍遥)」

見幕

けんまく [1] 【剣幕・見幕・権幕】
〔「険悪(ケンアク)」の連声とも。「剣幕・見幕・権幕」は当て字〕
勢い込んで,相手と争おうとするような態度や言葉。見脈。「ものすごい―でつめよる」

見延ぶ

みの・ぶ 【見延ぶ】 (動バ下二)
(1)遠くへ視線をやる。遠くを見やる。「目を―・べて,此の僧をいかにも思ひたる気色もなくありける/今昔 20」
(2)流し目をする。気取った目つきをする。「(顔ヲ)さし隠して,見かへりたるまみ,いたう―・べたれど/源氏(紅葉賀)」

見廻組

みまわりぐみ 【見廻組】
1864年,江戸幕府が京都の治安を回復・維持するために設置した旗本・御家人の子弟からなる警邏隊(ケイラタイ)。新撰組とともに京都守護職に直属し,市中を巡回して尊攘派浪士の摘発にあたった。67年,大政奉還により廃止。

見張

みはり [0] 【見張(り)】
見て番をすること。また,その番人。「―に立つ」「―番」「―人」

見張り

みはり【見張り】
watch[lookout](警戒);→英和
[人]a guard;→英和
a watchman.→英和
〜をする watch;keep watch.‖見張所 a lookout;a watch-house.

見張り

みはり [0] 【見張(り)】
見て番をすること。また,その番人。「―に立つ」「―番」「―人」

見張る

みは・る [0] 【見張る】 (動ラ五[四])
(1)(「瞠る」とも書く)目を大きくあけてよく見る。「目を―・る」「目を―・るばかりの上達ぶり」
(2)注意して見る。警戒する。番をする。「門を―・る」「侵入者を―・る」
[可能] みはれる

見張る

みはる【見張る】
watch (警戒);→英和
open one's eyes wide (目を瞠る).

見当

けんとう【見当】
(1)[めあて]an aim;→英和
a direction (方向).→英和
(2)[推測]a guess;→英和
an estimate.→英和
(3)[およそ]approximately.→英和
〜違いをする(である) make a wrong guess (be wide of the mark).〜をつける (take) aim <at> ;[推測]estimate;guess.(一人)百円〜 about 100 yen (a head,per capita).

見当

けんとう [3] 【見当】
(1)未知の事柄について立てた見込み。予想。「おおよその―を付ける」「全く―が付かない」「―が外れる」
(2)大体の方向・方角。「真北はこの―だろう」
(3)弓矢の的(マト)。
(4)版画や印刷で,刷る位置を示す目印。また,多色刷りで,刷り重ねる時の目印。とんぼ。
(5)(数詞の下に付けて接尾語的に用いて)その数量程度であることを表す。「一万円―の謝礼」

見当たる

みあたる【見当たる】
⇒見付かる,見付ける.

見当たる

みあた・る [0] 【見当(た)る】 (動ラ五[四])
探していたものが見つかる。現代では多く否定の形で用いる。「財布が―・らない」「よろしき奉公口ふたつ―・りぬ/花ごもり(一葉)」

見当て

みあて [0] 【見当て】
〔「見当(ケントウ)」の訓読み〕
めあて。めど。「―も有りもしないのに/浮雲(四迷)」

見当る

みあた・る [0] 【見当(た)る】 (動ラ五[四])
探していたものが見つかる。現代では多く否定の形で用いる。「財布が―・らない」「よろしき奉公口ふたつ―・りぬ/花ごもり(一葉)」

見当識

けんとうしき [3] 【見当識】
〔心〕 時間,場所,周囲の人・状況などについて正しく認識する機能。見当感。

見当違い

けんとうちがい [5] 【見当違い】 (名・形動)[文]ナリ
(1)推測や判断を誤る・こと(さま)。「―な返事」
(2)方向を誤る・こと(さま)。「―な方角に向かう」

見得

みえ [2] 【見え・見栄・見得】
〔動詞「見える」の連用形から。「見栄」「見得」は当て字〕
(1)見た目。外見。みば。みかけ。体裁。「―を飾る」
(2)人の目を気にして,うわべ・外見を実際よりよく見せようとする態度。《見栄》「―でピアノを買う」「―坊」
(3)歌舞伎の演技・演出の一。劇的感情が高まったとき,俳優が,一時その動きを静止してにらむようにポーズをとること。《見得》

見得

けんとく [0] 【見得】
(1)〔仏〕 主として禅宗で,真理を悟ること。
(2)理解し会得すること。「返々,有主・無主の変り目を―すべし/至花道」

見徳

けんとく 【見徳】
(1)富くじの当たりはずれを予測させる前触れ。また,富くじのこと。「第六天の―にええの/黄表紙・見徳一炊夢」
(2)前兆。予感。縁起。「これは何でもいい―だ/咄本・鯛の味噌津」
(3)江戸時代,天明(1781-1789)頃に流行した,もぐりの富くじの一種。

見徳屋

けんとくや 【見徳屋】
近世の,富くじ売り。

見忘れ

みわすれ [0] 【見忘れ】
見忘れること。「お―はごもっとも」

見忘れる

みわす・れる [4][0] 【見忘れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みわす・る
(1)前に見たり,会ったりしたことを忘れる。「旧友の顔を―・れた」
(2)見ることを忘れる。「テレビ番組を―・れる」

見応え

みごたえ [2][0] 【見応え】
見るだけの価値があること。見がい。「―のある映画」「―がする」

見思

けんじ [1] 【見思】
〔「けんし」とも〕
〔仏〕 見惑(ケンワク)と思惑(シワク)。

見性

けんしょう [0] 【見性】
〔仏〕 修行によって表面的な心のあり方を克服し,自分に本来備わっている仏の真理を見きわめること。「―悟道」

見性成仏

けんしょうじょうぶつ [5] 【見性成仏】
禅宗で,見性して,悟りを開くこと。見性悟道。
→直指人心(ジキシニンシン)見性成仏

見惑

けんわく [0] 【見惑】
〔仏〕 仏教の真理に迷うこと。思想・観念上の誤り。けんなく。

見惚れる

みほ・れる [0][3] 【見惚れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みほ・る
見てほれぼれとする。「―・れるような技の冴(サ)え」

見慣らす

みなら・す 【見慣らす・見馴らす】 (動サ四)
見なれるようにする。「かしこに渡りて―・し給へ/源氏(若紫)」

見慣らふ

みなら・う 【見慣らふ・見馴らふ】 (動ハ四)
いつも見ていて,目に慣れている。見なれる。「―・はぬ心地ぞする/源氏(末摘花)」

見慣れる

みなれる【見慣れる】
get used <to a thing> ;[物が主語]be familiar <to> .→英和
見慣れた familiar.見慣れない人 a stranger.→英和

見慣れる

みな・れる [0][3] 【見慣れる・見馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みな・る
(1)いつも見ていて目になれる。「―・れた景色」
(2)いつも顔を合わせて,なれ親しんでいる。「明暮れ―・れたるかぐや姫をやりてはいかが思ふべき/竹取」

見懲り

みごり 【見懲り】
見てこりること。「軍神(イクサガミ)に祭りて人に―させよとて/太平記 6」

見懲る

みこ・る 【見懲る】 (動ラ上二)
見てこりる。「男ども―・りて,おぢわななき,え車につかず/落窪 2」

見成

げんじょう [0] 【現成・見成】
〔禅宗で「現前成就」の意〕
眼前に出現していること。自然にできあがっていること。

見所

けんじょ [1] 【見所】
〔「けんしょ」とも〕
(1)能楽堂などの見物席。また,そこで見る人。「―の御意見を待つべきをや/風姿花伝」
(2)見物人。観客。
(3)芸の見るべきところ。みどころ。「目ききの見出す―にあるべし/花鏡」

見所

みどころ [0][2] 【見所】
(1)見る価値のあるところ。注目すべきところ。「芝居の―」「―は立ち合いにある」
(2)将来の見込み。将来性。「―のある青年」
(3)見て判断する点。見分ける点。「我に何の―有て罪に落すや/浮世草子・新可笑記 1」

見所

みどころ【見所】
(1)[芝居などの]a highlight.→英和
(2)[見込み]promise;→英和
good qualities (取柄).
〜のある青年 a promising young man.

見手

みて [2] 【見手】
見る人。見物人。

見扱ふ

みあつか・う 【見扱ふ】 (動ハ四)
(1)世話をする。面倒をみる。「色々の病者を―・ひ/源氏(若菜下)」
(2)処置に困る。わずらわしい思いをする。「心はゆくとも,いかに見苦しく人―・はまし程よな/寝覚 5」

見抜く

みぬ・く [2] 【見抜く】 (動カ五[四])
表れていない本質や真相を見とおす。「うそを―・く」「天分を―・く」
[可能] みぬける

見抜く

みぬく【見抜く】
see through;detect.→英和

見捨てる

みす・てる [0] 【見捨てる・見棄てる】 (動タ下一)[文]タ下二 みす・つ
(1)捨ててかえりみない。関係を断つ。見離す。「親に―・てられる」
(2)困っていることを知りながらそのまま捨ておく。「友人を―・てて逃げ帰る」

見捨てる

みすてる【見捨てる】
give up;abandon;→英和
desert.→英和

見据える

みすえる【見据える】
⇒見詰める.

見据える

みす・える [0][3] 【見据える】 (動ア下一)[文]ワ下二 みす・う
(1)視線をそらさず相手を視線でしばるようにじっと見つめる。「相手の顔をじっと―・える」「ひたと―・える」
(2)物事の本質を見定める。「現実を―・える」

見掛け

みかけ [0] 【見掛け】
外から見た様子。うわべ。「―だけではわからない」「―は悪いが味はいい」

見掛け

みかけ【見掛け】
appearance;→英和
look(s).→英和
〜は seemingly;→英和
apparently.→英和
それは〜倒しだ It is not so good as it looks.

見掛けの力

みかけのちから [7] 【見掛けの力】
慣性系では存在しないにもかかわらず,非慣性系では実在するかのように見える力。遠心力やコリオリの力など。

見掛けの等級

みかけのとうきゅう [0] 【見掛けの等級】
⇒等級

見掛ける

みか・ける [0][3] 【見掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 みか・く
(1)目に入る。目にとめる。「本屋でよく―・ける人」
(2)見始めて途中でやめる。「新聞を―・けて立ち上がる」
(3)目をとめる。「つゆ目も―・くる人もなきに/宇治拾遺 15」

見掛け倒し

みかけだおし [4] 【見掛け倒し】
外見はよいが中身が悪いこと。

見損じ

みそんじ [0] 【見損じ】
囲碁や将棋で,読みまちがうこと。

見損じる

みそん・じる [0][4] 【見損じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「見損ずる」の上一段化〕
(1)見まちがえる。また,見おとす。「碁石の生き死にを―・じる」
(2)見たいと思っていたものを見ないでしまう。見そこなう。「話題の映画を―・じる」

見損ない

みそこない [0] 【見損ない】
見そこなうこと。

見損ない

みそこない【見損ない】
a mistake.→英和

見損なう

みそこな・う [4][0] 【見損なう】 (動ワ五[ハ四])
(1)見あやまる。見まちがう。「数字を―・う」
(2)見たいと思っていたものを見ないでしまう。見のがす。「ピカソ展を―・ってしまった」
(3)評価をあやまる。「君を―・った」

見損なう

みそこなう【見損なう】
make a mistake;→英和
misjudge.→英和
⇒見逃(のが)す.

見放く

みさ・く 【見放く】 (動カ下二)
(1)遠く見やる。みはるかす。「しばしばも―・けむ山を心なく雲の隠さふべしや/万葉 17」
(2)会って心を晴らす。「語り放(サ)け―・くる人目ともしみと思ひし繁し/万葉 4154」

見放す

みはなす【見放す】
give up;abandon.→英和
医者に見放される be given up by one's doctor.

見放す

みはな・す [0][3] 【見放す・見離す】 (動サ五[四])
だめだとあきらめて見きりをつける。さじをなげる。「医者から―・される」「運命の女神に―・される」

見放つ

みはな・つ 【見放つ】 (動タ四)
見放す。「人の御有様の,いとらうたげに,―・たむは又口惜しうて/源氏(澪標)」

見料

けんりょう [1][3] 【見料】
(1)物を見る時に支払う料金。見物料。
(2)手相・人相などを見てもらう時に支払う料金。

見方

みかた【見方】
a (point of) view.〜によって according to one's viewpoint.新しい〜をする look at <a matter> in a new light.

見方

みかた [3][2] 【見方】
(1)見る方法。「絵の―」
(2)見る立場。「―をかえる」
(3)考え方。見解。「それは―の相違だ」

見易い

みやすい【見易い】
[見よい]easy to see;[明白]evident;→英和
clear;→英和
plain.→英和

見易い

みやす・い [3] 【見易い】 (形)[文]ク みやす・し
(1)見るのが容易である。見るのに苦労しない。「―・い所に看板を出す」「―・い紙面」
(2)だれにでもすぐわかる。「―・い道理だ」
(3)見苦しくない。見た感じがよい。めやすし。「―・からず呼びよせて/枕草子(四四・春曙抄本)」
[派生] ――さ(名)

見映え

みばえ [0][3] 【見栄え・見映え】
外観がよくて目立つこと。「―のいい贈り物」「―のしない服装」

見時

みどき [3][0] 【見時】
見るのにちょうどよい時期。みごろ。「桜の花は今が―だ」

見晴し

みはらし [0] 【見晴(ら)し】
(1)遠くの方まで広く見渡すこと。また,そのながめ。「―がいい」「―がきく展望台」
(2)「見晴らし台」に同じ。

見晴し台

みはらしだい [0] 【見晴(ら)し台】
広くながめ見渡すための台。展望台。みはらし。

見晴す

みはら・す [0][3] 【見晴(ら)す】 (動サ五[四])
遠くまで広く見渡す。「四方とも能く―・された/行人(漱石)」
[可能] みはらせる

見晴らし

みはらし【見晴らし】
a view <of> ;→英和
an outlook <on,over> .→英和
〜が良い have[command]a fine outlook[view].見晴らし台 a lookout.→英和

見晴らし

みはらし [0] 【見晴(ら)し】
(1)遠くの方まで広く見渡すこと。また,そのながめ。「―がいい」「―がきく展望台」
(2)「見晴らし台」に同じ。

見晴らし台

みはらしだい [0] 【見晴(ら)し台】
広くながめ見渡すための台。展望台。みはらし。

見晴らす

みはら・す [0][3] 【見晴(ら)す】 (動サ五[四])
遠くまで広く見渡す。「四方とも能く―・された/行人(漱石)」
[可能] みはらせる

見晴らす

みはらす【見晴らす】
[場所が主語]look out upon[over] <the lake> .

見晴るかす

みはるか・す [0][4] 【見晴るかす・見霽かす】 (動サ五[四])
はるかに遠くを見渡す。見はらす。「―・す武蔵野の原」

見替える

みか・える [0] 【見変える・見替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 みか・ふ
(1)一つのものを見すてて,他のものに心を移す。「私を投げて他人に―・へる権利があるのですか/人形の家(抱月)」
(2)これまでとは見方を変える。また,別のものを見る。「毎日人の面を―・へ/浮世草子・新可笑記 3」

見本

みほん [0] 【見本】
〔見せ本,の意〕
(1)商品などの品質や効用などを示すため,生産された全体から抜き出された一部の商品など。また,そのために特に作ったもの。サンプル。「―を取り寄せる」
(2)例。ためし。模範。「先生が―を示す」

見本

みほん【見本】
a sample;→英和
a specimen (標本).→英和
見本市 a trade fair.

見本刷

みほんずり [0] 【見本刷(り)】
見本として刷った印刷物。

見本刷り

みほんずり [0] 【見本刷(り)】
見本として刷った印刷物。

見本売買

みほんばいばい [4] 【見本売買】
見本を示して行う売買。売買の目的物は,見本と同一の品質・性能を有していなければならない。

見本市

みほんいち [2] 【見本市】
商品の見本を展示して宣伝・紹介を行い,それにより商品取引をする市場。

見本組

みほんぐみ [0] 【見本組】
印刷で,紙面の統一や体裁を見るために原稿の一部を見本として組むこと。また,この組版から刷った印刷物。組み見本。

見果てぬ夢

見果てぬ夢
実現不可能な事柄。「―を追う」

見果てる

みは・てる [0][3] 【見果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 みは・つ
最後まで見る。全部を見る。見届ける。「石山の仏心をまづ―・てて,春つかたさもものせむ/蜻蛉(中)」

見栄

みえ [2] 【見え・見栄・見得】
〔動詞「見える」の連用形から。「見栄」「見得」は当て字〕
(1)見た目。外見。みば。みかけ。体裁。「―を飾る」
(2)人の目を気にして,うわべ・外見を実際よりよく見せようとする態度。《見栄》「―でピアノを買う」「―坊」
(3)歌舞伎の演技・演出の一。劇的感情が高まったとき,俳優が,一時その動きを静止してにらむようにポーズをとること。《見得》

見栄え

みばえ [0][3] 【見栄え・見映え】
外観がよくて目立つこと。「―のいい贈り物」「―のしない服装」

見栄えがする

みばえ【見栄えがする】
look nice[attractive];make a good show.〜のしない unattractive.→英和

見栄す

みはや・す 【見栄す】 (動サ四)
見てもてはやす。見てほめそやす。「桜花いたくなわびそ我―・さむ/古今(春上)」

見栄っ張り

みえっぱり [4][5] 【見栄っ張り】 (名・形動)
みえを張ること。また,そのさまやその人。見え坊。「―な人」

見栄張る

みえば・る [3] 【見栄張る】 (動ラ五[四])
うわべを飾る。みえを張る。「―・った暮らし」

見棄てる

みす・てる [0] 【見捨てる・見棄てる】 (動タ下一)[文]タ下二 みす・つ
(1)捨ててかえりみない。関係を断つ。見離す。「親に―・てられる」
(2)困っていることを知りながらそのまま捨ておく。「友人を―・てて逃げ帰る」

見極め

みきわめ [0] 【見極め】
見きわめること。「勝負の―をつける」「成否の―がむずかしい」

見極める

みきわ・める [4][0] 【見極める】 (動マ下一)[文]マ下二 みきは・む
(1)最後までみとどける。確認する。「成り行きを―・める」
(2)物事の奥底までを知りつくす。良否・真偽などを知る。「事実を―・めた上で返答する」
(3)見切りをつける。迷わないで一つのものに定める。「そこ��に―・める/滑稽本・志道軒伝」

見極める

みきわめる【見極める】
ascertain;→英和
make sure <of,that…> ;discover (発見する).→英和

見様

けんよう [0] 【見様】
歌体の一。物を見たままに淡々と表現すること。また,その歌。

見様

みよう [2] 【見様】
見る方法。見方。「―によっては貴重な資料だ」

見様

みざま 【見様】
外から見た様子。外見。「ある人の子の,―など悪しからぬが/徒然 232」

見様見真似

みようみまね [2] 【見様見真似】
他人のしていることを見て,それをまねること。「―で覚える」

見残し

みのこし [0] 【見残し】
見残すこと。また,見残したもの。

見残し

みのこし【見残し】
a thing left unseen;(an) oversight.→英和

見残す

みのこす【見残す】
leave <a thing> unseen.⇒見逃(のが)す.

見残す

みのこ・す [3][0] 【見残す】 (動サ五[四])
全部を見られないで,一部を残す。「最後の一幕を―・して帰る」

見殺し

みごろし [0] 【見殺し】
(1)人が死にそうになっているのを見ながら助けてやらないこと。「溺れている人を―にはできない」
(2)人が困っているのに助けないで見ていること。「苦境の友を―にする」

見殺しにする

みごろし【見殺しにする】
leave <a person> in the lurch.→英和

見比べる

みくら・べる [0][4] 【見比べる・見較べる】 (動バ下一)[文]バ下二 みくら・ぶ
(1)二つ以上のものをそれぞれ見てくらべる。「しげしげと二人の顔を―・べる」
(2)比較して考える。比較検討する。「商品を―・べる」「データを―・べる」

見比べる

みくらべる【見比べる】
⇒比較.

見流す

みなが・す [0][3] 【見流す】 (動サ五[四])
見ていながら,それに注意を払わない。ざっと見る。「気の無ささうな眼を走らしてぢろりと少女の顔を―・して/あひびき(四迷)」

見消つ

みけ・つ 【見消つ】 (動タ四)
見て無視する。見て見ぬふりをする。「しひて思ひ知らぬ顔に―・つも/源氏(帚木)」

見渡し

みわたし [0] 【見渡し】
(1)遠く見渡せる所。はるかかなた。見はらし。「―に妹らは立たし/万葉 3299」
(2)連句で,式目上の違反がないか,構成が整っているかなど,一巻の部分や全体を検討しながら眺め渡すこと。「三句の―」

見渡す

みわた・す [0][3] 【見渡す】 (動サ五[四])
(1)遠くまで見る。「―・すかぎりの大草原」「人目もなくはるばると―・されて/源氏(夕顔)」
(2)広く全体を見る。「仕事の流れ全体を―・す」
[可能] みわたせる

見渡す

みわたす【見渡す】
look out over <a lake> ;look around (見まわす).〜かぎり as far as one can see.

見澄ます

みすま・す [0][3] 【見澄ます】 (動サ五[四])
気をつけてよく見る。見きわめる。「辺(アタリ)に人の無きを―・して戸を開き/鉄仮面(涙香)」

見澄ます

みすます【見澄ます】
watch carefully;make sure <of,that…> (確認する).

見物

けんぶつ [0] 【見物】 (名)スル
〔「みもの」の漢字表記「見物」を音読みした語〕
(1)催し物・名所などを見て楽しむこと。また,その人。「祭りを―する」「―客」「―人」「―席」
(2)見るべき価値のあるもの。みもの。「前代未聞の―なり/太平記 8」

見物

けんぶつ【見物】
<go> sight-seeing <in Kyoto> .〜する see;→英和
visit;→英和
do the sights <of Nara> ;look on (傍観).‖見物席 a seat;the gallery (劇場);the stand (野球);見物人 a sight-seer;a visitor;a spectator (観客);an onlooker (傍観者).

見物

みもの【見物】
a grand[thrilling,impressive,etc.]sight;a spectacle.→英和

見物

みもの [3] 【見物】
(1)見る価値のあるもの。「あのときの彼のあわてようは―だった」「最近にない―だ」
(2)見物すること。また,その人。「かの―の女房達/源氏(胡蝶)」

見物左衛門

けんぶつざえもん 【見物左衛門】
見物人を人名めかしていう語。多くは江戸見物にきた田舎者をさしていう。「―かごかきに邪魔がられ/柳多留 25」

見猿

みざる [2] 【見猿】
三猿(サンエン)の一。両目を手で隠し,物を見るまいとしている猿の像。
→三猿

見番

けんばん [0] 【検番・見番】
(1)三業組合の事務所。また,近世,遊里で,芸者の取り次ぎや送迎,玉代(ギヨクダイ)の精算などをした所。
(2)「検番芸者」の略。

見目

みめ [1][2] 【見目・眉目】
(1)かおかたち。容貌。
(2)見た目。外見。「鷺はいと―も見ぐるし/枕草子 41」
(3)名誉。面目。「人の蔭沙汰あするのが―でもあんめえ/滑稽本・浮世風呂 2」

見目好い

みめよ・い [3] 【見目好い・眉目良い】 (形)[文]ク みめよ・し
かおかたちがすぐれている。器量がよい。「―・い女性」

見目好し

みめよし 【見目好し】
かおかたちが美しい人。器量よし。「なのめならぬ―にて/愚管 4」

見目形

みめかたち [1][0] 【見目形】
かおだちと姿。容貌と風姿。「―の美しい人」

見目悪

みめわる 【見目悪】
器量の悪い女。醜婦。「当代のはやり物,後家狂ひせよ―/浄瑠璃・平家女護島」

見目麗しい

みめうるわし・い [6] 【見目麗しい】 (形)[文]シク みめうるは・し
容貌が美しい。「―・い乙女」

見直し

みなおし [0] 【見直し】 (名)スル
見直すこと。「制度の―」

見直す

みなおす【見直す】
[再び見る]look at <a thing> again;[再検討]reexamine;→英和
[改めて認識する](come to) have a better opinion <of a person> ;look twice.

見直す

みなお・す [0][3] 【見直す】 (動サ五[四])
(1)もう一度よく見る。あらためて見る。「書類を―・す」
(2)再検討する。「これまでの政策を―・す」「予算を―・す」
(3)見方を変えてこれまで気づかなかった価値を認め,考えをあらためる。「父を―・す」
(4)病気や景気がよいほうに向かう。もちなおす。「衰弱した体もぼつ��―・して/思出の記(蘆花)」
[可能] みなおせる

見真似

みまね [1][0] 【見真似】
見たとおりにまねること。「見よう―」

見真大師

けんしんだいし 【見真大師】
親鸞(シンラン)の諡(オクリナ)。

見知

けんち [0] 【見知・検知】 (名)スル
(1)目で見て知ること。「質判して之を―すべし/新聞雑誌 24」
(2)実際に目で見て確かめること。「家景自身罷り向ひ,実否を―し,下知を加ふべきなり/東鑑(建久一)」
(3)敵の首を実検すること。
(4)「検尺(ケンジヤク)」に同じ。

見知らす

みしら・す 【見知らす】
■一■ (動サ四)
(1)実際にわからせる。特に,痛い目にあわせる。思い知らせる。「伯母をも知らいで―・した/浄瑠璃・長町女腹切(上)」
(2)「する」「なす」の卑しめた言い方。やらかす。「ま一寝入り―・そと/浄瑠璃・先代萩」
■二■ (動サ下二)
(1)見せてわからせる。「筆太に―・せたるは転宅の数をいへるか/滑稽本・浮世床(初)」
(2){■一■(1)}に同じ。「頭から爪先まで鑓鉋(ヤリガンナ)を―・せてなし物桶にしてくれん/浄瑠璃・用明天皇」
(3){■一■(2)}に同じ。「お易い事,めでたう一筆―・せり/浄瑠璃・氷の朔日(中)」

見知らぬ

みしらぬ [0] 【見知らぬ】 (連体)
今まで会ったことも見たこともなく,知らない。「―男」「―土地を旅する」

見知らぬ

みしらぬ【見知らぬ】
strange;→英和
unfamiliar.→英和
見知らぬ人 a stranger.→英和

見知り

みしり [0] 【見知り】
(1)見て知っていること。見おぼえ。
(2)面識があること。また,その人。「顔―」
(3)目印。「身共が花壇を荒らす程に,―をしておいたが/狂言・若市」

見知りの

みしり【見知りの】
familiar.→英和
〜の人 an acquaintance.→英和

見知り合い

みしりあい [0] 【見知り合い】
互いに知っていること。また,その人。

見知り置く

みしりお・く [0] 【見知り置く】 (動カ五[四])
見て記憶しておく。「どうかお―・き下さい」

見知り越し

みしりごし [0] 【見知り越し】
前から知っていること。面識がある。「―のやうな,で,無いやうな/婦系図(鏡花)」

見知り顔

みしりがお 【見知り顔】
物知り顔。「―にほのめかす/源氏(若菜下)」

見知る

みし・る [0] 【見知る】 (動ラ五[四])
(1)前に会って知っている。面識がある。「侯爵夫人は君の面を―・りたりと言ひぬ/浴泉記(喜美子)」
→見知らぬ
(2)見て知る。よく知っている。「京には見えぬ鳥なれば,皆人―・らず/伊勢 9」

見破る

みやぶる【見破る】
see through;detect.→英和

見破る

みやぶ・る [0][3] 【見破る】 (動ラ五[四])
かくしていることを見ぬく。うそ・秘密・計略などを見ぬく。看破する。「正体を―・る」「うそを―・る」
[可能] みやぶれる

見神

けんしん [0] 【見神】
神の示現を心で感得すること。

見積もり

みつもり [0] 【見積(も)り】
前もって算出すること。また,その計算。「工事の―を出す」「―額」

見積もる

みつも・る [0][3] 【見積(も)る】 (動ラ五[四])
(1)あらかじめ費用・人員・時間などを計算して,だいたいの目安をつける。「工事費を―・る」
(2)目分量ではかる。「文三の背長を眼分量に―・りてゐたが/浮雲(四迷)」
[可能] みつもれる

見積り

みつもり [0] 【見積(も)り】
前もって算出すること。また,その計算。「工事の―を出す」「―額」

見積り

みつもり【見積り】
an estimate.→英和
‖見積価格 estimated value.見積額 an estimated cost.見積書 an estimate sheet.

見積る

みつもる【見積る】
estimate <a thing at> .→英和
金に〜 estimate <a thing> in money;evaluate.→英和

見積る

みつも・る [0][3] 【見積(も)る】 (動ラ五[四])
(1)あらかじめ費用・人員・時間などを計算して,だいたいの目安をつける。「工事費を―・る」
(2)目分量ではかる。「文三の背長を眼分量に―・りてゐたが/浮雲(四迷)」
[可能] みつもれる

見積書

みつもりしょ [0][5] 【見積書】
経費などの見積もりを記した書類。

見突き

みづき [0] 【見突き】
船中から水中の魚を見定めて銛(モリ)で突いて取ること。

見窄らしい

みすぼらし・い [5][0] 【見窄らしい】 (形)[文]シク みすぼら・し
外観がたいへん貧弱である。外見がきわめて粗末である。「―・い家」「―・い体格」「―・い身なり」
〔「み」は語源的には「身」か〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

見立て

みたて [0] 【見立て】
(1)見てよしあしを決めること。また,見て物を選定すること。「洋服の―をしてもらう」
(2)(医者の)診断。「医者の―が違う」
(3)趣向。思いつき。考え。「―のおもしろさを競う」
(4)和歌・俳諧などで,ある物を別のものと仮にみなして表現すること。なぞらえること。
(5)見送ること。見送り。「宿弥太郎も御―門送りして立ち帰り/浄瑠璃・菅原」
(6)(「みだて」とも)見た感じ。見た目。「ミダテノヨイ物/日葡」

見立て

みたて【見立て】
(a) diagnosis (診断);(a) judgment (判断);(a) choice (選択);→英和
(a) selection.→英和

見立てる

みた・てる [0][3] 【見立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 みた・つ
(1)見て選ぶ。選定する。「着物を―・ててもらう」
(2)診断する。判断する。「軽い肺炎と―・てる」
(3)仮定する。なぞらえる。「桜の花を霞(カスミ)に―・てる」「鬼念仏とは旨(ウマ)く―・てた/社会百面相(魯庵)」
(4)出発を見送る。「赤駒が門出をしつつ出でかてにせしを―・てし家の児らはも/万葉 3534」
(5)世話をする。後見する。「妹が一子を―・て/浮世草子・永代蔵 5」

見立てる

みたてる【見立てる】
[選ぶ]choose;→英和
select;→英和
[判断]judge;→英和
[診断]diagnose;→英和
make a diagnosis <of> ;[擬する]compare[liken] <a thing to another> .→英和

見立て付け

みたてづけ [0] 【見立て付け】
俳諧の付合(ツケアイ)で,打越の句に対して付けられた前句の趣向を別の意味にとりなして付句をすること。貞門の主要な技法。

見立て替え

みたてがえ [0] 【見立て替え】
(1)先に見立てたものをやめて,他のものを代わりに見立てること。
(2)〔江戸の遊里語〕
前に選んだ遊女を別の遊女に選びかえること。見立て直し。「おいらんの新造と―をくらはさうとはかつたところが/洒落本・甲子夜話」

見立て物

みたてもの [0] 【見立て物】
日本庭園の用語の一。石灯籠や宝塔の一部分を利用して作った手水鉢(チヨウズバチ)など,廃材を活用して庭園材料としたもの。

見立て直し

みたてなおし 【見立て直し】
「見立て替え」に同じ。「常住取替へ引替へ―の女房を持つ人は/滑稽本・浮世風呂 3」

見立て違い

みたてちがい [4] 【見立て違い】
判断や診断を間違えること。「医者の―」

見立新田

みたてしんでん 【見立新田】
江戸時代,開墾に適した土地の開発を願い出て許可を得て開いた新田。
→代官見立新田

見立絵

みたてえ [3] 【見立絵】
歴史的・伝承的故事に題材を取りながら,人物や背景は当代の風俗にして描いた絵。浮世絵に多い。

見米

げんまい [0] 【現米・見米】
(1)実際にある米。また,貨幣などで代納される年貢に対し,実際の米。
(2)禄としてあてがう米。扶持(フチ)米。

見納め

みおさめ【見納め】
<take> a last look <at> .

見納め

みおさめ [0] 【見納め・見収め】
これで見るのが最後であること。「今生(コンジヨウ)の―」

見紛う

みまが・う [3][0] 【見紛う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
見て他のものとまちがえる。見まちがえる。「雪と―・う花吹雪」
〔終止形・連体形は多く「みまごう」と発音される〕
■二■ (動ハ下二)
{■一■}に同じ。「白樫といふものは…雪の降りおきたるに―・へられ/枕草子 40」

見継ぎ

みつぎ 【見継ぎ】
面倒を見続けること。財物を供給すること。しおくり。「国の父様母様が浪人でなければ,こな様たちへ―のはず/浄瑠璃・氷の朔日(上)」

見継ぐ

みつ・ぐ 【見継ぐ】 (動ガ四)
(1)ずっと見守る。見届ける。「人々もあまた―・ぎ,言ひ散らさむことと/源氏(常夏)」
(2)助ける。支援する。「難儀ナトコロヲ―・グ/日葡」

見縊る

みくび・る [3][0] 【見縊る】 (動ラ五[四])
たいしたことはないとあまく見る。あなどる。見くだす。「相手チームを―・って惨敗する」
[可能] みくびれる

見縊る

みくびる【見縊る】
make light of;despise;→英和
hold <a person> cheap.

見繕い

みつくろい [0] 【見繕い】
みつくろうこと。「料理を二,三品―で持ってきて下さい」

見繕う

みつくろ・う [4][0] 【見繕う】 (動ワ五[ハ四])
(1)品物などを適当に選んで整える。「夕食のおかずを―・う」
(2)見さだめて,態勢を整える。見はからう。「嶮岨に待て戦んと―・ふ処に/太平記 26」
[可能] みつくろえる

見置く

みお・く 【見置く】 (動カ四)
(1)あとを見届ける。最後まで見る。「末に生まれ給ひて,心苦しう,おとなしうもえ―・かぬ事と,院のおぼしのたまひしを/源氏(匂宮)」
(2)前もって策を立てておく。「娘どもあるべきさまに―・きて下りなむとす/源氏(蓬生)」
(3)見捨てておく。「草枕旅寝の程もいかならん宿と―・きし常夏の花/続後拾遺(羇旅)」

見習

みならい【見習】
apprenticeship (奉公);→英和
probation;→英和
[人]a cadet (見習士官);→英和
an apprentice <to a printer> .→英和
見習期間 a probationary period.

見習

みならい [0] 【見習(い)】
(1)みならうこと。
(2)実地について仕事などを習うこと。また,そうする人。「行儀―」
(3)見てまねること。「―するもの。あくび/枕草子 304」

見習い

みならい [0] 【見習(い)】
(1)みならうこと。
(2)実地について仕事などを習うこと。また,そうする人。「行儀―」
(3)見てまねること。「―するもの。あくび/枕草子 304」

見習い士官

みならいしかん [6][5] 【見習(い)士官】
もと,陸軍士官学校を卒業した者が,少尉任官前に勤務の見習いをする期間の官名。

見習い工

みならいこう [3][0] 【見習(い)工】
見習い中の工員。

見習う

みならう【見習う】
learn (学ぶ);→英和
imitate (まねる).→英和

見習う

みなら・う [3][0] 【見習う・見倣う】 (動ワ五[ハ四])
(1)見て覚える。見て学ぶ。「先輩の仕事を―・う」
(2)他人の良いところを見て,同じようにする。「少しは兄さんに―・え」
[可能] みならえる

見習士官

みならいしかん [6][5] 【見習(い)士官】
もと,陸軍士官学校を卒業した者が,少尉任官前に勤務の見習いをする期間の官名。

見習工

みならいこう [3][0] 【見習(い)工】
見習い中の工員。

見者

けんしゃ [1] 【見者】
〔「けんじゃ」とも〕
見る人。見物人。特に,能の見物人。

見聞

けんぶん【見聞】
information;→英和
experience.→英和
〜する observe.→英和
〜が広い(狭い) be well-informed (poorly informed).

見聞

けんもん [0] 【見聞】
〔「もん」は呉音〕
「けんぶん(見聞)」に同じ。

見聞

けんぶん [0] 【見聞】 (名)スル
実際にみたりきいたりすること。また,それで得た経験・知識。けんもん。「私が―したところと大分ちがう」「―を広める」

見聞き

みきき [1] 【見聞き】 (名)スル
見たり聞いたりすること。けんぶん。「旅行中―したことを記す」「よく―する」

見聞覚知

けんもんかくち [5] 【見聞覚知】
〔仏〕 六識の作用。すなわち,見ること(見識)・聞くこと(聞識)・覚(サト)ること(鼻識・舌識・身識)・知ること(意識)。

見聞録

けんぶんろく [3] 【見聞録】
自分の見聞を記録したもの。見聞記。「東方―」

見脈

けんみゃく 【見脈】
(1)脈をみること。脈をみて病状を知ること。「―にして病を指す/滑稽本・浮世風呂(前)」
(2)外見から推察すること。「旅を歩くが商売といつたら大体―でも知れさうなことだ/滑稽本・続膝栗毛」
(3)「剣幕(ケンマク)」に同じ。「ぱち��としたる眼を,またつりあげし―にて/人情本・辰巳園(初)」

見臭い

みぐさ・い 【見臭い】 (形)
〔近世語〕
見苦しい。いかがわしい。「―・い商売する様な年増ぢやあねえよ/歌舞伎・お染久松色読販」

見舞

みまい 【見舞(い)】
(1)病人や災難にあった人を訪れたり,無事かどうか手紙でたずねてなぐさめたりすること。「入院中の友達の―に行く」「―の品」「暑中―」「―客」
(2)見舞うために送る手紙や品物。「たくさんの―をいただく」「りっぱな―を,どうもありがとう」
(3)訪れること。訪問。「あまりひさひさ会ひまらせぬと思うて,―に参つた/狂言・腰祈」
(4)見まわること。巡視。「心もとない程に,今日も―にまゐらう/狂言・瓜盗人」

見舞い

みまい 【見舞(い)】
(1)病人や災難にあった人を訪れたり,無事かどうか手紙でたずねてなぐさめたりすること。「入院中の友達の―に行く」「―の品」「暑中―」「―客」
(2)見舞うために送る手紙や品物。「たくさんの―をいただく」「りっぱな―を,どうもありがとう」
(3)訪れること。訪問。「あまりひさひさ会ひまらせぬと思うて,―に参つた/狂言・腰祈」
(4)見まわること。巡視。「心もとない程に,今日も―にまゐらう/狂言・瓜盗人」

見舞い品

みまいひん [0] 【見舞(い)品】
見舞いのために贈る品物。みまいもの。

見舞い状

みまいじょう [0] 【見舞(い)状】
見舞いの手紙。

見舞う

みま・う [2][0] 【見舞う】 (動ワ五[ハ四])
(1)病人や災難にあった人のもとを訪れたり手紙を出したりして,様子をたずねたりなぐさめたりする。慰問する。「友人を病院に―・う」
(2)好ましくない物や災難がある人に及ぶ。受け身の形で用いることが多い。「大旱魃(カンバツ)に―・われた地方」「あいつにはげんこつをお―・いしてやろう」
(3)訪問する。[日葡]
(4)見まわる。巡視する。「さくも―・うたことが御ざない/狂言・水掛聟」
[可能] みまえる

見舞う

みまう【見舞う】
visit <a person> ;→英和
inquire after <a person's health> .

見舞に行く

みまい【見舞に行く】
(go to) inquire after a person's health;visit <a person> .→英和
〜を述べる express one's sympathy <for> .‖見舞品(金) a gift (of money);a present <to a sick person> .

見舞われる

みまわれる【(台風に)見舞われる】
be struck[hit]by (a typhoon).

見舞品

みまいひん [0] 【見舞(い)品】
見舞いのために贈る品物。みまいもの。

見舞状

みまいじょう [0] 【見舞(い)状】
見舞いの手紙。

見苦しい

みぐるしい【見苦しい】
unsightly;→英和
indecent;→英和
ugly;→英和
shabby (服装);→英和
dishonorable <death> (不面目な).→英和
見苦しい(しくない)服装をする be shabbily (decently) dressed.

見苦しい

みぐるし・い [4] 【見苦しい】 (形)[文]シク みぐる・し
(1)(物の外観や人間の行為・態度などが)見ていていやになる様子だ。みにくい。みっともない。「―・いごみの山」「―・い負け方」
(2)見づらい。見るのが困難だ。「月頃目をいみじう煩ひ給ひて,よろづ治し尽させ給ひけれど,猶いと―・しくて/栄花(玉のむら菊)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

見落し

みおとし【見落し】
an oversight;→英和
an omission.→英和

見落し

みおとし [0] 【見落(と)し】
見落とすこと。また,見落としたもの。「―がないか点検する」

見落す

みおと・す [0][3] 【見落(と)す】 (動サ五[四])
(1)見ていながら気づかないですごす。看過する。「数字を―・す」「異常を―・す」
(2)(「見貶す」と書く)実際に見て軽蔑する。見さげる。「人の御有様をうしろめたく思ひしに,かたちなども―・し給ふまじく/源氏(総角)」
[可能] みおとせる

見落とし

みおとし [0] 【見落(と)し】
見落とすこと。また,見落としたもの。「―がないか点検する」

見落とす

みおとす【見落とす】
⇒見逃(のが)す.

見落とす

みおと・す [0][3] 【見落(と)す】 (動サ五[四])
(1)見ていながら気づかないですごす。看過する。「数字を―・す」「異常を―・す」
(2)(「見貶す」と書く)実際に見て軽蔑する。見さげる。「人の御有様をうしろめたく思ひしに,かたちなども―・し給ふまじく/源氏(総角)」
[可能] みおとせる

見蕩れる

みとれる【見蕩れる】
look admiringly <at> ;be charmed[fascinated] <by> .

見蕩れる

みと・れる [0] 【見蕩れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みと・る
心を奪われてうっとりと見る。「美しさに―・れる」

見行はす

みそなわ・す ミソナハス 【見行はす】 (動サ四)
〔「みそこなわす」の転〕
「見る」の尊敬語。御覧になる。「今も―・し,のちの世にも伝はれとて/古今(仮名序)」
〔「みそこなわす」は,動詞「見す」の連用形「見し」と,「行う」に尊敬の助動詞「す」の付いた「行わす」とが複合した「みしおこなわす」の転〕

見行ふ

みそな・う ミソナフ 【見行ふ】 (動ハ四)
「みそなわす」に同じ。「神も仏も我を―・へ/新古今(釈教)」

見見ゆ

みみ・ゆ 【見見ゆ】 (動ヤ下二)
見もし,見られもする。あいまみえる。「母に姿を―・えんと/謡曲・柏崎」

見覚え

みおぼえ [0] 【見覚え】
前に見たことがあるように感ぜられること。見た記憶。「―のある人」

見覚えがある

みおぼえ【見覚えがある】
recognize;→英和
remember.→英和

見覚える

みおぼ・える [0][4] 【見覚える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 みおぼ・ゆ
(1)見て覚える。「商売のやり方を―・える」
(2)前に見て覚えている。「その男なら―・えている」

見解

けんかい【見解】
an opinion;→英和
<give> one's view <on a subject> .〜を同じく(異に)する agree (differ) in opinion;have the same (a different) opinion.

見解

けんかい [0] 【見解】
物事に対する見方・考え方。解釈や評価の仕方。「―の相違」「―を異(コト)にする」

見解

けんげ [1] 【見解】
〔仏〕 考え。理解。また,特に仏教に即した正しい考え。

見計らい

みはからい [0] 【見計らい】
見はからうこと。見つくろい。「―で商品を仕入れる」

見計らい

みはからい【見計らい(で)】
<do a thing> at one's discretion.…の〜に任せる leave a matter to a person.→英和

見計らう

みはから・う [4][0] 【見計らう】 (動ワ五[ハ四])
(1)見て,適当なものを選ぶ。みつくろう。「適当に―・って買う」
(2)何かする時期を選ぶ。「ころあいを―・って出かける」
[可能] みはからえる

見計る

みはか・る 【見計る】 (動ラ四)
たくらむ。計画する。たばかる。「そこたちの―・りてし給へるならむ/落窪 2」

見証

けんしょう [0] 【見証】
〔「けしょう」「けんじょ」「けんぞ」とも〕
(1)碁・双六(スゴロク)・蹴鞠(ケマリ)などに立ち会って勝負を判定すること。「双六を打合けり。…傍に―する者ども/今昔 16」
(2)脇にいて事の成り行きを見守ること。「―の人なむいかなることにかと心得がたく侍るを/源氏(夢浮橋)」
(3)〔仏〕 自己の悟り,真理を見きわめること。「証中―なるがゆゑに夢中説夢なり/正法眼蔵」

見詰める

みつめる【見詰める】
gaze[stare] <at> ;→英和
look fixedly <at> .

見詰める

みつ・める [0][3] 【見詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 みつ・む
じっと見つづける。凝視する。物に見入る。「顔を―・める」「あらぬ方を―・める」

見誤り

みあやまり [0] 【見誤り】
見あやまること。みそこない。

見誤る

みあやま・る [4][0] 【見誤る】 (動ラ五[四])
見て他の物と間違える。判断を誤る。「数字を―・る」「本質を―・っていた」

見識

けんしき [0] 【見識】
(1)物事の本質を見通すすぐれた判断力。また,それに基づくしっかりした考え。識見。「―のある人」「高い―をもつ」「―家」
(2)気位。「女ながらもいよいよ―を張つてゐた/黒潮(蘆花)」

見識

けんしき【見識】
an opinion (意見);→英和
discernment (眼識);→英和
pride (気位);→英和
dignity.→英和
〜のある人 a man of insight.〜ばる assume an air of importance.

見識ぶる

けんしきぶ・る [5] 【見識ぶる】 (動ラ五[四])
「見識張る」に同じ。「―・ったことを言う」

見識張る

けんしきば・る [5] 【見識張る】 (動ラ五[四])
見識があるように見せかける。見識ぶる。「―・った男」

見譲る

みゆず・る 【見譲る】 (動ラ四)
他の人に世話を頼む。後見を頼む。「―・る人なくて残しとどめむを/源氏(橋姫)」

見越し

みこし [0] 【見越し】
(1)隔てている物を越して見ること。
(2)将来を推し測ること。予測すること。思惑(オモワク)。

見越しの松

みこしのまつ 【見越しの松】
塀ぎわに植えて外を見おろすような形になっている松の木。「船板塀に―」

見越し入道

みこしにゅうどう [4] 【見越し入道】
化け物の名。背が非常に高い入道で,人が見上げれば見上げるほど,背が高くなり,また頭越しに後ろからのぞき込むという。

見越し売り

みこしうり [0] 【見越し売り】
「思惑(オモワク)売り」に同じ。

見越し買い

みこしがい [0] 【見越し買い】
「思惑(オモワク)買い」に同じ。

見越す

みこ・す [0][2] 【見越す】 (動サ五[四])
(1)先のことを見とおす。「値上げを―・して買いだめする」
(2)もの越しに見る。「屏の上より―・せば/太平記 17」
[可能] みこせる

見越す

みこす【見越す】
foresee;→英和
anticipate;→英和
expect.→英和
〜を見越して in anticipation[expectation]of.

見較べる

みくら・べる [0][4] 【見比べる・見較べる】 (動バ下一)[文]バ下二 みくら・ぶ
(1)二つ以上のものをそれぞれ見てくらべる。「しげしげと二人の顔を―・べる」
(2)比較して考える。比較検討する。「商品を―・べる」「データを―・べる」

見辛い

みづら・い [3] 【見辛い】 (形)[文]ク みづら・し
(1)見るのに苦労する。見にくい。「字が小さくて―・い」
(2)見苦しい。見るにたえない。「―・い振る舞い」
[派生] ――さ(名)

見込み

みこみ [0] 【見込み】
(1)将来についての予想。将来の可能性。「―がはずれる」「法案は衆議院を通過する―だ」「十分儲(モウ)かると―を附けて持つて来た話を/社会百面相(魯庵)」
(2)将来そうなるだろうという期待。「―のある男」「もう―がない」
(3)茶碗や鉢の内面中央の称。
(4)建築の部材の奥行。また,その寸法。
⇔見付
(5)見た様子。みかけ。外観。「―のやさしさ/浮世草子・五人女 3」
(6)手に入れようと目指しているもの。「町人づれの口先に家一軒を―ぢやの/浄瑠璃・八百屋お七」

見込み

みこみ【見込み】
(1)[予想]expectation;→英和
a prospect.→英和
(2)[有望]promise;→英和
(a) hope;→英和
[可能性]possibility;→英和
likelihood.→英和
〜のある promising;hopeful.→英和
〜のない hopeless;→英和
unpromising.成功の〜がある have a good chance of success.…を見込んで in expectation of …;counting on….
‖見込み違い miscalculation.

見込み代

みこみしろ [0] 【見込み代】
仕上げの加工で削る部分となる,仕上げの寸法より少し大きい部分。しあげしろ。

見込み違い

みこみちがい [4] 【見込み違い】
見込みどおりにならないこと。見込みはずれ。「株価が下がったのは―だった」

見込む

みこ・む [0][2] 【見込む】
■一■ (動マ五[四])
(1)有望だと思う。確かだとあてにする。「男と―・んで頼む」「将来性を―・まれる」
(2)予想して勘定に入れる。めあてとする。「三割の利益を―・む」
(3)じっと見る。見つめる。「紙門(フスマ)の外を―・む目前(メサキ)へ/多情多恨(紅葉)」
(4)執念深くとりつく。みいる。「蛇に―・まれた蛙」
[可能] みこめる
■二■ (動マ下二)
有望だと思う。「コレヲ―・メタマイテヨロヅノブギョウヲアテヲコナウ/サントスの御作業」

見込む

みこむ【見込む】
[期待]expect;→英和
anticipate;→英和
count <on> (あてにする);→英和
[勘定に入れる]take <a thing> into account;[信用する]trust;→英和
rely <on> .→英和

見返し

みかえし【見返し】
a flyleaf (書物の).→英和

見返し

みかえし [0] 【見返し】
(1)洋装本の表紙と中身の接合を補強するため,表紙の内側にとりつける二ページ大の丈夫な紙。一方は表紙の内側にのりづけする。中身に接する残りの一方は「遊び」といい,ともに装飾を兼ねる。
→製本
(2)和装本の表(オモテ)表紙裏の書名や作者名を記したページ。
(3)洋裁で,打ち合わせ・襟ぐり・袖ぐりなどの縁の始末に用いる布。

見返す

みかえす【見返す】
look back <at> (ふり返る);look again <at> (見直す);pay back <an injury by> (返報する).

見返す

みかえ・す [0][2] 【見返す】 (動サ五[四])
(1)もう一度見直す。「あらためて書類を―・す」
(2)見られたことに対して,こちらも相手を見る。「相手の目を―・す」
(3)昔あなどられた相手に,立派になった姿を見せつける。「昔の仲間を―・してやる」
(4)後ろをふり向いて見る。見返る。「きつね―・し―・しして前に走り行く/宇治拾遺 1」
[可能] みかえせる

見返り

みかえり [0] 【見返り】
(1)ふり向くこと。後方を見ること。「―美人」
(2)人が自分にしてくれたことにこたえて,その人に何かをしてあげること。「―を要求する」
(3)保証・担保・代償としてさし出すこと。また,その品。「工場誘致の―」

見返り品

みかえり【見返り品】
collateral[exchange]goods.見返り資金 collateral money;a counterpart fund.

見返り担保付貸付

みかえりたんぽつきかしつけ [10] 【見返り担保付貸付】
債務者の不動産・預金などに対し,いつでも担保権を設定しうる状態で行う貸付。正式の担保権設定が不可能な場合に行われる。

見返り柳

みかえりやなぎ [5] 【見返り柳】
江戸時代,江戸の日本堤から吉原遊郭の大門へ下る衣紋坂にあった柳。遊客が遊女との後朝(キヌギヌ)の別れに,あとを振り返るあたりにあったことからいう。

見返り資金

みかえりしきん [5][6] 【見返り資金】
第二次大戦後,アメリカの援助と同額の円資金を特別に積み立て,通貨安定と経済再建のために運用された財政資金。1949年(昭和24)から53年まで特別会計が設けられた。対日援助見返り資金。

見返り輸入

みかえりゆにゅう [5] 【見返り輸入】
⇒カウンター-パーチェス

見返り預金

みかえりよきん [5] 【見返り預金】
銀行が債権担保の目的で引き出しなどの自由な処分を制限している預金。
→拘束預金

見返る

みかえ・る [0] 【見返る】 (動ラ五[四])
(1)後ろをふりかえって見る。「後ろを―・る」
(2)心にかける。面倒をみる。「―・りて久しくものし給ひけるにも/今鏡(藤波上)」
(3)思いなおす。思いかえす。「思ひ切つてはいかな事―・らぬ夫のお心/浄瑠璃・菅原」

見返る

みかえる【見返る】
look back <at> .

見返草

みかえりそう [0] 【見返草】
シソ科の落葉低木。山地の木陰に群生する。葉は広楕円形。秋,頂に花穂を出し,美しい淡紅色の唇形花を密につける。雄しべは花冠から糸のように長くとび出している。イトカケソウ。

見送り

みおくり [0] 【見送り】
(1)出かける人を送ること。また,送る人。「駅まで―に行く」
(2)見ているだけで手を出さないこと。「―の三振」
(3)よりよい機会を期待して,行動を起こさないこと。「今回は―とする」
(4)取引で,相場の動きをみて売買を手控えること。

見送り

みおくり【見送り】
<give a person> a send-off.

見送る

みおくる【見送る】
see <a person> off;see <a person to the door> ;→英和
[目送]follow <a person> with one's eyes;watch;→英和
let go <a chance> (そのままにする).

見送る

みおく・る [0] 【見送る】 (動ラ五[四])
(1)去って行くものを目で追う。「並んで卒業生を―・る」
(2)去って行く人とある所まで一緒に行く。「空港まで先生を―・る」
(3)死ぬ時まで世話をする。「両親を―・った」
(4)計画していたことの実行を延ばす。「着工を―・る」
(5)見のがす。「絶好球を―・る」
[可能] みおくれる

見逃し

みのがし [0] 【見逃し】
(1)見ながら,とがめないこと。「―にはできない」「どうか,お―を」
(2)対処せず,そのままにしてしまうこと。「―の三振」

見逃す

みのがす【見逃す】
[見落とす]overlook;→英和
miss;→英和
[ゆるす]connive <at> (黙認);→英和
forgive.→英和

見逃す

みのが・す [0][3] 【見逃す】 (動サ五[四])
(1)気がつかないでそのままにする。見おとす。「誤植を―・す」
(2)見て気がついていながら,わざと,とがめないでおく。「ちょっとしたいたずらなので―・してやる」
(3)見ることをのがす。「映画を―・す」
(4)野球で,打者が好球をバットを振らないで見送る。「絶好球を―・す」
[可能] みのがせる

見透かす

みすかす【見透かす】
⇒見抜く.

見透かす

みすか・す [0][3] 【見透かす】 (動サ五[四])
(1)(人の胸中などを)悟って知る。みぬく。「相手の魂胆(コンタン)を―・す」
(2)すかして見る。「お種は硝子(ガラス)越に―・した/多情多恨(紅葉)」
[可能] みすかせる

見通し

みとおし【見通し】
[見込み]a prospect;→英和
an outlook;→英和
[洞察]an insight <into> ;→英和
forecast (予測);→英和
[遠景]a view <of> ;→英和
a vista.→英和

見通し

みとおし [0] 【見通し】
(1)遠くの方まで見えること。「―の悪い曲がり角」「―のきく高台」
(2)他人の本心や考えなどを見抜くこと。洞察。「神様はすべてお―だ」「そんなことは先刻お―だ」
(3)未来の事まで察知すること。「先の―がない」「―のきく人」「―が甘い」

見通す

みとおす【見通す】
⇒見抜く.

見通す

みとお・す [0] 【見通す】 (動サ五[四])
(1)初めから終わりまで全部見る。「昼夜興行を―・す」
(2)さえぎられずに遠くまで見る。「屋上からは海岸まで―・すことができる」
(3)人の気持ち・将来など,見えないところまで見る。「先を―・す」「縫ひたる糸,針目までやは―・しつる/枕草子 84」
[可能] みとおせる

見逸る

みはぐ・る [0][3] 【見逸る】
■一■ (動ラ五[四])
(1)見る機会をのがす。「御好物の飴屋が軒も―・りました/大つごもり(一葉)」
(2)見失う。「火事で娘を―・り,行衛が知れません/塩原多助一代記(円朝)」
■二■ (動ラ下二)
⇒みはぐれる

見逸れる

みはぐ・れる [0][4] 【見逸れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みはぐ・る
(1)見る機会を失う。「ロード-ショーを―・れる」
(2)見失う。「―・れまいぞよ。合点だ/長唄・供奴」

見逸れる

みそ・れる [0][3] 【見逸れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みそ・る
(1)うっかりして見おとす。見ていながらそれと気がつかない。「誰とても―・れぬ物や花の顔/毛吹草」
(2)評価などをあやまって相手を低く見る。
〔現代語では多く「おみそれしました」の形で用いる〕

見逸れる

みそれる【見逸れる】
cannot recognize <a person> .

見過ぐ

みす・ぐ 【見過ぐ】 (動ガ上二)
見ただけで通り過ぎる。「女郎花(オミナエシ)をば,―・ぎてぞ出で給ひぬる/源氏(宿木)」

見過ぐす

みすぐ・す 【見過ぐす】 (動サ四)
(1)「見過ごす{(1)}」に同じ。「いとしるく思ひあてられたる御側目を―・さで/源氏(夕顔)」
(2)「見過ごす{(2)}」に同じ。「わが心あやまちなくて―・さば/源氏(帚木)」
(3)様子を見たり,あるいは世話をしたりして過ごす。「親達の,いとことごとしう思ひ惑はるるが心苦しさに,かかる程を―・さむとてなむ/源氏(葵)」

見過ごす

みすごす【見過ごす】
⇒見逃(のが)す.

見過ごす

みすご・す [3][0] 【見過(ご)す】 (動サ五[四])
(1)見ていながら気がつかない。見おとす。「標識を―・す」
(2)気がついていながら何もせずそのままにしておく。放置する。「悪を―・す」「黙って―・せない」
[可能] みすごせる

見過す

みすご・す [3][0] 【見過(ご)す】 (動サ五[四])
(1)見ていながら気がつかない。見おとす。「標識を―・す」
(2)気がついていながら何もせずそのままにしておく。放置する。「悪を―・す」「黙って―・せない」
[可能] みすごせる

見道

けんどう [0][1] 【見道】
〔仏〕 真理を知るための,煩悩(ボンノウ)に汚されることのない智慧(チエ)を起こして,仏教の基本的真理である四諦(シタイ)を,知性的な理解ではなく,直観的に明瞭に見る位。この位に入ると,凡夫から聖者に変わる。

見違い

みちがい [0] 【見違い】
見まちがえること。見ちがえ。

見違う

みちが・う [0][3] 【見違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
「みちがえる」に同じ。
■二■ (動ハ下二)
⇒みちがえる

見違え

みちがえ [0] 【見違え】
「見違い」に同じ。

見違える

みちが・える [0][4] 【見違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 みちが・ふ
見まちがえる。見あやまる。「年頃になって―・えるようにきれいになった」

見違える

みちがえる【見違える】
[A を B と]take[mistake] <A> for <B> ;[見分けられない]cannot recognize <a person> .

見遣す

みおこ・す 【見遣す】 (動サ下二)
離れた所からこちらを見る。視線をこちらに向ける。「車のかたにいささかも―・せ給へば,下簾ひきふたぎて/枕草子 184」

見遣り

みやり 【見遣り】
遠くを見やること。また,見渡される所。見わたし。「―なる山のあなたばかりに/蜻蛉(中)」

見遣る

みや・る [2][0] 【見遣る】 (動ラ五[四])
(1)視線を遠くへ向ける。「かなたを―・る」「我は―・らむ君が辺りをば/万葉 1897」
(2)そっちの方を見る。「声のする方を―・る」

見醒め

みざめ 【見醒め】 (名)スル
見ているうちに興味がなくなること。「むかしの形―して/浮世草子・織留 1」

見開き

みひらき【見開き(新聞や雑誌の)】
a <two-page> spread.→英和

見開き

みひらき [0] 【見開き】
本や雑誌を開いた時,向き合っている左右の二ページ。「図表を―に入れる」

見開く

みひら・く [3][0] 【見開く】 (動カ五[四])
(1)目を大きく開く。「目を―・いて,よく見ろ」
(2)見ぬく。看破する。見てさとる。「経文ノ旨ヲ―・ク/日葡」

見開く[目を]

みひらく【見開く[目を]】
open one's eyes wide.

見間違い

みまちがい [0] 【見間違い】
みまちがうこと。みまちがえ。誤認。「番号の―」

見間違う

みまちが・う [4][0] 【見間違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
「見間違える」に同じ。「本人と―・った」
■二■ (動ハ下二)
⇒みまちがえる

見間違える

みまちが・える [5][0] 【見間違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 みまちが・ふ
まちがえて見る。見あやまる。「数字を―・えて計算した」

見附

みつけ [0] 【見付・見附】
(1)江戸時代,枡形をもつ城門の外側の門で,見張りの者が置かれ通行人を監視した所。江戸城では内郭・外郭の城門を含めて俗に三十六見附と呼ばれていた。
(2)建築で,枠・框(カマチ)などの部材の正面。また,その幅。みつき。
⇔見込み
(3)すぐ向かいに見える所。「あの―の松でござる/狂言記・富士松」

見附

みつけ 【見附】
新潟県中部,信濃川支流の刈谷田(カリヤタ)川下流にある市。近世,絹綿交織や羽二重を産出し,近年は化学繊維・メリヤスなどを生産。

見限り

みかぎり [0] 【見限り】
(1)見限ること。
(2)(多く「お見限り」の形で)客などが顔を見せないこと。「すっかりお―ね」

見限る

みかぎ・る [0][3] 【見限る】 (動ラ五[四])
これ以上見込みがないと判断する。また,そうしてそれ以上相手にしない。「親友を―・るわけにはいかない」「会社を―・る」

見限る

みかぎる【見限る】
⇒見離す.

見隠し

みかくし [0] 【見隠し】
家の窓などの前のあたりをおおって,内部が見えないようにするもの。めかくし。

見隠す

みかく・す 【見隠す】 (動サ四)
見て見ぬふりをする。知らぬふりをする。「いみじきかたはありとも,我は―・して持たらむ/源氏(玉鬘)」

見隠る

みがく・る 【見隠る】 (動ラ下二)
見えたり隠れたりする。「尻にさしさがりて,―・れ―・れ行くに/著聞 12」

見集む

みあつ・む 【見集む】 (動マ下二)
多くの事を見る。さまざまな事物に接する。「さまざまなる人の有様を―・め給ふままに/源氏(若菜下)」

見集め

みあつめ 【見集め】
監督。取り締まり。「跡より清十郎万(ヨロズ)の―に遣しける/浮世草子・五人女 1」

見離す

みはな・す [0][3] 【見放す・見離す】 (動サ五[四])
だめだとあきらめて見きりをつける。さじをなげる。「医者から―・される」「運命の女神に―・される」

見難い

みにくい【見難い】
hard to see;indistinct.→英和

見難い

みにく・い [3] 【見難い】 (形)[文]ク みにく・し
はっきりと見きわめることが困難である。よく見えない。見づらい。「この席は舞台が―・い」「画像が―・い」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

見霽かす

みはるか・す [0][4] 【見晴るかす・見霽かす】 (動サ五[四])
はるかに遠くを見渡す。見はらす。「―・す武蔵野の原」

見面

みづら [0] 【見面】
外から見たようす。見かけ。外見。「―のいい建物」

見頃

みごろ [0][3] 【見頃】
見るのに適当な時。「桜も―になる」

見顕す

みあらわ・す 【見顕す】 (動サ四)
隠れていた物事などを見つけ出す。見破る。見抜く。「人知れぬ心の中を,いかにして―・し給てけるぞと思すにも/狭衣 4」

見飽きる

みあきる【見飽きる】
be sick[tired]of seeing[looking at];be sick <of the picture> .それはもう見飽きた I have seen enough of it.

見飽きる

みあ・きる [0][3] 【見飽きる】 (動カ上一)
何度も見て,もうそれ以上見るのがいやになる。「―・きない景色」

見馴らす

みなら・す 【見慣らす・見馴らす】 (動サ四)
見なれるようにする。「かしこに渡りて―・し給へ/源氏(若紫)」

見馴らふ

みなら・う 【見慣らふ・見馴らふ】 (動ハ四)
いつも見ていて,目に慣れている。見なれる。「―・はぬ心地ぞする/源氏(末摘花)」

見馴れる

みな・れる [0][3] 【見慣れる・見馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みな・る
(1)いつも見ていて目になれる。「―・れた景色」
(2)いつも顔を合わせて,なれ親しんでいる。「明暮れ―・れたるかぐや姫をやりてはいかが思ふべき/竹取」

見高

けんだか [1] 【権高・見高】 (形動)[文]ナリ
気位が高いさま。傲慢(ゴウマン)。「謹んで聞け,と云つた,頗(スコブ)る―なものさ/歌行灯(鏡花)」

規す

き・す 【規す】 (動サ変)
決まる。定まる。「列国の交際始て道理を以て相ひ―・するを得べし/経国美談(竜渓)」

規制

きせい [0] 【規制】 (名)スル
(1)規則によって物事を制限すること。「自由な行動を―する」「交通―」
(2)物事をなす際に従うべききまり。規定。

規制する

きせい【規制する】
regulate;→英和
control.→英和

規制基準

きせいきじゅん [4] 【規制基準】
物事を規制する基準。特に大気汚染・水質汚濁・騒音について遵守が義務づけられる基準。
→排出基準
→排水基準

規制緩和

きせいかんわ [4] 【規制緩和】
自由な経済活動を活性化するために,政府や自治体などが民間の経済活動に定めている許可・確認・検査・届け出などの規制を緩和ないし廃止すること。デレギュレーション。

規制銘柄

きせいめいがら [4] 【規制銘柄】
信用取引で,一部の銘柄について投機が過度に及んだと判断し,取引所が委託保証金率を上げ,その一部を現金徴収するなどの規制措置をとった銘柄。

規則

きそく [2][1] 【規則】
(1)行為や手続きなどを行う際の標準となるように定められた事柄。きまり。「―どおりにやる」「―を守る」
(2)法則。秩序。「―正しい」
(3)国会以外の諸機関によって制定される法の一種。法律・命令などとならぶ実定法の形式の一つ。衆議院規則・参議院規則・最高裁判所規則・会計検査院規則・人事院規則などのほか,地方公共団体の長の定める規則などがある。規則は法律に違反することができない。
→条例

規則

きそく【規則】
a rule;→英和
regulations.〜的(に) regular(ly);→英和
systematic(ally).〜を守る(破る) observe (break) the rule.‖規則違反 a breach of rules.規則書 a prospectus.(不)規則動詞《文》a regular (an irregular) verb.

規則制定権

きそくせいていけん [6] 【規則制定権】
規則を定めることのできる権限。特に,国会の各議院や最高裁判所がその内部規律などに関して,規則を定めることができる憲法上の権限。

規則動詞

きそくどうし [4] 【規則動詞】
活用の仕方が規則的な動詞。英語では,過去形・過去分詞形が原形に -ed を添えた形で終わるもの。日本語では,変格活用に対して正格に活用する動詞をいう。
⇔不規則動詞

規則正しい

きそくただし・い 【規則正しい】 (形)[文]シク きそくただ・し
行動様式や配列などが,ある規則にきちんと従っているさま。規則的である。「―・い生活」「―・く並んでいる」

規則的

きそくてき [0] 【規則的】 (形動)
物事が一定のきまりに従っているさま。「―な生活」「―に変化する」

規則立つ

きそくだ・つ [4] 【規則立つ】 (動タ五[四])
規則正しく整っている。「―・った生活」

規定

きてい【規定】
regulations;rules (規則);provisions (条項).〜する prescribe;→英和
provide <for> .→英和
〜の prescribed;regular.→英和
〜の料金 the regulation charge.‖規定種目 compulsory exercises (体操の).

規定

きてい [0] 【規定】 (名)スル
(1)物事のありさまややり方をある形に定めること。また,その定め。「―に従う」「概念を―する」
(2)法令の条文として定めること。また,その条文。
→規程(1)
(3)〔化〕 溶液濃度の単位。溶液1リットルの中に溶質1グラム当量を含む濃度。記号 N ノルマル。
(4)「規定種目」の略。

規定打席数

きていだせきすう [6] 【規定打席数】
プロ野球で,試合数の三・一倍以上の打席数。

規定液

きていえき [2] 【規定液】
濃度が正確に知られた標準液。特に,濃度を規定濃度で表した標準液。
→標準液

規定演技

きていえんぎ [4] 【規定演技】
体操競技で,国際体操連盟が決めた演技内容を必ず取り入れて行う課題演技。
→自由演技

規定濃度

きていのうど [4] 【規定濃度】
溶液の濃度の表し方の一。規定{(3)}を単位にして示される濃度。規定度。

規定種目

きていしゅもく [4] 【規定種目】
フィギュア-スケート・体操などの競技で,出場選手全員に同一に課せられる競技種目。規定。

規式

きしき [0] 【規式】
定まった作法。きまり。さだめ。

規律

きりつ [0] 【規律・紀律】
(1)社会生活・集団生活において人の行為の規準となるもの。また,そのようなものとしてのさだめ。おきて。のり。「―を守る」
(2)一定の秩序。きまり。「―正しい生活」

規律

きりつ【規律】
(1) order;→英和
discipline.→英和
(2) regulations (規定); <observe,break> the rules.〜のある(ない) (dis)orderly;→英和
(un)disciplined.

規戒

きかい [0] 【規戒】 (名)スル
いましめること。また,その規範や戒律。「年少の軍官を―せしが/西国立志編(正直)」

規整

きせい [0] 【規整】 (名)スル
規律を立てて物事を整えること。

規格

きかく【規格】
a standard.→英和
〜化(する) standardization (standardize).‖規格判 a standardized size.規格品 standardized goods[articles].

規格

きかく [0] 【規格】
(1)工業製品などの品質・大きさ・形状などについて定められた標準。
(2)判断の基準となる社会的な標準。「―外れの人物」

規格判

きかくばん [0] 【規格判】
ジス(JIS)による,書籍・雑誌・便箋などの紙の仕上げ寸法。

規格化

きかくか [0] 【規格化】 (名)スル
規格(標準)に合わせて統一すること。「製品を―する」

規格品

きかくひん [0] 【規格品】
規格に合わせて作った品物。

規模

きぼ【規模】
a scale;→英和
(a) scope (範囲);→英和
a plan (設計);→英和
structure (構造).→英和
大(小)〜の[に]on a large (small) scale.

規模

きぼ [1] 【規模】
(1)構え・仕組みの大きさ。組織・機構の広がり。「壮大な―の計画」「世界的な―の戦争」
(2)手本。規範。「累代の公物,古弊をもちて―とす/徒然 99」
(3)名誉。誉れ。「多年の所望,氏族の―とする職なれば/太平記 10」
(4)しるし。効果。甲斐(カイ)。「勘当を赦されねば伝授しても―がない/浄瑠璃・菅原」
(5)代償。返礼。「その代り十分(オモイレ)お骨折りの―はしやす/人情本・梅美婦禰 3」
(6)よりどころ。証拠。「家内へ見せる慥(タシ)かな証拠を下されかし,それを―に立帰り/洒落本・当世気とり草」

規模の経済性

きぼのけいざいせい [1][0] 【規模の経済性】
〔economies of scale〕
生産規模の拡大に伴ってコストが下がり,効率が上昇すること。スケール-メリット。
→範囲の経済性

規正

きせい【規正】
(re)adjustment <of consumption> .〜する (re)adjust;→英和
regulate.→英和

規正

きせい [0] 【規正】 (名)スル
規則に従って悪い点を正しく改めること。

規準

きじゅん [0] 【規準】
判断や行動の手本となる規則。

規画

きかく [0] 【規画】 (名)スル
はかり定めること。計画。「一も―する所なく,只だ手を拱して/真善美日本人(雪嶺)」

規矩

きく [1][2] 【規矩】
〔「規」はコンパス,「矩」はものさし〕
人の行動の規準となる手本。規則。「以前は自分の信念を日常の―としてゐたが/復活(魯庵)」
→規矩準縄(ジユンジヨウ)

規矩準縄

きくじゅんじょう [1] 【規矩準縄】
〔「孟子(離婁上)」より。「規」はコンパス,「矩」はさしがね,「準」はみずもり,「縄」はすみなわ〕
行為や物事の規準。法則。手本。規則。

規矩術

きくじゅつ [2] 【規矩術】
指し矩(ガネ)を用いて垂木や隅木などの建築部材の実形を幾何学的に割り出し,材木に墨付けをする技術。江戸幕府大棟梁の平内(ヘイノウチ)延臣(1791-1856)によって大成された。

規程

きてい [0] 【規程】
(1)特定の目的のために定められた一連の条項の全体をひとまとまりとして呼ぶ語。国会の両院協議会に関する規程など。
(2)官公署などにおける,内部組織・事務執行などの準則。「事務―」

規箴

きしん [0] 【規箴】
戒めること。戒め。「少壮官医中に蘭軒の―を受けたものである/伊沢蘭軒(鴎外)」

規範

きはん【規範】
a standard;→英和
a norm;→英和
a criterion.→英和
規範文法《文》(a) prescriptive grammar.

規範

きはん [0] 【規範・軌範】
(1)行動や判断の基準・手本。「社会―」「―に従う」
(2)〔哲〕
〔norm〕
単なる事実ではなく,判断・評価などの基準としてのっとるべきもの。準拠。標準。規格。

規範学

きはんがく [2] 【規範学】
事実が「如何にあるか」を扱う経験科学に対して,「如何にあるべきか」という規範・当為を取り扱う科学。倫理学・美学・論理学など。規範科学。

規範師

きはんし [2] 【軌範師・規範師】
〔仏〕
⇒阿闍梨(アジヤリ)

規範文法

きはんぶんぽう [4] 【規範文法】
言語活動の正しい実践を目的に編まれた文法。一定の基準に立って言語の正しい使い方を説く立場をとるもの。実用文法。教科文法。
→記述文法

規範法則

きはんほうそく [4] 【規範法則】
事実の間に成立する自然法則に対して,「かくあるべし」という形をとる主体的な当為の法則。倫理学・論理学などの諸法則。

規範的倫理学

きはんてきりんりがく [8] 【規範的倫理学】
〔normative ethics〕
具体的・実質的規範の定立にまで踏み込む倫理学説。たとえば,「人種差別は悪である」という命題を正しいとする立場。
⇔メタ倫理学

規範的責任論

きはんてきせきにんろん [8] 【規範的責任論】
刑事責任は規範に基づいた評価であって,違法な行為を行なったことについて,その行為者を非難できるということであるとする考え方。期待可能性の理論と結びついて成立した。
→期待可能性

規範経済学

きはんけいざいがく [6] 【規範経済学】
ある価値判断に基づいた場合,いかなる経済目標の達成が望ましいかを明らかにする経済学。厚生経済学はその典型。

規約

きやく【規約】
<enter into> an agreement <with> ;a contract;→英和
rules (規則).

規約

きやく [0] 【規約】
(1)人々の協議によって決めた規則。「―に違反する」
(2)団体の内部組織に関する規定。

規約主義

きやくしゅぎ [4] 【規約主義】
⇒コンベンショナリズム

覓ぐ

ま・ぐ 【覓ぐ・求ぐ】 (動ガ四)
求める。捜す。尋ねる。「良き医(クスシ)を新羅に―・ぐ/日本書紀(允恭訓)」
→くにまぎ

し 【視】
名詞の下に付けて,…と考える,…とみなす意を表す。「重大―」「問題―」「困難―する」「白眼―する」

視する

−し【−視する】
consider <a person to be dangerous> ;→英和
regard[look upon] <a person as> .→英和

視一視

しいっし [2] 【視一視】
じっと見つめること。「瞳を定めて能く之を―すれば/世路日記(香水)」

視交叉

しこうさ [2] 【視交叉】
左右の眼球の網膜からでた視神経繊維が分岐し交わるところ。それぞれの鼻側の半分の繊維が視床下部の先端で交叉している。立体視に大きな役割を果たしていると考えられている。

視位置

しいち [2] 【視位置】
天球上における天体の見かけの位置。地球の中心から見たある時刻の天体の幾何学的位置に年周光行差などの補正をしたもの。天体暦に記載。

視写

ししゃ [1][0] 【視写】 (名)スル
学校教育で,手本とするものを見て書き写すこと。

視力

しりょく [0][1] 【視力】
視覚的に二点を区別し得る能力。「―が衰える」

視力

しりょく【視力】
(eye)sight;→英和
vision.→英和
〜が強(弱)い have good (poor) sight.‖視力検査 an eyesight test.視力表 an eye chart.

視力表

しりょくひょう [0] 【視力表】
視力を測定する表。視標としてランドルト環やスネレン文字などが用いられる。試視力表(シシリヨクヒヨウ)。

視力障害

しりょくしょうがい [4] 【視力障害】
眼球自体または視神経系の障害によって視力が低下した状態。程度により,全盲・半盲(準盲)・弱視などがある。

視半径

しはんけい [2] 【視半径】
角距離で表した,天体の見かけの半径。

視告朔

こうさく カウ― [0] 【視告朔・告朔】
〔「視」は通例読まない〕
古代,毎月朔日(サクジツ),諸司の進奏する百官の勤怠,上番日数を記した文を天皇が閲覧した儀式。のちには正月・四月・七月・一〇月の月初めにだけ行われ,次いで廃れた。ついたちもうし。こくさく。

視太陽

したいよう [2] 【視太陽】
見たままの太陽のこと。天球上の位置は大気差の影響を除いてあるが光行差の影響は除いていないため,真太陽より黄道上西へ角度で二〇・五秒ずれている。

視太陽日

したいようじつ [4] 【視太陽日】
視太陽時の〇時から次の〇時までの時間。視太陽は黄道上を等角速度で移動していないので,視太陽日の長さは一定ではない。最も長い日は一二月二二日頃の二四時間〇分三〇秒,最も短い日は九月一七日頃の二三時間五九分三九秒。
→平均太陽日
→真太陽日

視太陽時

したいようじ [4] 【視太陽時】
ある地点におけるみかけの太陽の時角に基づいた時刻。
→平均太陽時

視学

しがく [1] 【視学】
旧制の学校教育で,学事の視察,教職員の監視・監督に当たった地方官。郡視学・府県視学があった。

視学官

しがくかん [3][2] 【視学官】
(1)旧制で,中央・地方に置かれ,学事の視察と事務をつかさどった官吏。
(2)文部省に置かれ,教育行政に関する連絡や指導・助言を行う職。

視官

しかん [0] 【視官】
視覚をつかさどる器官。視覚器官。

視察

しさつ【視察】
(an) inspection.〜する visit;→英和
inspect.→英和
‖視察団 <send> an inspecting party.視察旅行 <go on> a tour of inspection;a study tour <of> .

視察

しさつ [0] 【視察】 (名)スル
実情を知るために実地を見ること。「民情―」「水害地を―する」

視差

しさ【視差】
《天》the <solar> parallax.→英和

視差

しさ [1] 【視差】
〔parallax〕
(1)観測位置の相違により生じる物の視覚像や方向の差異。
(2)〔天〕
 (ア)天体を太陽中心から見た方向と地球中心から見た方向との差(年周視差)。
 (イ)天体を地球中心から見た方向と観測者から見た方向との差(日周視差)。
(3)カメラのファインダーの像とフィルム上に得られる像との差異。

視差運動

しさうんどう [3] 【視差運動】
地球の公転運動によって生じる天球上の恒星の見かけ上の位置変化。対視運動。

視床

ししょう [0] 【視床】
間脳の背側に左右一対あって,間脳の主体をなす部分。嗅覚以外の知覚神経を大脳皮質へ中継する。視丘(シキユウ)。

視床下部

ししょうかぶ [4] 【視床下部】
視床の前下方に続き間脳の底部を形成する部分。自律神経系の高次中枢および体温・睡眠・生殖・物理代謝などの神経中枢が存在する。また,下垂体とも密接に連絡する。

視座

しざ [1] 【視座】
ものを認識する立場。視点。
→視座構造

視座構造

しざこうぞう [3] 【視座構造】
マンハイムの知識社会学の中心概念の一。人が事実を認識する際,社会的条件は認識の形成過程のみを規定するのではなく,認識の構造そのものにまで組み込まれていることを示す概念。

視感

しかん [0] 【視感】
「視覚(シカク)」に同じ。

視束

しそく [0] 【視束】
⇒視神経(シシンケイ)

視標

しひょう [0] 【視標】
測量の際,測点の上に立てる標的。

視準

しじゅん [0] 【視準】
望遠鏡の軸の方向を決定したり,補正したりすること。

視準儀

しじゅんぎ [2] 【視準儀】
⇒コリメーター

視点

してん [0] 【視点】
(1)物事を観察する立場。観点。「―を変えるといい考えが浮かぶ」
(2)遠近法で,投射線(視線)が集まる画面の特定の一点(目の位置)。

視点

してん【視点】
⇒観点.

視界

しかい【視界】
the field of vision; <come into> view;→英和
<get out of> sight;→英和
visibility.

視界

しかい [0] 【視界】
目に見える範囲。視野。「―に入る」「―がきかない」

視直径

しちょっけい [2] 【視直径】
天体の見かけの直径を角距離で表したもの。

視神経

ししんけい【視(歯)神経】
《解》the optic (dental) nerve.

視神経

ししんけい [2] 【視神経】
網膜が受けた光刺激を脳に伝える神経。第二脳神経。視束。

視神経炎

ししんけいえん [4] 【視神経炎】
視神経の炎症。視力低下・視野異常・眼窩痛などの症状が現れる。

視程

してい [0] 【視程】
大気の混濁の程度を表す気象要素。決まった目標を肉眼で認めうる水平方向の最大距離によって表す。見通し。

視等級

しとうきゅう [2] 【視等級】
⇒等級(トウキユウ)(2)

視紅

しこう [0] 【視紅】
脊椎動物の網膜の視細胞のうち,桿状体の外節に含まれ,光の感覚に関与する物質。ビタミン A に近い構造のものとタンパク質が結合した色素で,ビタミン A が欠乏するとその合成が妨げられ,夜盲症となる。視紫紅。ロドプシン。視紅素。

視細胞

しさいぼう [2] 【視細胞】
動物の感覚細胞の一種。光の受容器となる細胞。脊椎動物では桿(カン)状体と錐状体に分化し,それらが多数集まって網膜をつくる。

視線

しせん【視線】
one's eyes;a glance.→英和
〜が会う <Our> eyes meet.〜を避ける avoid a person's gaze.〜を向ける turn one's eyes <on> .

視線

しせん [0] 【視線】
(1)目の中心と見ている対象とを結ぶ線。見つめている方向。「―をそらす」「―が合う」「背中に―を感じる」
(2)視軸。
〔明治期につくられた語〕

視線速度

しせんそくど [4] 【視線速度】
観測者に対する天体の速度のうち,視線方向の成分。スペクトル線の変位を測定することによって求められる。

視聴

しちょう [0] 【視聴】 (名)スル
(1)見ることときくこと。「満天下の耳を聾(ロウ)し眼を盲し以て全く―する莫(ナカ)らしむ/社会百面相(魯庵)」
(2)人々の注意や注目。「―を集める」

視聴を集める

しちょう【視聴を集める】
attract public attention.‖視聴者 a TV viewer;the TV audience (総称).視聴率 an audience rating.

視聴率

しちょうりつ [2] 【視聴率】
あるテレビ番組が,一定の地域でどのぐらい見られていたかを示す割合。ラジオの場合は聴取率という。パーセントで表す。

視聴者

しちょうしゃ [2] 【視聴者】
ラジオ・テレビの受信者。聴視者。

視聴覚

しちょうかく [2] 【視聴覚】
視覚と聴覚。

視聴覚教育

しちょうかく【視聴覚教育(教材)】
audio-visual education (aids).

視聴覚教育

しちょうかくきょういく [6] 【視聴覚教育】
視覚と聴覚に訴える教育法。標本・スライド・映画・ラジオ・レコードなどに加えて,テレビ・ VTR ・オーバー-ヘッド-プロジェクターなどの機器を取り入れ,またティーチング-マシン・プログラム学習・ランゲージ-ラボラトリーの導入,コンピューターの利用など教育工学的な手段・方法を採用したもの。

視能訓練士

しのうくんれんし [6] 【視能訓練士】
視能訓練士法に基づき,眼科医師の指示のもとに視機能回復のための矯正訓練や検査を行う者。

視葉

しよう [0] 【視葉】
鳥類・爬虫類以下の脊椎動物の,中脳の背側面左右にあるふくらみ。視覚に関係する。

視覚

しかく [0] 【視覚】
外界からの光を刺激として生じる感覚。ヒトでは光が目の網膜を刺激し,そこに生じた神経興奮が大脳の視覚野に伝えられたときに生じる。明暗覚・色覚・形態覚・運動覚を含む。視感。
〔sight の訳語〕

視覚

しかく【視覚】
(the sense of) sight;→英和
vision.→英和
視覚教育 visual education.

視覚中枢

しかくちゅうすう [4] 【視覚中枢】
視覚に関与する神経中枢。大脳皮質の左右後頭葉にある。

視覚器

しかくき [3][2] 【視覚器】
光刺激を受容する器官。視細胞が体表に散在するものから,集まって網膜となり目を形成するものまである。視覚器官。視器。光受容器。

視覚型

しかくがた [0] 【視覚型】
ものを覚えたり,思い出したり,考えたりするときに,それらを視覚的に行うタイプ。

視覚芸術

しかくげいじゅつ [4] 【視覚芸術】
絵や彫刻など,視覚を介して鑑賞される芸術。造形芸術。空間芸術。

視覚言語

しかくげんご [4] 【視覚言語】
視覚を通じて情報を伝達するはたらきをもつもの。手話・象徴図形・標識など。

視覚野

しかくや [3] 【視覚野】
大脳皮質のうちで視覚に直接関係のある部分。後頭葉にある。視覚領。視領。

視覚障害

しかくしょうがい [4] 【視覚障害】
視覚機能が永続的に低下している状態。視野障害・視力障害などがある。「―者」

視角

しかく【視角】
the visual angle;a viewpoint (見地).→英和

視角

しかく [0] 【視角】
目と物体の両端を結んだ二直線のなす角の大きさ。この角度が大きいと物が大きく見える。

視診

ししん [0] 【視診】 (名)スル
目で見て診療すること。患者の顔色・皮膚の色・体格・栄養の状態などで判断すること。部位によっては内視鏡による診察が広く行われる。

視話法

しわほう【視話法】
visible speech;lipreading.→英和

視話法

しわほう [2] 【視話法】
発音法を習得する方法の一。音を耳にせず,口の動き・舌の位置などから発音を知覚する。

視認

しにん [0] 【視認】 (名)スル
目で実際に確認すること。「二キロ前方に潜水艦を―する」

視距儀

しきょぎ [2] 【視距儀】
トランシットを用いて一定長の目標の視角を測定し,計算により距離を測る道具。スタジア測量器。

視軸

しじく [0] 【視軸】
眼底の黄斑と注視する物体とを結ぶ直線。視線。

視運動

しうんどう [2] 【視運動】
天体の視位置の運動。
→視位置

視野

しや【視野】
the range of vision;(a field of) view.→英和
〜にはいる come in sight.

視野

しや [1] 【視野】
(1)一点に視線を固定したままの状態で見ることのできる範囲。視界。「全景を―におさめる」
(2)望遠鏡・顕微鏡などで像の見える範囲。
(3)思慮や判断の及ぶ範囲。識見。「広い―から判断する」

視野狭窄

しやきょうさく [3] 【視野狭窄】
視野が周辺や中心から狭くなる状態。網膜色素変性症・緑内障・網膜剥離などのほか,視神経路の障害によって起こる。

視野障害

しやしょうがい [3] 【視野障害】
視野に障害がある状態。
→視野狭窄(シヤキヨウサク)

視閲

しえつ [0] 【視閲】 (名)スル
警察職員を検閲すること。

視領

しりょう [0] 【視領】
⇒視覚野(シカクヤ)

覗かす

のぞか・す [0] 【覗かす】
■一■ (動サ五[四])
物の一部を外に出して見えるようにする。「着物の襟元から襦袢の襟を―・す」
■二■ (動サ下二)
⇒のぞかせる

覗かせる

のぞか・せる [0] 【覗かせる・覘かせる】 (動サ下一)[文]サ下二 のぞか・す
(1)内にあるものを一部分だけ見せる。「胸のポケットにハンカチを―・せている」
(2)相撲で,相手のわきを浅くさす。

覗き

のぞき [0] 【覗き・覘き】
(1)のぞくこと。ひそかにうかがい見ること。また,その人。
(2)「覗き機関(カラクリ)」の略。
(3)囲碁で,相手の石の間隙(カンゲキ)を一路へだてたところから,切断をねらって打つ手。

覗き垣

のぞきがき [3] 【覗き垣】
葭(ヨシ)あるいは萩(ハギ)を用いて編み,中央の上のほうにすかしを入れた垣。

覗き機関

のぞきからくり [4][5] 【覗き機関】
箱の中に数枚の絵を入れ,口上とともに順次これを回転させ,ひとつづきの物語や景色などを,凸レンズを取り付けたのぞき穴から見せる装置。からくりめがね。のぞきめがね。のぞき。
覗き機関[図]

覗き眼鏡

のぞきめがね [4] 【覗き眼鏡】
(1)箱の一方に凸レンズを取り付け,他方に絵をはめ込んで,拡大して見せる装置。覗き機関(カラクリ)を含めていうこともある。
→眼鏡絵
(2)水中・海中を見られるように,底にガラスを張った箱。箱めがね。

覗き穴

のぞきあな [3][0] 【覗き穴】
のぞいて向こう側の様子を見るための小穴。

覗き窓

のぞきまど [4] 【覗き窓】
屋内や舞台裏などからのぞいて様子を見るための窓。機械の計器などを見るためについている窓にもいう。

覗き色

のぞきいろ [0] 【覗き色】
〔藍瓶(アイガメ)をちょっとのぞいた程度の色,の意〕
きわめて薄い藍色。瓶(カメ)覗き。

覗き見

のぞきみ [0] 【覗き見】 (名)スル
小さな穴やすき間などからこっそりと様子をうかがい見ること。「障子の穴から―する」

覗き見

のぞき【覗き見】
a peep.→英和
覗き穴 a peephole (玄関の).→英和
覗き趣味 a peeping Tom (人).

覗き趣味

のぞきしゅみ [4] 【覗き趣味】
他人の私生活などをのぞき見て喜ぶ性癖。

覗き込む

のぞきこ・む [4] 【覗き込む】 (動マ五[四])
首を伸ばすようにして中のものを見る。「部屋の中を―・む」
[可能] のぞきこめる

覗く

のぞ・く [0] 【覗く・覘く・臨く】 (動カ五[四])
〔「のぞむ」と同源〕
□一□(他動詞)
(1)すき間や穴などからこっそりと見る。「鍵穴から中を―・く」
(2)高い所から下を見る。「谷底を―・く」「川近き所にて,水を―・き給ひて/源氏(手習)」
(3)ちょっと立ち寄る。「古本屋を二,三軒―・く」
(4)こっそり見る。また,ちょっと見る。「子供の教科書を―・いてみる」「人の日記を―・く」
(5)望遠鏡・顕微鏡などで見る。「双眼鏡を―・く」
□二□(自動詞)
(1)一部分がちらりと現れ出る。「雲間から月が―・く」「笑うと白い歯が―・く」
(2)物に向かって位置をしめる。のぞむ。《臨》「この平張はかはに―・きてしたりければ,づぶりとおちいりぬ/大和 147」
[可能] のぞける

覗く

のぞく【覗く】
peep <at,into,through> .→英和
窓から中(外)を〜 peep[look]into (out of) the window.→英和

覗ける

のぞ・ける [0] 【覗ける】 (動カ下一)
一部分があらわれて,見える。また,一部分を外に出す。のぞかせる。「桃が楽しさうに紅い蕾を―・けたりすると/執着(秋江)」「ロダンが白髪頭を―・けた/花子(鴎外)」

覘かせる

のぞか・せる [0] 【覗かせる・覘かせる】 (動サ下一)[文]サ下二 のぞか・す
(1)内にあるものを一部分だけ見せる。「胸のポケットにハンカチを―・せている」
(2)相撲で,相手のわきを浅くさす。

覘き

のぞき [0] 【覗き・覘き】
(1)のぞくこと。ひそかにうかがい見ること。また,その人。
(2)「覗き機関(カラクリ)」の略。
(3)囲碁で,相手の石の間隙(カンゲキ)を一路へだてたところから,切断をねらって打つ手。

覘く

のぞ・く [0] 【覗く・覘く・臨く】 (動カ五[四])
〔「のぞむ」と同源〕
□一□(他動詞)
(1)すき間や穴などからこっそりと見る。「鍵穴から中を―・く」
(2)高い所から下を見る。「谷底を―・く」「川近き所にて,水を―・き給ひて/源氏(手習)」
(3)ちょっと立ち寄る。「古本屋を二,三軒―・く」
(4)こっそり見る。また,ちょっと見る。「子供の教科書を―・いてみる」「人の日記を―・く」
(5)望遠鏡・顕微鏡などで見る。「双眼鏡を―・く」
□二□(自動詞)
(1)一部分がちらりと現れ出る。「雲間から月が―・く」「笑うと白い歯が―・く」
(2)物に向かって位置をしめる。のぞむ。《臨》「この平張はかはに―・きてしたりければ,づぶりとおちいりぬ/大和 147」
[可能] のぞける

覘標

てんぴょう [0] 【覘標】
測量のため,選んだ地点に遠くから見えるように据え付ける櫓(ヤグラ)様の目標。

かく [1] 【覚】
〔仏〕
(1)悟り。仏の智慧。菩提(ボダイ)。
(2)ブッダ。仏。悟った者。

覚え

おぼえ [3][2] 【覚え】
(1)
 (ア)おぼえこむこと。記憶すること。記憶力。「仕事の―が悪い」
 (イ)今でもおぼえていること。経験。「いたずらをしてよくしかられた―がある」
 (ウ)思い当たる事柄。思い当たり。「身に―のない罪」
 (エ)経験を積んでいて,自信があること。「腕に―がある」
(2)(上の人から)かわいがられること。「上役の―がめでたい」
(3)覚え書き。メモ。
(4)世間の評判。人望。「世の―あなづらはしうなりそめたるを/枕草子 4」

覚え

おぼえ【覚え】
(1) (a) memory (記憶).→英和
(2) experience (経験).→英和
(3) favor (気受け).→英和
〜が良い(悪い) have a good (poor) memory;be quick (slow) to learn (理解).
〜がある(ない) (do not) remember <having promised> .→英和
腕に〜がある be confident of one's skill.〜がめでたい be in a person's favor.

覚えず

おぼえず [2] 【覚えず】 (副)
意識しないで。知らず知らず。いつの間にか。「末造は―蹙(シカ)めてゐた顔を/雁(鴎外)」

覚える

おぼえる【覚える】
remember (記憶している);→英和
learn <English> (学ぶ);→英和
memorize,learn by heart (暗記);feel <a pain> (感じる).→英和

覚える

おぼ・える [3] 【覚える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 おぼ・ゆ
〔「おもほゆ」が「おぼほゆ」を経て転じた語〕
(1)記憶にとどめて忘れないでいる。頭に入れる。記憶する。
⇔忘れる
「英語の単語を―・える」「全員の名前と顔を―・える」「あの日のことははっきりと―・えている」「みんなに言いふらしてやるから―・えていろ」
(2)技術を身につける。習得する。「教習所に通って運転を―・える」「仕事のこつを―・える」「体で―・える」
(3)体や心で感じる。…と感じる。…と思われる。
 (ア)「…をおぼえる」の形で用いる。「するどい痛みを―・えた」「心の安らぎを―・える」「満足を―・える」
 (イ)形容詞の連用形や助詞「と」などを受けて用いる。「都のいと恋しう―・えければ/古今(羇旅詞)」「女のまだ世経ずと―・えたるが/伊勢 120」
(4)他人からそう思われる。「恥づかしきものと―・え給へる弁の少将の君/落窪 1」
(5)意識が働く。判断がつく。わかる。「射殺されなましと思ひけるに,物も―・えず臆して/宇治拾遺 3」「帰るべき方も―・えず涙川/後撰(恋四)」
(6)思い出す。「言の葉に絶えせぬ露は置くらむや昔―・ゆるまどゐしたれば/後撰(雑一)」「いで―・え給へ/大鏡(序)」
(7)似る。「御かたち有様,あやしきまでぞ―・え給へる/源氏(桐壺)」

覚え帳

おぼえちょう [0] 【覚え帳】
(1)記憶のために書きつけておく帳面。備忘録。
(2)商店などで,売買額などを書き留めておく帳簿。

覚え書き

おぼえがき [0] 【覚え書き・覚書】
(1)必要な事柄を忘れないように書き留めた書きつけ。メモ。「講義の―」
(2)思いつくままに書き綴ったもの。自分の評論や論文などを謙遜して,その題名につける。「シェークスピア―」
(3)〔memorandum〕

 (ア)外交文書のうち,略式でやりとりされる文書。一般に,宛て名や署名がない国際会議や外交交渉での論旨の要録,相手国に対する希望や意見の伝達,条約の付帯事項や補足などに用いられる。自国の大使・公使の署名を伴うものは正式な外交文書とされる。
 (イ)占領期間中に,日本政府に対して連合国最高司令官が発した指令の一形式。

覚え無し

おぼえな・し 【覚え無し】 (形ク)
心当たりがない。「あやし,たれが言ふぞ。―・くこそ/堤中納言(はなだの)」

覚え込む

おぼえこ・む [4] 【覚え込む】 (動マ五[四])
知識・技術をしっかりと身につける。「単語を―・む」「犬に芸を―・ませる」

覚す

さます【覚す】
[目を]wake up;awake;→英和
bring to one's senses (迷いを);make sober (酔いを).

覚ます

さま・す [2] 【覚ます・醒ます】 (動サ五[四])
(1)眠っている状態から意識のある状態にもどす。眠りからさめさせる。「ベルの音で目を―・した」「眠気を―・す」
(2)酒に酔った状態から正常な状態にもどす。《醒》「酔いを―・す」
(3)心の迷いをなくさせて正常にする。「心の迷いを―・す」「世の曚昧(モウマイ)を―・さしたい者だて/安愚楽鍋(魯文)」
(4)悲しみや不安をしずめる。「思ひ慰まむかたありてこそ悲しさをも―・すものなれ/源氏(椎本)」
〔「さめる」に対する他動詞〕
[可能] さませる

覚む

さ・む 【冷む・覚む・醒む・褪む】 (動マ下二)
⇒さめる(冷)
⇒さめる(覚)
⇒さめる(褪)

覚める

さ・める [2] 【覚める・醒める】 (動マ下一)[文]マ下二 さ・む
(1)眠っている状態から意識のある状態にもどる。「夢から―・める」「眠気が―・めない」「寝ても―・めても」
(2)酒などに酔った状態から正気にもどる。「酔いが―・める」「麻酔から―・める」
(3)心の迷いがなくなる。「一時の迷いから―・める」
(4)(「さめた」「さめている」の形で)感情に動かされずに,冷静になる。「彼は―・めた目で世界を見ている」
(5)高ぶった感情がしずまる。また,興味が薄れる。「よろづのあはれも―・めぬべけれど/源氏(若菜下)」
〔「さます(覚・醒)」に対する自動詞〕

覚める

さめる【覚める】
(1)[目が]wake up;awake <from> .→英和
(2)[酔いが]become sober.(3)[迷いが]be disillusioned.

覚め遣らぬ

さめやらぬ 【覚め遣らぬ・醒め遣らぬ】 (連語)
まだすっかり覚めていない。「夢―面持ち」

覚め際

さめぎわ [0] 【覚め際・醒め際】
眠りや酔いなどからさめるまぎわ。

覚ゆ

おぼ・ゆ 【覚ゆ】 (動ヤ下二)
⇒おぼえる

覚り

さとり [0] 【悟り・覚り】
(1)さとること。知らなかったことを知ること。気がつくこと,感づくこと。「―が遅い」「―の悪い男だ」
(2)〔仏〕 迷妄を去って,真理を会得すること。また,その真理。開悟。菩提。覚。
⇔迷い
「―を開く」「―の境地」

覚る

さと・る [0][2] 【悟る・覚る】 (動ラ五[四])
(1)表面には表れていないことをおしはかって知る。感づく。「言外の意を―・る」「相手に―・られないようにそっと近づく」「死期を―・る」
(2)道理を知る。明らかに知る。「事の重大性を―・る」「日のあたる所には屹度(キツト)影がさすと―・つた/草枕(漱石)」「天文・暦数によく―・り/今昔 9」
(3)(仏教で)欲望・執着・迷いなどを去って,真理を会得する。悟りを開く。
〔「さとす」に対する自動詞〕
[可能] さとれる

覚一

かくいち 【覚一】
(?-1371) 南北朝時代の琵琶法師。一方(イチカタ)流。平家物語の詞章の整理統一に多大の功績をあげ,平曲中興の祖といわれる。盲人の職業組織である当道の形成にも貢献した。明石覚一。

覚他

かくた [1] 【覚他】
〔仏〕 悟った者が他者を教え導いて悟らしめること。
⇔自覚

覚信尼

かくしんに 【覚信尼】
(1224-1283) 親鸞の女(ムスメ)。母は恵信尼。親鸞の死後,大谷に廟を建て,以後その子孫が廟を守ることとし,のちの本願寺教団の出発点となった。

覚如

かくにょ 【覚如】
(1270-1351) 本願寺第三世法主(ホツス)。覚如房宗昭(シユウシヨウ)。親鸞の娘覚信尼の孫。北陸・関東・奥州に布教。親鸞の本廟を本願寺とし,教団の基礎を確定した。著「報恩講式」「改邪鈔」「親鸞聖人伝絵」

覚弥

かくや [0] 【覚弥】
古漬けの香の物を塩出しし,細かく刻んで醤油をかけたもの。隔夜。
〔江戸初期に,岩下覚弥という人が始めたとも,高野山の隔夜堂を守る老僧のために始めたともいう〕

覚彦

かくげん 【覚彦】
(1639-1702) 江戸中期の真言宗の僧。初名,雲農,のち浄厳。河内の人。新安祥寺流の祖。徳川綱吉の帰依を受け,江戸湯島に霊雲寺を開く。悉曇(シツタン)学の復興にも寄与。弟子に契沖らがいる。著「法華秘略要鈔」

覚悟

かくご [1][2] 【覚悟】 (名)スル
(1)危険な状態や好ましくない結果を予想し,それに対応できるよう心構えをすること。「決死の―」「危険は―の上だ」「―はできている」
(2)〔仏〕 悟りを開くこと。
(3)知ること。「郎従小庭に伺候の由,全く―仕らず/平家 1」
(4)覚えること。「本歌を―す/徒然 238」
(5)観念すること。あきらめること。「がつきめ,御意ぢや―せい/狂言・武悪」

覚悟

かくご【覚悟】
preparedness;resolution (決心);→英和
resignation (あきらめ).→英和
〜する be prepared[ready] <for> ;be resolved <to do> ;be resigned.

覚挙

かくこ 【覚挙】
律令制で,官人が公務上の過失を自ら申し出ること。発覚以前であれば,原則として免責された。

覚書

おぼえがき【覚書】
a memorandum;→英和
<話> a memo;→英和
a note (外交上の).→英和

覚書

おぼえがき [0] 【覚え書き・覚書】
(1)必要な事柄を忘れないように書き留めた書きつけ。メモ。「講義の―」
(2)思いつくままに書き綴ったもの。自分の評論や論文などを謙遜して,その題名につける。「シェークスピア―」
(3)〔memorandum〕

 (ア)外交文書のうち,略式でやりとりされる文書。一般に,宛て名や署名がない国際会議や外交交渉での論旨の要録,相手国に対する希望や意見の伝達,条約の付帯事項や補足などに用いられる。自国の大使・公使の署名を伴うものは正式な外交文書とされる。
 (イ)占領期間中に,日本政府に対して連合国最高司令官が発した指令の一形式。

覚束ない

おぼつかない【覚束ない】
doubtful <weather> ;→英和
uncertain;→英和
<There is> little hope <of one's recovery> .

覚束無い

おぼつかな・い [0][5] 【覚束無い】 (形)[文]ク おぼつかな・し
□一□
(1)確かでなくはっきりしない。ぼんやりしている。「私の―・い記憶で言うと」
(2)うまく行く見込みがない。疑わしい。だめだろう。「成功はとても―・い」「明日の天気はどうも―・い」
(3)しっかりしていない。心もとない。頼りない。「―・い足取りの老人」「私の―・いフランス語でもなんとか用が足りた」
□二□
(1)ぼうっとして,はっきりしない。「今夜(コヨイ)の―・きにほととぎす鳴くなる声の音のはるけさ/万葉 1952」
(2)気がかりだ。心配だ。「―・きもの…いま出で来たる者の心も知らぬに/枕草子 70」
(3)心細い。ものさびしい。「山中に―・くも呼子鳥かな/古今(春上)」
(4)長らく対面しない。無沙汰している。「かのわたりにはいと―・くて秋暮れはてぬ/源氏(末摘花)」
(5)待ち遠しい。早く会いたい。「一夜のほど,あしたのあひだも,恋しく―・く/源氏(若菜上)」
(6)不審だ。いぶかしい。「いづくよりの月かげぞや,出で所―・し/平家 1」
〔古くは「おほつかなし」と清音。「ない」は接尾語。「おほ」は,はっきりしていないさまを表し,□二□(1)が原義。「覚束無い」は当て字〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)

覚樹

かくじゅ [1] 【覚樹】
菩提樹(ボダイジユ)の別名。

覚猷

かくゆう カクイウ 【覚猷】
(1053-1140) 平安後期の画僧。京都生まれ。天台宗の僧として鳥羽上皇からの帰依をうけ,鳥羽離宮内に住し鳥羽僧正と称される。密教図像を研究,画技に優れ「鳥獣戯画」「信貴山(シギサン)縁起」などの作者とする説がある。

覚王

かくおう [3] 【覚王】
〔仏〕 仏の尊称の一。

覚知

かくち [1][0] 【覚知】 (名)スル
さとりしること。気づくこと。「自己が…有限なることを―すると共に/善の研究(幾多郎)」

覚者

かくしゃ [1] 【覚者】
〔仏〕
〔梵 buddha(仏陀)の意訳〕
真理を悟っている者。自ら悟り,他者を悟らせる者。

覚行法親王

かくぎょうほうしんのう カクギヤウホフシンワウ 【覚行法親王】
(1075-1105) 白河天皇の皇子。仁和寺第三代門跡。法名覚念,のち覚行。1099年親王宣下を受け,法親王の初めとされる。

覚賀の鳥

かくがのとり 【覚賀の鳥】
ミサゴの古名。かくがとり。

覚運

かくうん 【覚運】
(953-1007) 平安後期の天台宗の僧。念仏・密教に通ずる。比叡山東谷檀那院に住し,その門流は檀那流と呼ばれて,源信の恵心流と並ぶ天台宗二大流派となった。

覚道

かくどう 【覚道】
さとりへの道。悟道。「忍辱の衣を重ね,―の花を捧げて/平家 2」

覚醒

かくせい [0] 【覚醒】 (名)スル
(1)目をさますこと。目がさめること。醒覚。「耳に迫る蛙の声に其の―を促されて/土(節)」
(2)過ちや迷いに気づくこと。醒覚。「一時社会逸楽の長夢を―したることありと雖も/日本開化小史(卯吉)」
(3)〔心〕 中枢神経系の興奮が増大し注意が喚起された意識の状態。

覚醒

かくせい【覚醒】
awakening.→英和
〜する awake <from,to> .→英和
〜させる awaken.→英和
‖覚醒剤 a stimulant.

覚醒アミン

かくせいアミン [5] 【覚醒―】
⇒覚醒剤(カクセイザイ)

覚醒剤

かくせいざい [3] 【覚醒剤】
中枢神経系を興奮させ,睡眠抑制・疲労感軽減などの作用がある医薬品の総称。常用すると習慣となり中毒を起こす。塩酸メタンフェタミン(ヒロポン)・硫酸アンフェタミンなど。覚醒アミン。

覚醒剤取締法

かくせいざいとりしまりほう 【覚醒剤取締法】
覚醒剤の濫用を防ぐため,覚醒剤およびその原料の輸出入・製造・譲渡・使用・所持を禁止している法律。1951年(昭和26)制定。

覚鑁

かくばん 【覚鑁】
(1095-1143) 平安末期の真言宗の僧。諡号(シゴウ),興教大師。肥前の人。新義真言宗の祖。仁和寺で密教を学ぶ。高野山に大伝法院を建立し,金剛峰寺の座主を兼ねたが,反対にあい紀州根来(ネゴロ)に移り,円明寺を建立。その事相の門流は伝法院流という。著「五輪九字明秘密釈」など。

かんなぎ 【巫・覡】
〔古くは「かむなき」。神(カム)和(ナ)ぎ,の意〕
神に仕えることを務めとする人。神をまつり,神楽(カグラ)を奏し,また「神降ろし」をする。祝(ハフリ)とともに禰宜(ネギ)より下級の神職。かみなき。こうなぎ。

しん [1] 【親】
(1)したしいこと。したしみ。よしみ。
⇔疎
「両隣と―を結ぶ」「―・疎の別なく」
(2)親・兄弟などの近親者。親族。みうち。

おや【親】
a parent;→英和
parents (両親);the dealer (トランプで).→英和
〜の parental <affection> .→英和
〜のすねをかじる sponge[live]on one's parents.〜の威光[七光]one's father's influence.〜思いである be devoted to one's parents.〜掛りの dependent upon one's parents.‖親馬鹿 fond parents.

おや [2] 【親・祖】
(1)子を生んだ人,または,他人の子を自分の子として養い育てる人。実父母・養父母の総称。《親》「生みの―より育ての―」「養い―」
(2)子をもっている生物。《親》「―鳥」
(3)他の物を生ずるもととなるもの。《親》「―芋」
(4)物事の中心になるもの。《親》「―会社」
(5)同種のもののうち,大きなもの。《親》「―指」
(6)勝負事の際,札配りなど競技の中心的な役割にあたる人。また,その役。《親》
(7)無尽・入札などの際の発起人。《親》{(1)〜(7)}
⇔子
(8)もののはじめ。元祖。《祖》「物語の出できはじめの―なる竹取の翁に/源氏(絵合)」
(9)祖先。《祖》「人の子は―の名絶たず/万葉 4094」「遠つみ―」

親−

しん−【親−】
pro-.→英和
親日(家) (a) pro-Japanese.

親がる

おやが・る 【親がる】 (動ラ四)
親らしく振る舞う。「さすがに―・りたる御ことばも/源氏(胡蝶)」

親げない

おやげな・い 【親げない】 (形)[文]ク おやげな・し
〔近世語〕
思いやりがない。無情だ。「内膳殿,―・く,汝をふみつぶさんとし給ふ/三河物語」

親し

ちか・し 【近し・親し】 (形シク)
⇒ちかしい

親し

した・し 【親し】 (形シク)
⇒したしい

親しい

したしい【親しい】
〔形〕close;→英和
familiar;→英和
intimate;→英和
〔動〕be on good[friendly]terms <with> .親しく intimately;→英和
personally (自ら).→英和
親しくなる make friends <with> .親しく訪ねる make a personal call <on> .

親しい

したし・い [3] 【親しい】 (形)[文]シク した・し
(1)心が通じている。仲がよい。親密である。「―・い友人」「―・い関係」
(2)いつも接していて,なじみがある。「耳目に―・い」
(3)近い関係にある。血縁関係のない,近親の間柄をいう。「―・い縁者」「かやうに―・しくなつて候へば申す/平家 2」
(4)(身分の高い人が)直接行うさま。
→したしく
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

親しい

ちかし・い [3] 【近しい・親しい】 (形)[文]シク ちか・し
したしい。親密だ。「二人は―・い関係だ」「是が始りで新吉は―・く来ます/真景累ヶ淵(円朝)」
[派生] ――さ(名)

親しき中(ナカ)にも垣(カキ)をせよ

親しき中(ナカ)に垣(カキ)をせよ
⇒親(シタ)しき中(ナカ)にも礼儀(レイギ)あり

親しき中(ナカ)にも礼儀(レイギ)あり

親しき中(ナカ)にも礼儀(レイギ)あり
親密すぎて節度を超えればかえって不和のもととなるから,親しい間柄でも礼儀だけは守るようにせよ。親しき中に垣をせよ。

親しく

したしく [2][3] 【親しく】 (副)
〔形容詞「したしい」の連用形から〕
身分の高い人が,自分で直接行うさま。みずから。「―お手植えになった松」「―お言葉を賜る」

親しみ

したしみ【親しみ】
friendship;→英和
intimacy;→英和
affection (愛情).→英和
〜のある friendly;→英和
intimate;→英和
familiar.→英和
〜のない strange;→英和
unfriendly;→英和
unfamiliar.→英和

親しみ

したしみ [0][4] 【親しみ】
〔動詞「親しむ」の連用形から〕
(1)親しく思う気持ち。親近感。「―を抱く」「―がわく」「―を感じる」
(2)親しい友人。また,親族。「別当惟方は元来信頼卿の―にて/平治(上・古活字本)」

親しみ深い

したしみぶか・い [6] 【親しみ深い】 (形)
親しさが感じられるようすである。「―・い態度」

親しむ

したしむ【親しむ】
become intimate <with> ;make friends <with> .自然と〜 be a lover of nature.読書に〜 read much.

親しむ

したし・む [3] 【親しむ】 (動マ五[四])
〔形容詞「親し」の動詞化〕
(1)相手と接する機会が多く,それを身近な存在だと感じる。「友と―・む」「市民の足として長年―・まれてきた路面電車」「人ト,人ニ,人ヲ―・ム/日葡」
(2)好んで継続的に接する。また,なじむ。「学生時代から―・んできたフランス文学」「自然に―・む」
[可能] したしめる
[慣用] 灯火―べし・筆硯(ヒツケン)に―・薬餌(ヤクジ)に―

親めく

おやめ・く 【親めく】 (動カ四)
親のように振る舞う。「まことに―・きてあつかひ給ふ/源氏(帚木)」

親ソの

しんソ【親ソの】
pro-Soviet.

親不孝

おやふこう【親不孝】
⇒不孝(ふこう).

親不孝

おやふこう [3][4] 【親不孝】 (名・形動)スル
(1)親を大切にしなかったり,親を悲しませる・こと(さま)。また,そのような人。
⇔親孝行
「さんざん―(を)する」「―な息子」「―者」
(2)「親不孝相場」の略。

親不孝相場

おやふこうそうば [6] 【親不孝相場】
増資により発行された新株(子株)が旧株(親株)よりも割高な相場のこと。親不孝。

親不知

おやしらず 【親不知】
新潟県南西端の,飛騨(ヒダ)山脈の北端が日本海に落ち込む,崖(ガケ)の切り立ったところ。青海町市振(イチブリ)と外波(トナミ)との間にあり,古来,北陸道の最難所。街道が波打ち際を通っているため,寄せ返す波の間に細道を走り抜けねばならず,親は子を,子は親を顧みるいとまがなかったことからの称という。親不知子不知(オヤシラズコシラズ)。

親交

しんこう [0] 【親交】
親しくつきあうこと。親しい交際。「―を結ぶ」「政治家と―がある」

親交

しんこう【親交】
<form a> friendship <with> ;→英和
intimacy.→英和
〜がある be on close[friendly,familiar]terms <with> .

親人

おやびと 【親人】
親である人。親。「―の御身の上心にかかり候故/浄瑠璃・太功記」

親仁

おやじ [0][1] 【親父・親爺・親仁】
〔「親父(オヤチチ)」の転という〕
(1)父親を親しんで呼ぶ語。
⇔おふくろ
「うちの―」「君の―」
〔主として男性が仲間うちで用いる〕
(2)職場などで,自分の上長を親しんでいう語。「―さんが呼んでるぞ」
(3)店などの主人。「酒屋の―」
(4)年取った男性を親しんで,あるいは見下していう語。「坊主頭の北角の―が/雁(鴎外)」
(5)北海道で,ヒグマの俗称。山おやじ。
(6)江戸時代の廻船乗組の役名。船方三役の一。舵取りを担当,また水夫(カコ)を指揮して船内作業にあたる。親司。
(7)夫。「汝(ウヌ)が―は生きて居るはい/五重塔(露伴)」

親仁形

おやじがた [0] 【親仁形・親仁方】
歌舞伎で,男の老人の役。親仁役。

親仁方

おやじがた [0] 【親仁形・親仁方】
歌舞伎で,男の老人の役。親仁役。

親付

しんぷ [1] 【親付・親附】 (名)スル
親しんでつき従うこと。「決して人に―せらるべからず/西国立志編(正直)」

親代

おやしろ 【親代】
「親代(ガ)わり」に同じ。「殿の二歳の時より家安―と成つて/盛衰記 20」

親代り

おやがわり [3] 【親代(わ)り】
親に代わって子供を養育すること。また,その人。おやしろ。「―の兄に育てられる」

親代わり

おやがわり [3] 【親代(わ)り】
親に代わって子供を養育すること。また,その人。おやしろ。「―の兄に育てられる」

親代代

おやだいだい [3] 【親代代】
先祖代々受け継いできたこと。親重代。「―の医者」

親任

しんにん [0] 【親任】 (名)スル
(1)旧制で,天皇が直接任命すること。
〔以下,勅任・奏任・判任の順となる。現行制度にはない〕
(2)直接任命すること。「教皇により枢機卿に―される」

親任官

しんにんかん [3] 【親任官】
旧憲法下,天皇の親署および御璽をもって辞令を交付された官。親任式をもって叙任される。内閣総理大臣・各省大臣・陸海軍大将など。

親会社

おやがいしゃ【親会社】
a parent[holding]company.

親会社

おやがいしゃ [3] 【親会社】
資本参加,営業の賃貸借,経営委任,役員派遣などの方法により子会社を支配する会社。商法では,従属している会社の過半数の株式または出資口数を所有する会社と規定する。
⇔子会社

親作

おやさく [0] 【親作】
小作に対して,地主をいう語。

親供

しんく [1] 【親供】
天皇がみずから神に供物を献ずること。

親元

おやもと [0] 【親元・親許】
親の住んでいる所。「―を離れて暮らす」

親兄弟

おやきょうだい [3] 【親兄弟】
親と兄弟姉妹。家族。「―にも見放される」

親兵

しんぺい [1][0] 【親兵】
(1)君主などの護衛として,その身近に置く兵。
(2)三条実美の建議によって1863年,一〇万石以上の大名に命じ一万石に一人の割合で出させた天皇護衛の兵。
(3)1871年(明治4),薩摩・長州・土佐の三藩から藩兵を出させて編制した天皇護衛の兵。

親分

おやぶん【親分】
a boss;→英和
a chief;→英和
a ringleader.→英和
〜肌の of bossy disposition.〜風を吹かす be bossy.

親分

おやぶん [1][2] 【親分】
(1)徒党を組む者のかしら。特に,侠客・博徒などの首領。親玉。
⇔子分
「やくざの―」「清水の次郎長―」
(2)面倒見がよく親のように頼りになる人。「―肌(ハダ)」
(3) [0]
縁談・奉公などの時に結ぶ仮の親子関係の親。
⇔子分
「伯母聟ながらそなたの―/浄瑠璃・宵庚申(中)」

親切

しんせつ 【親切・深切】 (名・形動)[文]ナリ
(1) [1]
人情があついこと。好意をもって人のためにつくすこと。また,そのさま。
⇔不親切
「―な人」「―にする」
(2) [0]
心の底からすること。深く思うこと。《深切》「独立の気力なき者は国を思ふこと―ならず/学問ノススメ(諭吉)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)――み(名)

親切

しんせつ【親切】
kindness;→英和
goodness;→英和
goodwill.〜な kind(ly);→英和
good;→英和
obliging;friendly.→英和
〜に kindly;→英和
cordially.→英和
〜にする be kind <to> .〜ごかしに under the mask of kindness.〜につけこむ take advantage of a person's kindness.〜に報いる repay a person's kindness.〜をうける accept a person's kind offer.‖親切心(から) (out of) kindness.

親切ごかし

しんせつごかし [5] 【親切ごかし】
表面では親切にするように見せかけながら,裏ではかえって害を与えたり,あるいは自分の利益をはかること。おためごかし。しらごかし。じょうずごかし。

親切気

しんせつぎ [4] 【親切気】
親切にしようとする気持ち。

親勝り

おやまさり [3] 【親勝り】 (名・形動)[文]ナリ
子供が親よりも人物・才能などですぐれている・こと(さま)。また,そのような子。「―の器量よし」

親友

しんゆう【親友】
a close[bosom]friend.

親友

しんゆう [0] 【親友】
互いに信頼し合っている友達。きわめて仲のよい友達。「無二の―」

親取り子取り

おやとりことり [2] 【親取り子取り】
子供の遊戯の一。一人を鬼,一人を親とし,ほかは子として親の後ろに数珠(ジユズ)つなぎになり,鬼は最後尾の子を捕まえようとし,親は両手を広げてこれを妨げる。親取ろ子取ろ。

親句

しんく [1][0] 【親句】
(1)和歌で,一首が語法的に切れず内容に続きのあるもの(正の親句)。また,一首が音の上で連接しているもの(響の親句)。
(2)連歌・俳諧の付合で,前句の語句や意味や姿にたよって付けること。また,その付句。
⇔疎句

親君

おやぎみ 【親君】
親を敬っていう語。「一所を―とたのみ奉る我子には/宇津保(国譲下)」

親告

しんこく [0] 【親告】 (名)スル
(1)本人がみずから告げること。
(2)被害者がみずから訴えること。

親告罪

しんこくざい [4] 【親告罪】
被害者などによる告訴・告発・請求が公訴の提起に必要とされる犯罪。強姦罪・名誉毀損罪など。

親和

しんな [1] 【親和】 (名)スル
「しんわ(親和)」の連声。

親和

しんわ [0] 【親和】 (名)スル
(1)互いに親しみ,心を合わせること。しんな。「チームの―を図る」「凡物の―する固有の合同性あればなり/明六雑誌 19」
(2)物質が化合すること。

親和力

しんわりょく【親和力】
《化》affinity.→英和

親和力

しんわりょく [3] 【親和力】
(1)「化学親和力」に同じ。
(2)書名(別項参照)。

親和力

しんわりょく 【親和力】
〔原題 (ドイツ) Die Wahlverwandtschaften〕
ゲーテの長編小説。1809年刊。化学の親和力の原理を二組の男女の恋愛に適用して,その心理を巧みに描く。

親和染

しんなぞめ シンワ― [0] 【親和染】
江戸時代,安永(1772-1781)頃に流行した染め模様。書家三井親和の筆跡を染めたもの。

親善

しんぜん【親善】
goodwill;friendship;→英和
amity.→英和
〜を促進する promote friendly relations <between> .‖親善使節(飛行) a goodwill mission (flight).

親善

しんぜん [0] 【親善】
親しくつきあい,仲よくすること。主に,国家や団体の友好な関係についていう。「友好―」「両国の―を深める」「―試合」「―使節」

親好

しんこう [0] 【親好】
親しみ。親しいつきあい。

親子

おやこ [1] 【親子】
(1)親とその子供。「―の間柄」「―関係」
(2)もとになる物と,そこから派生した物。親と子の関係にたとえられるもの。「―電話」
(3)「親子丼(ドンブリ)」の略。

親子

しんし [1] 【親子】
おやこ。直系一親等の自然的血縁関係のある実親子と,法定血族である養親子とがある。

親子

おやこ【親子】
parent and child;parents and their children.‖親子電話 a party line.

親子丼

おやこどんぶり [4] 【親子丼】
(1)〔「親子」は鶏肉と鶏卵をいう〕
鶏肉をタマネギ・シイタケなどとともに煮て鶏卵でとじ,丼に盛った飯にのせた料理。おやこ。
(2)母親とその娘との両方と肉体関係をもつこと。

親子垣

おやこがき [3] 【親子垣】
建仁寺垣の一種。縦の竹を大小交互に並べて結ったもの。

親子契約

おやこけいやく [4] 【親子契約】
農家において経営主たる親と後継者たる子との間で,経営・報酬,財産の承継や親の老後の扶養などを内容として締結される契約。父子契約。

親子成り

おやこなり [0] 【親子成り】
親子関係でない者が,命名・成人・結婚などの機会に仮の親子関係を取り結ぶこと。名付け親・烏帽子(エボシ)親・仲人親など。
→擬制親族

親子鑑別

おやこかんべつ [4] 【親子鑑別】
父子または母子の血縁関係を科学的に判断すること。血液型や指紋など遺伝形質の検査や妊娠期間などを総合して判定する。

親子電話

おやこでんわ [4] 【親子電話】
一本の電話回線を二台以上で共有する電話機。

親字

おやじ [0] 【親字】
⇒親文字(オヤモジ)

親孝行

おやこうこう【親孝行】
⇒孝行(こうこう).

親孝行

おやこうこう [3] 【親孝行】 (名・形動)スル
親を大切にする・こと(さま)。そのような人をもいう。
⇔親不孝
「―な息子」「―したい時には親はなし」

親密

しんみつ [0] 【親密】 (名・形動)スル[文]ナリ
親しく交際していること。仲のよいこと。また,そのさま。
⇔疎遠
「―な間柄」「歓楽の情好―し/情海波瀾(欽堂)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

親密な

しんみつ【親密な】
intimate;→英和
familiar;→英和
close.→英和
〜に intimately;→英和
closely.

親局

おやきょく【親局】
a key station.

親局

おやきょく [2] 【親局】
⇒キー-ステーション

親展

しんてん [0] 【親展】
〔「親」はみずから,「展」はあけるの意〕
手紙・電報などで,あて名の者が自分で封を切って読んでほしいという意味で使う語。親披(シンピ)。

親展

しんてん【親展】
Confidential (手紙の上書き);private.→英和
親展書 a confidential letter.

親引き

おやびき [0] 【親引き】
〔「親引け」とも〕
(1)入札で,売り主が品物を買い戻すこと。
(2)公社債の発行に,引き受け銀行が全部を市場に出すことなく一部を自ら保有すること。
(3)株式の公募の際,発行会社と証券会社の間で,あらかじめ特定の者に株式を売り渡すことを取り決めること。一定の率以内に制限されている。

親引け

おやびけ [0] 【親引け】
「親引き」に同じ。

親征

しんせい [0] 【親征】
王や皇帝がみずから敵を討ちに出ること。天子みずからの征伐。

親御

おやご [0] 【親御】
他人の親を敬っていう語。おやごぜ。「―さんによろしく」

親心

おやごころ [3] 【親心】
(1)子を思う親の心。「―のありがたさ」
(2)親のように,他人の身を気遣う心。「―からの忠告」

親心で

おやごころ【親心で】
out of parental love[affection];out of kindness.

親思い

おやおもい [3] 【親思い】
親への思いやりがあついこと。また,その人。「彼ほどの―はいない」「―の息子」

親情

しんじょう [0] 【親情】
したしい気持ち。したしむ心。

親愛

しんあい [0] 【親愛】 (名・形動)スル[文]ナリ
人に好意や親しみの感情をいだいている・こと(さま)。「―の情」「―なる市民の皆様」「若ぎみが此上もなく―して居られます/小公子(賤子)」

親愛なる

しんあい【親愛なる】
dear;→英和
beloved.→英和
親愛感 <have> a friendly feeling <toward> .

親懇

しんこん [0] 【親懇】 (名・形動)[文]ナリ
親しく仲のよい・こと(さま)。「吾が身を損ぜず,銭財を要せずして,―なる礼貌は,做(ナ)し得らるべし/西国立志編(正直)」

親戚

しんせき [0] 【親戚】
「親類(シンルイ)」に同じ。「―のおじさん」「遠い―より近くの他人」

親戚

しんせき【親戚】
⇒親類.

親披

しんぴ [1] 【親披】
手紙の脇付(ワキヅケ)の一。「親展」に同じ。

親拝

しんぱい [0] 【親拝】 (名)スル
天皇がみずから礼拝すること。

親指

おやゆび [0] 【親指】
(1)手足の五本の指の一。五本の端にあって最も太い指。手の場合は,他の四本とやや離れていて対向させられる。拇指(ボシ)。
(2)〔(1)で示すところから〕
一家の主人・亭主や親方のこと。「おらが内なんざあ―が是式(コレシキ)といふもんだから/滑稽本・浮世風呂 3」

親指

おやゆび【親指】
the thumb;→英和
the big toe (足の).

親指姫

おやゆびひめ 【親指姫】
〔原題 (デンマーク) Tommelise〕
アンデルセンの童話。チューリップの花から生まれた小さな姫の物語。

親指小僧

おやゆびこぞう 【親指小僧】
〔原題 (ドイツ) Daumesdick〕
グリムの童話。百姓夫婦が祈って授けられた親指ほどの小さな男の子の物語。見せ物に売られるが,さまざまな冒険ののち夫婦のもとへ帰って来る。

親授

しんじゅ [1] 【親授】 (名)スル
身分の高い人,特に天皇がみずから授けること。「文化勲章を―される」「―式」

親掛かり

おやがかり [3] 【親掛(か)り】
子がまだ独立せずに親に養われていること。また,その人。「―の身」

親掛り

おやがかり [3] 【親掛(か)り】
子がまだ独立せずに親に養われていること。また,その人。「―の身」

親接

しんせつ [0] 【親接】 (名)スル
親しく接すること。親しくつきあうこと。「文章大いに世人に―し/日本開化小史(卯吉)」

親政

しんせい [0] 【親政】
皇帝や天皇がみずから政治を行うこと。また,その政治。

親文字

おやもじ [3][0] 【親文字】
辞書類,特に漢和辞典で見出しとして掲げる文字。熟語をつくるもとになる漢字。親字。

親方

おやかた【親方】
a boss;→英和
a chief;→英和
a head;→英和
a foreman (職人の).→英和

親方

おやかた [3][4] 【親方】
(1)弟子・奉公人・部下などを抱えて,親のように保護したり,指導したりする人。
⇔子方
「大工の―」
(2)職人に対する敬称。また,親しんで呼ぶ語。
(3)相撲で,年寄の敬称。
(4)役者の敬称。
(5)〔「おやがた」とも〕
親のような立場で世話をする人。親代わりの人。「兵衛が―にて常に申さすれば/宇津保(国譲下)」
(6)年長の者。「いとこなれども兄と云ふは―なるによりて也/四河入海 21」
(7)与力・同心の頭(カシラ)・支配人の称。
(8)商家・遊女屋の主人の称。

親方持

おやかたもち [0][6] 【親方持(ち)】
親方に庇護されている身分。また,その人。主持ち。親方掛かり。

親方持ち

おやかたもち [0][6] 【親方持(ち)】
親方に庇護されている身分。また,その人。主持ち。親方掛かり。

親方掛かり

おやかたがかり 【親方掛かり】
主人持ちの身。奉公人。

親族

しんぞく [1] 【親族】
(1)血縁や婚姻関係によってつながる人々。血族と姻族との総称。広義には,養子縁組や擬制的親子の関係にある人々も含まれるなど,その範囲は民族や文化によって異なる。
→擬制親族
(2)〔法〕 民法上,六親等内の血族と配偶者,三親等内の姻族をいう。

親族

しんぞく【親族】
⇒親類.‖親族会議 a family council.親族関係 kinship.

親族

うから 【親族】
〔上代は「うがら」。「から」は血族集団の意〕
血族。しんぞく。「―おほくにも疎んじられけるを/読本・雨月(浅茅が宿)」

親族会

しんぞくかい [4][3] 【親族会】
民法旧規定で,家督相続人の選定など家の利害にかかわる重要事項を決定するための合議体。裁判所が親族などの中から選任し,組織する。1947年(昭和22)の民法改正により廃止。

親族会議

しんぞくかいぎ [5] 【親族会議】
(1)ある人または家の利害に重大な関係のある事項を協議するために親族が集まって開く会議。
(2)親族会の俗称。

親族拝

しんぞくはい 【親族拝】
平安時代,宮中で行われた拝礼。叙位の儀式のあと,その者の親族の殿上人が庭に下りて行う感謝の拝礼。親族拝舞。

親族権

しんぞくけん [4][3] 【親族権】
親族上の身分関係に伴う権利。親権や,かつての夫権など。身分権。

親族法

しんぞくほう [0] 【親族法】
夫婦・親子などの親族関係について定める法の総称。形式的には民法第四編をいう。

親族相盗

しんぞくそうとう [5] 【親族相盗】
親族間で窃盗を行うこと。直系血族・配偶者および同居の親族間で行われたときは刑が免除され,その他の親族間で行われたときは親告罪となる。

親族結婚

しんぞくけっこん [5] 【親族結婚】
⇒血族結婚(ケツゾクケツコン)

親族語彙

しんぞくごい [5] 【親族語彙】
父母・兄弟など親族関係を表す語彙。「ちち・とと・とうさん・おとうさん・おやじ(父親)」などの類。親族名称。

親日

しんにち [0] 【親日】
日本に友好的であること。
⇔反日
⇔抗日
「―家」「―的」

親日的

しんにち【親日的】
pro-Japanese.親日家 a Japanophile.親日派 the pro-Japanese (group).

親旦那

おやだんな 【親旦那】
父親たる旦那。大旦那。「御家の若旦那,殿様よりお小姓に召出され,―御同道で只今はお江戸に/浄瑠璃・薩摩歌」
→若旦那
→小旦那

親旧

しんきゅう [0][1] 【親旧】
親類と旧友。昔なじみ。

親昵

しんじつ [0] 【親昵】 (名)スル
したしみなじむこと。昵懇(ジツコン)。「―の間柄」「自己の―せる人の高位に登るに服せずして/日本開化小史(卯吉)」

親時計

おやどけい [3] 【親時計】
学校・会社・駅などの電気時計で,多くの子時計を動かすもとになる時計。一定の間隔で信号電流を送り出して子時計の針を進める。

親書

しんしょ【親書】
an autograph letter.

親書

しんしょ [1] 【親書】
(1)自筆の手紙。「大統領の―を持参する」
(2)天皇の署名のある手紙。「―を賜る」

親朋

しんぽう [0] 【親朋】
親しい友人。親友。

親木

おやぎ [0] 【親木】
〔「おやき」とも〕
接ぎ木や挿し木にする枝をとる木。また,取り木にする母木。

親柱

おやばしら [3] 【親柱】
高欄や階段の手摺りなどの端または曲がり角にある太い柱。

親株

おやかぶ [2][0] 【親株】
(1)増資のため新しい株券(子株)が発行された時,それ以前に発行されていた株の称。旧株。
(2)株分けして,苗木をとる時のもとになる株。
⇔子株

親権

しんけん【親権(者)】
《法》(a person in) parental authority.

親権

しんけん [0] 【親権】
〔法〕 父母の,未成年の子に対してもつ,身分上・財産上の監督・保護を内容とする権利・義務の総称。

親権者

しんけんしゃ [3] 【親権者】
親権を行使する者。

親殺し

おやごろし【親殺し】
patricide (父殺し);→英和
matricide (母殺し).→英和

親気元素

しんきげんそ [4] 【親気元素】
元素の地球化学的分類の一。地球の大気を構成する元素の一群。窒素・酸素・水素・炭素・希ガスなど。

親水

しんすい [0] 【親水】
水との親和性があること。水に親しむこと。
⇔疎水
「―公園」

親水コロイド

しんすいコロイド [6] 【親水―】
水を分散媒とするコロイド溶液のうちで,分散粒子の分子構造中に親水基をもち,電解質を加えても沈降しにくいもの。石鹸(セツケン)・ゼラチン・タンパク質・膠(ニカワ)の水溶液はこの例。
⇔疎水コロイド

親水基

しんすいき [3] 【親水基】
静電的作用や水素結合などによって水分子と弱い結合をつくり,水中で安定になる原子団。水酸基・カルボキシル基・スルホ基など。
⇔疎水基

親水性

しんすいせい [0] 【親水性】
水に溶けやすいこと。分子・原子団が電気を帯びていて水分子と結合し,水中で安定な状態をとること。およびその結果としてのさまざまな性質。

親水権

しんすいけん [3] 【親水権】
水郷・水都の住民がもつ,水と親しむ固有の権利。1985年(昭和60)5月,全国水郷・水都会議で初めてその確立が提唱された。

親油基

しんゆき [3] 【親油基】
⇒疎水基(ソスイキ)

親油性

しんゆせい [0] 【親油性】
脂肪や油に溶けやすいこと。分子中の炭化水素基と油などの炭化水素骨格とが親和力をもつことによって生ずる性質。親油性の物質は一般に疎水性である。

親潮

おやしお【親潮】
the Kurile Current.

親潮

おやしお [0] 【親潮】
日本列島の東岸を,北から南に向かって流れる寒流。ベーリング海から千島列島に沿って南下して北海道の東岸にいたり,金華山または房総沖で黒潮と出合う。栄養塩・プランクトンに富み,流域は世界有数の漁場。千島海流。
→黒潮

親炙

しんしゃ [1] 【親炙】 (名)スル
ある人に親しく接して,その感化を受けること。「数年来先生に―するに及んで前年の神明的尊崇の思想は失せて/筆まかせ(子規)」

親炙

しんせき [1] 【親炙】
⇒しんしゃ(親炙)

親無し

おやなし【親無し】
parentless;orphaned.〜子 an orphan;→英和
a parentless child.

親無し

おやなし [0] 【親無し】
親がいないこと。また,そうした子供。親無し子。みなしご。

親無し無尽講

おやなしむじんこう [6] 【親無し無尽講】
親(講元)を決めないで,講員全部が平等の権利と義務をもって行う無尽講。
⇔親無尽講

親無尽講

おやむじんこう [4] 【親無尽講】
親(講元)のある無尽講。親に第一回の落札の権利を与え,その代わり講の世話役を務めさせる。親無尽。
⇔親無し無尽講

親熟

しんじゅく [0] 【親熟】 (名)スル
きわめて親しいこと。「益々これと―せんことを求め/西国立志編(正直)」

親父

おやじ【親父】
(one's) father[daddy];→英和
one's employer (主人);the boss (親分・上司).→英和

親父

しんぷ [1] 【親父】
ちちおや。「御―様」

親父

やじ 【親父】
「おやじ(親父)」の略。「―が額へ九の字を出し/滑稽本・七偏人」

親父

おやじ [0][1] 【親父・親爺・親仁】
〔「親父(オヤチチ)」の転という〕
(1)父親を親しんで呼ぶ語。
⇔おふくろ
「うちの―」「君の―」
〔主として男性が仲間うちで用いる〕
(2)職場などで,自分の上長を親しんでいう語。「―さんが呼んでるぞ」
(3)店などの主人。「酒屋の―」
(4)年取った男性を親しんで,あるいは見下していう語。「坊主頭の北角の―が/雁(鴎外)」
(5)北海道で,ヒグマの俗称。山おやじ。
(6)江戸時代の廻船乗組の役名。船方三役の一。舵取りを担当,また水夫(カコ)を指揮して船内作業にあたる。親司。
(7)夫。「汝(ウヌ)が―は生きて居るはい/五重塔(露伴)」

親爺

おやじ [0][1] 【親父・親爺・親仁】
〔「親父(オヤチチ)」の転という〕
(1)父親を親しんで呼ぶ語。
⇔おふくろ
「うちの―」「君の―」
〔主として男性が仲間うちで用いる〕
(2)職場などで,自分の上長を親しんでいう語。「―さんが呼んでるぞ」
(3)店などの主人。「酒屋の―」
(4)年取った男性を親しんで,あるいは見下していう語。「坊主頭の北角の―が/雁(鴎外)」
(5)北海道で,ヒグマの俗称。山おやじ。
(6)江戸時代の廻船乗組の役名。船方三役の一。舵取りを担当,また水夫(カコ)を指揮して船内作業にあたる。親司。
(7)夫。「汝(ウヌ)が―は生きて居るはい/五重塔(露伴)」

親狎

しんこう [0] 【親狎】 (名)スル
親しんでなれなれしくすること。こころやすくすること。

親玉

おやだま [0] 【親玉】
(1)一つの集団における中心的な人物の俗な言い方。親分。ボス。「泥棒の―」
(2)数珠の中心となる最も大きな玉。
(3)芝居の座頭(ザガシラ)・立者(タテモノ)などをほめて呼ぶ語。特に,四世以降の市川団十郎の称。

親玉

おやだま【親玉】
a boss;→英和
a chief;→英和
a head.→英和

親王

しんのう【親王】
an Imperial prince.

親王

みこ [1] 【御子・皇子・皇女・親王】
(1)天皇の子供を敬っていう語。皇子・皇女。
(2)(父である神に対して)キリストを敬っていう語。「神の―」「救いの―」
(3)親王。親王宣下を受けた天皇の皇子。「仁和のみかど,―におましましける時に/古今(春上)」
(4)他人を敬ってその子をいう語。「主を殺さぬ事,―の君ぞしらせ給へる/読本・春雨(捨石丸)」

親王

しんのう [3] 【親王】
〔「しんおう」の連声〕
皇族男子の身位の一。律令制では,天皇の兄弟・皇子をいったが,淳仁天皇(在位 758-764)以後は親王宣下のあったもののみに限られた。旧皇室典範では,皇子から皇玄孫にわたる皇族男子をいった。現制度では,嫡出の皇男子および嫡男系嫡出の皇孫の男子をいう。
⇔内親王

親王宣下

しんのうせんげ [5] 【親王宣下】
皇兄弟・皇子女・皇孫などに,親王の称号を許す宣旨を下すこと。奈良時代末期,淳仁天皇のときに始まる。親王宣旨。

親王家

しんのうけ [0][3] 【親王家】
〔古く「しんのうげ」か〕
中世以後,親王の称号を許された皇族の家筋。江戸時代には,伏見宮・桂宮・有栖川宮(アリスガワノミヤ)・閑院宮の四家があった。

親生元素

しんせいげんそ [5] 【親生元素】
元素の地球化学的な分類の一。生物体を構成し,生命現象に重要な役割を果たす元素の一群。炭素・水素・酸素・窒素などのほか,リン・マグネシウム・鉄などもこれに属す。

親甲斐

おやがい 【親甲斐】
親としての甲斐性。親としての威光。「―に座が高い/浄瑠璃・菅原」

親疎

しんそ [1] 【親疎】
親しいことと疎遠なこと。親しい間柄とあまり付き合いのない間柄。「―の別なく招待する」

親眷

しんけん [0][1] 【親眷】
(1)みうち。親族。
(2)親しんで目をかけること。

親睦

しんぼく【親睦】
<cultivate> friendship;→英和
intimacy.→英和
親睦会 a social (gathering);→英和
<米> a get-together.

親睦

しんぼく [0] 【親睦】 (名)スル
親しみ仲よくすること。「―を深める」「―会」「互ひに―するやうとの心慰(ココロユカ)せを説諭して/緑簑談(南翠)」

親睨

おやにらみ [3] 【親睨】
スズキ目の淡水魚。全長10センチメートルほど。体は長卵形で側扁する。体色は灰褐色で,目を中心に暗赤色の放射状の縞(シマ)があり,にらんでいるような顔つきにみえる。また,鰓蓋(エラブタ)の後縁に目と同大の暗緑色の円紋がある。観賞魚。九州・四国・関西以西の河川の上・中流の流れの緩やかな清流に分布。ヨツメ。カワメバル。

親知らず

おやしらず [3] 【親知らず】
(1)本当の親を知らないこと。また,そういう子。
(2)第三大臼歯のこと。ヒトの歯のうちで最も遅く生える。知歯(チシ)。ちえ歯。

親知らず

おやしらず【親知らず】
[歯]a wisdom tooth.

親石

おやいし [2] 【親石・首石】
石造の建物の基礎のうち,隅に据える大事な石。かしらいし。

親石元素

しんせきげんそ [5] 【親石元素】
元素の地球化学的な分類の一。地球の地殻およびマントル上・中層に集まる元素の一群。アルカリ金属・アルカリ土類金属・酸素・ケイ素・アルミニウムなど。

親祭

しんさい [0] 【親祭】 (名)スル
君主がみずから神をまつること。「天皇の―し給ふ所にして/明六雑誌 9」

親立つ

おやだ・つ 【親立つ】 (動タ四)
親らしくある。「心もゆかぬと―・つ人のいひたるに/和泉式部集」

親筆

しんぴつ [0] 【親筆】
自身で書いた筆跡。「大臣の―」

親等

しんとう【親等】
the degree of relationship.三親等 a relative in the third degree.

親等

しんとう [0] 【親等】
親族関係の親疎を示す等級。親子を一親等として数え始める。兄弟は二親等,おじ・おばは三親等など。

親米

しんべい [0] 【親米】
アメリカに友好的であること。

親米

しんべい【親米(派)】
(a) pro-American.

親系

しんけい [0] 【親系】
〔法〕 親族関係を血縁によって,系統立てた系列。直系・傍系,父系・母系,尊属・卑属など。

親縁

しんえん [0] 【親縁】
(1)親類の縁。
(2)近い血統。
(3)〔仏〕 三縁の一。衆生(シユジヨウ)が口に念仏を唱え,身に仏を礼拝し,心に仏を念ずると,仏もそれを知り,仏と衆生が密接不離な関係になること。

親署

しんしょ [1] 【親署】 (名)スル
天皇など身分の高い人が自ら署名すること。また,その署名。「詔書に―される」

親翰

しんかん [0] 【親翰】
天皇の親筆の文書。宸翰。

親者人

おやじゃひと オヤヂヤ― 【親者人】
〔親である人の意。「者」は当て字〕
親。おやじゃもの。「―はなんとしてゐらるるぞ/狂言・武悪」

親者者

おやじゃもの オヤヂヤ― 【親者者】
「親者人(オヤジヤヒト)」に同じ。「あの―にあうた,中々の事ぢや/狂言・武悪」

親腹

おやばら 【親腹】
母とその娘をともに妻とした場合に,その母親の方から生まれた子。
⇔娘腹
「―の御子をば五の宮,女腹(ムスメバラ)の御子をば六宮とて/栄花(初花)」

親臨

しんりん [0] 【親臨】 (名)スル
天子など高貴な人が自身でその場に出席すること。「開会式に―される女王陛下」

親船

おやぶね [0] 【親船】
(1)何隻かの子船を従え,食料・燃料などの補給をする大きな船。母船。
(2)伝馬船を搭載する大型船の場合,伝馬船を子に見立てた本船の別名。

親船

おやぶね【親船】
⇒母船

親芋

おやいも [0] 【親芋】
里芋の地下茎にできる大きな塊茎。多くの子芋がつく。かしらいも。いもがしら。[季]秋。

親英の

しんえい【親英の】
pro-British <policy> .親英主義(者) Anglophilism (an Anglophile).

親蔓

おやづる [0][2] 【親蔓】
つる性草本植物の主幹となる茎。

親藩

しんぱん [0][1] 【親藩】
江戸時代の大名の家格の一。徳川家康以降徳川氏の子弟で大名になった者の藩。特に,尾張・紀伊・水戸の徳川氏を御三家と呼ぶ。
→譜代(フダイ)
→外様(トザマ)

親螺子

おやねじ [0][3] 【親螺子】
旋盤のベッドの側面にある,ねじのついた軸。ねじ切り作業の際,エプロン台の歯車装置とかみ合い,往復台を自動的に移動する。

親衛

しんえい [0] 【親衛】
(1)国家の元首・要人などの身辺を護衛すること。
(2)近衛府の唐名。羽林。

親衛隊

しんえいたい [0] 【親衛隊】
(1)
 (ア)国家の元首などの身辺を護衛する軍隊。
 (イ)ある人の周囲にいて,常にその人につきまとう一群の人。特に,芸能人の熱心なファン。
(2)「エス-エス( SS )」に同じ。

親衛隊

しんえいたい【親衛隊】
the bodyguards;[ファン] <俗> groupies.

親裁

しんさい [0] 【親裁】 (名)スル
君主がみずから裁決を下すこと。「万機を―す/明六雑誌 11」

親補

しんぽ [1] 【親補】 (名)スル
旧制で,天皇が特定の官職を親任したこと。

親補官

しんぽかん [3] 【親補官】
旧制で,親補された官。大審院長・検事総長・参謀総長・軍司令官など。

親見

しんけん [0] 【親見】
みずから引見すること。みずから実状を見ること。

親見出し

おやみだし [3] 【親見出し】
辞書の見出しのうち,子見出しを従えているもの。親項目。
→子見出し

親覧

しんらん [0] 【親覧】 (名)スル
高貴な人が親しくご覧になること。

親親

おやおや [2] 【親親】
(1)複数の人のそれぞれの親。「―が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり/浮雲(四迷)」
(2)実の親と養親がいる時のそれらの親。親たち。「―の悲しび愛するは/今昔 26」
(3)祖先。「我が―の墓におさめん事許さじ/読本・春雨(死首のゑがほ)」

親許

おやもと [0] 【親元・親許】
親の住んでいる所。「―を離れて暮らす」

親許へ帰る

おやもと【親許へ帰る(を去る)】
go (leave) home.

親許身請け

おやもとみうけ [5] 【親許身請け】
芸者・娼妓に身を売った娘を,親が金を払って買い戻すこと。

親試

しんし [0] 【親試】 (名)スル
自分で実際にやってみること。「―して始めてその然るを知る学問を/明六雑誌 10」

親譲り

おやゆずり [3] 【親譲り】
(体質・性格・財産などを)親から受け継ぐこと。また,そのもの。「―の長身」「―の無鉄砲」「―の財産」

親譲りの

おやゆずり【親譲りの】
inherited (from one's parents);hereditary.→英和
〜の財産 family property.

親質

おやじち [0][2] 【親質】
小さな質屋が大きな質屋に資金の融通を求めるため提供する質物。

親身

しんみ [1] 【親身】 (名・形動)
(1)血縁の近い人。身内。近親。
(2)肉親のように心づかいをする・こと(さま)。「―になって世話をする」

親身の

しんみ【親身の】
kind;→英和
sincere.→英和
〜に kindly;→英和
warmly;→英和
heartily;earnestly.→英和

親軍

しんぐん [0] 【親軍】
天子の親衛の軍隊。近衛(コノエ)。

親迎

しんげい [0] 【親迎】
自ら出迎えること。特に,中国で婚礼の際,新郎が自分で新婦の家に行き,迎えてくること。

親近

しんきん [0] 【親近】 (名)スル
(1)親しみ近づくこと。「結婚してから一年半ばかりの間,これに―せずにゐた/渋江抽斎(鴎外)」
(2)そば近く仕える者。

親近感

しんきんかん【親近感】
a sense of intimacy <with> .

親近感

しんきんかん [3] 【親近感】
親しみやすい感じ。「―をいだく」

親里

おやざと [2][0] 【親里】
親もと。実家。嫁や婿養子,住み込みの奉公人などが,親の家をさしていう語。

親重代

おやじゅうだい [3] 【親重代】
先祖代々伝わっていること。また,その物。重代。親代々。「―の刀」

親鉄元素

しんてつげんそ [5] 【親鉄元素】
元素の地球化学的な分類の一。地球の核に集まる元素の一群。鉄・ニッケル・コバルトなど。

親銅元素

しんどうげんそ [5] 【親銅元素】
元素の地球化学的な分類の一。マントル下層に集まる元素の一群。銅・カドミウム・硫黄など。

親鍵

おやかぎ [2][0] 【親鍵】
同じ種類の錠をあけられる共通の合い鍵。マスター-キー。

親閲

しんえつ [0] 【親閲】 (名)スル
君主や最高の長官みずからが検閲あるいは閲兵すること。「―式」

親附

しんぷ [1] 【親付・親附】 (名)スル
親しんでつき従うこと。「決して人に―せらるべからず/西国立志編(正直)」

親離れ

おやばなれ [3] 【親離れ】 (名)スル
子供が成長して,親を頼りにしなくなること。子供が自立すること。乳(チ)離れ。

親電

しんでん [0] 【親電】
(1)一国の元首が,その名前で出す電報。
(2)天皇から外国の元首にあてられた電報。

親項目

おやこうもく [3] 【親項目】
「親見出し」に同じ。

親類

しんるい [0] 【親類】
(1)血縁や婚姻を通じて結ばれた人々のうち,本人の家族以外の人々。親戚。「―を頼る」
→親族
(2)(「縁者」と区別して)父系の血族をいう。「門葉の輩おほく朝敵と成りて,―みな梟せられ/平治(上・古活字本)」
(3)似ているもの。同類のもの。「猫は虎の―だ」

親類

しんるい【親類】
a relative;→英和
a relation.→英和
近(遠)い〜 a near (distant) relative.

親類付き合い

しんるいづきあい [5] 【親類付(き)合い】
(1)親類間の交際。
(2)親類同様の親しい交際。

親類付合い

しんるいづきあい [5] 【親類付(き)合い】
(1)親類間の交際。
(2)親類同様の親しい交際。

親類書き

しんるいがき [0] 【親類書き】
親類の者について,その関係・氏名・職業などを書き記した書類。

親類筋

しんるいすじ [3] 【親類筋】
親類の関係,またその関係にあるもの。

親類縁者

しんるいえんじゃ [5] 【親類縁者】
血統や縁組みでつながりのある一族すべて。

親類預け

しんるいあずけ [5] 【親類預け】
江戸時代,犯罪人が幼く,あるいは病気などで刑に服しがたいとき,成長,あるいは平癒するまで親類に預けおいたこと。

親風

おやかぜ [2][0] 【親風】
親が子に対して威張ること。「―を吹かす」

親馬鹿

おやばか [0] 【親馬鹿】
子供がかわいいあまり,子の欠点に気づかなかったり,過大な評価をすること。また,そういう親。「―にも程がある」「―ちゃんりん,そば屋の風鈴」

親験

しんけん [0] 【親験】 (名)スル
自分でためしてみること。「教師日用の処剤を―し,…局方を記憶し/新聞雑誌 47」

親骨

おやぼね [0] 【親骨】
扇の両端の太い骨。
⇔子骨

親鳥

おやどり [2] 【親鳥】
親である鳥。

親鸞

しんらん 【親鸞】
(1173-1262) 鎌倉初期の僧。浄土真宗の開祖。別称,範宴・綽空(シヤククウ)・善信。諡号(シゴウ),見真大師。日野有範の子と伝える。初め比叡山で天台宗を学び,のち法然の専修念仏の門に入る。1207年念仏停止の法難に遭い,越後に流罪。赦免ののち長く関東に住み布教と著述を行う。法然の思想をさらに徹底させ,絶対他力による極楽往生を説き,悪人正機を唱えた。主著「教行信証」は,他力の立場から浄土教の教理を純化・体系化したもの。ほかに「唯信鈔文意」などがある。唯円編の法語集「歎異抄」は有名。妻は恵信尼。

覬覦

きゆ [1] 【覬覦】 (名)スル
身分不相応なことをうかがいねらうこと。「非望を―するの愚/三酔人経綸問答(兆民)」

かん【観】
an appearance (外観);→英和
a look;→英和
a view (見方).→英和
…の〜がある look like;appear.→英和

かん クワン [1] 【観】
(1)目に映った印象。物事の様子・状態。「別人の―がある」「侵すべからざる如き―ある処の外科室/外科室(鏡花)」
(2)〔仏〕 特定の想念や心の本性などを心の中で観察し,仏教の真理に達する方法。
→止観
(3)接尾語的に用いて,…に対する考え方・見方などの意を表す。「人生―」「歴史―」

観じる

かん・じる クワン― [0] 【観じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「観ずる」の上一段化〕
「観ずる」に同じ。「世を無常と―・じる」

観ずる

かん・ずる クワン― [0] 【観ずる】 (動サ変)[文]サ変 くわん・ず
(1)心を静めてありのままを正しくながめる。心静かに瞑想(メイソウ)して悟る。「無常を―・ずる思遣は仏説より導きしものならん/日本開化小史(卯吉)」
(2)あきらめる。観念する。

観世

かんぜ クワンゼ [1] 【観世】
〔創始者観阿弥清次の幼名観世丸から〕
(1)「観世流」の略。
(2)「観世座」の略。

観世信光

かんぜのぶみつ クワンゼ― 【観世信光】
(1435-1516) 室町後期の能役者・能作者。観世座大鼓方(オオツヅミカタ)。音阿弥の子。通称,小次郎。幽玄を主とする従来の能と異なる劇的な能を作った。作「船弁慶」「安宅」「紅葉狩」など。

観世元清

かんぜもときよ クワンゼ― 【観世元清】
⇒世阿弥(ゼアミ)

観世元章

かんぜもとあきら クワンゼ― 【観世元章】
(1722-1774) 江戸中期の能役者。シテ方観世流第一五世宗家。田安宗武の後援で,賀茂真淵らの協力により「明和の改正」といわれる詞章の大改訂を行い,「阿古屋松」などを復活した。

観世元重

かんぜもとしげ クワンゼ― 【観世元重】
⇒音阿弥(オンアミ)

観世元雅

かんぜもとまさ クワンゼ― 【観世元雅】
(1394頃-1432) 室町中期の能役者・能作者。通称,十郎。世阿弥の長男。大和の人。三世観世大夫であるが,観世宗家では音阿弥元重を三世とし,代数のうちに入れない。名手として嘱目されたが早世。作「隅田川」「弱法師」「盛久」「歌占」など。

観世大夫

かんぜだゆう クワンゼダイフ 【観世大夫】
観世流能楽の家元。

観世宗節

かんぜそうせつ クワンゼ― 【観世宗節】
(1509-1583) 室町後期・安土桃山時代の能役者。シテ方観世流。本名,元忠(モトタダ)。将軍足利義輝に仕えたが,晩年は家康を頼って三河に下り,その保護をうけた。謡も舞も名手で,当意即妙の舞台を勤めたと伝える。

観世寿夫

かんぜひさお クワンゼヒサヲ 【観世寿夫】
(1925-1978) 能楽師。シテ方観世流。東京生まれ。七世観世銕之丞の長男。弟の栄夫・静夫とともに「華の会」を結成して,正統な能の継承と新しい能の在り方を求めた。

観世左近

かんぜさこん クワンゼ― 【観世左近】
能役者。シテ方観世流家元の通り名。二四世宗家元滋(モトシゲ)まで一〇人が名のる。

観世座

かんぜざ クワンゼ― 【観世座】
大和猿楽四座(シザ)の一。古くは結崎座(ユウザキザ)という。シテ方観世流を中心に脇方・囃子(ハヤシ)方・狂言方の三役を含む演能組織。

観世水

かんぜみず クワンゼミヅ [3] 【観世水】
渦を巻いた水の模様。観世大夫が紋としたのでいう。

観世汁

かんぜじる クワンゼ― [4] 【観世汁】
みそ汁に薄くそいだ豆腐を入れ,水溶きにした葛(クズ)を流し入れたもの。

観世流

かんぜりゅう クワンゼリウ 【観世流】
(1)能楽のシテ方の五流の一。もと大和猿楽四座(シザ)の一つ結崎座(ユウザキザ)から出る。足利義満の将軍時代に名手観阿弥清次が出,その子藤若(世阿弥元清)が義満の寵を受け,栄えるに至った。
(2)能楽の太鼓方の流派。シテ方観世流三世音阿弥元重の子観世与四郎吉国を祖とする。
(3)能楽小鼓方の流派。宮増弥左衛門の甥観世彦右衛門豊次を流祖とする。

観世清次

かんぜきよつぐ クワンゼ― 【観世清次】
⇒観阿弥(カンアミ)

観世紙縒り

かんぜこより クワンゼ― [4] 【観世紙縒り】
こより。また,二本のこよりを合わせよったもの。かんぜより。かんじんより。
〔観世大夫が始めたという説があるが,語源未詳〕

観世縒り

かんぜより クワンゼ― [0][3] 【観世縒り】
観世こより。こより。

観世華雪

かんぜかせつ クワンゼクワセツ 【観世華雪】
(1884-1959) 能楽師。シテ方観世流。東京生まれ。本名・初名,織雄。六世銕之丞(テツノジヨウ)を継ぐ。華雪は晩年の号。梅若万三郎らと梅若流の樹立に参加したが,のち観世に戻り宗家後見役をつとめた。

観世銕之丞

かんぜてつのじょう クワンゼ― 【観世銕之丞】
能楽師の通り名の一。観世銕之丞家はシテ方観世流宗家の分家。
→観世華雪(カセツ)

観世長俊

かんぜながとし クワンゼ― 【観世長俊】
(1488-1541) 室町後期の能役者・能作者。観世座ワキ方。通称,弥次郎。信光の長男。作「江島」「大社」「輪蔵」「正尊」など。

観世音

かんぜおん クワンゼオン [3] 【観世音】
「観世音菩薩(カンゼオンボサツ)」の略。

観世音寺

かんぜおんじ クワンゼオン― 【観世音寺】
福岡県太宰府市にある天台宗の寺。山号は清水山普門院。746年天智天皇の勅願により開基。東大寺・下野(シモツケ)薬師寺とともに日本三戒壇の一つ。平安末期,東大寺の末寺となる。法隆寺式の伽藍配置で,現在の建物は江戸時代のものであるが,奈良・平安期の梵鐘・仏像などが伝わる。観音寺。

観世音菩薩

かんぜおんぼさつ クワンゼオン― [6] 【観世音菩薩】
〔仏〕
〔梵 Avalokiteśvarabodhisattva〕
「観音経(カンノンギヨウ)」などで説かれる菩薩。この名称は鳩摩羅什(クマラジユウ)の旧訳で,玄奘(ゲンジヨウ)の新訳では観自在菩薩。衆生(シユジヨウ)の声を聞き,その求めに応じて救いの手をさしのべる慈悲深い菩薩として多くの信仰を集めた。勢至菩薩とともに阿弥陀(アミダ)仏の脇侍。その住所は補陀落(フダラク)とされ,日本では那智山であるとする。慈悲の無限なことに応じた多様な姿で説かれる。観音(カンノン)。施無畏者(セムイシヤ)。円通大士。救世円通。
→六観音
→三十三観音

観世麩

かんぜぶ クワンゼ― [3] 【観世麩】
焼き麩の一種。観世水のような,青い渦巻のあるもの。

観世黒雪

かんぜこくせつ クワンゼ― 【観世黒雪】
(1566-1626) 江戸初期の能役者。シテ方観世流。本名,身愛(タダチカ)。宗家の通り名,左近を名のる。黒雪は法名。観世宗節の孫。三河の人。江戸に下って徳川家康・秀忠の援助をうけ,四座の筆頭として活躍した。

観仏

かんぶつ クワン― [0] 【観仏】
仏の荘厳(シヨウゴン)・相好(ソウゴウ)・功徳を観想すること。心に深く仏を観想すること。

観光

かんこう【観光】
sight-seeing.〜する go sight-seeing;see the sights <of> .‖観光案内所 a tourist information center.観光客 a tourist;a sightseer.観光シーズン the tourist season.観光事業 the tourist industry.観光地(団,ホテル) a tourist resort (party,hotel).観光旅行(バス) a sight-seeing tour (bus).

観光

かんこう クワンクワウ [0] 【観光】
(1)他国・他郷を訪れ,景色・風物・史跡などを見て歩くこと。「―客」「―バス」
(2)「観光繻子(ジユス)」の略。

観光ホテル

かんこうホテル クワンクワウ― [5] 【観光―】
景勝地などに立地し,遊覧や保養を目的とした旅行者を対象にしたホテル。

観光地

かんこうち クワンクワウ― [3] 【観光地】
明媚な風光,史跡・文化財・温泉などに恵まれ,観光客の集まる土地。

観光繻子

かんこうじゅす クワンクワウ― [5] 【観光繻子】
たて糸を絹,よこ糸を綿で織った繻子。明治の初め頃,栃木県相生産のものを東京,浅草の観光社で販売したのでこの名がある。
〔「かんこう」は「看光」「寒紅」などとも書く〕

観光資源

かんこうしげん クワンクワウ― [5] 【観光資源】
観光客を集めるのに役立つ,景色・風物・史跡など。

観光農園

かんこうのうえん クワンクワウ―ヱン [5] 【観光農園】
果実やイチゴのもぎとりなど,レクリエーションのため客に開放する農園。

観光都市

かんこうとし クワンクワウ― [5] 【観光都市】
史跡・文化財・温泉・景勝地などの観光資源に富んでいる都市。

観入

かんにゅう クワンニフ [0] 【観入】 (名)スル
心眼をもって対象を正しく把握すること。
〔斎藤茂吉の造語〕
→実相観入

観兵

かんぺい クワン― [0] 【観兵】
軍隊を整列,または行進させて検閲すること。
→閲兵(エツペイ)

観兵式

かんぺいしき【観兵式】
<hold> a military review[grand parade].

観兵式

かんぺいしき クワン― [3] 【観兵式】
国家の元首などが軍隊の威容を観閲する儀式。

観劇

かんげき クワン― [0] 【観劇】 (名)スル
芝居・演劇を見ること。「―会」

観劇

かんげき【観劇】
theatergoing.→英和
〜する enjoy a theatrical performance.‖観劇会 a theater party.

観勒

かんろく クワンロク 【観勒】
百済(クダラ)からの渡来僧。602年に来朝して,方術・暦・地理などを伝えた。初めての僧正に任じられたという。生没年未詳。

観取

かんしゅ [1] カン― 【看取】 ・ クワン― 【観取】 (名)スル
見て,それと知ること。事情などを察知すること。「人に由りて其の―する処の事実なり/欺かざるの記(独歩)」

観場

かんじょう クワンヂヤウ [0] 【観場】
展示場。陳列場。「―を開きしときは/西洋聞見録(文夫)」

観天望気

かんてんぼうき クワンテンバウキ [5] 【観天望気】
雲や風や空の色などを目で観察して,経験的に天気を予想すること。「朝焼けは雨」など。

観客

かんきゃく クワン― [0] 【観客】
見る人。見物人。かんかく。「多数の―を集める」「―席」

観客

かんきゃく【観客】
a spectator;→英和
the audience (総称).→英和

観察

かんさつ クワン― [0] 【観察】 (名)スル
物事の様相をありのままにくわしく見極め,そこにある種々の事情を知ること。「自然現象を―する」「―が鋭い」「―記録」

観察

かんさつ【観察】
observation.→英和
〜する observe;→英和
watch closely.‖観察点 a point of view.観察力 (the power of) observation.

観察使

かんさつし クワン― [4][3] 【観察使】
平安初期,畿内(キナイ)・七道に派遣され,諸国の治績や,国司・郡司の政治のとりかたなどを観察した官職。806年より810年まで置かれた。

観察学習

かんさつがくしゅう クワン―シフ [5] 【観察学習】
他人の行動を観察することによって,本人が実際に体験しなくてもその行動様式を学習すること。モデリング。
→模倣学習

観察眼

かんさつがん クワン― [4][0] 【観察眼】
よく物事を観察する能力。観察力。

観山

かんざん クワンザン 【観山】
⇒下村(シモムラ)観山

観心

かんじん クワン― [0] 【観心】
〔仏〕 自己の心の本性を観察し,その真実を明らかにすること。

観心寺

かんしんじ クワンシン― 【観心寺】
大阪府河内長野市寺元にある真言宗の寺。山号は檜尾山。役小角(エンノオヅノ)創建と伝える。827年実恵・真紹が寺塔を建立。南朝の崇敬あつく,楠木正成の墓がある。金堂は南北朝時代の創建で,和様に大仏様・禅宗様を応用した折衷様式(観心寺様式)として有名。本尊如意輪観音像とともに国宝。

観心本尊鈔

かんじんほんぞんしょう クワンジンホンゾンセウ 【観心本尊鈔】
日蓮が,その教理を体系的に著した書。一巻。1273年成立。妙法蓮華経の題目を,宇宙の根本真理の表現としてとらえ,これを唱えることによって仏の世界に入ることができると説く。如来滅後五五百歳始観心本尊鈔。

観応

かんのう クワンオウ 【観応】
南北朝時代,北朝の年号(1350.2.27-1352.9.27)。貞和の後,文和の前。崇光(スコウ)天皇の代。かんおう。

観応

かんおう クワンオウ 【観応】
⇒かんのう(観応)

観応の擾乱

かんのうのじょうらん クワンオウ―ゼウラン 【観応の擾乱】
1350年(観応1)から52年にかけて起こった足利尊氏・直義両派の分裂と,それによって引き起こされた全国的争乱。高師直・師泰の死,直義の毒殺によって収まった。

観念

かんねん クワン― [1] 【観念】 (名)スル
(1)物事について抱く考えや意識。「彼とは義務の―が違っている」「経済―に欠ける」「時間の―がない」「固定―」
(2)あきらめること。覚悟すること。「もうだめだと―した」
(3)〔哲〕
〔idea〕
主観としての人間の意識内容。思考の対象となる心的形象。表象。心理学では具体的な映像・心像を伴わないものをいう。
→イデア
(4)〔仏〕 仏教の瞑想法の一。精神を集中し,仏や浄土の姿,仏教の真理などを心に思い描き,思念すること。「一心に極楽を―するに他の思ひ出来れば/今昔 15」

観念

かんねん【観念】
(1) an idea <of freedom> ;→英和
a conception (概念).→英和
(2) a sense <of duty> (意識).→英和
(3) resignation (あきらめ).→英和
〜的 ideal.→英和
〜する be resigned <to one's fate> ;be prepared <for death> .
‖観念論 idealism.

観念修行

かんねんしゅぎょう クワン―ギヤウ [5] 【観念修行】
瞑想的修行である観念と,それ以外の様々の修行。観行。

観念奔逸

かんねんほんいつ クワン― [1] 【観念奔逸】
〔心〕 考えが次から次へとほとばしり出ること。躁状態にみられる。

観念小説

かんねんしょうせつ クワン―セウ― [5] 【観念小説】
特定の理念や観念を述べることを目的とした小説。特に,日清戦争後,明治資本主義社会の歪(ヒズ)みに目を向け,人間性を圧殺する社会のあり方を糾弾した一群の小説をいう。泉鏡花の「夜行巡査」,川上眉山の「書記官」など。

観念形態

かんねんけいたい クワン― [5] 【観念形態】
⇒イデオロギー

観念念仏

かんねんねんぶつ クワン― [5] 【観念念仏】
阿弥陀仏の姿,徳,浄土などを心に思い描いて瞑想すること。観念の念仏。
⇔口称(クシヨウ)念仏

観念性

かんねんせい クワン― [0] 【観念性】
主観上の観念としてのみあること。また,そのような性質。
⇔実在性

観念的

かんねんてき クワン― [0] 【観念的】 (形動)
(1)観念に関するさま。
(2)具体的事実に基づかず,頭の中だけで考えるさま。「―な意見」

観念的競合

かんねんてききょうごう クワン―キヤウガフ [0] 【観念的競合】
一個の行為が数個の罪名に触れる場合をいう語。職務中の警察官を暴行により負傷させた場合,公務執行妨害罪と傷害罪の観念的競合となる。処断はそのうち最も重い刑により行う。

観念論

かんねんろん クワン― [3] 【観念論】
〔idealism〕
物質ではなく観念的なもの(イデア・理念・意識など)が根本的本質だとする考え方。生滅変転の現象界に対し永劫不変のイデア界の優位を主張するプラトンの客観的観念論,近代では物の存在を知覚に解消しようとするバークリーの主観的観念論,経験的世界は超個人的な超越論的主観により構成されるとするカントの超越論的観念論など多様に存在する。「観念論」は主として認識論上の語で,倫理的な局面では「理想主義」と称する。また,存在論・世界観上は別に「唯心論」の語を与えることもある。アイディアリズム。
→実在論
→唯物論

観念連合

かんねんれんごう クワン―ガフ [5] 【観念連合】
⇒連合(レンゴウ)(2)

観想

かんそう クワンサウ [0] 【観想】 (名)スル
(1)〔仏〕 特定の対象に深く心を集中すること。観念。
(2)〔哲〕
〔(ギリシヤ) theoria; (ラテン) contemplatio〕

 (ア)感官的知覚や行為の実践を離れて,対象を直観すること。テオーリア。
→思弁

 (イ)宗教的修行や神秘主義で,超感覚的・神的本体を心に映ぜしめる霊的直観。冥想。黙想。静観。
(3)美の直観。観照。

観戦

かんせん クワン― [0] 【観戦】 (名)スル
(1)戦いの様子を視察すること。
(2)試合などを見物すること。「野球を―する」「―記」

観戦する

かんせん【観戦する】
witness a battle;→英和
watch a game.→英和

観戦武官

かんせんぶかん クワン―クワン [5] 【観戦武官】
交戦国の許可を得て,戦況を視察する第三国の軍人。

観普賢経

かんふげんきょう クワンフゲンキヤウ 【観普賢経】
〔仏〕 法華経の結経。曇摩蜜多(ドンマミツタ)訳。普賢の観法などを説く。

観月

かんげつ クワン― [1][0] 【観月】
月を観賞すること。多く,仲秋の月についていう。月見。[季]秋。

観月会

かんげつかい クワン―クワイ [4][3] 【観月会】
旧暦八月十五夜,また九月十三夜の月を観賞する会。

観望

かんぼう クワンバウ [0] 【観望】 (名)スル
(1)事態の流れ,形勢などをうかがいみること。「天下の情勢を―する」
(2)広く見渡すこと。ながめること。眺望。「―台」「景色を―しつつ気を養ひて/緑簑談(南翠)」

観桜

かんおう クワンアウ [0] 【観桜】
桜の花を観賞すること。花見。[季]春。「―の宴」

観桜会

かんおうかい クワンアウクワイ [3] 【観桜会】
(1)桜の花を観賞する会。
(2)四月中旬,天皇主催で催された観桜の宴。観桜御会。1938年(昭13)廃止。

観梅

かんばい クワン― [0] 【観梅】
梅の花を観賞すること。梅見。[季]春。

観楓

かんぷう クワン― [0] 【観楓】
紅葉を観賞すること。もみじがり。[季]秋。

観楓会

かんぷうかい クワン―クワイ [3] 【観楓会】
紅葉を観賞するため,客を招いて催す会。

観法

かんぽう クワンポフ [0] 【観法】
〔「かんぼう」とも〕
〔仏〕 意識を集中させ,特定の対象を心に思い描くことによって仏教の真理を直観的に認識しようとする修行。対象は日・月など具体的なものから菩薩や仏・仏国土・教理まで修行の種類に応じて異なる。観行。観門。

観海寺温泉

かんがいじおんせん クワンガイジヲンセン 【観海寺温泉】
大分県別府市,市街地西部の高台にある鶴見八湯の一。単純泉。付近に鶴見地獄・八幡地獄がある。

観海流

かんかいりゅう クワンカイリウ 【観海流】
水泳術の一派。祖は武蔵の人,宮発太郎信徳。蛙の泳ぎ方に似た平泳ぎで,遠泳に適する。

観測

かんそく クワン― [0] 【観測】 (名)スル
(1)天候や自然現象の様相を見て測定すること。「太陽の黒点を―する」「―船」
(2)物事の様子をよく見て動きを推測すること。「物価に対する政府の―は甘い」「―記事」「希望的―」

観測

かんそく【観測】
<make an> observation.→英和
〜する observe;→英和
survey.→英和
‖観測気球 an observation balloon; <send up> a trial balloon (比喩的).観測所(者) an observatory (observer).希望的観測 wishful thinking.

観測井

かんそくせい クワン― [4] 【観測井】
油層・ガス層内の様子や地下水調査のために掘削する井戸。

観測所

かんそくじょ クワン― [0][5] 【観測所】
天体・気象・地震・緯度変化などの自然現象を観察・記録する施設。気象台・天文台・測候所など。

観測気球

かんそくききゅう クワン―キウ [5] 【観測気球】
(1)高層気象の観測のために飛ばす気球。
(2)偵察用の係留気球。
(3)政治や外交交渉において,相手側の反応を知るために故意に流す情報または見解。バロン-デッセー。「―を上げる」

観潮

かんちょう クワンテウ [0] 【観潮】
潮の流れる模様,干満の様子,渦潮などを眺めること。鳴門海峡のものなどが著名。[季]春。

観点

かんてん【観点】
a point of view;a viewpoint.→英和

観点

かんてん クワン― [1][3] 【観点】
物事を考察・判断するときの立場。見地(ケンチ)。「―を変える」「―を絞る」「教育的―」

観無量寿経

かんむりょうじゅきょう クワンムリヤウジユキヤウ 【観無量寿経】
浄土三部経の一。一巻。畺良耶舎(キヨウリヨウヤシヤ)訳。釈迦が韋提希(イダイケ)夫人に,阿弥陀とその国土を観念する方法を示し,極楽に往生することを説いた経典。観無量寿仏経。観経。

観照

かんしょう クワンセウ [0] 【観照】 (名)スル
(1)主観を交えず,対象のあるがままの姿を眺めること。静かな心で対象に向かい,その本質をとらえること。「人生を―する」
→観想
(2)美学で,美を受容すること。自然観照と芸術観照とがある。
→静観

観相

かんそう【観相(術)】
physiognomy.→英和
観相家 a physiognomist.→英和

観相

かんそう クワンサウ [0] 【観相】
(1)人の顔・姿・骨格などを見て,その人の性格や運命を判断すること。人相見。
(2)俳諧で,連句の付け方の分類である七名八体の一。世相・人生の喜怒哀楽を観じた付け方。
→七名八体

観相学

かんそうがく クワンサウ― [3] 【観相学】
⇒骨相学(コツソウガク)

観経

かんぎょう クワンギヤウ [0] 【観経】
(1)経を読むこと。看経(カンキン)。
(2)「観無量寿経(カンムリヨウジユキヨウ)」の略。

観者

かんしゃ クワン― [1] 【観者】
〔「かんじゃ」とも〕
見る人。見物人。

観能

かんのう クワン― [0] 【観能】
能楽を観賞すること。「―会」

観自在

かんじざい クワン― [3] 【観自在】
〔仏〕
(1)すべてを思いのままに見ることができること。
(2)「観自在菩薩(ボサツ)」の略。

観自在菩薩

かんじざいぼさつ クワン― 【観自在菩薩】
⇒観世音菩薩(カンゼオンボサツ)

観艦式

かんかんしき【観艦式】
a naval review.

観艦式

かんかんしき クワンカン― [3] 【観艦式】
海軍の艦艇・航空機を集め,国家の元首や最高指揮官がその威容を観閲する儀式。

観菊

かんぎく クワン― [0][1] 【観菊】
菊の花を観賞すること。菊見。

観菊

かんぎく【観菊】
chrysanthemum viewing.

観菊会

かんぎくかい クワン―クワイ [4] 【観菊会】
もと毎年11月,天皇主催で行われた観菊の会。1937年(昭和12)廃止。観菊御宴(ギヨエン)。

観葉植物

かんよう【観葉植物】
a foliage plant.

観葉植物

かんようしょくぶつ クワンエフ― [6] 【観葉植物】
観賞用植物のうち,特に葉を観賞の対象とする植物。熱帯・亜熱帯原産の種が多い。インドゴムノキ・ポトス・ドラセナなど。

観衆

かんしゅう クワン― [0] 【観衆】
大勢の観客・見物人。「大―」

観衆

かんしゅう【観衆】
spectators;the audience (総称).→英和

観行

かんぎょう クワンギヤウ [0] 【観行】
〔仏〕 自分の心をみつめ,仏・菩薩や象徴的像,宗教上の真理を出現させ,直観する修行法。
→止観(シカン)

観視

かんし [0] カン― 【看視】 ・ クワン― 【観視】 (名)スル
注意して見守ること。「葉子は自分の眼で二人を―して/或る女(武郎)」

観覧

かんらん クワン― [0] 【観覧】 (名)スル
見物すること。「―席」「―料」「大相撲を―する」

観覧

かんらん【観覧】
inspection.〜する see;→英和
view.→英和
〜に供する be displayed.‖観覧券(料) an admission ticket (fee).観覧者 a visitor;a spectator.観覧車 a Ferris wheel.観覧席 a seat;a stand; <米> bleachers (屋根のない).

観覧車

かんらんしゃ クワン― [3] 【観覧車】
水車風の大きな輪に,見物客を乗せる箱をつるし,輪を動力で動かして高い所からの眺めを楽しませる装置。

観護

かんご [1] 【観護】 (名)スル
みまもること。

観護措置

かんごそち [4] 【観護措置】
観護の措置。家庭裁判所が,少年審判のために行う少年の身柄保全手段。家庭裁判所調査官の観護に付するものと,少年鑑別所に送致するものとがある。

観賞

かんしょう クワンシヤウ [0] 【観賞】 (名)スル
美しいものを見て心を楽しませること。「草花を―する」

観賞する

かんしょう【観賞する】
admire;→英和
enjoy.→英和
観賞植物 an ornamental[a garden]plant.

観賞植物

かんしょうしょくぶつ クワンシヤウ― [6] 【観賞植物】
花・葉・枝振りなどを観賞する目的で栽培される植物。

観賞魚

かんしょうぎょ クワンシヤウ― [3] 【観賞魚】
泳ぐ姿を見て楽しむ目的で飼われる魚。キンギョ・ニシキゴイ・熱帯魚など。

観門

かんもん クワン― 【観門】
⇒観法(カンポウ)

観閲

かんえつ クワン― [0] 【観閲】 (名)スル
自衛隊・警察などの長が,部隊を査閲すること。「―式」

観阿弥

かんあみ クワンアミ 【観阿弥】
(1333-1384) 南北朝時代の能役者・能作者。名は清次(キヨツグ)。芸名,観世。法名,観阿弥陀仏(観阿弥・観阿)。世阿弥の父。大和の人。猿楽大和四座の一つ結崎(ユウザキ)座(のちの観世座)の始祖とされるが,異説もある。足利義満の後援を得て能の質的向上を図る。近江猿楽や田楽の長所を摂取して幽玄な芸風をうち出し,曲舞(クセマイ)を取り入れて謡を改革した。作品「自然居士」「卒都婆小町」など。

観阿弥

かんなみ クワンアミ 【観阿弥】
⇒かんあみ(観阿弥)

観音

かんのん クワンオン 【観音】
〔仏〕
〔「かんおん」の連声〕
「観世音(カンゼオン)」の略。
→観世音菩薩(カンゼオンボサツ)

観音

かんのん【観音】
the Goddess of Mercy;Kwannon.〜開きの戸 a double door.

観音の本誓

かんのんのほんぜい クワンオン― 【観音の本誓】
観世音菩薩が身を三十三身に現じて,六道の衆生を救済しようとする誓願。

観音供

かんのんぐ クワンオン― 【観音供】
昔,毎月一八日に宮中仁寿殿(ジジユウデン)で行われた観音供養の法会。

観音力

かんのんりき クワンオン― [3][0] 【観音力】
観世音の功徳(クドク)の力。

観音品

かんのんぼん クワンオン― 【観音品】
⇒観音経(カンノンギヨウ)

観音堂

かんのんどう クワンオンダウ [0] 【観音堂】
観世音菩薩をまつってある堂。

観音寺

かんおんじ クワンオン― 【観音寺】
香川県西部の市。燧灘(ヒウチナダ)に面し水産加工業が盛ん。琴弾(コトヒキ)山には神恵(ジンネ)院と観音(カンノン)寺が,有明浜には「寛永通宝」の銭形砂絵がある。

観音寺

かんのんじ クワンオン― 【観音寺】
(1)
⇒観世音寺(カンゼオンジ)
(2)
⇒観音寺(カンオンジ)

観音寺城

かんのんじじょう クワンオンジジヤウ 【観音寺城】
滋賀県蒲生郡安土町の繖(キヌガサ)山(観音寺山)にあった城。南北朝頃より近江半国守護,佐々木六角氏の本城となり,1568年織田信長に攻められてのち廃城。石垣を積んだ山城としては日本一の規模。

観音崎

かんのんざき クワンオン― 【観音崎】
神奈川県三浦半島東端の岬。千葉県富津(フツツ)岬とともに東京湾口をなす。1869年(明治2),日本最初の洋式灯台が設置された。

観音巡り

かんのんめぐり クワンオン― [5] 【観音巡り】
西国三十三所にならって各地に設けられた三十三か所の観音霊場を巡拝すること。

観音懺法

かんのんせんぼう クワンオン―ボフ 【観音懺法】
観音菩薩を本尊とする懺法。

観音竹

かんのんちく クワンオン― [3] 【観音竹】
ヤシ科の常緑低木。中国南部原産。高さ1〜2メートル,直径2センチメートル内外。幹はシュロ類と同様に,古い繊維質の葉鞘に包まれ分枝しない。葉は長い柄があり,茎の上部にのみつき,掌状に四〜八片に深裂する。雌雄異株。沖縄の寺,観音山を経て300年前に渡来したといわれる。園芸品種が多い。筋頭竹。リュウキュウシュロチク。

観音経

かんのんぎょう クワンオンギヤウ 【観音経】
法華経第八巻第二十五の一品,観世音菩薩普門品の別名。観世音菩薩がよく衆生の諸難・苦悩を救済することを説く。諸宗の読誦経典。観音品(ボン)。普門品。

観音草

かんのんそう クワンオンサウ [0] 【観音草】
キチジョウソウの別名。

観音菩薩

かんのんぼさつ クワンオン― 【観音菩薩】
「観世音(カンゼオン)菩薩」の略。

観音観

かんのんかん クワンオンクワン [3] 【観音観】
「観無量寿経」十六観法の第十観。極楽往生を願うために,静座して一心に観世音菩薩の相を想念する観法。

観音講

かんのんこう クワンオンカウ [0] 【観音講】
(1)観音の徳を講讃する法会。
(2)観音の信者の集まり。「―を結ぶ」

観音開き

かんのんびらき クワンオン― [5] 【観音開き】
〔観世音の像を納めた厨子(ズシ)の造りと同じであるところからいう〕
中央から左右両側に対称に開くように作られた扉。

覿面

てきめん [0] 【覿面】 (名・形動)[文]ナリ
〔「覿」は見る意〕
(1)結果・効果が即座に表れる・こと(さま)。「天罰―」「薬が―に効く」
(2)まともに見ること。面と向かうこと。また,そのさま。「―に日常生活に打(ブ)つ付かつて行かなくては行けない/青年(鴎外)」
(3)見ている前。その場。即座。「―に勝負を決せん/太平記 11」

覿面に

てきめん【覿面に】
immediately;→英和
instantly;→英和
on the spot.→英和
〜にきく have an immediate effect <on> .

つの [2] 【角】
(1)動物の頭部に長く突き出ている骨質または角質の硬い突起。「水牛の―」「―製のパイプ」
(2)物の表面または頭上の突起物。「かたつむりが―を出す」
(3)婦人の嫉妬(シツト)や怒りのたとえ。「さすがのまま母の―もぽつきり折て/おらが春」
→角を生やす
(4)家紋の一。角の形を図案化したもの。枝角と袋角がある。

つの【角】
a horn;→英和
an antler (鹿の);→英和
[触角]a feeler;→英和
an antenna.→英和
〜をはやす feel jealous <of> (女が).〜で突く horn;toss (牛が).→英和
〜のある horned.→英和

すぼし 【角・角宿】
二十八宿,角宿(カクシユク)の和名。乙女座のスピカを含む。

かく 【角】
■一■ [2][1] (名・形動)
(1)四角。方形。また,四角なさま。「―に切る」「紫檀の―な名刺入/門(漱石)」
(2) [1][2]
〔数〕
〔angle〕
一点から出る二本の半直線で作られる図形。また,その開き方の度合。角度。
(3) [2][0]
将棋の駒の一。角行(カクギヨウ)。「飛車―なしで勝つ」
(4)つので作った笛。中国から伝わり,古く軍陣で用いた。つのぶえ。
(5)中国・日本の音楽理論でいう五音(ゴイン)のうち,低い方から数えて三番目の音。
→五音
(6)二十八宿の一。東方の星宿。角宿。すぼし。
(7)紋の輪郭として使われる正方形。平角・隅入角など。
(8)「鉸具(カコ)」に同じ。
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)一分金,または一分銀を数えるのに用いる。「今時のこんがうに弐―づつとらしても/浮世草子・男色大鑑 5」
(2)中国の貨幣単位の一。一元は一〇角。一角は一〇分。

かく【角】
(1) a square (四角);→英和
an angle (角度).→英和
(2) a bishop (将棋の).→英和

すみ [1] 【隅・角】
(1)囲まれた区域のかど。また,端の方。すみっこ。「部屋の―に片づける」「重箱の―をほじくる」
(2)ある場所の中心やその周辺でない所。人々の目につかない所。かたすみ。「社会の―でひっそりと暮らす」
(3)「隅の折敷(オシキ)」のこと。
(4)「角前髪(スミマエガミ)」の略。

かど【角】
(1) a corner (すみ).→英和
(2) <turn> a corner;a turn;→英和
a turning (曲り角).→英和
〜のある angular;→英和
harsh (性質など).→英和
〜のとれた(とれない) smooth-(harsh-)mannered.

かど [1] 【角】
(1)二つの線や面が出合って生じるとがった部分。
 (ア)物の端の外側に突き出した部分。「柱の―」
 (イ)物の隅。
 (ウ)道の折れ曲がっている所。まがりかど。「―の店」
(2)円満でなくとげとげしい性質。圭角(ケイカク)。「―のある言い方」
(3)刀剣の,峰の厚くなっている部分。しのぎ。または,切っ先。
(4)目に立つ所。見るべき点。「面白き―を少な少なと見せて/花鏡」

角い

かく・い [2] 【角い】 (形)
四角だ。かどばっている。「―・い帯を締めた男/俳諧師(虚子)」

角ぐむ

つのぐ・む 【角ぐむ】 (動マ四)
葦(アシ)・薄(ススキ)・真菰(マコモ)などが,角のような芽を出す。「あしの葉に―・む程の春風ぞ吹く/新古今(春上)」

角す

かく・す 【角す】 (動サ変)
(優劣を)くらべる。きそう。「他の一人と力を―・するによりて/真善美日本人(雪嶺)」

角不切

すみきらず [3] 【角不切】
四隅の角を切ってない折敷(オシキ)。

角丸

かどまる [0] 【角丸】
製本の際,小口(コグチ)側のページのかどを丸く裁断したもの。

角乗り

かくのり [0] 【角乗り】
水上に浮かぶ角材の上に乗って働くこと。また,水中に落ちないように材木を回転させたりして,種々の軽業をしてみせること。

角作り

かくづくり [3] 【角作り】
刺身の切り方の一。マグロ・カツオなどを角形に切ったもの。

角倉

すみのくら 【角倉】
姓氏の一。

角倉了以

すみのくらりょうい 【角倉了以】
(1554-1614) 安土桃山時代から江戸初期の豪商。京都の生まれ。豊臣秀吉に朱印状を得て安南・東京(トンキン)との貿易に従事。また,国内諸河川の開発も積極的に行なった。

角倉本

すみのくらぼん [0] 【角倉本】
嵯峨本(サガボン)の別名。

角倉流

すみのくらりゅう 【角倉流】
角倉素庵の始めた書道の一流派。

角倉素庵

すみのくらそあん 【角倉素庵】
(1571-1632) 江戸初期の学者・貿易家。通称,与一。素庵は号。了以の子。朱印船貿易に従事したほか,諸河川改修にも功を立てた。本阿弥光悦に書を学び,角倉流書風の始祖となる。

角倉船

すみのくらぶね [6] 【角倉船】
(1)御朱印船の一。江戸初期,朱印状を得て安南・東京(トンキン)などと貿易を行なった角倉了以の貿易船。
(2)江戸時代,天竜川に就航した高瀬舟の別名。

角倍率

かくばいりつ [3] 【角倍率】
物体を望遠鏡によって見るときの視角が,肉眼で見た場合の何倍かを表す数値。

角偏

つのへん [0] 【角偏】
漢字の偏の一。「解」「触」などの「角」。

角元

つのもと [0] 【角本・角元】
兜(カブト)の鍬形台(クワガタダイ)の近世における俗称。

角兵衛

かくべえ [1] 【角兵衛】
「角兵衛獅子(カクベエジシ)」の略。

角兵衛獅子

かくべえじし [5] 【角兵衛獅子】
「越後獅子(エチゴジシ)」に同じ。かくべじし。
〔角兵衛は獅子頭を彫った名工の名という〕

角切り

つのきり [0] 【角切り】
「鹿(シカ)の角切り」に同じ。[季]秋。

角切り

かくぎり [0] 【角切り】
物を立方体に切ること。また,切ったもの。「―の大根」

角切れ

かどぎれ [0] 【角切れ・角裂れ】
和本の背の上下両端にはりつける布。本を丈夫にし,同時に装飾の役目を果たす。

角刈

かくがり [0] 【角刈(り)】
男子の頭髪の刈り方。また,その髪形。周囲を短く,上を平らに,全体を角張った感じに見えるように刈る。

角刈り

かくがり [0] 【角刈(り)】
男子の頭髪の刈り方。また,その髪形。周囲を短く,上を平らに,全体を角張った感じに見えるように刈る。

角刈り

かくがり【角刈り】
a crew cut.

角前髪

すみまえがみ [3] 【角前髪】
江戸時代,額の生えぎわがほぼ一直線になるように両すみを剃(ソ)り込んだ前髪。元服以前の少年の髪形。角(スミ)。
角前髪[図]

角力

かくりょく [2] 【角力】
(1)力をくらべること。
(2)相撲。

角力

すもう スマフ [0] 【相撲・角力】
(1)土俵上で,二人の者が組み合い,相手を倒すか,あるいは,土俵外に出すことによって勝負を決める競技。日本の国技とされる。日本書紀によれば,垂仁天皇の時に野見宿禰(ノミノスクネ)と当麻蹴速(タイマノケハヤ)が争ったのが始めとされる。奈良・平安時代には相撲(スマイ)の節会(セチエ)として宮中の行事となり,江戸時代には勧進相撲が盛んとなって,現代の大相撲に引き継がれていった。[季]秋。
(2)「相撲取り」の略。

角助

かくすけ 【角助】
江戸時代,中間(チユウゲン)や下男の通称。角内(カクナイ)。「御紋付の傘,―がさし掛け/浮世草子・諸艶大鑑 1」

角化

かくか [0] 【角化】 (名)スル
「角質化」に同じ。

角化層

かくかそう [3] 【角化層】
⇒角質層(カクシツソウ)

角化症

かくかしょう [0] 【角化症】
角質層が肥厚する皮膚病の総称。タコやウオノメなど。角皮症。

角匙

つのさじ [0] 【角匙】
水牛などの角で作った匙。薬品類などを扱うときに用いる。

角叉

つのまた [0] 【角叉】
紅藻類スギノリ目の海藻。暖海の岩上に生育。形は扁平な葉状で叉状に分岐し,上部はへら状・鶏冠状など,体色も緑紅色・紫紅色など変化に富む。煮出して得られるのり状物質を土壁用糊料とする。[季]春。
角叉[図]

角叉茸

つのまたたけ [4] 【角叉茸】
担子菌類アカキクラゲ目のきのこ。世界中に分布。しばしば風雨に曝されたスギなどの丸太や板塀などに生ずる。子実体は橙(ダイダイ)色で,鉛筆の芯(シン)ほどの太さのへら形ないし角形。高さは約1センチメートルほど。

角地

かどち [0][2] 【角地】
道路の曲がり角や,交差したところにあって,二方が道路に面している土地。角地面。

角地面

かどじめん [3] 【角地面】
「角地(カドチ)」に同じ。

角塔婆

かくとうば [3] 【角塔婆】
角柱形の卒塔婆(ソトバ)。石塔ができるまでの代用とする。

角壔

かくとう [0] 【角壔】
⇒角柱(カクチユウ)(2)

角大師

つのだいし [3] 【角大師】
(1)元三(ガンザン)大師良源(リヨウゲン)の通称。二本の角のある姿で描かれることからいう。また,その画像。
(2)二本の角のある鬼形の元三大師像を絵や刷り物とした魔よけの護符。
(3)〔(2)の髪形に似ることから〕
近世の男児の髪の結い方。項(ウナジ)と前後・左右の五か所を結ぶ。

角太夫節

かくたゆうぶし カクタイフ― 【角太夫節】
上方の古浄瑠璃の一。山本角太夫(土佐掾)が語り出したもの。哀婉な曲風で「うれい節」と呼ばれて人気を得た。曲節の一部は義太夫節に取り入れられて残っている。

角太夫節

すみだゆうぶし スミダイフ― 【角太夫節】
寛文(1661-1673)の頃京都で山本角太夫が起こした京浄瑠璃節。この派から文弥(ブンヤ)節が生まれた。

角子

みずら [0] 【角髪・角子・鬟・髻】
〔「みみつら(耳鬘)」の転といわれる〕
上代の男子の髪の結い方の一。頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方。びずら。びんずら。
角髪[図]

角字

かくじ [0] 【角字】
(1)(草書に対して)楷書。
(2)(仮名に対して)漢字。
(3)紋所・模様などに用いる四角な字体。

角宿

すぼし 【角・角宿】
二十八宿,角宿(カクシユク)の和名。乙女座のスピカを含む。

角屋

つのや [2] 【角屋】
母屋(オモヤ)から丁字形に突き出して造った別棟。かまどを設けて二・三男が住んだり,また,厩(ウマヤ)などとする。また,そのような造り。角屋造り。
角屋[図]

角屋七郎兵衛

かどやしちろうべえ 【角屋七郎兵衛】
(1610-1672) 江戸前期の貿易商。伊勢の人。安南(現在のベトナム)に渡り,国王の一族の娘を妻とし,日本との交易に当たった。

角屋敷

かどやしき 【角屋敷】
江戸古町の四つ角にあった屋敷。その主人は年頭に将軍に拝謁することができた。

角岩

かくがん [2] 【角岩】
⇒チャート(chert)

角巻

かくまき [0] 【角巻(き)】
四角な形の毛織物でできた大形の肩掛け。三角に折って頭からすっぽりかぶり寒気や雪を防ぐ。主に東北地方の婦人が用いる。[季]冬。

角巻き

かくまき [0] 【角巻(き)】
四角な形の毛織物でできた大形の肩掛け。三角に折って頭からすっぽりかぶり寒気や雪を防ぐ。主に東北地方の婦人が用いる。[季]冬。

角帯

かくおび [0] 【角帯】
幅の狭いかたい男帯。普通,長さ約4メートル,幅約18センチメートルに織った帯地を二つ折りにして仕立てる。博多織・小倉織などが多い。

角帽

かくぼう【角帽】
a mortarboard.→英和

角帽

かくぼう [0] 【角帽】
(1)上部が角形をした帽子。多く大学の学生帽。
(2)大学生のこと。
角帽(1)[図]

角帽子

すみぼうし [3] 【角帽子】
(1)能で脇僧がかぶる頭巾(ズキン)。上部は三角にとがらせ,後ろは背中に垂らし,後頭部でひもで結ぶ。すんぼうし。
(2)「角頭巾(スミズキン)」に同じ。

角店

かどみせ [0] 【角店】
角地にある店。

角度

かくど【角度】
an angle.→英和
あらゆる〜から見る view <a problem> from all angles.

角度

かくど [1] 【角度】
(1)角の大きさ。単位としては普通,度またはラジアンを用いる。
(2)見たり考えたりする立場。観点。「この―から見る富士山が最も美しい」「もう一度―を変えて考えてみよう」

角度定規

かくどじょうぎ [4] 【角度定規】
工作物などの二面間の角度を直接はかる器具。測定する物体を二本の腕ではさみ目盛り円盤に示された数値を読み取る。

角度計

かくどけい [0] 【角度計】
角度をはかる器具。測角器。

角座

かどざ 【角座】
大阪市道頓堀にあった劇場。承応(1652-1655)の頃の開設という。1758年(宝暦8)並木正三の考案で回り舞台を初めて設置。1945年(昭和20)焼失。

角弓

つのゆみ 【角弓】
弓筈(ユハズ)を角で作った弓。[和名抄]

角張った

かくばる【角張った】
square;→英和
angular.→英和

角張る

かくば・る [3] 【角張る】 (動ラ五[四])
(1)四角な形である。かどができている。「―・った顔」
(2)堅苦しいさまである。四角ばる。「―・った態度で話す」

角張る

かどば・る [3] 【角張る】 (動ラ五[四])
(1)かどが突き出る。かくばる。「―・った顔」
(2)打ち解けない,窮屈なふるまいをする。四角ばる。「―・った態度をくずさない」

角形

かくがた [0] 【角形】
四角な形。方形。

角技

かくぎ [1] 【角技】
相撲のこと。

角抵

かくてい [0] 【角觝・角抵】 (名)スル
力くらべ。また,優劣を競うこと。「真に―すべき者は乃ち故人なり/花柳春話(純一郎)」

角括弧

かくがっこ [3] 【角括弧】
文章表記・印刷に用いる括弧の一種。角型の括弧。[ ] や ⊂ ⊃ など。ブラケット。

角振動数

かくしんどうすう [5] 【角振動数】
振動数に円周率の二倍(一周の角度)を掛けたもの。単に振動数という場合もある。角周波数。

角文字

つのもじ [0] 【角文字】
「牛の角文字」の略。

角斑病

かくはんびょう [0] 【角斑病】
葉脈上に黒褐色で多角形の病斑を生じ,やがて葉が赤褐色となって落葉する植物の病気。カキ・カボチャなどに発生。角斑落葉病。

角斗

すみと [0] 【隅斗・角斗】
「鬼斗(オニト)」に同じ。

角書

つのがき [0] 【角書(き)】
浄瑠璃の名題(ナダイ),脚本の外題(ゲダイ),書物の標題などの上に,その内容を示すような文字を二行に割って書いたもの。「(奥州秀衡遺跡争論)伽羅先代萩」の類。

角書き

つのがき [0] 【角書(き)】
浄瑠璃の名題(ナダイ),脚本の外題(ゲダイ),書物の標題などの上に,その内容を示すような文字を二行に割って書いたもの。「(奥州秀衡遺跡争論)伽羅先代萩」の類。

角木

すみき [2] 【隅木・角木・桷】
入母屋(イリモヤ)造り・寄せ棟造りなどの屋根の四隅で,隅棟の下で垂木(タルキ)を受けている斜めの材。隅垂木。
隅木[図]

角本

つのもと [0] 【角本・角元】
兜(カブト)の鍬形台(クワガタダイ)の近世における俗称。

角本

つのぼん [0] 【角本】
〔hornbook〕
アルファベットや数字,「主の祈り」を書いた紙を柄(エ)のついた板に貼った幼児向けの学習用具。牛の角でつくった透明な薄片をかぶせて保護した。一五〜一八世紀のイギリスなどで作られた。

角材

かくざい【角材】
square timber.

角材

かくざい [0][2] 【角材】
断面が四角形の,木材や石材。

角杯

かくはい [0] 【角杯】
動物の角(ツノ)を利用した飲器。また,それをかたどった土器や金属器。牛・水牛・犀(サイ)・羊などのものが用いられた。

角柄

つのがら [0] 【角柄】
窓・入り口などの枠の隅で,縦あるいは横枠が枠から外に突き出ている部分。また,そのような枠。
角柄[図]

角柱

かくちゅう [0] 【角柱】
(1)「かくばしら(角柱)」に同じ。
(2)〔数〕
〔prism〕
二つの合同でかつ平行な多角形(底面)の面をもち,他の面がすべて平行四辺形(側面)であるような立体。特に,側面がすべて長方形であるとき,直角柱といい,それ以外の角柱を斜角柱という。角壔(カクトウ)。

角柱

かくばしら [3] 【角柱】
(1)断面が四角(または角形)な柱。かくちゅう。
⇔丸柱
(2)竹の異名。

角棚

すみだな [0] 【隅棚・角棚】
(1)部屋の隅にとりつけた棚。
(2)茶道用の棚。方形の一隅を落とした五角形の板と方形の板を三本の支柱で棚にしたもの。

角榛

つのはしばみ [3] 【角榛】
カバノキ科の落葉低木。山地に生える。葉は倒卵形。雌雄同株で,春,葉に先立ち開花。果実は上端が角のようになった総包に包まれ,中に堅果があって食用になる。ナカハシバミ。

角樽

つのだる [0] 【角樽】
⇒柄樽(エダル)

角櫓

すみやぐら [3] 【角櫓・隅櫓】
城郭の角に設けた櫓。

角櫺子

かくれんじ [3] 【角連子・角櫺子】
方形または菱形の連子子(レンジコ)をつけた連子。
→連子(レンジ)

角水

すみず スミヅ [2] 【角水】
大工道具の一。水盛(ミズモリ)。水準器。

角灯

かくとう [0] 【角灯】
四面をガラスで張った四角形のランプ。ランタン。

角煮

かくに [0][3] 【角煮】
マグロ・カツオ,また豚肉などを角切りにして煮込んだ料理。

角爪

かくづめ [0] 【角爪】
琴爪(コトヅメ)の一種で,先端が角形になっているもの。生田(イクタ)流で用いる。

角状

かくじょう [0] 【角状】
獣の角(ツノ)に似た形。「―突起」

角瓶

かくびん [0] 【角瓶】
四角形のガラスびん。

角田

つのだ 【角田】
姓氏の一。

角田

かくだ 【角田】
宮城県南部,角田盆地にある市。近世,伊達氏の一門石川氏の城下町として発展。農業が中心。

角田忠行

つのだただゆき 【角田忠行】
(1834-1918) 幕末・明治の国学者。信濃の人。通称,由三郎,号は伊吹舎。熱田神宮大宮司。平田銕胤(カネタネ)門。幕末の足利氏木像梟首(キヨウシユ)事件の首謀者の一人。著「古史略」など。

角界

かくかい [0] 【角界】
相撲の社会。角力(スモウ)界。かっかい。

角界

かっかい カク― [0] 【角界】
⇒かくかい(角界)

角番

かどばん [0] 【角番】
(1)囲碁・将棋などの連続した対局で,勝負が決まる局番。七番勝負ならば三敗した次の一戦。「―に立つ」「―に追い込まれる」
(2)相撲で,負け越せば,その地位から転落するという局面。「―大関」

角皮

かくひ [1] 【角皮】
⇒クチクラ

角皮症

かくひしょう [0] 【角皮症】
⇒角化症(カクカシヨウ)

角皿

かくざら [0] 【角皿】
四角形の皿。

角盆

かくぼん [0] 【角盆】
四角な盆。
⇔丸盆

角盥

つのだらい [3] 【角盥】
左右に角のような柄のある漆塗りの小さな盥。古くからうがい・手洗い・かねつけなどに用いられた。
角盥[図]

角目立つ

つのめだ・つ [4] 【角目立つ】 (動タ五[四])
目にかどを立てる。かどだつ。「親子顔を赤めて―・つ側(ソバ)で/平凡(四迷)」

角目鳥

つのめどり [3] 【角目鳥】
チドリ目ウミスズメ科の鳥。全長35センチメートル内外。頭と背は黒,顔と腹は白い。目の上に角状の突起がある。くちばしは大きく縦に平たい。アラスカから千島列島など太平洋北部寒流域に分布。
角目鳥[図]

角矢来

かくやらい [3] 【角矢来】
竹を縦横に組んで,すき間が四角になるように作った矢来。

角石

かくいし [0] 【角石】
四角に切った石。

角砂糖

かくざとう [3] 【角砂糖】
小形の立方体に固めた白砂糖。

角砂糖

かくざとう【角砂糖】
cube[lump]sugar.

角礫岩

かくれきがん [4] 【角礫岩】
角ばった岩石片からできている礫岩。断層角礫岩や凝灰角礫岩など。

角突き合い

つのつきあい [0][4] 【角突き合い】
〔「つのづきあい」とも〕
仲が悪くて互いに衝突すること。

角立

かくりゅう 【角立】
他にぬきんでていること。また,その人。かくりつ。「門下の―なりとほめき/正法眼蔵」

角立つ

つのだ・つ [3] 【角立つ】 (動タ五[四])
穏やかでなくなる。かどだつ。「丹治は眼に―・つて,不届な奴め,と云ひながら/塩原多助一代記(円朝)」

角立つ

かどだ・つ [3] 【角立つ】
■一■ (動タ五[四])
(1)角がとがっている。角張る。「倒三角形の目がいよいよ―・つてゐた/ヰタ・セクスアリス(鴎外)」
(2)人の感情を刺激する。「英吉は―・つた様子もなく/婦系図(鏡花)」
■二■ (動タ下二)
⇒かどだてる

角立てる

かどだ・てる [4] 【角立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 かどだ・つ
(1)角をとがらせる。角をたてる。「目を―・てる」
(2)人の感情を刺激するようなことをする。

角立四つ目

すみたてよつめ [5] 【角立四つ目】
目結(メユイ)の一角が上にくるようにおいた四つ目結紋。
→四つ目結

角笛

つのぶえ【角笛】
a horn;→英和
a bugle.→英和

角笛

つのぶえ [0][3] 【角笛】
動物の角で作った笛。猟師や牧童などが用いる。

角筆

つのふで [2] 【角筆】
⇒かくひつ(角筆)

角筆

かくひつ [0] 【角筆】
象牙や竹の先端を細く削った筆記用具。それで紙面を直接へこませて書いた。かくひち。つまじるし。「―して一首をなん書きたりける/篁物語」

角筈

つのはず [0] 【角筈】
弓または矢の筈を,動物の角で作ったもの。

角箸

つのばし [2] 【角箸】
動物の角で作った箸。

角粉

つのこ [0] 【角粉】
鹿などの角を焼いてつくったみがき粉。塗漆や蒔絵の画を磨いてつやを出すのに用いる。

角細工

つのざいく [3] 【角細工】
(1)動物の角に細工をすること。また,その細工物。
(2)「張り形」の異名。

角細工

つのざいく【角細工】
hornwork.

角結び

つのむすび [3] 【角結び】
ひもの結び方の一種。こま結びにして,二本の手を角のように出したもの。

角網

かくあみ [0] 【角網】
定置網の一種。箱形の袋網と,垣網とを丁字型に敷設するもの。ニシン・サケ漁に用いる。

角繰

つのぐり [0] 【角繰(り)・角髻】
江戸時代,庶民の女性が結った髪形の一。ぐるぐる巻きあげて笄(コウガイ)をさした。

角繰り

つのぐり [0] 【角繰(り)・角髻】
江戸時代,庶民の女性が結った髪形の一。ぐるぐる巻きあげて笄(コウガイ)をさした。

角罌粟

つのげし [2] 【角罌粟】
ケシ科の二年草または多年草。ヨーロッパ原産。花壇に植える。葉は互生。高さ40〜60センチメートル。六〜八月,分枝した枝の先に鮮黄色または橙赤色の四弁花を開く。果実は角状で長い。

角背

かくせ [0] 【角背】
上製本の背に丸みをつけず,平らに製本したもの。薄い書物向き。かくぜ。
⇔丸背(マルセ)

角胡麻

つのごま [0] 【角胡麻】
ツノゴマ科の一年草。北アメリカ南部原産。観賞用に栽培。全体に毛がある。高さ約80センチメートル。葉は卵円形。夏,黄紫斑のある白色の大きな花を総状につける。蒴果(サクカ)は上方が曲がった角形で,熟して二裂する。タビビトナカセ。

角膜

かくまく【角膜(炎,移植)】
(inflammation of,transplantation of) the cornea.→英和
角膜銀行 an eye bank.

角膜

かくまく [0] 【角膜】
眼球の前面中央にある,円形皿状の透明な膜。瞳孔と虹彩をおおう。

角膜反射

かくまくはんしゃ [5] 【角膜反射】
角膜を刺激すると,両側の眼瞼(ガンケン)が反射的に閉じること。

角膜潰瘍

かくまくかいよう [5] 【角膜潰瘍】
外傷・細菌感染・ビタミン A 欠乏・アレルギーなどによって起こる角膜の潰瘍。進行すると失明する。

角膜炎

かくまくえん [4] 【角膜炎】
細菌・ウイルスなどの感染やアレルギーなどにより起こる角膜の炎症。

角膜移植

かくまくいしょく [5] 【角膜移植】
角膜が濁って視力障害が著しい人の眼球に,他者の透明な角膜を移植する手術。

角膜軟化症

かくまくなんかしょう [7][0] 【角膜軟化症】
乳児に多い角膜疾患。初め角膜が白濁し,進行とともに潰瘍となり,失明することもある。ビタミン A の不足により起こる。

角膜銀行

かくまくぎんこう [5] 【角膜銀行】
⇒アイ-バンク

角苔類

つのごけるい [4] 【角苔類】
ツノゴケ綱に属するコケ植物。一綱一科。蘇類と苔(タイ)類の特徴をあわせもつ一群。葉状体はゼニゴケなどの本体に似る。胞子体は角状。ツノゴケ・キノボリツノゴケなど。

角茄子

つのなす [0] 【角茄子】
ナス科の低木。熱帯アメリカ原産。高さ約1メートル。茎に鋭いとげがある。果実は黄色で先のややとがった卵形。基部に乳頭状の突起が数個つく。日本ではフォックス-フェースの名で生花材料にする。

角菱

かくびし 【角菱】
かどをたてること。かどびし。「見やる眼も―の,めい��夫を押隔て/浄瑠璃・廿四孝」

角落し

かくおとし [3] 【角落(と)し】
両側の柱に縦溝を刻み,角材を積み重ねてはめ込み,堰(セキ)としたもの。角材を抜き差しして水位を調節する。角落とし堰。

角落ち

かくおち [0] 【角落ち】
将棋で,上手(ウワテ)が角行なしのハンディキャップをつけて対局すること。

角落とし

かくおとし [3] 【角落(と)し】
両側の柱に縦溝を刻み,角材を積み重ねてはめ込み,堰(セキ)としたもの。角材を抜き差しして水位を調節する。角落とし堰。

角藻

つのも [0] 【角藻】
渦鞭毛藻類ケラチウム属の総称。淡水産・海水産でプランクトン生活をしている。体は単細胞で,何枚もの菱形の殻板に囲まれ,殻板には美しい網目模様がみられる。通常殻板から頂方に一個,後方に三個の長い角状突起を生じることからこの名がある。ツノオビモ。ツノオビムシ。

角蛙

つのがえる [3] 【角蛙】
無尾目の両生類。体はずんぐりと丸く,体長20センチメートルに達するものもある。上まぶたがとがり,角状を呈する。背面は黄色の地に茶色や緑色の大形の斑紋があり,腹部は白い。南アメリカ北部の湿った森林にすみ,地中にいることが多い。

角蜥蜴

つのとかげ [3] 【角蜥蜴】
有鱗目イグアナ科ツノトカゲ属の爬虫類の総称。体長15センチメートルほど。体はずんぐりとし,尾は短く,後頭部に長い角があり,背面全体に短い角状の突起がある。アリを主食とする。敵に襲われると目の隅から血をふき出しておどす。北アメリカ南西部からメキシコの乾燥地帯に分布。

角蜻蛉

つのとんぼ [3] 【角蜻蛉】
脈翅目ツノトンボ科の昆虫。開張約7センチメートル。トンボに似るが,静止時にはねをたたむ。体は黒く背が黄褐色で,はねは透明。触角は長く先端が膨らむ。日本では本州以南に分布し,夏の山野にみられる。キバネツノトンボなど近縁種を含めることもある。

角蝉

つのぜみ [2] 【角蝉】
半翅目ツノゼミ科の昆虫。体長約6ミリメートル。体形はセミに似る。全身黒色。はねは透明だが黄色を帯びる。胸部背面に角状の突起がある。アザミやヨモギにつく。日本各地の山地にみられる。

角行

かくぎょう [0] 【角行】
将棋の駒の一。斜め方向に自由に動け,成ると竜馬(リユウメ)といい,さらに前後左右に一間ずつ動けるようになる。飛車とともに大駒という。角。かくこう。かっこう。

角行

かくこう [0] 【角行】
⇒かくぎょう(角行)

角行

かっこう カクカウ [0] 【角行】
⇒かくぎょう(角行)

角行灯

かくあんどん [3] 【角行灯】
四角形の置きあんどん。

角袖

かくそで [0] 【角袖】
(1)和服の角形の袖。また,角形の袖の外套。
(2)洋服に対して,和服のこと。
(3)角袖巡査のこと。

角袖巡査

かくそでじゅんさ [5] 【角袖巡査】
明治時代,職務上の便宜から制服を着ずに和服を着ていた巡査。私服刑事。角袖。

角裂れ

かどぎれ [0] 【角切れ・角裂れ】
和本の背の上下両端にはりつける布。本を丈夫にし,同時に装飾の役目を果たす。

角襟

かくえり [0] 【角襟】
(1)和服で,方形の襟。道行などの襟。
(2)「方領(ホウリヨウ)」に同じ。

角角

かどかど [1][2] 【角角】
■一■ (名)
あの角この角。すべての角。すみずみ。「街の―にビラをはる」
■二■ (名)スル
かどだっていること。「―した言い方」

角角しい

かどかどし・い [5] 【角角しい】 (形)[文]シク かどかど・し
(1)性格や言動が角立っている。とげとげしい。「―・い物言い」
(2)角張っている。「岩の上の―・しきもあるものを/夫木 22」

角觝

かくてい [0] 【角觝・角抵】 (名)スル
力くらべ。また,優劣を競うこと。「真に―すべき者は乃ち故人なり/花柳春話(純一郎)」

角貝

つのがい [2] 【角貝】
(1)掘足(ホリアシ)綱の軟体動物。貝殻は8センチメートルほどの細長い淡橙色の円筒形で,角のような形をしている。本州中部から九州までの水深30〜100メートル内外の砂泥中にすむ。
(2)掘足綱の軟体動物の総称。長さ7〜10センチメートルの獣の角形の殻をもつ。海産。雌雄異体。

角質

かくしつ [0] 【角質】
鱗(ウロコ)・毛・角・嘴(クチバシ)などを形成する,タンパク質のケラチンから成る物質。爬虫類以上の脊椎動物の表皮の部分を成し,身体を保護する。

角質の

かくしつ【角質の】
horny;→英和
corneous.角質化 cornification.

角質化

かくしつか [0] 【角質化】 (名)スル
脊椎動物の表皮細胞に角質が沈着する現象。細胞は硬化して死ぬ。角化。

角質層

かくしつそう [4] 【角質層】
皮膚の最外層。ケラチンを含む,核のない扁平細胞の重なりから成る。垢(アカ)は,その剥離したもの。角層。角化層。

角赤

すみあか [0] 【隅赤・角赤】
昔,婚礼に用いた手箱の一種。四辺を雲形の朱塗りにして高くし,他の部分を黒塗りとした手箱。

角距離

かくきょり [3] 【角距離】
〔天〕 二点間の距離を,観測点からその二点に対する二つの半直線の成す角度で表したもの。

角逐

かくちく [0] 【角逐】 (名)スル
〔「角」は競う意〕
互いに競争すること。せり合うこと。「三大勢力が―する」

角通

かくつう [0] 【角通】
〔「角」は角力(スモウ)の意〕
相撲通。

角速度

かくそくど [3] 【角速度】
質点がある中心点のまわりを運動するときや,剛体がある軸のまわりを回転するときの回転の角度が時間的に変化する割合。

角連子

かくれんじ [3] 【角連子・角櫺子】
方形または菱形の連子子(レンジコ)をつけた連子。
→連子(レンジ)

角運動量

かくうんどうりょう [5] 【角運動量】
質点の運動量と原点からの距離との積。剛体では慣性モーメントと角速度の積で表される物理量。回転している物体に外力が働かなければ角運動量は変化しない(角運動量保存の法則)。運動量のモーメント。

角銀鉱

かくぎんこう [0][3] 【角銀鉱】
塩化銀から成る鉱物。立方晶系。角状の塊で透明ないし半透明,樹脂光沢がある。灰緑色などの色を呈し,光にさらされると暗化する。銀鉱床の酸化帯に産する。銀の原料鉱石。

角銭

かくせん [0] 【角銭】
「撫(ナ)で角銭」の略。

角錐

かくすい [0] 【角錐】
〔pyramid〕
多角形とその各辺をそれぞれ底辺とし,多角形の平面外の一点を共通の頂点とする三角形が囲む立体。

角鐔

かくつば [0] 【角鐔】
刀剣の鐔の一。形が四角なもの。

角閃石

かくせんせき [3] 【角閃石】
(1)直閃石・透閃石・陽起石・普通角閃石・藍閃石などの総称。角閃石類。
(2)普通角閃石のこと。カルシウム・マグネシウム・アルミニウムなどを含む複雑なケイ酸塩鉱物。単斜晶系。暗灰緑色ないし灰褐色で,柱状を呈し,劈開(ヘキカイ)が発達している。ホルンブレンド。火成岩や変成岩の造岩鉱物。

角隠

つのかくし [3] 【角隠(し)】
(1)結婚式で,和装の花嫁が用いるかぶり物。表は白絹,裏は紅絹。近世の揚げ帽子の変化したものという。
(2)一向宗の婦女子が報恩講の参詣にかぶった黒い帽子。

角隠し

つのかくし【角隠し】
the bride's hood.

角隠し

つのかくし [3] 【角隠(し)】
(1)結婚式で,和装の花嫁が用いるかぶり物。表は白絹,裏は紅絹。近世の揚げ帽子の変化したものという。
(2)一向宗の婦女子が報恩講の参詣にかぶった黒い帽子。

角革

かどかわ [0] 【角革】
本の表紙の角に三角形にはった革。

角頭巾

つのずきん [3][4] 【角頭巾】
⇒すみずきん(角頭巾)

角頭巾

かくずきん 【角頭巾】
⇒すみずきん(角頭巾)

角頭巾

すみずきん [3][4] 【角頭巾】
後方にしころのようなたれのある頭巾。寛永年間(1624-1644)に流行し,主に医師・老人・剃髪者(テイハツシヤ)が用いた。かぶったとき両耳の上に角ができることからという。つのずきん。すみぼうし。かくずきん。
角頭巾[図]

角額

すみびたい 【角額】
角(スミ)前髪にした額。[日葡]

角館

かくのだて 【角館】
秋田県,横手盆地の北部の町。近世,佐竹氏の所領。古い商家や武家屋敷を多く残す。

角髪

びんずら 【角髪】
(1)「みずら(角髪)」に同じ。「―結うたる童子一人来て/太平記 5」
(2)髪の毛のこと。「雲の―,花の顔ばせ/謡曲・楊貴妃」

角髪

みずら [0] 【角髪・角子・鬟・髻】
〔「みみつら(耳鬘)」の転といわれる〕
上代の男子の髪の結い方の一。頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方。びずら。びんずら。
角髪[図]

角髪

つのがみ 【角髪】
(1)角前髪(スミマエガミ)のこと。「まだ十七の―や二つ巴の定紋に大小/浄瑠璃・忠臣蔵」
(2)「総角(アゲマキ){(1)}」に同じ。

角髪

びずら 【角髪】
「みずら(角髪)」に同じ。「―引きみだり/大鏡(道兼)」

角髱

かくづと 【角髱】
女性の結髪の一。たぼを角形にするもの。江戸時代,御殿女中などの間で用いられた。

角髻

つのぐり [0] 【角繰(り)・角髻】
江戸時代,庶民の女性が結った髪形の一。ぐるぐる巻きあげて笄(コウガイ)をさした。

角鮫

つのざめ [2] 【角鮫】
ツノザメ目ツノザメ科の海魚の総称。全長約1〜2メートル。体は二基の背びれの前に角状のとげがあり,尻びれはない。種類が多く,アブラツノザメ・ツマリツノザメ・アイザメなどがいる。卵胎生。練り物の原料にし,また肝油をとる。ほぼ全世界に分布。

角鴟

みみずく [2] 【木菟・鴟鵂・角鴟】
フクロウ目フクロウ科の鳥のうち,耳のように見える飾り羽(羽角(ウカク))をもつ種の通称。オオコノハズクなどをさす。ズク。[季]冬。

觔斗雲

きんとうん [3] 【觔斗雲】
「西遊記」で,孫悟空の乗る雲。ひと飛びで十万八千里を行くという。

觖望

けつぼう [0] 【欠望・觖望】 (名)スル
希望が満たされずうらみに思うこと。

ぬたはだ 【觘】
〔古くは「ぬたはた」〕
シカの角の表面の波状の凹凸。ぬため。ぬた。[ヘボン(三版)]

觘目

ぬため 【觘目】
「ぬたはだ(觘)」に同じ。

觘目の鏑

ぬためのかぶら 【觘目の鏑】
ぬためのあるシカの角で作った鏑矢。

し [1] 【觜】
二十八宿の一。西方の星宿。觜宿。とろきぼし。

はし [1] 【嘴・觜】
〔「端(ハシ)」と同源〕
くちばし。「いすかの―」

觜宿

とろきぼし 【觜宿】
二十八宿の觜(シ)宿の和名。オリオン座北部の三星に相当。

觝触

ていしょく [0] 【抵触・觝触・牴触】 (名)スル
(1)法律・規定などにふれること。違反。「法に―する行為」
(2)物事が互いに矛盾し衝突すること。「諸の私利相―するの故を以てなり/民約論(徳)」
(3)ふれたり突き当たったりすること。「他船と―すれば速力の劇しきより稀有の災害を起す/八十日間世界一周(忠之助)」

かい [1] 【解】
(1)説明。解釈。
(2)〔数〕
〔solution〕
方程式を成り立たせる未知数の値(根)。不等式を成立させる未知数の値,またそのような値全体の集合。または,微分方程式などを満足する関数。
(3)与えられた問題の答え。
(4)漢文の文体の一。疑惑や非難にこたえることを目的としたもの。

げ [1] 【解】
(1)悟ること。わかること。また,説明すること。「無礙の見をおこし,偏空の―をなして/沙石 3」
(2)律令制で,下級官司が上級官司または太政官に差し出す上申文書。またはその様式。のちには個人の上申書にもいった。解状。解文。
→符
(3)中世,訴状の別名。

解かす

とか・す [2] 【梳かす・解かす】 (動サ五[四])
〔「とかす(溶)」と同源〕
もつれていた毛に櫛を入れて整える。とく。「髪を―・す」「頭を―・す」
[可能] とかせる

解かす

とか・す [2] 【解かす・溶かす・融かす】 (動サ五[四])
(1)固形物を,熱を加えて液状にする。溶解する。「氷を―・して水にする」「金属を―・して鋳型に流しこむ」
〔金属の場合は「熔かす」「鎔かす」とも書く〕
(2)固形物などを,液体の中に入れて液状にする。とく。溶解する。「砂糖を水に―・す」
[可能] とかせる

解きほぐす

ときほぐす【解きほぐす】
disentangle;→英和
unravel;→英和
ease (緊張を).→英和

解きほぐす

ときほぐ・す [4][0] 【解きほぐす】 (動サ五[四])
(1)糸などのもつれ合ったものを一つ一つ解いて分ける。「釣り糸を―・す」
(2)入りくんだ問題などを手順を追って解明する。「難問を―・す」
(3)かたくなな心を徐々にひらかせる。「心を―・す」
[可能] ときほぐせる

解き交はす

ときかわ・す 【解き交はす】 (動サ四)
帯などを互いに解きあう。主に男女の共寝にいう。「高麗錦(コマニシキ)紐―・し天人の/万葉 2090」

解き交ふ

ときか・う 【解き交ふ・解き替ふ】 (動ハ下二)
「ときかわす」に同じ。「倭文機(シズハタ)の帯―・へて廬屋(フセヤ)立て妻問ひしけむ/万葉 431」

解き放く

ときさ・く 【解き放く】 (動カ下二)
解きはなつ。解きほどく。「家にして結ひてし紐を―・けず/万葉 3950」

解き放す

ときはなす【解き放す】
set free;let loose.

解き放す

ときはな・す [4][0] 【解(き)放す・解(き)離す】 (動サ五[四])
(1)束縛を解いて自由にさせる。解放する。「長年の因習から人々を―・す」
(2)縄などをほどいて,ばらばらにする。「荷造りのひもを―・す」

解き放つ

ときはな・つ [0] 【解(き)放つ】 (動タ五[四])
「ときはなす」に同じ。「猛獣を―・つに等しい」

解き方

ときかた [3][4] 【解(き)方】
問題を解く方法。答えの出し方。解法。「数式の―」

解き明かす

ときあか・す [0][4] 【解(き)明かす】 (動サ五[四])
問題を解決してその意味を明らかにする。解明する。「其の疑は皆虚(ウソ)だと云ふことを―・すことは出来ませず/谷間の姫百合(謙澄)」
[可能] ときあかせる

解き明け物

ときあけもの [0] 【解(き)明け物】
綿入れの中綿をぬいて,仕立て直した着物。引っ解き。ときあけ。

解き替ふ

ときか・う 【解き交ふ・解き替ふ】 (動ハ下二)
「ときかわす」に同じ。「倭文機(シズハタ)の帯―・へて廬屋(フセヤ)立て妻問ひしけむ/万葉 431」

解き櫛

ときぐし [2][0] 【解き櫛】
髪をとくのに用いる歯の粗い櫛。

解き洗い

ときあらい [3] 【解(き)洗い】 (名)スル
和服を解いて,布の状態に戻して洗うこと。

解き物

ときもの [2][3] 【解(き)物】
衣服の縫い糸をほどいて布状にすること。また,その衣服。ほどきもの。

解き物

ほどきもの [0][5] 【解き物】
和服などの縫い合わせた糸を抜き取ること。また,そうする衣服。ときもの。

解き縄

ときなわ [0] 【解(き)縄】
祓(ハラエ)に用いる道具。縄を二本左右の手に持ちつつ口でくわえて解くもの。

解き衣

ときぎぬ 【解き衣】
縫い目をほどいた着物。ときごろも。

解き衣の

ときぎぬの 【解き衣の】 (枕詞)
解いた衣の乱れやすいことから,「思ひ乱る」「恋ひ乱る」にかかる。「―思ひ乱れていつしかと/万葉 2092」「―恋ひ乱れつつ浮き砂(マナゴ)/万葉 2504」

解き離す

ときはな・す [4][0] 【解(き)放す・解(き)離す】 (動サ五[四])
(1)束縛を解いて自由にさせる。解放する。「長年の因習から人々を―・す」
(2)縄などをほどいて,ばらばらにする。「荷造りのひもを―・す」

解き髪

ときがみ [2] 【解(き)髪】
といた髪。ほぐした髪。「―を若枝(ワカエ)にからむ風の西よ/みだれ髪(晶子)」

解く

と・く [1] 【解く】
■一■ (動カ五[四])
(1)結んであるひもなどを,結んでない状態に戻す。またそうして,とめられたりまとめられたりしたものを分け離す。「帯を―・く」「梱包を―・く」「二人して結びし紐を…―・かじとぞ思ふ/伊勢 37」
(2)縫い合わせた糸を抜いて,着物をばらばらにする。「着物を―・いて洗い張りをする」
(3)(多く「梳く」と書く)もつれていた毛にくしを入れて整える。とかす。「髪を―・く」
(4)身支度を取りはずして平常の服装にする。「旅装を―・く」「今草鞋(ワラジ)を―・いたばかりだ/歌行灯(鏡花)」
(5)命令や禁止令を解除する。また,任務・職務から離れさせる。「外出禁止令が―・かれる」「学部長の任を―・く」
(6)拘束された状態を通常の状態にもどす。「城の囲みを―・く」「警戒態勢を―・く」
(7)人の気持ちをほぐす。気持ちや感情をやわらげる。「神経の緊張を―・く」「警戒心を―・く」「誤解を―・く」「怒りを―・く」「憂を―・く/金色夜叉(紅葉)」
(8)問題の答えを出す。「次の方程式を―・きなさい」「事件の謎を―・く鍵」
〔「解ける」に対する他動詞〕
[可能] とける
■二■ (動カ下二)
⇒とける

解く

と・く [1] 【溶く・解く・融く】
〔「とく(解)」と同源〕
■一■ (動カ五[四])
(1)かたまっていた物に液体を加えて液状にする。とかす。「小麦粉を水で―・く」「粉末を水に―・く」
(2)かきまぜて液状にする。ほぐす。「卵を―・く」
[可能] とける
■二■ (動カ下二)
⇒とける

解く

とく【解く】
[ほどく]untie;→英和
undo;→英和
unfasten;→英和
unpack;→英和
loosen;→英和
[問題を]solve;→英和
answer;→英和
work out;[解除]cancel;→英和
release;→英和
lift <a ban> (禁を);→英和
discharge (職を);→英和
[疑いを]dispel;→英和
remove;→英和
clear up;[梳(す)く]comb <one's hair> .→英和

解く

ほどく【解く】
untie;→英和
unpack (荷を);→英和
unfasten.→英和

解く

ほど・く [2] 【解く】
■一■ (動カ五[四])
(1)縫い目や結び目,またもつれているものなどをときはなす。「縄を―・く」「着物を―・いて縫い直す」
(2)願ほどきをする。「願ヲ―・ク/日葡」
(3)迷いや疑いを晴らす。「漸く事の道理を思ひ―・きて/沙石 7」
[可能] ほどける
■二■ (動カ下二)
⇒ほどける

解ける

と・ける [2] 【解ける】 (動カ下一)[文]カ下二 と・く
(1)結ばれていたものがわかれわかれになる。結び目がほどける。「風呂敷の結び目が―・ける」「靴のひもが―・ける」
(2)束縛や禁止などが解除される。「お出入り禁止が―・ける」
(3)感情の高まりや悪感情・わだかまりがなくなって平静・平穏な状態になる。「緊張が―・ける」「誤解が―・ける」
(4)疑問や問題の答えが出る。「問題が―・けた」
(5)官職を解任される。「その弟の右近の丞―・けて御供に下りしをぞ/源氏(関屋)」
〔「解く」に対する自動詞〕

解ける

と・ける [2] 【溶ける・解ける・融ける】 (動カ下一)[文]カ下二 と・く
〔「とける(解)」と同源〕
(1)ある物質の分子が液体中に均一に核散すること。溶解する。「塩は水に―・ける」「酸素は水にあまり―・けない」
(2)固形物が,熱によって液状になる。「チョコレートが―・けてべたべたになる」「春になって雪が―・ける」「溶鉱炉の中で鉱石が―・ける」
〔金属の場合は「熔ける」「鎔ける」とも書く〕

解ける

ほど・ける [3] 【解ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ほど・く
(1)とけはなれる。とける。「結び目が―・ける」
(2)気持ちが和らぐ。うちとける。「気ノ―・ケナイ人/ヘボン」

解ける

とける【解ける】
get[come]loose (ほどける);come untied;be solved (問題が);be dispelled[cleared](疑いが);be appeased (怒りが).

解ける

ほどける【解ける】
get loose[untied].

解け合い

とけあい [0] 【解(け)合い】
(1)解け合うこと。
(2)取引で,天災・事変,買い占め・売り崩しなどのため相場が激変したとき,売り方と買い方とが協議して一定の値段を定め,差金決済をして売買契約を解くこと。

解け合う

とけあう【解け合う】
[和解]come to a mutual understanding;fade into one another (色が).

解け合う

とけあ・う [3][0] 【解(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに隔たりがなくなり,うちとけあう。「心が―・う」
(2)取引で,話し合いによって契約を解く。
[可能] とけあえる

解け込む

とけこ・む [0][3] 【溶(け)込む・解(け)込む・融け込む】 (動マ五[四])
(1)液体になって他のものの中に混じる。「塩分が―・んだ水」
(2)その場の雰囲気や,周囲の環境に,次第になじみ同化する。「会場の空気に―・む」
[可能] とけこめる

解し木綿

ほつしもめん [4] 【解し木綿】
⇒綿撒糸(メンザンシ)

解し織り

ほぐしおり [0] 【解し織り】
模様の輪郭をぼかす効果を得るために,整経した経(タテ)糸の配列を乱さぬように仮の緯(ヨコ)糸を打ち込み,捺染(ナツセン)をほどこしたのち,仮の緯糸をはずして正規の緯糸を打ち込む製織法。

解す

ほつ・す [2] 【解す】 (動サ五[四])
「ほぐす(解)」に同じ。[ヘボン(三版)]

解す

ほご・す [2] 【解す】 (動サ五[四])
「ほぐす」に同じ。「思ひ詰めた心を―・して/浮雲(四迷)」
[可能] ほごせる

解す

ほぐ・す [2] 【解す】 (動サ五[四])
(1)もつれて固まった状態を,といてもとへもどす。結ばれたり織られたりしているものをさばいて分ける。「魚の身を―・す」「織り糸を―・す」
〔「ほぐれる」に対する他動詞〕
(2)緊張・疲労・怒りなどを,おだやかな状態へもどす。「気分を―・す」「旅のつかれを―・す」「肩のこりを―・す」
[可能] ほぐせる

解す

かい・す [1] 【解す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「解する」の五段化〕
「解する」に同じ。「ユーモアを―・さない人」
[可能] かいせる
■二■ (動サ変)
⇒かいする

解す

げ・す 【解す】
■一■ (動サ五[四])
〔サ変動詞「解(ゲ)す」の四段化〕
理解する。納得する。悟る。「それは―・しかねる」「そのやうに事を―・さねえぢやあ,唐人とはなしをするやうだ/滑稽本・浮世床(初)」
→げせる
→げせない
■二■ (動サ変)
(1)理解する。納得する。悟る。「媼が詞の顛末を―・すること能はざりき/即興詩人(鴎外)」
(2)結び目などをといてばらばらにする。ときほぐして,効力などをとり除く。「足に刀山(トウセン)踏む時は剣樹(ケンジユ)共に―・すとかや/謡曲・歌占」
(3)責任・束縛などからとき放す。また,解任する。「勅勘を蒙り神職を―・せられて/太平記 15」
(4)解状(ゲジヨウ)を上級の役所に差し出す。上申する。「注給はらんと欲するのみ。謹て―・す/貴嶺問答」

解する

かい・する [3] 【解する】 (動サ変)[文]サ変 かい・す
理解する。わかる。「風流を―・する人」

解する

かいする【解する】
understand (理解);→英和
interpret (解釈);→英和
appreciate (鑑賞).→英和

解せない

げせ∘ない 【解せない】 (連語)
理解できない。納得できない。「何とも―∘ない話だ」
→げせる(解)

解せる

げ・せる [2] 【解せる】 (動サ下一)
〔五段活用動詞「解(ゲ)す」の可能動詞〕
理解することができる。わかる。現代では多く打ち消しの形で用いる。「どうも―・せない話だ」「ハハア,―・せた/滑稽本・膝栗毛(四・上)」

解り

わかり [3] 【分かり・解り・判り】
物事が分かること。分別。了解。「―のいい人」「―の早い子供」

解り

はつり 【解り】
絹織物をほぐして取った糸。「信濃の―を,いとよきほどにすげて/宇津保(俊蔭)」

解る

ほご・る 【解る】 (動ラ下二)
⇒ほごれる

解る

わか・る [2] 【分かる・解る・判る】
■一■ (動ラ五[四])
(1)物事の意味・価値などが理解できる。「意味が―・る」「音楽が―・らない人」「英語の―・る人」
(2)はっきりしなかった物事が明らかになる。知れる。「真犯人が―・る」「答えが―・る」
(3)相手の事情などに理解・同情を示す。「―・った,なんとかしよう」「話の―・った人」
(4)離れる。分かれる。「八宗九宗に―・りてより/浮世草子・禁短気」
■二■ (動ラ下二)
⇒わかれる

解る

はつ・る 【解る】 (動ラ下二)
〔「はつる(斫)」と同源か〕
織った物や束ねた物の端がほどける。ほつれる。「―・れたる伊予簾をかけて/宇津保(藤原君)」

解る

ほぐ・る 【解る】 (動ラ下二)
⇒ほぐれる

解る

ほつ・る 【解る】 (動ラ下二)
⇒ほつれる

解れ

ほつれ [3][0] 【解れ】
ほつれること。また,ほつれたもの。「鬢(ビン)の―」

解れる

ほぐ・れる [3] 【解れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ほぐ・る
(1)結ばれたりもつれたりして固まったものが,分かれて離れる。「結び目が―・れる」「謎(ナゾ)が―・れてきた」
(2)緊張・疲労・怒りなどが,おだやかな状態になる。「気持ちが―・れる」「肩のこりが―・れる」
(3)しそびれる。「相国様に御腹を切らせ奉らんと有りけれ共,―・れてならざる事なれ共/三河物語」
〔「ほぐす」に対する自動詞〕

解れる

ほご・れる [3] 【解れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ほご・る
「ほぐれる」に同じ。「一時に思ひ詰めた心はまた―・れるもの/真景累ヶ淵(円朝)」

解れる

ほつ・れる [3] 【解れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ほつ・る
織ったり組んだり束ねたりしたものが,ゆるんでほどけ乱れる。「袖口が―・れる」「―・れた髪の毛」

解れ毛

ほつれげ [0][3] 【解れ毛】
ほつれた毛髪。みだれ髪。

解任

かいにん【解任】
dismissal.→英和
〜する dismiss[release] <a person> from his post.

解任

かいにん [0] 【解任】 (名)スル
任務を解くこと。職務をやめさせること。解職。免職。
⇔任命
「理事を―する」

解任状

かいにんじょう [0][3] 【解任状】
特命全権大使・公使を本国に呼び戻す時,本国の元首がその大使または公使を通じて駐在国の元首に提出する解任の旨を記した書状。

解体

かいたい [0] 【解体】 (名)スル
(1)組み立てられているものや組織をばらばらにして,全体の形やまとまりをなくすこと。また,そうなること。「財閥の―」「天守を―して修理する」「―工事」
(2)解剖。

解体する

かいたい【解体する】
dismantle;→英和
take <a watch> to pieces;scrap <a ship> ;→英和
dissect (解剖する).→英和

解体工法

かいたいこうほう [5] 【解体工法】
〔demolition method〕
構築物を取り壊す工事の方法。小部分に切断・分解する方法や爆破による方法などがある。

解体新書

かいたいしんしょ 【解体新書】
日本最初の本格的な西洋医学の翻訳書。1774年刊。ドイツ人クルムス著の解剖図譜の蘭訳本「ターヘル-アナトミア」を,前野良沢・杉田玄白・中川淳庵ら七名が翻訳・編纂。本文四巻図一巻。

解傭

かいよう [0] 【解傭】
使用人をやめさせること。解雇。「脩は七月に鉄道庁に―を請うて/渋江抽斎(鴎外)」

解像力

かいぞうりょく カイザウ― [3] 【解像力】
レンズやフィルムなどの,どの程度細かく画像として再現できるかという能力。
→分解能

解像度

かいぞうど カイザウ― [3] 【解像度】
ディスプレーの表示や印刷などの細かさの程度。ディスプレーでは横方向・縦方向の表示ドット数の積で,プリンターでは1インチあたりに印刷できるドット数で表す。

解党

かいとう [0] 【解党】 (名)スル
政党・党派などを解散すること。
⇔結党

解凍

かいとう [0] 【解凍】 (名)スル
冷凍したものを解かしてもどすこと。「冷凍食品を―する」

解凍する

かいとう【解凍する】
thaw;→英和
defrost.→英和

解剖

かいぼう【解剖】
dissection (生物体の);autopsy (死体の);→英和
vivisection (生体の);(an) analysis (分析).→英和
〜する dissect;→英和
vivisect;→英和
analyze.→英和
‖解剖学 anatomy.解剖室(刀) a dissecting room (knife).

解剖

かいぼう [0] 【解剖】 (名)スル
(1)生物の体を切り開いて,その形態・構造や病因・死因などを調べること。解体。ふわけ。「ヒトノカラダヲ―スル/ヘボン」
(2)物事の内容・組み立てなどを細かに分析して研究すること。「名文家の文章を―する」

解剖学

かいぼうがく [3] 【解剖学】
〔anatomy〕
生物体の形態・構造・機能などを研究する学問。

解剖祭

かいぼうさい [3] 【解剖祭】
大学病院などで,解剖に付された死者に感謝し,霊魂を慰めるために行う行事。解剖体慰霊祭。

解合い

とけあい [0] 【解(け)合い】
(1)解け合うこと。
(2)取引で,天災・事変,買い占め・売り崩しなどのため相場が激変したとき,売り方と買い方とが協議して一定の値段を定め,差金決済をして売買契約を解くこと。

解合う

とけあ・う [3][0] 【解(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに隔たりがなくなり,うちとけあう。「心が―・う」
(2)取引で,話し合いによって契約を解く。
[可能] とけあえる

解嘲

かいちょう [0] 【解嘲】
「かいとう(解嘲)」に同じ。

解嘲

かいとう [0] 【解嘲】
〔「とう」は漢音。漢の揚雄の文章の名から〕
人のあざけりに対して弁解すること。かいちょう。

解団

かいだん [0] 【解団】 (名)スル
団体を解散すること。
⇔結団

解夏

げげ [1] 【解夏】
〔呉音〕
〔仏〕 陰暦七月一五日に夏安居(ゲアンゴ)を解くこと。夏明(ゲア)き。[季]秋。

解字

かいじ [0] 【解字】
漢字の成り立ちを解釈すること。漢字の字形を分析すること。

解官

かいかん [0] 【解官】
〔「げかん」とも〕
官職を解くこと。

解官

げかん 【解官】
官職を解任すること。免官。「―したる人々の官どもゆるしたてまつる/平家 8」

解帆

かいはん [0] 【解帆】
(1)帆船で,帆を張るために,しばってあった帆を解くこと。
(2)「開帆(カイハン)」に同じ。

解式

かいしき [0] 【解式】 (名)スル
解答を得るための計算の式。また,数式を解くこと。「生徒が算術の問題を―して居る様に/乙女心(思案)」

解得

かいとく [0] 【解得】 (名)スル
理解し体得すること。「其の論の理に似て理ならざるを―すれども/経国美談(竜渓)」

解悟

かいご [1] 【解悟】 (名)スル
さとること。気がつくこと。「更に主権に属する者に非ざるの理を―し/民約論(徳)」

解悟

げご [1] 【解悟】
〔仏〕
(1)真理を悟ること。悟りを開くこと。
(2)知によって悟りを開いて,のちに座禅などの修行にはげむこと。
→証悟

解撤

かいてつ [0] 【解撤】 (名)スル
解体し,撤去すること。

解放

かいほう カイハウ 【解放】
総合雑誌。1919年(大正8)創刊,23年廃刊。大正デモクラシー思潮の中で生まれた社会主義的傾向の雑誌。25年山崎今朝弥により再刊。

解放

かいほう [0] 【解放】 (名)スル
からだや心の束縛や制限を取り除いて自由にすること。「子育てから―される」「奴隷―」

解放

かいほう【解放】
emancipation;liberation.→英和
〜する release <a person from> ;→英和
emancipate;→英和
set <a prisoner> free;liberate.→英和
‖解放戦争(運動,軍) a liberation war (campaign,army).

解放す

ときはな・す [4][0] 【解(き)放す・解(き)離す】 (動サ五[四])
(1)束縛を解いて自由にさせる。解放する。「長年の因習から人々を―・す」
(2)縄などをほどいて,ばらばらにする。「荷造りのひもを―・す」

解放つ

ときはな・つ [0] 【解(き)放つ】 (動タ五[四])
「ときはなす」に同じ。「猛獣を―・つに等しい」

解放の神学

かいほうのしんがく [0][0] 【解放の神学】
〔liberation theology〕
1960年代から70年代にかけ中南米で生まれた新しいカトリシズムの神学。神の存在証明に力点を置いた従来の神学に代わり,神学の基本を貧困や抑圧からの解放に求める。

解放区

かいほうく [3] 【解放区】
(1)革命勢力が,中央権力の支配を排除して革命の根拠地として支配した一国内の小地域。
(2)中国革命の過程で共産党政権が統治した地区。1927年国共分裂後,農村にソビエト区を建設,第二次国共合作期(1937-1945)に辺区と改称,解放区とも呼んだ。

解放感

かいほうかん [3] 【解放感】
束縛を解かれてほっとした感じ。「―に浸る」

解放戦争

かいほうせんそう [5] 【解放戦争】
外国の政治的支配から民族の主権と自由の回復を求める戦争。ナポレオン支配からの諸国民解放戦争や今世紀のアルジェリア戦争・ベトナム戦争など。「民族―」

解散

かいさん【解散】
breakup (会合);→英和
dissolution (議会).→英和
〜する break up;disperse;→英和
dissolve.→英和

解散

かいさん [0] 【解散】 (名)スル
(1)会合などが終わって,人々が別れ散ること。
⇔集合
「現地―」
(2)集団・組織・団体などを解いて,なくすること。「劇団が―する」
(3)議会で,議員全員に対し任期満了前にその資格を消滅させること。国会では衆議院にのみ認められ,衆議院が内閣不信任案を可決,あるいは信任案を否決した場合に,内閣が総辞職しない限り解散となる。地方議会でも一定の手続きのもとに行われる。
(4)商法上,会社が本来の目的である営業活動を止め,法人格を失う状態になること。合併の場合を除き,財産関係を処理し,組織を廃止する。

解散

げさん 【解散】 (名)スル
ばらばらにほぐれてなくなること。「披閲のところ数日の鬱念一時に―す/平家 7」

解散請求

かいさんせいきゅう [5] 【解散請求】
リコールの一種。地方議会に対して,有権者の三分の一以上の署名で解散を請求しうる制度。解散請求が成立するとそれについて賛否の住民投票が行われ,過半数の賛成があれば解散する。
→リコール

解文

げもん 【解文】
「解(ゲ){(2)}」に同じ。「そへたる立文(タテブミ)には―のやうにて/枕草子 133」

解文

げぶみ 【解文】
「解(ゲ){(2)}」に同じ。

解斎

げさい 【解斎】
斎戒を解いて,平常に戻ること。物忌みを終えること。なおらい。「一日ばかりの精進―とやいふらむ/枕草子 25」

解斎殿

げさいでん 【解斎殿】
⇒直会殿(ナオライデン)

解方

ときかた [3][4] 【解(き)方】
問題を解く方法。答えの出し方。解法。「数式の―」

解明

かいめい [0] 【解明】 (名)スル
わからない事柄を明らかにすること。「真理の―に努める」「病気の原因を―する」

解明かす

ときあか・す [0][4] 【解(き)明かす】 (動サ五[四])
問題を解決してその意味を明らかにする。解明する。「其の疑は皆虚(ウソ)だと云ふことを―・すことは出来ませず/谷間の姫百合(謙澄)」
[可能] ときあかせる

解明け物

ときあけもの [0] 【解(き)明け物】
綿入れの中綿をぬいて,仕立て直した着物。引っ解き。ときあけ。

解明する

かいめい【解明する】
make clear;clarify;→英和
elucidate.→英和

解析

かいせき【解析】
analysis.→英和
解析幾何 analytical geometry.

解析

かいせき [0] 【解析】 (名)スル
(1)物事を分析して論理的に明らかにすること。分析。
(2)〔数〕
〔analysis〕

 (ア)命題 A が真であることを証明するのに,A の前提条件を順次遡行していって,真であることがすでに知られている命題 B に帰着させて証明させる方法。
 (イ)「解析学」の略。

解析力学

かいせきりきがく [6][5] 【解析力学】
一般化された座標と運動量を導入し,一種の変分原理を基礎として展開された古典力学の体系。解析力学の形式は,量子力学に引き継がれその進展に重要な役割を果たした。

解析学

かいせきがく [4] 【解析学】
微分学・積分学から発展した数学の総称。微分方程式論・積分方程式論・複素関数論などがある。

解析幾何学

かいせききかがく [6] 【解析幾何学】
幾何学的図形を座標上の方程式で表し,主に代数的方法によって図形の性質を研究する幾何学の一分野。一七世紀にデカルトやフェルマーらによって創始された。

解死人

げしにん [0] 【解死人・下死人・下手人】
(1)中世,殺害事件に関して,直接の加害者の属する集団から,被害者側に身代わりとしてさしだされた者。
(2)「げしゅにん(下手人)」に同じ。

解毒

げどく [0] 【解毒】 (名)スル
体内にある有毒物質を,より毒性の低い物質に変えること。「―作用」

解毒丸

げどくがん 【解毒丸】
毒消しの丸薬。

解毒剤

げどくざい [3][0] 【解毒剤】
体内に入った毒物の毒性を除き,または軽減する薬。毒消し。解毒薬。

解毒剤

げどくざい【解毒剤】
an antidote.→英和

解氷

かいひょう【解氷】
thawing.〜する thaw.→英和
解氷期 the thawing season.

解氷

かいひょう [0] 【解氷】
春,川や海などにはりつめていた氷がとけること。また,とけて塊となった氷。[季]春。
⇔結氷

解決

かいけつ [0] 【解決】 (名)スル
もつれていた物事にけりをつけたり,問題に結論を出したりすること。また,その物事や問題が片付くこと。「円満に―する」「―策」

解決

かいけつ【解決】
settlement;→英和
solution.→英和
〜する settle;→英和
solve.→英和

解法

かいほう【解法】
a key to solution.

解法

かいほう [0] 【解法】
問題を解く方法。ときかた。

解洗い

ときあらい [3] 【解(き)洗い】 (名)スル
和服を解いて,布の状態に戻して洗うこと。

解消

かいしょう【解消】
cancellation (解約);dissolution (解散).→英和
〜する cancel <a contract> ;→英和
break (off) <an engagement> .→英和

解消

かいしょう [0] 【解消】 (名)スル
それまであった関係・状態などをなくすること。「婚約を―する」「派閥の―につとめる」「ストレス―」

解深密経

げじんみっきょう [4] 【解深密経】
〔仏〕 唯識の思想を説く大乗経典の一。

解熱

げねつ [0] 【解熱・下熱】 (名)スル
病的に上昇した体温を下げること。
⇔発熱

解熱する

げねつ【解熱する】
alleviate fever.解熱剤 an antipyretic.→英和

解熱剤

げねつざい [3] 【解熱剤】
⇒解熱薬(ゲネツヤク)

解熱薬

げねつやく [3] 【解熱薬】
体温中枢に作用して病的に上昇した体温を正常値まで下げる薬剤。キニーネ・アミノピリン・アスピリン・フェナセチンなど。解熱剤。

解版

かいはん [0] 【解版】 (名)スル
印刷の済んだ活字組版を解いてばらばらにすること。

解物

ときもの [2][3] 【解(き)物】
衣服の縫い糸をほどいて布状にすること。また,その衣服。ほどきもの。

解状

げじょう 【解状】
(1)「解(ゲ){(2)}」に同じ。
(2)犯人召し捕りの公文書。解文(ゲブミ)。「ここの代官所へ―が着いて,在々を尋る/浄瑠璃・大経師(下)」
(3)鎌倉・室町時代,原告が裁判所にさし出した訴状。

解由

げゆ 【解由】
(1)奈良・平安時代,官人が任期満了で交代の事務引き継ぎをすること。
(2)「解由状」に同じ。

解由状

げゆじょう 【解由状】
奈良・平安時代,内官・外官が任期満了で交代するとき,後任者が前任者に渡す文書。前任者の公務が滞っていないことを証明する事務引き継ぎ文書で,国司交代の際の解由状が重要視された。解由。

解発

かいはつ [0] 【解発】
同種の動物の間で,一定の要因が特定の反応や行動を誘発すること。

解発因

かいはついん [4] 【解発因】
⇒リリーサー

解禁

かいきん【解禁】
lifting of the ban;→英和
the opening <of the shooting[fishing,ayu]season> (猟など).→英和
解禁期 an open season.

解禁

かいきん [0] 【解禁】 (名)スル
禁止命令を解くこと。「鮎の―」

解答

かいとう [0] 【解答】 (名)スル
(1)問題を解いて答えを出すこと。また,その答え。「―欄」
(2)難問題に対する解決策。「高齢化社会に対する一つの―」

解答

かいとう【解答】
an answer[a solution] <to a problem> .→英和
〜する answer;solve.→英和
‖解答者 a solver.回答用紙 an answer sheet.解答欄 an answer column.

解糖

かいとう [0] 【解糖】
(1)ブドウ糖(グルコース)がピルビン酸にまで分解されること。生物界に広く見られる反応過程で,1モルのブドウ糖から正味2モルの ATP がつくられる。解糖系。
→TCA 回路
(2)動物の体内でグリコーゲンやブドウ糖が無酸素的に分解されて乳酸になる過程。急激な筋収縮の際には,主としてこの反応でエネルギーを得る。
→無気呼吸

解約

かいやく [0] 【解約】 (名)スル
契約当事者一方の意思表示によって,賃貸借・雇用・委任などの継続的契約を終了させ,その効力を将来にわたって消滅させること。契約の効力を過去にさかのぼって消滅させる解除と異なる。

解約

かいやく【解約】
cancellation <of a contract> .

解約手付

かいやくてつけ [5] 【解約手付(け)】
契約履行に着手する以前であれば,一定の方法による契約の解除を保証する手付け。
→手付け損倍戻し

解約手付け

かいやくてつけ [5] 【解約手付(け)】
契約履行に着手する以前であれば,一定の方法による契約の解除を保証する手付け。
→手付け損倍戻し

解約返戻金

かいやくへんれいきん [0] 【解約返戻金】
生命保険契約者が中途で保険契約を解約した場合に保険会社から払い戻される金。

解綬

かいじゅ [1] 【解綬】
官職を辞すること。
→綬

解縄

ときなわ [0] 【解(き)縄】
祓(ハラエ)に用いる道具。縄を二本左右の手に持ちつつ口でくわえて解くもの。

解纜

かいらん [0] 【解纜】 (名)スル
纜(トモヅナ)を解いて船出すること。出帆。解帆。「明治丸にて,横浜港を―して/緑簑談(南翠)」

解纜する

かいらん【解纜する】
weigh anchor;(set) sail <from,for> .→英和

解義

かいぎ [1] 【解義】
意味を説明すること。解釈。釈義。

解職

かいしょく [0] 【解職】 (名)スル
命令によって職務をやめさせること。解任。免職。「汚職関係者を―する」

解職

かいしょく【解職】
dismissal.→英和
〜する dismiss;→英和
release <a person from his office[post]> .→英和

解職請求

かいしょくせいきゅう [5] 【解職請求】
リコールの一種。地方自治体の首長・助役および議員などに対して,有権者の三分の一以上の署名で解職を請求しうる制度。解職請求が成立するとそれについて住民投票が行われ,過半数以上の賛成があれば解職が成立する。
→リコール

解脱

げだつ [0] 【解脱】 (名)スル
〔梵 vimokṣa; vimukti〕
煩悩の束縛から解放されて,安らかで自由な悟りの境地に達すること。悟ること。涅槃(ネハン)。「煩悩(ボンノウ)を―する」

解脱

げだつ 【解脱】
歌舞伎十八番の一。1760年江戸市村座初演の「曾我万年柱」の二番目に,本名題「鐘入解脱衣(カネイリゲダツノキヌ)」として上演されたものが嚆矢とされるが異説もある。原曲は伝わらず,現行のものは大正以降の復活。

解脱する

げだつ【解脱する】
emancipate oneself[be delivered] <from worldly desires> .

解脱の衣

げだつのころも 【解脱の衣】
袈裟(ケサ)。

解脱上人

げだつしょうにん 【解脱上人】
⇒貞慶(ジヨウケイ)

解脱幢相

げだつどうそう [4] 【解脱幢相】
〔解脱を求めるしるしであることから〕
袈裟(ケサ)。「それ三世の諸仏,―の法衣をぬぎ捨てて/平家 2」

解舒

かいじょ [1] 【解舒】
〔「舒」はのばしゆるめる意〕
繭(マユ)を解きほぐして繭糸を引き出すこと。

解行

げぎょう [1] 【解行】
教理の理解と実践的修行。

解試

かいし [1][0] 【解試】
中国,宋の官吏登用試験の一。郷で行われる科挙の最初の試験。明・清の郷試に当たる。

解語

かいご [1][0] 【解語】
言葉の意味を理解すること。

解語の花

かいごのはな 【解語の花】
〔言語を理解する花の意。唐の玄宗が楊貴妃をさして言ったという故事から〕
美人。

解説

かいせつ【解説】
explanation;exposition;→英和
commentary.→英和
〜する explain;→英和
comment <on> .→英和
‖解説者 a <news> commentator.解説書[手引き]a manual;a guide;a commentary (注釈書).

解説

かいせつ [0] 【解説】 (名)スル
物事の内容・背景・影響などをわかりやすいように説明すること。また,その説明。「世界情勢を―する」「ニュース―」「―者」

解読

かいどく【解読】
decipherment.→英和
〜する decipher.→英和

解読

かいどく [0] 【解読】 (名)スル
(1)普通には読めない文字・暗号・文章などを読み解くこと。「碑文を―する」「暗号の―」
(2)〔心〕 一定の規則によって符号化されたものから元の情報に戻すこと。情報伝達の最後の過程。
→符号化

解込む

とけこ・む [0][3] 【溶(け)込む・解(け)込む・融け込む】 (動マ五[四])
(1)液体になって他のものの中に混じる。「塩分が―・んだ水」
(2)その場の雰囲気や,周囲の環境に,次第になじみ同化する。「会場の空気に―・む」
[可能] とけこめる

解部

ときべ [2] 【解部】
(1)律令制で,治部省に置かれ,家の相承などに関する訴訟の事実審理にあたる職。
(2)律令制で,刑部省に属し,被疑者の糾問などにあたる職。
(3)1869年(明治2)刑部省に置かれた職員。被疑者の糾問にあたったが75年廃止。

解釈

げしゃく [0] 【解釈】
〔「げ」は呉音〕
経文の解釈・説明。

解釈

かいしゃく [1] 【解釈】 (名)スル
(1)語句や物事などの意味・内容を理解し,説明すること。解き明かすこと。また,その説明。「正しく―する」
(2)物事や行為などを判断し理解すること。「善意に―する」

解釈

かいしゃく【解釈】
(an) interpretation;→英和
(an) explanation.〜する interpret;→英和
explain.→英和
…を善(悪)意に〜する take…in good (ill) part.

解釈学

かいしゃくがく [4] 【解釈学】
〔(ドイツ) Hermeneutik〕
人間の歴史的文化的表現の含む隠れた意味や在り方を,解釈の方法によって了解しようとする学問。古来,聖書や法典を解釈する技法として発達したが,シュライエルマッハーにより理解の一般理論に高められ,さらにガダマーにより存在論化されて哲学的解釈学へと脱皮した。

解釈学的循環

かいしゃくがくてきじゅんかん [0] 【解釈学的循環】
〔(ドイツ) hermeneutischer Zirkel〕
ある全体を構成している個々のものを解釈するためには,当の全体についての先行的理解が必要で,ここに一種の循環があるという解釈学の考え。

解釈的全損

かいしゃくてきぜんそん [7][0] 【解釈的全損】
⇒推定全損(スイテイゼンソン)

解釈論

かいしゃくろん [4] 【解釈論】
〔法〕 たとえそれが不備だとしても,現在ある実定法に基づいてできる解釈の範囲内で主張を行う立場。
⇔立法論

解重合

かいじゅうごう [3] 【解重合】
重合の逆反応。重合体が簡単な分子,特に,単量体に分解すること。

解錠

かいじょう [0] 【解錠】
かけてある錠をあけること。

解陣

げじん 【解陣】
朝儀・行幸・変事などで臨時にとった警固の態勢を,事が終わって解くこと。「やがて今夜―なり/中務内侍日記」

解除

かいじょ【解除】
cancellation.〜する cancel (契約を);→英和
disarm (武装を);→英和
relieve <a person of his responsibilities> ;→英和
lift (命令,包囲を).→英和

解除

げじょ [1] 【解除】
(1)天皇が,服喪期間が過ぎて喪服をぬぐ儀式。
(2)穢(ケガ)れをはらい除くこと。はらい。

解除

かいじょ [1] 【解除】 (名)スル
(1)特別に定めた条件・制約・禁止などの措置をとりやめて,平常の状態に戻すこと。「武装―」「夜間外出禁止令を―する」
(2)〔法〕 契約当事者の一方の意思表示により契約の効力を消滅させ,初めからその契約が存在しなかったのと同じ状態にすること。法令上では,「解約」の意味でも用いられる。
→解約

解除反応

かいじょはんのう [4] 【解除反応】
無意識の中に抑圧されていた過去の不安な感情や外傷体験の状況が,精神療法の過程の中などで意識化され表現されることで,緊張から解放されること。

解除条件

かいじょじょうけん [4] 【解除条件】
法律行為の効力の消滅について条件とされる事項。条件の成就により効力が消滅する。
→条件
→停止条件

解除権

かいじょけん [3] 【解除権】
契約の解除をなしうる権利。普通,相手方の債務不履行などを理由に行使される。

解集合

かいしゅうごう [3] 【解集合】
〔数〕 方程式や不等式の解を集合として表現したもの。

解雇

かいこ【解雇】
discharge;→英和
dismissal.→英和
〜する discharge;→英和
dismiss;→英和
<米話> fire;→英和
<英話> (give the) sack.→英和
‖解雇手当(予告) a dismissal allowance (notice).

解雇

かいこ [1] 【解雇】 (名)スル
使用者が雇用の契約を一方的に解約して使用人をやめさせること。くびにすること。
⇔雇用
「合理化に伴い百人が―される」

解雇予告

かいこよこく [4] 【解雇予告】
労働基準法上,使用者が労働者を解雇しようとする場合,少なくとも三〇日前にしなければならないその旨の予告。これをしないときは三〇日分以上の平均賃金を支払う義務が生ずる。
→予告手当

解雇予告手当

かいこよこくてあて [7] 【解雇予告手当】
⇒予告手当(ヨコクテアテ)

解離

かいり [0][1] 【解離】 (名)スル
(1)ときはなれること。また,といてはなすこと。
(2)〔化〕
〔dissociation〕
一つの分子が,それを構成している原子・原子団またはイオンに分解すること。特に,分解が可逆的である場合をいう。

解離

かいり【解離】
《化》dissociation.〜する dissociate.→英和

解離す

ときはな・す [4][0] 【解(き)放す・解(き)離す】 (動サ五[四])
(1)束縛を解いて自由にさせる。解放する。「長年の因習から人々を―・す」
(2)縄などをほどいて,ばらばらにする。「荷造りのひもを―・す」

解離度

かいりど [3] 【解離度】
解離した分子の数と,解離する前に存在した全分子数との比。

解離熱

かいりねつ [3] 【解離熱】
解離が起きるのに必要なエネルギー。

解頤

かいい [1] 【解頤】
〔「頤(オトガイ)を解(ト)く」の意〕
あごがはずれるほど大口をあけて笑うこと。

解題

かいだい [0] 【解題】 (名)スル
書物や作品の著者・内容・意義・出版年月・体裁などに関する説明。開題。

解題

かいだい【解題】
explanatory notes.

解髪

ときがみ [2] 【解(き)髪】
といた髪。ほぐした髪。「―を若枝(ワカエ)にからむ風の西よ/みだれ髪(晶子)」

そく [1] 【触】
〔仏〕
(1)六根の一つである身根が感覚する対象。皮膚による接触などで感じるもの。
(2)感覚する器官である根,心のはたらきである識,対象である境の接する部分で成立している精神作用。十二因縁の一。
(3)けがれ。不浄。

触らす

ふら・す 【触らす】 (動サ四)
広く人に知らせる。言いふらす。「恋する名をも―・しつるかな/金葉(恋上)」

触らぬ神に祟(タタ)りなし

触らぬ神に祟(タタ)りなし
関係しなければ,災いを招くこともない。傍観的に対処するのが最良である。

触らばふ

ふらば・う 【触らばふ】 (動ハ下二)
〔四段活用動詞「触る」の未然形に接尾語「はふ」の付いたもの〕
触れる。さわる。「上つ瀬に生ふる玉藻は,下つ瀬に流れ―・ふ/万葉 194」

触り

さわり サハリ [0] 【触り】
〔動詞「触る」の連用形から〕
(1)手や体でふれること。また,ふれた感じ。多く他の語と複合して用いられる。「手―」「肌―」
(2)浄瑠璃用語。
 (ア)
〔他の節(フシ)にさわっている意。普通「サワリ」と書く〕
義太夫節以外の先行の曲節を義太夫節に取り入れた箇所。
 (イ)曲中で最も聞きどころ,聞かせどころとされている部分。本来は口説きといわれる歌謡的部分をさす。
(3)〔(2)が転じて〕

 (ア)話の中心となる部分。聞かせどころ。
 (イ)演劇・映画などの名場面。見どころ。「西部劇の―を集めて編集した映画」
(4)三味線の特殊な仕掛け。一の糸を開放弦として弾くときに,複雑なうなり音を出すようにしたもの。また,その音。琵琶(ビワ)の仕組みが取り入れられたもの。

触り

さわり【触り】
(1)[触感]touch;→英和
feel.→英和
(2)[聞きどころ]an emotional passage;the point <of a story> .→英和

触り合う

ふりあ・う [3] 【振(り)合う・触(り)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに触れる。触れ合う。「袖―・うも多生の縁」

触り金

さわりがね サハリ― [0] 【触り金】
三味線の上駒(カミコマ)の別名。

触る

さわる【触る】
touch;→英和
feel.→英和
肩に〜 touch <a person> on the shoulder.→英和

触る

さわ・る サハル [0] 【触る】 (動ラ五[四])
〔「障る」と同源〕
(1)接触する。
 (ア)人が手などで物体や人体に意図的に接触する。ふれる。「展示品には―・らないでください」
 (イ)物体が当たる。「何か動く物が足に―・った」「棹に―・るは桂なるらし/土左」
 (ウ)かかわりをもつ。「だれも―・りたがらない問題」
(2)「さわる(障){(2)}」に同じ。「神経に―・る」
(3)宴会での杯のやりとりの作法の一。相手が注ごうとするのを抑えて,酒を注ぎ返す。「盃のくるたびたびにちと押さへましよ,是非―・りますと/浮世草子・一代女 5」
[可能] さわれる

触る

ふ・る 【触る】
■一■ (動ラ四)
「触れる」に同じ。「下泣きに我が泣く妻を昨夜(コゾ)こそは安く肌―・れ/古事記(下)」
〔下二段活用動詞「触る」の古い活用形〕
■二■ (動ラ下二)
⇒ふれる

触れ

ふれ [0][2] 【触れ・布令】
〔動詞「ふれる(触)」の連用形から〕
(1)広く人々に告げ知らせること。また,その人。相撲・芝居などの興行で,日時・取組・演目などを告げたり,物売りが売り物の名を告げたりすること。「前―」
(2)官府・主君など上位者から一般の人に告げ知らせる決まり・命令など。また,その文書。お触れ。

触れなば落ちん

触れなば落ちん
〔「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形〕
さわったらすぐにでも落ちそうな。「―風情(フゼイ)(=誘ワレルノヲ待チカマエテイルサマ)」

触れる

ふれる【触れる】
(1)[接触]touch;→英和
come in contact <with> ;feel (さわってみる).→英和
(2)[関連]concern <a matter> ;→英和
mention[refer to] <a matter> (言及).→英和
(3)[そむく]violate[go against] <the law> .→英和
気が〜 go[run]mad.

触れる

ふ・れる [0] 【触れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ふ・る
□一□(自動詞)
(1)物と物とが軽く接する。接触する。液体や気体についてもいう。「電線が木の枝に―・れる」「空気に―・れると酸化する」「偶然手が―・れる」
(2)機会・物事に出合う。また,直接体験する。「西欧の文物にじかに―・れる」
(3)目・耳などで知覚される。「目に―・れる」「耳目に―・れる」
(4)法・掟などに反する行為をする。抵触する。「法に―・れる」「勘気に―・れる」
(5)言及する。問題として取り上げる。「その問題は次章で―・れる」
□二□(他動詞)
(1)物にさわるようにする。付くようにする。「手を―・れないでください」「指で―・れる」
(2)男女が親しくする。「人妻といへば―・れぬものかも/万葉 517」
(3)広く知らせる。「―・れて回る」「侍どもに,その用意せよと―・るべし/平家 2」
[慣用] 忌諱(キキ)に―・逆鱗(ゲキリン)に―/折にふれ

触れ合い

ふれあい [0] 【触(れ)合い】
触れ合うこと。接触。「心と心の―」「親子の―」

触れ合う

ふれあ・う [3] 【触(れ)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに相手に触れる。接触する。「車体が―・う」「心が―・う」
[可能] ふれあえる

触れ合う

ふれあう【触れ合う】
touch;→英和
come in contact <with> .

触れ回る

ふれまわる【触れ回る】
cry about <the news> ;spread <a rumor> .→英和

触れ回る

ふれまわ・る [4][3] 【触(れ)回る】 (動ラ五[四])
(1)大勢の人に告げて歩く。「隣人の悪口を―・る」
(2)触れを伝えて歩く。「廻文を以て東八箇国を―・るに/太平記 31」

触れ太鼓

ふれだいこ [3] 【触(れ)太鼓】
物事を広く告げ知らせるために打つ太鼓。特に,相撲の興行の開始を告げる太鼓。

触れ散らす

ふれちら・す [4] 【触れ散らす】 (動サ五[四])
言いふらしてまわる。ふれちらかす。「学校中のあらをさがして,人に―・してあるいたり/当世書生気質(逍遥)」

触れ文

ふれぶみ [0] 【触れ文】
触れ書き。

触れ書き

ふれがき [0] 【触(れ)書き】
(1)一般の人に知らせるための文書。
→御触書
(2)芝居で,名題・俳優などを記したもの。

触れ歩く

ふれある・く [4] 【触(れ)歩く】 (動カ五[四])
広く人々に告げて歩く。ふれまわる。「緊急避難命令を―・く」

触れ込み

ふれこみ [0] 【触(れ)込み】
ふれこむこと。前宣伝。「実業家という―の男」

触れ込む

ふれこ・む [3] 【触(れ)込む】 (動マ五[四])
前もって知らせておく。実際より良く言う場合に用いることが多い。「東京では有名な店だと―・む」

触れ込む

ふれこむ【触れ込む】
[自称する]give oneself out <as a professor> ;pretend <to be> .→英和

触合い

ふれあい [0] 【触(れ)合い】
触れ合うこと。接触。「心と心の―」「親子の―」

触合う

ふれあ・う [3] 【触(れ)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに相手に触れる。接触する。「車体が―・う」「心が―・う」
[可能] ふれあえる

触合う

ふりあ・う [3] 【振(り)合う・触(り)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに触れる。触れ合う。「袖―・うも多生の縁」

触回る

ふれまわ・る [4][3] 【触(れ)回る】 (動ラ五[四])
(1)大勢の人に告げて歩く。「隣人の悪口を―・る」
(2)触れを伝えて歩く。「廻文を以て東八箇国を―・るに/太平記 31」

触境

そっきょう ソクキヤウ 【触境】
〔仏〕 五境・六境の一。身体で触れられて感覚される対象。

触太鼓

ふれだいこ [3] 【触(れ)太鼓】
物事を広く告げ知らせるために打つ太鼓。特に,相撲の興行の開始を告げる太鼓。

触媒

しょくばい【触媒】
《化》a catalyst;a catalyzer.触媒作用 catalysis.→英和

触媒

しょくばい [0] 【触媒】
それ自身は変化をしないが,他の物質の化学反応のなかだちとなって,反応の速度を速めたり遅らせたりする物質。アンモニア合成の際の鉄化合物や,油脂に水素添加する際のニッケルなど。生体内の酵素も一種の触媒である。

触媒コンバーター

しょくばいコンバーター [7] 【触媒―】
自動車エンジンなどの排出ガスに含まれる炭化水素や一酸化炭素を酸化して,無害の二酸化炭素と水分にするため,排気系に設けられる触媒装置。現在,多くは窒素酸化物も併せて還元するために三元触媒装置としている。

触媒毒

しょくばいどく [3] 【触媒毒】
触媒のはたらきを低下させたり,全く止めてしまうような物質。

触官

しょっかん シヨククワン [0] 【触官】
⇒触覚器官(シヨツカクキカン)

触官

しょっかん【触官】
the touch organ.

触感

しょっかん シヨク― [0] 【触感】
物に触れた時の感じ。触覚。

触手

しょくしゅ [0][1] 【触手】
下等動物の体の前端や口の周囲にある,伸縮自在の突起状の器官。触覚・味覚などの感覚器官としてはたらくほか,捕食機能をもつこともある。クラゲ・イソギンチャクでは刺胞をもつ。

触手

しょくしゅ【触手】
《動》a tentacle.→英和
〜を伸ばす reach <for> ;→英和
try to get.

触手動物

しょくしゅどうぶつ [4] 【触手動物】
動物分類上の一門。コケムシ類・ホウキムシ類・腕足類の三綱を含む。普通,外形は円柱状で前体・中体・後体の三部からなり,口の周囲に触手をもつ。有触手動物。

触接

しょくせつ [0] 【触接】 (名)スル
(1)さわること。触れること。接触。
(2)他の人や物と交渉をもつこと。接触。
(3)敵の近くにいて,絶えず状況を知ること。

触書き

ふれがき [0] 【触(れ)書き】
(1)一般の人に知らせるための文書。
→御触書
(2)芝居で,名題・俳優などを記したもの。

触杖

そくじょう [0] 【触杖】
茶室の露地の砂雪隠に飾り置く篦(ヘラ)。本来は用便後に砂をかけ覆うためのもの。乾屎橛(カンシケツ)。

触歩く

ふれある・く [4] 【触(れ)歩く】 (動カ五[四])
広く人々に告げて歩く。ふれまわる。「緊急避難命令を―・く」

触毛

しょくもう [0] 【触毛】
哺乳類の顔面や昆虫の体表に分布する感覚毛。基部が感覚細胞の先端に接していて接触感覚を感受する。

触法少年

しょくほうしょうねん シヨクハフセウネン [5] 【触法少年】
一四歳未満で刑罰法令にふれる行為をした少年。少年法の対象となる。
→犯罪少年

触激

しょくげき [0] 【触激】 (名)スル
激しくあたること。強くぶつかること。「意見相ひ―するは/自由之理(正直)」

触点

しょくてん [0] 【触点】
皮膚の感覚点のうち,接触により刺激を感じる点。

触状

ふれじょう [0] 【触状】
ふれ知らせる書状。回状。

触発

しょくはつ [0] 【触発】 (名)スル
(1)物に触れて爆発すること。「―機雷」
(2)見たり聞いたりしたことに刺激されて,事を始めること。「ミロの絵に―されて画家になった」

触発する

しょくはつ【触発する】
touch off;trigger.→英和

触穢

そくえ [1] 【触穢】
⇒しょくえ(触穢)

触穢

しょくえ [1] 【触穢】
死・出産・月経などにかかわって,体や器物がけがれること。かつては,神事や朝参などを慎んだ。そくえ。

触覚

しょっかく【触覚】
the sense of touch.

触覚

しょっかく シヨク― [0] 【触覚】
皮膚感覚の一。物にふれた時に起こる感覚。加えられる刺激が強力だったり,持続的な場合は圧覚と呼ぶ。

触覚器官

しょっかくきかん シヨク―クワン [6][5] 【触覚器官】
動物の触覚をつかさどる器官。脊椎動物の体表や皮膚に分布する感覚神経の末端装置や,節足動物の触角など。触覚器。触官。触受容器。

触角

しょっかく【触角】
《動》a feeler;→英和
an antenna;→英和
a tentacle.→英和

触角

しょっかく シヨク― [0] 【触角】
節足動物の頭部にある付属肢の一。甲殻類では二対,昆虫類・多足類などでは一対。触覚・嗅覚器官としてはたらき,形状は多種多様。剣尾類・クモ類にはない。

触診

しょくしん【触診】
palpation.〜する examine by hand[touch].

触診

しょくしん [0] 【触診】 (名)スル
医師が患者の体表を手でさわって,体温・腫脹・浮腫・圧痛・脈拍などを診断する方法。「腹部を―する」

触読

しょくどく [0] 【触読】 (名)スル
点字などを指先で触れて読むこと。

触込み

ふれこみ [0] 【触(れ)込み】
ふれこむこと。前宣伝。「実業家という―の男」

触込む

ふれこ・む [3] 【触(れ)込む】 (動マ五[四])
前もって知らせておく。実際より良く言う場合に用いることが多い。「東京では有名な店だと―・む」

触雷

しょくらい [0] 【触雷】 (名)スル
機雷に触れること。

触頭

ふれがしら [3] 【触頭】
(1)室町時代,京都の町組のうち,上京一三町組を親町,他を枝町とした,親町のこと。奉行の命令を枝町に伝達した。地方の町では,一町ごとに三人を選んで,触流(フレナガシ)という月行事を定めた。
(2)江戸時代,寺院・神社のなかから選定され,寺社奉行から出る命令の伝達や,寺社から出る訴訟の取り次ぎにあたった神社・寺院。

觳觫

こくそく [0] 【觳觫】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔孟子(梁恵王上)〕
死を恐れるさま。びくびくするさま。「―として屠所に赴く牛羊の如く/経国美談(竜渓)」

觴詠

しょうえい シヤウ― [0] 【觴詠】
酒を飲み詩歌を吟ずること。

げん【言】
words;a remark;→英和
a statement.→英和
〜を左右にする(して) equivocate (on one pretext or another).→英和
〜をまたない It goes without saying[It is needless to say]that….

げん [1] 【言】
(1)口に出してものを言うこと。言った言葉。
(2)〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫が「パロール((フランス) parole)」の訳として用いた語〕
⇒パロール

こと [2] 【言】
〔「こと(事)」と同源か〕
(1)口に出して言うこと。ことば。現代では,他の語と複合して「ごと」の形でも用いられる。「泣きごと」「寝ごと」「二―三―言葉を交わす」「朝霧の乱るる心―に出でて言はばゆゆしみ/万葉 4008」
(2)言語。「唐(モロコシ)と此の国とは―異なるものなれど/土左」
(3)うわさ。他人の評判。「君により―の繁きを故郷(フルサト)の明日香の川にみそぎしに行く/万葉 626」
(4)詩文。和歌。「凛々(リンリン)として氷鋪(シ)けり,といふ―をかへすがへす誦(ズ)しておはするは/枕草子 302」

言いかける

いいかける【言いかける】
speak[talk] <to> (話しかける);→英和
be about[going]to speak (言い出す).

言いくるめる

いいくるめる【言いくるめる】
quibble;→英和
say that black is white.

言いこなす

いいこな・す イヒ― [4] 【言いこなす】 (動サ五[四])
(1)上手に表現する。言葉巧みに言う。「一寸(チヨツト)したことをいかにも尤(モツトモ)らしく―・して/破戒(藤村)」
(2)悪く言う。非難する。「気にいらぬふぜいにてほめず,―・しければ/咄本・私可多咄」
(3)言って相手をやりこめる。「此方の正理に―・しければ/評判記・色道大鏡」

言いこめる

いいこめる【言いこめる】
silence;→英和
talk <a person> down.

言いそそくれる

いいそそく・れる イヒ― [6] 【言いそそくれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひそそく・る
言いそびれる。「つい離別咄を―・れた上に/くれの廿八日(魯庵)」

言いそびれる

いいそび・れる イヒ― [5] 【言いそびれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひそび・る
言い出す機会がなく,言うべきことを言えずに終わる。言いはぐれる。「かわいそうで小言も―・れた」

言いたい放題

いいたいほうだい イヒタイハウダイ [5] 【言いたい放題】 (形動)
言いたいことを言いたいだけ遠慮なく言うさま。「―に悪口を言う」

言いたい放題のことを言う

−ほうだい【言いたい放題のことを言う】
say what one likes.したい〜のことをする do as one pleases[likes];have one's own way.

言いながら

いいながら イヒ― 【言いながら】 (連語)
⇒とはいいながら(連語)

言いなりになる

いいなり【言いなり(放題)になる】
be at a person's beck (and call).

言いまくる

いいまくる【言いまくる】
⇒言いこめる.

言い丸める

いいまる・める イヒ― [5] 【言(い)丸める】 (動マ下一)
「言いくるめる」に同じ。

言い争い

いいあらそい イヒアラソヒ [0] 【言(い)争い】 (名)スル
口げんか。口論。言い合い。「さっきから二人で―している」

言い争う

いいあらそ・う イヒアラソフ [5] 【言(い)争う】 (動ワ五[ハ四])
口げんかする。口論する。「友人と些細(ササイ)なことで―・う」

言い交す

いいかわす【言い交す】
exchange words;exchange vows (of love).言い交した仲 plighted lovers.

言い交わす

いいかわ・す イヒカハス [4] 【言(い)交わす】 (動サ五[四])
(1)互いに言う。言葉をかわす。「余りの美しさに,二人は何とも―・す語(コトバ)さへなく/あめりか物語(荷風)」
(2)言葉をかわして約束する。特に,結婚の約束をする。「―・した仲」
(3)歌や詩を互いに作る。「なほなほしき事どもを―・してなむ心のべける/源氏(東屋)」
[可能] いいかわせる

言い付かる

いいつか・る イヒ― [4] 【言(い)付かる】 (動ラ五[四])
仕事などを命じられる。言いつけられる。「留守番を―・る」

言い付け

いいつけ イヒ― [0] 【言(い)付け】
(1)命令。指示。「親の―をよく守る」
〔「命令」と比べて,私的な場合や事がさほど重大でない場合に使う〕
(2)告げ口。「―口」

言い付ける

いいつける【言い付ける】
(1) tell[order] <a person to do> .→英和
(2)[告げ口をする]inform <against a person> .→英和

言い付ける

いいつ・ける イヒ― [4] 【言(い)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひつ・く
(1)命令する。「用事を―・ける」
(2)告げ口をする。「先生に―・ける」
(3)いつも言っている。言い慣れている。「いつも―・けている言葉」
(4)伝言を頼む。ことづけする。「宮の御かへりも人の消息も,―・けて又遣りければ/大和 168」
(5)名付ける。「大宰相の君などいふ人,おばおとどなど―・け給ひ/栄花(日蔭のかづら)」

言い伝え

いいつたえ イヒツタヘ [0] 【言(い)伝え】
何代もにわたって人から人に口づてに伝えられてきた話・伝説。「土地の―」

言い伝える

いいつたえる【言い伝える】
hand down (by tradition);spread <rumors> ;→英和
send a message <to a person> .→英和

言い伝える

いいつた・える イヒツタヘル [5] 【言(い)伝える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひつた・ふ
(1)口づてに話を後世に伝える。語り伝える。「村に―・えられてきた話」
(2)言葉を取り次ぐ。伝言する。「かかる事―・ふるは,いみじく忌(イ)むなるものを/源氏(帚木)」

言い値

いいね イヒ― [0] 【言(い)値】
売り手の言うとおりの値段。
⇔付け値
「―で買う」

言い値で

いいね【言い値で】
at the price asked.

言い做し

いいなし イヒ― [0] 【言い做し】
(1)本当でないことをさもそうであるかのように言うこと。
(2)うまくとりつくろうように言うこと。とりなし。

言い做す

いいな・す イヒ― [3] 【言い做す】 (動サ五[四])
(1)事実でないことを,事実であるかのように言う。「自分には責任がないかのように―・す」
(2)とりなす。「さまざまに―・して機嫌をとる」
(3)あえて言う。ことさらに言う。「はかなく―・させ給へるさまの,いふよしなき心地すれど/源氏(賢木)」

言い入れる

いいい・れる イヒ― [4] 【言(い)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひい・る
(1)申し込む。特に,結婚を申し込む。「いずれ真砂町様へ―・れるに違ひますまい/婦系図(鏡花)」
(2)中にいる人に向かって外からものを言う。「山より,僧都の御消息にて,参りたる人なんある,と―・れたり/源氏(夢浮橋)」
(3)物の中や人の耳に,言葉を入れ込めるように,言う。「もの言はまほしくなれば,穴を掘りては―・れ侍りけめ/大鏡(序)」

言い兼ねる

いいか・ねる イヒ― [4] 【言(い)兼ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 いひか・ぬ
(1)口に出して言うことをためらう。「私の口からは―・ねる」
(2)「言いかねない」の形で,「言うかもしれない」の意を表す。「やめる,などと―・ねない」

言い兼ねる

いいかねる【言い兼ねる】
hesitate to say.

言い出し

いいだし イヒ― [0] 【言(い)出し】
(1)他の人に先がけて言うこと。
(2)話や歌の最初の文句。

言い出しっ屁

いいだしっぺ イヒ― [4][6] 【言(い)出しっ屁】
〔「いいだしべ」の促音添加。最初に臭いと言い出した人がおならをした人だ,ということから〕
何かをしようと言い出した人。また,提案した人がまず始めること。

言い出す

いいだ・す イヒ― [3] 【言(い)出す】 (動サ五[四])
(1)言い始める。「留学したいと―・す」
(2)他の人に先がけて最初に言う。「やめようと―・すのはいつも彼だ」
(3)口に出して言う。口にする。切り出す。「いちど―・したらあとへ引かない」
[可能] いいだせる

言い出す

いいだす【言い出す】
(1) begin to speak.(2) suggest;→英和
propose (提案).→英和

言い分

いいぶん【言い分】
(1) one's say (主張);what one has (got) to say.(2) an objection (異議);→英和
(a) complaint (不平).→英和
〜がある(ない) have an (no) objection <to> .
〜のない perfect;→英和
faultless.→英和
〜を通す carry one's point.

言い分

いいぶん イヒ― [0] 【言(い)分】
(1)言いたい事柄。主張。文句。「相手の―をよく聞く」「ずいぶん失礼な―だ」「何か―があるか」
(2)口論。「―してぞ帰りける/浮世草子・胸算用 4」

言い分け

いいわけ イヒ― [0] 【言(い)訳・言(い)分け】 (名)スル
(1)自分の言動を正当化するために事情を説明すること。また,その説明。弁解。「―は聞きたくない」
(2)筋道をたてて物事を説明すること。解説。
(3)過失・失敗などをわびること。謝罪。「義理ある中の―と/人情本・梅児誉美 3」
(4)言葉をつかい分けること。《言分》「場面による―」

言い分ける

いいわ・ける イヒ― [4] 【言(い)分ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひわ・く
(1)筋道を立てて説明する。はっきりとわかるように言う。「如何なる事ぞと問ひけれども,朦朧として―・くる事もなし/御伽草子・狐」
(2)事情などを話して人を分けて遣わす。「二人をのみぞ,この御方に―・けたりける/源氏(手習)」

言い切り

いいきり イヒ― [0] 【言(い)切り】
末尾に用言・助詞・助動詞などがきて文が完結すること。文の終止。

言い切る

いいき・る イヒ― [3] 【言(い)切る】 (動ラ五[四])
(1)自信や決意をもってはっきり言う。断言する。「絶対に間違いはないと―・る」
(2)言い終わる。最後まで言う。「思うことを半分も―・らないうちに時間になった」
(3)はっきり言葉に出して相手との関係を断つ。「右近は―・りつる由言ひゐたるに/源氏(浮舟)」
[可能] いいきれる

言い切る

いいきる【言い切る】
(1)[断言する]say positively;declare.→英和
(2)[言い終わる]finish saying.

言い前

いいまえ イヒマヘ [0] 【言(い)前】
(1)物の言い方。口まえ。「単に口先の―と思はなければならなかつた/明暗(漱石)」
(2)言いわけ。口実。「一寸町へ出て来るといふ―/彼岸過迄(漱石)」

言い勝つ

いいか・つ イヒ― [3] 【言(い)勝つ】 (動タ五[四])
言い争って勝つ。言い負かす。「結局,口のうまい奴が―・った」
[可能] いいかてる

言い募る

いいつの・る イヒ― [4] 【言(い)募る】 (動ラ五[四])
調子に乗ったり,興奮したりして次第に激しい口調になる。「互いに意地になって―・る」

言い包める

いいくる・める イヒ― [5] 【言い包める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひくる・む
言葉巧みに話して,自分の意見に従わせる。口先でまるめこむ。「黒を白と―・める」

言い及ぶ

いいおよぶ【言い及ぶ】
refer <to> ;→英和
mention.→英和

言い及ぶ

いいおよ・ぶ イヒ― [4] 【言(い)及ぶ】 (動バ五[四])
あることに話が触れる。言及する。「会社の内情にまで―・ぶ」

言い古した

いいふるした【言い古した】
hackneyed <phrase> ;→英和
stale <saying> .→英和

言い古す

いいふる・す イヒ― [4] 【言(い)古す・言い旧す】 (動サ五[四])
何度も言って,耳新しくなくなる。「―・されたことだが…」

言い合い

いいあい【言い合い】
a quarrel;→英和
a dispute.→英和
〜する quarrel <with> .

言い合い

いいあい イヒアヒ [0] 【言(い)合い】 (名)スル
言い争い。口げんか。口論。「激しく―している」

言い合う

いいあ・う イヒアフ [3] 【言(い)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに言う。口々に言う。「冗談を―・う仲」
(2)口げんかをする。口論する。「同僚と―・う」

言い合せる

いいあわ・せる イヒアハセル [5] 【言い合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 いひあは・す
(1)あらかじめ話し合って決めておく。申し合わせる。「二人は―・せたように同じ本を買ってきた」
(2)互いに言う。語り合う。「なほめでたきことどもなど―・せてゐたる/枕草子 49」
(3)相談する。「はかなきあだ事をも,まことの大事をも,―・せたるに/源氏(帚木)」

言い合わせる

いいあわせる【言い合わせる】
arrange beforehand.言い合わせたように as if prearranged;unanimously.→英和

言い合わせる

いいあわ・せる イヒアハセル [5] 【言い合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 いひあは・す
(1)あらかじめ話し合って決めておく。申し合わせる。「二人は―・せたように同じ本を買ってきた」
(2)互いに言う。語り合う。「なほめでたきことどもなど―・せてゐたる/枕草子 49」
(3)相談する。「はかなきあだ事をも,まことの大事をも,―・せたるに/源氏(帚木)」

言い含める

いいふくめる【言い含める】
tell <a person> beforehand;instruct.→英和

言い含める

いいふく・める イヒ― [5] 【言(い)含める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひふく・む
(目下の人に)物事の事情や内容をよくわかるように言って聞かせる。「事情を―・める」

言い囃す

いいはや・す イヒ― [4] 【言い囃す】 (動サ五[四])
(1)盛んに言う。世間で評判する。「二人の仲を―・す」
(2)ほめていう。おだてあげる。「さあるにより,難き世ぞとは定めかねたるぞやと,―・し給ふ/源氏(帚木)」

言い回し

いいまわし イヒマハシ [0] 【言(い)回し】
言い表し方。表現。「たくみな―」「持って回った―」

言い回す

いいまわ・す イヒマハス [4] 【言(い)回す】 (動サ五[四])
(1)うまく言い表す。巧みに表現する。「むべむべしく―・し侍るに/源氏(帚木)」
(2)言い広める。「同類どもに,『かかる所こそあれ』と,―・して/宇治拾遺 3」
(3)遠まわしに言う。[日葡]
[可能] いいまわせる

言い始める

いいはじ・める イヒ― [5] 【言(い)始める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひはじ・む
(1)だれも言わなかった考えや言葉を最初に言う。「これは彼が―・めた説だ」
(2)話し始める。語り出す。「ためらいながら―・めた」
(3)異性に言い寄り始める。「たよりをたづねてもの―・めてけり/平中 27」

言い寄る

いいよる【言い寄る】
court <a woman> .→英和

言い寄る

いいよ・る イヒ― [3] 【言(い)寄る】 (動ラ五[四])
(1)親しくなろうとして,異性に近づく。くどく。「―・ってふられた」
(2)話しかけながら近寄る。「ここなる物とり侍らむなど―・りて/枕草子 3」
(3)頼りにする。頼み込む。「―・るべき頼もしき人も思えず/源氏(玉鬘)」
[可能] いいよれる

言い尽くす

いいつく・す イヒ― [4] 【言い尽(く)す】 (動サ五[四])
言うべきことをすべて言う。「言葉ではとても―・すことができない」
[可能] いいつくせる

言い尽くす

いいつくす【言い尽くす】
tell all[everything] <about> ;express (oneself) fully;exhaust <a subject> .→英和

言い尽す

いいつく・す イヒ― [4] 【言い尽(く)す】 (動サ五[四])
言うべきことをすべて言う。「言葉ではとても―・すことができない」
[可能] いいつくせる

言い広める

いいひろ・める イヒ― [5] 【言(い)広める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひひろ・む
広く世間に知らせる。口づてに多くの人に知らせる。「よい店だという評判が―・められた」

言い張る

いいはる【言い張る】
insist <on,that…> ;→英和
persist <in> .→英和

言い張る

いいは・る イヒ― [3] 【言(い)張る】 (動ラ五[四])
自分の主張をどこまでも通そうとする。「無実であると―・る」
[可能] いいはれる

言い当てる

いいあてる【言い当てる】
guess right.

言い当てる

いいあ・てる イヒ― [4] 【言(い)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひあ・つ
推量して言ったことが事実に合っている。予想が的中する。「相手の心配事を―・てる」

言い後れる

いいおく・れる イヒ― [5][0] 【言(い)遅れる・言(い)後れる】 (動ラ下一)
もっと早く言うべきことが,後回しになる。

言い得て妙

いいえて【言い得て妙】
cleverly expressed.

言い得て妙(ミヨウ)

言い得て妙(ミヨウ)
実にうまく言い表したものだ。

言い悩む

いいなや・む イヒ― [4] 【言(い)悩む】 (動マ五[四])
(1)思うように言えず苦労する。表現に困る。「適切な言葉がなくて―・む」
(2)なかなか言い出せなくて困る。

言い慣らす

いいなら・す イヒ― [4] 【言(い)慣らす】 (動サ五[四])
「いいならわす」に同じ。「日常―・した言い方」

言い成り

いいなり イヒ― [0] 【言(い)成り】
無批判に人の言葉に従うこと。言うがまま。言うなり。「人の―になる」

言い成り三宝

いいなりさんぼう イヒ― 【言(い)成り三宝】
言いなりにしたりさせたりすること。言い成り次第。「病人の―にして上げなせえ/滑稽本・浮世風呂 2」

言い成り放題

いいなりほうだい イヒ―ハウ― [5] 【言(い)成り放題】
「言い成り次第」に同じ。

言い成り次第

いいなりしだい イヒ― [5] 【言(い)成り次第】
何もかも言うとおりになること。また,そうすること。

言い手

いいて イヒ― [0] 【言い手】
言う人。話し手。話す方の人。

言い抜け

いいぬけ イヒ― [0] 【言(い)抜け】
言い抜けること。言いのがれ。

言い抜ける

いいぬ・ける イヒ― [4] 【言(い)抜ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひぬ・く
うまく言いつくろって罪や責任を逃れる。言い逃れる。「その場はうまく―・けた」

言い拵える

いいこしら・える イヒコシラヘル [6] 【言い拵える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひこしら・ふ
うまく言ってなだめたり,ごまかしたりする。こしらえ事を言う。「はてはては腹だつを,よろづに―・へて/源氏(若菜下)」

言い振り

いいぶり イヒ― [0] 【言い振り】
ものを言う様子。ことばつき。「さとすような―」

言い捨て

いいすて イヒ― [0] 【言(い)捨て】
〔「いいずて」とも〕
(1)言っただけで返事を聞かずにおくこと。言い放し。
(2)(中世,連歌が懐紙に書き記されたのに対し)正式に記録されない,即興の俳諧の連歌。「このさとに旅寝せしをりをりの―集めて『冬の日』といふ/曠野」
(3)点取りをしない俳諧。

言い捨てる

いいすてる【言い捨てる】
say as one goes away.

言い捨てる

いいす・てる イヒ― [4] 【言(い)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひす・つ
(1)返事は聞かなくてもいいかのように言うだけ言ってしまう。言い放つ。「憎々しげに―・てて立ち去る」
(2)慎重に用意せずに言う。何気なく言う。「ただいかに―・てたることくさも,皆いみじく聞ゆるにや/徒然 14」
(3)連歌・俳諧で,句を読み,記録しないでおく。

言い捲る

いいまく・る イヒ― [4] 【言い捲る】 (動ラ五[四])
盛んにしゃべり立てる。まくし立てる。「自説を―・る」

言い掛かり

いいがかり イヒ― [0] 【言い掛(か)り】
(1)難癖をつけること。また,その難癖。「―をつける」「とんでもない―だ」
(2)言い出してあとに引けない状態になること。「こちも引かれぬ―/浄瑠璃・丹波与作(中)」

言い掛け

いいかけ イヒ― [0] 【言(い)掛け】
(1)話しかけること。また,話しかけた話を途中でやめること。
(2)「掛け詞(コトバ)」に同じ。
(3)言いがかりをつけること。「銀が欲しくはきたない―せうより/浄瑠璃・生玉心中(上)」
(4)なぞなぞの問いかけの言葉。「それは―で合点ぢや,其さつまの守の心をおしやれといふに/狂言・薩摩守(虎寛本)」

言い掛ける

いいか・ける イヒ― [4] 【言(い)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひか・く
(1)あることを話し始める。「―・けてやめる」
(2)人に,話したり,手紙などで言葉をかける。「無理難題を―・ける」
(3)和歌などで,掛け詞(コトバ)を使う。
(4)罪などを人に負わせるように言う。「盗人ト―・ケテ/天草本伊曾保」

言い掛り

いいがかり【言い掛り】
<make> a false charge.〜をつける accuse <a person> falsely;pick a quarrel <with> .→英和

言い掛り

いいがかり イヒ― [0] 【言い掛(か)り】
(1)難癖をつけること。また,その難癖。「―をつける」「とんでもない―だ」
(2)言い出してあとに引けない状態になること。「こちも引かれぬ―/浄瑠璃・丹波与作(中)」

言い換え

いいかえ イヒカヘ [0] 【言(い)換え・言(い)替え】
同じ事柄を別の言葉で言い表すこと。また,その言葉。「―がきかない」

言い換える

いいかえる【言い換える】
say in other words;paraphrase (文を).→英和
言い換えれば in other words;that is (to say).

言い換える

いいか・える イヒカヘル [4][3] 【言(い)換える・言(い)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひか・ふ
同じ事柄を別の言葉で言い表す。言い直す。「わかりやすく―・える」

言い損じ

いいそんじ イヒ― [0] 【言(い)損じ】
言いまちがい。言い誤り。

言い損ない

いいそこない【言い損ない】
<make> a slip of the tongue.→英和
言い損なう (1) ⇒言い誤る.(2) fail to mention (言いそびれる).

言い損ない

いいそこない イヒソコナヒ [0] 【言(い)損ない】
言いそこなうこと。言いまちがい。

言い損なう

いいそこな・う イヒソコナフ [5] 【言(い)損なう】 (動ワ五[ハ四])
(1)まちがって言う。言い誤る。「答えを―・う」
(2)言うべきことを言わないでしまう。「肝心な用件を―・う」

言い改める

いいあらためる【言い改める】
correct oneself.

言い放つ

いいはな・つ イヒ― [4] 【言(い)放つ】 (動タ五[四])
思ったままをはっきり言う。きっぱりと言う。「満座の中で―・つ」

言い放つ

いいはなつ【言い放つ】
declare.→英和

言い散らす

いいちら・す イヒ― [4] 【言(い)散らす】 (動サ五[四])
(1)あたりかまわず言う。無責任に言う。「悪口雑言を―・す」
(2)あちこちで言う。言いふらす。「尼になして,我が世のあらむ限りはもたらむと,―・したれば/源氏(玉鬘)」
[可能] いいちらせる

言い散らす

いいちらす【言い散らす】
talk freely.

言い方

いいかた【言い方】
a way of speaking;(a turn of) expression.→英和

言い方

いいかた イヒ― [0] 【言(い)方】
ものの言いよう。言葉づかい。「―が気に入らない」

言い旧す

いいふる・す イヒ― [4] 【言(い)古す・言い旧す】 (動サ五[四])
何度も言って,耳新しくなくなる。「―・されたことだが…」

言い暮す

いいくら・す イヒ― [4] 【言い暮(ら)す】 (動サ五[四])
その事ばかり言って日を過ごす。「毎日小言ばかりを―・す」

言い暮らす

いいくら・す イヒ― [4] 【言い暮(ら)す】 (動サ五[四])
その事ばかり言って日を過ごす。「毎日小言ばかりを―・す」

言い替え

いいかえ イヒカヘ [0] 【言(い)換え・言(い)替え】
同じ事柄を別の言葉で言い表すこと。また,その言葉。「―がきかない」

言い替える

いいか・える イヒカヘル [4][3] 【言(い)換える・言(い)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひか・ふ
同じ事柄を別の言葉で言い表す。言い直す。「わかりやすく―・える」

言い条

いいじょう イヒデウ [0] 【言(い)条】
(1)言うべきことがら。言い分。「成らう事なら叔母の―を立てて/浮雲(四迷)」
(2)(「…と(は)言い条」の形で)とはいうものの。とはいっても。言う条。「調べものとは―,半分は写しものである/永日小品(漱石)」

言い様

いいよう【言い様】
⇒言い方.〜のない unspeakable;→英和
indescribable.→英和

言い様

いいよう イヒヤウ [0] 【言(い)様】
表現の仕方。言い方。「ものも―で角(カド)が立つ」

言い様

いいざま イヒ― [0] 【言(い)様】
〔古くは「いいさま」とも〕
■一■ (名)
言い方。言いぶり。「―が気に入らない」
■二■ (副)
言うと同時に。言うやいなや。「『悔しい』と―泣き伏した」

言い止す

いいさ・す イヒ― [3] 【言い止す】 (動サ五[四])
言いかけて途中でやめる。「―・して席を立つ」

言い歩く

いいある・く イヒ― [4] 【言(い)歩く】 (動カ五[四])
言い触らして歩く。

言い残す

いいのこす【言い残す】
leave a message <that…> (伝言);→英和
make a will (遺言);→英和
forget[omit]to say (言い落とす).

言い残す

いいのこ・す イヒ― [4] 【言(い)残す】 (動サ五[四])
(1)言うべきことの一部を言わないままにする。言い漏らす。
(2)立ち去る人が,あとに残る人に言っておく。言いおく。「父の―・した言葉」
[可能] いいのこせる

言い洩らす

いいもら・す イヒ― [4] 【言(い)漏らす・言い洩らす】 (動サ五[四])
(1)言うべきことの一部分を言い忘れる。言い落とす。「肝心なことを―・す」
(2)秘密を他にもらす。口外する。「おのづから物―・しつべき眷属/源氏(夕顔)」

言い消す

いいけ・す イヒ― [3] 【言(い)消す】 (動サ五[四])
(1)相手の言葉を否定する。「一言の下に―・される/田舎教師(花袋)」
(2)前に言ったことを取り消す。「これは話さと口軽に―・して/化銀杏(鏡花)」
(3)悪く言う。けなす。「一と口に戯作と―・して了うが/社会百面相(魯庵)」
[可能] いいけせる

言い淀む

いいよど・む イヒ― [4] 【言い淀む】 (動マ五[四])
言葉がすらすらと出ないで口ごもる。「問い詰められて―・む」

言い添える

いいそ・える イヒソヘル [4] 【言(い)添える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひそ・ふ
言葉を添える。言いたす。「最後に一言―・える」

言い渋る

いいしぶる【言い渋る】
hesitate to say.

言い渋る

いいしぶ・る イヒ― [4] 【言(い)渋る】 (動ラ五[四])
ためらってなかなか言わない。「理由を―・る」

言い渡し

いいわたし イヒ― [0] 【言(い)渡し】
言い渡すこと。「判決の―」

言い渡す

いいわたす【言い渡す】
tell;→英和
order;→英和
sentence <a person to imprisonment for> .→英和

言い渡す

いいわた・す イヒ― [4] 【言(い)渡す】 (動サ五[四])
(1)命令・判決・決定などを口頭で知らせる。宣告する。「判決を―・す」
(2)言葉を伝える。「かさねて誰―・すべき打橋なし/読本・春雨(死首のゑがほ)」
[可能] いいわたせる

言い滑らす

いいすべら・す イヒ― [5] 【言(い)滑らす】
■一■ (動サ五[四])
言ってはならぬことをうっかり言う。口をすべらす。「いはでものこと―・せ/桐一葉(逍遥)」
■二■ (動サ下二)
{■一■}に同じ。「底意の悪を座興になし,―・する油口/浄瑠璃・浦島年代記」

言い漏らす

いいもらす【言い漏らす】
forget[omit]to say[mention].

言い漏らす

いいもら・す イヒ― [4] 【言(い)漏らす・言い洩らす】 (動サ五[四])
(1)言うべきことの一部分を言い忘れる。言い落とす。「肝心なことを―・す」
(2)秘密を他にもらす。口外する。「おのづから物―・しつべき眷属/源氏(夕顔)」

言い甲斐

いいがい イヒガヒ [0] 【言い甲斐】
わざわざ言葉に出して言うだけの価値。言っただけの効果。「忠告の―がない」

言い甲斐がない

いいがい【言い甲斐がない(ある)】
be (not) a waste of words.

言い白ける

いいしら・ける イヒ― [5] 【言(い)白ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひしら・く
〔「いいじらける」とも〕
(1)言ったことでその場の興趣がなくなる。「言へば言ふほど―・け/浄瑠璃・大職冠」
(2)折をみて話をやめる。「笑ひをしほに―・け/浄瑠璃・反魂香」
(3)言い争って,分(ブ)が悪くなる。「傲慢第一の守屋の臣(オミ)―・けてぞ見えにける/浄瑠璃・聖徳太子」

言い直す

いいなお・す イヒナホス [4] 【言(い)直す】 (動サ五[四])
(1)前に言ったことをもう一度言う。
(2)前に言ったことを訂正してもう一度言う。「お前と言い掛けて,あなたと―・した」
[可能] いいなおせる

言い直す

いいなおす【言い直す】
correct oneself (訂正する);retract <one's statement> (取り消す).→英和

言い知れず

いいしれ∘ず イヒ― 【言(い)知れず】 (連語)
「言い知れぬ」に同じ。

言い知れない

いいしれ∘ない イヒ― 【言(い)知れない】 (連語)
「言い知れぬ」に同じ。「―感動」

言い知れぬ

いいしれ∘ぬ イヒ― 【言(い)知れぬ】 (連語)
言葉では表せない。なんとも言いようがない。言い知れない。「―悲しみにおそわれる」

言い知れぬ

いいしれぬ【言い知れぬ】
unspeakable.→英和

言い破る

いいやぶ・る イヒ― [4] 【言(い)破る】 (動ラ五[四])
(1)論破する。言い負かす。「論客を―・る」
(2)言ってのける。道破する。「自分の未来を明瞭に―・る丈の考へも/それから(漱石)」
(3)相手の悪口を言う。非難する。「例の,―・り給へど/源氏(蜻蛉)」
[可能] いいやぶれる

言い種

いいぐさ イヒ― [0] 【言い種・言(い)草】
(1)口に出す言葉。また,ものの言い方。「古い―だが」「―が気に入らない」
(2)言い訳。口実。「そんな―は通用しない」
(3)話の種。語りぐさ。
(4)言いがかり。「何もおらあおめえに―を言つて,やりこめられに来はしねえぜ/人情本・辰巳園 3」

言い立て

いいたて イヒ― [0] 【言(い)立て】
〔「いいだて」とも〕
(1)取り立てて言うこと。「わごりよは何も―にする様な芸は覚えぬが/狂言・八幡の前(虎寛本)」
(2)口実。「お勢は気分の悪いを―にして/浮雲(四迷)」
(3)物売りや芝居の口上。
(4)歌舞伎における口上の一。物事の由来・効能・物づくしなどを述べる長いせりふ。

言い立てる

いいたてる【言い立てる】
state (述べる);→英和
maintain (主張);→英和
point out (指摘).

言い立てる

いいた・てる イヒ― [4] 【言(い)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひた・つ
(1)自説を強く主張する。「絶対反対だと―・てる」
(2)一つ一つ列挙して言う。「欠陥をこまごまと―・てる」
(3)口実にする。「女は病気を―・てて/あめりか物語(荷風)」

言い竦める

いいすく・める イヒ― [5] 【言い竦める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひすく・む
言葉巧みに相手に納得させる。言いくるめる。「口拍子よく,何人出ても―・められ/浮世草子・胸算用 4」

言い籠める

いいこ・める イヒ― [4] 【言い籠める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひこ・む
言葉で人をやり込める。「簡単に―・められてしまった」

言い紛らす

いいまぎらす【言い紛らす】
equivocate;→英和
quibble.→英和

言い紛らす

いいまぎら・す イヒ― [5] 【言(い)紛らす】 (動サ五[四])
話題をすり替えたり,ごまかしたりして追及を逃れる。「夢の話に―・した」

言い紛らわす

いいまぎらわ・す イヒマギラハス [6] 【言(い)紛らわす】 (動サ五[四])
(1)「いいまぎらす」に同じ。
(2)他人の話に口を出してじゃまをする。「さかしらにいらへうちしてこと人どもの―・す人いとにくし/枕草子(三一四・能因本)」

言い継ぐ

いいつ・ぐ イヒ― [3] 【言(い)継ぐ】 (動ガ五[四])
(1)語り伝える。「代々―・がれてきた」
(2)前の言葉に続けて言う。「尚ほ―・がんとして苦しげに息す/源おぢ(独歩)」
(3)託された言葉を伝える。伝言する。「人ノ話ヲ―・イデヤル/ヘボン」

言い続ける

いいつづ・ける イヒ― [5] 【言(い)続ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひつづ・く
(1)繰り返し言う。何度も言う。「十年来―・けた結果,同調者もふえてきた」
(2)話し続ける。「…と―・けて泣けば/落窪 4」

言い繕う

いいつくろ・う イヒツクロフ [5] 【言(い)繕う】 (動ワ五[ハ四])
言葉巧みにごまかす。「その場をうまく―・う」
[可能] いいつくろえる

言い繕う

いいつくろう【言い繕う】
gloss over <one's fault> .

言い置き

いいおき イヒ― [0] 【言(い)置き】 (名)スル
(1)言い残しておくこと。また,その言葉。「留守番の者に―しておきます」
(2)遺言。「人にも―などせられし/右京大夫集」

言い置き

いいおき【言い置き】
<leave> a message.→英和

言い置く

いいお・く イヒ― [3] 【言(い)置く】 (動カ五[四])
立ち去るときに話しておく。「留守中の注意を―・いて出かける」

言い習わし

いいならわし イヒナラワシ [0] 【言(い)習わし】
昔から世の中で言われてきている言葉や習慣。言いきたり。

言い習わし

いいならわし【言い習わし】
a common saying (ことわざ);(a) tradition (言伝え).→英和

言い習わす

いいならわ・す イヒナラハス [5] 【言(い)習わす】 (動サ五[四])
昔から,または世間一般でそのように言う。言い慣らす。「昔から―・された格言」

言い聞かす

いいきか・す イヒ― [4][0] 【言(い)聞かす】
■一■ (動サ五[四])
「いいきかせる」に同じ。「もう一度―・す必要がある」
■二■ (動サ下二)
⇒いいきかせる

言い聞かせる

いいきか・せる イヒ― [5] 【言(い)聞かせる】 (動サ下一)[文]サ下二 いひきか・す
(1)(子供などに)十分に説明して納得させる。教えさとす。「道路で遊ばないように―・せる」
(2)話して聞かせる。「悪しきことを―・せければ/大和 156」

言い聞かせる

いいきかせる【言い聞かせる】
tell <a person to do> ;→英和
persuade;→英和
admonish.→英和

言い腐す

いいくさ・す イヒ― [4] 【言い腐す】 (動サ五[四])
けちをつける。けなす。「相手を散々に―・す」

言い草

いいぐさ【言い草】
(1) one's words[remarks].(2) an excuse;→英和
a pretext (口実).→英和
彼らの〜ではないが to borrow their pet phrases.

言い草

いいぐさ イヒ― [0] 【言い種・言(い)草】
(1)口に出す言葉。また,ものの言い方。「古い―だが」「―が気に入らない」
(2)言い訳。口実。「そんな―は通用しない」
(3)話の種。語りぐさ。
(4)言いがかり。「何もおらあおめえに―を言つて,やりこめられに来はしねえぜ/人情本・辰巳園 3」

言い落す

いいおと・す イヒ― [4] 【言い落(と)す】 (動サ五[四])
(1)話の間で言うべきことを言わないでしまう。言いもらす。「肝心な用件を―・す」
(2)悪く言う。けなす。「人の,『いと,かたはなるもの』に―・すなるかたち/源氏(常夏)」

言い落とす

いいおとす【言い落とす】
forget[omit]to say[mention].

言い落とす

いいおと・す イヒ― [4] 【言い落(と)す】 (動サ五[四])
(1)話の間で言うべきことを言わないでしまう。言いもらす。「肝心な用件を―・す」
(2)悪く言う。けなす。「人の,『いと,かたはなるもの』に―・すなるかたち/源氏(常夏)」

言い表す

いいあらわ・す イヒアラハス [5] 【言(い)表す】 (動サ五[四])
(1)言葉で表現する。「味を言葉で―・すのはむずかしい」
(2)隠していた事を口に出して,人に知られる。「つひにこれを―・しつることなど笑ふに/枕草子 9」
[可能] いいあらわせる

言い表わす

いいあらわす【言い表わす】
express;→英和
describe.→英和
言い表わせないほど beyond description.

言い被せる

いいかぶ・せる イヒ― [5] 【言い被せる】 (動サ下一)[文]サ下二 いひかぶ・す
罪や責任を他人に負わせるように言い立てる。「殿様の金を大分つかひこみわつちがととさんに―・せ/洒落本・蕩子筌枉解」

言い触らす

いいふらす【言い触らす】
spread[circulate] <rumors> .→英和

言い触らす

いいふら・す イヒ― [4] 【言(い)触らす】 (動サ五[四])
(人の悪事などを)多くの人に言って知らせる。「変なうわさを―・す」
[可能] いいふらせる

言い訳

いいわけ イヒ― [0] 【言(い)訳・言(い)分け】 (名)スル
(1)自分の言動を正当化するために事情を説明すること。また,その説明。弁解。「―は聞きたくない」
(2)筋道をたてて物事を説明すること。解説。
(3)過失・失敗などをわびること。謝罪。「義理ある中の―と/人情本・梅児誉美 3」
(4)言葉をつかい分けること。《言分》「場面による―」

言い詰める

いいつ・める イヒ― [4] 【言(い)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひつ・む
(1)最後まで言う。「『もしや本田に…』と言ひ懸けて敢て―・めず/浮雲(四迷)」
(2)言葉で相手をやりこめる。言いこめる。[日葡]

言い誤る

いいあやま・る イヒ― [5] 【言(い)誤る】 (動ラ五[四])
まちがって言う。言いそこなう。「駅名を―・る」

言い誤る

いいあやまる【言い誤る】
make a slip of the tongue.→英和

言い諭す

いいさと・す イヒ― [4] 【言(い)諭す】 (動サ五[四])
物事の道理や教訓をかんでふくめるように説き聞かせる。

言い負かす

いいまかす【言い負かす】
⇒言いこめる.

言い負かす

いいまか・す イヒ― [4] 【言(い)負かす】 (動サ五[四])
言い争って相手を負かす。言い勝つ。「相手を―・す」
[可能] いいまかせる

言い負ける

いいま・ける イヒ― [4] 【言(い)負ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひま・く
言い争って負ける。言い負かされる。「論争で―・ける」

言い足す

いいた・す イヒ― [3] 【言(い)足す】 (動サ五[四])
足りないところを付け加えて言う。言い添える。

言い足す

いいたす【言い足す】
add;→英和
say in addition.

言い辛い

いいづら・い イヒ― 【言い辛い】 (連語)
(1)言いにくい。「―・い言葉」
(2)口に出して言うことがはばかられる。いいにくい。「こんなことは,―・い話だが,…」

言い返す

いいかえ・す イヒカヘス [3] 【言(い)返す】 (動サ五[四])
(1)相手の言葉に対応した言葉で返答する。また,抗弁する。「負けずに―・す」
(2)前に言ったことをもう一度言う。
[可能] いいかえせる

言い返す

いいかえす【言い返す】
answer back;retort.→英和

言い送る

いいおく・る イヒ― [4] 【言(い)送る】 (動ラ五[四])
(1)手紙や伝言で,離れた所の人に用事などを伝える。「すぐに帰郷せよと―・る」
(2)人から人に順々に言葉を伝える。

言い送る

いいおくる【言い送る】
send <a person> word[a message](伝言);write <to> (書面で).→英和

言い逃げ

いいにげ イヒ― [0] 【言(い)逃げ】
「いいのがれ」に同じ。

言い逃れ

いいのがれ イヒ― [0] 【言(い)逃れ】
言い逃れること。また,その言葉。いいにげ。いいぬけ。「―を言う」

言い逃れる

いいのが・れる イヒ― [5] 【言(い)逃れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひのが・る
うまく言い訳をして,責任などをまぬがれる。言いぬける。「言を左右にして―・れる」

言い通す

いいとお・す イヒトホス [3] 【言(い)通す】 (動サ五[四])
最後まで自分の考えを変えずに主張し続ける。「知らぬ存ぜぬと―・す」
[可能] いいとおせる

言い通す

いいとおす【言い通す】
persist to the end.→英和

言い連ねる

いいつら・ねる イヒ― [5] 【言(い)連ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 いひつら・ぬ
並べたてて言う。「恨みつらみを―・ねる」

言い逸らす

いいはぐら・す イヒ― [5] 【言い逸らす】 (動サ五[四])
うまく話して話題や質問の核心をそらしたり,ぼかしたりする。いいはぐらかす。「冗談に―・す」

言い逸れる

いいはぐ・れる イヒ― [5] 【言い逸れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひはぐ・る
言いそびれる。「頼みごとを―・れる」

言い遅れる

いいおく・れる イヒ― [5][0] 【言(い)遅れる・言(い)後れる】 (動ラ下一)
もっと早く言うべきことが,後回しになる。

言い過ぎ

いいすぎ イヒ― [0] 【言(い)過ぎ】
度をこして言うこと。「そこまで言うと―になる」

言い過ぎる

いいす・ぎる イヒ― [4] 【言(い)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 いひす・ぐ
度をこして(言うべきでないことまで)言う。「私も―・ぎた。反省している」

言い過ぎる

いいすぎる【言い過ぎる】
say too much;go too far;exaggerate (誇張).→英和
…と言っても言い過ぎでない It is not too much[no exaggeration]to say that….

言い違い

いいちがい イヒチガヒ [0] 【言(い)違い】
言いちがえること。また,その言葉。言いまちがい。

言い違う

いいちが・う イヒチガフ [4] 【言(い)違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
言い誤る。「うっかり名前を―・う」
■二■ (動ハ下二)
⇒いいちがえる

言い違える

いいちが・える イヒチガヘル [5] 【言(い)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひちが・ふ
まちがえて言う。言い誤る。「番号を―・える」

言い遣る

いいや・る イヒ― [3] 【言い遣る】 (動ラ五[四])
(1)手紙や使者を送って伝える。言ってやる。「手紙で用件を―・る」「月のすぐるに,いかに―・らんと思ひつるに/蜻蛉(下)」
(2)(多く打ち消しの語を伴って)言うべきことをはっきりと,最後まで言う。「消え入りつつ,えも―・らねば/枕草子 90」

言い開き

いいひらき イヒ― [0] 【言(い)開き】 (名)スル
言い訳。弁解。申し開き。「―する余地もない」「―が立たない」

言い開く

いいひら・く イヒ― [4] 【言(い)開く】 (動カ五[四])
事情を話し,相手に納得させる。弁明する。申し開く。「なに―・くに及ばぬ事ゆゑ矢張り自分で罪を被(キ)る/鉄仮面(涙香)」
[可能] いいひらける

言い間違い

いいまちがい イヒマチガヒ [0] 【言(い)間違い】
間違えて言うこと。言い違い。言いそこない。

言い難い

いいにく・い イヒ― [4] 【言い難い】 (形)[文]ク いひにく・し
(1)さしさわりがあり,言うのがためらわれる。言いづらい。「面と向かっては―・い」
(2)発音しにくい。「―・い言葉」

言い難い

いいにくい【言い難い】
delicate.→英和
言い難そうに hesitatingly.→英和

言い難い

いいがた・い イヒ― [4] 【言(い)難い】 (形)[文]ク いひがた・し
うまく言うことができない。言いにくい。「何とも―・い味だ」「いわく―・い」

言い馴れる

いいな・れる イヒ― [4] 【言い馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひな・る
(1)たびたび使って,言いやすくなっている。「ニックネームの方が―・れている」
(2)言い寄ってなれ親しむ。「言多く―・れたらむ方にぞなびかんかし/源氏(末摘花)」

言う

いう【言う】
(1) say;→英和
speak;→英和
talk;→英和
tell;→英和
mention;→英和
state;→英和
observe.→英和
(2) declare (言明);→英和
assert (主張);→英和
admit (認める);→英和
suggest (提議).→英和
(3)[称する]call;→英和
name.→英和
〜に言われぬ unspeakable;→英和
indescribable.→英和
〜に足らぬ insignificant.→英和
言わぬが花 Better leave it unsaid.〜ことを聞く listen <to me,what I say> ;→英和
obey <me> .→英和
佐藤と〜人 a (man called[named]) Sato.…と言えば Talking[Speaking]of….
…と〜ことだ It is said[They say,I hear]….
…と言わぬばかりに as much as to say <that…> .
…は〜に及ばず to say noting of.…は〜までもない It is needless to say <that…> .

言う

い・う イフ [0] 【言う・云う・謂う】 (動ワ五[ハ四])
❶声を出して単語や文を発する。
(1)何らかの音・単語を発する。「『キャーッ』と―・って倒れた」
(2)事実や考えを表出する。告げる。「いくら聞いても名前を―・わない」「行き先も―・わずに出かける」
(3)人が,何かの言葉を口から発する。「口の中でぶつぶつ―・っている」「冗談一つ―・わない」「つべこべ―・わずにさっさとしなさい」「口から出まかせを―・う」
(4)動物や物が声や音を発する。「犬がキャンキャン―・ってうるさい」「風で雨戸がガタガタ―・う」
❷音声または文字に書いた文章によって考えや事柄を表出する。
(1)自分の考え・判断や事実の指摘を述べる。「デカルトは『方法序説』の中で次のように―・っている」「人に―・われてやっと気がついた」
(2)命令したり指令したりする。「少しは親の―・うことを聞きなさい」「あいつは人に―・われないと動こうとしない」
(3)(「人に…を言う」の形で)ある人に対して…を表明する。「世話になった人に礼を―・う」「審判に文句を―・う」
(4)(「…を…と言う」の形で)人や物を…という名で呼ぶ。「村人は S 医師のことを『赤ひげ先生』と―・っている」「東京都に属しているのに『伊豆諸島』と―・うのは,もと伊豆の国に属していたからだ」
(5)(評価を表す形容詞・形容動詞の連用形に付いて)あるものを…であると評価し,それを表明する。「死んだ人のことを悪く―・いたくはないが…」
(6)(「…を言う」の形で,形容動詞の語幹に付いて)…のようなことを言い表す。「わがままを―・うんじゃない」「お忙しいのに,勝手を―・って申し訳ありません」
❸「言う{❶❷}」の,実際に話したり書いたりするという具体的な動作性の弱まった用法。
(1)(「…と言う」の形で文を受けて)世間の多くの人が…ということを述べるの意を表す。「『かわいい子には旅をさせろ』と―・うが,これは現代でも通用する」
(2)(「…だと言う」「…と言う」の形で)ある人・物の資格・性格などを…であると認定し,そう表現するという意を表す。「彼は真の天才だと―・うことができよう」「あの人は名人と―・われるだけあって年をとっても腕は確かだ」
(3)(「名を…と言う」などの形で)名は…であるということを表す。「この子の名は花子と―・う」「森鴎外は本名を林太郎と―・う」「私は山田と―・う者ですが」
(4)(「…と言う」の形で)…を話題として取り上げる。…に言及する。「 T さんと―・えば,もうじき結婚するんですってね」「このカメラは性能と―・いスタイルと―・い申し分ない」「劇場は一階と―・わず二階と―・わず客でいっぱいだ」
(5)(「…と言う…」の形で)上下に同じ名詞を置いて,
 (ア)…は全部,ということを表す。「工場の窓と―・う窓のガラスが粉々に割れた」
 (イ)…という語の意を強めて言い表す。「今度と―・う今度はもう許さないぞ」
❹「言う{❸}」よりもさらに動作性のなくなった用法。主に「…という」の形で用い,これから転じた「…っていう」「…って」の形も並び行われる。仮名で書くのが普通。
(1)(主に「…という」「…ということだ」などの形で)話の内容が伝聞に基づくことを表す。…と聞く。…するそうだ。…だそうだ。「あの人には子供が三人いると―・う」
(2)(「…という」「…といった」の形で)下にくる語の内容を具体的に説明・限定する意を表す。「部長と―・うポストははたで思うほど楽ではない」
(3)(「…というもの」「…ということ」などの形で)提示する語を強調して示す。「山国育ちの彼は海と―・うものをまだ見たことがない」
(4)(副詞「こう」「そう」「ああ」「どう」に「いう」「いった」が付いて)…のような,の意の連体修飾句をつくる。「こう―・う病気にはこの薬が効く」
(5)指示代名詞を「という」「といった」「といって」などで受ける。
 (ア)(代名詞「これ」「なに」「どこ」などを「という」「といった」「といって」で受け,下に打ち消しの語を伴って),特に目立った…がないという意を表す。「別にこれと―・うはっきりした理由があるわけではないが…」「彼は八〇歳になるが,どこと―・って悪い所はない」
 (イ)(「なんという」の形で,状態を表す語の上に付いて)その状態の程度の大きさに対する驚きを表す。「まあ,なんと―・う立派な建物でしょう」
(6)(「…といっても」「…とはいえ」「…とはいうものの」などの形で)「確かに…ではあるがしかし…」「…したが,しかし…」などの意を表す。接続詞的にも用いられる。「このトースターは古いとは―・ってもまだ十分使える」「災害に対する備えは万全だ。とは―・え,用心するに越したことはない」
(7)(接続助詞「から」を「といって」で受け,下に打ち消しの語を伴って)そういう理由があっても必ずしも…ではないという意を表す。「だからといって」の形で接続詞的にも用いられる。「当時は,大学を出たからと―・ってすぐに就職できたわけではない」
(8)(状態を表す語を「といったらない」の形で受けて)大いに…だ,大いに…した,などの意を表す。「そこへ本人たちが来たもんだから,彼のあわてようと―・ったらなかった」
(9)(「そうかといって」「かといって」などの形で)接続詞的に用いて,ある事態を前にして,それを受け入れたくないが,受け入れないのも具合が悪いという気持ちを表す。「あの人からこんな物をもらう筋合いはないが,そうかと―・ってつっ返すのも角が立つ」
❺(手紙・歌などで)愛情を告げる。求愛する。「いとねんごろに―・ひける人に,こよひあはむと契りたりけるに/伊勢 24」
〔(1)中世ごろから終止形・連体形の「いう」が融合して「ゆう」と発音されるようになり,「ゆ」を語幹として活用させた形も生じた。現代でも話し言葉では終止形・連体形は「ゆう」と発音されるが,「いう」と書く。(2)漢字表記は現代では「言」が主に用いられる。古くは❸(3)には「云」がよく用いられ,「謂」は「いわば」「いわゆる」の場合に用いられた。→いわく・いわば・いわゆる〕
[可能] いえる
[慣用] これと―・四の五の―・何と―・ものを―/有無(ウム)を言わせず・これと言って・そうかと言って・だからと言って・何をか言わんや・何彼(ナニカ)と言うと・なんと言っても

言う

ゆう【言う】
⇒言(い)う.

言う

ゆ・う イフ [0] 【言う・云う・謂う】 (動ワ五[ハ四])
⇒いう

言うことなし

言うことなし
申し分がない。文句なし。

言うことを聞く

言うことを聞・く
(1)相手の言葉に従う。「親の―・く」
(2)(主に打ち消しの形で)体などが思いのままになる。「からだが―・かない」

言うだけ野暮(ヤボ)

言うだけ野暮(ヤボ)
皆が暗黙のうちに了承していることを,取り立てて問題にするのは愚かなことだ。

言うと

いうと イフ― 【言うと】 (連語)
⇒と言うと(連語)

言うなれば

言うなれば
言ってみれば。いわば。すなわち。

言うに事欠いて

言うに事欠いて
(非難の意を込めて)言わなくてもよいのにわざわざ言って。

言うに及(オヨ)ばず

言うに及(オヨ)ばず
特に述べたてる必要もない。言うまでもない。

言うに言われ∘ぬ

言うに言われ∘ぬ
言葉では表現できない。言うに言われない。「―∘ぬ味わい」

言うは易(ヤス)く行(オコナ)うは難(カタ)し

言うは易(ヤス)く行(オコナ)うは難(カタ)し
口で言うことは簡単だが,それを実行することはむずかしい。

言うまでもない

言うまでもな・い
わかりきっていて言う必要もない。

言うもおろか

言うもおろか
言うまでもない。

言うものの

いうものの イフ― 【言うものの】 (連語)
⇒とは言うものの(連語)

言うを俟(マ)たない

言うを俟(マ)たない
言うまでもない。明白である。言(ゲン)をまたない。論をまたない。

言う定

いうじょう イフヂヤウ 【言う定】 ・ イフデウ 【言う条】 (連語)
〔「…と(は)言う定」の形で,連用修飾語として用いる〕
…と言うものの。…とは言っても。「春とは―,この寒さ」「小兵と―十二束三伏,弓は強し/平家 11」

言う成り

いうなり イフ― [0] 【言う成り】
「言い成り」に同じ。「親の―になる」

言う所(トコロ)の

言う所(トコロ)の
〔「所謂」の漢文訓読みから生じた語〕
言っているその。いわゆる。「すなはちある人―人心風俗を察するとはこの事なるべし/文明論之概略(諭吉)」

言う条

いうじょう イフヂヤウ 【言う定】 ・ イフデウ 【言う条】 (連語)
〔「…と(は)言う定」の形で,連用修飾語として用いる〕
…と言うものの。…とは言っても。「春とは―,この寒さ」「小兵と―十二束三伏,弓は強し/平家 11」

言う由(ヨシ)無し

言う由(ヨシ)無・し
言葉で言い表せない。言いようがない。「月の明きに,御かたちは―・く清らにて/源氏(真木柱)」

言えど

いえど イヘ― 【言えど】 (連語)
⇒といえど(連語)

言えば

いえば イヘ― 【言えば】 (連語)
⇒と言えば(連語)

言えば世の常

言えば世の常
どう表現してもありふれたことのようになってしまう。言うも世の常。「掻練(カイネリ)のつや,下襲(シタガサネ)などの乱れあひて,…いでさらに,―なり/枕草子 142」

言って見れば

言って見れば
たとえて言えば。換言すれば。「―鵼(ヌエ)のような男」

言って退(ノ)ける

言って退(ノ)・ける
(人がなかなか言えないことを)言いきる。「堂々と―・ける」

言つぱ

いっぱ 【言つぱ】 (連語)
〔「言ふは」の転。「…といつぱ」の形で用いられる〕
言うのは。「そもそも富士の白酒と―/歌舞伎・助六」

言の葉

ことのは 【言の葉】
(1)ことば。「例のいづこよりとうで給ふ―にかあらむ/源氏(帚木)」
(2)和歌。「やまとうたは人の心を種としてよろづの―とぞなれりける/古今(仮名序)」

言の葉の道

ことのはのみち 【言の葉の道】
和歌の道。歌道。「―によらずば,嬉しきも憂きも思ひをいかがやらまし/閑田詠草」

言の葉種

ことのはぐさ 【言の葉種】
(1)話のたね。話題。「―の露の玉/謡曲・高砂」
(2)和歌の作品。和歌。「よしあしを君しわかずは書きたむる―のかひやなからむ/新続古今(雑中)」

言はぬ色

いわぬいろ イハヌ― 【言はぬ色】
〔クチナシを「口無し」にかけて〕
くちなし色。「山吹の―をば知る人もなし/新古今(雑上)」

言はれざる

いわれざる イハレ― 【言はれざる】 (連体)
〔「ざる」は打ち消しの助動詞「ず」の連体形〕
不必要な。余計な。いらざる。「はて,―お世話ぢやなう/歌舞伎・幼稚子敵討」

言はれぬ

いわれぬ イハレ― 【言はれぬ】 (連体)
〔「れ」は可能の助動詞「る」の未然形,「ぬ」は打ち消しの助動詞「ず」の連体形〕
(1)言ってはならない。無理な。「―事なし給ひそ/竹取」
(2)余計な。無用な。「―気骨折らるる/浄瑠璃・油地獄(中)」

言はん方無し

いわんかたな・し イハンカタ― 【言はん方無し】 (形ク)
〔「ん」は推量の助動詞「む」の連体形〕
言うべき言葉がない。何とも言いようがない。「―・くむくつけげなるもの来て/竹取」

言ひけらく

いいけらく イヒ― 【言ひけらく】 (連語)
言ったことには。「みこの―/古今(羇旅)」

言ひしろふ

いいしろ・う イヒシロフ 【言ひしろふ】 (動ハ四)
(1)話し合う。互いに言う。「あまえていかに聞えむなど―・ふべかめれど/源氏(夕顔)」
(2)互いに言い争う。「いと,わりなからむと―・ふ程に/源氏(浮舟)」

言ひ下す

いいくだ・す イヒ― 【言ひ下す】 (動サ四)
(1)すらすらと言う。また,文章などをすらすらと書く。「ほ句は頭よりすら��と―・し来るを上品(ジヨウボン)とす/去来抄」
(2)自分より身分の低い人に言い送る。[日葡]

言ひ事

いいごと イヒ― 【言ひ事】
(1)言った言葉。言い分。「にくき男の―かなとて/宇治拾遺 12」
(2)話の種。語りぐさ。「人々いみじう宣はせたりとて,興じ奉りて,その頃の―にこそし侍りしか/大鏡(伊尹)」
(3)口げんか。口論。「女房衆と―はさせられなんだか/狂言・髭櫓」

言ひ付く

いいつ・く イヒ― 【言ひ付く】
■一■ (動カ四)
(1)言葉をかける。言い寄る。「女車のありけるに―・きにけり/伊勢 129」
(2)男女が親しい仲になる。「その武蔵なむのちはかへりごとはして―・きにける/大和 103」
■二■ (動カ下二)
⇒いいつける

言ひ入れ

いいいれ イヒ― 【言ひ入れ】
(1)申し込み。「段々の―に,親方の相談極まり/滑稽本・根無草後編」
(2)結婚の申し込み。結納。「どれぞ媒人頼みて本式の―はお前から/浄瑠璃・鑓の権三(上)」

言ひ出だす

いいいだ・す イヒ― 【言ひ出だす】 (動サ四)
(1)中から外へ向かって言葉をかける。「局の内より,これこれにやと―・したれば/徒然 238」
(2)「言い出す」に同じ。「近く人の―・せるなり/徒然 147」

言ひ出づ

いいい・ず イヒイヅ 【言ひ出づ】 (動ダ下二)
口に出して言う。「…とおもへど,―・でむもたよりなさに/伊勢 63」

言ひ分く

いいわ・く イヒ― 【言ひ分く】
■一■ (動カ四)
筋道を立てて言う。道理がよくわかるように言う。「誰かは―・く人あらむ/宇津保(俊蔭)」
■二■ (動カ下二)
⇒いいわける

言ひ叶ふ

いいかな・う イヒカナフ 【言ひ叶ふ】 (動ハ下二)
適切な表現をする。「このごろの歌は,一ふしをかしく―・へたりと見ゆるはあれど/徒然 14」

言ひ名付く

いいなづ・く イヒ― 【言ひ名付く】 (動カ下二)
親どうしが子女の結婚を約束する。「すでに人の―・けて事定まりたる中を裂けて/太平記 18」

言ひ契る

いいちぎ・る イヒ― 【言ひ契る】 (動ラ四)
(1)口に出して約束する。「必ずたづねとぶらはむ,など泣く泣く―・りて/大和 148」
(2)結婚の約束をする。「ねむごろに―・りける女の,ことざまになりにければ/伊勢 112」

言ひ掛かる

いいかか・る イヒ― 【言ひ掛かる】 (動ラ四)
〔「いいがかる」とも〕
(1)話しかける。言い寄る。「うるさきたはぶれごと,―・り給ふを/源氏(玉鬘)」
(2)言い出して意地になる。「あれも―・つた事ぢや程にききさうもない/狂言・犬山伏」
(3)無理を言って相手を困らせる。言いがかりをつける。「利銀をきつと母屋からすまし給へと―・り/浮世草子・胸算用 1」

言ひ次ぎ

いいつぎ イヒ― 【言ひ継ぎ・言ひ次ぎ】
(1)言い伝え。語り継ぎ。「天の原ふりさけ見つつ―にすれ/万葉 4125」
(2)取り次ぎ。また,取り次ぎをする人。「びなきことと―をも知らずがほに/蜻蛉(上)」
(3)周旋人。「のちは―までお出入の家のふさがるを恨み/浮世草子・禁短気」

言ひ消つ

いいけ・つ イヒ― 【言ひ消つ】 (動タ四)
(1)悪く言う。けなす。「光源氏,名のみことごとしう―・たれたまふ咎(トガ)多かなるに/源氏(帚木)」
(2)言いかけてやめる。言いさす。「はつるる糸はと末は―・ちて/源氏(椎本)」
(3)相手の言葉を否定する。「わざとはなくて―・つさま,みやびかによしと聞き給ふ/源氏(松風)」

言ひ甲斐無し

いいがいな・し イヒガヒ― 【言ひ甲斐無し】 (形ク)
(1)言ってきかせても効果がない。「聞きいれる気色のなきに,お民―・しと断念して/経つくえ(一葉)」
(2)取り立てて言うだけの値打ちがない。つまらない。「―・き者の讒言により,御中違はれ候ふ事/謡曲・船弁慶」
〔中世以降の語。中古は「いふかいなし」を用いた〕
→いうかいなし

言ひ留む

いいとど・む イヒ― 【言ひ留む】 (動マ下二)
(1)言ってとどまらせる。言ってやめさせる。「―・むべき方もなくて/源氏(蓬生)」
(2)言葉で言い表して後まで残す。「心あらん人は,いかなる言の葉も―・めまほしきに/今鏡(藤波下)」

言ひ白け

いいしらけ イヒ― 【言ひ白け】
〔「いいじらけ」とも〕
(1)その発言でその場の興趣が失われること。「―して,無理のみに酔て倒れし転寝(ウタタネ)の/人情本・梅児誉美 3」
(2)いやになって話を途中でやめること。「是を―に立帰るに/浮世草子・男色大鑑 8」
(3)言い争って負けること。「云ひかかつては―に済まさぬ女/浄瑠璃・大塔宮曦鎧」

言ひ知らず

いいしら∘ず イヒ― 【言ひ知らず】 (連語)
(1)表現のしようがない。また,たとえようもないほどすばらしい。「白き衣の,―∘ず煤けたるに/源氏(末摘花)」
(2)取るに足りない。「―∘ぬ賤の男なりとも/狭衣 1」

言ひ知る

いいし・る イヒ― 【言ひ知る】 (動ラ四)
ものの言い方を知っている。「すきものなれば,―・りためり/落窪 2」

言ひ立つ

いいた・つ イヒ― 【言ひ立つ】
■一■ (動タ四)
(1)ものを言いながら立っている。「物をいと久しう―・ち給へれば/枕草子 49」
(2)言い始める。「かく―・ちてとどまりたらむ,いとをこならむ/落窪 3」
(3)うわさが立つ。「この岩のある故ぞ,と―・ちにけり/宇治拾遺 2」
■二■ (動タ下二)
⇒いいたてる

言ひ継ぎ

いいつぎ イヒ― 【言ひ継ぎ・言ひ次ぎ】
(1)言い伝え。語り継ぎ。「天の原ふりさけ見つつ―にすれ/万葉 4125」
(2)取り次ぎ。また,取り次ぎをする人。「びなきことと―をも知らずがほに/蜻蛉(上)」
(3)周旋人。「のちは―までお出入の家のふさがるを恨み/浮世草子・禁短気」

言ひ荒ぶ

いいすさ・ぶ イヒ― 【言ひ荒ぶ・言ひ遊ぶ】
■一■ (動バ四)
(1)たわむれ半分に言う。「さらば袖ふれて見給へなど―・ぶに/源氏(竹河)」
(2)しきりに言い寄る。「この男―・びにけるに/平中 13」
■二■ (動バ上二)
{■一■}に同じ。「この二年ばかり,もの―・ぶる人ぞありける/平中 4」

言ひ解く

いいと・く イヒ― 【言ひ解く】 (動カ四)
言い開きをする。弁明する。「初野は今は―・く言(コトバ)も無く/魔風恋風(天外)」

言ひ遊ぶ

いいすさ・ぶ イヒ― 【言ひ荒ぶ・言ひ遊ぶ】
■一■ (動バ四)
(1)たわむれ半分に言う。「さらば袖ふれて見給へなど―・ぶに/源氏(竹河)」
(2)しきりに言い寄る。「この男―・びにけるに/平中 13」
■二■ (動バ上二)
{■一■}に同じ。「この二年ばかり,もの―・ぶる人ぞありける/平中 4」

言ふても

いうても イフ― 【言ふても】 (副)
何といっても。言わば。「―天下の御大事/浄瑠璃・百日曾我」

言ふならく

いうならく イフ― 【言ふならく】 (連語)
〔「言ふなり」のク語法。「説道」の訓読から生じたもの〕
人の言うことには。聞くところによると。「―,奈落の底に入りぬれば,刹利(セチリ)も首陀(シユダ)も変らざりけり/十訓 5」

言ふ方無し

いうかたな・し イフカタ― 【言ふ方無し】 (形ク)
表現できないほどである。「―・くめでたき御有様にて/源氏(明石)」

言ふ甲斐

いうかい イフカヒ 【言ふ甲斐】
言うだけの効果。いいがい。「斯ばかりの―だにあれかしと/源氏(初音)」

言ふ甲斐無し

いうかいな・し イフカヒ― 【言ふ甲斐無し】 (形ク)
(1)いまさら言っても仕方がない。「今は―・き宿世なりければ/源氏(帚木)」
(2)取るに足りない。「―・き下衆のうちうたひたるこそいと心うけれ/枕草子 310」
(3)取り返しがつかない。「死ぬ」の婉曲(エンキヨク)な表現。「―・くなりぬるを見給ふに,やるかたなくて/源氏(夕顔)」

言ふ目

いうめ イフ― 【言ふ目】
博打(バクチ)で,期待通りの賽(サイ)の目。

言ふ許り無し

いうばかりな・し イフバカリ― 【言ふ許り無し】 (形ク)
〔古くは「いうはかりなし」〕
言葉では言い尽くせない。なんとも言いようがない。「悲しとも―・し/平家(灌頂)」

言へば得に

いえばえに イヘバ― 【言へば得に】 (連語)
〔「え」は下二段動詞「得(ウ)」の未然形。「に」は打ち消しの助動詞「ず」の連用形の古い形〕
口に出して言おうとすると言えなくて。「―いはねば胸にさわがれて/伊勢 34」

言へらく

いえらく イヘ― 【言へらく】
〔「言へり」のク語法〕
言ったこと。「妹が―/万葉 1740」

言やる

いや・る 【言やる】 (動ラ四)
〔「いいやる」の転。「やる」は助動詞〕
おっしゃる。対等またはそれに近い下の者の言う動作に用いる。「これは扨,知らぬ人の茶をくれうと―・る/狂言記・薩摩守」

言わしめる

いわ∘しめる イハ― 【言わしめる】 (連語)
言わせる。「私をして―∘しめれば」
→しめる(助動)

言わす

いわ・す イハス [0] 【言わす】 (動サ五[四])
(1)言うようにしむける。「詫(ワ)びを―・す」
(2)言うままにさせる。「すきなように―・しておく」
(3)音を立てる。「小銭をがちゃがちゃ―・す」
→言わせる

言わず

いわず【言わず】
〜語らずに tacitly.→英和
〜と知れた obvious.→英和

言わず

いわず イハ― 【言わず】 (連語)
⇒といわず(連語)

言わずと知れた

言わずと知れた
いちいち述べるまでもなくわかっている。わかりきっている。

言わずもがな

言わずもがな
(1)言う必要のないこと。むしろ言わない方がよいこと。「―のことを言う」
(2)言うまでもないこと。もちろん。「大人は―,子供さえ知っている」

言わず語らず

言わず語らず
言葉に出して何も言わない。「―のうちに通じ合う」

言わせる

いわ∘せる イハ― 【言わせる】 (連語)
〔「せる」は使役の助動詞〕
(1)話をさせる。言うようにしむける。「答えを―∘せる」
(2)言いたいままに続けさせる。「言いたいだけ―∘せておけ」
(3)(「…にいわせると」の形で)その人の言うところによると。「彼に―∘せるとそこがかわいいのだそうだ」
(4)(「物をいわせる」の形で)その物の威力を発揮させる。「権力に物を―∘せる」

言わでも

いわでも イハデ― 【言わでも】 (連語)
⇒言わでもの事(「言う」の句項目)

言わでもの事

言わでもの事
言わなくてもよいこと。言わない方がよいこと。「―を言う」

言わないことではない

言わないことではない
警告したとおりの悪い事態が起こったとき,警告を無視した相手の態度を非難して言う言葉。いわぬことじゃない。いわんこっちゃない。

言わぬが花

言わぬが花
はっきり言わない方が趣がある。あけすけに言っては実もふたもない。

言わぬは言うにまさる

言わぬは言うにまさる
言葉に出して言うより何も言わない方が心の中の思いを強く表現する。深い思いは言葉では言い表せないものだ。

言わぬばかりに

いわぬばかり【言わぬばかりに】
as much as to say;as if to say.

言わば

いわば【言わば】
so to speak;as it were.

言わば

いわば イハ― [1][2] 【言わば】 (副)
〔動詞「言う」の未然形に接続助詞「ば」の付いたものから〕
たとえて言えば。言ってみれば。「中江兆民は―東洋のルソーだ」

言わんばかり

言わんばかり
はっきりとそうは言っていないが,そう言っているような様子であること。「帰れと―の応対をされる」

言わ猿

いわざる イハ― [3] 【言わ猿】
三猿(サンエン)の一。口を手でふさいで,ものを言うまいとしている猿の像。
→三猿

言上

ごんじょう [0] 【言上】 (名)スル
身分の高い人に言うこと。申し上げること。「我が君へは―せず/桐一葉(逍遥)」

言下

げんか [1] 【言下】
相手が言い終わったすぐあと。言い終わるか終わらないうち。「―に断られた」

言下

ごんか [1] 【言下】
言い終わるか終わらないかの時。言い終わるとすぐ。げんか。「―に否定する」「迷亭が―に道破(ドウハ)する/吾輩は猫である(漱石)」

言丸める

いいまる・める イヒ― [5] 【言(い)丸める】 (動マ下一)
「言いくるめる」に同じ。

言争い

いいあらそい イヒアラソヒ [0] 【言(い)争い】 (名)スル
口げんか。口論。言い合い。「さっきから二人で―している」

言争う

いいあらそ・う イヒアラソフ [5] 【言(い)争う】 (動ワ五[ハ四])
口げんかする。口論する。「友人と些細(ササイ)なことで―・う」

言事

ことわざ 【言事】
言葉と出来事。言葉と事件。「―を記し四方(ヨモ)の志(フミ)を達(イタ)せり/日本書紀(履中訓)」

言交わす

いいかわ・す イヒカハス [4] 【言(い)交わす】 (動サ五[四])
(1)互いに言う。言葉をかわす。「余りの美しさに,二人は何とも―・す語(コトバ)さへなく/あめりか物語(荷風)」
(2)言葉をかわして約束する。特に,結婚の約束をする。「―・した仲」
(3)歌や詩を互いに作る。「なほなほしき事どもを―・してなむ心のべける/源氏(東屋)」
[可能] いいかわせる

言付かる

ことづか・る [4] 【言付かる・託かる】 (動ラ五[四])
伝言や物を届けるよう頼まれる。「社長からこれを―・って参りました」「伝言を父から―・って来ました」[日葡]

言付かる

いいつか・る イヒ― [4] 【言(い)付かる】 (動ラ五[四])
仕事などを命じられる。言いつけられる。「留守番を―・る」

言付け

ことづけ【言付け】
a (verbal) message.〜る send[leave]word[a message].

言付け

ことづけ [0][4] 【言付け・託け】 (名)スル
〔古くは「ことつけ」〕
(1)ことづけること。また,その言葉。「―を頼む」
(2)かこつけること。口実にすること。「『え,ひきよがでなむ』とあるを『例の―』と見給ふものから/源氏(葵)」

言付け

いいつけ【言付け】
an order (命令);→英和
instructions (指図).

言付け

いいつけ イヒ― [0] 【言(い)付け】
(1)命令。指示。「親の―をよく守る」
〔「命令」と比べて,私的な場合や事がさほど重大でない場合に使う〕
(2)告げ口。「―口」

言付ける

いいつ・ける イヒ― [4] 【言(い)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひつ・く
(1)命令する。「用事を―・ける」
(2)告げ口をする。「先生に―・ける」
(3)いつも言っている。言い慣れている。「いつも―・けている言葉」
(4)伝言を頼む。ことづけする。「宮の御かへりも人の消息も,―・けて又遣りければ/大和 168」
(5)名付ける。「大宰相の君などいふ人,おばおとどなど―・け給ひ/栄花(日蔭のかづら)」

言付ける

ことづ・ける [4] 【言付ける・託ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ことづ・く
〔古くは「ことつく」と清音〕
(1)伝言や物を人に頼んで,先方に届けてもらう。「よろしくと―・ける」「田舎の名産を知人に―・ける」
(2)口実にする。かこつける。「その夜のことに―・けてこそ罷り絶えにしか/源氏(帚木)」

言伝

ことづて [0][4] 【言伝】
〔古くは「ことつて」〕
(1)人に頼んで伝言してもらうこと。また,その言葉。伝言。「―を頼む」
(2)他の人から伝え聞くこと。「風のたよりの―も絶えて久しくなりければ/平家 10」

言伝

ことづて【言伝】
⇒言(こと)付け.

言伝え

いいつたえ【言伝え】
(a) tradition;→英和
(a) legend.→英和

言伝え

いいつたえ イヒツタヘ [0] 【言(い)伝え】
何代もにわたって人から人に口づてに伝えられてきた話・伝説。「土地の―」

言伝える

いいつた・える イヒツタヘル [5] 【言(い)伝える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひつた・ふ
(1)口づてに話を後世に伝える。語り伝える。「村に―・えられてきた話」
(2)言葉を取り次ぐ。伝言する。「かかる事―・ふるは,いみじく忌(イ)むなるものを/源氏(帚木)」

言伝つ

ことづ・つ 【言伝つ】 (動タ下二)
〔「ことつつ」とも。未然形・連用形・命令形の用例がある〕
ことづてをする。「やよや待て山郭公(ヤマホトトギス)―・てむ/古今(夏)」「北へゆくかりの翅(ツバサ)に―・てよ/新古今(離別)」

言値

いいね イヒ― [0] 【言(い)値】
売り手の言うとおりの値段。
⇔付け値
「―で買う」

言偏

ごんべん [0] 【言偏】
漢字の偏の一。「記」「話」などの「言」の部分。

言入れる

いいい・れる イヒ― [4] 【言(い)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 いひい・る
(1)申し込む。特に,結婚を申し込む。「いずれ真砂町様へ―・れるに違ひますまい/婦系図(鏡花)」
(2)中にいる人に向かって外からものを言う。「山より,僧都の御消息にて,参りたる人なんある,と―・れたり/源氏(夢浮橋)」
(3)物の中や人の耳に,言葉を入れ込めるように,言う。「もの言はまほしくなれば,穴を掘りては―・れ侍りけめ/大鏡(序)」

言兼ねる

いいか・ねる イヒ― [4] 【言(い)兼ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 いひか・ぬ
(1)口に出して言うことをためらう。「私の口からは―・ねる」
(2)「言いかねない」の形で,「言うかもしれない」の意を表す。「やめる,などと―・ねない」

言出し

いいだし イヒ― [0] 【言(い)出し】
(1)他の人に先がけて言うこと。
(2)話や歌の最初の文句。

言出しっ屁

いいだしっぺ イヒ― [4][6] 【言(い)出しっ屁】
〔「いいだしべ」の促音添加。最初に臭いと言い出した人がおならをした人だ,ということから〕
何かをしようと言い出した人。また,提案した人がまず始めること。

言出す

いいだ・す イヒ― [3] 【言(い)出す】 (動サ五[四])
(1)言い始める。「留学したいと―・す」
(2)他の人に先がけて最初に言う。「やめようと―・すのはいつも彼だ」
(3)口に出して言う。口にする。切り出す。「いちど―・したらあとへ引かない」
[可能] いいだせる

言出づ

こち・ず コチヅ 【言出づ】 (動ダ下二)
〔「こといづ」の転〕
言葉に出す。「我(ア)が下延(バエ)を―・でつるかも/万葉 3371」

言出づ

ことい・ず 【言出づ】 (動ダ下二)
言葉に出す。言い出す。「われさかしに―・でむもあいなし/源氏(夕霧)」

言分

いいぶん イヒ― [0] 【言(い)分】
(1)言いたい事柄。主張。文句。「相手の―をよく聞く」「ずいぶん失礼な―だ」「何か―があるか」
(2)口論。「―してぞ帰りける/浮世草子・胸算用 4」

言分け

いいわけ イヒ― [0] 【言(い)訳・言(い)分け】 (名)スル
(1)自分の言動を正当化するために事情を説明すること。また,その説明。弁解。「―は聞きたくない」
(2)筋道をたてて物事を説明すること。解説。
(3)過失・失敗などをわびること。謝罪。「義理ある中の―と/人情本・梅児誉美 3」
(4)言葉をつかい分けること。《言分》「場面による―」

言分ける

いいわ・ける イヒ― [4] 【言(い)分ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひわ・く
(1)筋道を立てて説明する。はっきりとわかるように言う。「如何なる事ぞと問ひけれども,朦朧として―・くる事もなし/御伽草子・狐」
(2)事情などを話して人を分けて遣わす。「二人をのみぞ,この御方に―・けたりける/源氏(手習)」

言切り

いいきり イヒ― [0] 【言(い)切り】
末尾に用言・助詞・助動詞などがきて文が完結すること。文の終止。

言切る

いいき・る イヒ― [3] 【言(い)切る】 (動ラ五[四])
(1)自信や決意をもってはっきり言う。断言する。「絶対に間違いはないと―・る」
(2)言い終わる。最後まで言う。「思うことを半分も―・らないうちに時間になった」
(3)はっきり言葉に出して相手との関係を断つ。「右近は―・りつる由言ひゐたるに/源氏(浮舟)」
[可能] いいきれる

言別く

ことわ・く 【辞別く・言別く】 (動カ四)
言葉を特に改めていう。祝詞や宣命で用いる語。「―・きて伊勢にます天照らす大御神の大前に申さく/祝詞(祈年祭)」

言前

いいまえ イヒマヘ [0] 【言(い)前】
(1)物の言い方。口まえ。「単に口先の―と思はなければならなかつた/明暗(漱石)」
(2)言いわけ。口実。「一寸町へ出て来るといふ―/彼岸過迄(漱石)」

言加ふ

ことくわ・う 【言加ふ】 (動ハ下二)
(1)横から人の話に口を出す。差し出口をする。「男(オノコ)は―・へ候ふべきにあらず/枕草子 23」
(2)唱和する。「兵部卿宮,青柳折り返しおもしろく謡ひ給ふ。あるじのおとども―・へ給ふ/源氏(胡蝶)」

言動

げんどう【言動】
<be careful in> one's speech and action.

言動

げんどう [0] 【言動】
言葉と行動。言行。「不用意な―」

言勝つ

いいか・つ イヒ― [3] 【言(い)勝つ】 (動タ五[四])
言い争って勝つ。言い負かす。「結局,口のうまい奴が―・った」
[可能] いいかてる

言募る

いいつの・る イヒ― [4] 【言(い)募る】 (動ラ五[四])
調子に乗ったり,興奮したりして次第に激しい口調になる。「互いに意地になって―・る」

言及

げんきゅう [0] 【言及】 (名)スル
話がある事にまで及ぶこと。「進退問題に―する」

言及する

げんきゅう【言及する】
refer[make reference] <to> ;→英和
allude <to> ;→英和
mention.→英和

言及ぶ

いいおよ・ぶ イヒ― [4] 【言(い)及ぶ】 (動バ五[四])
あることに話が触れる。言及する。「会社の内情にまで―・ぶ」

言古す

いいふる・す イヒ― [4] 【言(い)古す・言い旧す】 (動サ五[四])
何度も言って,耳新しくなくなる。「―・されたことだが…」

言句

ごんく [1] 【言句】
言葉。ひとくさりの言葉。一言一句。「面(ツラ)を赤くして―もなし/当世書生気質(逍遥)」

言句

げんく [1] 【言句】
言葉。文句。ちょっとした言葉。

言吃り

ことどもり 【言吃り】
どもること。また,その人。「すこし―する人の,いみじうつくろひ/枕草子 90」

言合い

いいあい イヒアヒ [0] 【言(い)合い】 (名)スル
言い争い。口げんか。口論。「激しく―している」

言合う

いいあ・う イヒアフ [3] 【言(い)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに言う。口々に言う。「冗談を―・う仲」
(2)口げんかをする。口論する。「同僚と―・う」

言向く

ことむ・く 【言向く】 (動カ下二)
話して相手を自分の意に従わせる。説き伏せる。また,服従させる。「ちはやぶる神を―・けまつろはぬ人をも和(ヤワ)し/万葉 4465」

言含める

いいふく・める イヒ― [5] 【言(い)含める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひふく・む
(目下の人に)物事の事情や内容をよくわかるように言って聞かせる。「事情を―・める」

言咎め

こととがめ 【言咎め】
言いとがめること。問責。「人の見て―せぬ夢にだに止まず見えこそ/万葉 2958」

言問

こととい コトトヒ 【言問】
東京都墨田区向島,隅田川東岸辺りの旧地名。「伊勢物語」の「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」の歌にちなむという。

言問ひ

ことどい 【言問ひ】
〔「こととい」とも〕
たずね問うこと。親しく話をすること。「ただ今夜(コヨイ)逢ひたる児らに―もいまだせずしてさ夜そ明けにける/万葉 2060」

言問ふ

ことと・う 【言問ふ・事問ふ】 (動ハ四)
〔「ことどう」とも〕
(1)ものを言う。話をする。「―・はぬ木にはありとも/万葉 82」
(2)ものを言いかける。尋ねる。「名にし負はばいざ―・はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと/伊勢 9」
(3)訪れる。訪問する。「わづかに―・ふものとては,峯に木づたふ猿のこゑ/平家(灌頂)」
(4)男女が言い交わす。「我が妻に人も―・へ/万葉 1759」

言問団子

ことといだんご コトトヒ― [5] 【言問団子】
東京都の言問橋辺りで売っている名物の団子。

言問橋

ことといばし コトトヒ― 【言問橋】
隅田川に架かる橋。東京都台東区浅草と墨田区向島を結ぶ。

言喧く

ことさえく 【言喧く】 (枕詞)
言葉の分かりにくいことから,外国である「韓(カラ)」「百済(クダラ)」などを含む地名「百済の原」「韓の崎」などにかかる。「―辛(カラ)の崎なるいくりにそ/万葉 135」「―百済の原ゆ/万葉 199」

言囂し

ことがま・し 【言囂し】 (形シク)
口やかましい。口うるさい。「いと―・しき者なりければ/大和(御巫本)」

言回し

いいまわし イヒマハシ [0] 【言(い)回し】
言い表し方。表現。「たくみな―」「持って回った―」

言回し

いいまわし【言回し】
(a turn of) expression;→英和
diction.→英和
うまい(へたな)〜 a happy (clumsy) expression.

言回す

いいまわ・す イヒマハス [4] 【言(い)回す】 (動サ五[四])
(1)うまく言い表す。巧みに表現する。「むべむべしく―・し侍るに/源氏(帚木)」
(2)言い広める。「同類どもに,『かかる所こそあれ』と,―・して/宇治拾遺 3」
(3)遠まわしに言う。[日葡]
[可能] いいまわせる

言外

げんがい [0][1] 【言外】
直接言葉としては表現されていない部分。「―にほのめかす」「―の意味をくみとる」

言外の

げんがい【言外の】
unexpressed;implied.→英和
〜の意味を読む read between the lines.〜にほのめかす hint <at,that…> .→英和

言失

ごんしつ 【言失】
いいそこない。失言。げんしつ。「酔狂の余り,―仕ると覚えたり/曾我 8」

言好し

ことよ・し 【言好し】 (形ク)
言葉が巧みだ。口がうまい。「かかる方に―・きも,心づきなくおぼえ給へど/源氏(宿木)」

言始める

いいはじ・める イヒ― [5] 【言(い)始める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひはじ・む
(1)だれも言わなかった考えや言葉を最初に言う。「これは彼が―・めた説だ」
(2)話し始める。語り出す。「ためらいながら―・めた」
(3)異性に言い寄り始める。「たよりをたづねてもの―・めてけり/平中 27」

言寄さす

ことよさ・す 【事寄さす・言寄さす】 (動サ四)
〔「ことよす」の尊敬語〕
御委任になる。「大山守命(オオヤマモリノミコト)に―・して山川林野を掌らしむ/日本書紀(応神訓)」

言寄せる

ことよ・せる [0][4] 【言寄せる・事寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二ことよ・す
(1)口実にする。かこつける。「仕事に―・せて外出する」
(2)ことづけをする。伝言する。「忍びあまり天の川瀬に―・せむせめては秋を忘れだにすな/新古今(恋二)」
(3)言葉によって助力する。「天地(アメツチ)の神―・せて/万葉 546」
(4)うわさを立てる。「君が手取らば―・せむかも/万葉 1109」

言寄る

いいよ・る イヒ― [3] 【言(い)寄る】 (動ラ五[四])
(1)親しくなろうとして,異性に近づく。くどく。「―・ってふられた」
(2)話しかけながら近寄る。「ここなる物とり侍らむなど―・りて/枕草子 3」
(3)頼りにする。頼み込む。「―・るべき頼もしき人も思えず/源氏(玉鬘)」
[可能] いいよれる

言寿ぎ

ことほぎ [4] 【言寿ぎ・言祝ぎ・寿】
言葉によって祝福すること。ことぶき。ことほがい。「ことごとしきわざはえものせず,―をぞさまざまにしたる/蜻蛉(下)」

言少な

ことずくな 【言少な】 (形動ナリ)
「言葉少な」に同じ。「子めかしう―なる物からをかしかりける/源氏(宿木)」

言広める

いいひろ・める イヒ― [5] 【言(い)広める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひひろ・む
広く世間に知らせる。口づてに多くの人に知らせる。「よい店だという評判が―・められた」

言張る

いいは・る イヒ― [3] 【言(い)張る】 (動ラ五[四])
自分の主張をどこまでも通そうとする。「無実であると―・る」
[可能] いいはれる

言当てる

いいあ・てる イヒ― [4] 【言(い)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひあ・つ
推量して言ったことが事実に合っている。予想が的中する。「相手の心配事を―・てる」

言後れる

いいおく・れる イヒ― [5][0] 【言(い)遅れる・言(い)後れる】 (動ラ下一)
もっと早く言うべきことが,後回しになる。

言忌み

こといみ 【言忌み】
不吉な言葉をさけること。「をかしうともいはず―もしあへず/紫式部日記」

言志四録

げんししろく 【言志四録】
佐藤一斎の著,「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋(テツ)録」四書の総称。

言志録

げんしろく 【言志録】
漢学・倫理書。一冊。佐藤一斎著。1824年刊。学問的な立場から死生観や倫理観などを述べ,修身・求道などを説いたもの。「言志後録」「言志晩録」「言志耋(テツ)録」とともに「言志四録」と称される。

言悩む

いいなや・む イヒ― [4] 【言(い)悩む】 (動マ五[四])
(1)思うように言えず苦労する。表現に困る。「適切な言葉がなくて―・む」
(2)なかなか言い出せなくて困る。

言慣らす

いいなら・す イヒ― [4] 【言(い)慣らす】 (動サ五[四])
「いいならわす」に同じ。「日常―・した言い方」

言成す

ことな・す 【言成す】 (動サ四)
(1)言葉に出す。告げる。「うつせみの八十(ヤソ)言のへは繁くとも争ひかねて我(ア)を―・すな/万葉 3456」
(2)うわさする。言いはやす。「紅の深染めの衣下に着て上に取り着ば―・さむかも/万葉 1313」

言成り

いいなり イヒ― [0] 【言(い)成り】
無批判に人の言葉に従うこと。言うがまま。言うなり。「人の―になる」

言成り三宝

いいなりさんぼう イヒ― 【言(い)成り三宝】
言いなりにしたりさせたりすること。言い成り次第。「病人の―にして上げなせえ/滑稽本・浮世風呂 2」

言成り放題

いいなりほうだい イヒ―ハウ― [5] 【言(い)成り放題】
「言い成り次第」に同じ。

言成り次第

いいなりしだい イヒ― [5] 【言(い)成り次第】
何もかも言うとおりになること。また,そうすること。

言承け

ことうけ 【言承け】
受け答え。返辞。返答。うけあい。「都の人は―のみよくて実なし/徒然 141」

言抜け

いいぬけ イヒ― [0] 【言(い)抜け】
言い抜けること。言いのがれ。

言抜け

いいぬけ【言抜け】
an evasion;→英和
dodging; <make> an excuse.→英和
〜をする evade <a question> ;→英和
dodge;→英和
excuse oneself.

言抜ける

いいぬ・ける イヒ― [4] 【言(い)抜ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひぬ・く
うまく言いつくろって罪や責任を逃れる。言い逃れる。「その場はうまく―・けた」

言挙げ

ことあげ [0][4] 【言挙げ】 (名)スル
言葉に出して言い立てること。言葉に呪力があると信じられた上代以前には,むやみな「言挙げ」は慎まれた。揚言。「葦原の瑞穂の国は神ながら―せぬ国然れども―ぞ我がする/万葉 3253」

言捨て

いいすて イヒ― [0] 【言(い)捨て】
〔「いいずて」とも〕
(1)言っただけで返事を聞かずにおくこと。言い放し。
(2)(中世,連歌が懐紙に書き記されたのに対し)正式に記録されない,即興の俳諧の連歌。「このさとに旅寝せしをりをりの―集めて『冬の日』といふ/曠野」
(3)点取りをしない俳諧。

言捨てる

いいす・てる イヒ― [4] 【言(い)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひす・つ
(1)返事は聞かなくてもいいかのように言うだけ言ってしまう。言い放つ。「憎々しげに―・てて立ち去る」
(2)慎重に用意せずに言う。何気なく言う。「ただいかに―・てたることくさも,皆いみじく聞ゆるにや/徒然 14」
(3)連歌・俳諧で,句を読み,記録しないでおく。

言掛け

いいかけ イヒ― [0] 【言(い)掛け】
(1)話しかけること。また,話しかけた話を途中でやめること。
(2)「掛け詞(コトバ)」に同じ。
(3)言いがかりをつけること。「銀が欲しくはきたない―せうより/浄瑠璃・生玉心中(上)」
(4)なぞなぞの問いかけの言葉。「それは―で合点ぢや,其さつまの守の心をおしやれといふに/狂言・薩摩守(虎寛本)」

言掛ける

いいか・ける イヒ― [4] 【言(い)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひか・く
(1)あることを話し始める。「―・けてやめる」
(2)人に,話したり,手紙などで言葉をかける。「無理難題を―・ける」
(3)和歌などで,掛け詞(コトバ)を使う。
(4)罪などを人に負わせるように言う。「盗人ト―・ケテ/天草本伊曾保」

言換え

いいかえ イヒカヘ [0] 【言(い)換え・言(い)替え】
同じ事柄を別の言葉で言い表すこと。また,その言葉。「―がきかない」

言換える

いいか・える イヒカヘル [4][3] 【言(い)換える・言(い)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひか・ふ
同じ事柄を別の言葉で言い表す。言い直す。「わかりやすく―・える」

言損じ

いいそんじ イヒ― [0] 【言(い)損じ】
言いまちがい。言い誤り。

言損ない

いいそこない イヒソコナヒ [0] 【言(い)損ない】
言いそこなうこと。言いまちがい。

言損なう

いいそこな・う イヒソコナフ [5] 【言(い)損なう】 (動ワ五[ハ四])
(1)まちがって言う。言い誤る。「答えを―・う」
(2)言うべきことを言わないでしまう。「肝心な用件を―・う」

言放つ

いいはな・つ イヒ― [4] 【言(い)放つ】 (動タ五[四])
思ったままをはっきり言う。きっぱりと言う。「満座の中で―・つ」

言教

ごんきょう [0] 【言教】
〔仏〕 仏が言葉で示した教え。

言散らす

いいちら・す イヒ― [4] 【言(い)散らす】 (動サ五[四])
(1)あたりかまわず言う。無責任に言う。「悪口雑言を―・す」
(2)あちこちで言う。言いふらす。「尼になして,我が世のあらむ限りはもたらむと,―・したれば/源氏(玉鬘)」
[可能] いいちらせる

言文

げんぶん [0] 【言文】
話し言葉と書き言葉。

言文一致

げんぶんいっち [0] 【言文一致】
日常用いられる話し言葉によって文章を書くこと。また,特に明治期を中心として行われた文体改革運動をいう。明治初期よりその運動ならびに実践が行われ,二葉亭四迷・山田美妙・尾崎紅葉らが小説に試み,明治40年代以降,小説の文体として確立した。その後次第に普及して,今日の口語文にいたっている。

言文一致

げんぶんいっち【言文一致】
the unification of written and spoken language.〜体(の) (written in) colloquial style.

言方

いいかた イヒ― [0] 【言(い)方】
ものの言いよう。言葉づかい。「―が気に入らない」

言旧る

ことふ・る 【事旧る・言旧る】 (動ラ上二)
言いふるされる。「みな源氏物語・枕草子などに―・りにたれど/徒然 19」

言明

げんめい [0] 【言明】 (名)スル
(1)言葉に出してはっきり言うこと。明言。「―を避ける」「知事は公約実現を―した」
(2)〔論〕 一定の意味内容をもった文を述べる行為。または,述べられた事柄。立言。

言明する

げんめい【言明する】
declare;→英和
state;→英和
make a statement.→英和
〜をさける do not make any comment.

言書き

ことがき 【言書き】
和歌の初めに書きそえた作歌の趣意。詞書(コトバガキ)。「一首の歌に―を書き副へたりける/太平記 15」

言替え

いいかえ イヒカヘ [0] 【言(い)換え・言(い)替え】
同じ事柄を別の言葉で言い表すこと。また,その言葉。「―がきかない」

言替える

いいか・える イヒカヘル [4][3] 【言(い)換える・言(い)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひか・ふ
同じ事柄を別の言葉で言い表す。言い直す。「わかりやすく―・える」

言条

いいじょう イヒデウ [0] 【言(い)条】
(1)言うべきことがら。言い分。「成らう事なら叔母の―を立てて/浮雲(四迷)」
(2)(「…と(は)言い条」の形で)とはいうものの。とはいっても。言う条。「調べものとは―,半分は写しものである/永日小品(漱石)」

言柄

ことがら 【言柄】
(1)ことばの品位。ことばの趣。「今の世の人の詠みぬべき―とは見えず/徒然 14」
(2)歌の風体・姿。「此の歌は―やさしとて勝ちにき/無名抄」

言様

いいよう イヒヤウ [0] 【言(い)様】
表現の仕方。言い方。「ものも―で角(カド)が立つ」

言様

いいざま イヒ― [0] 【言(い)様】
〔古くは「いいさま」とも〕
■一■ (名)
言い方。言いぶり。「―が気に入らない」
■二■ (副)
言うと同時に。言うやいなや。「『悔しい』と―泣き伏した」

言歩く

いいある・く イヒ― [4] 【言(い)歩く】 (動カ五[四])
言い触らして歩く。

言残す

いいのこ・す イヒ― [4] 【言(い)残す】 (動サ五[四])
(1)言うべきことの一部を言わないままにする。言い漏らす。
(2)立ち去る人が,あとに残る人に言っておく。言いおく。「父の―・した言葉」
[可能] いいのこせる

言水

ごんすい 【言水】
⇒池西(イケニシ)言水

言泉

げんせん 【言泉】
国語辞典。芳賀矢一改修。六冊。1921〜29年(大正10〜昭和4)刊。落合直文著「ことばの泉」を増補改訂したもの。

言泉

げんせん [0] 【言泉】
泉のようにわき出る言葉。

言海

げんかい 【言海】
国語辞書。大槻文彦著。1889(明治22)〜91年刊。上代より近代までの語彙約三万九千語を五十音順に配列。見出しを仮名書きにし,漢字表記・品詞・語釈などを完備した最初の近代的国語辞典。ことばのうみ。
→大言海

言消す

いいけ・す イヒ― [3] 【言(い)消す】 (動サ五[四])
(1)相手の言葉を否定する。「一言の下に―・される/田舎教師(花袋)」
(2)前に言ったことを取り消す。「これは話さと口軽に―・して/化銀杏(鏡花)」
(3)悪く言う。けなす。「一と口に戯作と―・して了うが/社会百面相(魯庵)」
[可能] いいけせる

言添える

いいそ・える イヒソヘル [4] 【言(い)添える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いひそ・ふ
言葉を添える。言いたす。「最後に一言―・える」

言渋る

いいしぶ・る イヒ― [4] 【言(い)渋る】 (動ラ五[四])
ためらってなかなか言わない。「理由を―・る」

言渡し

いいわたし【言渡し】
an order (命令);→英和
a sentence (宣告).→英和
〜を受ける be sentenced <to death> .

言渡し

いいわたし イヒ― [0] 【言(い)渡し】
言い渡すこと。「判決の―」

言渡す

いいわた・す イヒ― [4] 【言(い)渡す】 (動サ五[四])
(1)命令・判決・決定などを口頭で知らせる。宣告する。「判決を―・す」
(2)言葉を伝える。「かさねて誰―・すべき打橋なし/読本・春雨(死首のゑがほ)」
[可能] いいわたせる

言滑らす

いいすべら・す イヒ― [5] 【言(い)滑らす】
■一■ (動サ五[四])
言ってはならぬことをうっかり言う。口をすべらす。「いはでものこと―・せ/桐一葉(逍遥)」
■二■ (動サ下二)
{■一■}に同じ。「底意の悪を座興になし,―・する油口/浄瑠璃・浦島年代記」

言漏らす

いいもら・す イヒ― [4] 【言(い)漏らす・言い洩らす】 (動サ五[四])
(1)言うべきことの一部分を言い忘れる。言い落とす。「肝心なことを―・す」
(2)秘密を他にもらす。口外する。「おのづから物―・しつべき眷属/源氏(夕顔)」

言疾し

ことと・し 【言疾し】 (形ク)
うわさがひどい。人の口がやかましい。「―・くは中は淀ませ水(ミ)無し川/万葉 2712」

言白ける

いいしら・ける イヒ― [5] 【言(い)白ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひしら・く
〔「いいじらける」とも〕
(1)言ったことでその場の興趣がなくなる。「言へば言ふほど―・け/浄瑠璃・大職冠」
(2)折をみて話をやめる。「笑ひをしほに―・け/浄瑠璃・反魂香」
(3)言い争って,分(ブ)が悪くなる。「傲慢第一の守屋の臣(オミ)―・けてぞ見えにける/浄瑠璃・聖徳太子」

言直す

いいなお・す イヒナホス [4] 【言(い)直す】 (動サ五[四])
(1)前に言ったことをもう一度言う。
(2)前に言ったことを訂正してもう一度言う。「お前と言い掛けて,あなたと―・した」
[可能] いいなおせる

言知れず

いいしれ∘ず イヒ― 【言(い)知れず】 (連語)
「言い知れぬ」に同じ。

言知れない

いいしれ∘ない イヒ― 【言(い)知れない】 (連語)
「言い知れぬ」に同じ。「―感動」

言知れぬ

いいしれ∘ぬ イヒ― 【言(い)知れぬ】 (連語)
言葉では表せない。なんとも言いようがない。言い知れない。「―悲しみにおそわれる」

言破る

いいやぶ・る イヒ― [4] 【言(い)破る】 (動ラ五[四])
(1)論破する。言い負かす。「論客を―・る」
(2)言ってのける。道破する。「自分の未来を明瞭に―・る丈の考へも/それから(漱石)」
(3)相手の悪口を言う。非難する。「例の,―・り給へど/源氏(蜻蛉)」
[可能] いいやぶれる

言祝ぎ

ことほぎ [4] 【言寿ぎ・言祝ぎ・寿】
言葉によって祝福すること。ことぶき。ことほがい。「ことごとしきわざはえものせず,―をぞさまざまにしたる/蜻蛉(下)」

言祝ぐ

ことほ・ぐ [3] 【言祝ぐ・寿ぐ】 (動ガ五[四])
〔上代は「ことほく」〕
言葉で祝福する。祝いの言葉を述べて,幸運を祈る。「新春を―・ぐ」「天つ奇(クス)し護言(イワイゴト)をもちて―・き鎮め白(マオ)さく/祝詞(大殿祭)」

言祝ひ

ことほがい 【言祝ひ】
「言寿(コトホ)ぎ」に同じ。

言種

ことぐさ 【言種・言草】
(1)常に口にすること。口ぐせ。「朝夕の―に羽をならべ枝をかはさむと契らせ給ひしに/源氏(桐壺)」
(2)言葉のあや。「山の井なれば―にとりよせたるにてこそ侍るを/為兼和歌抄」
(3)話題。うわさのたね。「明日は世上の―に紙屋治兵衛が心中と/浄瑠璃・天の網島(下)」

言立つ

ことだ・つ 【言立つ】 (動タ下二)
はっきりと言葉に出して言う。言葉に出して誓う。「大君の辺にこそ死なめ顧みはせじと―・て/万葉 4094」

言立て

ことだて 【言立て】
はっきり言葉に表すこと。誓いを立てること。「世の人の立つる―/万葉 4106」

言立て

いいたて イヒ― [0] 【言(い)立て】
〔「いいだて」とも〕
(1)取り立てて言うこと。「わごりよは何も―にする様な芸は覚えぬが/狂言・八幡の前(虎寛本)」
(2)口実。「お勢は気分の悪いを―にして/浮雲(四迷)」
(3)物売りや芝居の口上。
(4)歌舞伎における口上の一。物事の由来・効能・物づくしなどを述べる長いせりふ。

言立てる

いいた・てる イヒ― [4] 【言(い)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 いひた・つ
(1)自説を強く主張する。「絶対反対だと―・てる」
(2)一つ一つ列挙して言う。「欠陥をこまごまと―・てる」
(3)口実にする。「女は病気を―・てて/あめりか物語(荷風)」

言笑

げんしょう [0] 【言笑】
話したり笑ったりすること。なごやかに語り合うこと。

言紛らす

いいまぎら・す イヒ― [5] 【言(い)紛らす】 (動サ五[四])
話題をすり替えたり,ごまかしたりして追及を逃れる。「夢の話に―・した」

言紛らわす

いいまぎらわ・す イヒマギラハス [6] 【言(い)紛らわす】 (動サ五[四])
(1)「いいまぎらす」に同じ。
(2)他人の話に口を出してじゃまをする。「さかしらにいらへうちしてこと人どもの―・す人いとにくし/枕草子(三一四・能因本)」

言継ぐ

いいつ・ぐ イヒ― [3] 【言(い)継ぐ】 (動ガ五[四])
(1)語り伝える。「代々―・がれてきた」
(2)前の言葉に続けて言う。「尚ほ―・がんとして苦しげに息す/源おぢ(独歩)」
(3)託された言葉を伝える。伝言する。「人ノ話ヲ―・イデヤル/ヘボン」

言継卿記

ときつぐきょうき トキツグキヤウキ 【言継卿記】
山科(ヤマシナ)言継の日記。三七冊。1527年から76年までの記録。皇室財政・有職故実・芸能などのほか,武将との交渉の記事も多い。

言続ける

いいつづ・ける イヒ― [5] 【言(い)続ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いひつづ・く
(1)繰り返し言う。何度も言う。「十年来―・けた結果,同調者もふえてきた」
(2)話し続ける。「…と―・けて泣けば/落窪 4」

言縁せ妻

ことよせづま 【言縁せ妻】
自分の妻だとうわさされている女。「里人の―を荒垣のよそにや我(ア)が見む/万葉 2562」
〔後世「言寄せ妻(=言イ寄ッタ女)」と解された〕

言繕う

いいつくろ・う イヒツクロフ [5] 【言(い)繕う】 (動ワ五[ハ四])
言葉巧みにごまかす。「その場をうまく―・う」
[可能] いいつくろえる

言置き

いいおき イヒ― [0] 【言(い)置き】 (名)スル
(1)言い残しておくこと。また,その言葉。「留守番の者に―しておきます」
(2)遺言。「人にも―などせられし/右京大夫集」

言置く

いいお・く イヒ― [3] 【言(い)置く】 (動カ五[四])
立ち去るときに話しておく。「留守中の注意を―・いて出かける」

言美はし

ことうるわ・し 【言美はし・言麗し】 (形シク)
言葉づかいが立派で端正だ。「ことに若くかたちよき人の―・しきは忘れがたく/徒然 233」

言習わし

いいならわし イヒナラワシ [0] 【言(い)習わし】
昔から世の中で言われてきている言葉や習慣。言いきたり。

言習わす

いいならわ・す イヒナラハス [5] 【言(い)習わす】 (動サ五[四])
昔から,または世間一般でそのように言う。言い慣らす。「昔から―・された格言」

言聞かす

いいきか・す イヒ― [4][0] 【言(い)聞かす】
■一■ (動サ五[四])
「いいきかせる」に同じ。「もう一度―・す必要がある」
■二■ (動サ下二)
⇒いいきかせる

言聞かせる

いいきか・せる イヒ― [5] 【言(い)聞かせる】 (動サ下一)[文]サ下二 いひきか・す
(1)(子供などに)十分に説明して納得させる。教えさとす。「道路で遊ばないように―・せる」
(2)話して聞かせる。「悪しきことを―・せければ/大和 156」

言舌

ごんぜつ 【言舌】
ものを言うこと。ものいい。弁舌。「生まれ付きて口吃り―明らかならざる上/浄瑠璃・反魂香」

言草

いいぐさ イヒ― [0] 【言い種・言(い)草】
(1)口に出す言葉。また,ものの言い方。「古い―だが」「―が気に入らない」
(2)言い訳。口実。「そんな―は通用しない」
(3)話の種。語りぐさ。
(4)言いがかり。「何もおらあおめえに―を言つて,やりこめられに来はしねえぜ/人情本・辰巳園 3」

言草

ことぐさ 【言種・言草】
(1)常に口にすること。口ぐせ。「朝夕の―に羽をならべ枝をかはさむと契らせ給ひしに/源氏(桐壺)」
(2)言葉のあや。「山の井なれば―にとりよせたるにてこそ侍るを/為兼和歌抄」
(3)話題。うわさのたね。「明日は世上の―に紙屋治兵衛が心中と/浄瑠璃・天の網島(下)」

言葉

ことば【言葉】
speech;→英和
language (言語);→英和
a word (語);→英和
a term (用語);→英和
a phrase (文句);→英和
a remark (発言);→英和
a language[tongue](国語);expression (言い方).→英和
〜をかわす(かける) talk[have a word]with (speak to).〜数の多い(少ない) talkative (taciturn).→英和
〜じりを捕える catch <a person> in his own words.〜巧みに with honeyed words.

言葉

けとば 【言葉】
〔上代東国方言〕
ことば。「父母が頭掻き撫で幸(サ)くあれて言ひし―ぜ忘れかねつる/万葉 4346」

言葉

ことば [3] 【言葉・詞・辞】
(1)人の発する音声のまとまりで,その社会に認められた意味を持っているもの。感情や思想が,音声または文字によって表現されたもの。言語。
(2)ものの言い方。ことばづかい。「丁寧な―を使いなさい」
(3)言語を文字に書き表したもの。文字。
(4)語彙(ゴイ)。単語。
(5)謡物・語り物の中で,節をつけない部分。《詞》
(6)和歌に対して,散文で書かれた部分。また,和歌の詞書(コトバガキ)。絵巻物の詞書。
(7)意味。理性。ロゴス。「はじめに―ありき」
(8)(「てにをは」に対して)体言・用言などの総称。詞(シ)。
(9)語気。ものの言いぶり。「思わず強い―になった」
(10)ことばのあや。たとえごと。「『どりやどりや塵を結んでやらう…』『なう,腹立ちや腹立ちや,それは―でこそあれ』/狂言・引括(虎寛本)」

言葉の園

ことばのその 【言葉の園】
言葉の数多いことを,庭園の草木の多いのにたとえていう語。詩歌の世界についていうことが多い。

言葉の林

ことばのはやし 【言葉の林】
言葉の数多いことを林の木が多いのにたとえていう語。「―昔よりもしげし/千載(序)」

言葉の泉

ことばのいずみ 【言葉の泉】
(1)たえずわき出る泉のように,言葉が限りなく豊かなことをいう語。詩文の発想が豊かなこと。「―も浅くなりにければ/栄花(駒競べの行幸)」
(2)書名(別項参照)。

言葉の海

ことばのうみ 【言葉の海】
言葉の数多く広いことを,海にたとえていう語。

言葉の玉

ことばのたま 【言葉の玉】
言葉の美しいことを玉にたとえていう語。

言葉の端

ことばのはし 【言葉の端】
ちょっとした言葉。言葉のすえ。言葉じり。「不快な感情が―に表れる」

言葉の綾

ことばのあや 【言葉の綾】
言い回しの技巧。また,たくみな言い回し。「これは―で,決して悪意はありません」

言葉の花

ことばのはな 【言葉の花】
(1)美しい言葉。巧みな言葉。はなやかな言葉。「―の色ぞ少なき/続千載(釈教)」
(2)和歌。「手跡もなだらかに―も尋常なり/保元(下)」

言葉の露

ことばのつゆ 【言葉の露】
言葉,特に和歌を露にたとえて,その美しさ,もろさをいう語。「かきつめし―の数ごとに法の海にはけふやいるらん/玉葉(釈教)」

言葉争い

ことばあらそい [4] 【言葉争い】
言いあらそい。口げんか。口論。

言葉付き

ことばつき [0][3] 【言葉付き】
話す時の調子。ものの言いよう。「人に強い印象を与える―である/青年(鴎外)」

言葉偏

ことばへん [0] 【言葉偏】
⇒言偏(ゴンベン)

言葉典

ことばてん [0] 【言葉典】
「じてん(辞典)」に同じ。「事典」「字典」と区別していう。
⇔ことてん(事典)

言葉少な

ことばずくな [4] 【言葉少な】 (形動)[文]ナリ
〔「ことばすくな」とも〕
口数の少ないさま。ことずくな。寡言。「事の次第を―に語った」

言葉尻

ことばじり [0] 【言葉尻・言葉後】
(1)言葉の終わりの方。語尾。
(2)言い損じの部分。また,言葉のはしばし。

言葉巧み

ことばだくみ 【言葉巧み】
話し方が巧みなこと。口先がうまいこと。「―に勧誘する」

言葉後

ことばじり [0] 【言葉尻・言葉後】
(1)言葉の終わりの方。語尾。
(2)言い損じの部分。また,言葉のはしばし。

言葉戦い

ことばだたかい [4] 【言葉戦い】
(1)言いあらそうこと。口論。言い合い。
(2)戦場などで,戦(イクサ)の前にまず言葉で相手をやりこめようと争うこと。「其後は互に―はとまりにけれ/平家 11」

言葉数

ことばかず [4] 【言葉数】
(1)語数。
(2)口かず。

言葉敵

ことばがたき [4] 【言葉敵】
話し相手。「―の友もなく一人旅魂を慰めかぬる/緑簑談(南翠)」

言葉続き

ことばつづき 【言葉続き】
いいまわし。言葉づかい。「物いふ―のかたくななる事限りなし/平家 8」

言葉詰め

ことばづめ 【言葉詰め】
相手がのがれられないほどに問いつめること。「さあ,御契約はなんと��と,―/浄瑠璃・関八州繋馬」

言葉論

ことばろん 【言葉論】
口げんか。口論。「夜前,女(メ)ぢやものと―を致したれば/狂言記・貰聟」

言葉質

ことばじち [0] 【言葉質】
あとで証拠となる言葉。言質(ゲンチ)。「―ヲトル/ヘボン(三版)」

言葉返し

ことばがえし [4] 【言葉返し】
言い返し。口ごたえ。「お母(カカ)さんは何にを云ても己決して―をした事はないが/塩原多助一代記(円朝)」

言葉遊び

ことばあそび [4] 【言葉遊び】
⇒言語遊戯(ゲンゴユウギ)

言葉遣い

ことばづかい [4] 【言葉遣い】
言葉の選び方。また,使い方。「目上の人には―を注意しなさい」

言葉遣い

ことばづかい【言葉遣い】
wording;→英和
expression.→英和
〜に気をつける be careful of one's language[in one's choice of words].〜のていねいな(ぞんざいな) civil-spoken (rough-spoken).

言行

げんこう [0] 【言行】
口で言うことと実際のおこない。言葉とおこない。

言行

げんこう【言行】
one's sayings and doings.〜を一致させる suit the action to the word(s).→英和
‖言行録 memoirs.

言行一致

げんこういっち [0] 【言行一致】
言っていることとすることが一致していること。日ごろ主張しているとおり自分が行動すること。

言行録

げんこうろく [3] 【言行録】
ある人の言行の記録。折にふれての言葉やおこないの記録。

言表す

いいあらわ・す イヒアラハス [5] 【言(い)表す】 (動サ五[四])
(1)言葉で表現する。「味を言葉で―・すのはむずかしい」
(2)隠していた事を口に出して,人に知られる。「つひにこれを―・しつることなど笑ふに/枕草子 9」
[可能] いいあらわせる

言触らす

いいふら・す イヒ― [4] 【言(い)触らす】 (動サ五[四])
(人の悪事などを)多くの人に言って知らせる。「変なうわさを―・す」
[可能] いいふらせる

言触れ

ことぶれ [0][4] 【事触れ・言触れ】
(1)物事を広く世間に知らせること。また,広め知らせる人や物。「春の―」
(2)「鹿島(カシマ)の事触れ」に同じ。「かせぐに追ひ付く貧乏なしと―がいうてまはりしに/浮世草子・永代蔵 5」

言言

げんげん [0] 【言言】
言葉の一つ一つ。ひとことひとこと。

言言句句

げんげんくく [5] 【言言句句】
一語一句。一つ一つの言葉。

言訳

いいわけ イヒ― [0] 【言(い)訳・言(い)分け】 (名)スル
(1)自分の言動を正当化するために事情を説明すること。また,その説明。弁解。「―は聞きたくない」
(2)筋道をたてて物事を説明すること。解説。
(3)過失・失敗などをわびること。謝罪。「義理ある中の―と/人情本・梅児誉美 3」
(4)言葉をつかい分けること。《言分》「場面による―」

言訳

いいわけ【言訳】
<make> an excuse (弁明);→英和
(an) explanation (説明);an apology (わび);→英和
a pretext (口実).→英和
〜する excuse[explain]oneself;apologize <for one's fault> .→英和
〜に by way of apology.

言詞

げんし [1] 【言詞】
ことば。言辞。

言詰める

いいつ・める イヒ― [4] 【言(い)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 いひつ・む
(1)最後まで言う。「『もしや本田に…』と言ひ懸けて敢て―・めず/浮雲(四迷)」
(2)言葉で相手をやりこめる。言いこめる。[日葡]

言語

ごんご [1] 【言語】
〔「ごん」「ご」ともに呉音〕
(1)ものを言うこと。また,言い方。ことば。[日葡]
→げんご
(2)言葉で表せないほどであること。言語道断。「旦那大きに腹を立て,―憎き奴かな/咄本・あられ酒」

言語

げんご [1] 【言語】
(1)思想・感情・意志などを互いに伝達し合うための社会的に一定した組織をもつ,音声による記号とその体系。また,それによって伝達し合う行為。文字の使用を含めていうこともある。ことば。
〔「げん」は漢音,「ご」は呉音で,明治以後の語。それ以前は「げんぎょ」「ごんご」〕
(2)〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫の用いた語〕
「ラング((フランス) langue)」の訳語。

言語

げんぎょ 【言語】
〔「げん」「ぎょ」ともに漢音〕
「言語(ゲンゴ)」に同じ。「容貌悠美にして―分明也/平家 8」

言語

げんご【言語】
language;→英和
speech.→英和
〜に絶する be beyond description[words].‖言語学(者) philology (a philologist);linguistics (a linguist).言語障害 a speech impediment;《医》aphasia.

言語に絶する

ぜっする【言語に絶する】
be beyond words.古今に(想像に)〜 be unprecedented (unimaginable).

言語ゲーム

げんごゲーム [4] 【言語―】
〔language-game〕
〔哲〕 ウィトゲンシュタインの後期哲学を支える基本概念。言語活動を一定の規則に従った話し手と聞き手の間の相互行為と見る。二〇世紀の言語哲学および人文科学の方法論に大きな影響を与えた。

言語中枢

げんごちゅうすう [4] 【言語中枢】
言語活動をつかさどる脳の中枢。普通,左大脳半球にあり,言語を理解する感覚性言語中枢と言語を話す運動性言語中枢,および補足言語中枢の三つが重要。

言語分析

げんごぶんせき [4] 【言語分析】
〔哲〕 現代哲学の方法の一。科学言語や日常言語の構造を分析して概念の明瞭化を図ることにより,哲学的問題の解決を目指す。記号論理学を用いて言語表現の論理形式を解明する論理分析の立場と,日常言語の微妙な用法の差異を解明する日常言語分析の立場とに分かれる。分析哲学とも呼ばれ,英米哲学の主流を形づくる。

言語哲学

げんごてつがく [5][4] 【言語哲学】
言語の本質や起源,言語と思考との関係,言語学の基礎理論などを考察する学問。

言語問題

げんごもんだい [4] 【言語問題】
言語に関する種々の問題のうち,言語政策と関係するもの。どの言語を公用語あるいは標準語とするかなど,国語問題を含めてさらに広い範囲のものまでをさす。

言語四種論

げんぎょししゅろん 【言語四種論】
語学書。一巻。鈴木朖(アキラ)著。1824年刊。言語を「体ノ詞」「形状(アリカタ)ノ詞」「作用(シワザ)ノ詞」「テニヲハ」の四つに分けるべきことを述べる。

言語地図

げんごちず [4] 【言語地図】
言語の地理的分布状態を示した地図。
→方言地図

言語地理学

げんごちりがく [5] 【言語地理学】
言葉の地理的分布を言語地図によって研究する言語学の一分野。狭義には,その分布状態の比較・分析から言語の歴史的変化の跡を推定しようとする学問をさす。

言語学

げんごがく [3] 【言語学】
〔linguistics〕
言語を対象とする経験科学。言語の本質・構造・歴史的変化などを,音声・文法・意味その他各種の分野にわたって明らかにしようとする学問。明治時代には博言学といった。

言語島

げんごとう 【言語島】
ある言語や方言が広い地域にわたって使われていて,その内部のごく狭い範囲に限って他の言語を用いる地域が,海中の島のような状態で存在するもの。言語の島。

言語心理学

げんごしんりがく [6] 【言語心理学】
⇒心理言語学(シンリゲンゴガク)

言語政策

げんごせいさく [4] 【言語政策】
政府などの公的機関が行う,公用語・正書法の制定や言語の整理・改革・普及などをはかる施策。

言語治療士

げんごちりょうし [5] 【言語治療士】
〔speech therapist〕
言語障害児・言語障害者の診断・治療を行う専門職。言語療法士。ST 。

言語活動

げんごかつどう [4] 【言語活動】
(1)言語を話したり書いたり,あるいは聞いて,または読んで了解したりする,人間の行動一般。
(2)〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫の用いた語〕
「ランガージュ((フランス) langage)」の訳語。

言語生活

げんごせいかつ [4] 【言語生活】
人間生活の中で,読む・書く・話す・聞くという四つの言語行動が関係している部分。また,人間生活の一形態として見た場合の言語。

言語療法士

げんごりょうほうし [6] 【言語療法士】
⇒言語治療士(ゲンゴチリヨウシ)

言語相対説

げんごそうたいせつ [6] 【言語相対説】
〔theory of linguistic relativity〕
人間の思考・世界観などは話者の母語に依存しているという考え方。フンボルト・サピア・ウォーフなどの理論として有名。「サピア・ウォーフの仮説」とも言う。

言語社会学

げんごしゃかいがく [5] 【言語社会学】
言語を,特にその用いられる社会集団との関連において研究する学問。社会と言語との関連性,言語伝達の効果性,共通語の普及と方言の問題などを取り扱う。
→社会言語学

言語美学

げんごびがく [4] 【言語美学】
〔(ドイツ) Sprachästhetik〕
文体論の一種。芸術的な意図をもった文章の文体的な特徴を作者の全人格との関連において解明しようとする学問。

言語能力

げんごのうりょく [4] 【言語能力】
〔(linguistic)competence〕
ある言語の話し手が母語についてもっている言語構成能力や知識。「言語運用」と対比される。チョムスキーの用語。

言語芸術

げんごげいじゅつ [4] 【言語芸術】
詩歌・小説・戯曲など,言語を表現手段とする芸術の総称。

言語行動

げんごこうどう [4] 【言語行動】
言語記号により思想・意図・感情などを表出したり了解したりする社会慣習的な人間の伝達行動。話す・聞く・書く・読むの四つに大別される。

言語行為

げんごこうい [4] 【言語行為】
〔speech act〕
〔哲〕 言語の働きを,事実の描写や記述といった側面からではなく,命令や約束など行為の遂行といった側面から捉えた概念。イギリスの哲学者オースティンによって提唱され,人文・社会科学の方法論に影響を与えた。

言語論的転回

げんごろんてきてんかい [8] 【言語論的転回】
〔linguistic turn〕
〔哲〕 デカルト以降の近代哲学が「意識」を考察の出発点としたのに対し,二〇世紀の現代哲学が「言語」を基盤にして展開されたことをさす。特に,フレーゲ以後の分析哲学の興隆をさすことが多い。
→分析哲学

言語起源論

げんごきげんろん [5] 【言語起源論】
〔(ラテン) glottogenesis〕
言語の起源に関する言説の総称。ヘルダーやルソーに代表される一八世紀の言語起源論が有名。今日では,脳・類人猿・人工知能・言語習得などの研究で重要な論題。

言語遊戯

げんごゆうぎ [4] 【言語遊戯】
言語が本来もっている,意味を伝達するという機能は二の次にして,言語の発音や意味を利用した遊び。尻取り・なぞなぞ・しゃれ・地口・語呂合わせ・早口言葉など。回文や和歌での掛け詞などもこれに入る。ことば遊び。

言語運用

げんごうんよう [4] 【言語運用】
〔(linguistic)performance〕
ある言語の話し手が母語の知識(言語能力)を時間軸に沿って用いること。実際の言語行動。チョムスキーの用語。

言語過程説

げんごかていせつ [5] 【言語過程説】
時枝誠記の唱えた言語観。言語を,言語主体の表現および理解の過程そのものとして考えようとするもの。

言語道断

ごんごどうだん [1] 【言語道断】 (名・形動)[文]ナリ
〔「言葉で説明する道が断たれる」の意から〕
(1)〔仏〕 根本的な真理が言葉で説明しつくせないこと。
(2)あまり立派で言葉で言い表しようのないほどであること。「時々刻々の法施祈念,―の事どもなり/平家 1」
(3)あまりひどくて言葉も出ないほどであること。とんでもないこと。もってのほか。

言語道断な

ごんごどうだん【言語道断な】
outrageous;→英和
preposterous.→英和

言語障害

げんごしょうがい [4] 【言語障害】
言葉が話せない,正しく発音できない,思い出せないなど,言語に関する障害の総称。音声障害・構音障害・吃音・言語発達遅滞・失語症など。

言誤る

いいあやま・る イヒ― [5] 【言(い)誤る】 (動ラ五[四])
まちがって言う。言いそこなう。「駅名を―・る」

言説

ごんせつ 【言説】
「げんせつ(言説)」に同じ。「されば智弁・―何れもなじかは劣るべき/太平記 24」

言説

げんせつ [0] 【言説】 (名)スル
ものを言うこと。また,その言葉。ごんせつ。「難解な―をもてあそぶ」「一箇の特質として―する/真善美日本人(雪嶺)」

言談

げんだん [0] 【言談】
はなしをすること。また,はなし。

言論

げんろん【言論】
<freedom of> speech.→英和
‖言論界 the press.言論機関 an organ of public opinion.言論戦 <start> wordy warfare;a press campaign (新聞での).

言論

げんろん [0] 【言論】
言葉によって意見や思想を公表すること。話したり書いたりした意見。

言論の自由

げんろんのじゆう [7] 【言論の自由】
個人が直接にも間接にも抑圧を受けることなく自己の思想・信条・意見を公に発表できる自由。現行日本国憲法で保障されている。
→表現の自由

言論機関

げんろんきかん [8][7] 【言論機関】
新聞・雑誌・テレビ・ラジオなど,言語で思想を発表したり,意見を交わしたりするために活動する機関。

言論統制

げんろんとうせい [5] 【言論統制】
支配者が検閲その他の手段によって,新聞・ラジオ・テレビなどの報道や出版活動などを統制すること。

言諭す

いいさと・す イヒ― [4] 【言(い)諭す】 (動サ五[四])
物事の道理や教訓をかんでふくめるように説き聞かせる。

言議

げんぎ [1] 【言議】
議論すること。論議。「浅薄な―も多かつたらうが/青春(風葉)」

言負かす

いいまか・す イヒ― [4] 【言(い)負かす】 (動サ五[四])
言い争って相手を負かす。言い勝つ。「相手を―・す」
[可能] いいまかせる